説明

光走査装置

【課題】製造コストが小さく、信頼性が高い光走査装置を提供する。
【解決手段】走査部11は、2軸方向に揺動することにより光を走査する。梁部12は、走査部11が第1の方向の揺動可能なように、走査部11を支持する。可動支持部15は、梁部12を支持する。駆動部14は、走査部11を第1の方向に揺動させるように駆動する。ワイヤ17は、可動支持部15が第1の方向と直交する第2の方向の揺動可能なように、一端側において可動支持部15を支持し、駆動部14と電気的に接続する。導電性材料31は、ワイヤ17の一端側と可動支持部15とを固定する。固定支持部21は、ワイヤ17の他端側においてワイヤ17を支持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光を二次元に走査する光走査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザプロジェクタやヘッドマウントディスプレイ等の投射型の表示装置、レーザプリンタ、バーコードリーダ等に、光を走査する光走査装置が用いられる。光走査装置としてポリゴンミラー、ガルバノミラー等を用いたものが知られているが、近年、微小電気機械システム(MEMS)技術により製造された超小型の光走査装置が注目されている。
【0003】
投射型の表示装置は、水平方向及び垂直方向の走査(例えばラスタ走査)を行う必要がある。投射型の表示装置は、一般に周波数10kHz〜50kHz程度の水平方向の走査と、周波数30Hz〜500Hz程度(水平方向の1/1000〜1/100程度)の垂直方向の走査とを組み合わせ、±10°〜±30°程度の走査角が必要とされる場合が多い。
【0004】
水平方向の1軸方向のみ走査を行う光走査装置が、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1の光走査装置は、剛性が高いシリコン(Si)ウェハから形成され、機械的強度に関する共振周波数で高速駆動されることにより、必要な走査角を達成するものである。上述のように、一般に垂直方向の走査周波数は、水平方向の走査周波数より低く、Siを軸部に用いた特許文献1の光走査装置を垂直方向の走査に用いるのは困難である。Siを軸部に用いて低速駆動を行うには、軸部を薄く、或いは長くする必要があり、光走査装置の生産性、信頼性が低下する虞がある。
【0005】
一方、垂直方向及び水平方向の2軸方向の走査を行う光走査装置が、例えば特許文献2に開示されている。特許文献2の光走査装置は、ポリイミド等の樹脂からなる軸部を用いることにより、共振周波数における低速駆動を達成するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−57586号公報
【特許文献2】特開2004−198648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
投射型の表示装置は、長時間の使用を考慮して設計される必要があり、光走査装置は、例えば連続1万時間以上の駆動耐久性を確保するように設計される。樹脂は、弾性変形領域においても変形にヒステリシスを持ち、破壊限界以下の応力であっても、長時間、周期的に応力がかかると、徐々に弾性が失われ、破壊される。特に高温下では、機械特性が変化し、疲労劣化も激しい。例えばポリイミドは、25℃でヤング率300MPaであるが、80℃ではヤング率が−10〜−20%程度低下してしまう。
【0008】
よって、特許文献2のように樹脂を軸部に用いた光走査装置は、ヒステリシスが生じ、長時間の使用によりヤング率が下がり、共振周波数が下がっていき、安定した駆動を保てない虞がある。また、樹脂で形成された軸部に駆動信号を供給する配線を設けると、剛性の異なる材料が重なることにより、ヒステリシス、ウォブルを生じ、走査の精度が低下し、解像度の低下を招いてしまう他、疲労により断線を起こす可能性がある。
【0009】
上記問題点を鑑み、本発明は、製造コストが小さく、信頼性が高い光走査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、2軸方向に揺動することにより光を走査する走査部(11)と、前記走査部(11)が第1の方向の揺動可能なように、前記走査部(11)を支持する梁部(12)と、前記梁部(12)を支持する可動支持部(15)と、前記走査部(11)を前記第1の方向に揺動させるように駆動する駆動部(14)と、前記可動支持部(15)が前記第1の方向と直交する第2の方向の揺動可能なように、一端側において前記可動支持部(15)を支持し、前記駆動部(14)と電気的に接続するワイヤ(17)と、前記ワイヤ(17)の一端側と前記可動支持部(15)とを固定する導電性材料(31)と、前記ワイヤ(17)の他端側において前記ワイヤ(17)を支持する固定支持部(21)とを備える光走査装置であることを要旨とする。
【0011】
また、本発明の第1の態様に係る光走査装置においては、前記ワイヤ(17)は、バネ性を有する金属からなることができる。
【0012】
また、本発明の第1の態様に係る光走査装置においては、前記ワイヤ(17)は、耐食性のメッキ処理がされていることができる。
【0013】
また、本発明の第1の態様に係る光走査装置においては、前記ワイヤ(17)は、前記第1の方向に平行に複数設けられ、前記複数のワイヤ(17)すべてが、前記可動支持部(15)の揺動の回転軸から等距離に配置されることができる。
【0014】
また、本発明の第1の態様に係る光走査装置においては、前記走査部(11)は平板状であり、前記ワイヤ(17)は、前記走査部(11)を挟んで対向配置されていることができる。
【0015】
また、本発明の第1の態様に係る光走査装置においては、前記可動支持部(15)は、前記可動支持部(15)の表面を開口する溝部(18)を有し、前記導電性材料(31)は、前記溝部(18)において前記ワイヤ(17)と前記可動支持部(15)とを固定することができる。
【0016】
また、本発明の第1の態様に係る光走査装置においては、前記溝部(18)は、前記ワイヤ(17)の線径よりも広い幅を有することができる。
【0017】
また、本発明の第1の態様に係る光走査装置においては、前記溝部(18)は、ダイシングソーにより形成されていることができる。
【0018】
また、本発明の第1の態様に係る光走査装置においては、前記可動支持部(15)は、前記溝部(18)近傍に、前記導電性材料(31)をため込む堀部(19)を有することができる。
【0019】
また、本発明の第1の態様に係る光走査装置においては、一端側において前記梁部(12)を支持し、駆動されることにより前記走査部(11)を前記第1の方向に揺動させるアーム部(13)と、前記アーム部(13)に設けられた圧電モノモルフ(14)とを更に備え、前記圧電モノモルフ(14)と前記ワイヤ(17)とが電気的に接続されることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、製造コストが小さく、信頼性が高い光走査装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態に係る光走査装置の基本的な構成を説明する模式的な斜視図である。
【図2】(a)は、本発明の実施の形態に係る光走査装置を説明する模式的な斜視図である。(b)は、図1(a)の上方から見た模式的な平面図である。
【図3】図2(b)のA−A方向から見た模式的な拡大断面図である。
【図4】(a)は、光走査装置のワイヤの状態を説明する模式的な拡大断面図である。(b)は、本発明の実施の形態に係る光走査装置のワイヤの状態を説明する模式的な拡大断面図である。
【図5】(a)は、本発明の実施の形態に係る光走査装置のワイヤの固定部を説明する模式的な断面図である。(b)は、図5(a)のB−B方向から見た模式的な断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る光走査装置の溝部を説明する模式的な断面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る光走査装置の溝部の変形例を説明する模式的な断面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る光走査装置の堀部を説明する模式的な断面図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る光走査装置の堀部の変形例を説明する模式的な断面図である。
【図10】(a)は、本発明の実施の形態に係る光走査装置の製造方法を説明する模式的な平面図である。(b)は、図10(a)のC−C方向から見た模式的な断面図である。
【図11】(a)は、本発明の実施の形態に係る光走査装置の製造方法を説明する模式的な平面図である。(b)は、図11(a)のC−C方向から見た模式的な断面図である。
【図12】(a)は、本発明の実施の形態に係る光走査装置の製造方法を説明する模式的な平面図である。(b)は、図12(a)のC−C方向から見た模式的な断面図である。
【図13】(a)は、本発明の実施の形態に係る光走査装置の製造方法を説明する模式的な平面図である。(b)は、図13(a)のC−C方向から見た模式的な断面図である。
【図14】(a)は、本発明の実施の形態に係る光走査装置の製造方法を説明する模式的な平面図である。(b)は、図14(a)のC−C方向から見た模式的な断面図である。
【図15】(a)は、本発明の実施の形態に係る光走査装置の製造方法を説明する模式的な平面図である。(b)は、図15(a)のC−C方向から見た模式的な断面図である。
【図16】(a)は、本発明の実施の形態に係る光走査装置の製造方法を説明する模式的な平面図である。(b)は、図16(a)のC−C方向から見た模式的な断面図である。(c)は、図16(a)のD方向から見た模式的な側面図である。
【図17】(a)は、本発明の実施の形態に係る光走査装置の製造方法を説明する模式的な平面図である。(b)は、図17(a)のC−C方向から見た模式的な断面図である。(c)は、図16(a)のD方向から見た模式的な側面図である。
【図18】本発明の実施の形態に係る光走査装置の変形例を説明する模式的な斜視図である。
【図19】(a)は、本発明の実施の形態に係る光走査装置の変形例を説明する模式的な斜視図である。(b)は、図19(a)のE方向から見た模式的な側面図である。
【図20】(a)は、本発明の実施の形態に係る光走査装置の変形例を説明する模式的な斜視図である。(b)は、図20(a)のE方向から見た模式的な側面図である。
【図21】(a)は、本発明の他の実施の形態に係る光走査装置を説明する模式的な斜視図である。(b)は、図21(a)の上方から見た模式的な平面図である。
【図22】図21(b)のF−F方向から見た模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法の関係、各層の厚みの比率等は、現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0023】
また、以下に示す実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や装置を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでなく、本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0024】
(光走査装置)
本発明の実施の形態に係る光走査装置1は、図1及び図2に示すように、2軸方向に揺動することにより光を2次元に走査する走査部11と、走査部11がX軸方向の揺動可能なように、走査部11を支持する梁部12a,12b,12c,12dと、それぞれ一端側において梁部12a〜12dをそれぞれ支持するアーム部13a,13b,13c,13dと、それぞれアーム部13a〜13dの他端側を支持することにより梁部12a〜12dを支持する可動支持部15と、走査部11をX軸方向に揺動させるように駆動する駆動部を含む圧電モノモルフ14a,14b,14c,14dと、可動支持部15がX軸方向と直交するY軸方向の揺動可能なように、一端側において可動支持部15を支持するワイヤ17a,17b,17c,17d,17e,17fと、ワイヤ17a〜17fの他端側においてワイヤ17a〜17fを支持する固定支持部21a,21dとを備える。
【0025】
可動支持部15は、例えば、概略として矩形平板状であり、上面から下面に貫通する矩形の窓部10を有する枠型形状である。アーム部13a,13b、アーム部13c,13dは、可動支持部15のY軸方向に平行な2辺からそれぞれX軸方向に対向して延伸する平面視帯状の部位である。アーム部13a〜13dは、それぞれ梁部12a〜12dを支持しない他端側が、可動支持部15の窓部10のY軸方向に平行な対向する2辺において、それぞれ可動支持部15に連結されることにより、可動支持部15に支持される。走査部11は、例えば、平板状であり、上面に光を反射するミラー部が設けられる。
【0026】
走査部11、梁部12a〜12d、アーム部13a〜13d、可動支持部15は、例えば、同一の単結晶Si基板から、MEMS技術により形成可能である。走査部11、梁部12a〜12d、アーム部13a〜13d、可動支持部15、圧電モノモルフ14a〜14d、ワイヤ17a〜17fは、走査部11の重心を通る、走査部11に対する垂線を対称の中心とした2回回転対称のトポロジーを有している。走査部11、梁部12a〜12d、アーム部13a〜13dは、可動支持部15より厚さが薄く形成されている。
【0027】
圧電モノモルフ14a〜14dは、それぞれ、下部電極層、圧電体層、上部電極層を備える。圧電体層は、例えば、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)、チタン酸バリウム(BTO)等の圧電セラミック、酸化亜鉛(ZnO)等からなる。
【0028】
可動支持部15の上面には、電極パターン16a,16b,16c,16dがそれぞれ形成されている。例えば、電極パターン16aは、圧電モノモルフ14a,14bのそれぞれ上部電極層に電気的に接続され、電極パターン16bは、圧電モノモルフ14a,14bのそれぞれ下部電極層に電気的に接続される。また、電極パターン16cは、圧電モノモルフ14c,14dのそれぞれ下部電極層に電気的に接続され、電極パターン16dは、圧電モノモルフ14c,14dのそれぞれ上部電極層に電気的に接続される。
【0029】
電極パターン16a〜16dは、圧電モノモルフ14a〜14dとワイヤ17a〜17dとをそれぞれ電気的に接続する。なお、図示を省略しているが、可動支持部15、アーム部13a〜13dのそれぞれ表面には、それぞれ電極パターン16a〜16d、圧電モノモルフ14a〜14d、及び配線と絶縁するシリコン酸化膜(SiO)等の絶縁層が形成される。
【0030】
例えば、圧電モノモルフ14a,14bは、圧電モノモルフ14c,14dと互いに逆位相となる正弦波電圧が印加されることにより、アーム部13a,13bの対応する領域に、交互に反りを生じさせる駆動部となる。アーム部13a,13bは、駆動部となる圧電モノモルフ14a,14bが駆動されることにより、走査部11を、Y軸方向に平行な軸を回転軸RとしてX軸方向に揺動させる。走査部11は、X軸方向に揺動し、光をX軸方向に走査をする。この場合、圧電モノモルフ14c,14dは、検出部となり、アーム部13a,13bの駆動によって上下方向に変位されて電圧を発生する。検出部となる圧電モノモルフ14c,14dに発生した電圧を検出することにより、圧電モノモルフ14a,14bに印加する駆動信号をフィードバック制御できる。
【0031】
光走査装置1は、例えば図1に示すように、可動支持部15の下面に設けられ、X軸方向に着磁され、X軸方向に延伸する2つの磁石24a,24dと、可動支持部15の下方に、可動支持部15を周回するように設けられたコイル25とを備える。磁石24a,24dは、例えば、サマリウムコバルト(SmCo)、ネオジム鉄(NdFe)等からなり、幅、厚さ約100〜300μm程度、長さ約500〜2000μm程度である。コイルは、例えば線径が約30〜100μm程度の絶縁被覆付きの導線で、巻数20〜100回程度とすることができる。
【0032】
可動支持部15は、コイル25に交流電圧を印加することによって回転軸R,Rに対して垂直な方向に発生する磁場と、磁石24a,24dとの作用により、発生する磁場に比例して、3本ずつ配置されるワイヤ17a〜17fの中心を回転軸Rとして傾く。このように、磁石24a,24d及びコイル25は、可動支持部15を回転軸RとしてY軸方向に揺動させる駆動部となる。走査部11は、駆動部となる磁石24a,24d及びコイル25によりY軸方向に揺動し、光をY軸方向に走査する。
【0033】
ワイヤ17a〜17f(以下、総称する場合において単に「ワイヤ17」という。)は、金属からなり、圧電モノモルフ14a〜14dと外部とを電気的に接続する配線として用いることができる。また、ワイヤ17は、走査部11、梁部12a,12b、アーム部13a,13b及び可動支持部15を、接地電位と接続する配線として用いても良い。
【0034】
それぞれ一対のワイヤ17a〜17fは、可動支持部15のY軸方向と平行な2辺のそれぞれ中央部に固定され、X軸方向に相反して延伸するように配置されている。可動支持部15は、ワイヤ17a〜17fを介して、固定支持部21a,21dに支持される。ワイヤ17a〜17dは、可動支持部15の上面の電極パターン16a〜16d上に固定され、ワイヤ17e,17fは、可動支持部15の下面に固定される。
【0035】
図3に示すように、ワイヤ17a〜17fは、それぞれ導電性材料31a〜31fにより、可動支持部15に固定されている。ワイヤ17a〜17dは、導電性材料31a〜31d、電極パターン16a〜16dを介して、圧電モノモルフ14a〜14dと電気的に接続されている。ワイヤ17a,17b,17e、ワイヤ17c,17d,17fの相互間の距離(ピッチ)は、ワイヤ17a〜17fのX軸方向に沿う長さよりも狭くなっている。導電性材料31a〜31fは、例えば、はんだ、導電性ペーストであり、固化することによりワイヤ17の一端側と可動支持部15とを固定する。
【0036】
走査部11がY軸方向の揺動をする際の、X軸方向に沿う回転軸Rの位置は、ワイヤ17a〜17fの位置と、走査部11、梁部12a〜12d、アーム部13a〜13d、可動支持部15の合計の重心の位置とで決まる。本発明の実施の形態に係る光走査装置1においては、可動支持部15の両端側に3本ずつ配置されるワイヤ17a〜17fの中心位置と、走査部11、梁部12a〜12d、アーム部13a〜13d、可動支持部15の重心位置とが一致するように設計されているので、図3に示すように、回転軸Rは、3本ずつ配置されるワイヤ17a〜17fの中心とほぼ等しくなっており、ワイヤ17a〜17fから離れている。
【0037】
仮に、図4(a)に示すように、ワイヤ17の位置が、走査部11の回転軸Rと一致している場合、ワイヤ17がねじれ変形して走査部11がX軸方向に揺動すると、ワイヤ17と、ワイヤ17を固定する導電性材料31との界面では、ワイヤ17の円周に沿う方向の力F1が加わり、ワイヤ17と導電性材料31とが剥がれやすい。
【0038】
一方、図4(b)に示すように、ワイヤ17の位置が、走査部11の回転軸Rと離れている場合、ワイヤ17がねじれ変形して走査部11がX軸方向に揺動すると、ワイヤ17と、ワイヤ17を固定する導電性材料31との界面では、回転軸Rを円心とした円周に沿う方向の力F2が加わる。よって、光走査装置1は、ワイヤ17と導電性材料31との界面が剥がれにくくなっており、長時間の使用でも故障の可能性が低く、信頼性が高い。
【0039】
ワイヤ17は、例えば、ステンレス鋼、燐青銅、ベリリウム銅などのバネ性を有する金属材料からなる。ワイヤ17は、ショットピーニング、メッキ処理等の表面処理が施されていても良い。表面処理として、例えば、金(Au)などの耐食性を有する金属をメッキ処理することにより、ワイヤの信頼性を更に上げることができる。ワイヤ17の材料、線径等は、Y軸方向の走査周波数によって決定されればよい。
【0040】
ワイヤ17a〜17fは、可動支持部15が、X軸方向に平行な軸を回転軸Rとして、Y軸方向の揺動可能なように、固定支持部21a,21dに支持される。固定支持部21aは、例えば、上面に電極パターン22a,22bが形成される。電極パターン22a,22bは、それぞれワイヤ17a,17bが導電性材料等により固定され、ワイヤ17a,17bとそれぞれ電気的に接続されている。同様に、固定支持部21dは、上面に電極パターン22c,22dが形成される。電極パターン22c,22dは、それぞれワイヤ17c,17dが導電性材料31等により固定され、ワイヤ17c,17dとそれぞれ電気的に接続されている。
【0041】
電極パターン22a〜22dは、それぞれ導線23a〜23dと電気的に接続されており、圧電モノモルフ14a〜14dは、導線23a〜23dを介して、給電、電圧検出されることができる。
【0042】
図示を省略しているが、固定支持部21a,21dは、走査部11、梁部12a〜12d、アーム部13a〜13d、可動支持部15よりも質量の大きなパッケージやシャーシなどに固定されている。或いは、固定支持部21a,21dは、電極パターンが設けられず、光走査装置1の機械的な固定のみ行うようにしても良い。その場合、ワイヤ17の途中を固定支持部21a,21dにおいて固定し、更に続くワイヤ17を配線として利用すれば良い。
【0043】
また、図5に示すように、ワイヤ17a〜17fは、可動支持部15の表面を開口する溝部18a〜18f(溝部18c,18d,18f側は図示省略)に嵌められた後、導電性材料31a〜31fにより可動支持部15に固定されるようにしても良い。溝部18a〜18dは、図5(b)に示すように、可動支持部15の表面から続く絶縁層71が内壁部に設けられている。溝部18a〜18dの内壁部は、更に、金属等からなる導体層72a〜72dが設けられている。導体層72a〜72dは、例えば、銀(Ag)、金(Au)、アルミニウム(Al)等からなり、メッキ処理やスパッタ等により溝部18a〜18dの内壁部に付着される。導電性材料31a〜31d、導体層72a〜72dにより、ワイヤ17a〜17dは、電極パターン16a〜16dと、より確実に電気的に接続される。溝部18a〜18fは、可動支持部15のY軸方向に沿う側壁部において、コの字型に開口している。
【0044】
溝部18e,18fは、絶縁層71、導体層72が設けられておらず、ワイヤ17e,17fが嵌められ、導電性材料31e,31fに固定されている。ワイヤ17e,17fは、接地電位と接続され、走査部11、梁部12a〜12d、アーム部13a〜13d、可動支持部15を接地することができる。
【0045】
ワイヤ17の線径に対して大きな幅を有する溝部18であっても、はんだ、樹脂材料等の固化する導電性材料31を用いると、液体状態での表面張力によるセルフアライメント効果により、ワイヤ17の配置は、溝18内においてずれが修正される傾向がある。
【0046】
また、図5(b)において、断面形状がコの字型の溝部18a〜18fについて説明したが、ワイヤ17を嵌める溝部は、断面がV字型形状であっても良い。図6に示すように、V字型形状の溝部181は、異方性エッチングにより容易に作成可能であり、ワイヤ17と溝部181とを線接触にて位置決めできるので、生産性と精度を更に向上できる。
【0047】
また、図5(b)において、溝部18の深さはワイヤ17の線径より深くなっているが、図7に示すように、ワイヤ17の線径より深さが浅い溝部182であっても良い。
【0048】
例えば、図5において、ワイヤ17a,17bとの間の距離(ピッチ)は、バネ係数の増大や、不要な共振モードの発生を考慮して、小さい方が望ましい。しかしながら、例えばワイヤ17a,17b間のピッチが小さくなると、固化することでワイヤ17a,17bを固定する導電性材料31a,31bが、互いに接触し、ショートしてしまう虞がある。
【0049】
本発明の実施の形態に係る光走査装置1は、図8に示すように、液体状態の導電性材料31の流れをため込むことで、微小なピッチであってもワイヤ17a,17bのショートを防ぐ溝状の堀部191a,191bを設けることができる。堀部191a,191bは、可動支持部15の表面においてX軸方向と平行に、溝部18a,18bの開口部を共有して溝部18a,18bの開口部より広く開口し、深さが溝部18a,18bより浅く設けられる。
【0050】
また、ワイヤ17a,17bのショートを防ぐ溝状の部位は、図9に示すように、可動支持部15の表面においてX軸方向と平行に、溝部18a,18bの間に設けられた溝状の堀部192a,192bとしても良い。ワイヤ17の固定に用いる導電性材料31の体積が、堀部191a,191bまたは堀部192a,192bの体積を超えないように制御することで、導電性材料31は、堀部を超えて流出することがなく、ワイヤ17間のショートを抑制できる。導電性材料31の体積は、例えば汎用品のディスペンサーを用いて、塗布圧と塗布時間を調整することにより容易に制御できる。堀部191a,191b、堀部192a,192bは、可動支持部15において片側2本設けられる例を説明したが、3本以上であれば同様の効果が得られる。
【0051】
−光走査装置の動作−
本発明の実施の形態に係る光走査装置1は、画像信号に応じて輝度が変調され、光源5から出射されたレーザ光Lを、走査部11において反射して2軸方向に走査し、スクリーン等に画像を表示できる。
【0052】
走査部11は、圧電モノモルフ14a〜14dの駆動部、コイル25に駆動信号が印加されることにより、X軸方向(水平方向)及びY軸(垂直方向)に揺動し、2軸方向の走査を行う。
【0053】
例えば、駆動部となる圧電モノモルフ14a,14bは、導線23a,23bを介して、例えば約5〜20V程度の交流電圧を印加されることにより、アーム部13a,13bを駆動する。検出部となる圧電モノモルフ14c,14dは、アーム部13a,13bの駆動による応力歪みが生じ、この応力歪みに生じた電圧を発生する。
【0054】
圧電モノモルフ14c,14dにそれぞれ生じた電圧に応じて、圧電モノモルフ14c,14dにそれぞれ生じた電圧の、それぞれ180°反転した逆位相となるような駆動信号を圧電モノモルフ14a,14bにそれぞれ出力するフィードバック制御を行うことにより、光走査装置1のX軸方向の駆動を、例えば約10k〜50kHz程度の共振周波数で行うことができる。
【0055】
光走査装置1の駆動用、検出用の配線は、ワイヤ17a〜17fを介して行われることができる。Y軸方向駆動時の、駆動用、検出用信号の他、可動支持部15等の接地も同様に、ワイヤ17a〜17fを介して行われて良い。
【0056】
コイル25に例えば0.1〜1A程度の交流電流が流れることにより、可動支持部15は、回転軸RとしてY軸方向に揺動する。ワイヤ17は、細長い金属なのでX軸方向の駆動に比べ、ねじればね定数が小さく、共振周波数でなくとも大きな振幅を得ることができる。例えば、約50〜200Hz程度の低い周波数での駆動や、ランプ波形での駆動も可能である。
【0057】
更に、磁石24a,24dは密度が高く、Y軸方向の駆動について共振周波数は小さくなる。よって、Y軸方向の駆動について約50〜200Hz程度の低い周波数に設計された寸法とすることも可能であり、この場合、非共振周波数での駆動に比して消費電力を低減させることができる。
【0058】
また、固定周波数で駆動する場合でも、例えば60Hzで駆動する場合、共振周波数を駆動周波数の整数倍である高次高調波周波数の中間の周波数とすることで、駆動周波数に対する高調波成分による不要振動を抑制することが可能となる。例えば共振周波数を390Hzとなるようにワイヤ17の線径や間隔(ピッチ)を最適化した場合、駆動周波数の高調波成分は360Hzと420Hzの中間となるので、ランプ波形上に加わる高調波が抑制可能となる。
【0059】
−光走査装置の製造方法−
図10〜図15を参照して、本発明の実施の形態に係る光走査装置1の製造方法を説明する。なお、以下に述べる光走査装置1の製造方法は、一例であり、これ以外の種々の方法により光走査装置1を製造可能であることは勿論である。
【0060】
先ず、図10に示すように、単結晶Si基板100を準備する。単結晶Si基板100は、例えば、約φ100〜200mm程度、厚み約300〜750μm程度のウェハが使用できる。実際は、単結晶Si基板100に対して数百個の光走査装置の構成部品一度に作成することが可能であるが、以下の説明において、1つの素子のみを図示して説明する。
【0061】
次に、図11に示すように、フォトリソグラフィ法によりパターン形成されたフォトレジスト膜をマスクとして、単結晶Si基板100の窓部形成予定領域10pをエッチングする。窓部形成予定領域10pをエッチングすることにより、走査部形成予定領域11p、梁部形成予定領域12ap〜12dp、アーム部形成予定領域13ap〜13dp、可動支持部形成予定領域15pが形成される。窓部形成予定領域10pのエッチング深さは、走査部11、梁部12a〜12d、アーム部13a〜13dの最終的な設計の厚みに相当し、例えば約30〜150μm程度である。各寸法は、例えば、走査部11が矩形平板状の場合、1辺の長さ約500μm〜2mm程度、走査部11が円盤状、楕円盤状の場合、直径約500μm〜2mm程度、梁部12a〜12dの幅約10〜100μm程度、長さ約200〜600μm程度、アーム部13a〜13dの幅約200〜1000μm程度、長さ約500〜2000μm程度、可動支持部15の幅約500〜1500μm程度であり、厚さ約30〜150μm程度である。この場合、X軸方向の駆動について共振周波数は10k〜50kHz程度となる。
【0062】
次に、図12に示すように、アーム部形成予定領域13ap〜13dp及び可動支持部形成予定領域15p上に、下層電極パターン41b,41cを形成する。下層電極パターン41b,41cは、例えば、白金(Pt)、金(Au)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等を、真空蒸着やスパッタリングした後、フォトリソグラフィ、エッチングにより形成される。下層電極パターン41b,41cは、例えば、厚さ約0.1〜2μm程度である。
【0063】
次に、図13に示すように、アーム部形成予定領域13ap〜13dp上に形成された下層電極パターン41b,41c上に、圧電体層42a〜42dを形成する。圧電体層42a〜42dは、例えば、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)、チタン酸バリウム(BTO)等の圧電セラミック、酸化亜鉛(ZnO)等からなる。圧電体層42a〜42dは、スパッタリング、化学気相成長法(CVD)、ゾルゲル法、エアロゾル法などの方法により約0.5〜5μm程度形成した後、フォトリソグラフィ、エッチングにより、平面視アーム部13a〜13dとほぼ同形状に形成される。
【0064】
次に、図14に示すように、シリコン酸化膜(SiO)等の絶縁膜45を上面に形成した後、アーム部形成予定領域13ap〜13dp上に形成された下層電極パターン41b,41c及び圧電体層42a〜42d上に、上層電極パターン43a,43dを形成する。上層電極パターン43a,43dは、下層電極パターン41b,41cと同様の材料、工法で形成可能である。上層電極パターン43a,43dを形成することにより、アーム部形成予定領域13ap〜13dp上に圧電モノモルフ14a〜14dが構成され、残余の上層電極パターン43a、下層電極パターン41b、下層電極パターン41c、上層電極パターン43dは、それぞれワイヤ17と接続するための電極パターン16a〜16dとなる。
【0065】
次に、図15に示すように、単結晶Si基板100の裏面側から、エッチングをしてキャビティ部101を形成する。キャビティ部101が、窓部形成予定領域10pに到達するまで形成されることにより、上面から下面に貫通する窓部10、走査部11、梁部12a〜12d、アーム部13a〜13dが形成される。走査部11、梁部12a〜12d、アーム部13a〜13dの厚さを決定するエッチング深さは、ワイヤ17の線径、走査周波数、各部の強度等を考慮して決定すれば良い。また、走査部11の上面には、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)等からなる高反射率の反射膜が設けられる。反射膜の膜厚は、例えば約0.1〜1μm程度である。
【0066】
また、図示を省略しているが、電極パターン16a〜16dのうち、ワイヤ17a〜17dと導通させる個所の絶縁膜45は、エッチング等により除去されている。ワイヤ17a〜17fと固定支持部21a,21dとを固定し、電極パターン16a〜16dとワイヤ17a〜17fとを導電性材料31で固定することにより光走査装置1が完成する。
【0067】
また、可動支持部15に設けられた溝部18a〜18fに、ワイヤ17a〜17fを導電性材料31a〜31fにより固定する場合、溝部18a〜18dは、図16に示すように、フォトリソグラフィ、エッチングにより形成されれば良い。図16に示す工程は、上述の説明における図11に示す製造工程に相当する。次に、図12〜図15を用いてした説明と同様に、窓部10、走査部11、梁部12a〜12d、アーム部13a〜13d等を形成していき、図17に示すように、溝部18e,18fを形成する(溝部18fは図示省略)。溝部18e,18fは、同一平面上に他の構造物がないことから、例えばダイシングソーにより形成可能である。ダイシングソーのブレード厚は、ワイヤ17の線径を考慮して選択すればよい。
【0068】
また、図18に示すように、可動支持部15の上層部となる上層可動支持部65を形成し、上層可動支持部65が有する溝部68a〜68dを下方に向けて、図19に示すように、溝部18e,18fが形成された可動支持部15の上面に上層可動支持部65を張り付けることによっても光走査装置を製造可能である。この場合、ワイヤ17を嵌める溝部68a〜68d、溝部18e,18fのすべてが、同一平面上に他の構造物がないことから、ダイシングソーにより形成可能である。上層可動支持部65は、例えば、セラミックス、ガラス等の絶縁材料からなる。溝部68a〜68dにワイヤ17a〜17dを嵌め、導電性材料31により固定し可動支持部15に張り付けることによって、ワイヤ17a〜17dは、それぞれ電極パターン16a〜16dと電気的に接続される。
【0069】
或いは、図20に示すように、溝部68a〜68dを上方に向けて、可動支持部15の上面に張り付けるようにしても良い。この場合、上層可動支持部65の溝部68a〜68dと接する側壁部に、導電性接着剤81a〜81dを塗布することにより、ワイヤ17a〜17dを、それぞれ電極パターン16a〜16dと電気的に接続させることができる。溝部68,18が、走査部11に対する垂直方向において、走査部11の両側に位置することにより、回転軸Rが走査部11を通り、駆動を安定させることができる。
【0070】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0071】
例えば、ワイヤ17の本数は、ワイヤ17の線径、剛性、走査周波数等を考慮して適宜変更することができる。本発明の他の実施の形態に係る光走査装置1Aは、図21に示すように、可動支持部15が、X軸方向における両側において2本ずつのワイヤ17a〜17dを介して固定支持部21a,21dに支持される点で既に述べた実施の形態と異なる。既に述べた実施の形態と実質的に同様な構成については、重複する説明を省略する。
【0072】
即ち、図22に示すように、Y軸方向の駆動用の軸部として、片側2本ずつのワイヤ17a〜17dを用いる場合においても、光走査装置1Aは、溝部18a〜18d、堀部191a〜191d、及びそれらの変形例を備えることができることは勿論である。
【0073】
また、光走査装置1、光走査装置1AのY軸方向の駆動部を、磁石24a,24dとコイル25とを用いたムービングマグネット(MM)式の電磁アクチュエータとして説明したが、ムービングコイル(MC)式の電磁アクチュエータや、電極間の静電気力を用いた静電アクチュエータ、圧電膜の圧電効果を用いた圧電アクチュエータ等の他の方式のアクチュエータであっても良い。
【0074】
上記の他、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0075】
1,1A…光走査装置
5…光源
10…窓部
11…走査部
12a,12b,12c,12d…梁部
13a,13b,13c,13d…アーム部
14a,14b,14c,14d…圧電モノモルフ
15…可動支持部
16a,16b,16c,16d…電極パターン
17a,17b,17c,17d,17e,17f…ワイヤ
18a,18b,18c,18d,18e,18f,181,182…溝部
21a,21d…固定支持部
21d…固定支持部
22a,22b,22c,22d…電極パターン
23a,23b,23c,23d…導線
24a,24d…磁石
25…コイル
31a,31b,31c,31d,31e,31f…導電性材料
41b,41c…下層電極パターン
42a,42b,42c,42d…圧電体層
43a,43d…上層電極パターン
45…絶縁膜
65…上層可動支持部
71…絶縁層
72a〜72d…導体層
81a〜81d…導電性接着剤
100…単結晶Si基板
101…キャビティ部
191a,191b,192a,192b……堀部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2軸方向に揺動することにより光を走査する走査部と、
前記走査部が第1の方向の揺動可能なように、前記走査部を支持する梁部と、
前記梁部を支持する可動支持部と、
前記走査部を前記第1の方向に揺動させるように駆動する駆動部と、
前記可動支持部が前記第1の方向と直交する第2の方向の揺動可能なように、一端側において前記可動支持部を支持し、前記駆動部と電気的に接続するワイヤと、
前記ワイヤの一端側と前記可動支持部とを固定する導電性材料と、
前記ワイヤの他端側において前記ワイヤを支持する固定支持部と
を備えることを特徴とする光走査装置。
【請求項2】
前記ワイヤは、バネ性を有する金属からなることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
【請求項3】
前記ワイヤは、耐食性のメッキ処理がされていることを特徴とする請求項1または2に記載の光走査装置。
【請求項4】
前記ワイヤは、前記第1の方向に平行に複数設けられ、前記複数のワイヤすべてが、前記可動支持部の揺動の回転軸から等距離に配置されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光走査装置。
【請求項5】
前記走査部は平板状であり、
前記ワイヤは、前記走査部を挟んで対向配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光走査装置。
【請求項6】
前記可動支持部は、前記可動支持部の表面を開口する溝部を有し、
前記導電性材料は、前記溝部において前記ワイヤと前記可動支持部とを固定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光走査装置。
【請求項7】
前記溝部は、前記ワイヤの線径よりも広い幅を有することを特徴とする請求項6に記載の光走査装置。
【請求項8】
前記溝部は、ダイシングソーにより形成されていることを特徴とする請求項6または7に記載の光走査装置。
【請求項9】
前記可動支持部は、前記溝部近傍に、前記導電性材料をため込む堀部を有することを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の光走査装置。
【請求項10】
一端側において前記梁部を支持し、駆動されることにより前記走査部を前記第1の方向に揺動させるアーム部と、
前記アーム部に設けられた圧電モノモルフとを更に備え、
前記圧電モノモルフと前記ワイヤとが電気的に接続されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の光走査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−252265(P2012−252265A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126305(P2011−126305)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】