説明

入力セレクタおよび信号処理回路

【課題】さまざまな入力形式の信号に柔軟に適応可能な汎用性の高い入力セレクタを提供する。
【解決手段】第1抵抗R1〜第4抵抗R4は、それぞれの第1端子が対応する入力ポートPi1〜Pi4に接続される。第1スイッチSW1〜第4スイッチSW4はそれぞれ、対応する抵抗と第1演算増幅器10の反転入力端子の間に設けられる。第5スイッチSW5、第6スイッチSW6はそれぞれ、対応する抵抗と、第2演算増幅器12の反転入力端子の間に設けられる。第5抵抗R5および第7スイッチSW7は第1演算増幅器10の出力端子と第2演算増幅器12の反転入力端子の間に直列に設けられる。第6抵抗R6は第1演算増幅器10の出力端子と反転入力端子の間に設けられ、第7抵抗R7は第2演算増幅器12の出力端子と反転入力端子の間に設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、さまざまな形式が想定される信号を受け、いずれかを選択する入力セレクタに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のチャンネルのアナログ信号から、ひとつのチャンネルのアナログ信号を選択するために入力セレクタが用いられる。入力されるアナログ信号の形式は、シングルエンド形式または差動形式をとるのが一般的である。ここですべてのチャンネルがシングルエンド形式であれば、シングルエンド形式のセレクタを用いればよく、すべてのチャンネルが差動形式であれば、差動形式のセレクタを用いればよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−72267号公報
【特許文献2】特開2003−188727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが用途によっては、複数のチャンネル内に、シングルエンド信号と差動信号が混在する場合がある。この場合、入力セレクタの設計者は、各チャンネルの入力信号の形式に応じて入力セレクタを設計する必要がある。このように構成された入力セレクタを搭載する電子機器の設計者は、各チャンネルの信号形式を変更することができず、設計の自由度が低くなる。
【0005】
さらに、入力セレクタの後段に、差動入力形式のデバイスが接続される場合、入力セレクタは、差動形式の信号はそのまま出力し、シングルエンド信号については差動変換して出力する必要があるため、状況はさらに複雑となる。
【0006】
本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、さまざまな入力形式の信号に柔軟に適応可能な、汎用性の高い入力セレクタの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様の入力セレクタは、第1、第2、第3、第4入力ポートと、その非反転入力端子に基準電圧が入力された第1演算増幅器と、その非反転入力端子に基準電圧が入力された第2演算増幅器と、その第1端子が第1入力ポートに接続された第1抵抗と、その第1端子が第2入力ポートに接続された第2抵抗と、その第1端子が第3入力ポートに接続された第3抵抗と、その第1端子が第4入力ポートに接続された第4抵抗と、第1抵抗の第2端子と第1演算増幅器の反転入力端子の間に設けられた第1スイッチと、第2抵抗の第2端子と第1演算増幅器の反転入力端子の間に設けられた第2スイッチと、第3抵抗の第2端子と第1演算増幅器の反転入力端子の間に設けられた第3スイッチと、第4抵抗の第2端子と第1演算増幅器の反転入力端子の間に設けられた第4スイッチと、第2抵抗の第2端子と第2演算増幅器の反転入力端子の間に設けられた第5スイッチと、第4抵抗の第2端子と第2演算増幅器の反転入力端子の間に設けられた第6スイッチと、第1演算増幅器の出力端子と第2演算増幅器の反転入力端子の間に直列に設けられた第5抵抗および第7スイッチと、第1演算増幅器の出力端子と第1演算増幅器の反転入力端子の間に設けられた第6抵抗と、第2演算増幅器の出力端子と第2演算増幅器の反転入力端子の間に設けられた第7抵抗と、を備える。入力セレクタは、第1演算増幅器および第2演算増幅器それぞれの出力信号を、差動信号として出力する。
【0008】
この態様によると、各スイッチの状態を切りかえることにより、以下の2つのモードを切りかえることができる。
(1)シングルエンド入力モード
第1入力ポートから第4入力ポートのいずれかに、シングルエンド信号を受け、差動信号に変換するモード
(2)差動信号入力モード
第1、第2入力ポートのペア、または第3、第4入力ポートのペアの一方に差動信号を受け、それを出力するモード
【0009】
ある態様の入力セレクタは、その第1端子が第1演算増幅器の反転入力端子に接続され、その第2端子が第6抵抗の一端と接続され、その第3端子が第1演算増幅器の出力端子と接続され、その第1端子とその第2端子の間およびその第1端子とその第3端子の間が択一的に導通する第1ミュートセレクタと、その第1端子が第2演算増幅器の反転入力端子に接続され、その第2端子が第7抵抗の一端と接続され、その第3端子が第2演算増幅器の出力端子と接続され、その第1端子とその第2端子の間およびその第1端子とその第3端子の間が択一的に導通する第2ミュートセレクタと、をさらに備えてもよい。
この態様によれば、第1ミュートセレクタ、第2ミュートセレクタそれぞれを、第1端子と第3端子間で導通させることにより、上の2つのモードに加えて、出力信号の電圧レベルを固定するミュートモードを実現することができる。
【0010】
第6抵抗および第7抵抗は可変抵抗であってもよい。この場合、第6抵抗、第7抵抗の抵抗値に応じて、増幅率を切りかえることができる。
【0011】
ある態様の入力セレクタは、第6抵抗と並列な経路に直列に設けられた第1キャパシタと、第7抵抗と並列な経路に直列に設けられた第2キャパシタおよび第8スイッチと、をさらに備えてもよい。
この場合、第1演算増幅器はフィルタとして機能する。一方、第2演算増幅器側のフィルタの機能は、第8スイッチの状態に応じて切りかえることができる。
【0012】
ある態様の入力セレクタは、第1入力ポートと固定電圧端子の間に設けられた第1入力固定スイッチと、第2入力ポートと固定電圧端子の間に設けられた第2入力固定スイッチと、第3入力ポートと固定電圧端子の間に設けられた第3入力固定スイッチと、第4入力ポートと固定電圧端子の間に設けられた第4入力固定スイッチと、をさらに備えてもよい。
この態様によれば、信号が入力されていない入力ポートを固定電圧端子に接続することができ、その電位を固定することができる。
【0013】
ある態様の入力セレクタは、入力信号としてアナログオーディオ信号を受けてもよい。
【0014】
本発明の別の態様は、信号処理回路である。この信号処理回路は、上述のいずれかの態様の入力セレクタと、入力セレクタからの信号をデジタル信号に変換する差動入力形式のA/Dコンバータと、を備える。
【0015】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0016】
本発明のある態様によれば、さまざまな入力形式の信号に適応できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施の形態に係る入力セレクタの構成を示す回路図である。
【図2】図1の入力セレクタの各モードにおけるスイッチおよびセレクタの状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0019】
本明細書において、「部材Aが部材Bと接続」された状態とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合や、部材Aと部材Bが、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0020】
図1は、実施の形態に係る入力セレクタ100の構成を示す回路図である。入力セレクタ100は、たとえばオーディオ信号処理回路4の入力段に設けられる。オーディオ信号処理回路4は、入力セレクタ100と、その後段に設けられたA/Dコンバータ102およびDSP(Digital Signal Processor)104を備える。
【0021】
入力セレクタ100は、入力ポートPi1〜Pi4に入力されたアナログ信号を受け、それを第1出力ポートPo1、第2出力ポートPo2から差動形式で出力する。A/Dコンバータ102は差動入力形式を有し、入力セレクタ100からのアナログ差動信号をデジタル信号に変換する。DSP104は、A/Dコンバータ102からのデジタル信号を処理する。たとえばDSP104は、オーディオ信号のボリウムを制御したり、エフェクト処理を施す。
【0022】
入力セレクタ100は、第1入力ポートPi1〜第4入力ポートPi4、第1出力ポートPo1、第2出力ポートPo2、第1スイッチSW1〜第4入力固定スイッチSWMS4、第1ミュートセレクタSEL1、第2ミュートセレクタSEL2、第1キャパシタC1、第2キャパシタC2を備える。
【0023】
第1入力ポートPi1〜第4入力ポートPi4には、アナログ信号が入力される。入力信号は、たとえばアナログオーディオ信号である。
【0024】
第1演算増幅器10および第2演算増幅器12それぞれの非反転入力端子(−)には、基準電圧VREFが入力されている。たとえば基準電圧VREFは、電源電圧Vddと接地電圧Vssの中点電圧に設定される。
【0025】
第1抵抗R1の一端(第1端子)は、第1入力ポートPi1に接続される。第2抵抗R2の一端(第1端子)は第2入力ポートPi2に接続される。第3抵抗R3の一端(第1端子)は第3入力ポートPi3に接続される。第4抵抗R4の一端(第1端子)は第4入力ポートPi4に接続される。
【0026】
第1スイッチSW1は、第1抵抗R1の他端(第2端子)と第1演算増幅器10の反転入力端子(−)の間に設けられる。第2スイッチSW2は、第2抵抗R2の第2端子と第1演算増幅器10の反転入力端子の間に設けられる。第3スイッチSW3は、第3抵抗R3の第2端子と第1演算増幅器10の反転入力端子の間に設けられる。第4スイッチSW4は、第4抵抗R4の第2端子と第1演算増幅器10の反転入力端子の間に設けられる。
【0027】
第5スイッチSW5は、第2抵抗R2の第2端子と第2演算増幅器12の反転入力端子の間に設けられる。第6スイッチSW6は、第4抵抗R4の第2端子と第2演算増幅器12の反転入力端子の間に設けられる。
【0028】
第5抵抗R5および第7スイッチSW7は、第1演算増幅器10の出力端子と第2演算増幅器12の反転入力端子の間に直列に設けられる。第6抵抗R6は、第1演算増幅器10の出力端子と第1演算増幅器10の反転入力端子の間に設けられる。第7抵抗R7は、第2演算増幅器12の出力端子と第2演算増幅器12の反転入力端子の間に設けられる。第6抵抗R6および第7抵抗R7は可変抵抗である。
【0029】
以上が入力セレクタ100の基本構成である。この入力セレクタ100は、第1演算増幅器10および第2演算増幅器12それぞれの出力信号を、差動信号として出力する。続けて入力セレクタ100のさらなる特徴を説明する。
【0030】
第1ミュートセレクタSEL1は、その第1端子が第1演算増幅器10の反転入力端子に接続され、その第2端子が第6抵抗R6の一端と接続され、その第3端子が第1演算増幅器10の出力端子と接続される。第1ミュートセレクタSEL1は、その第1端子とその第2端子の間およびその第1端子とその第3端子の間が択一的に導通する。
【0031】
第2ミュートセレクタSEL2は、その第1端子が第2演算増幅器12の反転入力端子に接続され、その第2端子が第7抵抗R7の一端と接続され、その第3端子が第2演算増幅器12の出力端子と接続される。第2ミュートセレクタSEL2は、その第1端子とその第2端子の間およびその第1端子とその第3端子の間の一方が択一的に導通する。
【0032】
第1キャパシタC1は、第6抵抗R6と並列な経路に直列に設けられる。第2キャパシタC2および第8スイッチSW8は、第7抵抗R7と並列な経路に直列に設けられる。
【0033】
固定電圧端子14の電位は固定されている。たとえば固定電圧端子14は、基準電圧VREFに固定することが好ましい。第1入力固定スイッチSWMS1〜第4入力固定スイッチSWMS4はそれぞれ、第1入力ポートPi1〜第4入力ポートPi4と、固定電圧端子14の間に設けられる。
【0034】
第1入力ポートPi1に関連する第1スイッチSW1、第1入力固定スイッチSWMS1は、相補的にオンする。
また第2入力ポートPi2に関連する第2スイッチSW2、第5スイッチSW5、第2入力固定スイッチSWMS2は相補的にオンする。
第3入力ポートPi3に関連する第3スイッチSW3、第3入力固定スイッチSWMS3は相補的にオンする。
第4入力ポートPi4に関連する第4スイッチSW4、第6スイッチSW6、第4入力固定スイッチSWMS4は相補的にオンする。
したがって同じ入力ポートに関連付けられるスイッチは、セレクタとして構成してもよい。
【0035】
以上が入力セレクタ100の構成である。続いてその動作を説明する。入力セレクタ100は、各スイッチおよびセレクタの状態を切りかえることにより、以下の3つのモードを切りかえることができる。
(1)シングルエンド入力モード
第1入力ポートから第4入力ポートのいずれかに、シングルエンド信号を受け、差動信号に変換するモード
(2)差動信号入力モード
第1、第2入力ポートのペア、または第3、第4入力ポートのペアの一方に差動信号を受け、それを出力するモード
(3)ミュートモード
第1出力ポートPo1、第2出力ポートPo2の出力信号の電圧レベルを、入力信号によらずに基準電圧VREFに固定するモード
【0036】
図2は、図1の入力セレクタ100の各モードにおけるスイッチおよびセレクタの状態を示す図である。
【0037】
(1)シングルエンド入力モード
このモードにおいて、i番目(i=1〜4)の入力ポートPiにシングルエンド信号が入力されるとき、第iスイッチSWiがオンし、第i入力固定スイッチSWMSiはオフする。これによりi番目の入力ポートの信号が、第1演算増幅器10へと入力される。また信号が入力されない入力ポートについては、それぞれの入力固定スイッチSWMSj(j≠i)がオンする。
【0038】
また第1ミュートセレクタSEL1が第2端子側にオンし、第1演算増幅器10が反転型のアンチエイリアス用フィルタとして機能する。
第1演算増幅器10によって入力信号が反転およびフィルタリングされて、第1出力ポートPo1からA/Dコンバータ102の反転入力端子に出力される。
【0039】
また第7スイッチSW7がオンし、第1演算増幅器10と第2演算増幅器12がカスケードに接続される。第2ミュートセレクタSEL2は第2端子側にオンし、第8スイッチSW8はオフとなり、第2演算増幅器12は反転増幅器として機能する。第7抵抗R7の抵抗値は、反転増幅器の利得が1となるように設定される。その結果、第2出力ポートPo2からA/Dコンバータ102の非反転入力端子に対して、第1出力ポートPo1の信号が反転された信号が出力される。
【0040】
これにより、i番目の入力ポートの信号がアンチエイリアスフィルタによってフィルタリングされ、さらに差動信号に変換されてA/Dコンバータ102に入力される。
【0041】
(2)差動信号入力モード
このモードにおいて、1番目、2番目の入力ポートPi1、Pi2に差動信号P/Nが入力されるとき、第1スイッチSW1、第5スイッチSW5がオンする。これにより第1入力ポートPi1の信号が、第1演算増幅器10へと入力され、第2入力ポートPi2の信号が第2演算増幅器12へと入力される。また信号が入力されない入力ポートについては、それぞれの入力固定スイッチSWMSがオンする。
【0042】
また3番目、4番目の入力ポートPi3、Pi4に差動信号P/Nが入力されるとき、第3スイッチSW3、第6スイッチSW6がオンする。これにより第3入力ポートPi3の信号が、第1演算増幅器10へと入力され、第4入力ポートPi4の信号が第2演算増幅器12へと入力される。
【0043】
第1ミュートセレクタSEL1は第2端子側にオンし、第1演算増幅器10が反転型のアンチエイリアス用フィルタとして機能する。第2ミュートセレクタSEL2は第2端子側にオンし、第8スイッチSW8はオンし、第2演算増幅器12も第1演算増幅器10と同様に反転型のアンチエイリアスフィルタとして機能する。このモードでは、第6抵抗R6と第7抵抗R7の抵抗値は等しく設定される。
【0044】
差動信号入力モードでは、第7スイッチSW7はオフし、第1演算増幅器10と第2演算増幅器12は、並列的に配置される。
【0045】
これにより、差動信号P/Nが、それぞれ第1演算増幅器10、第2演算増幅器12によってフィルタリングされ、A/Dコンバータ102へと入力される。
【0046】
(3)ミュートモード
ミュートモードでは、第1ミュートセレクタSEL1、第2ミュートセレクタSEL2が第3端子側にオンする。これにより第1演算増幅器10および第2演算増幅器12は、基準電圧VREFを出力するボルテージフォロア回路として機能する。また第1入力固定スイッチSWMS1〜第4入力固定スイッチSWMS4がオンする。このモードにより、A/Dコンバータ102の入力をともに基準電圧VREFに固定でき、ミュート状態を実現できる。
【0047】
以上が入力セレクタ100の動作である。
このように、入力セレクタ100によれば、シングルエンド信号、差動信号の両方のフォーマットの信号を受け、それを差動入力形式を有する後段の回路ブロックへと出力することができる。
【0048】
また第1ミュートセレクタSEL1、第2ミュートセレクタSEL2を設けることにより、ミュート状態を実現できる。
【0049】
また、各入力ポートに入力固定スイッチSWMSを設けることにより、その入力ポートの電位が不定となるのを防止できる。また固定電圧端子14の電位を第1演算増幅器10および第2演算増幅器12に対する基準電圧VREFと同じ電圧レベルとすることにより、非入力状態と入力状態が切りかわる際に、入力ポートの電圧レベルの変化が小さくなるという利点もある。
【0050】
実施の形態にもとづき、具体的な語句を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
【符号の説明】
【0051】
4…信号処理回路、100…入力セレクタ、102…A/Dコンバータ、Pi1…第1入力ポート、Pi2…第2入力ポート、Pi3…第3入力ポート、Pi4…第4入力ポート、Po1…第1出力ポート、Po2…第2出力ポート、10…第1演算増幅器、12…第2演算増幅器、14…固定電圧端子、R1…第1抵抗、R2…第2抵抗、R3…第3抵抗、R4…第4抵抗、R5…第5抵抗、R6…第6抵抗、R7…第7抵抗、C1…第1キャパシタ、C2…第2キャパシタ、SW1…第1スイッチ、SW2…第2スイッチ、SW3…第3スイッチ、SW4…第4スイッチ、SW5…第5スイッチ、SW6…第6スイッチ、SW7…第7スイッチ、SW8…第8スイッチ、SWMS1…第1入力固定スイッチ、SWMS2…第2入力固定スイッチ、SWMS3…第3入力固定スイッチ、SWMS4…第4入力固定スイッチ、SEL1…第1ミュートセレクタ、SEL2…第2ミュートセレクタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1、第2、第3、第4入力ポートと、
その非反転入力端子に基準電圧が入力された第1演算増幅器と、
その非反転入力端子に基準電圧が入力された第2演算増幅器と、
その第1端子が前記第1入力ポートに接続された第1抵抗と、
その第1端子が前記第2入力ポートに接続された第2抵抗と、
その第1端子が前記第3入力ポートに接続された第3抵抗と、
その第1端子が前記第4入力ポートに接続された第4抵抗と、
前記第1抵抗の第2端子と前記第1演算増幅器の反転入力端子の間に設けられた第1スイッチと、
前記第2抵抗の第2端子と前記第1演算増幅器の反転入力端子の間に設けられた第2スイッチと、
前記第3抵抗の第2端子と前記第1演算増幅器の反転入力端子の間に設けられた第3スイッチと、
前記第4抵抗の第2端子と前記第1演算増幅器の反転入力端子の間に設けられた第4スイッチと、
前記第2抵抗の前記第2端子と前記第2演算増幅器の反転入力端子の間に設けられた第5スイッチと、
前記第4抵抗の前記第2端子と前記第2演算増幅器の反転入力端子の間に設けられた第6スイッチと、
前記第1演算増幅器の出力端子と前記第2演算増幅器の反転入力端子の間に直列に設けられた第5抵抗および第7スイッチと、
前記第1演算増幅器の出力端子と前記第1演算増幅器の反転入力端子の間に設けられた第6抵抗と、
前記第2演算増幅器の出力端子と前記第2演算増幅器の反転入力端子の間に設けられた第7抵抗と、
を備え、
前記第1演算増幅器および前記第2演算増幅器それぞれの出力信号を、差動信号として出力することを特徴とする入力セレクタ。
【請求項2】
その第1端子が前記第1演算増幅器の反転入力端子に接続され、その第2端子が前記第6抵抗の一端と接続され、その第3端子が前記第1演算増幅器の出力端子と接続され、その第1端子とその第2端子の間およびその第1端子とその第3端子の間の一方が択一的に導通する第1ミュートセレクタと、
その第1端子が前記第2演算増幅器の反転入力端子に接続され、その第2端子が前記第7抵抗の一端と接続され、その第3端子が前記第2演算増幅器の出力端子と接続され、その第1端子とその第2端子の間およびその第1端子とその第3端子の間の一方が択一的に導通する第2ミュートセレクタと、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の入力セレクタ。
【請求項3】
前記第6抵抗および前記第7抵抗は可変抵抗であることを特徴とする請求項1または2に記載の入力セレクタ。
【請求項4】
前記第6抵抗と並列な経路に直列に設けられた第1キャパシタと、
前記第7抵抗と並列な経路に直列に設けられた第2キャパシタおよび第8スイッチと、
をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の入力セレクタ。
【請求項5】
前記第1入力ポートと固定電圧端子の間に設けられた第1入力固定スイッチと、
前記第2入力ポートと前記固定電圧端子の間に設けられた第2入力固定スイッチと、
前記第3入力ポートと前記固定電圧端子の間に設けられた第3入力固定スイッチと、
前記第4入力ポートと前記固定電圧端子の間に設けられた第4入力固定スイッチと、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の入力セレクタ。
【請求項6】
入力信号としてアナログオーディオ信号を受けることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の入力セレクタ。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の入力セレクタと、
前記入力セレクタからの信号をデジタル信号に変換する差動入力形式のA/Dコンバータと、
を備えることを特徴とする信号処理回路。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−15685(P2012−15685A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−148679(P2010−148679)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】