入門管理システム及び情報端末装置
【課題】 画像のような情報を記録可能な機能を備えている情報端末装置自体の持込は可能としたうえで、当該機能の利用を確実に禁止することができる入門管理システムを提供する。
【解決手段】 携帯電話機1は、CCDカメラを備えてなるカメラモジュールが本体に対して着脱可能に構成されており、携帯電話機1の制御部は、カメラモジュールが本体に収容されて撮像可能な状態にあるか否かを判別してその情報を管理装置24に送信する。入門ゲート22側に配置されている管理装置24は、携帯電話機1よりその判別状態に関する情報を受信すると、その判別状態に応じてバー23の昇降を制御する。
【解決手段】 携帯電話機1は、CCDカメラを備えてなるカメラモジュールが本体に対して着脱可能に構成されており、携帯電話機1の制御部は、カメラモジュールが本体に収容されて撮像可能な状態にあるか否かを判別してその情報を管理装置24に送信する。入門ゲート22側に配置されている管理装置24は、携帯電話機1よりその判別状態に関する情報を受信すると、その判別状態に応じてバー23の昇降を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像手段又は画像情報若しくは音声情報を記録可能に構成される情報記録手段を備え、電池駆動で動作するように構成される情報端末装置を携帯する者の入門又は入室を管理する管理装置とで構成される入門管理システム、及びそのシステムに使用される情報端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の携帯電話機は、カメラ機能を備えているものが殆どになっている。その様な事情を踏まえ、例えば会社内における機密事項の漏洩を防止するために、カメラ付き携帯電話機の持込みを禁止する会社も多くなっている。しかし、持ち込み禁止によって携帯電話機が全く使用できなくなると極めて不便になることから、プライベートでカメラ付き携帯電話機を使っている場合は、カメラ機能が付いていない携帯電話機をわざわざ探して仕事用に使用せざるを得ないという場合がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、カメラ機能付きの携帯情報端末を利用して、入退場時のセキュリティチェックを行うようにした技術が開示されている。この技術は、入門しようとする者の顔や容貌などをカメラにより撮影してその特徴を抽出すると個人認証装置側に送信し、個人認証装置が受信した情報を照合することで入室の可否を決定するものである。
【特許文献1】特開2004−208244号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、個人の認証を行っているとしてもカメラ機能付きの携帯情報端末を持ち込むことは可能であるため、そのような端末の持込を禁止することを前提としている上述の問題の解決には全く寄与しない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、画像のような情報を記録可能な機能を備えている情報端末装置自体の持込は可能としたうえで、当該機能の利用を確実に禁止することができる入門管理システム、及びそのシステムに使用される情報端末装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の入門管理システムによれば、情報端末装置は、撮像手段を備えてなる撮像モジュールが本体に対して着脱可能に構成されており、撮像モジュールが本体に収容されて撮像可能な状態にあるか否かを判別してその情報を外部に送信する。一方、入門又は入室を管理する場所に設置される管理装置は、情報端末装置側より判別状態に関する情報を受信すると、その判別状態に応じて情報端末装置に撮像モジュールが収容されているか否かを管理側に報知する。
【0006】
従って、管理側では、例えば管理員などが上記の報知に基づいて、撮像モジュールが本体に収容された状態の情報端末装置を携帯している者の入門又は入室を拒否することができる。そして、情報端末装置を携帯する者は、撮像機能を使用したい場合には撮像モジュールを収容して使用することができ、上述のようにセキュリティを確保する必要がある特定の場所に入門又は入室する必要がある場合は、撮像モジュールを取外して第1通信手段による通信機能だけを使用することができる。即ち、1つの情報端末装置を入門管理システムに適するように構成し、使用状況に応じて使い分けることが可能となる。尚、ここで「入門管理」とは、入門管理又は入室管理の総称である。
【0007】
請求項2記載の入門管理システムによれば、情報端末装置は、撮像手段を備えてなる撮像モジュールが本体に対して着脱可能に構成されており、撮像モジュールが本体に収容されて撮像可能な状態にあるか否かを判別してその情報を外部に送信する。一方、入門又は入室を管理する場所に設置される管理装置は、情報端末装置側より判別状態に関する情報を受信すると、その判別状態に応じて入門ゲートの開放又は入室扉の解錠を制御する。
従って、撮像モジュールが本体に収容された状態の情報端末装置を携帯している者の入門又は入室を自動的に拒否することができる。そして、情報端末装置を携帯する者は、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0008】
請求項3記載の入門管理システムによれば、管理装置は、情報端末装置に撮像モジュールが収容されている場合は、当該装置を携帯して入門又は入室しようとする者にその旨を警告するので、入門者に対して撮像モジュールを取外すことように促すことができる。
【0009】
請求項4記載の入門管理システムによれば、管理装置は、検出手段が情報端末装置が接触したこと又は載置されたことを検出すると、情報端末装置側に撮像モジュールの収容状態に関する情報の要求を送信する。そして、情報端末装置は、情報要求を受信すると当該情報を管理装置側に送信する。従って、管理装置は、情報端末装置が近傍に存在するか否かにかかわらず、例えば常時所定の間隔で情報要求を送信する必要がなく、情報端末装置が近傍に位置したことが検出された場合にだけ送信を行えば良いので、電力消費を低減することができる。
【0010】
請求項6記載の情報端末装置によれば、本体に備えた収容部に撮像モジュールを挿入して嵌合させるように構成される。そして、収容時には両者の溝よりなる凹凸が互いに嵌合するようになっており、両者の電気的接続は凹凸をなす部分に配置される電極によって行われる。従って、撮像モジュールの収容並びに両者の電気的接続を確実に行うことができる。
【0011】
請求項7記載の入門管理システムによれば、情報端末装置は、情報記録手段及びその機能を制御する機能制御手段を備えている。また、個人情報記憶手段には、情報端末装置を使用する個人を特定する情報が記憶されており、データベースには、複数の個人情報と、各個人情報に応じて、所定の場所に対する入門又は入室の可否を示す情報並びに情報記録手段の使用の可否を示す情報とが記録されている。
そして、入門又は入室を管理する場所に設置される個人情報読取り手段が、個人情報記憶手段に記憶されている個人情報を読取ると、第1判定手段によってデータベースより読取られた個人情報が照会されて入門又は入室の可否が判定され、その判定結果に応じて入門ゲートの開放又は入室扉の解錠が制御される。
【0012】
また、第2判定手段は、データベースにアクセスすることで個人情報を照会し、情報記録手段の使用の可否を判定すると、その判定結果は、管理側通信手段を介して情報端末装置側に送信される。すると、情報端末装置の機能制御手段は、受信した判定結果に応じて情報記録手段の機能を無効化する。即ち、例えば所定の場所に対する入門又は入室が許可された場合でも、データベースに登録されている各個人の使用可否情報に応じて、画像や音声の記録が可能な情報記録手段の機能は有効化又は無効化される。従って、請求項1又は2と同様に、1つの情報端末装置を入門管理システムに適するように構成し、使用状況に応じて使い分けることが可能となる。
【0013】
請求項8記載の入門管理システムによれば、個人情報読取り手段と入門制御手段とを一体の管理装置として、データベースと第1及び第2判定手段と管理側通信手段とを一体のホストとして構成し、両者間を通信ネットワークを介して接続する。斯様に構成すれば、管理装置は入門又は入室を管理する場所に設置しておき、比較的容量が大きいデータベースは、より離れた場所に設置した状態でもデータを参照することができる。そして、複数の管理装置が通信ネットワークを介してデータベースにアクセスすることができる。
【0014】
請求項9記載の入門管理システムによれば、個人情報記憶手段は、情報端末装置に対して着脱可能な情報記録媒体として構成されるので、例えば、ICカードやRFIDタグなどを利用して、システムを構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(第1実施例)
以下、本発明を情報端末装置としての携帯電話機1を用いた入門管理システムに適用した場合の第1実施例について図1乃至図5を参照して説明する。図3(a)は、携帯電話機1の外観構成を示しており、図4は、携帯電話機1の電気的構成を概略的に示している。図3には、二つ折りタイプの携帯電話機1が開いた状態で示されている。この携帯電話機1は、下部本体2と、この下部本体2にヒンジ部3を介して開閉可能に連結された上部本体4とからなり、下部本体2の表側には、多数のキー5を配列してなるキーパッド6および送話音を入力するマイクロフォン7などが配設されている。また、上部本体6の表側には、ディスプレイ8および受話音声を出力するスピーカ9などが配設されている。なお、上部本体4の裏側にはアンテナ10(図4参照)が配設されている。
【0016】
ヒンジ部3には、ヒンジ部3の軸を中心として回転可能に構成された回転機構部11を備えており、その回転機構部11に対してCCDカメラ(撮像手段)12を有するカメラモジュール(撮像モジュール)13が着脱可能となるように構成されている。カメラモジュール13は、図3(b)に示すように、直方体状の筐体13aを有しており、その筐体13aの正面側にCCDカメラ12が嵌め込まれている。また、筐体13aの図3中上面には、複数の凸部13bが左右方向に等間隔に並んでおり、それらの凸部13bは、筐体13aの厚さ(図3中奥行き方向)寸法と略同じ長さで形成されている。そして、2つの凸部13bの間が溝をなす凹部13cとなっている。
【0017】
一方、図3(d)に示すように、回転機構部11側には、カメラモジュール13を収容するための収容部14が、筐体13aの外形に合わせて形成されている。従って、収容部14の上方側にも、凸部13b,凹部13cに対応した凹部14a,凸部14bが形成されている。そして、カメラモジュール13側の凸部13b,凹部13cと、収容部14側の凹部14a,凸部14bには必要に応じて電極が配置されている。
例えば、凸部13b側には電極15が配置され、凹部14a側の電極16が配置されており、カメラモジュール13を収容部14に収容するように嵌め込んだ場合は、両者の凹凸部が夫々噛み合うようになり、その際に、電極15,16も電気的に接続されるようになっている。これにより、CCDカメラ12と、携帯電話機1側との間における信号やデータの転送が可能となっている。そして、収容部14にカメラモジュール13が収容された場合には、上記の電気的接続により、プルアップされている何れかの端子がグランドレベルになることで、携帯電話機1の制御部17(図4参照)はその収容状態を検出可能となっている。
【0018】
また、収容部14には、図3(c)に示すように、カメラモジュール13の筐体13aと外形寸法が同一となるように形成され、CCDカメラ12を有していないダミー筐体16も収容可能となっている。ダミー筐体16上面の凹凸部には、電極が配置されておらず、収容部14にダミー筐体16が収容された場合には、上記プルアップされている端子のレベルは変化しないようになっている。
この場合、カメラモジュール13またはダミー筐体16が収容部14に収容された状態で、その脱落を防止するためのロック機構を備えても良い。或いは、ダミー筐体16を収容することに替えて、収容部14にシャッタ機構を配置して、カメラモジュール13を収容しない場合は、収容部14をシャッタにより閉塞するようにしても良い。
【0019】
図4には携帯電話機1の電気的構成が示されている。同図において、制御手段としての制御部(収容状態判別手段)17はマイクロコンピュータにより構成され、CPUやROM,RAM(何れも図示せず)などを備えている。この制御部17には、前述のマイクロフォン7、ディスプレイ8、スピーカ9、CCDカメラ12、キー5によって操作されるキースイッチ18の他、アンテナ10を介して基地局と通信を行う通信部(第1通信手段)19が接続されている。なお、下部本体5内には電源用電池20が収納されている。また、制御部17には、近距離無線通信手段であるBluetooth通信部(第2通信手段)21も接続されている。
【0020】
図1は、上記構成の携帯電話機1を使用した入門システムの全体構成を示すものである。例えば、会社の入口に設置されている入門ゲート22は、入門者が2本の柱22L,22Rの間を通過して入門するようになっているが、その通過路の通過はバー23によって阻止可能となっている。即ち、例えば、柱22Rの内部には、管理装置24が内蔵されており、管理装置24は、入門しようとする者が所持している携帯電話機1とBluetoothにより無線通信を行い、その結果により入門の適否を判断するようになっている。そして、入門を許可できない場合は、バー23を下ろすことで入門ゲート22の通過を阻止するように制御する。
【0021】
図5は、管理装置24の電気的構成を示す機能ブロック図である。管理装置24は、マイクロコンピュータで構成される制御部25を中心として、Bluetooth通信部(通信手段)26や、表示部(警告手段)27、音声出力部(警告手段)28、バー駆動部29などを備えている。表示部27は、図1に示すように柱22Rの上面に載置されている回転等であり、入門を許可できない場合に点灯表示されて警告を行うために使用される。また、音声出力部28は、図1に示すように柱22Rの正面に配置されているスピーカであり、表示部27と同様に警告を行うために使用される。バー駆動部29は、柱22Rに内蔵されており、バー23を上げ下ろし(回動)するためのモータなどで構成されている。
【0022】
次に、本実施例の作用について図2も参照して説明する。図2は、管理装置24と携帯電話機1との間における通信処理手順を示すシーケンス図である。管理装置24は、Bluetooth通信部26より周期的に質問信号を送信しており、入門ゲート22に携帯電話機1を所持した者が接近するまで待機している。そして、入門ゲート22を通過して入門しようとする者は、携帯電話機1を柱22Rの管理装置24に近づけるようにする。すると、携帯電話機1側のBluetooth通信部21との通信が行われ、携帯電話機1側は管理装置24に応答を返す。
【0023】
管理装置24は、携帯電話機1の応答を受け付けると、携帯電話機1側に、カメラモジュール13の収容状態を送信するように要求する。すると、携帯電話機1の制御部17は、収容部14にカメラモジュール13が収容されているか否かを判定用端子のレベルを参照することで判定し、その結果を管理装置24側に返信する。そして、管理装置24は、返信された状態に応じて入門の可否を決定する。
即ち、携帯電話機1にカメラモジュール13が収容されている場合は、CCDカメラ12によって会社内部の機密事項が撮影されてしまうおそれがあるので、その場合(NG)は、制御部25は入門を許可せず、バー駆動部29によりバー23を下ろして入門ゲート22の通過を阻止する。また、表示部27を点灯させると共に、例えば、音声出力部28により「携帯電話機にカメラが装着された状態では入門できません」というような音声メッセージを出力して入門しようとする者に警告する。
一方、携帯電話機1にカメラモジュール13が収容されていなければ、バー23は上げたままの状態としておき、入門しようとする者を通過させるように制御する。
【0024】
以上のように本実施例によれば、携帯電話機1は、CCDカメラ12を備えてなるカメラモジュール13が本体に対して着脱可能に構成されており、制御部17は、カメラモジュール13が本体に収容されて撮像可能な状態にあるか否かを判別してその情報を外部に送信し、管理装置24は、携帯電話機1側よりその判別状態に関する情報を受信すると、その判別状態に応じてバー23の昇降を制御する。
従って、カメラモジュール13が本体に収容された状態の携帯電話機1を携帯している者の入門又は入室を自動的に拒否することができる。そして、携帯電話機1を使用する者は、例えばプライベートで撮像機能を使用したい場合にはカメラモジュール13を本体に収容して使用することができ、上述のようにセキュリティを確保する必要がある特定の場所に入門する必要がある場合は、カメラモジュール13を取外して通信部19による通信機能だけを使用することができる。即ち、1つの携帯電話機1を入門管理システムに適するように構成し、使用状況に応じて使い分けることが可能となる。
【0025】
また、管理装置24は、携帯電話機1にカメラモジュール13が収容されている場合は、その携帯電話機1を携帯して入門しようとする者に、表示部27及び音声出力部28によりその旨を警告するので、入門者に対してカメラモジュール13を取外すことように促すことができる。
更に、携帯電話機1を、本体に備えた収容部14にカメラモジュール13を挿入して嵌合させるように構成し、収容時には両者の溝よりなる凹凸が互いに嵌合することで、両者の電気的接続を互いに凹凸をなす部分に配置される電極によって行うようにしたので、カメラモジュール13の収容並びに両者の電気的接続を確実に行うことができる。
【0026】
(第2実施例)
図6及び図7は本発明の第2実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。第2実施例は、第1実施例のカメラモジュール13とは構成が若干異なるカメラモジュール(撮像モジュール)31の構成を示す。図6(a)はカメラモジュール31の平面図、図6(b)は正面図、図6(c)は側面図である。
図6(a)に示すように、カメラモジュール31の筐体31aには、第1実施例のような凸部13a,凹部13bは形成されていない。そして、図6(b),(c)に示すように、筐体31aの底面側には、複数の板ばね状の電極32が配置されている。電極32は、図6(c)に示す側面形状がJ字状であり、その一端が筐体31aの底面側に固定されており、他端側が開放されている。
【0027】
そして、図7は、携帯電話機1側の収容部33の平面図である。収容部33の底には、カメラモジュール31側の電極32の配置間隔に対応して、複数の電極34(例えば、基板上に形成された銅箔のランド)が配置されている。従って、カメラモジュール31を収容部33に挿入すると、電極32,34が接触することで両者の電気的接続が図られるようになっている。
以上のように構成された第2実施例による場合も、第1実施例と略同様の効果を得ることができる。
【0028】
(第3実施例)
図8及び図9は本発明の第3実施例を示すものであり、第2実施例と異なる部分についてのみ説明する。第3実施例も第2実施例と同様に異なる構成のカメラモジュール35を示すものであり、図8は図6相当図である。カメラモジュール(撮像モジュール)35は、筐体35aの底部側に、第2実施例の板ばね状の電極32に替えて、コネクタ接続用の端子(オス)36が、底面側に突き出す方向に配置されている。
【0029】
そして、図9は、収容部37側に配置されたコネクタ38を示す。コネクタ38は、端子36に対応した端子(メス)39を複数備えて構成されている。従って、カメラモジュール35を収容部37に挿入すると、端子36,39が接触することで両者の電気的接続が図られるようになっている。
以上のように構成された第3実施例による場合も、第1実施例等と略同様の効果を得ることができる。
【0030】
(第4実施例)
図10及び図11は、本発明を入室管理システム(入門管理システム)に適用した場合の第4実施例を示すものである。第4実施例では、管理装置41は、セキュリティ確保のため入室が管理されている部屋のドア42近傍の壁の内部などに配置されている。そして、管理装置41は、第1実施例におけるバー駆動部29に替わるドアロックアクチュエータ43を制御するようになっている。
【0031】
図11に示すように、ドアロックアクチュエータ43は、ドア42側にロックピン44を出し入れすることで、ドア42の施錠,解錠を行うものである。また、表示部27に替わる表示部45(例えばLCDパネルなどで構成される)が壁に埋め込まれており、警告用のメッセージを文字で表示するようになっている。
【0032】
以上のように構成される第4実施例の作用は、基本的に第1実施例と同様であり、ドア42を通って入室しようとするものが接近し、携帯電話機1を管理装置41に近づけると、Bluetoothにより両者間の通信が行われる。そして、携帯電話機1にカメラモジュール13が収容されている場合は、制御部25は入室を許可せず、ドアロックアクチュエータ43によりドア42を施錠状態に維持して入室を阻止する。また、表示部45及び音声出力部28により「携帯電話機にカメラが装着された状態では入門できません」というようなメッセージを表示及び音声で夫々出力して入室しようとする者に警告する。一方、携帯電話機1にカメラモジュール13が収容されていない場合、制御部25はドアロックアクチュエータ43によりドア42を解錠状態にして入室を許可する。
以上のように構成された第4実施例によれば、入室管理システムにも本発明を適用することができる。
【0033】
(第5実施例)
図12及び図13は本発明の第5実施例を示すものである。第5実施例における管理装置44は、第1実施例の管理装置24の構成に、携帯電話機1の置き台45を加えたものである。置き台45には、携帯電話機1が載置されたか否かを判別するスイッチ(検出手段)46が内蔵されている。そして、そのスイッチ46のオンオフは、制御部25Aが参照可能となっている。
置き台45は、例えば、入門ゲート22の近くに配置されている。そして、入門しようとする者は、携帯電話機1を置き台45に載置する。すると、制御部25Aは、携帯電話機1が置き台45に載置されたことを検知して、その時点からBluetoothによる質問信号の送信を開始するように構成されている。
【0034】
即ち、図13に示すように、制御部25Aは、携帯電話機1が置き台45に載置されたことを検知するまで待機しており(ステップS1)、載置されたことを検知すると(「YES」)携帯電話機1側への質問信号の送信を開始する(ステップS2)。そして、携帯電話機1側より応答があると(ステップS3,「YES」)、以降は第1実施例と同様の処理が行われる。最後に、入門可否の決定に応じた処理が行なわれると(ステップS4)、今度は携帯電話機1が置き台45より除去されるまで待機し(ステップS5)、除去されると(「YES」)ステップS1に戻る。
【0035】
以上のように第5実施例によれば、管理装置44は、置き台45のスイッチ46が携帯電話機1が載置されたことを検出するとBluetoothによる通信を開始して、携帯電話機1側にカメラモジュール13の収容状態に関する情報の要求を送信する。従って、管理装置44は、携帯電話機1が近傍に存在するか否かにかかわらず、例えば常時所定の間隔で情報要求を送信する必要がなく、携帯電話機1が近傍に位置したことが検出された場合にだけ送信を行えば良いので、電力消費を低減することができる。
【0036】
(第6実施例)
図14は本発明の第6実施例を示すものであり、第1実施例と異なる部分についてのみ説明する。第6実施例の管理装置46は、第1実施例の管理装置24よりバー駆動装置29が削除されており、また、入門ゲート22の柱22Lに配置されていた表示部27及び音声出力部28に替えて、入門ゲート22の側に位置する守衛室内に配置されている表示部47及び音声出力部48が設けられている。
以上のように構成された第6実施例によれば、守衛室に守衛が常駐しているような場合には、管理装置46がバー23の昇降制御を行わずとも、携帯電話機1にカメラモジュール13が装着された状態で入門しようとする者を、表示部47及び音声出力部48により守衛に報知して対処させることが可能となる。
【0037】
(第7実施例)
図15乃至図18は本発明の第7実施例を示すものである。第7実施例は、情報端末装置として、カメラによる撮影機能やデジタルレコーダによる録音機能などを備えているPDA(Personal Digital Assistants)51等を携帯したまま、例えば会社内においてセキュリティ管理されている部屋に入室しようとする場合に、それらの機能を制限するためのシステムである。
【0038】
図15は、システムの全体構成を示すもので、図16(a)は、PDA51の電気的構成を示すものである。図16(a)に示すように、PDA51は、CPU(マイクロコンピュータ,機能制御手段)52を中心として、例えば無線電話機能や無線LANによる通信機能などのネットワーク接続機能部(端末側通信手段)53や、カメラ(情報記録手段)54、録音機能部(情報記録手段)55、表示などを含むその他機能部56などを有している。そして、これらは電池(Battery)57によって供給される電源で駆動されるようになっている。また、CPU52は、ソフトウエア的に実現される禁止/有効制御部52aを備えており、この禁止/有効制御部52aによってカメラ54及び録音機能部55の機能を有効化/無効化するようになっている。
【0039】
図16(b)は、非接触型のICカード(個人情報記憶手段)58の電気的構成を示すものである。ICカード58は、やはりCPU59を中心として、個人の識別情報(ここでは、PDA51及びICカード58の所有者に関するもの)が記憶されているメモリ60や通信機能部61などを備えている。
また、図17は、図16(a),(b)に示す構成が一体になっているものを想定している。即ち、PDA62は、図16のPDA51に、ICカード58が有しているメモリ60及び通信機能部61を加えたものであり、通信機能部61の制御も、PDA62側のCPU52Aが行うようになっている。
【0040】
図15に示すように、セキュリティ管理されている各部屋については、ドアコントローラ(入門制御手段)63、ICカード用のリーダライタ(RW,個人情報読み取り手段)64などからなる入室管理装置65が配置されている。ドアコントローラ63は、リーダライタ64との間における通信が可能であると共に、扉66の解施錠を制御するようになっており、更に、ネットワーク通信機能を備えている。そして、通信ネットワーク(例えば、インターネット)67を介して遠隔地に位置するホスト68との通信も可能となるように構成されている。
【0041】
ホスト68は、マイクロコンピュータなどで構成される同期処理装置(第1,第2判定手段,管理側通信手段)69とデータベース(DB)70とを備えている。同期処理装置69は、データベース70が参照で可能であり、通信ネットワーク67を介してドアコントローラ63と通信することで、ドアコントローラ63側との同期処理が可能となっている。また、同期処理装置69は、データベース70が参照で可能であり、通信ネットワーク67及び無線局71を介してPDA51,62との直接通信も可能となっている。
【0042】
次に、第7実施例の作用について図18も参照して説明する。図18は、PDA51,ICカード58,ドアコントローラ63,ホスト68との間における通信処理状態を示すシーケンス図である。ドアコントローラ63は、リーダライタ64により所定周期で質問信号を送信しており、PDA51及びICカード58を携帯した者が接近するまで待機している。そして、ICカード58が、質問に対する応答としてメモリ60に記憶されている「個人識別情報」を送信すると、ドアコントローラ63は、その情報をホスト68側に転送する。
【0043】
ホスト68の同期処理装置69は、「個人識別情報」を受け取ると、当該情報を送信した部屋についての「入室許可情報」を、データベース70より取得する。「入室許可情報」としては、例えば当該部屋に対する入室が許可されている従業員の番号などである。そして、同期処理装置69は2つの情報を照合して入室の許否を判定し、その結果をドアコントローラ63側に通知する。すると、ドアコントローラ63は、その許否に応じて扉66の解施錠を行う。
また、同期処理装置69は、入室許可と判定した場合は、再度データベース70にアクセスして「部屋情報」を取得する。ここで、「部屋情報」とは、各部屋に応じて、PDA51などが備えているカメラ54や録音機能部55などの情報入出力機能を有効のままとするか無効にすべきかの情報であり、セキュリティレベルが高い部屋に関しては、上記の機能を無効とすべき設定がなされている。
【0044】
そして、同期処理装置69は、取得した「部屋情報」に基づき情報入出力機能を無効にすべき場合は、更に、データベース70にアクセスして「端末情報」を取得する。ここで、「端末情報」とは、従業員の番号と、その従業員が使用するものとして予め登録されているPDA51の端末番号(送信宛先)である。そして、同期処理装置69は、端末番号を取得すると、情報入出力機能の無効指令通知を、通信ネットワーク67及び無線局71を介してPDA51側に送信する。すると、PDA51のCPU52は、禁止/有効制御部52aにより、カメラ54及び録音機能部55の機能を無効化する。従って、この場合、その部屋に入室が許可された者であってもPDA51のカメラ54及び録音機能部55は使用することができなくなる。
【0045】
以上のように第7実施例によれば、PDA51がカメラ54及び録音機能部55を備えている場合に、ICカード58に、前記PDA51を使用する個人を特定する情報を記憶し、データベース70に、複数の個人情報と、各個人情報に応じて、所定の部屋に対する入室の可否を示す情報並びにPDA51におけるカメラ54及び録音機能部55の使用の可否を示す情報とを記録する。
そして、入室を管理する場所に設置されるドアコントローラ63は、リーダライタ64を介してICカード58に記憶されている個人情報を読取りホスト68側に送信すると、同期処理装置69によってデータベース70より読取られた個人情報が照会されて入室の可否が判定され、ドアコントローラ63は、その判定結果に応じて扉66の解錠を制御する。
【0046】
また、同期処理装置69は、データベース70にアクセスすることで個人情報を照会し、カメラ54及び録音機能部55の使用の可否を判定すると、その判定結果は、PDA51側に送信され、PDA51を制御するCPU52は、受信した判定結果に応じてカメラ54及び録音機能部55の機能を無効化する。従って、PDA51を、入室管理システムに適するように構成し、使用状況に応じて使い分けることが可能となる。
また、ドアコントローラ63、リーダライタ64とを一体の入室管理装置65として構成し、同期処理装置69、データベース70を一体のホスト68として構成し、両者間を通信ネットワーク67を介して接続したので、入室管理装置65は入室を管理する場所に設置しておき、比較的容量が大きいデータベース70は、より離れた場所に設置した状態でもデータを参照することができる。そして、複数の入室管理装置65が通信ネットワーク67を介してデータベース70にアクセスすることができる。
【0047】
本発明は上記し又は図面に記載した実施例に限定されるものではなく、次のような変形が可能である。
第1乃至第6実施例を、携帯電話機1に替えて第7実施例のようなPDAについて適用しても良い。
第5実施例における検出手段は、携帯電話機1が接触したことを検出するように構成されるものでも良い。
第7実施例において、PDA52が備えるものは、カメラ54、録音機能部55の何れか一方のみでも良い。
第7実施例における入室管理装置65、及びホスト68の構成は、図15に示すものに限らず、例えば、入室管理装置65及びホスト68が一体となるように構成しても良い。その場合、両者が通信ネットワークを介して通信を行う必要はない。
第7実施例を、情報端末装置としての携帯電話機に適用しても良い。
第7実施例におけるICカードは、接触型であっても良い。
第7実施例において、個人情報記憶手段をRFIDタグで構成しても良い。
携帯電話機は、二つ折り構造のものに限らず、例えばカメラモジュールを背面側から取り付けるように構成されていても良い。
第2通信手段は、例えば無線LANやIrDA、或いはRFIDタグなどと同様の通信方式を使用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明を、情報端末装置としての携帯電話機を用いた入門管理システムに適用した場合の第1実施例であり、入門管理システムの全体構成を示す図
【図2】管理装置と携帯電話機との間における通信処理手順を示すシーケンス図
【図3】(a)は携帯電話機の外観構成を示す図、(b)はカメラモジュールの平面図、(c)はダミー筐体の構成を示す平面図、(d)は収容部の構成を示す平面図
【図4】携帯電話機の電気的構成を概略的に示す図
【図5】管理装置の電気的構成を示す機能ブロック図
【図6】本発明の第2実施例であり、(a)はカメラモジュールの平面図、(b)は同正面図、(c)は同側面図
【図7】携帯電話機側における収容部の平面図
【図8】本発明の第3実施例を示す図6相当図
【図9】収容部側に配置されたコネクタを示す図
【図10】本発明を入室管理システムに適用した場合の第4実施例であり、システムの全体構成を示す図
【図11】図5相当図
【図12】本発明の第5実施例を示す図5相当図
【図13】管理装置の制御部による制御内容を示すフローチャート
【図14】本発明の第6実施例を示す図5相当図
【図15】本発明の第7実施例であり、システムの全体構成を示す図
【図16】(a)はPDAの電気的構成を示す図、(b)は非接触型のICカードの電気的構成を示す図
【図17】図16(a),(b)に示す構成が一体になっているPDAの電気的構成を示す図
【図18】PDA,ICカード,ドアコントローラ,ホストとの間における通信処理状態を示すシーケンス図
【符号の説明】
【0049】
図面中、1は携帯電話機(情報端末装置)、12はCCDカメラ(撮像手段)、13はカメラモジュール(撮像モジュール)、14は収容部、16はダミー筐体、17は制御部(収容状態判別手段)、19は通信部(第1通信手段)、20は電源用電池、21はBluetooth通信部(第2通信手段)、24は管理装置、26はBluetooth通信部(通信手段)、27は表示部(警告手段)、28は音声出力部(警告手段)、31はカメラモジュール(撮像モジュール)、33は収容部、35はカメラモジュール(撮像モジュール)、41は管理装置、46はスイッチ(検出手段)、46は管理装置、51はPDA(情報端末装置)、52はCPU(機能制御手段)、53はネットワーク接続機能部(端末側通信手段)、54はカメラ(情報記録手段)、55は録音機能部(情報記録手段)、63はドアコントローラ(入門制御手段)、64はリーダライタ(個人情報読み取り手段)、68はホスト、69は同期処理装置(第1,第2判定手段,管理側通信手段)、70はデータベース(DB)を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像手段又は画像情報若しくは音声情報を記録可能に構成される情報記録手段を備え、電池駆動で動作するように構成される情報端末装置を携帯する者の入門又は入室を管理する管理装置とで構成される入門管理システム、及びそのシステムに使用される情報端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の携帯電話機は、カメラ機能を備えているものが殆どになっている。その様な事情を踏まえ、例えば会社内における機密事項の漏洩を防止するために、カメラ付き携帯電話機の持込みを禁止する会社も多くなっている。しかし、持ち込み禁止によって携帯電話機が全く使用できなくなると極めて不便になることから、プライベートでカメラ付き携帯電話機を使っている場合は、カメラ機能が付いていない携帯電話機をわざわざ探して仕事用に使用せざるを得ないという場合がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、カメラ機能付きの携帯情報端末を利用して、入退場時のセキュリティチェックを行うようにした技術が開示されている。この技術は、入門しようとする者の顔や容貌などをカメラにより撮影してその特徴を抽出すると個人認証装置側に送信し、個人認証装置が受信した情報を照合することで入室の可否を決定するものである。
【特許文献1】特開2004−208244号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、個人の認証を行っているとしてもカメラ機能付きの携帯情報端末を持ち込むことは可能であるため、そのような端末の持込を禁止することを前提としている上述の問題の解決には全く寄与しない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、画像のような情報を記録可能な機能を備えている情報端末装置自体の持込は可能としたうえで、当該機能の利用を確実に禁止することができる入門管理システム、及びそのシステムに使用される情報端末装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の入門管理システムによれば、情報端末装置は、撮像手段を備えてなる撮像モジュールが本体に対して着脱可能に構成されており、撮像モジュールが本体に収容されて撮像可能な状態にあるか否かを判別してその情報を外部に送信する。一方、入門又は入室を管理する場所に設置される管理装置は、情報端末装置側より判別状態に関する情報を受信すると、その判別状態に応じて情報端末装置に撮像モジュールが収容されているか否かを管理側に報知する。
【0006】
従って、管理側では、例えば管理員などが上記の報知に基づいて、撮像モジュールが本体に収容された状態の情報端末装置を携帯している者の入門又は入室を拒否することができる。そして、情報端末装置を携帯する者は、撮像機能を使用したい場合には撮像モジュールを収容して使用することができ、上述のようにセキュリティを確保する必要がある特定の場所に入門又は入室する必要がある場合は、撮像モジュールを取外して第1通信手段による通信機能だけを使用することができる。即ち、1つの情報端末装置を入門管理システムに適するように構成し、使用状況に応じて使い分けることが可能となる。尚、ここで「入門管理」とは、入門管理又は入室管理の総称である。
【0007】
請求項2記載の入門管理システムによれば、情報端末装置は、撮像手段を備えてなる撮像モジュールが本体に対して着脱可能に構成されており、撮像モジュールが本体に収容されて撮像可能な状態にあるか否かを判別してその情報を外部に送信する。一方、入門又は入室を管理する場所に設置される管理装置は、情報端末装置側より判別状態に関する情報を受信すると、その判別状態に応じて入門ゲートの開放又は入室扉の解錠を制御する。
従って、撮像モジュールが本体に収容された状態の情報端末装置を携帯している者の入門又は入室を自動的に拒否することができる。そして、情報端末装置を携帯する者は、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0008】
請求項3記載の入門管理システムによれば、管理装置は、情報端末装置に撮像モジュールが収容されている場合は、当該装置を携帯して入門又は入室しようとする者にその旨を警告するので、入門者に対して撮像モジュールを取外すことように促すことができる。
【0009】
請求項4記載の入門管理システムによれば、管理装置は、検出手段が情報端末装置が接触したこと又は載置されたことを検出すると、情報端末装置側に撮像モジュールの収容状態に関する情報の要求を送信する。そして、情報端末装置は、情報要求を受信すると当該情報を管理装置側に送信する。従って、管理装置は、情報端末装置が近傍に存在するか否かにかかわらず、例えば常時所定の間隔で情報要求を送信する必要がなく、情報端末装置が近傍に位置したことが検出された場合にだけ送信を行えば良いので、電力消費を低減することができる。
【0010】
請求項6記載の情報端末装置によれば、本体に備えた収容部に撮像モジュールを挿入して嵌合させるように構成される。そして、収容時には両者の溝よりなる凹凸が互いに嵌合するようになっており、両者の電気的接続は凹凸をなす部分に配置される電極によって行われる。従って、撮像モジュールの収容並びに両者の電気的接続を確実に行うことができる。
【0011】
請求項7記載の入門管理システムによれば、情報端末装置は、情報記録手段及びその機能を制御する機能制御手段を備えている。また、個人情報記憶手段には、情報端末装置を使用する個人を特定する情報が記憶されており、データベースには、複数の個人情報と、各個人情報に応じて、所定の場所に対する入門又は入室の可否を示す情報並びに情報記録手段の使用の可否を示す情報とが記録されている。
そして、入門又は入室を管理する場所に設置される個人情報読取り手段が、個人情報記憶手段に記憶されている個人情報を読取ると、第1判定手段によってデータベースより読取られた個人情報が照会されて入門又は入室の可否が判定され、その判定結果に応じて入門ゲートの開放又は入室扉の解錠が制御される。
【0012】
また、第2判定手段は、データベースにアクセスすることで個人情報を照会し、情報記録手段の使用の可否を判定すると、その判定結果は、管理側通信手段を介して情報端末装置側に送信される。すると、情報端末装置の機能制御手段は、受信した判定結果に応じて情報記録手段の機能を無効化する。即ち、例えば所定の場所に対する入門又は入室が許可された場合でも、データベースに登録されている各個人の使用可否情報に応じて、画像や音声の記録が可能な情報記録手段の機能は有効化又は無効化される。従って、請求項1又は2と同様に、1つの情報端末装置を入門管理システムに適するように構成し、使用状況に応じて使い分けることが可能となる。
【0013】
請求項8記載の入門管理システムによれば、個人情報読取り手段と入門制御手段とを一体の管理装置として、データベースと第1及び第2判定手段と管理側通信手段とを一体のホストとして構成し、両者間を通信ネットワークを介して接続する。斯様に構成すれば、管理装置は入門又は入室を管理する場所に設置しておき、比較的容量が大きいデータベースは、より離れた場所に設置した状態でもデータを参照することができる。そして、複数の管理装置が通信ネットワークを介してデータベースにアクセスすることができる。
【0014】
請求項9記載の入門管理システムによれば、個人情報記憶手段は、情報端末装置に対して着脱可能な情報記録媒体として構成されるので、例えば、ICカードやRFIDタグなどを利用して、システムを構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(第1実施例)
以下、本発明を情報端末装置としての携帯電話機1を用いた入門管理システムに適用した場合の第1実施例について図1乃至図5を参照して説明する。図3(a)は、携帯電話機1の外観構成を示しており、図4は、携帯電話機1の電気的構成を概略的に示している。図3には、二つ折りタイプの携帯電話機1が開いた状態で示されている。この携帯電話機1は、下部本体2と、この下部本体2にヒンジ部3を介して開閉可能に連結された上部本体4とからなり、下部本体2の表側には、多数のキー5を配列してなるキーパッド6および送話音を入力するマイクロフォン7などが配設されている。また、上部本体6の表側には、ディスプレイ8および受話音声を出力するスピーカ9などが配設されている。なお、上部本体4の裏側にはアンテナ10(図4参照)が配設されている。
【0016】
ヒンジ部3には、ヒンジ部3の軸を中心として回転可能に構成された回転機構部11を備えており、その回転機構部11に対してCCDカメラ(撮像手段)12を有するカメラモジュール(撮像モジュール)13が着脱可能となるように構成されている。カメラモジュール13は、図3(b)に示すように、直方体状の筐体13aを有しており、その筐体13aの正面側にCCDカメラ12が嵌め込まれている。また、筐体13aの図3中上面には、複数の凸部13bが左右方向に等間隔に並んでおり、それらの凸部13bは、筐体13aの厚さ(図3中奥行き方向)寸法と略同じ長さで形成されている。そして、2つの凸部13bの間が溝をなす凹部13cとなっている。
【0017】
一方、図3(d)に示すように、回転機構部11側には、カメラモジュール13を収容するための収容部14が、筐体13aの外形に合わせて形成されている。従って、収容部14の上方側にも、凸部13b,凹部13cに対応した凹部14a,凸部14bが形成されている。そして、カメラモジュール13側の凸部13b,凹部13cと、収容部14側の凹部14a,凸部14bには必要に応じて電極が配置されている。
例えば、凸部13b側には電極15が配置され、凹部14a側の電極16が配置されており、カメラモジュール13を収容部14に収容するように嵌め込んだ場合は、両者の凹凸部が夫々噛み合うようになり、その際に、電極15,16も電気的に接続されるようになっている。これにより、CCDカメラ12と、携帯電話機1側との間における信号やデータの転送が可能となっている。そして、収容部14にカメラモジュール13が収容された場合には、上記の電気的接続により、プルアップされている何れかの端子がグランドレベルになることで、携帯電話機1の制御部17(図4参照)はその収容状態を検出可能となっている。
【0018】
また、収容部14には、図3(c)に示すように、カメラモジュール13の筐体13aと外形寸法が同一となるように形成され、CCDカメラ12を有していないダミー筐体16も収容可能となっている。ダミー筐体16上面の凹凸部には、電極が配置されておらず、収容部14にダミー筐体16が収容された場合には、上記プルアップされている端子のレベルは変化しないようになっている。
この場合、カメラモジュール13またはダミー筐体16が収容部14に収容された状態で、その脱落を防止するためのロック機構を備えても良い。或いは、ダミー筐体16を収容することに替えて、収容部14にシャッタ機構を配置して、カメラモジュール13を収容しない場合は、収容部14をシャッタにより閉塞するようにしても良い。
【0019】
図4には携帯電話機1の電気的構成が示されている。同図において、制御手段としての制御部(収容状態判別手段)17はマイクロコンピュータにより構成され、CPUやROM,RAM(何れも図示せず)などを備えている。この制御部17には、前述のマイクロフォン7、ディスプレイ8、スピーカ9、CCDカメラ12、キー5によって操作されるキースイッチ18の他、アンテナ10を介して基地局と通信を行う通信部(第1通信手段)19が接続されている。なお、下部本体5内には電源用電池20が収納されている。また、制御部17には、近距離無線通信手段であるBluetooth通信部(第2通信手段)21も接続されている。
【0020】
図1は、上記構成の携帯電話機1を使用した入門システムの全体構成を示すものである。例えば、会社の入口に設置されている入門ゲート22は、入門者が2本の柱22L,22Rの間を通過して入門するようになっているが、その通過路の通過はバー23によって阻止可能となっている。即ち、例えば、柱22Rの内部には、管理装置24が内蔵されており、管理装置24は、入門しようとする者が所持している携帯電話機1とBluetoothにより無線通信を行い、その結果により入門の適否を判断するようになっている。そして、入門を許可できない場合は、バー23を下ろすことで入門ゲート22の通過を阻止するように制御する。
【0021】
図5は、管理装置24の電気的構成を示す機能ブロック図である。管理装置24は、マイクロコンピュータで構成される制御部25を中心として、Bluetooth通信部(通信手段)26や、表示部(警告手段)27、音声出力部(警告手段)28、バー駆動部29などを備えている。表示部27は、図1に示すように柱22Rの上面に載置されている回転等であり、入門を許可できない場合に点灯表示されて警告を行うために使用される。また、音声出力部28は、図1に示すように柱22Rの正面に配置されているスピーカであり、表示部27と同様に警告を行うために使用される。バー駆動部29は、柱22Rに内蔵されており、バー23を上げ下ろし(回動)するためのモータなどで構成されている。
【0022】
次に、本実施例の作用について図2も参照して説明する。図2は、管理装置24と携帯電話機1との間における通信処理手順を示すシーケンス図である。管理装置24は、Bluetooth通信部26より周期的に質問信号を送信しており、入門ゲート22に携帯電話機1を所持した者が接近するまで待機している。そして、入門ゲート22を通過して入門しようとする者は、携帯電話機1を柱22Rの管理装置24に近づけるようにする。すると、携帯電話機1側のBluetooth通信部21との通信が行われ、携帯電話機1側は管理装置24に応答を返す。
【0023】
管理装置24は、携帯電話機1の応答を受け付けると、携帯電話機1側に、カメラモジュール13の収容状態を送信するように要求する。すると、携帯電話機1の制御部17は、収容部14にカメラモジュール13が収容されているか否かを判定用端子のレベルを参照することで判定し、その結果を管理装置24側に返信する。そして、管理装置24は、返信された状態に応じて入門の可否を決定する。
即ち、携帯電話機1にカメラモジュール13が収容されている場合は、CCDカメラ12によって会社内部の機密事項が撮影されてしまうおそれがあるので、その場合(NG)は、制御部25は入門を許可せず、バー駆動部29によりバー23を下ろして入門ゲート22の通過を阻止する。また、表示部27を点灯させると共に、例えば、音声出力部28により「携帯電話機にカメラが装着された状態では入門できません」というような音声メッセージを出力して入門しようとする者に警告する。
一方、携帯電話機1にカメラモジュール13が収容されていなければ、バー23は上げたままの状態としておき、入門しようとする者を通過させるように制御する。
【0024】
以上のように本実施例によれば、携帯電話機1は、CCDカメラ12を備えてなるカメラモジュール13が本体に対して着脱可能に構成されており、制御部17は、カメラモジュール13が本体に収容されて撮像可能な状態にあるか否かを判別してその情報を外部に送信し、管理装置24は、携帯電話機1側よりその判別状態に関する情報を受信すると、その判別状態に応じてバー23の昇降を制御する。
従って、カメラモジュール13が本体に収容された状態の携帯電話機1を携帯している者の入門又は入室を自動的に拒否することができる。そして、携帯電話機1を使用する者は、例えばプライベートで撮像機能を使用したい場合にはカメラモジュール13を本体に収容して使用することができ、上述のようにセキュリティを確保する必要がある特定の場所に入門する必要がある場合は、カメラモジュール13を取外して通信部19による通信機能だけを使用することができる。即ち、1つの携帯電話機1を入門管理システムに適するように構成し、使用状況に応じて使い分けることが可能となる。
【0025】
また、管理装置24は、携帯電話機1にカメラモジュール13が収容されている場合は、その携帯電話機1を携帯して入門しようとする者に、表示部27及び音声出力部28によりその旨を警告するので、入門者に対してカメラモジュール13を取外すことように促すことができる。
更に、携帯電話機1を、本体に備えた収容部14にカメラモジュール13を挿入して嵌合させるように構成し、収容時には両者の溝よりなる凹凸が互いに嵌合することで、両者の電気的接続を互いに凹凸をなす部分に配置される電極によって行うようにしたので、カメラモジュール13の収容並びに両者の電気的接続を確実に行うことができる。
【0026】
(第2実施例)
図6及び図7は本発明の第2実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。第2実施例は、第1実施例のカメラモジュール13とは構成が若干異なるカメラモジュール(撮像モジュール)31の構成を示す。図6(a)はカメラモジュール31の平面図、図6(b)は正面図、図6(c)は側面図である。
図6(a)に示すように、カメラモジュール31の筐体31aには、第1実施例のような凸部13a,凹部13bは形成されていない。そして、図6(b),(c)に示すように、筐体31aの底面側には、複数の板ばね状の電極32が配置されている。電極32は、図6(c)に示す側面形状がJ字状であり、その一端が筐体31aの底面側に固定されており、他端側が開放されている。
【0027】
そして、図7は、携帯電話機1側の収容部33の平面図である。収容部33の底には、カメラモジュール31側の電極32の配置間隔に対応して、複数の電極34(例えば、基板上に形成された銅箔のランド)が配置されている。従って、カメラモジュール31を収容部33に挿入すると、電極32,34が接触することで両者の電気的接続が図られるようになっている。
以上のように構成された第2実施例による場合も、第1実施例と略同様の効果を得ることができる。
【0028】
(第3実施例)
図8及び図9は本発明の第3実施例を示すものであり、第2実施例と異なる部分についてのみ説明する。第3実施例も第2実施例と同様に異なる構成のカメラモジュール35を示すものであり、図8は図6相当図である。カメラモジュール(撮像モジュール)35は、筐体35aの底部側に、第2実施例の板ばね状の電極32に替えて、コネクタ接続用の端子(オス)36が、底面側に突き出す方向に配置されている。
【0029】
そして、図9は、収容部37側に配置されたコネクタ38を示す。コネクタ38は、端子36に対応した端子(メス)39を複数備えて構成されている。従って、カメラモジュール35を収容部37に挿入すると、端子36,39が接触することで両者の電気的接続が図られるようになっている。
以上のように構成された第3実施例による場合も、第1実施例等と略同様の効果を得ることができる。
【0030】
(第4実施例)
図10及び図11は、本発明を入室管理システム(入門管理システム)に適用した場合の第4実施例を示すものである。第4実施例では、管理装置41は、セキュリティ確保のため入室が管理されている部屋のドア42近傍の壁の内部などに配置されている。そして、管理装置41は、第1実施例におけるバー駆動部29に替わるドアロックアクチュエータ43を制御するようになっている。
【0031】
図11に示すように、ドアロックアクチュエータ43は、ドア42側にロックピン44を出し入れすることで、ドア42の施錠,解錠を行うものである。また、表示部27に替わる表示部45(例えばLCDパネルなどで構成される)が壁に埋め込まれており、警告用のメッセージを文字で表示するようになっている。
【0032】
以上のように構成される第4実施例の作用は、基本的に第1実施例と同様であり、ドア42を通って入室しようとするものが接近し、携帯電話機1を管理装置41に近づけると、Bluetoothにより両者間の通信が行われる。そして、携帯電話機1にカメラモジュール13が収容されている場合は、制御部25は入室を許可せず、ドアロックアクチュエータ43によりドア42を施錠状態に維持して入室を阻止する。また、表示部45及び音声出力部28により「携帯電話機にカメラが装着された状態では入門できません」というようなメッセージを表示及び音声で夫々出力して入室しようとする者に警告する。一方、携帯電話機1にカメラモジュール13が収容されていない場合、制御部25はドアロックアクチュエータ43によりドア42を解錠状態にして入室を許可する。
以上のように構成された第4実施例によれば、入室管理システムにも本発明を適用することができる。
【0033】
(第5実施例)
図12及び図13は本発明の第5実施例を示すものである。第5実施例における管理装置44は、第1実施例の管理装置24の構成に、携帯電話機1の置き台45を加えたものである。置き台45には、携帯電話機1が載置されたか否かを判別するスイッチ(検出手段)46が内蔵されている。そして、そのスイッチ46のオンオフは、制御部25Aが参照可能となっている。
置き台45は、例えば、入門ゲート22の近くに配置されている。そして、入門しようとする者は、携帯電話機1を置き台45に載置する。すると、制御部25Aは、携帯電話機1が置き台45に載置されたことを検知して、その時点からBluetoothによる質問信号の送信を開始するように構成されている。
【0034】
即ち、図13に示すように、制御部25Aは、携帯電話機1が置き台45に載置されたことを検知するまで待機しており(ステップS1)、載置されたことを検知すると(「YES」)携帯電話機1側への質問信号の送信を開始する(ステップS2)。そして、携帯電話機1側より応答があると(ステップS3,「YES」)、以降は第1実施例と同様の処理が行われる。最後に、入門可否の決定に応じた処理が行なわれると(ステップS4)、今度は携帯電話機1が置き台45より除去されるまで待機し(ステップS5)、除去されると(「YES」)ステップS1に戻る。
【0035】
以上のように第5実施例によれば、管理装置44は、置き台45のスイッチ46が携帯電話機1が載置されたことを検出するとBluetoothによる通信を開始して、携帯電話機1側にカメラモジュール13の収容状態に関する情報の要求を送信する。従って、管理装置44は、携帯電話機1が近傍に存在するか否かにかかわらず、例えば常時所定の間隔で情報要求を送信する必要がなく、携帯電話機1が近傍に位置したことが検出された場合にだけ送信を行えば良いので、電力消費を低減することができる。
【0036】
(第6実施例)
図14は本発明の第6実施例を示すものであり、第1実施例と異なる部分についてのみ説明する。第6実施例の管理装置46は、第1実施例の管理装置24よりバー駆動装置29が削除されており、また、入門ゲート22の柱22Lに配置されていた表示部27及び音声出力部28に替えて、入門ゲート22の側に位置する守衛室内に配置されている表示部47及び音声出力部48が設けられている。
以上のように構成された第6実施例によれば、守衛室に守衛が常駐しているような場合には、管理装置46がバー23の昇降制御を行わずとも、携帯電話機1にカメラモジュール13が装着された状態で入門しようとする者を、表示部47及び音声出力部48により守衛に報知して対処させることが可能となる。
【0037】
(第7実施例)
図15乃至図18は本発明の第7実施例を示すものである。第7実施例は、情報端末装置として、カメラによる撮影機能やデジタルレコーダによる録音機能などを備えているPDA(Personal Digital Assistants)51等を携帯したまま、例えば会社内においてセキュリティ管理されている部屋に入室しようとする場合に、それらの機能を制限するためのシステムである。
【0038】
図15は、システムの全体構成を示すもので、図16(a)は、PDA51の電気的構成を示すものである。図16(a)に示すように、PDA51は、CPU(マイクロコンピュータ,機能制御手段)52を中心として、例えば無線電話機能や無線LANによる通信機能などのネットワーク接続機能部(端末側通信手段)53や、カメラ(情報記録手段)54、録音機能部(情報記録手段)55、表示などを含むその他機能部56などを有している。そして、これらは電池(Battery)57によって供給される電源で駆動されるようになっている。また、CPU52は、ソフトウエア的に実現される禁止/有効制御部52aを備えており、この禁止/有効制御部52aによってカメラ54及び録音機能部55の機能を有効化/無効化するようになっている。
【0039】
図16(b)は、非接触型のICカード(個人情報記憶手段)58の電気的構成を示すものである。ICカード58は、やはりCPU59を中心として、個人の識別情報(ここでは、PDA51及びICカード58の所有者に関するもの)が記憶されているメモリ60や通信機能部61などを備えている。
また、図17は、図16(a),(b)に示す構成が一体になっているものを想定している。即ち、PDA62は、図16のPDA51に、ICカード58が有しているメモリ60及び通信機能部61を加えたものであり、通信機能部61の制御も、PDA62側のCPU52Aが行うようになっている。
【0040】
図15に示すように、セキュリティ管理されている各部屋については、ドアコントローラ(入門制御手段)63、ICカード用のリーダライタ(RW,個人情報読み取り手段)64などからなる入室管理装置65が配置されている。ドアコントローラ63は、リーダライタ64との間における通信が可能であると共に、扉66の解施錠を制御するようになっており、更に、ネットワーク通信機能を備えている。そして、通信ネットワーク(例えば、インターネット)67を介して遠隔地に位置するホスト68との通信も可能となるように構成されている。
【0041】
ホスト68は、マイクロコンピュータなどで構成される同期処理装置(第1,第2判定手段,管理側通信手段)69とデータベース(DB)70とを備えている。同期処理装置69は、データベース70が参照で可能であり、通信ネットワーク67を介してドアコントローラ63と通信することで、ドアコントローラ63側との同期処理が可能となっている。また、同期処理装置69は、データベース70が参照で可能であり、通信ネットワーク67及び無線局71を介してPDA51,62との直接通信も可能となっている。
【0042】
次に、第7実施例の作用について図18も参照して説明する。図18は、PDA51,ICカード58,ドアコントローラ63,ホスト68との間における通信処理状態を示すシーケンス図である。ドアコントローラ63は、リーダライタ64により所定周期で質問信号を送信しており、PDA51及びICカード58を携帯した者が接近するまで待機している。そして、ICカード58が、質問に対する応答としてメモリ60に記憶されている「個人識別情報」を送信すると、ドアコントローラ63は、その情報をホスト68側に転送する。
【0043】
ホスト68の同期処理装置69は、「個人識別情報」を受け取ると、当該情報を送信した部屋についての「入室許可情報」を、データベース70より取得する。「入室許可情報」としては、例えば当該部屋に対する入室が許可されている従業員の番号などである。そして、同期処理装置69は2つの情報を照合して入室の許否を判定し、その結果をドアコントローラ63側に通知する。すると、ドアコントローラ63は、その許否に応じて扉66の解施錠を行う。
また、同期処理装置69は、入室許可と判定した場合は、再度データベース70にアクセスして「部屋情報」を取得する。ここで、「部屋情報」とは、各部屋に応じて、PDA51などが備えているカメラ54や録音機能部55などの情報入出力機能を有効のままとするか無効にすべきかの情報であり、セキュリティレベルが高い部屋に関しては、上記の機能を無効とすべき設定がなされている。
【0044】
そして、同期処理装置69は、取得した「部屋情報」に基づき情報入出力機能を無効にすべき場合は、更に、データベース70にアクセスして「端末情報」を取得する。ここで、「端末情報」とは、従業員の番号と、その従業員が使用するものとして予め登録されているPDA51の端末番号(送信宛先)である。そして、同期処理装置69は、端末番号を取得すると、情報入出力機能の無効指令通知を、通信ネットワーク67及び無線局71を介してPDA51側に送信する。すると、PDA51のCPU52は、禁止/有効制御部52aにより、カメラ54及び録音機能部55の機能を無効化する。従って、この場合、その部屋に入室が許可された者であってもPDA51のカメラ54及び録音機能部55は使用することができなくなる。
【0045】
以上のように第7実施例によれば、PDA51がカメラ54及び録音機能部55を備えている場合に、ICカード58に、前記PDA51を使用する個人を特定する情報を記憶し、データベース70に、複数の個人情報と、各個人情報に応じて、所定の部屋に対する入室の可否を示す情報並びにPDA51におけるカメラ54及び録音機能部55の使用の可否を示す情報とを記録する。
そして、入室を管理する場所に設置されるドアコントローラ63は、リーダライタ64を介してICカード58に記憶されている個人情報を読取りホスト68側に送信すると、同期処理装置69によってデータベース70より読取られた個人情報が照会されて入室の可否が判定され、ドアコントローラ63は、その判定結果に応じて扉66の解錠を制御する。
【0046】
また、同期処理装置69は、データベース70にアクセスすることで個人情報を照会し、カメラ54及び録音機能部55の使用の可否を判定すると、その判定結果は、PDA51側に送信され、PDA51を制御するCPU52は、受信した判定結果に応じてカメラ54及び録音機能部55の機能を無効化する。従って、PDA51を、入室管理システムに適するように構成し、使用状況に応じて使い分けることが可能となる。
また、ドアコントローラ63、リーダライタ64とを一体の入室管理装置65として構成し、同期処理装置69、データベース70を一体のホスト68として構成し、両者間を通信ネットワーク67を介して接続したので、入室管理装置65は入室を管理する場所に設置しておき、比較的容量が大きいデータベース70は、より離れた場所に設置した状態でもデータを参照することができる。そして、複数の入室管理装置65が通信ネットワーク67を介してデータベース70にアクセスすることができる。
【0047】
本発明は上記し又は図面に記載した実施例に限定されるものではなく、次のような変形が可能である。
第1乃至第6実施例を、携帯電話機1に替えて第7実施例のようなPDAについて適用しても良い。
第5実施例における検出手段は、携帯電話機1が接触したことを検出するように構成されるものでも良い。
第7実施例において、PDA52が備えるものは、カメラ54、録音機能部55の何れか一方のみでも良い。
第7実施例における入室管理装置65、及びホスト68の構成は、図15に示すものに限らず、例えば、入室管理装置65及びホスト68が一体となるように構成しても良い。その場合、両者が通信ネットワークを介して通信を行う必要はない。
第7実施例を、情報端末装置としての携帯電話機に適用しても良い。
第7実施例におけるICカードは、接触型であっても良い。
第7実施例において、個人情報記憶手段をRFIDタグで構成しても良い。
携帯電話機は、二つ折り構造のものに限らず、例えばカメラモジュールを背面側から取り付けるように構成されていても良い。
第2通信手段は、例えば無線LANやIrDA、或いはRFIDタグなどと同様の通信方式を使用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明を、情報端末装置としての携帯電話機を用いた入門管理システムに適用した場合の第1実施例であり、入門管理システムの全体構成を示す図
【図2】管理装置と携帯電話機との間における通信処理手順を示すシーケンス図
【図3】(a)は携帯電話機の外観構成を示す図、(b)はカメラモジュールの平面図、(c)はダミー筐体の構成を示す平面図、(d)は収容部の構成を示す平面図
【図4】携帯電話機の電気的構成を概略的に示す図
【図5】管理装置の電気的構成を示す機能ブロック図
【図6】本発明の第2実施例であり、(a)はカメラモジュールの平面図、(b)は同正面図、(c)は同側面図
【図7】携帯電話機側における収容部の平面図
【図8】本発明の第3実施例を示す図6相当図
【図9】収容部側に配置されたコネクタを示す図
【図10】本発明を入室管理システムに適用した場合の第4実施例であり、システムの全体構成を示す図
【図11】図5相当図
【図12】本発明の第5実施例を示す図5相当図
【図13】管理装置の制御部による制御内容を示すフローチャート
【図14】本発明の第6実施例を示す図5相当図
【図15】本発明の第7実施例であり、システムの全体構成を示す図
【図16】(a)はPDAの電気的構成を示す図、(b)は非接触型のICカードの電気的構成を示す図
【図17】図16(a),(b)に示す構成が一体になっているPDAの電気的構成を示す図
【図18】PDA,ICカード,ドアコントローラ,ホストとの間における通信処理状態を示すシーケンス図
【符号の説明】
【0049】
図面中、1は携帯電話機(情報端末装置)、12はCCDカメラ(撮像手段)、13はカメラモジュール(撮像モジュール)、14は収容部、16はダミー筐体、17は制御部(収容状態判別手段)、19は通信部(第1通信手段)、20は電源用電池、21はBluetooth通信部(第2通信手段)、24は管理装置、26はBluetooth通信部(通信手段)、27は表示部(警告手段)、28は音声出力部(警告手段)、31はカメラモジュール(撮像モジュール)、33は収容部、35はカメラモジュール(撮像モジュール)、41は管理装置、46はスイッチ(検出手段)、46は管理装置、51はPDA(情報端末装置)、52はCPU(機能制御手段)、53はネットワーク接続機能部(端末側通信手段)、54はカメラ(情報記録手段)、55は録音機能部(情報記録手段)、63はドアコントローラ(入門制御手段)、64はリーダライタ(個人情報読み取り手段)、68はホスト、69は同期処理装置(第1,第2判定手段,管理側通信手段)、70はデータベース(DB)を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部との通信を行うための第1通信手段と、撮像手段を備え本体に対し着脱可能に構成される撮像モジュールと、この撮像モジュールが前記本体に収容されることで前記撮像手段が撮像可能な状態にあるか否かを判別する収容状態判別手段と、この収容状態判別手段によって判別された状態に関する情報を外部に送信するための第2通信手段とを備え、電池駆動で動作するように構成される情報端末装置と、
入門又は入室を管理する場所に設置され、前記第2通信手段より送信される前記判別状態に関する情報を受信する通信手段と、前記前記判別状態に応じて、前記情報端末装置に撮像モジュールが収容されているか否かを管理側に報知するための報知手段とを備えてなる管理装置とで構成されることを特徴とする入門管理システム。
【請求項2】
外部との通信を行うための第1通信手段と、撮像手段を備え本体に対し着脱可能に構成される撮像モジュールと、この撮像モジュールが前記本体に収容されることで前記撮像手段が撮像可能な状態にあるか否かを判別する収容状態判別手段と、この収容状態判別手段によって判別された状態に関する情報を外部に送信するための第2通信手段とを備え、電池駆動で動作するように構成される情報端末装置と、
入門又は入室を管理する場所に設置され、前記第2通信手段より送信される前記判別状態に関する情報を受信する通信手段と、前記前記判別状態に応じて入門ゲートの開放又は入室扉の解錠を制御する制御手段とを備えてなる管理装置とで構成されることを特徴とする入門管理システム。
【請求項3】
前記管理装置は、前記情報端末装置に撮像モジュールが収容されている場合は、当該情報端末装置を携帯して入門又は入室しようとする者にその旨を警告する警告手段を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の入門管理システム。
【請求項4】
前記管理装置は、前記情報端末装置が接触したこと、又は前記情報端末装置が載置されたことを検出する検出手段を備え、前記検出手段が前記検出をした場合、前記情報端末装置側に前記撮像モジュールの収容状態に関する情報の要求を前記通信手段を介して送信し、
前記情報端末装置は、前記情報の要求を受信すると、当該情報を管理装置側に送信することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の入門管理システム。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかに記載の入門管理システムに使用されることを特徴とする情報端末装置。
【請求項6】
前記本体に凹部形状をなす収容部を備え、当該収容部に前記撮像モジュールを挿入して嵌合させるように構成され、
前記収容部と前記撮像モジュールとは、前記挿入方向に延びると共に前記方向に対して直交する方向に並ぶ複数の溝を夫々備え、収容時には両者の溝よりなる凹凸が互いに嵌合するように構成されていると共に、
両者の電気的接続は、前記凹凸をなす部分に配置されている電極によって行われることを特徴とする請求項5記載の情報端末装置。
【請求項7】
画像情報若しくは音声情報を記録可能に構成される情報記録手段と、この情報記録手段の機能を制御する機能制御手段と、外部と通信を行うための端末側通信手段とを備え、電池駆動で動作するように構成される情報端末装置と、
この情報端末装置を使用する個人を特定するための情報が記憶されると共に、当該情報を外部に送信可能に構成される個人情報記憶手段と、
複数の個人情報と、各個人情報に応じて、所定の場所に対する入門又は入室の可否を示す情報並びに前記情報記録手段の使用の可否を示す情報とが記録されているデータベースと、
入門又は入室を管理する場所に設置され、前記個人情報記憶手段に記憶されている個人情報を読取る個人情報読取り手段と、
前記データベースにアクセスすることで前記個人情報を照会し、入門又は入室の可否を判定する第1判定手段と、
前記判定結果に応じて入門又は入室を許可するように入門ゲートの開放又は入室扉の解錠を制御する入門制御手段と、
前記データベースにアクセスすることで前記個人情報を照会し、前記情報記録手段の使用の可否を判定する第2判定手段と、
前記判定結果を、前記情報端末装置側に送信する管理側通信手段とで構成され、
前記情報端末装置の機能制御手段は、前記判定結果に応じて前記情報記録手段の機能を無効化することを特徴とする入門管理システム。
【請求項8】
前記個人情報読取り手段と、前記入門制御手段とは、一体の管理装置として構成され、
前記データベースと、前記第1及び第2判定手段と、前記管理側通信手段とは、一体のホストとして構成され、
前記管理装置と前記ホストとは、通信ネットワークを介して接続されていることを特徴とする請求項7記載の入門管理システム。
【請求項9】
前記個人情報記憶手段は、前記情報端末装置に対して着脱可能な情報記録媒体として構成されていることを特徴とする請求項7又は8記載の入門管理システム。
【請求項10】
請求項7乃至10の何れかに記載の入門管理システムに使用されることを特徴とする情報端末装置。
【請求項1】
外部との通信を行うための第1通信手段と、撮像手段を備え本体に対し着脱可能に構成される撮像モジュールと、この撮像モジュールが前記本体に収容されることで前記撮像手段が撮像可能な状態にあるか否かを判別する収容状態判別手段と、この収容状態判別手段によって判別された状態に関する情報を外部に送信するための第2通信手段とを備え、電池駆動で動作するように構成される情報端末装置と、
入門又は入室を管理する場所に設置され、前記第2通信手段より送信される前記判別状態に関する情報を受信する通信手段と、前記前記判別状態に応じて、前記情報端末装置に撮像モジュールが収容されているか否かを管理側に報知するための報知手段とを備えてなる管理装置とで構成されることを特徴とする入門管理システム。
【請求項2】
外部との通信を行うための第1通信手段と、撮像手段を備え本体に対し着脱可能に構成される撮像モジュールと、この撮像モジュールが前記本体に収容されることで前記撮像手段が撮像可能な状態にあるか否かを判別する収容状態判別手段と、この収容状態判別手段によって判別された状態に関する情報を外部に送信するための第2通信手段とを備え、電池駆動で動作するように構成される情報端末装置と、
入門又は入室を管理する場所に設置され、前記第2通信手段より送信される前記判別状態に関する情報を受信する通信手段と、前記前記判別状態に応じて入門ゲートの開放又は入室扉の解錠を制御する制御手段とを備えてなる管理装置とで構成されることを特徴とする入門管理システム。
【請求項3】
前記管理装置は、前記情報端末装置に撮像モジュールが収容されている場合は、当該情報端末装置を携帯して入門又は入室しようとする者にその旨を警告する警告手段を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の入門管理システム。
【請求項4】
前記管理装置は、前記情報端末装置が接触したこと、又は前記情報端末装置が載置されたことを検出する検出手段を備え、前記検出手段が前記検出をした場合、前記情報端末装置側に前記撮像モジュールの収容状態に関する情報の要求を前記通信手段を介して送信し、
前記情報端末装置は、前記情報の要求を受信すると、当該情報を管理装置側に送信することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の入門管理システム。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかに記載の入門管理システムに使用されることを特徴とする情報端末装置。
【請求項6】
前記本体に凹部形状をなす収容部を備え、当該収容部に前記撮像モジュールを挿入して嵌合させるように構成され、
前記収容部と前記撮像モジュールとは、前記挿入方向に延びると共に前記方向に対して直交する方向に並ぶ複数の溝を夫々備え、収容時には両者の溝よりなる凹凸が互いに嵌合するように構成されていると共に、
両者の電気的接続は、前記凹凸をなす部分に配置されている電極によって行われることを特徴とする請求項5記載の情報端末装置。
【請求項7】
画像情報若しくは音声情報を記録可能に構成される情報記録手段と、この情報記録手段の機能を制御する機能制御手段と、外部と通信を行うための端末側通信手段とを備え、電池駆動で動作するように構成される情報端末装置と、
この情報端末装置を使用する個人を特定するための情報が記憶されると共に、当該情報を外部に送信可能に構成される個人情報記憶手段と、
複数の個人情報と、各個人情報に応じて、所定の場所に対する入門又は入室の可否を示す情報並びに前記情報記録手段の使用の可否を示す情報とが記録されているデータベースと、
入門又は入室を管理する場所に設置され、前記個人情報記憶手段に記憶されている個人情報を読取る個人情報読取り手段と、
前記データベースにアクセスすることで前記個人情報を照会し、入門又は入室の可否を判定する第1判定手段と、
前記判定結果に応じて入門又は入室を許可するように入門ゲートの開放又は入室扉の解錠を制御する入門制御手段と、
前記データベースにアクセスすることで前記個人情報を照会し、前記情報記録手段の使用の可否を判定する第2判定手段と、
前記判定結果を、前記情報端末装置側に送信する管理側通信手段とで構成され、
前記情報端末装置の機能制御手段は、前記判定結果に応じて前記情報記録手段の機能を無効化することを特徴とする入門管理システム。
【請求項8】
前記個人情報読取り手段と、前記入門制御手段とは、一体の管理装置として構成され、
前記データベースと、前記第1及び第2判定手段と、前記管理側通信手段とは、一体のホストとして構成され、
前記管理装置と前記ホストとは、通信ネットワークを介して接続されていることを特徴とする請求項7記載の入門管理システム。
【請求項9】
前記個人情報記憶手段は、前記情報端末装置に対して着脱可能な情報記録媒体として構成されていることを特徴とする請求項7又は8記載の入門管理システム。
【請求項10】
請求項7乃至10の何れかに記載の入門管理システムに使用されることを特徴とする情報端末装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2006−222741(P2006−222741A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−34382(P2005−34382)
【出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
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