説明

内燃機関の制御装置

【課題】熱式空気流量検出装置を用いて脈動発生時に正確な空気流量を得ることができる内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】本発明は、発熱抵抗体2の信号を空気流量に変換するための複数の空気流量変換テーブルT1、T2を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶されている複数の変換テーブルT1、T2の中から参照する変換テーブルを選択する選択手段と、選択手段により選択された変換テーブルを参照して発熱抵抗体2の信号を空気流量に変換する変換手段とを有し、選択手段は、通路64内に発生する空気流の脈動の状態を直接又は間接的に示す状態値に応じて変換テーブルの選択を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱式空気流量測定装置を備えた内燃機関の制御装置に関し、例えば発熱抵抗体からの信号に基づいて吸気通路を流れる空気流の空気流量を検出する熱式空気流量測定装置を備えた内燃機関の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車などの内燃機関の制御装置では、内燃機関の吸入空気流量を検出するために、内燃機関の吸気管に空気流量測定装置を配置し、その空気流量測定装置によって測定された空気流量を用いて燃料噴射量を制御することが行われている。そして、近年では、内燃機関の排気性能の向上が重要な課題となっており、各センサの出力をディジタル値に変換し、ディジタル演算装置によって燃料噴射量の制御を行うことが一般的になっている。
【0003】
内燃機関では、ピストンの上下運動により発生する空気圧力振動と、吸気管の固有振動数による振動の共鳴により、脈動と呼ばれる気柱現象が発生する。吸気管内に設置されたスロットルバルブの開度を大きくすると、脈動の振幅は大きくなる。
【0004】
通常はエアクリーナからシリンダ内に空気が流れ込むが、内燃機関の吸気弁からエアクリーナの方に流れることがあり、この現象は逆流と呼ばれている。逆流は、逆流検知機能を備えていない空気流量測定装置で測定すると、流れの方向に関係なく、順流として流量を測定し、空気流量に誤差が発生してしまう。
【0005】
この問題を解決するために、逆流検知機能を持つ空気流量測定装置も存在する。一般的に逆流検知機能を持つ空気流量測定装置は、熱式のものが多く、順流側の出力が高く、逆流側の出力が低くなる特性を持つものが一般的である。
【0006】
熱式空気流量測定装置は、自分自身の熱容量に起因する応答遅れや、空気流量と熱式空気流量検出装置の出力の間に非線形の対応関係による影響により、脈動時において、実際にシリンダに吸入される空気の平均流量と、ディジタル演算装置で演算される空気流量の平均値の間に誤差が生じることが知られている。
【0007】
更に、吸気管の中を流れる空気流が逆流する際の流体の挙動は、壁面付近の流れと、主流との間で、位相のずれが発生することが知られている。逆流検知可能な熱式空気流量検出装置のエレメント部は平面なものが多く、主流と壁面付近の流れに類似の挙動が発生し誤差が発生する。
【0008】
前記影響の中で、非線形の対応関係による誤差低減の方法として、特許文献1には、空気流量測定装置の出力信号から空気流量に変換する空気流量変換テーブルに対し、逆流を含む最低空気流量q0以下の領域を補正する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−295292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、空気流が順流でかつ空気流量が最低空気流量q0よりも多い場合であっても、通路内に脈動が発生しているときは、熱式空気流量測定装置に空気流量の計測誤差が生じるおそれがあり、正確な空気流量を得ることができなかった。
【0011】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、熱式空気流量検出装置を用いて脈動発生時に正確な空気流量を得ることができる内燃機関の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決する本発明の内燃機関の制御装置は、発熱抵抗体の信号に基づいて通路内を流れる空気流の空気流量を検出する熱式空気流量測定装置を備えた内燃機関の制御装置であって、発熱抵抗体の信号を空気流量に変換するための複数の空気流量変換テーブルを記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶されている複数の変換テーブルの中から参照する変換テーブルを選択する選択手段と、選択手段により選択された変換テーブルを参照して発熱抵抗体の信号を空気流量に変換する変換手段とを有し、選択手段は、通路内に発生する空気流の脈動の状態を直接又は間接的に示す状態値に応じて変換テーブルの選択を行う。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、通路内に発生する空気流の脈動の状態値に応じて変換テーブルが選択され、その変換テーブルを参照して発熱抵抗体の信号が空気流量に変換されるので、脈動発生時に熱式空気流量測定装置で生じる空気流量の計測誤差を補正することができる。したがって、例えば空気流が順流であり空気流量が最小空気流量よりも多い場合に、脈動が発生したときでも、空気流量の計測誤差を補正することができ、精度の高い空気流量の測定を行うことができる。したがって、高負荷領域の空燃比の高精度化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施の形態における内燃機関の制御装置を示す概略構成図。
【図2】エンジンコントロールユニットの入力および出力を説明するブロック図。
【図3】実施例1における空気流量変換方法を説明するフローチャート。
【図4】吸気脈動率と計測誤差との関係を示す図。
【図5】小規模の脈動現象が発生している場合の吸気管内の吸気の挙動を示す図。
【図6】中規模の脈動現象が発生している場合の吸気管内の吸気の挙動を示す図。
【図7】大規模の脈動現象が発生している場合の吸気管内の吸気の挙動を示す図。
【図8】本実施の形態における空気流量変換テーブルの設定を説明する図。
【図9】実施例2における空気流量変換方法を説明するフローチャート。
【図10】実施例3における空気流量変換方法を説明するフローチャート。
【図11】スロットル開度と脈動振幅率との関係を示す図。
【図12】実施例4における空気流量変換方法を説明するフローチャート。
【図13】吸気弁閉弁タイミングと脈動振幅率との関係を示す図。
【図14】実施例5における空気流量変換方法を説明するフローチャート。
【図15】吸気管圧力と脈動振幅率との関係を示す図。
【図16】実施例6における空気流量変換方法を説明するフローチャート。
【図17】実施例7における目標最低空気流量と複数テーブル分配率との関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の内燃機関の制御装置を示す図、図2は、エンジンコントロールユニットの入力および出力を説明する図である。
【0016】
内燃機関65は、いわゆるMPI(多気筒燃料噴射)方式の直列4気筒内燃機関であり、内燃機関65に吸入される空気は、エアクリーナ60を通過し、吸気ダクト61、コレクタ62、吸気管63からなる吸気通路64を経て、各気筒67の燃焼室67a内に流入される。
【0017】
吸気通路64の下流部分に連通する吸気ポートには、吸気通路64と燃焼室67aとの間を開閉するための吸気弁92が配設されている。流入空気量は、エアクリーナ60の下流に配置されたエアフローセンサ(熱式空気流量測定装置)2によって検出される。
【0018】
エアフローセンサ2は、図示していない発熱抵抗体を有しており、その発熱抵抗体から吸入空気量に相当する信号が出力されるとともに、サーミスターを用いた吸気温度センサ2aで計測される吸気温度信号が出力される。このホットワイヤ式のエアフローセンサ2は、応答性が高く、吸気通路64で発生した脈動に対し精度良く反応し、出力信号には脈動波形が出力される。
【0019】
電制スロットルバルブ40は、吸気通路64の通路途中に設けられており、閉じ方向に動かすことにより、吸気通路64の開口面積を絞ることができ、吸気通路64内で脈動が発生しにくくする効果を有する(例えば、図11を参照)。電制スロットルバルブ40は、エンジンコントロールユニット71からの信号に基づいてスロットル駆動モータ42により駆動される。
【0020】
電制スロットルバルブ40には、開度を検出するスロットル開度センサ1が取り付けられており、このセンサ信号はコントロールユニット71に入力され、スロットルバルブ40のスロットル開度TVOのフィードバック制御や、全閉位置の検出及び加速の検出等を行う。尚、フィードバックの目標開度は、アクセル開度センサ14で求まるドライバーのアクセル踏み込み量とアイドル回転数制御すなわちISC制御分とから求まるものである。
【0021】
内燃機関65は、可変動弁機構としてバルブタイミング可変機構91を備えている。バルブタイミング可変機構91は、エンジンコントロールユニット71から駆動信号に基づいて駆動され、バルブタイミングである開閉時期を調整可能な構成を有しており、目標カム角度に向けて、フィードバック制御を行う。バルブタイミング可変機構91により、吸気弁92のバルブタイミングが変化すると、燃焼室67aから吸気管63への吹き返しが発生する場合がある。
【0022】
吹き返しは、吸気弁92の閉弁タイミングが早い場合と遅い場合に発生する(例えば、図13を参照)。閉弁タイミングが早い場合は、排気工程が終了する前に吸気弁92が開き、燃焼室67a内から吸気通路64に吹き返しが発生することによる。そして、閉弁タイミングが遅い場合は、吸気弁92の遅閉じにより、圧縮工程中の燃焼室67a内の空気が吸気通路64に吹き返されることによるものである。その結果、吹き返しは周期的に発生するために、吸気閉弁タイミングに応じて脈動量が変化する(例えば図13を参照)。
【0023】
内燃機関65のクランクケースに取り付けられたクランク角センサ7からは、所定のクランク角毎にパルスが出力されて、エンジンコントロールユニット71に入力される。アクセル開度センサ14では、アクセルペダル15の踏み込み量を検出し、それによって運転者の要求トルクを検出する。燃料は、燃料タンク21から燃料ポンプ20で吸引、加圧され、プレッシャレギュレータ22により一定圧力に調圧され、インジェクタ23から吸気管63内に噴射される。
【0024】
シリンダブロック66には、冷却水温を検出するための水温センサ3が取り付けられており、このセンサ信号は、コントロールユニット71に入力され、内燃機関65の暖機状態を検出し、燃料噴射量の増量や点火時期の補正及びラジエータファン75のON/OFFやアイドル時の目標回転数の設定を行う。また、アイドル時の目標回転数や、負荷補正量の算出するために、エアコンクラッチの状態をモニターするエアコンスイッチ18、駆動系の状態をモニターするトランスミッションに内蔵されたニュートラルスイッチ17が取り付けられている。
【0025】
空燃比センサ8は、内燃機関65の排気ポート80に連通して接続された排気管81に装着されており、排気ガスの酸素濃度に応じた信号を出力する。空燃比センサ8からの信号は、制御装置であるコントロールユニット71に入力され、運転状況に応じて求められる目標空燃比になるように、燃料噴射パルス幅の調整等がなされる。
【0026】
エンジンコントロールユニット71は、図2に示すように、CPU78と、電源IC79とから構成されている。ここで、エンジンコントロールユニット71に入力する信号等について、同図を用いて整理すると、エアフローセンサ2と内蔵吸気温度センサ2a、クランク角センサ7、スロットル開度センサ1、空燃比センサ8、水温センサ3からの信号などが入力される。
【0027】
エンジンコントロールユニット71は、一定周期毎にエアフローセンサ2の電圧を読み込む。本実施の形態では、10msで読み込んでいるため、脈動発生時にはエリアシングを考慮する必要がある。また、空気流量の脈動周波数とエンジン回転数に比例している。エンジンコントロールユニット71からの出力信号は、インジェクタ23、フューエルポンプ20、点火プラグ33の点火スイッチなどがあるパワートランジスタ30に出力される。
【0028】
エンジンコントロールユニット71は、エアフローセンサ2からの信号を空気流量に変換するための複数の変換テーブルを記憶する記憶手段を有している。そして、空気流量測定プログラムの実行により、記憶手段に記憶されている複数の変換テーブルの中から変換に使用する変換テーブルを選択する選択手段と、選択手段により選択された変換テーブルを使用してエアフローセンサ2の信号を空気流量に変換する変換手段が実現される。
【0029】
上述の内燃機関65では、ピストンの上下運動の周期で発生する空気圧力の振動と、吸気通路64の固有振動数による振動の共鳴により、脈動が発生する。また、吸気弁92の開閉タイミングが遅い高膨張比サイクルのエンジンでは逆流が発生するため、より大きな脈動が発生する。また、吸気弁92の開くタイミングが早い場合や、オーバーラップが大きい場合にも、排気の圧力などにより逆流が発生するため、より大きな脈動が発生する。
【0030】
次に、実施例1における空気流量変換方法について図3から図8を用いて以下に説明する。
図3は、実施例1における空気流量変換方法を説明するフローチャートである。
【0031】
まず、ステップS101で初期化処理を行い、エンジンコントロールユニット71のメモリに記憶されている情報をクリアする。そして、ステップS102、S103で、エアフローセンサ2からの信号の最大値Vmaxと最小値Vminを検出してホールドし、ステップS104で最大値Vmaxと最小値Vminからその平均値Vaveを算出する。そして、ステップS105で平均値Vaveを空気流量に変換して平均空気流量変換値QVaveを算出する。
【0032】
また、ステップS106において、ステップS102でホールドした最大値Vmaxを空気流量に変換して最大空気流量変換値Qmaxを算出し、ステップS107において、ステップS103でホールドした最小値Vminを空気流量に変換して最小空気流量変換値Qminを算出する。そして、ステップS108で最大空気流量変換値Qmaxと最小空気流量変換値Qminからその平均値である平均空気流量算出値Qaveを算出する。
【0033】
ステップS109では、ステップS105で算出した平均空気流量変換値QVaveとステップS108で算出した平均空気流量算出値Qaveとの差分の絶対値が予め設定されている判定値αaよりも大きいか否かを判断する。
【0034】
そして、差分の絶対値が判定値αaよりも大きい(ステップS109でYES)ときは、ステップS111で脈動テーブルT2を参照して、エアフローセンサ2からの信号を空気流量に変換する処理を行う。
【0035】
一方、差分の絶対値が判定値αa以下(ステップS109でNO)ときは、ステップS110で定常テーブルT1を参照して、エアフローセンサ2からの信号を空気流量に変換する処理を行う。
【0036】
図4は、吸気の脈動率に応じて計測誤差がどのように変わるのか、吸気脈動率と計測誤差との関係を模式的に表現している図である。横軸の吸気脈動率は、吸気流量の(最大値−最小値)/平均値×100で表され、吸気脈動率が200%を超える領域では、吸気通路64内に逆流が発生している。この図の例では、吸気脈動率が上昇するのに従い、計測誤差(mV)が大きくなっている。
【0037】
図5は、小規模の脈動現象が発生している場合の吸気通路内の吸気の挙動を表している図である。空気流量は、順流領域において平均流量を中心に上下に変動している。この変動は、内燃機関65の吸気弁92の開閉による断続的な吸気の脈動が原因である。また、この小規模の脈動は、スロットルバルブ40のスロットル開度TVOが小さい開度の時に発生する。エアフローセンサ2の脈動誤差は、この程度の脈動では発生しない。
【0038】
図6は、中規模の脈動現象が発生している場合の吸気通路内の吸気の挙動を表している図である。脈動波形の最小流量のタイミングでは、通常、内燃機関65の最小吸入空気量q0である無負荷アイドルより低い流量域に達することもある。このような中規模の脈動は、スロットルバルブ40のスロットル開度が、中程度の開度領域で発生する。エアフローセンサ2の脈動誤差としては、比較的小さい誤差が発生する場合がある。
【0039】
図7は、大規模な脈動現象が発生している場合の吸気通路内の吸気の挙動を表している図である。脈動波形の最小空気流量は、逆流領域まで達している。このような大規模な脈動は、スロットルバルブ40のスロットル開度TVOが大きい領域で発生する。
【0040】
エアフローセンサ2の脈動誤差としては、大きな誤差が発生する。なお、脈動誤差とは、自分自身の熱容量に起因する応答遅れや、空気流量とエアフローセンサ2の出力との間に非線形の対応関係による影響から、脈動時に実際にシリンダに吸入される空気の平均流量と、ディジタル演算装置で演算される空気流量の平均値との間に誤差が生じる現象である。
【0041】
図8は、空気流量変換テーブルの設定を説明する図である。定常テーブルT1は、エアフローセンサ2の定常特性をプロットしたものであり、一般的な空気流量変換テーブルはこの値を設定する。定常テーブルT1は、図8に実線で示されるように、エアフローセンサ2の信号電圧が空気流量0kg/hに相当する基準電圧Vb以上である場合に空気流量への変換を行うものであり、基準電圧Vbよりも小さな電圧の場合には空気流量への変換は行わない。すなわち、順流の領域のみを空気流量に変換し、逆流の領域については空気流量に変換しないように設定されている。
【0042】
図8に破線で示すテーブルT0は、特許文献1に示される補正用テーブルであり、無負荷アイドル回転数を維持できる最低空気流量q0以下まで脈動特定補正をかけたものである。内燃機関65の吸入空気量は、通常の運転条件では、無負荷アイドル回転数を維持できる空気量以下まで下がることはないことから、補正上限値を最低空気流量q0としている。
【0043】
しかしながら、空気流が順流でかつ空気流量が最低空気流量q0よりも多い場合であっても、吸気通路64内に大きな脈動が発生しているときは、空気流量の計測誤差が生じて正確な空気流量を得ることができない場合がある。
【0044】
そこで、本実施例1における脈動テーブルT2は、図8に点線で示すように、逆流領域から最低空気流量q0以上の順流領域までに亘って、脈動特性の補正をかける設定としている。これにより、通常の運転条件でも使用される空気流量において、脈動を考慮した設定とすることができ、かかる脈動テーブルT2を使用することにより、脈動時におけるエアフローセンサ2の計測誤差を低減できる。
【0045】
したがって、脈動が比較的小さい低中負荷運転領域では定常テーブルT1を使用し、脈動が比較的大きい高負荷運転領域では脈動テーブルT2を使用するという切り換えを行うことにより、脈動性能に特化したテーブル設定が可能となり、エアフローセンサ2を用いた空気流量の測定精度を向上させることができる。
【0046】
変換テーブルは、設定可能なプロット数の上限値が予め設定されており(例えば16個)、所定の電圧範囲に亘って所定間隔で配置されるように設定される。定常テーブルT1は、基準電圧Vb以上の所定の電圧範囲に亘って設定され、空気流量が0kg/h以上の順流の領域のみを変換するように設定されているので、図中に二点鎖線で示されるように、基準電圧Vbよりも低い逆流領域まで設定した場合と比較して、変換テーブルの設定領域を狭くすることができ、各プロットの設定間隔を狭めることができる。したがって、よりきめ細かい変換を行うことができ、空気流量の測定精度をより向上させることができる。なお、定常テーブルT1の構成は、上述の例に限定されるものではなく、従来のように基準電圧Vbよりも低い、逆流領域まで設定してもよい。
【0047】
上述の内燃機関65の制御装置によれば、吸気通路64内に発生する空気流の脈動の振幅の大きさに応じて定常テーブルT1と脈動テーブルT2の一方が選択され、その選択されたテーブルを参照して、エアフローセンサ2の信号が空気流量に変換されるので、脈動発生時にエアフローセンサ2で生じる空気流量の計測誤差を補正した正確な空気流量を得ることができる。
【0048】
したがって、例えば空気流が順流であり空気流量が最低空気流量よりも多い場合に、脈動が発生したときでも、エアフローセンサ2による空気流量の計測誤差を補正することができ、精度の高い空気流量の測定を行うことができ、例えば高負荷領域の空燃比の高精度化が可能となる。
【0049】
<実施例2>
本実施例では、脈動の状態を直接又は間接的に示す状態値として、平均空気流量Qaveと最小空気流量Qminを用い、これらの空気流量に応じて変換テーブルの選択を行う場合について説明する。
【0050】
図9は、第2実施例における空気流量変換方法を説明するフローチャートである。
まず、ステップS151で初期化処理を行い、ステップS152でエアフローセンサ2からの信号を空気流量Qに変換する。そして、ステップS153で平均空気量Qaveを算出し、ステップS154で平均空気流量Qaveが予め設定された判定値αb(第1判定値)よりも大きいか否か(条件1)を判断する。
【0051】
また、ステップS155では、ステップS152で求めた空気流量Qに基づいて最小空気流量Qminを算出し、ステップS156で最小空気流量Qminが予め設定された判定値αc(第2判定値)よりも小さいか否か(条件2)を判断する。
【0052】
そして、ステップS157で、条件1および条件2の両方が成立しているか否かが判断される。ここで、条件1および条件2の両方が成立している場合(ステップS157でYES)、すなわち、平均空気流量Qaveが判定値αbよりも大きくかつ最小空気量Qminが判定値αcよりも小さい場合は、空気流量の測定に誤差を生じさせる大きな脈動が発生していると判断して、ステップS158で脈動テーブルT2を参照し、エアフローセンサ2からの信号を空気流量に変換する処理を行う。
【0053】
そして、条件1と条件2の少なくとも一方が不成立の場合(ステップS157でNO)は、空気流量の測定に誤差を生じさせるような大きな脈動は発生していないと判断して、ステップS159で定常テーブルT1を参照し、エアフローセンサ2からの信号を空気流量に変換する処理を行う。
したがって、脈動発生時にエアフローセンサ2で生じる空気流量の計測誤差を補正した正確な空気流量を得ることができる。
【0054】
<実施例3>
本実施例では、脈動の状態を直接又は間接的に示す状態値として、スロットルバルブ40のスロットル開度TVOを用い、スロットル開度TVOに応じて変換テーブルの選択を行う場合について説明する。図10は、実施例3における空気流量変換方法を説明するフローチャート、図11は、スロットル開度と脈動の関係を示す図である。
【0055】
脈動は、図11に示すように、スロットル開度TVOが大きくなり、スロットルバルブ40が開くと、大きくなる傾向がある。したがって、スロットル開度TVOに応じて脈動の状態を認識することができる。
【0056】
まず、ステップS201で初期化処理を行い、ステップS202でスロットルバルブ40のスロットル開度TVOを検出する。そして、ステップS203でスロットル開度TVOが予め設定された判定値αd(スロットル開度判定値)よりも大きいか否かを判断する。
【0057】
そして、スロットル開度TVOが判定値αdよりも大きいと判断された場合(ステップS203でYES)には、空気流量の測定に誤差を生じさせる大きな脈動が発生していると判断して、ステップS205で脈動テーブルT2を参照し、エアフローセンサ2からの信号を空気流量に変換する処理を行う。
【0058】
そして、スロットル開度TVOが判定値αd以下であると判断された場合(ステップS203でNO)には、空気流量の測定に誤差を生じさせるような大きな脈動は発生していないと判断して、ステップS204で定常テーブルT1を参照し、エアフローセンサ2からの信号を空気流量に変換する処理を行う。なお、判定値αdは、エンジン回転数に応じて設定されるようにしても良い。
したがって、脈動発生時にエアフローセンサ2で生じる空気流量の計測誤差を補正した正確な空気流量を得ることができる。
【0059】
<実施例4>
本実施例では、脈動の状態を直接又は間接的に示す状態値として、バルブタイミング可変機構91の制御量である目標カム角度を用い、この目標カム角度に応じて変換テーブルの選択を行う場合について説明する。
【0060】
図12は、本実施例における空気流量変換方法を説明するフローチャート、図13は、バルブタイミング可変機構による吸気弁閉弁タイミングと脈動振幅率との関係を示す図である。
【0061】
バルブタイミング可変機構91によるバルブタイミングの変化によって、燃焼室67aから吸気通路64への吹き返しが発生する場合がある。吹き返しが発生するのは、吸気弁閉弁タイミングが早い場合と遅い場合があり、早い場合には、吸気弁92のオーバーラップが大きく、排気が終了する前に吸気弁92が開くために吹き返しが発生する。
【0062】
そして、遅い場合には、吸気弁遅閉じにより圧縮工程中にシリンダ内の空気が吸気通路64側に吹き返されることによるものである。したがって、例えば、図13に示すように、吸気弁閉弁タイミングが早い場合と遅い場合に脈動が大きくなる(脈動振幅率が上昇する)。
【0063】
まず、ステップS251で初期化処理を行い、ステップS252で、バルブタイミング可変機構91の制御量である目標カム角度TGCAMを算出する。目標カム角度TGCAMは、内燃機関65の運転条件に応じて算出される。
【0064】
そして、ステップS253で目標カム角度TGCAMが予め設定された上限判定値αeよりも大きいか、又は、下限判定値αfよりも小さいかを判断する。そして、目標カム角度TGCAMが上限判定値αeよりも大きい、あるいは、下限判定値αfよりも小さい場合には(ステップS253でYES)、空気流量の測定に誤差を生じさせる大きな脈動が発生していると判断して、ステップS255で脈動テーブルT2を参照し、エアフローセンサ2からの信号を空気流量に変換する処理を行う。
【0065】
一方、目標カム角度TGCAMが下限判定値αf以上でかつ上限判定値αe以下である場合には(ステップS253でNO)には、空気流量の測定に誤差を生じさせるような大きな脈動は発生していないと判断して、ステップS254で定常テーブルT1を参照し、エアフローセンサ2からの信号を空気流量に変換する処理を行う。上限判定値αeおよび下限判定値αfは、図13において、脈動振幅率が急激に大きくなる直前の値が設定される。
したがって、脈動発生時にエアフローセンサ2で生じる空気流量の計測誤差を補正した正確な空気流量を得ることができる。
【0066】
なお、上述の実施例4では、可変動弁機構の例として、作動角を変更可能なバルブタイミング可変機構91の場合を例に説明したが、バルブリフト量を変更可能なバルブリフト量可変機構の場合にも適用できる。バルブリフト量可変機構の場合、バルブリフト量が大きくなると脈動も大きくなるので、バルブリフト量を予め設定された判定値と比較して、バルブリフト量が判定値よりも大きい場合には、空気流量の測定に誤差を生じさせる大きな脈動が発生していると判断して、脈動テーブルT2を参照することとしてもよい。
【0067】
<実施例5>
本実施例では、脈動の状態を直接又は間接的に示す状態値として、吸気管圧力を用い、吸気管圧力に応じて変換テーブルの選択を行う場合について説明する。図14は、実施例5における空気流量変換方法を説明するフローチャート、図15は、吸気管圧力と脈動の関係を示す図である。
【0068】
脈動振幅率は、図15に示すように、吸気通路64内の吸気管圧力が高まると大きくなる傾向がある。したがって、吸気管圧力に応じて脈動の状態を認識することができる。
【0069】
まず、ステップS301で初期化処理を行い、ステップS302で吸気管63内の吸気管圧力PMANIを検出する。そして、ステップS303で吸気管圧力PMANIが予め設定された判定値αg(負圧判定値)よりも大きいか否かを判断する。
【0070】
そして、吸気管圧力PMANIが判定値αgよりも大きいと判断された場合(ステップS303でYES)には、空気流量の測定に誤差を生じさせる大きな脈動が発生していると判断して、ステップS305で脈動テーブルT2を参照する。
【0071】
一方、吸気管圧力PMANIが判定値αg以下であると判断された場合(ステップS3303でNO)には、空気流量の測定に誤差を生じさせるような大きな脈動は発生していないと判断して、ステップS304で定常テーブルT1を参照する。
したがって、脈動発生時にエアフローセンサ2で生じる空気流量の計測誤差を補正した正確な空気流量を得ることができる。
【0072】
<実施例6>
本実施例は、変換に使用する変換テーブルとして二つの変換テーブルを選択し、エアフローセンサ2からの信号を用いてこれら二つの変換テーブルを参照し、補間計算により空気流量を求める処理を行うことを特徴としている。
【0073】
図16は、実施例6における空気流量変換方法を説明するフローチャートである。図16に示すフローチャートは、ステップS401からステップS408までは、実施例1のステップS101からステップS108までと同一であるのでその詳細な説明を省略し、実施例1と異なるステップS409以降について説明する。
【0074】
ステップS409では、ステップS405で算出した平均空気流量変換値QVaveとステップS408で算出した平均空気流量算出値Qaveとの差分の絶対値が予め設定されている判定値αaよりも大きいか否かを判断する。
【0075】
そして、差分の絶対値が判定値αaよりも大きい(ステップS409でYES)ときは、ステップS413で脈動テーブルT2を参照して、エアフローセンサ2からの信号を空気流量に変換する処理が行われる。
【0076】
一方、差分の絶対値が判定値αa以下(ステップS409でNO)のときは、ステップS410に移行して、差分の絶対値が0よりも大きいか否かが判断される。そして、差分の絶対値が0以下の場合(ステップS410でNO)、ステップS411に移行して、定常テーブルT1を参照し、エアフローセンサ2からの信号を空気流量に変換する処理が行われる。
【0077】
また、差分の絶対値が0よりも大きい場合(ステップS410でYES)は、ステップS412に移行し、補間係数Rを算出する処理が行われる。補間係数Rは、以下の式(1)によって求められる。
R=(QVave−Qave)/αa ……(1)
【0078】
そして、ステップS413に移行し、補間計算が行われる。補間計算は、以下の式(2)を用いて行われる。
空気流量=脈動テーブル参照値×R+定常テーブル参照値×(1−R)……(2)
【0079】
上記式(2)に示すように、空気流量は、エアフローセンサ2からの信号を用いて脈動テーブルT2と定常テーブルT1を参照し、脈動テーブルT2を参照して得た参照値に補間係数Rを乗算したものと、定常テーブルT1を参照して得た参照値に(1−補間係数R)を乗算したものとを加算することによって算出される。上記した空気流量変換方法によれば、脈動の状態に応じて変換テーブルを切り替えたときに、空気流量の値が急激に変化するのを防ぐことができる。
【0080】
<実施例7>
本実施例において特徴的なことは、実施例6の補間計算の代わりに、脈動時における最小空気流量に応じて二つの変換テーブルの分配率を連続的に変化させる構成としたことである。
【0081】
図17は、最小空気流量と複数テーブル分配率との関係を示す図であり、脈動時における最小空気流量に応じて、定常テーブルT1と脈動テーブルT2の二つの変換テーブルの分配率を連続的に変化させた例を示す。
【0082】
最小空気流量は、例えば図16のステップS407で求めた最小空気流量変換値Qminが用いられる。分配率は、図17に示すように、最小空気流量が少なくなるに応じて脈動テーブルの割合が多くなり、最小空気流量が0以下では、脈動テーブルT2の割合が100%になるように設定されている。
【0083】
本実施例では、図16のステップS412、S413における補間計算の代わりに、定常テーブルT1と脈動テーブルT2の二つの変換テーブルの分配率に基づいて、空気流量を変換する処理が行われる。この方法によれば、脈動の状態に応じて変換テーブルを切り替えたときに、空気流量の値が急激に変化するのを防ぐことができる。
【0084】
なお、本発明の構成は、上述の各実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々の組み合わせが可能である。例えば、これまでに説明した各実施例1〜7は、変換テーブルが脈動用と定常用の2種類になっているが、これを3つ以上に増やすことにより、更に細かい制御が可能となる。また、本発明は、4サイクルエンジンに適用するものであり、ガソリンエンジンだけでは無く、ディーゼルエンジンにも適用可能である。
【符号の説明】
【0085】
1 スロットルセンサ
2 熱式空気流量検出装置
3 水温センサ
7 クランク角センサ
8 空燃比センサ
13 カム角センサ
14 アクセルセンサ
20 燃料ポンプ
21 燃料タンク
22 プレッシャレギュレータ
23 インジェクタ
30 イグナイター
31 点火コイル
33 点火プラグ
40 スロットルバルブ
42 スロットルアクチュエータ
60 エアクリーナ
61 吸気ダクト
62 コレクタ
63 吸気管
65 内燃機関
71 エンジンコントロールユニット(制御装置)
81 排気管
91 バルブタイミング可変機構(可変動弁機構)
92 吸気弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱抵抗体からの信号に基づいて吸気通路を流れる空気流の空気流量を測定する熱式空気流量測定装置を備えた内燃機関の制御装置であって、
前記発熱抵抗体の信号を空気流量に変換するための複数の変換テーブルを記憶する記憶手段と、
該記憶手段に記憶されている複数の変換テーブルの中から前記変換に使用する変換テーブルを選択する選択手段と、
該選択手段により選択された変換テーブルを使用して前記発熱抵抗体の信号を空気流量に変換する変換手段と、
を有し、
前記選択手段は、前記通路内に発生する前記空気流の脈動の状態を直接又は間接的に示す状態値に応じて前記変換テーブルの選択を行うことを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項2】
前記発熱抵抗体の信号に基づいて前記脈動の振幅の大きさを計測する脈動計測手段を備え、
前記選択手段は、前記脈動計測手段により計測した前記脈動の振幅の大きさに応じて前記変換テーブルの選択を行うことを特徴とする請求項1の記載の内燃機関の制御装置。
【請求項3】
前記脈動計測手段は、前記発熱抵抗体の信号をフィルタリングした値と、前記発熱抵抗体の信号の最新値との差から前記空気流の脈動の大きさを求めることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項4】
前記脈動計測手段は、前記発熱抵抗体の信号の最大値と最小値との差から前記脈動の振幅の大きさを求めることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項5】
前記選択手段は、
前記発熱抵抗体の信号の最大値と最小値から求めた平均値を空気流量に変換して平均空気流量変換値を算出し、かつ前記信号の最大値を空気流量に変換した最大空気流量変換値と前記信号の最小値を空気流量に変換した最小空気流量変換値から平均値である平均空気流量算出値を算出し、
前記平均空気流量変換値と前記平均空気流量算出値との差分に応じて前記変換テーブルを選択することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項6】
前記記憶手段には、変換テーブルとして、脈動テーブルと定常テーブルが予め記憶されており、
前記選択手段は、前記差分が予め設定された判定値よりも大きいときは前記脈動テーブルを選択し、前記差分が前記判定値以下のときは前記定常テーブルを選択することを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項7】
前記選択手段は、前記発熱抵抗体からの信号を空気流量に変換して平均空気流量と最小空気流量を算出し、該算出した平均空気流量と最小空気流量に応じて前記変換テーブルの選択を行うことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項8】
前記記憶手段には、変換テーブルとして、脈動テーブルと定常テーブルが予め記憶されており、
前記選択手段は、前記平均空気流量が予め設定された第1判定値よりも多く、かつ前記最小空気流量が予め設定された第2判定値よりも少ないときは、前記脈動テーブルを選択し、前記平均空気流量が前記第1判定値以下、もしくは、前記最小空気流量が前記第2判定値以上の少なくとも一方であるときは、前記定常テーブルを選択することを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項9】
スロットルバルブを有する内燃機関に吸入される空気流量を測定する場合に、
前記選択手段は、前記スロットルバルブのスロットル開度に応じて前記変換テーブルの選択を行うことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項10】
前記記憶手段には、変換テーブルとして、脈動テーブルと定常テーブルが予め記憶されており、
前記選択手段は、前記スロットル開度が予め設定されたスロットル開度判定値よりも大きいときは前記脈動テーブルを選択し、前記スロットル開度が前記スロットル開度判定値以下のときは前記定常テーブルを選択することを特徴とする請求項9に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項11】
可変動弁機構を有する内燃機関に吸入される空気流量を測定する場合に、
前記選択手段は、前記可変動弁機構の作動角とリフト量の少なくとも一方に応じて前記変換テーブルの選択を行うことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項12】
前記記憶手段には、変換テーブルとして、脈動テーブルと定常テーブルが予め記憶されており、
前記選択手段は、前記作動角が予め設定された上限判定値よりも大きいとき、あるいは下限判定値よりも小さいときは前記脈動テーブルを選択し、前記作動角が前記上限判定値以下でかつ前記下限判定値以上のときは前記定常テーブルを選択することを特徴とする請求項11に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項13】
前記選択手段は、前記通路の吸気管圧力に応じて前記変換テーブルの選択を行うことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項14】
前記記憶手段には、変換テーブルとして、脈動テーブルと定常テーブルが予め記憶されており、
前記選択手段は、前記吸気管圧力が予め設定された負圧判定値よりも大きいときは前記脈動テーブルを選択し、前記吸気管負圧が前記負圧判定値以下のときは前記定常テーブルを選択することを特徴とする請求項13に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項15】
前記定常テーブルは、順流の空気流量と逆流の空気流量のうち、前記順流の空気流量のみを変換するように設定されていることを特徴とする請求項6、8、10、12、14のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項16】
前記選択手段は、前記変換に使用する変換テーブルとして複数の変換テーブルを選択し、
前記変換手段は、前記発熱抵抗体からの信号を用いて複数のテーブルを参照し、補間計算により前記空気流量を求めることを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−180842(P2012−180842A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−132541(P2012−132541)
【出願日】平成24年6月12日(2012.6.12)
【分割の表示】特願2009−157080(P2009−157080)の分割
【原出願日】平成21年7月1日(2009.7.1)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】