説明

内燃機関の制御装置

【課題】内燃機関の気筒毎に2つある吸気ポート間で吸気状態が異なる場合であっても、排ガスの悪化を抑制する機能を有する内燃機関の制御装置を提供することを目的としている。
【解決手段】内燃機関の各吸気ポート5,6に配置された吸気量センサ11,12と吸気温度センサ13,14の出力信号に基づいて、各吸気ポート5,6の吸気量と吸気温度が算出され、燃料噴射総量に対して各吸気ポート5,6の燃料噴射弁9,10から噴射される割合を、低温側の吸気ポートの吸気温度や両吸気ポート5,6の吸気温度の比率に応じて設定することにより、吸気ポート毎に未蒸発燃料が少ない良好な混合気が形成されるので排ガスの悪化を抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気筒毎に2つの吸気ポートを備えた内燃機関の制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、気筒毎に2つの吸気ポートを備え、吸気ポート間で吸気状態が異なる内燃機関としては、例えば、予混合圧縮自己着火内燃機関が知られている。予混合圧縮自己着火内燃機関では、予め混合された空気と燃料の混合気がピストンで圧縮されることで自己着火温度に達して、燃焼室内の複数の箇所で同時に燃焼が開始される。一般的な火花点火内燃機関では、断熱圧縮作用によって混合気の温度を自己着火温度にすることは困難であるので、予混合圧縮自己着火内燃機関では、火花点火内燃機関よりも高圧縮比とすることで断熱圧縮による温度上昇を高めるとともに、EGR(排気再循環:Exhaust Gas Recirculation)や加熱器を利用して吸気温度を上昇させることで混合気温度を自己着火温度に到達させている。このようにして、混合気を高温化することで予混合圧縮自己着火を実現しているが、混合気全体が一気に燃える為に火花点火に比べて予混合圧縮自己着火は燃焼速度が速い。特に、燃料量が多くなる高負荷では、より多くの燃料が一気に燃えるために燃焼速度が速く、騒音や振動が発生し易い。その結果、高負荷側の運転領域には、限界が存在する。
【0003】
そこで、高負荷側の上限を広げるために、燃焼室内に高温混合気と低温混合気の層を形成させる方法がある。これは、高温混合気層で確実な着火を確保し、低温混合気層で燃焼を遅らせて全体の燃焼速度を緩慢にすることが狙いにある。例えば、特許文献1に示される予混合圧縮自己着火式エンジンの制御装置では、2つある吸気ポートの一方だけから燃焼室に高温のEGRを含んだ混合気を供給し、他方の吸気ポートからは低温の新気による混合気を燃焼室に供給することで、燃焼室内の温度不均一度合を大きくし、高負荷における騒音や振動を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−256925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の予混合圧縮自己着火式エンジンの制御装置にあっては、両吸気ポートで異なる吸気温度にすることで、燃焼室内の吸気温度を不均一としているが、吸気温度の違いによる吸気ポート間の燃料の気化のし易さやそれに伴う混合気形成の違いが一切考慮されておらず、両吸気ポートで同量の燃料が噴射されている。その結果、吸気温度が低い吸気ポートでは、吸気温度が高い吸気ポートに比べ燃料の気化が悪く、未蒸発燃料が多く含まれるために、排ガスが悪化するといった問題があった。
【0006】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、内燃機関の気筒毎に2つある吸気ポート間で吸気状態が異なる場合であっても、排ガスの悪化を抑制する機能を有する内燃機関の制御装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の内燃機関の制御装置は、気筒毎に設けられた2つの吸気ポートでの吸気状態を検出する吸気状態検出機能と、前記各吸気ポートに噴射され
る燃料の噴射時期および噴射量を調整する燃料噴射調整機能と、を備え、前記燃料噴射調整機能は、燃料噴射総量に対して前記各吸気ポートに噴射される燃料の割合を前記吸気状態検出機能により得られた吸気状態に応じて設定することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の内燃機関の制御装置によれば、燃料噴射総量に対して、各吸気ポートに噴射される割合を各吸気ポートの吸気状態に応じて設定することにより、吸気ポート毎に未蒸発燃料が少ない良好な混合気が形成されるので排ガスの悪化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る内燃機関の制御装置における内燃機関の概略構成図である。
【図2】本発明における2つある吸気ポートと排気ポートの一方を含む面で切断した内燃機関の燃焼室部の断面図である。
【図3】本発明におけるエンジンコントロールユニット(ECU)で実行される制御処理を示すブロック図である。
【図4】実施の形態1および実施の形態2におけるメイン制御処理工程での処理手順を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1における燃料噴射制御処理工程での処理手順を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態1における内燃機関の回転数と負荷に基づき設定された基本燃料噴射量を示す図である。
【図7】実施の形態1における内燃機関の回転数に基づき設定された基本燃料噴射時期を示す図である。
【図8】実施の形態1における吸気温度に基づき設定された低温側吸気ポートの燃料噴射量割合を示す図である。
【図9】実施の形態1における吸気温度に基づき設定された低温側吸気ポートの燃料噴射時期進角量を示す図である。
【図10】実施の形態2における燃料噴射制御処理工程での処理手順を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態3におけるメイン制御処理工程での処理手順を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態3における燃料噴射制御処理工程での処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態に係る内燃機関の制御装置について、図1から図12に基づいて説明する。
【0011】
図1は、本発明に係る内燃機関の制御装置における内燃機関の概略構成図であり、図2は、2つある吸気ポートと排気ポートの一方を含む面で切断した内燃機関の燃焼室部の断面図である。なお、内燃機関として、4サイクル内燃機関を例に説明する。図3は、エンジンコントロールユニット(ECU)で実行される制御処理を示すブロック図である。
【0012】
図1および図2に示すように、本発明に係る内燃機関には、内燃機関本体1と、内燃機関本体1の燃焼室2と、燃焼室2には第1吸気ポート5と第2吸気ポート6が接続され、両吸気ポートの上流に吸気管22とが配置されている。吸気管22には燃焼室2に供給する空気量を調整するスロットルバルブ23と吸気管22の圧力を検出する吸気管圧力センサ24が設置されている。この圧力センサ24の圧力検出から内燃機関の負荷が算出される。また、第1吸気ポート5と第2吸気ポート6には、吸気量を検出する第1吸気量センサ11と第2吸気量センサ12、吸気温度を検出する第1吸気温度センサ13と第2吸気
温度センサ14がそれぞれの吸気ポートに取付けられ、吸気管22の近傍には大気温度を検出する為の大気温度センサ27が取付けられている。さらに、第1吸気ポート5と第2吸気ポート6には、それぞれ燃料を噴射する第1燃料噴射弁9と第2燃料噴射弁10が配置されており、各吸気ポート内で噴射された燃料と吸気ポート上流の吸気管22から供給された空気とで混合気が形成される。各吸気ポートで形成された混合気は、両吸気ポート5,6と燃焼室2を開閉する第1吸気ポート5に配置された第1吸気弁3と第2吸気ポート6に配置された第2吸気弁4を介して燃焼室2に供給される。一方、燃焼室2には燃焼した既燃ガスを排出する為の排気弁7が2つ取付けられ、排気弁7の開動作で排気弁7の下流に配置された排気ポート8を介して排気管15に排出される。第1吸気ポート5と第2吸気ポート6は、第1EGR管16と第2EGR管25によって排気管と連通しており、第1EGR管16と第2EGR管25にはEGR流量を調整する第1EGR調整弁17と第2EGR調整弁26が配置されている。燃料噴射弁9,10等のアクチュエータを制御するECU(エンジンコントロールユニット)18と、内燃機関本体1に取り付けられたクランク角センサ19と、内燃機関本体1に取り付けられたカム角センサ20と、燃焼室2内に設けられ混合気の導入、圧縮、燃焼、排出を行うピストン21と、により構成されている。なお、内燃機関本体1は、多気筒エンジンとして構成されているが、図1と図2では、内燃機関本体1の1気筒のみを示している。
【0013】
次に、本発明に係る内燃機関の動作の詳細について説明する。
まず、スロットルバルブ23により空気量を調整された空気が、吸気管22に供給され、吸気管22から第1吸気ポート5および第2吸気ポート6の2つに分けられて送り込まれる。第1吸気ポート5と第2吸気ポート6の吸気量は、第1吸気量センサ11と第2吸気量センサ12とにより検出され、第1吸気温度センサ13と第2吸気温度センサ14とにより、吸気温度T1,T2がそれぞれ検出される。第1吸気ポート5および第2吸気ポート6では、空気と燃料噴射弁9,10から噴射される燃料とが混合され、それぞれ混合気が形成される。各吸気ポート5,6で形成された混合気は、両吸気ポート5,6と燃焼室2との間に設けられた第1吸気弁3と第2吸気弁4の開動作で燃焼室2に供給される。ピストン21は、燃焼室2内を往復運動し、ピストン21の下降で2つの吸気弁3と4から燃焼室2へ混合気が導入され、ピストン21の上昇によって混合気が断熱圧縮され、断熱圧縮により燃焼した際に発生する混合気の燃焼圧力が運動エネルギーに変換され、さらに、燃焼後の既燃ガスは、2つの排気弁7から排出される。
【0014】
内燃機関本体1に取り付けられたクランク角センサ19により、クランク軸が一定角度回転する毎にパルス信号が出力される。クランク角センサ19からは、例えば、クランク回転角10°毎に、回転角検出用のパルスが出力され、内燃機関の回転数Nの算出に用いられる。さらに、内燃機関本体1に取り付けられたカム角センサ20により、カム軸が一定回転する毎に、各気筒で異なるパルス信号が出力されるので、クランク角センサ19の信号と組合せることにより、各気筒のタイミングを特定することができる。
【0015】
一方、燃焼室2にて、燃焼した既燃ガスは、2つの排気弁7の開動作で排気弁7の下流に配置された排気ポート8を介して排気管15に排出される。排気管15と第1吸気ポート5との間に連通された第1EGR管16を介してEGRが再循環される。EGRの流量は、第1EGR調整弁17により調整される。同様に、排気管15と第2吸気ポート6との間に連通された第2EGR管25を介してEGRが再循環される。EGRの流量は、第2EGR調整弁26により調整される。各吸気ポート5,6へ流れるEGRの流量をEGR調整弁17,26で調整することにより、各吸気ポート5,6の吸気温度T1,T2を調整することができる。具体的には、EGR調整弁17,26の開度を大きくすれば、EGRの流量が増加し、吸気ポート5,6での吸気温度T1,T2を上昇させることができる。このEGRを利用して吸気温度を上昇させることで、混合気の温度を自己着火温度に到達させることができる。ここでは、吸気温度を変更する手段としてEGRを用いている
が、吸気温度を変更することが可能な加熱器などの別の手段を用いてもよい。
【0016】
ここで、車室内等に設けられたECU(エンジンコントロールユニット)18は、吸気量センサ11,12、吸気温度センサ13,14等の各種センサの出力信号を取り込み、入力された信号に基づいて、演算処理を実行し、その処理結果に基づいて、各種アクチュエータ用制御信号を出力し、燃料噴射弁9,10等のアクチュエータを制御する。ECU18は、燃料噴射量や燃料噴射時期を制御する燃料噴射制御等を実行するマイクロコンピュータシステムである。
【0017】
図3に示すように、ECU18では、主に、吸気量検出機能30、吸気温度検出機能31、大気温度検出機能32と吸気熱量算出機能33とから成る吸気状態検出機能34、および燃料噴射調整機能35が実行されるものであり、記憶された制御プログラムに基づいて、各種の演算処理が実行される。吸気状態検出機能34では、吸気量センサ11,12、吸気温度センサ13,14および大気温度センサ27の出力信号に基づいて、吸気温度や吸気熱量が算出される。燃料噴射調整機能35では、燃料噴射総量に対して各吸気ポート5,6で噴射される燃料の割合が、吸気温度や吸気熱量に応じて設定され、燃料噴射弁9,10が制御される。
【0018】
具体的には、各吸気ポート5,6に配置された吸気量センサ11,12の出力信号に基づいて、吸気量検出機能30により各吸気ポート5,6での吸気量AQ1,AQ2が、また、各吸気ポート5,6に配置された吸気温度センサ13,14の出力信号に基づいて、吸気温度検出機能31により各吸気ポート5,6での吸気温度T1,T2が算出される。さらに、吸気熱量算出機能33により各吸気ポート5,6での吸気量AQ1,AQ2による影響も考慮して、各吸気ポート5,6での吸気温度T1,T2と吸気量AQ1,AQ2から吸気熱量CA1,CA2が算出される。燃料噴射調整機能35では、低温側の吸気ポートでの吸気温度や両吸気ポート5,6での吸気温度の合計に対する吸気温度の比率、あるいは、両吸気ポート5,6での吸気熱量の合計に対する吸気熱量比率に応じて各吸気ポート5,6の燃料噴射弁9,10から噴射される燃料の割合が設定される。
【0019】
両吸気ポート5,6の燃料の気化に影響する各吸気ポート5,6の吸気温度や吸気熱量といった吸気状態に応じて、燃料噴射総量に対して各吸気ポート5,6に噴射される燃料の割合が設定されるので、吸気ポート5,6毎に、未蒸発燃料が少ない良好な混合気を形成することができ、排ガスの悪化を抑制することができる。
【0020】
実施の形態1.
図4は、実施の形態1におけるメイン制御処理工程での処理手順を示すフローチャートであり、図5は、燃料噴射制御処理工程での処理手順を示すフローチャートである。図6は、内燃機関の回転数と負荷に基づき設定される基本燃料噴射量、図7は、内燃機関の回転数に基づき設定される基本燃料噴射時期、図8は、吸気温度に基づき設定される低温側吸気ポートの燃料噴射量割合、図9は、吸気温度に基づき設定される低温側吸気ポートの燃料噴射時期進角量を示す。
【0021】
実施の形態1の内燃機関の制御装置の動作について説明する。まず、内燃機関の回転数Nと負荷Lから燃焼室2に供給される基本燃料噴射量(燃料噴射総量)FQが算出される。2つある吸気ポート5,6のうち低温側の吸気ポートの吸気温度に応じて、基本燃料噴射量FQに対して各吸気ポート5,6に燃料噴射弁9,10から噴射される燃料の割合が設定される。なお、低温側の吸気温度が所定温度以下なら低温側の吸気ポートへの燃料の噴射は停止される。また、低温側の吸気ポートに配置された燃料噴射弁から燃料が噴射される燃料噴射時期が、低温側の吸気ポートの吸気温度に応じて設定される。燃料の気化が悪い低温ほど燃料噴射時期は早めに設定される。燃料が気化しにくい低温側の吸気温度に応じて、両吸気ポート5,6に供給される燃料噴射量FQ1,FQ2と燃料噴射時期FT1,FT2が設定されているので、混合気の形成が極端に悪化することはなく、排ガスの悪化を抑制することができる。
【0022】
次に、ECU18で実行される内燃機関の制御装置における処理手順を図4および図5のフローチャートを用いて説明する。図4に示すメイン制御処理工程では、例えば、4気筒の内燃機関に本実施の形態を適用した場合には、クランク角度180度毎に対応する気筒について実行される。まず、第1吸気ポート5と第2吸気ポート6の吸気温度T1とT2が検出される(ステップS101)。次に、吸気温度T1,T2に応じた燃料噴射制御処理を実行する(ステップS102)。燃料噴射制御処理の内容については、図5の燃料噴射制御処理工程のフローチャートで示す。
【0023】
図5に示す燃料噴射制御処理工程では、内燃機関の回転数Nと負荷Lとの関係に基づき、予め実験で設定される基本燃料噴射量FQのマップ(図6)を参照して、運転状態に応じた基本燃料噴射量FQが算出される(ステップS201)。また、内燃機関の回転数Nと基本燃料噴射時期FTとの関係に基づき、予め実験で設定される基本燃料噴射時期FTのマップ(図7)を参照して、基本燃料噴射時期FTbが算出される(ステップS202)。
【0024】
続いて、第1吸気ポート5の吸気温度T1と第2吸気ポート6の吸気温度T2とが比較される(ステップS203)。第1吸気ポート5の吸気温度T1の方が低い場合には、第1吸気ポート5の吸気温度T1が所定温度TLよりも低いかどうかが判定される(ステップS204)。ここで、所定温度TLは、吸気温度が低く、燃料が気化し難いために、混合気の形成が極端に悪く、排ガスが悪化する温度を予め実験結果から求めておき、例えば、0℃と設定しておく。第1吸気ポート5の吸気温度T1が所定温度TLよりも低い場合には、第2吸気ポート6の吸気温度T2と所定温度THとが比較される(ステップS205)。ここで、所定温度THは、吸気温度が高く、混合気の形成が良好で排ガスが悪化しない温度を予め実験結果から求めておき、例えば、20℃と設定しておく。第2吸気ポート6の吸気温度T2が所定温度THよりも高く、第2吸気ポート6の混合気の形成が良好と判断されれば、第1吸気ポート5に噴射される燃料量FQ1を0として、第2吸気ポート6に噴射される燃料量FQ2を基本燃料噴射量の総量FQとする(ステップS206)。この後、図4のメイン制御処理工程のフローチャートに戻る。
【0025】
一方、ステップS204で、低温側の吸気ポートとなる第1吸気ポート5の吸気温度T1が所定温度TLよりも高く、混合気の形成を極端に悪化させない吸気状態や、ステップS205で、高温側の吸気ポートとなる第2吸気ポート6の吸気温度T2が所定温度THよりも低く、燃料の気化がそれほど促進されない吸気状態の場合には、吸気温度が低い吸気ポートである第1吸気ポート5の吸気温度T1に応じて、各吸気ポート5,6に噴射される燃料の燃料噴射量割合FR(T1)が、図8を参照して、算出される(ステップS207)。続いて、第1吸気ポート5の燃料量FQ1と第2吸気ポート6の燃料量FQ2が、基本燃料噴射量FQと燃料噴射量割合FRとから算出される(ステップS208)。式1、式2に、各吸気ポート5,6の燃料量FQ1,FQ2を算出する算式を示す。
第1吸気ポートの燃料量FQ1=FQ*FR (1)
第2吸気ポートの燃料量FQ2=FQ*(1−FR) (2)
したがって、第1吸気ポート5の吸気温度T1が低いほど、基本燃料噴射量FQに対して第1吸気ポート5に噴射される燃料量FQ1が、高温側の第2吸気ポート6に噴射される燃料量FQ2よりも少なくなるように設定される。燃料が気化し難く、混合気の形成が悪化し易い低温側の第1吸気ポート5の燃料噴射量FQ1を少なくすることで、排ガスの悪化を抑制することができる。
【0026】
また、第1吸気ポート5に燃料が噴射される燃料噴射時期FT1を早めるために、図9を参照して、第1吸気ポート5の吸気温度T1に応じて、燃料噴射時期進角量FT(T1)が算出される(ステップS209)。これにより、基本燃料噴射時期FTbが、燃料噴射時期進角量FT(T1)で補正され、吸気温度が低い第1吸気ポート5に燃料が噴射される燃料噴射時期FT1が設定される(ステップS210)。式3に、第1吸気ポート5の燃料噴射時期FT1を算出する算式を示す。
燃料噴射時期FT1=基本噴射時期FTb−燃料噴射時期進角量FT(T1) (3)
なお、吸気温度が高温側となる第2吸気ポート6の燃料噴射時期FT2は、基本噴射時期FTbのままとする。吸気温度が低温側となる第1吸気ポート5の燃料噴射時期FT1を進角することで燃焼室2に供給されるまでの時間的余裕が設けられ、燃料をより多く気化することができるので混合気の形成が良くなり、排ガスの悪化を抑制することできる。この後、図4のメイン制御処理工程のフローチャートに戻る。
【0027】
また、ステップS203で、第2吸気ポート6の吸気温度T2の方が、第1吸気ポート5の吸気温度T1よりも低いと判定された場合には、ステップS204の第1吸気ポート5での処理と同様に、第2吸気ポート6の吸気温度T2が、所定温度TLよりも低いかどうかが判定される(ステップS211)。第2吸気ポート6の吸気温度T2が、所定温度TLよりも低い場合には、第1吸気ポート5の吸気温度T1と所定温度THとが比較される(ステップS212)。第1吸気ポート5の吸気温度T1が、所定温度THよりも高い場合には、第2吸気ポート6に噴射される燃料量FQ2を0として、第1吸気ポート5に噴射される燃料量FQ1を基本燃料噴射量の総量FQとする(ステップS213)。この後、図4のメイン制御処理工程のフローチャートに戻る。
【0028】
また、ステップS211で、低温側の吸気ポートとなる第2吸気ポート6の吸気温度T2が所定温度TLよりも高い場合や、ステップS212で、高温側の吸気ポートとなる第2吸気ポート6の吸気温度T2が所定温度THよりも低い場合には、吸気温度が低い吸気ポートである第2吸気ポート6の吸気温度T2に応じて、各吸気ポート5,6に噴射される燃料の燃料噴射量の割合FR(T2)が、図8を参照して、算出される(ステップS214)。続いて、第1吸気ポート5の燃料量FQ1と第2吸気ポート6の燃料量FQ2が、基本燃料噴射量FQと燃料噴射量割合FRとから算出される(ステップS215)。式4、式5に、各吸気ポート5,6の燃料量FQ1,FQ2を求める算式を示す。
第1吸気ポートの燃料量FQ1=FQ*(1−FR) (4)
第2吸気ポートの燃料量FQ2=FQ*FR (5)
したがって、第2吸気ポート6の吸気温度T2が低いほど、基本燃料噴射量FQに対して第2吸気ポート6に噴射される燃料量FQ2が、高温側の第1吸気ポート5に噴射される燃料量FQ1よりも少なくなるように設定される。燃料が気化し難く、混合気の形成が悪化し易い低温側の第2吸気ポート6の燃料噴射量FQ2を少なくすることで、排ガスの悪化を抑制することができる。
【0029】
また、第2吸気ポート6に燃料が噴射される燃料噴射時期FT2を早めるために、図9を参照して、第2吸気ポート6の吸気温度T2に応じて、燃料噴射時期進角量FT(T2)が算出される(ステップS216)。これにより、基本燃料噴射時期FTbが、燃料噴射時期進角量FT(T2)で補正され、吸気温度が低い第2吸気ポート6に燃料が噴射される燃料噴射時期FT2が設定される(ステップS210)。式6に、第2吸気ポート6の燃料噴射時期FT2を算出する算式を示す。
燃料噴射時期FT2=基本噴射時期FTb−燃料噴射時期進角量FT(T2) (6)
なお、吸気温度が高温側となる第1吸気ポート5の燃料噴射時期FT1は、基本燃料噴射時期FTbのままとする。吸気温度が低温側となる第2吸気ポート6の燃料噴射時期FT2を進角することで燃焼室2に供給されるまでの時間的余裕が設けられ、燃料をより多く気化することができるので混合気の形成が良くなり、排ガスの悪化を抑制することでき
る。この後、図4のメイン制御処理工程のフローチャートに戻る。
【0030】
このように、実施の形態1に係る内燃機関の制御装置によれば、2つある吸気ポートの低温側の吸気温度に応じて、各吸気ポートに噴射される燃料の割合を低温側が少なく、高温側が多くなるように設定しているので、低温側の吸気ポートにおいても、未蒸発燃料が少なくなり、混合気の形成を悪化させることはなく、さらに、低温側の吸気温度に応じて低温側の燃料噴射時期が、進角側に設定されることにより、良好な混合気を形成するための時間を確保することで、排ガスの悪化を抑制することできるという顕著な効果が期待できる。
【0031】
実施の形態2.
図10は、実施の形態2における燃料噴射制御処理工程での処理手順を示すフローチャートである。実施の形態1では、基本燃料噴射量(燃料噴射総量)に対して各吸気ポートに噴射される燃料の割合が、低温側の吸気ポートの吸気温度に応じて設定されるのに対して、実施の形態2では、両吸気ポートの吸気温度の合計に対する各吸気ポートの吸気温度の比率に応じて各吸気ポートに噴射される燃料の割合が設定される。メイン制御処理工程での処理手順を示すフローチャートは、実施の形態1での図4と同様であるので説明を省略する。
【0032】
実施の形態2に係る内燃機関の制御装置の動作について、図10の燃料噴射制御処理工程での処理手順を示すフローチャートを用いて説明する。なお、各吸気ポート5,6に噴射される燃料の割合の設定方法以外については、実施の形態1と同様の内容であるので説明を省略する。
【0033】
図10に示す燃料噴射制御処理工程では、内燃機関の回転数Nと負荷Lとの関係に基づき、予め実験で設定される基本燃料噴射量FQのマップ(図6)を参照して、運転状態に応じた基本燃料噴射量FQが算出される(ステップS301)。また、内燃機関の回転数Nと基本燃料噴射時期FTとの関係に基づき、予め実験で設定される基本燃料噴射時期FTのマップ(図7)を参照して、基本燃料噴射時期FTbが算出される(ステップS302)。
【0034】
次に、ステップS303からS305と、ステップS310からS311で、各吸気ポートの吸気状態が判定され、低温側の吸気ポートの吸気温度が所定温度TLよりも低く(ステップS304,S310)、高温側の吸気ポートの吸気温度が所定温度THよりも高い(ステップS305,S311)場合には、低温側の吸気ポートへの燃料の噴射量を0として、高温側の吸気ポートに噴射される燃料量を基本燃料噴射量の総量FQとする(ステップS306,S312)、(式1、式2参照。)。この後、図4のメイン制御処理工程のフローチャートに戻る。
【0035】
一方、各吸気ポート5,6の吸気状態が上記条件以外の場合には、基本燃料噴射量FQに対する各吸気ポート5,6に噴射される燃料量FQ1,FQ2が、両吸気ポート5,6の吸気温度T1,T2の比率に応じて設定される(ステップS307,S313)。式7、式8に、各吸気ポート5,6の燃料量FQ1,FQ2を算出する算式を示す。
第1吸気ポートの燃料量FQ1=FQ*T1/(T1+T2) (7)
第2吸気ポートの燃料量FQ2=FQ*T2/(T1+T2) (8)
【0036】
また、吸気ポート5,6のうち、吸気温度が低温側の吸気ポートの燃料が噴射される時期を早めるために、低温側の吸気ポートの吸気温度T1,T2に応じて、燃料噴射時期進角量FT(T1)あるいはFT(T2)が算出される(ステップS308,S314)。これにより、基本燃料噴射時期FTbが、燃料噴射時期進角量FT(T1)あるいはFT
(T2)で補正され、吸気温度が低い吸気ポートに燃料が噴射される燃料噴射時期FT1あるいはFT2が設定される(ステップS309,S315)。これらの燃料噴射時期FT1あるいはFT2を算出する工程は、実施の形態1のステップS209,S210の工程、ステップS215,S217の工程と同様であり、燃料噴射時期進角量FT(T1)あるいはFT(T2)を算出する算式は、式3あるいは式6と同じである。なお、吸気温度が高温側となる吸気ポートの燃料噴射時期は、基本燃料噴射時期FTbのままとする。この後、図4のメイン制御処理工程のフローチャートに戻る。
【0037】
このように、実施の形態2に係る内燃機関の制御装置によれば、2つある吸気ポートでの吸気温度の合計に対する各ポートの吸気温度の比率に応じて、各吸気ポートに噴射される燃料の割合を低温側が少なく、高温側が多くなるように設定しているので、実施の形態1と同様、低温側の吸気ポートにおいても、未蒸発燃料が少なくなり、混合気の形成を悪化させることはなく、さらに、低温側の吸気温度に応じて低温側の燃料噴射時期が進角側に設定されることにより、良好な混合気を形成するための時間を確保することで、排ガスの悪化を抑制することできるという顕著な効果が期待できる。
【0038】
実施の形態3.
図11は、実施の形態3におけるメイン制御処理での処理手順を示すフローチャートであり、図12は、燃料噴射制御処理での処理手順を示すフローチャートである。実施の形態2では、両吸気ポートでの吸気温度の合計に対する各ポートの吸気温度の比率に応じて、基本燃料噴射量(燃料噴射総量)に対する各吸気ポートに噴射される燃料の割合が設定されるのに対して、実施の形態3では、各吸気ポートの吸気量も考慮して各吸気ポートの吸気熱量に応じて各吸気ポートに噴射する燃料の割合が設定される。
【0039】
実施の形態3に係る内燃機関の制御装置の動作について、図11のメイン制御処理工程でのフローチャート、および図12の燃料噴射制御処理での処理手順を示すフローチャートを用いて説明する。
【0040】
図11に示すメイン制御処理工程では、第1吸気ポート5と第2吸気ポート6の吸気温度T1とT2が検出される(ステップS401)。次に、第1吸気ポート5と第2吸気ポート6の吸気量AQ1とAQ2が検出される(ステップS402)、大気温度Taが検出される(ステップS403)。続いて、吸気熱量に応じた燃料噴射制御処理を実行する(ステップS404)。燃料噴射制御処理の内容については、図12の燃料噴射制御処理工程のフローチャートで示す。
【0041】
次に、図12に示す燃料噴射制御処理工程では、実施の形態1と同様に、内燃機関の回転数Nと負荷Lとの関係に基づき、予め実験で設定される基本燃料噴射量FQのマップ(図6)を参照して、運転状態に応じた基本燃料噴射量FQが算出される(ステップS501)。また、内燃機関の回転数Nと基本燃料噴射時期FTとの関係に基づき、予め実験で設定される基本燃料噴射時期FTのマップ(図7)を参照して、基本燃料噴射時期FTbが算出される(ステップS502)。さらに、大気温度Taと、第1吸気ポート5および第2吸気ポート6のそれぞれの吸気温度T1、T2と吸気量AQ1,AQ2とから各吸気ポート5,6の吸気熱量CA1,CA2が算出される(ステップS503)。式9、式10に、各吸気ポート5,6の吸気の熱量CA1,CA2を算出する算式を示す。
第1吸気ポートの熱量CA1=比熱(0.24)*AQ1*(T1−Ta) (9)
第2吸気ポートの熱量CA2=比熱(0.24)*AQ2*(T2−Ta) (10)
【0042】
続いて、第1吸気ポート5の吸気熱量CA1と第2吸気ポート6の吸気熱量CA2とが比較される(ステップS504)。第1吸気ポート5の吸気熱量CA1の方が低い場合には、第1吸気ポート5の吸気熱量CA1が所定熱量CALよりも低いかどうかが判定され
る(ステップS505)。ここで、所定熱量CALは、未蒸発燃料が多く、混合気の形成が悪いために、排ガスが悪化する熱量を、予め実験結果から求めておき設定する。第1吸気ポート5の吸気熱量CA1が所定熱量CALよりも低い場合には、第2吸気ポート6の吸気熱量CA2と所定熱量CAHとが比較される(ステップS506)。ここで、所定熱量CAHは、高温側の吸気ポートの吸気の熱量が高く、混合気の形成が良好で、排ガスが悪化しない熱量を、予め実験結果から求めておき設定する。第2吸気ポート6の吸気熱量CA2が所定熱量CAHよりも高く、第2吸気ポート6の混合気の形成が良好と判断されれば、第1吸気ポート5に噴射される燃料量FQ1を0として、第2吸気ポート6に噴射される燃料量FQ2を基本燃料噴射量の総量FQとする(ステップS507)。この後、図11のメイン制御処理工程のフローチャートに戻る。
【0043】
一方、各吸気ポート5,6の吸気の熱量状態が上記条件以外の場合には、基本燃料噴射量FQに対する各吸気ポート5,6に噴射される燃料量FQ1,FQ2の割合が、両吸気ポート5,6での吸気熱量の合計に対する各吸気熱量CA1,CA2の比率に応じて設定される(ステップS508)。式11、式12に、各吸気ポート5,6の燃料量FQ1,FQ2を算出する算式を示す。
第1吸気ポートの燃料量FQ1=FQ*CA1/(CA1+CA2) (11)
第2吸気ポートの燃料量FQ2=FQ*CA2/(CA1+CA2) (12)
【0044】
なお、混合気の形成を良くするために、燃料噴射時期進角量FT(T1)の算出(ステップ509)と、燃料噴射時期FT1の設定(ステップS510)については、実施の形態1のステップS209,S210と同様の内容であるので説明を省略する。この後、図11のメイン制御処理工程のフローチャートに戻る。
【0045】
また、ステップS504で、第2吸気ポート6の吸気熱量CA2の方が、第1吸気ポート5の吸気熱量CA1よりも低いと判定された場合には、ステップS505の第1吸気ポート5での処理と同様に、第2吸気ポート6の吸気熱量CA2が、所定熱量CALよりも低いかどうかが判定される(ステップS511)。第2吸気ポート6の吸気熱量CA2が、所定熱量CALよりも低い場合には、第1吸気ポート5の吸気熱量CA1と所定熱量CAHとが比較される(ステップS512)。第1吸気ポート5の吸気熱量CA1が、所定熱量CAHよりも高い場合には、第2吸気ポート6に噴射される燃料量FQ2を0として、第1吸気ポート5に噴射される燃料量FQ1を基本燃料噴射量の総量FQとする(ステップS513)。この後、図11のメイン制御処理工程のフローチャートに戻る。
【0046】
また、ステップS511で、低熱量側の第2吸気ポート6の吸気熱量CA2が所定熱量CAL以上で低熱量側の吸気ポートでも混合気の形成が良くなる吸気状態である場合や、ステップS512で、高熱量側の第1吸気ポート5の吸気熱量CA1が所定熱量CAHよりも低い場合には、第1吸気ポート5の燃料量FQ1と第2吸気ポート6の燃料量FQ2が、基本燃料噴射量FQと両吸気ポート5,6での吸気熱量の合計に対する各吸気熱量CA1,CA2の比率から算出される(ステップS514)。この第1吸気ポート5の燃料量FQ1と第2吸気ポート6の燃料量FQ2を算出する式は、式11および式12と同じである。
【0047】
なお、混合気の形成を良くするために、燃料噴射時期進角量FT(T2)の算出(ステップ515)と、燃料噴射時期FT2の設定(ステップS516)については、実施の形態1のステップS216、S217と同様の内容であるので説明を省略する。この後、図11のメイン制御処理工程のフローチャートに戻る。
【0048】
このように、実施の形態3に係る内燃機関の制御装置によれば、2つある吸気ポートの吸気温度と吸気量を考慮して、各吸気ポートでの吸気熱量の合計に対する各ポートの吸気
熱量の比率に応じて、各吸気ポートに噴射される燃料の割合を、低熱量側が少なく、高熱量側が多くなるように設定しているので、吸気流動や吸気温度の影響により双方の吸気ポートの吸気量が異なった場合においても、未蒸発燃料が少なくなり、混合気の形成を悪化させることはなく、さらに、低熱量側の吸気温度に応じて低熱量側の燃料噴射時期が進角側に設定されることにより、良好な混合気を形成するための時間を確保することで、排ガスの悪化を抑制することできるという顕著な効果が期待できる。
【0049】
なお、また、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
【0050】
また、図中、同一符号は、同一、または相当部分を示す。
【符号の説明】
【0051】
1 内燃機関本体
2 燃焼室
3 第1吸気弁 4 第2吸気弁
5 第1吸気ポート 6 第2吸気ポート
9 第1燃料噴射弁 10 第2燃料噴射弁
11 第1吸気量センサ 12 第2吸気量センサ
13 第1吸気温度センサ 14 第2吸気温度センサ
18 ECU(エンジンコントロールユニット)
24 吸気管圧力センサ
27 大気温度センサ
30 吸気量検出機能
31 吸気温度検出機能
32 大気温度検出機能
33 吸気熱量算出機能
34 吸気状態検出機能
35 燃料噴射調整機能


【特許請求の範囲】
【請求項1】
気筒毎に設けられた2つの吸気ポートでの吸気状態を検出する吸気状態検出機能と、前記各吸気ポートに噴射する燃料の噴射時期および噴射量を調整する燃料噴射調整機能と、を備え、
前記燃料噴射調整機能は、燃料噴射総量に対して前記各吸気ポートに噴射する燃料の割合を前記吸気状態検出機能により得られた吸気状態に応じて設定することを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項2】
前記吸気状態検出機能は、前記各吸気ポートでの吸気温度を検出するものであることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項3】
前記燃料噴射調整機能は、前記2つの吸気ポートのうち、低温側の吸気ポートでの吸気温度が、所定温度以下なら前記低温側の吸気ポートへの燃料の噴射量を0とすることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項4】
前記燃料噴射調整機能は、前記2つの吸気ポートのうち、低温側の吸気ポートでの吸気温度に応じて、前記燃料噴射総量に対する前記各吸気ポートに噴射する燃料の割合を設定することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項5】
前記燃料噴射調整機能は、前記2つの吸気ポートでの吸気温度の合計に対する各ポートの吸気温度の比率に応じて、前記燃料噴射総量に対する前記各吸気ポートに噴射する燃料の割合を設定することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項6】
前記燃料噴射調整機能は、前記2つの吸気ポートのうち、低温側の吸気ポートでの吸気温度に応じて、前記低温側の吸気ポートに前記燃料の噴射時期を設定することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項7】
前記吸気状態検出機能は、大気温度、前記各吸気ポートでの吸気温度および吸気量を検出し、検出された前記大気温度、前記吸気温度および前記吸気量から前記各吸気ポートの吸気熱量を算出するものであることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項8】
前記燃料噴射調整機能は、前記2つの吸気ポートのうち、低熱量側の吸気ポートでの吸気熱量が、所定熱量以下なら前記低熱量側の吸気ポートへの燃料の噴射量を0とすることを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項9】
前記燃料噴射調整機能は、前記2つの吸気ポートでの吸気熱量の合計に対する各ポートの吸気熱量の比率に応じて、前記燃料噴射総量に対する前記各吸気ポートに噴射する燃料の割合を設定することを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項10】
前記燃料噴射調整機能は、前記2つの吸気ポートのうち、低温側の吸気ポートの吸気熱量に応じて、前記低熱量側の吸気ポートに前記燃料の噴射時期を設定することを特徴とする請求項9に記載の内燃機関の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−108372(P2013−108372A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252217(P2011−252217)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【特許番号】特許第5116872号(P5116872)
【特許公報発行日】平成25年1月9日(2013.1.9)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】