内燃機関の制御装置
【課題】内燃機関を制御するアクチュエータの制御量を入力パラメータとして、内燃機関の制御量の予測値を出力するプラントモデルを備えた内燃機関において、運転条件が変化した場合であってもプラントモデルから出力される予測値に不連続が発生することの無い内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】内燃機関を制御するアクチュエータの制御量(EGRバルブ開度、可変ノズル型ターボ過給機の可変ノズル開度、排気絞り弁開度)を入力パラメータとして、内燃機関の制御量(過給圧、EGR率)の予測値を出力するプラントモデルと、プラントモデルの演算に用いる係数を出力する係数出力モデルと、を備え、係数出力モデルは、プラントモデルから出力される予測値を内燃機関の運転条件の変化に応じて連続的に変化させるための係数を、内燃機関の機関回転数および燃料噴射量を入力パラメータとしてリニアに出力する。
【解決手段】内燃機関を制御するアクチュエータの制御量(EGRバルブ開度、可変ノズル型ターボ過給機の可変ノズル開度、排気絞り弁開度)を入力パラメータとして、内燃機関の制御量(過給圧、EGR率)の予測値を出力するプラントモデルと、プラントモデルの演算に用いる係数を出力する係数出力モデルと、を備え、係数出力モデルは、プラントモデルから出力される予測値を内燃機関の運転条件の変化に応じて連続的に変化させるための係数を、内燃機関の機関回転数および燃料噴射量を入力パラメータとしてリニアに出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、内燃機関の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特開2006−132357号公報に開示されるように、複数の制御入力(例えば、目標スロットル開度、目標バルブリフト)と、複数の制御量(例えば、吸気管内圧、吸入空気量)との間に相互干渉が存在するプラントの制御装置が知られている。この装置では、プラントを離散時間系モデルとしてモデル化したプラントモデルに基づく所定の応答指定型制御アルゴリズムと所定の非干渉制御アルゴリズムとを組み合わせた所定のアルゴリズムにより、制御入力としての目標スロットル開度および目標バルブリフトを、吸気管内圧および吸入空気量を目標吸気管内圧および目標吸入空気量にそれぞれ追従させるための、相互干渉を解消するような2つの非干渉化入力として算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−132357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、内燃機関にモデル予測制御を適用する場合においては、プラントモデルの同定が必要となる。この際、従来の技術では内燃機関の運転条件における時定数等の差異によるプラントモデルの精度悪化を回避するため、内燃機関の運転条件(例えば、機関回転数、噴射量)に応じてプラントモデルの領域を複数に分割することとしている。このように、分割された領域毎にプラントモデルを同定することで、各領域におけるモデル精度が有効に高められる。
【0005】
しかしながら、上記従来の技術のように、プラントモデルの領域を運転条件に応じて分割すると、内燃機関の運転条件が領域を跨ぐ際に出力されるモデル予測値に不連続が発生し、アクチュエータの制御性が悪化してしまう。
【0006】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、内燃機関を制御するアクチュエータの制御量を入力パラメータとして、内燃機関の制御量の予測値を出力するプラントモデルを備えた内燃機関において、運転条件が変化した場合であってもプラントモデルから出力される予測値に不連続が発生することの無い内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の制御装置であって、
内燃機関を制御するアクチュエータの制御量を入力パラメータとして、前記内燃機関の制御量の予測値を出力するプラントモデルと、
前記プラントモデルの演算に用いる係数を出力する係数出力モデルと、を備え、
前記係数出力モデルは、前記プラントモデルから出力される予測値を前記内燃機関の運転条件の変化に応じて連続的に変化させるための前記係数を、前記内燃機関の機関回転数および燃料噴射量を入力パラメータとしてリニアに出力するモデルであることを特徴としている。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、
前記内燃機関は、前記アクチュエータとしてEGRバルブ、可変ノズル型ターボ過給機、および排気絞り弁を備えたディーゼル機関として構成されており、
前記プラントモデルは、前記EGRバルブの開度、前記可変ノズル型ターボ過給機の可変ノズル開度、および前記排気絞り弁の開度を入力パラメータとして、過給圧およびEGR率の少なくとも何れかの予測値を出力するモデルであることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
第1の発明によれば、プラントモデルではアクチュエータの制御量を入力パラメータとして内燃機関の制御量の予測値が出力される。また、係数出力モデルでは、プラントモデルにおける演算に用いる係数が出力される。そしてこの際に、係数出力モデルでは、プラントモデルにおいて算出される制御量の予測値を内燃機関の運転条件に応じて連続的に変化させるための係数が、機関回転数および燃料噴射量を入力パラメータとしてリニアに出力される。このため、本発明によれば、プラントモデルを用いて内燃機関の制御量の予測値を連続的に出力することができるので、該予測値を用いるアクチュエータの制御性が悪化する事態を有効に抑制することができる。
【0010】
第2の発明によれば、プラントモデルは、EGRバルブの開度、可変ノズル型ターボ過給機の可変ノズル開度、および排気絞り弁の開度を入力パラメータとして、過給圧およびEGR率の少なくとも何れかの予測値を出力するモデルとして構成されている。このため、本発明によれば、過給圧および/またはEGR率の予測値が連続的に変化することとなるので、これらの値に応じて制御量が決定されるEGRバルブ開度、可変ノズル開度、および排気絞り弁の開度の制御性を有効に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態としての内燃機関システムの概略構成を説明するための図である。
【図2】従来のモデルベース制御の概要を説明するための図である。
【図3】運転条件に応じて分割された領域の一例を説明するための図である。
【図4】プラントモデルの予測値の不連続性について説明するための図である。
【図5】本発明の実施の形態1のモデル構成を説明するための図である。
【図6】プラントモデルの予測値の連続性について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0013】
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
図1は、本発明の実施の形態としての内燃機関システムの概略構成を説明するための図である。図1に示すとおり、本実施の形態のシステムは、複数気筒(図1では4気筒)を有する4サイクルのディーゼル機関10を備えている。ディーゼル機関10は車両に搭載され、その動力源とされているものとする。
【0014】
以下、本実施形態では、本発明をディーゼル機関(圧縮着火内燃機関)の制御に適用した場合について説明するが、本発明はディーゼル機関に限定されるものではなく、ガソリン機関(火花点火内燃機関)、その他の各種の内燃機関の制御に適用することが可能である。
【0015】
ディーゼル機関10の各気筒には、燃料を筒内に直接噴射するためのインジェクタ12が設置されている。各気筒のインジェクタ12は、共通のコモンレール14に接続されている。図示しない燃料タンク内の燃料は、サプライポンプ16によって所定の燃圧まで加圧されて、コモンレール14内に蓄えられ、コモンレール14から各インジェクタ12に供給される。また、ディーゼル機関10の排気通路18は、排気マニホールド20により枝分かれして、各気筒の排気ポート(図示せず)に接続されている。
【0016】
ディーゼル機関10は、可変ノズル型のターボ過給機24を備えている。ターボ過給機24は、排気ガスの排気エネルギによって作動するタービン24aと、タービン24aと一体的に連結され、タービン24aに入力される排気ガスの排気エネルギによって回転駆動されるコンプレッサ24bとを有している。更に、ターボ過給機24は、タービン24aに供給される排気ガスの流量を調整するための可変ノズル(VN)24cを有している。
【0017】
可変ノズル24cは、図示省略するアクチュエータ(例えば、電動モータ)によって開閉動作可能になっている。可変ノズル24cの開度(以下、「VN開度」と称する)を小さくすると、タービン24aの入口面積が小さくなり、タービン24aに吹き付けられる排気ガスの流速を速くすることができる。その結果、コンプレッサ24bおよびタービン24aの回転数(以下、「ターボ回転数」と称する)が上昇するので、過給圧を上昇させることができる。逆に、VN開度を大きくすると、タービン24aの入口面積が大きくなり、タービン24aに吹き付けられる排気ガスの流速が遅くなる。その結果、ターボ回転数が降下するので、過給圧を低下させることができる。
【0018】
ターボ過給機24のタービン24aは、排気通路18の途中に配置されている。タービン24aよりも下流側の排気通路18には、排気ガスを浄化するための後処理装置26が設けられている。後処理装置26としては、例えば、酸化触媒、NOx触媒、DPF(Diesel Particulate Filter)、DPNR(Diesel Particulate-NOx-Reduction system)等を用いることができる。
【0019】
ディーゼル機関10の吸気通路28の入口付近には、エアクリーナ30が設けられている。エアクリーナ30を通って吸入された空気は、ターボ過給機24のコンプレッサ24
bで圧縮された後、インタークーラ32で冷却される。インタークーラ32を通過した吸入空気は、吸気マニホールド34により各気筒の吸気ポート(図示せず)に分配される。
【0020】
吸気通路28におけるインタークーラ32と吸気マニホールド34との間には、吸気絞り弁36が設置されている。吸気絞り弁36は、図示省略するアクチュエータによって電気的に開閉自在に構成されている。また、吸気通路28におけるエアクリーナ30の下流近傍には、吸入空気量を検出するためのエアフローメータ52が設置されている。
【0021】
吸気通路28における吸気マニホールド34近傍には、EGR(Exhaust Gas Recirculation)通路40の一端が接続されている。EGR通路40の他端は、排気通路18における排気マニホールド20近傍に接続されている。本システムでは、このEGR通路40を通して、排気ガス(既燃ガス)の一部を吸気通路28へ還流させること、つまり外部EGRを行うことができる。
【0022】
EGR通路40の途中には、EGRガスを冷却するためのEGRクーラ42が設けられている。EGR通路40におけるEGRクーラ42下流には、EGRバルブ44が設けられている。このEGRバルブ44の開度(以下、「EGRバルブ開度」と称する)を変化させることにより、EGR通路40を通る排気ガス量、すなわちEGR量を調整することができる。
【0023】
本実施の形態のシステムは、図1に示すとおり、ECU(Electronic Control Unit)50を備えている。ECU50の入力部には、上述したエアフローメータ52の他、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を検出するためのアクセルポジションセンサ60、ディーゼル機関10のクランク角度を検出するためのクランク角センサ62等、ディーゼル機関10を制御するための各種センサが接続されている。また、ECU50の出力部には、上述したインジェクタ12、吸気絞り弁36、EGRバルブ44、ターボ過給機24の他、ディーゼル機関10を制御するための各種アクチュエータが接続されている。ECU50は、入力された各種の情報に基づいて、所定のプログラムに従って各機器を駆動する。
【0024】
[実施の形態の1動作]
次に、本実施の形態1の動作について説明する。上述したとおり、本実施の形態にかかる内燃機関10は、その動作を制御するためのアクチュエータとして、インジェクタ12、吸気絞り弁36、EGRバルブ44、ターボ過給機24の他、内燃機関10を制御するための各種アクチュエータを備えている。本実施の形態の制御装置は、いわゆるモデルベース制御によって内燃機関を制御するものであり、プラントモデルによる予測を多用して制御状態を推定し、上述した種々のアクチュエータの制御量を決定する。
【0025】
先ず、図1に示す本実施の形態1のシステムに従来のモデルベース制御を適用した場合の一例について説明する。図2は、従来のモデルベース制御の概要を説明するための図である。この図に示すとおり、プラントモデル501には、各種アクチュエータの制御量として、EGRバルブ44の開度(EGRバルブ開度)、可変ノズル24cの開度(VN開度)および吸気絞り弁36の開度(以下、「スロットル開度」と称する)が入力され、過給圧、EGR率等の予測値が出力される。
【0026】
ここで、図2に示すモデルベース制御を内燃機関へ適用するためには、プラントモデルの同定が必要となる。そこで、従来の技術では、運転条件における時定数等の差異による精度悪化を回避すべく、運転条件に応じて領域を複数に分割し、それぞれの領域毎にモデルの同定を行うこととしている。図3は、運転条件に応じて分割された領域の一例を説明するための図である。この図に示す例では、機関回転数および燃料噴射量に応じて、その領域が6つに分割されている。一例として、領域1および2において同定されたプラントモデルの多項式を以下に示す。
【0027】
【数1】
【0028】
尚、上式(1)は領域1のプラントモデルを、上式(2)は領域2のプラントモデルを、それぞれ示している。また、θ1〜8は領域1におけるモデル係数(固定値)を、θ9〜16は領域2におけるモデル係数(固定値)を、uはEGRバルブ開度、VN開度等のモデル入力パラメータを、yはEGR率、過給圧等のモデル出力(予測値)を、それぞれ示している。
【0029】
上式(1)、(2)に示すとおり、分割された領域毎にモデルを同定すると、モデルの多項式は領域毎に異なるものとなる。このため、運転条件が複数の領域間を跨ぐ場合においては、プラントモデルから出力される予測値に不連続が発生してしまい、当該予測値を用いるアクチュエータの制御性が悪化してしまうことが想定される。このことを、図4を参照して詳細に説明する。
【0030】
図4は、プラントモデルの予測値の不連続性について説明するための図である。尚、この図中の(a)、(b)、(c)および(d)は、車速、プラントモデルの領域、モデル出力値(過給圧予測値)および制御量としてのVN開度の時間変化をそれぞれ示している。図4中の(a)に示すように車速が上昇した場合、機関回転数および燃料噴射量が変化するため、プラントモデルの領域が時間とともに領域1から2、3へと移行する(図4中の(b)参照)。この場合、プラントモデルの出力値である過給圧予測値は、図4中の(c)に示すとおり、領域が他の領域へ移行するタイミングで不連続になってしまう。VN開度の制御量はプラントモデルから出力された過給圧予測値に基づいて設定される。このため、過給圧予測値が不連続になると、図4中の(d)に示すとおり、VN開度に急峻な変化が生じてしまい、制御性が悪化するという問題がある。
【0031】
そこで、本実施の形態1のシステムでは、図5に示すプラントモデルを用いることとする。図5は、本発明の実施の形態1のモデル構成を説明するための図である。この図に示すとおり、本発明の実施の形態1のモデル構成では、領域毎にプラントモデルを同定するのではなく、全運転条件共通のプラントモデル502を構成することとする。そして、運転条件を入力としてプラントモデル502の各項の係数θ1〜n(nはプラントモデル502の項数)を出力する係数出力モデル504を構成することとする。具体的には、プラントモデル502は、例えば次式(3)に示すような多項式で表すことができる。
【0032】
【数2】
【0033】
尚、上式(3)において、θはプラントモデル502の各項のモデル係数を、uはEGRバルブ開度、スロットル開度、VN開度等のモデル入力パラメータを、yはEGR率、過給圧等のモデル出力を、それぞれ示している。上式(3)に使用されるモデル係数θは、係数出力モデル504により出力される。具体的には、係数出力モデル504には、クランク角センサ62により検出される機関回転数およびインジェクタ12から噴射される燃料噴射量が入力される。係数出力モデル504は、入力された運転条件を用いて例えば多項式演算等を行うことにより、上式(3)においてモデル出力yが連続的に変化するためのモデル係数θ1〜n(nはプラントモデルの項数)を出力する。
【0034】
図6は、プラントモデルの予測値の連続性について説明するための図である。尚、この図中の(a)、(b)および(c)は、車速、モデル出力値(過給圧予測値)および制御量としてのVN開度の時間変化をそれぞれ示している。図6中の(a)に示すように車速が上昇した場合、機関回転数および燃料噴射量は、車速の上昇に応じて変化する。この場合、係数出力モデル504ではモデル出力が連続的に変化するためのモデル係数θが出力されて、プラントモデル502へ入力される。このため、図6中の(b)に示すように、プラントモデルの出力値である過給圧の予測値は、運転条件の変化に応じて連続的に変化する。上述したとおり、VN開度の制御量はプラントモデルから出力された過給圧予測値に基づいて設定される。このため、VN開度は、図6中の(c)に示すとおり、急峻な変化が生じることなく連続的に変化する。
【0035】
以上説明したとおり、本実施の形態のシステムによれば、全運転条件共通のプラントモデル502が構成されるとともに、連続的なモデル出力(予測値)を得るためのモデル係数θが係数出力モデル504からリニアに出力される。これにより、プラントモデル502を用いてディーゼル機関10の制御量の予測値を連続的に出力することができるので、該予測値を用いるアクチュエータの制御性が悪化する事態を有効に抑制することができる。
【0036】
ところで、上述した実施の形態1においては、プラントモデル502への入力パラメータとして、EGRバルブ開度、スロットル開度、VN開度を用いることとしているが、使用可能な値はこれらに限られず、他の入力パラメータを用いることとしてもよい。また、プラントモデル502のモデル構造に関しても、上式(3)に示す多項式に限られず、他の多項式やRBF関数等で構築することとしてもよい。
【0037】
尚、上述した実施の形態1においては、ECU50が前記第1の発明における「制御部」に相当しているとともに、ECU50が、上記ステップ100および102の処理を実行することにより、前記第1および第2の発明における「取得手段」が、上記ステップ104〜108処理を実行することにより、前記第1の発明における「選択手段」が、それぞれ実現されている。
【符号の説明】
【0038】
10 ディーゼル機関(エンジン)
12 インジェクタ
18 排気通路
24 可変ノズル型ターボ過給機
24c 可変ノズル
28 吸気通路
36 吸気絞り弁
40 EGR通路
44 EGRバルブ
50 ECU(Electronic Control Unit)
502 プラントモデル
504 係数出力モデル
62 クランク角センサ
【技術分野】
【0001】
この発明は、内燃機関の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特開2006−132357号公報に開示されるように、複数の制御入力(例えば、目標スロットル開度、目標バルブリフト)と、複数の制御量(例えば、吸気管内圧、吸入空気量)との間に相互干渉が存在するプラントの制御装置が知られている。この装置では、プラントを離散時間系モデルとしてモデル化したプラントモデルに基づく所定の応答指定型制御アルゴリズムと所定の非干渉制御アルゴリズムとを組み合わせた所定のアルゴリズムにより、制御入力としての目標スロットル開度および目標バルブリフトを、吸気管内圧および吸入空気量を目標吸気管内圧および目標吸入空気量にそれぞれ追従させるための、相互干渉を解消するような2つの非干渉化入力として算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−132357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、内燃機関にモデル予測制御を適用する場合においては、プラントモデルの同定が必要となる。この際、従来の技術では内燃機関の運転条件における時定数等の差異によるプラントモデルの精度悪化を回避するため、内燃機関の運転条件(例えば、機関回転数、噴射量)に応じてプラントモデルの領域を複数に分割することとしている。このように、分割された領域毎にプラントモデルを同定することで、各領域におけるモデル精度が有効に高められる。
【0005】
しかしながら、上記従来の技術のように、プラントモデルの領域を運転条件に応じて分割すると、内燃機関の運転条件が領域を跨ぐ際に出力されるモデル予測値に不連続が発生し、アクチュエータの制御性が悪化してしまう。
【0006】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、内燃機関を制御するアクチュエータの制御量を入力パラメータとして、内燃機関の制御量の予測値を出力するプラントモデルを備えた内燃機関において、運転条件が変化した場合であってもプラントモデルから出力される予測値に不連続が発生することの無い内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の制御装置であって、
内燃機関を制御するアクチュエータの制御量を入力パラメータとして、前記内燃機関の制御量の予測値を出力するプラントモデルと、
前記プラントモデルの演算に用いる係数を出力する係数出力モデルと、を備え、
前記係数出力モデルは、前記プラントモデルから出力される予測値を前記内燃機関の運転条件の変化に応じて連続的に変化させるための前記係数を、前記内燃機関の機関回転数および燃料噴射量を入力パラメータとしてリニアに出力するモデルであることを特徴としている。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、
前記内燃機関は、前記アクチュエータとしてEGRバルブ、可変ノズル型ターボ過給機、および排気絞り弁を備えたディーゼル機関として構成されており、
前記プラントモデルは、前記EGRバルブの開度、前記可変ノズル型ターボ過給機の可変ノズル開度、および前記排気絞り弁の開度を入力パラメータとして、過給圧およびEGR率の少なくとも何れかの予測値を出力するモデルであることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
第1の発明によれば、プラントモデルではアクチュエータの制御量を入力パラメータとして内燃機関の制御量の予測値が出力される。また、係数出力モデルでは、プラントモデルにおける演算に用いる係数が出力される。そしてこの際に、係数出力モデルでは、プラントモデルにおいて算出される制御量の予測値を内燃機関の運転条件に応じて連続的に変化させるための係数が、機関回転数および燃料噴射量を入力パラメータとしてリニアに出力される。このため、本発明によれば、プラントモデルを用いて内燃機関の制御量の予測値を連続的に出力することができるので、該予測値を用いるアクチュエータの制御性が悪化する事態を有効に抑制することができる。
【0010】
第2の発明によれば、プラントモデルは、EGRバルブの開度、可変ノズル型ターボ過給機の可変ノズル開度、および排気絞り弁の開度を入力パラメータとして、過給圧およびEGR率の少なくとも何れかの予測値を出力するモデルとして構成されている。このため、本発明によれば、過給圧および/またはEGR率の予測値が連続的に変化することとなるので、これらの値に応じて制御量が決定されるEGRバルブ開度、可変ノズル開度、および排気絞り弁の開度の制御性を有効に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態としての内燃機関システムの概略構成を説明するための図である。
【図2】従来のモデルベース制御の概要を説明するための図である。
【図3】運転条件に応じて分割された領域の一例を説明するための図である。
【図4】プラントモデルの予測値の不連続性について説明するための図である。
【図5】本発明の実施の形態1のモデル構成を説明するための図である。
【図6】プラントモデルの予測値の連続性について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0013】
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
図1は、本発明の実施の形態としての内燃機関システムの概略構成を説明するための図である。図1に示すとおり、本実施の形態のシステムは、複数気筒(図1では4気筒)を有する4サイクルのディーゼル機関10を備えている。ディーゼル機関10は車両に搭載され、その動力源とされているものとする。
【0014】
以下、本実施形態では、本発明をディーゼル機関(圧縮着火内燃機関)の制御に適用した場合について説明するが、本発明はディーゼル機関に限定されるものではなく、ガソリン機関(火花点火内燃機関)、その他の各種の内燃機関の制御に適用することが可能である。
【0015】
ディーゼル機関10の各気筒には、燃料を筒内に直接噴射するためのインジェクタ12が設置されている。各気筒のインジェクタ12は、共通のコモンレール14に接続されている。図示しない燃料タンク内の燃料は、サプライポンプ16によって所定の燃圧まで加圧されて、コモンレール14内に蓄えられ、コモンレール14から各インジェクタ12に供給される。また、ディーゼル機関10の排気通路18は、排気マニホールド20により枝分かれして、各気筒の排気ポート(図示せず)に接続されている。
【0016】
ディーゼル機関10は、可変ノズル型のターボ過給機24を備えている。ターボ過給機24は、排気ガスの排気エネルギによって作動するタービン24aと、タービン24aと一体的に連結され、タービン24aに入力される排気ガスの排気エネルギによって回転駆動されるコンプレッサ24bとを有している。更に、ターボ過給機24は、タービン24aに供給される排気ガスの流量を調整するための可変ノズル(VN)24cを有している。
【0017】
可変ノズル24cは、図示省略するアクチュエータ(例えば、電動モータ)によって開閉動作可能になっている。可変ノズル24cの開度(以下、「VN開度」と称する)を小さくすると、タービン24aの入口面積が小さくなり、タービン24aに吹き付けられる排気ガスの流速を速くすることができる。その結果、コンプレッサ24bおよびタービン24aの回転数(以下、「ターボ回転数」と称する)が上昇するので、過給圧を上昇させることができる。逆に、VN開度を大きくすると、タービン24aの入口面積が大きくなり、タービン24aに吹き付けられる排気ガスの流速が遅くなる。その結果、ターボ回転数が降下するので、過給圧を低下させることができる。
【0018】
ターボ過給機24のタービン24aは、排気通路18の途中に配置されている。タービン24aよりも下流側の排気通路18には、排気ガスを浄化するための後処理装置26が設けられている。後処理装置26としては、例えば、酸化触媒、NOx触媒、DPF(Diesel Particulate Filter)、DPNR(Diesel Particulate-NOx-Reduction system)等を用いることができる。
【0019】
ディーゼル機関10の吸気通路28の入口付近には、エアクリーナ30が設けられている。エアクリーナ30を通って吸入された空気は、ターボ過給機24のコンプレッサ24
bで圧縮された後、インタークーラ32で冷却される。インタークーラ32を通過した吸入空気は、吸気マニホールド34により各気筒の吸気ポート(図示せず)に分配される。
【0020】
吸気通路28におけるインタークーラ32と吸気マニホールド34との間には、吸気絞り弁36が設置されている。吸気絞り弁36は、図示省略するアクチュエータによって電気的に開閉自在に構成されている。また、吸気通路28におけるエアクリーナ30の下流近傍には、吸入空気量を検出するためのエアフローメータ52が設置されている。
【0021】
吸気通路28における吸気マニホールド34近傍には、EGR(Exhaust Gas Recirculation)通路40の一端が接続されている。EGR通路40の他端は、排気通路18における排気マニホールド20近傍に接続されている。本システムでは、このEGR通路40を通して、排気ガス(既燃ガス)の一部を吸気通路28へ還流させること、つまり外部EGRを行うことができる。
【0022】
EGR通路40の途中には、EGRガスを冷却するためのEGRクーラ42が設けられている。EGR通路40におけるEGRクーラ42下流には、EGRバルブ44が設けられている。このEGRバルブ44の開度(以下、「EGRバルブ開度」と称する)を変化させることにより、EGR通路40を通る排気ガス量、すなわちEGR量を調整することができる。
【0023】
本実施の形態のシステムは、図1に示すとおり、ECU(Electronic Control Unit)50を備えている。ECU50の入力部には、上述したエアフローメータ52の他、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を検出するためのアクセルポジションセンサ60、ディーゼル機関10のクランク角度を検出するためのクランク角センサ62等、ディーゼル機関10を制御するための各種センサが接続されている。また、ECU50の出力部には、上述したインジェクタ12、吸気絞り弁36、EGRバルブ44、ターボ過給機24の他、ディーゼル機関10を制御するための各種アクチュエータが接続されている。ECU50は、入力された各種の情報に基づいて、所定のプログラムに従って各機器を駆動する。
【0024】
[実施の形態の1動作]
次に、本実施の形態1の動作について説明する。上述したとおり、本実施の形態にかかる内燃機関10は、その動作を制御するためのアクチュエータとして、インジェクタ12、吸気絞り弁36、EGRバルブ44、ターボ過給機24の他、内燃機関10を制御するための各種アクチュエータを備えている。本実施の形態の制御装置は、いわゆるモデルベース制御によって内燃機関を制御するものであり、プラントモデルによる予測を多用して制御状態を推定し、上述した種々のアクチュエータの制御量を決定する。
【0025】
先ず、図1に示す本実施の形態1のシステムに従来のモデルベース制御を適用した場合の一例について説明する。図2は、従来のモデルベース制御の概要を説明するための図である。この図に示すとおり、プラントモデル501には、各種アクチュエータの制御量として、EGRバルブ44の開度(EGRバルブ開度)、可変ノズル24cの開度(VN開度)および吸気絞り弁36の開度(以下、「スロットル開度」と称する)が入力され、過給圧、EGR率等の予測値が出力される。
【0026】
ここで、図2に示すモデルベース制御を内燃機関へ適用するためには、プラントモデルの同定が必要となる。そこで、従来の技術では、運転条件における時定数等の差異による精度悪化を回避すべく、運転条件に応じて領域を複数に分割し、それぞれの領域毎にモデルの同定を行うこととしている。図3は、運転条件に応じて分割された領域の一例を説明するための図である。この図に示す例では、機関回転数および燃料噴射量に応じて、その領域が6つに分割されている。一例として、領域1および2において同定されたプラントモデルの多項式を以下に示す。
【0027】
【数1】
【0028】
尚、上式(1)は領域1のプラントモデルを、上式(2)は領域2のプラントモデルを、それぞれ示している。また、θ1〜8は領域1におけるモデル係数(固定値)を、θ9〜16は領域2におけるモデル係数(固定値)を、uはEGRバルブ開度、VN開度等のモデル入力パラメータを、yはEGR率、過給圧等のモデル出力(予測値)を、それぞれ示している。
【0029】
上式(1)、(2)に示すとおり、分割された領域毎にモデルを同定すると、モデルの多項式は領域毎に異なるものとなる。このため、運転条件が複数の領域間を跨ぐ場合においては、プラントモデルから出力される予測値に不連続が発生してしまい、当該予測値を用いるアクチュエータの制御性が悪化してしまうことが想定される。このことを、図4を参照して詳細に説明する。
【0030】
図4は、プラントモデルの予測値の不連続性について説明するための図である。尚、この図中の(a)、(b)、(c)および(d)は、車速、プラントモデルの領域、モデル出力値(過給圧予測値)および制御量としてのVN開度の時間変化をそれぞれ示している。図4中の(a)に示すように車速が上昇した場合、機関回転数および燃料噴射量が変化するため、プラントモデルの領域が時間とともに領域1から2、3へと移行する(図4中の(b)参照)。この場合、プラントモデルの出力値である過給圧予測値は、図4中の(c)に示すとおり、領域が他の領域へ移行するタイミングで不連続になってしまう。VN開度の制御量はプラントモデルから出力された過給圧予測値に基づいて設定される。このため、過給圧予測値が不連続になると、図4中の(d)に示すとおり、VN開度に急峻な変化が生じてしまい、制御性が悪化するという問題がある。
【0031】
そこで、本実施の形態1のシステムでは、図5に示すプラントモデルを用いることとする。図5は、本発明の実施の形態1のモデル構成を説明するための図である。この図に示すとおり、本発明の実施の形態1のモデル構成では、領域毎にプラントモデルを同定するのではなく、全運転条件共通のプラントモデル502を構成することとする。そして、運転条件を入力としてプラントモデル502の各項の係数θ1〜n(nはプラントモデル502の項数)を出力する係数出力モデル504を構成することとする。具体的には、プラントモデル502は、例えば次式(3)に示すような多項式で表すことができる。
【0032】
【数2】
【0033】
尚、上式(3)において、θはプラントモデル502の各項のモデル係数を、uはEGRバルブ開度、スロットル開度、VN開度等のモデル入力パラメータを、yはEGR率、過給圧等のモデル出力を、それぞれ示している。上式(3)に使用されるモデル係数θは、係数出力モデル504により出力される。具体的には、係数出力モデル504には、クランク角センサ62により検出される機関回転数およびインジェクタ12から噴射される燃料噴射量が入力される。係数出力モデル504は、入力された運転条件を用いて例えば多項式演算等を行うことにより、上式(3)においてモデル出力yが連続的に変化するためのモデル係数θ1〜n(nはプラントモデルの項数)を出力する。
【0034】
図6は、プラントモデルの予測値の連続性について説明するための図である。尚、この図中の(a)、(b)および(c)は、車速、モデル出力値(過給圧予測値)および制御量としてのVN開度の時間変化をそれぞれ示している。図6中の(a)に示すように車速が上昇した場合、機関回転数および燃料噴射量は、車速の上昇に応じて変化する。この場合、係数出力モデル504ではモデル出力が連続的に変化するためのモデル係数θが出力されて、プラントモデル502へ入力される。このため、図6中の(b)に示すように、プラントモデルの出力値である過給圧の予測値は、運転条件の変化に応じて連続的に変化する。上述したとおり、VN開度の制御量はプラントモデルから出力された過給圧予測値に基づいて設定される。このため、VN開度は、図6中の(c)に示すとおり、急峻な変化が生じることなく連続的に変化する。
【0035】
以上説明したとおり、本実施の形態のシステムによれば、全運転条件共通のプラントモデル502が構成されるとともに、連続的なモデル出力(予測値)を得るためのモデル係数θが係数出力モデル504からリニアに出力される。これにより、プラントモデル502を用いてディーゼル機関10の制御量の予測値を連続的に出力することができるので、該予測値を用いるアクチュエータの制御性が悪化する事態を有効に抑制することができる。
【0036】
ところで、上述した実施の形態1においては、プラントモデル502への入力パラメータとして、EGRバルブ開度、スロットル開度、VN開度を用いることとしているが、使用可能な値はこれらに限られず、他の入力パラメータを用いることとしてもよい。また、プラントモデル502のモデル構造に関しても、上式(3)に示す多項式に限られず、他の多項式やRBF関数等で構築することとしてもよい。
【0037】
尚、上述した実施の形態1においては、ECU50が前記第1の発明における「制御部」に相当しているとともに、ECU50が、上記ステップ100および102の処理を実行することにより、前記第1および第2の発明における「取得手段」が、上記ステップ104〜108処理を実行することにより、前記第1の発明における「選択手段」が、それぞれ実現されている。
【符号の説明】
【0038】
10 ディーゼル機関(エンジン)
12 インジェクタ
18 排気通路
24 可変ノズル型ターボ過給機
24c 可変ノズル
28 吸気通路
36 吸気絞り弁
40 EGR通路
44 EGRバルブ
50 ECU(Electronic Control Unit)
502 プラントモデル
504 係数出力モデル
62 クランク角センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関を制御するアクチュエータの制御量を入力パラメータとして、前記内燃機関の制御量の予測値を出力するプラントモデルと、
前記プラントモデルの演算に用いる係数を出力する係数出力モデルと、を備え、
前記係数出力モデルは、前記プラントモデルから出力される予測値を前記内燃機関の運転条件の変化に応じて連続的に変化させるための前記係数を、前記内燃機関の機関回転数および燃料噴射量を入力パラメータとしてリニアに出力するモデルであることを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項2】
前記内燃機関は、前記アクチュエータとしてEGRバルブ、可変ノズル型ターボ過給機、および排気絞り弁を備えたディーゼル機関として構成されており、
前記プラントモデルは、前記EGRバルブの開度、前記可変ノズル型ターボ過給機の可変ノズル開度、および前記排気絞り弁の開度を入力パラメータとして、過給圧およびEGR率の少なくとも何れかの予測値を出力するモデルであることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
【請求項1】
内燃機関を制御するアクチュエータの制御量を入力パラメータとして、前記内燃機関の制御量の予測値を出力するプラントモデルと、
前記プラントモデルの演算に用いる係数を出力する係数出力モデルと、を備え、
前記係数出力モデルは、前記プラントモデルから出力される予測値を前記内燃機関の運転条件の変化に応じて連続的に変化させるための前記係数を、前記内燃機関の機関回転数および燃料噴射量を入力パラメータとしてリニアに出力するモデルであることを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項2】
前記内燃機関は、前記アクチュエータとしてEGRバルブ、可変ノズル型ターボ過給機、および排気絞り弁を備えたディーゼル機関として構成されており、
前記プラントモデルは、前記EGRバルブの開度、前記可変ノズル型ターボ過給機の可変ノズル開度、および前記排気絞り弁の開度を入力パラメータとして、過給圧およびEGR率の少なくとも何れかの予測値を出力するモデルであることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2013−50045(P2013−50045A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187233(P2011−187233)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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