説明

内燃機関の機関ブロック

【課題】機関回りの構造をさらに簡素化することのできる内燃機関の機関ブロックを提供する。
【解決手段】機関ブロック10のブロック本体の外面に、突き合わせ面28を設け、突き合わせ面28の内側に第1の凹部27を設ける。第1の凹部27内に排気孔15の外側の端部を開口させる。突き合わせ面28に蓋部材36を取り付け、第1の凹部27と蓋部材36の間に排気チャンバ35を形成する。排気チャンバ35内には触媒ユニット31を収容する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両の駆動源等として用いられる内燃機関の機関ブロックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の駆動源として用いられる内燃機関は、シリンダブロックやシリンダヘッド、クランクケース等の複数の鋳造ブロックが組み付けられて機関ブロックが構成されている。
【0003】
近年、多くの車両部品では、製品コストの削減や軽量化等の観点から部品点数の削減が望まれており、内燃機関の機関ブロックについても、複数ブロックを鋳造によって一体に形成して部品点数を削減したものが案出されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の内燃機関の機関ブロックは、シリンダボアを有するシリンダブロックと、燃焼室や吸排気孔を有するシリンダヘッドがクランクケースの一部とともに鋳造によって一体ブロックとして構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−163139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この従来の機関ブロックは、シリンダブロックとシリンダヘッドを一体に形成することによって部品点数の削減が図られているが、現在、機関ブロックにさらに吸気系や排気系の部材の一部の機能を担わせ、機関回りの構造をさらに簡素化することが望まれている。
【0006】
そこでこの発明は、機関回りの構造をさらに簡素化することのできる内燃機関の機関ブロックを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る内燃機関の機関ブロックでは、上記課題を解決するために以下の構成を採用した。
請求項1に係る発明は、シリンダボア(11)を有するシリンダ部(12)と、前記シリンダボア(11)の一端側で燃焼室(13)を形成するとともに、この燃焼室(13)に連通する吸気孔(14)及び排気孔(15)を有するシリンダヘッド部(16)と、を備え、前記シリンダ部(12)とシリンダヘッド部(16)とが一体に形成された内燃機関の機関ブロックであって、当該機関ブロックのブロック本体(10)の外面に取り付け面部(28)が設けられ、その取り付け面部(28)の内側領域に前記排気孔(15)の外側の端部が開口して配置され、前記取り付け面部(28)に、当該取り付け面部(28)の内側領域との間で排気チャンバ(35)を形成する蓋部材(36)が取り付けられていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る内燃機関の機関ブロックにおいて、前記取り付け面部(28)は、前記ブロック本体(10)の外面のうちの前記シリンダヘッド部(16)とシリンダ部(12)とを跨ぐ領域に設けられていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る内燃機関の機関ブロックにおいて、前記排気チャンバ(35)には、排気ガスを浄化するための触媒を内蔵する触媒ユニット(31)が収容され、前記触媒ユニット(31)は、前記シリンダボア(11)と並行になるように配置されていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項3に係る内燃機関の機関ブロックにおいて、前記触媒ユニット(31)は、触媒を収容する筒状の触媒ケース(32)と、この触媒ケース(32)から側方に延設されたブラケット(34)と、前記触媒ケース(32)の軸方向の一端に結合されたL字パイプ(33)と、を備え、前記ブロック本体(10)の前記取り付け面部(28)には、前記ブラケット(34)が嵌合される嵌合溝(30)が設けられ、前記触媒ユニット(31)は、前記ブラケット(34)を前記嵌合溝(30)に嵌合し、前記L字パイプ(33)の端部を前記排気孔(15)に突き合せた状態で、前記蓋部材(36)とともに前記取り付け面部(28)に共締め固定されていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項1〜4に係る内燃機関の機関ブロックにおいて、前記ブロック本体(10)の前記吸気孔(14)の周囲には、外部側方に膨出する略直方体状の中空ケース部(42)が一体に設けられ、前記中空ケース部(42)は、その一面に開口(53)が形成されるとともに、内部に前記吸気孔(14)の端部が開口し、前記中空ケース部(42)内には、前記吸気孔(14)に接続されるキャブレター(44)またはスロットルボディが収容され、前記中空ケース部(42)の開口(53)にはエアクリーナエレメント(46)が取り付けられ、前記中空ケース部(42)の開口縁には、前記蓋部材(47)が締結固定されていることを特徴とするものである。
【0012】
請求項6に係る発明は、請求項5に係る内燃機関の機関ブロックにおいて、前記中空ケース部(42)は、側面視で前記シリンタ部(12)のシリンダボア(11)よりも上方側に延出して設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によれば、ブロック本体の外面に設けられた取り付け面部に蓋部材が取り付けられ、取り付け面部の内側領域と蓋部材の間に排気チャンバが構成されるため、機関回りの構造をさらに簡素化することができる。
【0014】
請求項2に係る発明によれば、蓋部材を取り付ける取り付け面部がブロック本体のシリンダヘッド部とシリンダ部とを跨いだ広範な領域に亙って形成されていることから、排気チャンバの容積を充分に確保し、消音効果をより高めることができる。
【0015】
請求項3に係る発明によれば、シリンダボアに近接して設けられる排気チャンバ内に触媒ユニットが収容されているため、機関運転時にシリンダボア内で発生する熱によって触媒を活性化させることができる。
【0016】
請求項4に係る発明によれば、触媒ユニットのブラケットをブロック本体側の嵌合溝に嵌合して位置決めし、かつL字パイプの端部を排気孔に突き合せた状態において、触媒ユニットが蓋部材とともに取り付け面部に共締め固定されるため、組み立てを容易に行うことができる。
【0017】
請求項5に係る発明によれば、ブロック本体に一体に形成された中空ケース部の内側にキャブレターまたはスロットルボディが収容され、中空ケース部の開口にエアクリーナエレメントが取り付けられるとともに、その開口縁に蓋部材が締結固定されているため、吸気系のエアクリーナの機能を機関ブロックの一部に担わせ、吸気系の機関回りの部品点数を削減することができる。
【0018】
請求項6に係る発明によれば、中空ケース部が、熱源であるシリンダボアよりも上方側に延出して設けられているため、吸気がシリンダボア内の熱によって昇温されるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の一実施形態の機関ブロックを採用した自動二輪車の部分側面図である。
【図2】この発明の一実施形態の機関ブロックを採用したエンジンの縦断面図である。
【図3】この発明の一実施形態の機関ブロックを採用したエンジンの分解斜視図である。
【図4】この発明の一実施形態の機関ブロックの構成部品の正面図である。
【図5】この発明の一実施形態の機関ブロックを採用したエンジンの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図面において、矢印FRは、車両の前方を指し、矢印UPは車両の上方を指すものとする。
図1は、内燃機関であるエンジン1を搭載した自動二輪車100の部分側面図である。
エンジン1は、自動二輪車100の前後方向の略中央に変速機(図示せず)と一体化されたパワーユニット3として搭載されている。パワーユニット3は、ヘッドパイプ4に連なるフレーム部材5,6に懸架される形で燃料タンク7の下方に配置されている。
エンジン1は、後述するシリンダ部とシリンダヘッド部とを含む機関ブロック10が車両前方側上方に傾斜して配置され、機関ブロック10の下方に、エンジン1のクランクシャフト(図示せず)と変速機部品(図示せず)等を覆うユニットケース9が一体に結合されている。なお、図1中、8は、エンジン1の機関ブロック10の前面側に接続され、エンジン1内で燃焼した排気ガスを車両後方側に排出する排気管である。
【0021】
図2は、パワーユニット3のエンジン1部分の縦断面図である。
エンジン1の機関ブロック10(ブロック本体)は、シリンダボア11を有するシリンダ部12と、シリンダボア11の上端側で燃焼室13を形成するとともに、燃焼室13に連通する吸気孔14及び排気孔15(吸排気孔)を有するシリンダヘッド部16とが、アルミニウム合金によって一体に形成されている。
【0022】
シリンダ部12のシリンダボア11には、ピストン25が摺動自在に嵌装され、ピストン25がコンロッド26を介して図示しないクランク軸に連結されている。なお、この例の場合、シリンダボア11内には摺動抵抗の小さいスリーブ50が取り付けられ、ピストン25はスリーブ50内で摺動するようになっている。
【0023】
シリンダヘッド部16の吸気孔14は、一端部が燃焼室13内に開口し、他端部がシリンダヘッド部16の車両後方側の外側面に開口している。シリンダヘッド部16には、吸気孔14の一端側の開口を開閉する吸気バルブ17が進退可能に装備されている。
同様に、シリンダヘッド部16の排気孔15は、一端部が燃焼室13内に開口し、他端部が機関ブロック10の車両前方側の外側面に開口しており、シリンダヘッド部16には、排気孔15の一端側の開口を開閉する排気バルブ18が進退可能に装備されている。
【0024】
シリンダヘッド部16の上面側には凹状の動弁室19が設けられ、その動弁室19内には、クランク軸の回転に連動して吸気バルブ17と排気バルブ18をそれぞれ所定タイミングで開閉作動させる動弁機構20が配置されている。なお、図2中21は、クランク軸と連動して回転するカムシャフトであり、22A,22Bは、カムシャフト21上のカム面21a,21bに押圧されて吸気バルブ17と排気バルブ18をそれぞれ進退作動させるロッカアームである。
また、シリンダヘッド部16の上部には、動弁室19の上方を閉塞するヘッドカバー23がボルト締結等によって固定されている。
【0025】
図3は、エンジン1を、その一部を分解して車両前方側の斜め上方側から見た斜視図である。
図2,図3に示すように、機関ブロック10の車両前方側の外側側面には、断面略円弧状に窪む第1の凹部27が一体に形成されている。第1の凹部27は、機関ブロック10の外側側面にシリンダヘッド部16とシリンダ部12とを跨いで設けられ、略円弧状の断面がシリンダボア11の延出方向に沿って形成されている。そして、第1の凹部27の上端側の底部には、排気孔15の他端部(外側の端部)が開口している。
【0026】
また、第1の凹部27の下端側を除く開口縁には、一定方向(ほぼ車両前方)を向く平坦な突き合わせ面28(取り付け面部)が設けられ、その突き合わせ面28に複数のねじ穴29が形成されている。この複数のねじ穴29のうちの、第1の凹部27の下方領域に位置される二対のねじ穴29の周縁部には、突き合わせ面28に対して一段窪むように嵌合溝30が形成されている。
また、第1の凹部27の下端側には、突き合わせ面28に対して円弧状に窪む切欠き部51が設けられている。
【0027】
第1の凹部27内には、排気ガスを浄化するための触媒を内蔵した触媒ユニット31が機関ブロック10の外側から取り付けられている。
触媒ユニット31は、触媒の本体を収容する円筒状の触媒ケース32の上端部にL字パイプ33が取り付けられ、そのL字パイプ33の屈曲した延出部の端面が、第1の凹部27内において、排気孔15の他端部に突き合わせられるようになっている。また、触媒ケース32には、軸方向と直交して左右両側に延出する二対の板状のブラケット34が延設されている。これらのブラケット34は、機関ブロック10側の嵌合溝30に対応して設けられ、各先端部が対応する嵌合溝30内に嵌合されるようになっている。また、各ブラケット34の先端部には挿通孔52が設けられている。
【0028】
また、第1の凹部27の開口縁の突き合わせ面28には、第1の凹部27内に触媒ユニット31を収容した状態において、第1の凹部27との間で排気チャンバ35を形成する蓋部材36が取り付けられるようになっている。この蓋部材36は、触媒ユニット31とともに機関ブロック10側の突き合わせ面28に共締め固定される。
【0029】
図4は、触媒ユニット31を蓋部材36に位置合わせし、両者を裏面側から見たときの図である。
同図にも示すように、蓋部材36は、触媒ユニット31の外周側の約半分の領域を非接触状態で覆うカバー胴部37と、カバー胴部37の下端側を除く周縁部に連続して設けられた接合フランジ38と、を備えている。接合フランジ38は、機関ブロック10側の突き合わせ面28とほぼ合致する形状に形成され、機関ブロック10側の突き合わせ面28に対して車両前方側から重ね合わされるようになっている。また、接合フランジ38には、突き合わせ面28側のねじ穴29と対応する挿通孔39が設けられている。
【0030】
触媒ユニット31は、触媒ケース32の下端に、図1に示す排気管8を接続するためのジョイント41が取り付けられ、その状態でL字パイプ33の端面が第1の凹部27内の排気孔15に突き合わされるとともに、触媒ケース32の左右両側のブラケット34が突き合わせ面28の嵌合溝30に嵌合される。この状態で蓋部材36が機関ブロック10側の突き合わせ面28に重ねられ、複数のビス40によって突き合わせ面に締め込まれる。このとき、触媒ユニット31のブラケット34は、蓋部材36と突き合わせ面28の間に挟み込まれ、蓋部材36とともにビス40によって共締め固定される。なお、このとき第1の凹部27の下端の切欠き部51と蓋部材36の下端領域にはジョイント41が当接する。
このようにして、蓋部材36が第1の凹部27の開口縁に取り付けられることにより、第1の凹部27と蓋部材36の間には、排気系の排気チャンバ35が構成されている。
【0031】
図5は、エンジン1を、その一部を分解して車両後方側の斜め上方側から見た斜視図である。
図2,図5に示すように、機関ブロック10の車両後方側の外側側面には略方形状の中空ケース部42が膨出するようにして一体に形成されている。中空ケース部42は、機関ブロック10の外側側面にシリンダヘッド部16側に設けられている。この中空ケース部42には、上面側に開口53が形成され、それによって上方側に開口する第2の凹部43が構成されている。この第2の凹部43内の燃焼室13側の側面には、吸気孔14の他端部(外側の端部)が開口している。
中空ケース部42は縦長に形成され、吸気孔14の開口位置から、側面視でシリンダボア11の上方側に向かって延出している。
【0032】
中空ケース部42内には、キャブレター44が収容され、そのキャブレター44が吸気孔14の他端部に接続されている。また、中空ケース部42の開口53の内周縁部には段差状に係止凸部45が形成され、その係止凸部45上にはエアクリーナエレメント46が取り付けられている。そして、中空ケース部42の上面には、係止凸部45との間でエアクリーナエレメント46を挟み込むように、樹脂製の蓋部材47が複数のビス48によって取り付けられている。なお、蓋部材47には、エアクリーナエレメント46を介して中空ケース部42内に外気を取り入れるための吸気口49が設けられている。
なお、ここでは、中空ケース部42内にキャブレター44を配置する場合について説明しているが、キャブレター44に代えてスロットルバルブを配置することも可能である。
このようにして蓋部材47が中空ケース部42に取り付けられることにより、第2の凹部43と蓋部材47の間には、吸気チャンバ55が構成されている。
【0033】
以上のように、この機関ブロック10は、シリンダ部12とシリンダヘッド部16が一体に形成されるとともに、ブロック本体の前面側に、排気チャンバ35の一部を構成するように突き合わせ面と第1の凹部27が形成されているため、排気系の部材の一部をブロック本体と一体化して機関回りの構造を簡素化し、それによって製造コストの低減を図ることができる。
【0034】
そして、この機関ブロック10においては、排気チャンバ35を構成する第1の凹部27が、ブロック本体のシリンダヘッド部16とシリンダ部12とを跨いだ広範な領域に亙って形成されているため、排気チャンバ35の容積を充分に大きく確保して消音効果を高めることができる。
【0035】
また、この機関ブロック10においては、ブロック本体を一部利用して設けられる排気チャンバ35に触媒ユニット31がシリンダボア11と近接するように収容されているため、機関運転時にシリンダボア11内の熱によって触媒を活性化させることができる。
【0036】
さらに、この機関ブロック10では、触媒ユニット31のブラケット34をブロック本体側の嵌合溝30に嵌合して位置決めし、かつL字パイプ33の端部を排気孔15に突き合せた状態において、触媒ユニット31が蓋部材36とともに突き合わせ面28に共締め固定されるため、機関の排気系回りに触媒ユニット31と排気チャンバ35とを容易に組み付けることができる。
【0037】
また、この機関ブロック10においては、ブロック本体に一体に形成される中空ケース部42によって第2の凹部43が形成され、吸気孔14に接続されるキャブレター44が中空ケース部42内に収容されるとともに、中空ケース部42の開口にエアクリーナエレメント46が取り付けられ、その状態で中空ケース部42の開口縁に蓋部材47が締結固定されているため、ブロック本体の一部をエアクリーナとして機能させて部品点数を削減し、しかも、機関の吸気系回りにエアクリーナと吸気チャンバ55とを容易に組み付けることができる。
【0038】
また、この機関ブロック10においては、中空ケース部42が、シリンダボア11から側面視で上方側に延出して設けられているため、燃焼室13に導入される吸気がシリンダボア11内の熱によって昇温されるのを抑制することができる。
【0039】
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、取り付け面部である突き合わせ面28が、機関ブロックの外面に、シリンダヘッド部16とシリンダ部12を跨いで設けられているが、大型の内燃機関の場合には、突き合わせ面28は、シリンダヘッド部16の領域のみに形成することも可能である。
【符号の説明】
【0040】
1…エンジン(内燃機関)
10…機関ブロック
11…シリンダボア
12…シリンダ部
13…燃焼室
14…吸気孔
15…排気孔
16…シリンダヘッド部
28…突き合わせ面(取り付け面部)
30…嵌合溝
31…触媒ユニット
32…触媒ケース
33…L字パイプ
34…ブラケット
35,55…排気チャンバ
36…蓋部材
42…中空ケース部
44…キャブレター
46…エアクリーナエレメント
47…蓋部材
53…開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダボア(11)を有するシリンダ部(12)と、前記シリンダボア(11)の一端側で燃焼室(13)を形成するとともに、この燃焼室(13)に連通する吸気孔(14)及び排気孔(15)を有するシリンダヘッド部(16)と、を備え、前記シリンダ部(12)とシリンダヘッド部(16)とが一体に形成された内燃機関の機関ブロックであって、
当該機関ブロックのブロック本体(10)の外面に取り付け面部(28)が設けられ、その取り付け面部(28)の内側領域に前記排気孔(15)の外側の端部が開口して配置され、前記取り付け面部(28)に、当該取り付け面部(28)の内側領域との間で排気チャンバ(35)を形成する蓋部材(36)が取り付けられていることを特徴とする内燃機関の機関ブロック。
【請求項2】
前記取り付け面部(28)は、前記ブロック本体(10)の外面のうちの前記シリンダヘッド部(16)とシリンダ部(12)とを跨ぐ領域に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の機関ブロック。
【請求項3】
前記排気チャンバ(35)には、排気ガスを浄化するための触媒を内蔵する触媒ユニット(31)が収容され、
前記触媒ユニット(31)は、前記シリンダボア(11)と並行になるように配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の機関ブロック。
【請求項4】
前記触媒ユニット(31)は、触媒を収容する筒状の触媒ケース(32)と、この触媒ケース(32)から側方に延設されたブラケット(34)と、前記触媒ケース(32)の軸方向の一端に結合されたL字パイプ(33)と、を備え、
前記ブロック本体(10)の前記取り付け面部(28)には、前記ブラケット(34)が嵌合される嵌合溝(30)が設けられ、
前記触媒ユニット(31)は、前記ブラケット(34)を前記嵌合溝(30)に嵌合し、前記L字パイプ(33)の端部を前記排気孔(15)に突き合せた状態で、前記蓋部材(36)とともに前記取り付け面部(28)に共締め固定されていることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の機関ブロック。
【請求項5】
前記ブロック本体(10)の前記吸気孔(14)の周囲には、外部側方に膨出する略直方体状の中空ケース部(42)が一体に設けられ、
前記中空ケース部(42)は、その一面に開口(53)が形成されるとともに、内部に前記吸気孔(14)の端部が開口し、
前記中空ケース部(42)内には、前記吸気孔(14)に接続されるキャブレター(44)またはスロットルボディが収容され、
前記中空ケース部(42)の開口(53)にはエアクリーナエレメント(46)が取り付けられ、
前記中空ケース部(42)の開口縁には、前記蓋部材(47)が締結固定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の機関ブロック。
【請求項6】
前記中空ケース部(42)は、側面視で前記シリンタ部(12)のシリンダボア(11)よりも上方側に延出して設けられていることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の機関ブロック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−72410(P2013−72410A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213909(P2011−213909)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】