説明

円筒部材の製造方法

【課題】液体が液垂れすることによる不良品の発生を抑制する。
【解決手段】芯体12への塗布が終了した後、遮断部材62を芯体12の塗布開始端側に向かって遮蔽位置へ移動させる。これにより、吐出部56Cのノズル56Eと芯体12との間が遮蔽された状態とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、液状の耐熱性樹脂組成物を円筒状芯体の外周面に塗布する塗布工程と、該円筒状芯体の外周面に塗布された液状の耐熱性樹脂を加熱することにより樹脂被膜とする硬化工程と、該樹脂被膜を前記円筒状芯体から分離する分離工程と、を含むシームレス管状物の製造方法であって、前記円筒状芯体の端部全周域での表面水接触角(θ1)と円筒状芯体の中央部全周域の表面水接触角(θ2)との比(θ1/θ2)が、0.5〜0.9の範囲であることを特徴とするシームレス管状物の製造方法が開示されている。
【0003】
特許文献2には、芯体10の中心軸を水平にして芯体10を回転させる回転手段と、皮膜形成樹脂溶液14を芯体10へ吐出して付着させると共に、その付着部が相対的に芯体10の一端から他の一端へ水平方向に移動する塗布手段であるディスペンサー16と、を有し、ディスペンサー16は、少なくともノズル18と、モーノポンプ20と、を備える塗布装置1、それを用いた管状物の製造方法及びその製造方法により得られた管状物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−88272号公報
【特許文献2】特開2006−7198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、液体が液垂れすることによる不良品の発生を抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、芯体をその軸方向を水平にして回転させながら、その回転する芯体へ吐出口から液体を吐出し、その芯体の表面に塗布する塗布工程と、前記塗布工程を終えた前記吐出口の鉛直方向下方で前記吐出口を非接触に覆うことで前記芯体に対する液垂れを遮断する液垂れ遮断工程と、前記塗布工程で前記芯体に塗布された液体を乾燥する乾燥工程と、前記乾燥工程で乾燥された液体を芯体から脱型する脱型工程と、を有する円筒部材の製造方法である。
【0007】
請求項2の発明は、前記液垂れ遮断工程は、前記吐出口から流下しようとする液体を吸い上げてから、前記吐出口を覆う請求項1に記載の円筒部材の製造方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の請求項1の方法によれば、液垂れ遮断工程を備えない場合に比べ、液体が液垂れすることによる不良品の発生を抑制できる。
【0009】
本発明の請求項2の方法によれば、液体を吸い上げない場合に比べ、液体が液垂れすることによる不良品の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本実施形態に係る円筒部材製造装置の構成を示す概略図である。
【図2】図2は、本実施形態に係る支持装置の構成を示す概略図である。
【図3】図3は、図2のA−A線断面図である。
【図4】図4は、本実施形態に係る洗浄部の構成を示す斜視図である。
【図5】図5は、本実施形態に係る芯体が把持部材で把持された状態を示す概略図である。
【図6】図6は、本実施形態に係る塗布部の構成を示す斜視図である。
【図7】図7は、本実施形態に係る塗布部の構成を示す側面図である。
【図8】図8は、本実施形態に係る乾燥部の構成を示す概略図である。
【図9】図9は、本実施形態に係る焼成部の構成を示す斜視図である。
【図10】図10は、本実施形態に係る液垂れ遮断部60の構成を示す側面図である。
【図11】図11は、本実施形態に係る液垂れ遮断部60の構成を示す平面図である。
【図12】図12は、本実施形態に係るノズル先端における樹脂溶液の状態を模式的に示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
(本実施形態に係る円筒部材の製造装置10の構成)
まず、本実施形態に係る円筒部材の製造装置10(以下、「円筒部材製造装置10」と称する)の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る円筒部材製造装置10の構成を示す概略図である。
【0012】
本実施形態に係る円筒部材製造装置10は、円筒部材を製造するための装置である。円筒部材製造装置10で作製される円筒部材は、無端の管状体であって、電子写真式複写機、レーザープリンター等における感光体、中間転写ベルト、中間転写体、定着ベルト、搬送ベルト、帯電ロール、転写ロール、及び現像ロール等に好適に使用され、その用途機能等に応じて、材質、形状、大きさ等が適宜設定される。
【0013】
円筒部材製造装置10は、図1に示すように、金型の一例としての芯体12を洗浄する洗浄部30と、芯体12に樹脂溶液54を塗布する塗布手段の一例としての塗布部50と、塗布部50によって塗布された樹脂溶液54を加熱して硬化させる加熱手段の一例としての加熱部70と、を備えている。加熱部70は、塗布部50から樹脂溶液54が塗布されて形成された液状の塗布膜14を乾燥する乾燥部72と、乾燥部72によって乾燥された塗布膜14を焼成する焼成部80と、を備えている。
【0014】
さらに、円筒部材製造装置10は、芯体12を回転可能に支持する支持装置20と、洗浄部30、塗布部50、乾燥部72及び焼成部80において支持装置20を搬送する搬送部16と、を備えている。
【0015】
(芯体12の構成)
芯体12は、円筒状とされた円管で形成されている。なお、芯体12は、円柱状に形成されていても良い。また、後述のように、一対の把持部材46が芯体12の端部内周で芯体12を把持する構成においては、芯体12は、少なくとも軸方向両端部が円管となっていれば良く、軸方向の中央部においては、内部空間が形成されていない構成であっても良い。
【0016】
また、芯体12としては、アルミニウム、ニッケル合金、ステンレス鋼等の金属が用いられる。なお、芯体12の外周面は、芯体12の外周面に形成される塗布膜14の加熱の際に、塗布膜14中に残留している溶剤や水などの複生成物の影響によって塗布膜14に腫れが生じることを抑制する観点から、粗面化されていることが望ましい。
【0017】
具体的には、外周面の算術平均粗さRaが0.2μm以上2.0μm以下の範囲に粗面化されていることが望ましい。芯体12の外周面が上記範囲内に粗面化されていると、芯体12上に形成された塗布膜14の乾燥や焼成時に、塗布膜14から生じる残留溶剤や水の蒸気が芯体12と塗布膜14との間のわずかな隙間を通って外部に放出される。このため、塗布膜14に腫れが生じることが抑制される。
【0018】
この塗布膜14の外周面の粗面化の方法としては、ブラスト、切削、サンドペーパーがけ等の方法がある。特に、塗布膜14の内面を球状の凸形状にするために、芯体12の外周面には、球状の粒子を用いたブラスト処理を施すことが好ましい。球状の粒子を用いたブラスト処理は、直径0.1mm以上1mm以下程度のガラス、アルミナ、ジルコニア等からなる粒子を、圧縮した空気によって芯体に吹き付ける方法である。粒子として不定形のアルミナ粒子(例えば一般的な研磨粒子)を用いた場合には、芯体12の外周面の形状も不定形となり、特に鋭角の突起や窪みが形成されやすく、作製される円筒部材の内周面にも鋭角の突起や窪みが形成されてしまうため好ましくない。
【0019】
芯体12の外周面には、離型層が形成されている。この離型層は、芯体12の外周面全面にわたって均一に離型剤を塗布することで形成される。これによって、芯体12の外周面の全領域が離型性を有する状態となる。この離型剤としては、シリコーン系やフッ素系のオイルを変性して耐熱性を持たせたものが有効である。また、シリコーン樹脂の超微粒子を水に分散させた水系離型剤も用いられる。この離型層の形成は、芯体12の外周面に離型剤を塗布し、溶剤を乾燥させてそのまま、或いは焼き付けて行われる。
【0020】
(支持装置20の構成)
支持装置20は、図2及び図3に示すように、芯体12の外周面に接触して回転しその回転力を芯体12へ付与する複数の回転体22と、駆動部24(図4及び図6参照)からの駆動力を回転体22へ伝達する伝達部材としてのギヤ列26と、回転体22及びギヤ列26を回転可能に支持する支持体28と、を備えて構成されている。
【0021】
支持体28は、一対の側板29と、一対の側板29の間に側板29と一体的に設けられた底板27と、を備えて構成されている。回転体22は、一対の側板29の間で一対の側板29に回転可能に支持され、ギヤ列26は、一対の側板29又は底板27に回転可能に支持されている。
【0022】
回転体22は、芯体12の軸方向両端部のそれぞれに一対配置されている。回転体22に載せられた芯体12が、回転体22によって下方から支持されている。
【0023】
ギヤ列26は、伝達方向最上流側にあるギヤ(スプロケット)26Aが、第1回転手段の一例としての駆動部24の駆動力により循環移動(回転)するチェーン25と噛み合っている。
【0024】
これより、支持装置20では、駆動部24の駆動力は、循環移動(回転)するチェーン25及びギヤ列26によって、回転体22に伝達されて回転体22が回転し、回転体22の回転により芯体12が回転するようになっている。
【0025】
搬送部16は、ベルトコンベアで構成されており、芯体12の軸方向両端部で支持装置20を支持し、ベルト16Aが循環移動することにより、支持装置20が洗浄部30、塗布部50、乾燥部72及び焼成部80をこの順で搬送される。支持装置20では、搬送部16による搬送状態においても、駆動部24の駆動力が、循環移動(回転)するチェーン25及びギヤ列26によって、回転体22に伝達されて回転体22が回転し、回転体22の回転により芯体12が回転するようになっている。
【0026】
(洗浄部30の構成)
洗浄部30は、図4に示すように、芯体12を昇降させる昇降装置40と、昇降装置40によって上昇された芯体12を把持して芯体12を回転させる回転装置42と、回転装置42によって回転する芯体12の外周面を洗浄する洗浄装置32と、を備えて構成されている。
【0027】
昇降装置40は、芯体12の軸方向両端部で支持装置20を下方から支持し、支持装置20を昇降させる一対の昇降部材40Aを備えている。昇降装置40では、例えば、一対の昇降部材40Aが伸縮することで、支持装置20ごと芯体12を昇降させるように構成されている。芯体12は、昇降装置40によって上昇されることで、伝達部材の一例としてのチェーン25とギヤ列26との連結状態が解消されて駆動部24と断絶され、駆動部24からの駆動力が付与されない自由状態となるが、昇降装置40で上昇された状態においても惰性で回転するようになっている。また、上昇された芯体12は、昇降装置40によって下降されることで、チェーン25とギヤ列26とが連結され、駆動部24からの駆動力を付与可能な状態となる。
【0028】
回転装置42は、図5に示すように、昇降装置40によって惰性で回転する芯体12の回転数を検知する検知部44と、昇降装置40によって惰性で回転する芯体12を把持する一対の把持部材46と、一対の把持部材46をそれぞれ回転させる第2回転手段の一例としての回転部48と、検知部44の検知結果に基づき一対の把持部材46の回転数を制御する制御部49と、を備えている。
【0029】
検知部44は、例えば、惰性で回転する芯体12の回転数を検知するロータリエンコーダで構成されている。検知部44としては、ロータリエンコーダに限られるものではない。
【0030】
回転部48は、例えば、一対の把持部材46のそれぞれに対して、サーボモータ・パルスモータ等の駆動モータを備えて構成されている。この駆動モータによって、一対の把持部材46を回転させるようになっている。
【0031】
制御部49は、一対の把持部材46のそれぞれを同一方向へ同一回転数で回転させるように、回転部48を制御するようになっている。さらに、制御部49は、検知部44の検知結果に基づき、芯体12と同一方向へ同一回転数で一対の把持部材46が回転するように、回転部48を制御するようになっている。
【0032】
なお、回転部48は、単一の駆動部からの駆動力が、ギヤ列26によって一対の把持部材46に分配されて、一対の把持部材46が同一方向へ同一速度で回転する構成であってもよい。
【0033】
一対の把持部材46は、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼(SUS)などの金属材料で構成されている。また、一対の把持部材46は、それぞれ、円錐形状に形成された先端部を有している。この先端部は、芯体12の軸方向両端部から芯体12の内部空間に差し込まれ、芯体12の端部内周に接触するように構成されている。これにより、芯体12は、回転部48によって回転する一対の把持部材46によって、芯体12の軸方向両端部から挟まれて把持される。さらに、芯体12は、一対の把持部材46で把持された状態で、回転部48によって回転駆動されるようになっている。なお、芯体12として、例えば、ステンレス鋼(SUS)を用いる場合には、その相手側となる把持部材46についても、芯体12と同じ材料であるステンレス鋼(SUS)を用いることが望ましい。
【0034】
洗浄装置32は、図4に示すように、回転部48によって回転する芯体12の外周面を払拭する払拭部材の一例としてのウエス34と、ウエス34に洗浄液を供給する供給部36と、一対の把持部材46に把持された状態の芯体12の軸方向に沿ってウエス34及び供給部36を移動させる移動機構38と、を備えて構成されている。
【0035】
ウエス34は、ウエス34を巻き出す巻出部材の一例としての巻出ロール39と、巻出ロール39から巻き出されたウエス34を巻き取る巻取部材の一例としての巻取ロール37と、巻取ロール37と巻出ロール39との間で巻出ロール39から巻き出されたウエス34を芯体12へ押し付ける押付部材の一例としての押付ロール35と、に巻き掛けられている。巻出ロール39、巻取ロール37及び押付ロール35は、支持体33に回転可能に支持されている。ウエス34は、芯体12の軸方向長さよりも短くされており、芯体12の軸方向の一部に接触して芯体12の外周面を払拭する構成とされている。
【0036】
供給部36は、ウエス34に洗浄液(例えば、エタノール等の有機溶剤)を吐出してウエス34に洗浄液を供給する構成とされている。これにより、洗浄液が含浸したウエス34によって、芯体12の外周面が払拭される。なお、供給部36としては、芯体12の外周面に洗浄液を直接供給する構成であっても良い。供給部36としては、吐出以外の塗布方法を用いても良い。また、洗浄液は、予めウエス34に含浸させる構成であってもよい。
【0037】
移動機構38は、一対の把持部材46に把持された状態の芯体12の軸方向へ形成されたガイド31に沿って、支持体33及び供給部36を一体に移動させる構成とされている。これにより、洗浄装置32では、ウエス34及び供給部36が移動機構38によって、回転部48によって回転する芯体12の軸方向へ沿って一体に移動しながら、洗浄液が含浸されたウエス34が芯体12の外周面を払拭する構成とされている。
【0038】
(塗布部50の構成)
塗布部50は、図6及び図7に示すように、芯体12を昇降させる昇降装置40と、昇降装置40によって上昇された芯体12を回転させる回転装置42と、回転装置42によって回転する芯体12の外周面に樹脂溶液54を塗布する塗布装置52と、を備えて構成されている。
【0039】
昇降装置40は、洗浄部30の場合と同様に、芯体12の軸方向両端部で支持装置20を下方から支持し、支持装置20を昇降させる一対の昇降部材40Aを備えている。昇降装置40では、例えば、一対の昇降部材40Aが伸縮することで、支持装置20ごと芯体12を昇降させるように構成されている。芯体12は、昇降装置40によって上昇されることで、伝達部材の一例としてのチェーン25とギヤ列26との連結状態が解消されて駆動部24と断絶され、駆動部24からの駆動力が付与されない自由状態となるが、昇降装置40で上昇された状態においても惰性で回転するようになっている。また、上昇された芯体12は、昇降装置40によって下降されることで、チェーン25とギヤ列26とが連結され、駆動部24からの駆動力を付与可能な状態となる。
【0040】
回転装置42は、図5に示すように、昇降装置40によって惰性で回転する芯体12の回転数を検知する検知部44と、昇降装置40によって惰性で回転する芯体12を把持する一対の把持部材46と、一対の把持部材46をそれぞれ回転させる第2回転手段の一例としての回転部48と、検知部44の検知結果に基づき一対の把持部材46の回転数を制御する制御部49と、を備えている。
【0041】
検知部44は、例えば、惰性で回転する芯体12の回転数を検知するロータリエンコーダで構成されている。検知部44としては、ロータリエンコーダに限られるものではない。
【0042】
回転部48は、例えば、一対の把持部材46のそれぞれに対して、サーボモータ・パルスモータ等の駆動モータを備えて構成されている。この駆動モータによって、一対の把持部材46を回転させるようになっている。
【0043】
制御部49は、一対の把持部材46のそれぞれを同一方向へ同一回転数で回転させるように、回転部48を制御するようになっている。さらに、制御部49は、検知部44の検知結果に基づき、芯体12と同一方向へ同一回転数で一対の把持部材46が回転するように、回転部48を制御するようになっている。
【0044】
なお、回転部48は、単一の駆動部からの駆動力が、ギヤ列26によって一対の把持部材46に分配されて、一対の把持部材46が同一方向へ同一速度で回転する構成であってもよい。
【0045】
一対の把持部材46は、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼(SUS)などの金属材料で構成されている。また、一対の把持部材46は、それぞれ、円錐形状に形成された先端部を有している。この先端部は、芯体12の軸方向両端部から芯体12の内部空間に差し込まれ、芯体12の端部内周に接触するように構成されている。これにより、芯体12は、回転部48によって回転する一対の把持部材46によって、芯体12の軸方向両端部から挟まれて把持される。さらに、芯体12は、一対の把持部材46で把持された状態で、回転部48によって回転駆動されるようになっている。なお、芯体12として、例えば、ステンレス鋼(SUS)を用いる場合には、その相手側となる把持部材46についても、芯体12と同じ材料であるステンレス鋼(SUS)を用いることが望ましい。
【0046】
塗布装置52は、図6に示すように、樹脂溶液54を芯体12の外周面に供給する供給部56と、供給部56によって供給された樹脂溶液54を芯体12の外周面上でならす板状のブレード58と、一対の把持部材46に把持された状態の芯体12の軸方向に沿って供給部56及びブレード58を移動させる移動機構59と、を備えて構成されている。
【0047】
供給部56は、樹脂溶液54が貯留された貯留部56Aと、吐出口の一例としてのノズル56Eから樹脂溶液54を吐出する吐出部56Cと、貯留部56Aに貯留された樹脂溶液54を吐出部56Cへ送ると共に吐出部56C内の樹脂溶液54に対して吐出圧力を作用させるポンプ56Bと、を備えている。
【0048】
ポンプ56Bは、回転体を有し、回転体の正回転により液体へ吐出圧力を付与し、回転体の逆回転により液体を吐出部56Cから貯留部56Aへ移送可能に構成されている。具体的には、ポンプ56Bは、筒体内部に収容されたねじの回転により、液体をねじ軸方向へ移送させるねじポンプで構成されている。ポンプ56Bとしては、ねじポンプに限られず、他の構成のポンプであってもよい。
【0049】
供給部56では、貯留部56Aに貯留された樹脂溶液54が、ポンプ56Bによって吐出部56Cへ送られ、吐出部56Cへ送られた樹脂溶液54が吐出部56Cのノズル56Eから芯体12の外周面へ吐出されるようになっている。具体的には、ポンプ56Bによって吐出部56C内の樹脂溶液54が連続的に加圧され、樹脂溶液54が液柱状(液滴状ではない)で連続的に芯体12の外周面へ吐出されるように構成されている。
【0050】
さらに、供給部56は、吐出部56Cのノズル56Eからの液垂れを遮断する液垂れ遮断部60を備えている。液垂れ遮断部60は、移動機構59によって、吐出部56C及びブレード58と一体に移動するように構成されている。液垂れ遮断部60は、図10及び図11に示すように、吐出部56Cのノズル56Eからの液垂れを遮断する遮断位置(図11において実線で示す位置)と、該液垂れを遮断しない非遮断位置(図11において二点鎖線で示す位置)との間を移動可能に吐出部56Cに対して設けられた遮断部材62と、吐出部56Cに設けられ遮断位置と非遮断位置とへ遮断部材62を移動させる移動機構64と、を備えている。
【0051】
移動機構64は、具体的には、シリンダ64A内に収容されたピストン(図示省略)が空気圧により芯体12の軸方向に沿って直線運動するエアシリンダで構成されている。シリンダ64Aが固定部材63によって吐出部56Cに対して固定されている。ピストン(図示省略)に固定されたロッド64Bは、一対の把持部材46(図5参照)に把持された状態の芯体12(図6参照)の軸方向に沿って直線移動する構成となっている。このロッド64Bに対して遮断部材62が固定されている。これにより、遮断部材62が遮断位置と非遮断位置との間を移動可能に吐出部56Cに対して設けられる。
【0052】
遮断部材62は、側面視にてL字状に形成されており、ロッド64Bから下方へ延びる第1腕部62Aと、第1腕部62Aの下端部から水平方向に沿ってノズル56E側へ延びる第2腕部62Bと、を有している。第2腕部62Bの先端部には、吐出部56Cのノズル56Eから液垂れした液体を受けるための凹状の受け部62Cが形成されている。
【0053】
遮断部材62は、遮断位置において、受け部62Cが吐出部56Cのノズル56Eに対して鉛直方向下方で非接触で対向し、非遮断位置において、受け部62Cが吐出部56Cのノズル56Eに対して水平方向へずれるようになっている。なお、遮断部材62は、芯体12の軸方向に沿って芯体12の塗布終了端側に移動して、非遮断位置に位置する構成とされている。
【0054】
なお、移動機構64は、エアシリンダに限られず、他のアクチュエータを用いてもよい。また、移動機構64は、遮断部材62を直線移動させるアクチュエータに限られず、遮断部材62を回転(揺動)させる構成であってもよい。
【0055】
また、遮断部材62は、芯体12の軸方向に沿って芯体12の塗布終了端側に移動する構成であったが、例えば、芯体12の軸方向に沿って芯体12の塗布開始端側に移動する構成や、芯体12の軸方向とは異なる方向に移動する構成であってもよく、ノズル56Eを覆わない退避した位置に移動すればよい。
【0056】
ブレード58は、芯体12の外周面に接触して、樹脂溶液54をならし、樹脂溶液54によって形成される塗布膜14の膜厚を均一化するように構成されている。ブレード58及び吐出部56Cは、支持体57に支持されている。
【0057】
移動機構59は、一対の把持部材46に把持された状態の芯体12の軸方向へ形成されたガイド55に沿って、ボールネジやベルトなどの伝達部材51を介して駆動力を支持体57に伝達して移動させる構成とされている。これにより、塗布装置52では、吐出部56C及びブレード58が移動機構59によって、回転部48によって回転する芯体12の軸方向へ沿って一体に移動しながら、樹脂溶液54による塗布膜14が芯体12の外周面に形成される構成となっている。なお、芯体12への樹脂溶液54の供給は、昇降装置40により支持装置20を下降させることで芯体12から支持装置20(回転体22)が離間している状態でなされる。
【0058】
(乾燥部72の構成)
乾燥部72は、図8に示すように、芯体12が支持された状態の支持装置20が収容可能な収容空間74Aを内部に有する加熱装置74を備えている。加熱装置74では、塗布膜14から液だれしないように、芯体12が回転しながら、支持装置20が収容空間74A内を通過し、樹脂溶液54の水分を蒸発させることで塗布膜14を乾燥するようになっている。これにより、塗布膜14が硬化するようになっている。
【0059】
(焼成部80の構成)
焼成部80は、図9に示すように、支持装置20からおろされた芯体12が垂直に載せられる台座82を備えている。焼成部80では、台座82に載せられた芯体12を加熱し、塗布膜14を焼成するようになっている。これにより、塗布膜14が硬化するようになっている。
【0060】
なお、塗布膜14が焼成された芯体12は、室温に冷やされた後、脱型手段の一例としての空気注入部84によって、焼成された塗布膜14と芯体12の外周面の軸方向端部との隙間に空気が注入されることによって、焼成された塗布膜14が芯体12から脱型される。
【0061】
(円筒部材の製造方法)
次に、本実施形態に係る円筒部材製造装置を用いた円筒部材の製造方法について説明する。
【0062】
本製造方法では、芯体12が、支持装置20に載せられた状態で、駆動部24の駆動力により回転しながら、搬送部16によって洗浄部30を搬送される。
【0063】
次に、洗浄部30において、芯体12が、昇降装置40によって支持装置20ごと上昇される。これにより、芯体12が、駆動部24と断絶され、惰性で回転する(芯体回転工程)。
【0064】
次に、検知部44が、惰性で回転する芯体12の回転数を検知する(検知工程)。この検知結果に基づき、回転部48が制御部49によって制御されて(制御工程)、一対の把持部材46が、芯体12と同一方向及び同一回転数で回転部48によって回転する(把持部材回転工程)。
【0065】
次に、芯体12と同一方向及び同一回転数で回転する一対の把持部材46が芯体12の端部内周を把持する(把持工程)。次に、一対の把持部材46の回転数を徐々に上昇させ、芯体12の回転数を上昇させる。このように、芯体12を把持する芯体把持方法が行われる。
【0066】
そして、洗浄液を含浸したウエス34が移動機構38によって、回転部48によって回転する芯体12の軸方向へ沿って移動しながら、一対の把持部材46で把持されて回転する芯体12の外周面を払拭する(洗浄工程)。
【0067】
次に、支持装置20が、昇降装置40によって下降されて、搬送部16に載せられる。次に、芯体12が、支持装置20に載せられた状態で、駆動部24の駆動力により回転しながら、搬送部16によって塗布部50を搬送される。
【0068】
次に、塗布部50において、洗浄部30と同様に、芯体12が、昇降装置40によって支持装置20ごと上昇される。これにより、芯体12が、駆動部24と断絶され、惰性で回転する(芯体回転工程)。
【0069】
次に、検知部44が、惰性で回転する芯体12の回転数を検知する(検知工程)。この検知結果に基づき、回転部48が制御部49によって制御されて(制御工程)、一対の把持部材46が、芯体12と同一方向及び同一回転数で回転部48によって回転する(把持部材回転工程)。
【0070】
次に、芯体12と同一方向及び同一回転数で回転する一対の把持部材46が芯体12の端部内周を把持する(把持工程)。次に、一対の把持部材46の回転数を徐々に上昇させ、芯体12の回転数を上昇させる。このように、芯体12を把持する芯体把持方法が行われる。
【0071】
そして、液垂れ遮断部60、吐出部56C及びブレード58が移動機構59によって、回転部48によって回転する芯体12の軸方向へ沿って芯体12の塗布開始端(軸方向一端)から塗布終了端(軸方向他端)へ一体に移動しながら、樹脂溶液54が芯体12の外周面に塗布されて、液状の塗布膜14が形成される(塗布工程)。
【0072】
ここで、吐出部56Cから樹脂溶液54が吐出される前に、遮断部材62が芯体12の軸方向に沿って芯体12の塗布終了端側に向かって非遮蔽位置へ移動する。これにより、吐出部56Cのノズル56Eと芯体12との間が開放された状態(遮蔽されていない状態)となる。
【0073】
そして、ポンプ56Bのねじを正回転して、吐出部56Cから樹脂溶液54が吐出される。芯体12の外周面に樹脂溶液54が塗布されることにより、芯体12の外周面に液状の塗布膜14が形成される。
【0074】
液垂れ遮断部60、吐出部56C及びブレード58が芯体12の軸方向に沿って芯体12の塗布終了端側に移動することで芯体12への塗布が終了すると、次に、ポンプ56Bのねじを、例えば数秒間だけ逆回転し、吐出部56Cのノズル56Eからの樹脂溶液54を吸い上げ、ポンプ56Bのねじの回転を停止し、遮断部材62が芯体12の軸方向に沿って芯体12の塗布開始端側に向かって遮蔽位置へ移動する。これにより、吐出部56Cのノズル56Eと芯体12との間が遮蔽された状態となる。
【0075】
そして、液垂れ遮断部60、吐出部56C及びブレード58が移動機構59によって、回転部48によって回転する芯体12の軸方向へ沿って芯体12の塗布終了端から塗布開始端へ一体に移動し(戻り)、次の塗布工程が開始されるまで、液垂れ遮断部60、吐出部56C及びブレード58は、芯体12の塗布開始端側で待機する。
【0076】
なお、樹脂溶液54の吐出終了後になされるポンプ56Bのねじの逆回転において、逆回転速度を上げると共に逆回転時間を長くし過ぎると、吐出部56Cのノズル56Eの内側に空気が入り込み、次回吐出開始時の塗膜に泡が発生し易くなる。また、逆回転速度を下げる共に逆回転時間を短くし過ぎると、吐出部56Cのノズル56Eから樹脂溶液54が垂れ落ちやすくなる。これらの点を考慮して、ポンプ56Bのねじの逆回転における逆回転速度と逆回転時間が設定される。
【0077】
理想的には、ポンプ56Bのねじの逆回転よる樹脂溶液54の吸い上げによって、図12(A)に示すように、樹脂溶液54がノズル56Eの先端Sから若干下側へはみ出した状態、又は、図12(B)に示すように、樹脂溶液54がノズル56Eの先端Sから下側へ凸状に膨らんだ状態で停止するのが望ましい。このように、樹脂溶液54をノズル56Eの先端Sから下側へはみ出した状態とするため、遮断部材62はノズル56Eに対して非接触でノズル56Eを覆うように構成されている。
【0078】
なお、本塗布工程では、芯体12に対して吐出部56Cを移動させることで、芯体12と吐出部56Cとを相対移動させていたが、吐出部56Cに対して芯体12を移動させる構成であっても良い。また、芯体12と吐出部56Cとを相対移動させずに、芯体12の軸方向の全幅に対して、吐出部56Cが樹脂溶液54を塗布する構成であっても良い。
【0079】
次に、支持装置20が、昇降装置40によって下降されて、搬送部16に載せられる。次に、芯体12が、支持装置20に載せられた状態で、駆動部24の駆動力により回転しながら、搬送部16によって、乾燥部72の加熱装置74を搬送される。支持装置20が加熱装置74の収容空間74A内を通過し、塗布膜14が乾燥される(乾燥工程)。
【0080】
次に、焼成部80では、支持装置20からおろされて台座82に載せられた芯体12が加熱され、塗布膜14が焼成される(焼成工程)。
【0081】
以上のように、本実施形態では、乾燥工程及び焼成工程によって、液状の塗布膜14を加熱して硬化させる加熱工程が構成される。
【0082】
次に、塗布膜14が焼成された芯体12が、室温に冷やされた後、空気注入部84によって、焼成された塗布膜14と芯体12の外周面の軸方向端部との隙間に空気が注入されることによって、焼成された塗布膜14が芯体12から脱型され(脱型工程)、円筒部材が製造される。
【0083】
本実施形態の製造方法では、樹脂溶液54が芯体12の外周面に塗布された後に、ノズル56Eから樹脂溶液54が垂れることで生じる、製造される円筒部材への液垂れの付着が抑制される。
【0084】
以下、実施例および比較例を示して、具体的に説明する。但し、特にこれらに限定されるものではない。
【0085】
(実施例1)
芯体12として、内径φ253mm、長さ980mm、厚み6.9mm、重さ14kgのステンレス管を準備し、外周面をRa0.45μmとなるようにブラスト加工した。この芯体12の表面を脱脂した後、信越化学工業(株)製シリコン系離型剤「セパコート」とヘプタンの混合液を塗布し、420℃で2時間焼き付けた。さらに、芯体12が十分冷めた後にもう一度、前記した離型剤とヘプタンの混合液を塗布し、今度は330℃で1時間焼き付けた。これによって、芯体12の外周面に離型層を形成して、外周面が離型性を有する芯体12を調整した。
【0086】
上記調整した芯体12を用いて、上記実施形態に示す円筒部材製造装置10において、上記実施形態に示す製造方法を実施して、円筒部材を製造した。
【0087】
具体的には、芯体12が、支持装置20に載せられた状態で、駆動部24の駆動力により、10rpmで回転しながら、搬送部16によって塗布部50を搬送される。次に、塗布部50において、芯体12が、昇降装置40によって支持装置20ごと上昇される。これにより、芯体12が、駆動部24と断絶され、惰性で回転する(芯体回転工程)。次に、検知部44が、惰性で回転する芯体12の回転数を検知する(検知工程)。このとき検知された回転数は、9rpmであった。この検知結果に基づき、回転部48が制御部49によって制御されて(制御工程)、一対の把持部材46が、芯体12と同一方向及び同一回転数(9rpm)で回転部48によって回転する(把持部材回転工程)。次に、芯体12と同一方向及び同一回転数で回転する一対の把持部材46が、芯体12の端部内周を0.3MPaの圧力で把持する(把持工程)。次に、一対の把持部材46の回転数を徐々に上昇させ、芯体12の回転数を9rpmから2秒かけて99.7rpm上昇させた。
【0088】
なお、塗布部50では、樹脂溶液54として、25°での粘度が30Pa・sのポリアミドイミド溶液(商品名:低粘度HPC−9000F−8L、高粘度HPC−9000F−8H、日立化成製)100重量部にカーボンを24重量部分散させた混合液、を用いた。また、塗布部50における成膜条件は、ポンプ56Bとしてモーノポンプ(名称:ヘイシンロボディスペンサー、型式:3NDPL10XG25、メーカー名:兵神装備株式会社)を用いて、直径(内径)2.4mm長さ10mmのノズル56Eを有する吐出部56Cによって樹脂溶液54を芯体12へ塗布した。ポンプ56Bのねじの正回転における正回転速度は、28rpmに設定した。遮断部材62は、芯体12の軸方向に沿って芯体12の塗布終了端側に向かって40mm移動させることで、非遮蔽位置に位置させた。また、芯体12の回転速度は99.7rpmとし、吐出部56C及びブレード58の移動速度(芯体12の軸方向への移動速度)は229mm/分とした。樹脂溶液54の塗布終了後におけるポンプ56Bのねじの逆転時間は、0.3秒間に設定し、逆回転速度は、12rpmに設定した。この成膜条件で複数回成膜を行った結果、10回に1回、液垂れ遮断部60に樹脂溶液54が落下したが、塗膜面に樹脂溶液54が落下することはなかった。
【0089】
また、乾燥部72では、芯体12を10rpmで回転させながら、支持装置20ごと130℃の加熱装置74に入れて23分間乾燥させた。
【0090】
また、焼成部80においては、台座82に芯体12を垂直に設置した状態で、125℃、185℃、230℃、260℃でそれぞれ27.5分ずつ昇温して加熱することで、ポリイミド樹脂からなる塗布膜14を焼成した。そして、室温に冷やされた後、焼成された塗布膜14を芯体12から脱型し、円筒部材としての無端ベルトを製造した。
【0091】
得られた無端ベルトは、平均膜厚が80μm、表面には、膨れ、凹みなどの欠陥のない良好な品質であり、裏面には所望の粗度のある形状であった。該無端ベルトを転写ベルトとしてカラー電子写真装置で使用したところ、回転を継続しても、転写ベルトの裏面に汚れ、トナーの蓄積も無く、画像欠陥の無い良好な画質の印刷物が得られた。液垂れ不良は0であった。
【0092】
(比較例1)
上記実施例1の、円筒部材製造装置10によって実施された製造方法において、液垂れ遮断部を外した以外は、同じ条件で複数回成膜を行った。結果、10回に1回、塗膜面に樹脂溶液が垂れ落ちた。
【0093】
その結果、得られた円筒部材(無端ベルト)表面には、液垂れ欠陥があり、膜厚ムラとなっていた。その部分の膜厚を測定したら95μmだった。
【0094】
円筒部材(無端ベルト)を転写ベルトとしてカラー電子写真装置で使用したところ、液垂れ部と同箇所において、欠陥のある画質が得られた。このような欠陥がある不良の無端ベルトは全数の約10%発生していた。遮断部材62で垂れ落ちる樹脂溶液54を遮断しないと、液垂れ欠陥が多く発生することがわかった。
【0095】
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。
【符号の説明】
【0096】
10 円筒部材製造装置
12 芯体
56E ノズル
60 液垂れ遮断部
62 遮断部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯体をその軸方向を水平にして回転させながら、その回転する芯体へ吐出口から液体を吐出し、その芯体の表面に塗布する塗布工程と、
前記塗布工程を終えた前記吐出口の鉛直方向下方で前記吐出口を非接触に覆うことで前記芯体に対する液垂れを遮断する液垂れ遮断工程と、
前記塗布工程で前記芯体に塗布された液体を乾燥する乾燥工程と、
前記乾燥工程で乾燥された液体を芯体から脱型する脱型工程と、
を有する円筒部材の製造方法。
【請求項2】
前記液垂れ遮断工程は、前記吐出口から流下しようとする液体を吸い上げてから、前記吐出口を覆う請求項1に記載の円筒部材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−201097(P2012−201097A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−70891(P2011−70891)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【特許番号】特許第4894962号(P4894962)
【特許公報発行日】平成24年3月14日(2012.3.14)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】