説明

再生可能な油からの低揮発性塗料、シーラント及び結合剤

組成物は、(a)(1)少なくとも約50パーセント第一ヒドロキシル基を有する、5から100重量パーセントの少なくとも1つの天然油由来ポリオールと(2)天然油由来ポリオールとは異なる、100パーセントにするために十分な追加のポリオールとを含む結合剤成分(ここで、前記天然油由来ポリオールは、分子1個につき平均で1.5から3個のヒドロキシル基、及び200から5000の当量を有する);及び(b)ヒドロキシル基に対して反応性の架橋剤を含む。さらに、基材の表面に対する塗膜、接着剤、結合剤又はそれらの組み合わせを製造するためのプロセスは、(a)組成物の結合剤成分と架橋剤成分を混合して混合物を形成する段階(ここで、結合剤成分は、(1)少なくとも約50パーセント第一ヒドロキシル基を有する、5から100重量パーセントの少なくとも1つの天然油由来ポリオールと(2)天然油由来ポリオールとは異なる、100パーセントにするために十分な追加のポリオールとを含み、前記天然油由来ポリオールは、分子1個につき平均で1.5から3個のヒドロキシル基、及び200から5000の当量を有する);(b)前記混合物の層を前記表面に塗布する段階を任意の順序で含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱硬化性組成物、特に、再生可能な原料を利用する熱硬化性塗料、シーラント及び結合組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
市販のポリオールの中ではポリエーテル含有及びポリエステル含有材料が優勢である。ポリエーテルポリオールは、通常、プロピレンオキシド、エチレンオキシド又はテトラヒドロフランに基づく。これらは、典型的に、非常に良好な耐加水分解性を示し、これは、多くの接着剤、シーラント及び塗料の重要な要件である。しかし、ポリエーテルポリオールは、非常に限られた種類の基材への接着を促進し、一般には、劣った酸化分解耐性を有する。対照的に、ポリエステルポリオールは、一般に、より多くのタイプの表面への接着を促進し、非常に良好な酸化安定性を示すが、加水分解をより受けやすい。加水分解は、場合により、酸又は塩基によって触媒される。
【0003】
エステル結合を有する脂肪族ポリエステルポリオールは、塗料、接着剤、シーラント及びエラストマーにおいて広範にわたって使用されている。これらの材料は、一般に、カプロラクトン又はアジピン酸骨格に基づく。より広範に使用されている業務用ポリエステルポリオールの1つは、ポリカプロラクトンに基づくものであり、The Dow Chemical Companyから商品名Tone(商標)ポリオールで市販されている。このポリエステルポリオールは、ポリカプロラクトンポリマーを形成するための、開始剤としてヒドロキシル含有化合物、例えばジオールを用いる、カプロラクトンのホモ重合の生成物である。これらのポリエステルポリオール材料は、アジペート系ポリエステルポリオールより加水分解安定性であり、耐黄変性であり、卓越した耐摩擦、薬品及び衝撃性を示し、卓越した酸化分解耐性を提供し、並びに現在入手できる商品のリーダーであると考えられる。しかし、そのような材料は、一般に、25℃で固体であり、これは、使用前に(60℃への)加熱を必要とし、従って、より低い融点、より低い粘度のポリオールと比較すると、多くの場合、配合が難しい。それらは、アクリルポリオールより劣った加水分解安定性も有し、これがアクリル樹脂とのブレンドでのそれらの使用を制限する。
【0004】
脂肪酸に基づく脂肪族ポリエステルポリオールは、下に示すような、アミビン酸とジオール、例えば1,4−ブタンジオールとの縮合によって調製される:
HOC−(CH)−COH + HO−(CH)−OH
→ HO[−(CH)−OOC−(CH)−COO−](CH)−OH
【0005】
ポリエステル、例えば、ポリ(エチレングリコール/アジペート)、ポリ(ジエチレングリコール/アジペート)、ポリ(ブチレン/アジペート)、ポリ(ヘキサンジオール/アジペート)及び類似のポリエステルは、様々な架橋剤で硬化されるインク及びシーラントのような物質を含めて塗料、結合剤及び接着剤の可撓性成分として使用されることが多い。ポリエステルポリオールのための代表的な架橋剤は、メラミン/ホルムアルデヒド樹脂、ポリイソシアネートである。
【0006】
アジピン酸ポリオールに基づく塗料が、特に酸及び塩基触媒の存在下、その分子のエステル結合部位で加水分解されることは周知である。しかし、それらの材料は、ポリカプロラクタムポリエステルポリオールと比較して製造コストが低いという利点を有する。
【0007】
ポリカプロラクタムポリエステル又はアジピン酸ポリエステルのいずれかによって示される望ましい特性のバランスを有する塗料を有することが望ましいであろう。独立して、約25℃で液体である、そのような塗料、シーラント及び結合剤を製造する際に有用なポリオールを有することが望ましいであろう。加えて及び独立して、高固形分塗料及び類似の用途が現在遭遇している困難を克服するために、溶剤中少なくとも約50重量パーセントのポリオールの固体含有量で多くとも10000センチポアズ、好ましくは多くとも5000センチポアズ、最も好ましくは1000センチポアズ(cP)の粘度を有する、従って、好ましくは多くとも約2000ダルトンの数平均分子量のポリオールを有することが望ましいであろう。そのような高固形分配合物は、連邦政府規則と州規則の両方により、溶剤、特に、環境に漏れ出す可能性がある揮発性有機化合物(VOC)の量を減らすことを余儀なくされている。高固形分配合系において有用である十分に低い粘度を達成するために、低分子量オリゴマー/ポリマーが使用される。より少ない希釈溶剤の使用によりエネルギーを節約できるように、並びに連邦政府及び州規則並びに地域社会基準を満たすことができるように、少なくとも約50cPの粘度、少なくとも約50パーセントの固形分、及び多くとも約4 lbs/gal(0.5g/cm)のVOCのような特性のバランスを有する、それらから誘導されるポリエステル及び塗料を有することが望ましいであろう。
【0008】
前に記載した大部分の市販ポリオールは、石油から生産される。しかし、我々の現代社会における石油の枯渇は、その価格上昇と併せて、研究者及び政府に再生可能で安価な天然資源から今日の高分子材料を製造する新たな道の探究を促した。さらに、石油系ポリオールの生産は、環境問題を提起する。
【0009】
より安価で再生可能な天然油からの有用なポリオールの調製は、現在の環境処理を軽減するために非常に望ましい。天然油は、飽和及び不飽和脂肪酸のトリグリセリドからなる。1つの天然油、すなわちヒマシ油は、リシノール酸(第二ヒドロキシル基を含有する脂肪酸)のトリグリセリドであり、ポリオール(Vertellusから市販されているPolycin(商標)GRポリオール)を生産するために使用される。石油系ポリオールから生産されるそれらの相当品と比較して良好な熱及び加水分解安定性にもかかわらず、ヒマシ油系ポリウレタンは、広範には利用されていない。主な欠点は、ヒマシ油の遅い反応性、すなわち、第一ヒドロキシル基の場合より低い反応性によって、それらの使用が可撓性及び半硬質ポリウレタンの生産に限られるという点である。さらに、ひまし油は、熱帯地域において生産され、これは、例えば大豆及びトウモロコシなどの油と比較してそのコストを増す。従って、ヒマシ油より高い反応性を示す高価なポリオールが必要とされる。
【0010】
ポリオールは、天然油から不飽和部位での化学反応によっても生産されている。米国特許第4,508,853号及び国際公開第2006/116456A1号のような参考文献に開示されているものなどの当分野における技術の範囲内のエポキシ化/ヒドロキシル化プロセスでは、その二重結合をエポキシ基へと転化させ、それをさらに酸性溶液中で開環する。その得られたポリオールも、第一ヒドロキシル基より反応性が低いヒドロキシル基を含有し、これが塗料用途でのそれらの使用を制限する。或いは、直鎖、不飽和脂肪酸の異性化/オリゴマー化によって、オリゴマーの分岐脂肪酸を得ることができる。米国特許第6,316,643号及び米国特許第6,255,504号に開示されているように、この反応は、従来、クレー触媒を使用して行われ、一般に、非常に高温で又は高コストのイオン性液体中で行われる。これらの酸は、C36ダイマー酸として公知であるが、多くの場合、多量のトリマー(C54)及び高級脂肪酸を欠点として有する。Uniquemaから市販されているPriplast(商標)ポリオールなどのC36ダイマー酸から誘導されるポリエステルポリオールは、塗料の製造用に市販されている。それらの高い炭素含有量のため、これらのポリオールは、塗料及び関連用途に望まれるものより機能性が低い。これらの周知の二量体化酸の機能性を増大させる試みは、欧州特許第0984916B1号のような参考文献に記載されているが、増大される機能性は、第一ヒドロキシル基より反応性が低いヒドロキシル基の形態でである。従って、再生可能な植物源から誘導され、ヒマシ油及びエポキシ化/ヒドロキシル化によって生産されるポリオールの場合より大きな反応性を示すが、C36ダイマー酸より低い炭素含有量を有するポリオールの使用が望ましいであろう。
【0011】
種子油などの再生可能な原料から誘導されるポリエステルポリオールは、塗料及び関連用途に持続可能で環境維持を支持する解決策を提供し、石油化学系原料への依存を低減させるであろう。現在公知であるものをより改善された耐水性、耐酸性及び他の耐薬品性を有するであろうポリエステルポリオールは、耐加水分解性塗料、インク、接着剤及びシーラントの調製に非常に望ましい製品であろう。ポリエステルから調製される耐酸性塗料が特に望ましい。酸性雨耐性塗料における重要な成分であろうからである。
【0012】
代表的な高固形分塗料系に許容される溶液粘度(塗布時に100センチポアズ又はそれ以下)を達成には、皮膜形成ポリマーが約5000ダルトン未満の数平均分子量(Mn)を有すると有利である。架橋後のそのような系で良好な皮膜特性を達成するには、数平均分子量(Mn)が約500ダルトンを超えること、及びそれぞれの数平均分子が少なくとも2個の反応性ヒドロキシル基を含有することも有利であろう。これらの一般原理は、メラミン樹脂で又はイソシアネートで架橋される場合のポリエステルポリオール、アクリルポリオール及びまたウレタンポリオールにあてはまる。前に論じたことから明らかであるように、許容される溶液粘度及び良好な皮膜特性についての要件は、矛盾した分子量要件につながる。すなわち、低い溶液粘度のためにはMnは低くすべきであるが、良好な皮膜特性のためにはMnは高くすべきである。広い分子量範囲にわたって本質的に低い粘度、すなわち約1000センチポアズ未満の粘度、を有するポリエステルポリオールは、塗料、インク、接着剤及びシーラント用途にとって非常に有利であろう。従来の架橋剤、例えばメラミン/ホルムアルデヒド樹脂及びポリイソシアネート、に対して第二ヒドロキシル基より高い反応性を示すポリエステルポリオールも、より低い温度での塗布に使用するために有益であり、塗布中のエネルギーの有意な節約をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第4,508,853号
【特許文献2】国際公開第2006/116456A1号
【特許文献3】米国特許第6,316,643号
【特許文献4】米国特許第6,255,504号
【特許文献5】欧州特許第0984916B1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
驚くべきことに、塗料にある一定の天然油由来ポリオールを使用することにより、結果として、再生可能な資源を使用するばかりでなく、望ましい可撓性又は衝撃硬度並びに耐加水分解及び溶剤性も有する塗料が得られる。該ポリオールは、シーラント及び結合剤においても有用である。さらに、これらの天然油由来ポリオールは、約25℃で液体であり、溶剤中少なくとも約50重量パーセント ポリオールの固体含有量で多くとも約10000センチポアズの粘度を有し、従って、高固形分塗料、接着剤及び結合剤に有用である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
1つの態様において、本発明は、(a)(1)少なくとも約50パーセント第一ヒドロキシル基を有する、5から100重量パーセントの少なくとも1つの天然油由来ポリオールと(2)天然油由来ポリオールとは異なる、100パーセントにするために十分な追加のポリオールとを含む結合剤成分(ここで、該天然油由来ポリオールは、分子1個につき平均で1.5から3個のヒドロキシル基、及び200から5000の当量(equivalent weight)を有する);及び(b)ヒドロキシル基に対して反応性の架橋成分を含む組成物を含む。
【0016】
別の態様において、本発明は、基材の表面に対する塗料、接着剤、結合剤又はそれらの組み合わせを製造するためのプロセスであり、このプロセスは、(a)組成物の結合剤成分と架橋剤成分を混合して混合物を形成する段階(ここで、結合剤成分は、(1)少なくとも約50パーセント第一ヒドロキシル基を有する、5から100重量パーセントの少なくとも1つの天然油由来ポリオールと(2)天然油由来ポリオールとは異なる、100パーセントにするために十分な追加のポリオールとを含み、該天然油由来ポリオールは、分子1個につき平均で1.5から3個のヒドロキシル基、及び200から5000の当量を有する);及び(b)該混合物の層を該表面に塗布する段階を任意の順序で含む。
【0017】
さらに、本発明は、本発明の任意の組成物から調製される塗料、接着剤、結合剤及びそれらの組み合わせ、本発明のプロセスによって塗装される又は本発明の組成物を使用して塗装される基材、それらの積層物質、並びに本発明の塗料、接着剤、結合剤又はそれらの組み合わせを含む物質を含む。
【0018】
本明細書において用いる場合:
【0019】
「ポリマー固形分」、「組成物固形分」、「固形レベル」又は「固体含有量」は、少なくとも1つの成分がことによると固体ではなく液体であるときであっても、一切の溶剤を除去した後の残りのポリマー又はポリマー組成物の百分率を意味する。固体含有量は、米国連邦登録局(U. S. Office of Federal Register)、40 CFR Part 60、Appendix A、Method 24の手順に従って決定されている。
【0020】
「高固形分組成物」は、その組成物の総重量に基づく重量百分率で、50パーセントより高い、好ましくは少なくとも60パーセント、より好ましくは少なくとも70パーセントの固体含有量を有する組成物を意味する。
【0021】
「硬化する」又は「硬化」は、本明細書において用いる場合、ポリマー上の官能基(例えば、ポリオール中のヒドロキシル基)と架橋剤(例えば、メラミン/ホルムアルデヒド樹脂又はポリイソシアネート)の反応を意味する。
【0022】
用語「耐薬品性」は、ASTM D1308の手順に従って測定されるその耐性を示すために用いる。その手順に示されているそれぞれの化学薬品又は染剤の数滴をその塗膜上に置き、24時間、時計皿をかぶせておく。24時間後、その化学薬品又は染剤をその塗膜から水で拭き取る。分解、離層、染色などの任意の形跡についてその塗膜を目視検査する。その塗膜を1(影響なし)から5(重度の染色、離層又は分解)として評定する。
【0023】
用語「耐溶剤性」は、ASTM D5402の手順に従って測定されるその耐性を示すために用いる。メチルエチルケトンを使用して耐溶剤性を判定する。その皮膜の分解又は離層が観察されるまでの二重摩擦(double rubs)の数を記録する。その塗膜に対する影響が観察されなかった場合、200二重摩擦でその試験を停止する。
【0024】
用語「耐加水分解性」又は「加水分解安定性」は、ASTM D4585−99 制御濃度を用いる塗膜の耐水性を試験するための実施基準(Standard Practice for Testing Water Resistance of Coating Using Controlled Condensation)の手順に従って測定されるその耐性を示すために用いる。
【0025】
用語「耐酸腐食性」は、本明細書において後に詳細に説明する手順に従って測定されるその耐性を示すために用いる。
【0026】
用語「可撓性」は、ASTM D2794の手順に従って測定される衝撃特性を示すために用いる。
【0027】
用語「Tg」は、ガラス転移温度を意味するために用い、ASTM D3418の手順に従って測定される。
【0028】
用語「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味する。
【0029】
用語「NCO指数」は、この用語がポリウレタン技術分野において一般に用いられているとおり、イソシアネート指数を意味する。本明細書において用いる場合は、イソシアネートの当量をイソシアネート反応性水素含有材料の総当量で割り、100をかけたものとして。別の方法で考えると、それは、百分率として与えられる、配合物中に存在するイソシアネート反応性水素原子に対するイソシアネート基の比率である。従って、イソシアネート指数は、配合物に用いられているイソシアネート反応性水素の量と反応するために理論上必要なイソシアネートの量に対する、配合物に実際に用いられているイソシアネートの百分率を表す。
【0030】
本明細書において用いる場合、「ポリオール」は、分子1個につき平均で1.0個より多くのヒドロキシル基を有する有機分子を指す。
【0031】
用語「天然油ポリオール」(本明細書では、以後、NOP)は、動物及び植物油、好ましくは植物油をはじめとする天然油から単離される、得られる又は製造される、ヒドロキシル基を有する化合物を指すために、本明細書では用いる。最適に使用される植物及び動物油の例としては、大豆油、紅花油、亜麻仁油、トウモロコシ油、ヒマワリ油、オリーブ油、カノーラ油、ごま油、綿実油、パーム油、菜種油、桐油、魚油、又はこれらのうちのいずれかの油のブレンドが挙げられるが、それらに限定されない。或いは、任意の部分硬化若しくはエポキシ化天然油又は遺伝子修飾天然油を使用して、所望のヒドロキシル含有量を得ることができる。そのような油の例としては、高オレイン酸紅花油、高オレイン酸大豆油、高オレイン酸落花生油、高オレイン酸ヒマワリ油(例えば、NuSun(商標)ヒマワリ油)、高オレイン酸カノーラ油、及び高エルカ酸菜種油(例えば、Crumbe油)が挙げられるが、それらに限定されない。天然油ポリオールは、例えば、Colvin et al., UTECH Asia, Low Cost Polyols from Natural Oils, Paper 36, 1995及び「Renewable raw materials-an important basis for urethane chemistry」:Urethane Technology: vol. 14, No. 2, Apr./May 1997, Crain Communications 1997、国際公開第01/04225号、国際公開第040/96882号;国際公開第040/96883号;米国特許第6686435号、米国特許第6433121号、米国特許第4508853号、米国特許第6107403号、米国特許公開第20060041157号及び同第20040242910号に開示されているように、当業者の知識の十分範囲内である。
【0032】
用語「天然油由来ポリオール」は、天然油から得られるNOP化合物を指すために本明細書では用いる。例えば、天然油又はそれらからのイソシアネートを、空気又は酸素から有機化合物(アミン及びアルコールを含む)にわたる化合物と反応させる。多くの場合、天然油中の不飽和をヒドロキシル基に、又はポリオールが得られるようにヒドロキシル基を有する化合物と後で反応させることができる基に、転化させる。そのような反応は、前の段落の参考文献の中で論じられている。ポリオールである天然油、例えばヒマシ油は、NOP化合物であるが、天然油由来ポリオールとは区別することとする。
【0033】
用語「水酸基価」は、ポリマー、特にポリオール、の組成物中のヒドロキシル部分の濃度を示す。水酸基価は、mg KOH/(ポリオールのg)で表される。水酸基価は、ピリジン及び無水酢酸でのアセチル化によって決定され、その結果は、KOH溶液での2回の滴定間の差として得られる。従って、水酸基価は、1グラムのポリオールとアセチル化によって化合させることができる無水酢酸を中和するであろう、ミリグラムでのKOHの重量と定義することができる。水酸基価が高いほど、組成物中のヒドロキシル部分の濃度が高いことを示す。組成物についての水酸基価を決定する方法の説明は、当分野において周知のテキストにおいて、例えば、Woods, G., The ICI Polyurethanes Book-2nd ed. (ICI Polyurethanes, Netherlands, 1990)において見つけることができる。
【0034】
用語「官能価」、特に「ポリオール官能価」は、ポリオール中のヒドロキシル基の数を指すために本明細書では用いる。
【0035】
本明細書におけるすべての百分率、好ましい量又は測定値、範囲及び終点は、包括的である。すなわち、「約10未満」は約10を含む。従って、「少なくとも」は、「〜より大きい又は〜に等しい」と等価であり、及び従って「多くとも」は、「〜より少ない又は〜に等しい」と等価である。本明細書中の数は、述べている以上の精度を持たない。従って、「105」は、少なくとも104.5から105.49を含む。さらに、すべてのリストは、そのリストの2つ又はそれ以上の構成員の組み合わせを含む。「少なくとも」、「〜より大きい」、「〜より大きい又は〜と等しい」と、又は類似に記述するパラメータから、「多くとも」、「〜以下」、「〜未満」、「〜より少ない又は〜と等しい」と、又は類似に記述するパラメータまでのすべての範囲は、それぞれのパラメータについて示されている相対的な優先度に関係なく、好ましい範囲である。従って、最も好ましい上限と併せて有利な低限を有する範囲が、本発明の実施に好ましい。すべての量、比率、割合及び他の測定値は、別様に記載されていない限り重量によるものである。すべての百分率は、別様に記載されていない限り、その実施による全組成物に基づく重量パーセントを指す。別様に記載されていない限り、又は別様に不可能と当業者に認識されていない限り、本明細書に記載するプロセスの段階は、場合により、本明細書においてそれらの段階を論じている順序と異なる順序で行われる。さらに、場合により、段階は、別々に、同時に、又はタイミングをオーバーラップさせて行われる。例えば、当分野において加熱及び混合のような段階は、多くの場合、時間の点で別々であり、同時であり、又は部分的にオーバーラップしている。別様に記載されていない限り、望ましくない作用を生じさせ得る要素、材料又は段階が、それが許容されない程度に作用を生じさせないような量又は形態で存在するとき、それは本発明の実施には実質的にないと見なす。さらに、用語「許容されない」及び「許容不能に」は、業務用として有用であり得ることからのずれ、所定の状況において別様に有用であり得ることからのずれ、又は予め決められた限度(この限度は、特定の状況及び用途に伴って変わり、並びに場合により、予め決められたこと、例えば作業明細書、によって設定される)外を指すために用いる。当業者は、許容される限度が、装置、条件、用途及び他の可変要素によって変わるが、それらが許容されるそれぞれの状況で過度の実験を伴わずにそれらを決定できることを認識している。場合により、あるパラメータの変動又はずれが、別の望ましい結果を達成するために許容されることがある。
【0036】
用語「含む(comprising)」は、「含む(including)」「含有する(containing)」又は「〜によって特徴づけられる(characterized by)」と同義であり、包括的又は変更可能であり、並びに追加の、列挙されていない要素、材料又は段階を除外しない。用語「から本質的に成る」は、指定されている要素、材料又は段階に加えて、列挙されていない材料又は段階が、主題の少なくとも1つの基本的で新規の特徴に概念的に、物質的に受容不可能な影響を及ぼさない量で、場合により存在することを示す。用語「からなる」は、述べられている要素、材料又は段階のみが存在することを示す。
【0037】
本発明は、様々な塗装プロセス、例えば、塗装、静電塗装、ローラー塗布、浸漬被覆、又ははけ塗りに適した組成物を含む。該組成物は、天然油由来ポリオール(結合剤成分)及びそれに対して反応性の架橋剤成分を含む。
【0038】
天然油由来ポリオール結合剤成分
天然油由来ポリオールは、好ましくは、分子1個につき平均で少なくとも約1.5個のヒドロキシル基、好ましくは、分子1個につき平均で少なくとも約1.75個、より好ましくは少なくとも約2個、且つ、有利には平均で多くとも約3個、好ましくは多くとも約2.75個、より好ましくは多くとも約2.6個のヒドロキシル基を有する。天然油由来ポリオール又はその組み合わせのヒドロキシル基のうち、望ましくは少なくとも約50、有利には少なくとも約75、さらに有利には少なくとも約85、最も有利には少なくとも約90、好ましくは少なくとも約95、より好ましくは少なくとも約97、最も好ましくは少なくとも約99パーセントのヒドロキシル基は、第一ヒドロキシル基である。100パーセントの第一ヒドロキシル基が最も好ましいので、上限はない。天然油由来ポリオールのヒドロキシル当量は、好ましくは少なくとも約200、より好ましくは少なくとも約400、最も好ましくは少なくとも約600、且つ、好ましくは多くとも約5000、より好ましくは多くとも約1500、最も好ましくは多くとも約1000である。これらの好ましい構造又はそれらの組み合わせを有する天然油由来ポリオールは、本発明の実施の際、適切に、単独で使用されるか、他のポリオールとブレンドされる。
【0039】
国際公開第04/096882号及び国際公開第04/096883号に開示されているポリオールが最も好ましい。これらは、活性水素を有する開始剤、例えばポリオール若しくはポリアミン、アミノアルコール又はそれらの混合物と、不飽和脂肪酸又はエステルのヒドロホルミル化、それに続く、得られたホルミル基の少なくとも一部の水素化といったプロセスによって調製される植物油系モノマーとの反応生成物である。そのようなポリオールを、本明細書では以後、それらが国際公開第04/096882号にあるように「植物油系ポリオール」(「VOBポリオール」)と、又は「開始脂肪酸ポリエステルアルコール」と呼ぶ。場合により、VOBポリオールは、他の天然油由来ポリオールとの混合物で使用され、ここで、そのVOBポリオールは、使用される天然油ポリオールの望ましくは少なくとも約50、有利には少なくとも約75、さらに有利には少なくとも約85、最も有利には少なくとも約90、好ましくは少なくとも約95、より好ましくは少なくとも約97、最も好ましくは少なくとも約99重量パーセントである。
【0040】
本発明の実施の際に好ましい開始脂肪酸ポリエステルアルコールを製造する際、ヒドロキシメチル含有ポリエステルポリオールは、12〜26個の炭素原子を有するヒドロキシメチル基含有脂肪酸、又はそうしたヒドロキシメチル化脂肪酸のエステルと、平均で少なくとも2個のヒドロキシル、第一アミン及び/又は第二アミン基/分子を有するポリオール、ヒドロキシルアミン又はポリアミン開始剤化合物とを反応させることによって、適便に調製される。出発原料の割合及び反応条件は、得られたヒドロキシメチル含有ポリエステルポリオールが、開始剤化合物中のヒドロキシル、第一アミン及び第二アミン基それぞれについてヒドロキシメチル基含有脂肪酸又はそのエステルから得られる繰り返し単位を平均で少なくとも1.3個含有し、且つ、そのヒドロキシメチル含有ポリエステルポリオールが、少なくとも400で15,000以下の当量を有するように選択される。該ヒドロキシメチル含有ポリエステルポリオールは、有利には、次の平均構造(構造式1):
1. [H−X](n−p)−R−[X−Z] (I)
を有する化合物の混合物であり、この式中、Rは、n個のヒドロキシル及び/又は第一若しくは第二アミン基を有する開始剤化合物の残基であり、ここでnは、少なくとも2であり;それぞれのXは、独立して、−O−、−NH−、又は−NR’−であり、ここで、R’は、不活性置換アルキル、アリール、シクロアルキル又はアラルキル基であり、pは、ヒドロキシメチル含有ポリエステルポリオール分子1個あたりの[X−Z]基の平均数を表す、1からnの数であり、Zは、脂肪酸の残基を含む直鎖又は分岐鎖である。「不活性置換」基は、イソシアネート基と反応しない基、及びヒドロキシメチル基含有ポリエステルポリオールの調製中に副反応に別様に関与しない基である。そのような不活性置換基の例としては、例えば、アリール、シクロアルキル、シリル、ハロゲン(特に、フッ素、塩素又は臭素)、ニトロ、エーテル及びエスエルが挙げられる。
【0041】
式Iにおいて、nは、好ましくは2〜8、より好ましくは2〜6、さらにいっそう好ましくは2〜5、及び特に約3〜5である。それぞれのXは、好ましくは、−O−である。ヒドロキシメチル化ポリオール分子1個あたりの脂肪酸残基の総平均数は、nの値の好ましくは少なくとも1.5倍、例えば、nの値の1.5から10倍、nの値の2から10倍又はnの値の2から5倍である。
【0042】
構造式Iのヒドロキシメチル含有ポリエステルポリオールは、少なくとも1つの構成脂肪酸鎖中に1つ又はそれ以上の炭素−炭素二重結合を含有する植物又は動物脂肪から多段階プロセスで調製することができる。適切な脂肪としては、例えば、ニワトリ脂肪、カノーラ油、柑橘類種子油、カカオ脂、トウモロコシ油、綿実油、ラード、亜麻仁油、オート麦油、オリーブ油、パーム油、落花生油、菜種油、米ぬか油、紅花油、ごま油、大豆油、ヒマワリ油、又は牛脂が挙げられる。
【0043】
該植物又は動物油を、適便には、先ず、低級アルカノール、特にメタノール又はエタノール、とのエステル交換反応に付して、構成脂肪酸のアルキルエステルを生成する。所望される場合には、得られたアルキルエステルを対応する脂肪酸に場合により加水分解するが、この段階は、通常、必要でなく、望ましくない。それらのアルキルエステル(又は脂肪酸)を、適便には、一酸化炭素と水素の反応によってヒドロホルミル化する。これによって、その脂肪酸鎖の炭素−炭素不飽和部位に−CHO基が導入される。適切なヒドロホルミル化法は、例えば、米国特許第4,731,486号及び同第4,633,021に、並びに2003年4月25日に出願された米国特許仮出願60/465,663に記載されており、すべて参照により本明細書に援用されている。いくつかの脂肪酸基は、多数の炭素−炭素二重結合部位も含有する。そのような場合、該ヒドロホルミル化反応によって、二重結合部位のすべてに−CHO基が導入されないことがある。置換基水素化段階は、その−CHO基をヒドロキシメチル(−CHOH)基に転化させ、同時に、残りの炭素−炭素結合を水素化して本質的にすべての炭素−炭素不飽和を除去する。その後、その得られたヒドロメチル化脂肪酸混合物を、開始剤化合物と反応させ、水又は低級アルカノールを除去してポリエステルポリオールを形成する。
【0044】
該開始剤は、2個又はそれ以上のヒドロキシル、第一アミン又は第二アミン基を含有し、及びポリオール、アルカノールアミン又はポリアミンであり得る。該開始剤は、好ましくは、分子1個につき少なくとも約1個のヒドロキシル又はアミン基、最も好ましくは少なくとも約2個、且つ、多くとも約6個、より好ましくは多くとも約4個、最も好ましくは3個のヒドロキシル又はアミン基を有する。特に興味深い開始剤は、好ましくは少なくとも約32、より好ましくは少なくとも約116、最も好ましくは少なくとも550、且つ、好ましくは多くとも約5000、より好ましくは多くとも約10000、最も好ましくは少なくとも約1000ダルトンの分子量を有する、低分子量ポリオールである。そのような低分子量開始剤としては、エチレングリコール、1,2−及び1,3−プロピレングリコール、1,4−及び2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール、キニトール、マンニトール、ソルビトール、メチルグリコシド、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、及びブチレングリコールが挙げられる。ポリエーテルポリオール開始剤は有用であるが、好ましくはなく、それらとしては、2〜8、特に2〜4個のヒドロキシル基/分子及び約150〜3000、特に200〜1000の分子量を有する、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドのポリマーが挙げられる。特に望ましい特性を有するその得られた天然油由来ポリオールは、ヒドロキシメチル脂肪酸エステル1個につき平均で少なくとも約0.5個、より好ましくは少なくとも約0.75個、最も好ましくは少なくとも約1.0個、且つ、好ましくは多くとも約2個、より好ましくは多くとも約1.75個、最も好ましく少なくとも約1.5個のヒドロキシメチル基を有するヒドロキシメチル基含有脂肪酸アルキルエステル組成物を反応させることによって調製される。
【0045】
前述のプロセスで製造されたヒドロキシメチル含有脂肪酸は、ヒドロキシメチル基を有さない材料と、1、2又は3個のヒドロキシメチル基を有する材料の混合物である傾向がある。2及び3個のヒドロキシメチル基を有する材料の割合は、典型的には、2つ及び3つの炭素−炭素二重結合を含有する出発脂肪酸(又はアルキルエステル)の割合より多少低い。ヒドロキシメチル化反応は、ストリンジェントな反応条件を用いない限り、すべての炭素−炭素二重結合にわたって起こらないことが多いからである。ヒドロキシメチル化されていない炭素−炭素二重結合が、一般に、水素化されることとなる。
【0046】
そのようなヒドロキシメチル含有ポリエステルポリオールの調製方法の詳細は、国際公開第2004/096882号に記載されており、これは、当分野におけるその技術を例証しており、また法律によって許される程度に本明細書に援用されている。
【0047】
そのように製造されたヒドロキシメチル含有ポリエステルポリオールは、一般に、いくつかの未反応開始剤化合物を含有し、及び未反応ヒドロキシメチル脂肪酸(又はエスエル)を含有する場合もある。開始剤化合物は、該脂肪酸(又はエステル)と一官能基的に又は二官能基的にしか反応しないことが多く、得られたポリエステルポリオールは、その開始剤化合物の残基に直接結合している遊離ヒドロキシル又はアミノ基を含有することが多い。
【0048】
天然油由来ポリオール又はその組み合わせは、場合により、天然油由来ポリオールとは異なる1つ又はそれ以上のポリオールと共に使用される。該天然油由来ポリオールとは異なるポリオールは、適切には、当分野における技術の範囲内の任意のポリオールであり、本明細書では、追加の又は従来のポリオールと呼ぶ。好ましい追加のポリオールは、少なくとも2個のヒドロキシル官能基を有するアクリルポリオールである。場合により、該アクリルポリオールは、ヒドロキシル基を含有する重合性不飽和モノマーのポリマー、又はこれらのモノマーの1つ又はそれ以上と他のα,β−不飽和モノマーとのポリマーであり、それぞれ、適切に選択された条件下でのラジカル重合によって得られる。該他のα,β−不飽和モノマーの例としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、s−ブチルアクリレート、s−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、p−ビニルトルエン、アクリロニトリル、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0049】
特に有用なヒドロキシル含有(メタ)アクリルポリマーは、少なくとも約500、好ましくは少なくとも約1000、より好ましくは少なくとも約1500、最も好ましくは少なくとも約2000、且つ、多くとも約5000、好ましくは多くとも約10000、より好ましくは多くとも約20000、最も好ましくは多くとも約100000の数平均分子量、及び少なくとも約−50、好ましくは少なくとも約−25、より好ましくは少なくとも約−10、最も好ましくは少なくとも約0、且つ、高くても約30、好ましくは高くても約50、より好ましくは高くても75、最も好ましくは高くても約100℃のTgを有する。好ましくは、それらは、代表的なアクリルモノマー、例えば、そのアルキル基に1から18個の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマー、とヒドロキシ官能性モノマー、例えば、そのアルキル基に1から4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、との重合生成物である。場合により、該ヒドロキシ含有(メタ)アクリルポリマーは、エチレン重合シラン、例えばトリメトキシプロピルシリルメタクリレート;又はt−ブチルアミノエチルメタクリレートを含む、モノマー混合物から重合される。他の適切なアクリルポリマーのいくつかは、米国特許第6,221,494号のカラム5にも列挙されており、これは、当分野におけるその技術を例証しており、また法律によって許される程度に本明細書に援用されている。
【0050】
天然油由来ポリオールと併用することができる他のポリオールとしては、ポリエステルポリオールが挙げられる。これらのポリエステルポリオールとしては、ポリオール、好ましくはジオールと、ポリカルボン酸又はそれらの無水物、好ましくは、ジカルボン酸又はジカルボン酸無水物との反応生成物が挙げられる。該ポリカルボン酸又は無水物は、場合により、脂肪族、脂環式、芳香族及び/又は複素環式であり、並びに場合により、例えばハロゲン原子で、置換されている。該ポリカルボン酸は、場合により、飽和されており又は不飽和である。これらのポリカルボン酸の例としては、コハク酸、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸無水物、フタル酸無水物、マレイン酸、マレイン酸無水物及びフマル酸が挙げられる。ポリエステルポリオールの製造に使用されるポリオールは、好ましくは、150又はそれ以下の当量を有し、それらとしては、エチレングリコール、1,2−及び1,3−プロピレングリコール、1,4−及び2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール、キニトール、マンニトール、ソルビトール、メチルグリコシド、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、及びジブチレングリコールが挙げられる。The Dow Chemical Companyによって商品名「Tone」で販売されているものなどのポリカプロラクトンポリオールも有用である。有利には、本発明の結合剤として天然油由来ポリオールと併用されるポリエステルポリオールは、約400から20,000にわたる数平均分子量(Mn)、及び−50℃から+100℃の範囲のTgを有する。本発明の実施の際に使用されるポリエステルポリオールは、好ましくは少なくとも約2、且つ、好ましくは多くとも約10、より好ましくは多くとも約6、最も好ましくは多くとも約4のヒドロキシル基の平均数を有する。これらのヒドロキシル基のうち、平均で少なくとも1個、好ましくは少なくとも約2個、且つ、好ましくは多くとも約4個が、第一ヒドロキシル基である。他の適切なポリエステルのいくつかは、米国特許第6,221,494号のカラム5及び6にも列挙されており、これは、当分野におけるその技術を例証しており、また法律によって許される程度に本明細書に援用されている。
【0051】
天然油由来ポリオールと併用することができる追加のポリオールとしては、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール、ポリエーテルポリオール及び当分野における技術の範囲内の他のポリオールを含む、すべての従来のポリオールも挙げられる。該ポリエーテルポリオールは、有利には、1個又はそれ以上のアルキレンオキシド、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド及び1,2−ブチレンオキシド、又はそのようなアルキレンオキシドの混合物、のポリマーである。好ましいポリエーテルは、ポリプロピレンオキシド、又はプロピレンオキシドとエチレンオキシドの混合物のポリマーである。任意の従来のポリオールが適切に使用されるが、好ましいポリオールは、脂肪族ポリオール、より好ましくはポリエステルポリオール、最も好ましくはアクリルポリオールであるものである。該天然油由来ポリオールが、場合により、天然油由来ポリオールの混合物であり、及び独立して、追加のポリオールが、1つ若しくはそれ以上のポリオール若しくはポリオールのタイプ、又はそれらの混合物であることは、当業者には理解される。
【0052】
本発明のために、本発明の実施の際に使用するための塗料を製造するために使用されるポリオール又はポリオールの組み合わせを天然油由来ポリオール組成物と呼ぶ。
【0053】
該天然油由来ポリオール組成物としては、塗料の結合成分として少なくとも1つの他のポリオールを伴う少なくとも1つの天然油由来ポリオールが挙げられる。そのようなブレンドを使用するとき、その天然油由来ポリオールは、その組成物中のその又はそれらの他のポリオールと混和性であることが非常に好ましい。溶解度パラメータは、2つの純粋な物質の混和性を判定する際に有用な熱力学的性質である。2つの物質の混合のエンタルピー(ΔH)は、ヒルデブランド(Hildebrand)の式(式1)によって概算することができる。ヒルデブランドの式は、2つの物質の溶解度パラメータ(δ)及び2つの物質の体積分率(Φ)を用いてΔHを概算する。
ΔH=ΦΦV(δ−δ (方程式1)
【0054】
方程式1に基づき、2つの物質間の混和性に理想的な状況は、それら2つの物質が、ΔH=0のように、同じ溶解度パラメータを有するときに発生する。パラメータは、揮発性物質(例えば、溶剤)についてはその蒸発熱から容易に決定できるが、より高分子量のポリマー(例えば、天然油由来ポリオール)については、その低い揮発性のため、このプロセスはあてはまらない。ポリマーの溶解度パラメータは、文献に記載されている多数の技法、例えば、そのポリマーのわずかに架橋した網の最大膨潤を生じさせる溶剤を見つけること、溶媒に溶解したポリマーの固有粘度をその溶剤の溶解度パラメータの関数として測定すること、又は逆相高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)法によって決定することができる。その代替方法は、群モル引力定数からの溶解度パラメータの計算である。天然油由来ポリオールについての溶解度パラメータは、方程式2を用いるホイ(Hoy)により開発された方法によって計算される。
δτ=(ΣFτ+135.1)/V (方程式2)
この式中、ΣFτは、すべての群モル凝集定数(Fτ)の合計であり、Vは、モル体積(密度で割った分子量)である。ホイは、メタ(アクリル)ポリマーの溶解度を計算するための方法も開発した。これらの方法は、三次元溶解度パラメータを計算する方法(方程式3)と共に文献に記載されている(Hoy, J. Paint Technology, 1970, p.76及びHoy, Tables of Solubility Parameters, Union Carbide Corporation, 1969 and 1975、並びにGuner, European Polymer Journal, 2004, p.1587参照)。
δτ=(δH−結合+δ極性+δ非極性1/2 (方程式3)
この式中、δH−結合は、水素結合溶解度パラメータであり、δ極性は、極性溶解度パラメータであり、及びδ非極性は、非極性溶解度パラメータである。
【0055】
様々な(メタ)アクリルポリオール及び天然油由来ポリオールの計算溶解度パラメータを、本明細書中の表1及び2にそれぞれまとめる。一定の(メタ)アクリルポリマーは、本発明の実施の際に使用される天然油由来ポリオールとの併用に特に有用であることが、本発明の実施中に判明した。これらの(メタ)アクリルポリマーと天然油由来ポリオールは、それらの計算した全ホイ溶解度パラメータ(前に説明したとおり)が多くとも約1.5、有利には多くとも約1.0、好ましくは多くとも約0.75、より好ましくは多くとも約0.5、最も好ましくは多くとも約0であるとき、混和性である。該溶解度パラメータの三次元成分(前に説明したとおり)の差は、多くとも約1.0.好ましくは多くとも約0.75、より好ましくは多くとも約0.5、最も好ましくは多くとも約0である。2つより多くのポリオールを使用する場合、天然油由来ポリオールの組み合わせ、追加のポリオール又はそれらの組み合わせそれぞれの有利には少なくとも約50、さらに有利には少なくとも約60、最も有利には少なくとも約70、好ましくは少なくとも約80、より好ましくは少なくとも約90、最も好ましくは少なくとも約95、及び理想的には100パーセントが、独立して、溶解度パラメータのこれらの好ましい範囲の1つ又はそれ以上の範囲内にある。さらに、該結合剤成分が、少なくとも1つの天然油由来ポリオール及び他のポリオール(天然油由来ポリオール、追加のポリオール又は両方の組み合わせであり得る)を含む場合、より好ましくは、その結合剤成分の約5重量パーセントより多い量で存在する該他のポリオールのそれぞれが、その天然油由来ポリオールのものとは有利には多くとも約1.5単位、さらに有利には多くとも約1.0、好ましくは多くとも約0.75、より好ましくは多くとも約0.5及び最も好ましくは多くとも約0単位異なる計算ホイ溶解度パラメータを有する。より好ましくは、ホイ溶解度パラメータの差を測定する天然油由来ポリオールは、存在する任意の他の天然油由来ポリオールの量より多い又はそれに等しい量で存在する天然油ポリオールであり、最も好ましくは、それは、存在する全天然油由来ポリオールの50重量パーセントより多い。
【0056】
本発明の新規組成物は、結合剤成分及び架橋成分を含む。該結合剤成分は、少なくとも約5重量パーセント、好ましくは少なくとも約20、より好ましくは少なくとも約40、最も好ましくは少なくとも約60パーセント、且つ、多くとも100パーセント、好ましくは多くとも約90、より好ましくは多くとも約80、最も好ましくは多くとも約70パーセントの天然油由来ポリオールを含み、該百分率は、その組成物中の結合剤成分の総重量に基づく重量百分率である。溶剤又は他の液体媒質若しくは担体も場合により存在するが、反応して塗料の一部となる化合物のみを含む用語「結合剤成分」には含まれない。
【0057】
架橋成分
【0058】
本発明の組成物は、アミノプラスト樹脂、ポリイソシアネート、フェノール樹脂、脂環式エポキシド又はそれらの組み合わせなどのポリマー、最も好ましくは、少なくとも2つの反応性イソシアネート基を有する少なくとも1つのポリイソシアネート、少なくとも1つのメラミンホルムアルデヒド樹脂及びそれらの組み合わせからなる群より選択されるポリマーを形成するために結合剤成分中のポリオール(単数又は複数)上のヒドロキシル基に対して反応性である、適切な任意の化合物又は化合物の組み合わせである、架橋成分を含む。
【0059】
ポリイソシアネートは、分子1個につき平均で、少なくとも2個、平均で好ましくは少なくとも約2.5個、より好ましくは少なくとも約2.7個、最も好ましくは少なくとも約3個、且つ、多くとも約4個、好ましくは多くとも約3.75個、より好ましくは多くとも約3.50個、最も好ましくは多くとも約3.25個のイソシアネート官能基を有する。典型的に、該組成物は、少なくとも約0.90、好ましくは少なくとも約0.95、より好ましくは少なくとも約1.0、最も好ましくは少なくとも約1.05から多くとも約1.10である、全ポリオールのヒドロキシル基に対する架橋剤成分中のポリイソシアネート上のイソシアネート基のモル比を有する。
【0060】
適切なポリイソシアネートの例としては、イソシアヌレート構造単位、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートのシアヌレート、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート、1,3−シクロヘキサンビス(イソシアナトメチル)のイソシアヌレート、1,4−シクロヘキサンビス(イソシアナトメチル)のイソシアヌレート、及び1,3−シクロヘキサンビス(イソシアナトメチル)と1,4−シクロヘキサンビス(イソシアナトメチル)の混合物のイソシアヌレート;2分子のイソシアネート、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートの付加体;ヘキサメチレンジイソシアネートのウレチジオン;イソホロンジイソシアネートのウレチジオン又はイソホロンジイソシアネート;メタ−テトラメチルキシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート;並びにジオール、例えばエチレングリコール、を有するポリイソシアネートはじめとする、芳香族、脂肪族又は脂環式ジ−、トリ−又はテトラ−イソシアネートが挙げられる。
【0061】
適切なポリイソシアネートの追加の例としては、1,2−プロピレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、オメガ,オメガ−ジプロピルエーテルジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンビス(イソシアナトメチル)、1,4−シクロヘキサンビス(イソシアナトメチル)、1,3−シクロヘキサンビス(イソシアナトメチル)と1,4−シクロヘキサンビス(イソシアナトメチル)の混合物、4−メチル−1,3−ジイソシアナトシクロヘキサン、トランス−ビニリデン−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4−[プライム]−ジイソシアネート、3,3−[プライム]−ジメチルジシクロヘキシルメタン4,4[プライム]−ジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、1,3−ビス(1−イソシアナト1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、キシレンジイソシアネート、1,5−ジメチル−2,4−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,5−ジメチル−2,4−ビス(2−イソシアナトエチル)ベンゼン、1,3,5−トリエチル−2,4−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、4,4[プライム]−ジイソシアナトジフェニル、3,3[プライム]−ジクロロ−4,4[プライム]−ジイソシアナトジフェニル、3,3[プライム]−ジフェニル−4,4[プライム]−ジイソシアナトジフェニル、3,3[プライム]−ジメトキシ−4,4[プライム]−ジイソシアナトジフェニル、4,4[プライム]−ジイソシアナトジフェニルメタン、3,3[プライム]−ジメチル−4,4[プライム]−ジイソシアナトジフェニルメタン、ジイソシアナトフタレン、シアヌレート構造単位を有するポリイソシアネート、2分子のジイソシアネート、例えばヘキサメチレンジイソシアネート又はイソホロンジイソシアネート、とジオール、例えばエチレングリコール、の付加体、3分子のヘキサメチレンジイソシアネートと1分子の水の付加体(ペンシルバニア州、ピッツバーグのBayer Corporationから商標Desmodur(商標)Nで入手可能)、1分子のトリメチロールプロパンと3分子のトルエンジイソシアネートの付加体(Bayer Corporationから商標Desmodur(商標)Lで入手可能)、1分子のトリメチロールプロパンと3分子のイソホロンジイソシアネートの付加体、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン及び2,4,6−トリイソシアナトトルエンなどの化合物、並びに1分子のペンタエリトリトールと4分子のトルエンジイソシアネートの付加体が挙げられる。
【0062】
ポリイソシアネートのイソシアネート官能基は、ワンパック組成物における時期尚早の架橋を防止するために単量体アルコールで場合によりキャップされる。いくつかの適切な単量体アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、イソブタノール、ヘキサノール、2−エチルヘキサノール及びシクロヘキサノールが挙げられる。
【0063】
唯一の架橋剤成分として用いるとき、イソシアネート又はその組み合わせは、水酸基価によって決定されるような結合成分中のポリオール(単数又は複数)上のヒドロキシル基の好ましくは約0.95、より好ましくは少なくとも約0.99、最も好ましくは少なくとも約1.0、且つ、多くとも約1.10、好ましくは多くとも約1.05、より好ましくは多くとも1.03、最も好ましくは多くとも約1.01の化学量論量に相当する量で存在する。
【0064】
クリアコート組成物又は着色モノ−コート又はベースコート組成物は、場合により、結合剤成分として少なくとも1つの天然由来ポリオール及び架橋成分として少なくとも1つのポリイソシアネートを使用して配合される。
【0065】
或いは、該架橋成分は、少なくとも1つのアミノプラストを含む。アミノプラスとしては、例えば、アルコキシメラミン、メラミン−ホルムアルデヒド、尿素−ホルムアルデヒド、アルキル化ベンゾグアナミン(benzoquaniamines)、グアニル尿素、グアニジエン、ビグアニジン、例えばヘキサメトキシメチルメラミン、メチル化メラミン、ブチル化メラミン、及びブチル化尿素が挙げられる。本出願では、アミノプラストの例示的なものとして、メラミンホルムアルデヒド樹脂を使用している。従って、他のアミノプラストは、同様に使用されるだろう。一般にはメラミンと呼ばれるメラミンホルムアルデヒド樹脂は、モノメリック若しくはポリメリックメラミン又はそれらの組み合わせを含む。アルコキシモノメリックメラミンが好ましい。
【0066】
本発明に関連して、用語「アルコキシモノメリックメラミン」は、トリアジン核1個につき、C1〜C5一価アルコール、例えばメタノール、n−ブタノール又はイソブタノール、でエーテル化されたメチロール基を平均で3個又はそれ以上含有し、且つ、2以下、好ましくは約1.1から約1.8の範囲の平均縮合度を有し、且つ、約50重量パーセント以上の単核種の割合を有する、低分子量メラミンを意味する。該ポリメリックメラミンは、1.9より大きい平均重合度を有する。
【0067】
そのような適切なモノメリックメラミンのいくつかは、高アルキル化メラミン、例えば、メチル化、ブチル化、イソブチル化メラミン及びそれらの混合物が挙げられる。さらに特にヘキサメチロールメラミン、トリメチロールメラミン、部分的にメチル化したヘキサメチロールメラミン、及びペンタメトキシメチルメラミンが好ましい。ヘキサメチロールメラミン及び部分的にメチル化したヘキサメチロールメラミンがより好ましく、ヘキサメチロールメラミンが最も好ましい。
【0068】
これらの適切なモノメリックメラミンの多くが市販されている。例えば、ニュージャージー州、ウェストパターソンのCytech Industries Inc.は、Cymel(商標)301(1.5の重合度、95パーセント メチル及び5パーセント メチロール)、Cymel(商標)350(1.6の重合度、84パーセント メチル及び16パーセント メチロール)、303、325、327及び370、これらはすべてモノメリックメラミンである。適切なポリメリックメラミンとしては、ミズーリ州、セントルイスのSolutia Inc.によって供給されているResimene(商標)BMP5503(分子量690、1.98の多分散度、56パーセント ブチル、44パーセント アミノ)、又はニュージャージー州、ウェストパターソンのCytec Industries Inc.によって供給されているCymel(商標)1158が挙げられる。
【0069】
Cytec Industries Inc.は、80パーセント固形分のCymel(商標)1130(2.5の重合度)、及びCymel(商標)1133(48パーセント メチル、4パーセント メチロール及び48パーセント ブチル)も供給しており、これらは両方ともポリメリックメラミンである。
【0070】
少なくとも1つのメラミンホルムアルデヒド樹脂又は他のアミノプラストが架橋成分である組成物、その組成物は、少なくとも約10、好ましくは少なくとも約15、より好ましくは少なくとも約20、最も好ましくは少なくとも約30、且つ、多くとも約50、好ましくは多くとも約45、より好ましくは多くとも約40、最も好ましくは多くとも約35パーセントのメラミンホルムアルデヒド又はアミノプラスト樹脂を含有する(すべての百分率は、その結合剤及び架橋成分固形分の総重量に基づく重量百分率である)。
【0071】
或いは、当分野における技術の範囲内の他の架橋成分を使用する。これらには、フェノール樹脂及び脂環式エポキシドなどがある。
【0072】
フェノール系架橋剤は、可溶性、熱反応性フェノール又はレゾール、例えば、T. S. Carswell, Phenoplasts, pages 9-29, lnterscience Publishers Inc., New York (1947)及びJ. A. Brydson, Plastics Materials, pages 385-386, D. Van Nostrand Co. Inc., New Jersey (1966)に記載されているものである。そのような熱反応性フェノール樹脂は、一般に、様々なフェノールと過剰のホルムアルデヒドを塩基性条件下で反応させることによって製造される。熱反応性フェノール樹脂の例示的なものは、メチル化フェノール−ホルムアルデヒド、ブチル化フェノール−ホルムアルデヒド及びクレゾール−ホルムアルデヒドをはじめとするアルキル化フェノール−ホルムアルデヒド及びアルキル化クレゾール−ホルムアルデヒドのモノマー及びポリマー、並びにフェノール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、アミルフェノール及び高級炭化水素フェノール、o−、m−及びp−クレゾール、及びキシレノールとホルムアルデヒドとを適切な触媒、例えばアンモニア、エチルアミン、トリエチルアミン、の存在下で反応させることによって製造された様々な熱反応性フェノール樹脂、並びに熱反応性フェノール樹脂の製造に関する技術分野において公知である他のフェノール樹脂である。
【0073】
架橋剤として有用である脂環式エポキシドの例示的なものは、分子1個につき平均で2個又はそれ以上のエポキシドを有するもの、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチル−シクロヘキシルメチル3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル6−メチル−3,4−シクロヘキサンカルボキシレート、米国特許第2,890,194号に記載されている化合物;ビス(3,4−エポキシシクロ−ヘキシルメチル)オキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)−アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)ピメレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)、米国特許第2,750,395号に記載されている化合物;3,4−エポキシシクロへキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、及び米国特許第3,318,822号に記載されているような化合物;シクロペンタジエンジエポキシド、シクロヘキサンジエポキシド、並びにリモネンジエポキシドである。所望される場合には、該配合物は、少量の脂環式モノエポキシド、例えば、リモネンモノエポキシド、ビニルシクロヘキセンモノエポキシド、アルファ−ピネンモノエポキシド、ノルボルネンモノエポキシド、シクロヘキセンモノエポキシド、並びにテトラヒドロベンジルアルコールのアルコキシル化及び/又はラクトン誘導体の3,4−エポキシ誘導体を含有することがある。芳香族エポキシド、例えばビスフェノールA及びビスフェノールFエポキシ樹脂、を架橋剤として使用することもできる。
【0074】
該組成物は、好ましくは、硬化時に成分の架橋を増進するために1つ又はそれ以上の触媒を含む。触媒の量は、その結合剤及び架橋成分の素性及び量、触媒の素性、所望される使用前の貯蔵寿命、塗布する予定の温度、及び塗装する表面をはじめとする多数の因子によって変わる。天然油由来ポリオールを含む配合物は、有利には、天然油由来でないポリエステルポリオールを有する類似の組成物についての当分野における技術の範囲内の量を使用する。
【0075】
メラミンに適切な触媒のいくつかは、少なくとも1つの従来の酸性触媒、例えば、芳香族スルホン酸、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸及びジノニルナフタレンスルホン酸が挙げられ、これらのすべては、ブロックされていないか、例えば、アミン、例えば2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、N,N−ジメチルエタノールアミン又はそのようなアミンの組み合わせ、でブロックされている。他の適切な酸性触媒としては、強酸、例えば、リン酸、さらに特に、場合によりブロックされていない又は例えば少なくとも1つのアミンでブロックされているフェニル酸ホスフェートが挙げられる。
【0076】
ポリイソシアネートに適切な触媒のいくつかは、1つ又はそれ以上のスズ化合物、第三アミン又はそれらの組み合わせ;及び1つ又はそれ以上の酸性触媒(前に説明したとおり)が挙げられる。適切な錫触媒としては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、第一錫オクトアート及びジブチル錫オキシドが挙げられる。ジブチル錫ジラウレートが好ましい。適切な第三アミンとしては、トリエチルジアミンが挙げられる。場合により使用される1つの市販触媒は、ペンシルバニア州、フィラデルフィアのElf−Autochem North America,Inc.によって販売されているFastcat(商標)4202ジブチル錫ジラウレートである。
【0077】
本発明の組成物は、芳香族炭化水素、例えば、石油ナフサ又はキシレン;ケトン、例えば、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン又はアセトン;エステル、例えば、ブチルアセテート又はヘキシルアセテート;及びグリコールエーテルエステル、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートからなる群より有利には選択される少なくとも1つの有機溶剤を場合によりさらに含有する。添加される有機溶剤の量は、所望の固形分レベル並びにその組成物のVOCの所望量に依存する。所望される場合、該有機溶剤は、場合により結合剤の両方の成分に添加する。
【0078】
有利には、本発明の塗料の固形分レベルは、有利には少なくとも約50、好ましくは少なくとも約60、より好ましくは少なくとも約70、最も好ましくは少なくとも約80から、有利には多くとも約85、好ましくは多くとも約90、より好ましくは多くとも約95、最も好ましくは多くとも約100まで様々である(すべての百分率は、その組成物の総重量に基づく)。
【0079】
透明塗料の耐候性を改善するために、その結合剤及び架橋成分固形分の総重量の重量に基づいて、0.1から5重量パーセント、好ましくは1から2.5重量パーセント及びより好ましくは1.5から2重量パーセントの紫外線安定剤又は紫外線安定剤と紫外線吸収剤の組み合わせが場合により添加される。これらの安定剤としては、紫外線吸収剤、遮断剤、失活剤及び特定にヒンダードアミン光安定剤が挙げられる。また、その結合剤及び架橋成分固形分の総重量に基づき、約0.1から5重量パーセントの酸化防止剤が場合により添加される。そのような安定剤は当分野において周知であり、市販されている。
【0080】
本新規組成物は、建築用、自動車用OEM及び再仕上げ、並びに一般工業用塗料での使用に特に十分適している。塗布した塗料を焼生する塗装用途のために、場合により、本発明の組成物は、天然油由来ポリオール含有結合剤成分及び架橋成分を共にブレンドして塗布する、ワンパッケージ組成物である。該架橋成分がメラミンを含むとき、場合により、それを結合剤成分とブレンドする。有利には、その組成物の塗布された層が室温より上の高温で焼生されるまで、架橋は殆ど又は全く発生しない。該架橋成分がポリイソシアネートを含むとき、有利には、それは、塗布直前に結合剤成分と混合され、又はそのポリイソシアネート上の反応性イソシアネート基が、焼生するとブロックしないブロック剤で不活性化されるか、加熱するまで反応するのを別様に抑制される場合、ブロックポリイソシアネートを含有するその架橋成分は、場合により結合剤成分とブレンドされ、その組成物は安定を保つ。
【0081】
本新規組成物が、塗布した塗料を焼生できな周囲硬化用途、例えば、自動車再仕上げ及び架橋塗料に用いられるときなどの一部の用途のために、天然油由来ポリオールを含有する結合剤成分を一方のパックに含め、ポリイソシアネートを含有する架橋成分を別のパックに含め、それら2つのパックを塗布直前に混合する、ツーパック組成物を提供する。
【0082】
場合により、本発明の組成物は、第一パックが結合剤成分を含み、第二パックがポリイソシアネートを含有する架橋剤成分を含む、ツーパック組成物の形態で提供される。一般に、該第一及び第二パックは、別々の容器に保管され、使用前に混合される。それらの容器は、好ましくは、保管中の分解を防ぐために気密封止される。場合により、該混合は、例えば、混合ノズル内又は容器内で遂行される。該架橋成分がポリイソシアネートを含有するとき、その硬化段階は、場合により、周囲条件下で行われ、又は所望される場合には、高い焼生温度で行われる。
【0083】
或いは、ポリイソシアネートのイソシアネート官能基がブロックされているとき、その組成物の両方の成分は、場合により、同じ容器内にワンパック組成物の形態で保管される。架橋剤成分が、ブロックされたポリイソシアネートを含有するとき、その硬化段階は、高い焼生温度で行われる。
【0084】
該架橋成分がメラミンを含有する場合、メラミンは正常な保管条件下で天然油由来ポリオールと反応しないので、その組成物は、場合により、ワンパック組成物として配合され、その組成物の層を硬化又は架橋して塗膜にするには高い焼生温度を必要とする。
【0085】
該架橋成分が、ポリイソシアネート及びメラミンを含有するとき、その硬化段階は、二段階で行われ、第一段階は、周囲温度条件下で行われ、第二段階は、高い焼生温度で行われる。
【0086】
該ツーパック組成物の第一パックは、結合剤成分を収容し、第二パックは、ポリイソシアネートを含む架橋成分を収容する。所望される場合、メラミンは、場合により第一パック内に存在する。それら2つのパックを、使用直前に、例えば、使用する約5から30分前に混合して、ポットミックスを形成する。そのポットミックスの層は、一般に、従来の技法、例えば、塗装、静電塗装、ローラー塗布、浸漬被覆、又ははけ塗りによって基材に塗布される。透明塗料として使用する場合、有利には25マイクロメートルから75マイクロメートルの範囲の厚さを有する層を自動車車体などの金属基材上に塗布し、多くの場合、これは、他の塗装層、例えばエレクトロコート、プライマー及びベースコートと共に下塗りされる。有利には、該ツーパック組成物を周囲温度で乾燥及び硬化させるか、或いは、塗布し次第、80℃から160℃にわたる焼生温度で約10から60分間、焼生する。該混合物は、場合により顔料も含有し、及び場合により、下塗りした基材上にモノコート又はベースコートとして塗布される。
【0087】
ブロックポリイソシアネートを含有するワンパック組成物を用いるとき、該塗布技術を用いて基材上に塗布したその層を、80℃から200℃の範囲、好ましくは80℃から160℃の範囲の焼生温度で、例えば、約60から10分間、硬化させる。実際の焼生温度が、使用される触媒及びブロック剤並びにそれらの量、硬化される層の厚さ、及びブロックされるイソシアネートの官能基、及びその組成物に利用される任意のメラミンに依存して変わるであろうことは理解される。上述の焼生段階の使用は、OEM条件下で特に有用である。
【0088】
所望される場合、該組成物、特に、塗料として使用するための組成物は、着色モノコート、ベースコート又はプライマーを形成するために、場合により着色される。その結合剤及び架橋成分固形分の総重量に基づき約0.1重量パーセントから200重量パーセントの従来の顔料を、顔料、分散剤及び溶剤を含有する練り顔料を最初に形成する従来の技術を用いて場合により添加する。次に、その練り顔料をその組成物と混合して着色組成物を形成する。この組成物を、前に説明したように、場合により塗布し、硬化させる。
【0089】
本発明の組成物は、様々な基材、例えば、金属基材、プラスチック基材、複合基材、木製基材、コンクリート基材に透明又は着色塗装を施すのに適する。本組成物は、改善された特性、例えば、アジペートポリオールより良好な耐加水分解性及び耐酸腐食性、並びにアクリルポリオールより良好な可溶性及び低い粘度、を有する再生可能な原料から低VOC塗料、シーラント又は結合剤を提供するのに特に適する。低VOC塗料は、それらのRTP(リサーチトライアングルパーク)施設建設契約(Appendix A, www.epa.gov/opptintr/epp/pubs/grnbldg.pdf)にリストされている塗料材料に関する低VOC含有量のEPA定義に基づき、約150〜250g/L未満の揮発性有機化合物が、塗膜を形成する過程で蒸発又は別様に除去されるものである。本発明のために、少なくとも50重量パーセントの固体含有量を低VOCとみなす。本発明の組成物は、塗料、インク、接着剤、シーラント、結合剤及びそれらの組み合わせとして有用である。該塗料は、有利には、建築用、自動車用OEM及び再仕上げ、並びに一般工業用塗料である。本発明の組成物は、好ましくはポリエステルから調製されるとき、耐酸性塗料を調製するために特に有用である。そのような塗料は、自動車用透明塗料、特に、クリアコート/カラーコート系として公知であるものでカラーコートをカバーするために使用されるもの、として、並びに屋外標識、例えば屋外標識におけるような金属及びブラスチック用の機能性及び装飾用塗料、電子部品用の塗料及び類似の最終用途をはじめとする他の最終用途において、有用である。シーラントとして、本組成物は、ひび割れなどの開空間を封止するために、水又は他の物質を締め出すために、様々な基材の層などの同様の又は異なる成形品を互いに封止するために、有用である。結合剤として、本組成物は、複合材の形成に有用である。
【0090】
本発明の組成物は、従来の添加剤、例えば、安定剤、レオロジー調節剤、流動剤、強化剤及び充填剤も場合により含有する。そのような追加の添加剤の存在及び量は、その組成物の所期の用途に依存する。例えば、その組成物が透明塗料として使用するためのものである場合、硬化塗膜の透明性に悪影響を及ぼす充填剤、顔料及び他の添加剤は、含まれないであろう。前述の添加剤は、その組成物の所期の用途に依存して、場合により、結合剤成分若しくは架橋成分のいずれか、又は両方に添加される。
【0091】
本発明の目的及び利点を後続の実施例によってさらに説明する。これらの実施例において列挙する特定の材料及びそれらの量並びに他の条件及び詳細は、本発明を限定するために用いているのではない。別様に記載されていない限り、すべての百分率、部及び比率は、重量によるものである。本発明の実施例に番号をつけ、一方、本発明の実施例ではない比較サンプルはアルファベットで指定する。
【実施例】
【0092】
下の実施例において報告するデータを生成するために、以下の手順を用いた:
【0093】
アクリルポリオール、天然油由来ポリオール、他のポリオール又はそれらの組み合わせをガラスバイアルの中で、下の表に列挙するレベルでブレンドした。スパチュラを使用して手でそれらの材料を混合した。2つの異なる試験を用いて、それぞれの配合物の相溶性を観察した。
【0094】
試験1−ポリオールのそれぞれのブレンドの1滴を顕微鏡用スライドガラス上に置いた。そのスライドガラスを140℃のオーブンの中に10分間、置いた。スライドガラスをオーブンから取り出し、放置して室温に冷却した。その後、その滴の透明度を記録した。
【0095】
試験2−残りのブレンドを一晩、周囲実験室条件下でバイアルの中で放置した。翌日、目視観察を記録して、一切の曇り及び相分離について記録した。2相であるブレンドは、さらに配合せず、試験しなかった。
【0096】
その後、ニュージャージー州のCytec Industriesから商品名Cymel(商標)303で市販されているモノメリックメラミンを添加し、スパチュラを使用して手で混合することによって、相分離していないブレンドを十分に配合した。ミシガン州のThe Dow Chemicalからのn−ブチルプロピオネートとミシガン州のThe Dow Chemicalからのn−プロピルプロピオネートとウィスコンシン州のAldrich Chemicalからのメチルイソブチルケトンの重量で1:1:1のブレンドである溶剤ブレンドを添加した。スパチュラを使用して手でその溶剤ブレンドを混合した。その後、ニュージャージー州のCytec Industriesから商品名Cycat(商標)4040で市販されている酸性触媒を添加し、スパチュラを使用して手で混合した。
【0097】
前に説明したように溶解度パラメータを得た。
【0098】
塗料塗布及び硬化
0.025’’×4’’×12’’(0.06×10.16×30.48cm)のクロム酸アルミニウム前処理及びリン酸鋼前処理パネルに、#46巻線ロッドを使用して、該塗料を塗布した。それらのパネルをリントフリー布及びイソプロパノールで拭いて油を除去し、圧縮空気で乾燥させることによって、事前クリーニングした。それらの塗膜を140℃で30分間、硬化させた。
【0099】
塗料配合物粘度測定
マサチューセッツ州のBrookfieldから商品名DV−IIIで市販されているプログラム可能レオメータを使用し、下の表に明記するようにスピンドル15、31又は34のいずれかを使用して、それぞれの配合物の粘度を試験した。20〜80パーセントの間のトルク測定値を維持するように速度を選択した。それぞれの配合物についての温度を記録した。
【0100】
硬化塗膜試験
皮膜厚
ニューヨーク州のDeFelsk Corporationから商品名Positector 6000で市販されている乾燥塗膜用厚さ計を使用して、最低5つの測定値をとった。これらの測定値を平均した。
鏡面光沢
(ASTM D523)ASTM手順D523を用いて、20及び60度の角度で硬化パネルの表面光沢を測定した。
【0101】
クロスハッチ接着
ASTM D3359(クロスハッチ接着)の手順を用いて、それらの塗膜の接着力を測定し、ASTMガイドラインに従って評定けした。本発明の塗膜は、好ましくは、少なくとも約4B、及び最も好ましくは最高評点である5Bのクロスハッチ接着力を有する。
【0102】
耐溶剤性−二重摩擦
メチルエチルケトンを使用するASTM D5402の手順を用いて、耐溶剤性を判定した。皮膜の分解又は離層が観察されたときの二重摩擦の数を記録した。塗膜に対する影響が観察されなかった場合、200二重摩擦で試験を停止した。本発明の塗膜は、好ましくは、少なくとも約150、より好ましくは少なくとも約175、最も好ましくは少なくとも約200二重摩擦の耐溶剤性を有する。無限耐溶剤性が望ましいであろうから、測定限界、すなわち200二重摩擦、以外の上限はなかった。
【0103】
振子硬度(Pendulum Hardness)
振子硬度は、メリーランド州のByk−GardnerからのKoning Pendulumテスターを使用し、ASTM D4366に従って測定した。本発明の塗膜は、好ましくは、少なくとも約40、より好ましくは少なくとも約50、最も好ましくは少なくとも約60秒の振子硬度を有する。無限硬度が望ましいであろうから、上限は無かった。
【0104】
鉛筆硬度
鉛筆硬度は、ASTM D3363に従って実行した。本発明の塗膜は、好ましくは、少なくとも約2B、より好ましくは少なくとも約HB、最も好ましくは少なくとも約Fの鉛筆硬度を有する。無限硬度が望ましいであろうから、上限はなかった。
【0105】
微小硬度(ビッカース及びユニバーサル硬度)
コネチカット州のFischer Technologyから商品名WIN−HCUで市販されている制御ソフトウェアと共に使用される、コネチカット州のFischer Technologyから商品名FISCHERSCOPE H100Cで販売されているビッカースインデンタ(Vickers indentor)を使用して、硬化塗膜に関する微小硬度を測定した。そのマイクロインデンタを5mNの印加力(速度=5mN/20秒)にプログラムした。インデンタの幾何形状及び印加力に対する侵入度を考慮に入れることにより、ユニバーサル硬度(Universal Hardness)、HU、及びビッカース硬度(Vickers Hardness)を得た。本発明の塗膜は、好ましくは、少なくとも約10、より好ましくは少なくとも約20、最も好ましくは少なくとも約30のユニバーサル硬度を有する。無限硬度が望ましいであろうから、上限はなかった。
【0106】
耐薬品性
ASTM D1308の手順を用いて、耐薬品性を測定した。数滴のそれぞれの化学薬品又は染剤を塗膜上に置き、時計皿を24時間かぶせておいた。24時間後、その化学薬品及び染剤をその塗膜から水で拭き取った。その塗膜を分解、離層及び染色のあらゆる形跡について目視検査した。その塗膜を1(影響なし)から5(重度の染色、離層又は分解)として評定した。本発明の塗膜は、好ましくは、少なくとも約4及び最も好ましくは少なくとも約5の耐薬品性を有する。無限硬度が望ましいであろうから、測定限界、すなわち5、以外の上限はなかった。
【0107】
酸腐食
酸腐食及び評定には、メリーランド州のByk−Gardnerからの温度勾配炉(gradient oven)を使用した。その炉は、約30から100℃の範囲にわたって、逐次的に前のロッドより高い温度にそれぞれが加熱される一連のロッドを有する。塗膜の斑点付け及び試験は、次のとおり実行した:
1)10パーセントHSOの50μLの液滴を塗装パネル上に置いた。そのパネルの中心に〜0.5インチ(1.27cm)離して一対の液滴を置いた。それぞれの対の液滴の間に〜0.25インチ(0.6cm)の余裕をとって、そのパネルの全長に沿って液滴を置いた。
2)その温度勾配炉の加熱された試験面の上にそのパネルを置いた。パネルは、そのパネルの上端が加熱ロッド#1の左端と一直線に並ぶように、縦に配置した。12インチ(30cm)パネルの下端は、加熱ロッド#28の位置になる。そのパネルは、その炉面の幅方向の中央に置くものとする。
3)前面に最も近いパネルの端に、加熱ロッドのそれぞれに対する接触点を示すマークを付ける。
4)それらのロッドを15分間加熱するようにその温度勾配炉をプログラムする。
5)加熱サイクル後、パネルを微温の水道水で濯ぎ、ペーパータオルでたたくことによって乾かした。
6)それぞれのロッドの温度を記録し、次の基準を用いてパネルを評定した:
5=斑点の目に見える形跡なし
4=塗膜の白化又は黄変;手ざわりの変化なし
3=ピンホール欠陥又は光沢の有意な喪失;塗膜の表面の手ざわりの軽微な変化。
2=小さな膨れ又は塗膜内に存在する気泡。
1=塗膜が基材まで切断され、重度の泡又は白化を有する。
次のことについてパネルを評価した:
a.最初に見える欠陥の温度(評点=4)
b.重度の欠陥の温度(評点=1)
c.60℃での評定
d.70℃での評定
本発明の塗膜は、好ましくは、60℃で少なくとも3、より好ましくは少なくとも4、及び最も好ましくは5の耐酸腐食性;並びに70℃で少なくとも2、より好ましくは少なくとも3、及び最も好ましくは4の耐酸腐食性を有する。無限耐薬品性が望ましいであろうから、測定限界、すなわち5、以外の上限はなかった。
【0108】
耐衝撃性
耐衝撃性(直接及び間接)は、メリーランド州のByk−Gardnerからの衝撃試験機を使用し、ASTM D2794に従って実行した。
【0109】
以下の材料を用いた:
NOPO−1は、ヒドロキシメチルステアリン酸(HMS)メチルの重合に基づくポリオールである。このポリオールは、The Dow Chemical Companyから商品名Unoxol(商標)で市販されている混合1,3及び1,4−シクロヘキサンジメタノール(36.2g)と9−ヒドロキシメチルステアリン酸メチル(165.0g;純度>90パーセント)の反応によって生成した。ショートパスコンデンサ、受け入れフラスコ、窒素導入口、鉱物油バブラへの窒素排出口、及びマグネチックスターラを装備した500mL 3口丸底フラスコに、それらの反応物を仕込んだ。その混合物を、熱電対コントローラによって適度に保たれた油浴内で120℃に加熱し、窒素雰囲気下で混合しながら保持した。120℃で、内容物の脱揮及び窒素の再充填を3回行い、その後、仕込み重量に基づき1000ppmの触媒(ジブチル錫オキシド)を添加した。190℃に達するまで、温度を30分につき10℃で上昇させた。
【0110】
この温度及び条件を、メタノールの発生が停止するまで(通常は4時間にわたって)維持した。それらの条件を一晩継続することにより、同生成物を得た。目に見えるメタノール発生が終わった時点での温度を最低2時間保持し続けた。その後、真空を利用して極微量のメタノールを除去し、分子量を目標レベル又はそれらの組み合わせにした。真空及び120℃より上の温度を用いて、できる限り多くのメタノールを除去することが望ましかった。
【0111】
(0.5mm未満での)高真空段階が終了した時点で、その材料25℃に冷却し、ガラスジャーに移した。得られた粘度、分子量及び水酸基価を評価し、それらが2380cps(22℃/スピンドル#34)、824Mn、及び136の水酸基価であることが判明した。
【0112】
NOPO−2は、ヒマワリ油から得られるヒドロキシル化脂肪酸メチルエステル(FAME)の重合に基づくポリオールである。このポリオールは、The Dow Chemical Companyから商品名Unoxol(商標)で市販されている混合1,3及び1,4−シクロヘキサンジメタノール(478g)とヒマワリ油から得られるヒドロキシル化脂肪酸メチルエステル(6200g;平均官能価1.0 OH/FAME)との反応によって生成した。ショートパスコンデンサ、受け入れフラスコ、窒素導入口、鉱物油バブラへの窒素排出口、及びメカニカルスターラを装備した10L ガラス反応器に、それらの反応物を仕込んだ。その混合物を、120℃に加熱し、窒素雰囲気下で混合しながら保持した。120℃で、内容物の脱揮及び窒素の再充填を3回行い、その後、仕込み重量に基づき500ppmの触媒(第一錫オクトアート)を添加した。195℃に達するまで、温度を30分につき10℃で上昇させた。
【0113】
この温度及び条件を、メタノールの発生が停止するまで(通常は4時間にわたって)維持した。それらの条件を一晩継続することにより、同生成物を得た。目に見えるメタノール発生が終わった時点での温度を最低2時間保持し続けた。その後、真空を利用して極微量のメタノールを除去し、分子量を目標レベル又はそれらの組み合わせにした。真空及び120℃より上の温度を用いて、できる限り多くのメタノールを除去することが望ましかった。
【0114】
(0.5mm未満での)高真空段階が終了した時点で、その材料25℃に冷却し、1ガロンのプラスチック容器に移した。得られた粘度、分子量及び水酸基価を評価し、それらが25℃で1350cps、1322Mn、及び68.5の水酸基価であることが判明した。NOPO−2は、平均でおよそ2個のヒドロキシル基/分子を有した。
【0115】
NOPO−3は、ヒマワリ油から得られるヒドロキシル化脂肪酸メチルエステルの重合に基づくポリオールである。このポリオールは、The Dow Chemical Companyから商品名Unoxol(商標)で市販されている混合1,3及び1,4−シクロヘキサンジメタノール(926g)とヒマワリ油から得られるヒドロキシル化脂肪酸メチルエステル(5800g;平均官能価1.0 OH/FAME)との反応によって生成した。ショートパスコンデンサ、受け入れフラスコ、窒素導入口、鉱物油バブラへの窒素排出口、及びメカニカルスターラを装備した10L ガラス反応器に、それらの反応物を仕込んだ。その混合物を、120℃に加熱し、窒素雰囲気下で混合しながら保持した。120℃で、内容物の脱揮及び窒素の再充填を3回行い、その後、仕込み重量に基づき500ppmの触媒(第一錫オクトアート)を添加した。195℃に達するまで、温度を30分につき10℃で上昇させた。
【0116】
この温度及び条件を、メタノールの発生が停止するまで(通常は4時間にわたって)維持した。それらの条件を一晩継続することにより、同生成物を得た。目に見えるメタノール発生が終わった時点での温度を最低2時間保持し続けた。その後、真空を利用して極微量のメタノールを除去し、分子量を目標レベル又はそれらの組み合わせにした。真空及び120℃より上の温度を用いて、できる限り多くのメタノールを除去することが望ましかった。
【0117】
(0.5mm未満での)高真空段階が終了した時点で、その材料25℃に冷却し、2つの1ガロンプラスチック容器に移した。得られた粘度、分子量及び水酸基価を評価し、それらが25℃で1360cps、1081Mn、及び112.6の水酸基価であることが判明した。NOPO−3は、平均およそ2個のヒドロキシル基/分子を有した。
【0118】
NOPO−4は、ヒマワリ油から得られるヒドロキシル化脂肪酸メチルエステルの重合に基づくポリオールである。このポリオールは、Aldrich Chemicalから市販されている1,6−ヘキサンジオール(368g)とヒマワリ油から得られるヒドロキシル化脂肪酸メチルエステル(2900g;平均官能価1.0 OH/FAME)との反応によって生成した。ショートパスコンデンサ、受け入れフラスコ、窒素導入口、鉱物油バブラへの窒素排出口、及びメカニカルスターラを装備した5L ガラス反応器に、それらの反応物を仕込んだ。その混合物を、120℃に加熱し、窒素雰囲気下で混合しながら保持した。120℃で、内容物の脱揮及び窒素の再充填を3回行い、その後、仕込み重量に基づき500ppmの触媒(第一錫オクトアート)を添加した。195℃に達するまで、温度を30分につき10℃で上昇させた。
【0119】
この温度及び条件を、メタノールの発生が停止するまで(通常は4時間にわたって)維持した。それらの条件を一晩継続することにより、同生成物を得た。目に見えるメタノール発生が終わった時点での温度を最低2時間保持し続けた。その後、真空を利用して極微量のメタノールを除去し、分子量を目標レベル又はそれらの組み合わせにした。真空及び120℃より上の温度を用いて、できる限り多くのメタノールを除去することが望ましかった。
【0120】
(0.5mm未満での)高真空段階が終了した時点で、その材料25℃に冷却し、1つの1ガロンプラスチック容器に移した。得られた粘度、分子量及び水酸基価を評価し、それらが25℃で750cps、968Mn、及び115.6の水酸基価であることが判明した。NOPO−4は、平均およそ2個のヒドロキシル基/分子を有した。
【0121】
NOPO−5は、大豆油から得られるヒドロキシル化脂肪酸メチルエステルの重合に基づくポリオールである。このポリオールは、The Dow Chemical Co.から商品名Unoxol(商標)で市販されている混合1,3及び1,4−シクロヘキサンジメタノール(7371g)と大豆油から得られるヒドロキシル化脂肪酸メチルエステル(50000g;平均官能価1.0 OH/FAME)との反応によって生成した。コンデンサ及びメカニカルスターラを装備した80L ステンレス鋼反応器に、それらの反応物を仕込んだ。その混合物を、120℃に加熱し、窒素雰囲気下で混合しながら保持した。120℃で、内容物の脱揮及び窒素の再充填を行い、その後、仕込み重量に基づき500ppmの触媒(第一錫オクトアート)を添加した。195℃に達するまで、温度を30分につき10℃で上昇させた。
【0122】
この温度及び条件を、メタノールの発生が停止するまで(通常は4時間にわたって)維持した。それらの条件を一晩継続することにより、同生成物を得た。目に見えるメタノール発生が終わった時点での温度を最低2時間保持し続けた。その後、真空を利用して極微量のメタノールを除去し、分子量を目標レベル又はそれらの組み合わせにした。真空及び120℃より上の温度を用いて、できる限り多くのメタノールを除去することが望ましかった。
【0123】
(0.5mm未満での)高真空段階が終了した時点で、その材料25℃に冷却し、3つの5ガロンプラスチック容器に移した。得られた粘度、分子量及び水酸基価を評価し、それらが25℃で2350cps、1084Mn、及び107.6の水酸基価であることが判明した。NOPO−5は、平均およそ2個のヒドロキシル基/分子を有した。
【0124】
POLY−1は、The Dow Chemical Companyから商品名Tone(商標)0210で市販されている約400のヒドロキシル当量と140mg/KOH/gの水酸基価を有する低分子量ポリカプロラクトンポリオールである。
POLY−2は、446の当量、128mg KOH/gの水酸基価を有する1,4−ブタンジオールに基づく低分子量アジペートである。
POLY−3は、400の当量、140mg KOH/gの水酸基価を有するネオペンチルグリコールに基づく低分子量アジペートである。
MEL−1は、ニュージャージー州のCytec Industriesから商品名Cymel(商標)303で市販されているモノメリックメラミンである。
NCO−1は、DeGussa GMBHから商品名Vestanat T−1890eで市販されているIPDI(イソホロンジイソシアネート)トリマーである。
CAT−1は、ニュージャージー州のCytec Industriesから商品名Cycat(商標)4040で市販されている触媒である。
CAT−2は、Air Productsから商品名Metacureで市販されているジブチル錫ジラウレートである。
溶剤ブレンドは、n−ブチルプロピオネートとn−プロピルプロピオネートとメチルイソブチルケトンの重量で1:1:1のブレンドである。
【0125】
アクリル組成物の調製
12リットル丸底3口フラスコに、メカニカルスターラ、高温遮断を有する熱電対、窒素導入口、及び2つの別々のセラミックポンプ装置(FMI Corpから商品名モデルQG−20で市販)からの供給ライン用の針受入口を装備させた。それらの供給ラインをモノマー及び開始剤と呼んだ。その反応フラスコには、中央の口の攪拌軸の周りにクライゼンアダプタも装着し、そのアダプタの分岐接合部に高効率コンデンサを装着した。このコンデンサは、鉱物油バブラへの排出口を有する。
【0126】
その反応フラスコに800gの溶剤混合物(55重量パーセント アミルアセテート、42重量パーセント キシレン、及び3重量パーセント イソブチルからなる)を仕込み、一定した窒素雰囲気下、140℃で溶剤を還流させた。ポンプは、後で指定する所定の速度でそれらの貯留槽内容物を送り出すように事前に較正しておき、いつでも使えるように準備が整っていた。モノマー貯留槽に総計2400gのモノマー混合物(表1にそれぞれのサンプルに関して示すとおり)を仕込んだ。開始剤貯留槽にはtブチルペルオキシアセテート(57.9g)及び溶剤ミックス(560g)を仕込んだ。モノマー及び開始剤は、Aldrich(ウィスコンシン州、ミルウォーキー)から市販されている。
【0127】
溶剤が還流温度(140℃)になったらポンプのスイッチを入れ、4時間供給(モノマー=2400g/4時間=10g/分;開始剤618g/4時間=2.6g/分)に設定した。
【0128】
供給物添加が完了した後、モノマーラインを50gの溶剤でフラッシュし、反応を140℃でさらに30分間保持した。この時間の後、開始剤貯留槽に「チェーザ」、又は追加の過酸化物を再び仕込んだ。t−ブチルペルオキシアセテート(14.7g)を120gの溶剤ミックスと混合し、その後、30分にわたって140℃で添加した。添加が完了した後、2時間の反応時間を与え、その後、そのバッチをほぼ80℃に冷却し、ガラス容器に注入した。
【0129】
得られた材料を、110℃/1時間で0.3gを用いて(40CFR;米国連邦登録局 part60,appendixAに与えられている手順に従って)総固形分について評価し(ほぼ55〜60重量パーセント);及びTHF(テトラヒドロフラン)溶剤中でのゲル透過クロマトグラフィー(GPC)を用いてポリスチレン標準物質との比較により分子量について評価した。
【0130】
【表1】

【0131】
【表2】

【0132】
塗料配合物調製:相溶性試験を合格する材料について配合物を調整した。アクリルポリオール、天然油由来ポリオール、他のポリオール又はそれらの組み合わせを、ガラスバイアルの中で、固形分重量に基づく2:1のアクリルポリオール:天然油由来ポリオール比を表す下の表に列挙するレベルでブレンドした。スパチュラを使用して手でそれらの材料を混合した。溶剤、メラミン及び触媒を、そのガラスバイアルに、下の表に列挙するレベルで添加した。スパチュラを使用して手でそれらの配合物を混合した。それらの配合物の粘度を、前に説明したように判定した。それらの塗料を、前に説明したようにパネルに塗布した。
【0133】
【表3】

【0134】
表3のデータは、VOPポリオールがこのアクリルポリオールと相溶性でなかったことを示している。
【0135】
【表4A】

【0136】
【表4B】

【0137】
表4は、溶解度パラメータの変化を伴うアクリルポリオールの組成の変化が、相溶性試験において述べたように一部のVOBポリオールとの改善された相溶性をもたらすことを示している。NOPO−1は、アクリルポリオールと相溶性であった。それで作った塗膜は、硬度を維持する上に比較サンプルより高い耐酸性を有する。耐直接衝撃性及び類似の耐間接衝撃性の改善は、類似の可撓性と改善された耐酸性を示す。
【0138】
【表5A】

【0139】
【表5B】

【0140】
表5のデータは、より近い溶解度パラメータを有するポリオールへのアクリルポリオールのさらなる改質が、相溶性結果によって証明されるように、VOBポリオールとの改善された相溶性をもたらすことを示している。試験したすべてのVOBの耐酸腐食性は、70℃での酸腐食評点によって証明されるように、比較サンプルより良好であった。ケーニッヒ法によって証明されるような硬度は、大部分のVOBポリオールについて、比較サンプルより改善された値を示し、改善された耐直接衝撃性を有するが、耐間接衝撃性は、VOBポリオールのほぼすべてについて同じであった。従来のポリオールを使用すると可撓性を喪失せずに硬度を増すことは難しかったが、VOBを添合することによってこれが達成されたことは、当業者には理解される。
【0141】
【表6A】

【0142】
【表6B】

【0143】
表6のデータは、溶解度パラメータを変更するアクリルポリマーのさらなる改質が、相溶性結果によって証明されるようにVOBポリオールとの改善された相溶性をもたらすことを示している。試験したすべてのVOBポリオールの耐酸腐食性は、70℃での酸腐食評点によって証明されるように比較サンプルより良好である。
【0144】
【表7A】

【0145】
【表7B】

【0146】
表7のデータは、溶解度パラメータを変更するアクリルポリオールのさらなる改質が、相溶性結果によって証明されるようにVOBポリオールとの改善された相溶性をもたらすことを示している。試験したすべてのVOBポリオールの耐酸腐食性は、70℃での酸腐食評点によって証明されるように比較サンプルより良好であった。耐直接衝撃性は、試験したすべてのVOBポリオールについて類似していたが、硬度を犠牲にせずに、比較サンプルと比較して大部分のVOBポリオールとの有意な改善を達成した。
【0147】
アクリルポリオール/VOBポリオールブレンド粘度測定
マサチューセッツ州のBrookfieldから商品名CV−IIIで市販されているプログラム可能レオメータを使用し、スピンドル34を使用して、それぞれの配合物の粘度を試験した。20〜80の間のトルク測定値を維持するように速度を選択した。それぞれの配合物についての温度を記録した。
【0148】
アクリルポリオールとVOBポリオールを固形分に基づき1:1の比率でブレンドした。それらのブレンドの固形分レベルを表に列挙する。それらは、前に説明した溶剤ブレンドを添加することによって調整した。表に列挙する最高固形分ブレンドは、アクリルポリオールから導入されたもの以外、追加の溶剤を含有しない。
【0149】
【表8】

【0150】
【表9】

【0151】
これらの表は、VOBポリオールが、ブレンドの粘度を低下させる点でカプロラクトン又はアジペートポリエステル材料より有効であったことを示している。これは、透明で高固形分(低揮発分)配合物がより容易に形成されたことを意味する。
【0152】
ポリイソシアネート硬化塗料(実施例34〜35及び比較サンプルI)
ポリオール(アクリル4及びNOPO−5)樹脂を50センチポアズの粘度に配合し、リン酸鉄冷間圧延鋼パネル上にスプレー塗りした。1:1のNCO対OHの化学量論比を用いて、NCO−1を架橋剤として使用した。ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)を、固形分に基づき0.02重量パーセントで、触媒として利用した。それらの塗料を120℃で120分間、焼生して、およそ2.5ミル(6.4×10−5m)の乾燥皮膜厚にした。
【0153】
50:50比及び70:30比のNOP5対ポリオール4を使用して塗料を調製し、これらの塗料のレパートリーを、他のポリオールを用いずにアクリルポリエステルポリオールを用いて形成した塗料と比較した。NOPO−5を含有する配合物は、より高い固形分を有し、従って、50cpsのスプレー塗り粘度でより少ないVOCを有した。NOPO−5のレベルが高いほど、塗料配合物のVOCは少なかった。70:30(NOPP−5対アクリル4)を含有する塗膜の鉛筆硬度は、50:50(NOP−5対アクリル4)、及びアクリルポリエステルポリオールのみを使用して形成した塗膜より低くかった。NOPO−5の添合は、塗膜の接着力及び可撓性の有意な改善をもたらす。
【0154】
【表10】

【0155】
本発明の実施形態:
1.a.(1)少なくとも約50パーセント第一ヒドロキシル基を有する、5から100重量パーセントの少なくとも1つの天然油由来ポリオールと(2)天然油由来ポリオールとは異なる、100パーセントにするために十分な追加のポリオールとを含む結合剤成分(ここで、該天然油由来ポリオールは、分子1個につき平均で1.5から3個のヒドロキシル基、及び200から5000の当量を有する);及び
b.ヒドロキシル基に対して反応性の架橋成分
を含む、ポリマー組成物。
2.基材の表面に対する塗料、接着剤、結合剤又はそれらの組み合わせを製造するためのプロセスであって、(a)組成物の結合剤成分と架橋剤成分を混合して混合物を形成する段階(ここで、結合剤成分は、任意の該又は後続の実施形態において列挙する結合剤組成物を含み;及び架橋成分は、任意の該又は後続の実施形態において列挙する架橋組成物を含む);及び(b)該混合物の層を該表面に塗布する段階を任意の順序で含むプロセス。
3.(c)該層を硬化して該基材の該表面上に該塗膜を形成する段階をさらに含む、前のいずれかの実施形態に記載のプロセス。
4.該塗料が、少なくとも約80℃から60又は200℃の温度に加熱される、前のいずれかの実施形態に記載のプロセス。
5.該実施形態のいずれかに記載の組成物から調製される又はプロセスを用いて調製される、塗料、接着剤結合剤又はそれらの組み合わせ。
6.塗料である、実施形態5に記載の塗料、接着剤結合剤。
7.接着剤である、実施形態5に記載の塗料、接着剤結合剤。
8.結合剤である、実施形態5に記載の塗料、接着剤結合剤。
9.該又は後続の実施形態のいずれかに記載の組成物、塗料、接着剤、結合剤又はそれらの組み合わせを含む物質。そのような物質は、積層物質を含む。
10.少なくとも1つの天然油由来ポリオールが、VOBポリオールであり、好ましくは、該VOBポリオール又はその組み合わせが、少なくとも約50、75、85、90、95、97、99重量パーセント(のいずれか)の天然油由来ポリオール(単数又は複数)を結合剤成分中に含む、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
11.該架橋成分が、少なくとも2つの反応性イソシアネート基を有するポリイソシアネート、フェノール樹脂、脂環式エポキシド、アミノプラスト樹脂又はそれらの組み合わせからなるより選択される、好ましくは、アミノプラスト樹脂、ポリイソシアネート又はそれらの組み合わせからなる群より選択される、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
12.該アミノプラストが、メラミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂又はそれらの組み合わせである、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
13.該結合剤組成物、架橋組成物、塗料、接着剤、結合剤又はそれらの組成物組み合わせ若しくはそれらの任意の組み合わせが、ポリオール又は架橋成分のうちのいずれか1つ又はそれ以上のための溶剤をさらに含む、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
14.該結合剤組成物が、溶剤中、少なくとも約60重量パーセント(のいずれか)のポリオールという固体含有量で溶剤中で存在する、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
15.天然油由来ポリオール及び追加のポリオールが、ホイ溶解度パラメータを有し、該天然油由来ポリオールの計算ホイ溶解度パラメータが、該追加のポリオールのものと多くとも約1.5、1、0.75、0.5又は0.25単位(のいずれか)異なる、或いは天然油由来ポリオール又は追加のポリオールのいずれか又は両方が1つより多く存在し、それぞれが、ホイ溶解度パラメータを有し、少なくとも1つの天然油由来ポリオール及び少なくとも1つの追加のポリオールの計算ホイ溶解度パラメータが、多くとも1.5、1、0.75、0.5又は0.25単位(のいずれか)異なり、好ましくは、述べたようなホイ溶解度パラメータの差を有するポリオールが、該天然油由来ポリオール及び追加のポリオールそれぞれの大多数を構成し;最も好ましくは、該塗料、接着剤、結合剤又はそれらの組み合わせの製造に使用されるすべてのポリオールの少なくとも50、60、70、80、90、95又は100重量パーセント(のいずれか)が、多くとも約1.5、1、0.75、0.5又は0.25単位(のいずれか)異なる、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
16.該結合剤成分が、少なくとも1つの天然油由来ポリオール及び他のポリオールを含み、該結合剤成分の約5重量%より多い量存在する該他のポリオールが、該天然油由来ポリオールのものと多くとも約1.5、1、0.75、0.5又は0.25単位(のいずれか)異なる計算ホイ溶解度パラメータを有し、該他のポリオールが、天然油由来ポリオール、追加のポリオール及びそれらの組み合わせから選択される、該実施形態のいずれかに記載の組成物。
17.該ホイ溶解度パラメータの差が測定される天然油ポリオールが、存在する任意の他の天然油由来ポリオールより多い又はそれに等しい量で存在する、好ましくは、存在するすべての天然油由来ポリオールの総合重量の少なくとも約50重量パーセントの量で存在する、天然油ポリオールである、実施形態16に記載の組成物。
18.少なくとも1つ、好ましくはすべての天然油由来ポリオールが、好ましくは多くとも約2000ダルトンの数平均分子量を有する、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
19.該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質、ここで、多くとも約100センチポアズの粘度、独立して、溶剤中、少なくとも約50、好ましくは60重量パーセント ポリオールという固形分で多くとも約10,000、5000、又は1000(のいずれか)を有する少なくとも1つの天然油由来ポリオール
20.該塗料、接着剤、結合剤又はそれらの組み合わせが、場合によりワンパッケージ組成物であり、その結合剤成分及び架橋成分が、容器入り又はツーパック組成物として互いにブレンドされ、該架橋成分が、基材に塗布する直前に該結合剤成分と混合される、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
21.該天然油由来ポリオール又はその組み合わせが、分子1個につき平均で少なくとも約1.5、1.75又は2個(のいずれか)、且つ、好ましくは多くとも約3、2.75又は2.5個(のいずれか)のヒドロキシル基を有する、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
22.該天然油由来ポリオールのヒドロキシル当量が、少なくとも約200、400、600(のいずれか)、且つ、好ましくは多くとも約5000、1500、1000(のいずれか)である、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
23.開始脂肪酸ポリオール又はVOBポリオールを製造するために使用される開始剤が、2個又はそれ以上のヒドロキシル、第一アミン又は第二アミン基を含有する、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
24.開始脂肪酸ポリオール又はVOBポリオールを製造するために使用される開始剤が、アルカノールアミン、ポリアミン又はそれらの組み合わせである、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
25.該開始剤が、分子1個につき少なくとも約1又は2個(のいずれか)のヒドロキシル基、アミン基又はそれらの組み合わせ、且つ、好ましくは多くとも6、4又は3個(のいずれか)のヒドロキシル若しくはアミン基又はそれらの組み合わせ、より好ましくはヒドロキシル基を有する、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
26.該開始剤が、ポリオールである、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
27.該開始剤が、少なくとも約32又は116ダルトン(のいずれか)、好ましくは多くとも約550、5000、1000又は10000ダルトン(のいずれか)の分子量を有する、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
28.該開始剤が、エチレングリコール、1,2−及び1,3−プロピレングリコール、1,4−及び2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール、キニトール、マンニトール、ソルビトール、メチルグリコシド、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジブチレングリコール及びそれらの組み合わせから選択される、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
29.該天然油由来ポリオールが、ヒドロキシメチル脂肪酸エステル1個につき平均で少なくとも約0.5、0.75、1.0個(のいずれか)、且つ、好ましくは多くとも約2、1.75又は1.5個(のいずれか)のヒドロキシメチル基を有するヒドロキシメチル基含有脂肪酸アルキルエステル組成物を反応させることによって調製される、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
30.該天然油由来ポリオールが、天然油由来ポリオールとは異なる少なくとも1つの追加のポリオールと共に使用される、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
31.該追加のポリオールが、少なくとも1つのアクリルポリオール、少なくとも1つのポリエステルポリオール、少なくとも1つのポリカーボネートポリオール、少なくとも1つのポリウレタンポリオール、少なくとも1つのポリエーテルポリオール、又はそれらの組み合わせから選択される、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
32.該追加のポリオールが、(メタ)アクリルポリオールである、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
33.該追加のポリオールが、有利には少なくとも約400又は500(のいずれか)、好ましくは多くとも約10000又は20000(のいずれか)の数平均分子量を有する(メタ)アクリルポリオールである、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
34.該追加のポリオールが、分子1個につき少なくとも約2個(のいずれか)から多くとも約10、6又は4個(のいずれか)のヒドロキシル官能基を有し、そのうち好ましくは少なくとも約2個、且つ、好ましくは多くとも約4個が、第一ヒドロキシル基である、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
35.該(メタ)アクリルポリオールが、ヒドロキシル基を含有する不飽和酸モノマー又はそれらのポリマーの重合性エステルと1つ又はそれ以上の他のα,β−不飽和脂肪酸モノマーとのポリマーである、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
36.該(メタ)アクリルポリオールが、そのアルキル基に1から18個の炭素原子を好ましくは有する少なくとも1つのアルキル(メタ)アクリレートモノマーのポリマー、又は少なくとも1つの(メタ)アクリルモノマーと少なくとも1つのヒドロキシル官能性モノマーからのポリマーである、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
37.該(メタ)アクリルポリオールが、そのアルキル基に1から4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、エチレン重合シラン、例えばトリメトキシプロピルシリルメタクリレート;若しくはt−ブチルアミノエチルメタクリレート又はそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの構成員のポリマーである、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
38.該他のα,β−不飽和モノマーが、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、s−ブチルアクリレート、s−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、p−ビニルトルエン、又はアクリロニトリル、及びそれらの組み合わせから選択される、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
39.該追加のポリオールが、少なくとも1つのポリエステルポリオールを含む、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
40.該追加のポリオールが、少なくとも1つのポリオール、好ましくは少なくとも1つのジオールと、少なくとも1つのポリカルボン酸又はその無水物、好ましくは少なくとも1つのジカルボン酸、ジカルボン酸無水物又はその組み合わせの反応生成物である、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
41.該追加のポリオールが、ポリエステルポリオールであり、該少なくとも1つのポリカルボン酸又はその無水物が、脂肪族、脂環式、芳香族、複素環式又はそれらの組み合わせであり、場合により置換されている又は非置換であり、及び独立して、飽和されている又は不飽和である、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
42.該追加のポリオールが、ポリエステルポリオールであり、該少なくとも1つのポリカルボン酸又はその無水物が、コハク酸、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸無水物、フタル酸無水物、マレイン酸、マレイン酸無水物及びフマル酸又はそれらの組み合わせから選択される、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
43.該追加のポリオールが、ポリエステルポリオールであり、該ポリエステルポリオールの製造に使用される少なくとも1つのポリオールが、多くとも約150の当量を有する、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
44.該追加のポリオールが、ポリエステルポリオールであり、該ポリエステルの製造に使用される少なくとも1つのポリオールが、エチレングリコール、1,2−及び1,3−プロピレングリコール、1,4−及び2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール、キニトール、マンニトール、ソルビトール、メチルグリコシド、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、少なくとも1つのポリカプロラクトンポリオール及びそれらの組み合わせから選択される、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
45.該結合剤組成物が、少なくとも約400から多くとも約20,000の分子量を有する、VOBポリオールとは異なるポリエステルポリオールである、少なくとも1つのポリオールを含む、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
46.該結合剤組成物が、−50℃から+100℃の範囲のTgを有するポリエステルポリオールである、少なくとも1つのポリオールを含む、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
47.該結合剤組成物が、分子1個につき少なくとも約1,2又は4個(のいずれか)の第一ヒドロキシル基を有するポリエステルポリオールである、少なくとも1つのポリオールを含む、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
48.該結合剤組成物が、ポリエーテルポリオール、好ましくは1つ又はそれ以上のアルキレンオキシド、より好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシド及び1,2−ブチレンオキシド、又はそれらの混合物である、少なくとも1つのポリオールを含む、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
49.該結合剤組成物が、ポリプロピレンオキシド、若しくはプロピレンオキシドとエチレンオキシドのポリマー、又はそれらの組み合わせであるポリエーテルポリオールである、少なくとも1つのポリオールを含む、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
50.該結合剤組成物が、少なくとも1つの天然油由来ポリオールと少なくとも1つの追加のポリオールを含み、該天然油由来ポリオールが、その塗料、接着剤、結合剤又はそれらの組み合わせの組成物中の該他のポリオール(単数又は複数)と混和性である、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
51.該結合剤組成物が、少なくとも1つの天然油由来ポリオールと少なくとも1つの追加のポリオールを含み、それらの計算総溶解度パラメータの差が、多くとも約1.0、0.75、0.5若しくは0(のいずれか)である、又は該溶解度パラメータの三次元成分の差が、多くとも約1.0、0.75、0.5若しくは0(のいずれか)である、又は両方の組み合わせである、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
52.該結合剤組成物が、少なくとも1つの天然油由来ポリオールと少なくとも1つの追加のポリオールを含み、該追加のポリオールが、(メタ)アクリルポリオールである、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
53.該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質、ここで、少なくとも1つの追加のポリオール、ここで、約500、1000、1500、2000(のいずれか)、且つ、好ましくは多くとも5000、10000、20000又は100000(のいずれか)の数平均分子量、少なくとも約−50、−25、−10、0℃(のいずれか)、且つ、好ましくは多くとも約30、50、75又は100℃(のいずれか)のTgを有する(メタ)アクリルポリオール。
54.本発明の組成物が、少なくとも2つの反応性イソシアネート基を有する少なくとも1つのポリイソシアネート、少なくとも1つのメラミン及びそれらの組み合わせからなる群より選択される架橋成分を含む、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
55.該架橋成分が、分子1個につき平均で少なくとも約2、2.5、2.7又は3個(のいずれか)、且つ、好ましくは多くとも約4、3.75、3.50、3.25個(のいずれか)のイソシアネート官能基を有する少なくとも1つのポリイソシアネートを含む、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
56.該組成物が、少なくとも約0.90、0.95、1.0(のいずれか)、好ましいところから多くとも約1.10、1.05、1.03又は1.01(のいずれか)である全ポリオールのヒドロキシル基に対する該架橋成分中のポリイソシアネート上のイソシアネート基のモル比を有する、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
57.該ポリイソシアネートが、芳香族、脂肪族又は脂環式であり、独立して、少なくとも1つのジ−、トリ−若しくはテトラ−イソシアネート又はそれらの組み合わせであり、独立して、場合により、イソシアヌレート構造単位、又はそれらの組み合わせを含む、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
58.該架橋成分が、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート、1,3− シクロヘキサンビス(イソシアナトメチル)のイソシアヌレート、1,4−シクロヘキサンビス(イソシアナトメチル)のイソシアヌレート、及び1,3−シクロヘキサンビス(イソシアナトメチル)と1,4−シクロヘキサンビス(イソシアナトメチル)の混合物のイソシアヌレート;2分子のジイソシアネート、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、の付加体;ヘキサメチレンジイソシアネートのウレチジオン;イソホロンジイソシアネートのウレチジオン又はイソホロンジイソシアネート;m−テトラメチルキシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート;ジオール、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、2、3−ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、オメガ,オメガ−ジプロピルエーテルジイソシアネート、1 ,3−シクロペンタンジイソシアネート、1 ,2−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンビス(イソシアナトメチル)、1,4−シクロヘキサンビス(イソシアナトメチル)、1,3−シクロヘキサンビス(イソシアナトメチル)と1,4−シクロヘキサンビス(イソシアナトメチル)の混合物、4−メチル−1,3−ジイソシアナトシクロヘキサン、トランス−ビニリデンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4[プライム]−ジイソシアネート、3,3[プライム]−ジメチルジシクロヘキシルメタン4,4[プライム]−ジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、1,3−ビス(1−イソシアナト1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、キシレンジイソシアネート、1,5−ジメチル−2,4−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,5−ジメチル−2,4−ビス(2−イソシアナトエチル)ベンゼン、1,3,5− トリエチル−2,4−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、4,4[プライム]−ジイソシアナトジフェニル、3,3[プライム]− ジクロロ−4,4[プライム]−ジイソシアナトジフェニル、3,3[プライム]−ジフェニル−4,4[プライム]- ジイソシアナトジフェニル、3,3[プライム]−ジメトキシ−4,4[プライム]−ジイソシアナトジフェニル、4,4[プライム]− ジイソシアナトジフェニルメタン、3,3[プライム]−ジメチル−4,4[プライム]−ジイソシアナトジフェニルメタン、ジイソシアナトナフタレン、イソシアヌレート構造単位を有するポリイソシアネート、2分子のジイソシアネート、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート又はイソホロンジイソシアネートと、ジオール、例えばエチレングリコールとの付加体、3分子のヘキサメチレンジイソシアネートと1分子の水の付加体、1分子のトリメチロールプロパンと3分子のトルエンジイソシアネートの付加体、1分子のトリメチロールプロパンと3分子のイソホロンジイソシアネートの付加体、1,3,5−トリイソシアナートベンゼン及び2,4,6−トリイソシアナトトルエン、1分子のペンタエリトリトールと4分子のトルエンジイソシアナートの付加体並びにこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの化合物を含む、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
59.該ポリイソシアネートのイソシアネート官能基の少なくとも一部分が、時期尚早の架橋を防止するために単量体アルコールでキャップされる、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
60.該塗料、結合剤又はそれらの組み合わせが、透明であるか、着色されており、独立して、モノ−コート又はベースコートである、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
61.該架橋成分が、少なくとも1つのメラミンホルムアルデヒド樹脂、好ましくは少なくとも1つのアルコキシモノメリックメラミンを含む、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
62.該架橋成分が、少なくとも1つのアルキル化メラミン、メチル化、ブチル化、イソブチル化メラミン;ヘキサメチロールメラミン、トリメチロールメラミン、部分的にメチル化したヘキサメチロールメラミン、ペンタメトキシメチルメラミン又はそれらの組み合わせを含む、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
63.該架橋成分が、少なくとも1つの少なくとも1つのメラミンを含み、及びその結合剤及び架橋成分固形分の総重量に基づき少なくとも約10、15、20又は30重量パーセント(のいずれか)、且つ、好ましくは多くとも約50、45、40、35重量パーセント(のいずれか)のメラミンを含む、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
64.該塗料、接着剤、結合剤又はそれらの組み合わせの組成物が、その結合剤成分と架橋剤成分の反応を促進する、従って、硬化を促進するために少なくとも1つの触媒をさらに含み、好ましくは該少なくとも1つの触媒が、芳香族スルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸(これらのそれぞれが、独立して、場合により、ブロックされていない、又はブロックされている)、強酸、リン酸、フェニル酸ホスフェート(これらのそれぞれが、独立して、場合により、ブロックされていない、又はブロックされている);錫化合物、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、第一錫オクトアート、及びジブチル錫オキシド、t−アミン又はそれらの組み合わせから選択される、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
65.該塗料、接着剤、結合剤又はそれらの組み合わせの組成物が、好ましくは芳香族炭化水素、ケトン、エステル及びそれらの組み合わせからなる群より選択される;より好ましくは石油ナフサ、キシレン;メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、アセトン;ブチルアセテート又はヘキシルアセテート、グリコールエーテルエステル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びそれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つの有機溶剤をさらに含む、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
66.該塗料、接着剤、結合剤又はそれらの組み合わせの組成物が、その塗料、接着剤、結合剤又はそれらの組み合わせの組成物の総重量に基づき、少なくとも約50、60、70、又は80パーセント(のいずれか)、好ましいところから多くとも85、90、95、又は100パーセント(のいずれか)の固形分レベルを有する、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
67.該塗料、接着剤、結合剤又はそれらの組み合わせの組成物が、結合剤及び架橋成分固形分の重量に基づき、少なくとも約0.1、1、1.5重量パーセント(のいずれか)、より好ましいところから多くとも約5、2.5又は2重量パーセント(のいずれか)の量で好ましくは存在する、少なくとも1つの紫外線安定剤、吸収剤又はそれらの組み合わせを含み、最も好ましくは、該安定剤又は吸収剤が、少なくとも1つの紫外線吸収剤、遮断剤、失活剤及び特定のヒンダードアミン光安定剤又はそれらの組み合わせから選択される、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
68.該塗料、接着剤、結合剤又はそれらの組み合わせの組成物が、少なくとも1つの酸化防止剤を、好ましくは、結合剤及び架橋成分固形分の総重量に基づき、少なくとも約0.1、より好ましいところから多くとも約5重量パーセントの量でさらに含む、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
69.該塗料、接着剤、結合剤又はそれらの組み合わせの組成物が、安定剤、レオロジー調節剤、流動剤、顔料 強化剤、充填剤及びそれらの組み合わせから好ましくは選択される、少なくとも1つの添加剤をさらに含む、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
70.該塗料、接着剤、結合剤又はそれらの組み合わせの組成物が、少なくとも1つの顔料をさらに含有し、好ましくは、総顔料量が、その結合剤及び架橋成分固形分の総重量に基づき0.1重量パーセントから200重量パーセントである、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
71.該塗料、接着剤、結合剤又はそれらの組み合わせの組成物が、ツーパック塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせの組成物の形態(第一パックが結合剤成分を含み、及び第二パックが、ポリイソシアネート若しくはメラミンを含有する架橋剤成分を含む)で、又は独立して、ワンパック塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせの組成物の形態(両方の成分が、ワンパック塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせの組成物の形態で同じ容器内に供給若しくは保管される)で供給される、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
72.該硬化が、周囲温度若しくはそれより高温のいずれかで1段階で、又は2又はそれ以上の段階で(ここで、第一段階が周囲条件で行われ、第二段階が高温、好ましくは焼生温度で行われる)行われる、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
73.該塗料、接着剤、結合剤又はそれらの組み合わせの組成物が、少なくとも約80℃、且つ、好ましくは160又は200℃以下の温度に、好ましくは10から60分の時間、加熱される、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
74.該塗料、接着剤、結合剤又はそれらの組み合わせが、有利には25マイクロメートルから75マクロメートルの範囲の厚さを有する、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
75.該塗料、接着剤、結合剤又はそれらの組み合わせが、金属基材、好ましくは自動車部品、より好ましくは車体部に、場合により、他の塗料、接着剤、結合剤又はそれらの組み合わせの組成物の層でのプレコート、例えば、エレクトロコート、プライマー及びベースコート後に塗布される、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
76.該塗料、接着剤、結合剤又はそれらの組み合わせの組成物が、建築用、自動車用、工業用塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又はそれらの組み合わせである、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
77.該塗料、接着剤、結合剤又はそれらの組み合わせの組成物が、少なくとも1つの基材、好ましくは少なくとも1つの金属、プラスチック、複合材、木材、コンクリート基材又はそれらの組み合わせに塗布される、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
78.該塗料、接着剤、結合剤又はそれらの組み合わせの組成物が、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせの組成物の1リットルあたり多くとも約250又は150gいずれかの溶剤又は、独立して、少なくとも約50重量パーセントの固形分を有する塗料、接着剤、結合剤又はそれらの組み合わせである、低VOC塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせとして適格である、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
79.該組成物が、少なくとも1つの塗料、接着剤、結合剤又はそれらの組み合わせ、インク、接着剤、シーラント、又はそれらの組み合わせとして使用される、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
80.該塗料、接着剤、結合剤又はそれらの組み合わせの組成物が、自動車車体若しくは部品、屋外標識、電子デバイス、複合材又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つのための塗料、接着剤、結合剤又はそれらの組み合わせとして使用され、好ましくは、該塗料、接着剤、結合剤又はそれらの組み合わせが、機能的なもの及び装飾用のもの又はそれらの組み合わせのいずれかである、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
81.該塗料、接着剤、結合剤又はそれらの組み合わせが、少なくとも1つの金属、プラスチック、木材若しくは木製製品又はそれらの組み合わせを含む少なくとも1つの基材上に塗装される、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質。
82.得られた塗料、接着剤、結合剤又はそれらの組み合わせが、下記のいずれか少なくとも1つ、有利には少なくとも2つ、及び独立して、好適性が高まるにつれて少なくとも約3、4、5、6又は7つのそれぞれを有する、該いずれかの実施形態に記載の組成物、プロセス、塗料、接着剤、結合剤若しくはそれらの組み合わせ又は物質であって:
(a)少なくとも約4、好ましくは5であるASTM1308の手順に従って測定される耐薬品性;
(b)60℃で少なくとも約3、4若しくは5(のいずれか)又は独立して70℃で少なくとも約2、3、若しくは4から5である耐酸腐食性;
(c)少なくとも約150、175、又は200から200(のいずれか)の二重摩擦であるメチルエチルケトンを使用してASTM D5402の手順によって測定される耐溶剤性;
(d)少なくとも約40、50又は60(のいずれか)であるASTM D4366の手順に従って測定される振子硬度;
(e)少なくとも約2B、HB又はF(のいずれか)であるASTM D3363の手順に従って測定される鉛筆硬度;
(f)少なくとも約10、20若しくは30(のいずれか)であるHUとして表される、コネチカット州のFisher Technologyから商品名FISCHERSCOPE H100Cで市販されているビッカースインデンタを使用して特定されるユニバーサル硬度若しくはビッカース硬度;又は
(g)少なくとも4B又は5のいずれかであるASTM D3359(クロスハッチ接着)の手順に従って測定される接着力。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.(1)少なくとも約50パーセントの第一ヒドロキシル基を有する、5から100重量パーセントの少なくとも1つの天然油由来ポリオールと(2)天然油由来ポリオールとは異なる、100パーセントにするために十分な追加のポリオールとを含む結合剤成分(ここで、前記天然油由来ポリオールは、分子1個につき平均で1.5から3個のヒドロキシル基及び200から5000の当量を有する);及び
b.ヒドロキシル基に対して反応性の架橋成分
を含む、ポリマー組成物。
【請求項2】
少なくとも1つの天然油由来ポリオールが、植物油系ポリオールである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記天然油由来ポリオール及び追加のポリオールが、多くとも約1.5単位互いに異なる計算ホイ溶解度パラメータ(calculated Hoy solubility parameters)を有する、請求項1から2のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項4】
結合剤成分が、少なくとも1つの天然油由来ポリオール及び他のポリオールを含み、前記結合剤成分の約5重量パーセントより多い量で存在する前記他のポリオールのそれぞれが、その天然油由来ポリオールのものと多くとも約1.5単位異なる計算ホイ溶解度パラメータを有し、並びに前記他のポリオールが、天然油由来ポリオール、追加のポリオール及びそれらの組み合わせから選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
ホイ溶解度パラメータの差を測定する天然油ポリオールが、存在する任意の他の天然油由来ポリオールの量より多い又はそれに等しい量で存在する天然油ポリオールである、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記架橋成分が、アミノプラスト樹脂、ポリイソシアネート、フェノール樹脂、シクロ脂肪族エポキシド又はそれらの組み合わせから選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記結合剤成分が、前記天然油由来ポリオールに加えて少なくとも1つの追加のポリオール(メタ)アクリルポリオールを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記架橋成分が、少なくとも1つのアミノプラスト樹脂を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記架橋成分が、少なくとも1つのイソシアネート化合物を含み、前記組成物が、少なくとも約0.90から多くとも約1.10である、全結合剤組成物のヒドロキシル基に対する前記架橋剤成分中のポリイソシアネート上のイソシアネート基のモル比を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
溶剤又は揮発性有機化合物中、少なくとも約60重量パーセント固形分である、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
得られた塗膜が、次のうちの少なくとも2つを有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
(a)少なくとも約4であるASTM1308の手順に従って測定される耐薬品性;
(b)60℃で少なくとも約3(のいずれか)又は独立して70℃で少なくとも約2である耐酸腐食性;
(c)少なくとも約150の二重摩擦であるメチルエチルケトンを使用してASTM D5402の手順によって測定される耐溶剤性;
(d)少なくとも約40であるASTM D4366の手順に従って測定される振子硬度;
(e)少なくとも約2BであるASTM D3363の手順に従って測定される鉛筆硬度;
(f)少なくとも約10のHUとして表されるコネチカット州のFisher Technologyから商品名FISCHERSCOPE H100Cで市販されているビッカースインデンタを使用して特定されるユニバーサル硬度若しくはビッカース硬度;又は
(g)少なくとも4BであるASTM D3359(クロスハッチ接着)の手順に従って測定される接着力。
【請求項12】
少なくとも1つの塗料、接着剤、結合剤、又はこれらの組み合わせとして使用される、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
基材の表面に対する塗膜、接着剤、又は結合剤を製造するためのプロセスであって、
(a)(1)少なくとも約50パーセントの第一ヒドロキシル基を有する、5から100重量パーセントの少なくとも1つの天然油由来ポリオールと(2)天然油由来ポリオールとは異なる、100パーセントにするために十分な追加のポリオールとを含む結合剤成分(ここで、前記天然油由来ポリオールは、分子1個につき平均で1.5から3個のヒドロキシル基、及び200から5000の当量を有する);及びヒドロキシル基に対して反応性の架橋成分を混合する段階;並びに
(b)前記混合物の層を前記表面に塗布する段階
を任意の順序で含むプロセス。
【請求項14】
前記塗料、接着剤又は結合剤が、少なくとも約80℃から200℃の温度に加熱される、請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物から調製される、塗料、接着剤、結合剤又はそれらの組み合わせ。
【請求項16】
自動車車体若しくは部品、屋外標識、電子デバイス、複合物若しくはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つに対して、若しくはそれらの製造に使用される;少なくとも1つの金属、プラスチック、木材若しくは木製製品、又はそれらの組み合わせを含む少なくとも1つの基材の上に塗装される;或いは両方の組み合わせである、請求項15に記載の塗料、接着剤結合剤又はそれらの組み合わせ。
【請求項17】
請求項15又は16に記載の塗料、接着剤、結合剤又はそれらの組み合わせを含む物品。
【請求項18】
請求項13又は14のプロセスに従って製造される塗装基材。
【請求項19】
積層物、又は請求項18に記載の塗装基材を含む積層物である、請求項17に記載の物品。

【公表番号】特表2010−525151(P2010−525151A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506386(P2010−506386)
【出願日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際出願番号】PCT/US2008/059863
【国際公開番号】WO2008/134217
【国際公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】