説明

凹凸のない平面ミラーを有するミラー素子

【課題】本発明はミラー配列を構成するミラー素子に関して開示する。ミラー配列は複数のミラー要素を有する。各々の要素はヒンジに支持されたミラーを構成する。このような、平らなミラー傷や凹凸なく製造するのが困難であった。
【解決手段】ヒンジをミラーに直接取り付け、実質的にミラーとヒンジを直角にすることにより解決されて。また、ヒンジの先をミラーの底部の層に埋め込むように付着することにより解決された。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細電気力学的(MEMS)技術を適用した製造方法およびこの製造方法を適用することによって改良された素子構造に関する。特に、本発明は、平で凹凸のないマイクロミラー面を有するマイクロミラー素子やマイクロウィンドーを有するマイクロウィンドー素子を生産する際の製造プロセスに関する。本発明は、マイクロミラーが高いコントラストを有する高性能の映像装置を得るために用いられるときに、特に有利である。
【背景技術】
【0002】
可動部分としてマイクロミラー(反射素子)またはマイクロウインドウ(透過素子)を有する空間光変調器を製造したり組み込んだりする技術において、近年に重要な進歩がなされたが、いまだ製造プロセスにおいて、技術的な限界および問題点がある。この問題点とは、ヒンジがミラー等の可動部分に取り付けられ際、平らなミラーやウインドウを傷や凹凸なく製造するのが困難であったことである。
【0003】
MEMS素子は、センサ、アクチュエータおよび表示素子としての用途が豊かなことで近年大きな関心を引いている。MEMS素子はしばしば図1に示すような構造を有し、電子回路が基板の上に形成され、そして、その回路が電極に電圧または電流を印加するかまたは電極から電圧または電流を検出する。MEMS構造は、電極およびMEMS構造間の空隙を有する電極の上かその近くにしばしば形成される。
【0004】
図1に示される上面図は、ミラーの中心部に典型的な従来のマイクロミラー素子が孔を有していることを示す。通常の映像ディスプレー装置において使われるミラー素子の表面が平らでなかったり一様でなかったりするために、映像品質に悪影響を与える。それは不均一なミラーの表面にできた孔や凹凸によって入射光が望ましくない反射を起こすからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、いかなる孔も、凹凸も残すことのない平坦なミラーやウインドウを製造するために、MEMS技術を改善する必要性が高い。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0006】
本発明の目的は、平らでスムースなミラー面を有するマイクロミラーアレーを有するミラー素子の新しく改良された構造とその製造方法を提供することにある。そして、このミラー素子は上述された限界や問題を解決することが出来る。
【0007】
本発明の別の目的は、高いレベルの性能が得られるミラーを提供より安いコストで提供し、ヒンジと平らで凹凸のないミラー面を簡易に製造することを可能とする新しく改良されたMEMS素子の構造とその製造方法を提供することにある。
【0008】
本発明の別の目的は、高いレベルの性能が得られるミラーを提供より安いコストで提供し、ヒンジの変形の原因になる金属マイグレーションを防ぐことにより定型的な構造を提供することにある。
【0009】
本発明の別の目的は、ヒンジが電極より高い台の上に構築され、そのヒンジの台がミラーのストッパーとしての働きもすることが出来、そして電極上の誘電体層の電界破壊の問題を解決し、このような台上に構築されたヒンジと平らで凹凸のないミラーを製造することを可能とする新しく改良されたMEMS素子の構造とその製造方法を提供することにある。
【0010】
本発明の別の目的は、半導体の側壁をエッチングして、犠牲層で孔を埋めた後に表面を磨き、犠牲層を突き通したヒンジが残るように犠牲層をエッチングすることによって、ヒンジおよびミラーを製造するための新規で改良されたMEMS素子の構造とその製造方法を提供することにある。そして、金属層が突き出したヒンジの上にミラー面を形成するように付着される。ヒンジがミラーの厚みと比較して非常に薄いので、平坦でなめらかなミラー面が形成され、そして、ヒンジはミラーの表面のいかなる目立つ傷も残すことなくミラー面に埋込まれる。
【0011】
本発明の別の目的は、通常の製造プロセスを使いチタンやAl2O3(三酸化二アルミニウム)によるマイグレーション防止層を形成し安定した構造を提供し、新規で改良されたMEMS素子の構造とその製造方法を提供することにある。ここでマイグレーション防止層はヒンジの台からヒンジや電極への金属マイグレーションを防ぎ、ヒンジの変形や電極の劣化を防ぐ働きを有する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1は、従来のMEMSシステム製造プロセスによって製造されたマイクロミラーの中央にできた凹みや孔を例示するための上部から見た写真である。
【0013】
図2は、本発明の一実施例としてのマイクロミラー構造の側面から見た断面図である。
【0014】
図3は、ヒンジフットを有し、ヒンジフットとヒンジが一体構造からなる半導体で形成され、ヒンジタブ上に金属ミラーが付着形成された本発明の一実施例としてのマイクロミラー構造の側面から見た断面図である。
【0015】
図4は、ヒンジタブを有し、金属ミラーに凹みが形成された本発明の一実施例としてのマイクロミラー構造の側面から見た断面図である。
【0016】
図5は、ヒンジタブを有し、金属ミラーと異なる材料からなるミラービアがヒンジタブとミラーの間に形成され、ミラーの表面を平らにするためにミラー表面が磨かれた本発明の一実施例としてのマイクロミラー構造の側面から見た断面図である。
【0017】
図6Aと図6Bは、簡単な製造プロセスで製造された凹凸のない平らなミラー面を有する本発明の一実施例としてのマイクロミラー構造の側面から見た断面図である。
【0018】
図7は、半導体ヒンジにミラーの金属がマイグレーションすることを防ぐマイグレーション防止層を有する本発明の一実施例としてのマイクロミラー構造の側面から見た断面図である。
【0019】
図8は、半導体ヒンジにミラーの金属がマイグレーションすることを防ぐマイグレーション防止層を有し、そしてより短いヒンジが使えるようにヒンジ台を有する本発明の一実施例としてのマイクロミラー構造の側面から見た断面図である。
【0020】
図9は、ヒンジ台の上に形成されたより短いヒンジを有し、そのヒンジ台は電極より高く位置し、そのヒンジ台が電極と同じ高さのヒンジ電極の上に形成された本発明の一実施例としてのマイクロミラー構造の側面から見た断面図である。
【0021】
図10は、ミラーストッパーとしての機能を有する2つのストッパーを含むヒンジ台を有する本発明の別の実施例の側面から見た断面図である。
【0022】
図11Aから図11Cは、本発明のミラーデバイスを製造する過程を示した断面図である。
【0023】
図12Aから図12Gは、空洞の側壁の上にヒンジを形成する工程を示す断面図と斜視図である。
【発明の目的】
【0024】
本発明の目的は、平らでスムースなミラー面を有するマイクロミラーアレーを有するミラー素子の新しく改良された構造とその製造方法を提供することにある。そして、このミラー素子は上述された限界や問題を解決することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図2は、本発明の例示的実施形態としてMEMS技術を適用することによって製造されるマイクロミラーを図示する断面図である。マイクロミラーはヒンジ103の上に支持されるミラー101を含む。ミラー101は、平らで孔や凹凸のないスムースな表面で出来たアルミニウム表面で形成される。ヒンジ103はシリコンヒンジのような半導体ヒンジで形成される。ヒンジ103は絶縁層104の上に逆L字型のフットを有する。
【0026】
ミラー部分はさらに2つの電極102を有し、これらの電極はミラー101の下側のヒンジ103の両側に形成される。電極102は信号線105と109と接続され、これらの信号線は内部誘電体層(ILD層)106,107.108を突き抜けるように貫通接続部110、112、115によって接続されている。ミラー部分はシリコン基板のような半導体基板111の上に支持、製造される。トランジスター113と114はCMOS製造プロセスで半導体基板上に形成される。
【0027】
信号線105と109はミラー101の偏向を制御するために電極102に電圧を印加するための制御信号を伝達するワード線とビット線として形成される。この電極はあらかじめ決められた最大偏向角でミラー101を停止するためのミラーストッパーとしても機能する。さらに下記されるように、ヒンジ103の頭の部分は図11Aから11Cで図示されるような特別な製造プロセスによってミラー101の底の層に埋め込まれる。
【0028】
図3は本発明の別の実施例におけるマイクロミラー部分の横断面図である。マイクロミラー部分は半導体ヒンジ202の上に支持される平面ミラー201を含み、この半導体ヒンジはミラー201を支持するためのフットとしてのミラー台を持つ。マイクロミラー部分はさらに2つの電極205を有し、これらの電極は二つのエッチストップ層204と206上に形成される。電極205はエッチストップ層204、206と内部誘電体層(ILD層)203を突き抜けて貫通電極208に接続される。内部誘電体層(ILD層)203は半導体基板210の上に形成されそして絶縁層207の上部に形成される。
【0029】
図3Aはマイクロミラー素子の写真である。たとえ図3で示されるような構成であってミラー201の孔を塞ぐのに有利であっても、ミラー表面には凹みが残りそしてミラー表面は図3Aに示されるたわみ変形をする。
【0030】
図4は本発明の別の実施例におけるマイクロミラー部分の横断面図である。マイクロミラー部分はフットとヒンジタブ253を含む半導体ヒンジ254上に形成されたミラー251を含む。ヒンジタブ253はミラー251をミラーとヒンジを繋ぐビア255を通して支持し、このミラーとヒンジを繋ぐビア255はミラー孔252を囲み、ヒンジタブ253に接続する。ミラーとヒンジを繋ぐビア255はアルミニウムのようなミラー材料で構成され、ヒンジタブ253上に位置する。
【0031】
図4に示されるマイクロミラー部分は図3のマイクロミラー部分で発生したミラー表面の変形である表面のたわみの問題を解決した。しかし、ミラー251は貫通孔252を有し、孔のへりやコーナーで光が反射し、映像品質を劣化させる。
【0032】
図5は本発明の別の実施例におけるマイクロミラー部分の横断面図である。マイクロミラー部分はヒンジフットとヒンジタブ253を含む半導体ヒンジ254上に形成されたミラー251を含む。ヒンジタブ243は、図4で示されたようなミラーとヒンジを繋ぐビア242のような貫通孔を埋めることで、ミラーとヒンジを繋ぐビア242を介してミラー241を支持する。ミラーとヒンジを繋ぐビア242は導電材料で埋められ、研磨工程によって平らにされる。このマイクロミラー部はミラー表面が撓んだり孔ができたりする問題が解決されている。しかしながら、図5で示されるこのマイクロミラー部は製造コストに影響を与えるようなより多くの製造工程を必要とする。
【0033】
図6Aは、本発明の他の実施例としてのマイクロミラー部分の横断面図である。マイクロミラー部分は、半導体ヒンジ262で支えられるミラー261を含む。ヒンジ262は、2本の電極263によって異なる偏向するように制御されるミラー261に直接付着する。このとき、電極263は半導体基板上に露出し、異なる電圧が印加される。図6Bは図6Aで示されたマイクロミラー部分と同様の構造を有するが、図6Bのヒンジ264はミラー261の裏面に付着しミラー261の中に埋め込まれてミラーと付着している点が異なる。ミラーの裏側の層は半導体材料から成るエッチストップ層から成る。図11および12で以下に開示されている製造工程によれば、ミラーが半導体材料から成るエッチストップ層によって保護されていることは好ましい。ミラーへのヒンジの付着深さは、100オングストローム以上であり、ミラー厚の5%から3分の2を超えない範囲が望ましい。ヒンジ262は、ミラー261の裏面層に直接付着され、ミラー261の裏面層を突き抜けることはない。このマイクロミラー部分はミラー表面が撓んだり孔ができたりする問題が解決されている。さらにまた、図6に示されるマイクロミラー部分は、簡単な製造工程で製造することができ、よって、製造コストを低減できる。
【0034】
図7は、本発明の別の実施例におけるマイクロミラー部分の横断面図である。マイクロミラー部分は、半導体ヒンジ273で支えられるミラー271を含む。ヒンジ273は、ヒンジにミラー材料のマイグレーションを防止するためにミラー271およびヒンジ273の間にマイグレーション防止層272を形成し、この層を介してミラー271を支持する。マイグレーション防止層は、このように、ヒンジにミラー材料のマイグレーションによって生じるヒンジ273の変形を防止する。マイグレーション防止層は、Ti(チタン)層であってもよい。望ましくは、マイグレーション防止層は、半導体ヒンジおよび金属層間の全ての境界域に形成される。
【0035】
図8は、本発明の別の実施例におけるマイクロミラー部分の横断面図である。マイクロミラー部分は、ヒンジ283で支えられるミラー281を含む。ヒンジ283は、ヒンジにミラー材料のマイグレーションを防止するためにミラー281およびヒンジ283の間にマイグレーション防止層282を形成し、この層を介してミラー281を支持する。マイグレーション防止層は、このように、ヒンジにミラー材料のマイグレーションによって生じるヒンジ273の変形を防止する。
【0036】
ヒンジは、ヒンジ台286の上に支持される。このヒンジ台286は、マイグレーション防止層284の下に障壁金属層285で覆われ、ヒンジ283のフット部が接続、支持される。第2のマイグレーション防止層284は、ヒンジ台286(例えばアルミニウムから成るヒンジ台)の材料のマイグレーションを予防する。ヒンジ台286は、第3のマイグレーション防止層287およびエッチストップ層288によって保護された内側の誘電体(ILD)層290の上に配置される。第3のマイグレーション防止層287は、機械的変形と同様に電気伝導度に影響を及ぼしている隣接層間での、ヒンジ台(例えばアルミニウムで形成されたヒンジ台)の金属材料のマイグレーションを防止する。
貫通部289は、ヒンジ台を電気的配線(特に示されない)に電気的に接続するためのILD層290の表面に配置される。マイグレーション防止層(例えば層282、284、および287)は、Ti(チタン)層であってもよい。望ましくは、マイグレーション防止層は、半導体ヒンジおよび金属ヒンジ台286とエッチストップ層288の間の全ての境界域に形成される。
【0037】
図9は、本発明の別の実施例におけるマイクロミラー部分の横断面図である。マイクロミラー部分は、水平状態と傾いた引き込み状態の間を動作するミラー291を含む。ミラー291はヒンジ293で支えられ、そして、ヒンジは内側の誘電体(ILD)層298の上に形成された3個の電極295のうちの1個の電極の上に形成されたヒンジ台294の上に形成される。電極295は、ILD層298に開けられた貫通接続部297を介して、接地線や電源線(ここで特に示されない)に接続している。
【0038】
本実施例はミラー291が印加電圧で電極に接触することを防ぐ構造を提供する。電極に接触する代わりに、ミラー296は傾いた状態でヒンジ台294に接触する。ミラーは電圧が加えられてない接地電位に接続されているヒンジ台に接触する。このような構成は、ミラーが完全ON状態から完全OFF状態の間を振動する間、ミラーが電極に近づく最大角度位置まで偏向してもミラーと電極が直接接触せず、電極を覆う絶縁層のダメージを防ぐことができる。ヒンジ台は接地電位に接続され、さらに、ミラーが絶縁層の破壊することがないような相対する側であるあらかじめ決められた最大偏向角でミラーが止まるようなミラーストッパーとしての働きもする。
【0039】
図10は、本発明の別の実施例におけるマイクロミラー部分の横断面図である。マイクロミラー部分は、ヒンジ302に支持されたミラー301を含む。ヒンジ302はヒンジ台304の上に支持され、このヒンジ台は内部誘電体(ILD)層(図で特に番号は特定されてない)の表面に露出した2つの隣接する電極305と共に形成されている。ヒンジ台304はさらに2つのミラー傾きストッパー303をヒンジ302の2つの相対する位置のヒンジ台304の上部に有している。ミラー傾きストッパー303はミラー301が完全ON状態もしくは完全OFF状態の角度位置である最大偏向角以上に偏向しないように制御できるようにミラーをストップする。これらの電極305が連続的にミラーと接触したり、最大偏向角でミラーをストップさせるためのストッパーとして使われる場合、この構成はまた電極305の絶縁層を破壊することを防ぐ利点も有する。
【0040】
図11Aから11Cは、本発明のミラー素子を製造する工程を示す横断面図のシリーズである。図11Aで、半導体基板と貫通孔(図で特定されてない)を有するILD層(図で特定されてない)からなる支持基板310を示す。支持基板310は第1と第2の電極305とヒンジ台304を有し、このヒンジ台は第1と第2の角303をヒンジ302の両側の相対する位置に有する。ヒンジ302、ヒンジ台304および電極305はすべて犠牲層306で覆われている。研磨工程がヒンジ302と犠牲層306が平らになるように適用される。図11Bは、犠牲層306の上部にエッチング工程が適用され、ヒンジ302の上部の一部が犠牲層306の研磨された上部層から露出する工程を示す。図11Cで、ミラー層301が犠牲層306の上部に付着形成される。次に、犠牲層306を蒸気エッチングによって除去し、ミラー表面にくぼみや孔がない平滑なミラー表面を形成する工程へと進む。実施例では、ヒンジ302はミラー301の底の表面に付着し、ミラーの上側の表面層の下のミラー301の層に埋め込まれている。別の実施例では、ヒンジ302は付着することなくミラー301の底の表面に付着している。
【0041】
以上説明してきたように、本発明はミラー表面に凹み、きず、孔が無い垂直ヒンジに支持された平らなミラーを提供する素子構造と製造方法を開示している。垂直ヒンジは半導体の側壁に形成され、犠牲層で埋められた後、上部表面を研磨する。ヒンジがその段階では上部表面からまだ突き出していない。犠牲層の上部表面だけを研磨エッチングする研磨エッチング工程が行われた後、ヒンジの上部の一部が犠牲層の上に突き出る。ヒンジの突出量はミラーの厚みに比して十分少ないので、ヒンジがミラーの表面に目立つような印しを残さずに埋められる。
【0042】
図12Aから12Fは、本発明のヒンジを形成する工程を示す横断面図と透視図のである。図12Aは、周囲に側壁を有するような空洞401が犠牲層405に形成されている工程を示す横断面図である。図12Bから12Cで、ヒンジ材料からなる層が空洞の側壁402と上部表面403上に付着する。図12Dから12Eで、垂直ヒンジ402'が空洞の側壁に付着したヒンジ物質をエッチングして形成され、タブ403'が空洞401の上部表面に付着した層をエッチングして形成される。図12Fで、ヒンジフット404'が空洞401の下部表面と柱の底の部分に付着したヒンジ材料の層をパターニングしながらエッチングして形成される。図12Gで示されるように、ヒンジはエッチングと犠牲層405の完全な除去によって形成される。図11と図12によって開示される製造工程において、ミラーは半導体材料からなるエッチストップ層によって保護されることが好ましい。実施例において、本発明のマイクロミラーはさらにAl2O3からなる1層のエッチストップ層が少なくとも用いられている。
【0043】
図2から図12までで開示された製造工程と構成によれば、少なくとも垂直ヒンジは電極としての機能を有していることが好ましい。さらに、実施例において、ヒンジ台はヒンジの両脇に位置するアドレス電極と同じ高さを有している。そして、別の実施例においては、ヒンジ台はアドレス電極とは異なる高さを有している。本発明において、垂直ヒンジは同一材料からなる柱の一部として形成されても良い。さらに、ヒンジ台は垂直ヒンジと同一材料で構成されるフットを有しても良い。
【0044】
現在の発明は現在適切な技術による実施例として述べられたが、この開示がこのような現在適切な技術に制限されるものでないことは理解される。種々の置換技術や修正技術が上記開示を読まれた後には容易に実施しうる技術であることは疑いもない。従って、請求項は本発明の真の精神や展望の限りにおいてすべての置換や修正を含むものとして記述されるよう意図されている。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6A】

【図6B】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11A】

【図11B】

【図11C】

【図12A】

【図12B】

【図12C】

【図12D】

【図12E】

【図12F】

【図12G】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のミラー要素で構成されるミラー配列からなり、各ミラー要素がヒンジに支持されるミラーで構成され、該ヒンジが該ミラーに直接付着しかつ該ミラーに実質的に垂直であり、該ヒンジが該ミラーの表側の層の下側にある該ミラーの底層の中にヒンジの先が付着もしくは突き刺さることを特徴とするミラー素子。
【請求項2】
前記ヒンジが、前記ミラーの表面層の下側の底層の中にヒンジの先が付着もしくは突き刺さり、該ヒンジが該ミラーの下側に位置する犠牲層に埋められている、請求項1記載のミラー素子。
【請求項3】
前記ヒンジが、電気的に接地電位に接続されている、請求項1記載のミラー素子。
【請求項4】
前記ミラーの表面が実質的に平らで凹凸のない鏡面である、請求項1記載のミラー素子。
【請求項5】
前記ヒンジが前記ミラーの表側の層の下側にある該ミラーの底層の中にヒンジの先が突き刺さり、その突き刺さり深さが100オングストロームと等しいかそれ以上である、請求項1記載のミラー素子。
【請求項6】
前記ヒンジがマイグレーション防止層をさらに有し、該マイグレーション防止層は該ヒンジの先に位置し、該ミラーの層の中に埋め込まれ、該ヒンジにミラーの物質がマイグレーションするのを防ぐために該ミラーから該ヒンジを隔離するための層である、請求項1記載のミラー素子。
【請求項7】
前記ミラーがアルミニウムミラーで構成され、前記ヒンジが半導体ヒンジで構成されている、請求項1記載のミラー素子。
【請求項8】
前記ヒンジが実質的に水平方向に沿って該ヒンジから横に広がったフットをさらに有し、該ヒンジのフットはその下に位置するヒンジ電極の上に位置しかつ電気的に接続されている、請求項1記載のミラー素子。
【請求項9】
前記ミラーが金属材料で構成され、前記ヒンジが半導体材料で構成され、該ヒンジと該ミラーが一体構造である、請求項1記載のミラー素子。
【請求項10】
前記ヒンジが実質的に水平方向に沿って該ヒンジから横に広がったフットをさらに有し、該ヒンジのフットはヒンジ台の上に位置している、請求項1記載のミラー素子。
【請求項11】
前記ヒンジが実質的に水平方向に沿って該ヒンジから横に広がったフットをさらに有し、該ヒンジにヒンジ台の物質のマイグレーションを防ぐためにヒンジ台の表面にマイグレーション防止層が形成され、該ヒンジのフットは該防止層の上に構成されている、請求項1記載のミラー素子。
【請求項12】
前記ヒンジ台は導電物質で構成され、半導体基板の上に位置する誘電体層(ILD層)の中を通る貫通孔内にあるヒンジ貫通電極の上に該ヒンジ台が構成されている、請求項1記載のミラー素子。
【請求項13】
前記ILD層と前記ヒンジ台の間に、前記ヒンジ台材料が該ILD層へマイグレーションするのを防ぐために、第2のヒンジ台マイグレーション防止層がある、請求項12記載のミラー素子。
【請求項14】
第1と第2の電極が半導体基板上の前記ILD層の上に位置し、前記ヒンジ台が該第1と第2の電極より高く、ミラーが該第1と第2の電極の最大偏向角をそれぞれ有したときに該第1と第2の電極がミラーのストッパーとして働く、請求項10記載のミラー素子。
【請求項15】
第1と第2の電極が半導体基板上の前記ILD層の上に位置し、前記ヒンジ台が該第1の角と第2の角(つの)を有し、該第1の角と第2の角は該ヒンジ台の上部表面層上の該ヒンジの2つの相対する位置に、該2つの角の高さが該第1と第2の電極より高く、ミラーが該第1と第2の電極の最大偏向角をそれぞれ有したときに該第1と第2の電極がミラーのストッパーとして働く、請求項1記載のミラー素子。
【請求項16】
前記ヒンジが前記ミラーの上側表面(上側表面とするか上表面とするか)の下側に位置する下部底面層(底表面とするか底面とするか)に該ミラーの厚みの5%から3分の2の間の突き刺さり量で該ヒンジの先が突き刺さる、請求項1記載のミラー素子。
【請求項17】
ミラー配列が複数のミラー要素で構成され、各々のミラー要素はヒンジに支持されたミラーを有し、該ヒンジは、該ヒンジと該ミラーは実質的に直角であり、該ヒンジは該ミラーの底面に突き刺さることなくそして水平構造を有することなく該ミラーの底部に直接取り付けられているミラー素子。
【請求項18】
前記ミラーが金属材料で構成され、前記ヒンジが半導体ヒンジで構成され、該ヒンジと該ミラーが一体構造で構成されている、請求項17記載のミラー素子。
【請求項19】
前記ヒンジが電気的に接地電位に接続されている、請求項17記載のミラー素子。
【請求項20】
前記ミラーの表面が実質的に平らで凹凸のない鏡面である、請求項17記載のミラー素子。
【請求項21】
前記ヒンジが、前記ミラーの底面層を構成する犠牲層上に取り付けられた前記ヒンジトップの先が、前記ミラーの底面に直接取り付けられている、請求項17記載のミラー素子。
【請求項22】
側壁を有する空洞に垂直ヒンジを付着パターン化し、該空洞に犠牲層を付着する工程と、該垂直ヒンジの先の部分が露出するように犠牲層を一部除去する工程と、平らで凹凸のないミラー表面を形成するために該垂直ヒンジと犠牲層の上にミラー層を付着する工程と、該犠牲層を該垂直ヒンジを露出するために除去する工程からなる、ミラー素子の製造方法。
【請求項23】
前記犠牲層を一部除去する工程の後に該犠牲層の上にエッチストップ層を付着し、その後に該エッチストップ層の表面に前記ミラー層を付着する工程がされに含まれる、請求項22記載のミラー素子の製造方法。

【公表番号】特表2011−528449(P2011−528449A)
【公表日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−518724(P2011−518724)
【出願日】平成21年7月14日(2009.7.14)
【国際出願番号】PCT/US2009/004098
【国際公開番号】WO2010/008552
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(506144891)
【Fターム(参考)】