説明

分析装置

【課題】分析処理に使用する容器の測光領域以外の領域についても汚れを検出できる分析装置を提供すること。
【解決手段】この発明にかかる分析装置1は、反応容器21の汚れを検出するために、検出用光源121と検出用測光部122とを同期させて昇降することによって、反応容器21側面に対し分析処理時における測光領域とともに測光領域以外の領域に対しても光を照射することができ、さらに反応容器21の各領域の所定の光学的測定をそれぞれ測定することができる。そして、分析装置1は、検出用測光部122によって測定された反応容器21の各領域における測定結果をもとに汚れの程度を検出するため、分析処理に使用する容器の測光領域以外の領域についても汚れを検出することが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、容器に保持された液体検体を分析する分析装置であって使用する容器の汚れを検出する分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、血液や体液等の検体を自動的に分析する装置として、試薬が分注された反応容器に検体を加え、反応容器内の試薬と検体の間で生じた反応を光学的に検出する分析装置が知られている。このような分析装置においては、光学的測定が終了した反応容器内の混合液を吸引して排出するとともに、洗剤や洗浄水等の洗浄液を注入および吸引することで洗浄を行ない、反応容器を繰り返し利用している。そして、このような分析装置においては、反応容器に蒸留水を注入し吸光度測定を行なうことによって洗浄後の容器の清浄度を確認した上で、反応容器を再利用していた(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平5−164762号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の分析装置においては、汚れ検出時においても分析処理時に測光される測光領域1点でしか汚れ検出のための吸光度測定を行なっておらず、測光領域以外の領域の汚れまでは検出していなかった。特に近年において要求される分析精度の向上化を実現するためには、洗浄処理後の容器における測光領域以外の領域についても汚れを検出して、洗浄処理後の容器に残存する汚れをさらに厳密に検出することが望ましい。
【0005】
本発明は、上記した従来技術の欠点に鑑みてなされたものであり、分析処理に使用する容器の測光領域以外の領域における汚れを検出できる分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる分析装置は、容器に保持された液体検体を分析する分析装置において、前記液体検体を保持する容器に光を照射する分析用光源および、前記分析用光源から照射された光のうち前記容器を透過した光を受光する分析用受光手段を備えた分析用測光手段と、前記分析用光源による光が照射される領域である測光領域以外の領域に対して光を照射する検出用光源および、前記測光領域以外の領域における前記容器の光学特性を測定する検出用測光手段を備えた汚れ用測定手段と、前記検出用測光手段の測定結果をもとに前記容器の汚れの程度を検出する汚れ検出手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、この発明にかかる分析装置は、前記汚れ用測定手段は、前記検出用光源から照射される光の光束と前記容器とを相対的に移動させる光路移動手段を有することを特徴とする。
【0008】
また、この発明にかかる分析装置は、前記光路移動手段は、前記検出用光源から照射される光の光束が前記容器の側面に対して上下に移動するように前記検出用光源を昇降させる光源側昇降手段と、前記光源側昇降手段の昇降動作に同期させて前記検出用測光手段を昇降させる測光側昇降手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、この発明にかかる分析装置は、前記光路移動手段は、汚れ検出時に前記検出用光源から照射される光の光束を前記測光領域以外の領域に誘導する光源側誘導機構と、汚れ検出時に前記検出用光源から照射された光のうち前記測光領域以外の領域を透過した光を前記検出用測光手段に誘導する測光側誘導機構と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる分析装置は、前記光路移動手段は、汚れ検出時に汚れ検出対象の前記容器を昇降させる容器昇降手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかる分析装置は、前記検出用測光手段は、前記測光領域以外の領域を透過した所定波長の光の吸光度を測定し、前記汚れ検出手段は、前記検出用測光手段によって測定された前記測光領域以外の領域の前記所定波長の光の吸光度が所定の閾値以下である場合には前記容器に汚れがないと判断し、前記検出用測光手段によって測定された前記測光領域以外の領域の吸光度が前記所定の閾値を超えていた場合には前記容器に汚れが残存していると判断することを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかる分析装置は、前記検出用測光手段は、前記測光領域以外の領域から発せられた蛍光量を測定し、前記汚れ検出手段は、前記検出用測光手段によって測定された前記測光領域以外の領域の蛍光量が所定の閾値以下である場合には前記容器に汚れがないと判断し、前記検出用測光手段によって測定された前記測光領域以外の領域の蛍光量が前記所定の閾値を超えていた場合には前記容器に汚れが残存していると判断することを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかる分析装置は、前記分析用光源は、前記検出用光源を兼ねることを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかる分析装置は、前記分析用受光手段は、前記検出用測光手段を兼ねることを特徴とする。
【0015】
また、この発明にかかる分析装置は、前記検出用光源は、前記容器の角部へ光を照射することを特徴とする。
【0016】
また、この発明にかかる分析装置は、前記検出用測光手段は、前記容器の開口上部に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、容器の汚れを検出するために、測光領域以外の領域に対して光を照射して容器の光学特性を測定し、測定結果をもとに汚れの程度を検出するため、分析処理に使用する容器における測光領域以外の領域について汚れを検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態である分析装置について、血液や尿などの液体検体が分注される反応容器に残存した汚れを検出する分析装置を例に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
【0019】
(実施の形態1)
まず、実施の形態1について説明する。図1は、実施の形態1にかかる分析装置の構成を示す模式図である。図1に示すように、実施の形態1にかかる分析装置1は、分析対象である検体および試薬を反応容器21にそれぞれ分注し、分注した反応容器21内で生じる反応を光学的に測定する測定機構2と、測定機構2を含む分析装置1全体の制御を行なうとともに測定機構2における測定結果の分析を行なう制御機構3とを備える。分析装置1は、これらの二つの機構が連携することによって複数の検体の生化学分析を自動的に行なう。なお、反応容器21は、容量が数nL〜数mLと微量な容器であり、測光部18の光源から出射された分析光(340〜800nm)に含まれる光の80%以上を透過する透明素材、例えば、耐熱ガラスを含むガラス、環状オレフィンやポリスチレン等の合成樹脂が使用される。反応容器21は、側壁と底壁とによって液体を保持する水平断面が四角形の液体保持部が形成され、液体保持部の上部に開口を有する四角筒形状の反応容器である。
【0020】
測定機構2は、大別して検体移送部11、検体分注機構12、反応テーブル13、試薬庫14、試薬分注機構16、攪拌部17、測光部18、洗浄部19および汚れ検出用測光部20を備える。
【0021】
検体移送部11は、血液を検体として収容した複数の検体容器11aを保持し、図中の矢印方向に順次移送する複数の検体ラック11bを備える。検体移送部11上の所定位置に移送された検体容器11a内の検体は、検体分注機構12によって、反応テーブル13上に配列して搬送される反応容器21に分注される。
【0022】
検体分注機構12は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行なうアーム12aを備える。このアーム12aの先端部には、検体の吸引および吐出を行なうノズルが取り付けられている。検体分注機構12は、図示しない吸排シリンジまたは圧電素子を用いた吸排機構を備える。検体分注機構12は、上述した検体移送部11上の所定位置に移送された検体容器11aの中からノズルによって検体を吸引し、アーム12aを図中時計回りに旋回させ、反応容器21に検体を吐出して分注を行なう。
【0023】
反応テーブル13は、反応容器21への検体や試薬の分注、反応容器21の攪拌、測光、洗浄および汚れ検出用測光を行なうために反応容器21を所定の位置まで移送する。この反応テーブル13は、制御部31の制御のもと、図示しない駆動機構が駆動することによって、反応テーブル13の中心を通る鉛直線を回転軸として回動自在である。反応テーブル13の上方と下方には、図示しない開閉自在な蓋と恒温槽がそれぞれ設けられている。
【0024】
試薬庫14は、反応容器21内に分注される試薬が収容された試薬容器15を複数収納できる。試薬庫14には、複数の収納室が等間隔で配置されており、各収納室には試薬容器15が着脱自在に収納される。試薬庫14は、制御部31の制御のもと、図示しない駆動機構が駆動することによって、試薬庫14の中心を通る鉛直線を回転軸として時計回りまたは反時計回りに回動自在であり、所望の試薬容器15を試薬分注機構16による試薬吸引位置まで移送する。試薬庫14の上方には、開閉自在な蓋(図示せず)が設けられている。また、試薬庫14の下方には、恒温槽が設けられている。このため、試薬庫14内に試薬容器15が収納され、蓋が閉じられたときに、試薬容器15内に収容された試薬を冷却し、試薬容器15内に収容された試薬の蒸発や変性を抑制することができる。
【0025】
試薬分注機構16は、検体分注機構12と同様に、試薬の吸引および吐出を行なう試薬ノズルが先端部に取り付けられたアーム16aを備える。アーム16aは、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行なう。試薬分注機構16は、試薬庫14上の所定位置に移動された試薬容器15内の試薬をノズルによって吸引し、アーム16aを図中時計回りに旋回させ、反応テーブル13上の所定位置に搬送された反応容器21に分注する。攪拌部17は、反応容器21に分注された検体と試薬との攪拌を行い、反応を促進させる。
【0026】
測光部18は、たとえば、所定の測光位置に搬送された反応容器21にハロゲンランプなどの光源から分析光(340〜800nm)を照射し、反応容器21内の液体を透過した光を分光し、PDAなどの受光素子による各波長光の強度測定を行なうことによって、分析対象である検体と試薬との反応液に特有の波長の吸光度を測定する。
【0027】
洗浄部19は、洗浄ノズルによって、測光部18による測定が終了した反応容器21内の混合液を吸引して排出するとともに、洗剤や洗浄水等の洗浄液を注入および吸引することで分析処理が終了した反応容器21を洗浄する。この洗浄された反応容器21は再利用される。
【0028】
汚れ検出用測光部20は、分析装置1において使用される反応容器21の汚れを検出するために、反応容器21における測光部18の光源による測光領域以外の領域に対して光を照射する検出用光源と、検出用光源から光を照射された反応容器21の所定の光学特性を測定する検出用測光部とを備える。検出用光源は、反応容器21の汚れが吸収する所定波長の光を測光領域以外の領域に照射する。検出用測光部は、測光領域以外の領域を透過した所定波長の光を測定して、測光領域以外の領域の所定波長の光の吸光度を測定する。汚れ検出用測光部20は、分析処理前におけるメンテナンス時に分析装置1において使用される各反応容器21の汚れを検出するために汚れ検出用の測定処理を行なうほか、洗浄部19による洗浄後の反応容器21に対しても汚れ検出用の測定処理を行なう。
【0029】
つぎに、制御機構3について説明する。制御機構3は、制御部31、入力部32、分析部33、汚れ検出部34、記憶部35および出力部36を備える。測定機構2および制御機構3が備えるこれらの各部は、制御部31に電気的に接続されている。
【0030】
制御部31は、CPU等を用いて構成され、分析装置1の各部の処理および動作を制御する。制御部31は、これらの各構成部位に入出力される情報について所定の入出力制御を行い、かつ、この情報に対して所定の情報処理を行なう。入力部32は、キーボード、マウス等を用いて構成され、検体の分析に必要な諸情報や分析動作の指示情報等を外部から取得する。分析部33は、測光部18によって測定された吸光度に基づいて検体の成分分析等を行なう。
【0031】
汚れ検出部34は、汚れ検出用測光部20における検出用測光部によって測定された反応容器21における測光領域および測光領域以外の領域についての測定結果をもとに反応容器21の汚れの程度を検出する。汚れ検出部34は、汚れ検出用測光部20によって測定された反応容器21における測光領域以外の領域の所定波長の光の吸光度が所定の閾値以下である場合には、この反応容器21の次の分析処理に影響を与えない程度まで取り除かれ、この反応容器21に汚れがないと判断する。一方、汚れ検出部34は、汚れ検出用測光部20によって測定された反応容器21における測光領域以外の領域の所定波長の光の吸光度のいずれかが所定の閾値を超えている場合には、この反応容器21に次の分析に影響を与える程度の汚れが残存していると判断する。
【0032】
記憶部35は、情報を磁気的に記憶するハードディスクと、分析装置1が処理を実行する際にその処理にかかわる各種プログラムをハードディスクからロードして電気的に記憶するメモリとを用いて構成され、検体の分析結果等を含む諸情報を記憶する。記憶部35は、CD−ROM、DVD−ROM、PCカード等の記憶媒体に記憶された情報を読み取ることができる補助記憶装置を備えてもよい。
【0033】
出力部36は、ディスプレイ、プリンタ、スピーカー等を用いて構成され、検体の分析結果を含む諸情報を出力する。また、出力部36は、図示しない通信ネットワークを介して外部装置に諸情報を出力する。
【0034】
以上のように構成された分析装置1では、列をなして順次搬送される複数の反応容器21に対して、検体分注機構12が検体容器11a中の検体を分注し、試薬分注機構16が試薬容器15中の試薬を分注した後、測光部18が検体と試薬とを反応させた状態の検体の分光強度測定を行い、この測定結果を分析部33が分析することで、検体の成分分析等が自動的に行われる。また、洗浄部19が測光部18による測定が終了した後に搬送される反応容器21を搬送させながら洗浄し、その後に汚れ検出用測光部20および汚れ検出部34が洗浄後の反応容器21の汚れを検出することで、一連の分析動作が連続して繰り返し行われる。
【0035】
つぎに、図2を参照して、汚れ検出用測光部20について説明する。図2に示すように、汚れ検出用測光部20は、検出用光源121と、検出用測光部122とともに、検出用光源121から照射される光の光束が反応容器21の側面に対して上下に移動するように矢印Y11のように検出用光源121を昇降させる光源側昇降機構123と、光源側昇降機構123の昇降動作に同期させて矢印Y12のように検出用測光部122を昇降させる測光側昇降機構124とを備える。
【0036】
たとえば図2に示す反応容器21の側面の領域S11から領域S13に検出用光源121から発せられた光が照射されるように、光源側昇降機構123が検出用光源121を昇降させ、この検出用光源121による照射光のうち反応容器21の各領域を透過した光を受光できるように測光側昇降機構124が光源側昇降機構123に同期して検出用測光部122を昇降させる。
【0037】
具体的には、汚れ検出部34が測光部18による測光領域に対応する領域S11の汚れの程度を検出する場合には、光源側昇降機構123は、制御部31の制御のもと、検出用光源121から発せられた光E11aの光束が領域S11に照射されるように領域S11に対応した高さに検出用光源121を移送する。そして、測光側昇降機構124は、制御部31の制御のもと、光源側昇降機構123の昇降動作に同期して、光E11aのうち反応容器21の領域S11を透過した光E11bを受光できるように領域S11に対応した高さに検出用測光部122を移送する。また、汚れ検出部34が測光領域以外の領域S13の汚れの程度を検出する場合には、光源側昇降機構123は、制御部31の制御のもと、矢印Y11のように検出用光源121から発せられた光E13aの光束が領域S13に照射されるように領域S13に対応した高さまで検出用光源121を上昇する。そして、測光側昇降機構124は、制御部31の制御のもと、光源側昇降機構123の昇降動作に同期して、光E13aのうち反応容器21の領域S13を透過した光E13bを受光できるように、矢印Y12のように領域S13に対応した高さまで検出用測光部122を上昇する。
【0038】
このように、汚れ検出用測光部20においては、測光部18における測光領域以外の領域に対しても光が照射されるように、検出用光源121から照射される光の光束を、反応容器21側面に対して移動させる光源側昇降機構123および測光側昇降機構124を光路移動手段として備えている。この結果、検出用光源121は、矢印Y13に示すように反応容器21の側面の領域S11から領域S13までの領域に検出用光源121からの光を照射することができ、さらに検出用測光部122は、反応容器21における領域S11からS13までの各領域の透過光を受光して所定波長の吸光度を得ることができる。
【0039】
次に、図3を参照して、光源側昇降機構123および測光側昇降機構124について説明する。光源側昇降機構123は、プーリ1232aと接続する昇降用モータ1231と、検出用光源121と接続する光源側軸柱1235と並行に配置されプーリ1232a,1232bが掛け渡された昇降用ベルト1233と、昇降用ベルト1233の所定位置に固定されるとともに光源側軸柱1235と一体に昇降可能に設けられた移動板1234とを備える。
【0040】
制御部31の制御のもと昇降用モータ1231が上昇方向に対応する矢印Y15a方向に回転した場合、昇降用モータ1231の回転がプーリ1232aに伝達することによって、昇降用ベルト1233が回転し、これにともない移動板1234が矢印Y16aのように上昇することによって光源側軸柱1235が矢印Y16cのように上昇する。この光源側軸柱1235の上昇によって、検出用光源121も上昇する。また、制御部31の制御のもと昇降用モータ1231が下降方向に対応する方向に回転した場合、昇降用モータ1231の回転がプーリ1232aに伝達することによって、昇降用ベルト1233が回転し、これにともない移動板1234が矢印Y17aのように下降することによって光源側軸柱1235が矢印Y18aのように下降する。この光源側軸柱1235の下降によって、検出用光源121も下降する。
【0041】
このように、昇降用モータ1231の回転によって光源側軸柱1235が昇降することとなる。そして、検出用光源121は、反応テーブル13のホルダー131,132に保持された反応容器21側面の広い範囲に対して、各光E11a,12a,13aを照射することができる。なお、ホルダー131には、反応容器21側面に検出用光源121からの光が広く照射するように、測光部18における測光窓よりも広い領域が開口した汚れ検出用測光窓W1が設けられている。また、反応容器21は蓋133によって覆われている。
【0042】
そして、測光側昇降機構124は、プーリ1242aと接続する昇降用モータ1241と、検出用測光部122と接続する測光側軸柱1245と並行に配置されプーリ1242a,1242bが掛け渡された昇降用ベルト1243と、昇降用ベルト1243の所定位置に固定されるとともに測光側軸柱1245と一体に昇降可能に設けられた移動板1244とを備える。
【0043】
制御部31の制御のもと昇降用モータ1241が上昇方向に対応する矢印Y15b方向に回転した場合、昇降用モータ1241の回転がプーリ1242aに伝達することによって、昇降用ベルト1243が回転し、これにともない移動板1244が矢印Y16bのように上昇することによって測光側軸柱1245が矢印Y16dのように上昇する。この測光側軸柱1245の上昇によって、検出用測光部122も上昇する。また、制御部31の制御のもと昇降用モータ1241が下降方向に対応する方向に回転した場合、昇降用モータ1241の回転がプーリ1242aに伝達することによって、昇降用ベルト1243が回転し、これにともない移動板1244が矢印Y17bのように下降することによって測光側軸柱1245が矢印Y18bのように下降する。この測光側軸柱1245の下降によって、検出用測光部122も下降する。
【0044】
このように、昇降用モータ1241の回転によって測光側軸柱1245が昇降することとなる。そして、検出用測光部122は、反応テーブル13のホルダー131,132に保持された反応容器21側面の広い範囲から透過された各光E11b,12b,13bを受光することができる。
【0045】
つぎに、図4を参照して、分析装置1における反応容器21に対する汚れ検出処理について説明する。図4に示すように、反応テーブル13は、汚れ検出対象の反応容器21を試薬分注機構16による試薬吐出位置まで搬送し、試薬分注機構16は、汚れ検出のための評価溶液を注入する評価溶液注入処理を行なう(ステップS2)。この評価溶液は、蒸留水などであってもよく、また、反応容器21に残存する検体中の成分と選択的に反応して発色し、所定波長の光を吸収する構成物を含むものであってもよい。また、この評価溶液は必ずしも注入する必要はなく、内部が空である状態の反応容器21に対して以下の汚れ検出のための各処理を行なってもよい。
【0046】
そして、第1光路に対応する領域の汚れを検出するため、検出用光源121から発せられ反応容器21を透過する光の光路が第1光路となるように、光源側昇降機構123および測光側昇降機構124は、制御部31の制御のもと、第1光路に対応する高さに検出用光源121および検出用測光部122を移動する(ステップS6)。なお、第1光路は、たとえば図2に示す反応容器21側面の測光領域に対応する領域S11に入射し、この領域S11を透過する場合の光路である。
【0047】
そして、検出用光源121が反応容器21に対して光を照射し、検出用測光部122が反応容器21の所定の領域を透過した光を受光し所定波長の光の吸光度を測定することによって汚れ検出用測光処理が行われる(ステップS8)。汚れ検出部34は、検出用測光部122の測光値が汚れ有無判断の基準となる所定の閾値を超えるか否かを判断する(ステップS10)。
【0048】
汚れ検出部34は、汚れ検出用測光部20の測定値が所定の閾値を超えると判断した場合(ステップS10:Yes)、この反応容器21には次の分析処理に影響を与える程度の汚れが残存していることを検出する(ステップS12)。そして、制御部31は、洗浄部19に対して、汚れ検出部34によって汚れが検出された反応容器21を再洗浄させる再洗浄処理を行なう(ステップS14)。次いで、この再洗浄された反応容器21が汚れているかを再度判断するため、ステップS2に戻り評価溶液を注入し、汚れ検出のための各処理を行なう。
【0049】
これに対し、汚れ検出部34は、汚れ検出用測光部20の測定値が所定の閾値を超えていないと判断した場合(ステップS10:No)、すなわち汚れ検出用測光部20の測定値が所定の閾値以下であると判断した場合、この光路に対応する反応容器21の領域、すなわち第1光路に対応する反応容器21の領域では次の分析処理に影響を与える程度の汚れが残存していないものと判断する(ステップS16)。
【0050】
そして、制御部31は、汚れ検出用測光部20による汚れ検出対象の全領域に対する測光処理が終了したか否かを判断する(ステップS18)。
【0051】
制御部31は、終了していないと判断した場合(ステップS18:No)、ステップS16で判断した光路の次の光路に対応する反応容器側面の領域の汚れを判断するため、次の光路に移動する(ステップS20)。すなわち、次の光路に対応する反応容器側面の領域の汚れを判断するため、光源側昇降機構123および測光側昇降機構124は、次の光路に対応する高さに検出用光源121および検出用測光部122を移動する。たとえば、第1光路に対応する反応容器21側面領域の汚れ検出を終了した場合には、図3に例示する光E12a,12bに示された第2光路に対応する反応容器21側面領域の汚れを判断するために、光源側昇降機構123および測光側昇降機構124は、次の第2光路に対応する高さに検出用光源121および検出用測光部122を移動する。次いでステップ8に戻り、検出用光源121および検出用測光部122による汚れ検出用測光処理(ステップS8)を行ない、汚れ検出部34は、この第2光路に対応する反応容器側面領域の汚れ検出部34による汚れ判断の処理を行なう。このように、分析装置1においては、設定された各光路ごとに、各光路に対応する反応容器21側面の各領域の汚れの程度を検出する。
【0052】
一方、制御部31は、終了したと判断した場合(ステップS18:Yes)、汚れ検出対象の全領域に対する汚れ検出処理が終了し、反応容器側面の汚れ検出対象の全領域に汚れがないと判断する(ステップS22)。次いで、制御部31は、洗浄部19に対して、汚れ検出部34によって汚れがないと判断された反応容器21を水などですすがせるすすぎ洗浄処理を行ない(ステップS24)、この反応容器21に対する汚れ検出処理を終了する。この反応容器21は、すすぎ洗浄処理が行われた後、分析処理に使用される。
【0053】
このように、本実施の形態1においては、検出用光源121と検出用測光部122との双方を同期して昇降させることによって、測光部18による測光領域以外の領域に対しても容器の汚れの程度を検出する。
【0054】
ここで、従来の分析装置においては、反応容器に蒸留水を注入し吸光度測定を行なうことによって洗浄後の容器の清浄度を確認した上で、反応容器を再利用していた。具体的には、図5に示すように、汚れ検出対象の反応容器21に蒸留水Lを注入してから、測光部における光源からの入射光Eiを測光領域Spに照射し、この測光領域Spを透過した出射光Eoを受光部において受光する吸光度測定を行なう。そして、従来の分析装置においては、この測光領域Spにおける吸光度が所定の閾値を超えていた場合には、この反応容器21には汚れが残存していると判断していた。
【0055】
しかしながら、従来の分析装置においては、汚れ検出時と分析処理時とにおいて、固定して配設されている分析用の光源および分析用の測光部を兼用していたため、汚れ検出時においても分析処理時に測光される測光領域Spの1点でしか汚れ検出のための吸光度測定を行なっておらず、測光領域以外の領域の汚れまでは検出していなかった。したがって、従来の分析装置においては、反応容器における測光領域以外の領域についても汚れを検出することができず、特に近年において要求される分析精度の向上化を実現することが困難であった。
【0056】
これに対し、本実施の形態1にかかる分析装置1は、反応容器21の汚れを検出するために、検出用光源121と検出用測光部122とを同期して昇降させて、分析処理時における測光領域以外の領域に対しても光を照射して反応容器21の吸光度を測定している。この結果、分析装置1は、反応容器21における測光領域以外の領域に対しても汚れの程度を検出できるため、洗浄処理後の容器に残存する汚れをさらに厳密に検出でき、近年要求されるさらなる分析精度の向上を図ることが可能になる。
【0057】
なお、実施の形態1においては、反応容器21の汚れ検出のために反応容器21側面の各領域の吸光度を測定した場合について説明したが、もちろんこれに限らない。反応容器21内に残存した汚れが主にたんぱく質である場合には、図6(1)の矢印Y3に示すように、評価溶液として血液中のたんぱく質と選択的に反応して強く蛍光を発する構成物を含む試薬Ldを試薬ノズル161などで反応容器21内に注入してから、この反応容器21から発せられる蛍光量を測定して汚れ検出処理を行なってもよい。
【0058】
この場合、図6(2)に示すように、光源側昇降機構123は、検出用光源121から照射される励起光E13cが反応容器21の側面に対して上下に移動するように矢印Y11のように検出用光源121を昇降させる。そして、測光側昇降機構124は、光源側昇降機構123の昇降動作に同期させて矢印Y12のように検出用測光部122を昇降させて反応容器21から発せられた各領域の蛍光E13dの蛍光量を測定する。
【0059】
次いで、汚れ検出部34は、検出用測光部122によって測定された蛍光量が汚れ有無判断基準となる所定の閾値を超えていた場合には、この反応容器21に次の分析に影響を与える程度の汚れが残存していると判断する。一方、汚れ検出部34は、検出用測光部122によって測定された蛍光量が所定の閾値以下である場合には、この反応容器21の汚れは次の分析処理に影響を与えない程度まで取り除かれたと判断する。
【0060】
このように、分析装置1は、反応容器21の汚れを検出するために蛍光を測定する場合においても、検出用光源121と検出用測光部122とを同期して昇降させることによって、反応容器21における測光領域とともに測光領域以外の領域に対しても汚れの程度を検出できる。
【0061】
また、分析装置1は、評価溶液として血液中のたんぱく質と選択的に反応して強く発光を発する構成物を含む試薬を反応容器21内に注入してから、この反応容器21から発せられる発光量を測定して汚れ検出処理を行なってもよい。この場合、汚れ検出用測光部20は、励起光を照射する必要がないため、図6に示す構成から検出用光源121および光源側昇降機構123を削除した構成で足りる。
【0062】
また、本実施の形態1においては、分析処理として分光強度測定を行なう測光部18と、汚れ検出のための測光処理を行なう汚れ検出用測光部20とを別個に設けた場合を例に説明したが、これに限らない。すなわち、汚れ検出のための照射光または励起光の波長が測光部18におけるハロゲンランプの照射波長に含まれる場合には、測光部18における光源が検出用光源を兼ねてもよく、また、汚れ検出処理における測光波長が測光部18における受光素子の測光波長に含まれる場合には、測光部における受光素子が検出用測光部122を兼ねてもよい。また、測光領域以外の領域だけでなく、測光領域に光を照射して、測光領域における容器の汚れを検出しても良い。さらに、汚れ検出時には、単一の波長の光を使用するに限らず、複数の波長を使って汚れを検出しても良い。
【0063】
(実施の形態2)
つぎに、実施の形態2について説明する。実施の形態2においては、汚れ検出時において、光源から照射される光を反応容器側面の測光領域以外の領域に誘導して、測光領域以外の領域における光学的特性を測定する。
【0064】
図7は、実施の形態2にかかる分析装置の構成を示す模式図である。図7に示すように、実施の形態2にかかる分析装置201の測定機構202は、光源から照射される光を反応容器側面の測光領域以外の領域に誘導する機構を備え、分析処理のための測光処理と反応容器21の汚れ検出のための測光処理との双方の処理を行なう測光部218を有する。
【0065】
つぎに、図8を参照して図7に示す測光部218について説明する。図8は、図7に示す測光部218の要部構成を示す図である。図8に示すように、測光部218は、検体を分析するために反応容器21に光を照射するとともに反応容器21の汚れを検出するために反応容器21に光を照射する光源181と、光源181から照射された光のうち反応容器21の各領域を透過した所定波長の光をそれぞれ測定し吸光度を取得する受光部182とを備える。
【0066】
測光部218は、光源側領域に、制御部31の制御によって軸心を中心に回転する回転軸1833と、回転軸1833に接続し回転軸1833の回転によって回動するミラー1831と、ミラー1831からの反射光を反応容器21側面の上部領域に反射するように固定して配設されたミラー1832とを有する。これに対応するように、測光部218は、受光部側領域に、反応容器21側面の上部領域を透過した光をミラー1852方向に反射するように固定して配設されたミラー1851と、制御部31の制御によって軸心を中心に回転する回転軸1853と、回転軸1853に接続し回転軸1853の回転によって回転軸1853を中心に回転するミラー1852とを有する。
【0067】
そして、測光部218は、光源側領域に、制御部31の制御によって軸心を中心に回転する回転軸1843と、回転軸1843に接続して回転軸1843の回転によって回動するミラー1841と、ミラー1841からの反射光を反応容器21側面の下部領域に反射するミラー1842とを有する。これに対応するように、測光部218は、受光部側領域に、反応容器21側面の下部領域を透過した光をミラー1861方向に反射するように固定して配設されたミラー1862と、制御部31の制御によって軸心を中心に回転する回転軸1863と、回転軸1863に接続し回転軸1863の回転によって回転軸1863を中心に回転するミラー1861とを有する。
【0068】
図8に例示した構成においては、回転軸1833,1843,1853,1863の回転動作によってミラー1831,1841,1852,1861が所定の各位置に回転することによって、光源181から出射された光の光束を、反応容器21側面における測光領域に対応する入射光路E20aおよび測光領域からの出射光路E20b、反応容器21側面における測光領域の上部領域に対応する入射光路E21aおよび測光領域の上部領域からの出射光路E21b、または、反応容器21側面における測光領域の下部領域に対応する入射光路E22aおよび測光領域の下部領域からの出射光路E22bのいずれかに誘導する。
【0069】
まず、図9を参照して、光源181から出射された光の光束を、反応容器21側面における測光領域に対応する入射光路E20aおよび測光領域からの出射光路E20bに誘導する場合について説明する。
【0070】
図9に示すように、検体の分析処理時または反応容器21における測光領域の汚れ検出時には、光源181から出射された光を測光領域に入射させるため、ミラー1831,1841が入射光路E20aに侵入しないように回転軸1833,1843の回転動作が制御される。すなわち、回転軸1833は、矢印Y21のように回転し、ミラー1831を入射光路E20a上から退避させる。また、回転軸1843は、矢印Y22のように回転し、ミラー1841を入射光路E20aから退避させる。この結果、光源181から出射された光は、入射光路E20aで反応容器21側面の測光領域に入射する。
【0071】
そして、反応容器21側面の測光領域における吸光度測定時には、測光領域を透過した光を受光部182に入射させるため、ミラー1861,1852が出射光路E20bに侵入しないように回転軸1863,1853の回転動作が制御される。すなわち、回転軸1863は、矢印Y24のように回転し、ミラー1861を出射光路E20b上から退避させる。また、回転軸1853は、矢印Y23のように回転し、ミラー1852を出射光路E20bから退避させる。この結果、反応容器21側面の測光領域を透過した光は、出射光路E20bで受光部182に入射する。
【0072】
このように、分析装置201においては、検体の分析処理時または反応容器21における測光領域の汚れ検出時には、回転軸1833,1843,1863,1853を回転させて入射光路E20aおよび出射光路E20b上から各ミラー1831,1841,1852,1861を退避移動させることによって、光源181から出射された光を反応容器21側面の測光領域に照射し、測光領域の透過光を受光部182で受光する。
【0073】
つぎに、図10を参照して、光源181から出射された光の光束を、反応容器21側面における上部領域に対応する入射光路E21aおよび上部領域からの出射光路E21bに誘導する場合について説明する。
【0074】
図10に示すように、反応容器21における測光領域よりも上部領域に対する汚れ検出時には、光源181から出射された光を上部領域に入射させるため、ミラー1831が入射光路E21aを形成するように回転軸1833の回転動作が制御される。すなわち、回転軸1833は、矢印Y25のように回転し、光源181から出射された光をミラー1832に反射する角度となるようにミラー1831を回転させる。この結果、光源181から出射された光は、ミラー1831およびミラー1832において順次反射することによって、入射光路E21aで反応容器21側面の上部領域に入射する。
【0075】
そして、反応容器21側面の上部領域における吸光度測定時には、反応容器21側面の上部領域の透過光を受光部182に入射させるため、ミラー1852が出射光路E21bを形成するように回転軸1853の回転動作が制御される。すなわち、回転軸1853は、矢印Y26のように回転し、反応容器21側面の上部領域を透過してミラー1851によって反射された光を受光部182に反射する角度となるようにミラー1852を回転させる。この結果、反応容器21側面の上部領域を透過した光は、ミラー1851およびミラー1852において順次反射することによって、出射光路E21bで受光部182に入射する。
【0076】
このように、分析装置201においては、反応容器21における上部領域の汚れ検出時には、回転軸1833,1853を回転させることによって、光源181から出射された光を反応容器21側面の上部領域に誘導し、さらに、この上部領域の透過光を受光部182に誘導している。
【0077】
つぎに、図11を参照して、光源181から出射された光の光束を、反応容器21側面における下部領域に対応する入射光路E22aおよび下部領域からの出射光路E22bに誘導する場合について説明する。
【0078】
図11に示すように、反応容器21における測光領域よりも下部領域に対する汚れ検出時には、光源181から出射された光を下部領域に入射させるため、ミラー1841が入射光路E22aを形成するように回転軸1843の回転動作が制御される。すなわち、回転軸1843は、矢印Y27のように回転し、光源181から出射された光をミラー1842に反射する角度となるようにミラー1841を回転させる。この結果、光源181から出射された光は、ミラー1841およびミラー1842において順次反射することによって、入射光路E22aで反応容器21側面の下部領域に入射する。この場合、ミラー1831は、回転軸1833の回転動作によって、入射光路E22a上から退避移動されている。
【0079】
そして、反応容器21側面の下部領域における吸光度測定時には、反応容器21側面の下部領域の透過光を受光部182に入射させるため、ミラー1861が出射光路E22bを形成するように回転軸1863の回転動作が制御される。すなわち、回転軸1863は、矢印Y28のように回転し、反応容器21側面の下部領域を透過してミラー1862によって反射された光を受光部182に反射する角度となるようにミラー1861を回転させる。この結果、反応容器21側面の下部領域を透過した光は、ミラー1862およびミラー1861において順次反射することによって、出射光路E22bで受光部182に入射する。この場合には、ミラー1852は、回転軸1853の回転動作によって、出射光路E22b上から退避移動されている。
【0080】
このように、分析装置201においては、反応容器21における下部領域の汚れ検出時には、回転軸1843,1863を回転させることによって、光源181から出射された光を反応容器21側面の下部領域に誘導し、さらに、この下部領域の透過光を受光部182に誘導している。
【0081】
つぎに、図12を参照して、分析装置201における反応容器21に対する汚れ検出処理について説明する。図12に示すように、分析装置201は、図4のステップS2と同様に、評価溶液注入処理(ステップS202)を行なう。次いで、制御部31は、光源181から発せられ反応容器21を透過する光の光路が第1光路となるように、回転軸1833,1843,1853,1863を回転制御することによって、ミラー1831,1841,1852,1861を回転移動させる(ステップS206)。なお、第1光路は、たとえば図9に示す反応容器21側面の測光領域に対応する入射光路E20a,出射光路E20bである。
【0082】
そして、光源181が反応容器21に対して光を照射し、受光部182が反応容器21の所定の領域を透過した光を受光し所定波長の光の吸光度を測定することによって汚れ検出用測光処理が行われる(ステップS208)。汚れ検出部34は、受光部182の測光値が汚れ有無判断の基準となる所定の閾値を超えるか否かを判断する(ステップS210)。
【0083】
そして、汚れ検出部34は、汚れ検出用測光部20の測定値が所定の閾値を超えると判断した場合(ステップS210:Yes)、図4に示すステップS12およびステップS14と同様に、この反応容器21には次の分析処理に影響を与える程度の汚れが残存していることを検出し(ステップS212)、その後、洗浄部19は、再洗浄処理を行なう(ステップS214)。次いで、この再洗浄された反応容器21が汚れているかを再度判断するため、ステップS202に戻って評価溶液を注入し、汚れ検出のための各処理を行なう。
【0084】
これに対し、汚れ検出部34は、汚れ検出用測光部20の測定値が所定の閾値を超えていないと判断した場合(ステップS210:No)、この第1光路に対応する反応容器21の領域では次の分析処理に影響を与える程度の汚れが残存していないものと判断する(ステップS216)。
【0085】
そして、図4に示すステップS18と同様に、制御部31は、全領域に対する測光処理が終了したか否かを判断する(ステップS218)。制御部31は、終了していないと判断した場合(ステップS218:No)、次の光路に対応する反応容器側面の領域の汚れを判断するため、次の光路へ移動する(ステップS220)。すなわち、次の光路に対応する反応容器側面の領域の汚れを判断するため、光源181から発せられ反応容器21を透過する光の光路が第2光路となるように、回転軸1833,1843,1853,1863を回転制御することによって、ミラー1831,1841,1861,1852を回転移動させる。次にステップS208に戻り、分析装置201は、汚れ検出用測光処理(ステップS208)を行なった上で、この第2光路に対応する反応容器側面領域の汚れ検出部34による汚れ判断の処理を行なう。なお、第2光路は、たとえば図9に示す入射光路E21a,出射光路E21bである。このように、分析装置201においては、設定された各光路ごとに、各光路に対応する反応容器21側面の各領域の汚れの程度を検出する。
【0086】
一方、制御部31は、終了したと判断した場合(ステップS218:Yes)、汚れ検出対象の全領域に対する汚れ検出処理が終了し、反応容器側面の汚れ検出対象の全領域に汚れがないと判断する(ステップS222)。次いで、洗浄部19は、この反応容器21に対しすすぎ洗浄処理を行ない(ステップS224)、この反応容器21に対する汚れ検出処理を終了する。この反応容器21は、すすぎ洗浄処理が行われた後、分析処理に使用される。
【0087】
このように、実施の形態2においては、回転軸1833,1843,1853,1863を回転して各ミラー1831,1841,1861,1852を回転移動することによって、光源181から出射された光を反応容器21側面の測光領域および測光領域以外の領域に誘導し、測光領域の透過光を受光部182に誘導する。したがって、実施の形態2においては、このような誘導機構を設け光源181から照射される光の光束を、反応容器21側面に対して移動させることによって、測光部18による測光領域以外の領域に対しても容器の汚れの程度を検出することができ、実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0088】
なお、分析装置201においては、図13に示すように、ミラー1832を反応容器21側面に対し矢印Y29aのように上下方向に移送する移送機構186、ミラー1842を反応容器21側面に対し矢印Y29cのように上下方向に移送する移送機構187、ミラー1851を反応容器21側面に対し矢印Y29bのように上下方向に移送する移送機構188およびミラー1862を反応容器21側面に対し矢印Y29dのように上下方向に移送する移送機構189を設け、さらに光路を増やし反応容器21側面のさまざまな領域の汚れを検出できるようにしてもよい。
【0089】
たとえば、移送機構186は、ミラー1832を、入射光路E21aに対応する位置から下降させ、移送機構188は、移送機構186の下降処理に同期してミラー1851を出射光路E21bに対応する位置から下降させる。この場合には、光源181から出射された光の光束は入射光路E21abで反応容器21側面に入射し、反応容器21側面を透過した光は出射光路E21bbで受光部182に入射する。そして、この受光部182による吸光度測定の結果をもとに、汚れ検出部34は、入射光路E21abおよび出射光路E21bbに対応する領域の汚れの程度を検出する。同様に、移送機構187は、ミラー1842を、入射光路E22aに対応する位置から上昇させ、移送機構189は、移送機構187の上昇処理に同期してミラー1862を出射光路E22bに対応する位置から上昇させる。この場合には、光源181から出射された光の光束は入射光路E22abで反応容器21側面に入射し、反応容器21側面を透過した光は出射光路E22bbで受光部182に入射する。そして、この受光部182による吸光度測定の結果をもとに、汚れ検出部34は、入射光路および出射光路E22bbに対応する領域の汚れの程度を検出する。
【0090】
また、分析装置201は、分析装置1と同様に、評価溶液として血液中のたんぱく質と選択的に反応して強く蛍光を発する構成物を含む試薬を注入し、反応容器21側面の各領域における蛍光量を測定して汚れ検出処理を行ってもよい。また、分析装置201は、評価溶液として血液中のたんぱく質と選択的に反応して強く発光を発する構成物を含む試薬を反応容器21内に注入してから、この反応容器21から発せられる発光量を測定して汚れ検出処理を行なってもよい。この場合、測光部218は、励起光を照射する必要がないため、光源181側の誘導機構である図9のミラー1831,1832,1841,1842および回転軸1833,1843を削除した構成で足りる。
【0091】
(実施の形態3)
つぎに、実施の形態3について説明する。実施の形態3においては、汚れ検出時において、反応容器そのものを昇降させることによって、測光領域および測光領域以外の領域における光学的特性を測定する。
【0092】
図14は、実施の形態3にかかる分析装置の構成を示す模式図である。図14に示すように、実施の形態3にかかる分析装置301の測定機構302は、汚れ検出のための測光処理において汚れ検出対象の反応容器21を昇降させる機構を備えた反応テーブル313と、分析処理のための測光処理と反応容器21の汚れ検出のための測光処理との双方の処理を行なう測光部318とを有する。
【0093】
つぎに、図15および図16を参照して図14に示す反応テーブル313における昇降機構を説明する。図15に示すように、反応テーブル313は、図示しない回転モータまたはステッピングモータと接続し軸心を中心に回転する回転軸3181と、この回転軸3181が貫通するカム3182とを有する昇降機構を備える。
【0094】
制御部31の制御のもと図示しない回転モータまたはステッピングモータが回転することによって、図15の矢印Y31のように回転軸3181が回転する。そして、この回転軸3181の回転によって、回転軸3181が貫通するカム3182も矢印Y32のように回転する。この結果、カム3182上に位置する反応容器21も、図16の矢印Y33のように上昇する。
【0095】
この結果、図16の矢印Y34に示すように、図15に示す反応容器21の側面の領域S31から図16に示す領域S33に、光源181からの光E31aの入射領域が移動する。そして、受光部182は、領域S31を透過した透過光E31bおよび領域S33を透過した光E33bを受光する。
【0096】
このように、分析装置301は、汚れ検出時には、回転軸3181およびカム3182を回転させ反応容器21そのものを昇降させて、測光領域および測光領域以外の領域における光学的特性を測定している。
【0097】
つぎに、図17を参照して、分析装置301における反応容器21に対する汚れ検出処理について説明する。図17に示すように、分析装置301は、図4のステップS2と同様に、評価溶液注入処理(ステップS302)を行なう。そして、光源181から発せられた光が第1汚れ検出対象領域に照射するように、回転軸3181が所定分回転し、反応容器21を第1汚れ検出対象領域に対応する高さに昇降移動させる(ステップS306)。なお、第1汚れ検出対象領域は、たとえば図15に示す領域S31である。
【0098】
そして、図12に示すステップS208およびステップS210と同様に、汚れ検出用測光処理(ステップS308)および測光値が閾値を超えるか否かの判断処理(ステップS310)が行なわれる。
【0099】
そして、汚れ検出部34は、受光部182の測定値が所定の閾値を超えると判断した場合(ステップS310:Yes)、図4に示すステップS12およびステップS14と同様に、この反応容器21には次の分析処理に影響を与える程度の汚れが残存していることを検出し(ステップS312)、その後、洗浄部19は、再洗浄処理を行なう(ステップS314)。次いで、この再洗浄された反応容器21が汚れているかを再度判断するため、ステップS302に戻って評価溶液を注入し、汚れ検出のための各処理を行なう。
【0100】
これに対し、汚れ検出部34は、汚れ検出用測光部20の測定値が所定の閾値を超えていないと判断した場合(ステップS310:No)、この第1汚れ検出対象領域には次の分析処理に影響を与える程度の汚れが残存していないものと判断する(ステップS316)。
【0101】
そして、制御部31は、測光部318による汚れ検出対象の全領域に対する測光処理が終了したか否かを判断する(ステップS318)。
【0102】
制御部31は、終了していないと判断した場合(ステップS318:No)、次の汚れ検出対象領域の汚れを判断するため、次の領域へ移動する(ステップS320)。すなわち、次の第2汚れ検出対象領域を判断するため、光源181から発せられた光が第2汚れ検出対象領域に照射するように、回転軸3181が回転し、反応容器21を第2汚れ検出対象領域に対応する高さに昇降移動させる。なお、第2汚れ検出対象領域は、たとえば図16に示す領域S33である。このように、分析装置301においては、反応容器21側面の各汚れ検出対象領域の汚れの程度を検出する。
【0103】
一方、制御部31は、終了したと判断した場合(ステップS318:Yes)、汚れ検出対象の全領域に対する汚れ検出処理が終了し、反応容器側面の汚れ検出対象の全領域に汚れがないと判断する(ステップS322)。次いで、洗浄部19は、この反応容器21に対しすすぎ洗浄処理を行ない(ステップS324)、この反応容器21に対する汚れ検出処理を終了する。この反応容器21は、すすぎ洗浄処理が行われた後、分析処理に使用される。
【0104】
このように、実施の形態3においては、回転軸3181の回転制御によって、光源181から発せられた光が反応容器21側面の測光領域および測光領域以外の領域に照射するように反応容器21自体を昇降している。したがって、実施の形態3においては、反応容器21を昇降させる昇降機構を設け、光源181から照射される光の光束に対し反応容器21を上下に移動させることによって、測光部318による測光領域以外の領域に対しても容器の汚れの程度を検出することができ、実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0105】
なお、実施の形態3では、カムによるほか、磁石の反発力を利用して反応容器21を昇降させてもよい。この場合、図18のように、反応テーブル313の測光位置において、反応容器21下方に電磁石3132,3133を備えたホルダー3131を用いる。電磁石3132は、ホルダー3131底壁に固定して配設されており、電磁石3133は、ホルダー3131内を昇降できるように電磁石3132上に設けられている。
【0106】
制御部31は、検体の分析処理時または反応容器21における測光領域の汚れ検出時には、電磁石3132,3133がそれぞれ引き合うように、電磁石3132をS極化し、電磁石3133をN極化する。この場合、反応容器21は、光源181から出射された光が反応容器21側面の測光領域に入射できる高さを維持する。したがって、光源181から出射された光E41aは、反応容器21側面の測光領域に入射し、受光部182は、反応容器21側面の測光領域を透過した光E41bを受光する。
【0107】
そして、反応容器21側面における測光領域以外の領域の汚れ検出を行なう場合には、制御部31は、電磁石3132,3133がそれぞれ反発するように、図19に示すように、電磁石3133をS極化する。この結果、S極化された電磁石3132と電磁石3133との間に反発力H31が発生する。電磁石3132は、ホルダー3131底壁に固定されているため、発生した反発力H31の作用によって、電磁石3133がホルダー3131の領域R31内を上昇する。この電磁石3133の上昇にともなって、電磁石3133上の反応容器21は、矢印Y36のように、光源181から出射された光が反応容器21側面の測光領域以外の領域に入射できる高さまで上昇することになる。したがって、光源181から出射された光E43aは、反応容器21側面の測光領域の下部領域に入射し、受光部182は、この下部領域を透過した光E43bを受光する。なお、電磁石3132,3133間に生じる反発力の強度を調整することによって、反応容器21の高さを調節することができる。
【0108】
図18および図19のように磁石の反発力を利用して反応容器21を昇降させた場合には、図15および図16のようにカム3182などの構成が大きな昇降機構を設ける必要がないため、昇降機構の小型化が可能になる。
【0109】
また、分析装置301は、分析装置1と同様に、評価溶液として血液中のたんぱく質と選択的に反応して強く蛍光を発する構成物を含む試薬を注入し、反応容器21側面の各領域における蛍光量を測定して汚れ検出処理を行ってもよい。また、分析装置301は、評価溶液として血液中のたんぱく質と選択的に反応して強く発光を発する構成物を含む試薬を反応容器21内に注入してから、この反応容器21から発せられる発光量を測定して汚れ検出処理を行なってもよい。この場合、測光部318における光源181は、励起光を照射する必要がない。
【0110】
また、実施の形態1〜3において、汚れ検出時において、評価溶液として血液中のたんぱく質と選択的に反応して強く蛍光を発する構成物を含む試薬を注入し、反応容器21側面の各領域における蛍光量を測定する場合には、反応容器21の開口上部にさらに汚れ検出用の受光部を設けて、汚れ検出処理の確実化を図ってもよい。たとえば、実施の形態1に適用したばあいには、図20に例示するように、検出用測光部122aを、検出用光源121からの光軸を避けるように反応容器21の開口上部に新たに配置する。このように反応容器21の開口上部に設置した検出用測光部122aは、反応容器21側壁越しに蛍光量を検出するよりも高感度で蛍光量を検出でき、検出用光源121から発せられる光を直接受光しないため、受光結果への検出用光源121からの発光の影響を除去できる。したがって、検出用測光部122aは、反応容器21から発せられた蛍光E131dのみを確実に測定することができる。
【0111】
さらに、評価溶液として血液中のたんぱく質と選択的に反応して強く蛍光を発する構成物を含む試薬を注入し反応容器21側面における蛍光量を測定して汚れ検出処理を行なう場合には、図21に示すように、図20の検出用光源121に代えて、反応容器21側面全体に励起光を照射可能である検出用光源121aを設けてもよい。この検出用光源121aを用いて反応容器21側面全体に励起光を照射した場合、反応容器21開口上部の検出用測光部122aは、たとえ反応容器21側面の各領域における汚れが低濃度であった場合であっても、反応容器21側面全体の汚れが積み重なった状態の蛍光量E131eを測定できる。このため、汚れ検出部34は、検出用測光部122aが測定した蛍光量をもとに、さらに低濃度の汚れを検出することができる。
【0112】
また、実施の形態1〜3においては、評価溶液として血液中のたんぱく質と選択的に反応して強く発光を発する構成物を含む試薬を反応容器21内に注入してから、この反応容器21から発せられる発光量を測定する場合においても同様に、たとえば図22に示すように、反応容器21の開口上部に汚れ検出用の検出用測光部122aを設けて、汚れ検出処理の確実化を図ってもよい。
【0113】
また、実施の形態1〜3においては、検出用光源から照射される光の光束が反応容器21の側面の角部へ照射されるように、光源側昇降機構、測光側昇降機構、誘導機構、容器昇降機構の配置位置などを設定してもよい。
【0114】
たとえば、実施の形態1における汚れ検出用測光部20においては、図23に例示するように、反応容器21の側面角部に検出用光源121から発せられた光が照射されるように、検出用光源121および検出用測光部122の配置位置、向きを設定する。そして、光源側昇降機構123が矢印Y411のように検出用光源121を昇降させ、測光側昇降機構124が矢印Y412のように光源側昇降機構123に同期して検出用測光部122を昇降させる。この結果、矢印Y413に示すように汚れ検出対象領域が反応容器21の側面角部の領域S411から領域S413のように変化する。すなわち、光源側昇降機構123および測光側昇降機構124の昇降動作によって、検出用光源121は光E411aを反応容器21側面角部の領域S411に照射できるとともに検出用測光部122は領域S411を透過した光E411bを受光できる。また、検出用光源121は光E413aを反応容器21側面角部の領域S413に照射できるとともに検出用測光部122は領域S413を透過した光E413bを受光できる。
【0115】
このように、光源側昇降機構、測光側昇降機構、誘導機構、容器昇降機構の配置位置などを設定して、汚れ残りが発生しやすいと考えられる反応容器21側面の角部に対しても汚れ検出を行ない、汚れ検出の確実化を図ってもよい。
【0116】
また、上記実施の形態で説明した分析装置1,201,301は、あらかじめ用意されたプログラムをコンピュータシステムで実行することによって実現することができる。このコンピュータシステムは、所定の記録媒体に記録されたプログラムを読み出して実行することで分析装置の処理動作を実現する。ここで、所定の記録媒体とは、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MOディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」の他に、コンピュータシステムの内外に備えられるハードディスクドライブ(HDD)などのように、プログラムの送信に際して短期にプログラムを保持する「通信媒体」など、コンピュータシステムによって読み取り可能なプログラムを記録する、あらゆる記録媒体を含むものである。また、このコンピュータシステムは、ネットワーク回線を介して接続した管理サーバや他のコンピュータシステムからプログラムを取得し、取得したプログラムを実行することで分析装置の処理動作を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】実施の形態1にかかる分析装置の構成を示す模式図である。
【図2】図1に示す汚れ検出用測光部を説明する図である。
【図3】図2に示す光源側昇降機構および測光側昇降機構を説明する図である。
【図4】図1に示す分析装置における反応容器の汚れ検出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】従来の汚れ検出処理を説明する図である。
【図6】実施の形態1における汚れ検出方法の他の例を説明する図である。
【図7】実施の形態2にかかる分析装置の構成を示す模式図である。
【図8】図7に示す測光部を説明する図である。
【図9】図7に示す測光部の各構成部位の動作について説明する図である。
【図10】図7に示す測光部の各構成部位の動作について説明する図である。
【図11】図7に示す測光部の各構成部位の動作について説明する図である。
【図12】図7に示す分析装置における反応容器の汚れ検出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】図7に示す測光部の他の例を説明する図である。
【図14】実施の形態3にかかる分析装置の構成を示す模式図である。
【図15】図14に示す反応テーブルおよび測光部を説明する図である。
【図16】図14に示す反応テーブルおよび測光部を説明する図である。
【図17】図14に示す分析装置における反応容器の汚れ検出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図18】図14に示す反応テーブルの他の例を説明する図である。
【図19】図14に示す反応テーブルの他の例を説明する図である。
【図20】図1に示す汚れ検出用測光部の他の例を示す図である。
【図21】図1に示す汚れ検出用測光部の他の例を示す図である。
【図22】図1に示す汚れ検出用測光部の他の例を示す図である。
【図23】図1に示す汚れ検出用測光部の他の例を示す図である。
【符号の説明】
【0118】
1,201,301 分析装置
2,202,302 測定機構
3 制御機構
11 検体移送部
11b 検体ラック
11a 検体容器
12 検体分注機構
12a,16a アーム
13,313 反応テーブル
14 試薬庫
15 試薬容器
16 試薬分注機構
17 攪拌部
18,218,318 測光部
19 洗浄部
20 汚れ検出用測光部
21 反応容器
31 制御部
32 入力部
33 分析部
34 汚れ検出部
35 記憶部
36 出力部
121,121a 検出用光源
122,122a 検出用測光部
123 光源側昇降機構
124 測光側昇降機構
131,132 ホルダー
133 蓋
161 試薬ノズル
181 光源
182 受光部
186,187,188,189 移送機構
1231,1241 昇降用モータ
1232a,1232b,1242a,1242b プーリ
1233,1243 昇降用ベルト
1234,1244 移動板
1235 光源側軸柱
1245 測光側軸柱
1831,1832,1841,1842,1851,1852,1861,1862 ミラー
1833,1843,1853,1863 回転軸
3131 ホルダー
3132,3133 電磁石
3181 回転軸
3182 カム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に保持された液体検体を分析する分析装置において、
前記液体検体を保持する容器に光を照射する分析用光源および、前記分析用光源から照射された光のうち前記容器を透過した光を受光する分析用受光手段を備えた分析用測光手段と、
前記分析用光源による光が照射される領域である測光領域以外の領域に対して光を照射する検出用光源および、前記測光領域以外の領域における前記容器の光学特性を測定する検出用測光手段を備えた汚れ用測定手段と、
前記検出用測光手段の測定結果をもとに前記容器の汚れの程度を検出する汚れ検出手段と、
を備えたことを特徴とする分析装置。
【請求項2】
前記汚れ用測定手段は、前記検出用光源から照射される光の光束と前記容器とを相対的に移動させる光路移動手段を有することを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
前記光路移動手段は、
前記検出用光源から照射される光の光束が前記容器の側面に対して上下に移動するように前記検出用光源を昇降させる光源側昇降手段と、
前記光源側昇降手段の昇降動作に同期させて前記検出用測光手段を昇降させる測光側昇降手段と、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の分析装置。
【請求項4】
前記光路移動手段は、
汚れ検出時に前記検出用光源から照射される光の光束を前記測光領域以外の領域に誘導する光源側誘導機構と、
汚れ検出時に前記検出用光源から照射された光のうち前記測光領域以外の領域を透過した光を前記検出用測光手段に誘導する測光側誘導機構と、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の分析装置。
【請求項5】
前記光路移動手段は、汚れ検出時に汚れ検出対象の前記容器を昇降させる容器昇降手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の分析装置。
【請求項6】
前記検出用測光手段は、前記測光領域以外の領域を透過した所定波長の光の吸光度を測定し、
前記汚れ検出手段は、前記検出用測光手段によって測定された前記測光領域以外の領域の前記所定波長の光の吸光度が所定の閾値以下である場合には前記容器に汚れがないと判断し、前記検出用測光手段によって測定された前記測光領域以外の領域の前記所定波長の光の吸光度が前記所定の閾値を超えていた場合には前記容器に汚れが残存していると判断することを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項7】
前記検出用測光手段は、前記測光領域以外の領域から発せられた蛍光量を測定し、
前記汚れ検出手段は、前記検出用測光手段によって測定された前記測光領域以外の領域の蛍光量が所定の閾値以下である場合には前記容器に汚れがないと判断し、前記検出用測光手段によって測定された前記測光領域以外の領域の蛍光量が前記所定の閾値を超えていた場合には前記容器に汚れが残存していると判断することを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項8】
前記分析用光源は、前記検出用光源を兼ねることを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項9】
前記分析用受光手段は、前記検出用測光手段を兼ねることを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項10】
前記検出用光源は、前記容器の角部へ光を照射することを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項11】
前記検出用測光手段は、前記容器の開口上部に配置されることを特徴とする請求項7に記載の分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2009−20004(P2009−20004A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−183070(P2007−183070)
【出願日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】