説明

制御装置及び電子機器

【課題】認証機能を備えた無接点電力伝送の受電ができる制御装置及び電子機器等を提供すること。
【解決手段】制御装置は、無接点電力伝送の受電部210と認証デバイス250とを含む電子機器200を制御する制御装置100であって、受電部210を制御する受電制御部110と、認証デバイス250からの認証情報を取得する認証情報取得部140と、取得された認証情報及び認証情報に基づく認証処理結果の少なくとも一方を、無接点電力伝送の1次コイルL1と2次コイルL2とを用いるコイル間通信により、相手機器400に対して送信する処理を行う通信処理部120と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置及び電子機器等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電磁誘導を利用し、金属部分の接点がなくても電力伝送を可能にする無接点電力伝送(非接触電力伝送)が脚光を浴びている、この無接点電力伝送の適用例として、携帯電話機など携帯機器への充電が提案されている。
【0003】
一方、携帯機器の多機能化(カメラ機能、音楽プレーヤー機能、テレビ機能など)により、携帯機器の消費電力は増加する傾向にある。このため外出先などでバッテリー切れが発生するおそれがある。
【0004】
この対策として、無接点電力伝送の環境を様々な場所に整備して、有料の充電サービスを行うことも考えられるが、どのように課金システムを構築するかが課題となる。
【0005】
例えば特許文献1には、携帯機器から充電装置に所定の認証情報を送信して充電許可を得る手法が開示されている。
【0006】
しかしながらこの手法では、充電サービスを利用しようとする者が本人であることを確認できないために、他人による不正使用を防止することができないなどの課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−295191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の幾つかの態様によれば、認証機能を備えた無接点電力伝送の受電ができる制御装置及び電子機器等を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、無接点電力伝送の受電部と認証デバイスとを含む電子機器を制御する制御装置であって、前記受電部を制御する受電制御部と、前記認証デバイスからの認証情報を取得する認証情報取得部と、取得された前記認証情報及び前記認証情報に基づく認証処理結果の少なくとも一方を、前記無接点電力伝送の1次コイルと2次コイルとを用いるコイル間通信により、相手機器に対して送信する処理を行う通信処理部と、を含む制御装置に関係する。
【0010】
本発明の一態様によれば、認証情報及び認証情報に基づく認証処理結果の少なくとも一方を相手機器に送信して、相手機器から認証を得ることができる。また無接点電力伝送により、相手機器から電力の供給を受けることができる。
【0011】
また本発明の一態様では、前記認証情報取得部は、前記相手機器と前記電子機器との近接が検出された場合に、前記認証デバイスからの前記認証情報を取得してもよい。
【0012】
このようにすれば、相手機器と電子機器との間で無接点電力伝送が可能になるから、相手機器から電力を受け取ることができる。
【0013】
また本発明の一態様では、前記無接点電力伝送により受電した電力で、前記認証デバイス及び前記認証情報取得部が動作してもよい。
【0014】
このようにすれば、例えば電子機器がバッテリーを搭載しない場合、或いはバッテリーを搭載していてもバッテリーが消耗した場合などに、認証情報を取得することができる。
【0015】
また本発明の一態様では、前記認証デバイスからの前記認証情報と登録認証情報とに基づいて認証処理を行う認証処理部を含み、前記通信処理部は、前記認証処理部の前記認証処理結果を前記相手機器に対して送信する処理を行ってもよい。
【0016】
このようにすれば、電子機器が認証処理を行って、その結果を相手機器に送信すればよいから、相手機器が登録認証情報を持たない場合などでも認証することができる。
【0017】
また本発明の一態様では、前記認証情報及び前記認証処理結果の少なくとも一方を有効期間経過後に無効にする設定処理を行う設定処理部を含んでもよい。
【0018】
このようにすれば、有効期間経過後には認証処理を行うことができなくなるから、例えば電子機器が盗難又は紛失した場合などに、不正に使用されるおそれを低減することができる。
【0019】
また本発明の一態様では、前記認証情報及び前記認証処理結果の少なくとも一方を保持する記憶部を含んでもよい。
【0020】
このようにすれば、例えば認証情報を取得した後であっても、或いは認証処理を実行した後であっても、必要とする時に相手機器から認証を受けることができる。
【0021】
また本発明の一態様では、前記有効期間内に前記相手機器と前記電子機器との近接が検出された場合に、前記通信処理部は、前記記憶部に保持された前記認証情報及び前記認証処理結果の少なくとも一方を前記相手機器に対して送信する処理を行ってもよい。
【0022】
このようにすれば、有効期間経過後には相手機器から認証を得ることができなくなるから、例えば電子機器が盗難又は紛失した場合などに、不正に使用されるおそれを低減することができる。
【0023】
また本発明の一態様では、前記受電制御部は、前記無接点電力伝送のネゴシエーション処理を行うネゴシエーション処理部と、前記ネゴシエーション処理の結果に基づいて、前記無接点電力伝送のセットアップ処理を行うセットアップ処理部と、前記セットアップ処理の後に前記無接点電力伝送のコマンド処理を行うコマンド処理部とを含み、前記コマンド処理部は、前記コマンド処理において、前記認証情報及び前記認証処理結果の少なくとも一方を送信するコマンドを発行してもよい。
【0024】
このようにすれば、安全かつ効率的に無接点電力伝送を実現することができ、さらに認証処理に必要なコマンドをコマンド処理において実行することができるから、無接点電力伝送のための処理シーケンスを利用してシステムを構築することができる。
【0025】
また本発明の一態様では、前記認証デバイスは、生体認証デバイスであってもよい。
【0026】
このようにすれば、例えば指紋認証や静脈認証などの生体認証により本人認証を行うことができるから、電子機器のセキュリティー機能を高めることができる。
【0027】
本発明の他の態様は、無接点電力伝送の受電部と認証デバイスとを含む電子機器を制御する制御装置であって、前記受電部を制御する受電制御部と、前記認証デバイスからの認証情報を取得する認証情報取得部と、前記認証デバイスからの前記認証情報と登録認証情報とに基づいて認証処理を行う認証処理部と、前記認証情報及び前記認証処理部の認証処理結果の少なくとも一方を有効期間経過後に無効にする設定処理を行う設定処理部と、動作制御部とを含み、前記認証情報及び前記認証処理結果の少なくとも一方が取得されてから前記有効期間内である場合は、前記動作制御部は、前記電子機器の所定の動作を許可し、前記認証情報及び前記認証処理結果の少なくとも一方が取得されてから前記有効期間の経過後である場合は、前記動作制御部は、前記電子機器の前記所定の動作を非許可にする制御装置に関係する。
【0028】
本発明の他の態様によれば、認証情報を取得してから有効期間が経過した場合は、電子機器の所定動作が許可されないから、例えば電子機器が盗難又は紛失した場合などに、不正に使用されるおそれを低減することができる。
【0029】
また本発明の他の態様では、前記電子機器は、電子マネー機器であって、前記認証情報及び前記認証処理結果の少なくとも一方が取得されてから前記有効期間内である場合は、前記動作制御部は、電子マネーの使用動作を許可し、前記認証情報及び前記認証処理結果の少なくとも一方が取得されてから前記有効期間の経過後である場合は、前記動作制御部は、前記電子マネーの前記使用動作を非許可にしてもよい。
【0030】
このようにすれば、認証情報を取得してから有効期間が経過した場合は、電子マネー機器の使用動作が許可されないから、例えば電子マネー機器が盗難又は紛失した場合などに、不正に電子マネー機器が使用されるおそれを低減することができる。
【0031】
また本発明の他の態様では、前記電子機器は、遠隔操作機器であって、前記認証情報及び前記認証処理結果の少なくとも一方が取得されてから前記有効期間内である場合は、前記動作制御部は、前記遠隔操作機器の使用動作を許可し、前記認証情報及び前記認証処理結果の少なくとも一方が取得されてから前記有効期間の経過後である場合は、前記動作制御部は、前記遠隔操作機器の前記使用動作を非許可にしてもよい。
【0032】
このようにすれば、認証情報を取得してから有効期間が経過した場合は、遠隔操作機器の使用動作が許可されないから、例えば遠隔操作機器が盗難又は紛失した場合などに、不正に遠隔操作機器が使用されるおそれを低減することができる。
【0033】
また本発明の他の態様では、前記無接点電力伝送の1次コイルと2次コイルとを用いるコイル間通信により通信処理を行う通信処理部を含み、前記通信処理部は、前記遠隔操作機器の前記登録認証情報を受信する処理を行ってもよい。
【0034】
このようにすれば、遠隔操作機器の充電を行う際に、並行して登録認証情報を受信することができる。
【0035】
また本発明の他の態様では、前記認証デバイスは、生体認証デバイスであってもよい。
【0036】
このようにすれば、例えば指紋認証や静脈認証などの生体認証により本人認証を行うことができるから、電子機器のセキュリティー機能を高めることができる。
【0037】
本発明の他の態様は、上記に記載の制御装置と、前記認証デバイスと、前記受電部とを含む電子機器に関係する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】電子機器の第1の例。
【図2】図2(A)、図2(B)は電子機器の第2の例。
【図3】電子機器の第3の例。
【図4】図4(A)、図4(B)は無接点電力伝送のコイルの例。
【図5】制御装置及び電子機器の基本的な構成例。
【図6】制御装置及び電子機器の他の構成例。
【図7】制御装置及び電子機器の詳細な構成例。
【図8】図8(A)、図8(B)は変調方法を説明する図。
【図9】受電制御部及び送電制御部の詳細な構成例。
【図10】無接点電力伝送の処理シーケンスを説明する図。
【図11】動作のフローチャートの一例。
【図12】動作のフローチャートの一例。
【図13】動作のフローチャートの変形例。
【図14】動作のフローチャートの別の例。
【図15】動作のフローチャートの別の例。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0040】
1.電子機器
図1に本実施形態の電子機器の第1の例を示す。本実施形態の電子機器200は、無接点電力伝送の2次コイルL2、LCDなどの表示部201、ボタン等で構成される操作部202、認証デバイス250を含む。
【0041】
図1に示す電子機器200は、例えば携帯電話機、ハンディターミナル、携帯情報端末などの携帯機器であって、相手機器400(充電器)から無接点電力伝送により電力供給を受けてバッテリーの充電を行うことができる。相手機器400は、1次コイルL1を含み、この1次コイルL1と電子機器200の2次コイルL2との電磁結合によって無接点電力伝送が実現される。
【0042】
図1に示す電子機器200(携帯機器)は、認証デバイス250を含む。この認証デバイス250としては、例えば指紋認証デバイス、静脈認証デバイスなどの生体認証デバイスを用いることができる。認証デバイス250により取得した認証情報(例えば指紋情報)は、1次コイルL1と2次コイルL2とを用いるコイル間通信により、電子機器200から相手機器400へ送信される。相手機器400は、受信した認証情報と予め登録された登録認証情報とが一致するかどうかを判断し、一致する場合には電子機器200に対して無接点電力伝送による送電を開始する。
【0043】
このように本実施形態の電子機器200によれば、携帯機器を充電しようとする者が登録された(正規の)利用者本人であることが確認された場合に限って、充電を許可することができる。こうすることで、例えば外出先での充電サービスを提供するビジネスにおいて、高度なセキュリティー機能を備えた充電課金システムを構築することが可能となる。
【0044】
図2(A)、図2(B)に本実施形態の電子機器の第2の例を示す。図2(A)に示す電子機器200は、例えば銀行カード(キャッシュカード)などの非接触(無接点)ICカードである。図2(A)に示す電子機器200(非接触ICカード)は、無接点電力伝送の2次コイルL2、LCDなどの表示部201、ボタン等で構成される操作部202、認証デバイス250を含むが、表示部201及び操作部202のいずれか一方あるいは両方を省略した構成とすることもできる。認証デバイス250としては、例えば指紋認証デバイス、静脈認証デバイスなどの生体認証デバイスを用いることができる。
【0045】
図2(A)に示すように、電子機器200(非接触ICカード)を送電装置500にタッチ(着地、近接)させることで、無接点電力伝送により電力が供給され、その電力によって電子機器200に含まれる認証デバイス250及びその他の回路が動作する。次に認証デバイス250の上に指を置くことで、認証情報(例えば指紋情報)が取得され、取得された認証情報は電子機器200に含まれる記憶部(例えばフラッシュメモリー)に記憶される。
【0046】
次に図2(B)に示すように、認証情報が記憶された電子機器200を相手機器400(例えば銀行ATM機器)に近接(タッチ、着地)させることで、無接点電力伝送により電力が供給され、その電力によって電子機器200に含まれる回路が動作する。このときコイル間通信によって、認証情報が電子機器200から相手機器400へ送信される。相手機器400は、受信した認証情報と予め登録された登録認証情報とが一致するか否かを判断し、一致する場合には所定の動作モード(例えばATM受付モード)に移行する。利用者は、タッチパネル401から必要な操作(例えば現金の引き出し)を行う。
【0047】
相手機器400が、認証情報と登録認証情報とが一致するか否かを判断するのではなく、電子機器200が認証情報と登録認証情報とを比較して認証処理を実行し、その認証処理結果を記憶部に記憶し、その認証処理結果を相手機器400へ送信してもよい。この場合は、電子機器200に予め登録認証情報を記憶しておく。
【0048】
さらに本実施形態の電子機器200によれば、認証情報が取得された後、所定の有効期間が経過した場合に、認証情報及び認証処理結果の少なくとも一方を無効にすることができる。このようにすることで、電子機器200が盗難又は紛失した場合に、不正に使用されるおそれを低減することができる。
【0049】
本実施形態の電子機器200(非接触ICカード)によれば、家庭内で本人(預金者)自身が認証情報(指紋情報)を電子機器200に記憶し、その後に代理人がその電子機器200を銀行等に持参して相手機器400(銀行ATM機器)を操作し、現金の引き出し等を行うことができる。この場合でも、上記の有効期間を設定することにより、不正に使用されるおそれを低減することができる。
【0050】
以上説明したように、本実施形態の電子機器200によれば、本人(預金者)自身が銀行等に行ってATM機器を操作することが困難であって、代理人に預金の引き出し等を依頼する場合でも、安全性の高い認証システムを実現することができる。このシステムは、介護の必要な高齢者や病人など、また成年被後見人などが銀行等を利用する場合に役立つ。
【0051】
以上は電子機器200が銀行カード等である場合の説明であるが、電子機器200は電子マネー機器(電子マネーカード)であってもよい。この場合には、所定の有効期間が経過した場合に、電子機器200の使用動作(例えば電子マネーの支払い)を非許可にすることができる。このようにすることで、電子機器200が盗難又は紛失した場合に、不正に使用されるおそれを低減することができる。
【0052】
以上説明した非接触ICカードとして使用される電子機器では、無接点電力伝送による電力供給を受けて電子機器内部の回路が動作することができるから、バッテリーは必須ではない。しかしながら、バッテリーを設けることにより、時計機能を付加することができるから、有効期間をより正確に設定することが可能になる。また、使用履歴や残高などを随時表示することができる。そして、そのバッテリーは無接点電力伝送により充電することができる。
【0053】
図3に本実施形態の電子機器の第3の例を示す。図3に示す電子機器200は、例えば遠隔操作機器(リモコン、電子キー等)である。図3に示す電子機器200(遠隔操作機器)は、無接点電力伝送の2次コイルL2、LCDなどの表示部201、ボタン等で構成される操作部202、赤外線LED203、認証デバイス250を含む。認証デバイス250としては、例えば指紋認証デバイス、静脈認証デバイスなどの生体認証デバイスを用いることができる。また、赤外線LED203の代わりに無線送信装置を用いて、無線による遠隔操作を行ってもよい。
【0054】
電子機器200(遠隔操作機器)は、例えば図3に示すような認証機能付きの電子キーであって、予め登録された者だけがその電子キーを用いてドアを解錠することができる。
【0055】
具体的には、始めに無接点電力伝送の1次コイルL1を備えた充電器(図示せず)に電子機器200をセットする(着地させる)ことで、電子機器200のバッテリーを充電すると共に、コイル間通信により登録認証情報を電子機器200に送信し、電子機器200の記憶部(例えばフラッシュメモリー)に記憶させる。
【0056】
次に使用者が電子機器200を使用する際に、認証デバイス250の上に指を置くことで、認証情報(例えば指紋情報)が取得される。電子機器200は、取得された認証情報と登録認証情報とが一致するか否かを判断し、一致する場合に電子機器200の使用動作(例えばドアの解錠)を許可する。この場合でも所定の有効期間が経過した場合には、電子機器200の使用動作を非許可にすることができる。このようにすることで、電子機器200が盗難又は紛失した場合に、不正に使用されるおそれを低減することができる。
【0057】
なお、上記の非許可にする使用動作は、電子機器200の使用動作の全部でなくてもよい。すなわち電子機器200の使用動作の一部を非許可とすることもできる。
【0058】
また、本実施形態の電子機器200は、時計機能を付加することで、使用可能期間を設定することもできる。このようにすることで、例えばホテル等の電子キーとして利用する場合に、宿泊客の宿泊期間に応じて使用可能期間を設定することができる。
【0059】
以上説明したように、本実施形態による電子機器は、生体認証による本人認証機能と有効期間設定機能とを備えるから、高度なセキュリティー機能を備えた充電課金システムや安全性の高い銀行カード、電子マネーカード、電子キー(リモコン)などを実現することができる。
【0060】
さらに本実施形態による電子機器は、無接点電力伝送による受電及び充電ができるから外部端子を設ける必要がない。こうすることで、耐環境性に優れた、すなわち静電気、水、汚れなどに強い電子機器を実現することができる。
【0061】
なお、本実施形態の電子機器は図1〜図3の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素に置き換えたり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
【0062】
図4(A)、図4(B)に、無接点電力伝送に用いられるコイルの例を示す。図4(A)に模式的に示すように、送電側から受電側への電力伝送は、送電側に設けられた1次コイルL1(送電コイル)と、受電側に設けられた2次コイルL2(受電コイル)を電磁的に結合させて電力伝送トランスを形成することで実現される。これにより非接触での電力伝送が可能になる。
【0063】
なお、図4(A)では1次コイルL1及び2次コイルL2は、平面上でスパイラル状にコイル線を巻くことで形成された例えば空芯の平面コイルになっている。しかしながら、本実施形態のコイルはこれに限定されず、1次コイルL1と2次コイルL2を電磁的に結合させて電力を伝送できるものであれば、その形状・構造等は問わない。
【0064】
例えば図4(B)では、磁性体コアに対してX軸回りでコイル線をスパイラル状に巻くことで1次コイルL1が形成されている。電子機器200に設けられた2次コイルL2も同様である。本実施形態では図4(B)のようなコイルにも適用可能である。なお図4(B)の場合に、1次コイルL1や2次コイルL2として、X軸回りにコイル線を巻いたコイルに加えて、Y軸周りにコイル線を巻いたコイルを組み合わせてもよい。
【0065】
2.基本的な構成例
図5に本実施形態の制御装置及び電子機器の基本的な構成例を示す。制御装置100は、受電制御部110、認証情報取得部140及び通信処理部120を含む。さらに制御装置100は、認証処理部130、設定処理部150及び記憶部160を含んでもよい。電子機器200は、無接点電力伝送の2次コイルL2、受電部210、認証デバイス250を含み、さらに負荷変調部220、給電制御部230、バッテリー240を含んでもよい。なお、本実施形態の制御装置及び電子機器は図5の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素に置き換えたり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
【0066】
認証デバイス250は、生体認証デバイスを用いることができる。生体認証デバイスは、例えば指紋認証デバイス、静脈認証デバイスなどである。
【0067】
制御装置100は、電子機器200を制御する。受電制御部110は、受電部210を制御する。
【0068】
認証情報取得部140は、認証デバイス250からの認証情報(例えば指紋情報)を取得する。さらに認証情報取得部140は、相手機器400と電子機器200との近接(タッチ、着地)が検出された場合に、認証デバイス250からの認証情報を取得してもよい。このようにすれば、無接点電力伝送により受電した電力で、認証デバイス250及び認証情報取得部140が動作することができる。
【0069】
認証処理部130は、認証デバイス250からの認証情報と予め登録された登録認証情報とに基づいて認証処理を行う。具体的には、例えば認証デバイス250から取得した指紋情報と登録指紋情報とから、それぞれのパターンの特徴を抽出して一致するか否かを判断する。
【0070】
通信処理部120は、取得された認証情報及び認証情報に基づく認証処理結果の少なくとも一方を、無接点電力伝送の1次コイルL1と2次コイルL2とを用いるコイル間通信により、相手機器400に対して送信する処理を行う。具体的には、無接点電力伝送の送電中に、コイル間すなわち電磁的に結合した1次コイルL1と2次コイルL2との間で、データ通信を行う。例えば、送電側(相手機器)から受電側(電子機器)へのデータ送信は、周波数変調(FSK)又は振幅変調(ASK)により実現でき、受電側から送電側へのデータ送信は負荷変調により実現できる。この負荷変調は、負荷変調部220によって行われる。なお、変調方法は上記の方法に限定されるものではなく、他の変調方法であってもよい。
【0071】
認証情報を受信した相手機器400は、予め登録された登録認証情報と受信した認証情報とが一致するか否か判断し、両者が一致する場合は相手機器400の所定の動作モード(送電、ATM受付など)に移行する。また、認証処理部130による認証処理結果を受信した場合は、相手機器400は受信した認証処理結果が適正であれば所定の動作モードに移行することができる。さらに相手機器400が認証情報及び認証処理結果の両方を受信した場合には、相手機器400は自分自身で認証処理を行ってもよいし、受信した認証処理結果を用いてもよいし、これら両方を行ってもよい。
【0072】
さらに通信処理部120は、有効期間内に相手機器400と電子機器200との近接(タッチ、着地)が検出された場合に、記憶部160に保持された認証情報及び認証処理結果の少なくとも一方を相手機器400に対して送信する処理を行うことができる。具体的には、例えば認証情報が取得された後の有効期間を6時間に設定した場合は、認証情報取得後6時間以内に相手機器400と電子機器200との近接(タッチ、着地)が検出された場合に、認証情報及び認証処理結果の少なくとも一方が相手機器400に対して送信される。
【0073】
また通信処理部120は、無接点電力伝送の伝送条件を設定するための情報を送電側と通信する処理を行う。
【0074】
設定処理部150は、認証情報及び認証処理結果の少なくとも一方を有効期間経過後に無効にする設定処理を行う。具体的には、例えば認証情報が取得された後の有効期間を6時間に設定した場合は、認証情報取得後6時間を経過すると認証情報及び認証処理結果の少なくとも一方が無効にされる。この無効にする処理は、例えば記憶部160に記憶された情報を消去することで行ってもよいし、制御レジスター等の所定のビットをセット(リセット)することで行ってもよい。
【0075】
記憶部160は、認証情報及び認証処理結果の少なくとも一方を保持する。この記憶部160は、不揮発性メモリー(例えばフラッシュメモリー)で実現することができる。なお、記憶部160は、登録認証情報やその他電子機器200を制御するために必要な情報を記憶することができる。
【0076】
図5に示す構成例は、バッテリー240を含んでいるが、バッテリーを含まない構成にすることもできる。回路の動作に必要な電力は、無接点電力伝送により相手機器400(送電装置)から供給されるからである。ただし、上述した有効期間を設定するためには、時計(タイマー)機能を設けることが望ましいから、時計機能を設ける場合にはバッテリーが必要になる。このバッテリーは、無接点電力伝送により充電することができる。
【0077】
次に相手機器400の基本的な構成例を説明する。図5に示すように、相手機器400は、送電部410(送電ドライバー)、制御装置300を含み、さらに制御装置300は送電制御部310、通信処理部320、認証処理部330、動作設定部340を含む。
【0078】
送電部410は、交流電圧を生成して1次コイルL1に供給する。具体的には、電力伝送時には所定周波数の交流電圧を生成し、データ転送時にはデータに応じて周波数が異なる交流電圧を生成して、1次コイルL1に供給する。この送電部410は、例えば、1次コイルL1の一端を駆動する第1の送電ドライバーと、1次コイルL1の他端を駆動する第2の送電ドライバーと、1次コイルL1と共に共振回路を構成する少なくとも1つのキャパシターを含むことができる。そして送電部410が含む第1、第2の送電ドライバーの各々は、例えばパワーMOSトランジスターにより構成されるインバーター回路(バッファー回路)であり、送電制御部310により制御される。
【0079】
通信処理部320は、無接点電力伝送のコイル間通信により、電子機器200から送信される認証情報及び認証処理結果の少なくとも一方を受信する処理を行う。また通信処理部320は、無接点電力伝送の伝送条件を設定するための情報を受電側と通信する処理を行う。
【0080】
認証処理部330は、電子機器200から受信した認証情報と予め登録された登録認証情報とに基づいて認証処理を行う。
【0081】
動作設定部340は、認証処理結果に基づいて相手機器400を所定の動作モード(送電、ATM受付など)に設定する処理を行う。
【0082】
図6に、本実施形態の制御装置及び電子機器の他の構成例を示す。本構成例は、図5の構成例の制御装置100に動作制御部170を付加したものであって、例えば電子マネー機器、遠隔操作機器(リモコン、電子キー等)に適する。なお以下では図5で説明した構成要素については同符号を付し、適宜、その説明については省略する。
【0083】
上述したように、認証情報取得部140は、認証デバイス250からの認証情報(例えば指紋情報)を取得する。そして、認証処理部130は、認証デバイス250からの認証情報と予め登録された登録認証情報とに基づいて認証処理を行う。
【0084】
設定処理部150は、認証情報及び認証処理結果の少なくとも一方を有効期間経過後に無効にする設定処理を行う。具体的には、例えば認証情報が取得された後の有効期間を6時間に設定した場合は、認証情報取得後6時間を経過すると認証情報及び認証処理結果の少なくとも一方が無効にされる。この無効にする処理は、例えば記憶部160に記憶された情報を消去することで行ってもよいし、制御レジスター等の所定のビットをセット(リセット)することで行ってもよい。
【0085】
動作制御部170は、認証情報及び認証処理結果の少なくとも一方が取得されてから有効期間内である場合は、電子機器200の所定の動作を許可する。一方、認証情報及び認証処理結果の少なくとも一方が取得されてから有効期間の経過後である場合は、動作制御部170は、電子機器200の所定の動作を非許可にする。
【0086】
具体的には、例えば電子機器200が電子マネー機器(電子マネーカード)である場合では、上記の有効期間内である場合は、動作制御部170は電子マネーの支払い等(広義には使用動作)を許可し、上記有効期間の経過後である場合は、電子マネーの支払い等を非許可にする。
【0087】
また例えば電子機器200が電子キー(広義には遠隔操作機器)である場合では、上記の有効期間内である場合は、動作制御部170はドア解錠等(広義には使用動作)を許可し、上記有効期間の経過後である場合は、ドア解錠等を非許可にする。
【0088】
なお、上記の非許可にする使用動作は、電子機器200の使用動作の全部でなくてもよい。すなわち電子機器200の使用動作の一部を非許可とすることもできる。
【0089】
通信処理部120は、無接点電力伝送の1次コイルと2次コイルとを用いるコイル間通信により通信処理を行う。通信処理部120は、遠隔操作機器(広義には電子機器)の登録認証情報を受信する処理を行うことができる。
【0090】
具体的には、例えば無接点電力伝送の1次コイルL1を備えた充電器(送電装置)に電子機器200をセットする(着地させる、近接させる)ことで、電子機器200のバッテリー240が充電されると共に、コイル間通信により登録認証情報が充電器から受信され、記憶部160(例えばフラッシュメモリー)に記憶される。
【0091】
以上説明したように、本実施形態の制御装置及び電子機器によれば、認証デバイス(生体認証デバイス)による本人認証及び有効期間の設定により、強力なセキュリティー機能を備えた電子機器(携帯機器、銀行カード、電子マネーカード、電子キーなど)を実現することができる。
【0092】
また、本実施形態では、電子機器と相手機器との認証情報の通信は無接点電力伝送のコイル間通信により行われる。このコイル間通信の通信距離は極めて短い(例えば1〜2cm程度)から、他人に傍受される危険が非常に少なく、セキュリティー上有利である。
【0093】
さらに本実施形態では、認証情報の通信の際に無接点電力伝送によりバッテリーの充電もできるから、電池交換が不要になる。
【0094】
3.詳細な構成例
図7に、本実施形態の制御装置及び電子機器の詳細な構成例を示す。なお以下では図5で説明した構成要素については同符号を付し、適宜、その説明については省略する。
【0095】
なお、本実施形態の制御装置及び電子機器は図7の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素に置き換えたり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
【0096】
受電部210は、2次コイルL2の交流の誘起電圧を直流電圧に変換する。この変換は受電部210に含まれる整流回路211により行われる。
【0097】
負荷変調部220は負荷変調処理を行う。具体的には受電側から送電側に所望のデータを送信する場合に、送信データに応じて負荷変調部220での負荷を可変に変化させて、1次コイルL1(送電側)の誘起電圧の信号波形を変化させる。このために負荷変調部220は、ノードNB3、NB4の間に直列に設けられた抵抗RB3、トランジスターTB3(N型のMOSトランジスター)を含む。このトランジスターTB3は制御装置100の通信処理部120からの信号P3Qによりオン・オフ制御される。そしてトランジスターTB3をオン・オフ制御して負荷変調を行う際には、給電制御部230のトランジスターTB2はオフにされ、負荷(バッテリー240及び他の回路)が負荷変調部220に電気的に接続されない状態になる。
【0098】
給電制御部230は負荷への電力の給電を制御する。レギュレーター231は、整流回路211での変換で得られた直流電圧VDCの電圧レベルを調整して、電源電圧VD5(例えば5V)を生成する。制御装置100及び認証デバイス250は、例えばこの電源電圧VD5が供給されて動作する。
【0099】
トランジスターTB2(P型のMOSトランジスター、給電トランジスター)は、制御装置100の受電制御部110からの信号P1Qにより制御される。具体的にはトランジスターTB2は、後述するネゴシエーション処理やセットアップ処理の間はオフになり、通常送電開始後はオンになる。
【0100】
受電制御部110は、受電部210からの信号ADINに基づいて、1次コイルL1と2次コイルL2の位置関係が適正であるかを判断する。また受電制御部110は、バッテリー240が、満充電状態(充電状態)になったか否かを検出する。
【0101】
通信処理部120は、信号CCMPIの周波数(f1、f2)を検出して、送電側(相手機器)から受信したデータを復調する処理を行い、また、負荷変調部220のトランジスターTB3を信号P3Qによりオン・オフ制御して、送電側(相手機器)へ送信するデータを変調する処理を行う。
【0102】
充電制御装置260は、バッテリー240の充電制御等を行う。この充電制御装置260(充電制御IC)は集積回路装置などにより実現できる。なお、スマートバッテリーのように、バッテリー240自体に充電制御装置260の機能を持たせてもよい。
【0103】
図7では、送電側から受電側へのデータ通信は周波数変調により実現し、受電側から送電側へのデータ通信は負荷変調により実現している。
【0104】
具体的には図8(A)に示すように、送電側は、例えばデータ「1」を受電側に対して送信する場合には、周波数f1の交流電圧を生成し、データ「0」を送信する場合には、周波数f2の交流電圧を生成する。そして受電側の通信処理部120が、この周波数の変化を検出することで、データ「1」、「0」を判別する。これにより、送電側から受電側への周波数変調によるデータ通信が実現される。
【0105】
一方、受電側の負荷変調部220は、送信するデータに応じて受電側の負荷を可変に変化させて、図8(B)に示すように1次コイルL1の誘起電圧の信号波形を変化させる。例えばデータ「1」を送電側に対して送信する場合には、受電側を高負荷状態にし、データ「0」を送信する場合には、受電側を低負荷状態にする。そして送電側がこの受電側の負荷状態の変化を検出することで、データ「1」、「0」を判別する。これにより、受電側から送電側への負荷変調によるデータ通信が実現される。
【0106】
なお図8(A)、図8(B)では送電側から受電側へのデータ通信を周波数変調により実現し、受電側から送電側へのデータ通信を負荷変調により実現しているが、これ以外の変調方式や他の方式を採用してもよい。
【0107】
4.無接点電力伝送の処理シーケンス
本実施形態の制御装置及び電子機器で実行される無接点電力伝送の処理シーケンスについて説明する。本実施形態の処理シーケンスによれば、安全で効率的な無接点電力伝送を容易に実現することができると共に、上述した認証処理及び認証情報の送受信などの処理を無接点電力伝送の処理シーケンスの一部として扱うことができる。こうすることで、制御装置の構成を単純にすることが可能になる。
【0108】
図9に、受電制御部110及び送電制御部310の詳細な構成例を示す。受電制御部110は、ネゴシエーション処理部111、セットアップ処理部112及びコマンド処理部113を含む。
【0109】
ネゴシエーション処理部111は、無接点電力伝送のネゴシエーション処理を行う。セットアップ処理部112は、ネゴシエーション処理の結果に基づいて、無接点電力伝送のセットアップ処理を行う。コマンド処理部113は、セットアップ処理の後に無接点電力伝送のコマンド処理を行う。さらにコマンド処理部は、コマンド処理において、認証情報及び認証処理結果の少なくとも一方を送信するコマンドを発行する。
【0110】
また送電制御部310も、ネゴシエーション処理部311、セットアップ処理部312及びコマンド処理部313を含み、受電側の各処理部と同様な処理を行う。
【0111】
具体的には、ネゴシエーション処理部111、311は、送電側と受電側との間で情報の通信が可能か否かの確認処理や、通信した情報が妥当か否かの確認処理や、受電側の負荷状態が適正か否かの確認処理を行う。即ち、受電側から適正に情報を受信できたか否かや、受電側から受信した情報が想定される適正な情報であるか否かや、受電側は異物ではなく適正な受電装置(負荷)であるか否かを、このネゴシエーション処理において確認する。
【0112】
さらに具体的には、ネゴシエーション処理部111、311は、送電側と受電側との間で、規格情報やコイル情報や負荷状態検出方式を示すシステム情報の照合処理を行う。即ち受電側から受信した規格/コイル/システム情報を、送電側の規格/コイル/システム情報と照合し、規格/コイル/システムが適合(一致)しているか否かを確認する。
【0113】
このように本実施形態におけるネゴシエーション処理は、送電側と受電側との間で情報の通信が可能か否かの確認処理、通信した情報が妥当か否かの確認処理、受電側の負荷状態が適正か否かの確認処理、送電側と受電側との間における規格情報又はコイル情報の照合処理、及び負荷状態検出方式を示す送電側のシステム情報と受電側のシステム情報の照合処理等の少なくとも1つである。
【0114】
セットアップ処理部112、312は、ネゴシエーション処理の結果に基づいて、無接点電力伝送の伝送条件を設定する。具体的には、受電側が無接点電力伝送の伝送条件情報を送信した場合に、送電側がその伝送条件情報を受信して、無接点電力伝送の伝送条件を設定する。即ち、受電側がコイルの駆動電圧や駆動周波数等の通常送電に必要な伝送条件情報を送信すると、送電側がその伝送条件情報に基づいて、駆動電圧や駆動周波数等の伝送条件を設定する。また、送電側と受電側との間で、機器やアプリケーション毎に異なるセットアップ情報の情報交換を行う。
【0115】
このように本実施形態におけるセットアップ処理は、ネゴシエーション処理の結果に基づいて電力の伝送条件を設定する処理、及び送電側と受電側との間の対応機能について情報交換を行う処理等の少なくとも1つである。
【0116】
コマンド処理部113、313は、セットアップ処理の後に、例えば、通常送電開始コマンドや、バッテリー240の満充電検出コマンド(満充電通知コマンド)や、バッテリー240の再充電確認コマンドなどの各種コマンドの処理を行う。即ち、これらのコマンドの発行や実行を行う。
【0117】
コマンド処理で実行されるコマンドは、上記のコマンドの他に認証処理に関係するコマンドすなわち認証情報取得コマンド、認証適合確認コマンド、認証情報送信(受信)コマンド、認証処理結果送信(受信)コマンドなどを含むことができる。
【0118】
このように本実施形態におけるコマンド処理は、ネゴシエーション処理及びセットアップ処理のうちの少なくとも1つにより、対応が可能になったことが確認されたコマンドの発行及びコマンドの実行の少なくとも1つを行う処理である。
【0119】
図10に、本実施形態の制御装置及び電子機器で実行される無接点電力伝送の処理シーケンスの概略を模式的に示す。
【0120】
この処理シーケンスでは、リセット状態の後に、待機フェーズに移行する。ここで、リセット状態では、送電側(1次)や受電側(2次)が保持していた各種フラグはクリアされる。ここでフラグは、送電側機器(相手機器)や受電側機器(電子機器)の状態(送電状態、満充電状態、再充電確認状態等)を表すものであり、これらの機器の記憶部(レジスター)に保持される。
【0121】
待機フェーズでは、送電側(1次)は、受電側(2次)の停止時(送電停止時)の最終状態を保持する。例えばバッテリーの満充電が検出されると、送電側及び受電側は満充電検出後の待機フェーズに移行する。この場合、バッテリー電圧の低下を検出して、再充電を行う必要があるため、送電側は、送電停止の要因が満充電検出であることを記憶する。具体的には、再充電確認フラグをクリアせずにセット状態に維持し、再充電が必要か否かを定期的に確認する。
【0122】
なお待機フェーズでは、送電側から受電側への送電が停止するため、受電側は電源電圧が供給されずに停止状態になるが、送電側は、電源電圧が供給されて動作状態になっている。このように待機フェーズで受電側が動作を停止することで低消費電力化が図れ、この時に送電側が各種状態のフラグをクリアせずに保持することで、送電側は、待機フェーズの後、そのフラグを利用して各種処理を実行できる。
【0123】
送電側や受電側は、待機フェーズの後にネゴシエーションフェーズに移行する。このネゴシエーションフェーズでは、規格/コイル/システムの一致確認や、安全上の情報交換などが行われるネゴシエーション処理が実行される。具体的には、送電側と受電側は、規格/コイル/システム情報の情報交換を行い、規格/コイル/システムがお互いに適合するか否かを確認する。また例えば受電側が送電側に、異物検出等のための安全しきい値情報を送信し、安全上の情報交換を行う。このネゴシエーション処理では、送電側と受電側の間で情報の通信が可能か否かの確認や、通信した情報が妥当か否かの確認や、受電側の負荷状態の適否(異物の非検出)の確認等が行われることになる。
【0124】
ネゴシエーション処理において、規格/コイル/システムが不一致であると判定されたり、異物が検出されたり、機器の取り去りが検出されたり、タイムアウトエラーになると、リセット状態に移行し、各種フラグがクリアされる。一方、通信エラー等の場合には例えば待機フェーズに移行し、フラグのクリアは行われない。
【0125】
送電側や受電側は、ネゴシエーションフェーズの後、セットアップフェーズに移行する。このセットアップフェーズでは、対応機能の情報やアプリケーション別の設定情報などのセットアップ情報が転送されるセットアップ処理が実行される。例えばネゴシエーション処理の結果に基づいて、無接点電力伝送の伝送条件の設定が行われる。具体的には、受電側が、コイルの駆動電圧や駆動周波数等の伝送条件情報を送電側に送信すると、送電側は、受信した伝送条件情報に基づいてコイルの駆動電圧や駆動周波数等の通常送電のための伝送条件を設定する。また、対応機能についての情報交換や、上位のアプリケーション毎に異なる設定情報の交換も、このセットアップ処理で行われる。具体的には、コマンドフェーズにおいて送電側、受電側が発行・実行可能なコマンドの種類や、定期認証機能等の付加的な対応機能についての情報交換は、このセットアップ処理において実行される。これにより、電子機器の種類(携帯機器、銀行カード、電子マネー機器、遠隔操作機器等)や機種などのアプリケーションに応じて異なる設定情報の交換が可能になる。
【0126】
セットアップ処理において、機器の取り去りが検出されたり、タイムアウトエラーになると、リセット状態に移行する。一方、通信エラー等の場合には待機フェーズに移行する。
【0127】
送電側や受電側は、セットアップフェーズの後、コマンドフェーズに移行する。このコマンドフェーズでは、セットアップ処理で得た情報に基づいてコマンド処理が行われる。具体的には、各種フラグに応じたコマンドの処理に分岐して、対応コマンド(対応可能であることがセットアップ処理で確認されたコマンド)の発行又は実行が行われる。
【0128】
コマンド処理で実行されるコマンドとしては、例えば、通常送電(充電)開始コマンド、満充電検出(通知)コマンド、再充電確認コマンド、受電側割り込みコマンド、送電停止要求コマンドなどの他、認証処理に関係するコマンドすなわち認証情報取得コマンド、認証適合確認コマンド、認証情報送信(受信)コマンド、認証処理結果送信(受信)コマンドなどが考えられる。
【0129】
例えば、ネゴシエーション処理、セットアップ処理により通常送電の準備が整い、送電側が通常送電(充電)開始コマンドを受電側に送信(発行)し、それを受信した受電側が応答コマンドを送電側に送信すると、通常送電が開始する。そして通常送電の開始後、受電側において満充電が検出されると、受電側は満充電検出コマンドを送電側に送信する。
【0130】
この満充電検出のように伝送継続が必要ない場合には、満充電検出後の待機フェーズに移行する。そして、再度、ネゴシエーション処理、セットアップ処理を経て、送電側は再充電確認コマンドを受電側に送信する。これにより受電側は、バッテリー電圧をチェックして、再充電が必要か否かを判定する。そして再充電が必要な場合には、再充電確認フラグがリセットされ、送電側が通常送電開始コマンドを発行することで、通常送電が再開される。一方、再充電が必要ではない場合には、再充電確認フラグがセット状態に維持されて、満充電検出後の待機フェーズに戻る。
【0131】
なおコマンド処理において、何らかの異常が検出されたり、異物が検出されたり、取り去りが検出されるとリセット状態に移行する。
【0132】
以上説明したように、本実施形態の処理シーケンスによれば、システムの適合性や安全性の確保に必要な最低限の情報交換はネゴシエーション処理において実行されると共に、アプリケーション毎に異なるセットアップ情報の交換はセットアップ処理において実行される。そしてセットアップ処理で確認された対応コマンドの発行又は実行がコマンド処理で行われる。
【0133】
このようにすることで、それぞれの処理を効率化して、システムの最適化を図ることが可能になる。さらに認証処理に必要なコマンドをコマンドフェーズで実行することができるから、無接点電力伝送のための処理シーケンスをそのまま利用して認証処理を行うことができる。
【0134】
5.動作フロー
図11、図12は、電子機器及び相手機器の動作のフローチャートの一例である。
【0135】
図11に示すように、最初は待機フェーズ(ステップS1、S21)の動作が開始される。この待機フェーズでは、送電側が仮送電を行って、電子機器(受電側)が相手機器(送電側)に置かれたか否か、置かれた場合には適正な位置に置かれたか否かを検出する。
【0136】
位置関係が適正である場合には、ネゴシエーションフェーズ(ステップS2、S22)に進む。このフェーズでは、送電側及び受電側の規格情報、コイル情報、システム情報がそれぞれ一致するか否かが判断される。
【0137】
規格/コイル/システム情報がそれぞれ一致する場合には、セットアップフェーズ(ステップS3、S23)に進む。このセットアップフェーズでは、伝送条件情報、対応機能情報、無線方式等の情報などが交換される。
【0138】
次に、送電側及び受電側はコマンドフェーズに移行し、コマンドフェーズでは最初にコマンド判定が行われて、各種フラグに応じたコマンドの処理に分岐する(ステップS4、S24)。具体的には、優先的な処理が必要なコマンド(例えば割り込みコマンド等)が存在しない場合には、無接点電力伝送に関係するコマンドが実行され、送電制御(ステップS5)及び受電制御(ステップS25)に移行する。
【0139】
認証処理を行う場合は、再びコマンド分岐(ステップS4、S24)を経て、認証処理に必要なコマンド(例えば認証情報取得コマンド等)が順次実行される。すなわち図12に示すように、認証デバイス250の上に指が置かれたことを検出(ステップS26)して、認証デバイス250により指の指紋を読み取る(ステップS27)。
【0140】
次に認証情報取得部140が認証デバイス250からの指紋情報(認証情報)を取得し(ステップS28)、通信処理部120が認証情報をコイル間通信により相手機器400(例えばATM機器)に送信する処理を行う(ステップS29)。
【0141】
相手機器400は、電子機器200からの認証情報を受信し(ステップS6)、予め登録された登録認証情報と受信した認証情報とが一致するかどうか判断する(ステップS7)。一致する場合は、相手機器400の所定の動作モード(例えばATM受付モード)に移行する(ステップS8)。一致しない場合は、所定の動作モードには移行せずに送電を停止し(ステップS9)、初期状態に戻る。
【0142】
相手機器400の所定の動作(例えば現金の引き出し)が終了すると、相手機器400は送電を停止し(ステップS9)、電子機器200は受電を停止する(ステップS30)。なお、送電の停止は、相手機器400が電子機器200の取り去りを検出して行ってもよい。
【0143】
図13は、図12の動作のフローチャートの変形例である。ステップS31〜S33は、図12のステップS26〜S28と同一であるが、取得した認証情報を相手機器400に送信するのではなく、電子機器200が認証処理を実行して、その結果を相手機器400に送信する。すなわち、認証処理部130が予め登録された登録認証情報と取得した認証情報との認証処理を実行し(ステップS34)、通信処理部120がその認証処理結果を相手機器400に送信する処理を行う(ステップS35)。
【0144】
相手機器400は、電子機器200からの認証処理結果を受信し(ステップS10)、受信した認証処理結果が適正であるか判断する(ステップS11)。適正である場合は、相手機器400の所定の動作モードに移行し(ステップS12)、不正である場合は所定の動作モードには移行せずに送電を停止し(ステップS13)、初期状態に戻る。
【0145】
図14は、認証情報の取得後に有効期間が設定された場合の動作のフローチャートである。このフローチャートは、例えば図2(A)、図2(B)に示したように、代理人が本人に代わってATM機器を操作する場合に当てはまる。
【0146】
最初に家庭内で本人自身が認証情報(指紋情報)を電子機器200に記憶する必要がある。具体的には、認証デバイス250の上に指が置かれたことを検出(ステップS40)して、指の指紋を読み取り(ステップS41)、認証情報取得部140が指紋情報(認証情報)を取得して記憶部に記憶する(ステップS42)。この際に、家庭にある送電装置(充電器)に電子機器200をタッチ(着地、近接)して無接点電力伝送で電力供給を受けてもよいし、バッテリー240から電力供給を受けてもよい。なお、無接点電力伝送の場合は、認証処理の前に、図11に示したネゴシエーションフェーズ、セットアップフェーズ、コマンドフェーズにより送受電制御が実行されるが、図14では省略した。
【0147】
電子機器200は、認証情報の取得後、定期的に所定の有効期間内であるか否かを判断し(ステップS43)、有効期間内である場合は相手機器400との近接(タッチ、着地)を検出する(ステップS44)。有効期間が経過した場合は、設定処理部150が認証情報を無効に設定する(ステップS46)。
【0148】
電子機器200を相手機器400に近接させることにより、相手機器400は電子機器200との近接を検出してコイル間通信を開始する(ステップS47)。また、電子機器200も相手機器400との近接を検出して(ステップS44)、認証情報を相手機器400に送信する(ステップS45)。
【0149】
相手機器400は、電子機器200からの認証情報を受信し(ステップS48)、予め登録された登録認証情報と受信した認証情報とが一致するかどうか判断する(ステップS49)。一致する場合は、相手機器400の所定の動作モード(例えばATM受付モード)に移行する(ステップS50)。一致しない場合は、所定の動作モードには移行せずにコイル間通信を停止する(ステップS51)。
【0150】
相手機器400の所定の動作(例えば現金の引き出し)が終了すると、相手機器400はコイル間通信を停止する(ステップS51)。なお、コイル間通信の停止は、相手機器400が電子機器200の取り去りを検出して行ってもよい。
【0151】
図15は、例えば電子機器200が電子マネー機器や遠隔操作機器(リモコン、電子キー等)などである場合の動作のフローチャートである。
【0152】
電子機器200(遠隔操作機器)は、認証デバイス250の上に指が置かれたことを検出(ステップS60)して、指の指紋を読み取り(ステップS61)、認証情報取得部140が指紋情報(認証情報)を取得する(ステップS62)。
【0153】
次に認証処理部130が予め登録された登録認証情報と取得された認証情報とが一致するか否かを判断する(ステップS63)。一致する場合は、所定の有効期間内か否かを判断して(ステップS64)、有効期間内である場合は、動作制御部170が電子機器200の所定の動作を許可して(ステップS65)、電子機器200が所定の動作(例えば電子マネーの支払い、ドアの解錠など)を実行する(ステップS66)。
【0154】
登録認証情報と取得された認証情報とが一致しない場合、或いは有効期間が経過した場合は、動作制御部170が所定の動作を非許可にする(ステップS67)。
【0155】
以上説明したように、本実施形態の制御装置及び電子機器によれば、柔軟で効率的なシーケンスにより、安全で確実な無接点電力伝送が実現されると共に、認証処理に関するコマンドを追加することでセキュリティーの高いシステムを容易に構築することが可能になる。
【0156】
なお、以上のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本発明の範囲に含まれる。また制御装置及び電子機器の構成・動作や、ネゴシーエーション・セットアップ・コマンド処理の手法等も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0157】
100 制御装置、110 受電制御部、111 ネゴシエーション処理部、
112 セットアップ処理部、113 コマンド処理部、120 通信処理部、
130 認証処理部、140 認証情報取得部、150 設定処理部、160 記憶部、
170 動作制御部、200 電子機器、201 表示部、202 操作部、
203 赤外線LED、210 受電部、211 整流回路、220 負荷変調部、
230 給電制御部、231 レギュレーター、240 バッテリー、
250 認証デバイス、260 充電制御装置、300 制御装置、
310 送電制御部、311 ネゴシエーション処理部、312 セットアップ処理部、313 コマンド処理部、320 通信処理部、330 認証処理部、
340 動作設定部、400 相手機器、401 タッチパネル、410 送電部、
500 送電装置、
L1 1次コイル、L2 2次コイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無接点電力伝送の受電部と認証デバイスとを含む電子機器を制御する制御装置であって、
前記受電部を制御する受電制御部と、
前記認証デバイスからの認証情報を取得する認証情報取得部と、
取得された前記認証情報及び前記認証情報に基づく認証処理結果の少なくとも一方を、前記無接点電力伝送の1次コイルと2次コイルとを用いるコイル間通信により、相手機器に対して送信する処理を行う通信処理部と、
を含むことを特徴とする制御装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記認証情報取得部は、
前記相手機器と前記電子機器との近接が検出された場合に、前記認証デバイスからの前記認証情報を取得することを特徴とする制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記無接点電力伝送により受電した電力で、前記認証デバイス及び前記認証情報取得部が動作することを特徴とする制御装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記認証デバイスからの前記認証情報と登録認証情報とに基づいて認証処理を行う認証処理部を含み、
前記通信処理部は、前記認証処理部の前記認証処理結果を前記相手機器に対して送信する処理を行うことを特徴とする制御装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記認証情報及び前記認証処理結果の少なくとも一方を有効期間経過後に無効にする設定処理を行う設定処理部を含むことを特徴とする制御装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記認証情報及び前記認証処理結果の少なくとも一方を保持する記憶部を含むことを特徴とする制御装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記有効期間内に前記相手機器と前記電子機器との近接が検出された場合に、
前記通信処理部は、前記記憶部に保持された前記認証情報及び前記認証処理結果の少なくとも一方を前記相手機器に対して送信する処理を行うことを特徴とする制御装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかにおいて、
前記受電制御部は、
前記無接点電力伝送のネゴシエーション処理を行うネゴシエーション処理部と、
前記ネゴシエーション処理の結果に基づいて、前記無接点電力伝送のセットアップ処理を行うセットアップ処理部と、
前記セットアップ処理の後に前記無接点電力伝送のコマンド処理を行うコマンド処理部とを含み、
前記コマンド処理部は、前記コマンド処理において、前記認証情報及び前記認証処理結果の少なくとも一方を送信するコマンドを発行することを特徴とする制御装置。
【請求項9】
無接点電力伝送の受電部と認証デバイスとを含む電子機器を制御する制御装置であって、
前記受電部を制御する受電制御部と、
前記認証デバイスからの認証情報を取得する認証情報取得部と、
前記認証デバイスからの前記認証情報と登録認証情報とに基づいて認証処理を行う認証処理部と、
前記認証情報及び前記認証処理部の認証処理結果の少なくとも一方を有効期間経過後に無効にする設定処理を行う設定処理部と、
動作制御部とを含み、
前記認証情報及び前記認証処理結果の少なくとも一方が取得されてから前記有効期間内である場合は、
前記動作制御部は、前記電子機器の所定の動作を許可し、
前記認証情報及び前記認証処理結果の少なくとも一方が取得されてから前記有効期間の経過後である場合は、
前記動作制御部は、前記電子機器の前記所定の動作を非許可にすることを特徴とする制御装置。
【請求項10】
請求項9において、
前記電子機器は、電子マネー機器であって、
前記認証情報及び前記認証処理結果の少なくとも一方が取得されてから前記有効期間内である場合は、
前記動作制御部は、電子マネーの使用動作を許可し、
前記認証情報及び前記認証処理結果の少なくとも一方が取得されてから前記有効期間の経過後である場合は、
前記動作制御部は、前記電子マネーの前記使用動作を非許可にすることを特徴とする制御装置。
【請求項11】
請求項9において、
前記電子機器は、遠隔操作機器であって、
前記認証情報及び前記認証処理結果の少なくとも一方が取得されてから前記有効期間内である場合は、
前記動作制御部は、前記遠隔操作機器の使用動作を許可し、
前記認証情報及び前記認証処理結果の少なくとも一方が取得されてから前記有効期間の経過後である場合は、
前記動作制御部は、前記遠隔操作機器の前記使用動作を非許可にすることを特徴とする制御装置。
【請求項12】
請求項11において、
前記無接点電力伝送の1次コイルと2次コイルとを用いるコイル間通信により通信処理を行う通信処理部を含み、
前記通信処理部は、前記遠隔操作機器の前記登録認証情報を受信する処理を行うことを特徴とする制御装置。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれかにおいて、
前記認証デバイスは、生体認証デバイスであることを特徴とする制御装置。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれかに記載の制御装置と、
前記認証デバイスと、
前記受電部とを含むことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−81475(P2011−81475A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−231162(P2009−231162)
【出願日】平成21年10月5日(2009.10.5)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】