説明

力分離式エジェクタシステムを備えたコネクタ

【解決手段】プリント回路基板に電圧調整器モジュール等のモジュールを取付けるためのコネクタが提供される。該コネクタは、電圧調整器モジュール等のモジュールを収容するスロットを画定する側壁を有するハウジングを有する。端子が、ハウジング内に備えられ、スロットと連絡するようになっている。ラッチとはんだネイルは側壁の両端に配設されている。はんだネイルとラッチは、互いに接続された2個の別個の部品として形成されてもよく、一体形成されてもよい。振動及び/又は衝撃による力が、ラッチに加えられたとき、その力は、はんだネイルに直接伝達され、リードから遠ざけられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード型コネクタ用のエジェクタの新しい取付方法に関し、より具体的には、プリント回路基板に電圧調整器モジュール等のモジュールを取付けるためのコネクタを関する。コネクタは、エジェクタと、コネクタに力、特に垂直力が加わったときにコネクタ端子リードにかかる応力を極力小さくするはんだネイル等のエジェクタ用取付プラットフォームとを有する。
【背景技術】
【0002】
プリント回路基板にモジュールを取付けるために使用される従来技術のコネクタは、ハウジングと、その両側に接続されたラッチとを含む。該ラッチは、モジュールをハウジングに保持するために使用されるとともに、ハウジングからモジュールを取出すために使用することができる。ラッチと別個のはんだネイルが提供される。コネクタは、プリント回路基板上のトレースにはんだ付されたリードを備えた複数の端子を有する。衝撃及び/又は振動を受けたとき、モジュールの重量によって、ハウジングが保持するラッチに垂直荷重がかかる。この荷重は、ハウジングに直接伝達され、更にすべてのリードとはんだネイルとに伝達される。この垂直荷重によってリードのはんだ接合部に応力がかかることにより、その接合部が破損することがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の一般的な目的は、プリント回路基板に接続されたコネクタが衝撃及び/又は振動を受けたときにコネクタのリードにかかる応力を極力小さくするコネクタを提供することである。
【0004】
本発明の目的は、プリント回路基板に接続されたコネクタに取付けられたモジュールが左右に動く際にコネクタのリードにかかる応力を極力小さくするコネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
簡単に言うと、以上の説明によって、プリント回路基板に電圧調整器モジュール等のモジュールを取付けるためのコネクタが提供される。該コネクタは、電圧調整器モジュール等のモジュールを収容するスロットを画定する側壁を有するハウジングを有する。端子が、ハウジング内に提供され、スロットと連絡するようになっている。側壁の両端に、エジェクタと、該エジェクタを収容する取付プラットフォームとが配設される。前記エジェクタも、コネクタ内にモジュールを保持するように作用する。エジェクタと取付プラットフォームとは、互いに接続された2個の別個の部品として形成されてもよく、一体形成されてもよい。エジェクタと取付プラットフォームとは、エジェクタが受ける力を分離するように構成されている。例えば、振動及び/又は衝撃による力が、例えば、コネクタに取付けられたモジュールからエジェクタに加えられたとき、その力は、取付プラットフォームに直接伝達され、コネクタ端子リードから遠ざけられる。
【0006】
本発明の構造及び動作の構成及び方式は、本発明の更なるの目的及び利点とともに、添付図面と組合せて行われる以下の説明を参照することによって最もよく理解される。図面において同様の参照符号は同様の要素を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は様々な形の実施形態で可能であり、特定の実施形態を図面に示し詳細に説明するが、この開示が本発明の原理の例示と見なされるべきであり、本発明を本明細書に示し説明するものに限定することを意図したものではないと理解されたい。
【0008】
プリント回路基板24にモジュール22を接続するための薄型回路基板コネクタ20が提供される。モジュール22は、例えば、電圧調整器モジュール、メモリモジュール、インターフェイスカードやその他のタイプの補助カードあるいはドータ回路カードである。コネクタ20はハウジング26を有し、該ハウジング26は1対のエジェクタあるいはラッチとそれと関連した1対の取付プラットフォームあるいははんだネイルを備える。ラッチは、モジュール22をハウジング26に保持する手段を提供するとともに、ハウジング26からモジュール22を取出す手段を提供する。振動及び/又は衝撃による力がラッチに加わったとき、その力は主にはんだネイルに伝達されるが、ハウジング26にはほとんど伝達されないか全く伝達されない。
【0009】
図1〜7にラッチ28とはんだネイル32(その片方だけを示す)の第1の実施形態を示し、ラッチ28とはんだネイル32は2個の別個の部品として形成されている。図8〜10は、はんだネイル132の第2の実施形態を示す。図11〜13にラッチ228とはんだネイル232の第3の実施形態を示し、この実施形態では、前記ラッチ228とはんだネイル232とが一体形成されている。図14は、図13に示される一体形成されたラッチ228とはんだネイル232の組合せの変形例を示す。本発明の各実施形態で使用されているハウジング26は同一である。該ハウジング26は、絶縁性材料で形成されており、両端を有する1対の垂直側壁36、38と、該側壁36、38の各端部に配設された端壁40、42とを有する。モジュール22の縁を収容するために、側壁36、38と端壁40、42の中に細長いスロット44が形成されている。
【0010】
ハウジング26内に複数の導電端子46が取付けられており、各端子46の一部分は、挿入されるモジュール22の縁と接触するためにスロット44内に配置されている。端子46はテール端あるいはリード48を有し、このテール端あるいはリード48はハウジング26から下方に突出しており、テール部をプリント回路基板24に表面実装するか、あるいは、テール部をプリント回路基板の開口又はビアにスルーホール実装することによってプリント回路基板に取付けられる。
【0011】
端壁40、42は同一であるため、一方の端壁40だけを説明するが、他方の端壁42は、説明する端壁40と対称であると理解されたい。端壁40は、第1の側面部50、第2の側面部52及び中央部54を有し、該中央部54の一部分によって第1の側面部50が第2の側面部52に接続されている。
【0012】
第1の側面部50は、垂直部56と水平部58とから成るL字型ベース壁を有する。垂直部56の内側面には長方形の凹部60を有し、該凹部60は、垂直部56の下端から上方に所定の距離だけ延在している。凹部60は、垂直部56の外縁から側壁36、38の方に延在している。凹部60の上端には、垂直部56を貫通する開口(図示せず)が配設されている。水平部58から下方に向けて、離間した1対の脚62が支持されている。ハウジング26をプリント回路基板24上に適切に位置決めするのを補助するために、水平部58から下方に向けて延在する1以上の位置決めペグ(図示せず)を配設することができる。L字型ベース壁の各端には、垂直部56の上端から水平部58の外側端まで外側に傾斜しているリブ64が配設されている。第2の側面部52は、第1の側面部の鏡像体であり、同様の要素は同じ参照符号で示す。凹部60内の開口66は、第2の側面部52に示されている。
【0013】
中央部54は、第1の側面部50及び第2の側面部52の水平部58の間に延在して第1の側面部50及び第2の側面部52を互いに離間させる水平棒68を有する。垂直部56の頂部の近くに、かつ、その頂部と垂直に1対のガイド壁70、72が配設されている。ガイド壁70、72は、モジュール22が挿入される先細の通路を画定する。
【0014】
次に、図1〜7に示されるラッチ28とはんだネイル32の第1の実施形態に注目されたい。ラッチ28とはんだネイル32は各端壁40、42と組合される。ラッチ28は、モジュール22をハウジング26に保持するとともに該ハウジング26からモジュール22を取出す手段を提供する。
【0015】
各はんだネイル32は同一であるため、一方のはんだネイル32だけを説明する。該はんだネイル32は、図3〜5に最もよく示されている。はんだネイル32は、金属から成ることが好ましく、略U字型部74とそこから延在する1対のアーム76、78とを有する。U字型部74は、離間した1対の脚80、82を有し、これらは湾曲部84によって接続されている。U字型部74は、脚80、82が水平に取付けられるように方向付けられている。下側脚80は大きな表面領域を有する。この表面領域は、リード48の表面領域の100〔%〕と全く同じでもよいし、それより小さい表面領域でもよい。下側の脚80の表面領域は可能な限り大きいことが好ましい。アーム76、78は下側脚80から略垂直に延在している。開口86、88は、各アーム76、78内に、好ましくはその頂部の近くに配設されている。
【0016】
ラッチ28は種々の形態を取ることができ、図面に示すものはラッチ28の形状を例示したものである。該ラッチ28の詳細は図5に最もよく示されている。該ラッチ28は、互いに離間した1対の垂直側壁90、92を有する。該側壁90、92の外縁は端壁94によって互いに接続され、側壁90、92の下側の縁は底壁96によって互いに接続される。側壁90、92の上縁は上壁98によって互いに接続される。該上壁98は、モジュール22をハウジング26から取出すことができるようにユーザが指を掛ける傾斜面を有する。突起100、102が側壁90、92に配設されており、その位置は、好ましくは各側壁90、92における略中間よりも下の位置である。
【0017】
一方のラッチ28とはんだネイル32のハウジング26への組立を説明するが、他方のラッチ28とはんだネイルも同様に組立てられると理解されたい。ラッチ28をはんだネイル32のアーム76、78の間に挿入し、突起100、102をアーム76、78の開口86、88にそれぞれ挿入する。次に、はんだネイル32を第1の側面部50及び第2の側面部52の凹部60に挿入すると、ラッチ28は第1の側面部50及び第2の側面部52の垂直部56の間に位置する。突起100、102をそれぞれ第1及び第2の側面部50、52の垂直部56を貫通する開口66に挿入する。はんだネイル32の開口86、88はハウジング26の開口66より小さく、突起100、102の直径はハウジング26の開口66よりも小さい。ハウジングに開口66がある主な理由の1つは、突起100、102が、ラッチ28に伝達される衝撃力と振動力とに耐えるように十分に頑強でなければならないからであり、このため、突起はアーム76、78の厚さよりも長くなければならない。したがって、突起100、102を開口66に収容することができるが、突起100、102と開口66との間の嵌(かん)合は締嵌(ば)めでなくてもよく、むしろ、開口66の側壁と突起100、102の外側面との間に遊びを許容することができ、実際には遊びがあることが好ましい。この遊びを有することによって、ラッチ28に伝達された力は、はんだネイル32に伝達されるが、コネクタハウジング26には伝達されない。このような力の伝達経路のため、ラッチ28に伝達される力による端子46のリード48の破損が起こりにくくなる。これと同じプロセスが、端壁42側の他方のラッチ28とはんだネイルとを組立ててコネクタ20を完成させるために使用される。モジュール22の着脱を可能にするために、ラッチ28は、突起100、102を軸として各はんだネイル32に対して枢動することができる。
【0018】
コネクタ20をプリント回路基板24に取付けるため、コネクタ20を、はんだネイル32の下側脚80とリード48とがプリント回路基板24に当接するように該プリント回路基板24上に配置する。はんだネイル32の下側脚80とリード48とを、赤外線はんだ付等によってプリント回路基板24にはんだ付し、リード48をプリント回路基板24に表面実装する。
【0019】
コネクタ20が衝撃及び/又は振動を受けたとき、ラッチ28に垂直荷重がかかる。各ラッチ28は、突起100、102がはんだネイル32のアーム76、78と係合しているため対応するはんだネイル32に上向きの力をかけ、はんだネイル32に荷重を伝達する。しかしながら、ハウジング26を貫通する開口66がはんだネイル32を貫通する開口86、88よりも大きく、荷重がラッチ28にかかったときに該ラッチ28はその荷重をハウジング26に伝達しないようになっているため、荷重はハウジング26には伝達されない。はんだネイル32が下側脚80を介してプリント回路基板24と接触する表面領域は大きく、この大きい領域を通って力がプリント回路24に伝達される。コネクタ20が衝撃及び/又は振動を受けているときハウジング26に少し力がかかる場合があるが、大部分の力はラッチ28を通ってはんだネイル32に伝達される。したがって、リード48とプリント回路基板24との間の接合部にかかる応力が最小限のものとなるため、リードとプリント回路基板との間のはんだ接合部の破損の可能性が極めて小さくなる。
【0020】
さらに、はんだネイル32のアーム76、78が上方に延在しているので、モジュール22が取付け後に左右に動かされた場合に、アーム76、78の剛性によって、荷重がハウジング26に伝達するのを防止し、したがって、荷重がリード48とプリント回路基板24との接合部に伝達するのを防止する。
【0021】
次に、図8〜10に示される第2の実施形態に注目されたい。この第2の実施形態では、はんだネイル132だけが変更されている。したがって、コネクタ20の他の部品は説明しない。
【0022】
各はんだネイル132は同一であり、したがって、一方のはんだネイル132のみを説明する。はんだネイル132は、金属から成り、略L字型部134と、そこから延在する1対のアーム136、138と、各アーム136、138から下方に延在する1対の基板ロック140、142とを有する。略L字型部134は、互いに略直角な垂直脚144と下側水平脚146とを有する。該下側水平脚146は大きい表面領域を有する。この表面領域は、リード48の表面領域の100〔%〕と全く等しくてもよいし、それより小さい表面領域でもよい。下側脚146の表面領域は可能な限り大きいことが好ましい。アーム136、138は、下側脚146と略直角に延在し、垂直脚144に接続している。各アーム136、138の頂部の近くに開口148、150が配設されている。基板ロック140、142は、アーム136、138の下端から下方に延在している。
【0023】
一方のラッチ28とはんだネイル132のハウジング26への組立を説明するが、他方のラッチとはんだネイルも同様に組立てられると理解されたい。ラッチ28をはんだネイル132のアーム136、138の間に挿入し、突起100、102をアーム136、138の開口148、150にそれぞれ挿入する。次に、はんだネイル132を第1の側面部50及び第2の側面部52の凹部60に挿入すると、ラッチ28は第1の側面部50及び第2の側面部52の垂直部56の間に位置する。突起100、102をそれぞれ第1の側面部50及び第2の側面部52の垂直部56を貫通する開口66に挿入する。はんだネイル132の開口148、150はハウジング26の開口66より小さく、突起100、102の直径は、はんだネイル32について説明したのと同じ理由で、開口66よりも小さい。これと同じプロセスが、端壁42側の他方のラッチ28とはんだネイルを組立ててコネクタ20を完成させるために使用される。モジュール22の着脱を可能にするために、ラッチ28は、突起100、102を軸として各はんだネイル132に対して枢動することができる。突起100、102がハウジング26に当接しないので、ラッチ28とはんだネイル132とによって、ラッチからハウジング26への力の伝達がなくならないにしても最小限のものとなる。
【0024】
コネクタ20をプリント回路基板24に取付けるとき、基板ロック140、142とリード48とが、プリント回路基板24に配設された穴を介して取付けられる。はんだネイル132の水平脚146は、プリント回路基板24に当接する。ウェーブはんだ付を使用し、基板ロック140、142とリード48とをプリント回路基板24にはんだ付する場合、はんだネイル132の下側脚146は、プリント回路基板24に当接するが、必ずしも該プリント回路基板24にはんだ付しなくてもよい。これに替えて、赤外線はんだ付によってはんだネイル132の基板ロック140、142、リード48及び下側水平脚146をプリント回路基板24にはんだ付することができ、リード48をプリント回路基板24に表面実装することができる。
【0025】
コネクタ20が衝撃及び/又は振動を受けたとき、ラッチ28に垂直荷重がかかる。各ラッチ28は、突起100、102がはんだネイル132のアーム136、138と係合しているため対応するはんだネイル132に上向きの力をかけ、はんだネイル132に荷重を伝達する。しかしながら、ハウジング26を貫通する開口66がはんだネイル132を貫通する開口148、150よりも大きく、荷重がラッチ28にかかったときに該ラッチ28はその荷重をハウジング26に伝達しないようになっているため、荷重はハウジング26には伝達されない。はんだネイル132が下側脚146を介してプリント回路基板24と接触する表面領域は大きく、この大きい領域を通って力がプリント回路24に伝達される。コネクタ20が衝撃及び/又は振動を受けているときハウジング26に少し力がかかる場合があるが、大部分の力はラッチ28を通ってはんだネイル132に伝達される。したがって、リード48とプリント回路基板24との間の接合部にかかる応力が最小限のものとなるため、リードとプリント回路基板との間のはんだ接合部の破損の可能性が極めて小さくなる。さらに、はんだネイル132のアーム136、138が上方に延在しているので、モジュール22が取付け後に左右に動かされた場合に、アーム136、138の剛性によって、荷重がハウジング26に伝達するのを防止し、したがって、荷重がリード48とプリント回路基板24の接合部に伝達するのを防止する。
【0026】
次に、図11〜13に示されるコネクタの第3の実施形態に注目されたい。この第3の実施形態において、ラッチ228とはんだネイル232は、金属から成る1個の部材として一体形成されている。一体形成されたラッチ228とはんだネイル232は、ハウジング26の各端部に配設されるが、これらは同一のものである。したがって、単一の一体形成されたラッチ228とはんだネイル232だけを説明するが、他の一体形成されたラッチとはんだネイルも同一であると理解されたい。
【0027】
はんだネイル232を構成する部分は、基部240によって互いに接続された上側水平脚236と下側水平脚238とから成る略U字型の下側部234を有する。下側脚238は大きい表面領域を有する。この表面領域は、リード48の表面領域の100〔%〕と全く同じでもよく、それより小さい表面領域でもよい。下側脚238の表面領域を可能な限り大きくすることが好ましい。1対の可撓(とう)性アーム242、244が、基部240から上方に延在し、ラッチ228に接続されている。可撓性アーム242、244は、撓(たわ)んでいない状態では脚236、238に対して略垂直である。ラッチ228を構成する部分は、アーム242、244の頂部から内側下方に延在する第1の部分246と、該第1の部分246の端から外側上方に延在する第2の部分248と、該第2の部分248の端から上方へ延在する第3の部分250とを有する。モジュール22がコネクタ20に挿入されたときは、ラッチ228はハウジング26に対して結果として枢動するように外側に撓むことができる。また、モジュール22を取外す場合は、ユーザは、第3の部分250を把持してラッチ228とモジュール22の係合を外し、アーム242、244をモジュール22から離すように撓ませることができる。
【0028】
次に、ラッチ228及びはんだネイル232組合体のハウジング26とプリント回路基板24への組立について説明する。ハウジング26は、プリント回路基板24上に配置される。各ラッチ228及びはんだネイル232組合体は、各端壁40、42の垂直部56の間に挿入される。各ラッチ228及びはんだネイル232組合体は端壁40、42には接続されない。ラッチ228及びはんだネイル232組合体はハウジング26に対して撓むことができる。はんだネイル232の下側水平脚238とリード48とは、プリント回路基板24に、赤外線はんだ付等によってはんだ付され、リード48がプリント回路基板24に表面実装される。
【0029】
コネクタ20が衝撃及び/又は振動を受けたとき、垂直荷重が、各ラッチ228及びはんだネイル232組合体に加わる。ラッチ228とはんだネイル232とが一体形成されているので、各ラッチ28にかかる力ははんだネイル232に伝達される。該はんだネイル232が下側脚238を介してプリント回路基板24と接触する表面領域は大きく、この大きい領域を通って力がプリント回路24に伝達される。コネクタ20が衝撃及び/又は振動を受けているときハウジング26に少し力がかかる場合があるが、大部分の力はラッチ228を通ってはんだネイル232に伝達される。したがって、リード48とプリント回路基板24との間の接合部にかかる応力が最小限のものとなるため、リードとプリント回路基板との間のはんだ接合部の破損の可能性が極めて小さくなる。ハウジング26の垂直部56は、モジュール22が取付け後に左右に動かされた場合に剛性を提供する。
【0030】
これに替えて、はんだネイル232を構成する部分は、図14に示されるように下側水平脚238から下方に延在するはんだポスト252を有するように変更することができる。該はんだポスト252は、ラッチ228及びはんだネイル232組合体をプリント回路基板24に接続するための追加の手段を提供するとともに、ラッチ228及びはんだネイル232組合体をプリント回路基板24と適切に位置合せするための手段を提供する。
【0031】
本明細書において垂直、水平、上側、下側、底部、頂部等の用語が使用されているが、これらの用語は、発明の説明を容易にするために使用されており、プリント回路基板24とモジュール22との取付けに必要な向きを示しているものではないと理解すべきである。
【0032】
本発明の好ましい実施形態を示し説明したが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本発明の種々の変形例を創出することができると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1の実施形態の特徴を含むコネクタの分解斜視図である。
【図2】図1のコネクタの上面図である。
【図3】図1のコネクタの部品であるはんだネイルの斜視図である。
【図4】図3に示されるはんだネイルの側面図である。
【図5】はんだネイルと図1のコネクタの別の部品であるラッチの分解斜視図である。
【図6】図1のコネクタの組立斜視図である。
【図7】プリント回路基板とモジュールに取付けた状態の図1のコネクタの組立斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施形態の特徴を含むはんだネイルの斜視図である。
【図9】図8のはんだネイルの側面図である。
【図10】図8及び9に示されるはんだネイルとラッチの分解斜視図である。
【図11】本発明の第3の実施形態の特徴を含むコネクタの斜視図である。
【図12】コネクタの第3の実施形態に使用されるはんだネイルの斜視図である。
【図13】図12のはんだネイルの側面図である。
【図14】図11のはんだネイルの変形例の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタであって、
モジュールを収容するスロットを画定する側壁を備えるハウジングと、
該ハウジング内にスロットと連絡するように取付けられた端子と、
前記側壁の両端に配設されたハウジングと別体の取付プラットフォームと、
各取付プラットフォームに直接接続されたラッチとを有するコネクタ。
【請求項2】
各取付プラットフォームは実質的水平部を含み、ラッチに力が加えられたときに、該力は取付プラットフォームの実質的水平部に伝達される、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
各取付プラットフォームは、対応するラッチに直接接続された垂直部を更に含む、請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記取付プラットフォームの水平部はプリント回路基板にはんだ付される、請求項2に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記端子はプリント回路基板に表面実装可能である、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記端子はプリント回路基板にスルーホール実装可能である、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項7】
各ラッチと取付プラットフォームとが一体形成される、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記取付プラットフォームは、該取付プラットフォームから延在し、プリント回路基板に接続可能なポストを含む、請求項7に記載のコネクタ。
【請求項9】
各取付プラットフォームは、対応するラッチに取付けられた可撓性部を有する、請求項7に記載のコネクタ。
【請求項10】
各ラッチ及び取付プラットフォームは2個の別個の部品として形成される、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記側壁が両端を備え、ハウジングは、側壁の両端にある端部と、該端部を貫通して設けられた開口とを含み、各ラッチは突出する突起を含み、各取付プラットフォームは、貫通して配設された開口を備え、前記突起は、対応する取付プラットフォームの対応する開口と対応する端部の対応する開口とを貫通している、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項12】
前記取付プラットフォームの開口は端部に配設された開口よりも小さい、請求項11に記載のコネクタ。
【請求項13】
各ラッチは突出する突起を含み、各取付プラットフォームは、貫通して配設された開口を備え、前記突起は、対応する取付プラットフォームの対応する開口を貫通している、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項14】
前記取付プラットフォームから延在する基板ロックを更に含む、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項15】
前記取付プラットフォームが表面領域を備え、各端子が、プリント回路基板の表面に取付けられる表面領域を有し、前記取付プラットフォームの表面領域は、端子の表面領域の合計と略同じである、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項16】
プリント回路基板と、
モジュールと、
コネクタとを有する組合せであって、
前記コネクタは、モジュールを収容するスロットを画定する側壁を備えるハウジングと、該ハウジング内にスロットと連絡するように取付けられた端子と、側壁の両端に配設され、ハウジングと別体であり、プリント回路基板と当接するはんだネイルと、対応するはんだネイルに直接接続され、モジュールを取外し可能に保持するラッチとを含む組合せ。
【請求項17】
各はんだネイルが実質的水平部を含み、ラッチに力が加えられたときに、該力ははんだネイルの実質的水平部に伝達される、請求項16に記載の組合せ。
【請求項18】
前記はんだネイルの水平部はプリント回路基板にはんだ付される、請求項17に記載の組合せ。
【請求項19】
前記端子はプリント回路基板に表面実装される、請求項16に記載の組合せ。
【請求項20】
前記端子はプリント回路基板にスルーホール実装される、請求項16に記載の組合せ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント回路基板にモジュールを接続するためのコネクタであって、
モジュールを収容するスロットを画定する側壁を備えるハウジングと、
該ハウジング内にスロットと連絡するように取付けられた端子と、
前記側壁の両端に配設されたハウジングと別体の取付プラットフォームであって、各取付プラットフォームがハウジングの側壁に直角な水平部、及び、該水平部に直角な垂直部を含み、前記水平部をプリント回路基板に取付けることができる取付プラットフォームと、
該取付プラットフォームに直接接続されたラッチであって、該ラッチが、モジュールを取外し可能に保持可能であり、該モジュールの挿入によってラッチに力が加えられたときに、該力が、取付プラットフォームの垂直部から取付プラットフォームの水平部に伝達されるラッチとを有するコネクタ。
【請求項2】
各取付プラットフォームの水平部はプリント回路基板にはんだ付される、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記端子はプリント回路基板に表面実装可能である、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記端子はプリント回路基板にスルーホール実装可能である、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項5】
各ラッチと取付プラットフォームとが一体形成される、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記取付プラットフォームは、該取付プラットフォームから延在し、プリント回路基板に接続可能なポストを含む、請求項5に記載のコネクタ。
【請求項7】
各取付プラットフォームは、対応するラッチに取付けられた可撓性部を有する、請求項5に記載のコネクタ。
【請求項8】
各ラッチ及び取付プラットフォームは、2個の別個の物理的部品として形成された、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項9】
プリント回路基板にモジュールを接続するためのコネクタであって、
モジュールを収容するスロットを画定する側壁を備えるハウジングと、
該ハウジング内にスロットと連絡するように取付けられた端子と、
前記側壁の両端に配設されたハウジングと別体の取付プラットフォームと、
各取付プラットフォームに直接接続され、モジュールを取外し可能に保持可能なラッチとを有し、
前記側壁が両端を備え、ハウジングは、側壁の両端にある端部と、該端部を貫通して配設された開口とを含み、各ラッチは突出する突起を含み、各取付プラットフォームは、貫通して配設された開口を備え、前記突起は、対応する取付プラットフォームの対応する開口と対応する端部の対応する開口とを貫通するコネクタ。
【請求項10】
前記取付プラットフォームの開口は端部に配設された開口よりも小さい、請求項9に記載のコネクタ。
【請求項11】
プリント回路基板にモジュールを接続するためのコネクタであって、
モジュールを収容するスロットを画定する側壁を備えるハウジングと、
該ハウジング内にスロットと連絡するように取付けられた端子と、
前記側壁の両端に配設されたハウジングと別体の取付プラットフォームと、
各取付プラットフォームに直接接続され、モジュールを取外し可能に保持可能なラッチとを有し、
各ラッチは突出する突起を含み、各取付プラットフォームは、貫通して配設された開口を備え、前記突起は、対応する取付プラットフォームの対応する開口を貫通するコネクタ。
【請求項12】
前記取付プラットフォームから延在する基板ロックを更に含む、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項13】
前記取付プラットフォームが表面領域を備え、各端子が、プリント回路基板の表面に取付けられる表面領域を有し、前記取付プラットフォームの表面領域は、端子の表面領域の合計と略同じである、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項14】
プリント回路基板と、
モジュールと、
前記プリント回路基板を前記モジュールに接続するためのコネクタとを有する組合せであって、
前記コネクタは、モジュールを収容するスロットを画定する側壁を備えるハウジングと、該ハウジング内にスロットと連絡するように取付けられた端子と、側壁の両端に配設されたハウジングと別体のはんだネイルであって、各々がハウジングの側壁に直角な水平部及び該水平部に直角な垂直部を含み、該垂直部がプリント回路基板に当接するはんだネイルと、対応するはんだネイルの垂直部に直接接続され、モジュールを取外し可能に保持するラッチであって、前記モジュールの挿入によってラッチに力が加えられたときに、該力が、はんだネイルの垂直部からはんだネイルの水平部に伝達されるラッチとを含む組合せ。
【請求項15】
各はんだネイルの水平部がプリント回路基板にはんだ付される、請求項14に記載の組合せ。
【請求項16】
前記端子はプリント回路基板に表面実装される、請求項14に記載の組合せ。
【請求項17】
前記端子はプリント回路基板にスルーホール実装される、請求項14に記載の組合せ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図6】
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【図9】
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【図7】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2006−520066(P2006−520066A)
【公表日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501183(P2006−501183)
【出願日】平成16年2月20日(2004.2.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/005106
【国際公開番号】WO2004/082077
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(591043064)モレックス インコーポレーテッド (441)
【氏名又は名称原語表記】MOLEX INCORPORATED
【Fターム(参考)】