説明

動的地図データ更新システム

【課題】直近に更新された地図データをダウンリンクによりナビゲーション装置で表示できるよう構成した動的地図データ更新システムを提供する。
【解決手段】経路データにない経路を車両が走行した場合に、位置情報を含む走行履歴データをセンタ装置15に伝達する手段1と、車両から伝達された前記走行履歴データに基づいてセンタ装置15が経路データにない経路であると確認した場合には、車両に経路データにない新たなる経路であることを示す経路情報を伝達する手段3と、センタ装置15から伝達された前記新たなる経路情報を表示する手段1とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動的地図データ更新システムに関し、特に直近に更新された地図データをダウンリンクによりナビゲーション(以下、ナビと略称する)装置の表示部に表示できるよう構成したものである。
【背景技術】
【0002】
従来のVICSシステムにおいては、FM多重放送や道路脇に設けられた電波ビーコン、光ビーコンなどの施設から、道路交通情報を車内のナビで受信できるようにされている。
【0003】
この際、受信と同時に車載の送信機を使用して車両のID情報を伝達するようにし、これがVICSセンタ、交通情報センター及び公安委員会・道路管理者に電送され、これが新たなる渋滞・事故情報・高速道路情報などとして活用されるようになる。
【0004】
一般にナビゲーション装置は、図7に示されるように、車両の位置を算出するための車両位置算出手段20と、利用したい施設などを検索するための情報検索手段23と、その施設までの経路を探索するための経路探索手段21と、探索した経路に沿って自車を誘導する誘導手段22と、液晶表示器やCRTディスプレイなどの表示器26に表示させるための表示制御手段25と、CD−ROMなどの記憶媒体に記憶された地図データ27とから構成されている。以下に、これに関連する従来技術の例をいくつかあげる。
【0005】
特許文献1に開示された「ナビゲーションシステム」は、道路形状の修正に適切に対応し得るものである。車両のナビゲーション装置が、道路データ上の位置から現在位置が逸脱している場合に、逸脱した位置を基地局側へ送信する。基地局は、車両側から修正データが送出された際に、送信されたデータに基づき地図データを修正する。そして、車両側からの要求に応じて、車両へ修正した地図データを送出する。このため、道路の改修等により、道路データと実際の道路形状とが異なる際には、車両側から形状の異なることを基地局側へ通報し、通報を受けた基地局は、地図データを修正して車両側へ送出することができる。
【0006】
特許文献2に開示された「経路探索表示装置」は、経路探索によって、より道路の交通状態に合った最適経路をドライバーに提供するものである。実際の車の走行状態を検出し、その状態に応じて学習された道路リンクコストによって目的地までの経路を探索し、表示する。車の実際の通過速度に合った最適経路を探索して表示することができる。
【0007】
特許文献3に開示された「車両用道路形状データ取得装置」は、カーブにおける走行制御などについての演算処理の負荷を低減するものである。道路形状演算記憶装置は、地図情報データベースから道路形状データを読み出し、これと車速などからカーブ進入時における警告、減速制御などを行う。ここで、道路形状清算記憶装置は、道路形状に応じて、必要な場合にのみ詳細な道路形状データを地図情報データベースから読み出す。従って、演算処理の負荷が低減される。例えば、現在車速に対し、カーブなど安全通過速度が低い場合に、その部分のみ詳細な道路形状データを取得し、これに基づいて、減速制御などを行う。
【特許文献1】特開平10-289396号公報
【特許文献2】特開平09-329451号公報
【特許文献3】特開平10-332394号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来のナビゲーションシステムでは、通常、ナビ装置の地図データは早くて1年のデータ更新となっており、日に日に増える道路のデータ、すなわち地図データにない道路のデータ、については折角ナビ装置を備えている車両にも1年経たなければ更新できない仕組みとなっていた。
【0009】
本発明は上記従来の問題を解決するもので、直近に更新された地図データをダウンリンクによりナビゲーション装置に表示できるよう構成した動的地図データ更新システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記問題を解決するために本発明は、車両に搭載されるナビゲーション装置及び該ナビゲーション装置と情報のやり取りを行なうセンタ装置とからなる動的地図データ更新システムであって、前記センタ装置は、前記ナビゲーション装置から伝達された走行履歴データに基づいて経路データにない経路であると確認した場合には、経路データにない新たなる経路であることを示す経路情報を前記ナビゲーション装置に伝達する手段を少なくとも備え、前記ナビゲーション装置は、経路データにない経路を車両が走行した場合に、位置情報を含む走行履歴データを前記センタ装置に伝達する手段と、経路データにない新たなる経路であることを示す経路情報を前記センタ装置から受信する手段と、前記センタ装置から受信した前記新たなる経路情報を表示部に表示する手段を備え、ナビゲーション装置およびセンタ装置が動的に地図データを更新することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、車両に搭載されるナビゲーション装置及び該ナビゲーション装置と情報のやり取りを行なうセンタ装置とからなる動的地図データ更新システムであって、前記センタ装置は、前記ナビゲーション装置から伝達された走行履歴データに基づいて経路データにない経路であるが未確認である場合には、経路データにない新たなる経路であるが未確認であることを示す経路情報を前記ナビゲーション装置に伝達する手段を少なくとも備え、前記ナビゲーション装置は、経路データにない経路を車両が走行した場合に、位置情報を含む走行履歴データを前記センタ装置に伝達する手段と、経路データにない新たなる経路であるが未確認であることを示す経路情報を前記センタ装置から受信する手段と、前記センタ装置から受信した前記新たなる経路であるが未確認である経路情報を通常の経路表示形態とは異なる形態で表示部に表示する手段を備え、ナビゲーション装置およびセンタ装置が動的に地図データを更新することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の動的地図データ更新システムは、前記センタ装置が経路データにない経路であると確認する際には、複数の車両からの前記走行履歴データがアップリンクされることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の動的地図データ更新システムは、前記ナビゲーション装置で前記センタ装置から受信した新たなる経路情報を表示する際、同一経路のデータが多い場合には、道を強調して表示するようにしたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の動的地図データ更新システムは、前記ナビゲーション装置で前記センタ装置から受信した新たなる経路情報を表示する、あるいは表示しない、をナビゲーション装置ユーザが個別に選択できるようにしたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の動的地図データ更新システムは、前記センタ装置が前記ナビゲーション装置に経路データにない新たなる経路であることを示す経路情報を伝達する際には、交通量が豊富なリンクを優先的にダウンリンクすることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の動的地図データ更新システムは、前記センタ装置が前記ナビゲーション装置に経路データにない新たなる経路であることを示す経路情報を伝達する際には、高速に通過できたリンクを優先的にダウンリンクすることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の動的地図データ更新システムは、前記センタ装置が前記ナビゲーション装置に経路データにない新たなる経路であることを示す経路情報を伝達する際には、自車位置に近いリンクを優先的にダウンリンクすることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の動的地図データ更新システムは、前記センタ装置において経路データにない経路であると確認した場合には、車両がその経路を通過した場合の通過速度を考慮してリンクコストを計測しておき、前記ナビゲーション装置は前記リンクコストを経路探索に利用しうるようにしたことを特徴とする。
【0019】
また、本発明のセンタ装置は、各車両とのデータのやりとりを行なうための通信手段を備えるセンタ部と、データ更新可能な地図データファイルと、各車両から送られてきた経路履歴データを記録する走行経路履歴ファイルを備え、前記センタ部は、各車両から伝達された走行履歴データに基づいて経路データにない経路であると確認した場合には、経路データにない新たなる経路であることを示す経路情報を前記車両に伝達する手段を少なくとも備えていることを特徴とする。
【0020】
また、本発明のセンタ装置は、各車両とのデータのやりとりを行なうための通信手段を備えるセンタ部と、データ更新可能な地図データファイルと、各車両から送られてきた経路履歴データを記録する走行経路履歴ファイルとを備え、前記センタ部は、各車両から伝達された走行履歴データに基づいて経路データにない経路であるが未確認である場合には、経路データにない新たなる経路であるが未確認であることを示す経路情報を前記車両に伝達する手段を少なくとも備えていることを特徴とする。
【0021】
また、本発明のナビゲーション装置は、センサ入力を元に車両位置を算出するための車両位置算出手段と、その車両位置算出手段からの指示で追加経路を記録する経路履歴データファイルと、センタ装置と通信して最新の地図データを入手したり、自車が発見した経路履歴データをセンタ装置に送信するための通信手段とを備え、更に、経路データにない経路を車両が走行した場合に、前記通信手段を介して位置情報を含む走行履歴データを前記センタ装置に伝達する手段と、経路データにない新たなる経路であることを示す経路情報を前記センタ装置から受信する手段と、前記センタ装置から受信した前記新たなる経路情報を表示部に表示する手段を備えることを特徴とする。
【0022】
また、本発明のナビゲーション装置は、センサ入力を元に車両位置を算出するための車両位置算出手段と、その車両位置算出手段からの指示で追加経路を記録する経路履歴データファイルと、センタ装置と通信して最新の地図データを入手したり、自車が発見した経路履歴データをセンタ装置に送信するための通信手段とを備え、更に、経路データにない経路を車両が走行した場合に、前記通信手段を介して位置情報を含む走行履歴データを前記センタ装置に伝達する手段と、経路データにない新たなる経路であるが未確認であることを示す経路情報を前記センタ装置から受信する手段と、前記センタ装置から受信した前記新たなる経路であるが未確認である経路情報を通常の経路表示形態とは異なる形態で表示部に表示する手段を備えることを特徴とする。
【0023】
また、本発明のナビゲーション装置は、前記センタ装置から受信した前記新たなる経路を格納する手段を更に備えることを特徴とする。
【0024】
また、本発明のナビゲーション装置は、前記新たなる経路を格納する手段の記憶容量が不足したとき、新たなる記憶領域を確保するために、自車位置周辺のリンク情報を残して他の不要なリンク情報を消去することを特徴とする。
【0025】
また、本発明のナビゲーション装置は、前記新たなる経路を格納する手段の記憶容量が不足したとき、新たなる記憶領域を確保するために、探索に使用したリンク情報又は探索結果に残ったリンク情報を残して他の不要なリンク情報を消去することを特徴とする。
【0026】
また、本発明のナビゲーション装置は、前記新たなる経路を格納する手段の記憶容量が不足したとき、新たなる記憶領域を確保するために、実際に走行したリンク情報を残して他の不要なリンク情報を消去することを特徴とする。
【0027】
また、本発明のナビゲーション装置は、前記新たなる経路を格納する手段の記憶容量が不足したとき、新たなる記憶領域を確保するために、車が頻繁に走行する地域のリンク情報を残して他の不要なリンク情報を消去することを特徴とする。
【0028】
また、本発明のナビゲーション装置は、前記新たなる経路を格納する手段の記憶容量が不足したとき、新たなる記憶領域を確保するために、リンク情報として信頼性の高いリンク情報を残して他の不要なリンク情報を消去することを特徴とする。
【0029】
また、本発明のナビゲーション装置は、前記新たなる経路を格納する手段の記憶容量が不足したとき、新たなる記憶領域を確保するために、新しいリンク情報を残して他の不要なリンク情報を消去することを特徴とする。
【0030】
また、本発明のナビゲーション装置は、前記新たなる経路を格納する手段の記憶容量が不足したとき、新たなる記憶領域を確保するために、高速度で通過可能なリンク情報を残して他の不要なリンク情報を消去することを特徴とする。
【0031】
また、本発明のナビゲーション装置は、前記新たなる経路を格納する手段の記憶容量が不足したとき、新たなる記憶領域を確保するために、鉄道、河川などを横断できるリンク情報を残して他の不要なリンク情報を消去することを特徴とする。
【0032】
また、本発明のナビゲーション装置において、リンク情報を残すための基準が重複した場合には、それらの間に優先順位を付しておき、その優先順位に基いてリンク情報を残すようにしたことを特徴とする。
【0033】
また、本発明のナビゲーション装置は、追加されるリンクの端点間を探索し、元のコストより低い場合に加えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0034】
本発明の動的地図データ更新システムによれば、直近に更新された地図データをダウンリンクによりナビゲーション装置に表示できるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0036】
図1は本発明の実施の形態における動的地図データ更新システムの全体構成を示しており、図1において、各車両10は、ナビ装置1と、データ更新可能な地図データファイル2とを備えている。ここにおいてナビ装置1は最低限、センサ入力を元に車両位置を算出するための車両位置算出手段と、その車両位置算出手段からの指示で追加経路を記録する経路履歴データファイルと、センタ装置と通信して最新の地図データを入手したり、自車が発見した経路履歴データをセンタ装置に送信するための通信手段とを備えている。
【0037】
センタ装置15は、各車両10とのデータのやりとりを行なうための通信手段を備えるセンタ部3と、データ更新可能な地図データファイル4と、各車両10から送られてきた経路履歴データを記録する走行経路履歴ファイル5とを備えている。
【0038】
図1に示される本発明の実施の形態における動的地図データ更新システムの動作について、以下図2ないし図6を参照しながら説明する。
【0039】
図1ないし図6において、各車両が地図データにない道路を走行したときには、車両10のナビ装置1を使用してセンタ装置15に経路履歴データが送信(アップリンク)されてくるので、センタ装置15ではこれを走行経路履歴ファイル5に記録・蓄積する。
【0040】
これを図2で説明すると、各車両のナビ装置1ではマップマッチングを実施し、マッチングが合っていればそのまま自車位置の更新処理を実行するが、マッチングが外れた場合でそれが新しい道路を走行していると推定できるときには、走行経路記録処理、すなわち経路履歴データファイルに追加経路情報として、例えば自車位置や自車ベクトルなどを連続的に記録・蓄積する。
【0041】
図3はマッチングが外れた場合の処理について図解したものであり、車両が<マル1>から<マル2>に移ると非マッチング状態となるものが、その車両にとっては経路履歴上では自車位置情報の連続なのでこれを経路履歴データファイルに追加経路情報として記録する。
【0042】
また図4は、センタ装置15と車両10との通信処理を示したものである。図4において、車両10からセンタ装置15に新情報の送信要求を行なうと、センタ装置15から車両10にセンタ部3が蓄積している経路情報をセンタ装置15から車両10に返送してくる。その一方で車両10からセンタ装置15に車両10が発見し記録した追加経路情報を送信する。
【0043】
図5はセンタ装置15で記録処理される車両10からアップリンクされてきた経路履歴データの記録に係る構成を示したものであり、いわば走行経路履歴ファイル5の中身を図解したものである。図5においてセンタ装置15における地図データの記録・蓄積は、車両が発見したと推定される経路情報を含む経路履歴データ(この中には、緯度経度点ないし速度ベクトル列などのデータを含む)を点列情報(図上では、点列infoと略されている)として記録・蓄積する点列情報記録手段6と、複数車両からアップリンクされた同一道路を表す点列ないしベクトル列を1つの経路リンクとして集約して記録・蓄積する情報集約手段7と、この情報集約手段からの経路リンクおよび点列情報だけの経路履歴データを格納する経路情報格納手段8とから構成されている。従って、センタ装置15では、経路履歴データにおける速度ベクトル列から新経路リンクのコストを作成しておき、これを記録・蓄積するようにすることができるので、もしも車両が新経路データを要求してきた場合には、そのリンクコストをダウンリンクして経路探索などに利用させることができる。
【0044】
図5に示されるように点列情報としては、ある車両からは三角印の点列が得られ、別の車両からは四角印の点列が得られ、さらに別の車両からは丸印の点列が得られ、それぞれが情報集約手段7に与えられて同一道路と判断される場合には1つの経路リンクとして記録されることになる。
【0045】
なお、追加されようとしている経路リンクの端点間を探索し、元のコストよりも低い場合は実際に加えるという動作を行なっても良い。これにより不要なリンクを排除し、有用なリンクを追加登録することが可能となる。
【0046】
図6はセンタ装置から車両に対する新経路情報のダウンリンクを説明するための図であり、図6において車両からナビ表示のためのエリアを含む道路表示要求が送信されてくると、センタ装置15では新経路情報として、実地調査が未だ済んでいない場合には、未確認のエリア中の点列情報として返送し、それが実地調査を既に行なっていた場合には、確認済みの経路情報として返送する。この場合、車両では新経路情報を経路リンクとして追加表示するが、未確認と確認済みとでは追加経路の表示方法を変えて表示する。
【0047】
なお、センタ装置15においてダウンリンクして追加表示すべき新経路情報が多い場合には、その新経路情報に優先順位をつけておき、それを車両にダウンリンクさせるようにすることが望ましい。優先順位としては、例えば、<1>交通量が豊富なリンクであること、<2>高速に通過できたリンクであること、<3>自車位置に近いリンクであること、などに基いてダウンリンクするようにする。
【0048】
また車両で新経路情報を経路リンクとして追加表示する場合であっても、当該経路のデータが多い場合には、それが幹線ルートである可能性が高いことから、道を強調(例えば、道幅を太く)して表示するようにする。
【0049】
さらに、センタ装置15から返送されたエリア中の新経路情報は、車両10のナビ装置1において探索、案内誘導、表示に利用されることはもちろんであるが、新経路情報を表示ないし案内誘導に使用するか否かはユーザが選択できるようにしておくことが望ましい。
【0050】
また、ナビ装置における記憶容量にはおのずと限界があり、この限界に達した場合、蓄積しているリンク情報のうち一部を消去することによって、新しいリンク情報を受信・蓄積する必要性が出てくる。
【0051】
そこで、リンクの有用性に基くリンク情報の評価値をナビ装置のユーザが設定できるようにしておき、これに基いて評価の低いリンクは消去するようにし、新しいリンク情報を受信・蓄積できるようにする。そのためにリンクの有用性として、例えば、
(1)自車位置周辺のリンクを有用性が高いとする。
(2)探索に使用したリンク、探索結果に残ったリンクを有用性が高いとする。
(3)実際に走行したリンクを有用性が高いとする。
(4)車が頻繁に走行する地域(地図格納単位)のリンクを有用性が高いとする。
(5)リンク情報として信頼性の高いリンクを有用性が高いとする。
(6)新しいリンクを有用性が高いとする。
(7)高速度で通過可能なリンクを有用性が高いとする。
(8)鉄道、河川などを横断できるリンクを有用性が高いとする。
【0052】
このようなリンクの有用性に対してユーザがどの順位でリンクを評価するかは任意であり、それに基いて評価の低いリンク情報を適宜消去することにより、記憶容量に限りがあるナビ装置において新しいリンク情報を受信・蓄積することが可能となる。
【0053】
上記の説明において、経路データは、単一のリンクの場合のみを指しているのではなく、複数のリンクの場合を指すこともあることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施の形態における動的地図データ更新システムの全体構成を示す図、
【図2】本発明の実施の形態に係る車両での走行経路記録処理の動作を説明するフローチャート、
【図3】本発明の実施の形態に係る車両での走行経路記録の前提となる非マッチングの状態を説明するための図、
【図4】車両とセンタ装置との通信処理を説明するためのタイムチャート、
【図5】センタ装置で記録処理される車両からアップリンクされてきた経路履歴データの記録に係る構成を示した図、
【図6】センタ装置から車両に対する新経路情報のダウンリンクを説明するための図、
【図7】従来のナビゲーション装置の一般的な構成を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
1 ナビ装置
2 更新可能な地図データファイル(車両)
3 センタ部
4 更新可能な地図データファイル(センタ装置)
5 走行経路履歴データファイル
6 点列或いはベクトル列記録手段
7 情報集約手段
8 経路情報格納手段
10 車両
15 センタ装置
20 車両位置算出手段
21 経路探索手段
22 誘導手段
23 情報検索手段
24 メモリ
25 表示制御手段
26 表示手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されるナビゲーション装置及び該ナビゲーション装置と情報のやり取りを行なうセンタ装置とからなる動的地図データ更新システムであって、
前記センタ装置は、前記ナビゲーション装置から伝達された走行履歴データに基づいて経路データにない経路であると確認した場合には、経路データにない新たなる経路であることを示す経路情報を前記ナビゲーション装置に伝達する手段を少なくとも備え、
前記ナビゲーション装置は、経路データにない経路を車両が走行した場合に、位置情報を含む走行履歴データを前記センタ装置に伝達する手段と、経路データにない新たなる経路であることを示す経路情報を前記センタ装置から受信する手段と、前記センタ装置から受信した前記新たなる経路情報を表示部に表示する手段を備え、
ナビゲーション装置およびセンタ装置が動的に地図データを更新することを特徴とする動的地図データ更新システム。
【請求項2】
車両に搭載されるナビゲーション装置及び該ナビゲーション装置と情報のやり取りを行なうセンタ装置とからなる動的地図データ更新システムであって、
前記センタ装置は、前記ナビゲーション装置から伝達された走行履歴データに基づいて経路データにない経路であるが未確認である場合には、経路データにない新たなる経路であるが未確認であることを示す経路情報を前記ナビゲーション装置に伝達する手段を少なくとも備え、
前記ナビゲーション装置は、経路データにない経路を車両が走行した場合に、位置情報を含む走行履歴データを前記センタ装置に伝達する手段と、経路データにない新たなる経路であるが未確認であることを示す経路情報を前記センタ装置から受信する手段と、前記センタ装置から受信した前記新たなる経路であるが未確認である経路情報を通常の経路表示形態とは異なる形態で表示部に表示する手段を備え、
ナビゲーション装置およびセンタ装置が動的に地図データを更新することを特徴とする動的地図データ更新システム。
【請求項3】
前記センタ装置が経路データにない経路であると確認する際には、複数の車両からの前記走行履歴データがアップリンクされることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の動的地図データ更新システム。
【請求項4】
前記ナビゲーション装置で前記センタ装置から受信した新たなる経路情報を表示する際、同一経路のデータが多い場合には、道を強調して表示するようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の動的地図データ更新システム。
【請求項5】
前記ナビゲーション装置で前記センタ装置から受信した新たなる経路情報を表示する、あるいは表示しない、をナビゲーション装置ユーザが個別に選択できるようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の動的地図データ更新システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−14733(P2009−14733A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−205360(P2008−205360)
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【分割の表示】特願平11−63649の分割
【原出願日】平成11年3月10日(1999.3.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】