説明

医薬化合物

【課題】CB1及び/又はCB2カンナビノイド作動性受容体に対する親和性を有するピラゾール誘導体、それを含有する医薬組成物の提供。
【解決手段】式(I)で示される縮合三環式ピラゾール化合物、その溶媒和物及び医薬的に許容される塩並びにそれらを含有する医薬組成物。


(式中、Aは、−(CH2t−等の基を表し、Bはヘテロアリールであり、Rはヘテロアリール等の基であり、R’は、ケト基を有する置換基、ヒドロキシ官能基を有する置換基、アミド置換基を示す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CB1及び/又はCB2カンナビノイド作動性受容体に対する親和性を有するピラゾール誘導体、対応する溶媒和物及び医薬的に許容される塩並びにそれらを含有する医薬組成物に関する。
より具体的には、本発明は、CB1及び/又はCB2カンナビノイド作動性受容体に対する親和性を有し、末梢及び中枢の神経系の両方に作用し、かつマイクロエマルジョンの形態でも処方できる縮合三環式ピラゾール誘導体に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロエマルジョンは時間が経過しても安定な製剤系を提供するので、マイクロエマルジョンが使用者に広く要望されていることが公知である。そのうえ、マイクロエマルジョンにおいて相分離が起こったときに、医薬化合物をマイクロエマルジョンとして処方すれば、元の系を穏やかな撹拌により回復できる。
【0003】
カンナビノイド類は、マリファナとして通常知られるカンナビス サチバ(cannabis sativa)に由来する化合物である。マリファナを特徴付ける少なくとも66種のカンナビノイド化合物のうち、テトラヒドロカンナビノール類(THC)とΔ9−テトラヒドロカンナビノール(Δ9−THC)が、特に、最も活性が高いと考えられている。マリファナが哺乳類及びヒトに天然起源の治療剤として使用されるようになった特性は、実際に、これらの化合物に関連する。これらの特性は、鎮痛作用、抗炎症活性、血圧と眼圧の低下、鎮吐活性である。マリファナを使用することに付随する負の作用、特に知覚心理的歪曲、運動協調の喪失、多幸症、鎮静作用に関するものは、テトラヒドロカンナビノール類が関連している。カンナビノイド類の薬理作用は、「Gタンパク質共役」受容体のファミリーに属する二つの異なるクラスの特定の受容体、すなわち末梢組織中の神経系に加えて中枢神経系中に存在するCB1受容体、及び小脳中に見られるが(Q.J.Luら;Visual Neurosci.;2000,17,9,1〜95)、大部分は末梢組織中に見られる(M.Glass; Progr. Neuro- Psychopharmacol.& Biol.Psychiat.; 2001; 25, 743〜765)CB2受容体に対するカンナビノイド類の親和性に直接関連しているようである。脳において、CB1受容体は、海馬、皮質領域、小脳及び大脳基底核の中で豊富に発現されている。CB1受容体が見られる末梢組織としては、精巣、小腸、膀胱、精管がある。CB1受容体はさらに、ラットの眼とヒトの眼の網膜及び虹彩、並びに毛様体中で同定されている(A.Porcellaら;Molecular Brain Research; 1998, 58, 240〜245; A.Porcellaら;European Journal of Neuroscience; 2000, 12 ,1123〜1127)。一方、CB2受容体は、マクロファージ、単球、骨髄と胸腺と膵臓の細胞などの免疫系の幾種類もの細胞に加えて脾臓の周縁帯、扁桃腺中に優勢に存在している。CB2受容体が著しく存在している免疫系のその他の細胞は、T4細胞とT8細胞、多形核白血球、特に「ナチュラルキラー」と呼称される細胞及びBリンパ球である。
【0004】
したがって、アゴニスト又はアンタゴニストとしてCB2受容体と相互作用できる化合物は、免疫系細胞又は免疫障害が関連する疾患を治療するのに使用できる。CB2受容体の活性化(調節)は、他の疾患の治療、例えば、骨粗しょう症、腎虚血、疼痛、神経因性疼痛、術後の疼痛、炎症性症状、筋萎縮性硬化症を治療するためにも重要である。
【0005】
CB1受容体に対して親和性を有する化合物は、緑内障のような眼の疾患、喘息及び慢性気管支炎のような肺の疾患、関節炎のような炎症、アレルギー性鼻炎、接触性皮膚炎、アレルギー性結膜炎のようなアレルギー及びアレルギー反応の治療に使用できる。この化合物は、疼痛、不安症状、行動障害、譫妄症状、一般的な精神病の問題の治療、さらに、統合失調症、うつ病の治療、並びに薬物及び/又はアルコール中毒症(例えばアルコール中毒症とニコチン中毒症)の治療にも使用できる。同じ化合物は、特に化学療法を受けている患者の場合、嘔吐、悪心、めまいと闘うため、神経障害、片頭痛、ストレス、心身症由来の疾患、癲癇、トゥーレット症候群、パーキンソン病、ハンチントン病、アルツハイマー病、老人性認知症を治療するため、及び認知症と記憶喪失の場合にも使用できる。CB1受容体に対して親和性を有する化合物のさらなる用途は、食欲障害(肥満、大食症)に関連する病変、胃腸管及び膀胱の病変、心血管性疾患、泌尿器及び生殖能の障害、多発性硬化症、ギラン−バレー症候群、ウイルス性脳炎などの神経炎症病変の治療である。例えば、いくつかのCB1アゴニストの有効成分は、化学療法に付随する嘔吐と悪心の治療と、エイズ患者の食欲促進に使用され成功している。CB1受容体に対してアンタゴニスト活性を有する化合物は、例えば、精神障害、不安、うつ病、統合失調症、肥満、神経疾患(例えば、認知症、パーキンソン病、アルツハイマー病、癲癇、トゥーレット症候群)、記憶喪失の症状、カンナビノイドの神経伝達に関連する中枢神経系の疾患の治療、生殖能及び勃起の障害、胃腸及び/又は心血管性障害の治療に使用できる。
【0006】
カンナビノイド受容体を活性化するのに有効な化合物は、免疫抑制活性を示し、眼の炎症症状と自己免疫疾患、例えばブドウ膜炎及びブドウ膜網膜炎(uveoretinitis)の治療に使用されている(H.Xuら, J.Leukocyte Biology, 82, 2007, 532〜541)。これらの化合物は、網膜の神経変性の治療にも使用されている(G.Pryceら, Brain, 126, 2003, 2191〜2202)。
【0007】
カンナビノイド類の広範な薬理学的用途に関連して、最近、エンドカンナビノイド類を見つけるため及びCB1及びCB2のカンナビノイド作動性受容体の二種のサブクラスと選択的に相互作用できる新しい化合物を合成するためのいくつかの研究が行なわれている。研究により、一方では、アナンダミドエンドカンナビノイド類(アラキドニルエタノールアミド)及び2−アラキドニルグリセロールが同定され、他方では、異なるクラスの合成化合物すなわちCB1又はCB2の受容体に対するアゴニスト又はアンタゴニストが製造されている。
【0008】
CB1受容体に対してアゴニスト活性(カンナビ様(cannabimimetic)活性)を有するクラスの化合物としては、(−)−11−OH−Δ8THC−ジメチルヘプチル(HU210)及びナビロンのようなΔ9−THCから直接誘導される基本構造を有する合成化合物、並びにWIN55,212−2シリーズのアミノアルキルインドール類(M. PachecoらJ.Pharmacol. Exp. Ther.; 1991, 257, 1701〜183)又は化合物CP55,940を指す二環式カンナビノール類(古典的カンナビノイド類ではない)(M. Glass; Progr. Neuro-Psychopharmacol. & Biol. Psychiat. ;2001, 25, 743〜765)のようなΔ9−THCとは構造が異なる化合物がある。カンナビ様活性を有する化合物は、インビボで、以下の作用:活動性低下、体温低下、痛覚消失及びカタレプシーを示す(B. R. Martinら; Pharmacol. Biochem. Behav.; 1991, 40, 471〜478; P. B. Smithら; J. Pharmacol. Exp. Ther. ; 1994, 270, 219〜227)。
【0009】
CB1アンタゴニストのピラゾール化合物であるリモナバンが、メタボリックシンドローム及び/又は脂質異常症の患者の体重並びに代謝及び/又は心血管性のリスクファクターを減らすのに有効であることが、臨床データにより示されている(J. P. Despresら, the New England Journal of Medicine, 2005, 353, 2121〜2134; D. Tonstad, Nutrition, Metabolism and Cardiovascular Diseases 2006, 16, 156〜162)。リモナバンが代謝及び/又は心血管性のリスクファクターを減らすのに有効であることは、2型糖尿病の患者でも示されている(A. J. Scheenら, Lancet 2006, 368 1660〜1672)。
【0010】
カンナビノイド作動性受容体に対して高い親和性を有し、特にCB1受容体に対して高い選択性を有する縮合三環式化合物は、例えば、EP1,230,244号に記載されている。上記の化合物は、下記の一般構造を有する。
【0011】
【化1】

(式中、Z1、w7、w3、w4、w5、w6、g2、g3、g4、g5は異なる意味を有し、X−Y−は、−(CH2d−CH2−、−CH2−S(O)g−、−S(O)g−CH2−から選択される基を表し、dは1又は2であり、gはゼロ、1又は2である)。
【0012】
上記文献中に、記載された化合物がマイクロエマルジョンの形態で配合できるとは記載されていない。
【0013】
カンナビノイド作動性受容体に対して高い親和性を有し、とりわけCB2受容体に対して高い選択性を有する縮合三環式化合物は、EP1,230,222号に記載されている。特に、上記の化合物は、下記の一般構造を有する。
【0014】
【化2】

(式中、−T−は−(CH2m−基を表し、mは1又は2であり、Z1、w7、w3、w4、w5、w6、g2、g3、g4、g5は異なる意味を有する)。
【0015】
この特許には、記載される化合物がマイクロエマルジョンの形態で配合できるとは記載されていない。
【0016】
ピラゾール環が縮合三環式構造の一部分を形成するピラゾールの基本構造を有してCB1及び/又はCB2受容体に対する親和性を有する化合物の別のクラスは、米国特許出願第2005/282,798号に記載される誘導体により代表される。これらの誘導体は、末梢レベルにてCB1及び/又はCB2カンナビノイド作動性受容体のみに作用する。化合物は、中枢神経系に対していずれの活性も示すことができない。これらは、血液脳脊髄関門(haematoencephalic barrier)を通過できない。
【0017】
ベンゾピラノピラゾリル誘導体のあるクラスが米国特許第5,547,975号に記載されており、下記一般式で表されている。
【0018】
【化3】

(式中、B2とD2は異なる意味を有し、R2は異なる置換基で任意に置換されていてもよいアリール及びヘテロアリールから選択される基であり、R3は水素、ハロゲン、ハロアルキル、シアノ、ニトロ、ホルミル、アルコキシカルボニル、カルボキシル、カルボキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミジノ、シアノアミジノ、アミノカルボニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アミノカルボニルアルキル、N−アルキルアミノカルボニル、N−アリールアミノ−カルボニル、N,N−ジアルキルアミノカルボニル、N−アルキル−N−アリールアミノ−カルボニル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオアルキル、アルキルスルフィニルキル、アルキルスルホニルアルキル、N−アルキルスルファミル、N−アリールスルファミル、アリールスルホニル、N,N−ジアルキルスルファミル、N−アルキル−N−アリールスルファミル、複素環から選択される基である)。
【0019】
これらの化合物は、炎症又は炎症に関連する障害の治療のためである。これら化合物がCB1及び/又はCB2カンビノイド受容体に対して親和性を有するとは記述されていない。この特許では、これら化合物の製剤がマイクロエマルジョンの形態にできるとは記載されていない。
ピラゾール環を含有する別のクラスの縮合三環式化合物が、WO03/070706に記載されている。記載される化合物は、下記一般式を有する。
【0020】
【化4】

(式中、D1は各種の意味を有し、B3はヘテロアリールであり、R4は5〜6個の原子を有する環をもつアリール又はヘテロアリールであり、R5はアミジン、アルキルアミノ、アミノアルキル、NH2、CONHR16、NHCOR6、CH2−NH−COR6から選択される基であり、
16は水素、アリール、アリールアルキル、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキルから選択される基であり、
6は水素、アリール、ヘテロアリール、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアンモニアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、複素環から選択される基である)。
【0021】
これらの化合物は、癌、炎症及びそれらに関連する疾患の治療用に記載されている。これら化合物の、CB1及び/又はCB2カンナビノイド受容体に対する親和性については報告されていない。この特許では、これらの化合物がマイクロエマルジョンの形態で配合できることは記述されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】EP1,230,244号
【特許文献2】EP1,230,222号
【特許文献3】米国特許出願第2005/282,798号明細書
【特許文献4】米国特許第5,547,975号明細書
【特許文献5】WO03/070706
【非特許文献】
【0023】
【非特許文献1】Q.J.Luら;Visual Neurosci.;2000,17,9,1〜95
【非特許文献2】M.Glass; Progr. Neuro- Psychopharmacol.& Biol.Psychiat.; 2001; 25, 743〜765
【非特許文献3】A.Porcellaら;Molecular Brain Research; 1998, 58, 240〜245
【非特許文献4】A.Porcellaら;European Journal of Neuroscience; 2000, 12 ,1123〜1127
【非特許文献5】H.Xuら, J.Leukocyte Biology, 82, 2007, 532〜541
【非特許文献6】G.Pryceら, Brain, 126, 2003, 2191〜2202
【非特許文献7】M. PachecoらJ.Pharmacol. Exp. Ther.; 1991, 257, 1701〜183
【非特許文献8】B. R. Martinら; Pharmacol. Biochem. Behav.; 1991, 40, 471〜478
【非特許文献9】P. B. Smithら; J. Pharmacol. Exp. Ther. ; 1994, 270, 219〜227
【非特許文献10】J. P. Despresら, the New England Journal of Medicine, 2005, 353, 2121〜2134
【非特許文献11】D. Tonstad, Nutrition, Metabolism and Cardiovascular Diseases 2006, 16, 156〜162
【非特許文献12】A. J. Scheenら, Lancet 2006, 368 1660〜1672
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
以下の特性の組み合わせを有する、CB1及び/又はCB2カンナビノイド作動性受容体への親和性を有する化合物を入手可能とする必要性が感じられていた:
− 末梢及び中枢神経系に対するインビトロ及びインビボでの活性、
− 特にCB1カンナビノイド作動性受容体への親和性を有する化合物についての従来技術の化合物と比較して末梢レベルで改善された活性、該改善された活性は、少なくとも眼圧の低下において示される、
− マイクロエマルジョンに処方されるのに適する。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明の目的は、式(I)を有する、CB1及び/又はCB2カンナビノイド作動性受容体への親和性を有し、末梢及び中枢神経系の両方に対して活性を有する縮合三環式ピラゾール化合物である:
【化5】

【0026】
(式中:
Aは、−(CH2t−、−(CH2r−O−(CH2s−及び−(CH2)r−S(O)p−(CH2s−から選択される基を表し、ここで、
tは1、2又は3に等しい整数であり、
pは0、1又は2に等しい整数であり、
r及びsは、互いに等しいか又は異なって、0、1又は2に等しい整数であるが、但し、r+sは0、1、2又は3に等しく、
Bはヘテロアリールであり、
Rはヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル又は直鎖状若しくは可能であれば分岐鎖状で、窒素原子と結合していない鎖の末端がW(Wは、水素、ハロゲン、イソチオシアネート、CN、OH、OCH3、NH2、SO2NH2又は−CH=CH2から選択される基である)と結合している二価のC1〜C10脂肪族鎖から選択される基であり、
【0027】
R’は、以下から選択される基である:
R’1:式−C(O)−(Z’)v−Z”−のケト基を有する置換基
(式中、Z’は二価のC1〜C8脂肪族鎖であり、Z”は、C3〜C15シクロアルキル、飽和又は不飽和の複素環、アリール、ヘテロアリールから選択され、
vは1に等しい整数であり、
Aが−(CH2r−O−(CH2s−のときに(r及びsは上記で定義されるとおりである)、v=0である)、
R’2:式−CH(OH)−(Z’)v−Z”−のヒドロキシ官能基を有する置換基
(Z’、v及びZ”は上記で定義したとおりである)、
R’3:式−C(O)−NH−(Z’)v−T’のアミド置換基
(Z’及びvは上記で定義したとおりであり、T’は、以下から選択される基である:
− C3〜C15シクロアルキル、
− NR12
(式中、R1及びR2は、互いに等しいか又は異なって、以下の意味:水素、C1〜C7アルキル、C1〜C7ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アリール、アリールアルキル又はアリールアルケニルを有するか、又は
1及びR2は窒素原子とともに、5〜10原子を含有する飽和又は不飽和の複素環を形成する)、
− 互いに等しいか又は異なるN、O、Sから選択される1種以上のヘテロ原子を含有するC3〜C15へテロシクロアルキル、但し、Z’がヘテロシクロアルキル環の1つの炭素原子と結合しており、上記の式から、Z’がC1〜C3直鎖状アルキレン鎖であり、かつT’が以下の式(IB):
【化6】

(式中、R5は直鎖状又は可能であれば分岐鎖状のC1〜C3アルキルである)
を有する場合を除く、
− アリール又はヘテロアリール、但し、Aが−(CH2r−O−(CH2s−基(r及びsは上記で定義されるとおりである)である))。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】実施例7の精管の収縮の阻害に対する試験の結果を示すグラフである。
【図2】化合物3.1、化合物XC及び化合物XDの精管の収縮の阻害に対する試験の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
好ましくは、式(I)から、化合物(δα)は除く:
【化7】

【0030】
式(I)の化合物は、対応する幾何異性体及び立体異性体の両方並びにその混合物も含む。さらに、式(I)の化合物に存在する異なる原子は、異なる同位元素の形であることにより、該化合物の放射性標識を可能にすることもできる。
【0031】
Bは、ハロゲン、C1〜C7アルキル、C1〜C7アルキルチオ、C1〜C7アルコキシ、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7ハロアルコキシ、SO2NH2、シアノ、ニトロ、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和又は不飽和の複素環、ヘテロアリール、C1〜C7アルキル鎖で任意にモノ置換又はジ置換されていてもよいアミノから選択される、互いに等しいか又は異なる1種以上の基で置換され得る。置換基であるフェニル、シクロアルキル、飽和又は不飽和の複素環及びヘテロアリールは、ハロゲン、C1〜C7アルキル、C1〜C7アルキルチオ、C1〜C7アルコキシ、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7ハロアルコキシ、SO2NH2、シアノ、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和又は不飽和の複素環、ヘテロアリール、ニトロ、C1〜C7アルキル鎖で任意にモノ置換又はジ置換されていてもよいアミノから選択される、互いに等しいか又は異なる1種以上の基で任意に置換されていてもよい。
【0032】
Rがヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アリール、アリールアルキル又はアリールアルケニルである場合、Rは、ハロゲン、C1〜C7アルキル、C1〜C7アルキルチオ、C1〜C7アルコキシ、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7ハロアルコキシ、SO2NH2、シアノ、ニトロ、フェニル、飽和又は不飽和の複素環、C1〜C7アルキル鎖で任意にモノ置換又はジ置換されていてもよいアミノから選択される、互いに等しいか又は異なる1種以上の置換基を有し得る。
【0033】
Z”は、ハロゲン、SO2NH2、C1〜C7アルキル、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7ハロアルコキシ、C1〜C7アルキルチオ、C1〜C7アルコキシから選択される、互いに等しいか又は異なる1種以上の置換基を有し得る。
【0034】
T’がアリール、ヘテロアリール、C3〜C15シクロアルキル又はC3〜C15へテロシクロアルキルである場合、T’は、ハロゲン、SO2NH2、C1〜C7アルキル、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7ハロアルコキシ、C1〜C7アルキルチオ、C1〜C7アルコキシ、フェニル、ベンジルから選択される、互いに等しいか又は異なる1種以上の基で置換されることができ、このフェニル及びベンジル置換基は、ハロゲン、SO2NH2、C1〜C7アルキル、C1〜C7アルキルチオ、C1〜C7アルコキシ、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和又は不飽和の複素環、C1〜C7アルキル鎖で任意にモノ置換又はジ置換されていてもよいアミノから選択される、互いに等しいか又は異なる1種以上の基で任意に置換されていてもよい。
【0035】
1及びR2がヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アリール、アリールアルキル若しくはアリールアルケニルであるか、又はR1及びR2が窒素原子とともに1つの複素環を形成する場合、芳香族環又は複素環は、ハロゲン、SO2NH2、C1〜C7アルキル、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7ハロアルコキシ、C1〜C7アルキルチオ、C1〜C7アルコキシ、フェニル、ベンジル、シアノ、ニトロ、C1〜C7アルキル鎖で任意にモノ置換又はジ置換されていてもよいアミノから選択される、互いに等しいか又は異なる1種以上の基で置換されることができ、このフェニル及びベンジル置換基は、ハロゲン、SO2NH2、C1〜C7アルキル、C1〜C7アルキルチオ、C1〜C7アルコキシ、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7ハロアルコキシ、シアノ、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和又は不飽和の複素環、ヘテロアリール、ニトロ、C1〜C7アルキル鎖で任意にモノ置換又はジ置換されていてもよいアミノから選択される、互いに等しいか又は異なる1種以上の基で任意に置換されていてもよい。
【0036】
そうでないと記載しない限り、本発明において以下の意味を有する:
アルキル又はアルキル鎖により、直鎖状又は可能であれば分岐鎖状の飽和C1〜C20炭化水素鎖を意味する。
アルケニル又はアルケニル鎖により、一不飽和又は多不飽和、好ましくは一不飽和で直鎖状又は可能であれば分岐鎖状のC2〜C20炭化水素鎖を意味する。
環が不飽和を含有しないシクロアルキルにより、3〜10、好ましくは4〜9個の炭素原子を有する脂肪族単環式の環、又は7〜19個の炭素原子の多環式構造を意味する。
【0037】
ヘテロシクロアルキル及び飽和複素環により、1つ以上の炭素原子が、S、O、Nから選択される互いに等しいか又は異なるヘテロ原子により置換されている上記で定義されるシクロアルキルを意味する。環が単環式である場合、好ましくはヘテロ原子は2以下である。
不飽和複素環により、1つ以上の二重結合を有する上記で定義されるシクロアルキルを意味するが、但し、環構造は芳香族でなく、少なくとも1つの炭素原子は、S、O、Nから選択される1つのヘテロ原子で置換されている。
【0038】
ハロゲンにより、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選択される1つの原子を意味する。
ハロアルキル又はハロアルキル鎖により、1つ以上の水素原子がハロゲン原子で置換されている上記で定義されるアルキルを意味する。ハロアルキルの例は、トリフルオロメチル、1−ブロモ−n−ブチル、ペンタクロロエチルなどである。
アリールにより、芳香族単環式の基、又は6〜20個の炭素原子を有する縮合芳香族多環式の基を意味する。
ヘテロアリールにより、単環式の基がC5〜C6であることを除いて、少なくとも1つ以上の炭素原子が、互いに等しいか又は異なってS、O、Nから選択される1種以上のヘテロ原子で置換された上記で定義されるアリールを意味し、この基が単環式である場合、好ましくはヘテロ原子は2以下である。
【0039】
アリールアルキルにより、好ましくはC1〜C7の、上記で定義されるアリールと結合した上記で定義されるアルキル、例えばベンジルを意味する。
アリールアルケニルにより、上記で定義されるアリールと結合した上記で定義されるアルケニルを意味する。
ヘテロアリールアルキルにより、好ましくはC1〜C7の、上記で定義されるヘテロアリールと結合した上記で定義されるアルキルを意味する。
二価の脂肪族鎖により、飽和又は不飽和で、直鎖状又は可能であれば分岐鎖状のC1〜C20、好ましくはC1〜C8の、各末端に遊離の結合価を有する、鎖の1つ以上の水素原子がハロゲン原子で任意に置換されていてもよい脂肪族鎖を意味する。
【0040】
受容体への親和性を有する化合物により、受容体に対して、インビトロ及び/又はインビボ及び/又はエクスビボのアゴニスト又はアンタゴニスト又は部分アゴニスト又は部分アンタゴニスト又はインバースアゴニスト又はインバースアンタゴニスト又はインバース部分アゴニストの活性を有する化合物を意味する。この用語の意味は、当業者に公知である。
【0041】
式(I)の好ましい化合物は、A、R及びR’が上記で定義されるとおりであり、Bが単環式へテロアリールであるものである。
【0042】
式(I)のより好ましい化合物は:
Aが上記で定義されるとおりであり、
Bが、ハロゲン、C1〜C7アルキル、C1〜C7アルキルチオ、C1〜C7アルコキシ、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7ハロアルコキシ、SO2NH2、フェニル、ヘテロアリールから選択される、互いに等しいか又は異なる1種以上の基で任意に置換されていてもよい5又は6員環を有するヘテロアリールであり、該フェニル及びヘテロアリール置換基は、ハロゲン、C1〜C7アルキル、C1〜C7アルコキシ、SO2NH2、フェニル、ヘテロアリールから選択される互いに等しいか又は異なる1種以上の基で任意に置換されていてもよく、
Rが、以下の基:
− 単環式ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アリール、アリールアルキル、
− 二価の直鎖状又は可能であれば分岐鎖状のC1〜C10脂肪族鎖であって、窒素原子と結合していない鎖の末端が、W(Wは上記で定義されるとおりである)と結合している脂肪族鎖
から選択され、
R’が、上記で定義されるR’1又はR’3基である
ものである。
【0043】
式(I)のさらにより好ましい化合物は:
Aが上記で定義されるとおりであるが、−(CH2)r−S(O)p−(CH2s−を除き、
Bが、チオフェン、ピリジン、フラン、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、トリアゾール、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、ピロールから選択されるヘテロアリールであり、該へテロアリールは、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルキルチオ、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、SO2NH2、フェニル、ヘテロアリール、C1〜C3アルキル鎖で任意にモノ置換又はジ置換されていてもよいアミノから選択される、互いに等しいか又は異なる1種以上の基で任意に置換されていてもよく、該フェニル及びヘテロアリールは、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、SO2NH2、フェニル、ヘテロアリールから選択される、互いに等しいか又は異なっている1種以上の基で任意に置換されていてもよく、
Rが、以下の基:
− ハロゲン、C1〜C3アルキル、SO2NH2、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキルチオ、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3アルキル鎖で任意にモノ置換又はジ置換されていてもよいアミノから選択される、互いに等しいか又は異なる1種以上の置換基で任意に置換されていてもよい、上記で定義される単環式アリール又は単環式アリールアルキル、
− 二価の直鎖状又は分岐鎖状のC4〜C10脂肪族鎖であって、窒素原子と結合していない鎖の末端が、W(Wは上記で定義されるとおりである)と結合している脂肪族鎖
から選択され、
R’が、R’1及びR’3基から選択されるが、但し、Z’は二価のC1〜C3脂肪族鎖であり、Z”は、C3〜C15シクロアルキル、飽和又は不飽和の複素環、単環式アリール又は単環式へテロアリールから選択される基であり、v及びT’は上記で定義されるとおりである
ものである。
【0044】
式(I)の特に好ましい化合物は:
Aが上記で定義されるとおりであるが、−(CH2)r−S(O)p−(CH2s−を除き、
Bが、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルキルチオ、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、SO2NH2、フェニル、ヘテロアリール、C1〜C3アルキル鎖で任意にモノ置換又はジ置換されていてもよいアミノから選択される、互いに等しいか又は異なる1種以上の基で任意に置換されていてもよいチオフェンであり、該フェニル及びヘテロアリールは、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、SO2NH2、フェニル、ヘテロアリールから選択される、互いに等しいか又は異なる1種以上の基で任意に置換されていてもよく、
Rが、以下の基:
− ハロゲン、C1〜C3アルキル、SO2NH2、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキルチオ、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3アルキル鎖で任意にモノ置換又はジ置換されていてもよいアミノから選択される、互いに等しいか又は異なる1種以上の置換基で任意に置換されていてもよいフェニル又はベンジル、
− 二価の直鎖状又は分岐鎖状のC4〜C10脂肪族鎖であって、窒素原子と結合していない鎖の末端が、W(Wは上記で定義されるとおりである)と結合している脂肪族鎖
から選択され、
R’が、R’1及びR’3基から選択されるが、但し、
Z’は−CH2−又は−CH(CH3)−から選択され、
Z”は、C3〜C15シクロアルキル、飽和又は不飽和の複素環、単環式アリール又は単環式へテロアリールから選択される基であり、
T’及びvは上記で定義されるとおりである
ものである。
【0045】
本発明の化合物の例は、以下の式(X’)〜(XXXIII’)を有する式(I)の化合物である。
【化8】

【0046】
【化9】

【0047】
【化10】

【0048】
式(X’)〜(XXXIII’)において:
1は、2,4−ジクロロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、4−メチルベンジル又は5−クロロペンチルから選択され、
1は、メチル、塩素、臭素、フッ素、フェニル、4−メチルフェニル、4−クロロフェニル、4−ブロモフェニル、4−フルオロフェニル、チオフェンから選択され、
1は、水素又はメチルであり、
2は、以下:
【化11】

【0049】
【化12】

【0050】
から選択される基である。
式(X’)〜(XXXIII’)において、全ての幾何異性体及び/又は立体異性体が含まれる。
本発明のさらにより好ましい化合物は、以下のとおりである:
【化13】

【0051】
【化14】

【0052】
【化15】

【0053】
【化16】

【0054】
【化17】

【0055】
本発明の式(I)の化合物は、置換基に依存して、その構造中にキラル中心を含有できる。式(I)の化合物の全ての種々の異性体及び対応する混合物は、本発明に含まれる。式(I)の化合物において、幾何異性体、例えばシス−トランスと、光学異性体(立体異性体)の両方が存在し得る。
【0056】
驚くべきことにそして予期せぬことに、本出願人は、式(I)の化合物が、CB1及び/又はCB2カンナビノイド作動性受容体についての親和性を有し、末梢レベル及び中枢神経系の両方にて作用できることを見出した。
さらに、本出願人は、本発明の化合物が、従来技術の化合物と比較して、末梢レベルで改善された活性を示すことも、驚くべきことにそして予期せぬことに見出した。特に、アゴニスト活性とともにCB1カンナビノイド作動性受容体についての親和性を有する化合物に関して、本発明の化合物は、従来技術の化合物と比較して、末梢レベルにて、少なくとも眼圧の低下において改善された活性を示す。さらに、本出願人は、CB1受容体についての親和性を示す本発明の化合物が、精管(vas deferens)に基づくエクスビボ薬理学的モデルに対して、末梢レベルで改善された活性を有することを、驚くべきことにそして予期せぬことに見出した。
上記のように、本発明の化合物は、中枢神経系に対しても活性であるので、例えば本発明のCB1アゴニスト化合物は、実験動物において体温を低下させる活性を示し得る。実施例を参照されたい。
【0057】
全ての種々の異性体、立体異性体及び対応する混合物を含む上記で定義される式(I)の化合物の対応する水和物、溶媒和物及び医薬的に許容される塩は、本発明のさらなる目的である。
水和物及び溶媒和物の用語の意味は、当業者に公知である。特に、水和物とは、1つ以上の水和水分子、一般的に1〜10の水分子を含有する化合物を意味する。溶媒和物とは、化合物が1つ以上の水ではない溶媒分子を含有することを意味する。
【0058】
本発明のさらなる目的は、以下のことを含む、一般式(I)の化合物を製造する方法である:
i)以下の一般式(II)の化合物、又は任意に、ハロゲン化アシル、無水物、混合無水物、イミダゾリド(imidazolides)、エステル−アミド付加物、直鎖状又は分岐鎖状のC1〜C4アルキルエステルから選択されるその1つの反応性誘導体を合成し:
【化18】

【0059】
上記の合成は、以下のステップを含み:
− 式(III)の化合物を、ナトリウムアルコキシド(RONa)及びシュウ酸ジエチルと、C1〜C3アルコール性溶媒中で還流下で反応させることにより、式(IV)のα−ヒドロキシ−γ−ケトエステル(式中、A及びBは上記で定義されるとおりである)を合成し(クライゼン縮合):
【化19】

【0060】
− 式(IV)の化合物を、式(V)のヒドラジン(式中、Rは上記で定義されるとおりである)と、アルコール性溶媒又は酢酸中で還流下で反応させて、式(VI)の三環式化合物を得て(ここで、式(V)の化合物は任意に塩酸塩の形であってもよい):
【化20】

【0061】
− 式(VI)の化合物を、アルカリ水酸化物を用いて、水性アルコール溶液中で還流下で塩基性加水分解して式(II)の酸を得て:
− 任意に、一般式(II)の酸の反応性誘導体(反応性誘導体は、上記で定義されるとおりである)を形成する;
【0062】
ii)上記で定義されるようなR’=R’1である場合、式(I)の化合物は、以下の2つのプロセスのうちの1つに従って得ることができる:
第1プロセス:
− 一般式(II)の化合物の酸のエステルを、トリアルキルアルミニウム及びアミンの塩酸塩と、反応条件下で不活性な溶媒中で、エステルが完全に反応するまで反応させ、その後、反応混合物に、[Z”−(Z’)]MgBr(式中、Z’、v及びZ”は上記で定義されるとおりである)を加え、その後、室温にて、式(I)(ここで、R’=R’1である)の化合物を得るまで反応させるか、又は
第2プロセス:
− 式(II)の酸又はその反応性誘導体を、式[Z”−(Z’)]-Me+の有機金属塩(式中、Me+はアルカリ金属カチオンである)と、反応条件下で不活性な溶媒中で反応させて、式(I)(ここで、R’=R’1である)の化合物を得る;
【0063】
iii)一般式(I)においてR’=R’2である場合、式(I)の化合物は、次のようにして製造される:
− 式(I)の化合物(ここで、R’=R’1である)を、ii)に記載される2つの合成経路のうちの1つを用いて作製し;
− 式(I)の化合物(ここで、R’=R’1である)を室温にて還元して、式(I)の最終生成物(ここで、R’=R’2である)を得る;
【0064】
iv)一般式(I)においてR’=R’3である場合、式(I)の化合物は、i)で定義される対応する反応性誘導体の形の式(II)の酸を、一般式:
2N−(Z’)−T’ (VII)
(式中、Z’、v及びT’は上記で定義されるとおりである)の化合物と反応させることにより製造される。反応は、反応条件下で不活性な溶媒中で、室温にて行われる。
【0065】
i)において、Rが、直鎖状又は可能であれば分岐鎖状で二価のC1〜C10脂肪族鎖(窒素原子と結合していない主鎖の末端がW(Wは上記で定義されるとおりである)と結合している)の意味を有する場合、化合物(VI)は、化合物(IV)を、ヒドラジン水和物と、アルコール性溶媒中で、還流下で反応させて、化合物(IV’):
【化21】

を得て、その後、化合物(IV’)を、不活性溶媒中で還流下で、好ましくは塩基の存在下で、化合物W−R−T”(W及びRは上記で定義されるとおりであり、T”は例えばメシル、トシル、臭素などの脱離基である)によりアルキル化して、化合物(VI)を得ることにより製造される。
【0066】
ii)において、2つの合成プロセスの1つ目が好ましい。
ii)において、一般式(I)の化合物(R’=R’1)を得るための2つの合成プロセスの1つ目の最初の反応において、好ましくは、一般式(II)の酸のエチルエステルと、Al(CH33と、HN(OCH3)CH3・HClと、反応溶媒としてのジクロロメタンとが用いられる。ii)に記載される2つの合成プロセスの1つ目の両方の反応は、好ましくは、最初は0℃の温度で行われ、次いで、室温(20〜25℃)で行われる。
ii)において、2つの合成プロセスの2つ目において、好ましくは、Me+はリチウムカチオンである。
【0067】
iii)において、好ましくは、還元反応は、水素化リチウム及びアルミニウム、又は水素化ホウ素ナトリウムを用いて行われる。
【0068】
式(III)及び(VII)の化合物は、市場で入手可能であるか、又は有機化学の文献に記載されている。
【0069】
医薬的に許容される塩により、式(I)の化合物を、医薬的観点から許容される有機又は無機の酸で処理することにより得られる全ての塩を意味する。例えば、塩酸塩、硫酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、硫酸水素塩、コハク酸塩、パラトルエンスルホン酸塩を挙げることができる。"Remington, The Science and Practice of Pharmacy"、第II巻、1995年、第1457頁を参照されたい。
【0070】
本発明のさらなる目的は、異性体、対応する混合物、対応する水和物若しくは溶媒和物、又は医薬的に許容される塩を含む一般式(I)の化合物を含有する医薬組成物により表される。
医薬組成物調製物とは、全ての異なる異性体及びその混合物、対応する水和物若しくは溶媒和物又は医薬的に許容される塩を含む式(I)の有効成分が、賦形剤、担体、着色剤、防腐剤、芳香剤及び医薬分野で用いることが知られているその他の添加物と混合された製剤を意味する。
【0071】
医薬組成物は、経口、皮下、舌下、筋肉内、静脈内、局所、経皮、直腸、眼、鼻腔内の経路により投与できる。上記の医薬組成物は、例えば、分散剤、液剤、エマルジョン、マイクロエマルジョン、散剤、カプセル剤、エアゾール剤、坐剤、錠剤、シロップ剤、エリキシル剤、クリーム、ゲル、軟膏剤、貼付剤を含む。
これらは、医薬技術の公知のプロセスに従って得ることができ、例えば、これらは、全ての異なる異性体及びその混合物、又は対応する水和物若しくは溶媒和物又は医薬的に許容される塩を含む式(I)の有効成分が、界面活性剤及びその他の添加物の存在下で、水相又は任意に油相と混合されたエマルジョン及びマイクロエマルジョンから出発することにより得ることができる。
【0072】
本発明のさらなる目的は、以下の成分(重量%)を含む、マイクロエマルジョン若しくはエマルジョンで形成されたか又はマイクロエマルジョン若しくはエマルジョンを含む医薬組成物である(成分の合計は100%である):
S)以下のクラスから選択される1種以上の医薬的に許容される化合物0.01〜95%:
− フッ素原子を任意に含有していてもよい非イオン、アニオン、カチオン及び両性から選択される界面活性剤、
− 可溶化されている液体中で凝集体、ミセル、液晶、小胞のような組織化された構造を形成するポリマー
O)以下のクラスの医薬的に許容される化合物から選択される1種以上の油0〜95%:
− C4〜C32の酸のエステル、この酸は、1つ以上のエチレンタイプの不飽和を任意に含有していてもよい、
− 1つ以上のエチレンタイプの不飽和を任意に含有していてもよいC4〜C32の酸(これは、最終組成物が、この酸がその塩に変換されないようなpHを有する場合に含まれることができる)、
PA)異なる異性体及びその混合物の全て又は対応する水和物若しくは溶媒和物又は医薬的に許容される塩を含む式(I)の化合物0.001〜90%、
AD)以下のクラスから選択される1種以上の化合物0〜60重量%:
− 水及び/又は油の極性の調整剤、
− 成分S)のフィルム曲率の調整剤、
− 補助界面活性剤(co-surfactants)
WA)任意に緩衝された水又は生理食塩水溶液0.001〜99.9%、
マイクロエマルジョン又はエマルジョンの成分の合計は100%である。
【0073】
本発明のマクロエマルジョンにおいて、成分O)の量は、重量%で、0.01〜95%、好ましくは0.01〜90%、さらにより好ましくは0.01〜70%、特に0.01〜50%の範囲であることが好ましい。
【0074】
マイクロエマルジョンの形態の本発明の組成物は、澄んでおり透明で、好ましくは液体である。粘性が非常に高い場合、本発明のマイクロエマルジョンは、ゲルの形態であり、任意に液晶で形成される。
【0075】
成分S)において、フッ素原子を含有する界面活性剤は、(ペル)フッ素化鎖、例えば(ペル)フルオロポリエーテル鎖を有し得る。
成分S)のポリマーが溶解されて組織化された構造を形成する液体は、水及び/又は油である。用い得る油の種類は、以下に述べ、天然及び合成の両方の起源であり得る。
【0076】
マイクロエマルジョンにより、互いに非混和性の2つ以上の相で形成され、透明で、等方性で、少なくとも1つの水相と少なくとも1つの油相とを含み、種々の相が、任意に1種以上の化合物AD)、例えば補助界面活性剤の存在下で、成分S)により安定化されている系を意味する。例えばR.K. Mitra、Physicochemical investigations of microemulsification of eucalyptus oil and water using mixed surfactants (AOT + Brij-35) and butanol、J. colloid and Interface Science、283(2005)565〜577を参照。医薬的な使用のためのマイクロエマルジョン中の油相は、ときに、それが親油性であり、よって水又は水相に不溶である場合に、有効成分そのもので形成される。
【0077】
エマルジョンにより、マイクロエマルジョンと同じ成分で形成されているが、乳白色若しくは乳状の見かけを有するか、又はクリームの形態であり得る系を意味する。
【0078】
本発明のマイクロエマルジョン又は本発明のエマルジョンを製造する方法は、以下に記載される。
本発明による好ましいマイクロエマルジョン又はマイクロエマルジョンは、以下の組成を有する(重量%):
− 成分S):0.01〜90%
− 成分O)の1種以上の油:0〜90%
− 成分PA)の化合物:0.001〜50%
− 成分AD):0〜30%
− 成分WA):0.1〜99.9%
上記成分は合計で100%である。
【0079】
より好ましいマイクロエマルジョン又はエマルジョンは、以下の組成を有する(重量%):
− 成分S):0.01〜80%
− 成分O)の1種以上の油:0〜70%
− 成分PA)の化合物:0.05〜40%
− 成分AD):0〜20%
− 成分WA):10〜99.9%
上記成分は合計で100%である。
【0080】
さらにより好ましいマイクロエマルジョン又はエマルジョンは、以下の組成を有する(重量%):
− 成分S):0.01〜70%
− 成分O)の1種以上の油:0〜50%
− 成分PA)の化合物:0.05〜30%
− 成分AD):0〜15%
− 成分WA):20〜99.9%
上記成分は合計で100%である。
【0081】
好ましい界面活性剤の成分S)は、非イオン及びアニオンの界面活性剤である。非イオン界面活性剤の中で最も好ましいのは、ポリオキシアルキレン鎖、好ましくはポリオキシエチレン鎖を含有する界面活性剤である。例えば、以下のものを挙げることができる:
例えば、登録商標Cremophor EL(BASF)で知られ、ひまし油をエトキシル化することによって製造されるポリオキシル35ひまし油;
例えば、登録商標Cremophor RH40(BASF)で知られ、硬化ひまし油をエトキシル化することによって製造されるポリオキシル40硬化ひまし油;
例えば、登録商標Solutol HS15(BASF)で知られ、酸化エチレン15モルと12−ヒドロキシステアリン酸1モルを反応させて製造されるポリエチレングリコール15ヒドロキシステアレート;
登録商標Tween80、Tween20、Tween60、Tween85などのポリオキシエチレンポリソルベート;
例えば、それぞれ登録商標Span20及びSpan60で市販されているソルビタンモノラウレート及びソルビタンモノステアレートのような脂肪酸のソルビタンエステル類;
ビタミンE/TPGS:トコフェリルプロピレングリコール1000スクシネート;
登録商標Brijシリーズの登録商標Brij35、Brij76、Brij98のような脂肪酸のポリオキシエチレンエーテル類;
PEG−12−アシルオキシ−ステアレート類(例えば、C.E.McNameeら , “Physicochemical Characterization of PEG 1500-12-acyloxy-stearate micelles and liquid cristalline phases", Langmuir, 2005, 21, 8146〜8154参照)、なかでも、例えば、
PEG1500モノ−12−カプリロイルオキシステアレート(PEG1500−C188)、
PEG1500モノ−12−カプロイルオキシステアレート(PEG1500−C1810)、
PEG1500モノ−12−ラウロイルオキシステアレート(PEG1500−C1812)、
PEG1500モノ−12−ミリストイルオキシステアレート(PEG1500−C1814)、
PEG1500モノ−12−パルミトイルオキシステアレート(PEG1500−C1816
が挙げられる。
【0082】
アニオン界面活性剤としては、例えば登録商標Epikuron200によって知られている大豆レシチン、ビス−2−エチルヘキシルスルホスクシネート(AOT)、タウロコール酸ナトリウムを挙げることができる。
【0083】
カチオン界面活性剤としては、例えば、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)及びジドデシルアンモニウムブロミド(DDAB)を挙げることができる。
【0084】
成分S)として使用できるポリマーは、水相及び/又は油性相に可溶性でなければならない。可溶性であるとは、このポリマーが、溶解可能な相において、凝集体、ミセル、液晶、小胞のような組織化された構造を形成させるのに少なくとも等しい濃度に到達するはずであることを意味する。この組織化された構造の存在は、分散系の物理化学の特定の技術で検出できる。例えば、レーザ光散乱法(LLS)、中性子散乱法、顕微鏡法を挙げることができる。
【0085】
上記のように、ポリマー成分S)は、上記界面活性剤と組み合わせて使用することもできる。またこの場合、液相中に溶解されるポリマーの濃度は、上記の組織化された構造を形成するような濃度でなければならない。
【0086】
ポリマー成分S)は、例えばポリビニルピロリドン、及び例えば登録商標KollidonでKollidon12PFやKollidon17PF(BASF)として市販されているビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー類、並びにポリオキシアルキレン鎖、より好ましくはポリオキシエチレン鎖(PEO)を含有するブロックコポリマー類、例えばPEO−PPO−PEO構造を特徴とするPEOとポリオキシプロピレン鎖(PPO)のブロックコポリマー類(例えば、登録商標Pluronic若しくはPoloxamerで市販されているもの、又は登録商標LutrolでLutrolF68及びLutrolF127としてBASFが市販しているもの)である。
【0087】
成分O)中の有機酸エステルは、好ましくは、対応する酸、好ましくは脂肪族カルボン酸を、好ましくはC1〜C5の脂肪族鎖若しくはポリエチレン鎖を有するアルコール、又はグリセリンを用いてエステル化することによって得られる。この場合、モノ−、ジ−又はトリ−グリセリドが得られる。
【0088】
例えば、以下のものを挙げることができる:
例えば登録商標Labrafil 1944 CS(Gattefosse)で市販されているオレオイルマクロゴール6グリセリド(不飽和ポリグリコシル化グリセリド)、
例えば、登録商標Labrafac PG(Gattefosse)によって知られているプロピレングリコールカプリレートカプレート、
例えば、登録商標Capmul PG−8(Abitec)で市販されているカプリル酸のプロピレングリコールモノエステル、
グリセリンオレエート(例えば、登録商標Peceol(Gattefosse))、
中鎖モノ−及びジ−グリセリド、例えばカプリン酸及びカプリル酸のグリセリド類(例えば、登録商標Capmul MCM(Abitec)、登録商標Imwitor 308(Sasol))、
ポリグリセロールオレエート(例えば、登録商標Pluro oleic(Gattefosse))、
カプリン酸/カプリル酸トリグリセリド類(例えば、登録商標Miglyol812及びMiglyol810(Sasol)、登録商標Labrafac CC CS(Gattefosse))、
酪酸エチル、カプリル酸エチル、オレイン酸エチル、
例えば登録商標DYNASAN116でSasolが市販しているトリパルミチン。
【0089】
一種又は二種以上の上記エステル類を含有する医薬用の植物油も利用できる。例えば大豆油を挙げることができる。
【0090】
酸の成分O)は、好ましくは、脂肪族カルボン酸である。酸の成分O)のうち、ステアリン酸、オメガ−3及びオメガ−6の酸を挙げることができる。
【0091】
成分AD)における水及び/又は油の極性の調整剤として、例えば、ポリエチレングリコール類を挙げることができる。登録商標Lutrol E300及びLutrol E400(BASF)を挙げることができる。脂肪族アルコール類、例えばエタノールも使用できる。
【0092】
成分AD)における成分S)のフィルム曲率の調整剤は、例えば好ましくはC2〜C5の脂肪族アルコール類である。
【0093】
成分AD)における補助界面活性剤は、例えば上記界面活性剤の化合物、又は好ましくは少なくとも6個の炭素原子を含む鎖を有する脂肪族アルコール類である。これらのものとしては例えば以下のものを挙げることができる:
例えば登録商標Capmul PG12(Gattefosse)又は登録商標Lauroglycol90(Gattefosse)で知られているプロピレングリコールモノラウレート、
例えば登録商標Labrasol、Gelucire44−14(Gattefosse)で市販されているカプリロカプロイルマクロゴール8グリセリド(飽和エチルジグリコシル化グリセリド)、
例えば登録商標Transcutol(Gattefosse)で知られているジエチレングリコールモノエチルエーテル。
【0094】
マイクロエマルジョンの形態の組成物は、広範囲の温度、一般に0℃〜80℃、好ましくは4℃〜45℃で安定である。
【0095】
本発明のマイクロエマルジョンは、下記のステップを含む方法で製造できる:
(IP) 任意に、化合物成分PA)を、油中に可溶化して成分PA)の油状溶液を得る、
(IIP) 成分S)を、成分PA)又は(IP)で得た対応する油状溶液に加えて、成分S)と成分PA)を含む液相を得る、
(IIIP) 任意に、成分AD)を、(IIP)で得た液相に加えて、成分AD)、S)及びPA)を含む液相を得る、
(IVP) 水又は生理食塩水溶液を、(IIP)又は任意のステップの(IIIP)で得た液相に撹拌しながら加えて、清澄な相、すなわちマイクロエマルジョンを得る。
【0096】
この方法の各ステップは、0℃〜80℃の範囲の温度で実施できる。
【0097】
清澄な溶液の形態にあるマイクロエマルションはまた、上記ステップを実施する順序を変えることよって、又は例えば以下のように実行することによって得ることができる:
(IP’)任意に、化合物成分PA)を油中に可溶化して、成分PA)の油状溶液を得る、
(IIP’)成分S)を水又は生理食塩水溶液に加えて、成分S)を含む水相を得る、
(IIIP’)任意に、成分AD)を水相に加えて、成分S)とAD)とを含む水相を得る、
(IVP’)成分PA)又はステップ(IP’)の油状溶液を、ステップ(IIP’)又は任意のステップ(IIIP’)の水相と混合して、マイクロエマルジョンを得る。
【0098】
各ステップを行う温度範囲は、上記で述べたことと同じである。
【0099】
本発明のエマルジョンは、以下のステップを含む方法により製造できる:
(IP”)任意に、化合物成分PA)を、任意に成分AD)の存在下で油中に可溶化し、
(IIP”)成分PA)又は任意のステップ(IP”)で得られた油状溶液を、35℃〜80℃、より好ましくは45℃〜70℃の範囲の温度に加熱し、
(IIIP”)成分S)を、任意に成分AD)を含む水又は生理食塩水溶液に加え、
(IVP”)ステップ(IIIP”)の水相を、35℃〜80℃、より好ましくは45℃〜70℃の範囲の温度に加熱し、
(VP”)ステップ(IIP”)で得られた液相を撹拌しながら、ステップ(IVP”)で得られた水相に加えてエマルジョンを得て、
(VIP”)エマルジョンを0℃〜30℃の間の温度に冷却する。
【0100】
ステップ(VP”)は、好ましくは、タービン乳化装置(turboemulsifiers)を用いることにより行われる。
ステップ(VP”)及び(IVP”)で得られた液相(エマルジョン)は、高圧でのさらなるホモジナイズステップに任意に供することができる。
【0101】
エマルジョンは、水又は水溶液又は成分O)を用いてマイクロエマルジョンを希釈することにより製造することもできる。成分AD)は、以下の液相のそれぞれに含まれることができる:水、水溶液及び成分O)。さらなる医薬組成物は、本明細書に参照により組み込まれる米国特許第6,028,084号に記載される手順に従って得ることができる。
【0102】
医薬組成物は、米国特許出願第2003/0003145号に記載される方法及び添加物を用いることによって製造することもできる。これらの製剤において、アルキル硫酸ナトリウム又は医薬分野で通常用いられる別の界面活性剤を、用いることができる。例えば、式(I)の化合物、それらの異性体又は対応する水和物若しくは溶媒和物又は医薬的に許容される塩の経口投与用の医薬組成物は、以下のものを含む(重量%で):
1種以上の式(I)の化合物0.5〜20%、
アルキル硫酸ナトリウム又は別の界面活性剤0.05〜0.5%、
分散剤(disgregating agent)、例えばセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム又はその他のセルロール誘導体2.5〜10%、
100%までの差は、経口投与用の剤形のための通常のアジュバントである。
【0103】
経口及び眼内の両方の投与用の医薬製剤は、式(I)の化合物とヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。特に、これらは、以下のものを含む(重量%で):
式(I)の化合物0.1〜20%
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)0.5〜10%。
【0104】
カプセル剤又は錠剤の形態の経口投与用の特定の医薬組成物は、式(I)の化合物と、ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、ラクトース1水和物、ステアリン酸マグネシウム、微結晶性セルロース、酸化チタンのようなその他の賦形剤を含む。これらの調製物において、HPMCはカプセル剤若しくは錠剤のコア及び/又はシェルが製剤中に存在する場合は錠剤のシェルに存在できる。
【0105】
式(I)の化合物及び関連する医薬組成物は、CB1及び/又はCB2カンナビノイド作動性受容体に対してインビトロにて高い親和性を有する(実施例を参照)。より具体的には、本発明の化合物は、0.5μM未満のCB1及び/又はCB2受容体についてのKi値を有する。
【0106】
本発明は、式(I)の化合物又はそれらの医薬組成物の、CB1及び/又はCB2受容体が関与する疾患及び障害を哺乳動物及び個体において治療するための製品を製造するための使用にも関する。
【0107】
特に、CB2受容体に対する親和性を有する式(I)の化合物及び対応する医薬組成物は、よって、免疫系の細胞若しくは免疫の障害が関与する疾患の治療、又は骨粗鬆症、腎虚血、疼痛、神経因性疼痛、術後の疼痛、炎症性症状、筋萎縮性側索硬化症のようなその他の病変の治療に用いることができる。
【0108】
CB2受容体に対する親和性を有する本発明の化合物及び関連する医薬組成物は、さらに、臓器移植に関連する疾患の治療及び同種移植片拒絶を予防するための療法、他の免疫抑制療法を受けている患者での移植片拒絶の治療、GVHD(移植片対宿主疾患)の治療及び予防、全身性エリテマトーデス、関節強直(ankilosant)脊椎炎、リウマチ性多発性関節炎、溶血性自己免疫性貧血、ベーチェット病、シェーグレン症候群、未分化脊椎関節炎、反応性関節炎、皮膚筋炎のような疾患の治療に用いることができる。
【0109】
CB1受容体に対する親和性を有する式(I)の化合物及び関連する医薬組成物は、眼の疾患、緑内障又は高眼圧、肺疾患、喘息及び慢性気管支炎、アレルギー及びアレルギー性反応(例えばアレルギー性鼻炎、接触性皮膚炎、アレルギー性結膜炎)、関節炎のような炎症の治療に用いることができる。
【0110】
CB1受容体に対する親和性を有する式(I)の化合物及び対応する医薬組成物は、疼痛の治療における鎮痛薬として、不安、行動障害、譫妄状態、一般的な精神病、統合失調症、うつ病の治療、薬物及び/又はアルコール中毒症、ニコチン中毒症の治療のために用いることができる。
【0111】
CB1受容体に対する親和性を有する式(I)の化合物及び対応する医薬組成物は、特に化学療法を受けている患者での嘔吐、悪心、めまいの治療、神経障害、片頭痛、ストレス、心身症由来の疾患、癲癇、トゥーレット症候群、パーキンソン病、ハンチントン病、アルツハイマー病、老年性認知症、認識障害及び記憶喪失の場合の治療、食欲障害(肥満、大食症)の治療、胃腸管及び膀胱の病変、心血管性障害、泌尿器、生殖能及び勃起の障害の治療、多発性硬化症、ギラン−バレー症候群、ウイルス性脳炎のような神経炎症性病変、脱ミネラル化(demineralization)に関連する症候群、骨粗鬆症の治療に用いることもできる。
【0112】
本発明の化合物及び医薬組成物は、メタボリックシンドローム及び/又は脂質異常症の患者及び2型糖尿病の患者における代謝及び/又は心血管のリスクファクターを低減させるために用いることもできる。
【0113】
式(I)の化合物及びその医薬組成物は、眼の炎症状態、眼の自己免疫疾患、ブドウ膜炎、ブドウ膜網膜炎及び網膜の神経変性の治療のために用いることもできる。
【0114】
CB1及び/又はCB2受容体が関与する種々の病変の治療のための式(I)の化合物及び関連する医薬組成物の使用は、上記の治療のために用いられる既知の方法を行うことにより行うことができる。特に、化合物の投与は、特定の治療のために充分に効果的な量で行わなければならない。同様に、投与量、投与経路及び薬量は、病型学、病変の重篤度、身体の状態及び患者の特徴(例えば年齢、体重、薬物への応答)、特定の治療のための式(I)の選択された化合物の薬物動態学及び毒理学に依存して決定される。
【0115】
好ましい1日投与量は、治療される哺乳動物又は個体の体重1kgあたり、本発明の式(I)の化合物0.01〜1000mgである。ヒトにおいて、好ましい1日投与量の範囲は、体重1kgあたり0.01〜1000mgの化合物、さらにより好ましくは1〜800mgである。
【0116】
本発明のさらなる目的は、哺乳動物又はヒトにおけるCB1又はCB2カンナビノイド作動性受容体を同定し、標識するための放射性標識された式(I)の化合物の使用である。
【実施例】
【0117】
以下の実施例は、本発明のよりよい理解のために報告されるが、本発明の範囲を限定することを意味しない。
実施例1.1
エチル 6−メチル−1−(4’−メチルベンジル)−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキシレートの製造
【化22】

【0118】
1.1a エチル α−(2−メチル−6−オキソ−4H−5,6−ジヒドロシクロペンタ[b]チオフェン−5−イル)−α−オキソ−アセテートの製造
金属ナトリウム(0.60g)を少しずつ、無水エタノール(15ml)に、完全に溶解するまで撹拌しながら加えた。この混合物に、シュウ酸ジエチル(1.92g)と、滴下により2−メチル−4H−5,6−ジヒドロシクロペンタ[b]チオフェン−6−オン(2.00g、13.14mmolに相当)の無水エタノール(40ml)中の溶液を加えた。反応混合物を、室温にて撹拌下に5時間維持し、次いで、氷及び1NのHClの混合物に注いだ。白色の沈殿物が形成され、これをろ過し、水で洗浄し、風乾した。2.32g(収率70%)の化合物エチル α−(2−メチル−6−オキソ−4H−5,6−ジヒドロシクロペンタ[b]チオフェン−5−イル)−α−オキソ−アセテートを回収した。
【化23】

【0119】
1.1b エチル 6−メチル−1−(4’−メチルベンジル)−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキシレートの製造
実施例1.1aで製造した化合物(1.0g、3.95mmolに相当)と4−メチルベンジルヒドラジン塩酸塩(0.78g、4.55mmolに相当)とで形成される氷酢酸(8ml)中の混合物を、還流下で8時間加熱し、次いで室温に冷却した。沈殿物が得られ、これをろ過し、水で洗浄し、風乾して、1.16g(収率83%)の化合物エチル 6−メチル−1−(4’−メチルベンジル)−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキシレートを得た。
【化24】

【0120】
実施例1.2
エチル 1−(2’,4’−ジフルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4.5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキシレートの製造
【化25】

【0121】
実施例1.1bに記載したのと同じ手順を用いる。実施例1.1aで製造した化合物(3.95mmol)を、2,4−ジフルオロフェニルヒドラジン塩酸塩(4.55mmol)と反応させる。収率は、定量的である。
【化26】

【0122】
実施例1.3
エチル 1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−7−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−チエノ[2.3−g]インダゾール−3−カルボキシレートの製造
【化27】

【0123】
1.3a エチル α−(2−メチル−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イル)−α−オキソ−アセテートの製造
2−メチル−5H−6,7−ジヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−4−オン(13.14mmol)を、2−メチル−4H−5,6−ジヒドロ−シクロペンタ[b]チオフェン−6−オンの代わりに用いた以外は、実施例1.1aと同じ手順を繰り返した。収率:76%。
【化28】

【0124】
1.3b エチル 1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−7−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−チエノ[2,3−g]インダゾール−3−カルボキシレートの製造
実施例1.3aで製造した化合物(3.95mmol)を、2,4−ジクロロフェニルヒドラジン塩酸塩(4.55mmol)と反応させた以外は、実施例1.1bと同じ手順を繰り返した。収率:71%
【化29】

【0125】
実施例1.4
エチル 7−クロロ−1−(2’,4’−ジフルオロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−チエノ[2,3−g]インダゾール−3−カルボキシレートの製造
【化30】

【0126】
1.4a エチル α−(2−クロロ−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イル)−α−オキソ−アセテートの製造
2−クロロ−5H−6,7−ジヒドロ−ベンゾ[b]チオフェン−4−オンを、2−メチル−4H−5,6−ジヒドロ−シクロペンタ[b]チオフェン−6−オンの代わりに用いた以外は、実施例1.1aと同じ手順を繰り返した。反応の収率は、82%である。
【化31】

【0127】
1.4b エチル 7−クロロ−1−(2’,4’−ジフルオロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−チエノ[2,3−g]インダゾール−3−カルボキシレートの製造
実施例1.4aで製造した化合物(3.95mmol)を、2,4−ジフルオロフェニルヒドラジン塩酸塩(4.55mmol)と反応させた以外は、実施例1.1bと同じ手順を繰り返した。反応の収率は、97%である。
【化32】

【0128】
実施例1.5
エチル 7−ブロモ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−チエノ[2,3−g]インダゾール−3−カルボキシレートの製造
【化33】

【0129】
1.5a 2−ブロモ−5H−6,7−ジヒドロベンゾ[b]チオフェン−4−オンの製造
【化34】

【0130】
1gの6,7−ジヒドロベンゾ[b]チオフェン−4−オン(6.57mmol)を、50重量%にて酢酸水溶液に4℃の温度で溶解した。濃酢酸(6ml)中の分子状臭素(Br2)(0.34ml、6.57mmol)の溶液を、得られた溶液に滴下した。このようにして得られた混合物を、撹拌しながら室温にて1時間反応させ、次いで、酢酸ナトリウムAcONaの水溶液(3ml)に注いだ。白色沈殿が得られ、これを続いてろ過し、水で何回か洗浄し、風乾した。1.27g(収率84%)の化合物2−ブロモ−5H−6,7−ジヒドロベンゾ[b]チオフェン−4−オンを分離した。
【化35】

【0131】
1.5b エチル 2−(2−ブロモ−4,5,6,7−テトラヒドロ−4−オキソベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−オキソアセテートの製造
【化36】

【0132】
小片の金属ナトリウム(0.25g;10.82mmol)を、6mlの無水エタノールに加えた。これを、撹拌しながら室温にて金属が完全に溶解するまで反応させる。このようにして得られた溶液に、シュウ酸ジエチル(1.18g;8.11mmol)と、滴下により、実施例1.5aで得られた2−ブロモ−5H−6,7−ジヒドロベンゾ[b]チオフェン−4−オン(1.25g;5.41mmol)の無水エタノール(15ml)中の溶液を加える。反応混合物を、撹拌下に室温にて22時間維持し、次いで、氷及び1NのHClの混合物に注ぐ。淡黄色の沈殿物が得られ、これを真空ろ過し、水で洗浄し、風乾する。1.70グラム(収率95%)の化合物エチル 2−(2−ブロモ−4,5,6,7−テトラヒドロ−4−オキソベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−オキソアセテートを、単離した。
【化37】

【0133】
1.5c エチル 7−ブロモ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−チエノ[2,3−g]インダゾール−3−カルボキシレートの製造
【化38】

【0134】
実施例1.5bで得られたエチル 2−(2−ブロモ−4,5,6,7−テトラヒドロ−4−オキソベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−オキソアセテート(1.5g;3.18mmol)と、2,4−ジクロロフェニルヒドラジン塩酸塩(0.75g;3.49mmol)の無水エタノール(15ml)中の混合物を、還流下で一晩加熱し、次いで冷水に注ぐ。白色固体が得られ、これをろ過し、水で洗浄し、風乾する。化合物エチル 7−ブロモ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−チエノ[2,3−g]インダゾール−3−カルボキシレートを、このようにして得た。反応収率は75%であった。
【化39】

【0135】
実施例1.6
エチル 1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−5−メチル−1,4−ジヒドロ−チエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキシレートの製造
【化40】

【0136】
1.6a 3−クロロ−1−(4’−メチルチオフェン−2’−イル)−プロパン−1−オンの製造
【化41】

【0137】
0℃に冷却した3−メチルチオフェン(0.50g;5.1mmol)及び3−クロロプロピオニルクロライド(0.49ml;5.1mmol)のCH2Cl2(4ml)中の溶液に、AlCl3(0.77g;5.81mmol)を加えた。このようにして得られた混合物を、室温にて14時間撹拌し、氷(10g)に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した(それぞれ10mlの3回の抽出)。合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで脱水し、真空濃縮した。油の残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(オイルリグロイン/ジエチルテール 8.5:1.5 v/v)により精製して、0.39グラムの3−クロロ−1−(4’−メチルチオフェン−2’−イル)−プロパン−1−オンを得た(収率41%)。
【化42】

【0138】
1.6b 1−(4’−メチルチオフェン−2’−イル)プロプ−2−エン−1−オンの製造
【化43】

【0139】
実施例1.6aで得た2.00グラムの3−クロロ−1−(4’−メチルチオフェン−2’−イル)プロパン−1−オンを、14mlの無水ジエチルエーテルに溶解した。このようにして製造した溶液を、室温にて撹拌しながら、Et3N(1.77ml)及び無水ジエチルエーテル(16ml)とで形成された溶液に滴下した。混合物を、撹拌下に室温にて40時間維持した。最後に、反応混合物を5重量%のHCl水溶液で洗浄した。有機相を、次いで分離し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。溶媒を真空蒸発させた後に、定量的な収率でエノン 1−(4’−メチルチオフェン−2’−イル)プロプ−2−エン−1−オンを得た。
【化44】

【0140】
1.6c 4,5−ジヒドロ−3−メチル−6H−シクロペンタ[b]チオフェン−6−オンの製造
【化45】

【0141】
実施例1.6bで得られた1.4グラムの1−(4’−メチルチオフェン−2’−イル)プロプ−2−エン−1−オンを、14mlの1,2−ジクロロエタンに溶解した。溶液を、14mlのH2SO4 98%/1,2−ジクロロエタン1:1(v/v)の混液に滴下した。得られた混合物を、撹拌下に80℃にて75分間維持し、次いで、室温にて冷却し、氷(50グラム)に注いだ。有機相を分離し、5% NaHCO3水溶液で洗浄し、Na2SO4で脱水し、真空濃縮した。油が得られ、これをフラッシュクロマトグラフィー(オイルリグロイン/ジエチルエーテル7:3 v/v)により精製した。精製プロセスの最後に、0.49グラムの4,5−ジクロロ−3−メチル−6H−シクロペンタ[b]チオフェン−6−オン(収率35%)を得た。
【化46】

【0142】
1.6d 2−(3−メチル−6−オキソ−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−イル)−2−エチル オキソアセテートの製造
1.53グラムのシュウ酸ジエチル、実施例1.6cで得られた1.60グラムの4,5−ジヒドロ−3−メチル−6H−シクロペンタ[b]チオフェン−6−オンで形成された溶液及び最後に32mlの無水エタノールを、順次、0.48グラムの金属ナトリウムを12mlの無水エタノールに溶解させることにより製造されたナトリウムエチラートの溶液に加えた。反応混合物を、室温にて5時間攪拌し、次いで、氷及び1NのHCl水溶液に注いだ。白色沈殿物を得て、これをろ過し、水で洗浄し、風乾した。1.96グラムの2−(3−メチル−6−オキソ−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−イル)−2−エチル オキソアセテート(収率74%)を回収した。
【化47】

【0143】
1.6e エチル 1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−5−メチル−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキシレートの製造
【化48】

【0144】
実施例1.6dで得られたジケトエステル化合物(1.6グラム)、2,4−ジクロロフェニルヒドラジン塩酸塩(1.49グラム)及び氷酢酸(13ml)を含有する混合物を、還流下で8時間加熱し、次いで、室温に冷却した。懸濁物を得て、これをその後、100mlの蒸留水で希釈した。固体をろ過により回収し、水で洗浄し、風乾した。1.99グラムの1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−5−メチル−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−エチルカルボキシレート(収率80%)を得た。
【化49】

【0145】
実施例1.7
エチル 1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキシレートの製造
【化50】

【0146】
実施例1.1aで製造した化合物を、4−メチルベンジルヒドラジン塩酸塩の代わりに2,4−ジクロロフェニルヒドラジン塩酸塩と反応させる以外は実施例1.1bに記載されるのと同じ手順を繰り返した。収率:64%。
【化51】

【0147】
実施例1.8
エチル 6−ブロモ−1−(2’,4’−ジフルオロフェニル)−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキシレートの製造
【化52】

【0148】
1.8a エチル 2−(6−オキソ−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−イル)−2−オキソアセテートの製造
2−メチル−4H−5,6−ジヒドロシクロペンタ[b]チオフェン−6−オンの代わりに、4,5−ジヒドロシクロペンタ[b]チオフェン−6−オンを用いる以外は、実施例1.1aに記載されるのと同じ手順を繰り返した。収率55%。
【化53】

【0149】
1.8b エチル 1−(2’,4’−ジフルオロフェニル)−1,4−ジヒドロ−チエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキシレートの製造
実施例1.1aで得られた化合物の代わりに実施例1.8aで得られた化合物を用いる以外は、実施例1.1bに記載されるのと同じ手順を繰り返した。さらに、4−メチルベンジルヒドラジン塩酸塩の代わりに、2,4−ジフルオロフェニルヒドラジン塩酸塩を用いた。収率90%。
【化54】

【0150】
1.8c エチル 6−ブロモ−1−(2’,4’−ジフルオロフェニル)−1,4−ジヒドロ−チエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキシレートの製造
実施例1.8bで製造した化合物(1.50g、4.33mmol)のCH3CN(35ml)中の懸濁物に、N−ブロモスクシンイミド(NBS)(0.92g、5.20mmol)を少しずつ、窒素の下で0℃にて加えた。得られた混合物を、次いで、室温に温め、同じ温度で16時間撹拌した。最後に、反応を、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液でクエンチした。沈殿物を得た。この沈殿物をろ過し、水で洗浄し、真空乾燥して、化合物エチル 6−ブロモ−1−(2’,4’−ジフルオロフェニル)−1,4−ジヒドロ−チエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキシレートを、白色固体として得た(収率99%)。
【化55】

【0151】
実施例1.9
エチル 6−ブロモ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−1,4−ジヒドロ−チエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキシレートの製造
【化56】

【0152】
1.9a エチル 1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−1,4−ジヒドロ−チエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキシレートの製造
実施例1.1aの化合物の代わりに実施例1.8aの化合物を用い、4−メチルベンジルヒドラジン塩酸塩の代わりに、2,4−ジクロロフェニルヒドラジン塩酸塩を用いる以外は実施例1.1bに記載されるのと同じ手順を繰り返した。収率68%。
【化57】

【0153】
1.9b エチル 6−ブロモ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−1,4−ジヒドロ−チエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキシレートの製造
実施例1.8bで製造された化合物の代わりに実施例1.9aで得られた化合物を用いる以外は実施例1.8cと同じ手順を繰り返した。収率99%。
【化58】

【0154】
実施例2.1
6−メチル−1−(4’−メチルベンジル)−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボン酸の製造
【化59】

【0155】
実施例1.1で得られた1.1g(3.15mmol)のエステル化合物を、16mlのEtOH/H2O溶液(1:1容量/容量)に溶解した。得られた溶液に、2.30gの固形KOHを加えた。このようにして得られた混合物を、撹拌下に、還流温度にて4時間維持し、次いで、氷及び1NのHClに注いだ。分離した白色沈殿物をろ過し、水で洗浄し、風乾した。1.00g(収率98%)の6−メチル−1−(4’−メチルベンジル)−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボン酸を得る。
【化60】

【0156】
実施例2.2
1−(2’,4’−ジフルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボン酸の製造
【化61】

【0157】
実施例1.1の化合物の代わりに実施例1.2のエステル化合物を用いた以外は、実施例2.1に記載されるのと同じ手順に従った。収率は、定量的であった。
【化62】

【0158】
実施例2.3
1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−7−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−チエノ[2,3−g]インダゾール−3−カルボン酸の製造
【化63】

【0159】
実施例1.1で合成された化合物の代わりに実施例1.3で得られたエステル化合物を用いた以外は実施例2.1に記載されるのと同じ手順に従った。収率は95%であった。
【化64】

【0160】
実施例2.4
7−クロロ−1−(2’,4’−ジフルオロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−チエノ[2,3−g]インダゾール−3−カルボン酸の製造
【化65】

【0161】
実施例1.1の化合物の代わりに実施例1.4のエステル化合物を用いた以外は実施例2.1と同じ手順に従った。収率は96%であった。
【化66】

【0162】
実施例2.5
7−ブロモ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−チエノ[2,3−g]インダゾール−3−カルボン酸の製造
【化67】

【0163】
エチル 7−ブロモ−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−チエノ[2,3−g]インダゾール−3−カルボキシレート(0.32g、0.68mmol)及びKOH(0.15g;2.71mmol)のメタノール(7ml)中の混合物を、還流下で20時間加熱し、最終的に溶液を得る。溶液を、次いで室温に冷却し、氷及び1NのHClに注いだ。白色固体が形成され、これをろ過し、水で洗浄し、風乾する。0.29g(収率97%)の7−ブロモ−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−チエノ[2,3−g]インダゾール−3−カルボン酸を得た。
【化68】

【0164】
実施例2.6
1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−5−メチル−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボン酸の製造
【化69】

【0165】
実施例1.6で得られたエステル化合物(1.70g;4.32mmol)の、25mlのEtOH/H2O 1:1(v/v)中の溶液に、2.42グラムの固形KOHを撹拌しながら加えた。混合物を還流下で4時間加熱し、次いで室温に冷却し、氷及び1NのHCl水溶液の混合物に注いだ。白色の沈殿が形成され、これをろ過し、水で洗浄し、風乾した。1.51グラムの1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−5−メチル−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボン酸(収率96%)を得た。
【化70】

【0166】
実施例2.7
1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボン酸の製造
【化71】

【0167】
合成に用いた出発化合物が実施例1.7で得られたエチルエステルであった以外は実施例2.1に記載されるのと同じ手順を繰り返した。収率83%。
【化72】

【0168】
実施例2.8
6−ブロモ−1−(2’,4’−ジフルオロフェニル)−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボン酸の製造
【化73】

【0169】
合成に用いた出発化合物が、実施例1.1で得られた化合物の代わりに実施例1.8で得られたエチルエステルであった以外は実施例2.1に記載されるのと同じ手順を繰り返した。収率99%。
【化74】

【0170】
実施例2.9
6−ブロモ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボン酸の製造
【化75】

【0171】
合成に用いた出発化合物が、実施例1.1で得られた化合物の代わりに実施例1.9で得られたエチルエステルであった以外は実施例2.1に記載されるのと同じ手順を繰り返した。収率99%。
【化76】

【0172】
実施例3.1
N−ミルタニル−6−メチル−1−(4’−メチルベンジル)−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化77】

【0173】
実施例2.1で得られた酸化合物(0.62g、1.91mmolに相当)、N−(3−ジメチルアミノプロピル−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)(1.2等量)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBt)(1.2等量)及びCH2Cl2(5ml)を含む混合物を、室温にて1時間撹拌した。得られた混合物に、(−)−シス−ミルタニルアミン(2等量)のCH2Cl2(5ml)中の溶液を滴下した。このようにして得られた溶液を室温にて14時間撹拌し、次いで、減圧下に濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(油リグロイン/AcOEt 8.5:1.5)により精製して、化合物N−ミルタニル−6−メチル−1−(4’−メチルベンジル)−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドを収率78%で得た。
【化78】

【0174】
実施例3.2
N−ミルタニル−1−(2’,4’−ジフルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化79】

【0175】
実施例2.1の化合物の代わりに実施例2.2の酸化合物を用いた以外は、実施例3.1と同じ手順に従った。収率は96%であった。
【化80】

【0176】
実施例3.3
N−ミルタニル−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−7−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−チエノ[2,3−g]インダゾール−3−カルボキサミドの製造
【化81】

実施例2.1の化合物の代わりに実施例2.3で得られた酸化合物を用いた以外は、実施例3.1に記載されるのと同じ手順に従った。収率は60%である。
【化82】

【0177】
実施例3.4
N−ミルタニル−7−クロロ−1−(2’,4’−ジフルオロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−チエノ[2,3−g]インダゾール−3−カルボキサミドの製造
【化83】

【0178】
実施例2.1の化合物の代わりに実施例2.4の酸化合物を用いた以外は、実施例3.1に記載されるのと同じ手順に従った。収率は42%であった。
【化84】

【0179】
実施例3.5
N−ミルタニル−7−ブロモ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−チエノ[2,3−g]インダゾール−3−カルボキサミドの製造
【化85】

【0180】
実施例2.1の化合物の代わりに実施例2.5の酸化合物を用いた以外は、実施例3.1に記載されるのと同じ手順に従った。合成の最後に、0.21g(収率56%)の化合物N−ミルタニル−7−ブロモ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−チエノ[2,3−g]インダゾール−3−カルボキサミドを得た。
【化86】

【0181】
実施例3.6
N−ミルタニル−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−7−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−チエノ[2,3−g]インダゾール−3−カルボキサミドの製造
【化87】

【0182】
5mlの溶媒THF/H2O 4:1 v/vの中の、実施例3.5で得られたN−ミルタニル−7−ブロモ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−チエノ[2,3−g]インダゾール−3−カルボキサミド(0.2g;0.34mmol)、フェニルボロン酸(0.06g;0.52mmol)及びK2CO3で形成された混合物に、触媒[(Ph)3P]2PdCl2(0.012g)を加えた。次いで、これを還流下で48時間加熱する。最後に、これを室温に冷却する。次いで、これを水で希釈し、エチルエーテルで抽出する。有機相を併せ、飽和NaCl溶液で洗浄する。硫酸ナトリウムで乾燥させ、最後にろ過する。溶媒を蒸発して除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(オイルリグロイン/酢酸エチル9:1(容量/容量))により精製し、オイルリグロイン/エチルエーテル98:2 v/vにより再結晶させる。0.15g(収率77%)の化合物N−ミルタニル−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−7−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−チエノ[2,3−g]インダゾール−3−カルボキサミドを、白色の固体として得た。
【化88】

【0183】
実施例3.7
N−ミルタニル−5−メチル−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化89】

【0184】
実施例2.6で得られた酸化合物(0.2グラム)、1.2等量のジN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)及び1.2等量の1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBt)で形成されたCH2Cl2(5ml)中の混合物を、室温にて1時間撹拌した。得られた懸濁物に、(−)−シス−ミルタニルアミン(2等量)のCH2Cl2(5ml)中の溶液を加えた。撹拌を室温にて6時間継続した。溶媒を蒸発させた後に、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(CHCl3)により精製して、0.19グラムのN−ミルタニル−5−メチル−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミド(収率70%)を、白色固体として得た。
【化90】

【0185】
実施例3.8
N−ミルタニル−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化91】

【0186】
合成の出発化合物が、実施例2.1で製造されたカルボン酸の代わりに実施例2.7で製造されたカルボン酸であった以外は、実施例3.1に記載されたのと同じ手順を繰り返した。収率83%。
【化92】

【0187】
実施例3.9
N−テトラヒドロフルフリル−6−ブロモ−1−(2’,4’−ジフルオロフェニル)−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化93】

【0188】
合成の出発化合物が、実施例2.1で製造されたカルボン酸の代わりに実施例2.8で製造されたカルボン酸であった以外は、実施例3.1に記載されたのと同じ手順を繰り返した。さらに、反応混合物に滴下したアミンは、(−)−シス−ミルタニルアミンの代わりにテトラヒドロフルフリルアミンであった。収率71%。
【化94】

【0189】
実施例3.10
N−(1−シクロヘキシルエチル)−6−ブロモ−1−(2’,4’−ジフルオロフェニル)−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化95】

【0190】
合成の出発化合物が、実施例2.1で製造されたカルボン酸の代わりに実施例2.8で製造されたカルボン酸であった以外は、実施例3.1に記載されたのと同じ手順を繰り返した。さらに、反応混合物に滴下したアミンは、(−)−シス−ミルタニルアミンの代わりにR−(−)−1−シクロヘキシルエチルアミンであった。収率57%。
【化96】

【0191】
実施例3.11
N−シクロヘキシルメチル−6−ブロモ−1−(2’,4’−ジフルオロフェニル)−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化97】

【0192】
合成の出発化合物が、実施例2.1で製造された化合物の代わりに実施例2.8で製造されたカルボン酸であった以外は、実施例3.1に記載されたのと同じ手順を繰り返した。さらに、反応混合物に滴下したアミンは、(−)−シス−ミルタニルアミンの代わりにシクロヘキシルメチルアミンであった。収率45%。
【化98】

【0193】
実施例3.12
N−ミルタニル−6−ブロモ−1−(2’,4’−ジフルオロフェニル)−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化99】

【0194】
合成の出発化合物が、実施例2.1で製造された化合物の代わりに実施例2.8で製造されたカルボン酸であった以外は、実施例3.1に記載されたのと同じ手順を繰り返した。収率41%。
【化100】

【0195】
実施例3.13
N−ミルタニル−1−(2’,4’−ジフルオロフェニル)−6−フェニル−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化101】

【0196】
実施例3.12で得られたN−ミルタニル−6−ブロモ−1−(2’,4’−ジフルオロフェニル)−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミド(0.25g、0.49mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.03g、0.024mmol)及びフェニルボロン酸(0.07g、0.59mmol)のDME(5ml)中で形成された混合物に、炭酸ナトリウム(0.07g、0.64mmol)の水(2.5ml)中の溶液を加えた。反応混合物を還流下で18時間加熱し、室温まで冷却し、水に注ぎ、CH2Cl2を用いて抽出した。併せた有機抽出物を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で蒸発させた。このようにして得られた残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル 7.5/2.5 v/v)により精製した。0.24g(収率92%)の化合物N−ミルタニル−1−(2’,4’−ジフルオロフェニル)−6−フェニル−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドを白色固体として回収した。
【化102】

【0197】
実施例3.14
N−ミルタニル−1−(2’,4’−ジフルオロフェニル)−6−(2−チエニル)−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化103】

【0198】
フェニルボロン酸を、2−チエニルボロン酸に置き換えた以外は実施例3.13に記載されるのと同じ手順を繰り返した。収率79%。
【化104】

【0199】
実施例3.15
1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−6−メチル−3−(1−オキソ−2−シクロヘキシルエチ−1−イル)−1,4ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾールの製造
【化105】

【0200】
3.15a N−メトキシ−N−メチル−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化106】

【0201】
トリメチルアルミニウム(ヘキサン中の2M溶液0.92ml、1.84mmol)を、ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(0.18g、1.84mmol)のCH2Cl2(3ml)中の懸濁物に0℃にて滴下した。反応混合物を0℃にて45分間、次いで室温にて40分間撹拌した。最後に、溶液が得られた。CH2Cl2(2ml)中の実施例1.7で得られた化合物(0.4g、0.92mmol)の溶液を、撹拌しながら滴下した。撹拌をさらに4時間、室温にて継続した。反応混合物を、次いで、0℃まで冷却し、10%HClを、注意深く滴下した。混合物をCH2Cl2で抽出し、水、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過した。減圧下での溶媒の蒸発の後に得られた残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル 7/3 v/v)により精製して、化合物N−メトキシ−N−メチル−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドを白色固体として得た。収率66%。
【化107】

【0202】
3.15b 1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−6−メチル−3−(1−オキソ−2−シクロヘキシルエチ−1−イル)−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾールの製造
THF中の臭化シクロヘキシルメチルマグネシウムの0.5M溶液3.86mlを、0℃にて、窒素の下で、実施例3.15aで得られた化合物0.29g(0.64mmol)を含有するTHF溶液6mlに滴下した。反応混合物を室温までゆっくりと温め、この温度にて24時間撹拌した。混合物の温度を、次いで、0℃まで低下させた。0℃に維持した15mlの飽和NH4Cl水溶液を滴下した。反応混合物を、室温まで再び温め、次いで、これを酢酸エチル(15ml)で希釈した。水相と有機相を分けた。水層を、酢酸エチル(3×10ml)で抽出し、併せた有機相を水で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、
ろ過した。減圧下での溶媒の蒸発の後に得られた残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/ジエチルエーテル 9/1 v/v)により精製して、化合物1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−6−メチル−3−(1−オキソ−2−シクロヘキシルエチ−1−イル)−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾールを得た。収率46%。
【化108】

【0203】
実施例3.16
1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−6−メチル−3−(1−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルエチ−1−イル)−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾールの製造
【化109】

【0204】
実施例3.15で製造されたケト化合物(60mg、0.12mmol)のメチルアルコール(3ml)中の懸濁物に、水素化ホウ素ナトリウム(10mg、0.25mmol)を加え、混合物を室温にて2時間撹拌した。反応混合物を、次いで、CHCl3で希釈し、水で洗浄した。有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮した。化合物1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−6−メチル−3−(1−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルエチ−1−イル)−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾールが得られた。収率95%。
【化110】

【0205】
実施例3.17
N−ミルタニル−6−ブロモ−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化111】

【0206】
合成の出発化合物が、実施例2.1で製造された化合物の代わりに実施例2.9で製造されたカルボン酸であった以外は、実施例3.1に記載されたのと同じ手順を繰り返した。収率74%。
【化112】

【0207】
実施例3.18
N−ミルタニル−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−6−(3−アミノフェニル)−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化113】

【0208】
N−ミルタニル−6−ブロモ−1−(2’,4’−ジフルオロフェニル)−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの代わりに、実施例3.17で製造された化合物を用いた以外は、実施例3.13に記載されたのと同じ手順を繰り返した。また、フェニルボロン酸を、3−アミノフェニルボロン酸で置き換えた。収率79%。
【化114】

【0209】
実施例3.19
N−ミルタニル−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−6−(4−メチルフェニル)−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化115】

【0210】
N−ミルタニル−6−ブロモ−1−(2’,4’−ジフルオロフェニル)−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの代わりに、実施例3.17で製造された化合物を用いた以外は、実施例3.13に記載されたのと同じ手順を繰り返した。また、フェニルボロン酸を、4−メチルフェニルボロン酸で置き換えた。収率51%。
【化116】

【0211】
実施例3.20
N−ミルタニル−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−6−(2−メトキシフェニル)−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの製造
【化117】

【0212】
N−ミルタニル−6−ブロモ−1−(2’,4’−ジフルオロフェニル)−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドの代わりに、実施例3.17で製造された化合物を用いた以外は、実施例3.13に記載されたのと同じ手順を繰り返した。また、フェニルボロン酸を、2−メトキシフェニルボロン酸に置き換えた。収率51%。
【化118】

【0213】
実施例4
本発明の化合物の、CB1及びCB2カンナビノイド作動性受容体に対する親和性
合成された化合物のCB1及びCB2カンナビノイド作動性受容体に対する親和性を、以下に報告する方法を用いる放射性受容体結合実験により、インビトロで評価した。
受容体結合の技術は、特定の化合物が特定の受容体に結合するか、並びにどのような親和性及び特異性で結合するかを確立することを可能にする。特定の受容体に対する特定の化合物の親和性を評価するために、これらの特定の受容体が存在する特定の組織調製物において、試験される化合物を、該受容体への親和性が既知である放射活性標識化合物で攻撃することが必要である。試験条件下で受容体部位から放射活性化合物を置き換える化合物の能力は、その特定の受容体について試験条件下での化合物の親和性の指標を与える。受容体−化合物複合体に存在する放射活性の量は、受容体に結合した化合物の量を非常に正確に評価することも可能にする。この方法により、特定の受容体に対する新しい化合物の親和性を迅速に確立することができ、よって、その薬理活性を決定することができる。同じ実験プロトコルを用いて、他の受容体に対する化合物の親和性を評価でき、よって、上記の他の受容体に対するその特異性の程度を確立することができる。
【0214】
薬理活性を有する新しい分子のスクリーニングのためにも用いられる受容体結合技術は、例えば、薬物に対する延長された曝露及び/又は特定の病変に関連する、受容体レベルでの可能性のある変更に対して有用な情報を与えることができる。これらの条件下で、実際に、受容体の量の変化、又はアゴニスト若しくはアンタゴニストの結合親和性を変更し、よって、受容体自身の機能性に影響するコンホメーション変化が起こり得る。
【0215】
実験は、動物実験についての欧州共同体のガイドライン(EEC n.86/609)に従って、ケージあたり20匹で収容した実験動物(マウス)を、標準的な飼育条件下(温度22±2℃、相対湿度60%、12時間の明暗サイクルの人工的な照明)で用いて行った。食物及び水は自由に与えた。
【0216】
化合物[3H]−CP−55,940(New England Nuclear, Boston, MA, USA)の使用に基づく、採用した手順は、CB1受容体に対する親和性の評価のために生体組織としてマウスの脳を用いることを必要とし、CB2受容体についての親和性アッセイのためにマウス脾臓を用いることを必要とする。
動物を、頸椎脱臼により殺し、完全な脳(小脳を除く)及び脾臓を迅速に解剖し、氷中に保存した。
組織を、15容量(重量/容量)のTMEバッファー(50mM Tris、1mM EDTA及び3mM MgCl2、pH7.4)中で、Ultra−Turraxによりホモジナイズし、その後、1086×gにて10分間、4℃に冷却した遠心機で遠心分離した。回収した上清を、45000×gにて30分間、4℃にて、Beckman SW41ローターを用いて遠心分離し、得られたペレットを50容量のTMEに再懸濁した。
【0217】
このようにして得られた膜(50〜80μgのタンパク質)を、1nMの[3H]−CP55.940の存在下で1時間、30℃にて、5mg/mlのウシ血清アルブミン(BSA)を含有するTMEバッファー0.5mlの最終容量中でインキュベートした。非特異的結合を、1μM濃度のCP55.940の存在下で測定した。
全ての実験は、非特異的結合を低減させるために、Sigma−Cote(Sigma Chemical Co. Ltd., Poole, UK)で前処理したポリプロピレン試験管中で行った。
結合の競合阻害曲線を決定するために、それぞれの化合物の8つの異なる濃度を用いた。参照化合物として、CB1受容体についてSR141716Aを用い、CB2受容体について化合物SR144528を用いた。
【0218】
インキュベーションは、5mg/mlのBSAを含有するTMEバッファー(4℃)を加え、その後、0.5%のポリエチルアミン(PEI)で前処理したWhatman GFCフィルタ及びろ過デバイス(Brandell, Gaithersburg, MD, USA)を用いて真空ろ過することにより停止した。フィルタを、1mg/mlのBSAを含有する5mlのTris HClバッファー(pH7.4、4℃)で3回洗浄し、4mlのシンチレーション液(Ultima Gold MV, Packard)を含有するプラスチックバイアルに別々に入れた。
フィルタに存在する放射活性を、シンチレーションスペクトロフォトメーター(Tricarb(登録商標)2100、Packard, Meridien, USA)により決定した。
【0219】
タンパク質の測定は、Bio-Rad(Milano, Italy)により供給されるプロトコル及び反応試剤を用いるブラッドフォード法により行った。
実験は3重で行い、結果は5回の独立した実験において確認した。
【0220】
CB1及びCB2受容体に対する化合物の親和性は、Kiタームで表す。
インビトロ試験において本発明の化合物を用いて得られるKi値を、表1に報告する。比較として、この表に、参照化合物であるSR144528及びSR141716A(リモナバン(登録商標))の親和性の値を報告する。
この表は、本発明の化合物が、参照化合物のものと匹敵するCB1及び/又はCB2受容体に対する活性を有することを示す。
【0221】
実施例5
インビボ体温低下試験
大麻類似(cannabomimetic)活性を有する化合物は、インビボで以下の影響を示すことが知られている:活動性低下、体温低下、痛覚消失及びカタレプシー(B.R. Martinら、Pharmacol. Biochem. Behav.; 1991、40、471〜478; P.B. Smithら、J. Pharmacol. Exp. Ther.; 1994、270、219〜227)。体温調節活性を示すために、カンナビノイド作動性受容体に対して作用する化合物は、血液脳脊髄関門を通過できるはずである。なぜなら、この体温調節受容体の中央部は、視床下部の視索前核(preoptical front core)に位置するからである(S.M. Rawlsら、J. Pharmacol. Exp. Ther.; 2002、303、395〜402)。血液脳脊髄関門を通過するCB1アゴニスト化合物を用いた処理の後に、大麻類似活性が、体温の低下により証明される。血液脳脊髄関門を通過するCB1アンタゴニスト化合物は、体温に対して影響せず、WIN55.212−2のような参照CB1アゴニストに対するアンタゴニスト活性を示し、よって、後者により誘導される体温低下を妨げる。
【0222】
一般式(I)の化合物が血液脳脊髄関門を横切る能力を評価するために、該化合物が体温低下を誘発したかを確認するための試験を行った。試験は、FEBS Letters; 1994、350、240〜244でのM. Rinaldi-Carmonaらによる記載に従って、実験動物(マウス)で行った。マウスの直腸温度を、2mmの深度で挿入した電気温度計により測定した。測定は、1時間順応させたマウスに対して行った。直腸温度を、試験される化合物をi.p.投与した前後(30〜120分)に測定した。
【0223】
実験は、実施例3.1の化合物を用いて行った。該化合物を、Tween80(3滴)を加えた生理的溶液で形成された担体に分散させた。このようにして製造された試料を用いて、体重1kgあたり40mgの化合物の用量で動物を処置した。ブランクは、担体であった。
それぞれの試験は、10匹の動物に対して反復した。得られた結果は、10匹の動物に対して行った測定の平均である。
【0224】
結果を表2に報告し、これは、CB1受容体に対して親和性を有する本発明の化合物(実施例4を参照)が、実験動物において体温低下を誘発するので、血液脳脊髄関門を通過できることを示す。
実際に、投与用量40mg/kgでの実施例3.1の化合物は、担体と比較して、体温を著しく低下させることができた。実施例3.1の化合物は、よって、CB1アゴニスト中枢神経系に対して効果的である。
【0225】
実施例6
眼圧の低下における本発明の化合物の活性の評価
緑内障における主要なリスクファクターは、高い眼圧(IOP)により代表される。例えば、Libby R.T.ら、Vis Neurosci. 2005 Sep-Oct、22(5):637〜48及びTomida I.ら、Br. J. Ophthalmol. 2004 May、88(5):708〜13を参照されたい。緑内障に関連する高い眼圧が得られた種々の実験動物モデルのうち、高いIOPを有する老齢の(old)DBA/2Jマウス(6〜10ヶ月齢)の使用に基づく動物モデルが、臨床的な使用のための可能性のある治療剤を選択するために最も効果的であると考えられる。なぜなら、マウスの眼の生理機能は、ヒトの眼の生理機能と類似するからである(Zhongら、Invest. Ophthalmol. Vis. Sci. 2007 March、48(3); F.Schuettauffら、Acta Neuropathol. (2004) 107: 352〜358; S.W.M.Johnら、Invest. Ophthalmol. Vis. Sci. 1998 May、39(6): 951〜962及びF. Schuettaufら、Vision Res. 2002 September, 42(20): 2333〜2337)。
【0226】
薬理学的及び組織学的な研究は、カンナビノイド受容体がIOP低下に直接関与することを示す。Porcellaらは、毛様体において高いレベルのmRNA CB1を見出している(Porcellaら、Brain Res. Mol. Brain Res.、1998 July 15、58(1-2):240〜245)が、Luらは、網膜でのmRNA CB2の存在を指摘している(Q. Luら、Vis. Neurosci. 2000 January-February、17(1):91-95)。CB1及び/又はCB2受容体の活性化は、よって、緑内障治療における治療的な利点のための眼圧の調節のための薬理学的な興味対象であるようである。非常に肯定的な結果が、例えばPorcellaらにより、European Journal of Neuroscience、2001、第13巻、409〜412に報告されており、ここで、カンナビノイド作動性化合物WIN55212−2を眼に局所投与した後の、ヒトにおける著しいIOP低下が記載されている。
【0227】
老齢のDBA/2Jマウス(上記を参照)の動物モデルを用いて、実施例3.1で得られた化合物がIOPを低減させる効率を評価した。上記のように、この化合物は、インビトロにてCB1受容体に対する良好な親和性(実施例4)と、インビボでのCB1アゴニスト作用(実施例5)を有する。眼圧は、M.E.PeaseらによりJ. Glaucoma、2006 December、15(6):512〜519に報告されるようにして、TONOlab眼圧計(Tiolat Oy)により測定した。化合物を、市販のエマルジョンであるTocrisolve(商標)(Tocris)に、5mg/mlの濃度で分散させ、老齢のDBA/2Jマウスの眼に用いた(8〜10ヶ月齢、基礎IOPは19.0と22.5mmHgの間に含まれる)。用いたエマルジョンの容量は、化合物の用量がそれぞれ100μg又は50μgをもたらすようなものであった。WIN55212−2は、Tocrisolve(商標)に5mg/mlの濃度で分散させ、これは、参照カンナビノイド作動性化合物であった。眼圧の測定は、投与から開始して2時間後まで30分毎に行った。得られた結果(用量あたり8〜10匹の動物の実験群について各時間での6回の測定の平均)を、表3に報告する。IOPの低下は、基礎の値に対するパーセントで表した。
【0228】
結果は、市販のエマルジョンTocrisolve(商標)(20及び40μl)がIOPに対して影響しないことを示す。さらに、100μgの用量にて、実施例3.1の化合物は、参照化合物WIN55212−2と同様に眼圧を低下させる効果があった。さらに、50μgの用量にて、本発明の化合物は、参照化合物よりも効果的にIOPを低下させた。
【0229】
実施例7
精管の使用に基づくエクスビボモデルにおける本発明の化合物の活性の評価
単離した精管器官を、アゴニストCB1化合物の活性を評価するためのエクスビボモデルにおいて感受性が高い基底の系として用いることが、Pertweeらにより、Br. J. Pharmacol, 105: 980〜4、1992に記載されている。このモデルは、アンタゴニストCB1化合物の特性を評価するため、及びアンタゴニストCB1誘導体を、インバースアゴニストCB1化合物と区別するためにも用いられている(Rinaldi-Carmonaら、FEBS Lett.、350:240〜4、1994; Pertweeら、Eur. J. Pharmacol.、456:99〜106、2002)。モデルは、アゴニストCB1又は部分的アゴニストCB1化合物が、マウス精管において電気的に誘発された収縮の振幅を用量依存的な様式で低下させる活性に基づく。この効果は、接合部前ニューロン性CB1受容体(prejunctional neuronal CB1 receptors)に対する作用と相関し、電気的刺激により誘発される、収縮性神経伝達物質(ノルアドレナリン及びATP)の放出阻害をもたらす(Schlicker及びKathmann、Trands Pharmacol. Sci.、22:565〜72、2001)。アゴニスト(又は部分アゴニスト)CB1化合物の存在下での精管に対する電気的刺激により誘発された収縮の阻害は、収縮阻害の%として表す。この収縮の%阻害は、所定の濃度の化合物の存在下で測定された収縮の振幅と、その非存在下で測定された振幅(基底の値)との比により算出される。アゴニスト(又は部分アゴニスト)CB1化合物の濃度の対数の関数としての「%収縮阻害」の曲線は、シグモイド形である。アンタゴニストCB1化合物の評価についてのモデルの使用は、アゴニスト(又は部分アゴニスト)CB1化合物の精管の作用を阻害する効力の評価に基づく。阻害は、アンタゴニストCB1化合物の濃度の増加につれて、%収縮阻害/アゴニストCB1化合物の濃度の対数の曲線が右側にシフトすることにより表される。
【0230】
文献に報告されるように、実験は、30〜40グラムの体重の色素欠乏症CD1マウスを用いて行った。マウスの精管を回収し、Ugo Basile社(Comerio、Italy)により供給される別々の器官についての装置に移した。最初の張力は、0.5gであった。採用した手順は、PertweeらによりBr. J. Pharmacol., 110:1483〜1490、1993に報告される。特に、S. Ruiuら、J.P.E.T.、第306巻、2003、363〜370に記載された手順及び装置を用いる。
【0231】
図1は、7回の異なる実験の平均として表し、試験した化合物が、電気的刺激により誘発された収縮を効率的に阻害することを示す。
その後の実験において、化合物の活性は、S.RuiuらによりJ.P.E.T.、第306巻、2003、363〜370に記載されるアンタゴニストCB1化合物N−ピペリジニル−[8−クロロ−1−(2,4−ジクロロフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミド]により弱められたことが示された。実験は、本発明の化合物を最初に加える20分前にアンタゴニスト(1nMの浴濃度)を加えることにより行った。この実験モデルは、実施例3.1の化合物がCB1アゴニストであることを示す。
【0232】
実施例8.1(比較)
エチル α−(4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−5−イル)−α−オキソ−アセテートの製造
実施例1.1aに記載されるのと同じ手順に従ったが、2−メチル−4H−5,6−ジヒドロシクロペンタ[b]チオフェン−6−オンの代わりに5H−6,7−ジヒドロベンゾ[b]チオフェン4−オン(13.14mmol)を用いた。収率は、定量的である。
【化119】

【0233】
1−(4’−スルホンアミドフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−チエノ[2,3−g]インダゾール−3−エチルカルボキシレートの製造
【化120】

【0234】
化合物α−(4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾチオフェン−5−イル)−α−オキソ−エチルアセテート(3.95mmol)を、4−スルホンアミドフェニルヒドラジン塩酸塩(4.55mmol)と反応させることにより、実施例1.1bに記載されるのと同じ手順を用いた。収率90%。
【化121】

【0235】
実施例8.2(比較)
1−(4’−スルホンアミドフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−チエノ[2,3−g]インダゾール−3−カルボキサミドの製造
【化122】

【0236】
1−(4’−スルホンアミドフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−チエノ[2,3−g]インダゾール−3−エチルカルボキシレートのエステル(1.3g、3.22mmolに相当)と、メタノール(30ml)中のNH4OH 33重量%(60ml)との混合物を、室温にて72時間撹拌した。得られた分散物をろ過した。固体を単離し、水で洗浄し、風乾して、0.88g(収率73%)の化合物1−(4’−スルホンアミドフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−チエノ[2,3−g]インダゾール−3−カルボキサミドを得た。
【化123】

【0237】
実施例8.3(比較)
CB1及びCB2カンナビノイド作動性受容体に対する親和性
実施例4に記載される実験モデルを用いて、比較化合物(XA)及び(XB)のCB1及びCB2受容体に対する親和性を評価した。実施例4において本発明の化合物を用いて見出されたこととは異なって、化合物(XA)及び化合物(XB)はともに、両方のカンナビノイド受容体についての著しい親和性を示さなかった。5000nMより高いKiの値が、CB1受容体及びCB2受容体の両方について得られた。
【0238】
実施例8.4(比較)
眼圧の低下における化合物の活性の評価
化合物(XA)及び(XB)を、Tocrisolve(商標)に分散させ、実施例6に記載されるのと同じ実験モデルにおいて評価した。用いた用量は同じであった。
本発明の化合物を用いて見出されたこととは異なって、比較化合物(XA)及び(XB)はともに、50μg及び100μgの用量にて、眼圧を著しく低下させることはできなかった。表4を参照されたい。
【0239】
実施例8.5(比較)
精管の使用に基づくエクスビボモデルでの化合物の活性の評価
実施例7に記載される実験モデルを用いた。化合物(XA)及び(XB)を、1×10-6Mと等しいか又はこれより低い濃度にて評価した。化合物はともに、電気的刺激により精管で誘発された収縮を著しくは阻害しなかった。さらに、1×10-5Mと等しいか又はこれより低い濃度について、両方の比較化合物は、収縮の阻害の%/WIN55212−2濃度の対数の曲線の勾配を著しくは変更しなかった。
【0240】
この試験で得られた結果は、置換基−C(O)−CH2−CH3又は−C(O)−NH2、すなわち式(I)におけるR’について定義されたものとは異なるものをピラゾール環の3位に有する縮合ピラゾール三環式化合物が、CB1及び/又はCB2カンナビノイド受容体について親和性を有さないことを示す。上記の化合物は、眼圧の低下において効果的でないばかりでなく、上記で定義される精管の使用に基づくエクスビボの試験でも活性を示さない。
【0241】
実施例9.1(比較)
N−メンチル−6−メチル−1−(4’−メチルベンジル)−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミド(US2005/0282798)の合成
【化124】

【0242】
(−)−シス−ミルタニルアミンをメチルアミンに置換した以外は、実施例3.1に記載されるのと同じ手順に従った。粗反応物のクロマトグラフィー(溶媒CHCl3)により、化合物N−メンチル−6−メチル−1−(4’−メチルベンジル)−1,4−ジヒドロチエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドを、28%の収率で分離した。
【化125】

【0243】
実施例9.2(比較)
N−フェンチル−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−チエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミド(US2005/0282798)の製造
【化126】

【0244】
(−)−シス−ミルタニルアミンをフェンチルアミンに置換した以外は、実施例3.3に記載されるのと同じ手順に従った。反応の最後に得られた生成物のクロマトグラフィー(溶媒CHCl3)による精製により、化合物N−フェンチル−1−(2’,4’−ジクロロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−チエノ[3’,2’:4,5]シクロペンタ[1,2−c]ピラゾール−3−カルボキサミドを得た(収率58%)。
【化127】

【0245】
実施例9.3(比較)
カンナビノイド作動性CB1及びCB2受容体に対する親和性
比較化合物(XC)及び(XD)のCB1及びCB2受容体に対する親和性を、実施例4に記載される実験モデルを用いて評価した。これらの化合物は、CB1受容体に対して良好な親和性を示した。得られたKi値(nMとして表す値)は、次のとおりである:
化合物(XC):33.0±8.2(CB1)及び2.5±0.3(CB2);
化合物(XD):43.3±5.5(CB1)及び15.0±3.2(CB2)。
【0246】
実施例9.4(比較)
眼圧の低下における化合物の活性の評価
比較化合物(XC)及び(XD)を、Tocrisolve(商標)に分散させ、実施例6に記載されるのと同じ実験モデルにより評価した。用いた用量は同じであった。
本発明の化合物とは異なって、比較化合物(XC)及び(XD)は、老齢DBA/2Jマウス(8〜10ヶ月齢)における眼圧を、100μgの試験した最高用量でのみ著しく低下させることができたことがわかった。表5を参照されたい。
【0247】
実施例9.5(比較)
精管の使用に基づくエクスビボモデルでの化合物の活性の評価
実施例7の実験モデルを反復した。比較化合物(XC)及び(XD)を、1×10-6Mと等しいか又はこれより低い濃度にて評価した。化合物はともに、電気的刺激により精管で誘発された収縮を著しく阻害できた。しかし、図2に示すように、比較化合物(XC)及び(XD)の活性は、本発明の化合物のものよりも低かった。
【0248】
この実験の結果は、本発明の化合物の式(I)においてR’について定義されるものとは異なる置換基をピラゾール環の3位に有し、かつCB1及び/又はCB2カンナビノイド受容体についての親和性を示し、さらに血液脳脊髄関門を通過できないUS2005/0282798に記載される縮合ピラゾール三環式化合物が、眼圧の低下及び精管のエクスビボ実験の両方において本発明の化合物よりも効果が低いことを示す。
【0249】
実施例10
本発明の化合物を含有するマイクロエマルジョンの製造
実施例3.1で得られた化合物17.7mgを、エタノール(44.2mg)、Miglyol(登録商標)810N(88.4mg)、Imvitor(登録商標)308(88.4mg)の混合物中に可溶化した。得られた溶液に、663.1mgの非イオン界面活性剤Solutol(登録商標)HS15及び98.2mgの生理的溶液を、撹拌しながら加えた。
【0250】
マイクロエマルジョンの形の組成物が得られた。25℃〜37℃の温度において、上記の組成物は、実際に、液体で等方性である。
マイクロエマルジョン組成物(重量%)は、以下のとおりである:
エタノール 4.42
Miglyol(登録商標)810N 8.84
Imvitor(登録商標)308 8.84
Solutol(登録商標)HS15 66.31
実施例3.1の化合物 1.77
生理的溶液 9.82
【0251】
実施例11
本発明の化合物を含有するマイクロエマルジョンの製造
実施例10のマイクロエマルジョンを、以下の成分(重量%)を含有する最終組成物まで、生理的溶液で希釈した:
エタノール 2.23
Miglyol(登録商標)810N 4.45
Imvitor(登録商標)308 4.45
Solutol(登録商標)HS15 33.34
実施例3.1の化合物 0.89
生理的溶液 54.54
【0252】
25℃〜37℃の温度において、得られた製剤は液体で等方性であるので、マイクロエマルジョンであることが見出された。
【0253】
実施例12
本発明の化合物を含有するエマルジョンの製造
実施例10のマイクロエマルジョンを、以下の成分(重量%)を含有する最終組成物まで、生理的溶液で希釈した:
エタノール 0.49
Miglyol(登録商標)810N 0.98
Imvitor(登録商標)308 0.98
Solutol(登録商標)HS15 7.35
実施例3.1の化合物 0.20
生理的溶液 90.00
【0254】
25℃〜37℃の温度において、得られた製剤は乳白色のエマルジョンであることが見出された。
【0255】
実施例13
本発明の化合物を含有するマイクロエマルジョンの製造
99.1mgの実施例3.1で得られた化合物を、エタノール(54.1mg)及びMiglyol(登録商標)810N(108.1mg)に可溶化した。得られた溶液に、648.6mgの非イオン界面活性剤Solutol(登録商標)HS15及び90.1mgの生理的溶液を、撹拌しながら加えた。
マイクロエマルジョンの形の組成物が得られ、これは25℃〜37℃の温度において、液体で等方性である。
【0256】
マイクロエマルジョン組成物(重量%)は、次のとおりである:
エタノール 5.41
Miglyol(登録商標)810N 10.81
Solutol(登録商標)HS15 64.86
実施例3.1の化合物 9.91
生理的溶液 9.01
【0257】
実施例14
本発明の化合物を含有するマイクロエマルジョンの製造
実施例13のマイクロエマルジョンを、以下の成分(重量%)を含有する最終組成物まで、生理的溶液で希釈した:
エタノール 0.65
Miglyol(登録商標)810N 1.29
Solutol(登録商標)HS15 7.77
実施例3.1の化合物 1.19
生理的溶液 89.10
【0258】
得られた組成物は、25℃〜37℃の温度にて液体で等方性であるマイクロエマルジョンの形であることが見出された。
【0259】
【表1】

【0260】
【表2】

【0261】
【表3】

【0262】
【表4】

【0263】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(式中:
Aは、−(CH2t−、−(CH2r−O−(CH2s−及び−(CH2)r−S(O)p−(CH2s−から選択される基を表し、ここで、
tは1、2又は3に等しい整数であり、
pは0、1又は2に等しい整数であり、
r及びsは、互いに等しいか又は異なって、0、1又は2の整数であるが、但し、r+sは0、1、2又は3に等しく、
Bはヘテロアリールであり、
Rはヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル又は直鎖状若しくは可能であれば分岐鎖状で二価のC1〜C10脂肪族鎖であって、窒素原子に結合していない鎖の末端がW(Wは、水素、ハロゲン、イソチオシアネート、CN、OH、OCH3、NH2、SO2NH2又は−CH=CH2から選択される基である)に結合している脂肪族鎖から選択される基であり、
R’は、以下から選択される基である:
R’1:式−C(O)−(Z’)v−Z”−のケト基を有する置換基
(式中、Z’は二価のC1〜C8脂肪族鎖であり、Z”は、C3〜C15シクロアルキル、飽和又は不飽和の複素環、アリール、ヘテロアリールから選択され、
vは1に等しい整数であり、
Aが−(CH2r−O−(CH2s−のときに(r及びsは上記で定義されるとおりである)、v=0である)、
R’2:式−CH(OH)−(Z’)v−Z”−のヒドロキシ基を有する置換基
(Z’、v及びZ”は上記で定義したとおりである)、
R’3:式−C(O)−NH−(Z’)v−T’のアミド置換基
(Z’及びvは上記で定義したとおりであり、T’は、以下から選択される基である:
− C3〜C15シクロアルキル、
− NR12
(式中、R1及びR2は、互いに等しいか又は異なって、以下の意味:水素、C1〜C7アルキル、C1〜C7ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アリール、アリールアルキル又はアリールアルケニルを有するか、又は
1及びR2は窒素原子とともに、5〜10原子を含有する飽和又は不飽和の複素環を形成する)、
− 互いに等しいか又は異なるN、O、Sから選択される1種以上のヘテロ原子を含有するC3〜C15へテロシクロアルキル、但し、Z’はヘテロシクロアルキル環の1つの炭素原子と結合しており、Z’がC1〜C3直鎖状アルキレン鎖であり、かつT’が以下の式(IB):
【化2】

(式中、R5は直鎖状又は可能であれば分岐鎖状のC1〜C3アルキルである)
を有する場合を除く、
− アリール又はヘテロアリール、但し、Aが−(CH2r−O−(CH2s−基(r及びsは上記で定義されるとおりである)である))
の、末梢神経系及び中枢神経系の両方に対する活性を有し、CB1及び/又はCB2カンナビノイド作動性受容体に対して親和性を有する縮合三環式ピラゾール化合物。
【請求項2】
以下の化合物:
【化3】

が式(I)から除かれる請求項1に記載の縮合三環式ピラゾール化合物。
【請求項3】
Bが、ハロゲン、C1〜C7アルキル、C1〜C7アルキルチオ、C1〜C7アルコキシ、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7ハロアルコキシ、SO2NH2、シアノ、ニトロ、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和又は不飽和の複素環、ヘテロアリール、C1〜C7アルキル鎖で任意にモノ置換又はジ置換されていてもよいアミノから選択される、互いに等しいか又は異なる1種以上の基で置換され、該フェニル、シクロアルキル、飽和又は不飽和の複素環及びヘテロアリールが、ハロゲン、C1〜C7アルキル、C1〜C7アルキルチオ、C1〜C7アルコキシ、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7ハロアルコキシ、SO2NH2、シアノ、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和又は不飽和の複素環、ヘテロアリール、ニトロ、C1〜C7アルキル鎖で任意にモノ置換又はジ置換されていてもよいアミノから選択される、互いに等しいか又は異なる1種以上の基で任意に置換されていてもよい請求項1又は2に記載の三環式ピラゾール誘導体。
【請求項4】
Rがヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アリール、アリールアルキル又はアリールアルケニルであり、かつハロゲン、C1〜C7アルキル、C1〜C7アルキルチオ、C1〜C7アルコキシ、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7ハロアルコキシ、SO2NH2、シアノ、ニトロ、フェニル、飽和又は不飽和の複素環、C1〜C7アルキル鎖で任意にモノ置換又はジ置換されていてもよいアミノから選択される、互いに等しいか又は異なる1種以上の置換基で置換されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の三環式ピラゾール化合物。
【請求項5】
Z”が、ハロゲン、SO2NH2、C1〜C7アルキル、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7ハロアルコキシ、C1〜C7アルキルチオ、C1〜C7アルコキシから選択される、互いに等しいか又は異なる1種以上の置換基で置換されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の三環式ピラゾール化合物。
【請求項6】
T’がアリール、ヘテロアリール、C3〜C15シクロアルキル又はC3〜C15へテロシクロアルキルであり、かつハロゲン、SO2NH2、C1〜C7アルキル、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7ハロアルコキシ、C1〜C7アルキルチオ、C1〜C7アルコキシ、フェニル、ベンジルから選択される、互いに等しいか又は異なる1種以上の基で置換されており、該フェニル及びベンジル置換基が、ハロゲン、SO2NH2、C1〜C7アルキル、C1〜C7アルキルチオ、C1〜C7アルコキシ、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和又は不飽和の複素環、C1〜C7アルキル鎖で任意にモノ置換又はジ置換されていてもよいアミノから選択される、互いに等しいか又は異なる1種以上の基で任意に置換されていてもよい請求項1〜5のいずれか1項に記載の三環式ピラゾール化合物。
【請求項7】
1及びR2がヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アリール、アリールアルキル若しくはアリールアルケニルであるか、又はR1及びR2が窒素原子とともに1つの複素環を形成し、該芳香族環又は複素環が、ハロゲン、SO2NH2、C1〜C7アルキル、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7ハロアルコキシ、C1〜C7アルキルチオ、C1〜C7アルコキシ、フェニル、ベンジル、シアノ、ニトロ、C1〜C7アルキル鎖で任意にモノ置換又はジ置換されていてもよいアミノから選択される、互いに等しいか又は異なる1種以上の基で置換され、該フェニル及びベンジル置換基が、ハロゲン、SO2NH2、C1〜C7アルキル、C1〜C7アルキルチオ、C1〜C7アルコキシ、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7ハロアルコキシ、シアノ、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和又は不飽和の複素環、ヘテロアリール、ニトロ、C1〜C7アルキル鎖で任意にモノ置換又はジ置換されていてもよいアミノから選択される、互いに等しいか又は異なる1種以上の基で任意に置換されていてもよい請求項1〜6のいずれか1項に記載の三環式ピラゾール化合物。
【請求項8】
A、R及びR’が前記で規定されるとおりであり、Bが単環式へテロアリールである請求項1〜7のいずれか1項に記載の三環式ピラゾール化合物。
【請求項9】
Aが前記で規定されるとおりであり、
Bが、ハロゲン、C1〜C7アルキル、C1〜C7アルキルチオ、C1〜C7アルコキシ、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7ハロアルコキシ、SO2NH2、フェニル、ヘテロアリールから選択される、互いに等しいか又は異なる1種以上の基で任意に置換されていてもよい5又は6員環を有するヘテロアリールであり、該フェニル及びヘテロアリール置換基が、ハロゲン、C1〜C7アルキル、C1〜C7アルコキシ、SO2NH2、フェニル、ヘテロアリールから選択される、互いに等しいか又は異なる1種以上の基で任意に置換されていてもよく、
Rが、以下の基:
− 単環式ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アリール、アリールアルキル、
− 二価の直鎖状又は可能であれば分岐鎖状のC1〜C10脂肪族鎖であって、窒素原子と結合していない鎖の末端が、W(Wは上記で定義されるとおりである)と結合している脂肪族鎖
から選択され、
R’が、前記で定義されるR’1又はR’3基である、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の三環式ピラゾール化合物。
【請求項10】
Aが上記で定義されるとおりであるが、−(CH2)r−S(O)p−(CH2s−の意味を除き、
Bが、チオフェン、ピリジン、フラン、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、トリアゾール、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、ピロールから選択されるヘテロアリールであり、該へテロアリールが、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルキルチオ、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、SO2NH2、フェニル、ヘテロアリール、C1〜C3アルキル鎖で任意にモノ置換又はジ置換されていてもよいアミノから選択される、互いに等しいか又は異なる1種以上の基で任意に置換されていてもよく、該フェニル及びヘテロアリールが、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、SO2NH2、フェニル、ヘテロアリールから選択される、互いに等しいか又は異なる1種以上の基で任意に置換されていてもよく、
Rが、以下の基:
− ハロゲン、C1〜C3アルキル、SO2NH2、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキルチオ、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3アルキル鎖で任意にモノ置換又はジ置換されていてもよいアミノから選択される、互いに等しいか又は異なる1種以上の置換基で任意に置換されていてもよい、単環式アリール又は単環式アリールアルキル、
− 二価の直鎖状又は分岐鎖状のC4〜C10脂肪族鎖であって、窒素原子と結合していない鎖の末端が、W(Wは上記で定義されるとおりである)と結合している脂肪族鎖
から選択され、
R’が、R’1及びR’3から選択されるが、但し、Z’は二価のC1〜C3脂肪族鎖であり、Z”は、C3〜C15シクロアルキル、飽和又は不飽和の複素環、単環式アリール又は単環式へテロアリールから選択される基であり、v及びT’は前記で規定されるとおりである、
請求項1〜9のいずれか1項に記載の三環式ピラゾール化合物。
【請求項11】
Aが前記で規定されるとおりであるが、−(CH2)r−S(O)p−(CH2s−の意味を除き、
Bが、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルキルチオ、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、SO2NH2、フェニル、ヘテロアリール、C1〜C3アルキル鎖で任意にモノ置換又はジ置換されていてもよいアミノから選択される、互いに等しいか又は異なる1種以上の基で任意に置換されていてもよいチオフェンであり、該フェニル及びヘテロアリールが、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、SO2NH2、フェニル、ヘテロアリールから選択される、互いに等しいか又は異なる1種以上の基で任意に置換されていてもよく、
Rが、以下の基:
− ハロゲン、C1〜C3アルキル、SO2NH2、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキルチオ、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C3ハロアルコキシ、C1〜C3アルキル鎖で任意にモノ置換又はジ置換されていてもよいアミノから選択される、互いに等しいか又は異なる1種以上の置換基で任意に置換されていてもよいフェニル又はベンジル、
− 二価の直鎖状又は分岐鎖状のC4〜C10脂肪族鎖であって、窒素原子と結合していない鎖の末端が、W(Wは上記で定義されるとおりである)と結合している脂肪族鎖
から選択され、
R’が、R’1及びR’3基から選択されるが、但し、
Z’は−CH2−又は−CH(CH3)−から選択され、
Z”は、C3〜C15シクロアルキル、飽和又は不飽和の複素環、単環式アリール又は単環式へテロアリールから選択される基であり、
T’及びvは前記で規定されるとおりである
請求項1〜10のいずれか1項に記載の三環式ピラゾール化合物。
【請求項12】
以下の式(X’)〜(XXXIII’):
【化4】

【化5】

【化6】

(式中、
1は、2,4−ジクロロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、4−メチルベンジル又は5−クロロペンチルから選択され、
1は、メチル、塩素、臭素、フッ素、フェニル、4−メチルフェニル、4−クロロフェニル、4−ブロモフェニル、4−フルオロフェニル又はチオフェンから選択され、
1は、水素又はメチルであり、
2は、以下:
【化7】

【化8】

から選択される基である)
を有する請求項1〜11のいずれか1項に記載の三環式ピラゾール化合物。
【請求項13】
以下の式(XX”)〜(LXIX”):
【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

を有する請求項1〜12のいずれか1項に記載の三環式ピラゾール化合物。
【請求項14】
その構造にキラル中心を含む請求項1〜13のいずれか1項に記載の三環式ピラゾール化合物。
【請求項15】
化合物が、幾何異性体又は立体異性体である請求項1〜14のいずれか1項に記載の三環式ピラゾール化合物。
【請求項16】
対応する水和物、溶媒和物及び医薬的に許容される塩の形態にある請求項1〜15のいずれか1項に記載の三環式ピラゾール化合物。
【請求項17】
i)一般式(II)の酸:
【化14】

又は任意にその1つの反応性誘導体を、以下のステップを含む合成により合成し:
− 式(III)の化合物を、ナトリウムアルコキシドRONa及びシュウ酸ジエチルと、C1〜C3アルコール性溶媒中で還流下で反応させることにより、式(IV)のα−ヒドロキシ−γ−ケトエステル(式中、A及びBは前記で規定されるとおりである)を合成し:
【化15】

− 式(IV)の化合物を、式(V)のヒドラジン(式中、Rは上記で定義されるとおりである)と、アルコール性溶媒又は酢酸中で還流下で反応させて、式(VI)の三環式化合物を得て:
【化16】

− 式(VI)の化合物を、アルカリ水酸化物を用いて、水性アルコール溶液中で還流下で加水分解して式(II)の酸を得て:
− 任意に、一般式(II)の酸の反応性誘導体を形成する、
ii)前記で規定されるR’=R’1である場合、式(I)の化合物は、以下の2つのプロセスのうちの1つに従って得られる:
− 式(II)の酸のエステルを、トリアルキルアルミニウム及びアミンの塩酸塩と、反応条件下で不活性な溶媒中で、エステルが完全に反応するまで反応させ、その後、反応混合物に、[Z”−(Z’)]MgBr(式中、Z’、v及びZ”は上記で定義されるとおりである)を加え、その後、室温にて反応させるか、又は
− 式(II)の酸又はその反応性誘導体を、式[Z”−(Z’)]-Me+の有機金属塩(式中、Me+はアルカリ金属カチオンである)と、反応条件下で不活性な溶媒中で反応させる、
iii)式(I)においてR’=R’2である場合、式(I)の化合物は、次の反応により得られる:
− 式(I)の化合物(ここで、R’=R’1である)を、ii)に記載される2つの反応のうちの1つを用いて作製し;
− 式(I)の化合物(ここで、R’=R’1である)を室温にて還元する、
iv)式(I)においてR’=R’3である場合、式(I)の化合物は、反応性誘導体の形の式(II)の酸を、一般式:
2N−(Z’)−T’ (VII)
(式中、Z’、v及びT’は上記で定義されるとおりである)の化合物と、反応条件下で不活性な溶媒中で、室温にて操作することにより反応させることにより製造される、
ことを含む請求項1〜16のいずれか1項に記載の三環式ピラゾール化合物を製造する方法。
【請求項18】
i)において、Rが、一端に置換基Wを有する二価のC1〜C10脂肪族鎖の意味を有する場合、化合物(VI)が、化合物(IV)を、ヒドラジン水和物と、アルコール性溶媒中で、還流下で反応させて、化合物(IV’):
【化17】

を得て、その後、化合物(IV’)を、不活性溶媒中で還流下で、化合物W−R−T”(W及びRは上記で定義されるとおりであり、T”は脱離基である)によりアルキル化することにより製造される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
請求項1〜16のいずれか1項に記載の三環式ピラゾール化合物を含む医薬組成物。
【請求項20】
エマルジョン若しくはマイクロエマルジョンで形成されるか又はエマルジョン若しくはマイクロエマルジョンを含む請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
エマルジョン又はマイクロエマルジョンが、以下の成分(重量%)(エマルジョン又はマイクロエマルジョンの成分の合計は100%である):
S)以下のクラスから選択される1種以上の医薬的に許容される化合物0.01〜95%:
− フッ素原子を任意に含有していてもよい非イオン、アニオン、カチオン及び両性から選択される界面活性剤、
− 可溶化されている液体中で凝集体、ミセル、液晶、小胞のような組織化された構造を形成するポリマー
O)以下のクラスの医薬的に許容される化合物から選択される1種以上の油0〜95%:
− 1つ以上のエチレンタイプの不飽和を任意に含有していてもよいC4〜C32の酸のエステル、
− 1つ以上のエチレンタイプの不飽和を任意に含有していてもよいC4〜C32の酸(これは、最終組成物が、この酸がその塩に変換されないようなpHを有する場合に含まれる)、
PA)請求項1〜16のいずれか1項に記載の三環式ピラゾール誘導体0.001〜90%、
AD)以下のクラスから選択される1種以上の化合物0〜60重量%:
− 水及び/又は油の極性の調整剤、
− 成分S)のフィルム曲率の調整剤、
− 補助界面活性剤、
WA)任意に緩衝されていてもよい水又は生理食塩水溶液0.001〜99.9%
を含む請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項22】
以下の組成:
− 成分S):0.01〜90%
− 成分O):0〜90%
− 成分PA):0.001〜50%
− 成分AD):0〜30%
− 成分WA):0.1〜99.9%
(上記成分は合計で100%である)
を有する請求項20又は21に記載の医薬組成物。
【請求項23】
以下の組成:
− 成分S):0.01〜80%
− 成分O):0〜70%
− 成分PA):0.05〜40%
− 成分AD):0〜20%
− 成分WA):10〜99.9%
(上記成分は合計で100%である)
を有する請求項20〜22のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項24】
以下の組成:
− 成分S):0.01〜70%
− 成分O):0〜50%
− 成分PA):0.05〜30%
− 成分AD):0〜15%
− 成分WA):20〜99.9%
(上記成分は合計で100%である)
を有する請求項20〜23のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項25】
以下の:
(IP) 任意に、成分PA)を油中に可溶化し、
(IIP) 成分S)を、成分PA)又は(IP)で得た対応する油状溶液に加え、
(IIIP) 任意に、成分AD)を(IIP)で得た液相に加え、
(IVP) 水又は生理食塩水溶液を、(IIP)又は任意のステップの(IIIP)で得た液相に撹拌しながら加えて、清澄な溶液を得る
ステップを含む、マイクロエマルジョンの形態の医薬組成物を製造する方法。
【請求項26】
重量%で:
請求項1〜16のいずれか1項に記載の1種以上の三環式ピラゾール化合物0.5〜20%、
アルキル硫酸ナトリウム又は別の界面活性剤0.05〜0.5%、
分散剤2.5〜10%、
(100%までの差は、経口投与用の剤形に用いられる通常のアジュバントである)
を含む経口投与用の請求項19に記載の医薬製剤。
【請求項27】
請求項1〜16のいずれか1項に記載の1種以上の三環式ピラゾール化合物を、ヒドロキシプロピルメチルセルロースとともに含み、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが、医薬製剤のコア及び/又は製剤中に存在する場合はシェル中にある、経口及び眼内投与用の請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項28】
医薬品として用いるための請求項1〜16のいずれか1項に記載の三環式ピラゾール誘導体。
【請求項29】
CB1及び/又はCB2受容体が関与する疾患及び障害を哺乳動物及び個体で治療するための医薬品を製造するための、請求項1〜16のいずれか1項に記載の三環式ピラゾール誘導体及びその医薬組成物の使用。
【請求項30】
前記疾患及び障害が、免疫系の細胞が関与する疾患、免疫障害、骨粗鬆症、腎虚血、疼痛、神経因性疼痛、術後の疼痛、炎症性症状、筋萎縮性側索硬化症、臓器移植に関連する疾患、同種移植片拒絶を予防するための療法、他の免疫抑制療法を受けている患者での移植片拒絶の治療、GVHD(移植片対宿主疾患)の治療及び予防、全身性エリテマトーデス、関節強直脊椎炎、リウマチ性多発性関節炎、溶血性自己免疫性貧血、ベーチェット病、シェーグレン症候群、未分化脊椎関節炎、反応性関節炎、皮膚筋炎である請求項29に記載の使用。
【請求項31】
前記疾患及び障害が、緑内障又は高眼圧、肺疾患、喘息、慢性気管支炎、アレルギー、アレルギー性反応、アレルギー性鼻炎、接触性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、炎症、関節炎、疼痛、不安、行動障害、譫妄状態、一般的な精神病、統合失調症、うつ病、薬物及び/又はアルコール中毒症、ニコチン中毒症の治療、嘔吐、悪心、めまい、神経障害、片頭痛、ストレス、心身症由来の疾患、癲癇、トゥーレット症候群、パーキンソン病、ハンチントン病、アルツハイマー病、老年性認知症、認識障害及び記憶喪失の場合、食欲障害、肥満、大食症、胃腸管及び膀胱の病変、心血管性疾患、泌尿器障害、生殖能及び勃起の障害、神経炎症性の病変、多発性硬化症、ギラン−バレー症候群、ウイルス性脳炎、脱ミネラル化に関連する症候群、骨粗鬆症、メタボリックシンドローム及び/又は脂質異常症の患者及び2型糖尿病の患者における代謝及び/又は心血管のリスクファクターの低下、眼の炎症状態、眼の自己免疫疾患、ブドウ膜炎、ブドウ膜網膜炎及び網膜の神経変性である請求項29に記載の使用。
【請求項32】
放射性標識された請求項1〜16のいずれか1項に記載の三環式ピラゾール化合物。
【請求項33】
哺乳動物及びヒトにおいてCB1又はCB2カンナビノイド作動性受容体を同定及び標識するための請求項32に記載の化合物の使用。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2010−195783(P2010−195783A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−38780(P2010−38780)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(509215651)ニューロサイエンス ファーマネス エス.シー. エー アール.エル. (7)
【氏名又は名称原語表記】NEUROSCIENZE PHARMANESS S.C. A R.L.
【住所又は居所原語表記】Loc. Piscinamanna, Edificio 5, 09010 Pula, Cagliari, ITALY
【Fターム(参考)】