説明

半導体ダイのピックアップ装置及びその装置を用いた半導体ダイのピックアップ方法

【課題】半導体ダイのピックアップ装置において、より薄い半導体ダイを容易にピックアップする。
【解決手段】ステージ20と、吸引開口41と、吸引開口41を開閉する蓋23と、吸引開口41の周縁に配置され、密着面22から突出する各突起31,32と基本孔33a〜33dと、を備え、半導体ダイ15をピックアップする際に、半導体ダイ15の外形の少なくとも一部が各突起31,32からステージ外周方向に向かってはみ出した状態で基本孔33a〜33dによってはみ出した部分の保持シート12を吸引すると共に、蓋23の先端23aを上方向に進出させ、保持シート12と半導体ダイ15とを押し上げながら蓋23をスライドさせて吸引開口41を順次開き、開いた吸引開口41に保持シート12を順次吸引させて半導体ダイ15から保持シート12を順次引き剥がす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ダイのピックアップ装置の構造及びその装置を用いた半導体ダイのピックアップ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ダイは、6インチや8インチの大きさのウェーハを所定の大きさに切断して製造される。切断の際には切断した半導体ダイがバラバラにならないように、裏面に粘着性の保持テープを貼り付け、表面側からダイシングソーなどによってウェーハを切断する。この際、裏面に貼り付けられた保持テープは若干切り込まれるが切断されないで各半導体ダイを保持した状態となっている。そして切断された各半導体ダイは一つずつ保持テープからピックアップされてダイボンディング等の次の工程に送られる。
【0003】
従来、粘着性の保持テープから半導体ダイをピックアップする方法としては、突き上げ針による方法が多く用いられている(例えば、特許文献1の図15参照)。これは、コレットで半導体ダイを吸引した状態で、周囲に向かって引っ張り力が掛けられている保持シートの下側から突き上げ針によって半導体ダイの中央を突き上げ、保持シートにかかっている引張り力によって半導体ダイから粘着性の保持シートを引き剥がし、コレットで半導体ダイをピックアップする方法である。
【0004】
しかし、この突き上げ針による方法は半導体ダイの厚さが薄くなってくると突き上げによって半導体ダイが割れてしまうという問題があり、近年の薄型半導体ダイのピックアップには用いることが困難となってきている。
【0005】
そこで、突き上げ針を用いずに半導体ダイを粘着性の保持シートから分離、ピックアップする方法が提案されている。たとえば、特許文献1には、ステージの表面にピックアップしようとする半導体ダイよりも幅の狭い突出部を設け、突出部の周辺のステージ表面には吸引孔を設け、半導体ダイをピックアップする際には、突出部の上にピックアップしようとする半導体ダイを突出部からはみ出すように載せてコレットによって吸着保持し、吸引孔で保持シートを下方に真空吸引して突出部分からはみ出した部分の保持シートを半導体ダイより引き剥がし、その後、半導体ダイをコレットで吸着したまま突出部をステージ表面に対して水平に移動させて半導体ダイの残りの部分の保持シートを引き剥がす方法が提案されている(特許文献1の図9から図10参照)。
【0006】
また、特許文献2には、ステージの密着面に吸引開口を設け、半導体ダイをピックアップする際に、吸引開口を開閉する蓋の先端を密着面から進出させ、保持シートと半導体ダイとを押し上げながら蓋をスライドさせて吸引開口を順次開き、開いた吸引開口に保持シートを順次吸引させて保持シートを順次引き剥がし、半導体ダイの上部に待機しているコレットに半導体ダイを順次吸着して、半導体ダイをピックアップする方法が提案されている(特許文献2の図11、図13参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3209736号明細書
【特許文献2】特許第4215818号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一方、近年、半導体ダイはますます薄くなってきており、特許文献1,2に記載された従来技術では保持シートを十分に引き剥がすことができない場合が出てきた。特許文献1に記載された従来技術では、半導体ダイがより薄く、強度がより低い場合には、突出部分からはみ出した部分の保持シートが下方向に吸引された際にこの部分の保持シートが半導体ダイから引き剥がされず、逆に保持シートと共に下方向に折れ曲がってしまい、突出部がスライドしても保持シートがうまく剥がれなかったり、半導体ダイが損傷を受けたりする場合があった。また、特許文献2に記載された従来技術では、蓋が密着面から進出した際に蓋の両側の角部に設けられている面取り部分に沿って保持シートが下方向に吸引され、これによって半導体ダイ側端部分の保持シートが半導体ダイから引き剥がされる(特許文献2の図8参照)。これによって半導体ダイの側端部分に保持シートを引き剥がすきっかけを作り、この部分と蓋の先端を吸着面から進出させることによって形成される半導体ダイ先端側の保持シートの剥がれのきっかけとにより、保持シートを半導体ダイの全面から引き剥がしていくものである。ところが、半導体ダイがより薄く、強度がより低い場合には、蓋が密着面から進出させて蓋の面取り部分に沿って保持シートが下方向に吸引された際に半導体ダイ側端部分の保持シートが半導体ダイから引き剥がされず、逆に保持シートと共に下方向に折れ曲がってしまい、蓋がスライドしても保持シートがうまく剥がれなかったり、半導体ダイが損傷を受けたりする場合があった。
【0009】
そこで、本発明は、半導体ダイのピックアップ装置において、より薄い半導体ダイを容易にピックアップすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の半導体ダイのピックアップ装置は、保持シートに貼り付けられた半導体ダイをピックアップする半導体ダイのピックアップ装置であって、保持シートの半導体ダイが貼り付けられている面と反対側の面に密着する密着面を含むステージと、密着面に設けられる吸引開口と、吸引開口を閉じる側の先端が密着面から進出自在となるようにステージに設けられ、密着面に沿ってスライドして吸引開口を開閉する蓋と、吸引開口の周縁に配置され、密着面から突出する突起と、突起よりもステージ外周側の密着面に設けられる吸引孔と、半導体ダイを吸着するコレットと、を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の半導体ダイのピックアップ装置において、半導体ダイをピックアップする際に、ピックアップする半導体ダイの外形の少なくとも一部が突起からステージ外周方向に向かってはみ出した状態で吸引孔によって突起からステージ外周方向に向かってはみ出した部分の保持シートを吸引すると共に、蓋の先端を密着面から突起の上端面と同一又はそれ以上の高さまで進出させ、保持シートとピックアップする半導体ダイとを押し上げながら蓋をスライドさせて吸引開口を順次開き、開いた吸引開口に保持シートを順次吸引させてピックアップする半導体ダイから保持シートを順次引き剥がし、コレットにピックアップする半導体ダイを吸着させること、としても好適である。
【0012】
本発明の半導体ダイのピックアップ装置において、吸引開口は、直線状に伸び、突起は、直線状に延びる吸引開口の対向する周縁に沿ってそれぞれ設けられる2つの側面突起を含み、各側面突起の吸引開口と反対側の各外面の間隔は、ピックアップする半導体ダイの幅よりも狭いこと、としても好適であるし、突起は、更に、吸引開口の蓋の先端が接離する端の周縁に沿って設けられる端面突起を含むこと、としても好適である。
【0013】
本発明の半導体ダイのピックアップ装置において、吸引孔は、その中に蓋の先端が接離する吸引開口の端と各側面突起の少なくとも一部とを含み、対向する二辺が各側面突起と平行な矩形領域の四隅に配置される4つの基本孔を含み、矩形領域の吸引開口が延びる方向と直角方向の幅はピックアップする半導体ダイの幅と略同一であり、矩形領域の吸引開口が延びる方向の長さはピックアップする半導体ダイの長さと略同一であること、としても好適である。
【0014】
本発明の半導体ダイのピックアップ装置において、半導体ダイをピックアップする際に、蓋の先端を密着面から突起の上端面と同一又はそれ以上の高さまで進出させ、保持シートとピックアップする半導体ダイとを押し上げながら蓋を第1の所定位置までスライドさせて吸引開口を第1の所定位置まで順次開き、開いた吸引開口に保持シートを順次吸引させてピックアップする半導体ダイから保持シートを第1の位置近傍まで順次引き剥がした後、コレットをピックアップする半導体ダイの直上まで降下させてコレットにピックアップする半導体ダイの一部を吸着させ、その後、保持シートとピックアップする半導体ダイとを押し上げながら蓋を第1の所定位置からスライド方向に更にスライドさせて吸引開口を第1の所定位置からスライド方向に更に順次開き、更に開いた吸引開口に保持シートを順次吸引させて第1の位置近傍からスライド方向に向かってピックアップする半導体ダイから更に保持シートを順次引き剥がすと共にコレットにピックアップする半導体ダイの残余の部分を順次吸着させること、としても好適である。
【0015】
本発明の半導体ダイのピックアップ装置において、半導体ダイをピックアップする際に、蓋の先端を密着面から突起の上端面と同一又はそれ以上の高さまで進出させ、保持シートとピックアップする半導体ダイとを押し上げながら蓋を第1の所定位置までスライドさせて吸引開口を第1の所定位置まで順次開き、開いた吸引開口に保持シートを順次吸引させてピックアップする半導体ダイから保持シートを第1の位置近傍まで順次引き剥がした後、コレットをピックアップする半導体ダイの直上まで降下させてコレットにピックアップする半導体ダイを吸着させ、その後、保持シートとピックアップする半導体ダイとを押し上げながら蓋を第1の所定位置からスライド方向に更にスライドさせて吸引開口を第1の所定位置からスライド方向に更に順次開き、更に開いた吸引開口に保持シートを順次吸引させて第1の位置近傍からスライド方向に向かってピックアップする半導体ダイから更に保持シートを順次引き剥がすこと、としても好適である。
【0016】
本発明の半導体ダイのピックアップ装置において、コレットは、半導体ダイをピックアップする際に、ピックアップする半導体ダイを保持した状態でピックアップする半導体ダイから保持シートが順次引き剥がされるに従ってピックアップする半導体ダイを順次吸着すること、としても好適であるし、半導体ダイをピックアップする際に、蓋の先端を密着面から突起の上端面以上の高さへの進出と同期してコレットを上昇させること、としても好適である。
【0017】
本発明の半導体ダイのピックアップ装置において、ステージは円筒形であり、蓋は、吸引開口の幅と略同一幅で、先端を密着面から進出させた際に、保持シートを押し上げる面が先端側から吸引開口を開く側の後端に向かって下向きに傾斜し、密着面から蓋の厚さだけ凹み、蓋と略同一幅で、蓋が開く側の吸引開口の端から、ステージ外周の円筒面にかからない位置で蓋が吸引開口を閉じた状態での蓋の後端の位置よりもステージ内周側の位置まで、ステージ外周面に向かって延びるスライド用溝と、ステージ外周側端のスライド用溝の底面から密着面と反対側に向かって延びる傾斜面と、を備え、半導体ダイをピックアップする際に、蓋の保持シートを押し上げる面と反対側の面をスライド用溝の底面と傾斜面とのエッジに接触させながら蓋をスライドさせて吸引開口を順次開くこと、としても好適である。
【0018】
本発明の半導体ダイのピックアップ装置において、傾斜面の密着面に対する傾斜角度は、蓋の保持シートを押し上げる面と反対側の面の密着面に対する傾斜角度よりも大きいこと、としても好適であるし、傾斜面から密着面に沿ってステージ外周面まで延びる段部を備え、エッジと段部のステージ外周側端とを含む面の密着面に対する角度は、蓋の保持シートを押し上げる面と反対側の面の密着面に対する傾斜角度よりも大きいこと、としても好適である。
【0019】
本発明の半導体ダイのピックアップ方法は、保持シートに貼り付けられた半導体ダイをピックアップする半導体ダイのピックアップ方法であって、保持シートの半導体ダイが貼り付けられている面と反対側の面に密着する密着面を含むステージと、密着面に設けられる吸引開口と、吸引開口を閉じる側の先端が密着面から進出自在となるようにステージに設けられ、密着面に沿ってスライドして吸引開口を開閉する蓋と、吸引開口の周縁に配置され、密着面から突出する突起と、突起よりもステージ外周側の密着面に設けられる吸引孔と、半導体ダイを吸着するコレットと、を備える半導体ダイのピックアップ装置で半導体ダイをピックアップする方法であって、半導体ダイをピックアップする際に、ピックアップする半導体ダイの外形の少なくとも一部が突起からステージ外周方向に向かってはみ出した状態にピックアップする半導体ダイの位置を合わせる位置合わせ工程と、吸引孔によって突起からステージ外周方向に向かってはみ出した部分の保持シートを吸引すると共に、蓋の先端を密着面から突起の上端面と同一又はそれ以上の高さまで進出させ、保持シートとピックアップする半導体ダイとを押し上げながら蓋をスライドさせて吸引開口を順次開き、開いた吸引開口に保持シートを順次吸引させてピックアップする半導体ダイから保持シートを順次引き剥がし、コレットにピックアップする半導体ダイを吸着させ、半導体ダイをピックアップするピックアップ工程と、を有することを特徴とする。
【0020】
本発明の半導体ダイのピックアップ方法において、ピックアップ工程は、半導体ダイをピックアップする際に、蓋の先端を密着面から突起の上端面と同一又はそれ以上の高さまで進出させ、保持シートとピックアップする半導体ダイとを押し上げながら蓋を第1の所定位置までスライドさせて吸引開口を第1の所定位置まで順次開き、開いた吸引開口に保持シートを順次吸引させてピックアップする半導体ダイから保持シートを第1の位置近傍まで順次引き剥がした後、コレットをピックアップする半導体ダイの直上まで降下させてコレットにピックアップする半導体ダイの一部を吸着させ、その後、保持シートとピックアップする半導体ダイとを押し上げながら蓋を第1の所定位置からスライド方向に更にスライドさせて吸引開口を第1の所定位置からスライド方向に更に順次開き、更に開いた吸引開口に保持シートを順次吸引させて第1の位置近傍からスライド方向に向かってピックアップする半導体ダイから更に保持シートを順次引き剥がすと共にコレットにピックアップする半導体ダイの残余の部分を順次吸着させること、としても好適である。
【0021】
本発明の半導体ダイのピックアップ方法において、ピックアップ工程は、半導体ダイをピックアップする際に、蓋の先端を密着面から突起の上端面と同一又はそれ以上の高さまで進出させ、保持シートとピックアップする半導体ダイとを押し上げながら蓋を第1の所定位置までスライドさせて吸引開口を第1の所定位置まで順次開き、開いた吸引開口に保持シートを順次吸引させてピックアップする半導体ダイから保持シートを第1の位置近傍まで順次引き剥がした後、コレットをピックアップする半導体ダイの直上まで降下させてコレットにピックアップする半導体ダイを吸着させ、その後、保持シートとピックアップする半導体ダイとを押し上げながら蓋を第1の所定位置からスライド方向に更にスライドさせて吸引開口を第1の所定位置からスライド方向に更に順次開き、更に開いた吸引開口に保持シートを順次吸引させて第1の位置近傍からスライド方向に向かってピックアップする半導体ダイから更に保持シートを順次引き剥がすこと、としても好適である。
【0022】
本発明の半導体ダイのピックアップ方法において、ピックアップ工程は、半導体ダイをピックアップする際に、コレットをピックアップする半導体ダイを保持した状態でピックアップする半導体ダイから保持シートが順次引き剥がされるに従ってコレットにピックアップする半導体ダイを順次吸着させること、としても好適であるし、半導体ダイをピックアップする際に、蓋の先端を密着面から突起の上端面以上の高さへの進出と同期してコレットを上昇させること、としても好適である。
【0023】
本発明の半導体ダイのピックアップ方法が用いられる半導体ダイのピックアップ装置の突起は、直線状に延びる吸引開口の対向する周縁に沿ってそれぞれ設けられる2つの側面突起を含み、半導体ダイのピックアップ装置の吸引孔は、その中に蓋の先端が接離する吸引開口の端と各側面突起の少なくとも一部とを含み、対向する二辺が各側面突起と平行な矩形領域の四隅に配置される4つの基本孔を含み、矩形領域の吸引開口が延びる方向と直角方向の幅はピックアップする半導体ダイの幅と略同一であり、矩形領域の吸引開口が延びる方向の長さはピックアップする半導体ダイの長さと略同一であり、本発明の半導体ダイのピックアップ方法において、位置合わせ工程は、ピックアップする半導体ダイの四隅がそれぞれ各基本孔の上に来るようにピックアップする半導体ダイの位置を合わせること、としても好適である。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、半導体ダイのピックアップ装置において、より薄い半導体ダイを容易にピックアップすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】保持シートに貼り付けられたウェーハを示す説明図である。
【図2】保持シートに貼り付けられた半導体ダイを示す説明図である。
【図3】ウェーハホルダの構成を示す説明図である。
【図4】本発明の実施形態における半導体ダイのピックアップ装置の構成を示す説明図である。
【図5】本発明の実施形態における半導体ダイのピックアップ装置のステージを示す斜視図である。
【図6】本発明の実施形態における半導体ダイのピックアップ装置のステージ上面を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施形態における半導体ダイのピックアップ装置のステージ上面を示す平面図である。
【図8】本発明の実施形態における半導体ダイのピックアップ装置のスライダ駆動機構が動作を開始する前の状態を示す説明図である。
【図9】本発明の実施形態における半導体ダイのピックアップ装置で半導体ダイのステージが半導体ダイと位置合わせされた状態を示す説明図である。
【図10】本発明の実施形態における半導体ダイのピックアップ装置のステージ内部が真空となった状態を示す説明図である。
【図11】本発明の実施形態における半導体ダイのピックアップ装置の蓋の先端が密着面から進出した状態を示す説明図である。
【図12】本発明の実施形態における半導体ダイのピックアップ装置の蓋の先端が密着面から進出した状態を示す説明図である。
【図13】本発明の実施形態における半導体ダイのピックアップ装置の蓋が第1の位置までスライドした状態を示す説明図である。
【図14】本発明の実施形態における半導体ダイのピックアップ装置の蓋が第1の位置までスライドした状態を示す説明図である。
【図15】本発明の実施形態における半導体ダイのピックアップ装置の蓋が第1の位置までスライドした後、コレットが半導体ダイまで降下した状態を示す説明図である。
【図16】本発明の実施形態における半導体ダイのピックアップ装置のコレットが半導体ダイをピックアップした状態を示す説明図である。
【図17】本発明の他の実施形態における半導体ダイのピックアップ装置の蓋が第1の位置までスライドした後、コレットが半導体ダイまで降下した状態を示す説明図である。
【図18】本発明の他の実施形態における半導体ダイのピックアップ装置で半導体ダイのステージが半導体ダイと位置合わせされ、ステージ内部が真空となった後、コレットが半導体ダイまで降下した状態を示す説明図である。
【図19】本発明の他の実施形態における半導体ダイのピックアップ装置の蓋の先端が密着面から進出した状態を示す説明図である。
【図20】本発明の他の実施形態における半導体ダイのピックアップ装置の蓋がスライドした状態を示す説明図である。
【図21】本発明の他の実施形態における半導体ダイのピックアップ装置のステージ上面の突起の配置を示す平面図である。
【図22】本発明の他の実施形態における半導体ダイのピックアップ装置のステージ上面の突起の配置を示す平面図である。
【図23】本発明の他の実施形態における半導体ダイのピックアップ装置のステージ上面を示す平面図である。
【図24】本発明の他の実施形態における半導体ダイのピックアップ装置で半導体ダイのステージが半導体ダイと位置合わせされた状態を示す説明図である。
【図25】本発明の他の実施形態における半導体ダイのピックアップ装置のステージ内部が真空となった状態を示す説明図である。
【図26】本発明の他の実施形態における半導体ダイのピックアップ装置の蓋の先端が密着面から進出した状態を示す説明図である。
【図27】本発明の他の実施形態における半導体ダイのピックアップ装置の蓋が第1の位置までスライドした状態を示す説明図である。
【図28】本発明の実施形態における半導体ダイのピックアップ装置の蓋が第1の位置までスライドした後、コレットが半導体ダイまで降下した状態を示す説明図である。
【図29】本発明の他の実施形態における半導体ダイのピックアップ装置のコレットが半導体ダイをピックアップした状態を示す説明図である。
【図30】本発明の実施形態における半導体ダイのピックアップ装置の蓋とスライド用溝とを示す断面図である。
【図31】本発明の他の実施形態における半導体ダイのピックアップ装置のステージ上面の縦溝と孔と側面突起の配置を示す平面図である。
【図32】本発明の他の実施形態における半導体ダイのピックアップ装置の蓋とスライド用溝とを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明するが、本発明の半導体ダイのピックアップ装置について説明する前にウェーハとウェーハホルダについて説明する。図1に示すように、ウェーハ11は裏面にダイアタッチフィルム12aと粘着性の保持シート12が貼り付けられており、ダイアタッチフィルム12aと保持シート12は金属製のリング13に取付けられている。近年の薄いウェーハ11の厚さは15μm程度であり、ダイアタッチフィルム12aは5から20μm程度であり、保持シートの厚さは100μm程度である。ウェーハ11はこのようにダイアタッチフィルム12aと保持シート12とを介して金属製のリング13に取付けられた状態でハンドリングされる。そして、図2に示すように、ウェーハ11とダイアタッチフィルム12aとは切断工程で表面側からダイシングソーなどによって切断されてそれぞれ裏面にダイアタッチフィルム12aがついた半導体ダイ15となる。各半導体ダイ15とダイアタッチフィルム12aとの間にはダイシングの際に出来た切り込み隙間14が出来る。切り込み隙間14の深さは半導体ダイ15から保持シート12の一部にまで達しているが、保持シート12は切断されておらず、各半導体ダイ15は保持シート12によって保持されている。
【0027】
このように、ダイアタッチフィルム12aと保持シート12とリング13とが取付けられた半導体ダイ15は図3(a)、図3(b)に示すように、ウェーハホルダ10に取付けられる。ウェーハホルダ10は、フランジ部を持つ円環状のエキスパンドリング16とエキスパンドリング16のフランジの上にリング13を固定するリング押さえ17とを備えている。リング押さえ17は図示しないリング押さえ駆動部によってエキスパンドリング16のフランジに向かって進退する方向に駆動される。エキスパンドリング16の内径は半導体ダイ15が配置されているウェーハの径よりも大きく、エキスパンドリング16は所定の厚さを備えており、フランジはエキスパンドリング16の外側にあって、保持シート12から離れた方向の端面側に外側に突出するように取付けられている。また、エキスパンドリング16の保持シート12側の外周は保持シート12をエキスパンドリング16に取付ける際に、保持シート12をスムーズに引き伸ばすことができるように曲面構成となっている。また、ウェーハホルダ10は図示しないウェーハホルダ水平方向駆動部によって保持シート12の面に沿った方向に移動することができるように構成されている。
【0028】
図3(b)に示すように、半導体ダイ15が貼り付けられた保持シート12はエキスパンドリング16にセットされる前は略平面状態となっている。
【0029】
図4は本発明の実施形態の半導体ダイのピックアップ装置100の構成を示す図であり、半導体ダイのピックアップ装置100に保持シート12に貼り付けられたダイアタッチフィルム12aと半導体ダイ15の積層体がセットされた状態を示している。この状態では、リング13の上にリング押さえ17が降下し、降下量(又は押し込み量)を調整することにより、保持シート12の引っ張り力を調整している。エキスパンドリング16の保持シート12の当たる上面とフランジ面との間には段差があるので、リング13がフランジ面に押し付けられると、保持シート12はエキスパンドリング16の上面とフランジ面との段差分だけエキスパンドリング16上部の曲面に沿って引き伸ばされる。このため、エキスパンドリング16の上に固定された保持シート12には保持シートの中心から周囲に向かう引っ張り力が働いている。また、この引っ張り力によって保持シート12が延びるので、保持シート12の上に貼り付けられた各半導体ダイ15、各ダイアタッチフィルム12a間の隙間が広がっている。
【0030】
ウェーハホルダ10には保持シート12に沿った面でウェーハホルダ10を移動させるウェーハホルダ水平方向駆動部72が取付けられている。ウェーハホルダ水平方向駆動部72は、例えば、内部に設けたモータとギヤによってウェーハホルダ10を水平方向に駆動するものであってもよいし、外部に設けられたモータなどの駆動源によってガイドに沿ってXY方向にウェーハホルダ10を移動させるようなものであってもよい。また、ウェーハホルダ10の上部にはダイアタッチフィルム12aと半導体ダイ15の積層体を吸着移動させるコレット18が設けられている。コレット18は吸着面に半導体ダイ15を吸着するための吸着孔19を備え、各吸着孔19は真空装置71に接続されている。また、ウェーハホルダ10の下側にはステージ20が設けられ、ステージ20はステージ上下方向駆動機構73によって保持シート12に対して進退方向である上下方向に駆動される。ステージ上下方向駆動機構73は、例えば、内部に設けたモータとギヤによってステージ20を上下方向に駆動するものであってもよいし、外部に設けられたモータなどの駆動源によってガイドに沿って上下方向にステージ20を移動させるようなものであってもよい。
【0031】
図5に示すように、ステージ20はその上面に保持シート12に密着する密着面22を備えた円筒形の筐体21と、筐体21の密着面22と反対側に設けられた基体部24と、基体部24に取付けられ、筐体21の内部に取付けられたスライダ駆動機構300を駆動する駆動部25とを備えている。ステージ20の基体部24は図示しないステージ固定部に取付けられている。密着面22には吸引開口41が設けられ、吸引開口41は密着面22に沿ってスライドする蓋23によって開閉される。吸引開口41の周縁には密着面22から突出する側面突起31と端面突起32が設けられ、側面突起31と端面突起32のステージ20の外周側の密着面22には筐体21の内部と連通する4つの基本孔33a,33b,33c,33dと複数の補助孔35とが設けられている。側面突起31と端面突起32の密着面からの突出高さは例えば0.3mm程度でもよい。
【0032】
図6に示すように、密着面22には、蓋23の厚さだけ凹み、蓋23の幅と略同一の幅でステージの内周側から外周側に向って直線状に延びるスライド用溝22aが設けられている。スライド用溝22aのステージ内周側の端面22kに接離する側の蓋23の面は蓋23の先端23aであり、蓋23のスライド用溝22aの側面22hに接する側の面が側面23bであり、先端23aと反対側の端面が後端23cである。また、スライド用溝22aの底面22a´のステージ内周側には筐体21の内部に連通する2つの連通孔37が設けられている。各連通孔37の側面は、スライド用溝22aの側面22hと同一面となっており、各連通孔37の蓋23の先端23a側の面はスライド用溝22aのステージ内周側の端面22kと同一面となっている。そして、2つの連通孔37の間には、その上面がスライド用溝22aの底面22a´と同一面となっている接続リブ36が設けられている。このため、接続リブ36の上面は、密着面22から蓋23の厚さだけ凹んでいる。蓋23の先端23aがスライド用溝22aのステージ内周側の端面22kに接している場合には、各連通孔37は蓋23によって覆われており、蓋23の上面は密着面22と同一面となっている。
【0033】
図6に示すように、蓋23が図6に示す矢印の方向にスライドすると、蓋23の先端23aがスライド用溝22aのステージ内周側の端面22kから離れ、密着面22から筐体21の内部に連通する孔領域43と密着面22から接続リブ36の上面まで凹んだ凹み領域44の2つの領域が現れる。孔領域43、凹み領域44は共に密着面22から凹んだ開口開き部42を形成し、共に筐体21の内部に連通している。従って、真空装置71によって筐体21の内部が真空となると、開口開き部42を構成する孔領域43、凹み領域44は共に真空状態となる。つまり、吸引開口41とは、蓋23がスライドすることによって上記の開口開き部42を形成することができるように密着面22から凹んでおり、筐体21の内部に連通している領域であり、スライド用溝22aの幅でスライド用溝22aのステージ内周側の端面22kから蓋23がスライドを完了した状態での蓋23の先端23aまでの長さの四角い領域である。従って、スライド用溝22aのステージ内周側の端面22kは吸引開口41の端面41aであり、スライド用溝22aの側面22hは吸引開口41の側面41bとなり、開口開き部42は吸引開口41の内、蓋23がスライドした領域である。そして、蓋23の先端23aがスライド用溝22aのステージ内周側の端面22kに接している場合には吸引開口41は閉じられた状態となり、蓋23の先端23aがスライド用溝22aのステージ内周側の端面22kから離れた場合には吸引開口41は開いた状態となる。
【0034】
図6に示すように、吸引開口41の両側面41bの周縁の密着面22には、それぞれ密着面22から突出する帯板状の側面突起31が設けられている。また、吸引開口41の端面41aの周縁の密着面22には、側面突起31と同じ高さの帯板状の端面突起32が設けられている。端面突起32は吸引開口41の全幅に渡って設けられ、側面突起31と端面突起32とは一体のU字型又はコの字型となっている。
【0035】
図7に示すように、4つの基本孔33a〜33dは、その中に蓋23の先端23aが接離する吸引開口41の端面41aと各側面突起31を含み、対向する二辺が各側面突起31と平行な正方形を含む矩形領域38の四隅に配置されている。この矩形領域38は、ピックアップしようとする半導体ダイ15と同一の形状であり、矩形領域38の幅と長さはそれぞれピックアップする半導体ダイの幅と長さと略同一である。従って、ステージ20の位置決めの際にピックアップする半導体ダイ15の四隅をそれぞれ基本孔33a〜33dの中心位置となるようにする事ができる。また、吸引開口41のスライド方向と直角方向の幅及び、各側面突起31の吸引開口41と反対側の面のスライド方向と直角方向の間隔は半導体ダイ15の幅よりも狭く、ステージ20の位置決めの際にピックアップする半導体ダイ15の四隅をそれぞれ基本孔33a〜33dの中心位置となるようにした場合に、半導体ダイ15の側面15bが側面突起31よりステージ20の外周側あるいは、吸引開口41と反対側に向ってはみ出す。また、端面突起32も矩形領域38の中に含まれ、基本孔33a,33bは端面突起32の吸引開口41と反対側に配置されているので、ステージ20の位置決めの際にピックアップする半導体ダイ15の四隅をそれぞれ基本孔33a〜33dの中心位置となるようにした場合に、半導体ダイ15の先端15aが端面突起32よりステージ20の外周側あるいは、吸引開口41と反対側に向ってはみ出す。
【0036】
また、図7に示すように、側面突起31のステージ外周側あるいは吸引開口41と反対側で、基本孔33bと33cとの間、及び基本孔33aと33dとの間には長円形の補助孔35が設けられている。補助孔は側面突起31のステージ外周側に隣接するように設けられている。同様に、端面突起32のステージ外周側あるいは吸引開口41と反対側で、基本孔33aと33bとの間にも長円形の補助孔35が設けられている。なお、矩形領域38の形状は必ずしも半導体ダイ15と同一形状でなくとも、ステージ20の位置決めの際にピックアップする半導体ダイ15の四隅がそれぞれ基本孔33a〜33dの領域内の入るような大きさであってもよい。また、矩形領域38は各側面突起31の少なくとも一部を含んでいればよく、側面突起31の蓋23のスライド方向の長さが長く、矩形領域38を超えて伸びているようにしてもよい。また、各基本孔33a〜33dの形状は丸孔であってもよいし他の形状の孔であってもよい。補助孔35は、それぞれ側面突起31、端面突起32のステージ外周側に隣接して設けられることとして説明したが、半導体ダイ15の側面15b及び先端15aがそれぞれ側面突起31,端面突起32からステージ外周側に向ってはみ出す領域に補助孔35の領域が重なるように配置されていればよい。
【0037】
図5に示すように、ステージ20の外周側に向かって延びるスライド用溝22aは、スライド用溝22aの底面22a´に続く傾斜面22bを備えている。スライド用溝22aの底面22a´は密着面22に略平行に、ステージ20外周の円筒面にかからない位置で、蓋23が吸引開口41を閉じた状態での蓋23の後端23cの位置よりもステージ内周側の位置にある端部22cまで伸びている。端部22cは直線状で、蓋23の後端23cは蓋23が閉じた状態でスライド用溝22aの端部22cよりも若干ステージ20外周側に突出している。傾斜面22bは、スライド用溝22aの端部22cから密着面22と反対の方向の下側に向かって傾斜している。傾斜面22bの両側にはスライド用溝22aの側面22hと同一面となっている側面22jが伸びている。側面22jと蓋23の側面23bとはスライド面を構成している。傾斜面22bとスライド用溝22aの底面22a´との交線は蓋23のスライド方向と直角方向に延びる直線状の稜線のエッジ22dを形成している。
【0038】
図4に示すように、本実施形態の半導体ダイのピックアップ装置100は、蓋23が回転自在に取り付けられたスライダ332をスライドさせるスライダ駆動機構300がステージ20の内部に設けられている。スライダ駆動機構300はステージ20の基体部24に取付けられた駆動部25によって密着面22に対して進退方向に駆動される第1リンク326と、ステージ20の筐体21に滑動自在に取付けられ、密着面22に対して進退するピストン370と、筐体21の内部に設けられ、ピストン370のフランジ371に係合してピストン370の密着面22に対する進退方向の動作を制限するストッパ321aと、第1リンク326とピストン370とを密着面22に対して進退する方向に接続するばね373と、ピストン370に取付けられ、密着面22に略平行で吸引開口41の延びる方向に延びるガイドレール331と、ガイドレール331に滑動自在に取付けられたスライダ332と、ピストン370にピン328によって回転自在に取付けられ、スライダ332と第1リンク326とを接続し、ピストン370がストッパ321aに当接すると、第1リンク326の密着面22に対する進退方向の動作をスライダ332のガイドレール331に沿った方向の動作に変換する第2リンク329と、によって構成されている。スライダ332には吸引開口41の幅方向に延びる円筒形状のピン330が取り付けられ、ピン330には、蓋23の先端23aから吸引開口41を閉じる側に張り出したアーム23fに設けられた略U字型の切り欠きが回転自在に係合している。また、筐体21は真空装置71に接続され、内部を真空にすることができるよう構成されている。
【0039】
第2リンク329は一端に設けられたピン327が第1リンク326の係合溝326aに入り、他端に設けられた係合溝329aがスライダ332のピン330aを挟み込むことによってスライダ332と第1リンク326とを接続している。駆動部25の内部には、スライダ駆動機構300を動作させるためのモータ381が取付けられており、モータ381の回転軸には第1リンク326のシャフト326bの先端に設けられたローラ326cに接するカム383が取付けられている。
【0040】
このように、スライダ駆動機構300は密着面22に向かって進退方向に動作する第1リンク326の動作をL字形の第2リンク329によってスライダ332を密着面22に平行に移動させる方向の動作に変換しているため、コンパクトな構成とすることができ、円筒形状の筐体21の内部にその機構を収納することができるようになっている。
【0041】
図4に示すように、半導体ダイのピックアップ装置100は、CPUなどを内部に含むコンピュータである制御部70を備え、駆動部25、真空装置71、コレット18及びウェーハホルダ水平方向駆動部72、ステージ上下方向駆動機構73がそれぞれ接続され、駆動部25、真空装置71、コレット18及びウェーハホルダ水平方向駆動部72、ステージ上下方向駆動機構73は制御部70から出力される指令によって駆動されるよう構成されている。なお、図4において1点鎖線は制御部70と駆動部25、真空装置71、コレット18及びウェーハホルダ水平方向駆動部72、ステージ上下方向駆動機構73を接続する信号線を示している。
【0042】
次に、図8から図16を参照しながら半導体ダイのピックアップ装置100によって、保持シート12から裏面にダイアタッチフィルム12aが取り付けられている半導体ダイ15をダイアタッチフィルム12aと一体の積層体としてピックアップする動作について説明する。なお、図9、図10、図12、図14〜図16はピックアップ動作中の状態を示す図であって各図の(a)は密着面22を実線で示し、その上に配置される半導体ダイ15を一点鎖線で示した平面図である。なお、各図の(a)ではコレット18の図示は省略している。各図の(b)は連通孔37と補助孔35を含む面のステージ20の蓋23のスライド方向の断面を示す図であり、基本孔33a〜33dを含む面の断面ではないが、基本孔33a〜33dの蓋23のスライド方向の位置は略補助孔35と同様の位置となるので、符号35にカッコ付けで符号33a,33bを示し、その機能の説明ができるようにしている。各図の(c)は吸引開口41の略中央付近で補助孔35を含む蓋23の幅方向面の断面を示もので基本孔33a〜33dを含む面の断面ではないが、各図の(b)と同様、基本孔33a〜33dの蓋23の幅方向の位置は略補助孔35と同様の位置となるので、符号35にカッコ付けで符号33a,33bを示し、その機能の説明ができるようにしている。
【0043】
図8、図9に示すように、図4に示す制御部70は蓋23が閉じた状態でステージ20と半導体ダイ15との位置合わせ工程を開始する。蓋23は吸引開口41を閉じる位置にあるので、蓋23の先端23aは吸引開口41の端面41aに接した位置となっており、蓋23の後端23cの下面は接続リブ36の表面とスライド用溝22aの表面に載って、接続リブ36とスライド用溝22aによって支持されている。また、蓋23の表面と密着面22とは略同一面となっている。制御部70は、図4に示したウェーハホルダ水平方向駆動部72によってウェーハホルダ10をステージ20の待機位置の上まで水平方向に移動させる。そして、制御部70は、ウェーハホルダ10がステージ20の待機位置の上の所定の位置まで移動したら、ウェーハホルダ10の水平方向の移動を一旦停止し、ステージ上下方向駆動機構73によってステージ20の密着面22が保持シート12の下面に密着するまでステージ20を上昇させる。ステージ20の密着面22が保持シート12の下面に密着したら、制御部70はステージ20の上昇を停止する。そして、制御部70は、再度ウェーハホルダ水平方向駆動部72によって、図9(a)に示すようにピックアップしようとする半導体ダイ15の四隅が各基本孔33a〜33dの中心位置となるようにステージ20の水平方向の位置を調整する。そして、ステージ20の保持シート12の下面への進出と、ステージ20とピックアップしようとする半導体ダイ15との位置合わせとが終わると、制御部70は位置合わせ工程を終了する。
【0044】
位置合わせ工程が終了した状態では、ステージ20の外周側の保持シート12はステージ20の密着面22に密着しているが、図9(b)、図9(c)に示すように側面突起31,端面突起32の周辺では保持シート12が側面突起31,端面突起32の上端面に接している。側面突起31,端面突起32の高さは0.3mm程度とステージ20の外径寸法に比較すると非常に小さいものであり、保持シート12はウェーハホルダ10のエキスパンドリング16によって引っ張り力を受けているので、図9(b)、図9(c)に示すように、保持シート12は、側面突起31,端面突起32の周辺では密着面22と略平行で、密着面22から側面突起31,端面突起32の高さ分だけ上方に離れた位置となる。このため、保持シート12と密着面22との間には側面突起31,端面突起32の高さ分だけの隙間ができている。また、密着面22と同一面となっている蓋23の表面と保持シートとの間にも側面突起31,端面突起32の高さ分だけの隙間ができている。
【0045】
また、図9(a)、図9(b)に示すように、位置合わせ工程が終了した状態では、ピックアップしようとする半導体ダイ15の先端15aは、端面突起32からステージ外周側に向ってあるいは端面突起32の吸引開口41と反対側に向ってはみ出した状態となっている。また、図9(a)、図9(c)に示すように、ピックアップしようとする半導体ダイ15の両側面15bも各側面突起31からステージ外周側に向ってあるいは側面突起31の吸引開口41と反対側に向ってはみ出した状態となっている。
【0046】
制御部70は、位置合わせ工程が終了したら、図10から図16に示すように保持シート引き剥がし工程を開始する。図4に示す制御部70は図4に示す真空装置71によってステージ20の筐体21の内部を真空とする。筐体21の内部の圧力を真空にすると、図10(a)に示す筐体21の内部と連通している4つの基本孔33a〜33d、補助孔35、連通孔37の内部が真空となる。すると、図10(b)、図10(c)に示すように、図9(b)に示した端面突起32のステージ外周側あるいは吸引開口41と反対側の密着面22と保持シート12との間の隙間にある空気及び図9(c)に示した側面突起31のステージ外周側あるいは吸引開口41と反対側の密着面22と保持シート12との間の隙間にある空気は、図10(b)、図10(c)に示す矢印aに示すように基本孔33a〜33d、補助孔35を通して筐体21の内部に吸引される。また、蓋23の先端23aと吸引開口41の端面41aとの間及び蓋23の側面23bと吸引開口41の側面41bとの間には隙間があるため、側面突起31,端面突起32によって囲まれる領域の蓋23の上面と保持シート12との間の空気は、図10(b)、図10(c)に示す矢印bに示すように各隙間から連通孔37の中に吸引される。すると、図10(b)に示すように、端面突起32からステージ外周側あるいは吸引開口41と反対側の保持シート12は基本孔33a,33b、補助孔35によって密着面22に吸着され、端面突起32のステージ内周側あるいは吸引開口41側あるいは蓋23側の保持シート12は蓋23の上面に吸着される。これにより、図10(b)に示すように保持シート12は端面突起32の上端面をピークとして蓋23のスライド方向である図10(b)の左右方向にステージ外周側とステージ内周側に向って傾斜する山形形状に変形する。また、図10(c)に示すように、側面突起31からステージ外周側あるいは吸引開口41と反対側の保持シート12は基本孔33a〜33d、補助孔35によって密着面22に吸着され、側面突起31のステージ内周側あるいは吸引開口41側あるいは蓋23側の保持シート12は蓋23の上面に吸着される。すると、図10(c)に示すように、保持シート12は各側面突起31の上端面をピークとして蓋23の幅方向にステージ外周側とステージ内周側に向って傾斜する山形形状に変形する。
【0047】
保持シート12に貼り付けられているダイアタッチフィルム12aと半導体ダイ15の積層体は保持シート12と同様の山形形状に追随して変形しようとするが、端面突起32近傍での保持シート12の曲率が大きいため、剛性の低い薄いダイアタッチフィルム12aと半導体ダイ15との積層体であってもその曲率に追随できず、図10(b)に示すように、端面突起32のステージ外周側にはみ出した半導体ダイ15の先端15a側のダイアタッチフィルム12aと保持シート12との間が剥がれ、その間に図10(b)の矢印cで示すように空気が入り込んでくる。図10(b)に示すように、半導体ダイ15の先端15a側のダイアタッチフィルム12aは、先端15aから端面突起32の上端面の上部の剥離線53の位置まで半導体ダイ15と一体となって保持シート12から剥がれてくる。また、同様に、保持シート12に貼り付けられている半導体ダイ15とダイアタッチフィルム12aとは側面突起31近傍での保持シート12の大きな曲率に追随できず、図10(c)に示すように、側面突起31のステージ外周側にはみ出した半導体ダイ15の側面15b側のダイアタッチフィルム12aと保持シート12との間が剥がれ、その間に図10(c)の矢印cで示すように空気が入り込んでくる。図10(c)に示すように、半導体ダイ15の両側面15b側のダイアタッチフィルム12aは、両側面15bから側面突起31の上端面の上部の剥離線53の位置まで半導体ダイ15と一体となって保持シート12から剥がれてくる。また、半導体ダイ15の後端15c側には密着面22から突出する突起が設けられていないが、半導体ダイ15の後端15c側の角部近傍の保持シート12は、その直下に設けられている基本孔33c,33dと側面突起31とにより上記と同様、ダイアタッチフィルム12aから剥がれる。
【0048】
このように、筐体21の内部を真空にすると半導体ダイ15の先端15aと両側面15bの端面突起32,側面突起31からステージ外周側に突出した部分のダイアタッチフィルム12aと保持シート12との間が剥がれる。この際、基本孔33a〜33dは半導体ダイ15の四隅となるように半導体ダイ15とステージ20との位置が調整されているので、半導体ダイ15の四隅では確実にダイアタッチフィルム12aと保持シート12との間が剥がれる。つまり、筐体21の内部を真空にすることによって、半導体ダイ15の4隅及び先端15a、両側面15bの3辺でダイアタッチフィルム12aと保持シート12との間が剥がれ、図10(a)に示すように略U字型又はコの字型の剥離線53が形成される。なお、図10(a)では剥離線53を3つの直線で表したが、これは模式的に剥離線を示したもので、直線でない場合もある。
【0049】
次に、図4に示す制御部は、蓋23の上面を密着面22から進出させる進出動作を開始する。図11に示すように、図4に示す制御部70の指令によってスライダ駆動機構300の駆動部25のモータ381が回転すると、モータ381の軸に取付けられているカム383が回転する。カム383は楕円形状で、カム面が第1リンク326のシャフト326bの先端に取付けられたローラ326cに接しており、図11の矢印の方向に回転するとカム383のカム面はローラ326cを密着面22の方向に向かって押し上げる。この動作によってシャフト326bが上昇し、第1リンク326全体が密着面22に向かって上昇する。第1リンク326全体が上昇すると、密着面22の側にばね373によって接続されているピストン370は第1リンク326によって押し上げられて、ピストン370の全体が密着面22に向かって上昇する。ピストン370の全体が密着面22に向かって上昇すると、密着面22の側に取付けられているガイドレール331もピストン370ともに密着面22に向かって上昇する。ガイドレール331が上昇すると、ガイドレール331の上面に沿ってスライドするよう取付けられているスライダ332も密着面22に向かって上昇する。そして、スライダ332にアーム23fを介して回転自在に係合されている蓋23の先端23aは、スライダ332の上昇と共に密着面22から上方に向かって進出する。
【0050】
蓋23の先端23aが密着面22から上方に向かって進出すると蓋23の先端23aは、保持シート12と半導体ダイ15の先端15a近傍を押し上げる。すると、先端23aは保持シート12から下向きの力を受けるので、蓋23はピン330を中心に時計方向に回転する。蓋23が回転すると図30に示すように、蓋23の保持シート12を押し上げる面と反対側の面である下面23gは、スライド用溝22aと傾斜面22bとの間のエッジ22dで支持され、蓋23の先端23aが上昇すると蓋23は先端23a側から後端23c側に向かって下向きに傾斜する。この傾斜角度は蓋23がスライドするにつれて大きくなっていく。蓋23が全開した際の蓋23の傾斜角度は密着面22に対して角度αとなる。一方、傾斜面22bは密着面22に対して角度αよりも大きい角度βだけ傾斜している。このため、蓋23の下面23gは常にエッジ22dと線接触してこの間から空気が筐体21の内部に侵入することを抑制する。従って、半導体ダイ15のピックアップ動作の間筐体21の内部の真空度が低下することが抑制され、効果的に保持シート12の引き剥がしを行うことができる。また、図30に示すように、蓋23の後端23cは蓋23のスライドに伴って密着面22よりも下方向に向かって移動するので、蓋23の後端23cが隣接する半導体ダイ15に接触しない。このため、蓋23のスライド側に隣接する半導体ダイ15があってもスムーズに蓋23のスライド及び半導体ダイ15のピックアップ動作を行うことが出来る。
【0051】
そして、制御部70の指令によって更にスライダ駆動機構300のモータ381が回転し、モータ381と共に回転するカム383によって更に第1リンク326とピストン370とが密着面22の方向に向かって上昇すると、ピストン370の外面に張り出したフランジ371の端面が筐体21に設けられたストッパ321aにぶつかる。するとピストン370はストッパ321aによって密着面22に対してそれ以上進出できなくなり蓋23の先端23aの密着面22からの進出が所定の位置で停止し、蓋23の密着面22からの進出動作は終了する。スライダ駆動機構300のばね373は蓋23の先端23aを密着面22から押し上げる程度ではほとんど撓まない程度のこわさを持っているので、蓋23の先端23aが密着面22から所定の進出高さまで押し上げられてもピストン370と第1リンク326との間の距離はほとんど変化しない。このため、第1リンク326の上昇によって蓋23は密着面22から突出するのみで、進出動作の間、蓋23はスライドしない。
【0052】
図12(b)に示すように、進出動作が終了すると蓋23の先端23aは、端面突起32の上端面よりも高さhだけ高い位置まで上昇する。この高さhは端面突起32,側面突起31の高さと同様、0.3mm程度でもよい。これによって、図10を参照して説明した剥離線53は、端面突起32の上端面の領域から、蓋23の先端23aの位置まで蓋23の開く方向に移動する。また、図12(c)に示すように、蓋23の開く方向の中央付近でも蓋23の上面は端面突起32の上端面よりも高い位置まで上昇する。ただし、蓋23の上面が傾斜している分だけ蓋23の上面の高さは蓋23の先端23aよりも低くなっている。図12(a)、図12(c)に示すように、半導体ダイ15の側面15bにおいても先端15aと同様に、剥離線53は側面突起31の上端面の領域から、蓋23の上面の領域あるいはステージ20の内周側の領域に移動する。このように、蓋23を密着面22から図12(c)に示す矢印dのように上方に向って進出させると、剥離線53は半導体ダイ15の中心に向ってその周長が短くなり、ダイアタッチフィルム12aと保持シート12との剥離領域が拡大する。
【0053】
以上の説明では、蓋23の先端23aを端面突起32の上端面より高い位置まで上昇することとして説明したが、保持シート12の粘着性等によっては蓋23の先端23aを端面突起32,側面突起31の上端面と同一面まで上昇させるようにしてもよい。この場合、高さhはゼロとなる。
【0054】
図13に示すように、図4に示す制御部70は、蓋23を第1の位置まで開く第1のスライド動作を開始する。図13に示すように、制御部70の指令によって更にスライダ駆動機構300のカム383が回転し、第1リンク326が密着面22に向かって押し上げられると、密着面22に向かって移動できないピストン370と第1リンク326との間のばね373がモータ381とカム383によって密着面22に対して進退する方向に圧縮され始める。ばね373が圧縮されると、ピストン370は密着面22に対して進出せず、第1リンク326だけが密着面22に対して進出することとなる。このため、ピストン370のピン328は密着面22に対して上昇せず、第1リンク326の係合溝326aに入っている第2リンク329のピン327だけが密着面22の方向に上昇する。すると第2リンク329はピン328を中心に回転を始める。この回転動作によって第2リンク329の他端の係合溝329aがステージ20の外周側に向かって移動し、係合溝329aに入っているピン330aが固定されているスライダ332とスライダ332のピン330にアーム23fを介して回転自在に係合されている蓋23がステージ20の外周側に向かってスライドを始める。制御部70は蓋23の先端23aがピックアップする半導体ダイ15の先端15aと後端15cとの間のスライド方向の長さの1/3から1/2の長さだけ吸引開口41の端面41aから離れる第1位置までスライドしたら、蓋23は第1の位置まで開いたとしてモータ381の回転を停止して蓋23のスライドを一旦停止する。
【0055】
図14(a)、図14(b)に示すように、蓋23が矢印eの様に第1の位置までスライドすると、蓋23の先端23aが吸引開口41の端面41aから離れ、吸引開口41が開いて開口開き部42が現れる。ステージ20の筐体21の内部は真空装置71によって真空状態となっていることから、保持シート12の下面の空気は、図14(b)に示す矢印bのように連通孔37に吸引され、開口開き部42はその中に保持シート12を吸引する。そして、蓋23のスライドに伴って開口開き部42の中に保持シート12が引き込まれてダイアタッチフィルム12aから保持シート12が順次引き剥がされる。開口開き部42に引き込まれた保持シート12は、図14(b)に示すように接続リブ36の上面近傍に張り付く。ダイアタッチフィルム12aから保持シート12が引き剥がされると、その間には、外部から図14(b)の矢印cに示すように空気が入り込む。半導体ダイ15はダイアタッチフィルム12aと一体の積層体となっており、半導体ダイ15とダイアタッチフィルム12aとの間は剥がれない。半導体ダイ15の先端15a側の剥離線53は蓋23がスライドするに従って蓋23のスライドする方向に向かって移動していく。そして、蓋23が第1の位置まで移動すると、図14(a)、図14(b)に示すように、半導体ダイ15の先端15a側の剥離線53は第1の位置にある蓋23の先端23aの近傍に移動している。
【0056】
蓋23は先端23aから後端23cに向って下向きに傾斜しているので、蓋23が図14(b)に示す矢印eのようにスライドすると、図14(c)に示すように、蓋23の上面の位置は少しずつ上昇し、それに伴って半導体ダイ15の両側面15b近傍の剥離線53は少しずつ半導体ダイ15の中心に向って移動する。
【0057】
このように、蓋23が第1の位置までスライドすると、保持シート12はピックアップする半導体ダイ15の先端15aからその半導体ダイ15の長さの1/3から1/2だけダイアタッチフィルム12aから引き剥がされ、側面15bの引き剥がし領域は図12を参照して説明した蓋23の進出動作が終了した際よりも少し広くなっている。
【0058】
図15(b)、図15(c)に示すように、図4に示す制御部70は、図4に示す真空装置71によってコレット18の吸着孔19を真空とした状態で、コレット18をピックアップしようとする半導体ダイ15の上に降下させ、コレット18に半導体ダイ15を吸着させる。ダイアタッチフィルム12aと保持シート12とは全体の1/3あるいは1/2程度しか剥がれていないので、コレット18は半導体ダイ15を吸着すると同時にダイアタッチフィルム12aと半導体ダイ15の積層体全体を保持シート12から引き剥がしてダイアタッチフィルム12aと半導体ダイ15の積層体をピックアップすることはできない。従って、コレット18によって半導体ダイ15が吸着された場合、ダイアタッチフィルム12aと半導体ダイ15の積層体の一部はコレット18のみに吸着され、一部はコレット18と保持シート12の両方に密着している。また、図15(b)に示すように半導体ダイ15の上面の後端15c側の一部はコレット18との間にわずかな隙間を持ち、コレット18に吸着されていない状態となる。
【0059】
制御部70は、再びモータ381を回転させて、図16(b)の矢印eに示すように蓋23を第1の位置から更に開く方向にスライドさせていく。図16(b)、図16(c)に示すように、蓋23が開くにつれて、保持シート12の下面の空気は、図16(b)、図16(c)に示す矢印bのように連通孔37に吸引され、開口開き部42の中に保持シート12が引き込まれてダイアタッチフィルム12aから保持シート12が順次引き剥がされる。開口開き部42に引き込まれた保持シート12は、図16(b)、図16(c)に示すように接続リブ36の上面近傍に張り付く。そして、ダイアタッチフィルム12aから保持シート12が順次引き剥がされるに従って、半導体ダイ15の上面は順次コレット18に吸着されていく。そして、図16(b)、図16(c)に示すように、蓋23か全開位置までスライドすると、ダイアタッチフィルム12aから保持シート12がすべて引き剥がされ、ダイアタッチフィルム12aと半導体ダイ15の積層体はコレット18のみに吸着される。そして、開口開き部42に引き込まれた保持シート12は、図16(a)、図16(b)に示すように接続リブ36の上面近傍及びスライド用溝22aの底面22a´に張り付く。また、蓋23が全開すると、開口開き部42は吸引開口41と同一の大きさとなる。制御部70は、蓋23を全開させると、コレット18を上昇させ、ダイアタッチフィルム12aと半導体ダイ15の積層体を一体としてピックアップする。
【0060】
以上説明したように、本実施形態の半導体ダイのピックアップ装置100は、ステージ20の筐体21の内部を真空にして保持シート12を密着面22に真空吸着すると、保持シート12が側面突起31,端面突起32の各上端面をピークとしてステージ外周側とステージ内周側に向って傾斜する曲率の大きな山形形状に変形するので、剛性の低い薄いダイアタッチフィルム12aと半導体ダイ15との積層体であってもその曲率に追随できず、側面突起31,端面突起32のステージ外周側にそれぞれはみ出した部分のダイアタッチフィルム12aと半導体ダイ15との積層体のダイアタッチフィルム12aと保持シート12との間が剥がれる。そして、蓋23を密着面22から進出させると共に吸引開口41を開くようにスライドさせ、この最初に剥がれた部分を起点にしてダイアタッチフィルム12aと保持シート12とを引き剥がしていくので、従来よりも非常に薄い、例えば15μmよりも薄い半導体ダイ15であっても容易に保持シート12から引き剥がすことができる。また、本実施形態では、蓋23を一部開くまでコレット18によって半導体ダイ15を保持することが必要ないので、その間、コレット18によって他の半導体ダイ15のボンディング等の他の動作を行うことができ、半導体ダイ15のダイボンディングの時間を短縮することができる。
【0061】
また、本実施形態では、スライド用溝22aのステージ外周側に設けられた傾斜面22bの傾斜角度は、蓋23が全開した際の蓋23の傾斜角度αよりも大きい角度βとなっているので、蓋23の下面23gは常にエッジ22dと線接触してこの間から空気が筐体21の内部に侵入することが抑制され、効果的に保持シート12の引き剥がしを行うことができる。更に、本実施形態では、蓋23の後端23cは蓋23のスライドに伴って密着面22よりも下方向に向かって移動するので、蓋23の後端23cが隣接する半導体ダイ15に接触せず、蓋23のスライド側に隣接する半導体ダイ15があってもスムーズに蓋23のスライド及び半導体ダイ15のピックアップ動作を行うことが出来る。
【0062】
以上の説明では、コレット18を半導体ダイ15の上面に降下させても、半導体ダイ15を吸着すると同時にダイアタッチフィルム12aと半導体ダイ15の積層体全体を保持シート12から引き剥がしてダイアタッチフィルム12aと半導体ダイ15の積層体をピックアップすることはできないこととして説明したが、保持シート12の粘着力が弱い場合には、図17に示すように、コレット18を半導体ダイ15の上面に降下させた際に、半導体ダイ15を吸着すると同時にダイアタッチフィルム12aと半導体ダイ15の積層体全体を保持シート12から引き剥がしてピックアップすることができる。この場合、蓋23を全開させる前にダイアタッチフィルム12aと半導体ダイ15の積層体をピックアップすることができるので、更に短時間で半導体ダイ15のビックアップを行うことができる。また、以上説明した実施形態では、ダイアタッチフィルム12aと半導体ダイ15の積層体をピックアップすることとして説明したが、ダイアタッチフィルム12aがなく、半導体ダイ15に直接保持シート12が貼り付けられている場合でも本実施形態と同様に半導体ダイ15をピックアップすることができる。
【0063】
図18から図20を参照しながら、本発明の他の実施形態について説明する。図1から図16を参照して説明した実施形態と同様の部分には同様の符号を付して説明は省略する。本実施形態は、ステージ20の筐体21の内部を真空にした後、吸引孔19を真空にした状態のコレット18を半導体ダイ15の上に降下させ、コレット18によって半導体ダイ15を保持しながら順次保持シートを引き剥がしていくものである。
【0064】
図10を参照して説明したように、ステージ20と半導体ダイ15との位置合わせの後、ステージ20の筐体21の内部を真空にして、端面突起32、側面突起31のステージ外周側にはみ出しているダイアタッチフィルム12aと半導体ダイ15の積層体の部分の保持シート12をダイアタッチフィルム12aから引き剥がした後、制御部70は、図18(b)、図18(c)に示すように、吸着孔19を真空状態にしたコレット18を半導体ダイ15の上面に降下させる。コレット18は図示しないボイスコイルモータによって上下方向に駆動され、制御部70は位置の指令信号と実際のコレット18の位置の差が所定の閾値以上になった際にコレット18の下面が半導体ダイ15の上面に接したと判断し、コレット18の降下を停止させる。コレット18の降下が停止した状態では、図18(b)に示すように半導体ダイ15の先端15a側はコレット18と端面突起32の上端面との間に保持シート12、ダイアタッチフィルム12aと共に挟み込まれ、図18(c)に示すように半導体ダイ15の側面15b側はコレット18と側面突起31の上端面との間に保持シート12、ダイアタッチフィルム12aと共に挟み込まれるようになり、ダイアタッチフィルム12aと半導体ダイ15の積層体はコレット18によって保持される。コレット18の下面と蓋23の上面領域にある半導体ダイ15との間には隙間があり、この部分の半導体ダイ15はコレット18の下面に吸着されていない。
【0065】
この状態で、図19(b)に示すように、制御部70は蓋23の進出動作を行う。先に説明した実施形態と同様、蓋23は先端23aが端面突起32,側面突起31の上端面から高さhだけ高くなる位置まで上昇される。この際、コレット18は蓋23の先端23aの上昇に同期してその下面を高さhだけ上昇させてダイアタッチフィルム12aと半導体ダイ15の積層体の保持状態を維持する。蓋23の先端23aが上昇すると、図19(a)、図19(b)、図19(c)に示すように、剥離線53は少し半導体ダイ15の中心方向に移動し、コレット18に吸着されている半導体ダイ15の領域が少し拡大する。
【0066】
次に、制御部70は図20(b)に示すように、蓋23のスライド動作を開始する。図20(b)に示すように蓋23をスライドすると蓋23の先端23aが吸引開口41の端面41aから離れ、真空状態の開口開き部42が現れる。そして、蓋23をスライドさせるに従って保持シート12は開口開き部42の中に吸引されダイアタッチフィルム12aから順次引き剥がされていく。保持シート12の下面の空気は、図20(b)に示す矢印bのように連通孔37に吸引され、開口開き部42の中に保持シート12が引き込まれてダイアタッチフィルム12aから保持シート12が順次引き剥がされる。開口開き部42に引き込まれた保持シート12は、図20(b)に示すように接続リブ36の上面近傍に張り付く。また、保持シート12が引き剥がされるに従って、ダイアタッチフィルム12aと半導体ダイ15の積層体は一体となってコレット18に順次吸着されていく。そして、図20(a)、図20(b)、図20(c)に示すように、剥離線53はしだいに蓋23のスライド方向に移動していく。そして更に蓋23がスライドして蓋23が全開となると、先の実施形態で説明した図16と同様の状態となり、コレット18によってダイアタッチフィルム12aと半導体ダイ15の積層体を一体としてピックアップする。
【0067】
以上説明した実施形態は、図1から図16を参照して説明した実施形態と同様、従来よりも非常に薄い、例えば15μmよりも薄い半導体ダイ15であっても容易に保持シート12から引き剥がすことができるという効果を奏する。また、本実施形態は、先に説明した実施形態のようにコレット18を降下させるために、蓋23をスライドさせる途中でスライド動作を一度停止させる必要が無いのでスライド動作を単純化することができる。
【0068】
図21,図22を参照しながら、本発明の他の実施形態について説明する。図21、図22は、端面突起32の異なる配置、構成を示したものである。図1から図16を参照して説明した実施形態では、端面突起32と側面突起31とは一体のU字型であることとして説明したが、図21に示すように、端面突起32aを側面突起31と独立した帯板によって構成し、側面突起31と端面突起32との間には隙間を設けるようにしてもよい。また、図22に示すように、複数の円柱形の棒状突起32bを吸引開口41の端面41aに沿って一列に並べて配置して端面突起としてもよい。側面突起についても同様に円筒状の突起を並べたものとしてもよい。更に、図1から図16を参照して説明した実施形態では、基本孔33a〜33dの他に補助孔35を配置することとして説明したが、図21,図22に示すように、補助孔35をなくし、基本孔33a〜33dのみを配置するようにしてもよい。
【0069】
図23から図29を参照して本発明の他の実施形態について説明する。図1から図16を参照して説明した実施形態と同様の部分には同様の符号を付して説明は省略する。図23に示すように、本実施形態は、図1から図16を参照して説明した実施形態の端面突起32を省略して側面突起31のみとし、端面突起32に隣接して設けられていた補助孔35をなくしたものである。その他の点は、図1から図16を参照して説明した実施形態と同一である。
【0070】
先に説明した実施形態と同様、図4に示す制御部70は蓋23が閉じた状態でステージ20と半導体ダイ15との位置合わせ工程を行う。位置合わせ工程が終了した状態では、図24(b)、図24(c)に示すように、側面突起31の周辺では保持シート12が側面突起31の上端面に接している。側面突起31の高さは0.3mm程度とステージ20の外径寸法に比較すると非常に小さいものであり、保持シート12はウェーハホルダ10のエキスパンドリング16によって引っ張り力を受けているので、図24(b)、図24(c)に示すように、保持シート12は、側面突起31の周辺では密着面22と略平行で、密着面22から側面突起31の高さ分だけ上方に離れた位置となる。このため、保持シート12と密着面22との間には側面突起31の高さ分だけの隙間ができている。また、密着面22と同一面となっている蓋23の表面と保持シートとの間にも側面突起31の高さ分だけの隙間ができている。
【0071】
また、図24(a)、図24(b)に示すように、位置合わせ工程が終了した状態では、ピックアップしようとする半導体ダイ15の先端15aは、吸引開口41の端面41aからステージ外周側に向ってあるいは吸引開口41と反対側に向ってはみ出した状態である。また、図24(a)、図24(c)に示すように、ピックアップしようとする半導体ダイ15の両側面15bは各側面突起31からステージ外周側に向ってあるいは側面突起31の吸引開口41と反対側に向ってはみ出した状態となっている。
【0072】
制御部70は、位置合わせ工程が終了したら、図25から図29に示すように保持シート引き剥がし工程を開始する。図4に示す制御部70は図4に示す真空装置71によってステージ20の筐体21の内部を真空とする。筐体21の内部の圧力を真空にすると、図25(a)に示す筐体21の内部と連通している4つの基本孔33a〜33d、補助孔35、連通孔37の内部が真空となる。すると、図25(c)に示すように、図24(c)に示した側面突起31のステージ外周側あるいは吸引開口41と反対側の密着面22と保持シート12との間の隙間にある空気は、図25(c)に示す矢印aに示すように基本孔33a〜33d、補助孔35を通して筐体21の内部に吸引される。また、蓋23の先端23aと吸引開口41の端面41aとの間及び蓋23の側面23bと吸引開口41の側面41bとの間には隙間があるため、蓋23の上面と保持シート12との間の空気は、図25(c)に示す矢印bに示すように各隙間から連通孔37の中に吸引される。すると、図25(c)に示すように、側面突起31からステージ外周側あるいは吸引開口41と反対側の保持シート12は基本孔33a〜33d、補助孔35によって密着面22に吸着され、側面突起31のステージ内周側あるいは吸引開口41側あるいは蓋23側の保持シート12は蓋23の上面に吸着される。すると、図25(c)に示すように、保持シート12は各側面突起31の上端面をピークとして蓋23の幅方向にステージ外周側とステージ内周側に向って傾斜する山形形状に変形する。この際、蓋23の中央部では図25(b)に示すように、保持シート12は蓋23の上面及び蓋23の上面と同一面となっている密着面22に平面状に吸着される。
【0073】
保持シート12に貼り付けられているダイアタッチフィルム12aと半導体ダイ15の積層体は保持シート12と同様の山形形状に追随して変形しようとするが、側面突起31近傍での保持シート12の曲率が大きいため、剛性の低い薄いダイアタッチフィルム12aと半導体ダイ15との積層体であってもその曲率に追随できず、図25(c)に示すように、側面突起31のステージ外周側にはみ出した半導体ダイ15の両側面15b側のダイアタッチフィルム12aと保持シート12との間が剥がれ、その間に図25(c)の矢印cで示すように空気が入り込んでくる。図25(c)に示すように、半導体ダイ15の側面15b側のダイアタッチフィルム12aは、両側面15bから側面突起31の上端面の上部の剥離線53の位置まで半導体ダイ15と一体となって保持シート12から剥がれてくる。本実施形態では先に説明した実施形態のように端面突起32を有しないが、半導体ダイ15の先端15a側の角部近傍の保持シート12は、その直下に設けられている基本孔33a,33bと側面突起31とにより上記と同様、ダイアタッチフィルム12aから剥がれる。また、半導体ダイ15の後端15c側には密着面22から突出する突起が設けられていないが、半導体ダイ15の後端15c側の角部近傍の保持シート12は、その直下に設けられている基本孔33c,33dと側面突起31とにより上記と同様、ダイアタッチフィルム12aから剥がれる。
【0074】
このように、筐体21の内部を真空にすると半導体ダイ15の両側面15bの側面突起31からステージ外周側に突出した部分のダイアタッチフィルム12aと保持シート12との間が剥がれる。この際、基本孔33a〜33dは半導体ダイ15の四隅となるように半導体ダイ15とステージ20との位置が調整されているので、半導体ダイ15の四隅では確実にダイアタッチフィルム12aと保持シート12との間が剥がれる。つまり、筐体21の内部を真空にすることによって、半導体ダイ15の4隅及び両側面15bでダイアタッチフィルム12aと保持シート12との間が剥がれ、剥離線53が形成される。なお、図25(a)では剥離線53を2つの直線で表したが、これは模式的に剥離線を示したもので、直線でない場合もある。
【0075】
先に説明した実施形態と同様、制御部70は、蓋23の進出動作を行う。進出動作が終了すると、図26(b)に示すように、蓋23の先端23aは、側面突起31の上端面よりも高さhだけ高い位置まで上昇する。この高さhは側面突起31の高さと同様、0.3mm程度でもよい。蓋23の先端23aが密着面22から上昇すると、蓋23は保持シート12を所定の高さまで上昇させる。図26(b)に示すように、蓋23の先端23aに隣接する密着面22の保持シート12は密着面22に密着しているので、蓋23の先端23aが上昇すると保持シート12が下方向に引っ張られ、ダイアタッチフィルム12aから剥がれていく。剥がれたダイアタッチフィルム12aと保持シート12との間には図26(b)に示す矢印bのように空気が入り込んでくる。そして、蓋23の先端23aが所定の高さまで進出すると、蓋23の先端23aの近傍に剥離線53が形成される。また、図26(c)に示すように、蓋23の開く方向の中央付近でも蓋23の上面は端面突起32の上端面よりも高い位置まで上昇する。ただし、蓋23の上面が傾斜している分だけ蓋23の上面の高さは蓋23の先端23aよりも低くなっている。図26(c)に示すように、半導体ダイ15の側面15bにおいて、剥離線53は側面突起31の上端面の領域から、蓋23の上面の領域あるいはステージ20の内周側の領域に移動する。このように、蓋23を密着面22から図26(b)に示す矢印dのように上方に向って進出させると、剥離線53は半導体ダイ15の中心に向って移動し、ダイアタッチフィルム12aと保持シート12との剥離領域が拡大する。
【0076】
以上の説明では、蓋23の先端23aを端面突起32の上端面より高い位置まで上昇することとして説明したが、保持シート12の粘着性等によっては蓋23の先端23aを端面突起32,側面突起31の上端面と同一面まで上昇させるようにしてもよい。この場合、高さhはゼロとなる。
【0077】
図27に示すように、制御部70は、蓋23を第1の位置まで開く第1のスライド動作を行う。図27(a)、図27(b)に示すように、蓋23が矢印eの様に第1の位置までスライドすると、蓋23の先端23aが吸引開口41の端面41aから離れ、吸引開口41が開いて開き部42が現れる。ステージ20の筐体21の内部は真空装置71によって真空状態となっていることから、保持シート12の下面の空気は、図27(b)に示す矢印bのように連通孔37に吸引され、開口開き部42はその中に保持シート12を吸引する。そして、蓋23のスライドに伴って開口開き部42の中に保持シート12が引き込まれてダイアタッチフィルム12aから保持シート12が順次引き剥がされる。開口開き部42に引き込まれた保持シート12は、図27(b)に示すように接続リブ36の上面近傍に張り付く。ダイアタッチフィルム12aから保持シート12が引き剥がされると、その間には、外部から図27(b)の矢印cに示すように空気が入り込む。半導体ダイ15はダイアタッチフィルム12aと一体の積層体となっており、半導体ダイ15とダイアタッチフィルム12aとの間は剥がれない。半導体ダイ15の先端15a側の剥離線53は蓋23がスライドするに従って蓋23のスライドする方向に向かって移動していく。そして、蓋23が第1の位置まで移動すると、図27(a)、図27(b)に示すように、半導体ダイ15の先端15a側の剥離線53は第1の位置にある蓋23の先端23aの近傍に移動している。
【0078】
本実施形態では先に説明した実施形態のように端面突起32を有しないが、先に説明したように、ステージ20の筐体21の内部を真空にした際に半導体ダイ15の先端15a側の角部近傍の保持シート12がダイアタッチフィルム12aから剥がれているので、蓋23の先端23aを上昇させた際の半導体ダイ15の先端15a近傍のダイアタッチフィルム12aの剥がれる領域が小さい場合でも、半導体ダイ15の先端15aの角部を剥がしの起点として蓋23のスライドに従って先端15a側全長にわたって保持シート12が引き剥がされ、その剥離線53は蓋23のスライドと共に移動していく。
【0079】
また、蓋23は先端23aから後端23cに向って下向きに傾斜しているので、蓋23が図27(b)に示す矢印eのようにスライドすると、図27(c)に示すように、蓋23の上面の位置は少しずつ上昇し、それに伴って半導体ダイ15の両側面15b近傍の剥離線53は少しずつ半導体ダイ15の中心に向って移動する。
【0080】
このように、蓋23が第1の位置までスライドすると、保持シート12はピックアップする半導体ダイ15の先端15aからその半導体ダイ15の長さの1/3から1/2だけダイアタッチフィルム12aから引き剥がされ、側面15bの引き剥がし領域は図26を参照して説明した蓋23の進出動作が終了した際よりも少し広くなっている。
【0081】
先に説明した実施形態同様、図28に示すように、制御部70は、図4に示す真空装置71によってコレット18の吸着孔19を真空とした状態で、コレット18をピックアップしようとする半導体ダイ15の上に降下させ、コレット18に半導体ダイ15を吸着させる。
【0082】
そして、先に説明した実施形態と同様、制御部70は、図29に示すように、蓋23を第1の位置から更に開く方向にスライドさせていく。図29(b)、図29(c)に示すように、蓋23が開くにつれて、保持シート12の下面の空気は、図29(b)、図29(c)に示す矢印bのように連通孔37に吸引され、開口開き部42の中に保持シート12が引き込まれてダイアタッチフィルム12aから保持シート12が順次引き剥がされる。開口開き部42に引き込まれた保持シート12は、図29(b)、図29(c)に示すように接続リブ36の上面近傍に張り付く。そして、ダイアタッチフィルム12aから保持シート12が順次引き剥がされるに従って、半導体ダイ15の上面は順次コレット18に吸着されていく。そして、図29(b)、図29(c)に示すように、蓋23が全開位置までスライドすると、ダイアタッチフィルム12aから保持シート12がすべて引き剥がされ、ダイアタッチフィルム12aと半導体ダイ15の積層体はコレット18のみに吸着される。そして、開口開き部42に引き込まれた保持シート12は、図29(a)、図29(b)に示すように接続リブ36の上面近傍及びスライド用溝22aの底面22a´に張り付く。また、蓋23が全開すると、開口開き部42は吸引開口41と同一の大きさとなる。制御部70は、蓋23を全開させると、コレット18を上昇させ、ダイアタッチフィルム12aと半導体ダイ15の積層体を一体としてピックアップする。
【0083】
以上説明した実施形態は図1から図16を参照して説明した実施形態と同様の効果に加えて、端面突起32及び端面突起32に隣接する補助孔35を設けなくてもよいので、ステージ20の構造を簡略とすることができる。また、本実施形態においても、図17を参照して説明したのと同様、コレット18を半導体ダイ15の上に降下させると同時にダイアタッチフィルム12aと半導体ダイ15の積層体をピックアップするようにしてもよい。
【0084】
図31を参照しながら、本発明の他の実施形態について説明する。図31は、吸引開口41の端面41aと側面41bの角部にステージ20の筐体21の内部に連通する縦溝39を設けるようにしたものである。図31に示すように、縦溝39はその中心が吸引開口41の端面41aと側面41bの角のある3/4の円形断面を有するものであり、蓋23の先端23aが吸引開口41の端面41aに接している状態では、中心角270度の扇形の孔となる。また、各側面突起31の縦溝39に接する端面は縦溝39の外周形状に合わせて円弧形状となっている。本実施形態のように、縦溝39を設けることによって、筐体21の内部を真空にした際に半導体ダイ15の先端15a側の各角部をより強く吸引することができ、保持シート12を引き剥がす力を大きくすることができ、より容易に保持シートの引き剥がしを行うことができる。また、図23から図29を参照して説明した実施形態では、基本孔33a〜33dの他に補助孔35を配置することとして説明したが、図31に示すように、補助孔35をなくし、縦溝39と基本孔33a〜33dのみを配置するようにしてもよい。
【0085】
図32を参照しながら、本発明の他の実施形態について説明する。先に図30を参照して説明した実施形態では、スライド用溝22aのステージ外周側に傾斜面22bを設けることとして説明したが、図31に示すように、傾斜面22bに代えて段部22fを設けるようにしてもよい。図31に示すように、エッジ22dと段部22fの外周側端22gとを含む面の密着面22に対する角度は、角度γであり、蓋23が全開した際の蓋23の下面23gの密着面22に対する傾斜角度はαである。角度γは、蓋23がスライドした状態でも常に蓋23の下面23gの密着面22に対する角度αよりも大きい角度γなので、段部22fの外周側端22gは蓋23の後端23cと干渉しない。そして、蓋23がスライドしている間、蓋23の下面23gは常にエッジ22dと線接触した状態となっており、この部分からの空気の進入を抑制することができる。本実施形態は、図30を参照して説明した実施形態と同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0086】
10 ウェーハホルダ、11 ウェーハ、12 保持シート、12a ダイアタッチフィルム、13 リング、14 切り込み隙間、15 半導体ダイ、15a 先端、15b 側面、15c 後端、16 エキスパンドリング、17 リング押さえ、18 コレット、19 吸着孔、20 ステージ、21 筐体、22 密着面、22a スライド用溝、22a´ 底面、22b 傾斜面、22c 端部、22d エッジ、22f 段部、22g 外周側端、22h,22j 側面、22k 端面、23 蓋、23a 先端、23b 側面、23c 後端、23f アーム、23g 下面、24 基体部、25 駆動部、31 側面突起、32,32a 端面突起、32b 棒状突起、33a〜33d 基本孔、35 補助孔、36 接続リブ、37 連通孔、38 矩形領域、39 縦溝、41 吸引開口、41a 端面、41b 側面、42 開口開き部、43 孔領域、44 凹み領域、53 剥離線、70 制御部、71 真空装置、72 ウェーハホルダ水平方向駆動部、73 ステージ上下方向駆動機構、100 ピックアップ装置、300 スライダ駆動機構、321a ストッパ、326 第1リンク、326a 係合溝、326b シャフト、326c ローラ、327,328 ピン、329 第2リンク、329a 係合溝、330,330a ピン、331 ガイドレール、332 スライダ、370 ピストン、371 フランジ、381 モータ、383 カム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保持シートに貼り付けられた半導体ダイをピックアップする半導体ダイのピックアップ装置であって、
前記保持シートの半導体ダイが貼り付けられている面と反対側の面に密着する密着面を含むステージと、
前記密着面に設けられる吸引開口と、
前記吸引開口を閉じる側の先端が密着面から進出自在となるように前記ステージに設けられ、前記密着面に沿ってスライドして前記吸引開口を開閉する蓋と、
前記吸引開口の周縁に配置され、前記密着面から突出する突起と、
前記突起よりもステージ外周側の前記密着面に設けられる吸引孔と、
半導体ダイを吸着するコレットと、を備えることを特徴とする半導体ダイのピックアップ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体ダイのピックアップ装置であって、
半導体ダイをピックアップする際に、ピックアップする半導体ダイの外形の少なくとも一部が前記突起からステージ外周方向に向かってはみ出した状態で前記吸引孔によって前記突起からステージ外周方向に向かってはみ出した部分の前記保持シートを吸引すると共に、前記蓋の前記先端を前記密着面から前記突起の上端面と同一又はそれ以上の高さまで進出させ、前記保持シートとピックアップする半導体ダイとを押し上げながら前記蓋をスライドさせて前記吸引開口を順次開き、開いた前記吸引開口に前記保持シートを順次吸引させてピックアップする半導体ダイから前記保持シートを順次引き剥がし、前記コレットにピックアップする半導体ダイを吸着させること、
を特徴とする半導体ダイのピックアップ装置。
【請求項3】
請求項2に記載の半導体ダイのピックアップ装置であって、
前記吸引開口は、直線状に伸び、
前記突起は、直線状に延びる前記吸引開口の対向する周縁に沿ってそれぞれ設けられる2つの側面突起を含み、前記各側面突起の前記吸引開口と反対側の各外面の間隔は、ピックアップする半導体ダイの幅よりも狭いこと、
を特徴とする半導体ダイのピックアップ装置。
【請求項4】
請求項3に記載の半導体ダイのピックアップ装置であって、
前記突起は、更に、前記吸引開口の前記蓋の先端が接離する端の周縁に沿って設けられる端面突起を含むこと、
を特徴とする半導体ダイのピックアップ装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の半導体ダイのピックアップ装置であって、
前記吸引孔は、その中に前記蓋の先端が接離する前記吸引開口の端と前記各側面突起の少なくとも一部とを含み、対向する二辺が前記各側面突起と平行な矩形領域の四隅に配置される4つの基本孔を含み、
前記矩形領域の前記吸引開口が延びる方向と直角方向の幅はピックアップする半導体ダイの幅と略同一であり、
前記矩形領域の前記吸引開口が延びる方向の長さはピックアップする半導体ダイの長さと略同一であること、
を特徴とする半導体ダイのピックアップ装置。
【請求項6】
請求項2から5のいずれか1項に記載の半導体ダイのピックアップ装置であって、
半導体ダイをピックアップする際に、前記蓋の前記先端を前記密着面から前記突起の前記上端面と同一又はそれ以上の高さまで進出させ、前記保持シートとピックアップする半導体ダイとを押し上げながら前記蓋を第1の所定位置までスライドさせて前記吸引開口を第1の所定位置まで順次開き、開いた前記吸引開口に前記保持シートを順次吸引させてピックアップする半導体ダイから前記保持シートを前記第1の位置近傍まで順次引き剥がした後、前記コレットをピックアップする半導体ダイの直上まで降下させて前記コレットにピックアップする半導体ダイの一部を吸着させ、その後、前記保持シートとピックアップする半導体ダイとを押し上げながら前記蓋を第1の所定位置からスライド方向に更にスライドさせて前記吸引開口を第1の所定位置からスライド方向に更に順次開き、更に開いた前記吸引開口に前記保持シートを順次吸引させて前記第1の位置近傍からスライド方向に向かってピックアップする半導体ダイから更に前記保持シートを順次引き剥がすと共に前記コレットにピックアップする半導体ダイの残余の部分を順次吸着させること、
を特徴とする半導体ダイのピックアップ装置。
【請求項7】
請求項2から5のいずれか1項に記載の半導体ダイのピックアップ装置であって、
半導体ダイをピックアップする際に、前記蓋の前記先端を前記密着面から前記突起の前記上端面と同一又はそれ以上の高さまで進出させ、前記保持シートとピックアップする半導体ダイとを押し上げながら前記蓋を第1の所定位置までスライドさせて前記吸引開口を第1の所定位置まで順次開き、開いた前記吸引開口に前記保持シートを順次吸引させてピックアップする半導体ダイから前記保持シートを前記第1の位置近傍まで順次引き剥がした後、前記コレットをピックアップする半導体ダイの直上まで降下させて前記コレットにピックアップする半導体ダイを吸着させ、その後、前記保持シートとピックアップする半導体ダイとを押し上げながら前記蓋を第1の所定位置からスライド方向に更にスライドさせて前記吸引開口を第1の所定位置からスライド方向に更に順次開き、更に開いた前記吸引開口に前記保持シートを順次吸引させて前記第1の位置近傍からスライド方向に向かってピックアップする半導体ダイから更に前記保持シートを順次引き剥がすこと、
を特徴とする半導体ダイのピックアップ装置。
【請求項8】
請求項2から5のいずれか1項に記載の半導体ダイのピックアップ装置であって、
前記コレットは、半導体ダイをピックアップする際に、ピックアップする半導体ダイを保持した状態でピックアップする半導体ダイから前記保持シートが順次引き剥がされるに従ってピックアップする半導体ダイを順次吸着すること、
を特徴とする半導体ダイのピックアップ装置。
【請求項9】
請求項8に記載の半導体ダイのピックアップ装置であって、
半導体ダイをピックアップする際に、前記蓋の前記先端を前記密着面から前記突起の前記上端面以上の高さへの進出と同期して前記コレットを上昇させること、
を特徴とする半導体ダイのピックアップ装置。
【請求項10】
請求項2から8のいずれ1項に記載の半導体ダイのピックアップ装置であって、
前記ステージは円筒形であり、
前記蓋は、前記吸引開口の幅と略同一幅で、前記先端を前記密着面から進出させた際に、前記保持シートを押し上げる面が前記先端側から前記吸引開口を開く側の後端に向かって下向きに傾斜し、
前記密着面から前記蓋の厚さだけ凹み、前記蓋と略同一幅で、前記蓋が開く側の前記吸引開口の端から、ステージ外周の円筒面にかからない位置で蓋が吸引開口を閉じた状態での蓋の後端の位置よりもステージ内周側の位置まで、ステージ外周面に向かって延びるスライド用溝と、
ステージ外周側端の前記スライド用溝の底面から前記密着面と反対側に向かって延びる傾斜面と、を備え、
半導体ダイをピックアップする際に、前記蓋の前記保持シートを押し上げる面と反対側の面を前記スライド用溝の前記底面と前記傾斜面とのエッジに接触させながら前記蓋をスライドさせて前記吸引開口を順次開くこと、
を特徴とする半導体ダイのピックアップ装置。
【請求項11】
請求項10に記載の半導体ダイのピックアップ装置であって、
前記傾斜面の前記密着面に対する傾斜角度は、前記蓋の前記保持シートを押し上げる面と反対側の面の前記密着面に対する傾斜角度よりも大きいこと、
を特徴とする半導体ダイのピックアップ装置。
【請求項12】
請求項10に記載の半導体ダイのピックアップ装置であって、
前記傾斜面から前記密着面に沿ってステージ外周面まで延びる段部を備え、
前記エッジと前記段部のステージ外周側端とを含む面の前記密着面に対する角度は、前記蓋の前記保持シートを押し上げる面と反対側の面の前記密着面に対する傾斜角度よりも大きいこと、
を特徴とする半導体ダイのピックアップ装置。
【請求項13】
保持シートに貼り付けられた半導体ダイをピックアップする半導体ダイのピックアップ方法であって、
前記保持シートの半導体ダイが貼り付けられている面と反対側の面に密着する密着面を含むステージと、前記密着面に設けられる吸引開口と、前記吸引開口を閉じる側の先端が密着面から進出自在となるように前記ステージに設けられ、前記密着面に沿ってスライドして前記吸引開口を開閉する蓋と、前記吸引開口の周縁に配置され、前記密着面から突出する突起と、前記突起よりもステージ外周側の前記密着面に設けられる吸引孔と、半導体ダイを吸着するコレットと、を備える半導体ダイのピックアップ装置で半導体ダイをピックアップする方法であって,
半導体ダイをピックアップする際に、ピックアップする半導体ダイの外形の少なくとも一部が前記突起からステージ外周方向に向かってはみ出した状態にピックアップする半導体ダイの位置を合わせる位置合わせ工程と、
前記吸引孔によって前記突起からステージ外周方向に向かってはみ出した部分の前記保持シートを吸引すると共に、前記蓋の前記先端を前記密着面から前記突起の上端面と同一又はそれ以上の高さまで進出させ、前記保持シートとピックアップする半導体ダイとを押し上げながら前記蓋をスライドさせて前記吸引開口を順次開き、開いた前記吸引開口に前記保持シートを順次吸引させてピックアップする半導体ダイから前記保持シートを順次引き剥がし、前記コレットにピックアップする半導体ダイを吸着させ、半導体ダイをピックアップするピックアップ工程と、
を有することを特徴とする半導体ダイのピックアップ方法。
【請求項14】
請求項13に記載の半導体ダイのピックアップ方法であって、
前記ピックアップ工程は、半導体ダイをピックアップする際に、前記蓋の前記先端を前記密着面から前記突起の前記上端面と同一又はそれ以上の高さまで進出させ、前記保持シートとピックアップする半導体ダイとを押し上げながら前記蓋を第1の所定位置までスライドさせて前記吸引開口を第1の所定位置まで順次開き、開いた前記吸引開口に前記保持シートを順次吸引させてピックアップする半導体ダイから前記保持シートを前記第1の位置近傍まで順次引き剥がした後、前記コレットをピックアップする半導体ダイの直上まで降下させて前記コレットにピックアップする半導体ダイの一部を吸着させ、その後、前記保持シートとピックアップする半導体ダイとを押し上げながら前記蓋を第1の所定位置からスライド方向に更にスライドさせて前記吸引開口を第1の所定位置からスライド方向に更に順次開き、更に開いた前記吸引開口に前記保持シートを順次吸引させて前記第1の位置近傍からスライド方向に向かってピックアップする半導体ダイから更に前記保持シートを順次引き剥がすと共に前記コレットにピックアップする半導体ダイの残余の部分を順次吸着させること、
を特徴とする半導体ダイのピックアップ方法。
【請求項15】
請求項13に記載の半導体ダイのピックアップ方法であって、
前記ピックアップ工程は、半導体ダイをピックアップする際に、前記蓋の前記先端を前記密着面から前記突起の前記上端面と同一又はそれ以上の高さまで進出させ、前記保持シートとピックアップする半導体ダイとを押し上げながら前記蓋を第1の所定位置までスライドさせて前記吸引開口を第1の所定位置まで順次開き、開いた前記吸引開口に前記保持シートを順次吸引させてピックアップする半導体ダイから前記保持シートを前記第1の位置近傍まで順次引き剥がした後、前記コレットをピックアップする半導体ダイの直上まで降下させて前記コレットにピックアップする半導体ダイを吸着させ、その後、前記保持シートとピックアップする半導体ダイとを押し上げながら前記蓋を第1の所定位置からスライド方向に更にスライドさせて前記吸引開口を第1の所定位置からスライド方向に更に順次開き、更に開いた前記吸引開口に前記保持シートを順次吸引させて前記第1の位置近傍からスライド方向に向かってピックアップする半導体ダイから更に前記保持シートを順次引き剥がすこと、
を特徴とする半導体ダイのピックアップ方法。
【請求項16】
請求項13に記載の半導体ダイのピックアップ方法であって、
前記ピックアップ工程は、半導体ダイをピックアップする際に、前記コレットをピックアップする半導体ダイを保持した状態でピックアップする半導体ダイから前記保持シートが順次引き剥がされるに従って前記コレットにピックアップする半導体ダイを順次吸着させること、
を特徴とする半導体ダイのピックアップ方法。
【請求項17】
請求項16に記載の半導体ダイのピックアップ方法であって、
半導体ダイをピックアップする際に、前記蓋の前記先端を前記密着面から前記突起の前記上端面以上の高さへの進出と同期して前記コレットを上昇させること、
を特徴とする半導体ダイのピックアップ方法。
【請求項18】
請求項13から17のいずれか1項に記載の半導体ダイのピックアップ方法であって、
前記半導体ダイのピックアップ装置の前記突起は、直線状に延びる前記吸引開口の対向する周縁に沿ってそれぞれ設けられる2つの側面突起を含み、前記半導体ダイのピックアップ装置の前記吸引孔は、その中に前記蓋の先端が接離する前記吸引開口の端と前記各側面突起の少なくとも一部とを含み、対向する二辺が前記各側面突起と平行な矩形領域の四隅に配置される4つの基本孔を含み、前記矩形領域の前記吸引開口が延びる方向と直角方向の幅はピックアップする半導体ダイの幅と略同一であり、前記矩形領域の前記吸引開口が延びる方向の長さはピックアップする半導体ダイの長さと略同一であり、
前記位置合わせ工程は、ピックアップする半導体ダイの四隅がそれぞれ前記各基本孔の上に来るようにピックアップする半導体ダイの位置を合わせること、
を特徴とする半導体ダイのピックアップ方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2012−74491(P2012−74491A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−217444(P2010−217444)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000146722)株式会社新川 (128)
【Fターム(参考)】