説明

半導体デバイスの製造に使用される導電性組成物および方法

【課題】Pbフリーのシステムを提供し、かつ電気性能およびはんだ接着性を維持する半導体デバイスを製造する、新規な組成物および方法を提供する。
【解決手段】導電性銀粉末と、亜鉛含有添加剤と、鉛フリーであるガラスフリットとが、有機媒体中に分散されている、厚膜導電性組成物。さらに、上記組成物から形成された電極であって、有機分散媒を除去しかつ前記ガラス粒子を焼結して前記組成物が焼成された電極を、対象とする。さらに、p−n接合を有する半導体と、この半導体の主要面上に形成された絶縁膜とからなる構造要素から半導体デバイスを製造する方法を対象とし、この方法は、絶縁膜上に、厚膜組成物を付着させるステップと、前記半導体、絶縁膜、および厚膜組成物を焼成して、電極を形成するステップとを含む。上記詳述された方法によって形成された半導体デバイスと、厚膜導電性組成物から形成された半導体デバイスとを対象とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、シリコン半導体デバイスを対象とする。詳細には、本発明は、太陽電池デバイスの正面に使用される導電性銀ペーストを対象とする。
【背景技術】
【0002】
本発明は、広範な半導体デバイスに適用することができるが、光ダイオードおよび太陽電池などの受光素子に、特に有効である。本発明の背景を、従来技術の特定の例としての太陽電池に関して、以下に述べる。
【0003】
p−型ベースを有する従来の太陽電池構造は、典型的な場合には電池の正面または太陽側にある負電極と、裏面にある正電極とを有する。半導体本体のpn接合に向かう適切な波長の放射線は、この本体内に正孔−電子対を発生させる外部エネルギーの供給源として働くことが、周知である。p−n接合に存在する電位差のため、正孔と電子とはこの接合部を反対方向に横断し、それによって、電力を外部回路に送出することが可能な電流の流れを引き起こす。ほとんどの太陽電池は、メタライズされているシリコンウェーハ、すなわち導電性である金属接点が設けられているシリコンウェーハの形をとる。
【0004】
現在、地球上のほとんどの発電太陽電池は、シリコン太陽電池である。大量生産でのプロセスの流れは、一般に、単純化を最大限に実現すること、および製造コストを最小限に抑えることを目標としている。特に電極は、スクリーン印刷などの方法を使用して金属ペーストを形成することにより、作製される。この製造方法の例を、図1に関連して以下に述べる。図1は、p−型シリコン基板10を示す。
【0005】
図1(b)では、逆の導電型であるn型拡散層20が、リン(P)などの熱拡散によって形成されている。オキシ塩化リン(POCl3)が、リン拡散源として一般に使用される。任意の特定の変更がない場合、拡散層20は、シリコン基板10の全面に形成される。この拡散層は、1平方当たりのオーム数(オーム/□)が数十オーム程度の面積抵抗率と、約0.3から0.5μmの厚さとを有する。
【0006】
この拡散層の一面をレジストなどで保護した後、図1(c)に示すように、拡散層20が一方の主要面にのみ残るよう、エッチングによってほとんどの面から除去する。次いで有機溶媒などを使用して、レジストを除去する。
【0007】
次に窒化シリコン膜30を、プラズマ化学気相成長法(CVD)などのプロセスにより図1(d)に示される手法で、約700から900Åの厚さになるまで反射防止コーティングとしてn−型拡散層20上に形成する。
【0008】
図1(e)に示すように、窒化シリコン膜30上に正面電極用の銀ペースト500をスクリーン印刷し、次いで乾燥させる。さらに、次いで基板の裏面に、裏面の銀または銀/アルミニウムペースト70と、アルミニウムペースト60とをスクリーン印刷し、引き続き乾燥させる。次いで、約700℃から975℃の温度範囲の赤外炉内で、数分から数十分間焼成を行う。
【0009】
その結果、図1(f)に示すように、焼成中にドーパントとして、アルミニウムがアルミニウムペーストからシリコン基板10へと拡散し、高濃度のアルミニウムドーパントを含有するp+層40を形成する。この層は、一般に裏面電界(BSF)層と呼ばれ、太陽電池のエネルギー変換効率を改善させるのを助ける。
【0010】
アルミニウムペーストは、焼成によって、乾燥状態60からアルミニウム裏面電極61へと変換される。裏面の銀または銀/アルミニウムペースト70も同時に焼成され、銀または銀/アルミニウム裏面電極71になる。焼成中、裏面のアルミニウムと裏面の銀または銀/アルミニウムとの境界は、合金状態を呈し、電気的にも接続される。アルミニウム電極は、裏面電極のほとんどの領域を占めるが、これは部分的にp+層40を形成する必要があるからである。アルミニウム電極へのはんだ付けは不可能であるので、銅リボンなどを用いて太陽電池を相互接続するために、電極として銀の裏面電極を、裏面の部分上に形成する。さらに、正面電極を形成する銀ペースト500は、焼成により焼結し、窒化シリコン膜30内に浸透させ、それによって、n−型層20に電気的に接触可能になる。このタイプのプロセスを、一般に「ファイアスルー」と呼ぶ。このファイアスルー状態は、図1(f)の層501で明らかにされている。
【0011】
Shuichi他による文献(例えば、特許文献1参照。)は、半導体基板の一方の主要面に、他方の導電型を示す領域を形成し、かつ半導体基板のこの主要面上に反射防止コーティングを形成することによって得られる太陽電池について、教示している。得られる太陽電池は、反射防止コーティング上に被覆され、かつ焼成された、電極材料を有する。電極材料には、例えば鉛、ホウ素、およびケイ素が含まれ、さらに、約300から600℃の軟化点を有するガラスフリット中に、チタン、ビスマス、コバルト、亜鉛、ジルコニウム、鉄、およびクロムからの1種または複数の粉末を含有する。
【0012】
Nagahara他による文献(例えば、特許文献2参照。)は、半導体基板と、ドーパント不純物の拡散によってこの半導体基板に設けられた拡散層と、この拡散層上に形成された金属ペースト製の接点とを含んだ太陽電池を開示している。金属ペーストは、主要な接点材料として機能する金属粉末と、ガラスフリットと、有機結合剤と、溶媒と、周期表の第5族に属する元素とを含む。
【0013】
【特許文献1】日本国特許出願公開第2001−313400号明細書
【特許文献2】米国特許第4737197号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上述のように、太陽電池を形成するための様々な方法および組成物が存在するが、Pbフリーであると同時に電気性能が維持される組成物を提供するための、継続的な努力がなされている。本発明者等は、そのようなPbフリーのシステムを提供し、かつ電気性能とはんだ接着性を維持する半導体デバイスを製造する新規な組成物および方法を生み出す。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、(a)導電性銀粉末と、(b)亜鉛含有添加剤と、(c)鉛フリーであるガラスフリットとが、(d)有機媒体中に分散されている、厚膜導電性組成物を対象とする。
【0016】
本発明はさらに、上記組成物から形成された電極であって、有機媒体を除去しかつ前記ガラス粒子を焼結するように前記組成物が焼成されているものから形成された電極を対象とする。さらに本発明は、p−n接合を有する半導体およびこの半導体の主要面上に形成された絶縁膜とからなる構造要素から半導体デバイスを製造する方法であって、(a)前記絶縁膜上に、上記詳述した厚膜組成物を付着させるステップと、(b)前記半導体、絶縁膜、および厚膜組成物を焼成して、電極を形成するステップとを含む方法を対象とする。さらに本発明は、上記詳述した方法によって形成された半導体デバイスと、上記詳述した厚膜導電性組成物から形成された半導体デバイスとを対象とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
厚膜導体組成物の主成分は、有機媒体中に分散された、電気機能性銀粉末、亜鉛含有添加剤、およびPbフリーガラスフリットである。追加の添加剤には、金属、金属酸化物、または焼成中にこれら金属酸化物を生成することのできる任意の化合物を含めることができる。次にこれらの成分について、以下に論じる。
【0018】
I.無機成分
本発明の無機成分は、(1)電気機能性銀粉末と、(2)Zn含有添加剤と、(3)Pbフリーガラスフリットと、任意選択で(4)(a)Zn、Gd、Ce、Zr、Ti、Mn、Sn、Ru、Co、Fe、Cu、およびCrから選択された金属、(b)Zn、Gd、Ce、Zr、Ti、Mn、Sn、Ru、Co、Fe、Cu、およびCrから選択された1種または複数の金属の金属酸化物、(c)焼成によって(b)の金属酸化物を生成することのできる任意の化合物、および(d)これらの混合物から選択された追加の金属/金属酸化物添加剤とを含む。
【0019】
A.電気機能性銀粉末
一般に、厚膜組成物は、適切な電気機能性を組成物に与える機能相を含む。機能相は、組成物を形成する機能相に対して、担体として働く有機媒体中に分散された、電気機能性粉末を含む。この組成物を焼成して、有機相を燃焼し尽くし、無機結合剤相を活性化し、電気機能性を付与する。
【0020】
組成物の機能相は、導電性を有して被覆されまたは被覆されていない銀粒子でよい。銀粒子を被覆する場合、その粒子は、少なくとも部分的に界面活性剤で被覆される。界面活性剤は、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸塩、パルミチン酸塩、およびこれらの混合物から選択することができるが、これらに限定するものではない。ラウリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、カプリン酸、ミリスチン酸、およびリノール酸を含めた、その他の界面活性剤も利用することができる。対イオンは、水素、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、およびこれらの混合物にすることができるが、これらに限定するものではない。
【0021】
銀の粒径は、いかなる特定の制限も受けないが、10ミクロン以下の平均粒径、好ましくは5ミクロン以下の平均粒径が望ましい。銀粉末は、ペースト組成物の70から85wt%を占め、一般には、組成物中の固形分の(すなわち、有機分散媒を除外する)90から99wt%である。
【0022】
B.Zn含有添加剤
本発明のZn含有添加剤は、(a)Zn、(b)Znの金属酸化物、(c)焼成によって、Znの金属酸化物を生成することができる任意の化合物、および(d)これらの混合物から選択することができる。
【0023】
一実施形態では、Zn含有添加剤がZnOであり、このZnOは、10ナノメートルから10ミクロンの範囲の平均粒径を有する。他の実施形態では、ZnOは、40ナノメートルから5ミクロンの平均粒径を有する。さらに他の実施形態では、ZnOは、60ナノメートルから3ミクロンの平均粒径を有する。
【0024】
典型的な場合、ZnOは、全組成物の2から10重量パーセントの範囲内で、組成物中に存在する。一実施形態では、ZnOは、全組成物の4から8重量パーセントの範囲内で存在する。さらに他の実施形態では、ZnOは、全組成物の5から7重量パーセントの範囲内で存在する。
【0025】
他の実施形態では、Zn含有添加剤(例えばZn、樹脂酸Znなど)が、2から16重量パーセントの範囲内で、全厚膜組成物中に存在する。他の実施形態では、Zn含有添加剤が、全組成物の4から12重量パーセントの範囲内で存在する。
【0026】
さらなる実施形態では、Zn含有添加剤は、0.1μm未満の平均粒径を有する。特に、Zn含有添加剤は、7ナノメートルから100ナノメートル未満の範囲の平均粒径を有する。
【0027】
C.ガラスフリット
本発明の、典型的なガラスフリット組成物(ガラス組成物)を、以下の表1に列挙する。ガラス化学の当業者であれば、追加の成分で少量を置換し、本発明のガラス組成物の所望の性質を実質的に変化させないことができると予想されるので、表1に列挙した組成物は限定的なものではないことに留意することが重要である。このように、0〜3重量%のP25、0〜3重量%のGeO2、0〜3重量%のV25などのガラス形成剤の置換例を、個別に、または組み合わせて使用して、同様の性能を実現することができる。また、TiO2、Ta25、Nb25、ZrO2、CeO2、SnO2などの1種または複数の中間酸化物を、本発明のガラス組成物中に存在するその他の中間酸化物(すなわちAl23、CeO2、SnO2)の代わりに用いることも可能である。このデータから、一般にガラスのSiO2含量が高くなるにつれ、性能が低下することが観察される。SiO2は、ガラスの粘度を増大させ、ガラスの濡れ性を低減させると考えられる。表1の組成物には示されていないが、SiO2の低レベルの機能に取って代わり、P25、GeO2などのその他のガラス形成剤を使用することができるので、SiO2を含まないガラスが十分に機能することが予測される。CaO、アルカリ土類分の一部または全体の代わりに、SrO、BaOおよびMgOなどのその他のアルカリ土類成分を使用することもできるが、CaOが好ましいと考えられる。
【0028】
全ガラス組成物中のガラス組成を重量パーセントで表したものを、表1に示す。これらの実施例に見られる好ましいガラス組成物は、全ガラス組成物中に、以下の酸化物成分を以下の組成範囲で含む:SiO2 0.1〜8重量パーセント、Al23 0〜4重量パーセント、B23 8〜25重量パーセント、CaO 0〜1重量パーセント、ZnO 0〜42重量パーセント、Na2O 0〜4重量パーセント、Li2O 0〜3.5重量パーセント、Bi23 28〜85重量パーセント、Ag2O 0〜3重量パーセント、CeO2 0〜4.5重量パーセント、SnO2 0〜3.5重量パーセント、BiF3 0〜15重量パーセント。より好ましいガラスの組成は、全ガラス組成物中に、SiO2が4〜4.5重量パーセント、Al23が0.5〜0.7重量パーセント、B23が9〜11重量パーセント、CaOが0.4〜0.6重量パーセント、ZnOが11〜14重量パーセント、Na2Oが0.7〜1.1重量パーセント、Bi23が56〜67重量パーセント、BiF3が4〜13重量パーセントである。
【0029】
【表1】

【0030】
本発明で有用なガラスフリットには、旭硝子(株)から市販されているASF1100およびASF1100Bが含まれる。
【0031】
本発明のガラスフリット(ガラス組成物)の平均粒径は、実際の適用例では0.5〜1.5μmの範囲内であるが、0.8〜1.2μmの範囲内の平均粒径が好ましい。ガラスフリットの軟化点(Ts:DTAの第2の転移点)は、300〜600℃の範囲内にあるべきである。全組成物中のガラスフリットの量は、全組成物の0.5から4wt%の範囲である。一実施形態では、ガラス組成物は、全組成物の1から3重量パーセントの量で存在する。他の実施形態では、ガラス組成物は、全組成物の1.5から2.5重量パーセントの範囲で存在する。
【0032】
本明細書で記述されるガラスは、従来のガラス作製技法によって生成する。ガラスは、500〜1000グラムの量で調製した。典型的な場合、各成分を計量し、次いで所望の割合で混合し、床昇降式炉内で加熱して、白金合金坩堝内で融解物を形成する。当技術分野でよく知られている通り、加熱は、ピーク温度(1000℃〜1200℃)になるまで、かつ融解物が完全に液体になり均質になるまでの間、実施する。融解したガラスを、10〜20ミルの厚さのガラス小板が形成されるように逆転ステンレス鋼ローラ間で急冷する。次いで得られたガラス小板を粉砕処理して、その50%の体積分布が1〜3ミクロンの間に設定された粉末を形成する。
【0033】
D.追加の金属/金属酸化物添加剤
本発明の、追加の金属/金属酸化物添加剤は、(a)Zn、Gd、Ce、Zr、Ti、Mn、Sn、Ru、Co、Fe、Cu、およびCrから選択された金属、(b)Gd、Ce、Zr、Ti、Mn、Sn、Ru、Co、Fe、Cu、およびCrから選択された1種または複数の金属の金属酸化物、(c)焼成によって(b)の金属酸化物を生成することが可能な任意の化合物、および(d)これらの混合物から選択することができる。
【0034】
追加の金属/金属酸化物添加剤の粒径は、いかなる特定の制約も受けないが、10ミクロン以下の平均粒径、好ましくは5ミクロン以下の平均粒径が望ましい。
【0035】
一実施形態では、金属/金属酸化物添加剤の粒径が、7ナノメートル(nm)から125nmの範囲内にある。具体的には、平均粒径範囲(d50)が7ナノメートル(nm)から125nmであるMnO2およびTiO2を、本発明で利用することができる。
【0036】
全組成物中の、金属/金属酸化物添加剤およびZnOの範囲は、0から8重量パーセントの範囲内である。一実施形態では、金属/金属酸化物添加剤が、全組成物の4から8重量パーセントの量で存在する。金属/金属酸化物添加剤およびZnOが組成物中に存在する場合、金属/金属酸化物添加剤は、全組成物の1から5重量パーセントの範囲内で存在し、ZnOは、全組成物の2から5重量パーセントの範囲内で存在する。
【0037】
E.有機媒体
無機成分は、典型的な場合、機械的混合によって有機媒体と混合し、それによって、印刷に適したコンシステンシーおよび流体力学的性質を有する「ペースト」と呼ばれる粘性組成物を形成する。広く様々な不活性の粘性材料を、有機媒体として使用することができる。有機媒体は、無機成分を、適度な安定度で分散させることができるものでなければならない。媒体の流体力学的性質は、固形分の安定な分散、スクリーン印刷に適切な粘度およびチキソトロピー、基板およびペースト固形分の適切な湿潤性、良好な乾燥速度、および良好な焼成特性も含めた良好な付着性を、組成物に与えるようなものでなければならない。本発明の厚膜組成物で使用される有機分散媒は、非水性の不活性な液体であることが好ましい。増粘剤、安定剤、および/またはその他の一般的な添加剤を含んでも含まなくてもよい様々な有機分散媒のいずれも利用することができる。有機媒体は、典型的な場合、ポリマーを溶媒に溶かした溶液である。さらに、界面活性剤などの少量の添加剤を、有機媒体の一部にすることができる。この目的で、最も頻繁に使用されるポリマーは、エチルセルロースである。エチルヒドロキシエチルセルロース、ウッドロジン、エチルセルロースとフェノール樹脂との混合物、低級アルコールのポリメタクリレート、およびエチレングリコールモノアセテートのモノブチルエーテルを含めたポリマーのその他の例も、使用することができる。厚膜組成物に見られる、最も広く使用される溶媒は、エステルアルコール、およびテルペンであって、例えばα−またはβ−テルピネオールなど、あるいはこれらとその他の溶媒、例えばケロシン、ジブチルフタレート、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、ヘキシレングリコール、高沸点アルコールおよびアルコールエステルなどとの混合物である。さらに、基板上に付着させた後、迅速な硬化を促進させるための揮発性液体も、分散媒に含めることができる。所望の粘度および揮発性要件が得られるように、これらおよびその他の溶媒の、様々な組合せを配合する。
【0038】
有機媒体中に存在するポリマーは、全組成物の8wt%から11wt%の範囲内にある。本発明の厚膜銀組成物は、有機媒体を用いて、所定のスクリーン印刷可能な粘度に調節することができる。
【0039】
厚膜組成物中の有機媒体と、分散体中の無機成分との比は、ペーストを付着させる方法と、使用される有機媒体の種類とに依存し、様々に変えることができる。通常、分散体は、良好な濡れを得るために、無機成分を70〜95wt%、および有機媒体(分散媒)を5〜30wt%含有することになる。
【0040】
半導体デバイスを製造する方法の説明
したがって本発明は、半導体デバイスの製造に利用することができる新規な組成物を提供する。半導体デバイスは、接合部を持つ半導体基板と、その主要面上に形成された窒化シリコン絶縁膜とからなる構造要素から、以下の方法によって製造することができる。半導体デバイスを製造する方法は、絶縁膜に浸透する能力を有する本発明の導電性厚膜組成物を、所定の形状および所定の位置で絶縁膜上に付着させる(典型的な場合、被覆し、印刷する)ステップと、次いで導電性厚膜組成物が融解しかつ絶縁膜内を通過するように焼成し、シリコン基板との電機接触を実現するステップとを含む。導電性厚膜組成物は、本明細書で既に述べたように、銀粉末、Zn含有添加剤、軟化点が300から600℃であるガラスまたはガラス粉末混合物であって有機分散媒に分散させたもの、および任意選択で追加の金属/金属酸化物添加剤で作製された、厚膜ペースト組成物である。
【0041】
組成物は、そのガラス粉末含量が全組成物の5重量%未満であり、またZn含有添加剤と任意選択の追加の金属/金属酸化物添加剤との含量が、全組成物の6重量%以下である。本発明は、同じ方法から製造された半導体デバイスも提供する。
【0042】
本発明は、絶縁膜としての、窒化シリコン膜または酸化シリコン膜の使用を特徴とすることもできる。窒化シリコン膜は、典型的な場合、プラズマ化学気相成長法(CVD)または熱CVDプロセスによって形成される。酸化シリコン膜は、典型的な場合、熱酸化、熱CFD、またはプラズマCFDによって形成される。
【0043】
半導体デバイスを製造する方法は、接合部を持つ半導体基板、およびその一方の主要面上に形成された絶縁膜からなる構造要素から、半導体デバイスを製造することを特徴とすることもでき、この絶縁層は、酸化チタン、窒化シリコン、SiNx:H、酸化シリコン、および酸化シリコン/酸化チタン膜から選択されたものであり、この方法は、絶縁膜と反応し浸透する能力を有する金属ペースト材料を、所定の形状および所定に位置で絶縁膜上に形成するステップと、シリコン基板との電気接触を形成するステップとを含む。酸化チタン膜は、典型的な場合、半導体基板上に、チタン含有有機液体材料を被覆し、焼成することによって、または熱CVDによって形成される。窒化シリコン膜は、典型的な場合、PECVD(プラズマ増速化学気相成長法)によって形成される。また本発明は、これと同じ方法から製造された半導体デバイスも提供する。
【0044】
本発明の導電性厚膜組成物から形成された電極は、典型的な場合、酸素と窒素の混合ガスからなることが好ましい雰囲気中で焼成する。この焼成プロセスは、有機媒体を除去し、導電性厚膜組成物中のAg粉末と共にガラスフリットを焼結する。半導体基板は、典型的な場合、単結晶シリコンまたは多結晶シリコンである。
【0045】
図1(a)は、単結晶シリコンまたは多結晶シリコンの基板に、典型的な場合には光の反射を低減させるテクスチャ加工表面を設けるステップを示す。太陽電池の場合、基板は、延伸または流延プロセスから形成されたインゴットから、薄片状にスライスされたものとして、しばしば使用される。スライシングに使用されるワイヤソーなどの工具によって生じた基板表面の損傷、およびウェーハのスライシングステップによる汚染は、典型的な場合、水酸化カリウム水溶液または水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ水溶液を使用して、またはフッ化水素酸と硝酸との混合物を使用して、基板表面から約10から20μmをエッチング除去することによって取り除く。さらに、基板表面に付着している鉄などの重金属を除去するために、塩酸と過酸化水素との混合物で基板を洗浄するステップを加えることができる。反射防止用のテクスチャ加工表面は、その後に、例えば水酸化カリウム水溶液または水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ水溶液を使用して、ときどき形成される。このようにして、基板10を得る。
【0046】
次に、図1(b)を参照すると、使用される基板はp−型基板であり、p−n接合を生成するためにn−型層が形成されている。そのようなn−型層を形成するのに使用される方法は、オキシ塩化リン(POCl3)を使用したリン(P)の拡散であってもよい。この場合の拡散層の深さは、拡散の温度および時間を制御することによって様々に変えることができ、一般には、約0.3から0.5μmの厚さの範囲内に形成される。このように形成されたn−型層を、図中に参照番号20で表す。次に、正面と裏面でのp−n分離は、本発明の背景で述べた方法により実施することができる。これらのステップは、リン酸シリケートガラス(PSG)などのリン含有液被覆材料を、スピン塗布などのプロセスによって基板の片面のみに付着させる場合、常に必要とは限らず、拡散は、適切な条件下でアニーリングすることによって実現される。当然ながら、基板の裏面にも同様にn−型層が形成される危険性がある場合、完全性の度合いは、本発明の背景で詳述したステップを用いることによって、高めることができる。
【0047】
次に、図1(d)では、窒化シリコン膜またはその他の絶縁膜であって、SiNx:H(すなわち絶縁膜が、次の焼成処理中のパッシベーション用の水素を含む)膜、酸化チタン膜、および酸化シリコン膜30を含めた反射防止コーティングとして機能する膜を、上述のn−型拡散層20上に形成する。この窒化シリコン膜30は、入射光に対する太陽電池の表面反射率を低下させ、発生する電流を大幅に増加させることが可能になる。窒化シリコン膜30の厚さは屈折率に依存するが、約700から900Åの厚さが、約1.9から2.0の屈折率には適している。この窒化シリコン膜は、低圧CVD、プラズマCVDまたは熱CVDなどのプロセスによって形成することができる。熱CVDを使用する場合、出発材料は、しばしばジクロロシラン(SiCl22)およびアンモニア(NH3)ガスであり、膜の形成は、少なくとも700℃の温度で行う。熱CVDを使用する場合、高温で出発ガスが熱分解する結果、窒化シリコン膜内には水素が実質的に存在せず、Si34のシリコンと窒素との間には、実質的に化学量論的な組成比が得られる。HをドープしたSiNxを実現するのにPECVDが明らかに使用されるので(下記を参照)、この説明は間違っているように見える−したがって、これを熱CVDに換えた。屈折率は、実質的に1.96から1.98の範囲内に包含される。したがって、このタイプの窒化シリコン膜は、その厚さおよび屈折率などの特性が、後のステップの熱処理にかけた場合でも依然として変化することない、非常に稠密な膜である。膜形成をプラズマCVDで実施したときに使用した出発ガスは、一般に、SiH4とNH3とのガス混合物である。出発ガスは、プラズマにより分解し、膜形成は、300から550℃の温度で実施する。そのようなプラズマCVDプロセスによる膜形成は、熱CVDよりも低い温度で実施されるので、出発ガス中の水素は、得られる窒化シリコン膜内にも同様に存在する。また、ガスの分解はプラズマによって行われるので、このプロセスの別の顕著な特徴は、シリコンと窒素との間の組成比を大幅に変えることができることである。具体的には、出発ガスの流量比ならびに膜形成中の圧力および温度などの条件を変化させることによって、窒化シリコン膜を、シリコン、窒素、および水素の間の様々な組成比で、かつ1.8から2.5の屈折率の範囲内で形成することができる。そのような特性を有する膜を、後続のステップで熱処理する場合、屈折率は、電極焼成ステップでの水素除去などの作用が原因で、膜形成の前と後とで変化する場合がある。そのような場合、太陽電池に必要とされる窒化シリコン膜は、後続ステップでの熱処理の結果生ずることになる膜の品質の変化を最初に考慮に入れた後、膜形成条件を選択することによって、得ることができる。
【0048】
図1(d)では、反射防止コーティングとして機能する窒化シリコン膜30の代わりに、酸化チタン膜を、n−型拡散層20上に形成することができる。酸化チタン膜は、チタンを含有する有機液体材料をn−型拡散層20上に被覆し、焼成することによって、または熱CVDによって形成する。また、図1(d)では、反射防止層として機能する窒化シリコン膜30の代わりに、酸化シリコン膜を、n−型拡散層20上に形成することも可能である。酸化シリコン膜は、熱酸化、熱CVD、またはプラズマCVDによって形成する。
【0049】
次に、電極を、図10(e)および(f)に示されるものと同様のステップによって形成する。すなわち図1(e)に示すように、アルミニウムペースト60および裏面銀ペースト70を、図1(e)に示すように基板10の裏面上にスクリーン印刷し、引き続き乾燥する。さらに、正面電極を形成する銀ペーストを、基板10の裏面の場合と同じ方法で窒化シリコン膜30上にスクリーン印刷し、その後、乾燥および焼成を、典型的な場合には700から975℃の設定点温度範囲でかつ1分から10分を超える時間にわたり、酸素と窒素の混合ガス流を流通させながら、赤外炉内で実施する。
【0050】
図1(f)に示すように、焼成中、裏面では、アルミニウムペーストからシリコン基板10へとアルミニウムが不純物として拡散し、それによって、高濃度のアルミニウムドーパントを含有するp+層40が形成される。焼成は、乾燥したアルミニウムペースト60を、アルミニウム裏面電極61に変換する。裏面銀ペースト70も同時に焼成し、銀裏面電極71にする。焼成中、裏面のアルミニウムと裏面の銀との境界が合金の状態を呈し、それによって電気接続が実現される。裏面電極のほとんどの領域は、アルミニウム電極に占有されるが、これは部分的にp+層40を形成する必要があるからである。同時に、アルミニウム電極へのはんだ付けは不可能であるので、銅リボンなどを用い、太陽電池を相互接続するための電極として、裏面の限定領域上に銀または銀/アルミニウム裏面電極を形成する。
【0051】
正面では、本発明の正面電極銀ペースト500が、銀、Zn含有添加剤、ガラスフリット、有機媒体、および任意選択の金属酸化物からなり、n−型層20との電気接触が実現されるよう焼成する間、窒化シリコン膜30と反応しかつ窒化シリコン膜30に浸透することが可能である(ファイアスルー)。このファイアスルー状態、すなわち正面電極銀ペーストが融解し、窒化シリコン膜30に浸透する程度は、窒化シリコン膜30の品質および厚さ、正面電極銀ペーストの組成、および焼成条件に依存する。太陽電池の変換効率および耐湿信頼性は、明らかに、このファイアスルー状態にかなり依存する。
【実施例】
【0052】
本発明の厚膜組成物について、以下の表2〜6で記述する。
【0053】
ペーストの調製
ペーストの調製は、一般に、以下の手順により実現した。適切な量の溶媒、媒体、および界面活性剤を計量し、次いで混合缶内で15分間混合し、次いでガラスフリットおよび金属添加剤を添加し、さらに15分間混合した。Agは、本発明の固形分の主要な部分であるので、より良好な濡れが確実になるように、少しずつ添加した。十分に混合したら、そのペーストを、0から400psiに圧力を徐々に上げながら3本ロールミルに繰り返し通した。ロール間の隙間は、1ミルに調節した。分散度を、粒度(FOG)によって測定した。典型的なFOG値は、一般に導体の場合、20/10に等しいかそれ未満である。
【0054】
以下の実施例で使用されるASF1100ガラスフリット(旭硝子(株)から入手可能)は、供給された状態のままでは使用しなかった。このガラスフリットは、使用前に、D50が0.5〜0.7ミクロンの範囲内になるよう粉砕処理した。
【0055】
試験手順−効率
上述の方法により組み立てられた太陽電池を、効率を測定するために商用のIVテスタ(ST−1000)内に配置した。IVテスタ内のXe Arcランプで、既知の強度の日光を作り出し、電池の正面を照射した。テスタでは、4点接触法を使用し、約400の負荷抵抗設定値で電流(I)および電圧(V)を測定して、電池のI−V曲線を決定した。このI−V曲線から、フィルファクタ(FF)および効率(Eff)の両方を計算した。
【0056】
ペーストの効率およびフィルファクタの値を、業界標準のPV145(E.I.du Pont de Nemours and Company)に接触させた電池で得られた対応する値に正規化した。
【0057】
試験手順−接着性
焼成後、はんだリボン(96.5Sn/3.5Agで被覆された銅)を、電池の正面に印刷されたバスバーにはんだ付けした。はんだのリフローは、典型的な場合、365℃で5秒間で達成した。使用したフラックスは、非活性化Alpha−100であった。はんだ付けした領域は、約2mm×2mmであった。接着強度は、電池の表面に対し90°の角度でリボンを引っ張ることにより、得られた。正規化した接着強度を計算して、最小接着値300gと比較した。
【0058】
【表2】

【0059】
表2に示されるガラスフリットおよびZnOのパーセントは、全厚膜組成物中のパーセントで与えられている。
【0060】
ガラスIII、IV、VIII、およびIXを含有する厚膜は、対照Iおよび対照IIの厚膜ペースト組成物と同様の良好な電池性能によって実証されるように、太陽電池に対して特に良好な接触を実現した。
【0061】
【表3】

【0062】
表3に示すガラスフリットおよび添加剤のパーセントは、全厚膜組成物中のパーセントで与えられている。
【0063】
ZnOを含有する厚膜銀ペースト組成物は、ZnOを含まない銀ペーストに比べ、優れた電気性能を有する。ZnOを添加することによって、銀ペーストは、本願特許出願人から市販されている高性能の対照ペーストPV145と同様の、またはより良好な電気性能を実現する。
【0064】
【表4】

【0065】
表4に示すガラスフリットおよび添加剤のパーセントは、全厚膜組成物中のパーセントで与えられている。
【0066】
実施されかつ表4に詳述される実験は、様々なタイプのZn含有添加剤を使用したこと、およびそれらが厚膜組成物に及ぼす影響を示している。その他の形および粒径のZnおよびZnOを含有する厚膜銀ペースト組成物も、Si太陽電池に対して優れた電気接触を実現する。使用した樹脂酸Znは、OMG、Cleaveland、OHから得られた22%のZinc Hex−Cemであった。
【0067】
【表5】

【0068】
表5に示すガラスフリットおよび添加剤のパーセンテージは、全厚膜組成物中のパーセントで与えられている。
【0069】
酸化物フリットの混合物を含む厚膜銀ペースト組成物は、さらに改善された性能も実証している。
【0070】
【表6】

【0071】
表6に示すガラスフリットおよび添加剤のパーセントは、全厚膜組成物中のパーセントで与えられている。
【0072】
上記表6に詳述する全ての酸化物は、厚膜銀ペーストに添加することによって、太陽電池の性能の改善をもたらす。
【0073】
【表7】

【0074】
表7に示すガラスフリットおよび添加剤のパーセントは、全厚膜組成物中のパーセントで与えられている。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1A】半導体デバイスの製作に用いられるp−型シリコン基板10を示す図である。
【図1B】半導体デバイスの製作を示すプロセスのうち、逆の導電型であるn型拡散層20が、リン(P)などの熱拡散によって形成されるプロセスを示す図である。
【図1C】半導体デバイスの製作を示すプロセスのうち、拡散層20が一方の主要面にのみ残るよう、エッチングによってほとんどの面から除去するプロセスを示す図である。
【図1D】半導体デバイスの製作を示すプロセスのうち、窒化シリコン膜30を、プラズマ化学気相成長法(CVD)などのプロセスにより、約700から900Åの厚さになるまで反射防止コーティングとしてn−型拡散層20上に形成するプロセスを示す図である。
【図1E】半導体デバイスの製作を示すプロセスのうち、正面電極用の銀ペースト500をスクリーン印刷し、次いで窒化シリコン膜30上で乾燥するプロセスを示す図である。
【図1F】半導体デバイスの製作を示すプロセスのうち、焼成中にドーパントとして、アルミニウムがアルミニウムペーストからシリコン基板10へと拡散し、高濃度のアルミニウムドーパントを含有するp+層40を形成するプロセスを示す図である。
【符号の説明】
【0076】
10:p−型シリコン基板
20:n−型拡散層
30:窒化シリコン膜、酸化チタン膜、または酸化シリコン膜
40:p+層(裏面電界、BSF)
50:正面に形成された銀ペースト
51:銀正面電極(正面銀ペーストを焼成することによって得られた)
60:裏面に形成されたアルミニウムペースト
61:アルミニウム裏面電極(裏面アルミニウムペーストを焼成することによって得られた)
70:裏面に形成された銀または銀/アルミニウムペースト
71:銀または銀/アルミニウム裏面電極(裏面銀ペーストを焼成することによって得られた)
80:はんだ層
500:本発明による正面に形成された銀ペースト
501:本発明による銀正面電極(正面銀ペーストを焼成することによって形成された)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)導電性銀粉末と、
b)Zn含有添加剤と、
c)鉛フリーである1種または複数のガラスフリットとが、
d)有機媒体中に分散されている
ことを特徴とする厚膜導電性組成物。
【請求項2】
全ガラス組成物に対して、
SiO2を0.1〜8重量パーセント、
Al23を0〜4重量パーセント、
23を8〜25重量パーセント、
CaOを0〜1重量パーセント、
ZnOを0〜42重量パーセント、
Na2Oを0〜4重量パーセント、
Li2Oを0〜3.5重量パーセント、
Bi23を28〜85重量パーセント、
Ag2Oを0〜3重量パーセント、
CeO2を0〜4.5重量パーセント、
SnO2を0〜3.5重量パーセント、および
BiF3を0〜15重量パーセント含むことを特徴とする請求項1に記載のガラスフリット。
【請求項3】
(a)Zn、Gd、Ce、Zr、Ti、Mn、Sn、Ru、Co、Fe、Cu、およびCrから選択された金属と、(b)Gd、Ce、Zr、Ti、Mn、Sn、Ru、Co、Fe、Cu、およびCrから選択された1種または複数の金属の金属酸化物と、(c)焼成によって(b)の金属酸化物を生成することができる任意の化合物と、(d)これらの混合物とから選択された、追加の金属/金属酸化物添加剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記Zn含有添加剤は、ZnOであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
請求項1に記載の組成物が堆積されており、前記組成物は、前記有機媒体が除去されるように、かつ前記ガラスフリットおよび銀粉末が焼結されるように、処理されていることを特徴とする基板。
【請求項6】
請求項1に記載の組成物は、前記有機ビヒクルが除去されるように、かつ前記ガラス粒子が焼結されるように焼成されていることを特徴とする請求項1に記載の組成物から形成された電極。
【請求項7】
p−n接合を有する半導体と、半導体の主要面上に形成された絶縁膜とからなる構造要素から、半導体デバイスを製造する方法であって、(a)前記絶縁膜上に、請求項1に記載の厚膜組成物を付着させるステップと、(b)前記半導体、絶縁膜、および厚膜組成物を焼成して、電極を形成するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
前記絶縁膜は、窒化シリコン膜、酸化チタン膜、SiNx:H膜、酸化シリコン膜、および酸化シリコン/酸化チタン膜を含む群から選択されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
請求項7に記載の方法によって形成されたことを特徴とする半導体デバイス。
【請求項10】
前記組成物は、前記有機媒体が除去され、かつ前記ガラスフリットおよび銀粉末が焼結されるように処理されていることを特徴とする請求項1に記載の組成物から形成された半導体デバイス。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図1C】
image rotate

【図1D】
image rotate

【図1E】
image rotate

【図1F】
image rotate


【公開番号】特開2006−332032(P2006−332032A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−112244(P2006−112244)
【出願日】平成18年4月14日(2006.4.14)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】