説明

半導体薄膜の成長方法および装置

【課題】 光を用いた半導体薄膜の結晶成長にあたり、結晶品質の優れた半導体薄膜を成長させることができる半導体薄膜の成長方法および装置を提供する。
【解決手段】 本発明は、成長させるべき結晶膜の種類に応じた原料を反応容器11内に供給し、反応容器11内の半導体基板1上に光を照射しながらその照射部分に半導体薄膜を結晶成長させる半導体薄膜の成長方法であり、半導体薄膜の成長過程において、半導体薄膜の表面温度を所定範囲内に保持するように光の出力を調整するものである。光の出力調整は、成長する半導体薄膜の膜厚に応じて行う。本発明の半導体薄膜の成長装置は、照射手段14を備えており、照射手段14は、光源からの光の出力を調整する光調整手段16を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板上に半導体薄膜を成長させる方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
サファイア基板の表面にInGaN(窒化インジウムガリウム)の半導体被膜を成長させる手段として、例えば下記特許文献1には「半導体結晶膜の成長方法」が開示されている。この方法は、図7に模式的に示す装置を用い、MOCVD法(有機金属気相成長法)でサファイア基板1の上面に半導体被膜を成長させるものである。すなわち、この方法は、サファイア基板1をサセプター4の上に載せ、反応容器6内をH2で置換し、基板1の温度を約650℃以上に保持し、副噴射管3から水素と窒素を、反応ガス噴射管2からアンモニアガスと水素とTMG(トリメチルガリウム)ガスとTMI(トリメチルインジウム)ガスを供給して、サファイア基板1の表面にInGaNの半導体被膜を成長させるものである。なお、この図において、5はシャフト、7はヒータ、8は排気口、9は放射温度計である。また、MOCVD法(有機金属気相成長法)の代わりに、MOMBE法(有機金属分子ビームエピタキシ法)を適用することもできる。
【0003】
上述した方法では、In0.06Ga0.94Nの半導体薄膜を基板上に成長させている。しかし、成長させたInGaN中のInのモル分率が0.06と低いため、赤色を発光する赤色LEDを形成することができなかった。すなわち、赤色を発光させるためにはInGaN中のInの組成を高くする必要があるが、InNのモル分率が高くなると分解温度が約500℃程度まで下がるため、基板温度を650℃以上にする上記手法では基板温度が高すぎてしまい、赤色発光のInGaNを成長させることができなかった。
【0004】
そこで、本出願人は、かかる事情に鑑み、下記特許文献2において開示された「半導体結晶膜の成長方法」を開発した。図8は、この方法を実施するための装置の構成を模式的に示すものである。この装置では、レーザーコントローラ52により制御されたレーザにより、レーザ光60を発生・放射する。レーザは、YAGレーザ、エキシマレーザ等の高出力パルスレーザである。このレーザ光60は、光学系54bとビームホモジナイザー54cを通り、ミラー54dで下向きに反射され、反応容器46に設けられた開口(図示せず)を通して、結晶成長用基板1の上面に照射される。レーザ光60はミラー54dの揺動又は光学系54bの移動により基板上を走査する。また、ステージコントローラ56により、基板1を二次元的に移動できるようになっている。更に、反応容器46(チャンバー)内はポンプ系55及びガス導入部57により所定のガス雰囲気にコントロールされる。
【0005】
この装置により、結晶成長用基板1を反応容器46内で約400℃以上、約650度未満の温度に保持し、反応容器46内に、In,Ga,Nの前駆体を順次又は同時に供給し、基板1表面に高出力パルスレーザを照射させてその照射部分にInGaNを成長させ、MOCVD(有機金属気相成長法)またはMOMBE(有機金属分子ビームエピタキシ法)により、InGaNを成長させる。かかる手法によると、高出力パルスレーザにより前駆体を照射部分で励起してその分子結合(N−H結合、C−アミン結合等)を切断することができる。このため、650℃未満の温度でその部分にInGaNを成長させることができる。つまり、緑色、青色のみならず、赤色を発光するInGaNを成長させることができるのである。
【0006】
また、下記特許文献3にも関連する先行技術が記載されている。
【0007】
また、上述した従来技術の他に、光のエネルギーを利用して膜の堆積を行う化学気相成長の一種として光CVDが一般的に知られている。この光CVDは、気相中の分子振動を赤外線で、あるいは分子の電子状態を紫外線でエネルギー励起することにより、低温成長が可能である。また、光エネルギーをウエーハ加熱に兼用するケースもあり、ICではパッシベーション用の膜成長などに利用される。
【0008】
【特許文献1】特開平04−164895号公報
【特許文献2】特開2003−60237号公報
【特許文献3】特開2003−37288号広報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図9は、上述した特許文献2の方法によりInGaNを成長させた場合における成長膜厚とInGaNの結晶品質との関係を示す図であり、横軸に成長膜厚、縦軸にFWHM(スペクトル半値幅)をとったものである。この図から、膜厚の増大とともに(すなわち成長時間の経過とともに)FWHMが増大していることが分かる。FWHMの増大は結晶品質の劣化を意味するため、この結果から、膜厚の増大とともにInGaNの結晶品質が劣化していることが分かる。このため、従来の手法では、発光ダイオードや半導体レーザに使用できるような結晶品質に優れたInGaNを得ることができなかった。また、同様の理由により、一般的な光CVDによる半導体薄膜の形成においても優れた結晶品質を得ることができなかった。
【0010】
本発明はかかる事情に鑑み、光を用いた半導体薄膜の結晶成長にあたり、結晶品質の優れた半導体薄膜を成長させることができる半導体薄膜の成長方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の半導体薄膜の成長方法は、成長させるべき結晶膜の種類に応じた原料を反応容器内に供給し、反応容器内の半導体基板上に光を照射しながらその照射部分に半導体薄膜を結晶成長させる半導体薄膜の成長方法であって、半導体薄膜の成長過程において、半導体薄膜の表面温度を所定範囲内に保持するように光の出力を調整する、ことを特徴としている(請求項1)。
【0012】
また、上記本発明の方法において、好ましくは、前記光の出力の調整を、成長する半導体薄膜の膜厚に応じて行う(請求項2)。
【0013】
また、上記本発明の方法において、前記光としてレーザ光を用い、前記半導体薄膜として窒化物半導体を成長させる(請求項3)。
【0014】
本発明の半導体薄膜の成長装置は、半導体基板を収容する反応容器と、成長させるべき結晶膜の種類に応じた原料を前記反応容器内に供給する原料供給手段と、半導体基板上に光を照射する照射手段とを備え、半導体基板上に光を照射しながらその照射部分に半導体薄膜を結晶成長させる半導体薄膜の成長装置であって、前記照射手段は、光を出射する光源と該光源からの光の出力を調整する光調整手段とを含み、該光調整手段は、半導体薄膜の成長過程において、半導体薄膜の表面温度を所定範囲内に保持するように光の出力を調整する、ことを特徴としている(請求項4)。
【0015】
また、本発明の装置において、好ましくは、前記光調整手段は、半導体薄膜の膜厚に応じて光の出力を調整する、(請求項5)。
【0016】
また、本発明の装置において、前記光源はレーザ光源であり、前記半導体薄膜は窒化物半導体である(請求項6)。
【発明の効果】
【0017】
従来のレーザ光によるInGaNの膜成長や光CVDによる半導体薄膜の結晶成長では、照射する光の出力は、その成長過程において変化させることなく一定に設定していた。一方、レーザ光を照射したときに半導体薄膜の表面の温度変化を熱解析により解析した結果、半導体薄膜の膜厚が増大するに従い、半導体薄膜の表面温度が降下していくことが判明した。これは、図9に示したように成長膜厚の増大とともに結晶膜の結晶品質が劣化する傾向と一致している。そして、これらの事実から、半導体薄膜の表面の温度降下と膜の結晶品質との間には因果関係があると推定することができる。
【0018】
そこで、本発明では、膜の成長過程における半導体薄膜の表面温度の降下を防止するため、半導体薄膜の成長過程において、半導体薄膜の表面温度を所定範囲内に保持するように光の出力を調整するようにしたのである。このため、半導体薄膜の表面温度をほぼ一定にすることで、膜の結晶品質を成長初期と同等の品質に維持することができる。つまり、薄膜の成長過程において結晶品質の劣化を防止することができるため、結晶品質に優れた半導体薄膜を成長させることができるのである。
【0019】
また、レーザ光を用いて基板上に窒化物半導体の薄膜を成長させる場合において、特に窒化物半導体がInGaNであるときは、Inの量を減少させずに高品質の半導体薄膜を成長させることができる。このため、発光ダイオードや半導体レーザに使用できるような結晶品質に優れたInGaNを得ることができる。
【0020】
つまり、本発明によれば、光を用いた半導体薄膜の結晶成長にあたり、結晶品質の優れた半導体薄膜を成長させることができるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図において、同一部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する。
【0022】
図1は、本発明の半導体薄膜の成長装置の一例を概略的に示す図である。この装置によって本発明の半導体薄膜の成長方法を実施することができる。本実施形態では、MOCVD(有機金属気相成長法)又はMOMBE(有機金属分子ビームエピタキシ法)にレーザ光を適用し、窒化物半導体のうちInGaNの結晶膜を成長させる場合について説明するが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。
【0023】
図1に示すように、この成長装置は、少なくとも、結晶成長用の半導体基板1を収容する反応容器11と、成長させるべき結晶膜の種類に応じた原料を反応容器11内に供給する原料供給手段20と、半導体基板1上に光を照射する照射手段14とを備えて構成されている。
【0024】
反応容器11の内部には、半導体基板1を載置するステージ21が設けられている。このステージ21は反応容器内の外部に設けられたステージコントローラ22によって二次元的に移動できるようになっている。半導体基板1は、反応容器11内で図示しない温度調節手段(例えばヒータ)により所定温度(例えば600℃)に保持される。半導体基板1は、シリコン、SiC又はサファイアであるのが良い。
【0025】
原料供給手段20は、反応容器11内に原料を供給する。原料は成長させるべき結晶膜の種類に応じて選択される。本実施形態では、InGaNを成長させるため、供給する原料ガスは、In(インジウム),Ga(ガリウム),N(窒素)の前駆体である。この場合、Inの前駆体としてはTMI(トリメチルインジウム)、Gaの前駆体としてはTMG(トリメチルガリウム)、Nの前駆体としてはアンモニア、N(ヒドラジン)又はTMNH(トリメチルアミン)を使用することができる。
【0026】
照射手段14は、光を出射する光源15と、この光源15からの光の出力を調整する光調整手段16とを有している。本実施形態では、光源15はレーザである。レーザは、エキシマレーザやYAGレーザ等の高出力パルスレーザが好適であるが、前駆体を励起・分解して結晶膜を成長させることができるエネルギーに相当する波長のレーザ光を出射できるものであればこれに限定されない。
【0027】
光調整手段16は、半導体薄膜の成長過程において、半導体薄膜の表面温度を所定範囲内に保持するように光の出力を調整する。具体的には、光調整手段16は、成長する半導体薄膜の膜厚に応じて光の出力を調整する。
【0028】
光調整手段16は例えば図2に模式的に示すようなアッテネータとして構成することができる。この例による光調整手段16は、回転可能に設置された1/2波長板31と、TFP(Thin Film Plate Polarizers)32と、反射光を吸収するビームダンパ33a、33bと、入射する光のうち99%を反射し残りの1%を透過させる99%反射ミラー34と、入射する光を全反射する反射ミラー35と、99%反射ミラー34を透過した1%出力光を検出するディテクター36と、出力光を遮るシャッター部37とを備えて構成されている。1/2波長板31は図示しないモータ等の駆動手段により回転させられるようになっている。また、シャッター部37は、揺動可能に設けられた反射ミラー38と、反射ミラーで反射した出力光を吸収するビームダンパ39とを有している。なお、θはブルースター角であり、YAGレーザ第2高調波(532nm)の場合はθ=56.56°である。このような構成の光調整手段16では、入射光を1/2反射板31、TFP32を通過させ、99%反射ミラー34を透過した1%出力光をディテクター36で検出し、図示しないエネルギーモニターにより出力光の出力を監視しつつ、出力光の出力が所定値となるように1/2波長板31を回転させる。なお、光調整手段16は、図2のような構成に限られるものではなく、光の出力を調整できるものであれば他の構成であってもよい。
【0029】
また、図1に示すように、照射手段14は、さらに光学系17と、ビームホモジナイザー18と、ミラー19とを備えており、光源15から出射されたレーザ光10は光学系及びビームホモジナイザー18を通り、ミラー19で下向きに反射され、反応容器11に設けられた図示しないレーザ光透過窓を通して、半導体基板1の上面に照射される。レーザ光10はミラー19の揺動又は光学系の移動により半導体基板1上を走査する。なお、符号24はポンプ系である。
【0030】
この装置では、高出力パルスレーザにより前駆体を照射部分で励起してその分子結合(N−H結合、C−アミン結合等)を切断することができる。このため、650℃未満の温度でもその部分にInGaNを成長させることができる。
【0031】
上述したように、従来のレーザ光によるInGaNの膜成長や光CVDによる半導体薄膜の結晶成長では、照射する光の出力は、その成長過程において変化させることなく一定に設定していた。そこで、レーザ光を照射したときに半導体薄膜の表面の温度変化を熱解析により解析してみると図3に示すような結果が得られた。解析条件は次の通りである。
【0032】
[解析条件]
1.レーザ
(1)波長:532nm
(2)パルス幅:7ns
2.InGaN層
(1)吸収係数:7.0×10−1
(2)初期温度:600℃
【0033】
図3は、横軸に膜厚をとり、縦軸にInGaNの表面温度をとったものであり、●、▲、■は、それぞれ、レーザ出力が1mW/Pulse、3mW/Pulse、5mW/Pulseの場合の値を示している。図3から、半導体薄膜の膜厚が50nmをピークに膜厚が増大するに従い、半導体薄膜の表面温度が降下していくことが判明した。これは、図9に示したように成長膜厚の増大とともに結晶膜の結晶品質が劣化する傾向と一致している。そして、これらの事実から、半導体薄膜の表面の温度降下と膜の結晶品質との間には因果関係があると推定することができる。
【0034】
そこで、本発明では、膜の成長過程における半導体薄膜の表面温度の降下を防止するため、半導体薄膜の成長過程において、半導体薄膜の表面温度を所定範囲内に保持するように光の出力を調整するようにしたのである。
【0035】
図4は、半導体薄膜の表面温度を一定に保持するために必要な出力制御履歴の一例を示すものであり、横軸に膜厚をとり、縦軸に出力をとっている。この出力制御履歴は、予め解析により求めることができる。このように、半導体基板の表面温度を一定に保持するためには、膜厚の増大に伴って光の出力を増大させることが必要である。
【0036】
なお、実際上は成長する半導体薄膜の膜厚をリアルタイムで測定することは困難である。しかし、膜の成長速度は原料ガスの種類とレーザの条件によって決まるため、原料ガスの種類に応じて成長時間と膜厚との関係を予め求めておくことで、膜の成長時間から膜厚を推定することができる。したがって、上述した光調整手段では、膜の成長時間から推定した膜厚に基づき、光の出力を調整することができる。また、将来的に、成長する半導体薄膜の膜厚をリアルタイムで測定することが可能となった場合には、測定した膜厚に基づいて、上述した出力制御履歴に従って光の出力を調整するようにしてもよい。
【0037】
図5は、本発明のように光の出力制御を行った場合と、行わなかった場合のそれぞれにおける半導体薄膜の表面温度の変化の様子を示す図である。この図から、光の出力制御を行わなかった場合は成長膜厚の増大とともに表面温度が降下しているのに対し、光の出力制御を行った場合は成長膜厚が増大しても表面温度はほぼ一定値を保持していることが分かる。
【0038】
このように、本発明では、半導体薄膜の表面温度をほぼ一定にすることで、膜の結晶品質を成長初期と同等の品質に維持することができる。つまり、薄膜の成長過程において結晶品質の劣化を防止することができるため、結晶品質に優れた半導体薄膜を成長させることができるのである。
【0039】
図6は、従来技術による場合、つまり通常の基板加熱のみでの半導体薄膜の結晶成長の場合における膜の成長温度と固相中のIn組成との関係を示すものである。この図から、固相中のIn組成は成長温度の低い方から0.49、0.51、0.48、0.41、0.26となり、成長温度の増大に伴い固相中のIn組成が減少することが分かる。しかし、本実施形態のようなレーザによる短時間加熱によると、インジウムの量を減少させずに高品質の半導体薄膜を成長させることができる。従来の熱力学解析では困難とされていた混晶半導体薄膜には本発明を適用することで、高品質のものを得ることが可能となる。このため、発光ダイオードや半導体レーザに使用できるような結晶品質に優れたInGaNを得ることができる。
【0040】
なお、本発明は、窒化物半導体のみならず、光CVDを含め全ての半導体薄膜の光による成長に適用することができる。また、膜厚が50nmを超える膜厚の半導体薄膜には特に有効である。
【0041】
また、本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の半導体薄膜の成長装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】光調整手段としてのアッテネータの概略構成図である。
【図3】成長膜厚とInGaN表面温度との関係を示す図である。
【図4】半導体薄膜の表面温度を一定に保持するために必要な出力制御履歴の一例を示す図である。
【図5】光の出力制御を行った場合と行わなかった場合の半導体薄膜の表面温度を示す図である。
【図6】膜の成長温度と固相中のIn組成との関係を示す図である。
【図7】特許文献1に記載された従来技術を説明する図である。
【図8】特許文献2に記載された従来技術を説明する図である。
【図9】成長膜厚と結晶性との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0043】
1 半導体基板
10 レーザ光
11 反応容器
14 照射手段
15 光源
16 光調整手段
17 光学系
18 ビームホモジナイザー
19 ミラー
20 原料供給手段
21 ステージ
22 ステージコントローラ
24 ポンプ系
31 1/2波長板
32 TFP
33a,33b ビームダンパ
34 99%反射ミラー
35 反射ミラー
36 ディテクター
37 シャッター部
38 反射ミラー
39 ビームダンパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成長させるべき結晶膜の種類に応じた原料を反応容器内に供給し、反応容器内の半導体基板上に光を照射しながらその照射部分に半導体薄膜を結晶成長させる半導体薄膜の成長方法であって、
半導体薄膜の成長過程において、半導体薄膜の表面温度を所定範囲内に保持するように光の出力を調整する、
ことを特徴とする半導体薄膜の成長方法。
【請求項2】
前記光の出力の調整を、成長する半導体薄膜の膜厚に応じて行う、ことを特徴とする請求項1に記載の半導体薄膜の成長方法。
【請求項3】
前記光としてレーザ光を用い、前記半導体薄膜として窒化物半導体を成長させる、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体薄膜の成長方法。
【請求項4】
半導体基板を収容する反応容器と、成長させるべき結晶膜の種類に応じた原料を前記反応容器内に供給する原料供給手段と、半導体基板上に光を照射する照射手段とを備え、半導体基板上に光を照射しながらその照射部分に半導体薄膜を結晶成長させる半導体薄膜の成長装置であって、
前記照射手段は、光を出射する光源と該光源からの光の出力を調整する光調整手段とを含み、該光調整手段は、半導体薄膜の成長過程において、半導体薄膜の表面温度を所定範囲内に保持するように光の出力を調整する、
ことを特徴とする半導体薄膜の成長装置。
【請求項5】
前記光調整手段は、半導体薄膜の膜厚に応じて光の出力を調整する、ことを特徴とする請求項4に記載の半導体薄膜の成長装置。
【請求項6】
前記光源はレーザ光源であり、前記半導体薄膜は窒化物半導体である、ことを特徴とする請求項4又は5に記載の半導体薄膜の成長方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−156442(P2006−156442A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−340211(P2004−340211)
【出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(000000099)石川島播磨重工業株式会社 (5,014)
【Fターム(参考)】