説明

半導体装置の実装方法

【課題】実装基板に半田ボールを介して半導体装置を実装する際に生じる不具合(半田ペーストと半導体装置に供給されたボール状の外部端子との未融合、半田ボールのブリッジ、および半田ボールのボール落ち)を防止して、半導体装置の実装歩留まりを向上させる。
【解決手段】予め、第1解析により第1BGA10aの反り量を測定し、さらに第2解析により半田ボール(伝導経路)13の形状に関する検量線(形状と荷重との関係)を算出し、この第1および第2解析の結果に基づいて、最適な半田ペースト(半導体装置用半田ペースト)の供給量を算出した後、複数のバンプ・ランド(半導体装置用バンプ・ランド)3にそれぞれ半田ペースト(半導体装置用半田ペースト)を供給することによって、実装基板1の第1主面1xに第1BGA10aを実装する際に生じる不具合を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の実装技術に関し、特に、ボール状の外部端子を有する半導体装置を、その外部端子を介して実装基板に半田付けする実装方法に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば特開2007−88293号公報(特許文献1)には、電子部品を基板に半田付け実装する際の基板の反りを低減するために、基板の反りを低減したい箇所であって電子部品の実装領域の裏面にあたる部分に反り低減部材を接合する方法が開示されている。反り低減部材は、電子部品の外形寸法とほぼ等しい外形寸法を有し、電子部品の半田接続部よりも融点の低い接合材によって基板に接合されることが記載されている。また、反り低減部材の基板への実装は、その他の電子部品の半田付け実装工程と同一工程内で行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−88293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
BGA(Ball Grid Array)は、半田からなる小さいボール状の外部端子(以下、半田ボール(BGAボール)と記載する)が格子状に並べられた半導体装置である。BGAは多数の半田ボール(BGAボール)を設けることができるうえ、平面視において、半田ボール(BGAボール)がBGAの周囲から張り出さないので実装面積を小さくすることができる。
【0005】
しかしながら、BGAは、例えばガラスエポキシ系樹脂からなる配線基板に、シリコン基板からなる半導体チップを搭載し、この半導体チップをエポキシ系樹脂により封止したパッケージ構造となっている。また、配線基板の下面には複数の半田ボール(BGAボール)が搭載されている。このように、BGAは、種々の材料によって構成されていることから、BGAに対して熱が加えられると、BGAの至るところにおいて反りが生じる。そのため、BGAを実装基板に実装する工程おいては、以下に説明するBGAの反りに起因した種々の技術的課題が存在する。
【0006】
(1)実装基板の第1主面(上面、表面)に露出して形成されたバンプ・ランド(半導体装置用バンプ・ランド)の表面に印刷される半田ペースト(半導体装置用半田ペースト)と半田ボール(BGAボール)との未融合。
【0007】
図27(a)に示すように、実装基板1にBGA10を実装するときには、実装基板1の主面に露出して形成された複数のバンプ・ランド3の表面に印刷された半田ペースト8と、BGA10に供給された半田ボール(BGAボール)12とを接触させる。続いて、230〜240℃の温度でリフロー処理を施すことによって、半田ペースト8と半田ボール(BGAボール)12とを一体化して1つの半田ボール(伝導経路)13を形成する。半田ボール(伝導経路)13とは、半田ペースト8と半田ボール(BGAボール)12とが一体化したものであり、BGA10に供給された半田ボール(BGAボール)12とは区別する。この半田付けにより、BGA10が実装基板1に実装される。
【0008】
しかし、図27(b)に示すように、リフロー処理においてBGA10の中央部が裏面方向に突き出た凹形状に反ると、BGA10の内側領域に配置された半田ボール(BGAボール)12と半田ペースト8とは接触しても、BGA10の外周領域に配置された半田ボール(BGAボール)12と半田ペースト8とが接触しないことがある。また、半田ボール(BGAボール)12と半田ペースト8とが接触しても、半田ペースト8への半田ボール(BGAボール)12の押し込みが弱いと、図28に示すように、半田ペースト8の表面の被膜(例えば酸化膜)が残ってしまい、半田ペースト8と半田ボール(BGAボール)12とが溶融しないこともある。このような半田ペースト8と半田ボール(BGAボール)12との未融合が生じると、半田ペースト8と半田ボール(BGAボール)12とが一体化せず、この部分において電気的な高抵抗または非導通が生じてしまう。
【0009】
特に、この半田ペースト8と半田ボール(BGAボール)12との未融合は、図27(c)に示すように、黒塗りで示す最外周の四箇所の角部に位置する半田ボール(BGAボール)12において生じ易い。
【0010】
(2)実装基板の第1主面(上面、表面)に露出して形成された複数のバンプ・ランド(半導体装置用バンプ・ランド)の表面に印刷される半田ペースト(半導体装置用半田ペースト)と半田ボール(BGAボール)とを融合させることによって生じる半田ボール(伝導経路)のブリッジ。
【0011】
図29(a)に示すように、実装基板1にBGA10を実装するときには、実装基板1の第1主面に露出して形成された複数のバンプ・ランド3の表面に印刷された半田ペースト8と、BGA10に供給された半田ボール(BGAボール)12とを接触させる。続いて、230〜240℃の温度でリフロー処理を施すことによって、半田ペースト8と半田ボール(BGAボール)12とを一体化して1つの半田ボール(伝導経路)13を形成する。この半田付けにより、BGA10が実装基板1に実装される。
【0012】
しかし、図29(b)に示すように、リフロー処理においてBGA10の中央部が表面方向に突き出た凸形状に反ると、BGA10の外周領域に形成された半田ボール(伝導経路)13が押しつぶされて、隣接する半田ボール(伝導経路)13同士が繋がってしまう。このような半田ボール(伝導経路)13のブリッジが生じると、この部分において電気的な短絡が生じてしまう。
【0013】
特に、この半田ボール(伝導経路)13のブリッジは、図29(c)に示すように、黒塗りで示す最外周の斜めに対向する二箇所の角部に位置する半田ボール(BGAボール)12において生じ易い。
【0014】
(3)実装基板の第1主面(上面、表面)にBGAを実装した後、実装基板の第1主面と反対側に位置する第2主面(下面、裏面)に他のBGAを実装するときに、先に実装基板の第1主面に実装したBGAにおいて生じる半田ボール(伝導経路)落ち。
【0015】
実装基板1の第1主面(上面、表面)1xおよび第2主面(下面、裏面)1yに第1BGA10xおよび第2BGA10yをそれぞれ実装する工程は、例えば以下の手順に従って進められる。まず、図30(a)に示すように、実装基板1の第1主面1xに形成された複数のバンプ・ランド3の表面に印刷された半田ペーストと、第1BGA10xに供給された半田ボール(BGAボール)とを接触させる。続いて、1回目の半田付けにより、第1BGA10xを実装基板1の第1主面1xに実装する。次に、同様にして、実装基板1の第2主面1yに形成された複数のバンプ・ランド5の表面に印刷された半田ペースト26と、第2BGA10yに供給された半田ボール(BGAボール)12yとを接触させる。続いて、2回目の半田付けにより、第2BGA10yを実装基板1の第2主面1yに実装する。
【0016】
しかし、図30(b)に示すように、2回目の半田付けのリフロー処理において、第1BGA10xの内側領域に形成された半田ボール(伝導経路)13が第1BGA10xに設けられたバンプ・ランドから外れることがある。図示はしないが、半田ボール(伝導経路)13は、実装基板1のバンプ・ランド3から外れることもある。
【0017】
これは、以下に説明する現象によると考えられる。
【0018】
1回目の半田付けにおいて半田ボール(伝導経路)13が凝固するときは、第1BGA10xは半田ボール(伝導経路)13により実装基板1に固定される。このとき、第1BGA10xは構成材料の特性や温度分布などこの時点の条件に見合った反りを呈する。この反りは、これ以降、次に半田ボール(伝導経路)13が溶融して拘束から開放されるまで維持される。
【0019】
次に、2回目の半田付けにおいて半田ボール(伝導経路)13が溶融するときは、第1BGA10xは半田ボール(伝導経路)13の再溶融により拘束がなくなり、図30(a)に示すように、構成材料の特性や温度分布などこの時点の条件に見合った反りを呈する。1回目の半田付けにおいて半田ボール(伝導経路)13が凝固するときの構成材料の特性や温度分布などの条件と、2回目の半田付けにおいて半田ボール(伝導経路)13が再溶融するときの構成材料の特性や温度分布などの条件は一致しない。そのため、第1BGA10xは、2回目の半田付けにおいて半田ボール(伝導経路)13が再溶融する際、1回目の半田付けにおいて半田ボール(伝導経路)13が凝固するときと比べて反り量が変化する。この反り量の変化は、凸形状が増す場合があり、第1BGA10xの内側において、第1BGA10xに設けられたバンプ・ランドと実装基板1に設けられたバンプ・ランド3とを離す動きが発生する。
【0020】
また、2回目の半田付けのときの半田ボール(伝導経路)13は、リフロー装置から供給される熱および実装基板1と第1BGA10xとの位置関係から、第1BGA10xの周辺から内側に向かう順番で溶融していく。これは、第1BGA10xを搭載した実装基板1がリフロー装置に備わるリフロー炉の内部に配置された状態で、上述したリフロー処理が行なわれるためである。そのため、第1BGA10xの内側に配置された半田ボール(伝導経路)13は、第1BGA10xの外側に配置された半田ボール(伝導経路)13に比べて溶融されるタイミングが遅れる。そして、リフロー処理の時間が経つにつれて、内側に配置された半田ボール(伝導経路)13とバンプ・ランド3との接合部に生じる応力(剥がれる方向に働く応力)も増加し、内側の半田ボール(伝導経路)13が溶融すると、接合状態が一気に開放されるため、外側の半田ボール(伝導経路)13のように徐々に変形して接合部を維持することができずに、破断が生じる。
【0021】
従って、この半田ボール(伝導経路)13のボール落ちは、図30(c)に示すように、黒塗りで示す第1BGA10xの内側領域に位置する半田ボール(BGAボール)12において生じ易い。
【0022】
また、半田ボール(伝導経路)13のはがれ易さは、反りの変化量に依存し、さらに、構成材料の半田付けの熱履歴、保管時の吸湿の違いによる特性(例えばガラス転移温度)の変化、1回目の半田付けにおける半田凝固時の温度分布と2回目の半田付けにおける半田再溶融時の温度分布の違いなどの影響を受ける。
【0023】
このように、BGA実装工程おいては、BGAの反りに起因した半田ペーストと半田ボール(BGAボール)との未融合、半田ボール(伝導経路)のブリッジ、および半田ボール(伝導経路)のボール落ちなどの問題が発生する。しかし、これらの現象に影響を及ぼす要因は、半田ボール(BGAボール)のピッチ、半田ボール(BGAボール)の配列、BGAの自重、半田ペーストの供給量、リフロー処理の温度および雰囲気、BGAの温度分布など、多岐にわたっている。そのため、これら種々の要因に対してそれぞれに適する値を絞り込むことは難しく、上記した様々な課題を全て解決することは難しい。
【0024】
上述の特許文献1では、実装基板の上面と下面に電子部品を半田付け実装する際の実装基板の反りを低減できる実装基板の反り低減構造および実装基板の反り低減方法が開示されている。しかし、この実装基板の反り低減構造および実装基板の反り低減方法では、BGAそのものが反った場合には適用することができない。また、例えば半田ペーストと半田ボール(BGAボール)との未融合および半田ボール(伝導経路)のブリッジは、実装基板の上面のみに電子部品が実装される場合にも生じるため、上述の特許文献1の実装基板の反り低減構造および実装基板の反り低減方法を適用することができない。
【0025】
本発明の目的は、実装基板に半田ボール(伝導経路)を介して半導体装置を実装する際に生じる不具合(半田ペーストと半導体装置に供給されたボール状の外部端子(半田ボール(BGAボール))との未融合、半田ボール(伝導経路)のブリッジ、および半田ボール(伝導経路)のボール落ち)を防止して、半導体装置の実装歩留まりを向上させることのできる技術を提供することにある。
【0026】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0028】
すなわち、本願発明の半導体装置の実装方法では、予め、第1解析により半導体装置の反り量を測定し、さらに第2解析により半田ボール(伝導経路)の形状に関する検量線(形状と荷重との関係)を算出し、この第1および第2解析の結果に基づいて、最適な半田ペーストの供給量を算出した後、複数のバンプ・ランドにそれぞれ半田ペーストを供給するものである。
【発明の効果】
【0029】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの一実施の形態によって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0030】
実装基板に半田ボール(伝導経路)を介して半導体装置を実装する際に生じる不具合、例えば半田ペーストと半導体装置に供給されたボール状の外部端子(半田ボール(BGAボール))との未融合、半田ボール(伝導経路)のブリッジ、および半田ボール(伝導経路)のボール落ちを防止して、半導体装置の実装歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態1による半導体装置の実装手順を説明する工程図である。
【図2】本発明の実施の形態1による半導体装置の実装工程を説明する電子装置の要部断面図である。
【図3】図2に続く電子装置の製造工程中の図2と同じ箇所の要部断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1による半田ペーストの供給量を計算する工程図である。
【図5】本発明の実施の形態1によるBGAの高温反り測定方法を説明する模式図である。
【図6】本発明の実施の形態1によるBGAの高温反りの測定範囲を示すBGAの裏面図(裏面に供給された半田ボール(BGAボール)の配置図)である。
【図7】本発明の実施の形態1によるBGAの高温反りの経時変化を示すグラフ図である。
【図8】(a)および(b)はそれぞれ本発明の実施の形態1による第1BGAの裏面に配置された複数の半田ボール(BGAボール)の配例図および第2BGAの裏面に配置された複数の半田ボール(BGAボール)の配列図である。
【図9】本発明の実施の形態1によるBGAの高温反りの各温度(昇温前の室温、予熱温度、半田溶融温度、およびリフロー最高温度)におけるBGAの形状を示す模式図である。
【図10】(a)、(b)、および(c)はそれぞれ本発明の実施の形態1による実装基板とBGAとの接続部分を半田ボール(伝導経路)で表した模式図、実装基板とBGAとの接続部分をバネで表した模式図、および解析モデルに用いるパラメータを説明する半田ボール(伝導経路)の模式図である。
【図11】本発明の実施の形態1による解析モデルを用いて算出された1つの半田ボール(伝導経路)の高さと1つの半田ボール(伝導経路)が負担する荷重との関係の一例を示すグラフ図である。
【図12】本発明の実施の形態1による解析モデルを用いて算出された半田ボール(伝導経路)の体積が一定の場合における1つの半田ボール(伝導経路)の高さと1つの半田ボール(伝導経路)の幅との関係の一例を示すグラフ図である。
【図13】本発明の実施の形態1による半田ペーストと半田ボール(BGAボール)とのオーバーラップ量を説明する模式図である。
【図14】(a)および(b)はそれぞれ本発明の実施の形態1による第1BGAが実装される領域の実装基板の第1主面に形成された複数のバンプ・ランドの配列図および第2BGAが実装される領域の実装基板の第1主面に形成された複数のバンプ・ランドの配列図である。
【図15】(a)および(b)はそれぞれ本発明の実施の形態1による第1BGAが実装される領域に対向する印刷マスクの平面図および第2BGAが実装される領域に対向する印刷マスクの平面図である。
【図16】図3に続く電子装置の製造工程中の図2と同じ箇所の要部断面図である。
【図17】(a)および(b)はそれぞれ本発明の実施の形態1によるBGAの要部断面図およびBGAの裏面に供給された半田ボール(BGAボール)の配列図である。
【図18】図16に続く電子装置の製造工程中の図2と同じ箇所の要部断面図である。
【図19】図18に続く電子装置の製造工程中の図2と同じ箇所の要部断面図である。
【図20】図19に続く電子装置の製造工程中の図2と同じ箇所の要部断面図である。
【図21】図20に続く電子装置の製造工程中の図2と同じ箇所の要部断面図である。
【図22】図21に続く電子装置の製造工程中の図2と同じ箇所の要部断面図である。
【図23】本発明の実施の形態2による解析モデルを用いて算出された1つの半田ボール(伝導経路)の高さと実装基板の主面に形成された1つのバンプ・ランドの径との関係の一例を示すグラフ図である。
【図24】本発明の実施の形態2による解析モデルを用いて算出された1つの半田ボール(伝導経路)の幅と実装基板の主面に形成された1つのバンプ・ランドの径との関係の一例を示すグラフ図である。
【図25】(a)および(b)はそれぞれ本発明の実施の形態2による第1BGAが実装される領域に対向する印刷マスクの平面図および第2BGAが実装される領域に対向する印刷マスクの平面図である。
【図26】(a)および(b)はそれぞれ本発明の実施の形態2による第1BGAが実装される領域の実装基板の第1主面に形成された複数のバンプ・ランドの配列図および第2BGAが実装される領域の実装基板の第1主面に形成された複数のバンプ・ランドの配列図である。
【図27】本発明者らによって検討された半田ペーストと半田ボール(BGAボール)との未融合を説明する模式図であり、(a)、(b)、および(c)はそれぞれ半田予熱時におけるBGAの要部断面図、半田溶融後におけるBGAの要部断面図、およびBGAの裏面に供給された半田ボール(BGAボール)の配置図である。
【図28】本発明者らによって検討された半田ペーストと半田ボール(BGAボール)との未融合を説明する半田ボール(BGAボール)部分の要部断面図である。
【図29】本発明者らによって検討された半田ボール(伝導経路)のブリッジを説明する模式図であり、(a)、(b)、および(c)はそれぞれ半田溶融時におけるBGAの要部断面図、半田溶融後におけるBGAの要部断面図、およびBGAの裏面に供給された半田ボール(BGAボール)の配置図である。
【図30】本発明者らによって検討された半田ボール(伝導経路)のボール落ちを説明する模式図であり、(a)、(b)、および(c)はそれぞれ半田溶融開始時におけるBGAの要部断面図、半田溶融後におけるBGAの要部断面図、およびBGAの裏面に供給された半田ボール(BGAボール)の配置図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下の実施の形態において、便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
【0033】
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0034】
また、以下の実施の形態で用いる図面においては、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。また、以下の実施の形態において、半田ボール(伝導経路)とは、半導体装置の裏面に形成された複数のバンプ・ランドに接続された半田ボール(BGAボール)と、実装基板の主面に形成された複数のバンプ・ランドの表面に供給された半田ペーストとが溶融して一体化したものを言い、半導体装置の裏面に供給された上記半田ボール(BGAボール)とは区別する。
【0035】
また、以下の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0036】
(実施の形態1)
本実施の形態1による半導体装置の実装工程の一例を図1〜図22を用いて工程順に説明する。図1は半導体装置の実装手順を説明する工程図、図2、図3、図16および図18〜図22は本実施の形態1による半導体装置の実装工程中における電子装置の要部断面図、図4〜図13は複数のバンプ・ランドの表面に印刷される半田ペーストの供給量を求める方法を説明する図、図14はBGAが実装される領域の実装基板の第1主面に形成された複数のバンプ・ランドの配列図、図15は実装基板の第1主面に形成された複数のバンプ・ランドに半田ペーストを印刷する際に用いる印刷マスクの平面図、図17(a)および(b)はそれぞれ実装基板に搭載されるBGAの構造の一例を示す要部断面図および裏面の半田ボール(BGAボール)の配置図である。
【0037】
本実施の形態1では、半導体装置は、半導体装置の裏面(下面)に形成された外部端子を用いて実装基板の主面(第1主面および第2主面)に実装される。ここで、本実施の形態1における外部端子は、半田材(鉛フリー半田を含む)から成り、この外部端子の形状はボール状である。また、このボール状の外部端子(半田ボール(BGAボール))の形成方法には、ボール供給法、印刷法、メッキ法などがあるが、本実施の形態1では、生産性や仕上がり精度の良いボール供給法を採用した。また、ボール供給法の場合、バンプ・ランドに供給される半田の量を、印刷法またはメッキ法を用いた場合に比べて多くできるため、半導体装置の実装強度を向上させることができる。また、ボール状の外部端子は半導体装置の裏面に供給し、実装基板の主面には供給していない。これは、ボール状の外部端子を実装基板の主面に供給しておくと、半田ペースト印刷の際に支障をきたすためである。
【0038】
本実施の形態1では、複数の半導体装置および他の搭載部品(例えばチップコンデンサ等)を実装基板の主面に実装した電子装置について説明する。半導体装置としては、BGAを例示する。BGAは、その裏面に複数の半田による小さいボール状の外部端子(半田ボール(BGAボール))を有し、そのボール状の外部端子と実装基板の主面に形成された保護膜(絶縁膜)から露出するように形成された複数のバンプ・ランド(半導体装置用バンプ・ランド)の表面に印刷される半田ペースト(半導体装置用半田ペースト)とを融合させて実装基板に実装される。また、他の搭載部品は、その側面に複数の半田による電極を有し、その電極と実装基板の主面に形成された複数のバンプ・ランドの表面に印刷される半田ペーストとを融合させて実装基板に実装される。
【0039】
まず、図2に示すように、実装基板1を用意する(図1の実装基板準備工程)。
【0040】
<実装形態について>
実装基板1の第1主面(上面、表面)1x、および第1主面1xと反対側に位置する第2主面(下面、裏面)1yに、BGAおよび他の搭載部品が半田付け実装される。本実施の形態1では、実装基板1の第1主面1xのA領域に第1BGAを実装し、実装基板1の第1主面1xのB領域に第2BGAを実装し、実装基板1の第2主面1yのC領域に第3BGAを実装し、実装基板1の第2主面1yのD領域に第1搭載部品を実装し、実装基板1の第2主面1yのE領域に第2搭載部品を実装するとしたが、これに限定されるものではないことは言うまでもない。
【0041】
<実装基板について>
実装基板1は、基材2と、この基材2の第1主面(実装基板1の第1主面1x側の面)2xに形成された配線層と、この基材2の第1主面2xと反対側に位置する第2主面(実装基板1の第2主面1y側の面)2yに形成された配線層とを有している。ここで、基材2の第1主面2xに形成された配線層は、この配線層に形成された配線(他の配線パターン)と、この配線層に形成された配線の一部から成る複数のバンプ・ランド(半導体装置用バンプ・ランド、電極パッド)3とを有している。そして、このバンプ・ランド3は、基材2の第1主面2xに形成された配線層を覆うようにして形成された保護膜(絶縁膜)4から露出している。同様に、基材2の第2主面2yに形成された配線層は、この配線層に形成された配線(他の配線パターン)と、この配線層に形成された配線の一部から成る複数のバンプ・ランド(半導体装置用バンプ・ランド、電極パッド)5とを有している。そして、このバンプ・ランド5は、基材2の第2主面2yに形成された配線層を覆うようにして形成された保護膜(絶縁膜)6から露出している。
【0042】
基材2は、例えばガラス繊維にエポキシ系またはポリイミド系の熱硬化性の樹脂(所謂、ガラスエポキシ系樹脂)を含浸させた高弾性樹脂基板で形成されている。基材2の第1主面2xおよび第2主面2yに形成された各配線層は、例えば銅を主成分とする金属膜で形成されている。保護膜4,6は、例えばソルダレジスト(絶縁膜)で形成されている。
【0043】
保護膜4,6は、基材2の第1主面2xおよび第2主面2yに形成された各配線層を保護する目的で形成されているが、この配線層に形成された配線の一部からなる複数のバンプ・ランド3,5は、保護膜4,6にそれぞれのバンプ・ランド3,5に対応して形成された開口部7から露出している。複数のバンプ・ランド3,5の直径は、例えば0.4mm、複数のバンプ・ランド3,5を覆う保護膜4,6に形成された開口部の直径は、例えば0.5mmであり、複数のバンプ・ランド3,5の表面および側面が保護膜4,6から露出するように、上記開口部7は設けられている。
【0044】
次に、図3に示すように、実装基板1の第1主面1xに形成された複数のバンプ・ランド3の表面に半田ペースト(半導体装置用半田ペースト)8を供給する(図1の第1主面半田ペースト印刷工程)。
【0045】
半田ペースト8には、例えば鉛を実質的に含まない鉛フリー半田(例えばSn−3[wt%]Ag−0.5[wt%]Cu組成)を用いる。ここで、鉛フリー半田の詳細な定義としては、半田における鉛の含有率が1.000ppm(0.1wt%)以下のものである。鉛フリー半田の融点は217℃であり、後の工程で半田ペースト8を溶融する際(図1の第1回リフロー半田付け工程)には、実装基板1に220〜240℃の熱が加えられる。また、半田ペースト8の供給には、例えば実装基板1の第1主面1xに形成された複数のバンプ・ランド3に対向する位置に開口部9aを有する印刷マスク9を用いた半田ペースト印刷法を用いる。
【0046】
ここで、複数のバンプ・ランド3の表面に印刷される半田ペースト8は、複数のバンプ・ランド3毎に適する量が供給される。
【0047】
前述したように、実装基板にBGAを実装する際には、半田ペーストとBGAに供給された半田ボール(BGAボール)とを接触させ、溶融させることによって、半田ペーストと半田ボール(BGAボール)とを一体化して、伝導経路となる1つの半田ボール(伝導経路)が新たに形成される。しかし、半田ペーストと半田ボール(BGAボール)とを溶融させる工程ではBGAに220〜240℃の熱が加わることから、BGAが凹形状または凸形状に反ってしまう。特に、本実施の形態1では、半田ペーストに鉛フリー半田を用いているので、鉛を含む半田ペーストを用いた場合よりも加熱温度が高くなり、BGAが反り易い。そこで、BGAが反った場合であっても、BGAの反りに起因した半田ペーストと半田ボール(BGAボール)との未融合、半田ボール(伝導経路)のブリッジ、および半田ボール(伝導経路)のボール落ちが生じないように、複数のバンプ・ランド毎に適量の半田ペーストを供給する。
【0048】
以下に、複数のバンプ・ランド3の表面に印刷される半田ペースト8の供給量を求める方法を<ステップ1>から<ステップ6>に分けて図4〜図13を用いて順次説明する。
【0049】
図4は半田ペースト8の供給量を計算する工程図である。また、図5〜図8はBGAの高温反りデータを取得する方法を説明する図であり、図5はBGAの高温反り測定方法を説明する模式図、図6はBGAの高温反りの測定範囲を示すBGAの裏面図(裏面に供給された半田ボール(BGAボール)の配置図)、図7はBGAの高温反りの経時変化を示すグラフ図、図8(a)および(b)はそれぞれ第1BGAの裏面に配置された複数の半田ボール(BGAボール)の配例図および第2BGAの裏面に配置された複数の半田ボール(BGAボール)の配列図、図9はBGAの高温反りの各温度(昇温前の室温、予熱温度、半田溶融温度、およびリフロー最高温度)におけるBGAの形状を示す模式図である。また、図10(a)、(b)、および(c)はそれぞれ実装基板とBGAとの接続部分を半田ボール(伝導経路)で表した模式図、実装基板とBGAとの接続部分をバネで表した模式図、および解析モデルに用いるパラメータを説明する半田ボール(伝導経路)の模式図である。また、図11は解析モデルを用いて算出された1つの半田ボール(伝導経路)の高さと1つの半田ボール(伝導経路)が負担する荷重との関係の一例を示すグラフ図、図12は解析モデルを用いて算出された半田ボール(伝導経路)の体積が一定の場合における1つの半田ボール(伝導経路)の高さと幅との関係の一例を示すグラフ図、図13は半田ペーストと半田ボール(BGAボール)とのオーバーラップ量を説明する模式図である。
【0050】
<ステップ1(図4の高温反りデータ)>
まず、BGAを加熱する際のBGAの高温反りデータを求める。図5に示すように、高温反りを測定するBGA(半導体装置)10を加熱・冷却槽11に設置する。その後、室温から半田溶融温度へ徐々に昇温し、さらに半田溶融温度からリフロー最高温度へ徐々に昇温する。続いて、リフロー最高温度から半田凝固温度まで降温し、さらに半田凝固温度から室温へ徐々に降温する。このとき、昇温前の室温、半田溶融温度、リフロー最高温度、半田凝固温度、および降温後の室温におけるBGA10の高温反りを測定する。
【0051】
BGA10の高温反りの測定は、例えば図6に示すように、BGA10の裏面に供給された半田ボール(BGAボール)12が取り付けられた領域(図6で斜線で示す領域)で行われ、BGA10の高温反りに起因するこの領域の変位を、例えばモアレ像を用いたシャドウモアレ方式またはレーザ変位計を用いた方法により測定する。
【0052】
図7に、BGA10の高温反りを測定した結果の一例を示す。高温反りのない状態を反り“0”とし、BGA10の中心部が表現側から裏面側に向かって突出する凹形状を“−”、BGA10の中心部が裏面側から表面側に向かって突出する凸形状を“+”としている。ここでは、互いに構造の異なる2つのBGA10について高温反りを測定し、それぞれの結果を示している。
【0053】
1つのBGA10は前述した図2のA領域に実装される第1BGA10aであり、例えば図8(a)に示すように、第1BGA10aの裏面の内側領域および外周領域にそれぞれ複数の半田ボール(BGAボール)12aが配置されている。もう一つのBGA10は前述した図2のB領域に実装される第2BGA10bであり、例えば図8(b)に示すように、第2BGA10bの裏面の外周領域のみに複数の半田ボール(BGAボール)12bが配置されている。第1BGA10aの寸法は第2BGA10bの寸法よりも大きく、また、第1BGA10aに供給された半田ボール(BGAボール)12aの寸法も第2BGA10bに供給された半田ボール(BGAボール)12bの寸法よりも大きい。
【0054】
図7に示すように、第1BGA10aおよび第2BGA10bともに、室温から徐々に温度を上げていくと、一旦、その中心部が裏面方向に突き出る凹形状となるが、さらに温度をリフロー最高温度へ上げると、その中心部が表面方向に突き出る凸形状となる。次に温度を下げると、その中心部が裏面方向に突き出る凹形状となる。しかし、室温に戻すと、第1BGA10aはその中心部が表面方向に突き出る凸形状となり、第2BGA10bはその中心部が裏面方向に突き出る凹形状となる。また、第1BGA10aの反りの変化量は第2BGA10bの反りの変化量より大きくなっている。
【0055】
例えば第1BGA10aのように、その中心部が表面方向に突き出る凸形状となったBGA10の場合は、前述の図29を用いて説明した半田ボール(伝導経路)のブリッジまたは前述の図30を用いて説明した半田ボール(伝導経路)のボール落ちの不良が生じる。また、第2BGA10bのように、その中心部が裏面方向に突き出る凹形状となったBGA10の場合は、前述の図27および図28を用いて説明した半田ペーストと半田ボール(BGAボール)との未融合の不良が生じる。
【0056】
図9に、BGA10の高温反りを測定した結果の他の一例を示す。ここでは、第1BGA10aおよび第2BGA10bのそれぞれの高温反りの詳細な分布図を示している。
【0057】
平面面積が比較的大きく、半田ボール(BGAボール)12aが比較的多く供給された第1BGA10a(前述の図8(a)参照)の場合は、室温での反り量は小さいが、予熱により、平面形状が四角形からなる半導体装置において、特に外周領域の四隅(角部)が表面側に反って、その中心部が裏面方向に突き出る凹形状となる。引き続いて温度を半田溶融温度へ上げると反りは徐々に緩和されるが、さらに温度をリフロー最高温度へ上げると、特に四隅(角部)が裏面側に強く反ることによって外周領域全体が裏面側に反り、その中心部が表面方向に突き出る凸形状となる。
【0058】
平面面積が比較的小さく、半田ボール(BGAボール)12bが比較的少なく供給された第2BGA10b(前述の図8(b)参照)の場合は、室温での反り量は小さいが、予熱により、平面形状が四角形からなる半導体装置において、特に外周領域の四隅(角部)が表面側に反る。しかし、その反り量は、上記第1BGA10aの反り量よりは小さい。引き続いて温度を半田溶融温度へ上げると反りは徐々に緩和されるが、さらに温度をリフロー最高温度へ上げると、特に四隅(角部)が裏面側に反ることによって外周領域全体が裏面側に反る。しかし、その反り量は、上記第1BGA10aの反り量よりは小さい。
【0059】
このようにして、BGA10の寸法および半田ボール(BGAボール)12の配列、数、大きさ等が互いに異なる種々のパッケージ構造のBGA10の高温反りデータを求める。
【0060】
<ステップ2(図4の端子毎反り量抽出:第1解析)>
次に、<ステップ1>で得られたBGA10の高温反りデータから、個々の半田ボール(BGAボール)12の位置におけるBGA10の高温反り量を抽出する。すなわち、本工程(解析)により、複数のバンプ・ランドのそれぞれの位置におけるBGA10の反り量を測定する。
【0061】
<ステップ3(図4の半田形状−荷重検量線算出:第2解析)>
次に、半田ボール(伝導経路)13の形状をシミュレーションにより解析する。すなわち、本工程(解析)により、複数の半田ボール(伝導経路)13のそれぞれの形状に関する検量線を算出する。
【0062】
図10(a)、(b)、および(c)は、解析モデルを説明するための模式図である。図10(a)は実装基板1とBGA10との接続部分を半田ボール(伝導経路)13で表した模式図、図10(b)は実装基板1とBGA10との接続部分をバネ14で表した模式図、図10(c)は解析モデルに用いるパラメータを説明する半田ボール(伝導経路)13の模式図である。
【0063】
実装基板1の主面に形成された複数のバンプ・ランド3の表面に印刷される半田ペースト8とBGA10に供給された半田ボール(BGAボール)12とを接触させ、溶融させることによって、半田ペースト8と半田ボール(BGAボール)12とが一体化して、伝導経路となる1つの新たな半田ボール(伝導経路)13が形成される。図10(a)に示すように、溶融した半田ボール(伝導経路)13は、外部からの圧力によって変形するが、表面張力により形状を維持しようとする。図10(b)に示すように、この作用をバネ14として考えて、BGA10の自重(mg)をバネ14が支えるモデルを用いて半田ボール(伝導経路)13の形状を解析する。図10(c)に示すように、バネ14の力(荷重)aを算出する際には、例えばBGA10の裏面に形成された複数のバンプ・ランド30上の保護膜31の開口寸法(直径D1)、実装基板1の主面に形成された複数のバンプ・ランド3の寸法(直径D2)、半田ボール(伝導経路)13の表面張力、半田ボール(伝導経路)13の体積(半田ボール(伝導経路)の幅wと高さh(バンプ・ランド30とバンプ・ランド3との距離))、および半田ボール(伝導経路)13の密度をパラメータとして用いる。
【0064】
上述の図10に示す解析モデルを用いると、BGA10の自重が加わった場合における、各半田ボール(伝導経路)13に発生する荷重aを一定にするために必要とされる半田ボール(伝導経路)13の体積(高さhおよび幅w)を得ることができる。また、図13に示すように、半田ペースト8と半田ボール(BGAボール)12とのオーバーラップ量を指標として、半田ボール(伝導経路)13の形状を算出することができる。
【0065】
図11および図12に、上述した解析モデルを用いることによって得られた半田ボール(伝導経路)13の形状等のシミュレーション結果の一例を示す。このシミュレーションには、前述の図10(c)に示した1つの半田ボール(伝導経路)13に関するパラメータに加えて、BGA10に関するデータ(例えばBGA10の寸法、半田ボール(BGAボール)12の配列、半田ボール(BGAボール)12の数、バンプ・ランド30の寸法等)、実装基板1に関するデータ(例えば実装基板1の寸法、バンプ・ランド3の寸法等)、印刷マスク9に関するデータ(例えば開口部9aの開口径等)、および半田ペースト8の供給量などが用いられる。
【0066】
図11は、上述した解析モデルを用いて算出された1つの半田ボール(伝導経路)13の高さhと1つの半田ボール(伝導経路)13が負担している荷重aとの関係の一例を示すグラフ図、図12は、半田ボール(伝導経路)13の体積が一定の場合における1つの半田ボール(伝導経路)13の高さhと幅wとの関係の一例を示すグラフ図である。ここでは、BGA10の裏面に形成された複数のバンプ・ランド30の寸法D1は一定とし、実装基板1の主面に形成された複数のバンプ・ランド3の寸法D2も一定とした。また、半田ボール(伝導経路)13の体積が0.68×10−12(第1半田ボール;φ0.5mm+半田ペーストを想定した体積)の場合と0.36×10−12(第2半田ボール;φ0.4mm+半田ペーストを想定した体積)の場合について半田ボールの形状を解析している。
【0067】
<ステップ4(図4の単体半田形状算出)>
上記<ステップ3>と同時に、BGA10に形成する半田ボール(BGAボール)12の形状をシミュレーションにより算出する。この半田ボール(BGAボール)12の解析方法についても、上記した半田ボール(伝導経路)13の解析方法(図10(a)乃至図10(c)参照)と同じ手法を用いるが、この単体半田形状を算出する工程では、半田ペースト8を使用しない状態で行う。このように、半田量が少ない状態における半田ボール(BGAボール)12の形状変化も算出しておくことで、供給すべき半田ペースト8の量を、より正確に算出することができる。
【0068】
<ステップ5(図4の実装時半田形状算出)>
次に、<ステップ2>で得られた個々の半田ボール(BGAボール)12の位置におけるBGA10の高温反り量、および<ステップ3>で得られた半田ボール(伝導経路)13の形状と荷重との検量線から半田ボール(伝導経路)13の形状を算出する。
【0069】
例えば、BGA10の反りによる半田ペースト8と半田ボール(BGAボール)12との未融合の不良(前述の図27参照)および半田ボール(伝導経路)13のボール落ち(前述の図30参照)を防止するために、半田ペースト8の供給量が多い第1半田ペースト量を用いる。この場合は、図11および図12に示すように、例えば0.05gfの荷重aが加わって形成された半田ボール(伝導経路)13の高さhは約0.270mm、幅wは約0.61mmとなり、0.2gfの荷重aが加わって形成された半田ボール(伝導経路)13の高さhは約0.16mm、幅wは約0.77mmとなる。
【0070】
しかし、半田ボール(伝導経路)13が押しつぶされて、その幅が広くなると、半田ボール(伝導経路)13のブリッジ(前述の図29参照)が問題となる。そこで、0.2gfの荷重aが加わる箇所では、半田ペースト8の供給量を第2半田ペースト量に減らして、半田ボール(伝導経路)13の幅wを小さくする。第2半田ペースト量を用いることにより、0.2gfの荷重aが加わって形成された半田ボール(伝導経路)13の高さhは約0.16mm、幅wは約0.58mmとなる。
【0071】
このようにして、実装基板1の主面に形成された個々のバンプ・ランド3の表面に印刷される半田ペースト8の供給量をシミュレーションにより算出することができる。
【0072】
<ステップ6(図4の結果の出力)>
次に、計算が終了した後、個々の半田ボール(BGAボール)12に対応する位置に印刷される半田ペース8の供給量が出力され、また、印刷マスク9の厚さおよび開口部9aの開口径等を出力する。さらに、個々の半田ボール(伝導経路)13のデータおよび形状等を出力する。
【0073】
上記<ステップ1>〜<ステップ6>に示した解析方法によって得られた適量の半田ペースト8が、複数のバンプ・ランド3毎に供給される。
【0074】
本実施の形態1では、半田ペースト8の供給量を実装基板1の第1主面1xに形成された複数のバンプ・ランド3毎に変えるために、印刷マスク9に形成される複数の開口部9aの開口径を変更した。
【0075】
図14(a)および(b)に、それぞれ第1BGA10aが実装される領域(A領域)の実装基板1の第1主面1xに形成された複数のバンプ・ランド3の配列図および第2BGA10bが実装される領域(B領域)の実装基板1の第1主面1xに形成された複数のバンプ・ランド3の配列図を示す。
【0076】
図14(a)に示すように、実装基板1の第1主面1xのA領域には、このA領域に実装される第1BGA10aに供給された複数の半田ボール(BGAボール)12aと対向するように、その複数の半田ボール(BGAボール)12aのピッチおよび寸法を考慮して、複数のバンプ・ランド3が配置されている。A領域の複数のバンプ・ランド3の寸法は全て一定とした。同様に、図14(b)に示すように、実装基板1の第1主面1xのB領域には、このB領域に実装される第2BGA10bに供給された複数の半田ボール(BGAボール)12bと対向するように、その複数の半田ボール(BGAボール)12bのピッチおよび寸法を考慮して、複数のバンプ・ランド3が配置されている。B領域の複数のバンプ・ランド3の寸法は全て一定とした。複数のバンプ・ランド3の表面および側面は、実装基板1の第1主面1x上を覆う保護膜4に設けられた開口部7から露出している。
【0077】
しかし、前述の図7〜図9を用いて説明したように、リフロー処理を施した後、室温に戻したときの第1BGA10aの形状はその中心部が表面方向に突き出る凸形状となり、第2BGA10bの形状はその中心部が裏面方向に突き出る凹形状となる。従って、第1BGA10aでは、実装基板1のA領域の中心部に位置するバンプ・ランド3に印刷される半田ペースト8の供給量を多くし、実装基板1において平面形状が四角形から成るA領域の外周領域(特に四隅(角部))に位置するバンプ・ランド3に印刷される半田ペースト8の供給量を少なくする必要がある。これに対して、第2BGA10bでは、実装基板1において平面形状が四角形から成るB領域の中心部に位置するバンプ・ランド3に印刷される半田ペースト8の供給量を少なくし、実装基板1のB領域の外周領域(特に四隅(角部))に位置するバンプ・ランド3に印刷される半田ペースト8の供給量を多くする必要がある。
【0078】
図15に、実装基板1の第1主面1xに形成された複数のバンプ・ランド3の表面に半田ペースト8を印刷する際に用いる印刷マスク9の一例の平面図を示す。図15(a)は第1BGA10aが実装されるA領域に対向する印刷マスク9の平面図であり、図15(b)は第2BGA10bが実装されるB領域に対向する印刷マスク9の平面図である。
【0079】
第1BGA10aは、リフロー処理を施した後、室温に戻したときの形状がその中心部を表面方向に突き出す凸形状となるので、半田ボール(伝導経路)13のブリッジおよび半田ボール(伝導経路)13のボール落ちが懸念される。そこで、図15(a)に示すように、実装基板1のA領域の中心部に対向する印刷マスク9には、相対的に径が大きい第1開口径を有する開口部9aを形成して、半田ペースト8の供給量を多くする。これに対して、実装基板1のA領域の四隅(角部)に対向する印刷マスク9には、相対的に径が小さい(第1開口径よりも径が小さい)第2開口径を有する開口部9aを形成して、半田ペースト8の供給量を少なくする。そして、実装基板1のA領域の中心部および四隅(角部)以外の領域に対向する印刷マスク9には、第1開口径よりも小さく、第2開口径よりも大きい第3開口径を有する開口部9aを形成する。
【0080】
このように、印刷マスク9の開口部9aの開口径を変えることによって、実装基板1のA領域の中心部に半田ペースト8を多く供給し、四隅(角部)に半田ペースト8を少なく供給する。これによって、実装基板1のA領域の四隅(角部)には、その後のリフロー処理によって体積の小さい半田ボール(伝導経路)13を形成することができるので、半田ボール(伝導経路)13のブリッジを防止することができる。また、実装基板1のA領域の中心部には、多量の半田が供給されて、その後のリフロー処理によって第1BGA10aの裏面に形成されたバンプ・ランド30と半田ボール(BGAボール)12aとの接続部分が補強されるので、半田ボール(伝導経路)13のボール落ちを防止することができる。
【0081】
一方、第2BGA10bは、リフロー処理を施した後、室温に戻したときの形状がその中心部が裏面方向に突き出す凹形状となるので、半田ペースト8と半田ボール(BGAボール)12との未融合が懸念される。そこで、図15(b)に示すように、実装基板1のB領域の四隅(角部)に対向する印刷マスク9には、相対的に径が大きい第4開口径を有する開口部9aを形成して、半田ペースト8の供給量を多くする。実装基板1の外周領域の四隅(角部)以外の領域に対向する印刷マスク9には、第4開口径よりも小さい第5開口径を有する開口部9aを形成する。
【0082】
このように、印刷マスク9の開口部9aの開口径を変えることによって、実装基板1のB領域の四隅(角部)に半田ペースト8を多く供給する。これによって、実装基板1のB領域の四隅(角部)には、その後のリフロー処理によって体積の大きい半田ボール(伝導経路)13を形成することができるので、半田ペースト8と半田ボール(BGAボール)12との未融合を防止することができる。
【0083】
図15(a)に示した実装基板1のA領域に対向する印刷マスク9では、互いに開口径の異なる3種類の開口部(第1開口径、第2開口径および第3開口径)を形成し、図15(b)に示した実装基板1のB領域に対向する印刷マスク9では、互いに開口径の異なる2種類の開口部(第4開口径および第5開口径)を形成したが、これに限定されないことは言うまでもない。例えば実装基板1のA領域に対向する印刷マスク9では、互いに開口径の異なる4種類以上の開口部を形成し、実装基板1のB領域に対向する印刷マスク9では、互いに開口径の異なる3種類以上の開口部を形成することもできる。
【0084】
次に、図16に示すように、実装基板1の第1主面1x上に第1BGA10aおよび第2BGA10bを搭載する(図1のBGA搭載工程)。
【0085】
詳細に説明すると、実装基板1の第1主面1xのA領域に、A領域に形成された複数のバンプ・ランド3と第1BGA10aに供給された複数の半田ボール(BGAボール)12aとが対向するように、複数のバンプ・ランド3の表面に形成された半田ペースト8を介して第1BGA10aを配置する。同様に、実装基板1の第1主面1xのB領域に、B領域に形成された複数のバンプ・ランド3と第2BGA10bに供給された複数の半田ボール(BGAボール)12bとが対向するように、複数のバンプ・ランド3の表面に形成された半田ペースト8を介して第2BGA10bを配置する。
【0086】
図17に、本実施の形態1による実装基板1に搭載されるBGA10の構造の一例を示す。図17(a)および(b)はそれぞれBGA10の要部断面図およびBGA10の裏面に供給された半田ボール(BGAボール)12の配列図である。
【0087】
本実施の形態におけるBGA10は、ガラスエポキシ系樹脂から成り、かつ上面(表面)15x、この上面15xとは反対側の下面(裏面)15y、およびこの下面15yに形成された複数のバンプ・ランド(電極パッド)21を有する配線基板15と、シリコンから成り、かつ主面(表面)、この主面とは反対側の裏面、およびこの主面に形成された半導体素子を有し、配線基板15の上面15xに搭載された半導体チップ16と、エポキシ系樹脂から成り、半導体チップ16を封止する樹脂封止体(封止体)25と、配線基板15の下面15yに形成された複数のバンプ・ランド21のそれぞれに形成された複数の半田ボール(BGAボール)12と、を含むパッケージ構造になっている。なお、配線基板15の上面15xおよび下面15yのそれぞれにおける平面形状は、四角形からなる。
【0088】
<半導体チップ>
配線基板15の上面に接着剤(ダイボンド材)17を介して搭載された半導体チップ16は、その厚さ方向と交差する平面形状が四角形になっている。なお、本実施の形態1で使用する接着剤17は、ペースト状の接着剤であるが、これに限定されるものではなく、フィルム状の接着剤を用いてもよい。
【0089】
また、半導体チップ16は、これに限定されないが、主に、半導体基板と、この半導体基板の主面(表面)に形成された複数の半導体素子(コア電源回路を含む内部回路、入出力回路)と、半導体基板の主面において絶縁層と配線層とをそれぞれ複数段積み重ねた多層配線層と、この多層配線層を覆うようにして形成された表面保護膜とを有する構成になっている。絶縁層は、例えば酸化シリコン膜で形成されている。配線層は、例えばアルミニウム、タングステンまたは銅などの金属膜で形成されている。表面保護膜は、例えば酸化シリコン膜または窒化シリコン膜等の無機絶縁膜および有機絶縁膜を積み重ねた多層膜で形成されている。
【0090】
半導体チップ16の主面には、前述した半導体素子と電気的に接続された複数の電極パッド18が半導体チップ16の各辺に沿って配置されている(図17(a)には、複数の電極パッド18のうちの一部を記載)。これら電極パッド18は、半導体チップ16の多層配線層のうちの最上層の配線からなり、半導体チップ16の表面保護膜にそれぞれの電極パッド18に対応して形成された開口部により露出している。
【0091】
<配線基板>
配線基板15は、その厚さ方向と交差する平面形状が四角形になっている。配線基板15は、これに限定されないが、多層配線構造から成り、本実施の形態1では4つの配線層を有している。詳細に説明すると、配線基板15は、コア材と、このコア材の表面に形成された配線層(配線基板15における上から2番目の配線層)と、この配線層を覆うように形成された絶縁層と、この絶縁層の表面に形成された配線層(配線基板15における最上層の配線層)とを有している。ここで、複数のボンディングリード(電極パッド)19は、最上層の配線層に形成された配線の一部から成り、この最上層の配線層を覆うようにして形成された保護膜20から露出している。さらに、配線基板15は、このコア材の表面と反対側に位置する裏面に形成された配線層(配線基板15における上から3番目の配線層)と、この配線層を覆うように形成された絶縁層と、この絶縁層の表面に形成された配線層(配線基板15における最下層の配線層)とを有している。ここで、複数のバンプ・ランド(電極パッド)21は、最下層の配線層に形成された配線の一部から成り、この最下層の配線層を覆うようにして形成された保護膜22から露出している。
【0092】
また、配線基板15は、配線基板15の上面15xから下面15y、あるいはコア材の表面から裏面に向かって形成された複数の貫通孔(ビア)23のそれぞれの内部(内壁)に導電性部材(配線)を有している。なお、コア材の各絶縁層は、例えばガラス繊維にエポキシ系またはポリイミド系の熱硬化性の樹脂を含浸させた高弾性樹脂基板で形成されている。配線基板15の各配線層は、例えば銅を主成分とする金属膜で形成されている。配線基板15の表面上の保護膜20は、主に配線基板15の最上層に形成された配線を保護する目的で形成され、配線基板15の裏面上の保護膜22は、主に配線基板15の最下層に形成された配線を保護する目的で形成されている。
【0093】
配線基板15に形成された複数の最上層配線と複数の最下層配線とは、コア材を貫通する複数の貫通孔23の内部に形成される導電性部材(配線)によってそれぞれ電気的に接続されている。
【0094】
<ワイヤ>
半導体チップ16の主面に配置された複数の電極パッド18と、配線基板15の上面15xに配置された複数のボンディングリード19とが、複数の導電性部材(本実施の形態1では、ワイヤ)24によってそれぞれ電気的に接続されている(図17(a)には、複数の導電性部材24のうちの一部を記載)。導電性部材24には、例えば金線を用いる。導電性部材24は、例えば熱圧着に超音波振動を併用したネイルヘッドボンディング(ボールボンディング)法により、半導体チップ16の主面に配置された電極パッド18と配線基板15の上面15xに配置されたボンディングリード19とに接続される。
【0095】
半導体チップ16および導電性部材24は、配線基板15の上面15x上に形成された樹脂封止体(封止体)25によって封止されている。樹脂封止体25は、低応力化を図る目的として、例えばフェノール系硬化剤、シリコーンゴムおよび多数のフィラー(例えばシリカ)等が添加されたエポキシ系の熱硬化性絶縁樹脂で形成されている。樹脂封止体25は、例えばトランスファモールド法により形成される。
【0096】
<外部端子(BGAボール)>
配線基板15の下面15yに形成された複数のバンプ・ランド21には、複数の半田ボール(BGAボール)12が形成されている。前述したように、複数のバンプ・ランド21は、配線基板15の下面15y上の保護膜22にそれぞれのバンプ・ランド21に対応して形成された開口部により露出しており、複数の半田ボール(BGAボール)12は、複数のバンプ・ランド21とそれぞれ電気的に、かつ機械的に接続されている。半田ボール(BGAボール)12としては、鉛を実質的に含まない鉛フリー半田組成の半田バンプ、例えばSn−3[wt%]Ag−0.5[wt%]Cu組成の半田バンプが用いられる。
【0097】
次に、図18に示すように、第1BGA10aおよび第2BGA10bを搭載した実装基板1にリフロー処理を施す(図1の第1回リフロー半田付け工程)。
【0098】
リフロー処理の温度は、例えば220〜240℃である。このリフロー処理により、第1BGA10aに供給されている半田ボール(BGAボール)12aと実装基板1のA領域に形成された複数のバンプ・ランド3の表面に印刷された半田ペースト8とが溶融し一体化して、バンプ・ランド3の表面および側面を覆うように、新たな半田ボール(伝導経路)13が形成される。この新たに形成された半田ボール(伝導経路)13が、BGA10と実装基板1との間で電気的な信号の入出力を行うための伝導経路となる。なお、複数の半田ボール(BGAボール)12aを第1BGA10aに実装する際には、半田ペースト(半田ボール用半田ペースト)を介して第1BGA10aの裏面に形成された複数のバンプ・ランド30にそれぞれボール状電極を接続することによって、半田ボール(BGAボール)12が形成されている。従って、上記半田ボール(伝導経路)13には、複数の半田ボール(BGAボール)12aを第1BGA10aに実装する際に用いた上記半田ペーストも含まれている。
【0099】
同時に、第2BGA10bに供給されている半田ボール(BGAボール)12bと実装基板1のB領域に形成された複数のバンプ・ランド3の表面に印刷された半田ペースト8とが溶融し一体化して、バンプ・ランド3の表面および側面を覆うように半田ボール(伝導経路)13が形成される。なお、上述した第1BGA10aと同様に、上記半田ボール(伝導経路)13には、複数の半田ボール(BGAボール)12bを第2BGA10bに実装する際に用いた半田ペーストも含まれている。
【0100】
このとき、第1BGA10aは、前述したように、その中心部を表面方向に突き出す凸形状となるので、半田ボール(伝導経路)13のブリッジが懸念される。しかし、実装基板1のA領域の中心部に半田ペースト8を多く供給し、外周領域の四隅(角部)に半田ペースト8を少なく供給しているので、リフロー処理によって、実装基板1のA領域の中心部には体積の大きい半田ボール(伝導経路)13が形成され、実装基板1のA領域の四隅(角部)には体積の小さい半田ボール(伝導経路)13が形成される。これにより、第1BGA10aの外周領域における半田ボール(伝導経路)13のブリッジを防止することができる。
【0101】
また、第2BGA10bは、前述したように、その中心部を裏面方向に突き出す凹形状となるので、半田ペースト8と半田ボール(BGAボール)12bとの未融合が懸念される。しかし、実装基板1のB領域の外周領域の四隅(角部)に半田ペースト8を多く供給しているので、リフロー処理によって、実装基板1のB領域の四隅(角部)には体積の大きい半田ボール(伝導経路)13が形成される。これにより、第2BGA10bの外周領域における半田ペースト8と半田ボール(BGAボール)12bとの未融合を防止することができる。
【0102】
次に、図19に示すように、実装基板1を反転する(図1の実装基板反転工程)。
【0103】
次に、図20に示すように、実装基板1の第2主面(下面、裏面)1yに形成された複数のバンプ・ランド5の表面に半田ペースト(半導体装置用半田ペースト)26を供給する(図1の第2主面半田ペースト印刷工程)。
【0104】
半田ペースト26には、実装基板1の第1主面1x側と同様に、例えば鉛を実質的に含まない鉛フリー半田(例えばSn−3[wt%]Ag−0.5[wt%]Cu組成)を用いる。鉛フリー半田の融点は217℃であり、後の工程で半田ペースト26を溶融する際(図1の第2回リフロー半田付け工程)には、実装基板に220〜240℃の熱が加えられる。また、半田ペースト26の供給には、例えば実装基板1の第2主面1yに形成された複数のバンプ・ランド5に対向する位置に開口部27aを有する印刷マスク27を用いた半田ペースト印刷法を用いる。
【0105】
ここで、前述した第1主面半田ペースト印刷工程(図3〜図15を用いて説明した工程)と同様に、複数のバンプ・ランド5の表面に供給される半田ペースト26は、複数のバンプ・ランド5毎に適する量が供給される。個々のバンプ・ランド5に供給される半田ペースト26の適する量を決定する方法および半田ペースト26を供給する方法については、前述した第1主面半田ペースト印刷工程と同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0106】
例えば実装基板1の第2主面1yのC領域には、第3BGA10cが実装されるが、この第3BGA10cが、例えば前述した第2BGA10bと同様な構造のBGAである場合は、リフロー処理を施した後、室温に戻したときの形状がその中心部が裏面方向に突き出す凹形状となる。この場合は、半田ペースト26と半田ボール(BGAボール)12cとの未融合が懸念される。そこで、前述した図15(b)に示すように、実装基板1において平面形状が四角形からなるC領域の外周領域の四隅(角部)に対向する印刷マスク27には、相対的に径が大きい第4開口径を有する開口部27aを形成して、半田ペースト26の供給量を多くする。実装基板1の四隅(角部)以外の領域に対向する印刷マスク27には、第4開口径よりも小さい第5開口径を有する開口部27aを形成する。
【0107】
このように、印刷マスク27の開口部27aの開口径を変えることによって、実装基板1のC領域が外周領域の四隅(角部)に半田ペースト26を多く供給する。これによって、実装基板1のC領域の四隅(角部)には、その後のリフロー処理によって体積の大きい半田ボール(伝導経路)13を形成することができるので、半田ペースト26と半田ボール(BGAボール)12cとの未融合を防止することができる。
【0108】
次に、図21に示すように、実装基板1の第2主面1y上に第3BGA10c、第1搭載部品10d、および第2搭載部品10eを搭載する(図1のBGAおよび部品搭載工程)。
【0109】
詳細に説明すると、実装基板1の第2主面1yのC領域に、C領域に形成された複数のバンプ・ランド5の表面に形成(供給、印刷)された半田ペースト26と第3BGA10cに形成(供給)された複数の半田ボール(BGAボール)12cとが対向するように、第3BGA10cが搭載される。同時に、実装基板1の第2主面1yのD領域に、D領域に形成された複数のバンプ・ランド5の表面に印刷された半田ペースト26と第1搭載部品10dの側面に形成された電極12dとが接するように、第1搭載部品10dが搭載される。また、同時に、実装基板1の第2主面1yのE領域に、E領域に形成された複数のバンプ・ランド5の表面に印刷された半田ペースト26と第2搭載部品10eの側面に形成された電極12eとが接するように、第2搭載部品10eが搭載される。
【0110】
次に、図22に示すように、第3BGA10c、第1搭載部品10dおよび第2搭載部品10eを搭載した実装基板1にリフロー処理を施す(図1の第2回リフロー半田付け工程)。
【0111】
リフロー処理の温度は、例えば220〜240℃である。このリフロー処理により、第3BGA10cに供給されている半田ボール(BGAボール)12cと実装基板1のC領域に形成された複数のバンプ・ランド5の表面に印刷された半田ペースト26とが溶融し一体化して、バンプ・ランド5の表面および側面を覆うように半田ボール(伝導経路)13が形成される。なお、上述した第1BGA10aおよび第2BGA10bと同様に、上記半田ボール(伝導経路)13には、複数の半田ボール(BGAボール)12cを第3BGA10cに実装する際に用いた半田ペーストも含まれている。
【0112】
同時に、第1搭載部品10dの電極12dと実装基板1のD領域に形成された複数のバンプ・ランド5の表面に印刷された半田ペースト26とが溶融し一体化する。同時に、第2搭載部品10eの電極12eと実装基板1のE領域に形成された複数のバンプ・ランド5の表面に印刷された半田ペースト26とが溶融し一体化する。
【0113】
このとき、第3BGA10cは、その中心部を裏面方向に突き出す凹形状となるので、半田ペースト26と半田ボール(BGAボール)12cとの未融合が懸念される。しかし、実装基板1のC領域の外周領域の四隅(角部)に半田ペースト26を多く供給しているので、リフロー処理によって、実装基板1のC領域の四隅(角部)には体積の大きい半田ボール(伝導経路)13が形成される。これにより、第3BGA10cの外周領域における半田ペースト26と半田ボール(BGAボール)12cとの未融合を防止することができる。
【0114】
また、このとき、第1BGA10aの裏面に形成された複数のバンプ・ランド30と実装基板1の第1主面1xのA領域に形成された複数のバンプ・ランド3との間に位置する半田ボール(伝導経路)13、および第2BGA10bの裏面に形成された複数のバンプ・ランド30と実装基板1の第1主面1xのB領域に形成された複数のバンプ・ランド3との間に位置する半田ボール(伝導経路)13も溶融する。
【0115】
しかし、前述したように、第1BGA10aは、実装基板1のA領域の中心部に半田ペースト8を多く供給しているので、そこには体積の大きい半田ボール(BGAボール)12が形成されており、半田ボール(伝導経路)13のボール落ちを防止することができる。また、第1BGA10aは、実装基板1のA領域の外周領域の四隅(角部)に半田ペースト8を少なく供給しているので、そこには体積の小さい半田ボール(伝導経路)13が形成されており、半田ボール(伝導経路)13のブリッジを防止することができる。また、第2BGA10bは、実装基板1のB領域の外周領域の四隅(角部)に半田ペースト8を少なく供給しているので、そこには体積の小さい半田ボール(伝導経路)13が形成されており、半田ボール(伝導経路)13のブリッジを防止することができる。
【0116】
以上、説明した工程により、実装基板1の第1主面1xのA領域に第1BGA10aが実装され、B領域に第2BGA10bが実装される。さらに、実装基板1の第2主面1yのC領域に第3BGA10cが実装され、D領域に第1搭載部品10dが実装され、E領域に第2搭載部品10eが実装される。これによって電子装置が略完成する。
【0117】
なお、本実施の形態1では、複数の半田ボール(伝導経路)13の体積を、それぞれの半田ボール(伝導経路)13が配置される箇所に必要とされる体積とする方法として、実装基板1の第1主面1xまたは第2主面1yに形成された複数のバンプ・ランド3,5の表面に、個々のバンプ・ランド3,5に適する供給量の半田ペースト8,26を印刷する方法を用いた。しかし、この方法に限定されるものではない。
【0118】
例えば複数の半田ボール(伝導経路)13の体積を、それぞれの半田ボール(伝導経路)13が配置される箇所に必要とされる体積とする方法として、第1BGA10a、第2BGA10bまたは第3BGA10cの裏面に形成された複数のバンプ・ランド30の表面に、それぞれに適する供給量の半田ペーストを印刷する方法を用いてもよい。すなわち、第1BGA10a、第2BGA10bまたは第3BGA10cの裏面に半田ボール(BGAボール)12a,12b,12cを形成する際には、複数のバンプ・ランド30の表面に半田ペーストを印刷し、複数のバンプ・ランド30の表面にそれぞれボール状電極を供給した後、リフロー処理が施される。そこで、複数のバンプ・ランド30毎に適する量の半田ペーストを印刷して、予め必要な体積を有する半田ボール(BGAボール)12a,12b,12cを形成しておく。そして、この半田ボール(BGAボール)12a,12b,12cと、実装基板1の第1主面1xまたは第2主面1yに形成された複数のバンプ・ランド3,5の表面に印刷された半田ペースト8,26とを溶融させることによって、配置場所に適した形状の半田ボール(伝導経路)13を形成することができる。この場合は、実装基板1の第1主面1xまたは第2主面1yに形成された複数のバンプ・ランド3,5の表面に供給される半田ペースト8,26の量は全て同じであってもよい。
【0119】
このように、本実施の形態1によれば、BGA10(例えば第1BGA10a、第2BGA10b、第3BGA10c)の裏面に形成された複数のバンプ・ランド30と実装基板1の第1主面1xまたは第2主面1yに形成された複数のバンプ・ランド3,5とを接続する複数の半田ボール(伝導経路)13の体積を、それぞれの半田ボール(伝導経路)13が配置される箇所に必要とされる体積とすることによって、実装基板1の第1主面1xまたは第2主面1yにBGA10を実装する際に生じる不具合(半田ペーストと半田ボール(BGAボール)との未融合、半田ボール(伝導経路)のブリッジ、および半田ボール(伝導経路)のボール落ち)を防止することができる。
【0120】
具体的には、実装基板1の第1主面1xまたは第2主面1yに搭載されるBGA10の加熱による変形(反り量および反り形状)を解析し、BGA10の裏面に形成された複数のバンプ・ランド30と実装基板1の第1主面1xまたは第2主面1yに形成された複数のバンプ・ランド3,5とを接続する個々の半田ボール(伝導経路)13の形状を算出することによって、個々のバンプ・ランド3,5に適する半田ペースト8,26の供給量を求める。そして、半田ペースト8,26を供給する際に用いる印刷マスク9,27の開口部9a,27aの開口径を、個々の半田ボール(伝導経路)13の体積に合わせて変更することによって、必要な半田ペースト8,26を実装基板1の第1主面1xまたは第2主面1yに形成された複数のバンプ・ランド3,5の表面に印刷する。その後、BGA10を搭載した実装基板1にリフロー処理を施すことによって、複数の半田ボール(伝導経路)13がそれぞれ配置される箇所に必要とされる体積の半田ボール(伝導経路)13を形成する。
【0121】
上記不具合を防止することによって、BGA10の実装歩留まりを向上させることができる。
【0122】
(実施の形態2)
前述した実施の形態1では、半田ペースト8,26を供給する際に用いる印刷マスク9,27の開口部9aの開口径を、個々の半田ボール(伝導経路)13の体積に合わせて変更することによって、必要な量の半田ペースト8,26を実装基板1の第1主面1xまたは第2主面1yに形成された複数のバンプ・ランド3,5のそれぞれの表面に印刷して、配置場所に適した形状の半田ボール(伝導経路)13を形成した。
【0123】
本実施の形態2では、前述した実施の形態1と異なり、実装基板1の第1主面1xまたは第2主面1yに形成された複数のバンプ・ランド3,5の寸法(径)を変更することによって、配置場所に適した形状の半田ボール(伝導経路)13を形成する。
【0124】
本実施の形態2による半導体装置の実装工程および半田ボール(伝導経路)13の形状の解析方法は、前述した実施の形態1と同様であるので、ここでの説明は省略する。本実施の形態2では、実装基板1の第1主面1xに形成された複数のバンプ・ランド3の表面に、そのバンプ・ランド3の寸法を変更することにより配置場所に適した半田ボール(伝導経路)13を形成する方法について説明する。実装基板1の第2主面1yに形成された複数のバンプ・ランド5の表面に、そのバンプ・ランド5の寸法を変更することにより配置場所に適した半田ボール(伝導経路)13を形成する方法も同様である。
【0125】
まず、前述した本実施の形態1による半田ボール(伝導経路)13の形状の<ステップ1>〜<ステップ6>に示した解析方法(前述した実施の形態1において図4〜図10を用いて説明した半田ペースト8の供給量の計算方法)を用いて、実装基板1の第1主面1xに形成される複数のバンプ・ランド3のそれぞれの径を計算する。
【0126】
具体的には、前述の<ステップ5>において、シミュレーションによって、例えば図23および図24に示す実装基板1の第1主面1xに形成された複数のバンプ・ランド3の径に関する計算結果を求める。図23は解析モデルを用いて算出された1つの半田ボール(伝導経路)13の高さと実装基板1の第1主面1xに形成された1つのバンプ・ランド3の径との関係の一例を示すグラフ図、図24は解析モデルを用いて算出された1つの半田ボール(伝導経路)13の幅と実装基板1の第1主面1xに形成された1つのバンプ・ランド3の径との関係の一例を示すグラフ図である。図23および図24では、BGA10の裏面に形成された複数のバンプ・ランド30の寸法は一定とした。また、半田ボール(伝導経路)13の体積が0.68×10−12(第1半田ボール;φ0.5mm+半田ペーストを想定した体積)の場合と0.36×10−12(第2半田ボール;φ0.4mm+半田ペーストを想定した体積)の場合について半田ボール(伝導経路)13の形状を解析している。
【0127】
図23に示すように、同じ量の半田ペースト8が供給されても、バンプ・ランド3の径が異なることによって、半田ペースト8と半田ボール(BGAボール)12との溶融により形成される半田ボール(伝導経路)13の高さは異なり、バンプ・ランド3の径が大きいほど半田ボール(伝導経路)13の高さは低くなる。これに対して、図24に示すように、同じ量の半田ペースト8が供給されても、バンプ・ランド3の径が異なることによって、半田ペースト8と半田ボール(BGAボール)12との溶融により形成される半田ボール(伝導経路)13の幅は異なり、バンプ・ランド3の径が大きいほど半田ボール(伝導経路)13の幅は大きくなる。また、バンプ・ランド3の径が小さい場合は、半田ボール(伝導経路)13の径がバンプ・ランド3の径よりも大きくなるが、バンプ・ランド3の径が大きい場合は、半田ボール(伝導経路)13の径はバンプ・ランド3の径と同じかそれよりも小さくなり、バンプ・ランド3から半田ボール(伝導経路)13がはみ出さなくなる。例えば第2半田ペースト量でバンプ・ランド3の径が0.2mmの場合、半田ボール(伝導経路)13の径は約0.475mmであるが、バンプ・ランド3の径が0.5mmの場合、半田ボール(BGAボール)12の径は約0.5mmとなる。
【0128】
従って、BGA10の反りによる半田ペースト8と半田ボール(BGAボール)12との未融合の不良(前述の図27参照)および半田ボール(伝導経路)13のボール落ち(前述の図30参照)を防止する必要がある領域には、半田ボール(伝導経路)13を高く形成するために、相対的に径の小さいバンプ・ランド3を実装基板1の第1主面1xに設ける。しかし、バンプ・ランド3の径が小さいと、半田ボール(伝導経路)13の径がバンプ・ランド3の径よりも大きくなり、半田ボール(伝導経路)13のブリッジ(前述の図29参照)が起き易くなるので、半田ボール(伝導経路)13のブリッジを防止する必要がある領域には、相対的に径の大きいバンプ・ランド3を実装基板1の第1主面1xに設ける。
【0129】
このようにして、実装基板1の第1主面1xに形成される複数のバンプ・ランド3のそれぞれの径をシミュレーションにより算出することができる。
【0130】
次に、適量の半田ペースト8を、複数のバンプ・ランド3毎に供給する。半田ペースト8の供給量を実装基板1の第1主面1xに形成された複数のバンプ・ランド3毎に変えるために、本実施の形態2では、実装基板1の第1主面1xに形成された複数のバンプ・ランド3の寸法を変更したが、印刷マスク9に形成される複数の開口部9aの開口径は一定とした。
【0131】
図25に、実装基板1の第1主面1xに形成された複数のバンプ・ランド3に半田ペースト8を印刷する際に用いる印刷マスク9の一例の平面図を示す。図25(a)は第1BGA10aが実装されるA領域に対向する印刷マスク9の平面図であり、図25(b)は第2BGA10bが実装されるB領域に対向する印刷マスク9の平面図である。
【0132】
図25(a)に示すように、実装基板1の第1主面1xのA領域に対向する印刷マスク9には、このA領域に形成された複数のバンプ・ランド3と対向するように、同一の開口径を有する複数の開口部9aが形成されている。また、図25(b)に示すように、実装基板1の第1主面1xのB領域に対向する印刷マスク9には、このB領域に形成された複数のバンプ・ランド3と対向するように、同一の開口径を有する複数の開口部9aが形成されている。
【0133】
図26(a)および(b)に、それぞれ第1BGA10aが実装される領域(A領域)の実装基板1の第1主面1xに形成された複数のバンプ・ランド3の配列図および第2BGA10bが実装される領域(B領域)の実装基板1の第1主面1xに形成された複数のバンプ・ランド3の配列図を示す。
【0134】
図26(a)に示すように、実装基板1の第1主面1xのA領域には、このA領域に実装される第1BGA10aに供給された複数の半田ボール(BGAボール)12aと対向するように、その複数の半田ボール(BGAボール)12aのピッチおよび寸法を考慮して、複数のバンプ・ランド3が配置されている。複数のバンプ・ランド3の表面および側面は、実装基板1の第1主面1x上を覆う保護膜4に設けられた開口部7から露出している。
【0135】
しかし、第1BGA10aは、リフロー処理を施した後、室温に戻したときの形状がその中心部を表面方向に突き出す凸形状となるので、半田ボール(伝導経路)13のブリッジおよび半田ボール(伝導経路)13のボール落ちが懸念される。そこで、図26(a)に示すように、実装基板1のA領域の中心部には、相対的に径が小さい第1径を有するバンプ・ランド3を形成して、半田ボール(伝導経路)13を高く形成する。これに対して、実装基板1のA領域の外周領域の四隅(角部)には、相対的に径が大きい(第1径よりも径が大きい)第2径を有するバンプ・ランド3を形成して、半田ボール(伝導経路)13を低く、バンプ・ランド3からのはみ出しの少ない半田ボール(伝導経路)13を形成する。そして、実装基板1のA領域の中心部および四隅(角部)以外の領域には、第1径よりも大きく、第2径よりも小さい第3径を有するバンプ・ランド3を形成する。
【0136】
このように、実装基板1の第1主面1xに形成されるバンプ・ランド3の径の寸法を変えることによって、実装基板1のA領域の外周領域の四隅(角部)に相対的に低く、バンプ・ランド3からのはみ出しの小さい半田ボール(伝導経路)13が形成されるので、半田ボール(伝導経路)13のブリッジを防止することができる。また、実装基板1のA領域の中心部に相対的に高い半田ボール(伝導経路)13が形成されるので、半田ボール(伝導経路)13のボール落ちを防止することができる。
【0137】
同様に、図26(b)に示すように、実装基板1の第1主面1xのB領域には、このB領域に実装される第2BGA10bに供給された複数の半田ボール(BGAボール)12bと対向するように、その複数の半田ボール(BGAボール)12bのピッチおよび寸法を考慮して、複数のバンプ・ランド3が配置されている。複数のバンプ・ランド3の表面および側面は、実装基板1の第1主面1x上を覆う保護膜4に設けられた開口部7から露出している。
【0138】
しかし、第2BGA10bは、リフロー処理した後、室温に戻したときの形状がその中心部が裏面方向に突き出す凹形状となるので、半田ペースト8と半田ボール(BGAボール)12bとの未融合が懸念される。そこで、図26(b)に示すように、実装基板1のB領域の外周領域の四隅(角部)には、相対的に径が小さい第4径を有するバンプ・ランド3を形成して、半田ボール(伝導経路)13を高く形成する。実装基板1の四隅(角部)以外の領域には、第4径よりも大きい第5径を有するバンプ・ランド3を形成する。
【0139】
このように、実装基板1の第1主面1xに形成されるバンプ・ランド3の径の寸法を変えることによって、実装基板1のB領域の外周領域の四隅(角部)に相対的に高い半田ボール(伝導経路)13が形成されるので、半田ペースト8と半田ボール(BGAボール)12bとの未融合を防止することができる。
【0140】
図26(a)に示した実装基板1のA領域には、互いに径の異なる3種類(第1径、第2径および第3径)のバンプ・ランド3を形成し、図26(b)に示した実装基板1のB領域には、互いに径の異なる2種類(第4径および第5径)のバンプ・ランド3を形成したが、これに限定されないことは言うまでもない。例えば実装基板1のA領域に、互いに径の異なる4種類以上のバンプ・ランド3を形成し、実装基板1のB領域に、互いに径の異なる3種類以上のバンプ・ランド3を形成することもできる。
【0141】
なお、本実施の形態2では、実装基板1の第1主面1xに形成された複数のバンプ・ランド3の寸法を変更することによって、配置場所に適した形状の半田ボール(伝導経路)13を形成する場合について説明した。これと同様に、実装基板1の第2主面1yに形成された複数のバンプ・ランド5の寸法を変更することによって、実装基板1の第2主面1yにも配置場所に適した形状の半田ボール(伝導経路)13を形成することができる。
【0142】
また、実装基板1の第1主面1xに形成された複数のバンプ・ランド3の寸法を変更せずに、第1BGA10aの裏面に形成された複数のバンプ・ランド30の寸法(保護膜の開口部から露出しているバンプ・ランド30の寸法)を変更することによって、配置場所に適した形状の半田ボール(伝導経路)13を形成してもよい。あるいは、実装基板1の第1主面1xに形成された複数のバンプ・ランド3の寸法および第1BGA10aの裏面に形成された複数のバンプ・ランド30の寸法(保護膜の開口部から露出しているバンプ・ランド30の寸法)の両方を変更することによって、配置場所に適した形状の半田ボール(伝導経路)13を形成してもよい。
【0143】
また、印刷マスク9に形成される複数の開口部9aの開口径は一定としたが、互いに開口径の異なる開口部9aを形成してもよい。
【0144】
このように、本実施の形態2によれば、前述した実施の形態1と同様に、実装基板1の第1主面1xまたは第2主面1yにBGA10を実装する際に生じる不具合(半田ペースト8と半田ボール(BGAボール)12との未融合、半田ボール(伝導経路)13のブリッジ、および半田ボール(伝導経路)13のボール落ち)を防止することができる。
【0145】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0146】
例えば前述した実施の形態では、実装基板の第1主面とその反対側の第2主面の両面にBGAまたは他の搭載部品を実装した場合について説明したが、実装基板の片面のみにBGAを実装する場合にも適用することができる。実装基板の片側のみにBGAを実装する場合でも、半田ペーストと半田ボール(BGAボール)との未融合または半田ボール(伝導経路)のブリッジは生じるので、本発明を適用することによって、これらの問題を解決することができる。
【0147】
また、BGAを用いた3次元積層実装構造のPOP(Package On Package)にも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0148】
本発明は、複数のアレイ状のボール状の外部端子をその裏面に有する半導体装置を実装基板に搭載した電子装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0149】
1 実装基板
1x 第1主面
1y 第2主面
2 基材
2x 第1主面
2y 第2主面
3 バンプ・ランド(半導体装置用バンプ・ランド、電極パッド)
4 保護膜(絶縁膜)
5 バンプ・ランド(半導体装置用バンプ・ランド、電極パッド)
6 保護膜(絶縁膜)
7 開口部
8 半田ペースト(半導体装置用半田ペースト)
9 印刷マスク
9a 開口部
10 BGA(半導体装置)
10a,10x 第1BGA
10b,10y 第2BGA
10c 第3BGA
10d 第1搭載部品
10e 第2搭載部品
11 加熱・冷却槽
12,12a,12b,12c,12y 半田ボール(BGAボール)
12d,12e 電極
13 半田ボール(伝導経路)
14 バネ
15 配線基板
15x 上面(表面)
15y 下面(裏面)
16 半導体チップ
17 接着剤(ダイボンド材)
18 電極パッド
19 ボンディングリード(電極パッド)
20 保護膜
21 バンプ・ランド(電極パッド)
22 保護膜
23 貫通孔(ビア)
24 導電性部材(ワイヤ)
25 樹脂封止体(封止体)
26 半田ペースト(半導体装置用半田ペースト)
27 印刷マスク
27a 開口部
30 バンプ・ランド
31 保護膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程を含むことを特徴とする半導体装置の実装方法:
(a)第1配線基板、前記第1配線基板の下面に形成された複数の第1バンプ・ランド、および前記複数の第1バンプ・ランドに形成された複数の第1半田ボールを有する第1半導体装置を準備する工程;
(b)実装基板の第1主面に形成された複数の第1半導体装置用バンプ・ランドに複数の第1半導体装置用半田ペーストを供給する工程;
(c)前記複数の第1半田ボールと前記複数の第1半導体装置用バンプ・ランドとが対向するように、前記複数の第1半導体装置用半田ペーストを介して前記実装基板の前記第1主面上に前記第1半導体装置を配置する工程;
(d)前記第1半導体装置を搭載した前記実装基板にリフロー処理を施すことにより、前記複数の第1半田ボールと前記複数の第1半導体装置用半田ペーストとを溶融し、複数の第1伝導経路を形成する工程、
ここで、
前記(b)工程の前に、前記第1半導体装置に生じる反りの分布を測定する第1解析により、前記複数の第1バンプ・ランドのそれぞれの位置における前記第1半導体装置の反り量を測定し、さらに、前記複数の第1半田ボールのそれぞれの形状に関する検量線を第2解析により算出し、
前記(b)工程では、前記第1および第2解析の結果に基づいて前記複数の第1半導体装置用バンプ・ランドのそれぞれにおいて最適な前記第1半導体装置用半田ペーストの供給量を算出した後、前記複数の第1半導体装置用バンプ・ランドに前記複数の第1半導体装置用半田ペーストを供給する。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置の実装方法において、
前記(a)工程では、ボール供給法により前記複数の第1バンプ・ランドに供給された前記複数の第1半田ボールを有する前記第1半導体装置を準備し、
前記(b)工程では、複数の開口部を有する印刷マスクを用いた印刷法により前記複数の第1半導体装置用半田ペーストを前記複数の第1半導体装置用バンプ・ランドに供給することを特徴とする半導体装置の実装方法。
【請求項3】
請求項2記載の半導体装置の実装方法において、
前記第1半導体装置は、
ガラスエポキシ系樹脂から成り、かつ上面、前記上面とは反対側の下面、および前記下面に形成された前記複数の第1バンプ・ランドを有する前記第1配線基板と、
シリコンから成り、かつ主面、前記主面とは反対側の裏面、および前記主面に形成された半導体素子を有し、前記第1配線基板の前記上面に搭載された半導体チップと、
エポキシ系樹脂から成り、前記半導体チップを封止する封止体と、
前記第1配線基板の前記下面に形成された前記複数の第1バンプ・ランドのそれぞれに形成された前記複数の第1半田ボールと、
を含むことを特徴とする半導体装置の実装方法。
【請求項4】
請求項3記載の半導体装置の実装方法において、前記(d)工程の後、さらに以下の工程を含む:
(e)第2配線基板、前記第2配線基板の下面に形成された複数の第2バンプ・ランド、および前記複数の第2バンプ・ランドに形成された複数の第2半田ボールを有する第2半導体装置を準備する工程;
(f)前記実装基板の前記第1主面とは反対側の第2主面に形成された複数の第2半導体装置用バンプ・ランドに複数の第2半導体装置用半田ペーストを供給する工程;
(g)前記複数の第2半田ボールと前記複数の第2半導体装置用バンプ・ランドとが対向するように、前記複数の第2半導体装置用半田ペーストを介して前記実装基板の前記第2主面上に前記第2半導体装置を配置する工程;
(h)前記第2半導体装置を搭載した前記実装基板にリフロー処理を施すことにより、前記複数の第2半田ボールと前記複数の第2半導体装置用半田ペーストとを溶融し、複数の第2伝導経路を形成する工程、
ここで、
前記(f)工程の前に、前記第2半導体装置に生じる反りの分布を測定する前記第1解析により、前記複数の第2バンプ・ランドのそれぞれの位置における前記第2半導体装置の反り量を測定し、さらに、前記複数の第2半田ボールのそれぞれの形状に関する検量線を前記第2解析により算出し、
前記(f)工程では、前記第1および第2解析の結果に基づいて前記複数の第2半導体装置用バンプ・ランドのそれぞれにおいて最適な前記第2半導体装置用半田ペーストの供給量を算出した後、前記複数の第2半導体装置用バンプ・ランドに前記複数の第2半導体装置用半田ペーストを供給する。
【請求項5】
請求項4記載の半導体装置の実装方法において、
前記複数の第1半田ボールおよび前記第1半導体装置用半田ペーストは、鉛を実質的に含まない組成であることを特徴とする半導体装置の実装方法。
【請求項6】
請求項5記載の半導体装置の実装方法において、
前記第1半導体装置の表面の平面形状は、四角形から成り、
前記実装基板に搭載された前記第1半導体装置の中央部が前記第1半導体装置の裏面側から表面側に向かって突出するように変形する場合には、前記複数の第1半導体装置用バンプ・ランドのうちの前記第1半導体装置の角部と対向する位置に形成された第1半導体装置用バンプ・ランドに供給される前記第1半導体装置用半田ペーストの量が、他の第1半導体装置用バンプ・ランドに供給される前記第1半導体装置用半田ペーストの量よりも少なくなるように、前記(b)工程を行うことを特徴とする半導体装置の実装方法。
【請求項7】
請求項6記載の半導体装置の実装方法において、
前記(a)工程では、さらに以下の工程を含む:
(a1)前記第1半導体装置の前記複数の第1バンプ・ランドに複数の第1半田ボール用半田ペーストを供給する工程;
(a2)前記複数の第1半田ボール用半田ペーストを介して前記複数の第1バンプ・ランドに前記複数の第1半田ボールを配置する工程;
(a3)前記複数の第1半田ボールを搭載した前記第1半導体装置にリフロー処理を施すことにより、前記複数の第1半田ボールと前記複数の第1半田ボール用半田ペーストとを溶融し、複数の第3半田ボールを形成する工程。
【請求項8】
請求項5記載の半導体装置の実装方法において、
前記第1半導体装置の表面の平面形状は、四角形から成り、
前記実装基板に搭載された前記第1半導体装置の中央部が前記第1半導体装置の表面側から裏面側に向かって突出するように変形する場合には、前記複数の第1半導体装置用バンプ・ランドのうちの前記第1半導体装置の角部と対向する位置に形成された第1半導体装置用バンプ・ランドに供給される前記第1半導体装置用半田ペーストの量が、他の第1半導体装置用バンプ・ランドに供給される前記第1半導体装置用半田ペーストの量よりも多くなるように、前記(b)工程を行うことを特徴とする半導体装置の実装方法。
【請求項9】
請求項8記載の半導体装置の実装方法において、
前記(a)工程では、さらに以下の工程を含む:
(a1)前記第1半導体装置の前記複数の第1バンプ・ランドに複数の第1半田ボール用半田ペーストを供給する工程;
(a2)前記複数の第1半田ボール用半田ペーストを介して前記複数の第1バンプ・ランドに前記複数の第1半田ボールを配置する工程;
(a3)前記複数の第1半田ボールを搭載した前記第1半導体装置にリフロー処理を施すことにより、前記複数の第1半田ボールと前記複数の第1半田ボール用半田ペーストとを溶融し、複数の第3半田ボールを形成する工程。
【請求項10】
以下の工程を含むことを特徴とする半導体装置の実装方法:
(a)第1配線基板、前記第1配線基板の下面に形成された複数の第1バンプ・ランド、および前記複数の第1バンプ・ランドに形成された複数の第1半田ボールを有する第1半導体装置を準備する工程;
(b)実装基板の第1主面に形成された複数の第1半導体装置用バンプ・ランドに複数の第1半導体装置用半田ペーストを供給する工程;
(c)前記複数の第1半田ボールと前記複数の第1半導体装置用バンプ・ランドとが対向するように、前記複数の第1半導体装置用半田ペーストを介して前記実装基板の前記第1主面上に前記第1半導体装置を配置する工程;
(d)前記第1半導体装置を搭載した前記実装基板にリフロー処理を施すことにより、前記複数の第1半田ボールと前記複数の第1半導体装置用半田ペーストとを溶融し、複数の第1伝導経路を形成する工程、
ここで、
前記(b)工程の前に、前記第1半導体装置に生じる反りの分布を測定する第1解析により、前記複数の第1バンプ・ランドのそれぞれの位置における前記第1半導体装置の反り量を測定し、さらに、前記複数の第1半田ボールのそれぞれの形状に関する検量線を第2解析により算出し、
前記(b)工程では、前記第1および第2解析の結果に基づいてそれぞれにおいて算出された最適な径を有する前記複数の第1半導体装置用バンプ・ランドが形成された前記実装基板を準備する。
【請求項11】
請求項10記載の半導体装置の実装方法において、
前記(a)工程では、ボール供給法により前記複数の第1バンプ・ランドに供給された前記複数の第1半田ボールを有する前記第1半導体装置を準備し、
前記(b)工程では、複数の開口部を有する印刷マスクを用いた印刷法により前記複数の第1半導体装置用半田ペーストを前記複数の第1半導体装置用バンプ・ランドに供給することを特徴とする半導体装置の実装方法。
【請求項12】
請求項11記載の半導体装置の実装方法において、
前記第1半導体装置は、
ガラスエポキシ系樹脂から成り、かつ上面、前記上面とは反対側の下面、および前記下面に形成された前記複数の第1バンプ・ランドを有する前記第1配線基板と、
シリコンから成り、かつ主面、前記主面とは反対側の裏面、および前記主面に形成された半導体素子を有し、前記第1配線基板の前記上面に搭載された半導体チップと、
エポキシ系樹脂から成り、前記半導体チップを封止する封止体と、
前記第1配線基板の前記下面に形成された前記複数の第1バンプ・ランドのそれぞれに形成された前記複数の第1半田ボールと、
を含むことを特徴とする半導体装置の実装方法。
【請求項13】
請求項12記載の半導体装置の実装方法において、前記(d)工程の後、さらに以下の工程を含む:
(e)第2配線基板、前記第2配線基板の下面に形成された複数の第2バンプ・ランド、および前記複数の第2バンプ・ランドに形成された複数の第2半田ボールを有する第2半導体装置を準備する工程;
(f)前記実装基板の前記第1主面とは反対側の第2主面に形成された複数の第2半導体装置用バンプ・ランドに複数の第2半導体装置用半田ペーストを供給する工程;
(g)前記複数の第2半田ボールと前記複数の第2半導体装置用バンプ・ランドとが対向するように、前記複数の第2半導体装置用半田ペーストを介して前記実装基板の前記第2主面上に前記第2半導体装置を配置する工程;
(h)前記第2半導体装置を搭載した前記実装基板にリフロー処理を施すことにより、前記複数の第2半田ボールと前記複数の第2半導体装置用半田ペーストとを溶融し、複数の第2伝導経路を形成する工程、
ここで、
前記(f)工程の前に、前記第2半導体装置に生じる反りの分布を測定する前記第1解析により、前記複数の第2バンプ・ランドのそれぞれの位置における前記第2半導体装置の反り量を測定し、さらに、前記複数の第2半田ボールのそれぞれの形状に関する検量線を前記第2解析により算出し、
前記(f)工程では、前記第1および第2解析の結果に基づいてそれぞれにおいて算出された最適な径を有する前記複数の第2半導体装置用バンプ・ランドが形成された前記実装基板を準備する。
【請求項14】
請求項13記載の半導体装置の実装方法において、
前記複数の第1半田ボールおよび前記第1半導体装置用半田ペーストは、鉛を実質的に含まない組成であることを特徴とする半導体装置の実装方法。
【請求項15】
請求項14記載の半導体装置の実装方法において、
前記第1半導体装置の表面の平面形状は、四角形から成り、
前記実装基板に搭載された前記第1半導体装置の中央部が前記第1半導体装置の裏面側から表面側に向かって突出するように変形する場合には、前記複数の第1半導体装置用バンプ・ランドのうちの前記第1半導体装置の角部と対向する位置に形成された第1半導体装置用バンプ・ランドの径が、他の第1半導体装置用バンプ・ランドの径よりも大きくなるように、前記複数の第1半導体装置用バンプ・ランドが形成されることを特徴とする半導体装置の実装方法。
【請求項16】
請求項15記載の半導体装置の実装方法において、
前記(a)工程では、さらに以下の工程を含む:
(a1)前記第1半導体装置の前記複数の第1バンプ・ランドに複数の第1半田ボール用半田ペーストを供給する工程;
(a2)前記複数の第1半田ボール用半田ペーストを介して前記複数の第1バンプ・ランドに前記複数の第1半田ボールを配置する工程;
(a3)前記複数の第1半田ボールを搭載した前記第1半導体装置にリフロー処理を施すことにより、前記複数の第1半田ボールと前記複数の第1半田ボール用半田ペーストとを溶融し、複数の第3半田ボールを形成する工程。
【請求項17】
請求項14記載の半導体装置の実装方法において、
前記第1半導体装置の表面の平面形状は、四角形から成り、
前記実装基板に搭載された前記第1半導体装置の中央部が前記第1半導体装置の表面側から裏面側に向かって突出するように変形する場合には、前記複数の第1半導体装置用バンプ・ランドのうちの前記第1半導体装置の角部と対向する位置に形成された第1半導体装置用バンプ・ランドの径が、他の第1半導体装置用バンプ・ランドの径よりも小さくなるように、前記複数の第1半導体装置用バンプ・ランドが形成されることを特徴とする半導体装置の実装方法。
【請求項18】
請求項17記載の半導体装置の実装方法において、
前記(a)工程では、さらに以下の工程を含む:
(a1)前記第1半導体装置の前記複数の第1バンプ・ランドに複数の第1半田ボール用半田ペーストを供給する工程;
(a2)前記複数の第1半田ボール用半田ペーストを介して前記複数の第1バンプ・ランドに前記複数の第1半田ボールを配置する工程;
(a3)前記複数の第1半田ボールを搭載した前記第1半導体装置にリフロー処理を施すことにより、前記複数の第1半田ボールと前記複数の第1半田ボール用半田ペーストとを溶融し、複数の第3半田ボールを形成する工程。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−119505(P2011−119505A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−276340(P2009−276340)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】