説明

半導体装置の製造工程の制御方法

【課題】簡単な方法で半導体装置の素子特性のウェハ面内バラツキを小さくすることができる半導体装置の製造工程の制御方法を提供することにある。
【解決手段】第1の工程により得られた処理結果の面内分布から半導体装置の素子特性の面内分布を予測し(ステップS2、S3)、次工程である第2の工程の処理条件として、この予測された素子特性の面内分布を相殺するような面内分布を有する最適な処理条件を求め(ステップS4、S5)、この処理条件に基づいて第2の工程の処理をすることによって、素子特性の面内分布のバラツキを小さくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板を複数の工程で順次処理して半導体装置を製造する製造工程において、半導体装置の素子特性のバラツキが最小になるように製造工程を制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造において、素子特性のバラツキをどの程度許容するかは品質とコストの観点から非常に重要な問題である。素子特性のバラツキを大きく許容した場合、その素子で構成される半導体回路は大きな動作マージンを確保せざるを得なくなり、その結果、消費電力・信頼性等の面で品質が低下する。一方、素子特性のバラツキを小さく許容した場合、素子製造工程の変動を抑えるために多大な管理が必要であり、その結果、素子の製造コストが高くなる。
【0003】
一般的な半導体装置の製造工程では、複数のトランジスタ・抵抗・容量等の電子素子とそれらを電気的に接続する配線から構成される半導体装置(チップ)を一枚の半導体基板(ウェハ)上に複数個配置し、その半導体基板を複数枚まとめて一括(ロット)処理する方法が取られる。このような半導体装置の製造方法においては、半導体装置の素子特性、たとえばMOS型トランジスタのしきい値電圧等のバラツキは、チップ内でばらつく成分、チップ間でばらつく成分、ロット内でばらつく成分、またはロット間でばらつく成分等に分類される。
【0004】
高品質で低コストな半導体装置を製造するためには、上記各成分の半導体素子の特性バラツキを抑制するように、半導体装置の製造装置を相互に高精度に制御することが近年の半導体装置の製造では非常に重要である。
【0005】
この課題を解決するために、例えば露光現像工程において、あるロットの露光工程の仕上がり結果を測定し、その測定結果と設計値からのズレを算出し、そのズレを補正するような露光条件を次のロット処理に反映することで、ロット間での素子特性バラツキを低減させるフィードバック方式の制御方法が採用されている。
【0006】
さらに、例えば特許文献1では、半導体基板を処理する工程(例えば、基板表面を平坦化する化学的機械研磨の工程)において、基板に施した第1の処理工程の処理結果(例えば、第1の研磨条件による研磨速度)、及び第2の処理工程の処理結果(例えば、第2の研磨条件における研磨速度)のそれぞれの基板の面内分布データから、各面内位置に対する両処理工程の差異のデータとして各面内位置に対する相関関数を求め、この相関関数から所望の処理条件(例えば、研磨条件)における基板の面内分布を算出し、この面内分布特性に基づいて基板を処理するフィードフォワード方式の制御を行うことでウェハ間の処理結果のバラツキを抑制する方法が示されている。
【特許文献1】特開2002−0184733号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のフィードフォワード方式の制御方法では、処理結果のウェハ面内均一性を高めることはできる。しかし、上記面内分布の差異を表す相関関数が複雑な関数形となった場合には、所望の処理条件を算出するための工数が増大するため、あまり複雑な関数形を採用するのは適切ではなく、処理コストの観点から近似的な関数形を用いざるを得ない。そのため、均一性の確保には限界があり、均一性を高める処理を行うほど、その処理にかかるコストは増大するため、ある程度の処理結果のウェハ面内バラツキは許容する必要がある。
【0008】
さらに、半導体装置の製造では、ある工程の処理結果の設計値からのズレの方向と、別の工程の処理結果の設計値からのズレの方向は、半導体素子の特性の設計値からのズレを大きくする場合もあれば、逆に半導体素子の特性の設計値からのズレを小さくする場合もある。上記の処理結果のウェハ面内分布の均一性を高めるようなフィードフォワード方式による半導体装置製造装置の制御方法では、半導体素子の素子特性と処理結果の相関関係は考慮されていないため、半導体素子の特性バラツキを小さくするには限界がある。
【0009】
本発明はかかる点に鑑みてなされたもので、その主な目的は、簡単な方法で半導体装置の素子特性のウェハ面内バラツキを小さくすることができる半導体装置の製造工程の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係わる半導体装置の製造工程の制御方法は、半導体基板を複数の工程で順次処理して半導体装置を製造する製造工程において、第1の工程の処理結果に基づいて、次工程である第2の工程の処理条件を決定する制御方法であって、第1の工程で半導体基板を処理して第1の処理結果を取得する第1のステップと、第1の処理結果の基板内における面内分布を測定する第2のステップと、第1の処理結果の面内分布から予測される半導体装置の素子特性の面内分布を算出する第3のステップと、予測される素子特性の面内分布に対して、反対の面内分布を有する素子特性が得られることが予測される第2の工程における第2の処理結果の面内分布を算出する第4のステップと、第2の処理結果の面内分布が得られることが予測される第2の工程の処理条件を決定する第5のステップと、第2の工程の処理条件により半導体基板を処理する第6のステップとを有することを特徴とする。
【0011】
このような方法によれば、第1の工程により得られた処理結果の面内分布から素子特性の面内分布を予測し、次工程である第2の工程の処理条件として、この予測された素子特性の面内分布を相殺するような面内分布を有する最適な処理条件を求め、この処理条件に基づいて第2の工程の処理を行うことによって、素子特性の面内分布のバラツキを小さく制御でき、簡単な方法により均一な素子特性を有する半導体装置を得ることができる。
【0012】
ある好適な実施形態において、上記第3のステップにおいて、予測される素子特性の面内分布は、第1の工程における第1の処理結果と半導体素子の素子特性との相関関係を予め記録したデータベースから算出される。
【0013】
また、上記第4のステップにおいて、予測される第2の処置結果の面内分布は、第2の工程における第2の処理結果と半導体素子の素子特性との相関関係を予め記録したデータベースから算出される。
【0014】
また、上記第5のステップにおいて、予測される第2の工程の処理条件は、第2の工程の処理条件と該処理条件から得られた第2の処理結果との相関関係を予め記録したデータベースから決定される。
【0015】
ある好適な実施形態において、上記第2の工程は、第2の処理結果が、所定の面内分布をもつように制御されて実行されることが好ましい。
【0016】
ある好適な実施形態において、上記第3のステップ及び第4のステップの少なくとも一方のステップにおいて、素子特性の面内分布または第2の処理結果の面内分布は、測定された第1の処理結果の面内分布に基づいてシミュレーションにより算出される。
【0017】
ある好適な実施形態において、上記複数の工程において、各工程で処理して取得した処理結果と、複数の工程で順次処理して製造した半導体装置の素子特性との関係を、データベースに追加するステップをさらに有する。
【0018】
ある好適な実施形態において、上記第1の工程はゲート絶縁膜形成工程であって、第1の処理結果はゲート絶縁膜の膜厚であり、第2の工程はゲート電極形成工程であって、第2の処理結果はゲート長寸法である。
【0019】
このとき、第2の工程の処理条件は、ゲート電極のパターン形成を行う露光条件であることが好ましい。
【0020】
ある好適な実施形態において、上記第1の工程はゲート電極形成工程であって、第1の処理結果はゲート長寸法であり、第2の工程はソース・ドレイン形成工程であって、第2の処理結果はソース・ドレイン注入不純物の活性化熱処理温度である。
【0021】
このとき、第2の工程の処理条件は、ソース・ドレイン注入不純物の活性化熱処理を行うランプ加熱条件であることが好ましい。
【0022】
本発明に係わる他の半導体装置の製造工程の制御方法は、半導体基板を複数の工程で順次処理して半導体装置を製造する製造工程において、第1の工程の第1の処理結果、及び第1の工程に続く第2の工程の第2の処理結果に基づいて、第2の工程の次工程である第3の工程の処理条件を決定する制御方法であって、第1の工程で半導体基板を処理して、第1の処理結果の基板内における面内分布を取得するステップと、第2の工程で、第1の工程で処理した半導体基板を処理して、第2の処理結果の基板内における面内分布を取得するステップと、第1の処理結果、第2の処理結果、及び第3の工程の処理条件を変数とする応答関数を用いて、第1の処理結果の面内分布、第2の処理結果の面内分布、及び第3の工程の複数の処理条件の仮想的な面内分布から、半導体装置の素子特性の複数の面内分布を算出するステップと、素子特性の複数の面内分布から、該面内分布のバラツキが最小になる第3の工程の一の処理条件の仮想的な面内分布を決定するステップと、第3の工程の一の処理条件により、第3の工程で前記半導体基板を処理するステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係わる半導体装置の製造工程の制御方法によれば、第1の工程により得られた処理結果の面内分布から素子特性の面内分布を予測し、次工程である第2の工程の処理条件として、この予測された素子特性の面内分布を相殺するような面内分布を有する最適な処理条件を求め、この処理条件に基づいて第2の工程の処理をすることによって、素子特性の面内分布のバラツキを小さく制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下の図面においては、説明の簡略化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示す。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
【0025】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の制御方法を示したフローチャートである。なお、半導体装置は、半導体基板を多数の工程で順次処理することによって製造されるが、ここでは、その中の任意の工程を、第1の工程及びその次工程である第2の工程として説明する。なお、第1の工程と第2の工程とは、必ずしも連続する工程でなくてもよい。
【0026】
図1のフローチャートに示すように、まず、第1の工程で半導体基板を処理して、第1の処理結果を取得した後(第1のステップS1)、第1の処理結果の基板内における面内分布を測定する(第2のステップS2)。
【0027】
次に、第1の処理結果の面内分布から、予測される半導体装置の素子特性の面内分布を算出する(第3のステップS3)。これは、第1の工程における第1の処理結果と、半導体素子の素子特性との相関関係を予め記録したデータベースD1から算出される。
【0028】
次に、第3のステップS3で算出した「予測される素子特性の面内分布」に対して、「反対の面内分布を有する素子特性」が得られることが予測される第2の工程における第2の処理結果の面内分布を算出する(第4のステップS4)。これは、第2の工程における第2の処理結果と、半導体素子の素子特性との相関関係を予め記録したデータベースD2から算出される。ここで、「反対の面内分布を有する素子特性」とは、予測される素子特性の平均値に対して、大小関係が反対の素子特性を有するような面内分布をもった素子特性をいう。
【0029】
次に、第4のステップS4で算出した「第2の処理結果の面内分布」が得られることが予測される第2の工程の処理条件を決定する(第5のステップS5)。これは、第2の工程の処理条件と、該処理条件から得られた第2の処理結果との相関関係を予め記録したデータベースS3から決定される。
【0030】
最後に、第5のステップS5で決定した第2の工程の処理条件により、半導体基板を処理する(第6のステップS6)。なお、第2の工程は、第2の工程によって得られる第2の処理結果が、所定の面内分布をもつように制御されて実行される。
【0031】
本発明の制御方法によれば、第1の工程により得られた処理結果の面内分布から素子特性の面内分布を予測し、次工程である第2の工程の処理条件として、この予測された素子特性の面内分布を相殺するような面内分布を有する最適な処理条件を求め、この処理条件に基づいて第2の工程の処理をすることによって、素子特性の面内分布のバラツキを小さくすることができる。
【0032】
また、第3〜第5の各ステップにおいて算出する「素子特性の面内分布」、「第2の処理結果の面内分布」、及び「第2の工程の処理条件」は、それらの算出に必要なデータを予めデータベースに記憶しておき、このデータベースに記憶されたデータに基づいて算出することができるので、簡単なデータ処理によって求めることができる。さらに、これらのデータベースに記憶されたデータは、半導体装置の製造工程が終了する毎に、各工程の処理結果をデータベースに蓄積していくことによって、精度の高いフィードバックができるので、素子特性のバラツキ低減に有効である。また、第3のステップ及び第4のステップの少なくとも一方のステップにおいて、素子特性の面内分布、または第2の処理結果の面内分布は、測定された第1の処理結果の面内分布に基づいて、シミュレーションにより算出されるよいうにしてもよい。
【0033】
次に、本発明の制御方法を実施するための制御システムの構成を、図2に示したブロック図を参照しながら説明する。なお、ここで示した各ブロックは、システムの機能を説明するために便宜的に設けたものであって、例えば、これらの機能が一つの装置内で実現されるものであってもよい。
【0034】
本制御システムは、測定手段11、演算手段12、データベース13、及び第2の工程を処理する装置の制御手段14とで構成されている。
【0035】
測定手段11では、半導体基板を第1の工程で処理した第1の処理結果を測定し、第1の処理結果の面内分布のデータを出力する。演算手段12は、第3〜第5の各ステップにおける「素子特性の面内分布」、「第2の処理結果の面内分布」、及び「第2の工程の処理条件」を順次算出する。
【0036】
データベース13には、「第1の処理結果と半導体素子の素子特性との相関関係」、「第2の処理結果と半導体素子の素子特性との相関関係」、及び「第2の工程の処理条件と、該処理条件から得られた第2の処理結果との相関関係」が記録されている。そして、演算手段12では、データベース13に記録されたこれらのデータを用いて、第3〜第5の各ステップにおける所要の演算が実行される。
【0037】
第2の工程を処理する装置の制御手段14は、演算手段で最終的に求めた「第2の工程の処理条件」に従って、第2の工程の処理を実行する。なお、第2の工程を処理する装置は、第2の工程によって得られる第2の処理結果が、所定の面内分布をもつように制御する機能を有している。
【0038】
(第1の実施形態の実施例1)
半導体装置の製造工程において、MOSトランジスタの形成工程に、本発明の制御方法を適用した例を、図3〜図12を参照しながら説明する。
【0039】
図3は、第1の工程がゲート絶縁膜の形成工程で、第2の工程がゲート電極の形成工程における、本発明の制御方法を示したフローチャートである。なお、データベース13には、図4に示すような「ゲート絶縁膜の膜厚変化と、MOSトランジスタの駆動力変化との相関関係」、図5に示すような「ゲート長寸法の変化と、MOSトランジスタの駆動力変化との相関関係」、及び図6に示すような「ゲートパターン露光量の設計値からの変化量と、現像後のゲート長の設計値からの変化量との相関関係」が予め格納されている。
【0040】
図3に示すように、まず、半導体基板(ウェハ)にゲート絶縁膜を形成した後(第1のステップS11)、膜厚測定手段11を用いて、図7(a)に示すようなウェハ内の各ショットにつき、ゲート絶縁膜の膜厚を測定し、ゲート絶縁膜の設計値からのシフト量の面内分布を求める(第2のステップS12)。図7(b)は、その結果を示した表で、図7(c)、(d)は、ウェハ内のX軸、Y軸に沿ったゲート絶縁膜の膜厚の設計値からのシフト量の面内分布を示す。図7(c)、(d)に示すように、ゲート絶縁膜はウェハ中心部では設計値よりも膜厚が5%厚く、ウェハ周辺部では設計値よりも膜厚が5%薄い同心円状の分布となっている。なお、測定したデータは、一旦データベース13に格納してもよい。
【0041】
次に、ゲート絶縁膜の膜厚の面内分布から、予測されるMOSトランジスタの素子特性、例えばトランジスタ駆動力の面内分布を算出する(第3のステップS13)。これは、データベースD11に格納された「ゲート絶縁膜の膜厚変化と、MOSトランジスタの駆動力変化との相関関係」(図4参照)を用いて、容易に算出することができる。
【0042】
図8は、図7(c)に示したゲート絶縁膜の膜厚の面内分布から算出したトランジスタ駆動力の面内分布(X軸方向のみ)を示す。先の工程で特別な制御をしない限り、図8に示すように、ウェハ中心部ではトランジスタ駆動力が設計値から10%減少し、ウェハ周辺部では10%増加することが予測される。
【0043】
次に、第3のステップS13で算出した「予測されるトランジスタ駆動力の面内分布」に対して、「反対の面内分布を有するトランジスタ駆動力」が得られることが予測される「ゲート長寸法」の面内分布を算出する(第4のステップS14)。これは、データベースD12に格納された「ゲート長寸法の変化と、MOSトランジスタの駆動力変化との相関関係」(図5参照)を用いて、容易に算出することができる。
【0044】
図9は、図8に示したトランジスタ駆動力の面内分布から算出したゲート長寸法の面内分布(X軸方向のみ)を示す。トランジスタ駆動力の設計値からの変化量を打ち消すようなゲート長の設計値からの変化量を、ウェハ面内各ショットについて算出したものである。図9に示すように、ウェハ中心部ではゲート長を設計値より8%減少させ、ウェハ周辺部ではゲート長を設計値より12%増加させればよい。
【0045】
次に、第4のステップS14で算出した「ゲート長寸法の面内分布」が得られることが予測されるゲート電極パターンの露光条件を決定する(第5のステップS15)。これは、データベースD13に格納された「ゲートパターン露光量の設計値からの変化量と、現像後のゲート長の設計値からの変化量との相関関係」(図6参照)を用いて、容易に算出することができる。
【0046】
図10は、図9に示したゲート長寸法の面内分布から算出したゲート電極パターンの露光条件の面内分布(X軸方向のみ)を示す。図10に示すように、ウェハ中心部では露光機の露光量を設計値から10%増加させ、ウェハ周辺部では露光量を設計値から15%減少させる。
【0047】
最後に、第5のステップS15で決定したゲート電極パターンの露光条件でゲート電極パターンの露光を行い、ゲート電極の形成工程を実行する(第6のステップS16)。
【0048】
図11に、本発明による制御方法を用いない場合、図12に、本発明による制御方法を用いた場合のMOSトランジスタ駆動力のウェハ面内の分布を示す。トランジスタ駆動力のバラツキは、第1の工程(ゲート絶縁膜の形成工程)と第2の工程(ゲート電極の形成工程)以外の工程のバラツキによっても生じるため、本発明による制御方法を用いても完全にはゼロにはならないが、本発明による制御方法を用いると、トランジスタ駆動力のバラツキを±30%から±25%に減少させることができる。
【0049】
(第1の実施形態の実施例2)
MOSトランジスタの形成工程に、本発明の制御方法を適用した他の例を、図13〜図19を参照しながら説明する。
【0050】
図13は、第1の工程がゲート電極の形成工程で、第2の工程がソース・ドレイン形成工程における、本発明の制御方法を示したフローチャートである。実施例1におけるゲート電極の形成工程(第2の工程)に引き続き、その次工程であるソース・ドレインの形成工程に本発明の制御方法を適用することによって、MOSトランジスタの素子特性(トランジスタ駆動力)の面内バラツキをさらに減少させることができる期待できる。
【0051】
なお、本実施例を実行するに当たって、データベース13には、図5に示すような「ゲート長寸法の変化と、MOSトランジスタの駆動力変化との相関関係」、図14に示すような「ソース・ドレインの注入不純物の活性化熱処理温度の変化と、MOSトランジスタの駆動力変化との相関関係」、及び図15に示すような「ランプ加熱装置の加熱ランプ入力パワーの変化量と、ランプ加熱されたときのウエハの表面温度の変化量との相関関係」が予め格納されている。
【0052】
図13に示すように、まず、ゲート絶縁膜が形成された半導体基板(ウェハ)上にゲート電極を形成した後(第1のステップS21)、寸法測定定手段11を用いて、図16(a)に示すようなウェハ内の各ショットにつき、ゲート長寸法を測定し、ゲート長の設計値からの変化量の面内分布を求める(第2のステップS22)。図16(b)は、その結果を示した表で、図16(c)、(d)は、ウェハ内のX軸、Y軸に沿ったゲート長の設計値からの変化量の面内分布を示す。図16(c)、(d)に示すように、ゲート長はウェハ中心部では設計値よりも10%短く、ウェハ周辺部では設計値よりも10%長い同心円状の分布となっている。なお、測定したデータは、一旦データベース13に格納してもよい。
【0053】
次に、ゲート長寸法の面内分布から、予測されるMOSトランジスタの素子特性、例えばトランジスタ駆動力の面内分布を算出する(第3のステップS23)。これは、データベースD21に格納された「ゲート長の寸法変化と、MOSトランジスタの駆動力変化との相関関係」(図5参照)を用いて、容易に算出することができる。
【0054】
図17は、図16(c)に示したゲート長寸法の面内分布から算出したトランジスタ駆動力の面内分布(X軸方向のみ)を示す。先の工程で特別な制御をしない限り、図17に示すように、ウェハ中心部ではトランジスタ駆動力が設計値から15%増加し、ウェハ周辺部では8%増加することが予測される。
【0055】
次に、第3のステップS23で算出した「予測されるトランジスタ駆動力の面内分布」に対して、「反対の面内分布を有するトランジスタ駆動力」が得られることが予測される「ソース・ドレイン注入不純物の活性化熱処理温度」の面内分布を算出する(第4のステップS24)。これは、データベースD22に格納された「ソース・ドレインの注入不純物の活性化熱処理温度の変化と、MOSトランジスタの駆動力変化との相関関係」(図14参照)を用いて、容易に算出することができる。
【0056】
図18は、図17に示したトランジスタ駆動力の面内分布から算出した活性化熱処理温度の面内分布(X軸方向のみ)を示す。トランジスタ駆動力の設計値からの変化量を打ち消すような熱処理温度の変化量を、ウェハ面内各ショットについて算出したものである。図18に示すように、ウェハ中心部では熱処理温度を設計値より15%下降させ、ウェハ周辺部では熱処理温度を設計値より5%上昇させればよい。
【0057】
次に、第4のステップS24で算出した「熱処理温度の面内分布」が得られることが予測されるランプ加熱装置の加熱条件を決定する(第5のステップS25)。これは、データベースD23に格納された「ランプ加熱装置の加熱ランプ入力パワーの変化量と、ランプ加熱されたときのウエハの表面温度の変化量との相関関係」(図15参照)を用いて、容易に算出することができる。
【0058】
図19は、図18に示した熱処理温度の面内分布から算出したランプ加熱の加熱条件(入力パワー)の面内分布(X軸方向のみ)を示す。図19に示すように、ウェハ中心部では入力パワーを設計値から10%減少させ、ウェハ周辺部では露光量を設計値から5%増加させる。
【0059】
最後に、第5のステップS25で決定したランプ加熱装置の加熱条件でソース・ドレインの注入不純物の活性化熱処理を行い、ソース・ドレインの形成工程を実行する(第6のステップS26)。
【0060】
本実施例における素子特性(トランジスタ駆動力)のバラツキの低減は、現象的には、以下のように説明できる。すなわち、MOSトランジスタの素子特性は、実効ゲート長(ソース、ドレイン間のチャネルの距離)に律束されるが、この実効ゲート長は、一義的にはゲート電極の仕上がり寸法できまるので、ゲート電極の仕上がり寸法(ゲート長)にバラツキが生じると、実効ゲート長もバラツキが起きる。しかしながら、ソース、ドレインは、ゲート電極をマスクに不純物をイオン注入した後、注入不純物を活性化熱処理することによって形成されるので、実効ゲート長は、この熱処理条件によっても変動する。そこで、熱処理条件をウエハ面内において局所的に制御できれば、ゲート電極の仕上り寸法の面内分布と反対の面内分布をもつ熱処理温度で注入不純物を熱処理することによって、ゲート電極の仕上がり寸法のバラツキを相殺することができることになる。
【0061】
(実施例2における熱処理装置の例)
実施例2におけるソース・ドレイン注入不純物の活性化熱処理を実行する熱処理装置の代表的な構成を説明する。
【0062】
図20は、ランプ加熱装置の断面図で、ウェハ103を保持するステージ100と、ウェハ103を加熱するランプ101と、ランプ101への入力パワーを制御する制御装置102で構成されている。ウエハ103はステージ100に乗せられ、ランプ101でウェハ103表面を加熱することでソース・ドレイン不純物の活性化の熱処理が行われる。ウェハ面内で熱処理の温度分布を均一にするために、ステージ100を回転しながらランプ101で加熱が行われる。ここで、ランプ101はウェハ全面を覆うように複数個配置されており、ランプへの入力パワーは制御装置102によって個別に制御できる。従って、加熱ランプの入力パワーを変えることによって、所望の面内分布をもった熱処理温度により、ソース・ドレイン注入不純物の活性化熱処理を実行することができる。
【0063】
図21は、他の熱処理装置の例を示した図で、ウェハの一部の温度を下げる機能を付与することによって、所望の熱処理温度の面内分布を得るようにしたものである。
【0064】
図21に示すように、ウェハ203の裏面側に、不活性ガス、例えばN2を噴出するノズル204を配置する。ノズル204の噴出口から出た不活性ガスをウェハの裏面に吐出することで、不活性ガスがあたった部分のウェハ表面温度を低下させることができる。ここで、ノズル204はウェハ203の半径方向に移動することによって、ウェハ203の任意の部分に不活性ガスを吐出させることができる。また、不活性ガスの吐出量も変化させることによって、ウェハ面内に任意の温度変化を生じさせることもできる。
【0065】
図22(a)は、不活性ガスの吐出量Pを一定にした場合のウエハ面内の温度分布を、図22(b)は、ノズル204の位置r及び不活性ガスの吐出量Pを変化させた場合のウェハ面内の温度分布を示す。
【0066】
(第2の実施形態)
図23は、本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の制御方法を示したフローチャートである。本実施形態における制御方法は、第1の工程と第2の工程との処理結果に基づき、第3の工程の処理条件を求めるものである。なお、本実施形態において、第1の工程、第2の工程、及び第3の工程は、必ずしも連続する工程でなくてもよい。
【0067】
図23に示すように、まず、第1の工程で半導体基板を処理して、第1の処理結果の基板内における面内分布を取得する(ステップS31)。次に、第2の工程で、第1の工程で処理した半導体基板を処理して、第2の処理結果の基板内における面内分布を取得する(ステップS32)。
【0068】
次に、第1の処理結果、第2の処理結果、及び第3の工程の処理条件と半導体装置の素子特性との相関関係F31を用いて、ステップS31及びステップS32で取得した第1の処理結果の面内分布及び第2の処理結果の面内分布、並びに第3の工程の複数の処理条件の仮想的な面内分布から、半導体装置の素子特性の複数の面内分布を算出する(ステップS33)。
【0069】
次に、ステップS33で算出した素子特性の複数の面内分布から、該面内分布のバラツキが最小になる第3の工程の一の処理条件の仮想的な面内分布を決定する(S34)。そして、ステップS34で決定した第3の工程の一の処理条件により、第3の工程で、半導体基板を処理する(ステップS35)。
【0070】
本実施形態の制御方法によれば、第1の工程及び第2の工程により得られた処理結果の面内分布、及び第3の工程の複数の処理条件の仮想的な面内分布から素子特性の面内分布を予測し、その中から面内分布のバラツキが最小となる第3の工程の処理条件を求め、この処理条件に基づいて第3の工程の処理をすることによって、素子特性の面内分布のバラツキを小さくすることができる。
【0071】
なお、第3の工程の複数の処理条件の仮想的な面内分布は、予めデータベースD31に格納されている。また、ステップS31、S32で取得した第1及び第2の処理結果の面内分布も、一時的にデータベースD31に格納しておいてもよい。
【0072】
(第2の実施形態の実施例)
半導体装置の製造工程において、MOSトランジスタの形成工程に、第2の実施形態の制御方法を適用した例を、図24を参照しながら説明する。
【0073】
ここでは、第1の工程がゲート絶縁膜形成工程であり、第2の工程がゲート電極形成工程であり、第3の工程がソース・ドレイン注入の不純物活性化の熱処理工程である場合について説明する。
【0074】
本実施形態の制御方法において、第1〜3の工程の処理結果と、最終的な半導体素子特性の関係を表す関係式を導入する。すなわち、第1の工程の処理結果であるゲート絶縁膜の膜厚Gox、第2の工程の処理結果であるゲート電極寸法Lg、及び第3の工程の処理結果である不純物活性化の熱処理温度RTAtempを変数として、半導体素子特性、例えばMOSトランジスタの駆動力Idsを求める関係式(応答関数)
Ids=Function(Gox,Lg,RTAtemp) (式1)
を導入する。ここで、上記応答関数Functionは任意の関数形を表す。通常、駆動力Idsは、Gox、Lg、RTAtempに対して線形に変化しない場合が多いので、上記応答関数Functionは、例えば以下の二次式
Ids=aGox2+bGox+cLg2+dLg+eRTAtemp2+fRTAtemp+Const. (式2)
で表すことできる。ここで、Const.は定数項であり、各係数a〜fは、試作実験を行い決定してもよいし、またはシミュレーションにより決定してもよい。
【0075】
図24に示すように、まず、ゲート絶縁膜の形成工程による処理結果として、ゲート絶縁膜の膜厚の面内分布を取得する(ステップS41)。この処理結果は、データはデータベースD1に格納される。次に、ゲート酸化膜形成後のゲート電極形成工程による処理結果として、ゲート長寸法の面内分布を取得する(ステップS42)。この処理結果は、データはデータベースD2に格納される。
【0076】
次に、素子特性と各工程の処理結果との相関関数F41として、上記(式1)または(式2)を用いて、ステップS41、S42で取得したゲート絶縁膜の膜厚の面内分布、ゲート長寸法の面内分布、及び仮想的な活性化熱処理温度の面内分布から、トランジスタの駆動力の面内分布を算出する(ステップS43)。ここで、仮想的な活性化熱処理温度の面内分布は、データベースD43に複数格納されており、仮想的な活性化熱処理温度の数だけ、トランジスタの駆動力の面内分布を算出することができる。
【0077】
次に、ステップS43で算出したトランジスタ駆動力の複数の面内分布から、該面内分布のバラツキが最小になる処理条件の面内分布を決定する(S44)。そして、ステップS44で決定した熱処理条件により、不純物活性化熱処理工程を実行する。
【0078】
図25(a)〜(c)は、3つの仮想的な熱処理温度分布を用いた場合の、トランジスタ駆動力のバラツキを比較したもので、熱処理温度分布2が最も小さいバラツキを示している。これにより、活性化熱処理工程の条件として、熱処理温度分布2をもった加熱条件を用いて、第3の工程の熱処理工程を実行することで、特性バラツキの小さな半導体装置を製造することができる。
【0079】
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。例えば、上記実施形態においては、半導体装置の素子特性として、MOSトランジスタの駆動力を例に説明したが、他の素子特性に対しても同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明によれば、簡単な方法で半導体装置の素子特性のウェハ面内バラツキを小さくすることができる半導体装置の製造工程の制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造工程の制御方法を示したフローチャートである。
【図2】本発明の第1の実施形態における制御方法を実施するためのシステムの構成を示したブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の実施例1における半導体装置の製造工程の制御方法を示したフローチャートである。
【図4】本発明におけるゲート絶縁膜厚の設計値からの変化率と、MOSトランジスタ駆動力の設計値からの変化率の関係を示した図である。
【図5】本発明におけるゲート長寸法の設計値からの変化率と、MOSトランジスタ駆動力の設計値からの変化率の関係を示した図である。
【図6】本発明におけるゲートパターン露光量の設計値からの変化量と、現像後のゲートパターン寸法の設計値からの変化率の関係を示した図である。
【図7】本発明におけるゲート絶縁膜の膜厚の面内分布を示した図で、(a)はウェハ内の各ショットを示した図、(b)はゲート絶縁膜の膜厚の測定結果を示した図、(c)はウェハ内のX軸に沿ったゲート絶縁膜の膜厚の面内分布を示した図、(d)はウェハ内のY軸に沿ったゲート絶縁膜の膜厚の面内分布を示した図である。
【図8】本発明におけるゲート絶縁膜の膜厚の面内分布から算出したトランジスタ駆動力の面内分布を示した図である。
【図9】本発明におけるトランジスタ駆動力の面内分布から算出したゲート長の面内分布を示した図である。
【図10】本発明におけるゲート長の面内分布から算出したゲート電極パターンの露光条件の面内分布を示した図である。
【図11】本発明による制御方法を用いない場合、MOSトランジスタ駆動力の面内分布を示した図である。
【図12】本発明による制御方法を用いた場合、MOSトランジスタ駆動力の面内分布を示した図である。
【図13】本発明の第1の実施形態の実施例2における半導体装置の製造工程の制御方法を示したフローチャートである。
【図14】本発明におけるソース・ドレインの注入不純物の活性化熱処理温度の変化と、MOSトランジスタの駆動力変化との関係を示した図である。
【図15】本発明における加熱ランプ入力パワーの変化量と、ウエハの表面温度の変化量との相関を示した図である。
【図16】本発明におけるゲート長寸法の面内分布を示した図で、(a)はウェハ内の各ショットを示した図、(b)はゲート長寸法の測定結果を示した図、(c)はウェハ内のX軸に沿ったゲート長寸法の面内分布を示した図、(d)はウェハ内のY軸に沿ったゲート長寸法の面内分布を示した図である。
【図17】本発明におけるゲート長寸法の膜厚の面内分布から算出したトランジスタ駆動力の面内分布を示した図である。
【図18】本発明におけるトランジスタ駆動力の面内分布から算出した活性化熱処理温度の面内分布を示した図である。
【図19】本発明における活性化熱処理温度の面内分布から算出したランプ加熱の加熱条件の面内分布を示した図である。
【図20】本発明におけるソース・ドレイン注入不純物の活性化熱処理を実行する熱処理装置の構成を示した図である。
【図21】本発明におけるソース・ドレイン注入不純物の活性化熱処理を実行する他の熱処理装置の構成を示した図である。
【図22】本発明における熱処理装置のウエハ面内の温度分布を示した図で、(a)は不活性ガスの吐出量を一定にした場合のウエハ面内の温度分布、(b)は、ノズルの位置及び不活性ガスの吐出量を変化させた場合のウェハ面内の温度分布を示した図である。
【図23】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程の制御方法を示したフローチャートである。
【図24】本発明の第2の実施形態の実施例における半導体装置の製造工程の制御方法を示したフローチャートである。
【図25】本発明の第2の実施形態におけるトランジスタ駆動力の分布を示した図である。
【符号の説明】
【0082】
11 測定手段
12 演算手段
13 データベース
14 制御手段
100、200 ステージ
101、210 ランプ
102、202 制御装置
103、203 ウェハ
204 ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板を複数の工程で順次処理して半導体装置を製造する製造工程において、第1の工程の処理結果に基づいて、次工程である第2の工程の処理条件を決定する制御方法であって、
前記第1の工程で前記半導体基板を処理して、第1の処理結果を取得する第1のステップと、
前記第1の処理結果の前記基板内における面内分布を測定する第2のステップと、
前記第1の処理結果の面内分布から予測される前記半導体装置の素子特性の面内分布を算出する第3のステップと、
前記予測される素子特性の面内分布に対して、反対の面内分布を有する素子特性が得られることが予測される前記第2の工程における第2の処理結果の面内分布を算出する第4のステップと、
前記第2の処理結果の面内分布が得られることが予測される前記第2の工程の処理条件を決定する第5のステップと、
前記第2の工程の処理条件により、前記半導体基板を処理する第6のステップと
を有することを特徴とする、半導体装置の製造工程の制御方法。
【請求項2】
前記第3のステップにおいて、前記予測される素子特性の面内分布は、前記第1の工程における第1の処理結果と、前記半導体素子の素子特性との相関関係を予め記録したデータベースから算出されることを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置の製造工程の制御方法。
【請求項3】
前記第4のステップにおいて、前記予測される第2の処置結果の面内分布は、前記第2の工程における第2の処理結果と、前記半導体素子の素子特性との相関関係を予め記録したデータベースから算出されることを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置の製造工程の制御方法。
【請求項4】
前記第5のステップにおいて、前記予測される第2の工程の処理条件は、前記第2の工程の処理条件と、該処理条件から得られた第2の処理結果との相関関係を予め記録したデータベースから決定されることを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置の製造工程の制御方法。
【請求項5】
前記第2の工程は、前記第2の処理結果が、所定の面内分布をもつように制御されて実行されることを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置の製造工程の制御方法。
【請求項6】
前記第3のステップ及び前記第4のステップの少なくとも一方のステップにおいて、前記素子特性の面内分布、または前記第2の処理結果の面内分布は、前記測定された第1の処理結果の面内分布に基づいて、シミュレーションにより算出されることを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置の製造工程の制御方法。
【請求項7】
前記複数の工程において、各工程で処理して取得した処理結果と、前記複数の工程で順次処理して製造した半導体装置の素子特性との関係を、前記データベースに追加するステップをさらに有することを特徴とする、請求項2または3に記載の半導体装置の製造工程の制御方法。
【請求項8】
前記第1の工程は、ゲート絶縁膜形成工程であって、前記第1の処理結果は、前記ゲート絶縁膜の膜厚であり、
前記第2の工程は、ゲート電極形成工程であって、前記第2の処理結果は、前記ゲート長寸法である
ことを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置の製造工程の制御方法。
【請求項9】
前記第2の工程の処理条件は、前記ゲート電極のパターン形成を行う露光条件であることを特徴とする、請求項8に記載の半導体装置の製造工程の制御方法。
【請求項10】
前記第1の工程は、ゲート電極形成工程であって、前記第1の処理結果は、前記ゲート長寸法であり、
前記第2の工程は、ソース・ドレイン形成工程であって、前記第2の処理結果は、ソース・ドレイン注入不純物の活性化熱処理温度である
ことを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置の製造工程の制御方法。
【請求項11】
前記第2の工程の処理条件は、前記ソース・ドレイン注入不純物の活性化熱処理を行うランプ加熱条件であることを特徴とする、請求項10に記載の半導体装置の製造工程の制御方法。
【請求項12】
半導体基板を複数の工程で順次処理して半導体装置を製造する製造工程において、第1の工程の第1の処理結果、及び前記第1の工程に続く第2の工程の第2の処理結果に基づいて、前記第2の工程の次工程である第3の工程の処理条件を決定する制御方法であって、
前記第1の工程で前記半導体基板を処理して、前記第1の処理結果の前記基板内における面内分布を取得するステップと、
前記第2の工程で、前記第1の工程で処理した前記半導体基板を処理して、前記第2の処理結果の前記基板内における面内分布を取得するステップと、
前記第1の処理結果、前記第2の処理結果、及び前記第3の工程の処理条件を変数とする応答関数を用いて、前記第1の処理結果の面内分布、前記第2の処理結果の面内分布、及び前記第3の工程の複数の処理条件の仮想的な面内分布から、前記半導体装置の素子特性の複数の面内分布を算出するステップと、
前記素子特性の複数の面内分布から、該面内分布のバラツキが最小になる前記第3の工程の一の処理条件の仮想的な面内分布を決定するステップと、
前記第3の工程の一の処理条件により、前記第3の工程で前記半導体基板を処理するステップと
を有することを特徴とする、半導体装置の製造工程の制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate


【公開番号】特開2007−305655(P2007−305655A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−130120(P2006−130120)
【出願日】平成18年5月9日(2006.5.9)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】