半導体装置の製造方法
【課題】被処理膜(特に、被処理膜における除去すべき部分)を、残存させることなく除去する。
【解決手段】ウェットエッチングにより、基板の上に形成された被処理膜における第1の部分を除去し、被処理膜における第2の部分を除去せずに残存させる。次に、ウェットエッチングにより、被処理膜における第2の部分を除去する。被処理膜における第2の部分の面積は、60mm2以上である。
【解決手段】ウェットエッチングにより、基板の上に形成された被処理膜における第1の部分を除去し、被処理膜における第2の部分を除去せずに残存させる。次に、ウェットエッチングにより、被処理膜における第2の部分を除去する。被処理膜における第2の部分の面積は、60mm2以上である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路装置の高集積化、高機能化及び高速化に伴って、素子の微細化が進んでいる。特に、大口径の基板に微細パターンを精度良く形成するには、パーティクルを極力減らすことが重要であり、パーティクル源となり得る基板の上に形成された不要な膜を予め除去することが重要である。
【0003】
以下に、ウェットエッチングにより、基板の上に形成された被処理膜を除去する基板処理装置について、図15、図16及び図17を参照しながら説明する。図15〜図17は、従来の基板処理装置の構成を示す断面図である。図15〜図17において、基板処理装置の他に、基板処理装置に設置され、処理が施される被処理膜を含むウェハを図示する。
【0004】
特許文献1に記載の基板処理装置は、図15に示すように、保持台101と、保持台101に設けられウェハWを保持する保持チャック102,103と、保持台101に設けられウェハWの裏面に薬液105を吐出するノズル104と、ウェハWの表面に不活性ガス107を吐出する遮蔽板106とを備えている。
【0005】
特許文献2に記載の基板処理装置は、図16に示すように、保持台201と、保持台201に設けられた保持ピン202,203と、ウェハWの表面の周縁部に薬液205を吐出するノズル204と、ウェハWの裏面に薬液207を吐出するノズル206と、ウェハWの表面に不活性ガス209を吐出する遮蔽板208とを備えている。
【0006】
特許文献3に記載の基板処理装置は、図17に示すように、ウェハWの表面に薬液302を吐出するノズル301と、ウェハWの裏面に不活性ガス304を吐出しベルヌーイの原理によりウェハWを支持するノズル303と、ウェハWを保持する保持チャック305,306とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−111902号公報
【特許文献2】特開2008−80288号公報
【特許文献3】特開2005−150571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1〜3に記載の基板処理装置を用いて、ウェハに対し、ウェットエッチングを行った場合、以下に示す問題があることを本願発明者は見出した。この問題について、基板処理装置として、特許文献2に記載の基板処理装置を用いた場合を具体例に挙げて、図18(a) 〜(b) を参照しながら説明する。図18(a) 〜(b) は、ウェハの構成を示す断面図であり、図18(a) は、ウェットエッチング前のウェハの構成を示す図であり、図18(b) は、ウェットエッチング後のウェハの構成を示す図である。
【0009】
ウェットエッチング前のウェハWは、図18(a) に示すように、基板1と、絶縁膜2と、被処理膜3とを有している。絶縁膜2は、CVD法により、基板1の裏面、側面及び表面の上に形成され、且つ、膜厚が150nmの酸化シリコンからなる。被処理膜3は、CVD法により、絶縁膜2の裏面、側面及び表面の上に形成され、且つ、膜厚が100nmのポリシリコンからなる。
【0010】
特許文献2に記載の基板処理装置を用いて、ウェハに対し、ウェットエッチングを行う方法の一例について、以下に説明する。
【0011】
まず、保持ピン202のみにより保持されたウェハWを回転させながら、薬液207としてフッ硝酸(HF:HNO3=1:80)を用い、ノズル206から、フッ硝酸を、10秒間、ウェハWの裏面に吐出する。このようにして、ウェハWに対し、1回目のウェットエッチングを行う。このとき、不活性ガス209としてN2ガスを用い、遮蔽板208から、N2ガスを、100l/minの流量で、ウェハWの表面に吹き付ける。
【0012】
次に、ウェハWを回転させながら、ウェハWを保持する保持ピンを、保持ピン202から保持ピン203に切り替える。
【0013】
次に、保持ピン203のみにより保持されたウェハWを回転させながら、ノズル206から、フッ硝酸(HF:HNO3=1:80)を、10秒間、ウェハWの裏面に吐出する。このようにして、ウェハWに対し、2回目のウェットエッチングを行う。このとき、遮蔽板208から、N2ガスを、100l/minの流量で、ウェハWの表面に吹き付ける。
【0014】
以上のようにして、特許文献2に記載の基板処理装置を用いて、ウェハに対し、ウェットエッチングを行う。しかしながら、この場合、以下に示す問題がある。
【0015】
1回目のウェットエッチング時に、被処理膜における除去すべき部分、例えば、基板の裏面及び側面の上に絶縁膜を介して形成された被処理膜(図18(a):3A参照)における保持ピン202を接触させた部分には、薬液が供給されない。このため、1回目のウェットエッチング後に、該部分が除去されずに残膜が残存する。しかしながら、2回目のウェットエッチング時に、1回目のウェットエッチング後に残存する残膜を殆ど除去することができない。このため、2回目のウェットエッチング後に、該残膜の大部分が残存し、図18(b) に示すように、残膜3zが残存する。このため、2回目のウェットエッチング後に残存する残膜3z(不要な膜)が、パーティクル源となって、パーティクルが発生するという問題がある。
【0016】
なお、特許文献1,3に記載の基板処理装置を用いて、ウェハに対し、ウェットエッチングを行った場合も、上記と同様の問題がある。
【0017】
前記に鑑み、本発明の目的は、被処理膜(特に、被処理膜における除去すべき部分)を、残存させることなく除去することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記の目的を達成するため、本発明に係る半導体装置の製造方法は、ウェットエッチングにより、基板の上に形成された被処理膜における第1の部分を除去し、被処理膜における第2の部分を除去せずに残存させる工程(a)と、工程(a)よりも後に、ウェットエッチングにより、被処理膜における第2の部分を除去する工程(b)とを備え、被処理膜における第2の部分の面積は、60mm2以上であることを特徴とする。
【0019】
本発明に係る半導体装置の製造方法によると、1回目のウェットエッチング後に残存させる残膜、即ち、被処理膜における第2の部分の面積を、例えば60mm2以上にする。これにより、2回目のウェットエッチング時に、薬液による被処理膜のウェットエッチング反応を容易に進行させることができる。従って、残膜を残存させることなく除去することができる。
【0020】
具体的には、被処理膜における第2の部分の面積を、例えば60mm2以上にする、言い換えれば、被処理膜に含まれる元素(例えばシリコン(Si))の量を多くする。これにより、薬液(例えばフッ硝酸)に含まれる第1の化合物(例えば硝酸(HNO3))によるSiの酸化反応の際に生成する副生成物(例えば二酸化窒素(NO2))の量を多くすることができる。このため、HNO3(副反応を担う酸化剤)又はNO2(主反応を担う酸化剤)によるSiの酸化反応(第1段階の反応)を容易に進行させることができるので、酸化物(例えば酸化シリコン(SiO2))を充分に生成することができる。このため、薬液に含まれる第2の化合物(例えばフッ酸(HF))によるSiO2の溶解除去反応(第2段階の反応)を容易に進行させることができる。従って、残膜を残存させることなく除去することができる。
【0021】
本発明に係る半導体装置の製造方法において、被処理膜は、基板の裏面及び側面の上に形成されており、工程(a)において、被処理膜における第2の部分を、基板の裏面の上に残存させることが好ましい。
【0022】
本発明に係る半導体装置の製造方法において、被処理膜は、基板の裏面及び側面の上に形成されており、工程(a)において、被処理膜における第2の部分を、基板の裏面の上から側面の上に亘って残存させることが好ましい。
【0023】
本発明に係る半導体装置の製造方法において、工程(a)は、第1の保持部により基板及び被処理膜を含むウェハを保持しながら、被処理膜における第1の部分を除去する工程を含み、工程(a)において、第1の保持部は、被処理膜における第2の部分と接触している一方、被処理膜における第1の部分と接触していないことが好ましい。
【0024】
本発明に係る半導体装置の製造方法において、第1の保持部の個数は、3個以上であることが好ましい。
【0025】
本発明に係る半導体装置の製造方法において、工程(a)において、第1の保持部により保持されたウェハを回転させながら、被処理膜における第1の部分を除去することが好ましい。
【0026】
本発明に係る半導体装置の製造方法において、工程(b)は、第1の保持部を、被処理膜における第2の部分から離す工程(b1)と、工程(b1)よりも後に、第2の保持部によりウェハを保持しながら、被処理膜における第2の部分を除去する工程(b2)とを含み、工程(b2)において、第2の保持部は、ウェハにおける第1の部分が除去されて露出する部分と接触していることが好ましい。
【0027】
本発明に係る半導体装置の製造方法において、工程(a)におけるウェットエッチング及び工程(b)におけるウェットエッチングは、第1の化合物及び第2の化合物を含む薬液を用いたウェットエッチングであり、被処理膜と薬液とのウェットエッチング反応は、被処理膜に含まれる元素と、薬液に含まれる第1の化合物とが反応して、元素を含む酸化物、及び副生成物を生成する第1の酸化反応と、元素と、副生成物とが反応して、酸化物を生成する第2の酸化反応と、酸化物と、薬液に含まれる第2の化合物とが反応して、酸化物を溶解除去する反応とを含み、副生成物の酸化力は、第1の化合物の酸化力よりも強く、第2の酸化反応は、酸化物を生成する主反応であり、第1の酸化反応は、酸化物を生成する副反応であることが好ましい。
【0028】
本発明に係る半導体装置の製造方法において、被処理膜に含まれる元素は、シリコン(Si)、チタン(Ti)又はアルミニウム(Al)であり、薬液に含まれる第1の化合物は、硝酸(HNO3)であり、薬液に含まれる第2の化合物は、フッ酸(HF)であることが好ましい。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る半導体装置の製造方法によると、1回目のウェットエッチング時に残存させる残膜、即ち、被処理膜における第2の部分の面積を、例えば60mm2以上にする。これにより、2回目のウェットエッチング時に、薬液による被処理膜のウェットエッチング反応を容易に進行させることができる。従って、残膜を残存させることなく除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】膜の面積と、エッチング時間との関係を示すグラフである。
【図2】(a) 〜(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法に用いられる基板処理装置の構成を示す図であり、(a) は、(b) に示すIIa-IIa線における断面図であり、(b) は、平面図である。
【図3】(a) 〜(b) は、ウェハの構成を示す図であり、(a) は、(b) に示すIIIa-IIIa線における断面図であり、(b) は、平面図である。
【図4】第1,第2の保持ピンのon/off、保持台の回転数及び不活性ガスの流量のタイミングチャートを示す図である。
【図5】(a) 〜(d) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図6】(a) 〜(d) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図7】(a) 〜(b) は、図4に示すステップbの時点でのウェハの構成を示す図であり、(a) は、(b) に示すVIIa-VIIa線における断面図であり、(b) は、平面図である。
【図8】(a) 〜(b) は、図4に示すステップcの時点でのウェハの構成を示す図であり、(a) は、(b) に示すVIIIa-VIIIa線における断面図であり、(b) は、平面図である。
【図9】(a) 〜(b) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法に用いられる基板処理装置の構成を示す図であり、(a) は、(b) に示すIXa-IXa線における断面図であり、(b) は、平面図である。
【図10】第1,第2の保持チャックのon/off、保持台の回転数及び不活性ガスの流量のタイミングチャートを示す図である。
【図11】(a) 〜(d) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図12】(a) 〜(d) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図13】(a) 〜(b) は、図10に示すステップbの時点でのウェハの構成を示す図であり、(a) は、(b) に示すXIIIa-XIIIa線における断面図であり、(b) は、平面図である。
【図14】(a) 〜(b) は、図10に示すステップcの時点でのウェハの構成を示す図であり、(a) は、(b) に示すXIVa-XIVa線における断面図であり、(b) は、平面図である。
【図15】従来の基板処理装置の構成を示す断面図である。
【図16】従来の基板処理装置の構成を示す断面図である。
【図17】従来の基板処理装置の構成を示す断面図である。
【図18】(a) 〜(b) は、ウェハの構成を示す断面図であり、(a) は、ウェットエッチング前のウェハの構成を示す図であり、(b) は、ウェットエッチング後のウェハの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本願発明者が、鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を見出した。
【0032】
以下に、膜の面積と、ウェットエッチングにより該膜を除去するのに要するエッチング時間との関係について、図1を参照しながら説明する。図1は、膜の面積と、エッチング時間との関係を示すグラフである。
【0033】
図1の測定条件(ウェットエッチング条件)は、次のような条件である。面積がxmm2で且つ膜厚が100nmのポリシリコンからなる膜に、フッ硝酸(HF:HNO3=1:80)を、1l/minの流量で、吐出する。フッ硝酸は、第1の化合物として硝酸(HNO3)を含み、第2の化合物としてフッ酸(HF)を含む。
【0034】
図1に示すように、膜の面積が20mm2以下の場合、膜の全てを除去するには、50秒よりも遙かに長い時間の間、膜にフッ硝酸を吐出することが必要とされる。言い換えれば、膜の面積が20mm2以下の場合、50秒の間、膜にフッ硝酸を吐出しても、膜の全てを除去することができずに、膜の大部分が残存する。
【0035】
これに対し、図1に示すように、膜の面積が約60mm2の場合、約20秒の間、膜にフッ硝酸を吐出することにより、膜の全てを除去することができる。さらに、膜の面積が約100mm2の場合、約10秒の間、膜にフッ硝酸を吐出することにより、膜の全てを除去することができる。
【0036】
図1から判るように、比較的短い時間(例えば20秒以下の時間)で、膜を残存させることなく除去するには、膜の面積を、大きくする、例えば60mm2以上にすることが好ましい。
【0037】
膜の面積を大きくすることにより、比較的短い時間で、膜を残存させることなく除去する(言い換えれば、フッ硝酸によるシリコンのウェットエッチング反応を容易に進行させる)ことができるのは、以下の理由によるものと考えられる。
【0038】
フッ硝酸によるシリコンのウェットエッチング反応は、以下の通りである。
【0039】
化学反応式(1)で示されるように、フッ硝酸に含まれるHNO3により、シリコン(Si)を酸化し、酸化シリコン(SiO2)を生成する。SiO2を、化学反応式(2)で示されるように、フッ硝酸に含まれるHFにより溶解除去する。
【0040】
Si+4HNO3 → SiO2+4NO2+2H2O・・・化学反応式(1)
SiO2+6HF → H2SiF6+2H2O・・・化学反応式(2)
化学反応式(1)で示されるように、HNO3によるSiの酸化反応の際に、副生成物として二酸化窒素(NO2)が生成される。一般に、HNO3は、酸化還元電位が1.0Vである。これに対し、NO2は、酸化還元電位が1.6Vである。このため、NO2の酸化力は、HNO3の酸化力よりも強い。このため、NO2によるSiの酸化反応が主反応となり、HNO3によるSiの酸化反応(即ち、化学反応式(1)で示される反応)が副反応となる。
【0041】
このように、フッ硝酸によるシリコンのウェットエッチング反応は、第1段階の反応として、HNO3(副反応を担う酸化剤)又はNO2(主反応を担う酸化剤)によるSiの酸化反応を含み、第2段階の反応として、HFによるSiO2の溶解除去反応を含む。
【0042】
フッ硝酸に含まれるHNO3と反応するSiの量が少ない場合(言い換えれば、膜の面積が小さい、例えば20mm2以下の場合)、HNO3によるSiの酸化反応の際に生成されるNO2の量が少ない。即ち、主反応を担うNO2の量が少ない。このため、Siの酸化反応(第1段階の反応)が容易に進行せず、SiO2を充分に生成することができない。このため、HFによるSiO2の溶解除去反応(第2段階の反応)が容易に進行しない。このように、第1,第2段階の反応が容易に進行せず、フッ硝酸によるシリコンのウェットエッチング反応が容易に進行しない。このため、図1に示すように、面積が例えば20mm2以下の膜の全てを除去するには、多大な時間(例えば50秒よりも遙かに長い時間)を要する。言い換えれば、短時間(例えば20秒以下の時間)で、膜の全てを除去することができず、膜の大部分が残存する。ここで、「反応が容易に進行しない」とは、反応が殆ど進行しない、又は反応が徐々に進行することをいう。
【0043】
一方、フッ硝酸に含まれるHNO3と反応するSiの量が多い場合(言い換えれば、膜の面積が大きい、例えば60mm2以上の場合)、HNO3によるSiの酸化反応の際に生成されるNO2の量が多い。即ち、主反応を担うNO2の量が多い。このため、Siの酸化反応(第1段階の反応)が容易に進行し、SiO2を充分に生成することができる。このため、HFによるSiO2の溶解除去反応(第2段階の反応)が容易に進行する。このように、第1,第2段階の反応が容易に進行し、フッ硝酸によるシリコンのウェットエッチング反応が容易に進行する。このため、図1に示すように、短時間(例えば20秒以下の時間)で、面積が例えば60mm2以上の膜の全てを除去することができる。ここで、「反応が容易に進行する」とは、反応が速やかに進行することをいう。
【0044】
以上のように、本願発明者が鋭意検討を重ねた結果、薬液として例えばフッ硝酸を用いて、例えばシリコンを含む膜に対し、ウェットエッチングを行う場合、1回目のウェットエッチング後に残存させる残膜の面積が小さい(例えば20mm2以下である)と、2回目のウェットエッチング時に、該残膜を殆ど除去することができないという問題があることを見出した。さらに、1回目のウェットエッチング後に残存させる残膜の面積を大きくする(例えば60mm2以上にする)ことにより、2回目のウェットエッチング時に、該残膜を残存させることなく除去することができるという知見を見出した。本願発明は、本願発明者が見出した知見に基づいて成された発明である。
【0045】
(第1の実施形態)
以下に、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法に用いられる基板処理装置について、図2(a)〜(b) 及び図3(a) 〜(b) を参照しながら説明する。図2(a) 〜(b) は、基板処理装置の構成を示す図であり、図2(a) は、図2(b) に示すIIa-IIa線における断面図であり、図2(b) は、平面図である。図2(a) 〜(b) において、基板処理装置の他に、基板処理装置に設置され、処理が施される被処理膜を含むウェハを図示する。図2(b) において、簡略的に図示するために、遮蔽板の図示を省略する。図3(a) 〜(b) は、ウェハの構成を示す図であり、図3(a) は、図3(b) に示すIIIa-IIIa線における断面図であり、図3(b) は、平面図である。
【0046】
基板処理装置は、図2(a) 〜(b) に示すように、保持台11と、保持台11に設けられウェハWを保持する第1の保持ピン12と、保持台11に設けられウェハWを保持する第2の保持ピン13と、保持台11に設けられウェハWの裏面に薬液15等を吐出するノズル14と、ウェハWの表面に不活性ガス18を吐出する遮蔽板17とを備えている。
【0047】
図2(b) に示すように、例えば3個の第1の保持ピン12が、平面形状が円形状の保持台11の周縁部に、互いに間隔を空けて配置されている。例えば3個の第2の保持ピン13が、保持台11の周縁部に、互いに間隔を空けて配置されている。第1の保持ピン12と第2の保持ピン13とは、交互に配置されている。
【0048】
隣り合う第1の保持ピン12の中心と、保持台11の中心とを結んで形成される角度αは、例えば120°である。隣り合う第2の保持ピン13の中心と、保持台11の中心とを結んで形成される角度βは、例えば120°である。
【0049】
第1の保持ピン12とウェハWとが接触する接触面積は、例えば一個の第1の保持ピン12当り100mm2(60mm2以上)である。第2の保持ピン13とウェハWとが接触する接触面積は、例えば一個の第2の保持ピン13当り1mm2である。
【0050】
後述の図4、図5(a) 〜(d) 及び図6(a) 〜(d) からも判るように、第1,第2の保持ピン12,13は、それぞれ、単独で、上方及び下方に移動可能である。また、第1,第2の保持ピン12,13は、それぞれ、3個の第1の保持ピン、又は3個の第2の保持ピンで、ウェハWを保持可能である。
【0051】
図5(a) 〜(d) 及び図6(a) 〜(d) からも判るように、保持台11が回転する。これにより、第1,第2の保持ピン12,13の双方又は一方により保持されたウェハWを回転させる。
【0052】
図5(a) 〜(d) 及び図6(a) 〜(d) からも判るように、遮蔽板17から、ウェハWの表面に、不活性ガス18を吹き付ける。これにより、ウェハWを、第1,第2の保持ピン12,13の双方又は一方に押し付けて固定する。
【0053】
図5(a) 〜(d) 及び図6(a) 〜(d) からも判るように、ノズル14から、ウェハWの裏面に、薬液(図5(b) 〜(c):15参照)又は純水(図6(a) 〜(b):16参照)を吐出する。
【0054】
図3(a) 〜(b) に示すように、基板処理装置に設置されるウェハWは、基板1と、基板1の裏面、側面及び表面の上に形成された絶縁膜2と、絶縁膜2の裏面、側面及び表面の上に形成された被処理膜3とを有している。被処理膜3は、基板1の裏面及び側面の上に絶縁膜2を介して形成された被処理膜3Aと、基板1の表面の上に絶縁膜2を介して形成された被処理膜3Bとを含む。
【0055】
以下に、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図4、図5(a) 〜(d) 、図6(a) 〜(d) 、図7(a) 〜(b) 及び図8(a) 〜(b) を参照しながら説明する。図4は、第1,第2の保持ピンのon/off、保持台の回転数及び不活性ガスの流量のタイミングチャートを示す図である。図5(a) 〜図6(d) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。図7(a) 〜(b) は、図4に示すステップbの時点でのウェハの構成を示す図であり、図7(a) は、図7(b) に示すVIIa-VIIa線における断面図であり、図7(b) は、平面図である。図8(a) 〜(b) は、図4に示すステップcの時点でのウェハの構成を示す図であり、図8(a) は、図8(b) に示すVIIIa-VIIIa線における断面図であり、図8(b) は、平面図である。図4において、第1,第2の保持ピンの「on」とは、第1,第2の保持ピンを上方に移動させて、ウェハの裏面に接触させることをいう。一方、第1,第2の保持ピンの「off」とは、第1,第2の保持ピンを下方に移動させて、ウェハの裏面から離すことをいう。
【0056】
まず、図3(a) 〜(b) に示すように、基板1と、絶縁膜2と、被処理膜3とを有するウェハWを準備する。具体的には、例えばCVD法により、例えばシリコンからなる基板1の裏面、側面及び表面の上に、例えば膜厚が150nmの酸化シリコンからなる絶縁膜2を形成する。その後、例えばCVD法により、絶縁膜2の裏面、側面及び表面の上に、例えば膜厚が100nmのポリシリコンからなる被処理膜3を形成する。このようにして、被処理膜3を含むウェハWを準備する。
【0057】
次に、図4に示すステップaを行う。
【0058】
具体的には、まず、図4及び図5(a) に示すように、ウェハWを、基板処理装置に挿入し、保持台11に設けられた第1の保持ピン(第1の保持部)12及び第2の保持ピン(第2の保持部)13を、ウェハWの裏面(詳細には、ウェハ裏面側の被処理膜)に接触させる(図4:時間ta1参照)。これにより、第1,第2の保持ピン12,13により、ウェハWを保持する。続いて、不活性ガス18として例えばN2ガスを用い、遮蔽板17から、例えば100l/minの流量で、ウェハWの表面にN2ガスを吹き付ける(図4:時間ta2参照)。これにより、ウェハWを、第1,第2の保持ピン12,13に押し付けて固定する。続いて、保持台11の回転を開始させ(図4:時間ta3参照)、保持台11の回転数を、例えば800rpmにする(図4:時間ta4参照)。これにより、800rpmの回転数で、ウェハWを回転させる。
【0059】
次に、図4に示すステップbを行う。
【0060】
具体的には、まず、図4に示すように、第1,第2の保持ピン12,13により保持されたウェハWが800rpmの回転数で回転している状態で、第2の保持ピン13を、下方に移動させて、ウェハWの裏面から離す(図4:時間tb1参照)。これにより、第1の保持ピン12のみにより、ウェハWを保持する。
【0061】
続いて、図5(b) に示すように、第1の保持ピン12により保持されたウェハWが800rpmの回転数で回転している状態で、薬液15として例えばフッ硝酸(HF:HNO3=1:80)を用い、ノズル14から、例えば1l/minの流量で、例えば10秒間、ウェハWの裏面にフッ硝酸を吐出し、基板の裏面及び側面の上に絶縁膜を介して形成された被処理膜(図3(a):3A参照)に、フッ硝酸を供給する。これにより、図7(a) 〜(b) に示すように、該被処理膜(図3(a):3A参照)における第1の保持ピン12を接触させた部分以外の部分(第1の部分)を除去する。一方、図7(a) 〜(b) に示すように、該被処理膜(図3(a):3A参照)における第1の保持ピン12を接触させた部分(第2の部分)3xを、基板1の裏面の上に絶縁膜2を介して残存させる。第2の部分3xの面積は、例えば100mm2(60mm2以上)である。なお、図7(a) に示すように、基板1の表面の上に絶縁膜2を介して形成された被処理膜3Bには、フッ硝酸が供給されないため、被処理膜3Bが残存する。
【0062】
次に、図4に示すステップcを行う。
【0063】
具体的には、まず、図4及び図5(c) に示すように、第1の保持ピン12により保持されたウェハWが800rpmの回転数で回転している状態で、且つ、ウェハWの裏面にフッ硝酸を1l/minの流量で吐出している状態で、第2の保持ピン13を、上方に移動させて、ウェハWの裏面(詳細には、被処理膜(図3(a):3A参照)における第1の部分が除去されて露出するウェハの裏面に形成された絶縁膜)に接触させた(図4:時間tc1参照)後、第1の保持ピン12を、下方に移動させて、ウェハWの裏面から離す(図4:時間tc2参照)。これにより、ウェハWを回転させながら、ウェハWを保持する保持ピンを、第1の保持ピン12から第2の保持ピン13に切り替える。
【0064】
続いて、図5(c) に示すように、第2の保持ピン13により保持されたウェハWが800rpmの回転数で回転している状態で、ウェハWの裏面にフッ硝酸(HF:HNO3=1:80)を1l/minの流量で、例えば10秒間吐出する。これにより、図8(a) 〜(b) に示すように、基板の裏面及び側面の上に絶縁膜を介して形成された被処理膜(図3(a):3A参照)における第2の部分(図7(a),(b):3x参照)を除去する。続いて、ウェハWの裏面へのフッ硝酸の吐出を止める。
【0065】
このように、ステップb(1回目のウェットエッチング)及びステップc(2回目のウェットエッチング)を順次行う。1回目のウェットエッチングにより、図7(a) 〜(b) に示すように、基板の裏面及び側面の上に絶縁膜を介して形成された被処理膜(図3(a):3A参照)における第1の部分を除去し、該被処理膜(図3(a):3A参照)における第2の部分3xを残存させる。2回目のウェットエッチングにより、図8(a) 〜(b) に示すように、該被処理膜(図3(a):3A参照)における第2の部分を除去する。
【0066】
次に、図4に示すステップdを行う。
【0067】
具体的には、まず、図4及び図5(d) に示すように、第2の保持ピン13により保持されたウェハWが800rpmの回転数で回転している状態で、第1の保持ピン12を、上方に移動させて、ウェハWの裏面(詳細には、ウェハの裏面に形成された絶縁膜)に接触させる(図4:時間td1参照)。続いて、保持台11の回転数を上昇させ(図4:時間td2参照)、保持台11の回転数を、800rpmから1200rpmにする(図4:時間td3参照)。続いて、1200rpmの回転数で、例えば5秒間、ウェハWを回転させる。これにより、ウェハWに残存するフッ硝酸を振り切る。
【0068】
次に、図4に示すステップeを行う。
【0069】
具体的には、まず、図4及び図6(a) に示すように、第1,第2の保持ピン12,13により保持されたウェハWが1200rpmの回転数で回転している状態で、第2の保持ピン13を、下方に移動させて、ウェハWの裏面から離す(図4:時間te1参照)。続いて、例えば純水16を、例えば2l/minの流量で、例えば45秒間、ウェハWの裏面に吐出する。これにより、ウェハWを洗浄する。続いて、図4及び図6(b) に示すように、第2の保持ピン13を、上方に移動させて、ウェハWの裏面に接触させた(図4:時間te2参照)後、第1の保持ピン12を、下方に移動させて、ウェハWの裏面から離す(図4:時間te3参照)。続いて、例えば純水16を、例えば2l/minの流量で、例えば45秒間、ウェハWの裏面に吐出する。これにより、ウェハWを洗浄する。続いて、ウェハWの裏面への純水16の吐出を止める。
【0070】
次に、図4に示すステップfを行う。
【0071】
具体的には、まず、図4及び図6(c) に示すように、第2の保持ピン13により保持されたウェハWが1200rpmの回転数で回転している状態で、第1の保持ピン12を、上方に移動させて、ウェハWの裏面に接触させる(図4:時間tf1参照)。続いて、保持台11の回転数を上昇させ(図4:時間tf2参照)、保持台11の回転数を、1200rpmから1800rpmにする(図4:時間tf3参照)。続いて、第2の保持ピン13を、下方に移動させて、ウェハWの裏面から離す(図4:時間tf4参照)。続いて、1800rpmの回転数で、例えば15秒間、第1の保持ピン12により保持されたウェハWを回転させる。これにより、ウェハWに残存する純水16を振り切って、ウェハWを乾燥させる。続いて、図4及び図6(d) に示すように、第2の保持ピン13を、上方に移動させて、ウェハWの裏面に接触させた(図4:時間tf5参照)後、第1の保持ピン12を、下方に移動させて、ウェハWの裏面から離す(図4:時間tf6参照)。続いて、1800rpmの回転数で、例えば15秒間、第2の保持ピン13により保持されたウェハWを回転させる。これにより、ウェハWに残存する純水16を振り切って、ウェハWを乾燥させる。
【0072】
次に、図4に示すステップgを行う。
【0073】
具体的には、まず、図4に示すように、第2の保持ピン13により保持されたウェハWが1800rpmの回転数で回転している状態で、第1の保持ピン12を、上方に移動させて、ウェハWの裏面に接触させる(図4:時間tg1参照)。続いて、保持台11の回転数を下降させ(図4:時間tg2参照)、保持台11の回転数を、1800rpmから0rpmにする(図4:時間tg3参照)。これにより、ウェハWの回転を停止する。続いて、遮蔽板17からのウェハWの表面へのN2ガスの吹き付けを止める(図4:時間tg4参照)。これにより、第1,第2の保持ピン12,13へのウェハWの押し付けを止める。続いて、第1,第2の保持ピン12,13を、下方に移動させて、ウェハWの裏面から離し(図4:時間tg5参照)、ウェハWを、基板処理装置から取り出す。
【0074】
本実施形態によると、図7(a) 〜(b) に示すように、ステップb(即ち、1回目のウェットエッチング)後に残存させる残膜、即ち、被処理膜(図3(a):3A参照)における第2の部分3xの面積を大きくし、例えば60mm2以上にする。これにより、ステップc(即ち、2回目のウェットエッチング)時に、薬液による被処理膜のウェットエッチング反応を容易に進行させることができる。従って、残膜を残存させることなく除去することができる。
【0075】
具体的には、被処理膜における第2の部分の面積を、例えば60mm2以上にする、言い換えれば、被処理膜に含まれるSiの量を多くする。これにより、薬液(例えばフッ硝酸)に含まれるHNO3によるSiの酸化反応(即ち、化学反応式(1)で示される反応)の際に生成するNO2の量を多くすることができる。このため、HNO3(副反応を担う酸化剤)又はNO2(主反応を担う酸化剤)によるSiの酸化反応(第1段階の反応)を容易に進行させることができるので、SiO2を充分に生成することができる。このため、薬液に含まれるHFによるSiO2の溶解除去反応(即ち、化学反応式(2)で示される反応,第2段階の反応)を容易に進行させることができる。従って、残膜を残存させることなく除去することができる。
【0076】
本実施形態における「残膜」とは、除去すべきにも拘わらず除去できずに残存する膜をいう。本実施形態では、除去すべき膜を、基板1の裏面及び側面の上に絶縁膜2を介して形成された被処理膜3Aとし、一方、除去する必要のない膜を、基板1の表面の上に絶縁膜2を介して形成された被処理膜3Bとする場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0077】
(第2の実施形態)
以下に、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法に用いられる基板処理装置について、図9(a) 〜(b) を参照しながら説明する。図9(a) 〜(b) は、基板処理装置の構成を示す図であり、図9(a) は、図9(b) に示すIXa-IXa線における断面図であり、図9(b) は、平面図である。図9(a) 〜(b) において、基板処理装置の他に、基板処理装置に設置され、処理が施される被処理膜を含むウェハを図示する。図9(b) において、簡略的に図示するために、遮蔽板の図示を省略する。
【0078】
基板処理装置は、図9(a) 〜(b) に示すように、保持台21と、保持台21に設けられウェハWを保持する第1の保持チャック22と、保持台21に設けられウェハWを保持する第2の保持チャック23と、保持台21に設けられウェハWの裏面に薬液25等を吐出するノズル24と、ウェハWの表面に不活性ガス28を吐出する遮蔽板27とを備えている。
【0079】
図9(b) に示すように、例えば3個の第1の保持チャック22が、平面形状が円形状の保持台21の周縁部に、互いに間隔を空けて配置されている。例えば3個の第2の保持チャック23が、保持台21の周縁部に、互いに間隔を空けて配置されている。第1の保持チャック22と第2の保持チャック23とは、交互に配置されている。
【0080】
隣り合う第1の保持チャック22の中心と、保持台21の中心とを結んで形成される角度αは、例えば120°である。隣り合う第2の保持チャック23の中心と、保持台21の中心とを結んで形成される角度βは、例えば120°である。
【0081】
第1の保持チャック22とウェハWの側面とが接触する接触面積は、例えば1個の第1の保持チャック22当り70mm2であり、第1の保持チャック22とウェハWの裏面とが接触する接触面積は、例えば70mm2である。このように、第1の保持チャック22とウェハWの側面及び裏面とが接触する接触面積は、例えば140mm2(60mm2以上)である。
【0082】
第2の保持チャック23とウェハWの側面とが接触する接触面積は、例えば1個の第2の保持チャック23当り1mm2であり、第2の保持チャック23とウェハWの裏面とが接触する接触面積は、例えば1mm2である。
【0083】
後述の図10、図11(a) 〜(d) 及び図12(a) 〜(d) からも判るように、第1,第2の保持チャック22,23は、それぞれ、単独で、移動可能である。第1,第2の保持チャック22,23は、それぞれ、3個の第1の保持チャック、又は3個の第2の保持チャックで、ウェハWを保持可能である。
【0084】
図11(a) 〜(d) 及び図12(a) 〜(d) からも判るように、保持台21が回転する。これにより、第1,第2の保持チャック22,23の双方又は一方により保持されたウェハWを回転させる。
【0085】
図11(a) 〜(d) 及び図12(a) 〜(d) からも判るように、遮蔽板27から、ウェハWの表面に、不活性ガス28を吹き付ける。これにより、ノズル24から吐出された薬液25が、ウェハWの表面に回り込むことを防止する。
【0086】
図11(a) 〜(d) 及び図12(a) 〜(d) からも判るように、ノズル24から、ウェハWの裏面に、薬液(図11(b) 〜(c):25参照)又は純水(図12(a) 〜(b):26参照)を吐出する。
【0087】
基板処理装置に設置されるウェハWの構成は、第1の実施形態におけるウェハWの構成と同様である。
【0088】
以下に、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図10、図11(a) 〜(d) 、図12(a) 〜(d) 、図13(a) 〜(b) 及び図14(a) 〜(b) を参照しながら説明する。図10は、第1,第2の保持チャックのon/off、保持台の回転数及び不活性ガスの流量のタイミングチャートを示す図である。図11(a) 〜図12(d) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。図13(a) 〜(b) は、図10に示すステップbの時点でのウェハの構成を示す図であり、図13(a) は、図13(b) に示すXIIIa-XIIIa線における断面図であり、図13(b) は、平面図である。図14(a) 〜(b) は、図10に示すステップcの時点でのウェハの構成を示す図であり、図14(a) は、図14(b) に示すXIVa-XIVa線における断面図であり、図14(b) は、平面図である。図10において、第1,第2の保持チャックの「on」とは、第1,第2の保持チャックを移動させて、ウェハに接触させることをいう。一方、第1,第2の保持チャックの「off」とは、第1,第2の保持チャックを移動させて、ウェハから離すことをいう。
【0089】
まず、第1の実施形態における図3(a) 〜(b) に示すように、基板1と、絶縁膜2と、被処理膜3とを有するウェハWを準備する。
【0090】
次に、図10に示すステップaを行う。
【0091】
具体的には、まず、図10及び図11(a) に示すように、ウェハWを、基板処理装置に挿入し、保持台21に設けられた第1の保持チャック(第1の保持部)22及び第2の保持チャック(第2の保持部)23で、ウェハWを挟み込む(図10:時間ta1参照)。言い換えれば、第1,第2の保持チャック22,23を、ウェハWの裏面及び側面(詳細には、ウェハ裏面側及び側面側の被処理膜)に接触させる。これにより、第1,第2の保持チャック22,23により、ウェハWを保持する。続いて、不活性ガス28として例えばN2ガスを用い、遮蔽板27から、例えば100l/minの流量で、ウェハWの表面にN2ガスを吹き付ける(図10:時間ta2参照)。これにより、ノズル24からの薬液25の吐出時に、ウェハWの表面に、薬液25が回り込むことを防止する。続いて、保持台21の回転を開始させ(図10:時間ta3参照)、保持台21の回転数を、例えば800rpmにする(図10:時間ta4参照)。これにより、800rpmの回転数で、ウェハWを回転させる。
【0092】
次に、図10に示すステップbを行う。
【0093】
具体的には、まず、図10に示すように、第1,第2の保持チャック22,23により保持されたウェハWが800rpmの回転数で回転している状態で、第2の保持チャック23を移動させて、ウェハWから離す(図10:時間tb1参照)。これにより、第1の保持チャック22のみにより、ウェハWを保持する。
【0094】
続いて、図11(b) に示すように、第1の保持チャック22により保持されたウェハWが800rpmの回転数で回転している状態で、薬液25として例えばフッ硝酸(HF:HNO3=1:80)を用い、ノズル24から、例えば1l/minの流量で、例えば10秒間、ウェハWの裏面にフッ硝酸を吐出し、基板の裏面及び側面の上に絶縁膜を介して形成された被処理膜(図3(a):3A参照)に、フッ硝酸を供給する。これにより、図13(a) 〜(b) に示すように、該被処理膜(図3(a):3A参照)における第1の保持チャック22を接触させた部分以外の部分(第1の部分)を除去する。一方、図13(a) 〜(b) に示すように、該被処理膜(図3(a):3A参照)における第1の保持チャック22を接触させた部分(第2の部分)3yを、基板1の裏面の上から側面の上に亘って絶縁膜2を介して残存させる。第2の部分3yの面積は、例えば140mm2(60mm2以上)である。なお、図13(a) に示すように、基板1の表面の上に絶縁膜2を介して形成された被処理膜3Bには、フッ硝酸が供給されないため、被処理膜3Bが残存する。
【0095】
次に、図10に示すステップcを行う。
【0096】
具体的には、まず、図10及び図11(c) に示すように、第1の保持チャック22により保持されたウェハWが800rpmの回転数で回転している状態で、且つ、ウェハWの裏面にフッ硝酸を1l/minの流量で吐出している状態で、第2の保持チャック23を移動させて、ウェハWの裏面及び側面(詳細には、被処理膜(図3(a):3A参照)における第1の部分が除去されて露出するウェハの裏面及び側面に形成された絶縁膜)に接触させた(図10:時間tc1参照)後、第1の保持チャック22を移動させて、ウェハWから離す(図10:時間tc2参照)。これにより、ウェハWを回転させながら、ウェハWを保持する保持チャックを、第1の保持チャック22から第2の保持チャック23に切り替える。
【0097】
続いて、図11(c) に示すように、第2の保持チャック23により保持されたウェハWが800rpmの回転数で回転している状態で、ウェハWの裏面にフッ硝酸(HF:HNO3=1:80)を1l/minの流量で、例えば10秒間吐出する。これにより、図14(a) 〜(b) に示すように、基板の裏面及び側面の上に絶縁膜を介して形成された被処理膜(図3(a):3A参照)における第2の部分(図13(a),(b):3y参照)を除去する。続いて、ウェハWの裏面へのフッ硝酸の吐出を止める。
【0098】
このように、ステップb(1回目のウェットエッチング)及びステップc(2回目のウェットエッチング)を順次行う。1回目のウェットエッチングにより、図13(a) 〜(b) に示すように、基板の裏面及び側面の上に絶縁膜を介して形成された被処理膜(図3(a):3A参照)における第1の部分を除去し、該被処理膜(図3(a):3A参照)における第2の部分3yを残存させる。2回目のウェットエッチングにより、図14(a) 〜(b) に示すように、該被処理膜(図3(a):3A参照)における第2の部分を除去する。
【0099】
次に、図10に示すステップdを行う。
【0100】
具体的には、まず、図10及び図11(d) に示すように、第2の保持チャック23により保持されたウェハWが800rpmの回転数で回転している状態で、第1の保持チャック22を移動させて、ウェハWの裏面及び側面(詳細には、ウェハの裏面及び側面に形成された絶縁膜)に接触させる(図10:時間td1参照)。続いて、保持台21の回転数を上昇させ(図10:時間td2参照)、保持台21の回転数を、800rpmから1200rpmにする(図10:時間td3参照)。続いて、1200rpmの回転数で、例えば5秒間、ウェハWを回転させる。これにより、ウェハWに残存するフッ硝酸を振り切る。
【0101】
次に、図10に示すステップeを行う。
【0102】
具体的には、まず、図10及び図12(a) に示すように、第1,第2の保持チャック22,23により保持されたウェハWが1200rpmの回転数で回転している状態で、第2の保持チャック23を移動させて、ウェハWから離す(図10:時間te1参照)。続いて、例えば純水26を、例えば2l/minの流量で、例えば45秒間、ウェハWの裏面に吐出する。これにより、ウェハWを洗浄する。続いて、図10及び図12(b) に示すように、第2の保持チャック23を移動させて、ウェハWの裏面及び側面に接触させた(図10:時間te2参照)後、第1の保持チャック22を移動させて、ウェハWから離す(図12:時間te3参照)。続いて、例えば純水26を、例えば2l/minの流量で、例えば45秒間、ウェハWの裏面に吐出する。これにより、ウェハWを洗浄する。続いて、ウェハWの裏面への純水26の吐出を止める。
【0103】
次に、図10に示すステップfを行う。
【0104】
具体的には、まず、図10及び図12(c) に示すように、第2の保持チャック23により保持されたウェハWが1200rpmの回転数で回転している状態で、第1の保持チャック22を移動させて、ウェハWの裏面及び側面に接触させる(図10:時間tf1参照)。続いて、保持台21の回転数を上昇させ(図10:時間tf2参照)、保持台21の回転数を、1200rpmから3000rpmにする(図10:時間tf3参照)。続いて、第2の保持チャック23を移動させて、ウェハWから離す(図10:時間tf4参照)。続いて、3000rpmの回転数で、例えば15秒間、第1の保持チャック22により保持されたウェハWを回転させる。これにより、ウェハWに残存する純水26を振り切って、ウェハWを乾燥させる。続いて、図10及び図12(d) に示すように、第2の保持チャック23を移動させて、ウェハWの裏面及び側面に接触させた(図10:時間tf5参照)後、第1の保持チャック22を移動させて、ウェハWから離す(図10:時間tf6参照)。続いて、3000rpmの回転数で、例えば15秒間、第2の保持チャック23により保持されたウェハWを回転させる。これにより、ウェハWに残存する純水26を振り切って、ウェハWを乾燥させる。
【0105】
次に、図10に示すステップgを行う。
【0106】
具体的には、まず、図10に示すように、第2の保持チャック23により保持されたウェハWが3000rpmの回転数で回転している状態で、第1の保持チャック22を移動させて、ウェハWの裏面及び側面に接触させる(図10:時間tg1参照)。続いて、保持台21の回転数を下降させ(図10:時間tg2参照)、保持台21の回転数を、3000rpmから0rpmにする(図10:時間tg3参照)。これにより、ウェハWの回転を停止する。続いて、遮蔽板27からのウェハWの表面へのN2ガスの吹き付けを止める(図10:時間tg4参照)。続いて、第1,第2の保持チャック22,23を移動させて、ウェハWから離し(図10:時間tg5参照)、ウェハWを、基板処理装置から取り出す。
【0107】
第1の実施形態と本実施形態との相違点は、以下に示す点である。
【0108】
第1の実施形態では、ウェハWを保持する第1,第2の保持部として、ウェハWの裏面にのみ接触する第1,第2の保持ピン12,13を用いる。これに対し、本実施形態では、第1,第2の保持部として、ウェハWを挟み込む第1,第2の保持チャック22,23、言い換えれば、ウェハWの裏面及び側面に接触する第1,第2の保持チャック22,23を用いる。
【0109】
第1の実施形態では、第1の保持部として、ウェハWの裏面に接触させる第1の保持ピン12を用いるため、1回目のウェットエッチング後に残存させる残膜(図7(a),(b):3x参照)は、基板の裏面の上に絶縁膜を介して残存する。これに対し、本実施形態では、第1の保持部として、ウェハWの裏面及び側面に接触させる第1の保持チャック22を用いるため、1回目のウェットエッチング後に残存させる残膜(図13(a),(b):3y参照)は、基板の裏面の上から側面の上に亘って絶縁膜を介して残存する。
【0110】
本実施形態では、第1,第2の保持チャック22,23により、ウェハWを挟み込んで保持するため、第1の実施形態に比べて、ウェハWを強く保持することができるので、ウェハWの回転数を上昇させることができる。言い換えれば、ウェハWの回転数を上昇させても、ウェハWを安定に保持することができる。
【0111】
本実施形態によると、図13(a) 〜(b) に示すように、ステップb(即ち、1回目のウェットエッチング)後に残存させる残膜、即ち、被処理膜(図3(a):3A参照)における第2の部分3yの面積を大きくし、例えば60mm2以上にする。これにより、ステップc(即ち、2回目のウェットエッチング)時に、薬液による被処理膜のウェットエッチング反応を容易に進行させることができる。従って、残膜を残存させることなく除去することができる。
【0112】
第1〜第2の実施形態では、第1の保持ピン(又は第1の保持チャック)とウェハとが接触する接触面積の下限を60mm2と規定したのに対し、接触面積の上限を特に規定していない。接触面積の上限は、例えば、基板処理装置の構造、特に、ウェハの裏面に薬液を吐出するノズルの構造、及びウェハを保持する第1の保持ピン(又は第1の保持チャック)の構造等、並びにウェハとノズルと第1の保持ピン(又は第1の保持チャック)との配置関係等に基づいて規定される。
【0113】
例えば、ウェハの直径が300mmであり、且つ、ウェハを保持する第1の保持ピンの個数が、3個である場合、1個の第1の保持ピンとウェハの裏面とが接触する接触面積の上限は、例えば、3等分したウェハの裏面の面積の90%を占める面積22200mm2(=150×150×3.14÷3×0.9)である。
【0114】
なお、第1〜第2の実施形態では、1回目のウェットエッチング後に、ウェハの裏面及び側面における第1の保持ピン(又は第1の保持チャック)が接触する部分を残存させる場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ウェハと第1の保持ピン(又は第1の保持チャック)との間に薬液が入り込んで、該部分における周縁部が除去されて該部分の中央部のみが残存する可能性がある。その反対に、例えば、第1の保持ピン(又は第1の保持チャック)の周囲に薬液が供給されずに、該部分の他に該部分を取り囲む外周部が残存する可能性がある。何れの場合も、該部分の面積が60mm2以上であれば、本発明の目的を達成することができる。
【0115】
また、第1〜第2の実施形態では、ウェハを保持する第1,第2の保持ピン(又は第1,第2の保持チャック)の個数が、3個である場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。但し、ウェハを安定して回転させるには、第1,第2の保持ピン(又は第1,第2の保持チャック)の個数は、3個以上であることが好ましい。
【0116】
また、第1〜第2の実施形態では、被処理膜として、ポリシリコン膜(シリコンを含む膜)を用いた場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、被処理膜として、チタン(Ti)又はアルミニウム(Al)を含む膜を用いてもよい。
【0117】
また、第1〜第2の実施形態では、ウェハを800rpmの回転数で回転させながら、ウェハの裏面にフッ硝酸(HF:HNO3=1:80)を1l/minの流量で吐出する場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ウェハの回転数は、ウェハの裏面及び側面に、均一にフッ硝酸を供給することができる回転数であればよく、具体的には例えば、ウェハの回転数は、200rpm以上で800rpm以下であればよい。フッ硝酸の流量は、ウェハの裏面及び側面に、均一にフッ硝酸が供給することができる流量であればよい。
【0118】
また、第1〜第2の実施形態では、1個のノズルを、保持台の中央部に設ける場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、保持台の中央部及び周縁部に、それぞれ、ノズルを設けてもよい。
【0119】
また、第2の実施形態では、第1の保持部として、ウェハを挟み込む第1の保持チャック、言い換えれば、ウェハの裏面及び側面に接触する第1の保持チャックを用いる場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0120】
例えば、第1の保持部として、ウェハの側面のみに接触させる第1の保持チャックを用いてもよい。この場合、例えば、ウェハの直径が300mmであり、且つ、ウェハのベベル部のラウンド部の直径が0.3mmである場合、第1の保持チャックとウェハの側面とが接触する接触面積の上限は、例えば、ウェハの側面の面積(=ウェハの外周長Xウエハのベベル部長)の90%を占める面積133mm2である。
【産業上の利用可能性】
【0121】
以上説明したように、本発明は、被処理膜(特に、被処理膜における除去すべき部分)を、残存させることなく除去することができ、被処理膜を備えた半導体装置の製造方法に有用である。
【符号の説明】
【0122】
11,21 保持台
12 第1の保持ピン(第1の保持部)
22 第1の保持チャック(第1の保持部)
13 第2の保持ピン(第2の保持部)
23 第2の保持チャック(第2の保持部)
14,24 ノズル
15,25 薬液
16,26 純水
17,27 遮蔽板
18,19 不活性ガス
W ウェハ
1 基板
2 絶縁膜
3,3A,3B 被処理膜
3x,3y 第2の部分
α,β 角度
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路装置の高集積化、高機能化及び高速化に伴って、素子の微細化が進んでいる。特に、大口径の基板に微細パターンを精度良く形成するには、パーティクルを極力減らすことが重要であり、パーティクル源となり得る基板の上に形成された不要な膜を予め除去することが重要である。
【0003】
以下に、ウェットエッチングにより、基板の上に形成された被処理膜を除去する基板処理装置について、図15、図16及び図17を参照しながら説明する。図15〜図17は、従来の基板処理装置の構成を示す断面図である。図15〜図17において、基板処理装置の他に、基板処理装置に設置され、処理が施される被処理膜を含むウェハを図示する。
【0004】
特許文献1に記載の基板処理装置は、図15に示すように、保持台101と、保持台101に設けられウェハWを保持する保持チャック102,103と、保持台101に設けられウェハWの裏面に薬液105を吐出するノズル104と、ウェハWの表面に不活性ガス107を吐出する遮蔽板106とを備えている。
【0005】
特許文献2に記載の基板処理装置は、図16に示すように、保持台201と、保持台201に設けられた保持ピン202,203と、ウェハWの表面の周縁部に薬液205を吐出するノズル204と、ウェハWの裏面に薬液207を吐出するノズル206と、ウェハWの表面に不活性ガス209を吐出する遮蔽板208とを備えている。
【0006】
特許文献3に記載の基板処理装置は、図17に示すように、ウェハWの表面に薬液302を吐出するノズル301と、ウェハWの裏面に不活性ガス304を吐出しベルヌーイの原理によりウェハWを支持するノズル303と、ウェハWを保持する保持チャック305,306とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−111902号公報
【特許文献2】特開2008−80288号公報
【特許文献3】特開2005−150571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1〜3に記載の基板処理装置を用いて、ウェハに対し、ウェットエッチングを行った場合、以下に示す問題があることを本願発明者は見出した。この問題について、基板処理装置として、特許文献2に記載の基板処理装置を用いた場合を具体例に挙げて、図18(a) 〜(b) を参照しながら説明する。図18(a) 〜(b) は、ウェハの構成を示す断面図であり、図18(a) は、ウェットエッチング前のウェハの構成を示す図であり、図18(b) は、ウェットエッチング後のウェハの構成を示す図である。
【0009】
ウェットエッチング前のウェハWは、図18(a) に示すように、基板1と、絶縁膜2と、被処理膜3とを有している。絶縁膜2は、CVD法により、基板1の裏面、側面及び表面の上に形成され、且つ、膜厚が150nmの酸化シリコンからなる。被処理膜3は、CVD法により、絶縁膜2の裏面、側面及び表面の上に形成され、且つ、膜厚が100nmのポリシリコンからなる。
【0010】
特許文献2に記載の基板処理装置を用いて、ウェハに対し、ウェットエッチングを行う方法の一例について、以下に説明する。
【0011】
まず、保持ピン202のみにより保持されたウェハWを回転させながら、薬液207としてフッ硝酸(HF:HNO3=1:80)を用い、ノズル206から、フッ硝酸を、10秒間、ウェハWの裏面に吐出する。このようにして、ウェハWに対し、1回目のウェットエッチングを行う。このとき、不活性ガス209としてN2ガスを用い、遮蔽板208から、N2ガスを、100l/minの流量で、ウェハWの表面に吹き付ける。
【0012】
次に、ウェハWを回転させながら、ウェハWを保持する保持ピンを、保持ピン202から保持ピン203に切り替える。
【0013】
次に、保持ピン203のみにより保持されたウェハWを回転させながら、ノズル206から、フッ硝酸(HF:HNO3=1:80)を、10秒間、ウェハWの裏面に吐出する。このようにして、ウェハWに対し、2回目のウェットエッチングを行う。このとき、遮蔽板208から、N2ガスを、100l/minの流量で、ウェハWの表面に吹き付ける。
【0014】
以上のようにして、特許文献2に記載の基板処理装置を用いて、ウェハに対し、ウェットエッチングを行う。しかしながら、この場合、以下に示す問題がある。
【0015】
1回目のウェットエッチング時に、被処理膜における除去すべき部分、例えば、基板の裏面及び側面の上に絶縁膜を介して形成された被処理膜(図18(a):3A参照)における保持ピン202を接触させた部分には、薬液が供給されない。このため、1回目のウェットエッチング後に、該部分が除去されずに残膜が残存する。しかしながら、2回目のウェットエッチング時に、1回目のウェットエッチング後に残存する残膜を殆ど除去することができない。このため、2回目のウェットエッチング後に、該残膜の大部分が残存し、図18(b) に示すように、残膜3zが残存する。このため、2回目のウェットエッチング後に残存する残膜3z(不要な膜)が、パーティクル源となって、パーティクルが発生するという問題がある。
【0016】
なお、特許文献1,3に記載の基板処理装置を用いて、ウェハに対し、ウェットエッチングを行った場合も、上記と同様の問題がある。
【0017】
前記に鑑み、本発明の目的は、被処理膜(特に、被処理膜における除去すべき部分)を、残存させることなく除去することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記の目的を達成するため、本発明に係る半導体装置の製造方法は、ウェットエッチングにより、基板の上に形成された被処理膜における第1の部分を除去し、被処理膜における第2の部分を除去せずに残存させる工程(a)と、工程(a)よりも後に、ウェットエッチングにより、被処理膜における第2の部分を除去する工程(b)とを備え、被処理膜における第2の部分の面積は、60mm2以上であることを特徴とする。
【0019】
本発明に係る半導体装置の製造方法によると、1回目のウェットエッチング後に残存させる残膜、即ち、被処理膜における第2の部分の面積を、例えば60mm2以上にする。これにより、2回目のウェットエッチング時に、薬液による被処理膜のウェットエッチング反応を容易に進行させることができる。従って、残膜を残存させることなく除去することができる。
【0020】
具体的には、被処理膜における第2の部分の面積を、例えば60mm2以上にする、言い換えれば、被処理膜に含まれる元素(例えばシリコン(Si))の量を多くする。これにより、薬液(例えばフッ硝酸)に含まれる第1の化合物(例えば硝酸(HNO3))によるSiの酸化反応の際に生成する副生成物(例えば二酸化窒素(NO2))の量を多くすることができる。このため、HNO3(副反応を担う酸化剤)又はNO2(主反応を担う酸化剤)によるSiの酸化反応(第1段階の反応)を容易に進行させることができるので、酸化物(例えば酸化シリコン(SiO2))を充分に生成することができる。このため、薬液に含まれる第2の化合物(例えばフッ酸(HF))によるSiO2の溶解除去反応(第2段階の反応)を容易に進行させることができる。従って、残膜を残存させることなく除去することができる。
【0021】
本発明に係る半導体装置の製造方法において、被処理膜は、基板の裏面及び側面の上に形成されており、工程(a)において、被処理膜における第2の部分を、基板の裏面の上に残存させることが好ましい。
【0022】
本発明に係る半導体装置の製造方法において、被処理膜は、基板の裏面及び側面の上に形成されており、工程(a)において、被処理膜における第2の部分を、基板の裏面の上から側面の上に亘って残存させることが好ましい。
【0023】
本発明に係る半導体装置の製造方法において、工程(a)は、第1の保持部により基板及び被処理膜を含むウェハを保持しながら、被処理膜における第1の部分を除去する工程を含み、工程(a)において、第1の保持部は、被処理膜における第2の部分と接触している一方、被処理膜における第1の部分と接触していないことが好ましい。
【0024】
本発明に係る半導体装置の製造方法において、第1の保持部の個数は、3個以上であることが好ましい。
【0025】
本発明に係る半導体装置の製造方法において、工程(a)において、第1の保持部により保持されたウェハを回転させながら、被処理膜における第1の部分を除去することが好ましい。
【0026】
本発明に係る半導体装置の製造方法において、工程(b)は、第1の保持部を、被処理膜における第2の部分から離す工程(b1)と、工程(b1)よりも後に、第2の保持部によりウェハを保持しながら、被処理膜における第2の部分を除去する工程(b2)とを含み、工程(b2)において、第2の保持部は、ウェハにおける第1の部分が除去されて露出する部分と接触していることが好ましい。
【0027】
本発明に係る半導体装置の製造方法において、工程(a)におけるウェットエッチング及び工程(b)におけるウェットエッチングは、第1の化合物及び第2の化合物を含む薬液を用いたウェットエッチングであり、被処理膜と薬液とのウェットエッチング反応は、被処理膜に含まれる元素と、薬液に含まれる第1の化合物とが反応して、元素を含む酸化物、及び副生成物を生成する第1の酸化反応と、元素と、副生成物とが反応して、酸化物を生成する第2の酸化反応と、酸化物と、薬液に含まれる第2の化合物とが反応して、酸化物を溶解除去する反応とを含み、副生成物の酸化力は、第1の化合物の酸化力よりも強く、第2の酸化反応は、酸化物を生成する主反応であり、第1の酸化反応は、酸化物を生成する副反応であることが好ましい。
【0028】
本発明に係る半導体装置の製造方法において、被処理膜に含まれる元素は、シリコン(Si)、チタン(Ti)又はアルミニウム(Al)であり、薬液に含まれる第1の化合物は、硝酸(HNO3)であり、薬液に含まれる第2の化合物は、フッ酸(HF)であることが好ましい。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る半導体装置の製造方法によると、1回目のウェットエッチング時に残存させる残膜、即ち、被処理膜における第2の部分の面積を、例えば60mm2以上にする。これにより、2回目のウェットエッチング時に、薬液による被処理膜のウェットエッチング反応を容易に進行させることができる。従って、残膜を残存させることなく除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】膜の面積と、エッチング時間との関係を示すグラフである。
【図2】(a) 〜(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法に用いられる基板処理装置の構成を示す図であり、(a) は、(b) に示すIIa-IIa線における断面図であり、(b) は、平面図である。
【図3】(a) 〜(b) は、ウェハの構成を示す図であり、(a) は、(b) に示すIIIa-IIIa線における断面図であり、(b) は、平面図である。
【図4】第1,第2の保持ピンのon/off、保持台の回転数及び不活性ガスの流量のタイミングチャートを示す図である。
【図5】(a) 〜(d) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図6】(a) 〜(d) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図7】(a) 〜(b) は、図4に示すステップbの時点でのウェハの構成を示す図であり、(a) は、(b) に示すVIIa-VIIa線における断面図であり、(b) は、平面図である。
【図8】(a) 〜(b) は、図4に示すステップcの時点でのウェハの構成を示す図であり、(a) は、(b) に示すVIIIa-VIIIa線における断面図であり、(b) は、平面図である。
【図9】(a) 〜(b) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法に用いられる基板処理装置の構成を示す図であり、(a) は、(b) に示すIXa-IXa線における断面図であり、(b) は、平面図である。
【図10】第1,第2の保持チャックのon/off、保持台の回転数及び不活性ガスの流量のタイミングチャートを示す図である。
【図11】(a) 〜(d) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図12】(a) 〜(d) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図13】(a) 〜(b) は、図10に示すステップbの時点でのウェハの構成を示す図であり、(a) は、(b) に示すXIIIa-XIIIa線における断面図であり、(b) は、平面図である。
【図14】(a) 〜(b) は、図10に示すステップcの時点でのウェハの構成を示す図であり、(a) は、(b) に示すXIVa-XIVa線における断面図であり、(b) は、平面図である。
【図15】従来の基板処理装置の構成を示す断面図である。
【図16】従来の基板処理装置の構成を示す断面図である。
【図17】従来の基板処理装置の構成を示す断面図である。
【図18】(a) 〜(b) は、ウェハの構成を示す断面図であり、(a) は、ウェットエッチング前のウェハの構成を示す図であり、(b) は、ウェットエッチング後のウェハの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本願発明者が、鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を見出した。
【0032】
以下に、膜の面積と、ウェットエッチングにより該膜を除去するのに要するエッチング時間との関係について、図1を参照しながら説明する。図1は、膜の面積と、エッチング時間との関係を示すグラフである。
【0033】
図1の測定条件(ウェットエッチング条件)は、次のような条件である。面積がxmm2で且つ膜厚が100nmのポリシリコンからなる膜に、フッ硝酸(HF:HNO3=1:80)を、1l/minの流量で、吐出する。フッ硝酸は、第1の化合物として硝酸(HNO3)を含み、第2の化合物としてフッ酸(HF)を含む。
【0034】
図1に示すように、膜の面積が20mm2以下の場合、膜の全てを除去するには、50秒よりも遙かに長い時間の間、膜にフッ硝酸を吐出することが必要とされる。言い換えれば、膜の面積が20mm2以下の場合、50秒の間、膜にフッ硝酸を吐出しても、膜の全てを除去することができずに、膜の大部分が残存する。
【0035】
これに対し、図1に示すように、膜の面積が約60mm2の場合、約20秒の間、膜にフッ硝酸を吐出することにより、膜の全てを除去することができる。さらに、膜の面積が約100mm2の場合、約10秒の間、膜にフッ硝酸を吐出することにより、膜の全てを除去することができる。
【0036】
図1から判るように、比較的短い時間(例えば20秒以下の時間)で、膜を残存させることなく除去するには、膜の面積を、大きくする、例えば60mm2以上にすることが好ましい。
【0037】
膜の面積を大きくすることにより、比較的短い時間で、膜を残存させることなく除去する(言い換えれば、フッ硝酸によるシリコンのウェットエッチング反応を容易に進行させる)ことができるのは、以下の理由によるものと考えられる。
【0038】
フッ硝酸によるシリコンのウェットエッチング反応は、以下の通りである。
【0039】
化学反応式(1)で示されるように、フッ硝酸に含まれるHNO3により、シリコン(Si)を酸化し、酸化シリコン(SiO2)を生成する。SiO2を、化学反応式(2)で示されるように、フッ硝酸に含まれるHFにより溶解除去する。
【0040】
Si+4HNO3 → SiO2+4NO2+2H2O・・・化学反応式(1)
SiO2+6HF → H2SiF6+2H2O・・・化学反応式(2)
化学反応式(1)で示されるように、HNO3によるSiの酸化反応の際に、副生成物として二酸化窒素(NO2)が生成される。一般に、HNO3は、酸化還元電位が1.0Vである。これに対し、NO2は、酸化還元電位が1.6Vである。このため、NO2の酸化力は、HNO3の酸化力よりも強い。このため、NO2によるSiの酸化反応が主反応となり、HNO3によるSiの酸化反応(即ち、化学反応式(1)で示される反応)が副反応となる。
【0041】
このように、フッ硝酸によるシリコンのウェットエッチング反応は、第1段階の反応として、HNO3(副反応を担う酸化剤)又はNO2(主反応を担う酸化剤)によるSiの酸化反応を含み、第2段階の反応として、HFによるSiO2の溶解除去反応を含む。
【0042】
フッ硝酸に含まれるHNO3と反応するSiの量が少ない場合(言い換えれば、膜の面積が小さい、例えば20mm2以下の場合)、HNO3によるSiの酸化反応の際に生成されるNO2の量が少ない。即ち、主反応を担うNO2の量が少ない。このため、Siの酸化反応(第1段階の反応)が容易に進行せず、SiO2を充分に生成することができない。このため、HFによるSiO2の溶解除去反応(第2段階の反応)が容易に進行しない。このように、第1,第2段階の反応が容易に進行せず、フッ硝酸によるシリコンのウェットエッチング反応が容易に進行しない。このため、図1に示すように、面積が例えば20mm2以下の膜の全てを除去するには、多大な時間(例えば50秒よりも遙かに長い時間)を要する。言い換えれば、短時間(例えば20秒以下の時間)で、膜の全てを除去することができず、膜の大部分が残存する。ここで、「反応が容易に進行しない」とは、反応が殆ど進行しない、又は反応が徐々に進行することをいう。
【0043】
一方、フッ硝酸に含まれるHNO3と反応するSiの量が多い場合(言い換えれば、膜の面積が大きい、例えば60mm2以上の場合)、HNO3によるSiの酸化反応の際に生成されるNO2の量が多い。即ち、主反応を担うNO2の量が多い。このため、Siの酸化反応(第1段階の反応)が容易に進行し、SiO2を充分に生成することができる。このため、HFによるSiO2の溶解除去反応(第2段階の反応)が容易に進行する。このように、第1,第2段階の反応が容易に進行し、フッ硝酸によるシリコンのウェットエッチング反応が容易に進行する。このため、図1に示すように、短時間(例えば20秒以下の時間)で、面積が例えば60mm2以上の膜の全てを除去することができる。ここで、「反応が容易に進行する」とは、反応が速やかに進行することをいう。
【0044】
以上のように、本願発明者が鋭意検討を重ねた結果、薬液として例えばフッ硝酸を用いて、例えばシリコンを含む膜に対し、ウェットエッチングを行う場合、1回目のウェットエッチング後に残存させる残膜の面積が小さい(例えば20mm2以下である)と、2回目のウェットエッチング時に、該残膜を殆ど除去することができないという問題があることを見出した。さらに、1回目のウェットエッチング後に残存させる残膜の面積を大きくする(例えば60mm2以上にする)ことにより、2回目のウェットエッチング時に、該残膜を残存させることなく除去することができるという知見を見出した。本願発明は、本願発明者が見出した知見に基づいて成された発明である。
【0045】
(第1の実施形態)
以下に、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法に用いられる基板処理装置について、図2(a)〜(b) 及び図3(a) 〜(b) を参照しながら説明する。図2(a) 〜(b) は、基板処理装置の構成を示す図であり、図2(a) は、図2(b) に示すIIa-IIa線における断面図であり、図2(b) は、平面図である。図2(a) 〜(b) において、基板処理装置の他に、基板処理装置に設置され、処理が施される被処理膜を含むウェハを図示する。図2(b) において、簡略的に図示するために、遮蔽板の図示を省略する。図3(a) 〜(b) は、ウェハの構成を示す図であり、図3(a) は、図3(b) に示すIIIa-IIIa線における断面図であり、図3(b) は、平面図である。
【0046】
基板処理装置は、図2(a) 〜(b) に示すように、保持台11と、保持台11に設けられウェハWを保持する第1の保持ピン12と、保持台11に設けられウェハWを保持する第2の保持ピン13と、保持台11に設けられウェハWの裏面に薬液15等を吐出するノズル14と、ウェハWの表面に不活性ガス18を吐出する遮蔽板17とを備えている。
【0047】
図2(b) に示すように、例えば3個の第1の保持ピン12が、平面形状が円形状の保持台11の周縁部に、互いに間隔を空けて配置されている。例えば3個の第2の保持ピン13が、保持台11の周縁部に、互いに間隔を空けて配置されている。第1の保持ピン12と第2の保持ピン13とは、交互に配置されている。
【0048】
隣り合う第1の保持ピン12の中心と、保持台11の中心とを結んで形成される角度αは、例えば120°である。隣り合う第2の保持ピン13の中心と、保持台11の中心とを結んで形成される角度βは、例えば120°である。
【0049】
第1の保持ピン12とウェハWとが接触する接触面積は、例えば一個の第1の保持ピン12当り100mm2(60mm2以上)である。第2の保持ピン13とウェハWとが接触する接触面積は、例えば一個の第2の保持ピン13当り1mm2である。
【0050】
後述の図4、図5(a) 〜(d) 及び図6(a) 〜(d) からも判るように、第1,第2の保持ピン12,13は、それぞれ、単独で、上方及び下方に移動可能である。また、第1,第2の保持ピン12,13は、それぞれ、3個の第1の保持ピン、又は3個の第2の保持ピンで、ウェハWを保持可能である。
【0051】
図5(a) 〜(d) 及び図6(a) 〜(d) からも判るように、保持台11が回転する。これにより、第1,第2の保持ピン12,13の双方又は一方により保持されたウェハWを回転させる。
【0052】
図5(a) 〜(d) 及び図6(a) 〜(d) からも判るように、遮蔽板17から、ウェハWの表面に、不活性ガス18を吹き付ける。これにより、ウェハWを、第1,第2の保持ピン12,13の双方又は一方に押し付けて固定する。
【0053】
図5(a) 〜(d) 及び図6(a) 〜(d) からも判るように、ノズル14から、ウェハWの裏面に、薬液(図5(b) 〜(c):15参照)又は純水(図6(a) 〜(b):16参照)を吐出する。
【0054】
図3(a) 〜(b) に示すように、基板処理装置に設置されるウェハWは、基板1と、基板1の裏面、側面及び表面の上に形成された絶縁膜2と、絶縁膜2の裏面、側面及び表面の上に形成された被処理膜3とを有している。被処理膜3は、基板1の裏面及び側面の上に絶縁膜2を介して形成された被処理膜3Aと、基板1の表面の上に絶縁膜2を介して形成された被処理膜3Bとを含む。
【0055】
以下に、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図4、図5(a) 〜(d) 、図6(a) 〜(d) 、図7(a) 〜(b) 及び図8(a) 〜(b) を参照しながら説明する。図4は、第1,第2の保持ピンのon/off、保持台の回転数及び不活性ガスの流量のタイミングチャートを示す図である。図5(a) 〜図6(d) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。図7(a) 〜(b) は、図4に示すステップbの時点でのウェハの構成を示す図であり、図7(a) は、図7(b) に示すVIIa-VIIa線における断面図であり、図7(b) は、平面図である。図8(a) 〜(b) は、図4に示すステップcの時点でのウェハの構成を示す図であり、図8(a) は、図8(b) に示すVIIIa-VIIIa線における断面図であり、図8(b) は、平面図である。図4において、第1,第2の保持ピンの「on」とは、第1,第2の保持ピンを上方に移動させて、ウェハの裏面に接触させることをいう。一方、第1,第2の保持ピンの「off」とは、第1,第2の保持ピンを下方に移動させて、ウェハの裏面から離すことをいう。
【0056】
まず、図3(a) 〜(b) に示すように、基板1と、絶縁膜2と、被処理膜3とを有するウェハWを準備する。具体的には、例えばCVD法により、例えばシリコンからなる基板1の裏面、側面及び表面の上に、例えば膜厚が150nmの酸化シリコンからなる絶縁膜2を形成する。その後、例えばCVD法により、絶縁膜2の裏面、側面及び表面の上に、例えば膜厚が100nmのポリシリコンからなる被処理膜3を形成する。このようにして、被処理膜3を含むウェハWを準備する。
【0057】
次に、図4に示すステップaを行う。
【0058】
具体的には、まず、図4及び図5(a) に示すように、ウェハWを、基板処理装置に挿入し、保持台11に設けられた第1の保持ピン(第1の保持部)12及び第2の保持ピン(第2の保持部)13を、ウェハWの裏面(詳細には、ウェハ裏面側の被処理膜)に接触させる(図4:時間ta1参照)。これにより、第1,第2の保持ピン12,13により、ウェハWを保持する。続いて、不活性ガス18として例えばN2ガスを用い、遮蔽板17から、例えば100l/minの流量で、ウェハWの表面にN2ガスを吹き付ける(図4:時間ta2参照)。これにより、ウェハWを、第1,第2の保持ピン12,13に押し付けて固定する。続いて、保持台11の回転を開始させ(図4:時間ta3参照)、保持台11の回転数を、例えば800rpmにする(図4:時間ta4参照)。これにより、800rpmの回転数で、ウェハWを回転させる。
【0059】
次に、図4に示すステップbを行う。
【0060】
具体的には、まず、図4に示すように、第1,第2の保持ピン12,13により保持されたウェハWが800rpmの回転数で回転している状態で、第2の保持ピン13を、下方に移動させて、ウェハWの裏面から離す(図4:時間tb1参照)。これにより、第1の保持ピン12のみにより、ウェハWを保持する。
【0061】
続いて、図5(b) に示すように、第1の保持ピン12により保持されたウェハWが800rpmの回転数で回転している状態で、薬液15として例えばフッ硝酸(HF:HNO3=1:80)を用い、ノズル14から、例えば1l/minの流量で、例えば10秒間、ウェハWの裏面にフッ硝酸を吐出し、基板の裏面及び側面の上に絶縁膜を介して形成された被処理膜(図3(a):3A参照)に、フッ硝酸を供給する。これにより、図7(a) 〜(b) に示すように、該被処理膜(図3(a):3A参照)における第1の保持ピン12を接触させた部分以外の部分(第1の部分)を除去する。一方、図7(a) 〜(b) に示すように、該被処理膜(図3(a):3A参照)における第1の保持ピン12を接触させた部分(第2の部分)3xを、基板1の裏面の上に絶縁膜2を介して残存させる。第2の部分3xの面積は、例えば100mm2(60mm2以上)である。なお、図7(a) に示すように、基板1の表面の上に絶縁膜2を介して形成された被処理膜3Bには、フッ硝酸が供給されないため、被処理膜3Bが残存する。
【0062】
次に、図4に示すステップcを行う。
【0063】
具体的には、まず、図4及び図5(c) に示すように、第1の保持ピン12により保持されたウェハWが800rpmの回転数で回転している状態で、且つ、ウェハWの裏面にフッ硝酸を1l/minの流量で吐出している状態で、第2の保持ピン13を、上方に移動させて、ウェハWの裏面(詳細には、被処理膜(図3(a):3A参照)における第1の部分が除去されて露出するウェハの裏面に形成された絶縁膜)に接触させた(図4:時間tc1参照)後、第1の保持ピン12を、下方に移動させて、ウェハWの裏面から離す(図4:時間tc2参照)。これにより、ウェハWを回転させながら、ウェハWを保持する保持ピンを、第1の保持ピン12から第2の保持ピン13に切り替える。
【0064】
続いて、図5(c) に示すように、第2の保持ピン13により保持されたウェハWが800rpmの回転数で回転している状態で、ウェハWの裏面にフッ硝酸(HF:HNO3=1:80)を1l/minの流量で、例えば10秒間吐出する。これにより、図8(a) 〜(b) に示すように、基板の裏面及び側面の上に絶縁膜を介して形成された被処理膜(図3(a):3A参照)における第2の部分(図7(a),(b):3x参照)を除去する。続いて、ウェハWの裏面へのフッ硝酸の吐出を止める。
【0065】
このように、ステップb(1回目のウェットエッチング)及びステップc(2回目のウェットエッチング)を順次行う。1回目のウェットエッチングにより、図7(a) 〜(b) に示すように、基板の裏面及び側面の上に絶縁膜を介して形成された被処理膜(図3(a):3A参照)における第1の部分を除去し、該被処理膜(図3(a):3A参照)における第2の部分3xを残存させる。2回目のウェットエッチングにより、図8(a) 〜(b) に示すように、該被処理膜(図3(a):3A参照)における第2の部分を除去する。
【0066】
次に、図4に示すステップdを行う。
【0067】
具体的には、まず、図4及び図5(d) に示すように、第2の保持ピン13により保持されたウェハWが800rpmの回転数で回転している状態で、第1の保持ピン12を、上方に移動させて、ウェハWの裏面(詳細には、ウェハの裏面に形成された絶縁膜)に接触させる(図4:時間td1参照)。続いて、保持台11の回転数を上昇させ(図4:時間td2参照)、保持台11の回転数を、800rpmから1200rpmにする(図4:時間td3参照)。続いて、1200rpmの回転数で、例えば5秒間、ウェハWを回転させる。これにより、ウェハWに残存するフッ硝酸を振り切る。
【0068】
次に、図4に示すステップeを行う。
【0069】
具体的には、まず、図4及び図6(a) に示すように、第1,第2の保持ピン12,13により保持されたウェハWが1200rpmの回転数で回転している状態で、第2の保持ピン13を、下方に移動させて、ウェハWの裏面から離す(図4:時間te1参照)。続いて、例えば純水16を、例えば2l/minの流量で、例えば45秒間、ウェハWの裏面に吐出する。これにより、ウェハWを洗浄する。続いて、図4及び図6(b) に示すように、第2の保持ピン13を、上方に移動させて、ウェハWの裏面に接触させた(図4:時間te2参照)後、第1の保持ピン12を、下方に移動させて、ウェハWの裏面から離す(図4:時間te3参照)。続いて、例えば純水16を、例えば2l/minの流量で、例えば45秒間、ウェハWの裏面に吐出する。これにより、ウェハWを洗浄する。続いて、ウェハWの裏面への純水16の吐出を止める。
【0070】
次に、図4に示すステップfを行う。
【0071】
具体的には、まず、図4及び図6(c) に示すように、第2の保持ピン13により保持されたウェハWが1200rpmの回転数で回転している状態で、第1の保持ピン12を、上方に移動させて、ウェハWの裏面に接触させる(図4:時間tf1参照)。続いて、保持台11の回転数を上昇させ(図4:時間tf2参照)、保持台11の回転数を、1200rpmから1800rpmにする(図4:時間tf3参照)。続いて、第2の保持ピン13を、下方に移動させて、ウェハWの裏面から離す(図4:時間tf4参照)。続いて、1800rpmの回転数で、例えば15秒間、第1の保持ピン12により保持されたウェハWを回転させる。これにより、ウェハWに残存する純水16を振り切って、ウェハWを乾燥させる。続いて、図4及び図6(d) に示すように、第2の保持ピン13を、上方に移動させて、ウェハWの裏面に接触させた(図4:時間tf5参照)後、第1の保持ピン12を、下方に移動させて、ウェハWの裏面から離す(図4:時間tf6参照)。続いて、1800rpmの回転数で、例えば15秒間、第2の保持ピン13により保持されたウェハWを回転させる。これにより、ウェハWに残存する純水16を振り切って、ウェハWを乾燥させる。
【0072】
次に、図4に示すステップgを行う。
【0073】
具体的には、まず、図4に示すように、第2の保持ピン13により保持されたウェハWが1800rpmの回転数で回転している状態で、第1の保持ピン12を、上方に移動させて、ウェハWの裏面に接触させる(図4:時間tg1参照)。続いて、保持台11の回転数を下降させ(図4:時間tg2参照)、保持台11の回転数を、1800rpmから0rpmにする(図4:時間tg3参照)。これにより、ウェハWの回転を停止する。続いて、遮蔽板17からのウェハWの表面へのN2ガスの吹き付けを止める(図4:時間tg4参照)。これにより、第1,第2の保持ピン12,13へのウェハWの押し付けを止める。続いて、第1,第2の保持ピン12,13を、下方に移動させて、ウェハWの裏面から離し(図4:時間tg5参照)、ウェハWを、基板処理装置から取り出す。
【0074】
本実施形態によると、図7(a) 〜(b) に示すように、ステップb(即ち、1回目のウェットエッチング)後に残存させる残膜、即ち、被処理膜(図3(a):3A参照)における第2の部分3xの面積を大きくし、例えば60mm2以上にする。これにより、ステップc(即ち、2回目のウェットエッチング)時に、薬液による被処理膜のウェットエッチング反応を容易に進行させることができる。従って、残膜を残存させることなく除去することができる。
【0075】
具体的には、被処理膜における第2の部分の面積を、例えば60mm2以上にする、言い換えれば、被処理膜に含まれるSiの量を多くする。これにより、薬液(例えばフッ硝酸)に含まれるHNO3によるSiの酸化反応(即ち、化学反応式(1)で示される反応)の際に生成するNO2の量を多くすることができる。このため、HNO3(副反応を担う酸化剤)又はNO2(主反応を担う酸化剤)によるSiの酸化反応(第1段階の反応)を容易に進行させることができるので、SiO2を充分に生成することができる。このため、薬液に含まれるHFによるSiO2の溶解除去反応(即ち、化学反応式(2)で示される反応,第2段階の反応)を容易に進行させることができる。従って、残膜を残存させることなく除去することができる。
【0076】
本実施形態における「残膜」とは、除去すべきにも拘わらず除去できずに残存する膜をいう。本実施形態では、除去すべき膜を、基板1の裏面及び側面の上に絶縁膜2を介して形成された被処理膜3Aとし、一方、除去する必要のない膜を、基板1の表面の上に絶縁膜2を介して形成された被処理膜3Bとする場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0077】
(第2の実施形態)
以下に、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法に用いられる基板処理装置について、図9(a) 〜(b) を参照しながら説明する。図9(a) 〜(b) は、基板処理装置の構成を示す図であり、図9(a) は、図9(b) に示すIXa-IXa線における断面図であり、図9(b) は、平面図である。図9(a) 〜(b) において、基板処理装置の他に、基板処理装置に設置され、処理が施される被処理膜を含むウェハを図示する。図9(b) において、簡略的に図示するために、遮蔽板の図示を省略する。
【0078】
基板処理装置は、図9(a) 〜(b) に示すように、保持台21と、保持台21に設けられウェハWを保持する第1の保持チャック22と、保持台21に設けられウェハWを保持する第2の保持チャック23と、保持台21に設けられウェハWの裏面に薬液25等を吐出するノズル24と、ウェハWの表面に不活性ガス28を吐出する遮蔽板27とを備えている。
【0079】
図9(b) に示すように、例えば3個の第1の保持チャック22が、平面形状が円形状の保持台21の周縁部に、互いに間隔を空けて配置されている。例えば3個の第2の保持チャック23が、保持台21の周縁部に、互いに間隔を空けて配置されている。第1の保持チャック22と第2の保持チャック23とは、交互に配置されている。
【0080】
隣り合う第1の保持チャック22の中心と、保持台21の中心とを結んで形成される角度αは、例えば120°である。隣り合う第2の保持チャック23の中心と、保持台21の中心とを結んで形成される角度βは、例えば120°である。
【0081】
第1の保持チャック22とウェハWの側面とが接触する接触面積は、例えば1個の第1の保持チャック22当り70mm2であり、第1の保持チャック22とウェハWの裏面とが接触する接触面積は、例えば70mm2である。このように、第1の保持チャック22とウェハWの側面及び裏面とが接触する接触面積は、例えば140mm2(60mm2以上)である。
【0082】
第2の保持チャック23とウェハWの側面とが接触する接触面積は、例えば1個の第2の保持チャック23当り1mm2であり、第2の保持チャック23とウェハWの裏面とが接触する接触面積は、例えば1mm2である。
【0083】
後述の図10、図11(a) 〜(d) 及び図12(a) 〜(d) からも判るように、第1,第2の保持チャック22,23は、それぞれ、単独で、移動可能である。第1,第2の保持チャック22,23は、それぞれ、3個の第1の保持チャック、又は3個の第2の保持チャックで、ウェハWを保持可能である。
【0084】
図11(a) 〜(d) 及び図12(a) 〜(d) からも判るように、保持台21が回転する。これにより、第1,第2の保持チャック22,23の双方又は一方により保持されたウェハWを回転させる。
【0085】
図11(a) 〜(d) 及び図12(a) 〜(d) からも判るように、遮蔽板27から、ウェハWの表面に、不活性ガス28を吹き付ける。これにより、ノズル24から吐出された薬液25が、ウェハWの表面に回り込むことを防止する。
【0086】
図11(a) 〜(d) 及び図12(a) 〜(d) からも判るように、ノズル24から、ウェハWの裏面に、薬液(図11(b) 〜(c):25参照)又は純水(図12(a) 〜(b):26参照)を吐出する。
【0087】
基板処理装置に設置されるウェハWの構成は、第1の実施形態におけるウェハWの構成と同様である。
【0088】
以下に、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図10、図11(a) 〜(d) 、図12(a) 〜(d) 、図13(a) 〜(b) 及び図14(a) 〜(b) を参照しながら説明する。図10は、第1,第2の保持チャックのon/off、保持台の回転数及び不活性ガスの流量のタイミングチャートを示す図である。図11(a) 〜図12(d) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。図13(a) 〜(b) は、図10に示すステップbの時点でのウェハの構成を示す図であり、図13(a) は、図13(b) に示すXIIIa-XIIIa線における断面図であり、図13(b) は、平面図である。図14(a) 〜(b) は、図10に示すステップcの時点でのウェハの構成を示す図であり、図14(a) は、図14(b) に示すXIVa-XIVa線における断面図であり、図14(b) は、平面図である。図10において、第1,第2の保持チャックの「on」とは、第1,第2の保持チャックを移動させて、ウェハに接触させることをいう。一方、第1,第2の保持チャックの「off」とは、第1,第2の保持チャックを移動させて、ウェハから離すことをいう。
【0089】
まず、第1の実施形態における図3(a) 〜(b) に示すように、基板1と、絶縁膜2と、被処理膜3とを有するウェハWを準備する。
【0090】
次に、図10に示すステップaを行う。
【0091】
具体的には、まず、図10及び図11(a) に示すように、ウェハWを、基板処理装置に挿入し、保持台21に設けられた第1の保持チャック(第1の保持部)22及び第2の保持チャック(第2の保持部)23で、ウェハWを挟み込む(図10:時間ta1参照)。言い換えれば、第1,第2の保持チャック22,23を、ウェハWの裏面及び側面(詳細には、ウェハ裏面側及び側面側の被処理膜)に接触させる。これにより、第1,第2の保持チャック22,23により、ウェハWを保持する。続いて、不活性ガス28として例えばN2ガスを用い、遮蔽板27から、例えば100l/minの流量で、ウェハWの表面にN2ガスを吹き付ける(図10:時間ta2参照)。これにより、ノズル24からの薬液25の吐出時に、ウェハWの表面に、薬液25が回り込むことを防止する。続いて、保持台21の回転を開始させ(図10:時間ta3参照)、保持台21の回転数を、例えば800rpmにする(図10:時間ta4参照)。これにより、800rpmの回転数で、ウェハWを回転させる。
【0092】
次に、図10に示すステップbを行う。
【0093】
具体的には、まず、図10に示すように、第1,第2の保持チャック22,23により保持されたウェハWが800rpmの回転数で回転している状態で、第2の保持チャック23を移動させて、ウェハWから離す(図10:時間tb1参照)。これにより、第1の保持チャック22のみにより、ウェハWを保持する。
【0094】
続いて、図11(b) に示すように、第1の保持チャック22により保持されたウェハWが800rpmの回転数で回転している状態で、薬液25として例えばフッ硝酸(HF:HNO3=1:80)を用い、ノズル24から、例えば1l/minの流量で、例えば10秒間、ウェハWの裏面にフッ硝酸を吐出し、基板の裏面及び側面の上に絶縁膜を介して形成された被処理膜(図3(a):3A参照)に、フッ硝酸を供給する。これにより、図13(a) 〜(b) に示すように、該被処理膜(図3(a):3A参照)における第1の保持チャック22を接触させた部分以外の部分(第1の部分)を除去する。一方、図13(a) 〜(b) に示すように、該被処理膜(図3(a):3A参照)における第1の保持チャック22を接触させた部分(第2の部分)3yを、基板1の裏面の上から側面の上に亘って絶縁膜2を介して残存させる。第2の部分3yの面積は、例えば140mm2(60mm2以上)である。なお、図13(a) に示すように、基板1の表面の上に絶縁膜2を介して形成された被処理膜3Bには、フッ硝酸が供給されないため、被処理膜3Bが残存する。
【0095】
次に、図10に示すステップcを行う。
【0096】
具体的には、まず、図10及び図11(c) に示すように、第1の保持チャック22により保持されたウェハWが800rpmの回転数で回転している状態で、且つ、ウェハWの裏面にフッ硝酸を1l/minの流量で吐出している状態で、第2の保持チャック23を移動させて、ウェハWの裏面及び側面(詳細には、被処理膜(図3(a):3A参照)における第1の部分が除去されて露出するウェハの裏面及び側面に形成された絶縁膜)に接触させた(図10:時間tc1参照)後、第1の保持チャック22を移動させて、ウェハWから離す(図10:時間tc2参照)。これにより、ウェハWを回転させながら、ウェハWを保持する保持チャックを、第1の保持チャック22から第2の保持チャック23に切り替える。
【0097】
続いて、図11(c) に示すように、第2の保持チャック23により保持されたウェハWが800rpmの回転数で回転している状態で、ウェハWの裏面にフッ硝酸(HF:HNO3=1:80)を1l/minの流量で、例えば10秒間吐出する。これにより、図14(a) 〜(b) に示すように、基板の裏面及び側面の上に絶縁膜を介して形成された被処理膜(図3(a):3A参照)における第2の部分(図13(a),(b):3y参照)を除去する。続いて、ウェハWの裏面へのフッ硝酸の吐出を止める。
【0098】
このように、ステップb(1回目のウェットエッチング)及びステップc(2回目のウェットエッチング)を順次行う。1回目のウェットエッチングにより、図13(a) 〜(b) に示すように、基板の裏面及び側面の上に絶縁膜を介して形成された被処理膜(図3(a):3A参照)における第1の部分を除去し、該被処理膜(図3(a):3A参照)における第2の部分3yを残存させる。2回目のウェットエッチングにより、図14(a) 〜(b) に示すように、該被処理膜(図3(a):3A参照)における第2の部分を除去する。
【0099】
次に、図10に示すステップdを行う。
【0100】
具体的には、まず、図10及び図11(d) に示すように、第2の保持チャック23により保持されたウェハWが800rpmの回転数で回転している状態で、第1の保持チャック22を移動させて、ウェハWの裏面及び側面(詳細には、ウェハの裏面及び側面に形成された絶縁膜)に接触させる(図10:時間td1参照)。続いて、保持台21の回転数を上昇させ(図10:時間td2参照)、保持台21の回転数を、800rpmから1200rpmにする(図10:時間td3参照)。続いて、1200rpmの回転数で、例えば5秒間、ウェハWを回転させる。これにより、ウェハWに残存するフッ硝酸を振り切る。
【0101】
次に、図10に示すステップeを行う。
【0102】
具体的には、まず、図10及び図12(a) に示すように、第1,第2の保持チャック22,23により保持されたウェハWが1200rpmの回転数で回転している状態で、第2の保持チャック23を移動させて、ウェハWから離す(図10:時間te1参照)。続いて、例えば純水26を、例えば2l/minの流量で、例えば45秒間、ウェハWの裏面に吐出する。これにより、ウェハWを洗浄する。続いて、図10及び図12(b) に示すように、第2の保持チャック23を移動させて、ウェハWの裏面及び側面に接触させた(図10:時間te2参照)後、第1の保持チャック22を移動させて、ウェハWから離す(図12:時間te3参照)。続いて、例えば純水26を、例えば2l/minの流量で、例えば45秒間、ウェハWの裏面に吐出する。これにより、ウェハWを洗浄する。続いて、ウェハWの裏面への純水26の吐出を止める。
【0103】
次に、図10に示すステップfを行う。
【0104】
具体的には、まず、図10及び図12(c) に示すように、第2の保持チャック23により保持されたウェハWが1200rpmの回転数で回転している状態で、第1の保持チャック22を移動させて、ウェハWの裏面及び側面に接触させる(図10:時間tf1参照)。続いて、保持台21の回転数を上昇させ(図10:時間tf2参照)、保持台21の回転数を、1200rpmから3000rpmにする(図10:時間tf3参照)。続いて、第2の保持チャック23を移動させて、ウェハWから離す(図10:時間tf4参照)。続いて、3000rpmの回転数で、例えば15秒間、第1の保持チャック22により保持されたウェハWを回転させる。これにより、ウェハWに残存する純水26を振り切って、ウェハWを乾燥させる。続いて、図10及び図12(d) に示すように、第2の保持チャック23を移動させて、ウェハWの裏面及び側面に接触させた(図10:時間tf5参照)後、第1の保持チャック22を移動させて、ウェハWから離す(図10:時間tf6参照)。続いて、3000rpmの回転数で、例えば15秒間、第2の保持チャック23により保持されたウェハWを回転させる。これにより、ウェハWに残存する純水26を振り切って、ウェハWを乾燥させる。
【0105】
次に、図10に示すステップgを行う。
【0106】
具体的には、まず、図10に示すように、第2の保持チャック23により保持されたウェハWが3000rpmの回転数で回転している状態で、第1の保持チャック22を移動させて、ウェハWの裏面及び側面に接触させる(図10:時間tg1参照)。続いて、保持台21の回転数を下降させ(図10:時間tg2参照)、保持台21の回転数を、3000rpmから0rpmにする(図10:時間tg3参照)。これにより、ウェハWの回転を停止する。続いて、遮蔽板27からのウェハWの表面へのN2ガスの吹き付けを止める(図10:時間tg4参照)。続いて、第1,第2の保持チャック22,23を移動させて、ウェハWから離し(図10:時間tg5参照)、ウェハWを、基板処理装置から取り出す。
【0107】
第1の実施形態と本実施形態との相違点は、以下に示す点である。
【0108】
第1の実施形態では、ウェハWを保持する第1,第2の保持部として、ウェハWの裏面にのみ接触する第1,第2の保持ピン12,13を用いる。これに対し、本実施形態では、第1,第2の保持部として、ウェハWを挟み込む第1,第2の保持チャック22,23、言い換えれば、ウェハWの裏面及び側面に接触する第1,第2の保持チャック22,23を用いる。
【0109】
第1の実施形態では、第1の保持部として、ウェハWの裏面に接触させる第1の保持ピン12を用いるため、1回目のウェットエッチング後に残存させる残膜(図7(a),(b):3x参照)は、基板の裏面の上に絶縁膜を介して残存する。これに対し、本実施形態では、第1の保持部として、ウェハWの裏面及び側面に接触させる第1の保持チャック22を用いるため、1回目のウェットエッチング後に残存させる残膜(図13(a),(b):3y参照)は、基板の裏面の上から側面の上に亘って絶縁膜を介して残存する。
【0110】
本実施形態では、第1,第2の保持チャック22,23により、ウェハWを挟み込んで保持するため、第1の実施形態に比べて、ウェハWを強く保持することができるので、ウェハWの回転数を上昇させることができる。言い換えれば、ウェハWの回転数を上昇させても、ウェハWを安定に保持することができる。
【0111】
本実施形態によると、図13(a) 〜(b) に示すように、ステップb(即ち、1回目のウェットエッチング)後に残存させる残膜、即ち、被処理膜(図3(a):3A参照)における第2の部分3yの面積を大きくし、例えば60mm2以上にする。これにより、ステップc(即ち、2回目のウェットエッチング)時に、薬液による被処理膜のウェットエッチング反応を容易に進行させることができる。従って、残膜を残存させることなく除去することができる。
【0112】
第1〜第2の実施形態では、第1の保持ピン(又は第1の保持チャック)とウェハとが接触する接触面積の下限を60mm2と規定したのに対し、接触面積の上限を特に規定していない。接触面積の上限は、例えば、基板処理装置の構造、特に、ウェハの裏面に薬液を吐出するノズルの構造、及びウェハを保持する第1の保持ピン(又は第1の保持チャック)の構造等、並びにウェハとノズルと第1の保持ピン(又は第1の保持チャック)との配置関係等に基づいて規定される。
【0113】
例えば、ウェハの直径が300mmであり、且つ、ウェハを保持する第1の保持ピンの個数が、3個である場合、1個の第1の保持ピンとウェハの裏面とが接触する接触面積の上限は、例えば、3等分したウェハの裏面の面積の90%を占める面積22200mm2(=150×150×3.14÷3×0.9)である。
【0114】
なお、第1〜第2の実施形態では、1回目のウェットエッチング後に、ウェハの裏面及び側面における第1の保持ピン(又は第1の保持チャック)が接触する部分を残存させる場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ウェハと第1の保持ピン(又は第1の保持チャック)との間に薬液が入り込んで、該部分における周縁部が除去されて該部分の中央部のみが残存する可能性がある。その反対に、例えば、第1の保持ピン(又は第1の保持チャック)の周囲に薬液が供給されずに、該部分の他に該部分を取り囲む外周部が残存する可能性がある。何れの場合も、該部分の面積が60mm2以上であれば、本発明の目的を達成することができる。
【0115】
また、第1〜第2の実施形態では、ウェハを保持する第1,第2の保持ピン(又は第1,第2の保持チャック)の個数が、3個である場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。但し、ウェハを安定して回転させるには、第1,第2の保持ピン(又は第1,第2の保持チャック)の個数は、3個以上であることが好ましい。
【0116】
また、第1〜第2の実施形態では、被処理膜として、ポリシリコン膜(シリコンを含む膜)を用いた場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、被処理膜として、チタン(Ti)又はアルミニウム(Al)を含む膜を用いてもよい。
【0117】
また、第1〜第2の実施形態では、ウェハを800rpmの回転数で回転させながら、ウェハの裏面にフッ硝酸(HF:HNO3=1:80)を1l/minの流量で吐出する場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ウェハの回転数は、ウェハの裏面及び側面に、均一にフッ硝酸を供給することができる回転数であればよく、具体的には例えば、ウェハの回転数は、200rpm以上で800rpm以下であればよい。フッ硝酸の流量は、ウェハの裏面及び側面に、均一にフッ硝酸が供給することができる流量であればよい。
【0118】
また、第1〜第2の実施形態では、1個のノズルを、保持台の中央部に設ける場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、保持台の中央部及び周縁部に、それぞれ、ノズルを設けてもよい。
【0119】
また、第2の実施形態では、第1の保持部として、ウェハを挟み込む第1の保持チャック、言い換えれば、ウェハの裏面及び側面に接触する第1の保持チャックを用いる場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0120】
例えば、第1の保持部として、ウェハの側面のみに接触させる第1の保持チャックを用いてもよい。この場合、例えば、ウェハの直径が300mmであり、且つ、ウェハのベベル部のラウンド部の直径が0.3mmである場合、第1の保持チャックとウェハの側面とが接触する接触面積の上限は、例えば、ウェハの側面の面積(=ウェハの外周長Xウエハのベベル部長)の90%を占める面積133mm2である。
【産業上の利用可能性】
【0121】
以上説明したように、本発明は、被処理膜(特に、被処理膜における除去すべき部分)を、残存させることなく除去することができ、被処理膜を備えた半導体装置の製造方法に有用である。
【符号の説明】
【0122】
11,21 保持台
12 第1の保持ピン(第1の保持部)
22 第1の保持チャック(第1の保持部)
13 第2の保持ピン(第2の保持部)
23 第2の保持チャック(第2の保持部)
14,24 ノズル
15,25 薬液
16,26 純水
17,27 遮蔽板
18,19 不活性ガス
W ウェハ
1 基板
2 絶縁膜
3,3A,3B 被処理膜
3x,3y 第2の部分
α,β 角度
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェットエッチングにより、基板の上に形成された被処理膜における第1の部分を除去し、前記被処理膜における第2の部分を除去せずに残存させる工程(a)と、
前記工程(a)よりも後に、ウェットエッチングにより、前記被処理膜における前記第2の部分を除去する工程(b)とを備え、
前記被処理膜における前記第2の部分の面積は、60mm2以上であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記被処理膜は、基板の裏面及び側面の上に形成されており、
前記工程(a)において、前記被処理膜における前記第2の部分を、前記基板の裏面の上に残存させることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記被処理膜は、基板の裏面及び側面の上に形成されており、
前記工程(a)において、前記被処理膜における前記第2の部分を、前記基板の裏面の上から側面の上に亘って残存させることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記工程(a)は、第1の保持部により前記基板及び前記被処理膜を含むウェハを保持しながら、前記被処理膜における前記第1の部分を除去する工程を含み、
前記工程(a)において、前記第1の保持部は、前記被処理膜における前記第2の部分と接触している一方、前記被処理膜における前記第1の部分と接触していないことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第1の保持部の個数は、3個以上であることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記工程(a)において、前記第1の保持部により保持された前記ウェハを回転させながら、前記被処理膜における前記第1の部分を除去することを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記工程(b)は、
前記第1の保持部を、前記被処理膜における前記第2の部分から離す工程(b1)と、
前記工程(b1)よりも後に、第2の保持部により前記ウェハを保持しながら、前記被処理膜における前記第2の部分を除去する工程(b2)とを含み、
前記工程(b2)において、前記第2の保持部は、前記ウェハにおける前記第1の部分が除去されて露出する部分と接触していることを特徴とする請求項4〜6のうちいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記工程(a)における前記ウェットエッチング及び前記工程(b)における前記ウェットエッチングは、第1の化合物及び第2の化合物を含む薬液を用いたウェットエッチングであり、
前記被処理膜と前記薬液とのウェットエッチング反応は、
前記被処理膜に含まれる元素と、前記薬液に含まれる前記第1の化合物とが反応して、前記元素を含む酸化物、及び副生成物を生成する第1の酸化反応と、
前記元素と、前記副生成物とが反応して、前記酸化物を生成する第2の酸化反応と、
前記酸化物と、前記薬液に含まれる前記第2の化合物とが反応して、前記酸化物を溶解除去する反応とを含み、
前記副生成物の酸化力は、前記第1の化合物の酸化力よりも強く、
前記第2の酸化反応は、前記酸化物を生成する主反応であり、
前記第1の酸化反応は、前記酸化物を生成する副反応であることを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記被処理膜に含まれる前記元素は、シリコン(Si)、チタン(Ti)又はアルミニウム(Al)であり、
前記薬液に含まれる前記第1の化合物は、硝酸(HNO3)であり、
前記薬液に含まれる前記第2の化合物は、フッ酸(HF)であることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項1】
ウェットエッチングにより、基板の上に形成された被処理膜における第1の部分を除去し、前記被処理膜における第2の部分を除去せずに残存させる工程(a)と、
前記工程(a)よりも後に、ウェットエッチングにより、前記被処理膜における前記第2の部分を除去する工程(b)とを備え、
前記被処理膜における前記第2の部分の面積は、60mm2以上であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記被処理膜は、基板の裏面及び側面の上に形成されており、
前記工程(a)において、前記被処理膜における前記第2の部分を、前記基板の裏面の上に残存させることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記被処理膜は、基板の裏面及び側面の上に形成されており、
前記工程(a)において、前記被処理膜における前記第2の部分を、前記基板の裏面の上から側面の上に亘って残存させることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記工程(a)は、第1の保持部により前記基板及び前記被処理膜を含むウェハを保持しながら、前記被処理膜における前記第1の部分を除去する工程を含み、
前記工程(a)において、前記第1の保持部は、前記被処理膜における前記第2の部分と接触している一方、前記被処理膜における前記第1の部分と接触していないことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第1の保持部の個数は、3個以上であることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記工程(a)において、前記第1の保持部により保持された前記ウェハを回転させながら、前記被処理膜における前記第1の部分を除去することを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記工程(b)は、
前記第1の保持部を、前記被処理膜における前記第2の部分から離す工程(b1)と、
前記工程(b1)よりも後に、第2の保持部により前記ウェハを保持しながら、前記被処理膜における前記第2の部分を除去する工程(b2)とを含み、
前記工程(b2)において、前記第2の保持部は、前記ウェハにおける前記第1の部分が除去されて露出する部分と接触していることを特徴とする請求項4〜6のうちいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記工程(a)における前記ウェットエッチング及び前記工程(b)における前記ウェットエッチングは、第1の化合物及び第2の化合物を含む薬液を用いたウェットエッチングであり、
前記被処理膜と前記薬液とのウェットエッチング反応は、
前記被処理膜に含まれる元素と、前記薬液に含まれる前記第1の化合物とが反応して、前記元素を含む酸化物、及び副生成物を生成する第1の酸化反応と、
前記元素と、前記副生成物とが反応して、前記酸化物を生成する第2の酸化反応と、
前記酸化物と、前記薬液に含まれる前記第2の化合物とが反応して、前記酸化物を溶解除去する反応とを含み、
前記副生成物の酸化力は、前記第1の化合物の酸化力よりも強く、
前記第2の酸化反応は、前記酸化物を生成する主反応であり、
前記第1の酸化反応は、前記酸化物を生成する副反応であることを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記被処理膜に含まれる前記元素は、シリコン(Si)、チタン(Ti)又はアルミニウム(Al)であり、
前記薬液に含まれる前記第1の化合物は、硝酸(HNO3)であり、
前記薬液に含まれる前記第2の化合物は、フッ酸(HF)であることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−228544(P2011−228544A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−98180(P2010−98180)
【出願日】平成22年4月21日(2010.4.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月21日(2010.4.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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