説明

半導体装置及び半導体装置製造方法

【課題】回路素子やインダクタを複合一体化し、インダクタで発生する熱に対して放熱機能を有する半導体装置を提供する。

【解決手段】第1リード10と、第1リード10と分離配置された第2リード12と、第1リード10の表面に搭載されるインダクタLと、第2リード12に搭載され、第1リード10及び第2リード12のアウターリードにてインダクタLと電気的に接続される回路素子と、第1リード10の裏面と第2リードの素子搭載部裏面の一部を露出し、インダクタL及び回路素子を封止する第1封止体20とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特に、インダクタを内蔵するモールドパッケージの半導体装置及び半導体装置製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ノート型パソコン、携帯電話、及び携帯情報端末等の携帯型電子機器においては、電源として電池を用いるものが多く、電源電圧を所定の動作電圧に変換する電力変換装置としてDC−DCコンバータを備えている。
【0003】
DC−DCコンバータは、入力された直流電圧を所望の直流電圧に変換して出力する装置である。このようなDC−DCコンバータは、各種電子機器の小型化、多機能化に伴い、回路基板上における形成面積の小面積化が強く求められている。そのような要求に対して、半導体集積回路(IC)等の回路素子やインダクタを1パッケージに複合一体化して小型化することが従来技術として知られている。(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−173712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術は、回路素子やインダクタを1パッケージに複合一体化すると、回路素子やインダクタが近接して配置されることが多く、近接して配置された場合には、インダクタで発生した熱が回路素子であるIC等の温度を上昇させてしまい誤動作を起こすという課題がある。
【0006】
従って、本発明は、回路素子やインダクタを複合一体化し、回路素子やインダクタで発生する熱に対して放熱機能を有する半導体装置及び半導体装置製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、以下に掲げる構成とした。

本発明の半導体装置は、第1リードと、第1リードと分離配置された第2リードと、第1リードの表面に搭載されるインダクタと、第2リードに搭載され、第1リード及び第2リードのアウターリードにてインダクタと電気的に接続される回路素子と、第1リードの裏面と第2リードの素子搭載部裏面の一部を露出し、インダクタ及び回路素子を封止する第1封止体とを備えることを特徴とする。

また、第1リードの裏面と第2リードの素子搭載部裏面の一部は、放熱機能を有することを特徴とする。

また、第1リードのインダクタを搭載する面及び第2リードの素子搭載部裏面の一部と、第2リードの回路素子を搭載する面とは、高さ位置が異なることを特徴とする。

また、本発明の半導体装置製造方法は、 金属板に所望の回路パターンをパターンニングして、第1リード及び第2リードを形成する工程と、第2リードにアップセット加工を施して、第2リードをガルウィング状に形成する工程と、第1リードの表面にインダクタを配置し、前記第2リードの表面に回路素子を配置する工程と、第1リードとインダクタ、第2リードと回路素子をそれぞれ電気的に接続する工程と、第1リードの裏面と第2リードの素子搭載部裏面の一部を露出し、インダクタ及び回路素子を第1封止体によって封止する工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、回路素子やインダクタを複合一体化し、回路素子やインダクタで発生する熱に対して放熱機能を有する半導体装置及び半導体装置製造方法を提供することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例1に係る半導体装置の平面図である。
【図2】図1に示したA−A線における断面図である。
【図3】図1に示したB−B線における断面図である。
【図4】図1に示したC−C線における断面図である。
【図5】本発明の実施例1に係る半導体装置であるDC−DCコンバータの原理構成と外部接続構成を示す図である。
【図6】本発明の実施例1に係る半導体装置であるDC−DCコンバータにおけるMICの具体的構成を示す図である。
【図7】本発明の実施例1に係る半導体装置製造方法を示す工程断面図である。
【図8】本発明の実施例1に係る半導体装置の製造過程の一部を示す平面図である。
【図9】本発明の実施例1に係る半導体装置の裏面を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【実施例1】
【0011】
本発明の実施の形態に係る半導体装置の一例であるDC−DCコンバー タ1は、図1に示すように、第1リード10と、第1リード10と分離配置された第2リード12と、第1リード10の表面に搭載されるインダクタLと、第2リード12に搭載され、第1リード10及び第2リード12のアウターリードにてインダクタLと電気的に接続される回路素子と、第1リード10の裏面と第2リード12の素子搭載部120裏面の一部を露出し、インダクタL及び回路素子を封止する第1封止体20とを備える。ここで、回路素子とは、半導体集積回路(IC)32、コンデンサC1〜C5、抵抗R2,R3、ダイオードD1等のインダクタLの駆動に寄与する素子である。また、第2リード12の素子搭載部120に搭載される部品は、半導体集積回路(IC)32とダイオードD1である。DC−DCコンバータは、スイッチング素子、制御回路を含む半導体集積回路32、ダイオードD1等の能動素子と、コンデンサC1〜C5、抵抗R2,R3等の受動素子とによる回路素子と、インダクタLとによって構成される。
【0012】
第1リード10は、図1のA−A線における断面図である図2、及び図1のB−B線における断面図である図3に示すように、表面10aにインダクタLを搭載する。第1リード10の表面10aに対向する裏面10bは、露出されていて、インダクタLで発生した熱を放熱する放熱機能を有する。また、図2に示すように、第2リードの素子搭載部裏面の表面120aにダイオードD1を搭載する。第2リード12の素子搭載部120の表面120aに対向する裏面120bは、露出されていて、ダイオードD1で発生した熱を放熱する放熱機能を有する。半導体集積回路(IC)32(図示せず)を搭載においても、同様の放熱機能を有する。
【0013】
第2リード12は、図1のA−A線における断面図である図2、及び図1のC−C線における断面図である図4に示すように、回路素子(図ではコンデンサC1、C4)を搭載する面の高さ位置が、第1リード10のインダクタLを搭載する面(表面10a)と異なる。第2リード12は、アップセット加工によって形成され、図4で示したように、ガルウィング状に成形されている。また、第2リード12の素子搭載部120は第1リード10と同じ面の高さ位置である。半導体装置の裏面状態を図9に示す。
【0014】
第1リード10及び第2リード12は、例えば、銅(Cu)、銅合金、アロイ材(Fe−Ni)等のような金属薄板の表面に、パラジウム合金(Ni−Pd−Au)、銀(Ag)、及びニッケル(Ni)メッキが施された材料等が用いられる。
【0015】
インダクタLには、第1リード10の表面10a上に実装可能なモールドタイプ等の面実装タイプのインダクタを採用することができる。モールドタイプのインダクタLは、内部にインダクタを形成するライン電極を備え、側面側には、このライン電極と接続する一対の端子電極を備える。またインダクタLの裏面側には、第1リード10と接続する裏面電極を備える。そして、第1リード10と端子電極及び裏面電極とが導電性樹脂、はんだ、導電性金属ペースト等の接続部材(図示せず)によって、電気的、機械的に接続される。
【0016】
また、インダクタLは、端子電極及び裏面電極を露出させ、強磁性体である第2封止体(図示せず)によって封止されている。第2封止体の線膨張係数(線膨張率)は、第1封止体20の線膨張係数と略同一であることが好ましい。第1封止体20及び第2封止体の線膨張係数が略同一であれば、温度の上昇に対応する長さの変化する割合が略同一となり、温度上昇による歪み等を防ぐことができるためである。第1封止体20の線膨張係数としては10〜30ppm/℃、第2封止体の線膨張係数としては10〜30ppm/℃の樹脂等を採用することができる。第1封止体20には、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等を用いることができる。
【0017】
インダクタLは、ポリイミド、ラバー、ゲル等の保護材によって第2封止体の表面が被覆されている。保護材は、第2封止体の剥離防止、及び応力緩和等の機能を有する。
【0018】
次に、本発明の実施の形態に係るDC−DCコンバータ1の回路について図5及び図6を参照しながら説明する。図5の回路図は、DC−DCコンバータ1の原理構成と外部接続構成を示す図である。
【0019】
DC−DCコンバータ1は、降圧方式の定電圧定電流型DC−DCコンバータであり、直流電源30からの入力電圧Vdd1をインダクタLで所定の電圧に変換して異なる電位の出力電圧Vdd2を出力する回路である。DC−DCコンバータ1は、インダクタンス素子としてのインダクタL、インダクタLの一方の端子と接地点との間に接続され、出力電圧Vdd2を平滑するコンデンサC2、インダクタLの他方の端子と接地点との間に接続されたダイオードD1、インダクタLに向かって駆動電流を流し込むモノリシック集積回路(MIC)32、入力電圧Vdd1を平滑するコンデンサC1を備える。DC−DCコンバータ1は、入力側には直流電圧である入力電圧Vdd1を印加する直流電源30、出力側には負荷Loadが接続されている。
【0020】
また、DC−DCコンバータ1は、入力電圧端子Vin、イネーブル端子EN、ソフトスタート端子SS、コンパレータ端子COMP、グランド端子Gnd、フィードバック端子FB、ブートストラップ端子BS、スイッチ端子SW、出力電圧端子OUTを備える。
【0021】
MIC32は、DC−DCコンバータ1全体の制御を行う回路である。MIC32は、DC−DCコンバータ1の動作の開始又は停止を指示するための動作信号が入力を受け付けて、動作信号がハイ(H)レベルのとき動作し、ロー(L)レベルのとき動作を停止するようになっている。
【0022】
ダイオードD1は、金属と半導体との接触からできているショットキーバリアダイオード(SBD)にて構成される。ダイオードD1は、MIC32からのスイッチ信号に応じてインダクタLに蓄えられたエネルギーを放出させる。
【0023】
図6の回路図は、DC−DCコンバータ1におけるMIC32の具体的構成を示す図である。
【0024】
MIC32は、スイッチ制御回路41、基準電圧回路42、電流検出アンプ43、加算回路44、ブートストラップ(Boot REG)回路45、誤差増幅回路50、発振回路51、パルス幅変調(PWM)コンパレータ52、PWM回路53、ドライブ回路54、低入力時誤作動防止(UVLO)回路60、保護回路61、ソフトスタート回路62等を備える。
【0025】
また、MIC32は、スイッチングトランジスタTr1〜Tr3、整流用トランジスタTr4、出力電圧検出用の抵抗R1,R2、インダクタL、平滑用のコンデンサC1、ノイズフィルタをなすコンデンサC2、位相補償用の抵抗R3及びコンデンサC3、ソフトスタート(SS)制御用のコンデンサC5等に接続されている。スイッチングトランジスタTr3 と整流用トランジスタTr4は、入力端子INと接地点との間に直列に設けられている。インダクタLは、スイッチ端子SWと出力電圧端子OUTとの間に設けられている。抵抗R1,R2及びコンデンサC2は、出力電圧端子OUTと接地点との間に直列に設けられている。
【0026】
スイッチ制御回路41は、イネーブル端子ENに接続され、MIC32の出力のオン/オフの切替に用いられるHレベルとLレベルの出力信号を作成し、基準電圧回路42及びソフトスタート回路62に出力する。
【0027】
基準電圧回路42は、入力端子IN及びスイッチ制御回路41に接続され、定電圧(P.REG)回路42aと、基準電圧発生(VREF)回路42bとから構成される。定電圧回路42aは、入力端子INから入力される入力電圧Vdd1を降圧して、MIC32の各種回路の動作電圧(内部電源電圧Vddi:5v)を出力する。VREF回路42bは、入力端子INから入力される入力電圧Vdd1から、所定の基準電圧Vref(0.5v)を生成して出力する。
【0028】
電流検出アンプ43は、電流経路に置かれた抵抗器における電圧降下を測定することによって電圧を計測する回路である。電流検出アンプ43は、入力端子INに接続され、検出された電圧を増幅した出力信号Vaを生成し加算回路44に出力する。電流検出アンプ43に内蔵されている過電流保護(OCP)回路43aは、直流出力がなんらかの原因によって短絡したときや負荷を想定以上の電流から保護する機能を有する。
【0029】
加算回路44は、電流検出アンプ43で出力された出力信号Vaと、発振回路51で出力された三角波信号TWを加算処理して出力信号Vtwを生成しPWMコンパレータ52に出力する。
【0030】
ブートストラップ回路45は、入力端子INに接続され、入力端子INから入力される入力電圧Vdd1にバイアスをかけて、一定の電圧を得てNチャネルMOSFET(絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)からなるスイッチングトランジスタTr2,Tr3、整流用トランジスタTr4のベースドライブ用の電圧信号をドライブ回路54に出力する。
【0031】
誤差増幅回路50は、出力電圧検出用の抵抗R1,R2によって出力電圧Voutを分圧してフィードバック端子FBを介して入力された分圧電圧Vfbと、内部電源電圧Vddiと、基準電圧Vrefとを比較して、電位差を増幅して出力信号EA1を生成しPWMコンパレータ52に出力する。また、誤差増幅回路50はコンパレータ端子COMPと接続され、コンパレータ端子COMPと接地点との間には、コンデンサC3及び抵抗R3の直列回路である位相補償回路が設けられている。
【0032】
発振回路51は、所定の周波数の三角波信号TWを生成して加算回路44に出力する。また、発振回路51は、HレベルとLレベルを繰り返すクロック信号CLを生成してPWM回路53に出力する。
【0033】
PWMコンパレータ52は、加算回路44で出力された出力信号Vtwと、誤差増幅回路50で出力された出力信号EA1とを比較して出力信号EA2を生成しPWM回路53に出力する。
【0034】
PWM回路53は、PWMコンパレータ52で出力された出力信号EA2からPWM制御を行うためのパルス信号Spwを生成してドライブ回路54に出力する。
【0035】
ドライブ回路54は、入力されたパルス信号SpwからスイッチングトランジスタTr2,Tr3、整流用トランジスタTr4をドライブするためのドライブ信号Sd2〜Sd4を生成して、スイッチングトランジスタTr2,Tr3のゲート及び整流用トランジスタTr4のゲートに出力する。
【0036】
UVLO回路60は、電源投入時の過渡状態や、不慮の事故等による電源ラインの瞬時低下時に、MIC32の内部回路が不安定動作にならない様に電源電圧レベルを検出し、出力トランジスタをオフすること事で誤動作を防止する。UVLO回路60は、MIC32の内部回路に入力する電源電圧の高低変化を監視して、その電源電圧が所定値以下となったときは、ソフトスタート回路62に電圧出力動作を停止させる出力信号を出力する。
【0037】
保護回路61は、過電圧保護(OVP)回路61aと、過熱保護(TSD)回路61bとから構成されている。OVP回路61aは、MIC32の入力電圧の規定範囲を超えた電圧が入力された場合、超過電圧を外部に放電して、MIC32の破壊を防ぐ回路である。TSD回路61bは、MIC32自身の発熱を監視して、動作不安定温度になる前にMIC32の動作を停止させて、MIC32を熱破壊から保護する回路である。TSD回路61bは、MIC32自身の発熱を監視して、その発熱による温度上昇が所定値以上となったときは、ソフトスタート回路62に電圧出力動作を停止させる出力信号を出力する。
【0038】
ソフトスタート回路62は、入力としてスイッチ制御回路41、UVLO回路60、TSD回路61bと接続され、スイッチングトランジスタTr1をドライブするためのドライブ信号Sd1を生成して、スイッチングトランジスタTr1のゲートに出力する。トランジスタTr1は、NチャネルMOSFETで構成され、ソース端子は接地点に接続され、ドレイン端子は定電圧回路42aに接続されている。このトランジスタTr1のドレイン端子と定電圧回路42aとの接続ノードはコンデンサC5を介して接地点に接続されている。
【0039】
次に、本発明の実施の形態に係る半導体装置の一例であるDC−DCコンバータ1の製造方法について、図7の工程断面図を参照しながら説明する。
【0040】
(イ)まず、図7(a)に示すように、第1リード10及び第2リード12を形成するための金属板を用意する。そして、用意した金属板に所望の回路パターン(回路設計)をパターンニングすることで、第1リード10及び第2リード12を形成する。第1リード10及び第2リード12からなるリードフレームは、図8に示すように、1枚の金属板から複数個(例えば、5×9個)形成することができる。
【0041】
(ロ)次に、図7(b)に示すように、アップセット加工を施すことによって、第2リード12をガルウィング状に形成する。第2リード12がアップセット加工されることで、第1リード10のインダクタLを搭載する面と、第2リード12の回路素子を搭載する面の高さ位置が異なる。ただし、第2リード12の素子搭載部120はアップセット加工を施さず、第1リード10のインダクタLを搭載する面の高さ位置を同じにしている。
【0042】
(ハ)次に、図7(c)に示すように、第1リード10の表面にインダクタLを配置し、第2リード12の表面に回路素子(図ではコンデンサC1、抵抗R2)、及び第2リード12の素子搭載部120の表面に回路素子(図では半導体集積回路(IC)32)を配置する。インダクタLと回路素子は、第1リード10及び第2リード12のアウターリードにて電気的に接続される。
【0043】
(ニ)次に、図7(d)に示すように、第1リード10とインダクタL、第2リード12と回路素子をそれぞれ電気的に接続する。電気的に接続する方法としては、はんだ付け及びワイヤーボンディング等がある。
【0044】
(ホ)次に、図7(e)に示すように、第1リード10の裏面と第2リードの素子搭載部120の裏面を露出し、インダクタL及び回路素子を第1封止体20によって封止する。第1リード10の裏面と第2リードの素子搭載部120の裏面は、第1封止20によって封止されないので、放熱機能を有する
【0045】
(へ)次に、図7(f)に示すように、ダイシングブレード等の金属板にて切断する器具を用いて、半導体装置の端部となる個所(図7(f)に示す矢印個所)をダイシングする。ダイシングによって、図8で示した1枚の金属板からなる複数個の半導体装置が、装置単位毎に分割される。
【0046】
以上の工程により、図1に示した実施の形態に係る半導体装置が完成する。
【0047】
本発明の実施の形態に係る半導体装置によれば、回路素子やインダクタLを1パッケージに複合一体化しても、インダクタLが配置される第1リード10と回路素子が配置される第2リード12とは分離配置されているので、第1リード10及び第2リード12を介してそれぞれで発熱した熱を伝導することがない。
【0048】
また、本発明の実施の形態に係る半導体装置によれば、インダクタLが配置される第1リード10の裏面10bは樹脂によって封止されていないので、インダクタLで発生した熱は放熱機能を有する裏面10bから放熱される。したがって、インダクタLで発生した熱が回路素子であるIC等の温度を上昇させてしまうことはない。同様に、第2リード12の素子搭載部120の裏面120bからも放熱される。
【0049】
また、本発明の実施の形態に係る半導体装置をプリント基板等に実装する場合は、外部端子の接合と同様に、露出した裏面からはんだ等を介して、実装する基板へ効率よく放熱することが可能となる。また、回路素子と基板の絶縁が必要な場合には、第2リード12の素子搭載部120の裏面120b部に絶縁シートの接着や絶縁接着剤が使用できる。
【0050】
上記のように、本発明は実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす記述及び図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになるはずである。
【0051】
例えば、実施の形態において、インダクタLは、モールドタイプを用いて説明したが、フェライトコアとフェライトコア外周に巻回される電線とから構成されているフェライトコアタイプ、メタルコンポジットモールドタイプ、ダストコアタイプであっても構わない。
【0052】
また、実施の形態における半導体装置製造方法において、強磁性体を含有する第2封止体によってインダクタLを封止する工程を更に含ませても構わない。


【0053】
また、実施の形態における半導体装置製造方法において、保護材によってインダクタLの表面を被覆する工程を更に含ませても構わない。
【0054】
この様に、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
【符号の説明】
【0055】
C1〜C5…コンデンサ
D1…ダイオード
L…インダクタ
Load…負荷
R1〜R3…抵抗
1…DC−DCコンバータ
Tr1〜Tr4…トランジスタ
10…第1リード
12…第2リード
20…第1封止体
30…直流電源
32…MIC
41…スイッチ制御回路
42…基準電圧回路
42a…定電圧回路
42b…基準電圧発生回路
43…電流検出アンプ
43a…過電流保護回路
44…加算回路
45…ブートストラップ回路
50…誤差増幅回路
51…発振回路
52…PWMコンパレータ
53…PWM回路
54…ドライブ回路
60…低入力時誤作動防止回路
61…保護回路
61a…過電圧保護回路
61b…過熱保護回路
62…ソフトスタート回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1リードと、前記第1リードと分離配置された第2リードと、前記第1リードの表面に搭載されるインダクタと、前記第2リードに搭載され、前記第1リード及び前記第2リードのアウターリードにて前記インダクタと電気的に接続される回路素子と、前記第1リードの裏面と前記第2リードの素子搭載部裏面の一部を露出し、前記インダクタ及び前記回路素子を封止する第1封止体とを備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第1リードの裏面と前記第2リードの素子搭載部裏面の一部は、放熱機能を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1リードの前記インダクタを搭載する面及び前記第2リードの前記素子搭載部裏面の一部と、前記第2リードの前記回路素子を搭載する面とは、高さ位置が異なることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
金属板に所望の回路パターンをパターンニングして、第1リード及び第2リードを形成する工程と、前記第2リードにアップセット加工を施して、第2リードをガルウィング状に形成する工程と、前記第1リードの表面にインダクタを配置し、前記第2リードの表面に回路素子を配置する工程と、前記第1リードと前記インダクタ、前記第2リードと前記回路素子をそれぞれ電気的に接続する工程と、前記第1リードの裏面と前記第2リードの素子搭載部裏面の一部を露出し、前記インダクタ及び前記回路素子を第1封止体によって封止する工程とを含むことを特徴とする半導体装置製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−219244(P2010−219244A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−63376(P2009−63376)
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【出願人】(000106276)サンケン電気株式会社 (982)
【Fターム(参考)】