説明

半導体装置

【課題】複数の出力バッファ回路を備える際に、チップレイアウトサイズ、消費電力、LSIのピン数の増加を低減する。
【解決手段】電圧発生回路A3は、出力バッファ回路B1〜B3のそれぞれに対応する基準電圧を発生する。比較回路CP1は、基準電圧とダミーバッファ回路A2の出力電圧とを比較する。カウンタH2は、比較回路CP1における比較結果が一致するまでクロック信号CLKをカウントする。ダミーバッファ回路A2は、カウンタH2のカウント値に基づいて出力バッファ回路B1〜B3のそれぞれに対応する出力インピーダンスを調整する。調整値保持部E11〜E14は、それぞれに対応する基準電圧を元に得られる比較回路CP1の比較結果の一致時におけるカウント値を保持する。出力バッファ回路B1〜B3は、それぞれ保持されたカウント値に基づいてそれぞれ出力インピーダンスを調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特に、インピーダンス調整機能を有する出力バッファ回路を備える半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ほとんどのLSIには、他の装置(チップ)とインタフェースするためのインタフェース回路が内蔵されている。このようなインタフェース回路において、半導体装置のプロセス・温度・電源電圧など、出力バッファのインピーダンス特性に関連する要素が変動しても、出力バッファのインピーダンスを一定に保つことが望ましい。出力バッファのインピーダンスを一定に保つことができれば、出力バッファの遅延変動を抑制して、タイミング設計の難易度の低下に寄与する。したがって、各インタフェース方式のスピード向上に対して大きな効果がある。また、常に所望のインピーダンスを得られることで、過剰な電流を抑制することができ、発生ノイズ量を抑制し、消費電力の低減が可能である。
【0003】
このようなインピーダンス調整機能を有する出力バッファ回路を備える半導体装置が特許文献1において開示されている。特許文献1に記載の半導体装置は、複数のPMOSトランジスタおよび複数のNMOSトランジスタを備える出力バッファと、前記複数のPMOSトランジスタと同じ構成を持つ複数のPMOSトランジスタからなる第1のダミーバッファと、前記複数のNMOSトランジスタと同じ構成を持つ複数のNMOSトランジスタからなる第2のダミーバッファと、前記第1のダミーバッファを構成する前記複数のPMOSトランジスタの導通の組合せを外部端子に接続した第1の参照抵抗の抵抗値に基づいて調整する第1の導通制御部と、前記第2のダミーバッファを構成する前記複数のNMOSトランジスタの導通の組合せを外部端子に接続した第2の参照抵抗の抵抗値に基づいて調整する第2の導通制御部と、前記第1の導通制御部の調整結果を記録し、この記録したデータを前記出力バッファの前記複数のPMOSトランジスタへ出力する第1のレジスタと、前記第2の導通制御部の調整結果を記録し、この記録したデータを前記出力バッファの前記複数のNMOSトランジスタへ出力する第2のレジスタと、前記第1のダミーバッファおよび前記第2のダミーバッファの導通期間を制御する導通期間制御部とを具備し、前記導通期間制御部が、前記出力バッファの導通期間に相当する期間前記第1のダミーバッファおよび前記第2のダミーバッファを導通させる。
【0004】
また、特許文献2には、出力回路のキャリブレーション(インピーダンス調整)動作に必要な回路規模及びキャリブレーション動作にかかる時間を低減する半導体装置が開示されている。この半導体装置は、データピンに接続され、少なくともデータ出力時に活性化される第1の出力バッファと、前記データピンに接続され、少なくともODT(On Die Termination)動作時に活性化される第2の出力バッファと、キャリブレーション用ピンに接続され、前記第1及び第2の出力バッファのインピーダンスを共通に設定するキャリブレーション回路とを備える。
【0005】
【特許文献1】特開2005−167779号公報
【特許文献2】特開2006−203405号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以下の分析は本発明において与えられる。
【0007】
ところで、LSIがSOC(System On a Chip)製品として多機能化するに伴って、複数のインタフェース回路を1チップ内に混在させる場合が増大している。このようなLSIでは、背景技術で説明したようなインピーダンス調整機能を有する出力バッファ回路を複数備える必要がある。この場合、インピーダンス調整機能に係る、チップレイアウトサイズ、消費電力、LSIのピン数が出力バッファ回路の数と共に増大してしまう虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つのアスペクト(側面)に係る半導体装置は、基準電圧を発生する電圧発生回路と、基準電圧とダミーバッファ回路の出力電圧とを比較する比較回路と、比較回路における比較結果が一致するまでクロック信号をカウントするカウンタと、カウンタのカウント値に基づいて自身の出力インピーダンスを調整するダミーバッファ回路と、比較回路における比較結果が一致した際のカウント値を保持するn(nは2以上の整数)個の調整値保持回路と、それぞれの調整値保持回路が保持するカウント値に基づいてそれぞれ自身の出力インピーダンスを調整するn個の出力バッファ回路と、を備え、電圧発生回路は、n個の出力バッファ回路のそれぞれに対応して基準電圧を発生し、n個の調整値保持回路は、それぞれに対応する基準電圧を元に得られる比較結果の一致時におけるカウント値をそれぞれ保持し、ダミーバッファ回路は、n個の出力バッファ回路のそれぞれに対応して自身の出力インピーダンスを調整する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、n個の出力バッファ回路に対し、電圧発生回路、比較回路、カウンタ、ダミーバッファ回路を1つに共通化することができる。したがって、チップレイアウトサイズ、消費電力、LSIのピン数のそれぞれの増加を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施形態に係る半導体装置は、電圧発生回路、比較回路、カウンタ、ダミーバッファ回路、n個の調整値保持回路、n個の出力バッファ回路を備える。電圧発生回路は、n個の出力バッファ回路のそれぞれに対応して基準電圧を発生する。比較回路は、基準電圧とダミーバッファ回路の出力電圧とを比較する。カウンタは、比較回路における比較結果が一致するまでクロック信号をカウントする。ダミーバッファ回路は、n個の出力バッファ回路のそれぞれに対応し、カウンタのカウント値に基づいて自身の出力インピーダンスを調整する。n個の調整値保持回路は、それぞれに対応する基準電圧を元に得られる、比較回路における比較結果の一致時におけるカウント値をそれぞれ保持する。n個の出力バッファ回路は、それぞれの調整値保持回路が保持するカウント値に基づいてそれぞれ自身の出力インピーダンスを調整する。
【0011】
本発明の半導体装置において、出力バッファ回路は、出力パッドを駆動し、並列接続されるm(mは2以上の整数)個の第1の出力トランジスタと、出力パッドを駆動し、並列接続される、第1の出力トランジスタと逆の導電型であるm個の第2の出力トランジスタと、を含み、電圧発生回路、比較回路、カウンタ、ダミーバッファ回路、n個の調整値保持回路のそれぞれは、第1および第2の出力トランジスタに対応して2組ずつ備えられ、2個の調整値保持回路のそれぞれが保持するカウント値に応じて第1および第2の出力トランジスタのそれぞれの駆動数を定めるようにしてもよい。
【0012】
また、本発明の半導体装置において、ダミーバッファ回路は、第1の擬似パッドを駆動し、並列接続されるm個の第1のダミートランジスタを含む第1のダミーバッファ回路と、第2の擬似パッドを駆動し、並列接続される、第1のダミートランジスタと逆の導電型であるm個の第2のダミートランジスタを含む第2のダミーバッファ回路と、を備え、2個のカウンタのそれぞれのカウント値に応じて第1および第2のダミートランジスタのそれぞれの駆動数を定めるようにしてもよい。
【0013】
さらに、本発明の半導体装置において、出力バッファ回路は、第1の出力トランジスタに並列接続され、第1の出力トランジスタと同じ導電型である第1の出力オフセットトランジスタと、第2の出力トランジスタに並列接続され、第2の出力トランジスタと同じ導電型である第2の出力オフセットトランジスタと、を備える出力オフセットトランジスタ付出力バッファ回路であって、ダミーバッファ回路は、第1のダミートランジスタと同じ導電型である第1のオフセットトランジスタと、第2のダミートランジスタと同じ導電型である第2のオフセットトランジスタと、を備え、ダミーバッファ回路が、出力オフセットトランジスタ付出力バッファ回路における第1および第2の出力トランジスタのそれぞれの駆動数を定める場合、第1のオフセットトランジスタを第1のダミートランジスタに並列接続し、第2のオフセットトランジスタを第2のダミートランジスタに並列接続することが好ましい。
【0014】
また、本発明の半導体装置において、第1の出力オフセットトランジスタと第1のオフセットトランジスタとは、同一のサイズであり、第2の出力オフセットトランジスタと第2のオフセットトランジスタとは、同一のサイズであることが好ましい。
【0015】
さらに、本発明の半導体装置において、ダミーバッファ回路は、2個以上の第1のオフセットトランジスタと、第1のオフセットトランジスタと同じ個数の第2のオフセットトランジスタとを備え、ダミーバッファ回路が、出力オフセットトランジスタ付出力バッファ回路における第1および第2の出力トランジスタのそれぞれの駆動数を定める場合、2個以上の第1のオフセットトランジスタを選択的に第1のダミートランジスタに並列接続し、2個以上の第2のオフセットトランジスタを選択的に第2のダミートランジスタに並列接続するように制御することが好ましい。
【0016】
また、本発明の半導体装置において、第1の出力オフセットトランジスタのオン時のインピーダンスと選択された第1のオフセットトランジスタのオン時の総計のインピーダンスとは、同一であり、第2の出力オフセットトランジスタのオン時のインピーダンスと選択された第2のオフセットトランジスタのオン時の総計のインピーダンスとは、同一であることが好ましい。
【0017】
以上のような半導体装置によれば、n個の出力バッファ回路に対し、それぞれの出力バッファ回路のインピーダンス調整に必要な情報を調整値保持回路に保持し、電圧発生回路、比較回路、カウンタ、ダミーバッファ回路を1つに共通化する。したがって、インピーダンスが調整される複数の出力バッファ回路において、ピン数・消費電力・レイアウトサイズの増大を抑えることができる。以下、実施例に即し、図面を参照して詳しく説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は、本発明の第1の実施例に係る半導体装置の構成を示すブロック図である。図1において、半導体装置は、出力バッファ回路B1、B2、B3、出力パッドPD3a、PD3b、PD3c、調整値保持部E11〜E18、インピーダンス自動調整部D1、出力パッド(擬似パッド)PD1、PD2、抵抗素子R31、R32を備える。
【0019】
インピーダンス自動調整部D1は、基準電圧発生回路A3、出力電圧切替回路C2、ダミーバッファ回路A2、A4、オフセット切替回路C1、C3、比較器CP1、CP2、カウンタH2、L2、インバータ回路INV1〜INV4を備える。
【0020】
基準電圧発生回路A3は、電源から接地間に対し、直列に接続される抵抗素子R1、R2、R3を備える。抵抗素子R1、R2間のノードの電圧VrefHが基準電圧として比較器CP1に与えられる。また、抵抗素子R2、R3間のノードの電圧VrefLが基準電圧として比較器CP2に与えられる。
【0021】
出力電圧切替回路C2は、電源と抵抗素子R1、R2間のノードとの間に、抵抗素子R11とPchトランジスタPM11との直列接続回路および抵抗素子R12とPchトランジスタPM12との直列接続回路を備える。PchトランジスタPM11、PM12のそれぞれのゲートには、インバータ回路INV11、INV12を介してインタフェース切替を制御する制御信号CT2、CT3がそれぞれ与えられる。
【0022】
また、出力電圧切替回路C2は、接地と抵抗素子R2、R3間のノードとの間に、抵抗素子R21とNchトランジスタNM11との直列接続回路および抵抗素子R22とNchトランジスタNM12との直列接続回路を備える。NchトランジスタNM11、NM12のそれぞれのゲートには、制御信号CT2、CT3がそれぞれ与えられる。
【0023】
比較器CP1は、反転(−)入力端子を抵抗素子R1、R2間のノードに接続し、抵抗素子R31を介して接地される出力パッドPD1に非反転(+)入力端子を接続し、出力端をカウンタH2のカウントイネーブル端子に接続する。
【0024】
カウンタH2は、4ビットのカウンタであって、比較器CP1の非反転(+)入力端子の電位が反転(−)入力端子の電位を超えるまで、すなわち、比較器CP1の出力がLレベルである場合、クロック信号CLKをカウントアップする。比較器CP1の出力がHレベルである場合、クロック信号CLKのカウントを停止する。4ビットのカウント値P1、P2、P3、P4をそれぞれインバータ回路INV1、INV2、INV3、INV4を介してダミーバッファ回路A2中のPchトランジスタPM1、PM2、PM3、PM4のそれぞれのゲートに出力する。なお、カウント値P1が上位ビットであってカウント値P4が下位ビットとし、図示されないリセット信号によって初期のカウント値P1、P2、P3、P4は、全てLレベルとされるものとする。また、PchトランジスタPM1、PM2、PM3、PM4におけるそれぞれのオン抵抗値の比が、1:2:4:8となるように設計されている。
【0025】
オフセット切替回路C1は、PchトランジスタPM5、PM6、インバータ回路INV5、INV6を備える。PchトランジスタPM5、PM6のそれぞれのゲートには、インバータ回路INV5、INV6を介して制御信号CT2、CT3がそれぞれ与えられる。
【0026】
PchトランジスタPM1、PM2、PM3、PM4、PM5、PM6のソースは全て電源に接続され、ドレインは全て出力パッドPD1に接続される。
【0027】
比較器CP2は、非反転(+)入力端子を抵抗素子R2、R3間のノードに接続し、抵抗素子R32を介して電源に接続される出力パッドPD2に反転(−)入力端子を接続し、出力端をカウンタL2のカウントイネーブル端子に接続する。
【0028】
カウンタL2は、4ビットのカウンタであって、比較器CP2の非反転(+)入力端子の電位が反転(−)入力端子の電位を超えるまで、すなわち、比較器CP2の出力がLレベルである場合、クロック信号CLKをカウントアップする。比較器CP2の出力がHレベルである場合、クロック信号CLKのカウントを停止する。4ビットのカウント値N1、N2、N3、N4をそれぞれダミーバッファ回路A4のNchトランジスタNM1、NM2、NM3、NM4のそれぞれのゲートに出力する。なお、カウント値N1が上位ビットであってカウント値N4を下位ビットとし、図示されないリセット信号によって初期のカウント値N1、N2、N3、N4は、全てLレベルとされるものとする。また、NchトランジスタNM1、NM2、NM3、NM4におけるそれぞれのオン抵抗値の比が、1:2:4:8となるように設計されている。
【0029】
オフセット切替回路C3は、NchトランジスタNM5、NM6を備える。NchトランジスタNM5、NM6のそれぞれのゲートには、制御信号CT2、CT3がそれぞれ与えられる。
【0030】
NchトランジスタNM1、NM2、NM3、NM4、NM5、NM6のソースは全て接地され、ドレインは全て出力パッドPD2に接続される。
【0031】
調整値保持部E11〜E18は、同一の構造を有し、ラッチ回路などの論理保持回路E1A、E1B、E1Cを備える。論理保持回路E1A、E1B、E1Cは、それぞれ入力端子Gがアクティブとなった場合に入力端子Dに与えられるデータ信号を保持し、出力端子から出力する。
【0032】
ここで、調整値保持部E11を例に説明する。調整値保持部E11は、制御信号CT1、CT2、CT3がそれぞれアクティブとされた時のカウント値P1をそれぞれ論理保持回路E1A、E1B、E1Cに保持する。そして、保持したカウント値P1をそれぞれ出力バッファ回路B1、B2、B3の入力端子P1A、P1B、P1Cに出力する。同様に調整値保持部E12〜E18は、それぞれ保持したカウント値P2〜P4、N1〜N4をそれぞれ入力端子P2A、P2B、P2C、・・・N4A、N4B、N4Cに出力する。
【0033】
出力バッファ回路B1は、入力端子P1A〜P4A、N1A〜N4Aに入力されるデータに基づいた出力インピーダンスで入力端子Data1に入力される信号を出力パッドPD3aに出力する。
【0034】
出力バッファ回路B2は、入力端子P1B〜P4B、N1B〜N4Bに入力されるデータに基づいた出力インピーダンスで入力端子Data2に入力される信号を出力パッドPD3bに出力する。
【0035】
出力バッファ回路B3は、入力端子P1C〜P4C、N1C〜N4Cに入力されるデータに基づいた出力インピーダンスで入力端子Data3に入力される信号を出力パッドPD3cに出力する。
【0036】
次に出力バッファ回路B1、B2、B3の詳細について説明する。
【0037】
図2は、出力バッファ回路B1の回路図である。出力バッファ回路B1は、論理回路LG1H〜LG4H、LG1L〜LG4L、PchトランジスタPM21〜PM24、NchトランジスタNM21〜NM24、入力端子Data1、P1A〜P4A、N1A〜N4Aを備える。論理回路LG1H〜LG4Hは、それぞれ一方の入力端を共通に入力端子Data1に接続し、他方の入力端をそれぞれ入力端子P1A〜P4Aに接続し、2つの入力端の論理値の否定論理積をPchトランジスタPM21〜PM24のゲートにそれぞれ出力する。論理回路LG1L〜LG4Lは、それぞれ一方の入力端を共通に入力端子Data1に接続し、他方の入力端をそれぞれ入力端子N1A〜N4Aに接続し、一方の入力端の論理値と他方の入力端の否定論理値との否定論理和をNchトランジスタNM21〜NM24のゲートにそれぞれ出力する。
【0038】
PchトランジスタPM21〜PM24は、ソースを共通に電源に接続し、ドレインを共通に出力パッドPD3aに接続する。PchトランジスタPM21〜PM24は、それぞれPchトランジスタPM1〜PM4と同じオン抵抗を有する。NchトランジスタNM21〜NM24は、ソースを共通に接地し、ドレインを共通に出力パッドPD3aに接続する。NchトランジスタNM21〜NM24は、それぞれNchトランジスタNM1〜NM4と同じオン抵抗を有する。
【0039】
図3は、出力バッファ回路B2の回路図である。図3において図2と同一の符号は、同一物を示し、その説明を省略する。図3の出力バッファ回路B2は、図2に対しPchトランジスタPM25、NchトランジスタNM25が追加される。PchトランジスタPM25は、ソースを電源に接続し、ゲートを接地し、ドレインを出力パッドPD3bに接続する。NchトランジスタNM25は、ソースを接地し、ゲートを電源に接続し、ドレインを出力パッドPD3bに接続する。
【0040】
また、図3では、図2の入力端子Data1、P1A〜P4A、N1A〜N4Aの代わりに、入力端子Data2、P1B〜P4B、N1B〜N4Bとされ、出力接続先が出力パッドPD3aの代わりに出力パッドPD3bとされる。
【0041】
図4は、出力バッファ回路B3の回路図である。図4において図3と同一の符号は、同一物を示し、その説明を省略する。図4の出力バッファ回路B3は、図3の入力端子Data2、P1B〜P4B、N1B〜N4Bの代わりに、入力端子Data3、P1C〜P4C、N1C〜N4Cとされ、出力接続先が出力パッドPD3bの代わりに出力パッドPD3cとされる。また、PchトランジスタPM25の代わりに、サイズの異なるPchトランジスタPM26が備えられ、NchトランジスタNM25の代わりに、サイズの異なるNchトランジスタNM26が備えられる。
【0042】
次に、インピーダンス自動調整部D1におけるインピーダンスの調整方法について説明する。始めに比較器CP1、CP2とカウンタH2、L2によってそれぞれダミーバッファ回路A2、A4を調整する方法について説明する。ここで、比較器CP1、カウンタH2、ダミーバッファ回路A2と、比較器CP2、カウンタL2、ダミーバッファ回路A4とは、同一の動作を行うので、比較器CP2、カウンタL2、ダミーバッファ回路A4についての動作を説明する。なお、ここでは制御信号CT2、CT3がローレベルであって、NchトランジスタNM5、NM6がオフ状態にあるものとする。
【0043】
図5は、インピーダンス自動調整部D1の動作を表すタイミングチャートである。図5において、出力パッドPD2に対する設定情報は、出力パッドPD2の出力電圧として表し、それ以外の信号は、HレベルとLレベルで表す。タイミングt0において、カウンタL2は、初期化されていて、カウント値N1〜N4の出力は、すべてLレベルにある。これに対し、クロック信号CLKがカウンタL2に入力されることでカウント値N1〜N4の出力は、順次カウントアップする。カウント値N1〜N4をゲートに入力するNchトランジスタNM1〜NM4は、カウント値N1〜N4の論理値に伴ってオン・オフする。一方、出力パッドPD2の電圧は、NchトランジスタNM1〜NM4と抵抗素子R32との分圧で決定される。ここで、NchトランジスタNM1〜NM4がオン・オフすることで、ダミーバッファA4のインピーダンス比は、図6に示すように変化する。したがって、カウントアップに伴い、出力パッドPD2の電圧は、図5に示すように逐次低下していく。なお、図6のダミーバッファ回路A4のインピーダンス比は、NchトランジスタNM1のオン抵抗を1とした場合のインピーダンス比として表わしている。
【0044】
以上のようにインピーダンス自動調整部D1が動作することで、カウンタL2がカウントアップしていくと、例えばタイミングt1で出力パッドPD2の電圧が基準電圧VrefLより下回り比較器CP2の出力がLレベルからHレベルになる。比較器CP2の出力がHレベルになると、カウンタL2のカウント動作が停止され、調整終了となる。この時のカウンタL2のカウント値N1〜N4が出力バッファ回路B1、B2、B3のNchトランジスタのインピーダンス調整信号として、調整値保持部E15〜E18に分配される。なお、比較器CP1、カウンタH2、ダミーバッファ回路A2の動作も上記説明内容と同様であり、カウンタH2のカウント値P1〜P4が出力バッファ回路B1、B2、B3のPchトランジスタのインピーダンス調整信号として、調整値保持部E11〜E14に分配される。
【0045】
先に述べたように、出力バッファ回路B1、B2、B3におけるNchトランジスタNM21〜NM24は、インピーダンス自動調整部A1のダミーバッファ回路A4のNchトランジスタNM1〜NM4とそれぞれ同一のインピーダンスである。また、出力バッファ回路B1、B2、B3におけるPchトランジスタPM21〜PM24は、インピーダンス自動調整部A1のダミーバッファ回路A2のPchトランジスタPM1〜PM4とそれぞれ同一のインピーダンスである。
【0046】
したがって、出力バッファ回路B1、B2、B3のそれぞれにおける出力インピーダンスは、インピーダンス自動調整部D1で調整されたインピーダンスと同一となる。出力バッファ回路B1、B2、B3における出力インピーダンスを適時調整することで、出力バッファ回路B1、B2、B3は、最適な出力インピーダンスに設定される。この時、出力バッファ回路B1、B2、B3は、それぞれ入力端子Date1、Date2、Date3の信号を最適な出力インピーダンスで出力パッドPD3a、PD3b、PD3cに出力可能となる。
【0047】
なお、自動調整される出力インピーダンスは、以下の式1、式2の様に表される。
RtargetH=r31×(VDD−VrefH)/VrefH ・・・(式1)
RtargetL=r32×VrefL/(VDD−VrefL) ・・・(式2)
【0048】
ただし、
RtargetH:Pchトランジスタ側で自動調整されるインピーダンス
RtargetL:Nchトランジスタ側で自動調整されるインピーダンス
VrefH:Pchトランジスタ側で用いられる基準電圧
VrefL:Nchトランジスタ側で用いられる基準電圧
r31:Pchトランジスタ側で用いられる抵抗素子R31の抵抗値
r32:Nchトランジスタ側で用いられる抵抗素子R32の抵抗値
VDD:ダミーバッファ及び被調整バッファの電源電圧
である。
【0049】
次にインピーダンスオフセットについて説明する。図1の出力バッファ回路B1、B2、B3において、それぞれにおけるインタフェースの種類が異なり、インタフェースで定める出力インピーダンスを、出力バッファ回路B1ではRtarget1、出力バッファ回路B2ではRtarget2、出力バッファ回路B3ではRtarget3とする。また、インピーダンスの大きさを、Rtarget1>Rtarget2>Rtarget3とする。
【0050】
まず始めに出力電圧切替回路C2の動作について説明する。出力電圧切替回路C2内のスイッチ動作用のPchトランジスタPM11、PM12、NchトランジスタNM11、NM12のゲート論理が切り替わることで、スイッチ動作用トランジスタと直列に接続される抵抗との合成インピーダンスが変動する。具体的には、PchトランジスタPM11と抵抗素子R11、PchトランジスタPM12と抵抗素子R12のそれぞれによる合成インピーダンスが変動する。また、NchトランジスタNM11と抵抗素子R21、NchトランジスタNM12と抵抗素子R22のそれぞれによる合成インピーダンスが変動する。
【0051】
ここで、制御信号CT2、CT3がいずれもLレベルの場合を基準とした場合、制御信号CT2がHレベルに遷移することで、PchトランジスタPM11と抵抗素子R11の合成インピーダンス及びNchトランジスタNM11と抵抗素子R21の合成インピーダンスが低くなる。また、制御信号CT3がHレベルに遷移することで、PchトランジスタPM12と抵抗素子R12の合成インピーダンス及びNchトランジスタNM12と抵抗素子R22の合成インピーダンスが低くなる。このような場合、図1の基準電圧発生回路A3と出力電圧切替回路C2とが接続され、基準電圧発生回路A3と出力電圧切替回路C2内の各インピーダンスの分圧から決定される基準電圧VrefHは、より高く、基準電圧VrefLは、より低くなる。
【0052】
また、「PchトランジスタPM11と抵抗素子R11の合成インピーダンス」>「PchトランジスタPM12と抵抗素子R12の合成インピーダンス」、及び、「NchトランジスタNM11と抵抗素子R21の合成インピーダンス」>「NchトランジスタNM12と抵抗素子R22」とする。さらに、制御信号CT2、CT3を論理値の組合せを、CT2/CT3=Lレベル/Lレベル、Hレベル/Lレベル、Lレベル/Hレベルの順で動作させる。この場合、基準電圧VrefHは、3段階で順に高く変動し、電圧VrefLは、3段階で順に低く変動する。
【0053】
次に、オフセット切替回路C1、C3の動作について説明する。ダミーバッファ回路A2、A4のインピーダンスオフセットとその切替動作は、制御信号CT2、CT3で制御される。インピーダンス自動調整部D1において、ダミーバッファのインピーダンスオフセットとして、ダミーバッファ回路A2にはオフセット切替回路C1が並列接続され、ダミーバッファ回路A4にはオフセット切替回路C3が並列接続されている。ここで、制御信号CT2、CT3の論理値に従って、オフセット切替回路C1内のPchトランジスタPM5、PM6、オフセット切替回路C3内のNchトランジスタNM5、NM6、それぞれのトランジスタがオン・オフし、トランジスタの抵抗値が変化する。このように、制御信号CT2、CT3の論理値を制御することで、インピーダンス自動調整部D1内のダミーバッファ回路A2、A4のインピーダンスを適宜に切替えることができる。
【0054】
ここで、「PchトランジスタPM5のインピーダンス>PchトランジスタPM6のインピーダンス」、「NchトランジスタNM5のインピーダンス>NchトランジスタNM6のインピーダンス」、且つ制御信号CT2、CT3を論理値の組合せを、CT2/CT3=Lレベル/Lレベル、Hレベル/Lレベル、Lレベル/Hレベルの順で動作させる。この場合、ダミーバッファのオフセットインピーダンスの大きさは、オフセット無しの状態から、順に2段階で変動可能である。
【0055】
ところで、出力バッファ回路B2、B3では、インピーダンスオフセットが能動的に設定されることは無い。この理由は、出力バッファ回路のインピーダンスオフセットは、図3、4に示すように、ゲートの電圧が固定されたトランジスタが出力バッファ回路の出力インピーダンス部に並列接続される形となるためである。インピーダンス自動調整回路D1において、ダミーバッファ回路と出力バッファ回路のインピーダンスを同一にする必要があり、これはダミーバッファ回路のインピーダンスオフセットと出力バッファ回路のインピーダンスオフセットにも該当する。すなわち、オフセット切替回路によるダミーバッファ回路のインピーダンスオフセットと出力バッファ回路のインピーダンスオフセットとを組み合わせることで、複数のインタフェースで、ダミーバッファ回路のインピーダンスと出力バッファ回路のインピーダンスを同一とすることができる。具体的には、図1、3、4において、PchトランジスタPM5とPchトランジスタPM25、PchトランジスタPM6とPchトランジスタPM26、NchトランジスタNM5とNchトランジスタNM25、NchトランジスタNM6とNchトランジスタNM26を、それぞれ同一のサイズのトランジスタとする。
【0056】
次に、調整値保持部E11〜E18の動作について説明する。調整値保持部E11〜E18において、制御信号CT1、CT2、CT3は、論理保持/スルーの切替信号として論理保持回路E1A、E1B、E1Cを制御する。調整値保持部中の1つの論理保持回路がスルー状態の場合は、その他の論理保持回路は保持状態となり、複数の論理保持回路がスルー状態にならない様に動作する。具体的には、出力バッファ回路B1、B2、B3のインタフェースを、インタフェースA、インタフェースB、インタフェースCとする。この場合、図7に示すタイミングチャートのように、制御信号CT1がH、制御信号CT2、CT3がLである期間(T0〜T1)では、インタフェースAのモードとして、出力バッファ回路B1にはインピーダンス調整信号が論理保持回路E1Aをスルーして分配され、出力バッファ回路B2、B3へは調整信号が分配されない状態となる。制御信号CT2がH、制御信号CT1、CT3がLである期間(T1〜T2)では、インタフェースBのモードとして、出力バッファ回路B2にはインピーダンス調整信号が論理保持回路E1Bをスルーして分配され、出力バッファ回路B1、B3のバッファへは調整信号が分配されない状態となる。制御信号CT3がH、制御信号CT1、CT2がLである期間(T2〜T3)では、インタフェースCのモードとして、出力バッファ回路B3にはインピーダンス調整信号が論理保持回路E1Cをスルーして分配され、出力バッファ回路B1、B2のバッファへは調整信号が分配されない状態となる。このように制御信号CT1〜CT3を制御することで、適宜、インピーダンス調整信号を所望の出力バッファ回路に分配可能となる。
【0057】
すなわち、インタフェースAとしてインピーダンスを自動調整する場合は、制御信号CT1、CT2、CT3をそれぞれH、L、Lレベルとする。この時、基準電圧発生回路の基準電圧VrefH、VrefLは、オフセットのない値となる。また、ダミーバッファ回路及び出力バッファ回路のオフセットは、無い状態となる。さらにこの状態では、調整値保持部E11〜E18において、論理保持回路E1Aがスルー、論理保持回路E1B、E1Cが保持状態となる。したがって、インタフェースAの出力バッファ回路B1のみにインピーダンス調整信号が有効に分配される。
【0058】
次に、インタフェースBとしてインピーダンスを自動調整する場合は、制御信号CT1、CT2、CT3をそれぞれL、H、Lレベルとする。この時、基準電圧VrefH、VrefLは、インタフェースAを基準とすると、基準電圧VrefHは、より高く、基準電圧VrefLは、より低くなる。一方、ダミーバッファ回路及び出力バッファ回路のオフセットは、Rtarget1とRtarget2の差分に該当するものが付く形となる。これらの動作により、基準電圧はインタフェースBのインピーダンスに対応し、且つ、ダミーバッファ回路及び出力バッファ回路のインピーダンスも、インタフェースAとインタフェースBの差分、すなわちインタフェースBに適した状態となる。更に、調整値保持部E11〜E18では、論理保持回路E1Bがスルー、論理保持回路E1A、E1Cが保持状態となる。したがって、インタフェースBの出力バッファ回路B2のみにインピーダンス調整信号が有効に分配される。
【0059】
最後に、インタフェースCとしてインピーダンスを自動調整する場合は、制御信号CT1、CT2、CT3をそれぞれL、L、Hレベルとする。この時、基準電圧VrefH、VrefLは、インタフェースBを基準として、基準電圧VrefHは、より高く、基準電圧VrefLは、より低くなる。すなわち、基準電圧VrefHに関しての値の大小関係は、インタフェースA<インタフェースB<インタフェースCとなり、基準電圧VrefLに関しての値の大小関係は、インタフェースA>インタフェースB>インタフェースCとなる。なお、電圧発生回路の出力電圧の調整幅については、次項に記載する。一方、ダミーバッファ回路及び出力バッファ回路のオフセットは、Rtarget1とRtarget3の差分に該当するものが付く形となる。これらの動作により、基準電圧はインタフェースCのインピーダンスに対応し、且つ、ダミーバッファ回路及び出力バッファ回路のインピーダンスもインタフェースAとインタフェースCの差分、すなわちインタフェースCに適した状態となる。更に、調整値保持部E11〜E18では、論理保持回路E1Cがスルー、論理保持回路E1A、E1Bが保持状態となる。したがって、インタフェースCの出力バッファ回路B3のみにインピーダンス調整信号が有効に分配される。
【0060】
以上の動作を一覧表にまとめたものを図8に示す。図8のように制御信号CT1〜CT3を制御することで、複数のインタフェースA、B、Cのインピーダンスを、調整精度を悪化させること無く、1つの自動調整回路で調整可能となる。
【0061】
次に、基準電圧発生回路A3における出力電圧切替の必要性について説明する。本実施例の半導体装置は、出力パッド(擬似パッド、外部接続ピン)を増加することなく、複数のインタフェースのインピーダンスを自動調整する。この場合、それぞれのインピーダンスの調整において同一の抵抗素子R31、R32を用いる。
【0062】
前述の通り、自動調整されるインピーダンスは、式1、式2の式で表現される。ここで、抵抗素子R31、R32の抵抗値を変更させることなく、自動調整インピーダンスを変化させる為には、基準電圧VrefH、VrefLを変化させる必要がある。すなわち、RtargetHを小さくする場合は、基準電圧VrefHを高くし、RtargetLを小さくする場合は、基準電圧VrefHを低くすれば良い。
【0063】
基準電圧VrefH、VrefLを変化量は、次の通りである。インタフェースBでのインタフェースAの基準電圧からのVrefHの変化量△VrefH1は、以下の式3のように表される。
△VrefH1=(Rtarget1−Rtarget2)×VDD/(R31+Rtarget1−Rtarget2) ・・・(式3)
【0064】
また、VrefLの変化量△VrefL1は、以下の式4のように表される。
△VrefL1=(Rtarget1−Rtarget2)×VDD/(R32+Rtarget1−Rtarget2) ・・・(式4)
【0065】
さらに、インタフェースCでのインタフェースAの基準電圧からのVrefHの変化量△VrefH2は、以下の式5のように表される。
△VrefH2=(Rtarget1−Rtarget3)×VDD/(R31+Rtarget1−Rtarget3) ・・・(式5)
【0066】
また、VrefLの変化量△VrefL2は、以下の式6のように表される。
△VrefL2=(Rtarget1−Rtarget3)×VDD/(R32+Rtarget1−Rtarget3) ・・・(式6)
【0067】
このような変化量を基準電圧に与えるために、基準電圧発生回路A3に出力電圧切替回路C2を付加している。
【0068】
本発明では、オフセットインピーダンスを用いるが、以下にその必要性について説明する。なお、説明の前提として、出力バッファの設計では、インピーダンスを電流値に置き換えて表現する場合が多く、且つ表現が直感的に分かり易い為、インピーダンスを電流値に置き換えて説明する。
【0069】
インピーダンス自動調整回路D1は、前述の通り、ダミーバッファ回路A2、A4及び出力バッファ回路B1〜B3における並列接続回路の数を切替えることで、所望のインピーダンスを得る構成となる。定性的には並列接続回路数が増加することで、インピーダンスは小さく、電流値は大きくなる。一方、実際の設計においては、インピーダンスの調整幅の下限は、調整目標のインピーダンス以下とする必要がある。言い換えると、電流の調整幅の上限は、調整目標の電流値以上とする必要がある。具体例として、図9に、出力バッファ回路の電流値を電位差0.4Vとし、6mAの電流値を目標とした場合の設計値の一例を示す。この例では、インピーダンスの並列接続数を8本としており、8本すべてが接続された電流値が目標の6mAを満たすようにしている。
【0070】
ここで、複数のインタフェースの自動調整を一つのインピーダンス自動調整回路で対応した場合、単純に電流の上限値を変更し、電流の調整範囲を広げる必要がある。この場合の例を図10に示す。この例では、電流の目標値を6mAと12mAとし、両方に対応する形としている。このようにすることで、複数のインピーダンスの対応が可能となるが、自動調整精度が劣化する場合が生じる。自動調整精度の指標は、図9、図10で示す並列接続数1本当たりの電流差となり、これが大きい程、自動調整精度が低くなる。自動調整精度は、調整回路の性能を決める重要な要素である為、その精度の低下は、大きな問題となる。
【0071】
以上の問題は、複数のインタフェースの自動調整時にインピーダンス調整範囲を拡大した場合に起こる現象である。したがって、各インタフェースでの調整範囲を拡大することなく、複数のインタフェースに対応するように、前述したオフセットインピーダンスが必要となる。
【0072】
上記においてオフセットインピーダンスの有効性について説明したが、オフセットインピーダンスは、ダミーバッファ回路と出力バッファ回路の両方に備え、且つオフセットバッファも包括した状態で、インピーダンスを調整する必要がある。この理由としては、オフセットインピーダンスを調整対象から排除すると、オフセットインピーダンス自身の特性変動が、ダミーバッファ回路及び出力バッファ回路全体のインピーダンスの特性変動として現れてしまう。この結果、出力バッファ回路のインピーダンス調整精度の劣化を招く。したがって、本実施例でもこの点を考慮した構成としている。
【0073】
なお、本実施例でのオフセットインピーダンスの値の設定方法は、以下の通りとなる。複数のインタフェースのインピーダンスを調整する場合、そのインタフェース間ではバッファとして必要なインピーダンスが異なる。先に述べたと同様に、インタフェースで定められるインピーダンスを出力バッファ回路B1ではRtarget1、出力バッファ回路B2ではRtarget2、出力バッファ回路B3はRtarget3とする。また、インピーダンスの大きさを、Rtarget1>Rtarget2>Rtarget3とする。このとき、出力バッファ回路B1とB2の差分のインピーダンスをRoffset1、出力バッファ回路B1とB3の差分のインピーダンスをRoffset2とする。Roffset1とRoffset2は、Rtarget1、Rtarget2、Rtarget3を用いて、以下の式7、式8のように表される。
Roffset1=Rtarget1×Rtarget2/(Rtarget1−Rtarget2) ・・・(式7)
Roffset2=Rtarget1×Rtarget3/(Rtarget1−Rtarget3) ・・・(式8)
【0074】
さらに、オフセット切替回路C1内のPchトランジスタPM5及びオフセット切替回路C3内のNchトランジスタNM5及び、図3のPchトランジスタPM25とNchトランジスタNM25のインピーダンスをRoffset1とする。また、オフセット切替回路C1内のPchトランジスタPM6及びオフセット切替回路C3内のNchトランジスタNM6及び、図4のPchトランジスタPM26とNchトランジスタNM26のインピーダンスをRoffset2とする。そして、図8の通りの方法で制御信号CT1、CT2、CT3を制御することで、各インタフェース間の最適なインピーダンス差を考慮し、且つ、被調整バッファのインピーダンス調整精度の劣化を招くことなく、各インタフェースのインピーダンスを調整可能である。
【0075】
本発明では、調整値保持部E11〜E18を備えるが、以下にその必要性について説明する。複数のインタフェースにおいて、自動調整目標とするインピーダンスが異なる為、当然、インピーダンス調整信号の情報も、インタフェース毎で異なる。本実施例の半導体装置の場合は、インピーダンス自動調整部D1は、1つである為、各インタフェースを同時に調整することが出来ない。したがって、時間軸で、各インタフェースの調整時間をずらす必要がある。この場合、調整していないインタフェースのインピーダンス調整信号の情報は、何らかの方法で保持する必要がある為、調整値保持部E11〜E18が必要となる。
【0076】
調整値保持部E11〜E18の制御方法は、図8の通りであって、制御信号CT1、CT2、CT3を用いて他の回路と連動させて制御することで、各インタフェースのインピーダンス調整信号の論理を所望の形で保持及びスルーできる。
【0077】
最後に、これまでの内容を踏まえ、具体的な数値例を示し効果に関し説明する。ここでは、3.3[V]電源で、3種類のインタフェースとしてNchトランジスタ側のインピーダンスがインタフェースA、B、Cそれぞれにおいて、50[Ω]、25[Ω]、12.5[Ω]で、抵抗素子R32の抵抗値が362.5[Ω]、181.25[Ω]、90.625[Ω]で、且つ、それぞれのNchトランジスタ側の基準電圧VrefLを0.4[V]とする。この時のインピーダンスを自動調整した場合のピン数、消費電力、レイアウトサイズの削減量を示している。なお、通常、Nchトランジスタ側のインピーダンスとPchトランジスタ側のインピーダンスとは、同等である為、「抵抗素子R32の抵抗値=抵抗素子R31の抵抗値」、「基準電圧VrefL=VDD−VrefH」とし、下記での消費電力計算の際は、Nchトランジスタ側の算出値とPchトランジスタ側の算出値が等しいという前提としている。
【0078】
結論から述べると、図11に示すように、ピン数、消費電力、レイアウトサイズのいずれの面でも、従来の回路構成と比較し、削減の効果が得られることが分かる。
【0079】
始めに、ピン数、すなわち出力パッド数について試算する。従来のインピーダンス自動調整回路の場合、1つの調整回路に対し、ピン数は2ピン必要としている。一方、本実施例の場合は、ピン数は、2ピン(PD1、PD2)であって、複数の調整回路が存在しても変化することがない。よって、図11のようなピン数削減効果が得られる。
【0080】
次に、消費電力について試算する。インピーダンス自動調整部D1において、主に電力を消費するのは、比較器CP1、CP2とダミーバッファ回路A2、A4であって、いずれも定常的に電流を消費するので、この電流値で試算する。ここで、コンパレータの電流は、一般的な設計指標として定常電流=1[mA]とする。また、ダミーバッファ回路の電流は、電源電圧、基準電圧の差電位と抵抗素子R31、R32から算出される値とする。
【0081】
具体的に、コンパレータの消費電流は、従来の回路構成では、1つのインピーダンス自動調整回路で2つのコンパレータが存在し、自動調整回路が3回路必要であることから、合計で6[mA]となる。一方、本発明では、インピーダンス自動調整部D1は、1つとなることから、2[mA]となる。
【0082】
ダミーバッファ部の電流は、具体的に式9で与えられる。
(VDD−VrefL)/RextL ・・・(式9)
VDD:電源電圧
VrefL:Nchトランジスタ側基準電圧
RextL:外付け抵抗素子R32の抵抗値
【0083】
ここで、従来の回路構成では、前述の通り、インタフェースA、B、Cの順で、基準電圧は共通で0.4V、抵抗素子R32、R31相当の抵抗値は、362.5[Ω]、181.25[Ω]、90.625[Ω]であることから、Nchトランジスタ側のダミーバッファ部の電流は、インタフェースA、B、Cの順で、8[mA]、16[mA]、32[mA]となる。Nchトランジスタ側とPchトランジスタ側のインピーダンスが等しいとすると、インタフェースA、B、CのそれぞれのNchトランジスタ側とPchトランジスタ側のダミーバッファの消費電流の合計値は、(8+16+32)×2=112[mA]となる。
【0084】
一方、本実施例におけるダミーバッファ回路では、抵抗素子R32、R31の抵抗値は、インタフェースAで定まる362.5[Ω]で固定される。一方、基準電圧は、インタフェースA、B、Cの順で、0.4[V]、0.19[V]、0.09[V]となり、これらから、ダミーバッファの消費電力は、式9の関係式より、インタフェースA、B、Cの順に、8[mA]、8.6[mA]、8.9[mA]となる。本発明では、インタフェースA、B、Cを特定時間毎に切替えてインピーダンスを切替える為、ダミーバッファの消費電力を、インタフェースA、B、Cの平均値と考えると、その平均値は、8.5[mA]となる。Nchトランジスタ側とPchトランジスタ側のインピーダンスが等しいとすると、本発明のダミーバッファ部での消費電流は、8.5×2=17[mA]となる。
【0085】
以上の計算に基づくと、従来の回路構成での自動調整回路としての消費電流は、コンパレータ分の6[mA]とダミーバッファ分の112[mA]の合計で118[mA]である。一方、本実施例における消費電流は、コンパレータ分の2[mA]とダミーバッファ分の17[mA]の合計で19[mA]となる。ここで、電源電圧が3.3[V]であることから、従来の回路構成の消費電力は、389.4[mW]、本実施例におけるそれぞれの消費電力は62.7[mW]となり、図11に示すような消費電力の削減効果が得られる。
【0086】
最後に、レイアウトサイズについて試算する。インピーダンス自動調整回路は、回路及びレイアウト上、ダミーバッファにて被調整バッファと相関性を持たせる必要があることから、チップ上ではバッファと同等の扱いで配置される場合が多い。一方、1つの調整回路のレイアウトサイズは、ほぼ出力バッファ2つ分となる。そこで、図12のレイアウト削減量も、1つの調整回路のレイアウトサイズを出力バッファ2つ分として計算しており、その単位は出力バッファ本数としている。この結果、図11に示すようなレイアウトサイズの削減効果が得られる。
【実施例2】
【0087】
実施例1では、3つのインタフェースについてインピーダンスの自動調整を行う形態を記載しているが、さらにインタフェースが増加した場合の実施例は、以下の通りとなる。まず、図1の出力電圧切替回路C2において出力電圧の切替段数を実施例1の3段階から、インタフェース種類数に応じた段階数に切替える。この場合、出力電圧切替回路C2内の抵抗素子及びスイッチ素子の並列接続数及びインピーダンス切替信号数をインタフェース種類数に応じて増加させる。
【0088】
具体的には、図1において、基準電圧VrefHに対しては、PchトランジスタPM11と抵抗素子R11、PchトランジスタPM12と抵抗素子R12が並列接続されている。これらに対して、例えば5つのインタフェースに対応する場合は、抵抗素子及びスイッチ素子の並列接続数を2つ追加する。なお、この場合、基準電圧VrefLに対しても、同様に抵抗素子及びスイッチ素子の並列接続数を2つ追加する。
【0089】
次に、オフセット切替回路C1、C3に関しても、実施例1の3段階から、インタフェース種類数に応じた段階数に切替える。この場合、インピーダンスのオフセット回路内のオフセットトランジスタの並列接続数及びインピーダンス切替信号数を増加させる。
【0090】
例えば、図1において、ダミーバッファA4に対し、オフセット用のNchトランジスタNM5、NM6が並列接続されている。これらに対して、5つのインタフェースに対応する場合は、オフセットトランジスタの並列接続数を2つ追加する。なおこの場合、ダミーバッファA2に対しても、同様にオフセットトランジスタの並列接続数を2つ追加する。
【0091】
調整値保持部E11〜E18については、論理保持回路の個数を出力バッファ回路の数に応じて増加させ、且つそれに対応するインピーダンス切替信号数を増加させる。
【0092】
さらに、追加するインタフェースの出力バッファ回路に対しては、追加するインタフェースに対応する適当なインピーダンスオフセットを持たせるようにする。なお、具体的なインピーダンスオフセットの値は、式7もしくは式8で与えられる。
【0093】
以上、5つのインタフェースに対応する場合を具体例として説明したが、インタフェース数を5つに限定することなく、更に増加させることも可能である。
【実施例3】
【0094】
図12は、本発明の第3の実施例に係るオフセット切替回路の第1の回路図である。図12において、図1と同一の符号は、同一物を表し、その説明を省略する。図12のオフセット切替回路C1aは、図1のオフセット切替回路C1に論理回路LG5を追加し、PchトランジスタPM6の代わりにPchトランジスタPM6aを備える。論理回路LG5は、制御信号CT2、CT3の論理和を求めてインバータ回路INV5の入力端に与える。
【0095】
以上のようなオフセット切替回路C1aにおいて、制御信号CT3がアクティブ(ハイレベル)の場合、PchトランジスタPM5、PM6aの双方が動作してオフセット用のトランジスタとして機能する。また、制御信号CT2がアクティブ(ハイレベル)の場合、PchトランジスタPM5のみがオフセット用のトランジスタとして機能する。
【0096】
図13は、本発明の第3の実施例に係るオフセット切替回路の第2の回路図である。図13において、図1と同一の符号は、同一物を表し、その説明を省略する。図13のオフセット切替回路C3aは、図1のオフセット切替回路C3に論理回路LG6を追加し、NchトランジスタNM6の代わりにNchトランジスタNM6aを備える。論理回路LG6は、制御信号CT2、CT3の論理和を求めてNchトランジスタNM5のゲートに与える。
【0097】
以上のようなオフセット切替回路C3aにおいて、制御信号CT3がアクティブ(ハイレベル)の場合、NchトランジスタNM5、NM6aの双方が動作してオフセット用のトランジスタとして機能する。また、制御信号CT2がアクティブ(ハイレベル)の場合、NchトランジスタNM5のみがオフセット用のトランジスタとして機能する。
【0098】
ここで、出力バッファ回路B1、B2、B3のインタフェースをそれぞれインタフェースA、インタフェースB、インタフェースCとする。また、インタフェースAとインタフェースBの差分のインピーダンスをRoffset1、インタフェースAとインタフェースCの差分のインピーダンスをRoffset2とする。この場合、Roffset1とRoffset2は、それぞれ、先の式7、式8で与えられる。
【0099】
これに対し、図8に示す制御方法のように、インタフェースBの制御ではRoffset1を有効とし、Roffset2を無効とし、インタフェースCの制御では、Roffset2を有効とし、Roffset1を無効としている。
【0100】
ここで、オフセットトランジスタのインピーダンスRoffset3を、以下の式10のように定める。
Roffset3=Rtarget2×Rtarget3/(Rtarget2−Rtarget3) ・・・(式10)
【0101】
インタフェースBの制御ではRoffset1のみを有効とし、インタフェースCの制御ではRoffset1とRoffset3の両方を有効とするように制御する。このように制御することで、実施例1と同様のオフセットインピーダンスを得ることが出来る。この場合、オフセットトランジスタの制御方法、すなわち、これらのトランジスタのゲート入力には論理回路を追加する必要がある。具体的には、図1のオフセット切替回路C1、C3の回路構成を変更する。オフセット切替回路C1からの回路変更例を図13のオフセット切替回路C1aに示す。また、オフセット切替回路C3からの回路変更例を図14のオフセット切替回路C3aに示す。
【0102】
実施例3では、実施例1と比較し、ダミーバッファのインピーダンスオフセットトランジスタのレイアウトサイズを削減することができる。ここで説明を平易にする為、インタフェースで定められるインピーダンスをインタフェースAにおいて、Rtarget1=100Ω、インタフェースBにおいて、Rtarget2=75Ω、インタフェースCにおいて、Rtarget3=50Ωとする。これに対し、実施例1で必要なレイアウトサイズは、式7、式8からRoffset1=300Ω、Roffset2=100Ωとして算出される。一方、実施例3で必要なレイアウトサイズは、式7、式10からRoffset1=300Ω、Roffset3=150Ωとして算出される。
【0103】
周知の通りインピーダンスとトランジスタサイズとは、反比例の関係がある。したがって、PchトランジスタPM6a、NchトランジスタNM6aは、それぞれ図1のPchトランジスタPM6、NchトランジスタNM6に比べて、トランジスタのサイズを2/3に削減することができる。
【0104】
なお、前述の特許文献等の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明の第1の実施例に係る半導体装置の構成を示すブロック図である。
【図2】出力バッファ回路B1の回路図である。
【図3】出力バッファ回路B2の回路図である。
【図4】出力バッファ回路B3の回路図である。
【図5】インピーダンス自動調整部の動作を表すタイミングチャートである。
【図6】ダミーバッファ回路のインピーダンスの変化を示す図である。
【図7】制御信号のタイミングチャートである。
【図8】3つのインタフェースに対する設定状態を表す図である。
【図9】調整電流目標を6mAとした場合のダミーバッファのインピーダンス設計値を示す図である。
【図10】調整電流目標を6mAと12mAした場合のダミーバッファのインピーダンス設計値を示す図である。
【図11】本発明の効果を定量的に示す図である。
【図12】本発明の第3の実施例に係る第1のオフセット切替回路の回路図である。
【図13】本発明の第3の実施例に係る第2のオフセット切替回路の回路図である。
【符号の説明】
【0106】
A2、A4 ダミーバッファ回路
A3 基準電圧発生回路
B1、B2、B3 出力バッファ回路
C1、C1a、C3、C3a オフセット切替回路
C2 出力電圧切替回路
CP1、CP2 比較器
CT1、CT2、CT3 制御信号
D1 インピーダンス自動調整部
Data1、Data2、Data3、N1A〜N4A、P1A〜P4A、N1B〜N4B、P1B〜P4B、N1C〜N4C、P1C〜P4C 入力端子
E11〜E18 調整値保持部
E1A、E1B、E1C 論理保持回路
H2、L2 カウンタ
INV1〜INV4 インバータ回路
LG1H〜LG4H、LG1L〜LG4L、LG5、LG6 論理回路
NM1〜NM6、NM6a、NM11、NM12、NM21〜NM26 Nchトランジスタ
PD1、PD2 出力パッド(擬似パッド)
PD3a、PD3b、PD3c 出力パッド
PM1〜PM6、PM6a、PM11、PM12、PM21〜PM26 Pchトランジスタ
R1、R2、R3、R11、R12、R21、R22、R31、R32 抵抗素子
VrefH、VrefL 基準電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準電圧を発生する電圧発生回路と、
前記基準電圧とダミーバッファ回路の出力電圧とを比較する比較回路と、
前記比較回路における比較結果が一致するまでクロック信号をカウントするカウンタと、
前記カウンタのカウント値に基づいて自身の出力インピーダンスを調整する前記ダミーバッファ回路と、
前記比較回路における比較結果が一致した際のカウント値を保持するn(nは2以上の整数)個の調整値保持回路と、
それぞれの前記調整値保持回路が保持するカウント値に基づいてそれぞれ自身の出力インピーダンスを調整するn個の出力バッファ回路と、
を備え、
前記電圧発生回路は、n個の前記出力バッファ回路のそれぞれに対応して前記基準電圧を発生し、n個の前記調整値保持回路は、それぞれに対応する前記基準電圧を元に得られる比較結果の一致時におけるカウント値をそれぞれ保持し、前記ダミーバッファ回路は、n個の前記出力バッファ回路のそれぞれに対応して自身の出力インピーダンスを調整することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記出力バッファ回路は、
出力パッドを駆動し、並列接続されるm(mは2以上の整数)個の第1の出力トランジスタと、
前記出力パッドを駆動し、並列接続される、第1の出力トランジスタと逆の導電型であるm個の第2の出力トランジスタと、
を含み、
前記電圧発生回路、前記比較回路、前記カウンタ、前記ダミーバッファ回路、n個の前記調整値保持回路のそれぞれは、前記第1および第2の出力トランジスタに対応して2組ずつ備えられ、
2個の前記調整値保持回路のそれぞれが保持するカウント値に応じて前記第1および第2の出力トランジスタのそれぞれの駆動数を定めることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記ダミーバッファ回路は、
第1の擬似パッドを駆動し、並列接続されるm個の第1のダミートランジスタを含む第1のダミーバッファ回路と、
第2の擬似パッドを駆動し、並列接続される、前記第1のダミートランジスタと逆の導電型であるm個の第2のダミートランジスタを含む第2のダミーバッファ回路と、
を備え、
2個の前記カウンタのそれぞれのカウント値に応じて前記第1および第2のダミートランジスタのそれぞれの駆動数を定めることを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記出力バッファ回路は、
前記第1の出力トランジスタに並列接続され、前記第1の出力トランジスタと同じ導電型である第1の出力オフセットトランジスタと、
前記第2の出力トランジスタに並列接続され、前記第2の出力トランジスタと同じ導電型である第2の出力オフセットトランジスタと、
を備える出力オフセットトランジスタ付出力バッファ回路であって、
前記ダミーバッファ回路は、
前記第1のダミートランジスタと同じ導電型である第1のオフセットトランジスタと、
前記第2のダミートランジスタと同じ導電型である第2のオフセットトランジスタと、
を備え、
前記ダミーバッファ回路が、前記出力オフセットトランジスタ付出力バッファ回路における前記第1および第2の出力トランジスタのそれぞれの駆動数を定める場合、前記第1のオフセットトランジスタを前記第1のダミートランジスタに並列接続し、前記第2のオフセットトランジスタを前記第2のダミートランジスタに並列接続するように制御することを特徴とする請求項3記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1の出力オフセットトランジスタと前記第1のオフセットトランジスタとは、同一のサイズであり、前記第2の出力オフセットトランジスタと前記第2のオフセットトランジスタとは、同一のサイズであることを特徴とする請求項4記載の半導体装置。
【請求項6】
前記ダミーバッファ回路は、2個以上の前記第1のオフセットトランジスタと、前記第1のオフセットトランジスタと同じ個数の前記第2のオフセットトランジスタとを備え、
前記ダミーバッファ回路が、前記出力オフセットトランジスタ付出力バッファ回路における前記第1および第2の出力トランジスタのそれぞれの駆動数を定める場合、2個以上の前記第1のオフセットトランジスタを選択的に前記第1のダミートランジスタに並列接続し、2個以上の前記第2のオフセットトランジスタを選択的に前記第2のダミートランジスタに並列接続するように制御することを特徴とする請求項4記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1の出力オフセットトランジスタのオン時のインピーダンスと選択された前記第1のオフセットトランジスタのオン時の総計のインピーダンスとは、同一であり、前記第2の出力オフセットトランジスタのオン時のインピーダンスと選択された前記第2のオフセットトランジスタのオン時の総計のインピーダンスとは、同一であることを特徴とする請求項6記載の半導体装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2009−5158(P2009−5158A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−165088(P2007−165088)
【出願日】平成19年6月22日(2007.6.22)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】