半導体装置
【課題】従来に比べて放熱性及び信頼性の向上が図れる半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体素子1を実装した金属部材3に絶縁シート2を介して金属シート5を設け、上記金属シートを一側面に露出させて上記半導体素子及び上記金属部材を樹脂封止して作製された半導体モジュール20と、上記金属シートに、はんだ70を介して接合され、上記半導体素子が発する熱を放散させる冷却装置60とを有する半導体装置101において、上記金属シートは、上記はんだが接合される接合領域52と、上記接合領域の周囲に位置し上記はんだが接触せずはんだ付けされない非接合領域53とを有する。
【解決手段】半導体素子1を実装した金属部材3に絶縁シート2を介して金属シート5を設け、上記金属シートを一側面に露出させて上記半導体素子及び上記金属部材を樹脂封止して作製された半導体モジュール20と、上記金属シートに、はんだ70を介して接合され、上記半導体素子が発する熱を放散させる冷却装置60とを有する半導体装置101において、上記金属シートは、上記はんだが接合される接合領域52と、上記接合領域の周囲に位置し上記はんだが接触せずはんだ付けされない非接合領域53とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特に冷却装置を取り付けた半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、発熱量の大きい半導体モジュールは、その放熱性を高めるため、グリスを介して例えば放熱フィン等の冷却装置に取り付けられている。よって冷却装置の大きさが半導体モジュール、あるいは冷却装置をも含めた半導体装置全体の大きさを決定することから、半導体モジュール等の小型軽量化を図るためには、半導体モジュール等の放熱性を向上させることが重要となる。
【0003】
例えば特許文献1では、パワーモジュールと冷却器との間に熱伝導性グリスを浸入させるためのグリス浸入部を備える。該グリス浸入部は、グリスの浸入によるパワーモジュールの変形を抑制し、これによってグリス浸入部以外の領域におけるグリス膜厚を減少させる。これにより、パワーモジュール及び冷却器を含めた半導体装置全体の放熱性向上を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−196576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年では、半導体モジュール内部の放熱性が向上してきたために、半導体モジュールと冷却装置との界面におけるグリスが半導体装置全体における放熱性の律速になってきている。そこで、半導体装置全体の放熱性をより向上させるために、半導体モジュールと冷却装置とを、はんだ接合するという手法が知られている。この場合、半導体モジュールのヒートサイクルによる、はんだ接合部におけるクラック発生を防止してはんだ接合部の寿命を確保することが、製品の高信頼化の上で重要となる。
【0006】
また、金属シートと一体化された絶縁シートを用いたトランスファーモールドタイプの半導体モジュールが上市されている。このトランスファーモールドタイプの半導体モジュールにおいても、冷却装置とはんだ接合することで、放熱性の向上を図ることができる。この場合には、半導体モジュールと冷却装置との間の、はんだ接合部の寿命確保に加えて、冷却装置とはんだ接合される金属シートと一体化された絶縁シートの寿命確保も、製品の高信頼化を実現する上で重要となる。
【0007】
本発明は、これらの課題を解決するためになされたものであり、従来に比べて、放熱性及び信頼性の向上が図れる半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は以下のように構成する。
即ち、本発明の一態様における半導体装置は、半導体素子を実装した金属部材に絶縁シートを介して金属シートを設け、上記金属シートを一側面に露出させて上記半導体素子及び上記金属部材を樹脂封止して作製された半導体モジュールと、上記金属シートに、はんだを介して接合され、上記半導体素子が発する熱を放散させる冷却装置とを有する半導体装置において、上記金属シートは、上記はんだが接合される接合領域と、上記接合領域の周囲に位置し上記はんだが接触せずはんだ付けされない非接合領域とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様における半導体装置によれば、半導体モジュールと冷却装置とは、半導体モジュールの一側面に露出した金属シートの接合領域にてはんだ付けされている。よって、グリスを介する場合と比較すると、半導体モジュールの放熱性を向上させることができる。
【0010】
また、金属シートは、接合領域の周囲に非接合領域を有することから、絶縁シートが金属部材から剥離するときの起点となる絶縁シート端部に生じる熱応力を低減させることができる。したがって、絶縁シートの剥離を防止することができるという効果がある。
【0011】
さらにまた、金属シートが非接合領域を有することから、金属シートの全体をはんだ付けした場合と比較して、はんだ付け面積を小さくすることができる。よって、はんだクラックによる不良を抑制することができるという効果がある。
【0012】
以上のように、本発明の一態様における半導体装置によれば、従来に比べて、放熱性の向上が図られ、かつ、はんだ接合部及び絶縁シートの寿命を確保でき、信頼性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態1による半導体装置の構成を示す断面図である。
【図2】図1に示すA部における半導体装置の断面図である。
【図3】図2に示すA部における接合領域の変形例を説明するためのA部における半導体装置の断面図である。
【図4】図2に示すA部における接合領域の他の変形例を説明するためのA部における半導体装置の断面図である。
【図5】図2に示すA部における接合領域の別の変形例を説明するためのA部における半導体装置の断面図である。
【図6】本発明の実施の形態2による半導体装置の構成を示す断面図である。
【図7】図6に示すB部における半導体装置の断面図である。
【図8】図6に示す樹脂材のB部における形状の変形例を示すB部における半導体装置の断面図である。
【図9】図6に示す樹脂材のB部における形状の他の変形例を示すB部における半導体装置の断面図である。
【図10】図6に示す樹脂材のB部における形状の別の変形例を示すB部における半導体装置の断面図である。
【図11】図6に示す半導体装置の別の構成を示す断面図である。
【図12】本発明の実施の形態3による半導体装置の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態である半導体装置について、図を参照しながら以下に説明する。尚、各図において、同一又は同様の構成部分については同じ符号を付している。また、各図間の図示では、対応する各構成部のサイズや縮尺はそれぞれ独立している。例えば構成の一部を変更した図と、変更していない図との同一構成部分の図示において、同一構成部分のサイズや縮尺が異なる場合もある。また、半導体装置の構成の内、本発明の構成に必要のない部分は、図示を省略している(例えば、封止樹脂内のダイオード素子等)。
【0015】
実施の形態1.
図1及び図2を参照して、実施の形態1による半導体装置101について説明する。
本実施の形態1における半導体装置101は、基本的構成部分として、半導体モジュール20と、冷却装置60とを備え、半導体モジュール20と、冷却装置60とは、はんだ70にて接合されている。
【0016】
半導体モジュール20は、半導体素子1と、絶縁シート2と、金属ブロック3と、金属シート5と、封止樹脂8とを有する。
半導体素子1は、本実施形態ではインバータやコンバータ等を構成する電力用素子であり、材料としてはSiやSiC等が用いられ、一例としてIGBT素子が相当する。半導体モジュール20は、少なくとも1個の半導体素子1を有していればよい。
【0017】
金属ブロック3は、金属部材の一例に相当し、半導体素子1が実装され、電極としての役割と、ヒートスプレッダとしての役割とを果たす。即ち、半導体素子1で発生した熱は、金属ブロック3の半導体素子実装面3aから、該半導体素子実装面に対向する裏面3bへ金属ブロック3を伝導し、金属ブロック3は放熱性を向上させる。また、金属ブロック3には、半導体素子1との通電を行うため、主電極配線10、11が直接に、あるいは金属ワイヤ15を介して電気的に接続される。
【0018】
尚、金属ブロック3と半導体素子1とは、一例として厚さ150μmにて、Sn−Sb系のSn−10Sbの内はんだ4にて接合される。内はんだ4としては、例えばSn−Ag−Cu系のはんだを用いることができる。また、主電極配線10、11として、本実施形態ではCu製リードを用いている。
【0019】
上記役割から、金属ブロック3は、熱伝導性及び電気伝導性の良い材料が好ましく、例えばCuや、はんだ付け可能なようにNiメッキされたAl等が用いられる。勿論、これらの材料に限定されず、熱及び電気を伝導する材料であれば他のものを用いてもよい。一実施例として、金属ブロック3は、厚さ3mmのCu材からなる。また、本実施形態では、図示するように金属ブロック3は、直方体形状のブロック形であるが、目的に応じて様々な形状を取ることができる。金属フレーム等でも良く、この場合には、主電極配線等と一体的に形成することが可能になるなどの利点がある。
【0020】
絶縁シート2は、金属ブロック3の上記裏面3bに接して配置される電気絶縁性を有し、かつ放熱性に優れたシート材であり、放熱性を向上させるために、熱伝導率の大きい材料が使用される。例えばエポキシ樹脂に、高い熱伝導率を有する材料のフィラー、例えばセラミックフィラーを混合したシート構成のもの等が用いられるが、電気的な絶縁物であれば他のものを用いてもよい。このような絶縁シート2は、少なくとも、金属ブロック3の裏面3bに対応した形状及び面積を有し、図示するように裏面3bを超える大きさが好ましい。また、本実施形態では、絶縁シート2は、以下に述べる金属シート5と機械的及び熱的に接続され、一体成形されている。
【0021】
金属シート5は、上述のように絶縁シート2と一体化され、機械的及び熱的に接続された金属製シート材である。本実施形態では、金属シート5は、絶縁シート2と同形状で絶縁シート2に接着したCu箔であり、その厚さは、一例として0.1mmである。しかしながら、金属シート5の材料及び形状等は、これらに限定するものではなく、絶縁シート2と一体形成されるものであればよい。例えば金属シート5の材料としては、はんだ付け可能なように処理されていればAl箔等でもよい。また、半導体モジュール20の放熱性を向上させるために、金属シート5には、熱伝導率が大きい材料を用いるのが好ましい。
【0022】
また、金属シート5において、絶縁シート2に対向する側面で、後述する冷却装置60に対面する露出面5aは、上記はんだ70が接合される接合領域52と、該接合領域52の周囲に位置し、はんだ70が接触せずはんだ付けされない非接合領域53とを有する。
【0023】
接合領域52の平面形状は、本実施形態では、図2に示すように、金属シート5へ金属ブロック3を投影した、点線で示す投影領域31に等しい形状及び面積としている。しかしながら、接合領域52の形状は、これに限定するものではなく、少なくとも投影領域31を含み、はんだ70によってはんだ付けされることで、冷却装置60と機械的及び熱的に接続される機能を有するものであればよい。このように、接合領域52を、最低限投影領域31を含む面積とすることで、放熱性が確保される。
【0024】
また、接合領域52と非接合領域53との配置は、図2に示すものに限定されず、例えば図3、図4、及び図5に示すような配置であってもよい。図3では、接合領域52は、上記投影領域31の面積を超える大きさを有する。また、図4では、非接合領域53が接合領域52の長手方向における左右側端部に配置され、図5では、非接合領域53が接合領域52の上記長手方向に直交する方向における上下側端部に配置された形態を示している。
【0025】
また、接合領域52と非接合領域53とは、異なる材料で構成することもできる。例えば、金属シート5がはんだ付け可能な金属であった場合、非接合領域53は、はんだ付けされないような処理を施すのが好ましい。例えば、金属シート5がCu箔であった場合、接合領域52は、Cu箔のままとし、一方、非接合領域53は、Alめっきを施す、又は、はんだレジストを設ける等しておくことが好ましい。逆に、例えば、金属シート5としてAl箔を用いた場合、当該Al箔上にNiメッキを施すことで接合領域52を形成し、非接合領域53は、Al箔をそのまま用いる等であってもよい。このように、はんだ70によるはんだ付けの際に、非接合領域53にはんだ70が流れないようにすることで、接合領域52のみにてはんだ接合し、非接合領域53でははんだ接合しないよう、はんだ70をコントロールすることができるというメリットがある。
【0026】
上述した、半導体素子1、絶縁シート2、金属ブロック3、及び金属シート5は、金属シート5の露出面5aを封止樹脂8の一側面8aに露出させて、封止樹脂8にて封止されて、半導体モジュール20が形成される。尚、図示するように、主電極配線10、11の一端部分は、封止樹脂8から突出している。
【0027】
封止樹脂8は、半導体モジュール20の信頼性向上のために、例えば、モールド樹脂でトランスファーモールド法にて形成されていることが好ましいが、インジェクションモールドや低圧成型等の他の封止工法で形成されていてもかまわない。
【0028】
冷却装置60は、半導体素子1で発生した熱を放熱して半導体装置101全体を冷却する装置である。本実施形態では、冷却装置60は、図1に示すように、半導体装置101の厚み方向63に延在する複数の羽部材64を形成した部材であり、表面積を大きくすることで放熱性を向上させたAlの放熱フィンの形態にてなる。冷却装置60の材料及び形状は、図1に示す例に限定するものではなく、はんだ70によって金属シート5と機械的及び熱的に接続可能で、半導体素子1で発生した熱を放散可能な形態であればよい。例えば、Al板に冷媒用流路を設けて、該流路に水等の冷媒を流すように構成した液冷フィン等でもよい。半導体装置101の放熱性を向上させるためには、液冷フィンの方がより好ましい。
【0029】
冷却装置60は、はんだ70にて金属シート5とはんだ付けが可能なように、冷却装置60の取付面60aは、例えば、上記AlにNiメッキが施され、金属シート5の上記接合領域52に対応するはんだ付け部61を有する。尚、はんだ付け部61の材料や形状は、はんだ70によって金属シート5と冷却装置60とが機械的及び熱的に接続される機能を有するものであればよい。例えば冷却装置60がCuの放熱フィンである場合には、当該放熱フィンにおいて、接合領域52に対応する領域のCuがはんだ付け部61となる。
【0030】
尚、本実施形態では、はんだ70は、厚さが200μmであり、Sn−3.0Ag−0.5Cuのはんだである。また、はんだ70により、半導体モジュール20と冷却装置60とがはんだ付けされるときに、金属ブロック3に半導体素子1を固定した内はんだ4が溶融すると、溶融による内はんだ4の体積膨張によって半導体モジュール20を内側から損傷させる等の不具合が懸念される。このような不具合を防止するため、内はんだ4の材料は、はんだ70に使用する材料より融点の高い材料であることが好ましい。例えば、内はんだ4にAn−3.0Ag−0.5Cuはんだを用いた場合には、はんだ70には、Sn−58Biはんだ、内はんだ4としてSn−10Sbはんだを用いた場合には、はんだ70には、Sn−3.0Ag−0.5Cuはんだ等を用いるのが好ましい。
【0031】
上述したような構成を有する本実施の形態1による半導体装置101は、樹脂封止により半導体モジュール20を作製後、半導体モジュール20より露出している金属シート5の露出面5aにおける接合領域52と、冷却装置60の取付面60aにおけるはんだ付け部61とを、はんだ70を用いて接合することによって製造される。
【0032】
このように作製される半導体装置101では、金属シート5と冷却装置60とをはんだ70を用いて接合しているので、金属シート5と冷却装置60との間にグリスを用いた場合と比較して、はんだ70はグリスより熱伝導率が大きいため、半導体装置101の放熱性を向上することができるというメリットがある。
【0033】
一方、金属シート5と冷却装置60とをはんだ70を用いて接合することで、温度変化による金属シート5と冷却装置60との熱膨張率の違いから生じる応力が、金属シート5の端部で最も大きくなる。そのため、半導体装置101の信頼性をより向上させるためには、金属シート5の端部に生じる剥離や損傷、外はんだ7に生じるはんだクラックを抑制することが重要となる。よって、半導体装置101の信頼性をより向上させるためには、金属シート5の端部に生じる応力を小さくすることが重要である。
【0034】
そこで半導体装置101では、上述のように、はんだ70によってはんだ接合される金属シート5の接合領域52の周囲に非接合領域53を設けている。これにより、金属シート5全体をはんだ接合した場合と比較して、温度変化により生じる金属シート5の端部での熱応力が低減される。よって、金属シート5が、絶縁シート2から、あるいは絶縁シート2とともに金属ブロック3から、あるいは封止樹脂8から、剥離や損傷するのを抑制することができるというメリットがある。
【0035】
また、接合領域52の周囲に非接合領域53を設けることによって、金属シート5全体をはんだ接合した場合と比較して、はんだ付け面積が小さくなる。よって、温度変化によりはんだ70に作用する熱応力が小さくなるため、はんだ70におけるクラックの発生を抑制することができるというメリットがある。
【0036】
また、金属シート5全体をはんだ接合した場合、特に金属シート5の四隅に生じる応力が最も大きくなるため、金属シート5の四隅が剥離、損傷、及び、はんだクラックの起点となる可能性が高い。そのため、半導体装置101の信頼性をより向上させるには、図3から図5に示すように、金属シート5の四隅を含むように、非接合領域53を設けるのが好ましい。そうすることで、金属シート5の四隅に生じる熱応力を低減し、金属シート5の四隅が剥離、損傷、及びはんだクラックの起点となるのを防ぐことができる。
【0037】
さらには、金属シート5全体をはんだ付けした場合、金属シート5と封止樹脂8との界面から絶縁シート2に向かって、はんだ付けの際に用いるフラックス成分や、あるいははんだ自体が侵入してしまい、絶縁性を劣化させることも懸念される。一方、本実施の形態の半導体装置101では、接合領域52の周囲に非接合領域53が存在することから、上記界面への上記フラックス成分等の浸入リスクを低減することができる。したがって、半導体装置101によれば、より高絶縁な半導体装置を提供することができる。
【0038】
このように、本実施形態の半導体装置101によれば、従来の半導体装置に比べて、放熱性の向上を図ることができ、かつ信頼性の向上を図ることができる。
【0039】
また、半導体装置101によれば、上述のように放熱性の向上を図ることができることから、製品の小型化、省エネ、包装の小型化を図ることができ、また、信頼性の向上を図ることができることから、製品の長寿命化を図ることにも寄与する。尚、これらの付随的効果は、以下に説明する実施の形態2、3における半導体装置の場合でも同様に得ることができる。
【0040】
また、半導体素子1にSiCを用いた場合、その特長を生かすべく、Siの場合と比較してより高温で動作させることができるが、一方、半導体装置としてより高い信頼性が求められる。そのため、SiCデバイスを搭載する半導体装置において、上述した半導体装置101の構成を採ることは、高信頼の半導体装置を実現する上で大きく寄与する。
【0041】
実施の形態2.
次に、図6及び図7を参照して、本実施の形態2における半導体装置102について以下に説明する。
本実施の形態2における半導体装置102と、図1を参照し上述した半導体装置101との大きな相違点は、非接合領域53の少なくとも一部分について、非接合領域53の周囲の封止樹脂8と共に樹脂材13で封止した点である。
以下では、上記相違点に伴う変更部分についてのみ説明を行い、上述の半導体装置101と同じ構成部分については、ここでの説明を省略する。
【0042】
樹脂材13は、非接合領域53の少なくとも一部分に対して、非接合領域53の周囲における封止樹脂8とともに一体として封止されるように形成される。樹脂材13を設ける位置は、例えば図7に示すように、金属シート5の露出面5aにおける四隅部分51であり、非接合領域53の一部分である。
【0043】
例えば四隅部分51に設けられる各樹脂材13は、上記厚み方向63において、概ね同じ厚みに揃えられていることが好ましく、少なくともはんだ70の厚さ以下でなければならない。樹脂材13の厚みを揃えることで、はんだ70の厚みを設定でき、はんだクラックが発生するのを抑制することができる。
【0044】
さらに、樹脂材13は、その耐熱温度が、はんだ70の融点より高くなければならない。本実施の形態2における半導体装置102では、樹脂材13としてエポキシ樹脂等を用いているが、非接合領域53の少なくとも一部分に対して、非接合領域53の周囲における封止樹脂8とともに一体として封止可能な材料であれば、エポキシ樹脂以外の他の材料を用いてもかまわない。
【0045】
さらに、樹脂材13の形状は、図7に示すような形状に限定するものではない。つまり、図7では、上記投影領域31に相当する部分を接合領域52とした上で、はんだ70によるはんだ付けの際に、はんだ70からボイドが抜けるように、金属シート5における非接合領域53の一部を樹脂材13で封止しないように、樹脂材13の形状を定めている。これに対し、例えば図8から図10に示すような、樹脂材13の形状を採ることもできる。
【0046】
図8は、金属シート5の剥離の起点となる可能性が高い金属シート5の頂部近傍51aに対応した領域のみを覆うように、非接合領域53の一部分に樹脂材13を設けた形態を示している。また、図8に示す形態では、図示するように接合領域52は、上記投影領域31を超えて存在する。
【0047】
図9は、金属シート5における長手方向54における両端部55に対応した領域のみを覆うように、非接合領域53に樹脂材13を設けた形態を示している。また、図9に示す形態では、非接合領域53の全てが樹脂材13で覆われている。
図9に示す形状によれば、金属シート5の四隅部分51を含む端部55を樹脂材13で封止した上で、はんだスクラブが可能である。
【0048】
図10は、図9に示す形態に類似し、上記長手方向54に直交する直交方向54aにおける両端部55に対応した領域のみを覆うように、非接合領域53に樹脂材13を設けた形態を示している。図9に示す形態でも、非接合領域53の全てが樹脂材13で覆われている。
【0049】
このように、非接合領域53の全部または一部と、非接合領域53の周囲の封止樹脂8とを樹脂材13にて封止することで、金属シート5が剥離や損傷を起こす起点となる部分が封止されることになる。よって、金属シート5の端部に熱応力が生じても、金属シート5が剥離や損傷するのをさらに抑制できるというメリットがある。
【0050】
このように、本実施の形態2における半導体装置102では、実施の形態1の半導体装置101と同様に放熱性の向上を図ることができ、かつ、半導体装置101よりもさらに信頼性の向上を図ることができる。
【0051】
また、図9及び図10に示す形態のように、非接合領域53の全部を樹脂材13で封止することで、はんだ70によるはんだ付けの際に、はんだ70が非接合領域53に流れるのを防ぐことができるという効果がある。つまり、樹脂材13は、はんだレジストとしての役割をするというメリットがある。
【0052】
なお、本実施の形態2による半導体装置102の製造工程では、非接合領域53と、非接合領域53の周囲の封止樹脂8とを樹脂材13によって封止した後、冷却装置60と半導体モジュール20とがはんだ70によって接合される。よって、樹脂材13が金属シート5の端部55の全てを覆った場合には、はんだ70によるはんだ付け工程において、はんだボイドが樹脂材13によってトラップされてしまう可能性がある。したがって、金属シート5の端部55には、樹脂材13で封止されていない箇所が存在することが好ましい。
【0053】
また、樹脂材13が金属シート5の端部55を覆っている場合では、樹脂材13において、はんだ70の厚さを保障するための樹脂高さが高い部位と、はんだボイドがトラップされないための樹脂高さが低い部位とがあるのが望ましい。
【0054】
さらには、金属シート5と封止樹脂8との界面を、樹脂材13で覆ったことから、上記界面から、フラックス成分、はんだ付け後の洗浄液成分、はんだ、及び水分等の侵入を完全に防止することができる。よって、より高絶縁な半導体装置を得ることができるというメリットがある。
【0055】
またさらには、本半導体装置の絶縁性を担保している絶縁シート2は、樹脂を主成分としていることから、吸湿した場合に絶縁性が劣化することが懸念される。しかしながら、本実施の形態2の構成によれば、樹脂材13を設けたことで上記界面からの水分の浸入を抑制することができ、上記懸念を大幅に低減することができる。出願人が行った実験においても、本実施の形態2の構成により、絶縁シート2の吸湿性が大幅に低減し、結果としてより高い絶縁性を確保できることを確認している。
【0056】
また、上述した樹脂材13の厚みについて、図11に示す半導体装置102Bのように、冷却装置60と半導体モジュール20とを接合するはんだ70にて保障したい、はんだ70の最低厚みに一致させてもよい。このような構成を採ることで、以下の効果が得られる。
【0057】
即ち、本実施の形態2による半導体装置102の製造工程では、半導体素子1を含む部材を封止樹脂8によって封止した後、樹脂材13によって非接合領域53と、非接合領域53の周囲の封止樹脂8とを封止し、その後、冷却装置60と半導体モジュール20とがはんだ70によって接合される。このとき、図11に示す半導体装置102Bのように樹脂材13の厚みをはんだ70の最低厚みに一致させておくことで、はんだ70を適切な量供給してはんだ付け工程を行うことによって、はんだ70に生じるはんだクラックをより抑制することができるという効果がある。これは、樹脂材13をはんだ70と同じ厚みにそろえておくことで、はんだ厚の最低厚さを設定することができるからである。つまり、はんだ70に生じる応力は、はんだ厚が薄いほど大きくなるため、はんだ厚の最低厚さを保障できることで、はんだ70に、はんだクラックを抑制可能な厚さを必ず保持させることができるからである。
【0058】
実施の形態3.
次に、図12を参照して、本実施の形態3における半導体装置103について以下に説明する。
本実施の形態3における半導体装置103は、図6を参照し上述した半導体装置102の樹脂材13を封止樹脂8と一体的に成形した点でのみ、半導体装置102と相違する。尚、本実施の形態3の半導体装置103において、樹脂材13を一体成形した封止樹脂について「80」の符号を付し、樹脂材13に相当する部分を封止部14とする。また、半導体装置103におけるその他の構成部分は、上述した半導体装置102における構成部分と同じであり、同じ構成部分について、ここでの説明を省略する。同様に、製造工程についても上述の半導体装置102と同じ部分については説明を省略する。
【0059】
封止樹脂80における封止部14の上記厚み方向63における厚みは、図6を参照した半導体装置102のように、はんだ70の厚みに比べて薄い、及び、図11を参照した半導体装置102Bのように、はんだ70の厚みと同じ、のいずれであっても良い。また、その形状についても、図7から図10に図示した樹脂材13のいずれの形状を採ることができる。
【0060】
図12に示す半導体装置103のように封止部14を一体的に成形した封止樹脂80によれば、封止樹脂8とは別個に樹脂材13で封止した場合と比較して、封止部14が封止樹脂8から、より剥離しにくくなる。即ち、金属シート5の剥離や損傷の起点となる部分が封止樹脂80と一体の封止部14にて封止されているため、金属シート5の端部に熱応力が生じた場合でも、金属シート5が剥離や損傷するのをさらに抑制できるというメリットがある。また、封止部14の形状は、金型により決定できるため、封止部14を同じ厚みに揃えやすいという効果も得ることができる。
【0061】
このように、本実施の形態3における半導体装置103では、上述の実施の形態1,2の半導体装置101等と同様に放熱性の向上を図ることができ、かつ、実施の形態2における半導体装置102、102Bよりもさらに信頼性の向上を図ることができる。
【0062】
さらに、封止部14は、封止樹脂80と一体的に形成されるため、樹脂材13で封止する場合と比較して、製造工程で樹脂材13を封止する工程をなくすことができる。よって、上述の半導体装置101と同じ製造工程で製造することができ、新たな作業が発生することがないという効果がある。
【符号の説明】
【0063】
1 半導体素子、2 絶縁シート、3 金属ブロック、5 金属シート、
8 封止樹脂、13 樹脂材、14 封止部、
20 半導体モジュール、52 接合領域、53 非接合領域、
60 冷却装置、70 はんだ、
101,102,102B,103 半導体装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特に冷却装置を取り付けた半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、発熱量の大きい半導体モジュールは、その放熱性を高めるため、グリスを介して例えば放熱フィン等の冷却装置に取り付けられている。よって冷却装置の大きさが半導体モジュール、あるいは冷却装置をも含めた半導体装置全体の大きさを決定することから、半導体モジュール等の小型軽量化を図るためには、半導体モジュール等の放熱性を向上させることが重要となる。
【0003】
例えば特許文献1では、パワーモジュールと冷却器との間に熱伝導性グリスを浸入させるためのグリス浸入部を備える。該グリス浸入部は、グリスの浸入によるパワーモジュールの変形を抑制し、これによってグリス浸入部以外の領域におけるグリス膜厚を減少させる。これにより、パワーモジュール及び冷却器を含めた半導体装置全体の放熱性向上を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−196576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年では、半導体モジュール内部の放熱性が向上してきたために、半導体モジュールと冷却装置との界面におけるグリスが半導体装置全体における放熱性の律速になってきている。そこで、半導体装置全体の放熱性をより向上させるために、半導体モジュールと冷却装置とを、はんだ接合するという手法が知られている。この場合、半導体モジュールのヒートサイクルによる、はんだ接合部におけるクラック発生を防止してはんだ接合部の寿命を確保することが、製品の高信頼化の上で重要となる。
【0006】
また、金属シートと一体化された絶縁シートを用いたトランスファーモールドタイプの半導体モジュールが上市されている。このトランスファーモールドタイプの半導体モジュールにおいても、冷却装置とはんだ接合することで、放熱性の向上を図ることができる。この場合には、半導体モジュールと冷却装置との間の、はんだ接合部の寿命確保に加えて、冷却装置とはんだ接合される金属シートと一体化された絶縁シートの寿命確保も、製品の高信頼化を実現する上で重要となる。
【0007】
本発明は、これらの課題を解決するためになされたものであり、従来に比べて、放熱性及び信頼性の向上が図れる半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は以下のように構成する。
即ち、本発明の一態様における半導体装置は、半導体素子を実装した金属部材に絶縁シートを介して金属シートを設け、上記金属シートを一側面に露出させて上記半導体素子及び上記金属部材を樹脂封止して作製された半導体モジュールと、上記金属シートに、はんだを介して接合され、上記半導体素子が発する熱を放散させる冷却装置とを有する半導体装置において、上記金属シートは、上記はんだが接合される接合領域と、上記接合領域の周囲に位置し上記はんだが接触せずはんだ付けされない非接合領域とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様における半導体装置によれば、半導体モジュールと冷却装置とは、半導体モジュールの一側面に露出した金属シートの接合領域にてはんだ付けされている。よって、グリスを介する場合と比較すると、半導体モジュールの放熱性を向上させることができる。
【0010】
また、金属シートは、接合領域の周囲に非接合領域を有することから、絶縁シートが金属部材から剥離するときの起点となる絶縁シート端部に生じる熱応力を低減させることができる。したがって、絶縁シートの剥離を防止することができるという効果がある。
【0011】
さらにまた、金属シートが非接合領域を有することから、金属シートの全体をはんだ付けした場合と比較して、はんだ付け面積を小さくすることができる。よって、はんだクラックによる不良を抑制することができるという効果がある。
【0012】
以上のように、本発明の一態様における半導体装置によれば、従来に比べて、放熱性の向上が図られ、かつ、はんだ接合部及び絶縁シートの寿命を確保でき、信頼性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態1による半導体装置の構成を示す断面図である。
【図2】図1に示すA部における半導体装置の断面図である。
【図3】図2に示すA部における接合領域の変形例を説明するためのA部における半導体装置の断面図である。
【図4】図2に示すA部における接合領域の他の変形例を説明するためのA部における半導体装置の断面図である。
【図5】図2に示すA部における接合領域の別の変形例を説明するためのA部における半導体装置の断面図である。
【図6】本発明の実施の形態2による半導体装置の構成を示す断面図である。
【図7】図6に示すB部における半導体装置の断面図である。
【図8】図6に示す樹脂材のB部における形状の変形例を示すB部における半導体装置の断面図である。
【図9】図6に示す樹脂材のB部における形状の他の変形例を示すB部における半導体装置の断面図である。
【図10】図6に示す樹脂材のB部における形状の別の変形例を示すB部における半導体装置の断面図である。
【図11】図6に示す半導体装置の別の構成を示す断面図である。
【図12】本発明の実施の形態3による半導体装置の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態である半導体装置について、図を参照しながら以下に説明する。尚、各図において、同一又は同様の構成部分については同じ符号を付している。また、各図間の図示では、対応する各構成部のサイズや縮尺はそれぞれ独立している。例えば構成の一部を変更した図と、変更していない図との同一構成部分の図示において、同一構成部分のサイズや縮尺が異なる場合もある。また、半導体装置の構成の内、本発明の構成に必要のない部分は、図示を省略している(例えば、封止樹脂内のダイオード素子等)。
【0015】
実施の形態1.
図1及び図2を参照して、実施の形態1による半導体装置101について説明する。
本実施の形態1における半導体装置101は、基本的構成部分として、半導体モジュール20と、冷却装置60とを備え、半導体モジュール20と、冷却装置60とは、はんだ70にて接合されている。
【0016】
半導体モジュール20は、半導体素子1と、絶縁シート2と、金属ブロック3と、金属シート5と、封止樹脂8とを有する。
半導体素子1は、本実施形態ではインバータやコンバータ等を構成する電力用素子であり、材料としてはSiやSiC等が用いられ、一例としてIGBT素子が相当する。半導体モジュール20は、少なくとも1個の半導体素子1を有していればよい。
【0017】
金属ブロック3は、金属部材の一例に相当し、半導体素子1が実装され、電極としての役割と、ヒートスプレッダとしての役割とを果たす。即ち、半導体素子1で発生した熱は、金属ブロック3の半導体素子実装面3aから、該半導体素子実装面に対向する裏面3bへ金属ブロック3を伝導し、金属ブロック3は放熱性を向上させる。また、金属ブロック3には、半導体素子1との通電を行うため、主電極配線10、11が直接に、あるいは金属ワイヤ15を介して電気的に接続される。
【0018】
尚、金属ブロック3と半導体素子1とは、一例として厚さ150μmにて、Sn−Sb系のSn−10Sbの内はんだ4にて接合される。内はんだ4としては、例えばSn−Ag−Cu系のはんだを用いることができる。また、主電極配線10、11として、本実施形態ではCu製リードを用いている。
【0019】
上記役割から、金属ブロック3は、熱伝導性及び電気伝導性の良い材料が好ましく、例えばCuや、はんだ付け可能なようにNiメッキされたAl等が用いられる。勿論、これらの材料に限定されず、熱及び電気を伝導する材料であれば他のものを用いてもよい。一実施例として、金属ブロック3は、厚さ3mmのCu材からなる。また、本実施形態では、図示するように金属ブロック3は、直方体形状のブロック形であるが、目的に応じて様々な形状を取ることができる。金属フレーム等でも良く、この場合には、主電極配線等と一体的に形成することが可能になるなどの利点がある。
【0020】
絶縁シート2は、金属ブロック3の上記裏面3bに接して配置される電気絶縁性を有し、かつ放熱性に優れたシート材であり、放熱性を向上させるために、熱伝導率の大きい材料が使用される。例えばエポキシ樹脂に、高い熱伝導率を有する材料のフィラー、例えばセラミックフィラーを混合したシート構成のもの等が用いられるが、電気的な絶縁物であれば他のものを用いてもよい。このような絶縁シート2は、少なくとも、金属ブロック3の裏面3bに対応した形状及び面積を有し、図示するように裏面3bを超える大きさが好ましい。また、本実施形態では、絶縁シート2は、以下に述べる金属シート5と機械的及び熱的に接続され、一体成形されている。
【0021】
金属シート5は、上述のように絶縁シート2と一体化され、機械的及び熱的に接続された金属製シート材である。本実施形態では、金属シート5は、絶縁シート2と同形状で絶縁シート2に接着したCu箔であり、その厚さは、一例として0.1mmである。しかしながら、金属シート5の材料及び形状等は、これらに限定するものではなく、絶縁シート2と一体形成されるものであればよい。例えば金属シート5の材料としては、はんだ付け可能なように処理されていればAl箔等でもよい。また、半導体モジュール20の放熱性を向上させるために、金属シート5には、熱伝導率が大きい材料を用いるのが好ましい。
【0022】
また、金属シート5において、絶縁シート2に対向する側面で、後述する冷却装置60に対面する露出面5aは、上記はんだ70が接合される接合領域52と、該接合領域52の周囲に位置し、はんだ70が接触せずはんだ付けされない非接合領域53とを有する。
【0023】
接合領域52の平面形状は、本実施形態では、図2に示すように、金属シート5へ金属ブロック3を投影した、点線で示す投影領域31に等しい形状及び面積としている。しかしながら、接合領域52の形状は、これに限定するものではなく、少なくとも投影領域31を含み、はんだ70によってはんだ付けされることで、冷却装置60と機械的及び熱的に接続される機能を有するものであればよい。このように、接合領域52を、最低限投影領域31を含む面積とすることで、放熱性が確保される。
【0024】
また、接合領域52と非接合領域53との配置は、図2に示すものに限定されず、例えば図3、図4、及び図5に示すような配置であってもよい。図3では、接合領域52は、上記投影領域31の面積を超える大きさを有する。また、図4では、非接合領域53が接合領域52の長手方向における左右側端部に配置され、図5では、非接合領域53が接合領域52の上記長手方向に直交する方向における上下側端部に配置された形態を示している。
【0025】
また、接合領域52と非接合領域53とは、異なる材料で構成することもできる。例えば、金属シート5がはんだ付け可能な金属であった場合、非接合領域53は、はんだ付けされないような処理を施すのが好ましい。例えば、金属シート5がCu箔であった場合、接合領域52は、Cu箔のままとし、一方、非接合領域53は、Alめっきを施す、又は、はんだレジストを設ける等しておくことが好ましい。逆に、例えば、金属シート5としてAl箔を用いた場合、当該Al箔上にNiメッキを施すことで接合領域52を形成し、非接合領域53は、Al箔をそのまま用いる等であってもよい。このように、はんだ70によるはんだ付けの際に、非接合領域53にはんだ70が流れないようにすることで、接合領域52のみにてはんだ接合し、非接合領域53でははんだ接合しないよう、はんだ70をコントロールすることができるというメリットがある。
【0026】
上述した、半導体素子1、絶縁シート2、金属ブロック3、及び金属シート5は、金属シート5の露出面5aを封止樹脂8の一側面8aに露出させて、封止樹脂8にて封止されて、半導体モジュール20が形成される。尚、図示するように、主電極配線10、11の一端部分は、封止樹脂8から突出している。
【0027】
封止樹脂8は、半導体モジュール20の信頼性向上のために、例えば、モールド樹脂でトランスファーモールド法にて形成されていることが好ましいが、インジェクションモールドや低圧成型等の他の封止工法で形成されていてもかまわない。
【0028】
冷却装置60は、半導体素子1で発生した熱を放熱して半導体装置101全体を冷却する装置である。本実施形態では、冷却装置60は、図1に示すように、半導体装置101の厚み方向63に延在する複数の羽部材64を形成した部材であり、表面積を大きくすることで放熱性を向上させたAlの放熱フィンの形態にてなる。冷却装置60の材料及び形状は、図1に示す例に限定するものではなく、はんだ70によって金属シート5と機械的及び熱的に接続可能で、半導体素子1で発生した熱を放散可能な形態であればよい。例えば、Al板に冷媒用流路を設けて、該流路に水等の冷媒を流すように構成した液冷フィン等でもよい。半導体装置101の放熱性を向上させるためには、液冷フィンの方がより好ましい。
【0029】
冷却装置60は、はんだ70にて金属シート5とはんだ付けが可能なように、冷却装置60の取付面60aは、例えば、上記AlにNiメッキが施され、金属シート5の上記接合領域52に対応するはんだ付け部61を有する。尚、はんだ付け部61の材料や形状は、はんだ70によって金属シート5と冷却装置60とが機械的及び熱的に接続される機能を有するものであればよい。例えば冷却装置60がCuの放熱フィンである場合には、当該放熱フィンにおいて、接合領域52に対応する領域のCuがはんだ付け部61となる。
【0030】
尚、本実施形態では、はんだ70は、厚さが200μmであり、Sn−3.0Ag−0.5Cuのはんだである。また、はんだ70により、半導体モジュール20と冷却装置60とがはんだ付けされるときに、金属ブロック3に半導体素子1を固定した内はんだ4が溶融すると、溶融による内はんだ4の体積膨張によって半導体モジュール20を内側から損傷させる等の不具合が懸念される。このような不具合を防止するため、内はんだ4の材料は、はんだ70に使用する材料より融点の高い材料であることが好ましい。例えば、内はんだ4にAn−3.0Ag−0.5Cuはんだを用いた場合には、はんだ70には、Sn−58Biはんだ、内はんだ4としてSn−10Sbはんだを用いた場合には、はんだ70には、Sn−3.0Ag−0.5Cuはんだ等を用いるのが好ましい。
【0031】
上述したような構成を有する本実施の形態1による半導体装置101は、樹脂封止により半導体モジュール20を作製後、半導体モジュール20より露出している金属シート5の露出面5aにおける接合領域52と、冷却装置60の取付面60aにおけるはんだ付け部61とを、はんだ70を用いて接合することによって製造される。
【0032】
このように作製される半導体装置101では、金属シート5と冷却装置60とをはんだ70を用いて接合しているので、金属シート5と冷却装置60との間にグリスを用いた場合と比較して、はんだ70はグリスより熱伝導率が大きいため、半導体装置101の放熱性を向上することができるというメリットがある。
【0033】
一方、金属シート5と冷却装置60とをはんだ70を用いて接合することで、温度変化による金属シート5と冷却装置60との熱膨張率の違いから生じる応力が、金属シート5の端部で最も大きくなる。そのため、半導体装置101の信頼性をより向上させるためには、金属シート5の端部に生じる剥離や損傷、外はんだ7に生じるはんだクラックを抑制することが重要となる。よって、半導体装置101の信頼性をより向上させるためには、金属シート5の端部に生じる応力を小さくすることが重要である。
【0034】
そこで半導体装置101では、上述のように、はんだ70によってはんだ接合される金属シート5の接合領域52の周囲に非接合領域53を設けている。これにより、金属シート5全体をはんだ接合した場合と比較して、温度変化により生じる金属シート5の端部での熱応力が低減される。よって、金属シート5が、絶縁シート2から、あるいは絶縁シート2とともに金属ブロック3から、あるいは封止樹脂8から、剥離や損傷するのを抑制することができるというメリットがある。
【0035】
また、接合領域52の周囲に非接合領域53を設けることによって、金属シート5全体をはんだ接合した場合と比較して、はんだ付け面積が小さくなる。よって、温度変化によりはんだ70に作用する熱応力が小さくなるため、はんだ70におけるクラックの発生を抑制することができるというメリットがある。
【0036】
また、金属シート5全体をはんだ接合した場合、特に金属シート5の四隅に生じる応力が最も大きくなるため、金属シート5の四隅が剥離、損傷、及び、はんだクラックの起点となる可能性が高い。そのため、半導体装置101の信頼性をより向上させるには、図3から図5に示すように、金属シート5の四隅を含むように、非接合領域53を設けるのが好ましい。そうすることで、金属シート5の四隅に生じる熱応力を低減し、金属シート5の四隅が剥離、損傷、及びはんだクラックの起点となるのを防ぐことができる。
【0037】
さらには、金属シート5全体をはんだ付けした場合、金属シート5と封止樹脂8との界面から絶縁シート2に向かって、はんだ付けの際に用いるフラックス成分や、あるいははんだ自体が侵入してしまい、絶縁性を劣化させることも懸念される。一方、本実施の形態の半導体装置101では、接合領域52の周囲に非接合領域53が存在することから、上記界面への上記フラックス成分等の浸入リスクを低減することができる。したがって、半導体装置101によれば、より高絶縁な半導体装置を提供することができる。
【0038】
このように、本実施形態の半導体装置101によれば、従来の半導体装置に比べて、放熱性の向上を図ることができ、かつ信頼性の向上を図ることができる。
【0039】
また、半導体装置101によれば、上述のように放熱性の向上を図ることができることから、製品の小型化、省エネ、包装の小型化を図ることができ、また、信頼性の向上を図ることができることから、製品の長寿命化を図ることにも寄与する。尚、これらの付随的効果は、以下に説明する実施の形態2、3における半導体装置の場合でも同様に得ることができる。
【0040】
また、半導体素子1にSiCを用いた場合、その特長を生かすべく、Siの場合と比較してより高温で動作させることができるが、一方、半導体装置としてより高い信頼性が求められる。そのため、SiCデバイスを搭載する半導体装置において、上述した半導体装置101の構成を採ることは、高信頼の半導体装置を実現する上で大きく寄与する。
【0041】
実施の形態2.
次に、図6及び図7を参照して、本実施の形態2における半導体装置102について以下に説明する。
本実施の形態2における半導体装置102と、図1を参照し上述した半導体装置101との大きな相違点は、非接合領域53の少なくとも一部分について、非接合領域53の周囲の封止樹脂8と共に樹脂材13で封止した点である。
以下では、上記相違点に伴う変更部分についてのみ説明を行い、上述の半導体装置101と同じ構成部分については、ここでの説明を省略する。
【0042】
樹脂材13は、非接合領域53の少なくとも一部分に対して、非接合領域53の周囲における封止樹脂8とともに一体として封止されるように形成される。樹脂材13を設ける位置は、例えば図7に示すように、金属シート5の露出面5aにおける四隅部分51であり、非接合領域53の一部分である。
【0043】
例えば四隅部分51に設けられる各樹脂材13は、上記厚み方向63において、概ね同じ厚みに揃えられていることが好ましく、少なくともはんだ70の厚さ以下でなければならない。樹脂材13の厚みを揃えることで、はんだ70の厚みを設定でき、はんだクラックが発生するのを抑制することができる。
【0044】
さらに、樹脂材13は、その耐熱温度が、はんだ70の融点より高くなければならない。本実施の形態2における半導体装置102では、樹脂材13としてエポキシ樹脂等を用いているが、非接合領域53の少なくとも一部分に対して、非接合領域53の周囲における封止樹脂8とともに一体として封止可能な材料であれば、エポキシ樹脂以外の他の材料を用いてもかまわない。
【0045】
さらに、樹脂材13の形状は、図7に示すような形状に限定するものではない。つまり、図7では、上記投影領域31に相当する部分を接合領域52とした上で、はんだ70によるはんだ付けの際に、はんだ70からボイドが抜けるように、金属シート5における非接合領域53の一部を樹脂材13で封止しないように、樹脂材13の形状を定めている。これに対し、例えば図8から図10に示すような、樹脂材13の形状を採ることもできる。
【0046】
図8は、金属シート5の剥離の起点となる可能性が高い金属シート5の頂部近傍51aに対応した領域のみを覆うように、非接合領域53の一部分に樹脂材13を設けた形態を示している。また、図8に示す形態では、図示するように接合領域52は、上記投影領域31を超えて存在する。
【0047】
図9は、金属シート5における長手方向54における両端部55に対応した領域のみを覆うように、非接合領域53に樹脂材13を設けた形態を示している。また、図9に示す形態では、非接合領域53の全てが樹脂材13で覆われている。
図9に示す形状によれば、金属シート5の四隅部分51を含む端部55を樹脂材13で封止した上で、はんだスクラブが可能である。
【0048】
図10は、図9に示す形態に類似し、上記長手方向54に直交する直交方向54aにおける両端部55に対応した領域のみを覆うように、非接合領域53に樹脂材13を設けた形態を示している。図9に示す形態でも、非接合領域53の全てが樹脂材13で覆われている。
【0049】
このように、非接合領域53の全部または一部と、非接合領域53の周囲の封止樹脂8とを樹脂材13にて封止することで、金属シート5が剥離や損傷を起こす起点となる部分が封止されることになる。よって、金属シート5の端部に熱応力が生じても、金属シート5が剥離や損傷するのをさらに抑制できるというメリットがある。
【0050】
このように、本実施の形態2における半導体装置102では、実施の形態1の半導体装置101と同様に放熱性の向上を図ることができ、かつ、半導体装置101よりもさらに信頼性の向上を図ることができる。
【0051】
また、図9及び図10に示す形態のように、非接合領域53の全部を樹脂材13で封止することで、はんだ70によるはんだ付けの際に、はんだ70が非接合領域53に流れるのを防ぐことができるという効果がある。つまり、樹脂材13は、はんだレジストとしての役割をするというメリットがある。
【0052】
なお、本実施の形態2による半導体装置102の製造工程では、非接合領域53と、非接合領域53の周囲の封止樹脂8とを樹脂材13によって封止した後、冷却装置60と半導体モジュール20とがはんだ70によって接合される。よって、樹脂材13が金属シート5の端部55の全てを覆った場合には、はんだ70によるはんだ付け工程において、はんだボイドが樹脂材13によってトラップされてしまう可能性がある。したがって、金属シート5の端部55には、樹脂材13で封止されていない箇所が存在することが好ましい。
【0053】
また、樹脂材13が金属シート5の端部55を覆っている場合では、樹脂材13において、はんだ70の厚さを保障するための樹脂高さが高い部位と、はんだボイドがトラップされないための樹脂高さが低い部位とがあるのが望ましい。
【0054】
さらには、金属シート5と封止樹脂8との界面を、樹脂材13で覆ったことから、上記界面から、フラックス成分、はんだ付け後の洗浄液成分、はんだ、及び水分等の侵入を完全に防止することができる。よって、より高絶縁な半導体装置を得ることができるというメリットがある。
【0055】
またさらには、本半導体装置の絶縁性を担保している絶縁シート2は、樹脂を主成分としていることから、吸湿した場合に絶縁性が劣化することが懸念される。しかしながら、本実施の形態2の構成によれば、樹脂材13を設けたことで上記界面からの水分の浸入を抑制することができ、上記懸念を大幅に低減することができる。出願人が行った実験においても、本実施の形態2の構成により、絶縁シート2の吸湿性が大幅に低減し、結果としてより高い絶縁性を確保できることを確認している。
【0056】
また、上述した樹脂材13の厚みについて、図11に示す半導体装置102Bのように、冷却装置60と半導体モジュール20とを接合するはんだ70にて保障したい、はんだ70の最低厚みに一致させてもよい。このような構成を採ることで、以下の効果が得られる。
【0057】
即ち、本実施の形態2による半導体装置102の製造工程では、半導体素子1を含む部材を封止樹脂8によって封止した後、樹脂材13によって非接合領域53と、非接合領域53の周囲の封止樹脂8とを封止し、その後、冷却装置60と半導体モジュール20とがはんだ70によって接合される。このとき、図11に示す半導体装置102Bのように樹脂材13の厚みをはんだ70の最低厚みに一致させておくことで、はんだ70を適切な量供給してはんだ付け工程を行うことによって、はんだ70に生じるはんだクラックをより抑制することができるという効果がある。これは、樹脂材13をはんだ70と同じ厚みにそろえておくことで、はんだ厚の最低厚さを設定することができるからである。つまり、はんだ70に生じる応力は、はんだ厚が薄いほど大きくなるため、はんだ厚の最低厚さを保障できることで、はんだ70に、はんだクラックを抑制可能な厚さを必ず保持させることができるからである。
【0058】
実施の形態3.
次に、図12を参照して、本実施の形態3における半導体装置103について以下に説明する。
本実施の形態3における半導体装置103は、図6を参照し上述した半導体装置102の樹脂材13を封止樹脂8と一体的に成形した点でのみ、半導体装置102と相違する。尚、本実施の形態3の半導体装置103において、樹脂材13を一体成形した封止樹脂について「80」の符号を付し、樹脂材13に相当する部分を封止部14とする。また、半導体装置103におけるその他の構成部分は、上述した半導体装置102における構成部分と同じであり、同じ構成部分について、ここでの説明を省略する。同様に、製造工程についても上述の半導体装置102と同じ部分については説明を省略する。
【0059】
封止樹脂80における封止部14の上記厚み方向63における厚みは、図6を参照した半導体装置102のように、はんだ70の厚みに比べて薄い、及び、図11を参照した半導体装置102Bのように、はんだ70の厚みと同じ、のいずれであっても良い。また、その形状についても、図7から図10に図示した樹脂材13のいずれの形状を採ることができる。
【0060】
図12に示す半導体装置103のように封止部14を一体的に成形した封止樹脂80によれば、封止樹脂8とは別個に樹脂材13で封止した場合と比較して、封止部14が封止樹脂8から、より剥離しにくくなる。即ち、金属シート5の剥離や損傷の起点となる部分が封止樹脂80と一体の封止部14にて封止されているため、金属シート5の端部に熱応力が生じた場合でも、金属シート5が剥離や損傷するのをさらに抑制できるというメリットがある。また、封止部14の形状は、金型により決定できるため、封止部14を同じ厚みに揃えやすいという効果も得ることができる。
【0061】
このように、本実施の形態3における半導体装置103では、上述の実施の形態1,2の半導体装置101等と同様に放熱性の向上を図ることができ、かつ、実施の形態2における半導体装置102、102Bよりもさらに信頼性の向上を図ることができる。
【0062】
さらに、封止部14は、封止樹脂80と一体的に形成されるため、樹脂材13で封止する場合と比較して、製造工程で樹脂材13を封止する工程をなくすことができる。よって、上述の半導体装置101と同じ製造工程で製造することができ、新たな作業が発生することがないという効果がある。
【符号の説明】
【0063】
1 半導体素子、2 絶縁シート、3 金属ブロック、5 金属シート、
8 封止樹脂、13 樹脂材、14 封止部、
20 半導体モジュール、52 接合領域、53 非接合領域、
60 冷却装置、70 はんだ、
101,102,102B,103 半導体装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子を実装した金属部材に絶縁シートを介して金属シートを設け、上記金属シートを一側面に露出させて上記半導体素子及び上記金属部材を樹脂封止して作製された半導体モジュールと、上記金属シートに、はんだを介して接合され、上記半導体素子が発する熱を放散させる冷却装置とを有する半導体装置において、
上記金属シートは、上記はんだが接合される接合領域と、上記接合領域の周囲に位置し上記はんだが接触せずはんだ付けされない非接合領域とを有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
上記金属シートは方形状であり、上記非接合領域は、上記金属シートの四隅に対応して位置する、請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
上記非接合領域は、上記金属シートの端部に対応して位置する、請求項1記載の半導体装置。
【請求項4】
上記接合領域は、上記金属部材の投影面積を超える面積を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
上記接合領域は、はんだが接合可能に処理され、上記非接合領域は、はんだが非接合となるよう処理されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
上記非接合領域の少なくとも一部を覆う樹脂材をさらに備えた、請求項1から5のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
上記樹脂材の厚みはほぼ一定である、請求項6記載の半導体装置。
【請求項8】
上記樹脂材は、上記半導体モジュールの樹脂封止材と一体的に成形される、請求項6又は7に記載の半導体装置。
【請求項1】
半導体素子を実装した金属部材に絶縁シートを介して金属シートを設け、上記金属シートを一側面に露出させて上記半導体素子及び上記金属部材を樹脂封止して作製された半導体モジュールと、上記金属シートに、はんだを介して接合され、上記半導体素子が発する熱を放散させる冷却装置とを有する半導体装置において、
上記金属シートは、上記はんだが接合される接合領域と、上記接合領域の周囲に位置し上記はんだが接触せずはんだ付けされない非接合領域とを有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
上記金属シートは方形状であり、上記非接合領域は、上記金属シートの四隅に対応して位置する、請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
上記非接合領域は、上記金属シートの端部に対応して位置する、請求項1記載の半導体装置。
【請求項4】
上記接合領域は、上記金属部材の投影面積を超える面積を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
上記接合領域は、はんだが接合可能に処理され、上記非接合領域は、はんだが非接合となるよう処理されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
上記非接合領域の少なくとも一部を覆う樹脂材をさらに備えた、請求項1から5のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
上記樹脂材の厚みはほぼ一定である、請求項6記載の半導体装置。
【請求項8】
上記樹脂材は、上記半導体モジュールの樹脂封止材と一体的に成形される、請求項6又は7に記載の半導体装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−134949(P2011−134949A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−294312(P2009−294312)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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