説明

半導体装置

【課題】寄生容量を十分に低減できる構成を備えた半導体装置を提供することを課題の一とする。また、駆動回路に用いる薄膜トランジスタの動作速度の高速化を図ることを課題の一とする。
【解決手段】酸化物絶縁層がチャネル形成領域において酸化物半導体層と接したボトムゲート構造の薄膜トランジスタにおいて、ソース電極層及びドレイン電極層がゲート電極層と重ならないように形成することにより、ソース電極層及びドレイン電極層とゲート電極層との間の距離を大きくし、寄生容量の低減を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
酸化物半導体を用いる半導体装置及びその作製方法に関する。
【0002】
なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置
全般を指し、電気光学装置、半導体回路および電子機器は全て半導体装置である。
【背景技術】
【0003】
近年、絶縁表面を有する基板上に形成された半導体薄膜(厚さ数〜数百nm程度)を用い
て薄膜トランジスタ(TFT)を構成する技術が注目されている。薄膜トランジスタはI
Cや電気光学装置のような電子デバイスに広く応用され、特に画像表示装置のスイッチン
グ素子として開発が急がれている。金属酸化物は多様に存在しさまざまな用途に用いられ
ている。酸化インジウムはよく知られた材料であり、液晶ディスプレイなどで必要とされ
る透明電極材料として用いられている。
【0004】
金属酸化物の中には半導体特性を示すものがある。半導体特性を示す金属酸化物としては
、例えば、酸化タングステン、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛などがあり、このよう
な半導体特性を示す金属酸化物をチャネル形成領域とする薄膜トランジスタが既に知られ
ている(特許文献1及び特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−123861号公報
【特許文献2】特開2007−96055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
絶縁表面上に薄膜トランジスタを作製する場合、ゲート電極と該ゲート電極と電位が異な
るソース電極との間にゲート絶縁層が設けられ、該ゲート絶縁層が誘電体となって容量が
形成される。この容量は、寄生容量とも呼ばれ、信号波形のなまりが生じる恐れがある。
また、寄生容量が大きいと信号の伝達が遅くなる恐れがある。
【0007】
また、寄生容量の増加は、薄膜トランジスタのオフ時に流れるリーク電流の増加や、消費
電力の増大に繋がる。
【0008】
本発明の一態様は、寄生容量を十分に低減できる構成を備えた半導体装置を提供すること
を課題の一とする。
【0009】
また、絶縁表面上に駆動回路を形成する場合、駆動回路に用いる薄膜トランジスタの動作
速度は、速い方が好ましい。
【0010】
本発明の一態様は、駆動回路に用いる薄膜トランジスタの動作速度の高速化を図ることを
課題の一とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
ボトムゲート構造の薄膜トランジスタにおいて、ソース電極層及びドレイン電極層がゲー
ト電極層と重ならないように形成する。
【0012】
ボトムゲート構造の薄膜トランジスタにおいて、酸化物半導体層のゲート電極層と重なる
領域に接するように、酸化物絶縁層を形成する。これにより、選択的に酸化物半導体層の
該酸化物絶縁層と接する領域にチャネル形成領域を形成する。
【0013】
ボトムゲート型の薄膜トランジスタにおいて、ソース電極層及びドレイン電極層がゲート
電極層と重ならないように形成することによって、ソース電極層及びドレイン電極層とゲ
ート電極層との間の距離を大きくし、寄生容量の低減を図ることができる。これにより、
ソース電極層とドレイン電極層との間の距離も大きくなるが、酸化物半導体層において、
酸化物絶縁層と接する領域に選択的にチャネル形成領域を形成することができるので、チ
ャネル長を短くしたまま、薄膜トランジスタの寄生容量を低減することができる。
【0014】
薄膜トランジスタの寄生容量を低減することにより、信号波形のなまりや信号伝達の遅れ
を低減し、リーク電流や消費電力の増加を抑えることができる。また、チャネル長を短く
することにより、薄膜トランジスタの高速動作を実現できる。また、動作速度の速い薄膜
トランジスタを用いることで回路の集積度が向上する。
【0015】
本明細書で開示する本発明の一態様は、絶縁表面上にゲート電極層と、ゲート電極層上に
ゲート絶縁層と、ゲート絶縁層上にソース電極層及びドレイン電極層と、ゲート絶縁層及
びゲート電極層上に酸化物半導体層と、酸化物半導体層上に酸化物絶縁層と、酸化物絶縁
層及び酸化物半導体層上に保護絶縁層とを有し、酸化物半導体層は、ゲート電極層上にチ
ャネル形成領域を有し、ソース電極層及びドレイン電極層は、ゲート電極層と重ならず、
側面部において酸化物半導体層の一部と接し、酸化物絶縁層は、チャネル形成領域におい
て酸化物半導体層と接し、保護絶縁層は、酸化物半導体層の一部と接することを特徴とす
る半導体装置である。
【0016】
上記構成は、上記課題の少なくとも一つを解決する。
【0017】
また、上記構造を実現するための本発明の一態様は、絶縁表面上にゲート電極層を形成し
、ゲート電極層上にゲート絶縁層を形成し、ゲート絶縁層上にゲート電極層と重ならない
ように、ソース電極層及びドレイン電極層を形成し、ゲート絶縁層上にゲート電極層、ソ
ース電極層の一部、及びドレイン電極層の一部と重なる酸化物半導体層を形成し、酸化物
半導体層を脱水化または脱水素化した後、大気に触れることなく、酸化物半導体層への水
や水素の再混入を防ぎ、酸化物半導体層、ソース電極層及びドレイン電極層の上に、酸化
物半導体層の第1の領域で接するように酸化物絶縁層を形成し、酸化物半導体層及び酸化
物絶縁層の上に、酸化物半導体層の第2の領域及び第3の領域で接するように保護絶縁層
を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法である。
【0018】
なお、酸化物絶縁層が酸化物半導体層のチャネル長方向の両端部を覆うように設けられる
ことが好ましい。また、酸化物絶縁層がソース電極層及びドレイン電極層のチャネル長方
向の両端部を覆うように設けられることが好ましい。また、酸化物絶縁層は、酸化シリコ
ン膜、酸化アルミニウム膜または酸化窒化アルミニウム膜であることが好ましい。また、
保護絶縁層は、窒化シリコン膜または窒化アルミニウム膜であることが好ましい。また、
チャネル形成領域のチャネル長方向の幅がゲート電極層のチャネル長方向の幅より小さい
ことが好ましい。
【0019】
また、ソース電極層及びドレイン電極層は、Al、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、Wか
ら選ばれた元素を主成分とする膜、若しくはそれらの合金膜とを組み合わせた積層膜とし
てもよい。また、ソース電極層及びドレイン電極層は、酸化インジウム、酸化インジウム
酸化スズ合金、酸化インジウム酸化亜鉛合金、または酸化亜鉛としてもよい。
【0020】
また、本明細書中で用いる酸化物半導体は、InMO(ZnO)(m>0)で表記さ
れる薄膜を形成し、その薄膜を酸化物半導体層として用いた薄膜トランジスタを作製する
。なお、Mは、Ga、Fe、Ni、Mn及びCoから選ばれた一の金属元素または複数の
金属元素を示す。例えばMとして、Gaの場合があることの他、GaとNiまたはGaと
Feなど、Ga以外の上記金属元素が含まれる場合がある。また、上記酸化物半導体にお
いて、Mとして含まれる金属元素の他に、不純物元素としてFe、Niその他の遷移金属
元素、または該遷移金属の酸化物が含まれているものがある。本明細書においては、In
MO(ZnO)(m>0)で表記される構造の酸化物半導体層のうち、MとしてGa
を含む構造の酸化物半導体をIn−Ga−Zn−O系酸化物半導体とよび、その薄膜をI
n−Ga−Zn−O系非単結晶膜とも呼ぶ。
【0021】
また、酸化物半導体層に適用する金属酸化物として上記の他にも、In−Sn−Zn−O
系、In−Al−Zn−O系、Sn−Ga−Zn−O系、Al−Ga−Zn−O系、Sn
−Al−Zn−O系、In−Zn−O系、Sn−Zn−O系、Al−Zn−O系、In−
O系、Sn−O系、Zn−O系の金属酸化物を適用することができる。また上記金属酸化
物からなる酸化物半導体層に酸化珪素を含ませてもよい。
【0022】
窒素、または希ガス(アルゴン、ヘリウムなど)の不活性気体雰囲気下での加熱処理を行
った場合、酸化物半導体層は加熱処理により酸素欠乏型となって低抵抗化、即ちN型化(
化など)され、その後、酸化物半導体層に接する酸化物絶縁膜の形成を行うことによ
り酸化物半導体層を酸素過剰な状態とすることで高抵抗化、即ちI型化させているとも言
える。これにより、電気特性が良好で信頼性のよい薄膜トランジスタを有する半導体装置
を作製し、提供することが可能となる。
【0023】
上記加熱処理は、窒素、または希ガス(アルゴン、ヘリウムなど)の不活性気体雰囲気下
での400℃以上基板の歪み点未満、好ましくは420℃以上570℃以下の加熱処理を
行う。この加熱処理によって酸化物半導体は脱水化または脱水素化され、酸化物半導体層
の含有水分などの不純物が低減される。
【0024】
上記脱水化または脱水素化のための加熱処理は、脱水化または脱水素化後の酸化物半導体
層に対してTDSで450℃まで測定を行っても水の2つのピーク、少なくとも300℃
付近に現れる1つのピークが検出されない程度の熱処理条件とする。従って、脱水化また
は脱水素化が行われた酸化物半導体層を用いた薄膜トランジスタに対してTDSで450
℃まで測定を行っても、少なくとも300℃付近に現れる水のピークは検出されない。
【0025】
加熱後の冷却は、脱水化または脱水素化を行った同じ炉を用いて酸化物半導体層を大気に
さらさないように冷却し、水または水素を再び混入させないことが重要である。脱水化ま
たは脱水素化を行い、酸化物半導体層を低抵抗化、即ちN型化(Nなど)させた後、高
抵抗化させてI型とした酸化物半導体層を用いて薄膜トランジスタを作製すると、薄膜ト
ランジスタのしきい値電圧値をプラスとすることができ、所謂ノーマリーオフのスイッチ
ング素子を実現できる。薄膜トランジスタのゲート電圧が0Vにできるだけ近い正のしき
い値電圧でチャネルが形成されることが半導体装置(表示装置)には望ましい。なお、薄
膜トランジスタのしきい値電圧値がマイナスであると、ゲート電圧が0Vでもソース電極
とドレイン電極の間に電流が流れる、所謂ノーマリーオンとなりやすい。アクティブマト
リクス型の表示装置においては、回路を構成する薄膜トランジスタの電気特性が重要であ
り、この電気特性が表示装置の性能を左右する。特に、薄膜トランジスタの電気特性のう
ち、しきい値電圧(Vth)が重要である。電界効果移動度が高くともしきい値電圧値が
高い、或いはしきい値電圧値がマイナスであると、回路として制御することが困難である
。しきい値電圧値が高く、しきい値電圧の絶対値が大きい薄膜トランジスタの場合には、
駆動電圧が低い状態ではTFTとしてのスイッチング機能を果たすことができず、負荷と
なる恐れがある。nチャネル型の薄膜トランジスタの場合、ゲート電圧に正の電圧を印加
してはじめてチャネルが形成されて、ドレイン電流が流れ出すトランジスタが望ましい。
駆動電圧を高くしないとチャネルが形成されないトランジスタや、負の電圧状態でもチャ
ネルが形成されてドレイン電流が流れるトランジスタは、回路に用いる薄膜トランジスタ
としては不向きである。
【0026】
また、加熱後の冷却は、昇温時のガスを異なるガスに切り替えてから行ってもよい。例え
ば、脱水化または脱水素化を行った同じ炉で大気に触れさせることなく、炉の中を高純度
の酸素ガスまたはNOガス、超乾燥エア(露点が−40℃以下、好ましくは−60℃以
下)で満たして冷却を行う。
【0027】
脱水化または脱水素化を行う加熱処理によって膜中の含有水分を低減させた後、水分を含
まない雰囲気(露点が−40℃以下、好ましくは−60℃以下)下で徐冷(または冷却)
した酸化物半導体膜を用いて、薄膜トランジスタの電気特性を向上させるとともに、量産
性と高性能の両方を備えた薄膜トランジスタを実現する。
【0028】
本明細書では、窒素、または希ガス(アルゴン、ヘリウムなど)の不活性気体雰囲気下で
の加熱処理を脱水化または脱水素化のための加熱処理と呼ぶ。本明細書では、この加熱処
理によってHとして脱離させていることのみを脱水素化と呼んでいるわけではなく、H
、OHなどを脱離することを含めて脱水化または脱水素化と便宜上呼ぶこととする。
【0029】
窒素、または希ガス(アルゴン、ヘリウムなど)の不活性気体雰囲気下での加熱処理を行
った場合、酸化物半導体層は加熱処理により酸素欠乏型となって低抵抗化、即ちN型化(
化など)する。
【0030】
また、ドレイン電極層と重なる酸素欠乏型である高抵抗ドレイン領域(HRD(High
Resistance Drain)領域とも呼ぶ)が形成される。また、ソース電極
層と重なる酸素欠乏型である高抵抗ソース領域(HRS(High Resistanc
e Source)領域とも呼ぶ)が形成される。
【0031】
具体的には、高抵抗ドレイン領域のキャリア濃度は、1×1018/cm以上の範囲内
であり、少なくともチャネル形成領域のキャリア濃度(1×1018/cm未満)より
も高い領域である。なお、本明細書のキャリア濃度は、室温にてHall効果測定から求
めたキャリア濃度の値を指す。
【0032】
そして、脱水化または脱水素化した酸化物半導体層の少なくとも一部を酸素過剰な状態と
することで、さらに高抵抗化、即ちI型化させてチャネル形成領域を形成する。なお、脱
水化または脱水素化した酸化物半導体層を酸素過剰な状態とする処理としては、脱水化ま
たは脱水素化した酸化物半導体層に接する酸化物絶縁膜のスパッタ法による成膜、または
酸化物絶縁膜成膜後の加熱処理、または酸素を含む雰囲気での加熱処理、または不活性ガ
ス雰囲気下で加熱した後に酸素雰囲気で冷却する処理、超乾燥エア(露点が−40℃以下
、好ましくは−60℃以下)で冷却する処理などによって行う。
【0033】
また、脱水化または脱水素化した酸化物半導体層の少なくとも一部(ゲート電極層と重な
る部分)をチャネル形成領域とするため、選択的に酸素過剰な状態とすることで、高抵抗
化、即ちI型化させることもできる。
【0034】
これにより、電気特性が良好で信頼性のよい薄膜トランジスタを有する半導体装置を作製
し、提供することが可能となる。
【0035】
なお、ドレイン電極層と重畳した酸化物半導体層において高抵抗ドレイン領域を形成する
ことにより、駆動回路を形成した際の信頼性の向上を図ることができる。具体的には、高
抵抗ドレイン領域を形成することで、ドレイン電極層から高抵抗ドレイン領域、チャネル
形成領域にかけて、導電性を段階的に変化させうるような構造とすることができる。その
ため、ドレイン電極層に高電源電位VDDを供給する配線に接続して動作させる場合、ゲ
ート電極層とドレイン電極層との間に高電界が印加されても高抵抗ドレイン領域がバッフ
ァとなり局所的な高電界が印加されず、トランジスタの耐圧を向上させた構成とすること
ができる。
【0036】
また、ドレイン電極層(及びソース電極層)と重畳した酸化物半導体層において高抵抗ド
レイン領域を形成することにより、駆動回路を形成した際のチャネル形成領域でのリーク
電流の低減を図ることができる。具体的には、高抵抗ドレイン領域を形成することで、ド
レイン電極層とソース電極層との間に流れるトランジスタのリーク電流の経路として、ド
レイン電極層、ドレイン電極層側の高抵抗ドレイン領域、チャネル形成領域、ソース電極
層側の高抵抗ソース領域、ソース電極層の順となる。このときチャネル形成領域では、ド
レイン電極層側の低抵抗領域よりチャネル領域に流れるリーク電流を、トランジスタがオ
フ時に高抵抗となるゲート絶縁層とチャネル形成領域の界面近傍に集中させることができ
、バックチャネル部(ゲート電極層から離れているチャネル形成領域の表面の一部)での
リーク電流を低減することができる。
【0037】
また、駆動回路を有する表示装置としては、液晶表示装置の他に、発光素子を用いた発光
表示装置や、電気泳動表示素子を用いた電子ペーパーとも称される表示装置が挙げられる

【0038】
発光素子を用いた発光表示装置においては、画素部に複数の薄膜トランジスタを有し、画
素部においてもある薄膜トランジスタのゲート電極と他のトランジスタのソース配線、或
いはドレイン配線を接続させる箇所を有している。また、発光素子を用いた発光表示装置
の駆動回路においては、薄膜トランジスタのゲート電極とその薄膜トランジスタのソース
配線、或いはドレイン配線を接続させる箇所を有している。
【0039】
また、薄膜トランジスタは静電気などにより破壊されやすいため、ゲート線またはソース
線に対して、画素部の薄膜トランジスタの保護用の保護回路を同一基板上に設けることが
好ましい。保護回路は、酸化物半導体層を用いた非線形素子を用いて構成することが好ま
しい。
【発明の効果】
【0040】
以上に示す構成より、寄生容量を十分に低減し、チャネル長が短く、高速動作を可能とす
る半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一態様を示す平面図及び断面図である。
【図2】本発明の一態様を示す工程断面図である。
【図3】本発明の一態様を示す断面図である。
【図4】本発明の一態様を示す平面図及び断面図である。
【図5】本発明の一態様を示す平面図及び断面図である。
【図6】本発明の一態様を示す断面図である。
【図7】本発明の一態様を示す断面図である。
【図8】半導体装置を説明する図。
【図9】半導体装置を説明する図。
【図10】半導体装置の画素等価回路を説明する図。
【図11】半導体装置を説明する図。
【図12】半導体装置を説明するブロック図。
【図13】信号線駆動回路の構成を説明する図及び動作を説明するタイミングチャート。
【図14】シフトレジスタの構成を示す回路図。
【図15】シフトレジスタの構成を説明する図及び動作を説明するタイミングチャート。
【図16】半導体装置を説明する図。
【図17】半導体装置を説明する図。
【図18】電子書籍の一例を示す外観図。
【図19】テレビジョン装置およびデジタルフォトフレームの例を示す外観図。
【図20】遊技機の例を示す外観図。
【図21】携帯型のコンピュータ及び携帯電話機の一例を示す外観図。
【図22】半導体装置を説明する図。
【図23】半導体装置を説明する図。
【図24】半導体装置を説明する図。
【図25】半導体装置を説明する図。
【図26】半導体装置を説明する図。
【図27】半導体装置を説明する図。
【図28】半導体装置を説明する図。
【図29】半導体装置を説明する図。
【図30】半導体装置を説明する図。
【図31】半導体装置を説明する図。
【図32】半導体装置を説明する図。
【図33】半導体装置を説明する図。
【図34】半導体装置を説明する図。
【図35】半導体装置を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は
以下の説明に限定されず、その形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれ
ば容易に理解される。また、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈さ
れるものではない。なお、本明細書中の図面において、同一部分または同様な機能を有す
る部分には同一の符号を付し、その説明は省略する場合がある。
【0043】
(実施の形態1)
本実施の形態では、半導体装置の構造の一形態について図1を用いて説明する。図1(A
)は、薄膜トランジスタ150の平面図であり、図1(B)は、図1(A)の線A1−A
2における断面図である。薄膜トランジスタ150は、ボトムコンタクト型(逆コプラナ
型とも呼ぶ)と呼ばれるボトムゲート構造の一つである。
【0044】
図1(A)及び図1(B)に示すように、薄膜トランジスタ150は、絶縁表面を有する
基板100上にゲート電極層111と、ゲート電極層111上にゲート絶縁層102と、
ゲート絶縁層102上にソース電極層115a及びドレイン電極層115bと、ゲート絶
縁層102及びゲート電極層111上に酸化物半導体層113と、酸化物半導体層113
上に酸化物絶縁層107と、酸化物絶縁層107及び酸化物半導体層113上に保護絶縁
層108とが設けられている。ここで、ソース電極層115a及びドレイン電極層115
bは、ゲート電極層111と重ならないように設けられ、少なくとも側面部の一部におい
て、酸化物半導体層113の一部と接する。酸化物半導体層113は、ゲート電極層11
1上にチャネル形成領域134aを有する。酸化物絶縁層107aは、チャネル形成領域
134aにおいて、酸化物半導体層113と接する。保護絶縁層108は、酸化物半導体
層113の一部と接する。なお、酸化物絶縁層107のうち、チャネル形成領域134a
で酸化物半導体層113と接する領域を酸化物絶縁層107aとし、その他の領域を酸化
物絶縁層107bとする。
【0045】
このように、ボトムコンタクト型の薄膜トランジスタ150において、ソース電極層11
5a及びドレイン電極層115bをゲート電極層111と重ならないように設けることに
よって、ソース電極層115a及びドレイン電極層115bとゲート電極層111との間
の距離を大きくし、寄生容量の低減を図ることができる。
【0046】
よって、薄膜トランジスタ150において、寄生容量の増大による信号波形のなまりや信
号伝達の遅れを低減し、リーク電流や消費電力の増加を抑えることができる。
【0047】
酸化物絶縁層107aと、ゲート電極層111とがゲート絶縁層102を介して重なる酸
化物半導体層の領域をチャネル形成領域と呼ぶこととする。従って、薄膜トランジスタ1
50のチャネル長Lは、酸化物絶縁層107aのチャネル長方向の幅と等しい。なお、薄
膜トランジスタ150のチャネル長Lは、酸化物絶縁層107aとの界面における長さ、
即ち、図1(B)に示す断面図において酸化物絶縁層107aは台形として示しており、
その台形の底辺の長さである。
【0048】
チャネル形成領域134aは、酸化物半導体層113が酸素過剰な状態となり、高抵抗化
(I型化)された領域であり、キャリア濃度は1×1018/cm未満である。
【0049】
ここで、チャネル形成領域134aのチャネル長方向の幅は、ゲート電極層111のチャ
ネル長方向の幅より小さいことが好ましい。これにより、チャネル長を短くすることがで
きるので、薄膜トランジスタ150の高速動作を実現し、省電力化を図ることができる。
特に駆動回路に薄膜トランジスタ150を形成する場合、速い動作速度を要求されるため
、より好ましい。
【0050】
また図1(A)及び図1(B)に示すように、酸化物半導体層113は、チャネル形成領
域134aを挟むように、高抵抗ソース領域113a及び高抵抗ドレイン領域113bを
有する。高抵抗ソース領域113a及び高抵抗ドレイン領域113bは、酸化物半導体層
113のうち、酸化物絶縁層107と接しない領域、つまり、保護絶縁層108と接する
領域に形成される。また、酸化物半導体層113は、高抵抗ソース領域113aにおいて
ソース電極層115aと、高抵抗ドレイン領域113bにおいて、ドレイン電極層115
bと接する。
【0051】
また、高抵抗ソース領域113a及び高抵抗ドレイン領域113bは、酸化物半導体層1
13が酸素欠乏な状態となり、低抵抗化(N型化、N型化)された領域であり、キャリ
ア濃度は1×1018/cm以上である。
【0052】
酸化物半導体層113に、チャネル形成領域134a、高抵抗ソース領域113a及び高
抵抗ドレイン領域113bを形成することによって、チャネル形成領域134aでのリー
ク電流の低減を図ることができる。
【0053】
また、薄膜トランジスタ150に高抵抗ソース領域113a及び高抵抗ドレイン領域11
3bを設けることによって、高電界が印加されても高抵抗ソース領域113aまたは高抵
抗ドレイン領域113bがバッファとなり局所的な高電界が印加されず、薄膜トランジス
タ150の耐圧を向上させることができる。
【0054】
また、図1(A)及び図1(B)に示すように、酸化物半導体層113は、チャネル長方
向の両端部に第1領域134b、第2領域134cを有している。第1領域134b及び
第2領域134cは、酸化物半導体層113のうち、酸化物絶縁層107bと接する領域
に形成される。第1領域134b及び第2領域134cは、チャネル形成領域134aと
同様に、酸素過剰な状態となり、高抵抗化(I型化)された領域である。これにより、近
くに電位の異なる配線や酸化物半導体層が配置された場合にリーク電流の低減や、寄生容
量の低減を実現できる。特に駆動回路においては、高集積化のため、複数の配線や複数の
酸化物半導体層の間隔を狭めて配置することが好ましく、第1領域134b及び第2領域
134cを設け、リーク電流の低減や、寄生容量の低減を行うことは有効である。
【0055】
また、図1(B)ではチャネル長方向の両端部に第1領域134b、第2領域134cを
形成しているが、これに限られず、酸化物半導体層113の周縁部に第1領域134b、
第2領域134cを形成するような構成としてもよい。
【0056】
なお、酸化物半導体層113は、In−Ga−Zn−O系非単結晶膜、In−Sn−Zn
−O系、In−Al−Zn−O系、Sn−Ga−Zn−O系、Al−Ga−Zn−O系、
Sn−Al−Zn−O系、In−Zn−O系、Sn−Zn−O系、Al−Zn−O系、I
n−O系、Sn−O系、Zn−O系の酸化物半導体膜を用いることができる。また、スパ
ッタ法を用いて成膜する場合、SiOを2重量%以上10重量%以下含むターゲットを
用いて成膜を行い、酸化物半導体膜に結晶化を阻害するSiOx(X>0)を含ませるこ
とにより、結晶化を抑制するのが好ましい。また、酸化物半導体層の膜厚は2nm以上2
00nm以下とするのが好ましい。
【0057】
酸化物半導体は、好ましくはInを含有する酸化物半導体、さらに好ましくは、In、お
よびGaを含有する酸化物半導体である。酸化物半導体層をI型(真性)とするため、脱
水化または脱水素化は有効である。
【0058】
ソース電極層115a及びドレイン電極層115bとしては、金属導電膜を用いることが
できる。金属導電膜の材料としては、Al、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、Wから選ば
れた元素、または上述した元素を成分とする合金か、上述した元素を組み合わせた合金等
を用いるのが好ましい。例えば、チタン層上にアルミニウム層と、該アルミニウム層上に
チタン層が積層された三層の積層構造、またはモリブデン層上にアルミニウム層と、該ア
ルミニウム層上にモリブデン層を積層した三層の積層構造とすることが好ましい。勿論、
金属導電膜として単層、または2層構造、または4層以上の積層構造としてもよい。ソー
ス電極層115a及びドレイン電極層115bとして金属導電膜を用いることにより、配
線の低抵抗化を図ることができる。
【0059】
また、ソース電極層115a及びドレイン電極層115bとしてチタンなどの金属導電膜
を用いることにより、高抵抗ソース領域113a及び高抵抗ドレイン領域113bから酸
素を引き抜き、ソース電極層115a及びドレイン電極層115bと高抵抗ソース領域1
13a及び高抵抗ドレイン領域113bとの界面に、高抵抗ソース領域113a及び高抵
抗ドレイン領域113bよりキャリア濃度の高い領域を形成することもできる。
【0060】
また、ソース電極層115a及びドレイン電極層115bとして、可視光に対して透光性
を有する導電膜を用いることもできる。可視光に対して透光性を有する導電膜の材料とし
ては、例えばIn−Sn−Zn−O系、In−Al−Zn−O系、Sn−Ga−Zn−O
系、Al−Ga−Zn−O系、Sn−Al−Zn−O系、In−Zn−O系、In−Sn
−O系、Sn−Zn−O系、Al−Zn−O系、In−O系、Sn−O系、Zn−O系の
金属酸化物を適用することができ、特に酸化インジウム、酸化インジウム酸化スズ合金、
酸化インジウム酸化亜鉛合金、または酸化亜鉛が好ましい。また、スパッタ法を用いて成
膜する場合、SiOを2重量%以上10重量%以下含むターゲットを用いて成膜を行い
、可視光に対して透光性を有する導電膜に結晶化を阻害するSiOx(X>0)を含ませ
ることにより、結晶化を抑制するのが好ましい。また、膜厚は50nm以上300nm以
下とするのが好ましい。ソース電極層115a及びドレイン電極層115bとして可視光
に対して透光性を有する導電膜を用いることにより、薄膜トランジスタ150を画素部に
用いた場合、開口率を向上させることができる。
【0061】
なお、ソース電極層115a及びドレイン電極層115bに用いる金属導電膜または可視
光に対して透光性を有する導電膜としては、酸化物半導体層113の加工時に選択的に残
存するような材料を用いるのが好ましい。
【0062】
本明細書において、可視光に対して透光性を有する膜とは可視光の透過率が75〜100
%である膜厚を有する膜を指し、その膜が導電性を有する場合は透明の導電膜とも呼ぶ。
また、ゲート電極層、ソース電極層、ドレイン電極層、画素電極層、またはその他の電極
層や、その他の配線層に適用する金属酸化物として、可視光に対して半透明の導電膜を用
いてもよい。可視光に対して半透明とは可視光の透過率が50〜75%であることを指す

【0063】
また、ゲート電極層111についても、ソース電極層115a及びドレイン電極層115
bと同様に、金属導電膜または可視光に対して透光性を有する導電膜を用いることができ
る。
【0064】
酸化物絶縁層107は、少なくとも1nm以上の膜厚とし、酸化珪素膜または酸化アルミ
ニウム膜を用いるのが好ましい。スパッタリング法など、酸化物絶縁膜に水、水素等の不
純物を混入させない方法を適宜用いて形成されたものとする。酸化物絶縁層107を設け
ることによって、酸化物絶縁層107中の酸素が酸化物半導体層113に供給されるので
、選択的に酸化物半導体層113の酸化物絶縁層107aと接する領域にチャネル形成領
域134aを形成することができ、酸化物半導体層113の酸化物絶縁層107bと接す
る領域に、第1領域134b及び第2領域134cを形成することができる。このように
、酸化物絶縁層107aのパターニングによってチャネル形成領域134aのチャネル長
方向の幅を決定できるので、容易にチャネル長を短くすることができる。チャネル長を短
くすることにより、薄膜トランジスタ150の高速動作を実現し、省電力化を図ることが
できる。特に駆動回路に薄膜トランジスタ150を形成する場合、速い動作速度を要求さ
れるため、より好ましい。
【0065】
なお、図1(A)では、酸化物絶縁層107bは、酸化物半導体層113のチャネル長方
向の両端部を覆うように設けられているが、これに限られず、酸化物半導体層113の周
縁部を全て覆うように設けて、酸化物半導体層113の周縁部に第1領域134b、第2
領域134cを形成するような構成としてもよい。
【0066】
また、酸化物絶縁層107bは、ソース電極層115a及びドレイン電極層115bのチ
ャネル長方向の両端部まで覆うように設けられるのが好ましい。これにより、薄膜トラン
ジスタ150を駆動回路などに用いて集積化を行っても、保護絶縁層108上の配線とソ
ース電極層115a及びドレイン電極層115bの間に酸化物絶縁層107b及び保護絶
縁層108が形成されているため、寄生容量やリーク電流の発生を抑えることができる。
【0067】
保護絶縁層108は、水分や、水素イオンや、OHなどの不純物を含まず、これらが外
部から侵入することをブロックする無機絶縁膜を用いる。例えば、窒化珪素膜、窒化アル
ミニウム膜、窒化酸化珪素膜、酸化窒化アルミニウム膜などを用いるのが好ましい。
【0068】
ゲート絶縁層102は、図1(B)に示すように、第1のゲート絶縁層102aと第1の
ゲート絶縁層102a上の第2のゲート絶縁層102bとの積層とするのが好ましい。第
1のゲート絶縁層102aは、膜厚50nm以上200nm以下とするのが好ましく、窒
化珪素膜または窒化酸化珪素膜を用いるのが好ましい。第2のゲート絶縁層102bは、
膜厚50nm以上300nm以下とするのが好ましく、酸化珪素膜または酸化アルミニウ
ム膜を用いるのが好ましい。
【0069】
ただし、ゲート絶縁層の構成は、これに限られる物ではない。図7(A)乃至図7(C)
に図1(B)に示した物とは異なるゲート絶縁層を設けた薄膜トランジスタを示す。なお
、図7(A)乃至図7(C)において、図1(B)と同じ部位については、同じ符号を用
いる。図7(A)に示すように、膜厚50nm以上300nm以下の酸化珪素膜または酸
化アルミニウム膜を用いたゲート絶縁層112単層の構成としてもよい。また、図7(B
)に示すように、膜厚50nm以上200nm以下の窒化珪素膜または窒化酸化珪素膜を
用いたゲート絶縁層122単層の構成としてもよい。このように、ゲート絶縁層を単層で
形成することにより、薄膜トランジスタ150の作製工程の簡略化を図ることできる。
【0070】
また、図7(C)に示すように、膜厚50nm以上300nm以下の酸化珪素膜または酸
化アルミニウム膜を用いた第1のゲート絶縁層132aと、第1のゲート絶縁層132a
上の、膜厚50nm以上200nm以下の窒化珪素膜または窒化酸化珪素膜を用いた第2
のゲート絶縁層132bとの積層したゲート絶縁層132としてもよい。図7(B)また
は図7(C)に示す薄膜トランジスタでは、酸化物半導体層113中に、窒化物からなる
保護絶縁層108と、同じく窒化物からなるゲート絶縁層122または第2のゲート絶縁
層132bとに挟まれる、第3領域113c及び第4領域113dが形成される。酸化物
半導体層の第3領域113cは、チャネル形成領域134aと高抵抗ソース領域113a
との間に形成され、酸化物半導体層113の第4領域113dは、チャネル形成領域13
4aと高抵抗ドレイン領域113bとの間に形成される。第3領域113c及び第4領域
113dはオフ電流の低減を図ることができる。
【0071】
以上のように、ゲート絶縁層102は、膜厚100nm以上500nm以下とし、酸化珪
素膜、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜または酸化アルミニウム膜の単層又
は積層とすることができる。
【0072】
以上に示すように、ボトムゲート型の薄膜トランジスタにおいて、ソース電極層及びドレ
イン電極層がゲート電極層と重ならないように形成し、ソース電極層及びドレイン電極層
とゲート電極層との間の距離を大きくし、且つチャネル長の短いチャネル形成領域を設け
ることにより、寄生容量を十分に低減し、チャネル長が短く、高速動作を可能とする半導
体装置を提供することができる。
【0073】
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成を適宜組み合わせてもちい
ることができることとする。
【0074】
(実施の形態2)
実施の形態1に示した半導体装置の作製方法の一形態について図2(A)乃至図2(E)
を用いて説明する。
【0075】
まず、絶縁表面を有する基板100上に可視光に対して透光性を有する導電膜または金属
導電膜を形成した後、第1のフォトリソグラフィ工程によりゲート電極層111を形成す
る。なお、レジストマスクをインクジェット法で形成してもよい。レジストマスクをイン
クジェット法で形成するとフォトマスクを使用しないため、製造コストを低減できる。
【0076】
絶縁表面を有する基板100に使用することができる基板に大きな制限はないが、少なく
とも、後の加熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有していることが必要となる。例えば、絶
縁表面を有する基板100にはガラス基板を用いることができる。
【0077】
また、ガラス基板としては、後の加熱処理の温度が高い場合には、歪み点が730℃以上
のものを用いると良い。また、ガラス基板には、例えば、アルミノシリケートガラス、ア
ルミノホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラスなどのガラス材料が用いられている
。なお、ホウ酸と比較して酸化バリウム(BaO)を多く含ませることで、より実用的な
耐熱ガラスが得られる。このため、BよりBaOを多く含むガラス基板を用いるこ
とが好ましい。
【0078】
なお、上記のガラス基板に代えて、セラミック基板、石英基板、サファイア基板などの絶
縁体でなる基板を用いても良い。他にも、結晶化ガラスなどを用いることができる。
【0079】
また、下地膜となる絶縁膜を基板100とゲート電極層111の間に設けてもよい。下地
膜は、基板100からの不純物元素の拡散を防止する機能があり、窒化珪素膜、酸化珪素
膜、窒化酸化珪素膜、又は酸化窒化珪素膜から選ばれた一又は複数の膜による積層構造に
より形成することができる。
【0080】
ゲート電極層111の材料は、実施の形態1のソース電極層115a及びドレイン電極層
115bの材料で示した物と同様の物を用いることができる。ゲート電極層111の膜厚
は50nm以上300nm以下の範囲内で適宜選択する。
【0081】
ここで、透光性を有する導電膜を用いる場合、その成膜方法は、スパッタ法や真空蒸着法
(電子ビーム蒸着法など)や、アーク放電イオンプレーティング法や、スプレー法を用い
る。また、スパッタ法を用いる場合、SiOを2重量%以上10重量%以下含むターゲ
ットを用いて成膜を行い、透光性を有する導電膜に結晶化を阻害するSiOx(X>0)
を含ませ、後の工程で行う脱水化または脱水素化のための加熱処理の際に結晶化してしま
うのを抑制することが好ましい。
【0082】
次いで、ゲート電極層111上にゲート絶縁層102を形成する。
【0083】
ゲート絶縁層102は、プラズマCVD法又はスパッタリング法等を用いて、酸化珪素層
、窒化珪素層、酸化窒化珪素層又は窒化酸化珪素層を単層で又は積層して形成することが
できる。例えば、成膜ガスとして、SiH、酸素及び窒素を用いてプラズマCVD法に
より酸化窒化珪素層を形成すればよい。ゲート絶縁層102の膜厚は、100nm以上5
00nm以下とし、積層の場合は、例えば、膜厚50nm以上200nm以下の第1のゲ
ート絶縁層102aと、第1のゲート絶縁層102a上に膜厚5nm以上300nm以下
の第2のゲート絶縁層102bの積層とする。
【0084】
本実施の形態では、プラズマCVD法により、窒化珪素膜である膜厚100nmの第1の
ゲート絶縁層102aと、酸化珪素膜である膜厚100nmの第2のゲート絶縁層102
bとの積層で形成する。
【0085】
次いで、第2のゲート絶縁層102b上に、金属導電膜または可視光に対して透光性を有
する導電膜を形成した後、第2のフォトリソグラフィ工程によりソース電極層115a及
びドレイン電極層115bを形成する(図2(A)参照。)。ここで、ソース電極層11
5a及びドレイン電極層115bは、ゲート電極層111と重ならないようにする。ソー
ス電極層115a及びドレイン電極層115bの材料は、実施の形態1のソース電極層1
15a及びドレイン電極層115bの材料で示した物を用いることができる。
【0086】
ここで、透光性を有する導電膜を用いる場合、その成膜方法は、スパッタ法や真空蒸着法
(電子ビーム蒸着法など)や、アーク放電イオンプレーティング法や、スプレー法を用い
る。ソース電極層115a及びドレイン電極層115bの膜厚は50nm以上300nm
以下の範囲内で適宜選択する。また、スパッタ法を用いる場合、SiOを2重量%以上
10重量%以下含むターゲットを用いて成膜を行い、透光性を有する導電膜に結晶化を阻
害するSiOx(X>0)を含ませ、後の工程で行う脱水化または脱水素化のための加熱
処理の際に結晶化してしまうのを抑制することが好ましい。
【0087】
なお、ソース電極層115a及びドレイン電極層115bを形成するためのレジストマス
クをインクジェット法で形成してもよい。レジストマスクをインクジェット法で形成する
とフォトマスクを使用しないため、製造コストを低減できる。
【0088】
次いで、第2のゲート絶縁層102b、ソース電極層115a及びドレイン電極層115
b上に、膜厚2nm以上200nm以下の酸化物半導体膜130を形成する(図2(B)
参照)。酸化物半導体膜130の形成後に脱水化または脱水素化のための加熱処理を行っ
ても酸化物半導体層を非晶質な状態とするため、膜厚を50nm以下と薄くすることが好
ましい。酸化物半導体層の膜厚を薄くすることで酸化物半導体層の形成後に加熱処理した
場合に、結晶化してしまうのを抑制することができる。
【0089】
なお、酸化物半導体膜130をスパッタ法により成膜する前に、アルゴンガスを導入して
プラズマを発生させる逆スパッタを行い、第2のゲート絶縁層102bの表面に付着して
いる成膜時に発生する粉状物質(パーティクル、ごみともいう)を除去することが好まし
い。逆スパッタとは、アルゴン雰囲気下で基板にRF電源を用いて電圧を印加して基板近
傍にプラズマを形成して表面を改質する方法である。なお、アルゴン雰囲気に代えて窒素
、ヘリウム、酸素などを用いてもよい。
【0090】
酸化物半導体膜130は、In−Ga−Zn−O系非単結晶膜、In−Sn−Zn−O系
、In−Al−Zn−O系、Sn−Ga−Zn−O系、Al−Ga−Zn−O系、Sn−
Al−Zn−O系、In−Zn−O系、Sn−Zn−O系、Al−Zn−O系、In−O
系、Sn−O系、Zn−O系の酸化物半導体膜を用いる。本実施の形態では、In−Ga
−Zn−O系酸化物半導体ターゲットを用いてスパッタ法により成膜する。また、酸化物
半導体膜130は、希ガス(代表的にはアルゴン)雰囲気下、酸素雰囲気下、又は希ガス
(代表的にはアルゴン)及び酸素雰囲気下においてスパッタ法により形成することができ
る。また、スパッタ法を用いる場合、SiOを2重量%以上10重量%以下含むターゲ
ットを用いて成膜を行い、酸化物半導体膜に結晶化を阻害するSiOx(X>0)を含ま
せ、後の工程で行う脱水化または脱水素化のための加熱処理の際に結晶化してしまうのを
抑制することが好ましい。
【0091】
ここでは、In、Ga、及びZnを含む酸化物半導体ターゲット(In:Ga
:ZnO=1:1:1[mol%]、In:Ga:Zn=1:1:0.5[at%])
を用いて、基板とターゲットの間との距離を100mm、圧力0.2Pa、直流(DC)
電源0.5kW、アルゴン及び酸素(アルゴン:酸素=30sccm:20sccm 酸
素流量比率40%)雰囲気下で成膜する。なお、パルス直流(DC)電源を用いると、ご
みが軽減でき、膜厚分布も均一となるために好ましい。In−Ga−Zn−O系非単結晶
膜の膜厚は、5nm〜200nmとする。本実施の形態では、酸化物半導体膜として、I
n−Ga−Zn−O系酸化物半導体ターゲットを用いてスパッタ法により膜厚20nmの
In−Ga−Zn−O系非単結晶膜を成膜する。
【0092】
スパッタ法にはスパッタ用電源に高周波電源を用いるRFスパッタ法と、DCスパッタ法
があり、さらにパルス的にバイアスを与えるパルスDCスパッタ法もある。RFスパッタ
法は主に絶縁膜を成膜する場合に用いられ、DCスパッタ法は主に金属膜を成膜する場合
に用いられる。
【0093】
また、材料の異なるターゲットを複数設置できる多元スパッタ装置もある。多元スパッタ
装置は、同一チャンバーで異なる材料膜を積層成膜することも、同一チャンバーで複数種
類の材料を同時に放電させて成膜することもできる。
【0094】
また、チャンバー内部に磁石機構を備えたマグネトロンスパッタ法を用いるスパッタ装置
や、グロー放電を使わずマイクロ波を用いて発生させたプラズマを用いるECRスパッタ
法を用いるスパッタ装置がある。
【0095】
また、スパッタ法を用いる成膜方法として、成膜中にターゲット物質とスパッタガス成分
とを化学反応させてそれらの化合物薄膜を形成するリアクティブスパッタ法や、成膜中に
基板にも電圧をかけるバイアススパッタ法もある。
【0096】
次いで、酸化物半導体膜130を第3のフォトリソグラフィ工程により島状の酸化物半導
体層に加工する。なお、ソース電極層115a及びドレイン電極層115bと重なる酸化
物半導体層を得るためには、酸化物半導体層のエッチングの際に、ソース電極層115a
及びドレイン電極層115bも除去されないようにそれぞれの材料及びエッチング条件を
適宜調節する。また、島状の酸化物半導体層を形成するためのレジストマスクをインクジ
ェット法で形成してもよい。レジストマスクをインクジェット法で形成するとフォトマス
クを使用しないため、製造コストを低減できる。
【0097】
次いで、酸化物半導体層の脱水化または脱水素化を行う。脱水化または脱水素化を行う第
1の加熱処理の温度は、400℃以上基板の歪み点未満、好ましくは425℃以上基板の
歪み点未満とする。なお、425℃以上であれば熱処理時間は1時間以下でよいが、42
5℃以下であれば加熱処理時間は、1時間よりも長時間行うこととする。ここでは、加熱
処理装置の一つである電気炉に基板を導入し、酸化物半導体層に対して窒素雰囲気下にお
いて加熱処理を行った後、大気に触れることなく、酸化物半導体層への水や水素の再混入
を防ぎ、酸化物半導体層113を得る(図2(C)参照。)。本実施の形態では、酸化物
半導体層113の脱水化または脱水素化を行う加熱温度Tから、再び水が入らないような
十分な温度まで同じ炉を用い、具体的には加熱温度Tよりも100℃以上下がるまで窒素
雰囲気下で徐冷する。また、窒素雰囲気に限定されず、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の
希ガス雰囲気下において脱水化または脱水素化を行う。
【0098】
なお、第1の加熱処理においては、窒素、またはヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガス
に、水、水素などが含まれないことが好ましい。または、加熱処理装置に導入する窒素、
またはヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスの純度を、6N(99.9999%)以上
、好ましくは7N(99.99999%)以上、(即ち不純物濃度を1ppm以下、好ま
しくは0.1ppm以下)とすることが好ましい。
【0099】
また、第1の加熱処理の条件、または酸化物半導体層の材料によっては、結晶化し、微結
晶膜または多結晶膜となる場合もある。
【0100】
また、酸化物半導体層の第1の加熱処理は、島状の酸化物半導体層に加工する前の酸化物
半導体膜130に行うこともできる。その場合には、第1の加熱処理後に、加熱装置から
基板を取り出し、フォトリソグラフィ工程を行う。
【0101】
また、酸化物半導体膜130の成膜前に、不活性ガス雰囲気(窒素、またはヘリウム、ネ
オン、アルゴン等)下、酸素雰囲気下において加熱処理(400℃以上基板の歪み点未満
)を行い、層内に含まれる水素及び水などの不純物を除去した第2のゲート絶縁層102
bとしてもよい。
【0102】
次いで、第2のゲート絶縁層102b、ソース電極層115a、ドレイン電極層115b
及び酸化物半導体層113上に、スパッタ法で酸化物絶縁膜を形成した後、第4のフォト
リソグラフィ工程によりレジストマスクを形成し、選択的にエッチングを行って酸化物絶
縁層107a、107bを形成し、その後レジストマスクを除去する。この段階で、酸化
物半導体層113に、酸化物絶縁層107と接する領域が形成され、酸化物半導体層11
3の該領域のうち、ゲート電極層111とゲート絶縁層102を介して重なり且つ酸化物
絶縁層107aと重なる領域がチャネル形成領域となる。また、酸化物半導体層113の
チャネル長方向の両端部を覆う酸化物絶縁層107bと重なる領域も形成される。また、
酸化物絶縁膜の選択的エッチングの際に酸化物半導体層113の一部の膜厚が薄くなるこ
とがある。
【0103】
酸化物絶縁膜は、少なくとも1nm以上の膜厚とし、スパッタリング法など、酸化物絶縁
膜に水、水素等の不純物を混入させない方法を適宜用いて形成することができる。本実施
の形態では、酸化物絶縁膜として膜厚300nmの酸化珪素膜をスパッタリング法を用い
て成膜する。成膜時の基板温度は、室温以上300℃以下とすればよく、本実施の形態で
は室温とする。酸化珪素膜のスパッタリング法による成膜は、希ガス(代表的にはアルゴ
ン)雰囲気下、酸素雰囲気下、または希ガス(代表的にはアルゴン)及び酸素雰囲気下に
おいて行うことができる。また、ターゲットとして酸化珪素ターゲットまたは珪素ターゲ
ットを用いることができる。例えば、珪素ターゲットを用いて、酸素、及び窒素雰囲気下
でスパッタリング法により酸化珪素膜を形成することができる。酸化物半導体層に接して
形成する酸化物絶縁膜は、水分や、水素イオンや、OHなどの不純物を含まず、これら
が外部から侵入することをブロックする無機絶縁膜を用い、代表的には酸化珪素膜、窒化
酸化珪素膜、酸化アルミニウム膜、または酸化窒化アルミニウム膜などを用いる。
【0104】
次いで、不活性ガス雰囲気下、または窒素ガス雰囲気下で第2の加熱処理(好ましくは2
00℃以上400℃以下、例えば250℃以上350℃以下)を行う(図2(D)参照。
)。例えば、窒素雰囲気下で250℃、1時間の第2の加熱処理を行う。第2の加熱処理
を行うと、酸化物絶縁層107bと重なる酸化物半導体層113のチャネル長方向の両端
部と、酸化物絶縁層107aと重なる酸化物半導体層113の一部が酸化物絶縁層と接し
た状態で加熱される。なお、第2の加熱処理を行うと、酸化物絶縁層107a、107b
と重ならない酸化物半導体層113の一部は露出した状態で加熱される。酸化物半導体層
113が露出している状態で、窒素、または不活性ガス雰囲気下で加熱処理を行うと、酸
化物半導体層113において露出している高抵抗化された(I型化された)領域を低抵抗
化することができる。また、酸化物絶縁層107aは酸化物半導体層113のチャネル形
成領域となる領域上に接して設けられ、チャネル保護層として機能する。
【0105】
図2(D)に示すように、酸化物絶縁層107から酸素が供給されて酸素過剰な状態とな
り、選択的に酸化物半導体層113の酸化物絶縁層107aと接する領域にチャネル形成
領域134aが形成される。同様に、酸化物絶縁層107bと接する領域に第1領域13
4b及び第2領域134cが形成される。また、このとき酸化物半導体層113の露出さ
れた領域に自己整合的に高抵抗ソース領域113a及び高抵抗ドレイン領域113bが形
成される。
【0106】
このように、酸化物絶縁層107aのパターニングによってチャネル形成領域134aの
チャネル長方向の幅を決定できるので、容易にチャネル長を短くすることができる。チャ
ネル長を短くすることにより、薄膜トランジスタ150の高速動作を実現し、省電力化を
図ることができる。特に駆動回路に薄膜トランジスタ150を形成する場合、速い動作速
度を要求されるため、より好ましい。
【0107】
次いで、酸化物絶縁層107a、107b、高抵抗ソース領域113a及び高抵抗ドレイ
ン領域113b上に保護絶縁層108を形成する(図2(E)参照。)。本実施の形態で
は、RFスパッタ法を用いて窒化珪素膜を形成する。RFスパッタ法は、量産性がよいた
め、保護絶縁層108の成膜方法として好ましい。保護絶縁層108は、水分や、水素イ
オンや、OHなどの不純物を含まず、これらが外部から侵入することをブロックする無
機絶縁膜を用い、窒化珪素膜、窒化アルミニウム膜、窒化酸化珪素膜、酸化窒化アルミニ
ウム膜などを用いる。
【0108】
以上の工程より、絶縁表面を有する基板100上にゲート電極層111と、ゲート電極層
111上にゲート絶縁層102と、ゲート絶縁層102上にソース電極層115a及びド
レイン電極層115bと、ゲート絶縁層102及びゲート電極層111上に酸化物半導体
層113と、酸化物半導体層113上に酸化物絶縁層107と、酸化物絶縁層107及び
酸化物半導体層113上に保護絶縁層108とを有する薄膜トランジスタ150を形成す
ることができる。
【0109】
以上の工程より、ボトムゲート型の薄膜トランジスタにおいて、ソース電極層及びドレイ
ン電極層がゲート電極層と重ならないように形成し、ソース電極層及びドレイン電極層と
ゲート電極層との間の距離を大きくし、且つチャネル長の短いチャネル形成領域を設ける
ことにより、寄生容量を十分に低減し、チャネル長が短く、高速動作を可能とする半導体
装置を提供することができる。
【0110】
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成を適宜組み合わせてもちい
ることができることとする。
【0111】
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1に示した薄膜トランジスタを用いて、同一基板上に画素
部と駆動回路を形成し、アクティブマトリクス型の液晶表示装置を作製する一例を示す。
【0112】
アクティブマトリクス基板の断面構造の一例を図3に示す。
【0113】
本実施の形態では、画素部の薄膜トランジスタ、駆動回路の薄膜トランジスタ、保持容量
、ゲート配線、ソース配線の端子部を図示して説明する。容量、ゲート配線、ソース配線
の端子部は、保護絶縁層203の成膜までは、実施の形態2に示す作製工程と同じ工程で
形成することができ、フォトマスク枚数の増加や、工程数の増加することなく作製するこ
とができる。また、画素部の表示領域となる部分においては、ゲート配線、ソース配線、
及び容量配線層は全て透光性を有する導電膜で形成されており、高い開口率を実現してい
る。
【0114】
図3において、画素電極層227と電気的に接続する薄膜トランジスタ220は、画素部
に設けられるボトムコンタクト型の薄膜トランジスタであり、本実施の形態では、実施の
形態1に示す薄膜トランジスタ150と同じ構造を用いる。薄膜トランジスタ220は、
絶縁表面を有する基板200上に、ゲート電極層211、第1のゲート絶縁層202a、
第2のゲート絶縁層202b、少なくともチャネル形成領域213a、高抵抗ソース領域
214a、及び高抵抗ドレイン領域214bを有する酸化物半導体層、ソース電極層21
5a、及びドレイン電極層215bを含む。また、チャネル形成領域213aに接する酸
化物絶縁層216aが設けられている。ただし、ゲート電極層211、ソース電極層21
5a及びドレイン電極層215bについては透光性を有する導電膜で形成されているもの
とする。
【0115】
ここで、ソース電極層215a及びドレイン電極層215bは、ゲート電極層211と重
ならないように形成されており、ソース電極層215a及びドレイン電極層215bとゲ
ート電極層211との間の距離が大きくなるので、寄生容量やリーク電流の低減を図るこ
とができる。
【0116】
また、酸化物絶縁層216bと重なる酸化物半導体層の第1領域213b、第2領域21
3cは、チャネル形成領域213aと同じ酸素過剰な状態であり、リーク電流の低減や、
寄生容量を低減する機能も果たしている。
【0117】
画素部の薄膜トランジスタ、駆動回路の薄膜トランジスタ、保持容量の上を覆うように保
護絶縁層203が設けられている。保護絶縁層203は、無機絶縁膜を用い、窒化珪素膜
、窒化アルミニウム膜、窒化酸化珪素膜、酸化窒化アルミニウムなどを用いる。本実施の
形態では窒化珪素膜を用いる。
【0118】
保護絶縁層203上には平坦化絶縁層204が設けられる。平坦化絶縁層204としては
、ポリイミド、アクリル、ベンゾシクロブテン、ポリアミド、エポキシ等の、耐熱性を有
する有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−
k材料)、シロキサン系樹脂、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)等
を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで
、平坦化絶縁層204を形成してもよい。本実施の形態においては、平坦化絶縁層204
として感光性の樹脂材料を用いて、レジストマスクを形成する工程を省略する。
【0119】
なおシロキサン系樹脂とは、シロキサン系材料を出発材料として形成されたSi−O−S
i結合を含む樹脂に相当する。シロキサン系樹脂は置換基としては有機基(例えばアルキ
ル基やアリール基)やフルオロ基を用いても良い。また、有機基はフルオロ基を有してい
ても良い。
【0120】
平坦化絶縁層204の形成法は、特に限定されず、その材料に応じて、スパッタ法、SO
G法、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法、スクリ
ーン印刷、オフセット印刷等)、ドクターナイフ、ロールコーター、カーテンコーター、
ナイフコーター等を用いることができる。
【0121】
画素部の薄膜トランジスタ、保持容量と重なる平坦化絶縁層204上に画素電極層227
が設けられる。画素電極層227は透光性を有する導電膜で設けられている。透光性を有
する導電膜の材料としては、酸化インジウム(In)や酸化インジウム酸化スズ合
金(In―SnO、ITOと略記する)などをスパッタ法や真空蒸着法などを用
いて形成する。透光性を有する導電膜の他の材料として、窒素を含ませたAl−Zn−O
系非単結晶膜、即ちAl−Zn−O−N系非単結晶膜や、窒素を含ませたZn−O−N系
非単結晶膜や、窒素を含ませたSn−Zn−O−N系非単結晶膜を用いてもよい。なお、
Al−Zn−O−N系非単結晶膜の亜鉛の組成比(原子%)は、47原子%以下とし、非
単結晶膜中のアルミニウムの組成比(原子%)より大きく、非単結晶膜中のアルミニウム
の組成比(原子%)は、非単結晶膜中の窒素の組成比(原子%)より大きい。このような
材料のエッチング処理は塩酸系の溶液により行う。しかし、特にITOのエッチングは残
渣が発生しやすいので、エッチング加工性を改善するために酸化インジウム酸化亜鉛合金
(In―ZnO)を用いても良い。
【0122】
なお、透光性を有する導電膜の組成比の単位は原子%とし、電子線マイクロアナライザー
(EPMA:Electron Probe X−ray MicroAnalyzer
)を用いた分析により評価するものとする。
【0123】
なお、画素電極層227とドレイン電極層215bの接続を行うためのコンタクトホール
は、感光性樹脂からなる平坦化絶縁層204に孔をフォトリソグラフィ工程を用いて形成
し、保護絶縁層203及び酸化物絶縁層216bの孔から露出した部分をエッチングして
形成する。平坦化絶縁層204上にレジストマスクを形成する場合は、平坦化絶縁層20
4もエッチングする。このとき、レジストマスクをインクジェット法で形成してもよい。
レジストマスクをインクジェット法で形成するとフォトマスクを使用しないため、製造コ
ストを低減できる。また、酸化物絶縁層216a、216bを形成する際に、酸化物絶縁
層216bのコンタクトホールに対応する位置にエッチングを行っておいてもよい。
【0124】
さらに、透光性を有する導電膜の形成後にフォトリソグラフィ工程を行い、レジストマス
クを形成し、エッチングにより不要な部分を除去して画素電極層227を形成する。なお
、実施の形態2に示す薄膜トランジスタの作製方法から合わせて、6枚のフォトマスクで
画素電極層まで形成することができる。
【0125】
次に、薄膜トランジスタ220のゲート電極層211と同じ透光性を有する材料、及び同
じ工程で形成される容量配線層230は、誘電体となる第1のゲート絶縁層202a及び
第2のゲート絶縁層202bを介して容量電極231と重なり、保持容量を形成する。な
お、容量電極231は、薄膜トランジスタ220のソース電極層215aまたはドレイン
電極層215bと同じ透光性を有する材料、及び同じ工程で形成される。従って、薄膜ト
ランジスタ220が透光性を有していることに加え、それぞれの保持容量も透光性を有す
るため、表示装置の開口率を向上させることができる。
【0126】
保持容量が透光性を有することは、開口率を向上させる上で重要である。特に10インチ
以下の小型の液晶表示パネルにおいて、ゲート配線の本数を増やすなどして表示画像の高
精細化を図るため、画素寸法を微細化しても、高い開口率を実現することができる。また
、薄膜トランジスタ220及び保持容量の構成部材に透光性を有する膜を用いることで、
広視野角を実現するため、1画素を複数のサブピクセルに分割しても高い開口率を実現す
ることができる。即ち、高密度の薄膜トランジスタ群を配置しても開口率を大きくとるこ
とができ、表示領域の面積を十分に確保することができる。例えば、一つの画素内に2〜
4個のサブピクセル及び保持容量を有する場合、薄膜トランジスタが透光性を有している
ことに加え、それぞれの保持容量も透光性を有するため、開口率を向上させることができ
る。
【0127】
なお、保持容量は、画素電極層227の下方に設けられ、容量電極231が画素電極層2
27と電気的に接続される。
【0128】
図3では、容量電極231、及び容量配線層230を用いて保持容量を形成する例を示し
たが、保持容量を形成する構造については特に限定されない。例えば、容量配線層を設け
ず、画素電極層を隣り合う画素のゲート配線と平坦化絶縁層、保護絶縁層、及びゲート絶
縁層を介して重ねて保持容量を形成してもよい。
【0129】
また、例えば、図6(A)及び図6(B)に示すような構成の保持容量としても良い。図
6(A)は、図3と保持容量の構成が異なる点以外は同じであるため、同じ箇所には同じ
符号を用い、同じ箇所の詳細な説明は省略する。なお、図6(A)では画素部の薄膜トラ
ンジスタ220と保持容量の断面構造を示す。
【0130】
図6(A)は、誘電体を酸化物絶縁層236、保護絶縁層203、及び平坦化絶縁層20
4とし、画素電極層227と、該画素電極層227と重なる容量配線層250とで保持容
量を形成する例である。容量配線層250は、画素部の薄膜トランジスタ220のソース
電極層と同じ透光性を有する材料、及び同じ工程で形成されるため、薄膜トランジスタ2
20のソース配線層と重ならないようにレイアウトされる。
【0131】
図6(A)に示す保持容量は、一対の電極及び誘電体が透光性を有しており、保持容量全
体として透光性を有する。
【0132】
また、図6(B)は、図6(A)と異なる保持容量の構成の例である。図6(B)も、図
3と保持容量の構成が異なる点以外は同じであるため、同じ箇所には同じ符号を用い、同
じ箇所の詳細な説明は省略する。
【0133】
図6(B)は、誘電体を第1のゲート絶縁層202a及び第2のゲート絶縁層202bと
し、容量配線層230と、該容量配線層230と重なる酸化物半導体層252と容量電極
231との積層で保持容量を形成する例である。また、酸化物半導体層252は容量電極
231上に接して積層されており、保持容量の一方の電極として機能する。なお、酸化物
半導体層252は、薄膜トランジスタ220の酸化物半導体層と同じ透光性を有する材料
、同じ工程で形成する。また、容量電極231は、薄膜トランジスタ220のソース電極
層またはドレイン電極層と同じ透光性を有する材料、同じ工程で形成する。また、容量配
線層230は、薄膜トランジスタ220のゲート電極層と同じ透光性を有する材料、同じ
工程で形成されるため、薄膜トランジスタ220のゲート配線層と重ならないようにレイ
アウトされる。
【0134】
また、容量電極231は画素電極層227と電気的に接続されている。
【0135】
図6(B)に示す保持容量も、一対の電極及び誘電体が透光性を有しており、保持容量全
体として透光性を有する。
【0136】
図6(A)及び図6(B)に示す保持容量は、透光性を有しており、ゲート配線の本数を
増やすなどして表示画像の高精細化を図るため、画素寸法を微細化しても、十分な容量を
得ることができ、且つ、高い開口率を実現することができる。
【0137】
また、薄膜トランジスタ270は、駆動回路に設けられるボトムコンタクト型の薄膜トラ
ンジスタであり、薄膜トランジスタ220に比べチャネル長Lを短くして、動作速度を高
速化したものである。駆動回路に設けられるボトムコンタクト型の薄膜トランジスタのチ
ャネル長Lは、0.1μm以上2μm以下とすることが好ましい。
【0138】
薄膜トランジスタ270は、絶縁表面を有する基板200上に、ゲート電極層271、第
1のゲート絶縁層202a、第2のゲート絶縁層202b、少なくともチャネル形成領域
273a、高抵抗ソース領域274a、及び高抵抗ドレイン領域274bを有する酸化物
半導体層、ソース電極層275a、及びドレイン電極層275bを含む。また、チャネル
形成領域273aに接する酸化物絶縁層276aが設けられている。酸化物絶縁層276
aのパターニングによってチャネル形成領域273aのチャネル長方向の幅を決定できる
ので、容易にチャネル長を短くすることができる。チャネル長を短くすることにより、薄
膜トランジスタ270の高速動作を実現し、省電力化を図ることができる。特に駆動回路
に設けられる薄膜トランジスタ270は速い動作速度を要求される駆動回路に用いられる
ので、チャネル長を短くするのが好ましい。
【0139】
ここで、ソース電極層275a及びドレイン電極層275bは、ゲート電極層271と重
ならないように形成されており、ソース電極層275a及びドレイン電極層275bとゲ
ート電極層271との間の距離が大きくなるので、寄生容量やリーク電流の低減を図るこ
とができる。
【0140】
また、酸化物絶縁層276bと重なる酸化物半導体層の第1領域273b、第2領域27
3cは、チャネル形成領域273aと同じ酸素過剰な状態であり、リーク電流の低減や、
寄生容量を低減する機能も果たしている。
【0141】
また、薄膜トランジスタ270は、ゲート電極層271のチャネル長方向の幅が薄膜トラ
ンジスタ220のゲート電極層211のチャネル長方向の幅よりも広い構造となっている
。このような構成とすることにより、ゲート電極層271に、画素部の薄膜トランジスタ
220のゲート電極層211より大きな電流を流すことができる。
【0142】
また、液晶表示パネルのサイズが10インチを超え、60インチ、さらには120インチ
とする場合には透光性を有する配線の配線抵抗が問題となる恐れがあるため、配線の一部
を金属配線として配線抵抗を低減することが好ましい。例えば、ソース電極層275a、
及びドレイン電極層275bをTiなどの金属導電膜からなる配線とする。金属配線を形
成するため、実施の形態1に比べ、フォトマスクの数は1枚増える。
【0143】
ソース電極層275a及びドレイン電極層275bとしてチタンなどの金属導電膜を用い
ることにより、高抵抗ソース領域274a及び高抵抗ドレイン領域274bから酸素を引
き抜き、ソース電極層275a及びドレイン電極層275bと高抵抗ソース領域274a
及び高抵抗ドレイン領域274bとの界面に、高抵抗ソース領域274a及び高抵抗ドレ
イン領域274bよりキャリア濃度の高い領域を形成することもできる。
【0144】
また、駆動回路の薄膜トランジスタ270は、酸化物半導体層の上方に導電層277を設
ける4端子型のトランジスタとしてもよい。また、駆動回路の薄膜トランジスタ270の
ゲート電極層271は、酸化物半導体層の上方に設けられた導電層277と電気的に接続
させる構造としてもよい。その場合には、薄膜トランジスタ220のドレイン電極層21
5bと、画素電極層227とを電気的に接続するためのコンタクトホールと同様に、平坦
化絶縁層204、保護絶縁層203、酸化物絶縁層276b、第1のゲート絶縁層202
a及び第2のゲート絶縁層202bを選択的にエッチングしてコンタクトホールを形成す
る。このコンタクトホールを介して導電層277と駆動回路の薄膜トランジスタ270の
ゲート電極層271とを電気的に接続する。
【0145】
また、ゲート配線、ソース配線、及び容量配線層は画素密度に応じて複数本設けられるも
のである。また、端子部においては、ゲート配線と同電位の第1の端子電極、ソース配線
と同電位の第2の端子電極、容量配線層と同電位の第3の端子電極などが複数並べられて
配置される。それぞれの端子電極の数は、それぞれ任意な数で設ければ良いものとし、実
施者が適宣決定すれば良い。
【0146】
本実施の形態では、平坦化絶縁層204として感光性の樹脂材料を用い、レジストマスク
を形成する工程を省略する。従って、レジストマスクを用いることなく、平坦化絶縁層2
04が端子部で存在しない構成とすることができる。
【0147】
端子部において、ゲート配線と同電位の第1の端子電極は、画素電極層227と同じ透光
性を有する材料で形成することができる。第1の端子電極は、ゲート配線に達するコンタ
クトホールを介してゲート配線と電気的に接続される。ゲート配線に達するコンタクトホ
ールは、薄膜トランジスタ220のドレイン電極層215bと、画素電極層227とを電
気的に接続するためのコンタクトホールと同様に、保護絶縁層203、酸化物絶縁層27
6b、第1のゲート絶縁層202a及び第2のゲート絶縁層202bを選択的にエッチン
グして形成する。
【0148】
また、端子部のソース配線256と同電位の第2の端子電極257は、画素電極層227
と同じ透光性を有する材料で形成することができる。第2の端子電極257は、ソース配
線256に達するコンタクトホールを介してソース配線と電気的に接続される。ソース配
線は金属配線であり、薄膜トランジスタ270のソース電極層275aと同じ材料、同じ
工程で形成され、同電位である。
【0149】
また、容量配線層230と同電位の第3の端子電極は、画素電極層227と同じ透光性を
有する材料で形成することができる。また、容量配線層230に達するコンタクトホール
は、容量電極231が画素電極層227と電気的に接続するためのコンタクトホールと同
じフォトマスク、同じ工程で形成することができる。
【0150】
また、アクティブマトリクス型の液晶表示装置を作製する場合には、アクティブマトリク
ス基板と、対向電極が設けられた対向基板との間に液晶層を設け、アクティブマトリクス
基板と対向基板とを固定する。なお、対向基板に設けられた対向電極と電気的に接続する
共通電極をアクティブマトリクス基板上に設け、共通電極と電気的に接続する第4の端子
電極を端子部に設ける。この第4の端子電極は、共通電極を固定電位、例えばGND、0
Vなどに設定するための端子である。第4の端子電極は、画素電極層227と同じ透光性
を有する材料で形成することができる。
【0151】
また、薄膜トランジスタは静電気などにより破壊されやすいため、画素部または駆動回路
と同一基板上に保護回路を設けることが好ましい。保護回路は、酸化物半導体層を用いた
非線形素子を用いて構成することが好ましい。例えば、保護回路は画素部と、走査線入力
端子及び信号線入力端子との間に配設されている。本実施の形態では複数の保護回路を配
設して、走査線、信号線及び容量バス線に静電気等によりサージ電圧が印加され、画素ト
ランジスタなどが破壊されないように構成されている。そのため、保護回路にはサージ電
圧が印加されたときに、共通配線などに電荷を逃がすように構成する。また、保護回路は
、走査線に対して並列に配置された非線形素子によって構成されている。非線形素子は、
ダイオードのような二端子素子又はトランジスタのような三端子素子で構成される。例え
ば、画素部の薄膜トランジスタ220と同じ工程で形成することも可能であり、例えばゲ
ート端子とドレイン端子を接続することによりダイオードと同様の特性を持たせることが
できる。
【0152】
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成を適宜組み合わせてもちい
ることができることとする。
【0153】
(実施の形態4)
また、本実施の形態では、薄膜トランジスタと同一基板上に設けられる端子部の構成の一
例を示す。なお、実施の形態3ではソース配線の端子部の一例を示したが、本実施の形態
では実施の形態3とは異なる構成のソース配線の端子部と、ゲート配線の端子部を図示す
る。なお、図4において、図3と同じ箇所には同じ符号を用いて説明する。
【0154】
図4(A1)、図4(A2)は、ゲート配線端子部の断面図及び上面図をそれぞれ図示し
ている。図4(A1)は図4(A2)中のC1−C2線に沿った断面図に相当する。図4
(A1)において、保護絶縁層203上に形成される透明導電層225は、入力端子とし
て機能する接続用の端子電極である。また、図4(A1)において、端子部では、ゲート
配線と同じ材料で形成される第1の端子221と、ソース配線と同じ材料で形成される接
続電極層223とが第1のゲート絶縁層202a、第2のゲート絶縁層202bを介して
重なり、透明導電層225で導通させられている。また、第1の端子221は、図3に示
す構成とする場合には金属配線材料を用いることができる。
【0155】
また、図4(B1)、及び図4(B2)は、図3に示すソース配線端子部とは異なるソー
ス配線端子部の断面図及び上面図をそれぞれ図示している。また、図4(B1)は図4(
B2)中のC3−C4線に沿った断面図に相当する。図4(B1)において、酸化物絶縁
層266上に形成される透明導電層225は、入力端子として機能する接続用の端子電極
である。また、図4(B1)において、端子部では、ゲート配線と同じ材料で形成される
電極層226が、ソース配線と電気的に接続される第2の端子222の下方に第1のゲー
ト絶縁層202a、第2のゲート絶縁層202bを介して重なる。電極層226は第2の
端子222とは電気的に接続しておらず、電極層226を第2の端子222と異なる電位
、例えばフローティング、GND、0Vなどに設定すれば、ノイズ対策のための容量また
は静電気対策のための容量を形成することができる。また、第2の端子222は、保護絶
縁層203および酸化物絶縁層266に形成されたコンタクトホールを介して透明導電層
225と電気的に接続している。また、第2の端子222は、図3に示す構成とする場合
には金属配線材料を用いることができる。
【0156】
ゲート配線、ソース配線、及び容量配線は画素密度に応じて複数本設けられるものである
。また、端子部においては、ゲート配線と同電位の第1の端子、ソース配線と同電位の第
2の端子、容量配線と同電位の第3の端子などが複数並べられて配置される。それぞれの
端子の数は、それぞれ任意な数で設ければ良いものとし、実施者が適宣決定すれば良い。
【0157】
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成を適宜組み合わせてもちい
ることができることとする。
【0158】
(実施の形態5)
ここでは、第1の基板と第2の基板の間に液晶層を封入する液晶表示装置において、第2
の基板に設けられた対向電極と電気的に接続するための共通接続部を第1の基板上に形成
する例を示す。なお、第1の基板にはスイッチング素子として薄膜トランジスタが形成さ
れており、共通接続部の作製工程を画素部のスイッチング素子の作製工程と共通化させる
ことで工程を複雑にすることなく形成する。
【0159】
共通接続部は、第1の基板と第2の基板とを接着するためのシール材と重なる位置に配置
され、シール材に含まれる導電性粒子を介して対向電極と電気的な接続が行われる。或い
は、シール材と重ならない箇所(ただし画素部を除く)に共通接続部を設け、共通接続部
に重なるように導電性粒子を含むペーストをシール材とは別途設けて、対向電極と電気的
な接続が行われる。
【0160】
図5(A)は薄膜トランジスタと共通接続部とを同一基板上に作製する半導体装置の断面
構造図を示す図である。
【0161】
図5(A)において、画素電極層227と電気的に接続する薄膜トランジスタ220は、
画素部に設けられるボトムコンタクト型の薄膜トランジスタであり、本実施の形態では、
実施の形態1の薄膜トランジスタ150と同じ構造を用いる。
【0162】
また、図5(B)は共通接続部の上面図の一例を示す図であり、図中の鎖線C5−C6が
図5(A)の共通接続部の断面に相当する。なお、図5(B)において図5(A)と同一
の部分には同じ符号を用いて説明する。
【0163】
共通電位線205は、ゲート絶縁層202b上に設けられ、薄膜トランジスタ220のソ
ース電極層及びドレイン電極層と同じ材料及び同じ工程で作製される。
【0164】
また、共通電位線205は、酸化物絶縁層266、保護絶縁層203で覆われ、保護絶縁
層203、酸化物絶縁層266は、共通電位線205と重なる位置に複数の開口部を有し
ている。この開口部は、薄膜トランジスタ220のドレイン電極層と画素電極層227と
を接続するコンタクトホールと同じ工程で作製される。
【0165】
なお、ここでは面積サイズが大きく異なるため、画素部におけるコンタクトホールと、共
通接続部の開口部とを使い分けて呼ぶこととする。また、図5(A)では、画素部と共通
接続部とで同じ縮尺で図示しておらず、例えば共通接続部の鎖線C5−C6の長さが50
0μm程度であるのに対して、薄膜トランジスタの幅は50μm未満であり、実際には1
0倍以上面積サイズが大きいが、分かりやすくするため、図5(A)に画素部と共通接続
部の縮尺をそれぞれ変えて図示している。
【0166】
また、共通電極層206は、共通電位線205、保護絶縁層203、酸化物絶縁層266
上に設けられ、画素部の画素電極層227と同じ材料及び同じ工程で作製される。
【0167】
このように、画素部のスイッチング素子の作製工程と共通させて共通接続部の作製工程を
行う。
【0168】
そして画素部と共通接続部が設けられた第1の基板と、対向電極を有する第2の基板とを
シール材を用いて固定する。
【0169】
シール材に導電性粒子を含ませる場合は、シール材と共通接続部が重なるように一対の基
板の位置合わせが行われる。例えば、小型の液晶パネルにおいては、画素部の対角などに
2個の共通接続部がシール材と重ねて配置される。また、大型の液晶パネルにおいては、
4個以上の共通接続部がシール材と重ねて配置される。
【0170】
なお、共通電極層206は、シール材に含まれる導電性粒子と接触する電極であり、第2
の基板の対向電極と電気的に接続が行われる。
【0171】
液晶注入法を用いる場合は、シール材で一対の基板を固定した後、液晶を一対の基板間に
注入する。また、液晶滴下法を用いる場合は、第2の基板或いは第1の基板上にシール材
を描画し、液晶を滴下させた後、減圧下で一対の基板を貼り合わせる。
【0172】
なお、本実施の形態では、対向電極と電気的に接続する共通接続部の例を示したが、特に
限定されず、他の配線と接続する接続部や、外部接続端子などと接続する接続部に用いる
ことができる。
【0173】
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成を適宜組み合わせてもちい
ることができることとする。
【0174】
(実施の形態6)
本実施の形態では、同一基板上に少なくとも駆動回路の一部と、画素部に配置する薄膜ト
ランジスタを作製する例について以下に説明する。
【0175】
画素部に配置する薄膜トランジスタは、実施の形態1乃至実施の形態5に従って形成する
。また、実施の形態1乃至実施の形態5に示す薄膜トランジスタはnチャネル型TFTで
あるため、駆動回路のうち、nチャネル型TFTで構成することができる駆動回路の一部
を画素部の薄膜トランジスタと同一基板上に形成する。
【0176】
アクティブマトリクス型表示装置のブロック図の一例を図12(A)に示す。表示装置の
基板5300上には、画素部5301、第1の走査線駆動回路5302、第2の走査線駆
動回路5303、信号線駆動回路5304を有する。画素部5301には、複数の信号線
が信号線駆動回路5304から延伸して配置され、複数の走査線が第1の走査線駆動回路
5302、及び第2の走査線駆動回路5303から延伸して配置されている。なお走査線
と信号線との交差領域には、各々、表示素子を有する画素がマトリクス状に配置されてい
る。また、表示装置の基板5300はFPC(Flexible Printed Ci
rcuit)等の接続部を介して、タイミング制御回路5305(コントローラ、制御I
Cともいう)に接続されている。
【0177】
図12(A)では、第1の走査線駆動回路5302、第2の走査線駆動回路5303、信
号線駆動回路5304は、画素部5301と同じ基板5300上に形成される。そのため
、外部に設ける駆動回路等の部品の数が減るので、コストの低減を図ることができる。ま
た、基板5300外部に駆動回路を設けた場合の配線を延伸させることによる接続部での
接続数を減らすことができ、信頼性の向上、又は歩留まりの向上を図ることができる。
【0178】
なお、タイミング制御回路5305は、第1の走査線駆動回路5302に対し、一例とし
て、第1の走査線駆動回路用スタート信号(GSP1)、走査線駆動回路用クロック信号
(GCLK1)を供給する。また、タイミング制御回路5305は、第2の走査線駆動回
路5303に対し、一例として、第2の走査線駆動回路用スタート信号(GSP2)(ス
タートパルスともいう)、走査線駆動回路用クロック信号(GCLK2)を供給する。信
号線駆動回路5304に、信号線駆動回路用スタート信号(SSP)、信号線駆動回路用
クロック信号(SCLK)、ビデオ信号用データ(DATA)(単にビデオ信号ともいう
)、ラッチ信号(LAT)を供給するものとする。なお各クロック信号は、周期のずれた
複数のクロック信号でもよいし、クロック信号を反転させた信号(CLKB)とともに供
給されるものであってもよい。なお、第1の走査線駆動回路5302と第2の走査線駆動
回路5303との一方を省略することが可能である。
【0179】
図12(B)では、駆動周波数が低い回路(例えば、第1の走査線駆動回路5302、第
2の走査線駆動回路5303)を画素部5301と同じ基板5300に形成し、信号線駆
動回路5304を画素部5301とは別の基板に形成する構成について示している。当該
構成により、単結晶半導体を用いたトランジスタと比較すると電界効果移動度が小さい薄
膜トランジスタによって、基板5300に形成する駆動回路を構成することができる。し
たがって、表示装置の大型化、コストの低減、又は歩留まりの向上などを図ることができ
る。
【0180】
また、実施の形態1乃至実施の形態5に示す薄膜トランジスタは、nチャネル型TFTで
ある。図13(A)、図13(B)ではnチャネル型TFTで構成する信号線駆動回路の
構成、動作について一例を示し説明する。
【0181】
信号線駆動回路は、シフトレジスタ5601、及びスイッチング回路5602を有する。
スイッチング回路5602は、スイッチング回路5602_1〜5602_N(Nは自然
数)という複数の回路を有する。スイッチング回路5602_1〜5602_Nは、各々
、薄膜トランジスタ5603_1〜5603_k(kは自然数)という複数のトランジス
タを有する。薄膜トランジスタ5603_1〜5603_kが、Nチャネル型TFTであ
る例を説明する。
【0182】
信号線駆動回路の接続関係について、スイッチング回路5602_1を例にして説明する
。薄膜トランジスタ5603_1〜5603_kの第1端子は、各々、配線5604_1
〜5604_kと接続される。薄膜トランジスタ5603_1〜5603_kの第2端子
は、各々、信号線S1〜Skと接続される。薄膜トランジスタ5603_1〜5603_
kのゲートは、配線5605_1と接続される。
【0183】
シフトレジスタ5601は、配線5605_1〜5605_Nに順番にHレベル(H信号
、高電源電位レベル、ともいう)の信号を出力し、スイッチング回路5602_1〜56
02_Nを順番に選択する機能を有する。
【0184】
スイッチング回路5602_1は、配線5604_1〜5604_kと信号線S1〜Sk
との導通状態(第1端子と第2端子との間の導通)に制御する機能、即ち配線5604_
1〜5604_kの電位を信号線S1〜Skを供給するか否かを制御する機能を有する。
このように、スイッチング回路5602_1は、セレクタとしての機能を有する。また薄
膜トランジスタ5603_1〜5603_kは、各々、配線5604_1〜5604_k
と信号線S1〜Skとの導通状態を制御する機能、即ち配線5604_1〜5604_k
の電位を信号線S1〜Skに供給する機能を有する。このように、薄膜トランジスタ56
03_1〜5603_kは、各々、スイッチとしての機能を有する。
【0185】
なお、配線5604_1〜5604_kには、各々、ビデオ信号用データ(DATA)が
入力される。ビデオ信号用データ(DATA)は、画像情報又は画像信号に応じたアナロ
グ信号である場合が多い。
【0186】
次に、図13(A)の信号線駆動回路の動作について、図13(B)のタイミングチャー
トを参照して説明する。図13(B)には、信号Sout_1〜Sout_N、及び信号
Vdata_1〜Vdata_kの一例を示す。信号Sout_1〜Sout_Nは、各
々、シフトレジスタ5601の出力信号の一例であり、信号Vdata_1〜Vdata
_kは、各々、配線5604_1〜5604_kに入力される信号の一例である。なお、
信号線駆動回路の1動作期間は、表示装置における1ゲート選択期間に対応する。1ゲー
ト選択期間は、一例として、期間T1〜期間TNに分割される。期間T1〜TNは、各々
、選択された行に属する画素にビデオ信号用データ(DATA)を書き込むための期間で
ある。
【0187】
なお、本実施の形態の図面等において示す各構成の、信号波形のなまり等は、明瞭化のた
めに誇張して表記している場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されないも
のであることを付記する。
【0188】
期間T1〜期間TNにおいて、シフトレジスタ5601は、Hレベルの信号を配線560
5_1〜5605_Nに順番に出力する。例えば、期間T1において、シフトレジスタ5
601は、ハイレベルの信号を配線5605_1に出力する。すると、薄膜トランジスタ
5603_1〜5603_kはオンになるので、配線5604_1〜5604_kと、信
号線S1〜Skとが導通状態になる。このとき、配線5604_1〜5604_kには、
Data(S1)〜Data(Sk)が入力される。Data(S1)〜Data(Sk
)は、各々、薄膜トランジスタ5603_1〜5603_kを介して、選択される行に属
する画素のうち、1列目〜k列目の画素に書き込まれる。こうして、期間T1〜TNにお
いて、選択された行に属する画素に、k列ずつ順番にビデオ信号用データ(DATA)が
書き込まれる。
【0189】
以上のように、ビデオ信号用データ(DATA)が複数の列ずつ画素に書き込まれること
によって、ビデオ信号用データ(DATA)の数、又は配線の数を減らすことができる。
よって、外部回路との接続数を減らすことができる。また、ビデオ信号用データ(DAT
A)が複数の列ずつ画素に書き込まれることによって、書き込み時間を長くすることがで
き、ビデオ信号用データ(DATA)の書き込み不足を防止することができる。
【0190】
なお、シフトレジスタ5601及びスイッチング回路5602としては、実施の形態1乃
至実施の形態5に示す薄膜トランジスタで構成される回路を用いることが可能である。こ
の場合、シフトレジスタ5601が有する全てのトランジスタの極性をNチャネル型、又
はPチャネル型のいずれかの極性のみで構成することができる。
【0191】
走査線駆動回路及び/または信号線駆動回路の一部に用いるシフトレジスタの一形態につ
いて図14及び図15を用いて説明する。
【0192】
走査線駆動回路は、シフトレジスタを有している。また場合によってはレベルシフタやバ
ッファ等を有していても良い。走査線駆動回路において、シフトレジスタにクロック信号
(CLK)及びスタートパルス信号(SP)が入力されることによって、選択信号が生成
される。生成された選択信号はバッファにおいて緩衝増幅され、対応する走査線に供給さ
れる。走査線には、1ライン分の画素のトランジスタのゲート電極が接続されている。そ
して、1ライン分の画素のトランジスタを一斉にONにしなくてはならないので、バッフ
ァは大きな電流を流すことが可能なものが用いられる。
【0193】
シフトレジスタは、第1のパルス出力回路10_1乃至第Nのパルス出力回路10_N(
Nは3以上の自然数)を有している(図14(A)参照)。図14(A)に示すシフトレ
ジスタの第1のパルス出力回路10_1乃至第Nのパルス出力回路10_Nには、第1の
配線11より第1のクロック信号CK1、第2の配線12より第2のクロック信号CK2
、第3の配線13より第3のクロック信号CK3、第4の配線14より第4のクロック信
号CK4が供給される。また第1のパルス出力回路10_1では、第5の配線15からの
スタートパルスSP1(第1のスタートパルス)が入力される。また2段目以降の第nの
パルス出力回路10_n(nは、2以上N以下の自然数)では、一段前段のパルス出力回
路からの信号(前段信号OUT(n−1)という)(nは2以上N以下のの自然数)が入
力される。また第1のパルス出力回路10_1では、2段後段の第3のパルス出力回路1
0_3からの信号が入力される。同様に、または2段目以降の第nのパルス出力回路10
_nでは、2段後段の第(n+2)のパルス出力回路10_(n+2)からの信号(後段
信号OUT(n+2)という)が入力される。従って、また各段のパルス出力回路からは
、後段及び/または二つ前段のパルス出力回路に入力するための第1の出力信号(OUT
(1)(SR)〜OUT(N)(SR))、別の回路等に電気的に入力される第2の出力
信号(OUT(1)〜OUT(N))が出力される。なお、図14(A)に示すように、
シフトレジスタの最終段の2つの段には、後段信号OUT(n+2)が入力されないため
、一例としては、別途第2のスタートパルスSP2、第3のスタートパルスSP3をそれ
ぞれ入力する構成とすればよい。
【0194】
なお、クロック信号(CK)は、一定の間隔でHレベルとLレベル(L信号、低電源電位
レベル、ともいう)を繰り返す信号である。ここで、第1のクロック信号(CK1)〜第
4のクロック信号(CK4)は、順に1/4周期分遅延している。本実施の形態では、第
1のクロック信号(CK1)〜第4のクロック信号(CK4)を利用して、パルス出力回
路の駆動の制御等を行う。なお、クロック信号は、入力される駆動回路に応じて、GCK
、SCKということもあるが、ここではCKとして説明を行う。
【0195】
第1の入力端子21、第2の入力端子22及び第3の入力端子23は、第1の配線11〜
第4の配線14のいずれかと電気的に接続されている。例えば、図14(A)において、
第1のパルス出力回路10_1は、第1の入力端子21が第1の配線11と電気的に接続
され、第2の入力端子22が第2の配線12と電気的に接続され、第3の入力端子23が
第3の配線13と電気的に接続されている。また、第2のパルス出力回路10_2は、第
1の入力端子21が第2の配線12と電気的に接続され、第2の入力端子22が第3の配
線13と電気的に接続され、第3の入力端子23が第4の配線14と電気的に接続されて
いる。
【0196】
第1のパルス出力回路10_1〜第Nのパルス出力回路10_Nの各々は、第1の入力端
子21、第2の入力端子22、第3の入力端子23、第4の入力端子24、第5の入力端
子25、第1の出力端子26、第2の出力端子27を有しているとする(図14(B)参
照)。第1のパルス出力回路10_1において、第1の入力端子21に第1のクロック信
号CK1が入力され、第2の入力端子22に第2のクロック信号CK2が入力され、第3
の入力端子23に第3のクロック信号CK3が入力され、第4の入力端子24にスタート
パルスが入力され、第5の入力端子25に後段信号OUT(3)が入力され、第1の出力
端子26より第1の出力信号OUT(1)(SR)が出力され、第2の出力端子27より
第2の出力信号OUT(1)が出力されていることとなる。
【0197】
なお第1のパルス出力回路10_1〜第Nのパルス出力回路10_Nは、3端子の薄膜ト
ランジスタ(TFT:Thin Film Transistorともいう)の他に、上
記実施の形態で説明した4端子の薄膜トランジスタを用いることができる。図14(C)
に上記実施の形態で説明した4端子の薄膜トランジスタ28のシンボルについて示す。図
14(C)に示す薄膜トランジスタ28のシンボルは、上記実施の形態1で説明した4端
子の薄膜トランジスタを意味し、図面等で以下用いることとする。なお、本明細書におい
て、薄膜トランジスタが半導体層を介して二つのゲート電極を有する場合、半導体層より
下方のゲート電極を下方のゲート電極、半導体層に対して上方のゲート電極を上方のゲー
ト電極とも呼ぶ。薄膜トランジスタ28は、下方のゲート電極に入力される第1の制御信
号G1及び上方のゲート電極に入力される第2の制御信号G2によって、In端子とOu
t端子間の電気的な制御を行うことのできる素子である。
【0198】
酸化物半導体を薄膜トランジスタのチャネル形成領域を含む半導体層に用いた場合、製造
工程により、しきい値電圧がマイナス側、或いはプラス側にシフトすることがある。その
ため、チャネル形成領域を含む半導体層に酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタでは、
しきい値電圧の制御を行うことのできる構成が好適である。図14(C)に示す薄膜トラ
ンジスタ28のしきい値電圧は、薄膜トランジスタ28のチャネル形成領域の上下にゲー
ト絶縁膜を介してゲート電極を設け、上方及び/または下方のゲート電極の電位を制御す
ることにより所望の値に制御することができる。
【0199】
次に、図14(B)に示したパルス出力回路の具体的な回路構成の一例について、図14
(D)で説明する。
【0200】
図14(D)に示すパルス出力回路は、第1のトランジスタ31〜第13のトランジスタ
43を有している。また、上述した第1の入力端子21〜第5の入力端子25、及び第1
の出力端子26、第2の出力端子27に加え、第1の高電源電位VDDが供給される電源
線51、第2の高電源電位VCCが供給される電源線52、低電源電位VSSが供給され
る電源線53から、第1のトランジスタ31〜第13のトランジスタ43に信号、または
電源電位が供給される。ここで、図14(D)における各電源線の電源電位の大小関係は
、第1の電源電位VDDは第2の電源電位VCC以上の電位とし、第2の電源電位VCC
は第3の電源電位VSSより大きい電位とする。なお、第1のクロック信号(CK1)〜
第4のクロック信号(CK4)は、一定の間隔でHレベルとLレベルを繰り返す信号であ
るが、HレベルのときVDD、LレベルのときVSSであるとする。なお電源線51の電
位VDDを、電源線52の第2の電源電位VCCより高くすることにより、動作に影響を
与えることなく、トランジスタのゲート電極に印加される電位を低く抑えることができ、
トランジスタのしきい値のシフトを低減し、劣化を抑制することができる。なお、図14
(D)に図示するように、第1のトランジスタ31〜第13のトランジスタ43のうち、
第1のトランジスタ31、第6のトランジスタ36乃至第9のトランジスタ39には、図
14(C)で示した4端子の薄膜トランジスタ28を用いることが好ましい。第1のトラ
ンジスタ31、第6のトランジスタ36乃至第9のトランジスタ39は、ソースまたはド
レインとなる電極の一方が接続されたノードの電位を、ゲート電極の制御信号によって切
り替えることが求められるトランジスタであり、ゲート電極に入力される制御信号に対す
る応答が速い(オン電流の立ち上がりが急峻)ことでよりパルス出力回路の誤動作を低減
することができるトランジスタである。そのため、図14(C)で示した4端子の薄膜ト
ランジスタ28を用いることによりしきい値電圧を制御することができ、誤動作がより低
減できるパルス出力回路とすることができる。なお図14(D)では第1の制御信号G1
及び第2の制御信号G2が同じ制御信号としたが、異なる制御信号が入力される構成とし
てもよい。
【0201】
図14(D)において第1のトランジスタ31は、第1端子が電源線51に電気的に接続
され、第2端子が第9のトランジスタ39の第1端子に電気的に接続され、ゲート電極(
下方のゲート電極及び上方のゲート電極)が第4の入力端子24に電気的に接続されてい
る。第2のトランジスタ32は、第1端子が電源線53に電気的に接続され、第2端子が
第9のトランジスタ39の第1端子に電気的に接続され、ゲート電極が第4のトランジス
タ34のゲート電極に電気的に接続されている。第3のトランジスタ33は、第1端子が
第1の入力端子21に電気的に接続され、第2端子が第1の出力端子26に電気的に接続
されている。第4のトランジスタ34は、第1端子が電源線53に電気的に接続され、第
2端子が第1の出力端子26に電気的に接続されている。第5のトランジスタ35は、第
1端子が電源線53に電気的に接続され、第2端子が第2のトランジスタ32のゲート電
極及び第4のトランジスタ34のゲート電極に電気的に接続され、ゲート電極が第4の入
力端子24に電気的に接続されている。第6のトランジスタ36は、第1端子が電源線5
2に電気的に接続され、第2端子が第2のトランジスタ32のゲート電極及び第4のトラ
ンジスタ34のゲート電極に電気的に接続され、ゲート電極(下方のゲート電極及び上方
のゲート電極)が第5の入力端子25に電気的に接続されている。第7のトランジスタ3
7は、第1端子が電源線52に電気的に接続され、第2端子が第8のトランジスタ38の
第2端子に電気的に接続され、ゲート電極(下方のゲート電極及び上方のゲート電極)が
第3の入力端子23に電気的に接続されている。第8のトランジスタ38は、第1端子が
第2のトランジスタ32のゲート電極及び第4のトランジスタ34のゲート電極に電気的
に接続され、ゲート電極(下方のゲート電極及び上方のゲート電極)が第2の入力端子2
2に電気的に接続されている。第9のトランジスタ39は、第1端子が第1のトランジス
タ31の第2端子及び第2のトランジスタ32の第2端子に電気的に接続され、第2端子
が第3のトランジスタ33のゲート電極及び第10のトランジスタ40のゲート電極に電
気的に接続され、ゲート電極(下方のゲート電極及び上方のゲート電極)が電源線52に
電気的に接続されている。第10のトランジスタ40は、第1端子が第1の入力端子21
に電気的に接続され、第2端子が第2の出力端子27に電気的に接続され、ゲート電極が
第9のトランジスタ39の第2端子に電気的に接続されている。第11のトランジスタ4
1は、第1端子が電源線53に電気的に接続され、第2端子が第2の出力端子27に電気
的に接続され、ゲート電極が第2のトランジスタ32のゲート電極及び第4のトランジス
タ34のゲート電極に電気的に接続されている。第12のトランジスタ42は、第1端子
が電源線53に電気的に接続され、第2端子が第2の出力端子27に電気的に接続され、
ゲート電極が第7のトランジスタ37のゲート電極(下方のゲート電極及び上方のゲート
電極)に電気的に接続されている。第13のトランジスタ43は、第1端子が電源線53
に電気的に接続され、第2端子が第1の出力端子26に電気的に接続され、ゲート電極が
第7のトランジスタ37のゲート電極(下方のゲート電極及び上方のゲート電極)に電気
的に接続されている。
【0202】
図14(D)において、第3のトランジスタ33のゲート電極、第10のトランジスタ4
0のゲート電極、及び第9のトランジスタ39の第2端子の接続箇所をノードAとする。
また、第2のトランジスタ32のゲート電極、第4のトランジスタ34のゲート電極、第
5のトランジスタ35の第2端子、第6のトランジスタ36の第2端子、第8のトランジ
スタ38の第1端子、及び第11のトランジスタ41のゲート電極の接続箇所をノードB
とする。
【0203】
図15(A)に、図14(D)で説明したパルス出力回路を第1のパルス出力回路10_
1に適用した場合に、第1の入力端子21乃至第5の入力端子25と第1の出力端子26
及び第2の出力端子27に入力または出力される信号を示している。
【0204】
具体的には、第1の入力端子21に第1のクロック信号CK1が入力され、第2の入力端
子22に第2のクロック信号CK2が入力され、第3の入力端子23に第3のクロック信
号CK3が入力され、第4の入力端子24にスタートパルスが入力され、第5の入力端子
25に後段信号OUT(3)が入力され、第1の出力端子26より第1の出力信号OUT
(1)(SR)が出力され、第2の出力端子27より第2の出力信号OUT(1)が出力
される。
【0205】
なお、薄膜トランジスタとは、ゲートと、ドレインと、ソースとを含む少なくとも三つの
端子を有する素子である。また、ゲートと重畳した領域にチャネル領域が形成される半導
体を有しており、ゲートの電位を制御することで、チャネル領域を介してドレインとソー
スの間に流れる電流を制御することが出来る。ここで、ソースとドレインとは、薄膜トラ
ンジスタの構造や動作条件等によって変わるため、いずれがソースまたはドレインである
かを限定することが困難である。そこで、ソース及びドレインとして機能する領域を、ソ
ースもしくはドレインと呼ばない場合がある。その場合、一例としては、それぞれを第1
端子、第2端子と表記する場合がある。
【0206】
なお図14(D)、図15(A)において、ノードAを浮遊状態とすることによりブート
ストラップ動作を行うための、容量素子を別途設けても良い。またノードBの電位を保持
するため、一方の電極をノードBに電気的に接続した容量素子を別途設けてもよい。
【0207】
ここで、図15(A)に示したパルス出力回路を複数具備するシフトレジスタのタイミン
グチャートについて図15(B)に示す。なおシフトレジスタが走査線駆動回路である場
合、図15(B)中の期間61は垂直帰線期間であり、期間62はゲート選択期間に相当
する。
【0208】
なお、図15(A)に示すように、ゲートに第2の電源電位VCCが印加される第9のト
ランジスタ39を設けておくことにより、ブートストラップ動作の前後において、以下の
ような利点がある。
【0209】
ゲート電極に第2の電源電位VCCが印加される第9のトランジスタ39がない場合、ブ
ートストラップ動作によりノードAの電位が上昇すると、第1のトランジスタ31の第2
端子であるソースの電位が上昇していき、第1の電源電位VDDより大きくなる。そして
、第1のトランジスタ31のソースが第1端子側、即ち電源線51側に切り替わる。その
ため、第1のトランジスタ31においては、ゲートとソースの間、ゲートとドレインの間
ともに、大きなバイアス電圧が印加されるために大きなストレスがかかり、トランジスタ
の劣化の要因となりうる。そこで、ゲート電極に第2の電源電位VCCが印加される第9
のトランジスタ39を設けておくことにより、ブートストラップ動作によりノードAの電
位は上昇するものの、第1のトランジスタ31の第2端子の電位の上昇を生じないように
することができる。つまり、第9のトランジスタ39を設けることにより、第1のトラン
ジスタ31のゲートとソースの間に印加される負のバイアス電圧の値を小さくすることが
できる。よって、本実施の形態の回路構成とすることにより、第1のトランジスタ31の
ゲートとソースの間に印加される負のバイアス電圧も小さくできるため、ストレスによる
第1のトランジスタ31の劣化を抑制することができる。
【0210】
なお、第9のトランジスタ39を設ける箇所については、第1のトランジスタ31の第2
端子と第3のトランジスタ33のゲートとの間に第1端子と第2端子を介して接続される
ように設ける構成であればよい。なお、本実施形態でのパルス出力回路を複数具備するシ
フトレジスタの場合、走査線駆動回路より段数の多い信号線駆動回路では、第9のトラン
ジスタ39を省略してもよく、トランジスタ数を削減する利点がある。
【0211】
なお第1のトランジスタ31乃至第13のトランジスタ43の半導体層として、酸化物半
導体を用いることにより、薄膜トランジスタのオフ電流を低減し、オン電流及び電界効果
移動度を高めることが出来ると共に、劣化の度合いを低減することが出来るため、回路内
の誤動作を低減することができる。また酸化物半導体を用いたトランジスタは、アモルフ
ァスシリコンを用いたトランジスタに比べ、ゲート電極に高電位が印加されることによる
トランジスタの劣化の程度が小さい。そのため、第2の電源電位VCCを供給する電源線
に、第1の電源電位VDDを供給しても同様の動作が得られ、且つ回路間を引き回す電源
線の数を低減することができるため、回路の小型化を図ることが出来る。
【0212】
なお、第7のトランジスタ37のゲート電極(下方のゲート電極及び上方のゲート電極)
に第3の入力端子23によって供給されるクロック信号、第8のトランジスタ38のゲー
ト電極(下方のゲート電極及び上方のゲート電極)に第2の入力端子22によって供給さ
れるクロック信号は、第7のトランジスタ37のゲート電極(下方のゲート電極及び上方
のゲート電極)に第2の入力端子22によって供給されるクロック信号、第8のトランジ
スタ38のゲート電極(下方のゲート電極及び上方のゲート電極)に第3の入力端子23
によって供給されるクロック信号となるように、結線関係を入れ替えても同様の作用を奏
する。なお、図15(A)に示すシフトレジスタにおいて、第7のトランジスタ37及び
第8のトランジスタ38が共にオンの状態から、第7のトランジスタ37がオフ、第8の
トランジスタ38がオンの状態、次いで第7のトランジスタ37がオフ、第8のトランジ
スタ38がオフの状態とすることによって、第2の入力端子22及び第3の入力端子23
の電位が低下することで生じる、ノードBの電位の低下が第7のトランジスタ37のゲー
ト電極の電位の低下、及び第8のトランジスタ38のゲート電極の電位の低下に起因して
2回生じることとなる。一方、図15(A)に示すシフトレジスタにおいて、第7のトラ
ンジスタ37及び第8のトランジスタ38が共にオンの状態から、第7のトランジスタ3
7がオン、第8のトランジスタ38がオフの状態、次いで、第7のトランジスタ37がオ
フ、第8のトランジスタ38がオフの状態とすることによって、第2の入力端子22及び
第3の入力端子23の電位が低下することで生じるノードBの電位の低下を、第8のトラ
ンジスタ38のゲート電極の電位の低下による一回に低減することができる。そのため、
第7のトランジスタ37のゲート電極(下方のゲート電極及び上方のゲート電極)に第3
の入力端子からクロック信号CK3が供給さ、第8のトランジスタ38のゲート電極(下
方のゲート電極及び上方のゲート電極)に第2の入力端子22からクロック信号CK2が
供給される結線関係とすることが好適である。なぜなら、ノードBの電位の変動回数が低
減され、ノイズを低減することが出来るからである。
【0213】
このように、第1の出力端子26及び第2の出力端子27の電位をLレベルに保持する期
間に、ノードBに定期的にHレベルの信号が供給される構成とすることにより、パルス出
力回路の誤動作を抑制することができる。
【0214】
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成を適宜組み合わせてもちい
ることができることとする。
【0215】
(実施の形態7)
薄膜トランジスタを作製し、該薄膜トランジスタを画素部、さらには駆動回路に用いて表
示機能を有する半導体装置(表示装置ともいう)を作製することができる。また、薄膜ト
ランジスタを有する駆動回路の一部または全体を、画素部と同じ基板上に一体形成し、シ
ステムオンパネルを形成することができる。
【0216】
表示装置は表示素子を含む。表示素子としては液晶素子(液晶表示素子ともいう)、発光
素子(発光表示素子ともいう)を用いることができる。発光素子は、電流または電圧によ
って輝度が制御される素子をその範疇に含んでおり、具体的には無機EL(Electr
o Luminescence)素子、有機EL素子等が含まれる。また、電子インクな
ど、電気的作用によりコントラストが変化する表示媒体も適用することができる。
【0217】
また、表示装置は、表示素子が封止された状態にあるパネルと、該パネルにコントローラ
を含むIC等を実装した状態にあるモジュールとを含む。さらに、該表示装置を作製する
過程における、表示素子が完成する前の一形態に相当する素子基板に関し、該素子基板は
、電流を表示素子に供給するための手段を複数の各画素に備える。素子基板は、具体的に
は、表示素子の画素電極のみが形成された状態であっても良いし、画素電極となる導電膜
を成膜した後であって、エッチングして画素電極を形成する前の状態であっても良いし、
あらゆる形態があてはまる。
【0218】
なお、本明細書中における表示装置とは、画像表示デバイス、表示デバイス、もしくは光
源(照明装置含む)を指す。また、コネクター、例えばFPC(Flexible pr
inted circuit)もしくはTAB(Tape Automated Bon
ding)テープもしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り
付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモジュ
ール、または表示素子にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回
路)が直接実装されたモジュールも全て表示装置に含むものとする。
【0219】
半導体装置の一形態に相当する液晶表示パネルの外観及び断面について、図8を用いて説
明する。図8は、薄膜トランジスタ4010、4011、及び液晶素子4013を、第1
の基板4001と第2の基板4006との間にシール材4005によって封止した、パネ
ルの平面図であり、図8(B)は、図8(A1)(A2)のM−Nにおける断面図に相当
する。
【0220】
第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、走査線駆動回路4004とを囲む
ようにして、シール材4005が設けられている。また画素部4002と、走査線駆動回
路4004の上に第2の基板4006が設けられている。よって画素部4002と、走査
線駆動回路4004とは、第1の基板4001とシール材4005と第2の基板4006
とによって、液晶層4008と共に封止されている。また第1の基板4001上のシール
材4005によって囲まれている領域とは異なる領域に、別途用意された基板上に単結晶
半導体膜又は多結晶半導体膜で形成された信号線駆動回路4003が実装されている。
【0221】
なお、別途形成した駆動回路の接続方法は、特に限定されるものではなく、COG方法、
ワイヤボンディング方法、或いはTAB方法などを用いることができる。図8(A1)は
、COG方法により信号線駆動回路4003を実装する例であり、図8(A2)は、TA
B方法により信号線駆動回路4003を実装する例である。
【0222】
また第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、走査線駆動回路4004は、
薄膜トランジスタを複数有しており、図8(B)では、画素部4002に含まれる薄膜ト
ランジスタ4010と、走査線駆動回路4004に含まれる薄膜トランジスタ4011と
を例示している。薄膜トランジスタ4010、4011上には絶縁層4041a、404
1b、4042a、4042b、4020、4021が設けられている。
【0223】
薄膜トランジスタ4010、4011は、実施の形態1乃至実施の形態5で示した酸化物
半導体層を含む信頼性の高い薄膜トランジスタを適用することができる。駆動回路用の薄
膜トランジスタ4011としては、実施の形態3で示した薄膜トランジスタ270、画素
用の薄膜トランジスタ4010としては、薄膜トランジスタ220を用いることが好まし
い。本実施の形態において、薄膜トランジスタ4010、4011はnチャネル型薄膜ト
ランジスタである。
【0224】
絶縁層4021上において、駆動回路用の薄膜トランジスタ4011の酸化物半導体層の
チャネル形成領域と重なる位置に導電層4040が設けられている。導電層4040を酸
化物半導体層のチャネル形成領域と重なる位置に設けることによって、BT試験前後にお
ける薄膜トランジスタ4011のしきい値電圧の変化量を低減することができる。また、
導電層4040は、電位が薄膜トランジスタ4011のゲート電極層と同じでもよいし、
異なっていても良く、第2のゲート電極層として機能させることもできる。また、導電層
4040の電位がGND、0V、或いはフローティング状態であってもよい。
【0225】
また、液晶素子4013が有する画素電極層4030は、薄膜トランジスタ4010と電
気的に接続されている。そして液晶素子4013の対向電極層4031は第2の基板40
06上に形成されている。画素電極層4030と対向電極層4031と液晶層4008と
が重なっている部分が、液晶素子4013に相当する。なお、画素電極層4030、対向
電極層4031はそれぞれ配向膜として機能する絶縁層4032、4033が設けられ、
絶縁層4032、4033を介して液晶層4008を挟持している。
【0226】
なお、第1の基板4001、第2の基板4006としては、透光性基板を用いることがで
き、ガラス、セラミックス、プラスチックを用いることができる。プラスチックとしては
、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)板、PV
F(ポリビニルフルオライド)フィルム、ポリエステルフィルムまたはアクリル樹脂フィ
ルムを用いることができる。
【0227】
またスペーサ4035は絶縁膜を選択的にエッチングすることで得られる柱状のスペーサ
であり、画素電極層4030と対向電極層4031との間の距離(セルギャップ)を制御
するために設けられている。なお球状のスペーサを用いていても良い。また、対向電極層
4031は、薄膜トランジスタ4010と同一基板上に設けられる共通電位線と電気的に
接続される。共通接続部を用いて、一対の基板間に配置される導電性粒子を介して対向電
極層4031と共通電位線とを電気的に接続することができる。なお、導電性粒子はシー
ル材4005に含有させる。
【0228】
また、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つで
あり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直
前に発現する相である。ブルー相は比較的狭い温度範囲内で発現するため、温度範囲を改
善するために5重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を用いて液晶層4008
に用いる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が1mse
c以下と短く、光学的等方性であるため配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい。
【0229】
なお透過型液晶表示装置の他に、半透過型液晶表示装置でも適用できる。
【0230】
また、液晶表示装置では、基板の外側(視認側)に偏光板を設け、内側に着色層(カラー
フィルター)、表示素子に用いる電極層という順に設ける例を示すが、偏光板は基板の内
側に設けてもよい。また、偏光板と着色層の積層構造も本実施の形態に限定されず、偏光
板及び着色層の材料や作製工程条件によって適宜設定すればよい。また、表示部以外にブ
ラックマトリクスとして機能する遮光膜を設けてもよい。
【0231】
薄膜トランジスタ4011は、チャネル保護層として機能する絶縁層4041aと、酸化
物半導体層の積層の周縁部(側面を含む)を覆う絶縁層4041bとが形成されている。
同様に薄膜トランジスタ4010は、チャネル保護層として機能する絶縁層4042aと
、酸化物半導体層の積層の周縁部(側面を含む)を覆う絶縁層4042bとが形成されて
いる。
【0232】
酸化物半導体層の積層の周縁部(側面を含む)を覆う酸化物絶縁層である絶縁層4041
b、4042bは、ゲート電極層と、その上方または周辺に形成される配線層(ソース配
線層や容量配線層など)との距離を大きくし、寄生容量の低減を図ることができる。絶縁
層4041a、4041b、4042a、4042bは実施の形態1乃至実施の形態5で
示した酸化物絶縁層107a、107bと同様な材料及び方法で形成すればよい。また、
薄膜トランジスタの表面凹凸を低減するため平坦化絶縁膜として機能する絶縁層4021
で覆う構成となっている。ここでは、絶縁層4041a、4041b、4042a、40
42bとして、実施の形態2を用いてスパッタ法により酸化珪素膜を形成する。
【0233】
また、絶縁層4041a、4041b、4042a、4042b上に絶縁層4020が形
成されている。絶縁層4020は実施の形態3で示した保護絶縁層203と同様な材料及
び方法で形成すればよい。ここでは、絶縁層4020として、RFスパッタ法またはPC
VD法により窒化珪素膜を形成する。
【0234】
また、平坦化絶縁膜として絶縁層4021を形成する。絶縁層4021としては、実施の
形態3で示した平坦化絶縁層204と同様な材料及び方法で形成すればよく、ポリイミド
、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂等の、耐熱性を
有する有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low
−k材料)、シロキサン系樹脂、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)
等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させること
で、絶縁層4021を形成してもよい。
【0235】
本実施の形態では、画素部の複数の薄膜トランジスタをまとめて窒化物絶縁膜で囲む構成
としてもよい。絶縁層4020とゲート絶縁層とに窒化物絶縁膜を用いて、少なくともア
クティブマトリクス基板の画素部の周縁を囲むように絶縁層4020とゲート絶縁層とが
接する領域を設ける構成とすればよい。このような構成とすることにより、外部からの水
分の侵入を防ぐことができる。また、半導体装置、例えば表示装置としてデバイスが完成
した後にも長期的に、外部からの水分の侵入を防ぐことができデバイスの長期信頼性を向
上することができる。
【0236】
なおシロキサン系樹脂とは、シロキサン系材料を出発材料として形成されたSi−O−S
i結合を含む樹脂に相当する。シロキサン系樹脂は置換基としては有機基(例えばアルキ
ル基やアリール基)を用いても良い。また、有機基はフルオロ基を有していても良い。
【0237】
絶縁層4021の形成法は、特に限定されず、その材料に応じて、スパッタ法、SOG法
、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法、スクリーン
印刷、オフセット印刷等)等の方法や、ドクターナイフ、ロールコーター、カーテンコー
ター、ナイフコーター等の器具を用いることができる。絶縁層4021の焼成工程と半導
体層のアニールを兼ねることで効率よく半導体装置を作製することが可能となる。
【0238】
画素電極層4030、対向電極層4031は、酸化タングステンを含むインジウム酸化物
、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、
酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物(以下、ITOと示す。)、
インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する
導電性材料を用いることができる。
【0239】
また、画素電極層4030、対向電極層4031として、導電性高分子(導電性ポリマー
ともいう)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。導電性組成物を用いて形
成した画素電極は、シート抵抗が10000Ω/□以下、波長550nmにおける透光率
が70%以上であることが好ましい。また、導電性組成物に含まれる導電性高分子の抵抗
率が0.1Ω・cm以下であることが好ましい。
【0240】
導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子を用いることができる。例え
ば、ポリアニリンまたはその誘導体、ポリピロールまたはその誘導体、ポリチオフェンま
たはその誘導体、若しくはこれらの2種以上の共重合体などがあげられる。
【0241】
また別途形成された信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004または画素部4
002に与えられる各種信号及び電位は、FPC4018から供給されている。
【0242】
接続端子電極4015が、液晶素子4013が有する画素電極層4030と同じ導電膜か
ら形成され、端子電極4016は、薄膜トランジスタ4011のソース電極層及びドレイ
ン電極層と同じ導電膜で形成されている。
【0243】
接続端子電極4015は、FPC4018が有する端子と、異方性導電膜4019を介し
て電気的に接続されている。
【0244】
また図8においては、信号線駆動回路4003を別途形成し、第1の基板4001に実装
している例を示しているがこの構成に限定されない。走査線駆動回路を別途形成して実装
しても良いし、信号線駆動回路の一部または走査線駆動回路の一部のみを別途形成して実
装しても良い。
【0245】
図17は、本明細書に開示する作製方法により作製されるTFT基板2600を用いて半
導体装置として液晶表示モジュールを構成する一例を示している。
【0246】
図17は液晶表示モジュールの一例であり、TFT基板2600と対向基板2601がシ
ール材2602により固着され、その間にTFT等を含む画素部2603、液晶層を含む
表示素子2604、着色層2605が設けられ表示領域を形成している。着色層2605
はカラー表示を行う場合に必要であり、RGB方式の場合は、赤、緑、青の各色に対応し
た着色層が各画素に対応して設けられている。TFT基板2600と対向基板2601の
外側には偏光板2606、偏光板2607、拡散板2613が配設されている。光源は冷
陰極管2610と反射板2611により構成され、回路基板2612は、フレキシブル配
線基板2609によりTFT基板2600の配線回路部2608と接続され、コントロー
ル回路や電源回路などの外部回路が組みこまれている。また偏光板と、液晶層との間に位
相差板を有した状態で積層してもよい。
【0247】
液晶表示モジュールには、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(I
n−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field S
witching)モード、MVA(Multi−domain Vertical A
lignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alig
nment)モード、ASM(Axially Symmetric aligned
Micro−cell)モード、OCB(Optical Compensated B
irefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liqui
d Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liq
uid Crystal)モードなどを用いることができる。
【0248】
以上の工程により、半導体装置として信頼性の高い液晶表示パネルを作製することができ
る。
【0249】
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成を適宜組み合わせてもちい
ることができることとする。
【0250】
(実施の形態8)
半導体装置の一形態として電子ペーパーの例を示す。
【0251】
スイッチング素子と電気的に接続する素子を利用して電子インクを駆動させる電子ペーパ
ーに用いてもよい。電子ペーパーは、電気泳動表示装置(電気泳動ディスプレイ)とも呼
ばれており、紙と同じ読みやすさ、他の表示装置に比べ低消費電力、薄くて軽い形状とす
ることが可能という利点を有している。
【0252】
電気泳動ディスプレイは、様々な形態が考えられ得るが、プラスの電荷を有する第1の粒
子と、マイナスの電荷を有する第2の粒子とを含むマイクロカプセルが溶媒または溶質に
複数分散されたものであり、マイクロカプセルに電界を印加することによって、マイクロ
カプセル中の粒子を互いに反対方向に移動させて一方側に集合した粒子の色のみを表示す
るものである。なお、第1の粒子または第2の粒子は染料を含み、電界がない場合におい
て移動しないものである。また、第1の粒子の色と第2の粒子の色は異なるもの(無色を
含む)とする。
【0253】
このように、電気泳動ディスプレイは、誘電定数の高い物質が高い電界領域に移動する、
いわゆる誘電泳動的効果を利用したディスプレイである。
【0254】
上記マイクロカプセルを溶媒中に分散させたものが電子インクと呼ばれるものであり、こ
の電子インクはガラス、プラスチック、布、紙などの表面に印刷することができる。また
、カラーフィルタや色素を有する粒子を用いることによってカラー表示も可能である。
【0255】
また、アクティブマトリクス基板上に適宜、二つの電極の間に挟まれるように上記マイク
ロカプセルを複数配置すればアクティブマトリクス型の表示装置が完成し、マイクロカプ
セルに電界を印加すれば表示を行うことができる。例えば、実施の形態1乃至実施の形態
5の薄膜トランジスタによって得られるアクティブマトリクス基板を用いることができる

【0256】
なお、マイクロカプセル中の第1の粒子および第2の粒子は、導電体材料、絶縁体材料、
半導体材料、磁性材料、液晶材料、強誘電性材料、エレクトロルミネセント材料、エレク
トロクロミック材料、磁気泳動材料から選ばれた一種の材料、またはこれらの複合材料を
用いればよい。
【0257】
図16は、半導体装置の例としてアクティブマトリクス型の電子ペーパーを示す。半導体
装置に用いられる薄膜トランジスタ581としては、実施の形態1乃至実施の形態5で示
す薄膜トランジスタと同様に作製でき、酸化物半導体層を含む信頼性の高い薄膜トランジ
スタである。また、実施の形態1乃至実施の形態5で示す薄膜トランジスタも本実施の薄
膜トランジスタ581として適用することもできる。
【0258】
図16の電子ペーパーは、ツイストボール表示方式を用いた表示装置の例である。ツイス
トボール表示方式とは、白と黒に塗り分けられた球形粒子を表示素子に用いる電極層であ
る第1の電極層及び第2の電極層の間に配置し、第1の電極層及び第2の電極層に電位差
を生じさせての球形粒子の向きを制御することにより、表示を行う方法である。
【0259】
基板580上に形成された薄膜トランジスタ581はボトムゲート構造の薄膜トランジス
タであり、酸化物半導体層と接する絶縁膜583に覆われている。薄膜トランジスタ58
1のソース電極層又はドレイン電極層は第1の電極層587と、絶縁層585等に形成す
る開口で接しており電気的に接続している。第1の電極層587と基板596上に形成さ
れた第2の電極層588との間には、黒色領域590a及び白色領域590bを有し、周
りに液体で満たされているキャビティ594を含む球形粒子589が設けられており、球
形粒子589の周囲は樹脂等の充填材595で充填されている(図16参照。)。第1の
電極層587が画素電極に相当し、第2の電極層588が共通電極に相当する。第2の電
極層588は、薄膜トランジスタ581と同一基板上に設けられる共通電位線と電気的に
接続される。共通接続部を用いて、一対の基板間に配置される導電性粒子を介して第2の
電極層588と共通電位線とを電気的に接続することができる。
【0260】
また、ツイストボールを用いた素子の代わりに、電気泳動素子を用いることも可能である
。透明な液体と、正に帯電した白い微粒子と負に帯電した黒い微粒子とを封入した直径1
0μm〜200μm程度のマイクロカプセルを用いる。第1の電極層と第2の電極層との
間に設けられるマイクロカプセルは、第1の電極層と第2の電極層によって、電場が与え
られると、白い微粒子と、黒い微粒子が逆の方向に移動し、白または黒を表示することが
できる。この原理を応用した表示素子が電気泳動表示素子であり、一般的に電子ペーパー
とよばれている。電気泳動表示素子は、液晶表示素子に比べて反射率が高いため、補助ラ
イトは不要であり、また消費電力が小さく、薄暗い場所でも表示部を認識することが可能
である。また、表示部に電源が供給されない場合であっても、一度表示した像を保持する
ことが可能であるため、電源から表示機能付き半導体装置(単に表示装置、又は表示装置
を具備する半導体装置ともいう)を切断した場合であっても、表示された像を保存してお
くことが可能となる。
【0261】
以上の工程により、半導体装置として信頼性の高い電子ペーパーを作製することができる

【0262】
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成を適宜組み合わせてもちい
ることができることとする。
【0263】
(実施の形態9)
半導体装置として発光表示装置の例を示す。表示装置の有する表示素子としては、ここで
はエレクトロルミネッセンスを利用する発光素子を用いて示す。エレクトロルミネッセン
スを利用する発光素子は、発光材料が有機化合物であるか、無機化合物であるかによって
区別され、一般的に、前者は有機EL素子、後者は無機EL素子と呼ばれている。
【0264】
有機EL素子は、発光素子に電圧を印加することにより、一対の電極から電子および正孔
がそれぞれ発光性の有機化合物を含む層に注入され、電流が流れる。そして、それらキャ
リア(電子および正孔)が再結合することにより、発光性の有機化合物が励起状態を形成
し、その励起状態が基底状態に戻る際に発光する。このようなメカニズムから、このよう
な発光素子は、電流励起型の発光素子と呼ばれる。
【0265】
無機EL素子は、その素子構成により、分散型無機EL素子と薄膜型無機EL素子とに分
類される。分散型無機EL素子は、発光材料の粒子をバインダ中に分散させた発光層を有
するものであり、発光メカニズムはドナー準位とアクセプター準位を利用するドナー−ア
クセプター再結合型発光である。薄膜型無機EL素子は、発光層を誘電体層で挟み込み、
さらにそれを電極で挟んだ構造であり、発光メカニズムは金属イオンの内殻電子遷移を利
用する局在型発光である。なお、ここでは、発光素子として有機EL素子を用いて説明す
る。
【0266】
図10は、半導体装置の例としてデジタル時間階調駆動を適用可能な画素構成の一例を示
す図である。
【0267】
デジタル時間階調駆動を適用可能な画素の構成及び画素の動作について説明する。ここで
は酸化物半導体層をチャネル形成領域に用いるnチャネル型のトランジスタを1つの画素
に2つ用いる例を示す。
【0268】
画素6400は、スイッチング用トランジスタ6401、発光素子駆動用トランジスタ6
402、発光素子6404及び容量素子6403を有している。スイッチング用トランジ
スタ6401はゲートが走査線6406に接続され、第1電極(ソース電極及びドレイン
電極の一方)が信号線6405に接続され、第2電極(ソース電極及びドレイン電極の他
方)が発光素子駆動用トランジスタ6402のゲートに接続されている。発光素子駆動用
トランジスタ6402は、ゲートが容量素子6403を介して電源線6407に接続され
、第1電極が電源線6407に接続され、第2電極が発光素子6404の第1電極(画素
電極)に接続されている。発光素子6404の第2電極は共通電極6408に相当する。
共通電極6408は、同一基板上に形成される共通電位線と電気的に接続される。
【0269】
なお、発光素子6404の第2電極(共通電極6408)には低電源電位が設定されてい
る。なお、低電源電位とは、電源線6407に設定される高電源電位を基準にして低電源
電位<高電源電位を満たす電位であり、低電源電位としては例えばGND、0Vなどが設
定されていても良い。この高電源電位と低電源電位との電位差を発光素子6404に印加
して、発光素子6404に電流を流して発光素子6404を発光させるため、高電源電位
と低電源電位との電位差が発光素子6404の順方向しきい値電圧以上となるようにそれ
ぞれの電位を設定する。
【0270】
なお、容量素子6403は発光素子駆動用トランジスタ6402のゲート容量を代用して
省略することも可能である。発光素子駆動用トランジスタ6402のゲート容量について
は、チャネル領域とゲート電極との間で容量が形成されていてもよい。
【0271】
ここで、電圧入力電圧駆動方式の場合には、発光素子駆動用トランジスタ6402のゲー
トには、発光素子駆動用トランジスタ6402が十分にオンするか、オフするかの二つの
状態となるようなビデオ信号を入力する。つまり、発光素子駆動用トランジスタ6402
は線形領域で動作させる。発光素子駆動用トランジスタ6402は線形領域で動作させる
ため、電源線6407の電圧よりも高い電圧を発光素子駆動用トランジスタ6402のゲ
ートにかける。なお、信号線6405には、(電源線電圧+発光素子駆動用トランジスタ
6402のVth)以上の電圧をかける。
【0272】
また、デジタル時間階調駆動に代えて、アナログ階調駆動を行う場合、信号の入力を異な
らせることで、図10と同じ画素構成を用いることができる。
【0273】
アナログ階調駆動を行う場合、発光素子駆動用トランジスタ6402のゲートに発光素子
6404の順方向電圧+発光素子駆動用トランジスタ6402のVth以上の電圧をかけ
る。発光素子6404の順方向電圧とは、所望の輝度とする場合の電圧を指しており、少
なくとも順方向しきい値電圧よりも大きい。なお、発光素子駆動用トランジスタ6402
が飽和領域で動作するようなビデオ信号を入力することで、発光素子6404に電流を流
すことができる。発光素子駆動用トランジスタ6402を飽和領域で動作させるため、電
源線6407の電位は、発光素子駆動用トランジスタ6402のゲート電位よりも高くす
る。ビデオ信号をアナログとすることで、発光素子6404にビデオ信号に応じた電流を
流し、アナログ階調駆動を行うことができる。
【0274】
なお、図10に示す画素構成は、これに限定されない。例えば、図10に示す画素に新た
にスイッチ、抵抗素子、容量素子、トランジスタ又は論理回路などを追加してもよい。
【0275】
次に、発光素子の構成について、図11を用いて説明する。ここでは、発光素子駆動用T
FTがn型の場合を例に挙げて、画素の断面構造について説明する。図11(A)(B)
(C)の半導体装置に用いられる発光素子駆動用TFTであるTFT7001、7011
、7021は、実施の形態1乃至実施の形態5で示す画素に配置される薄膜トランジスタ
と同様に作製でき、酸化物半導体層を含む信頼性の高い薄膜トランジスタである。また、
実施の形態1乃至実施の形態5で示す画素に配置される薄膜トランジスタをTFT700
1、7011、7021として適用することもできる。
【0276】
発光素子は発光を取り出すために少なくとも陽極又は陰極の一方が透明であればよい。そ
して、基板上に薄膜トランジスタ及び発光素子を形成し、基板とは逆側の面から発光を取
り出す上面射出や、基板側の面から発光を取り出す下面射出や、基板側及び基板とは反対
側の面から発光を取り出す両面射出構造の発光素子があり、画素構成はどの射出構造の発
光素子にも適用することができる。
【0277】
上面射出構造の発光素子について図11(A)を用いて説明する。
【0278】
図11(A)に、発光素子駆動用TFTであるTFT7001がn型で、発光素子700
2から発せられる光が陽極7005側に抜ける場合の、画素の断面図を示す。図11(A
)では、発光素子7002の陰極7003と発光素子駆動用TFTであるTFT7001
が電気的に接続されており、陰極7003上に発光層7004、陽極7005が順に積層
されている。陰極7003は仕事関数が小さく、なおかつ光を反射する導電膜であれば様
々の材料を用いることができる。例えば、Ca、Al、MgAg、AlLi等が望ましい
。そして発光層7004は、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように
構成されていてもどちらでも良い。複数の層で構成されている場合、陰極7003上に電
子注入層、電子輸送層、発光層、ホール輸送層、ホール注入層の順に積層する。なおこれ
らの層を全て設ける必要はない。陽極7005は透光性を有する導電性材料を用いて形成
し、例えば酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウ
ム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化
物、インジウム錫酸化物(以下、ITOと示す。)、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素
を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電膜を用いても良い。
【0279】
また、陰極7003と隣り合う画素の陰極7008の間に、それぞれの端部を覆って隔壁
7009を設ける。隔壁7009は、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリアミド、エポキシ
樹脂等の有機樹脂膜、無機絶縁膜またはポリシロキサンを用いて形成する。隔壁7009
は、特に感光性の樹脂材料を用い、隔壁7009の側面が連続した曲率を持って形成され
る傾斜面となるように形成することが好ましい。隔壁7009として感光性の樹脂材料を
用いる場合、レジストマスクを形成する工程を省略することができる。
【0280】
陰極7003及び陽極7005で発光層7004を挟んでいる領域が発光素子7002に
相当する。図11(A)に示した画素の場合、発光素子7002から発せられる光は、矢
印で示すように陽極7005側に射出する。
【0281】
次に、下面射出構造の発光素子について図11(B)を用いて説明する。発光素子駆動用
TFT7011がn型で、発光素子7012から発せられる光が陰極7013側に射出す
る場合の、画素の断面図を示す。図11(B)では、発光素子駆動用TFT7011と電
気的に接続された透光性を有する導電膜7017上に、発光素子7012の陰極7013
が成膜されており、陰極7013上に発光層7014、陽極7015が順に積層されてい
る。なお、陽極7015が透光性を有する場合、陽極上を覆うように、光を反射または遮
蔽するための遮蔽膜7016が成膜されていてもよい。陰極7013は、図11(A)の
場合と同様に、仕事関数が小さい導電性材料であれば様々な材料を用いることができる。
ただしその膜厚は、光を透過する程度(好ましくは、5nm〜30nm程度)とする。例
えば20nmの膜厚を有するアルミニウム膜を、陰極7013として用いることができる
。そして発光層7014は、図11(A)と同様に、単数の層で構成されていても、複数
の層が積層されるように構成されていてもどちらでも良い。陽極7015は光を透過する
必要はないが、図11(A)と同様に、透光性を有する導電性材料を用いて形成すること
ができる。そして遮蔽膜7016は、例えば光を反射する金属等を用いることができるが
、金属膜に限定されない。例えば黒の顔料を添加した樹脂等を用いることもできる。
【0282】
また、導電膜7017と隣り合う画素の導電膜7018の間に、それぞれの端部を覆って
隔壁7019を設ける。隔壁7019は、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリアミド、エポ
キシ樹脂等の有機樹脂膜、無機絶縁膜またはポリシロキサンを用いて形成する。隔壁70
19は、特に感光性の樹脂材料を用い、隔壁7019の側面が連続した曲率を持って形成
される傾斜面となるように形成することが好ましい。隔壁7019として感光性の樹脂材
料を用いる場合、レジストマスクを形成する工程を省略することができる。
【0283】
陰極7013及び陽極7015で、発光層7014を挟んでいる領域が発光素子7012
に相当する。図11(B)に示した画素の場合、発光素子7012から発せられる光は、
矢印で示すように陰極7013側に射出する。
【0284】
次に、両面射出構造の発光素子について、図11(C)を用いて説明する。図11(C)
では、発光素子駆動用TFT7021と電気的に接続された透光性を有する導電膜702
7上に、発光素子7022の陰極7023が成膜されており、陰極7023上に発光層7
024、陽極7025が順に積層されている。陰極7023は、図11(A)の場合と同
様に、仕事関数が小さい導電性材料であれば様々な材料を用いることができる。ただしそ
の膜厚は、光を透過する程度とする。例えば20nmの膜厚を有するAlを、陰極702
3として用いることができる。そして発光層7024は、図11(A)と同様に、単数の
層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されていてもどちらでも良い。
陽極7025は、図11(A)と同様に、透光性を有する導電性材料を用いて形成するこ
とができる。
【0285】
また、導電膜7027と隣り合う画素の導電膜7028の間に、それぞれの端部を覆って
隔壁7029を設ける。隔壁7029は、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリアミド、エポ
キシ樹脂等の有機樹脂膜、無機絶縁膜またはポリシロキサンを用いて形成する。隔壁70
29は、特に感光性の樹脂材料を用い、隔壁7029の側面が連続した曲率を持って形成
される傾斜面となるように形成することが好ましい。隔壁7029として感光性の樹脂材
料を用いる場合、レジストマスクを形成する工程を省略することができる。
【0286】
陰極7023と、発光層7024と、陽極7025とが重なっている部分が発光素子70
22に相当する。図11(C)に示した画素の場合、発光素子7022から発せられる光
は、矢印で示すように陽極7025側と陰極7023側の両方に射出する。
【0287】
なお、ここでは、発光素子として有機EL素子について述べたが、発光素子として無機E
L素子を設けることも可能である。
【0288】
なお、発光素子の駆動を制御する薄膜トランジスタ(発光素子駆動用TFT)と発光素子
が電気的に接続されている例を示したが、発光素子駆動用TFTと発光素子との間に電流
制御用TFTが接続されている構成であってもよい。
【0289】
なお半導体装置は、図11に示した構成に限定されるものではなく、本明細書に開示する
技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0290】
次に、半導体装置の一形態に相当する発光表示パネル(発光パネルともいう)の外観及び
断面について、図9を用いて説明する。図9は、第1の基板上に形成された薄膜トランジ
スタ及び発光素子を、第2の基板との間にシール材によって封止した、パネルの平面図で
あり、図9(B)は、図9(A)のH−Iにおける断面図に相当する。
【0291】
第1の基板4501上に設けられた画素部4502、信号線駆動回路4503a、450
3b、及び走査線駆動回路4504a、4504bを囲むようにして、シール材4505
が設けられている。また画素部4502、信号線駆動回路4503a、4503b、及び
走査線駆動回路4504a、4504bの上に第2の基板4506が設けられている。よ
って画素部4502、信号線駆動回路4503a、4503b、及び走査線駆動回路45
04a、4504bは、第1の基板4501とシール材4505と第2の基板4506と
によって、充填材4507と共に密封されている。このように外気に曝されないように気
密性が高く、脱ガスの少ない保護フィルム(貼り合わせフィルム、紫外線硬化樹脂フィル
ム等)やカバー材でパッケージング(封入)することが好ましい。
【0292】
また第1の基板4501上に設けられた画素部4502、信号線駆動回路4503a、4
503b、及び走査線駆動回路4504a、4504bは、薄膜トランジスタを複数有し
ており、図9(B)では、画素部4502に含まれる薄膜トランジスタ4510と、信号
線駆動回路4503aに含まれる薄膜トランジスタ4509とを例示している。
【0293】
薄膜トランジスタ4509、4510は、実施の形態1乃至実施の形態5で示した酸化物
半導体層を含む信頼性の高い薄膜トランジスタを適用することができる。駆動回路用の薄
膜トランジスタ4509としては、実施の形態3で示した薄膜トランジスタ270、画素
用の薄膜トランジスタ4510としては、実施の形態3で示した薄膜トランジスタ220
を用いることが好ましい。本実施の形態において、薄膜トランジスタ4509、4510
はnチャネル型薄膜トランジスタである。
【0294】
絶縁層4544上において駆動回路用の薄膜トランジスタ4509の酸化物半導体層のチ
ャネル形成領域と重なる位置に導電層4540が設けられている。導電層4540を酸化
物半導体層のチャネル形成領域と重なる位置に設けることによって、BT試験前後におけ
る薄膜トランジスタ4509のしきい値電圧の変化量を低減することができる。また、導
電層4540は、電位が薄膜トランジスタ4509のゲート電極層と同じでもよいし、異
なっていても良く、第2のゲート電極層として機能させることもできる。また、導電層4
540の電位がGND、0V、或いはフローティング状態であってもよい。
【0295】
薄膜トランジスタ4509は、チャネル保護層として機能する絶縁層4541aと、酸化
物半導体層の積層の周縁部(側面を含む)を覆う絶縁層4541bとが形成されている。
同様に薄膜トランジスタ4510は、チャネル保護層として機能する絶縁層4542aと
、酸化物半導体層の積層の周縁部(側面を含む)を覆う絶縁層4542bとが形成されて
いる。
【0296】
酸化物半導体層の積層の周縁部(側面を含む)を覆う酸化物絶縁層である絶縁層4541
b、4542bは、ゲート電極層と、その上方または周辺に形成される配線層(ソース配
線層や容量配線層など)との距離を大きくし、寄生容量の低減を図ることができる。絶縁
層4541a、4541b、4542a、4542bは実施の形態1乃至実施の形態5で
示した酸化物絶縁層107a、107bと同様な材料及び方法で形成すればよい。また、
薄膜トランジスタの表面凹凸を低減するため平坦化絶縁膜として機能する絶縁層4543
で覆う構成となっている。ここでは、絶縁層4541a、4541b、4542a、45
42bとして、実施の形態1を用いてスパッタ法により酸化珪素膜を形成する。
【0297】
また、絶縁層4541a、4541b、4542a、4542b上に絶縁層4543が形
成されている。絶縁層4543は実施の形態1で示した保護絶縁層108と同様な材料及
び方法で形成すればよい。ここでは、絶縁層4543として、RFスパッタ法により窒化
珪素膜を形成する。
【0298】
また、平坦化絶縁膜として絶縁層4544を形成する。絶縁層4544としては、実施の
形態3で示した平坦化絶縁層204と同様な材料及び方法で形成すればよい。ここでは、
絶縁層4544としてアクリルを用いる。
【0299】
本実施の形態では、画素部の複数の薄膜トランジスタをまとめて窒化物絶縁膜で囲む構成
としてもよい。絶縁層4543とゲート絶縁層とに窒化物絶縁膜を用いて、少なくともア
クティブマトリクス基板の画素部の周縁を囲むように絶縁層4543とゲート絶縁層とが
接する領域を設ける構成とすればよい。この製造プロセスでは、外部からの水分の侵入を
防ぐことができる。また、半導体装置、例えば表示装置としてデバイスが完成した後にも
長期的に、外部からの水分の侵入を防ぐことができデバイスの長期信頼性を向上すること
ができる。
【0300】
また4511は発光素子に相当し、発光素子4511が有する画素電極である第1の電極
層4517は、薄膜トランジスタ4510のソース電極層またはドレイン電極層と電気的
に接続されている。なお発光素子4511の構成は、第1の電極層4517、電界発光層
4512、第2の電極層4513の積層構造であるが、示した構成に限定されない。発光
素子4511から取り出す光の方向などに合わせて、発光素子4511の構成は適宜変え
ることができる。
【0301】
隔壁4520は、有機樹脂膜、無機絶縁膜または有機ポリシロキサンを用いて形成する。
特に感光性の材料を用い、第1の電極層4517上に開口部を形成し、その開口部の側壁
が連続した曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することが好ましい。
【0302】
電界発光層4512は、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成
されていてもどちらでも良い。
【0303】
発光素子4511に酸素、水素、水分、二酸化炭素等が侵入しないように、第2の電極層
4513及び隔壁4520上に保護膜を形成してもよい。保護膜としては、窒化珪素膜、
窒化酸化珪素膜、DLC膜等を形成することができる。
【0304】
また、信号線駆動回路4503a、4503b、走査線駆動回路4504a、4504b
、または画素部4502に与えられる各種信号及び電位は、FPC4518a、4518
bから供給されている。
【0305】
接続端子電極4515が、発光素子4511が有する第1の電極層4517と同じ導電膜
から形成され、端子電極4516は、薄膜トランジスタ4509が有するソース電極層及
びドレイン電極層と同じ導電膜から形成されている。
【0306】
接続端子電極4515は、FPC4518aが有する端子と、異方性導電膜4519を介
して電気的に接続されている。
【0307】
発光素子4511からの光の取り出し方向に位置する第2の基板は透光性でなければなら
ない。その場合には、ガラス板、プラスチック板、ポリエステルフィルムまたはアクリル
フィルムのような透光性を有する材料を用いる。
【0308】
また、充填材4507としては窒素やアルゴンなどの不活性な気体の他に、紫外線硬化樹
脂または熱硬化樹脂を用いることができ、PVC(ポリビニルクロライド)、アクリル樹
脂、ポリイミド、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)または
EVA(エチレンとビニルアセテートの共重合体)を用いることができる。例えば充填材
として窒素を用いればよい。
【0309】
また、必要であれば、発光素子の射出面に偏光板、又は円偏光板(楕円偏光板を含む)、
位相差板(λ/4板、λ/2板)、カラーフィルタなどの光学フィルムを適宜設けてもよ
い。また、偏光板又は円偏光板に反射防止膜を設けてもよい。例えば、表面の凹凸により
反射光を拡散し、映り込みを低減できるアンチグレア処理を施すことができる。
【0310】
信号線駆動回路4503a、4503b、及び走査線駆動回路4504a、4504bは
、別途用意された基板上に単結晶半導体膜又は多結晶半導体膜によって形成された駆動回
路で実装されていてもよい。また、信号線駆動回路のみ、或いは一部、又は走査線駆動回
路のみ、或いは一部のみを別途形成して実装しても良く、図9の構成に限定されない。
【0311】
以上の工程により、半導体装置として信頼性の高い発光表示装置(表示パネル)を作製す
ることができる。
【0312】
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成を適宜組み合わせてもちい
ることができることとする。
【0313】
(実施の形態10)
本明細書に開示する半導体装置は、電子ペーパーとして適用することができる。電子ペー
パーは、情報を表示するものであればあらゆる分野の電子機器に用いることが可能である
。例えば、電子ペーパーを用いて、電子書籍(電子ブック)、ポスター、電車などの乗り
物の車内広告、クレジットカード等の各種カードにおける表示等に適用することができる
。電子機器の一例を図18に示す。
【0314】
図18は、電子書籍2700の一例を示している。例えば、電子書籍2700は、筐体2
701および筐体2703の2つの筐体で構成されている。筐体2701および筐体27
03は、軸部2711により一体とされており、該軸部2711を軸として開閉動作を行
うことができる。このような構成により、紙の書籍のような動作を行うことが可能となる

【0315】
筐体2701には表示部2705が組み込まれ、筐体2703には表示部2707が組み
込まれている。表示部2705および表示部2707は、続き画面を表示する構成として
もよいし、異なる画面を表示する構成としてもよい。異なる画面を表示する構成とするこ
とで、例えば右側の表示部(図18では表示部2705)に文章を表示し、左側の表示部
(図18では表示部2707)に画像を表示することができる。
【0316】
また、図18では、筐体2701に操作部などを備えた例を示している。例えば、筐体2
701において、電源2721、操作キー2723、スピーカ2725などを備えている
。操作キー2723により、頁を送ることができる。なお、筐体の表示部と同一面にキー
ボードやポインティングディバイスなどを備える構成としてもよい。また、筐体の裏面や
側面に、外部接続用端子(イヤホン端子、USB端子、またはACアダプタおよびUSB
ケーブルなどの各種ケーブルと接続可能な端子など)、記録媒体挿入部などを備える構成
としてもよい。さらに、電子書籍2700は、電子辞書としての機能を持たせた構成とし
てもよい。
【0317】
また、電子書籍2700は、無線で情報を送受信できる構成としてもよい。無線により、
電子書籍サーバから、所望の書籍データなどを購入し、ダウンロードする構成とすること
も可能である。
【0318】
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成を適宜組み合わせてもちい
ることができることとする。
【0319】
(実施の形態11)
本明細書に開示する半導体装置は、さまざまな電子機器(遊技機も含む)に適用すること
ができる。電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョン
受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメ
ラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型
ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられ
る。
【0320】
図19(A)は、テレビジョン装置9600の一例を示している。テレビジョン装置96
00は、筐体9601に表示部9603が組み込まれている。表示部9603により、映
像を表示することが可能である。また、ここでは、スタンド9605により筐体9601
を支持した構成を示している。
【0321】
テレビジョン装置9600の操作は、筐体9601が備える操作スイッチや、別体のリモ
コン操作機9610により行うことができる。リモコン操作機9610が備える操作キー
9609により、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部9603に表示され
る映像を操作することができる。また、リモコン操作機9610に、当該リモコン操作機
9610から出力する情報を表示する表示部9607を設ける構成としてもよい。
【0322】
なお、テレビジョン装置9600は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機に
より一般のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを介して有線または無線に
よる通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)または双方向
(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
【0323】
図19(B)は、デジタルフォトフレーム9700の一例を示している。例えば、デジタ
ルフォトフレーム9700は、筐体9701に表示部9703が組み込まれている。表示
部9703は、各種画像を表示することが可能であり、例えばデジタルカメラなどで撮影
した画像データを表示させることで、通常の写真立てと同様に機能させることができる。
【0324】
なお、デジタルフォトフレーム9700は、操作部、外部接続用端子(USB端子、US
Bケーブルなどの各種ケーブルと接続可能な端子など)、記録媒体挿入部などを備える構
成とする。これらの構成は、表示部と同一面に組み込まれていてもよいが、側面や裏面に
備えるとデザイン性が向上するため好ましい。例えば、デジタルフォトフレームの記録媒
体挿入部に、デジタルカメラで撮影した画像データを記憶したメモリを挿入して画像デー
タを取り込み、取り込んだ画像データを表示部9703に表示させることができる。
【0325】
また、デジタルフォトフレーム9700は、無線で情報を送受信できる構成としてもよい
。無線により、所望の画像データを取り込み、表示させる構成とすることもできる。
【0326】
図20(A)は携帯型遊技機であり、筐体9881と筐体9891の2つの筐体で構成さ
れており、連結部9893により、開閉可能に連結されている。筐体9881には表示部
9882が組み込まれ、筐体9891には表示部9883が組み込まれている。また、図
20(A)に示す携帯型遊技機は、その他、スピーカ部9884、記録媒体挿入部988
6、LEDランプ9890、入力手段(操作キー9885、接続端子9887、センサ9
888(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、
化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振
動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン9889)等を備え
ている。もちろん、携帯型遊技機の構成は上述のものに限定されず、少なくとも本明細書
に開示する半導体装置を備えた構成であればよく、その他付属設備が適宜設けられた構成
とすることができる。図20(A)に示す携帯型遊技機は、記録媒体に記録されているプ
ログラム又はデータを読み出して表示部に表示する機能や、他の携帯型遊技機と無線通信
を行って情報を共有する機能を有する。なお、図20(A)に示す携帯型遊技機が有する
機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
【0327】
図20(B)は大型遊技機であるスロットマシン9900の一例を示している。スロット
マシン9900は、筐体9901に表示部9903が組み込まれている。また、スロット
マシン9900は、その他、スタートレバーやストップスイッチなどの操作手段、コイン
投入口、スピーカなどを備えている。もちろん、スロットマシン9900の構成は上述の
ものに限定されず、少なくとも本明細書に開示する半導体装置を備えた構成であればよく
、その他付属設備が適宜設けられた構成とすることができる。
【0328】
図21(A)は携帯型のコンピュータの一例を示す斜視図である。
【0329】
図21(A)の携帯型のコンピュータは、上部筐体9301と下部筐体9302とを接続
するヒンジユニットを閉状態として表示部9303を有する上部筐体9301と、キーボ
ード9304を有する下部筐体9302とを重ねた状態とすることができ、持ち運ぶこと
が便利であるとともに、使用者がキーボード入力する場合には、ヒンジユニットを開状態
として、表示部9303を見て入力操作を行うことができる。
【0330】
また、下部筐体9302はキーボード9304の他に入力操作を行うポインティングデバ
イス9306を有する。また、表示部9303をタッチ入力パネルとすれば、表示部の一
部に触れることで入力操作を行うこともできる。また、下部筐体9302はCPUやハー
ドディスク等の演算機能部を有している。また、下部筐体9302は、他の機器、例えば
USBの通信規格に準拠した通信ケーブルが差し込まれる、外部接続ポート9305を有
している。
【0331】
上部筐体9301には更に上部筐体9301内部にスライドさせて収納可能な表示部93
07を有しており、広い表示画面を実現することができる。また、収納可能な表示部93
07の画面の向きを使用者は調節できる。また、収納可能な表示部9307をタッチ入力
パネルとすれば、収納可能な表示部の一部に触れることで入力操作を行うこともできる。
【0332】
表示部9303または収納可能な表示部9307は、液晶表示パネル、有機発光素子また
は無機発光素子などの発光表示パネルなどの映像表示装置を用いる。
【0333】
また、図21(A)の携帯型のコンピュータは、受信機などを備えた構成として、テレビ
放送を受信して映像を表示部9303または表示部9307に表示することができる。ま
た、上部筐体9301と下部筐体9302とを接続するヒンジユニットを閉状態としたま
ま、表示部9307をスライドさせて画面全面を露出させ、画面角度を調節して使用者が
テレビ放送を見ることもできる。この場合には、ヒンジユニットを開状態として表示部9
303を表示させず、さらにテレビ放送を表示するだけの回路の起動のみを行うため、最
小限の消費電力とすることができ、バッテリー容量の限られている携帯型のコンピュータ
において有用である。
【0334】
また、図21(B)は、腕時計のように使用者の腕に装着可能な形態を有している携帯電
話の一例を示す斜視図である。
【0335】
この携帯電話は、少なくとも電話機能を有する通信装置及びバッテリーを有する本体、本
体を腕に装着するためのバンド部9204、腕に対するバンド部の固定状態を調節する調
節部9205、表示部9201、スピーカ9207、及びマイク9208から構成されて
いる。
【0336】
また、本体は、操作スイッチ9203を有し、電源入力スイッチや、表示切り替えスイッ
チや、撮像開始指示スイッチの他、例えばボタンを押すとインタネット用のプログラムが
起動されるなど、各ファンクションを対応づけることができる。
【0337】
この携帯電話の入力操作は、表示部9201に指や入力ペンなどで触れること、又は操作
スイッチ9203の操作、またはマイク9208への音声入力により行われる。なお、図
21(B)では、表示部9201に表示された表示ボタン9202を図示しており、指な
どで触れることにより入力を行うことができる。
【0338】
また、本体は、撮影レンズを通して結像される被写体像を電子画像信号に変換する撮像手
段を有するカメラ部9206を有する。なお、特にカメラ部は設けなくともよい。
【0339】
また、図21(B)に示す携帯電話は、テレビ放送の受信機などを備えた構成として、テ
レビ放送を受信して映像を表示部9201に表示することができ、さらにメモリーなどの
記憶装置などを備えた構成として、テレビ放送をメモリーに録画できる。また、図21(
B)に示す携帯電話は、GPSなどの位置情報を収集できる機能を有していてもよい。
【0340】
表示部9201は、液晶表示パネル、有機発光素子または無機発光素子などの発光表示パ
ネルなどの映像表示装置を用いる。図21(B)に示す携帯電話は、小型、且つ、軽量で
あるため、バッテリー容量の限られており、表示部9201に用いる表示装置は低消費電
力で駆動できるパネルを用いることが好ましい。
【0341】
なお、図21(B)では”腕”に装着するタイプの電子機器を図示したが、特に限定され
ず、携行できる形状を有しているものであればよい。
【0342】
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成を適宜組み合わせてもちい
ることができることとする。
【0343】
(実施の形態12)
本実施の形態では、半導体装置の一形態として、実施の形態1乃至実施の形態5で示す薄
膜トランジスタを有する表示装置の例を図22乃至図35を用いて説明する。本実施の形
態は、表示素子として液晶素子を用いた液晶表示装置の例を図22乃至図35を用いて説
明する。図22乃至図35の液晶表示装置に用いられるTFT628、629は、実施の
形態1乃至実施の形態5で示す薄膜トランジスタを適用することができ、実施の形態1乃
至実施の形態5で示す工程で同様に作製できる電気特性及び信頼性の高い薄膜トランジス
タである。TFT628及びTFT629は、酸化物半導体層をチャネル形成領域とする
逆スタガ薄膜トランジスタである。
【0344】
はじめにVA(Vertical Alignment)型の液晶表示装置について示す
。VA型の液晶表示装置とは、液晶表示パネルの液晶分子の配列を制御する方式の一種で
ある。VA型の液晶表示装置は、電圧が印加されていないときにパネル面に対して液晶分
子が垂直方向を向く方式である。本実施の形態では、特に画素(ピクセル)をいくつかの
領域(サブピクセル)に分け、それぞれ別の方向に分子を倒すよう工夫されている。これ
をマルチドメイン化あるいはマルチドメイン設計という。以下の説明では、マルチドメイ
ン設計が考慮された液晶表示装置について説明する。
【0345】
図23及び図24は、それぞれ画素電極及び対向電極を示している。なお、図23は画素
電極が形成される基板側の平面図であり、図中に示す切断線E−Fに対応する断面構造を
図22に表している。また、図24は対向電極が形成される基板側の平面図である。以下
の説明ではこれらの図を参照して説明する。
【0346】
図22は、TFT628とそれに接続する画素電極層624、及び保持容量部630が形
成された基板600と、対向電極層640等が形成される対向基板601とが重ね合わせ
られ、液晶が注入された状態を示している。
【0347】
対向基板601上に、着色膜636、対向電極層640が形成され、対向電極層640上
に突起644が形成されている。画素電極層624上には配向膜648が形成され、同様
に対向電極層640上にも配向膜646が形成されている。基板600と対向基板601
の間に液晶層650が形成されている。
【0348】
基板600上には、TFT628とそれに接続する画素電極層624、及び保持容量部6
30が形成される。画素電極層624は、TFT628、配線616、及び保持容量部6
30を覆う絶縁膜620、絶縁膜620を覆う絶縁膜621、絶縁膜621を覆う第3絶
縁膜622をそれぞれ貫通するコンタクトホール623で、配線618と接続する。TF
T628は実施の形態1乃至実施の形態5で示す薄膜トランジスタを適宜用いることがで
きる。また、保持容量部630は、TFT628のゲート配線602と同時に形成した第
1の容量配線604と、第1のゲート絶縁膜606a、第2のゲート絶縁膜606bと、
配線616、618と同時に形成した第2の容量配線617で構成される。
【0349】
画素電極層624と液晶層650と対向電極層640が重なり合うことで、液晶素子が形
成されている。
【0350】
図23に基板600上の平面構造を示す。画素電極層624は実施の形態3で示した材料
を用いて形成する。画素電極層624にはスリット625を設ける。スリット625は液
晶の配向を制御するためのものである。
【0351】
図23に示すTFT629とそれに接続する画素電極層626及び保持容量部631は、
それぞれTFT628、画素電極層624及び保持容量部630と同様に形成することが
できる。TFT628とTFT629は共に配線616と接続している。この液晶表示パ
ネルの画素(ピクセル)は、画素電極層624と画素電極層626により構成されている
。画素電極層624と画素電極層626はサブピクセルである。
【0352】
図24に対向基板側の平面構造を示す。対向電極層640は、画素電極層624と同様の
材料を用いて形成することが好ましい。対向電極層640上には液晶の配向を制御する突
起644が形成されている。なお、図24に基板600上に形成される画素電極層624
及び画素電極層626を破線で示し、対向電極層640と、画素電極層624及び画素電
極層626が重なり合って配置されている様子を示している。
【0353】
この画素構造の等価回路を図25に示す。TFT628とTFT629は、共にゲート配
線602、配線616と接続している。この場合、容量配線604と容量配線605の電
位を異ならせることで、液晶素子651と液晶素子652の動作を異ならせることができ
る。すなわち、容量配線604と容量配線605の電位を個別に制御することにより液晶
の配向を精密に制御して視野角を広げている。
【0354】
スリット625を設けた画素電極層624に電圧を印加すると、スリット625の近傍に
は電界の歪み(斜め電界)が発生する。このスリット625と、対向基板601側の突起
644とを交互に咬み合うように配置することで、斜め電界を効果的に発生させて液晶の
配向を制御することで、液晶が配向する方向を場所によって異ならせている。すなわち、
マルチドメイン化して液晶表示パネルの視野角を広げている。
【0355】
次に、上記とは異なるVA型の液晶表示装置について、図26乃至図29を用いて説明す
る。
【0356】
図26と図27は、VA型液晶表示パネルの画素構造を示している。図27は基板600
の平面図であり、図中に示す切断線Y−Zに対応する断面構造を図26に表している。
【0357】
この画素構造は、一つの画素に複数の画素電極が有り、それぞれの画素電極にTFTが接
続されている。各TFTは、異なるゲート信号で駆動されるように構成されている。すな
わち、マルチドメイン設計された画素において、個々の画素電極に印加する信号を、独立
して制御する構成を有している。
【0358】
画素電極層624は、絶縁膜620、絶縁膜621及び絶縁膜622をそれぞれ貫通する
コンタクトホール623において、配線618でTFT628と接続している。また、画
素電極層626は、絶縁膜620、絶縁膜621及び絶縁膜622をそれぞれ貫通するコ
ンタクトホール627において、配線619でTFT629と接続している。TFT62
8のゲート配線602と、TFT629のゲート配線603には、異なるゲート信号を与
えることができるように分離されている。一方、データ配線として機能する配線616は
、TFT628とTFT629で共通に用いられている。TFT628とTFT629は
実施の形態1乃至実施の形態5で示す薄膜トランジスタを適宜用いることができる。なお
、ゲート配線602、ゲート配線603及び容量配線690上には第1のゲート絶縁膜6
06a、第2のゲート絶縁膜606bが形成されている。
【0359】
画素電極層624と画素電極層626の形状は異なっており、スリット625によって分
離されている。V字型に広がる画素電極層624の外側を囲むように画素電極層626が
形成されている。画素電極層624と画素電極層626に印加する電圧のタイミングを、
TFT628及びTFT629により異ならせることで、液晶の配向を制御している。こ
の画素構造の等価回路を図29に示す。TFT628はゲート配線602と接続し、TF
T629はゲート配線603と接続している。また、TFT628とTFT629は、共
に配線616と接続している。ゲート配線602とゲート配線603は異なるゲート信号
を与えることで、液晶素子651と液晶素子652の動作を異ならせることができる。す
なわち、TFT628とTFT629の動作を個別に制御することにより、液晶素子65
1と液晶素子652の液晶の配向を精密に制御して視野角を広げることができる。
【0360】
対向基板601には、着色膜636、対向電極層640が形成されている。また、着色膜
636と対向電極層640の間には平坦化膜637が形成され、液晶の配向乱れを防いで
いる。図28に対向基板側の構造を示す。対向電極層640は異なる画素間で共通化され
ている電極であるが、スリット641が形成されている。このスリット641と、画素電
極層624及び画素電極層626側のスリット625とを交互に咬み合うように配置する
ことで、斜め電界を効果的に発生させて液晶の配向を制御することができる。これにより
、液晶が配向する方向を場所によって異ならせることができ、視野角を広げている。なお
、図28に基板600上に形成される画素電極層624及び画素電極層626を破線で示
し、対向電極層640と、画素電極層624及び画素電極層626が重なり合って配置さ
れている様子を示している。
【0361】
画素電極層624及び画素電極層626上には配向膜648が形成され、同様に対向電極
層640上にも配向膜646が形成されている。基板600と対向基板601の間に液晶
層650が形成されている。また、画素電極層624と液晶層650と対向電極層640
が重なり合うことで、第1の液晶素子が形成されている。また、画素電極層626と液晶
層650と対向電極層640が重なり合うことで、第2の液晶素子が形成されている。図
26乃至図29で説明する表示パネルの画素構造は、一画素に第1の液晶素子と第2の液
晶素子が設けられたマルチドメイン構造となっている。
【0362】
次に、横電界方式の液晶表示装置について示す。横電界方式は、セル内の液晶分子に対し
て水平方向に電界を加えることで液晶を駆動して階調表現する方式である。この方式によ
れば、視野角を約180度にまで広げることができる。以下の説明では、横電界方式を採
用する液晶表示装置について説明する。
【0363】
図30は、電極層607、TFT628、TFT628に接続する画素電極層624が形
成された基板600と、対向基板601を重ね合わせ、液晶を注入した状態を示している
。対向基板601には、着色膜636、平坦化膜637などが形成されている。なお、対
向基板601側に対向電極は設けられていない。また、基板600と対向基板601の間
に配向膜646及び配向膜648を介して液晶層650が形成されている。
【0364】
基板600上には、電極層607及び電極層607に接続する容量配線604、並びにT
FT628が形成される。容量配線604はTFT628のゲート配線602と同時に形
成することができる。TFT628としては、実施の形態1乃至5で示した薄膜トランジ
スタを適用することができる。電極層607は、実施の形態3で示す画素電極層227と
同様の材料を用いることができる。また、電極層607は略画素の形状に区画化した形状
で形成する。なお、電極層607及び容量配線604上には第1のゲート絶縁膜606a
、第2のゲート絶縁膜606bが形成される。
【0365】
TFT628の配線616、配線618が第1のゲート絶縁膜606a、第2のゲート絶
縁膜606b上に形成される。配線616は液晶表示パネルにおいてビデオ信号をのせる
データ線であり一方向に伸びる配線であると同時に、TFT628のソース領域又はドレ
イン領域と接続し、ソース及びドレインの一方の電極となる。配線618はソース及びド
レインの他方の電極となり、画素電極層624と接続する配線である。
【0366】
配線616、配線618上に絶縁膜620、絶縁膜621が形成される。また、絶縁膜6
20上には、絶縁膜620、絶縁膜621に形成されるコンタクトホールを介して、配線
618に接続する画素電極層624が形成される。画素電極層624は実施の形態3で示
した画素電極層227と同様の材料を用いて形成する。
【0367】
このようにして、基板600上にTFT628とそれに接続する画素電極層624が形成
される。なお、保持容量は電極層607と画素電極層624の間で形成している。
【0368】
図31は、画素電極の構成を示す平面図である。図31に示す切断線O−Pに対応する断
面構造を図30に表している。画素電極層624にはスリット625が設けられる。スリ
ット625は液晶の配向を制御するためのものである。この場合、電界は電極層607と
画素電極層624の間で発生する。電極層607と画素電極層624の間には第1のゲー
ト絶縁膜606a、第2のゲート絶縁膜606bが形成されているが、第1のゲート絶縁
膜606a、第2のゲート絶縁膜606bの厚さは50〜200nmであり、2〜10μ
mである液晶層の厚さと比較して十分薄いので、実質的に基板600と平行な方向(水平
方向)に電界が発生する。この電界により液晶の配向が制御される。この基板と略平行な
方向の電界を利用して液晶分子を水平に回転させる。この場合、液晶分子はどの状態でも
水平であるため、見る角度によるコントラストなどの影響は少なく、視野角が広がること
となる。また、電極層607と画素電極層624は共に透光性の電極であるので、開口率
を向上させることができる。
【0369】
次に、横電界方式の液晶表示装置の他の一例について示す。
【0370】
図32と図33は、IPS型の液晶表示装置の画素構造を示している。図33は平面図で
あり、図中に示す切断線V−Wに対応する断面構造を図32に表している。以下の説明で
はこの両図を参照して説明する。
【0371】
図32は、TFT628とそれに接続する画素電極層624が形成された基板600と、
対向基板601を重ね合わせ、液晶を注入した状態を示している。対向基板601には、
着色膜636、平坦化膜637などが形成されている。なお、対向基板601側に対向電
極は設けられていない。基板600と対向基板601の間に、配向膜646及び配向膜6
48を介して液晶層650が形成されている。
【0372】
基板600上には、共通電位線609、及びTFT628が形成される。共通電位線60
9はTFT628のゲート配線602と同時に形成することができる。TFT628とし
ては、実施の形態1乃至5で示した薄膜トランジスタを適用することができる。
【0373】
TFT628の配線616、配線618が第1のゲート絶縁膜606a、第2のゲート絶
縁膜606b上に形成される。配線616は液晶表示パネルにおいてビデオ信号をのせる
データ線であり一方向に伸びる配線であると同時に、TFT628のソース領域又はドレ
イン領域と接続し、ソース及びドレインの一方の電極となる。配線618はソース及びド
レインの他方の電極となり、画素電極層624と接続する配線である。
【0374】
配線616、配線618上に絶縁膜620、絶縁膜621が形成される。また、絶縁膜6
20、絶縁膜621上には、絶縁膜620、絶縁膜621に形成されるコンタクトホール
623を介して、配線618に接続する画素電極層624が形成される。画素電極層62
4は実施の形態3で示した画素電極層227と同様の材料を用いて形成する。なお、図3
3に示すように、画素電極層624は、共通電位線609と同時に形成した櫛形の電極と
横電界が発生するように形成される。また、画素電極層624の櫛歯の部分が共通電位線
609と同時に形成した櫛形の電極と交互に咬み合うように形成される。
【0375】
画素電極層624に印加される電位と共通電位線609の電位との間に電界が生じると、
この電界により液晶の配向が制御される。この基板と略平行な方向の電界を利用して液晶
分子を水平に回転させる。この場合、液晶分子はどの状態でも水平であるため、見る角度
によるコントラストなどの影響は少なく、視野角が広がることとなる。
【0376】
このようにして、基板600上にTFT628とそれに接続する画素電極層624が形成
される。保持容量は共通電位線609と容量電極615の間に第1のゲート絶縁膜606
a、第2のゲート絶縁膜606bを設け、それにより形成している。容量電極615と画
素電極層624はコンタクトホール633を介して接続されている。
【0377】
次に、TN型の液晶表示装置の形態について示す。
【0378】
図34と図35は、TN型の液晶表示装置の画素構造を示している。図35は平面図であ
り、図中に示す切断線K−Lに対応する断面構造を図34に表している。以下の説明では
この両図を参照して説明する。
【0379】
画素電極層624は、絶縁膜620、621に形成されるコンタクトホール623及び配
線618を介してTFT628と接続している。データ線として機能する配線616は、
TFT628と接続している。TFT628は実施の形態1乃至実施の形態5に示すTF
Tのいずれかを適用することができる。
【0380】
画素電極層624は、実施の形態3で示す画素電極層227を用いて形成されている。容
量配線604はTFT628のゲート配線602と同時に形成することができる。ゲート
配線602及び容量配線604上には第1のゲート絶縁膜606a、第2のゲート絶縁膜
606bが形成される。保持容量は、容量配線604と容量電極615の間に第1のゲー
ト絶縁膜606a、第2のゲート絶縁膜606bを介して形成している。容量電極615
と画素電極層624はコンタクトホール633を介して接続されている。
【0381】
対向基板601には、着色膜636、対向電極層640が形成されている。また、着色膜
636と対向電極層640の間には平坦化膜637が形成され、液晶の配向乱れを防いで
いる。液晶層650は画素電極層624と対向電極層640の間に配向膜648及び配向
膜646を介して形成されている。
【0382】
画素電極層624と液晶層650と対向電極層640が重なり合うことで、液晶素子が形
成されている。
【0383】
また、着色膜636は、基板600側に形成されていても良い。また、基板600の薄膜
トランジスタが形成されている面とは逆の面に偏光板を貼り合わせ、また対向基板601
の対向電極層640が形成されている面とは逆の面に、偏光板を貼り合わせておく。
【0384】
以上より、ソース電極層及びドレイン電極層がゲート電極層と重ならないように形成し、
寄生容量を十分に低減したボトムゲート型の薄膜トランジスタを用いることにより、信頼
性の高い液晶表示装置を提供することができる。
【0385】
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成を適宜組み合わせてもちい
ることができることとする。
【符号の説明】
【0386】
10 パルス出力回路
11 配線
12 配線
13 配線
14 配線
15 配線
21 入力端子
22 入力端子
23 入力端子
24 入力端子
25 入力端子
26 出力端子
27 出力端子
28 薄膜トランジスタ
31 トランジスタ
32 トランジスタ
33 トランジスタ
34 トランジスタ
35 トランジスタ
36 トランジスタ
37 トランジスタ
38 トランジスタ
39 トランジスタ
40 トランジスタ
41 トランジスタ
42 トランジスタ
43 トランジスタ
51 電源線
52 電源線
53 電源線
61 期間
62 期間
100 基板
102 ゲート絶縁層
102a 第1のゲート絶縁層
102b 第2のゲート絶縁層
107 酸化物絶縁層
107a 酸化物絶縁層
107b 酸化物絶縁層
108 保護絶縁層
111 ゲート電極層
112 ゲート絶縁層
113 酸化物半導体層
113a 高抵抗ソース領域
113b 高抵抗ドレイン領域
113c 第3領域
113d 第4領域
115a ソース電極層
115b ドレイン電極層
122 ゲート絶縁層
130 酸化物半導体膜
132 ゲート絶縁層
132a 第1のゲート絶縁層
132b 第2のゲート絶縁層
134a チャネル形成領域
134b 第1領域
134c 第2領域
150 薄膜トランジスタ
200 基板
202a ゲート絶縁層
202b ゲート絶縁層
203 保護絶縁層
204 平坦化絶縁層
205 共通電位線
206 共通電極層
211 ゲート電極層
213 チャネル形成領域
213a チャネル形成領域
213b 第1領域
213c 第2領域
214a 高抵抗ソース領域
214b 高抵抗ドレイン領域
215a ソース電極層
215b ドレイン電極層
216a 酸化物絶縁層
216b 酸化物絶縁層
220 薄膜トランジスタ
221 端子
222 端子
223 接続電極層
225 透明導電層
226 電極層
227 画素電極層
230 容量配線層
231 容量電極
236 酸化物絶縁層
250 容量配線層
252 酸化物半導体層
256 ソース配線
257 端子電極
266 酸化物絶縁層
270 薄膜トランジスタ
271 ゲート電極層
273a チャネル形成領域
273b 第1領域
273c 第2領域
274a 高抵抗ソース領域
274b 高抵抗ドレイン領域
275a ソース電極層
275b ドレイン電極層
276a 酸化物絶縁層
276b 酸化物絶縁層
277 導電層
581 薄膜トランジスタ
580 基板
583 絶縁膜
585 絶縁層
587 電極層
588 電極層
589 球形粒子
590a 黒色領域
590b 白色領域
594 キャビティ
595 充填材
596 基板
600 基板
601 対向基板
602 ゲート配線
603 ゲート配線
604 容量配線
605 容量配線
606a ゲート絶縁膜
606b ゲート絶縁膜
607 電極層
609 共通電位線
615 容量電極
616 配線
617 容量配線
618 配線
619 配線
620 絶縁膜
621 絶縁膜
622 絶縁膜
623 コンタクトホール
624 画素電極層
625 スリット
626 画素電極層
627 コンタクトホール
628 TFT
629 TFT
630 保持容量部
631 保持容量部
633 コンタクトホール
636 着色膜
637 平坦化膜
640 対向電極層
641 スリット
644 突起
646 配向膜
648 配向膜
650 液晶層
651 液晶素子
652 液晶素子
690 容量配線
2600 TFT基板
2601 対向基板
2602 シール材
2603 画素部
2604 表示素子
2605 着色層
2606 偏光板
2607 偏光板
2608 配線回路部
2609 フレキシブル配線基板
2610 冷陰極管
2611 反射板
2612 回路基板
2613 拡散板
2700 電子書籍
2701 筐体
2703 筐体
2705 表示部
2707 表示部
2711 軸部
2721 電源
2723 操作キー
2725 スピーカ
4001 基板
4002 画素部
4003 信号線駆動回路
4004 走査線駆動回路
4005 シール材
4006 基板
4008 液晶層
4010 薄膜トランジスタ
4011 薄膜トランジスタ
4013 液晶素子
4015 接続端子電極
4016 端子電極
4018 FPC
4019 異方性導電膜
4020 絶縁層
4021 絶縁層
4030 画素電極層
4031 対向電極層
4032 絶縁層
4040 導電層
4041a 絶縁層
4041b 絶縁層
4042a 絶縁層
4042b 絶縁層
4503a 信号線駆動回路
4504a 走査線駆動回路
4518a FPC
4541a 絶縁層
4541b 絶縁層
4542a 絶縁層
4542b 絶縁層
4501 基板
4502 画素部
4505 シール材
4506 基板
4507 充填材
4509 薄膜トランジスタ
4510 薄膜トランジスタ
4511 発光素子
4512 電界発光層
4513 電極層
4515 接続端子電極
4516 端子電極
4517 電極層
4519 異方性導電膜
4520 隔壁
4540 導電層
4543 絶縁層
4544 絶縁層
5300 基板
5301 画素部
5302 第1の走査線駆動回路
5303 第2の走査線駆動回路
5304 信号線駆動回路
5305 タイミング制御回路
5601 シフトレジスタ
5602 スイッチング回路
5603 薄膜トランジスタ
5604 配線
5605 配線
6400 画素
6401 スイッチング用トランジスタ
6402 駆動用トランジスタ
6403 容量素子
6404 発光素子
6405 信号線
6406 走査線
6407 電源線
6408 共通電極
7001 TFT
7002 発光素子
7003 陰極
7004 発光層
7005 陽極
7008 陰極
7009 隔壁
7011 駆動用TFT
7012 発光素子
7013 陰極
7014 発光層
7015 陽極
7016 遮蔽膜
7017 導電膜
7018 導電膜
7019 隔壁
7021 駆動用TFT
7022 発光素子
7023 陰極
7024 発光層
7025 陽極
7027 導電膜
7028 導電膜
7029 隔壁
9201 表示部
9202 表示ボタン
9203 操作スイッチ
9205 調節部
9206 カメラ部
9207 スピーカ
9208 マイク
9301 上部筐体
9302 下部筐体
9303 表示部
9304 キーボード
9305 外部接続ポート
9306 ポインティングデバイス
9307 表示部
9600 テレビジョン装置
9601 筐体
9603 表示部
9605 スタンド
9607 表示部
9609 操作キー
9610 リモコン操作機
9700 デジタルフォトフレーム
9701 筐体
9703 表示部
9881 筐体
9882 表示部
9883 表示部
9884 スピーカ部
9885 入力手段(操作キー)
9886 記録媒体挿入部
9887 接続端子
9888 センサ
9889 マイクロフォン
9890 LEDランプ
9891 筐体
9893 連結部
9900 スロットマシン
9901 筐体
9903 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁表面上にゲート電極層と、
前記ゲート電極層上にゲート絶縁層と、
前記ゲート絶縁層上にソース電極層及びドレイン電極層と、
前記ゲート絶縁層、前記ソース電極層、及び前記ドレイン電極層上に酸化物半導体層と、
前記酸化物半導体層上に酸化物絶縁層と、
前記酸化物絶縁層及び前記酸化物半導体層上に窒化物絶縁層と、を有し、
前記酸化物半導体層は第1乃至第3の領域を有し、
前記第1の領域は、前記第2の領域と前記第3の領域の間に設けられ、かつ、前記ゲート絶縁膜を介して前記ゲート電極層と重なり、
前記ソース電極層及び前記ドレイン電極層は、前記ゲート電極層と重ならず、
前記ソース電極層の側面部の一部及び前記ドレイン電極層の側面部の一部は、前記酸化物半導体層と接し、
前記酸化物絶縁層は、前記第1の領域において前記酸化物半導体層と接し、
前記窒化物絶縁層は、前記酸化物半導体層の前記第2及び前記第3の領域と接することを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2013−65893(P2013−65893A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−286517(P2012−286517)
【出願日】平成24年12月28日(2012.12.28)
【分割の表示】特願2010−170067(P2010−170067)の分割
【原出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】