半導体集積回路装置
【課題】アンプのゲインVGAINを任意に設定し、かつ、アンプの効率を向上させる。
【解決手段】半導体集積回路装置10は、所定のバイアス電圧に基づいて、入力信号を増幅させて出力信号を生成する増幅装置30を制御するものであって、電流源から供給された電流を分配比に従って分配し、第1分配電流及び第2分配電流を生成する電流分配部102と、前記電流分配部102によって生成された第1分配電流と前記入力信号とを合成して第1合成電流を生成する第1電流合成部104と、前記電流分配部によって生成された第2分配電流と前記第1電流合成部によって生成された第1合成電流とを合成し、合成比に従って第2合成電流を生成し、前記第2合成電流を前記増幅装置に出力する第2電流合成部106と、を備えている。
【解決手段】半導体集積回路装置10は、所定のバイアス電圧に基づいて、入力信号を増幅させて出力信号を生成する増幅装置30を制御するものであって、電流源から供給された電流を分配比に従って分配し、第1分配電流及び第2分配電流を生成する電流分配部102と、前記電流分配部102によって生成された第1分配電流と前記入力信号とを合成して第1合成電流を生成する第1電流合成部104と、前記電流分配部によって生成された第2分配電流と前記第1電流合成部によって生成された第1合成電流とを合成し、合成比に従って第2合成電流を生成し、前記第2合成電流を前記増幅装置に出力する第2電流合成部106と、を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路装置に関し、特に、無線通信システムのパワーアンプに用いられる半導体集積回路装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の無線通信技術の発達に伴い、無線通信システムのパワーアンプ(増幅器)の高効率化及び高線形化が求められている。一般的には、互いに特性の異なる多様なパワーアンプが知られている。
【0003】
一般的なAB級アンプは、非特許文献1に示されるように、トランジスタの非線形性を利用するものである。具体的には、トランジスタの入力信号振幅VINと直流バイアス電流IBIASの関係を利用して、アンプの高効率化及び高線形性化を図るものである。
【0004】
トランジスタの直流バイアス電圧がVBIAS、入力信号振幅がVIN、出力信号振幅がVOUTとすると、一般的なAB級アンプでは、入力信号振幅VINが小さいときの直流バイアス電流IBIASは、例えば、10mA程度であるが、入力信号振幅VINが大きくなるにつれてトランジスタの非線形特性により直流バイアス電流IBIASが増加する。すなわち、一般的なAB級アンプは、入力信号振幅VINが大きいときにのみ、大きな直流バイアス電流IBIASを流すという特性を有する。一般的なAB級アンプの出力信号振幅VOUTを大きくするためには、大きな直流バイアス電流IBIASが必要である。AB級アンプを用いる場合には、大きな出力信号振幅VOUTが必要なときにのみ大きな入力信号振幅VINを与えれば良いので、AB級アンプは効率の良い回路といえる。
【0005】
しかし、実際には、入力信号振幅VINとAB級アンプのゲインVGAIN(VOUT/VIN)の関係は直流バイアス電圧VBIASに大きく依存する。例えば、直流バイアス電圧VBIASが大き過ぎるときには、入力信号振幅VINの増加分に対して直流バイアス電流IBIASの増加分が小さいので、AB級アンプのゲインVGAINはすぐに下がってしまう。一方、直流バイアス電圧VBIASが小さ過ぎるときには、入力信号振幅VINの増加分に対して直流バイアス電流IBIASの増加分が大きく、入力信号振幅VINに応じてAB級アンプのゲインVGAINが増加し過ぎてしまい、線形特性を維持したまま増幅することができない。従って、AB級アンプの線形特性を維持したまま増幅することができるのは、直流バイアス電圧VBIASの大きさが適当な値であるときだけであり、AB級アンプのゲインVGAINを自由に設定することができないという問題がある。
【0006】
また、一般的なAB級アンプでは、信号電流が電源とグラウンド(GND)の間を流れるために、電源又はGNDの寄生インピーダンス、特に、寄生抵抗と寄生インダクタンスに弱いという問題がある。
【0007】
これに対して、差動構成のアンプを採用することにより、電源又はGNDの寄生インピーダンスの影響は緩和される。しかし、一般的なA級アンプでは、同相モード除去比が小さいという問題や2倍波など偶数時の高調波が発生するという問題がある。
【0008】
これに対して、差動対構成のアンプ(A級アンプ)を採用することにより、差動構成の問題を回避することができる。しかし、差動対構成のアンプでは、直流バイアス電流IBIASが入力信号振幅VINに応じて増加しないので、アンプの効率が低下するという問題がある。
【特許文献1】特許3343260号
【非特許文献1】“RF Power Amplifiers for Wireless Communications”、Artech House Microwave Library社、Steve C. Cripps(著)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、アンプのゲインVGAINを任意に設定し、かつ、アンプの効率を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1態様によれば、所定のバイアス電圧に基づいて、入力信号を増幅させて出力信号を生成する増幅装置を制御する半導体集積回路装置であって、電流源から供給された電流を分配比に従って分配し、第1分配電流及び第2分配電流を生成する電流分配部と、前記電流分配部によって生成された第1分配電流と前記入力信号とを合成して第1合成電流を生成する第1電流合成部と、前記電流分配部によって生成された第2分配電流と前記第1電流合成部によって生成された第1合成電流とを合成し、合成比に従って第2合成電流を生成し、前記第2合成電流を前記増幅装置に出力する第2電流合成部と、を備えたことを特徴とする半導体集積回路装置が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、アンプのゲインVGAINを任意に設定し、かつ、アンプの効率を向上させることができ、ひいては、多様な無線通信規格に対応し、かつ、出力信号を効率的に増幅させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。なお、以下の実施例は、本発明の実施の一形態であって、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0013】
はじめに、本発明の実施例1について説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施例1の無線通信システム1の構成を示すブロック図である。本発明の実施例1の無線通信システム1は、半導体集積回路装置10、信号入力装置20、アンプ(増幅器)30及びアンテナ40を備える。
【0015】
半導体集積回路装置10は、図示しない外部回路から入力電流I1を入力し、入力信号振幅VINに依存する直流バイアス電流IBIASを生成し、アンプ30に出力する。
【0016】
信号入力装置20は、入力信号振幅VINを生成し、半導体集積回路装置10及びアンプ30に出力する。
【0017】
アンプ30は、直流バイアス電流IBIAS及び入力信号振幅VINに基づいて出力信号振幅VOUTを生成し、アンテナ40に出力する。
【0018】
アンテナ40は、出力信号振幅VOUTに基づいて無線信号Wを生成し、図示しない外部の回路に出力する。
【0019】
図2は、本発明の実施例1の半導体集積回路装置10の構成を示すブロック図である。
【0020】
図3は、本発明の実施例1の半導体集積回路装置10の回路例を示す回路図である。
【0021】
本発明の実施例1の半導体集積回路装置10は、電流分配部102、第1電流合成部104及び第2電流合成部106を備える。
【0022】
電流分配部102は、図示しない外部回路から入力電流I1を入力し、所定の分配比α(0<α<1)に基づいて入力電流I1を分配し、第1分配電流αI1及び第2分配電流(1−α)I1を生成する。
【0023】
第1電流合成部104は、図示しない信号入力装置20から入力信号振幅VINを入力し、電流分配部102によって生成された第1分配電流αI1と入力信号振幅VINとを合成し、入力信号振幅VINに依存する第1合成電流αI1+αI(VIN)を生成する。図3に示されるように、第1電流合成部104の回路構成は、AB級アンプ30と同様である。
【0024】
第2電流合成部106は、所定の合成比(ミラー比)K(0<K<1)に基づいて電流分配部102によって生成された第2分配電流(1−α)I1と第1電流合成部104によって生成された第1合成電流αI1+αI(VIN)とを合成し、直流バイアス電流IBIAS=K{I1+αI(VIN)}を生成し、図示しないアンプ30に出力する。
【0025】
本発明の実施例1の半導体集積回路装置10は、分配比αを変えることにより、入力信号振幅VINに応じて直流バイアス電流IBIASの増加分を変えることができる。また、本発明の実施例1の半導体集積回路装置10は、合成比Kを変えることにより、入力信号振幅VINが小さいときの直流バイアス電流IBIASを変えることができる。
【0026】
本発明の実施例1によれば、電流分配部102の分配比α又は合成比Kに応じて直流バイアス電流IBIASの大きさが変わるので、AB級アンプの任意のゲインVGAINにおいて線形特性を得ることができ、ひいては、携帯電話(PDC、W-CDMA)、UWB、Bluetooth、WLAN等の多様な無線通信規格の増幅を1つのアンプで行うことができる。
【0027】
また、入力信号振幅VINに応じて直流バイアス電流IBIASが変わるので、AB級アンプのゲインVGAINの線形特性を維持したま、効率的に増幅することができる。
【実施例2】
【0028】
次に、本発明の実施例1について説明する。本発明の実施例1では、AB級アンプに出力する直流バイアス電流IBIASの大きさを変える例について説明したが、本発明の実施例2では、AB級アンプ以外のアンプに出力する直流バイアス電流IBIASの大きさを変える例について説明する。なお、本発明の実施例1と同様の内容についての説明は省略する。
【0029】
図4は、本発明の実施例2の差動構成のアンプのための半導体集積回路装置10の回路例を示す回路図である。
【0030】
図5は、本発明の実施例2のA級アンプのための半導体集積回路装置10の回路例を示す回路図である。
【0031】
図4に示されるように、差動構成のアンプのための半導体集積回路装置10の第1電流合成部104の回路構成は、差動構成のアンプ30の回路構成と同様である。
【0032】
図5に示されるように、A級アンプのための半導体集積回路装置10の第1電流合成部104の回路構成は、A級アンプ30の回路構成と同様である。
【0033】
本発明の実施例2によれば、第1電流合成部104の回路構成をアンプ30(例えば、差動構成のアンプ又はA級アンプ)の回路構成に合わせるので、アンプの種類によらず、実施例1と同様の効果を得ることができる。
【実施例3】
【0034】
次に、本発明の実施例3について説明する。本発明の実施例1及び2では、アンプに出力する直流バイアス電流IBIASを変える例について説明したが、実施例3では、アンプから出力された出力信号振幅VOUTに応じて、直流バイアス電流IBIASを変える例について説明する。なお、本発明の実施例1及び2と同様の内容についての説明は省略する。
【0035】
図6は、本発明の実施例3の半導体集積回路装置10の構成を示すブロック図である。本発明の実施例3の半導体集積回路装置10は、本発明の実施例1の半導体集積回路装置10と同様の構成に加えて、制御部112及び検出部114を備える。
【0036】
制御部112は、検出部114の検出結果(出力信号振幅VOUTの値)に応じて、電流分配部102の分配比α及び第2電流合成部106の合成比Kの少なくとも一方を変える。また、制御部112は、任意の入力信号振幅VINを得るために、図示しない信号入力装置20を制御する。
【0037】
検出部114は、図示しないアンプ30の出力信号振幅VOUTの値(振幅値又はパワー)を検出し、検出結果を制御部112へ出力する。
【0038】
はじめに、制御部112は、最大入力信号振幅の半分以下の入力信号振幅VINを出力するように図示しない信号発生装置20を制御する。例えば、このときの入力信号振幅VIN1は、−10[dBm]以下である。
【0039】
次に、検出部114は、小さい入力信号振幅VINに対応するアンプの出力信号振幅VOUTの値を検出し、検出結果を制御部112に出力する。
【0040】
次に、制御部112は、検出部114から出力された検出結果に基づいて、アンプのゲインVGAINが所望の値になるように、合成比Kを制御する。
【0041】
次に、制御部112は、最大入力信号振幅の半分以上の入力信号振幅VINを出力するように図示しない信号発生装置20を制御する。例えば、このときの入力信号振幅VIN2は、所望するゲインVGAINによって異なるが、−5から5dBm程度である。
【0042】
次に、検出部114は、図示しないアンプ30によって増幅された出力信号振幅VOUTの値を検出し、検出結果を制御部112に出力する。
【0043】
次に、御部112は、検出部114から出力された検出結果に基づいて、アンプのゲインVGAINが所望の値になるように、分配比αを制御する。
【0044】
本発明の実施例3によれば、制御部112が出力信号振幅に応じて分配比α又は合成比Kを変えるので、本発明の実施例1よりも適切にAB級アンプのゲインVGAINの線形特性を維持したまま、効率的に増幅させることができる。
【比較例】
【0045】
次に、本発明の比較例について説明する。本発明の比較例では、本発明の実施例の半導体集積装置10を設けない場合のAB級アンプのゲインとの比較について説明する。
【0046】
図7は、一般的なAB級アンプの回路例を示す回路図である。
【0047】
図8は、図7に示されるような一般的なアンプの入力信号振幅VINと直流バイアス電流IBIASの関係を示すグラフである。
【0048】
図9は、一般的なA級アンプの回路例を示す回路図である。
【0049】
図8に示されるように、図7に示されるような一般的なアンプの入力信号振幅VINと直流バイアス電流IBIASの関係は、入力信号振幅VINが小さい領域(約−10dBm以下)で直流バイアス電流IBIASが一定の値(約10.0mA)を示し、入力信号振幅VINが大きい領域(約−10dBm以上)で直流バイアス電流IBIASが大きい値を示すという非線形特性を有する。すなわち、一般的なAB級アンプは、所定の値以上の入力信号振幅VINに対してのみ、直流バイアス電流IBIASが増加するという効率的な増幅特性を有する。
【0050】
図10は、実際のアンプの入力信号振幅VINとゲインVGAINの関係を示すグラフである。実際の入力信号振幅VINとゲインVGAINの関係は、直流バイアス電圧VBIASの大きさに大きく依存する。
【0051】
その結果、図10(1)に示されるように、直流バイアス電圧VBIASが図7のトランジスタの閾値電圧に比べて250mV以上大きい場合には、入力信号振幅VINの増加分に対する直流バイアス電流IBIASの増加分は小さい。従って、入力信号振幅VINが所定の値(約―5dBm)を超える場合には線形特性を維持することができず、ゲインVGAINが減少する。
【0052】
また、図10(2)に示されるように、直流バイアス電圧VBIASが図7のトランジスタの閾値電圧に比べて100mV以上小さい場合には、入力信号振幅VINの増加分に対する直流バイアス電流IBIASの増加分は大きい。従って、入力信号振幅VINが所定の値(約―5dBm)を超える場合には線形特性を維持することができず、ゲインVGAINが減少する。
【0053】
一方、図10(3)に示されるように、直流バイアス電圧VBIASが所定の最適値である場合には、入力信号振幅VINの増加分に対する直流バイアス電流IBIASの増加分が適切な値を示す。従って、入力信号振幅VINが所定の値(約―5dBm)を超えても線形特性を維持することができる。その結果、ゲインVGAINの減少を抑制することができる。
【0054】
しかし、図10(3)に示されるような線形特性を維持するためには、直流バイアス電圧VBIASが所定の最適値である必要がある。従って、直流バイアス電圧VBIASの値が最適値以外である場合には、線形特性を維持することはできない。
【0055】
また、一般的なAB級アンプは、信号電流が電源とグラウンドの間を流れるために、電源とグラウンドの間の寄生インピーダンス(特に、寄生抵抗及び寄生インダクタンス)に弱いという問題がある。
【0056】
これに対して、一般的な差動構成のアンプは、寄生インピーダンスに関する問題を解決することができるが、2倍波等の偶数時の高調波が発生してしまうという問題がある。
【0057】
これらに対して、図9に示されるような一般的なA級アンプは、これらの問題を解決することができるが、直流バイアス電流IBIASが入力信号振幅VINに応じて増加するという特性(図8を参照)を有していないため、アンプの効率が低下するという問題がある。
【0058】
図11は、本発明の実施例の半導体集積回路装置10と接続されるアンプの入力信号振幅VINとゲインVGAINの関係を示すグラフである。
【0059】
図11(1)′〜(3)′に示されるように、本発明の実施例の半導体集積回路装置10と接続されるアンプは、バイアス電圧VBIASの値の大きさによらずに、図9(2)に示されるような線形特性を維持することができる。
【0060】
また、本発明の実施例の半導体集積回路装置10は、アンプの回路構成によらずに同様の効果を奏するので、上記に示されるような一般的なAB級アンプ、差動構成のアンプ及びA級アンプの問題を解決し、かつ、効率的に増幅させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施例1の無線通信システム1の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例1の半導体集積回路装置10の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例1の半導体集積回路装置10の回路例を示す回路図である。
【図4】本発明の実施例2の差動構成のアンプのための半導体集積回路装置10の回路例を示す回路図である。
【図5】本発明の実施例2のA級アンプのための半導体集積回路装置10の回路例を示す回路図である。
【図6】本発明の実施例3の半導体集積回路装置10の構成を示すブロック図である。
【図7】一般的なAB級アンプの回路例を示す回路図である。
【図8】図7に示されるような一般的なアンプの入力信号振幅VINと直流バイアス電流IBIASの関係を示すグラフである。
【図9】一般的なA級アンプの回路例を示す回路図である。
【図10】実際のアンプの入力信号振幅VINとゲインVGAINの関係を示すグラフである。
【図11】本発明の実施例の半導体集積回路装置10と接続されるアンプの入力信号振幅VINとゲインVGAINの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0062】
10 半導体集積回路装置
20 信号入力装置
30 アンプ(増幅装置)
40 アンテナ
102 電流分配部
104 第1電流合成部
106 第2電流合成部
112 制御部
114 検出部
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路装置に関し、特に、無線通信システムのパワーアンプに用いられる半導体集積回路装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の無線通信技術の発達に伴い、無線通信システムのパワーアンプ(増幅器)の高効率化及び高線形化が求められている。一般的には、互いに特性の異なる多様なパワーアンプが知られている。
【0003】
一般的なAB級アンプは、非特許文献1に示されるように、トランジスタの非線形性を利用するものである。具体的には、トランジスタの入力信号振幅VINと直流バイアス電流IBIASの関係を利用して、アンプの高効率化及び高線形性化を図るものである。
【0004】
トランジスタの直流バイアス電圧がVBIAS、入力信号振幅がVIN、出力信号振幅がVOUTとすると、一般的なAB級アンプでは、入力信号振幅VINが小さいときの直流バイアス電流IBIASは、例えば、10mA程度であるが、入力信号振幅VINが大きくなるにつれてトランジスタの非線形特性により直流バイアス電流IBIASが増加する。すなわち、一般的なAB級アンプは、入力信号振幅VINが大きいときにのみ、大きな直流バイアス電流IBIASを流すという特性を有する。一般的なAB級アンプの出力信号振幅VOUTを大きくするためには、大きな直流バイアス電流IBIASが必要である。AB級アンプを用いる場合には、大きな出力信号振幅VOUTが必要なときにのみ大きな入力信号振幅VINを与えれば良いので、AB級アンプは効率の良い回路といえる。
【0005】
しかし、実際には、入力信号振幅VINとAB級アンプのゲインVGAIN(VOUT/VIN)の関係は直流バイアス電圧VBIASに大きく依存する。例えば、直流バイアス電圧VBIASが大き過ぎるときには、入力信号振幅VINの増加分に対して直流バイアス電流IBIASの増加分が小さいので、AB級アンプのゲインVGAINはすぐに下がってしまう。一方、直流バイアス電圧VBIASが小さ過ぎるときには、入力信号振幅VINの増加分に対して直流バイアス電流IBIASの増加分が大きく、入力信号振幅VINに応じてAB級アンプのゲインVGAINが増加し過ぎてしまい、線形特性を維持したまま増幅することができない。従って、AB級アンプの線形特性を維持したまま増幅することができるのは、直流バイアス電圧VBIASの大きさが適当な値であるときだけであり、AB級アンプのゲインVGAINを自由に設定することができないという問題がある。
【0006】
また、一般的なAB級アンプでは、信号電流が電源とグラウンド(GND)の間を流れるために、電源又はGNDの寄生インピーダンス、特に、寄生抵抗と寄生インダクタンスに弱いという問題がある。
【0007】
これに対して、差動構成のアンプを採用することにより、電源又はGNDの寄生インピーダンスの影響は緩和される。しかし、一般的なA級アンプでは、同相モード除去比が小さいという問題や2倍波など偶数時の高調波が発生するという問題がある。
【0008】
これに対して、差動対構成のアンプ(A級アンプ)を採用することにより、差動構成の問題を回避することができる。しかし、差動対構成のアンプでは、直流バイアス電流IBIASが入力信号振幅VINに応じて増加しないので、アンプの効率が低下するという問題がある。
【特許文献1】特許3343260号
【非特許文献1】“RF Power Amplifiers for Wireless Communications”、Artech House Microwave Library社、Steve C. Cripps(著)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、アンプのゲインVGAINを任意に設定し、かつ、アンプの効率を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1態様によれば、所定のバイアス電圧に基づいて、入力信号を増幅させて出力信号を生成する増幅装置を制御する半導体集積回路装置であって、電流源から供給された電流を分配比に従って分配し、第1分配電流及び第2分配電流を生成する電流分配部と、前記電流分配部によって生成された第1分配電流と前記入力信号とを合成して第1合成電流を生成する第1電流合成部と、前記電流分配部によって生成された第2分配電流と前記第1電流合成部によって生成された第1合成電流とを合成し、合成比に従って第2合成電流を生成し、前記第2合成電流を前記増幅装置に出力する第2電流合成部と、を備えたことを特徴とする半導体集積回路装置が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、アンプのゲインVGAINを任意に設定し、かつ、アンプの効率を向上させることができ、ひいては、多様な無線通信規格に対応し、かつ、出力信号を効率的に増幅させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。なお、以下の実施例は、本発明の実施の一形態であって、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0013】
はじめに、本発明の実施例1について説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施例1の無線通信システム1の構成を示すブロック図である。本発明の実施例1の無線通信システム1は、半導体集積回路装置10、信号入力装置20、アンプ(増幅器)30及びアンテナ40を備える。
【0015】
半導体集積回路装置10は、図示しない外部回路から入力電流I1を入力し、入力信号振幅VINに依存する直流バイアス電流IBIASを生成し、アンプ30に出力する。
【0016】
信号入力装置20は、入力信号振幅VINを生成し、半導体集積回路装置10及びアンプ30に出力する。
【0017】
アンプ30は、直流バイアス電流IBIAS及び入力信号振幅VINに基づいて出力信号振幅VOUTを生成し、アンテナ40に出力する。
【0018】
アンテナ40は、出力信号振幅VOUTに基づいて無線信号Wを生成し、図示しない外部の回路に出力する。
【0019】
図2は、本発明の実施例1の半導体集積回路装置10の構成を示すブロック図である。
【0020】
図3は、本発明の実施例1の半導体集積回路装置10の回路例を示す回路図である。
【0021】
本発明の実施例1の半導体集積回路装置10は、電流分配部102、第1電流合成部104及び第2電流合成部106を備える。
【0022】
電流分配部102は、図示しない外部回路から入力電流I1を入力し、所定の分配比α(0<α<1)に基づいて入力電流I1を分配し、第1分配電流αI1及び第2分配電流(1−α)I1を生成する。
【0023】
第1電流合成部104は、図示しない信号入力装置20から入力信号振幅VINを入力し、電流分配部102によって生成された第1分配電流αI1と入力信号振幅VINとを合成し、入力信号振幅VINに依存する第1合成電流αI1+αI(VIN)を生成する。図3に示されるように、第1電流合成部104の回路構成は、AB級アンプ30と同様である。
【0024】
第2電流合成部106は、所定の合成比(ミラー比)K(0<K<1)に基づいて電流分配部102によって生成された第2分配電流(1−α)I1と第1電流合成部104によって生成された第1合成電流αI1+αI(VIN)とを合成し、直流バイアス電流IBIAS=K{I1+αI(VIN)}を生成し、図示しないアンプ30に出力する。
【0025】
本発明の実施例1の半導体集積回路装置10は、分配比αを変えることにより、入力信号振幅VINに応じて直流バイアス電流IBIASの増加分を変えることができる。また、本発明の実施例1の半導体集積回路装置10は、合成比Kを変えることにより、入力信号振幅VINが小さいときの直流バイアス電流IBIASを変えることができる。
【0026】
本発明の実施例1によれば、電流分配部102の分配比α又は合成比Kに応じて直流バイアス電流IBIASの大きさが変わるので、AB級アンプの任意のゲインVGAINにおいて線形特性を得ることができ、ひいては、携帯電話(PDC、W-CDMA)、UWB、Bluetooth、WLAN等の多様な無線通信規格の増幅を1つのアンプで行うことができる。
【0027】
また、入力信号振幅VINに応じて直流バイアス電流IBIASが変わるので、AB級アンプのゲインVGAINの線形特性を維持したま、効率的に増幅することができる。
【実施例2】
【0028】
次に、本発明の実施例1について説明する。本発明の実施例1では、AB級アンプに出力する直流バイアス電流IBIASの大きさを変える例について説明したが、本発明の実施例2では、AB級アンプ以外のアンプに出力する直流バイアス電流IBIASの大きさを変える例について説明する。なお、本発明の実施例1と同様の内容についての説明は省略する。
【0029】
図4は、本発明の実施例2の差動構成のアンプのための半導体集積回路装置10の回路例を示す回路図である。
【0030】
図5は、本発明の実施例2のA級アンプのための半導体集積回路装置10の回路例を示す回路図である。
【0031】
図4に示されるように、差動構成のアンプのための半導体集積回路装置10の第1電流合成部104の回路構成は、差動構成のアンプ30の回路構成と同様である。
【0032】
図5に示されるように、A級アンプのための半導体集積回路装置10の第1電流合成部104の回路構成は、A級アンプ30の回路構成と同様である。
【0033】
本発明の実施例2によれば、第1電流合成部104の回路構成をアンプ30(例えば、差動構成のアンプ又はA級アンプ)の回路構成に合わせるので、アンプの種類によらず、実施例1と同様の効果を得ることができる。
【実施例3】
【0034】
次に、本発明の実施例3について説明する。本発明の実施例1及び2では、アンプに出力する直流バイアス電流IBIASを変える例について説明したが、実施例3では、アンプから出力された出力信号振幅VOUTに応じて、直流バイアス電流IBIASを変える例について説明する。なお、本発明の実施例1及び2と同様の内容についての説明は省略する。
【0035】
図6は、本発明の実施例3の半導体集積回路装置10の構成を示すブロック図である。本発明の実施例3の半導体集積回路装置10は、本発明の実施例1の半導体集積回路装置10と同様の構成に加えて、制御部112及び検出部114を備える。
【0036】
制御部112は、検出部114の検出結果(出力信号振幅VOUTの値)に応じて、電流分配部102の分配比α及び第2電流合成部106の合成比Kの少なくとも一方を変える。また、制御部112は、任意の入力信号振幅VINを得るために、図示しない信号入力装置20を制御する。
【0037】
検出部114は、図示しないアンプ30の出力信号振幅VOUTの値(振幅値又はパワー)を検出し、検出結果を制御部112へ出力する。
【0038】
はじめに、制御部112は、最大入力信号振幅の半分以下の入力信号振幅VINを出力するように図示しない信号発生装置20を制御する。例えば、このときの入力信号振幅VIN1は、−10[dBm]以下である。
【0039】
次に、検出部114は、小さい入力信号振幅VINに対応するアンプの出力信号振幅VOUTの値を検出し、検出結果を制御部112に出力する。
【0040】
次に、制御部112は、検出部114から出力された検出結果に基づいて、アンプのゲインVGAINが所望の値になるように、合成比Kを制御する。
【0041】
次に、制御部112は、最大入力信号振幅の半分以上の入力信号振幅VINを出力するように図示しない信号発生装置20を制御する。例えば、このときの入力信号振幅VIN2は、所望するゲインVGAINによって異なるが、−5から5dBm程度である。
【0042】
次に、検出部114は、図示しないアンプ30によって増幅された出力信号振幅VOUTの値を検出し、検出結果を制御部112に出力する。
【0043】
次に、御部112は、検出部114から出力された検出結果に基づいて、アンプのゲインVGAINが所望の値になるように、分配比αを制御する。
【0044】
本発明の実施例3によれば、制御部112が出力信号振幅に応じて分配比α又は合成比Kを変えるので、本発明の実施例1よりも適切にAB級アンプのゲインVGAINの線形特性を維持したまま、効率的に増幅させることができる。
【比較例】
【0045】
次に、本発明の比較例について説明する。本発明の比較例では、本発明の実施例の半導体集積装置10を設けない場合のAB級アンプのゲインとの比較について説明する。
【0046】
図7は、一般的なAB級アンプの回路例を示す回路図である。
【0047】
図8は、図7に示されるような一般的なアンプの入力信号振幅VINと直流バイアス電流IBIASの関係を示すグラフである。
【0048】
図9は、一般的なA級アンプの回路例を示す回路図である。
【0049】
図8に示されるように、図7に示されるような一般的なアンプの入力信号振幅VINと直流バイアス電流IBIASの関係は、入力信号振幅VINが小さい領域(約−10dBm以下)で直流バイアス電流IBIASが一定の値(約10.0mA)を示し、入力信号振幅VINが大きい領域(約−10dBm以上)で直流バイアス電流IBIASが大きい値を示すという非線形特性を有する。すなわち、一般的なAB級アンプは、所定の値以上の入力信号振幅VINに対してのみ、直流バイアス電流IBIASが増加するという効率的な増幅特性を有する。
【0050】
図10は、実際のアンプの入力信号振幅VINとゲインVGAINの関係を示すグラフである。実際の入力信号振幅VINとゲインVGAINの関係は、直流バイアス電圧VBIASの大きさに大きく依存する。
【0051】
その結果、図10(1)に示されるように、直流バイアス電圧VBIASが図7のトランジスタの閾値電圧に比べて250mV以上大きい場合には、入力信号振幅VINの増加分に対する直流バイアス電流IBIASの増加分は小さい。従って、入力信号振幅VINが所定の値(約―5dBm)を超える場合には線形特性を維持することができず、ゲインVGAINが減少する。
【0052】
また、図10(2)に示されるように、直流バイアス電圧VBIASが図7のトランジスタの閾値電圧に比べて100mV以上小さい場合には、入力信号振幅VINの増加分に対する直流バイアス電流IBIASの増加分は大きい。従って、入力信号振幅VINが所定の値(約―5dBm)を超える場合には線形特性を維持することができず、ゲインVGAINが減少する。
【0053】
一方、図10(3)に示されるように、直流バイアス電圧VBIASが所定の最適値である場合には、入力信号振幅VINの増加分に対する直流バイアス電流IBIASの増加分が適切な値を示す。従って、入力信号振幅VINが所定の値(約―5dBm)を超えても線形特性を維持することができる。その結果、ゲインVGAINの減少を抑制することができる。
【0054】
しかし、図10(3)に示されるような線形特性を維持するためには、直流バイアス電圧VBIASが所定の最適値である必要がある。従って、直流バイアス電圧VBIASの値が最適値以外である場合には、線形特性を維持することはできない。
【0055】
また、一般的なAB級アンプは、信号電流が電源とグラウンドの間を流れるために、電源とグラウンドの間の寄生インピーダンス(特に、寄生抵抗及び寄生インダクタンス)に弱いという問題がある。
【0056】
これに対して、一般的な差動構成のアンプは、寄生インピーダンスに関する問題を解決することができるが、2倍波等の偶数時の高調波が発生してしまうという問題がある。
【0057】
これらに対して、図9に示されるような一般的なA級アンプは、これらの問題を解決することができるが、直流バイアス電流IBIASが入力信号振幅VINに応じて増加するという特性(図8を参照)を有していないため、アンプの効率が低下するという問題がある。
【0058】
図11は、本発明の実施例の半導体集積回路装置10と接続されるアンプの入力信号振幅VINとゲインVGAINの関係を示すグラフである。
【0059】
図11(1)′〜(3)′に示されるように、本発明の実施例の半導体集積回路装置10と接続されるアンプは、バイアス電圧VBIASの値の大きさによらずに、図9(2)に示されるような線形特性を維持することができる。
【0060】
また、本発明の実施例の半導体集積回路装置10は、アンプの回路構成によらずに同様の効果を奏するので、上記に示されるような一般的なAB級アンプ、差動構成のアンプ及びA級アンプの問題を解決し、かつ、効率的に増幅させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施例1の無線通信システム1の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例1の半導体集積回路装置10の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例1の半導体集積回路装置10の回路例を示す回路図である。
【図4】本発明の実施例2の差動構成のアンプのための半導体集積回路装置10の回路例を示す回路図である。
【図5】本発明の実施例2のA級アンプのための半導体集積回路装置10の回路例を示す回路図である。
【図6】本発明の実施例3の半導体集積回路装置10の構成を示すブロック図である。
【図7】一般的なAB級アンプの回路例を示す回路図である。
【図8】図7に示されるような一般的なアンプの入力信号振幅VINと直流バイアス電流IBIASの関係を示すグラフである。
【図9】一般的なA級アンプの回路例を示す回路図である。
【図10】実際のアンプの入力信号振幅VINとゲインVGAINの関係を示すグラフである。
【図11】本発明の実施例の半導体集積回路装置10と接続されるアンプの入力信号振幅VINとゲインVGAINの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0062】
10 半導体集積回路装置
20 信号入力装置
30 アンプ(増幅装置)
40 アンテナ
102 電流分配部
104 第1電流合成部
106 第2電流合成部
112 制御部
114 検出部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のバイアス電圧に基づいて、入力信号を増幅させて出力信号を生成する増幅装置を制御する半導体集積回路装置であって、
電流源から供給された電流を分配比に従って分配し、第1分配電流及び第2分配電流を生成する電流分配部と、
前記電流分配部によって生成された第1分配電流と前記入力信号とを合成して第1合成電流を生成する第1電流合成部と、
前記電流分配部によって生成された第2分配電流と前記第1電流合成部によって生成された第1合成電流とを合成し、合成比に従って第2合成電流を生成し、前記第2合成電流を前記増幅装置に出力する第2電流合成部と、を備えたことを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項2】
前記第1電流合成部は、弱反転領域で動作する少なくとも1つのトランジスタを有する請求項1に記載の半導体集積回路装置。
【請求項3】
前記入力信号を生成する信号入力装置と接続され、前記入力信号の最大振幅の半分以下の振幅を有する信号を生成するように前記信号入力装置を制御し、前記合成比を変更するように前記第2電流合成部を制御する制御部をさらに備えた請求項1又は2に記載の半導体集積回路装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記入力信号の最大振幅の半分以上の振幅を有する信号を生成するように前記信号入力装置を制御し、前記分配比を変更するように前記電流分配部を制御する請求項3に記載の半導体集積回路装置。
【請求項5】
前記増幅装置によって生成された出力信号の出力特性を検出する検出部をさらに備え、
前記制御部は、前記検出部によって検出された出力特性に基づいて前記第1電流合成部又は前記電流分配部を制御する請求項1乃至4の何れか1項に記載の半導体集積回路装置。
【請求項1】
所定のバイアス電圧に基づいて、入力信号を増幅させて出力信号を生成する増幅装置を制御する半導体集積回路装置であって、
電流源から供給された電流を分配比に従って分配し、第1分配電流及び第2分配電流を生成する電流分配部と、
前記電流分配部によって生成された第1分配電流と前記入力信号とを合成して第1合成電流を生成する第1電流合成部と、
前記電流分配部によって生成された第2分配電流と前記第1電流合成部によって生成された第1合成電流とを合成し、合成比に従って第2合成電流を生成し、前記第2合成電流を前記増幅装置に出力する第2電流合成部と、を備えたことを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項2】
前記第1電流合成部は、弱反転領域で動作する少なくとも1つのトランジスタを有する請求項1に記載の半導体集積回路装置。
【請求項3】
前記入力信号を生成する信号入力装置と接続され、前記入力信号の最大振幅の半分以下の振幅を有する信号を生成するように前記信号入力装置を制御し、前記合成比を変更するように前記第2電流合成部を制御する制御部をさらに備えた請求項1又は2に記載の半導体集積回路装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記入力信号の最大振幅の半分以上の振幅を有する信号を生成するように前記信号入力装置を制御し、前記分配比を変更するように前記電流分配部を制御する請求項3に記載の半導体集積回路装置。
【請求項5】
前記増幅装置によって生成された出力信号の出力特性を検出する検出部をさらに備え、
前記制御部は、前記検出部によって検出された出力特性に基づいて前記第1電流合成部又は前記電流分配部を制御する請求項1乃至4の何れか1項に記載の半導体集積回路装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−301202(P2008−301202A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−145345(P2007−145345)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]