説明

半導体集積回路装置

【課題】フリップチップ構造を有する半導体集積回路装置において、パッドからチップ内部素子へ加わる応力の影響に起因するタイミング信頼性の劣化を低コストで防止する。
【解決手段】フリップチップ構造を有する半導体集積回路装置において、応力の影響を受ける半導体チップ101の外周列におけるパッド102の構造及び配置位置等について、応力の影響に起因するLSIの動作不具合が発生しにくいように予めレイアウトする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フリップチップ構造を有する半導体集積回路装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の半導体製造技術の微細化に伴い、LSIを構成するトランジスタ数は増加の一途を辿っている。また、LSIの構成要素が増加するに連れて、チップ面積の増加が懸念されており、チップ面積を抑制することがコスト面から見て最も重要な課題の1つとなっている。一方、LSIとパッケージとの接続方式として、ワイヤーボンディング方式が一般的に用いられてきた。この実装形態を用いた場合、LSIの構造はIOセルをチップ周辺に配置した構造となる。この構造を用いた場合の課題として、IOセル数に依存してチップ面積が増大することが挙げられる。さらに、前述のようなワイヤーボンディング方式を用いた場合、IOセルに対してワイヤーを圧着する必要があると共に、この圧着によってIOセルが破壊されないように、IOセルを一定の大きさ以上にして強度を保つ必要がある。また、圧着にはある程度の面積が必要であるため、物理的にもIOセルを小さくできないという制限がある。これらの原因により、微細プロセスにおいては、チップのIOセル数が多くなるとIOセルによってチップ面積が決まってしまう。このため、内部ロジックの配置合成手法などを用いて面積削減に取り組んだとしても、全体としてチップ面積の削減に結びつかなくなる。
【0003】
以上に述べた課題の解決策としてフリップチップ構造が用いられている。
【0004】
図18に示すように、フリップチップ接続に用いるチップ(LSI)21の平面構造によると、チップ21の全面に複数のパッド12が配置されていると共に、チップ21の周縁部にIOセル11が配置されている。IOセル11とパッド12とが再配線と呼ばれる配線13を介して電気的に接続されている。
【0005】
図19に示すように、図18に示したチップ21をパッケージ22とフリップチップ接続を行った断面構造によると、チップ21は、パッケージ22の表面にフェースダウンで搭載されると共にパッド12を通じてパッケージ22と電気的に接続される。また、パッケージ22の表面においてチップ21は樹脂23によって被覆されており、パッケージ22の裏面には外部電極24が設けられている。このように、フリップチップ構造を用いることにより、IOセルに対してワイヤリングを行う必要が無くなるため、IOセルを従来構造と比較して小さく形成することができる。また、IOセル自体をチップ21の周縁部、つまりLSIの周辺に配置する必要がなくなる。このため、ワイヤーボンディング方式での課題、つまり、IOセルがLSIの面積を決定してしまうという課題を解決することが可能となる。尚、以下の説明においては、フリップチップ方式でチップ全面に配置したパッドを特にエリアパッドと称する。
【0006】
ところで、フリップチップ方式を用いる上で対応すべき課題として、LSI(チップ)表面に配置したエリアパッドからLSI内部素子へ加わる応力の影響が挙げられる。具体的には、エリアパッドを通じてLSIに外部応力が加わるため、LSI上にはエリアパッドの配置に対応して応力の加わる部分と加わらない部分とが混在することになる。また、チップ面内の応力分布について、チップとインターポーザの温度依存による伸縮量の差が存在することにより、チップの外周部により強い応力がかかる傾向がある。ここで、LSIに応力が加わることに起因する影響として、エリアパッド直下に存在するトランジスタの特性が変化することが懸念されている。すなわち、この影響によりLSIのトランジスタの動作速度が不均一となるので、この影響を考慮しなければ、LSIの動作タイミングが影響を受けるため、LSI機能動作不良及び歩留り等について大きな問題が生じてしまう。
【0007】
この課題を解決する方法として、例えば、半導体チップ及びインターポーザの四隅部又は対角線上に設けられたダミー端子を備える手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、例えば、アライメントマークとして機能するマーク開口を用いてダミーバンプ電極を備える手法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−60587号公報
【特許文献2】特開2005−12065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1の方法は、チップの四隅部及び対角線上に対する応力緩和の手法であって、チップの外周部全体の応力に対する対策は講じられていない。
【0010】
また、特許文献2の方法は、チップの四隅部に配置されることが多いアライメントマークをダミーバンプ電極として用いる方法であるが、その個数が少ないため、チップの外周部の応力を抑制する大きな効果は期待できない。
【0011】
前記に鑑み、本発明の目的は、フリップチップ構造を有する半導体集積回路装置において、コストを抑制しながら、半導体チップの表面に配置したパッドから半導体チップの内部素子へ加わる応力の影響について、特に応力値の大きなチップの外周部の応力の影響を低減し、それにより、トランジスタの動作速度のばらつき等に起因するタイミング性能の劣化及び機能誤動作を防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の目的を達成するために、本願発明者は、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を行うことによって当該応力の影響を受けにくくする方策について、鋭意検討を重ねた。その結果、応力の影響を受ける半導体チップの外周列のパッド配置位置、パッド下側のセルの配置位置、又はパッドの開口形状等について、応力の影響に起因するLSIの動作不具合が発生しにくいように予めレイアウトしておくという技術的思想を見出した。
【0013】
具体的には、本発明の第1の半導体集積回路装置は、複数の入出力セルを有する半導体チップと、半導体チップの表面上に形成された複数のパッドと、半導体チップの表面上に形成され、且つ複数の入出力セルの少なくとも一部と複数のパッドの少なくとも一部とを電気的に接続する配線とを備え、複数のパッドは、半導体チップの外周列に形成されたパッドと、半導体チップの内周列に形成されたパッドとからなり、複数のパッドの各々の上には、樹脂保護膜が形成されており、外周列に形成されたパッド上の樹脂保護膜の形状は、内周列に形成されたパッド上の樹脂保護膜の形状と異なることを特徴とする。
【0014】
具体的には、本発明の第2の半導体集積回路装置は、第1の半導体集積回路装置において、樹脂保護膜には、複数のパッドの各々の上に開口部が形成されており、外周列に形成されたパッド上の開口部の開口径は、内周列に形成されたパッド上の開口部の開口径と異なることを特徴とする。
【0015】
具体的には、本発明の第3の半導体集積回路装置は、第2の半導体集積回路装置において、外周列に形成されたパッド上の開口部の開口径は、内周列に形成されたパッド上の開口部の開口径よりも小さいことを特徴とする。
【0016】
より応力の影響を受けやすい半導体チップの外周列のパッド上の樹脂保護膜の開口径を小さくすることにより、フリップチップ接合による応力の影響を受ける範囲を縮小することが可能となる。半導体チップの外周列は、外周1列のみでなく、外周2列、3列と、応力の影響をより強く受ける領域に対して適宜対策してもよい。このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0017】
具体的には、本発明に係る第4の半導体集積回路装置は、第3の半導体集積回路装置において、外周列に形成されたパッド上の開口部の開口径は、内周列に形成されたパッド上の開口部の開口径よりも大きいことを特徴とする。
【0018】
より応力の影響を受けやすい半導体チップの外周列のパッド上の樹脂保護膜の開口径を大きくすることにより、フリップチップ接合による応力そのものを縮小することが可能となる。半導体チップの外周列は、外周1列のみでなく、外周2列、3列と、応力の影響をより強く受ける領域に対して適宜対策してもよい。このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0019】
具体的には、本発明に係る第5の半導体集積回路装置は、第1の半導体集積回路装置において、外周列に形成されたパッドの上面は、樹脂保護膜に覆われていることを特徴とする。
【0020】
より応力の影響を受けやすい半導体チップの外周列のパッド上の樹脂保護膜を開口しないことにより、フリップチップ接合による応力の影響を縮小することが可能である。半導体チップの外周列は、外周1列のみでなく、外周2列、3列と、応力の影響をより強く受ける領域に対して適宜対策してもよい。このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0021】
具体的には、本発明に係る第6の半導体集積回路装置は、第1の半導体集積回路装置において、外周列に形成されたパッド上の樹脂保護膜には、開口部が形成されており、外周列に形成されたパッド上の開口部の開口形状は、リング型形状であることを特徴とする。
【0022】
より応力の影響を受けやすい半導体チップの外周列のパッド上の樹脂保護膜の開口形状がリング型形状とすることにより、フリップチップ接合による応力の影響範囲を縮小することが可能となる。半導体チップの外周列は、外周1列のみでなく、外周2列、3列と、応力の影響をより強く受ける領域に対して適宜対策してもよい。ここで、リング型形状は、円形のみでなく、適宜、八角形、四角形等の各種形状とする場合であっても、同様に応力を緩和する対策として可能である。このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0023】
具体的には、本発明の第7の半導体集積回路装置は、第1の半導体集積回路装置において、外周列に形成されたパッド上の樹脂保護膜には、開口部が形成されており、外周列に形成されたパッド上の開口部の開口形状は、アレイ状に並んだ複数個の開口が形成された形状であることを特徴とする。
【0024】
より応力の影響を受けやすい半導体チップの外周列のパッド上の樹脂保護膜の開口形状を、アレイ状に並んだ複数個の開口が形成された形状にすることにより、フリップチップ接合による応力の影響範囲を縮小することが可能となる。また、半導体チップの外周列は、外周1列のみでなく、外周2列、3列と、応力の影響をより強く受ける領域に対して適宜対策してもよい。このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0025】
具体的には、本発明の第8の半導体集積回路装置は、第6の半導体集積回路装置において、外周列に形成されたパッド上の樹脂保護膜には、リング型形状の内側にアレイ状に並んだ複数個の開口がさらに形成されていることを特徴とする。
【0026】
より応力の影響を受けやすい半導体チップの外周列のパッド上の樹脂保護膜の開口形状がリング型形状及びそのリング型形状の内側にアレイ状に並んだ複数個の開口がさらに形成されていることにより、フリップチップ接合による応力の影響を縮小することが可能とする。パッド上の樹脂保護膜の開口部をリング型形状とする際は、外周一列のみでなく、2列、3列と、適宜複数のリング形状とすることにより、応力を緩和する対策としてもよい。パッド上の樹脂保護膜においてアレイ状に並んだ複数個の開口を形成する際は、その開口を、円形のみでなく、適宜、八角形、四角形等の各種形状とする場合であっても、同様に応力を緩和する対策としてもよい。このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0027】
具体的には、本発明に係る第9の半導体集積回路装置は、第6の半導体集積回路装置において、外周列に形成されたパッド上の樹脂保護膜には、リング型形状の外側に複数個の開口がさらに形成されていることを特徴とする。
【0028】
より応力の影響を受けやすい半導体チップの外周列のパッド上の樹脂保護膜の開口形状がリング型形状であって、そのリング型形状の外側に複数個の開口がさらに形成されていることにより、フリップチップ接合による応力の影響を縮小することが可能とする。パッド上の樹脂保護膜の開口部をリング型形状とする際は、外周一列のみでなく、2列、3列と、適宜複数のリング形状とすることにより、応力を緩和する対策としてもよい。リング型形状の外側に複数個の開口をさらに形成する際は、その開口を、円形のみでなく、適宜、八角形、四角形等の各種形状とする場合であっても、同様に応力を緩和する対策としてもよい。このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0029】
具体的には、本発明に係る第10の半導体集積回路装置は、第1の半導体集積回路装置において、外周列に形成されたパッドの径は、内周列に形成されたパッドの径よりも大きいことを特徴とする。
【0030】
より応力の影響を受けやすい半導体チップの外周列のパッドの径を大きくすることにより、フリップチップ接合による応力を縮小することが可能となる。半導体チップの外周列は、外周1列のみでなく、外周2列、3列と、応力の影響をより強く受ける領域に対して適宜対策してもよい。このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0031】
具体的には、本発明に係る第11の半導体集積回路装置は、第1の半導体集積回路装置において、外周列に形成されたパッドの径は、内周列に形成されたパッドの径よりも小さいことを特徴とする。
【0032】
より応力の影響を受けやすい半導体チップの外周列のパッドの径を小さくすることにより、フリップチップ接合による応力の影響範囲を縮小することが可能となる。半導体チップの外周列は、外周1列のみでなく、外周2列、3列と、応力の影響をより強く受ける領域に対して適宜対策してもよい。このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0033】
具体的には、本発明に係る第12の半導体集積回路装置は、第1の半導体集積回路装置において、外周列に形成されたパッド上に配置されるバンプの径は、内周列に形成されたパッド上に配置されるバンプの径よりも大きいことを特徴とする。
【0034】
より応力の影響を受けやすい半導体チップの外周列のバンプの径を大きくすることにより、フリップチップ接合による応力を縮小することが可能となる。半導体チップの外周列は、外周1列のみでなく、外周2列、3列と、応力の影響をより強く受ける領域に対して適宜対策してもよい。このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0035】
具体的には、本発明に係る第13の半導体集積回路装置は、外周列に形成されたパッド上に配置されるバンプの径は、内周列に形成されたパッド上に配置されるバンプの径よりも小さいことを特徴とする。
【0036】
より応力の影響を受けやすい半導体チップの外周列のバンプの径を小さくすることにより、フリップチップ接合による応力の影響範囲を縮小することが可能となる。半導体チップの外周列は、外周1列のみでなく、外周2列、3列と、応力の影響をより強く受ける領域に対して適宜対策してもよい。このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0037】
具体的には、本発明に係る第14の半導体集積回路装置は、第1の半導体集積回路装置において、外周列に形成されたパッドの配置密度は、内周列に形成されたパッドの配置密度よりも高いことを特徴とする。
【0038】
より応力の影響を受けやすい半導体チップの外周列のパッドの配置密度を密にすることにより、フリップチップ接合応力の影響を縮小することが可能である。半導体チップの外周列は、外周1列のみでなく、外周2列、3列と、応力の影響をより強く受ける領域に対して適宜対策してもよい。このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0039】
具体的には、本発明に係る第15の半導体集積回路装置は、第1の半導体集積回路装置において、外周列に形成されたパッドが電源端子として使用されることを特徴とする。
【0040】
より応力の影響を受けやすい半導体チップの外周列は、半導体チップ及びインターポーザの配線が混雑しがちな場所であり、接続されたパッドを電源端子として使用することにより、配線混雑を引き起こすことなくフリップチップ接合による応力の影響を縮小することが可能となる。半導体チップの外周列は、外周1列のみでなく、外周2列、3列と、応力の影響をより強く受ける領域に対して適宜対策してもよい。このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0041】
具体的には、本発明の第16の半導体集積回路装置は、第1の半導体集積回路装置において、複数のパッドのうち半導体チップの四隅部に形成されたパッドの配置密度は、複数のパッドのうち半導体チップの四隅部以外に形成されたパッドの配置密度よりも高いことを特徴とする。
【0042】
より応力の影響を受けやすい半導体チップの外周列且つ半導体チップの四隅部について、パッドの配置密度を密にすることにより、フリップチップ接合による応力の影響を縮小することが可能となる。半導体チップの外周列は、外周1列のみでなく、外周2列、3列と、応力の影響をより強く受ける領域に対して適宜対策してもよい。半導体チップの四隅部の範囲は、半導体チップの四隅端から四角形の領域であっても三角形の領域に対してであっても対応可能である。このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0043】
具体的には、本発明に係る第17の半導体集積回路装置は、第1の半導体集積回路装置において、複数のパッドのうち半導体チップの四隅部に形成されたパッドが電源端子として使用されることを特徴とする。
【0044】
より応力の影響を受けやすい半導体チップの外周列且つ半導体チップの四隅部は、半導体チップ及びインターポーザの配線が混雑しがちな場所であり、パッド接続を電源端子として使用することにより、配線混雑を引き起こすことなくフリップチップ接合による応力の影響を縮小することが可能となる。半導体チップの外周列は、外周1列のみでなく、外周2列、3列と、応力の影響をより強く受ける領域に対して適宜対策してもよい。このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0045】
具体的には、本発明に係る第18の半導体集積回路装置は、第1の半導体集積回路装置において、複数の入出力セルは、タイミングばらつきが生じても半導体チップに誤動作を引き起こさない第1種別のセルと、半導体チップの内部に形成され、且つタイミングばらつきが生じると半導体チップに誤動作を引き起こす第2種別のセルとからなり、外周列に形成されたパッドの下側に位置する半導体チップの内部領域において、第1種別のセルの配置密度は第2種別のセルの配置密度よりも高いことを特徴とする。
【0046】
ここで、「第1種別のセル」、つまり「タイミングばらつきが生じても半導体チップに誤動作を引き起こさないセル」とは、例えばクロック同期して動作していないセルが該当し、「第2種別のセル」、つまり「タイミングばらつきが生じると半導体チップに誤動作を引き起こすセル」とは、例えば高速クロック同期によってシビアなタイミングで動作しているセルが該当する。
【0047】
この第18の半導体集積回路装置によると、半導体チップの外周列のパッドの下側の半導体チップの内部領域において、タイミングばらつきが生じても半導体チップに誤動作を引き起こさない第1種別のセルの配置密度は、タイミングばらつきが生じると半導体チップに誤動作を引き起こす第2種別のセルの配置密度よりも高い。このため、半導体チップの表面に配置したパッドから半導体チップ内部へ加わる応力の影響に起因するLSIの動作不具合が発生しにくくなるので、コストを抑制しつつ、タイミング信頼性の劣化を防止することができる。また、このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置をすることにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0048】
具体的には、本発明に係る第19の半導体集積回路装置は、第1の半導体集積回路装置において、半導体チップとフリップ接合するためのインターポーザをさらに備えることを特徴とする。
【0049】
具体的には、本発明に係る第20の半導体集積回路装置は、第18の半導体集積回路装置において、外周列に形成されたパッド上に配置されるバンプと接合されるインターポーザ接合部の開口径は、内周列に形成されたパッド上に配置されるバンプと接合されるインターポーザ接合部の開口径よりも大きいことを特徴とする。
【0050】
より応力の影響を受けやすい半導体チップの外周列のインターポーザ接合部の開口径を大きくすることにより、フリップチップ接合による応力を縮小することが可能である。半導体チップの外周列は、外周1列のみでなく、外周2列、3列と、応力の影響をより強く受ける領域に対して適宜対策してもよい。このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0051】
具体的には、本発明に係る第21の半導体集積回路装置は、第18の半導体集積回路装置において、外周列に形成されたパッド上に配置されるバンプと接合されるインターポーザ接合部の開口径は、内周列に形成されたパッド上に配置されるバンプと接合されるインターポーザ接合部の開口径よりも小さいことを特徴とする。
【0052】
より応力の影響を受けやすい半導体チップの外周列のはんだインターポーザ接合部の開口径を小さくすることにより、フリップチップ接合による応力の影響範囲を縮小することが可能となる。半導体チップの外周列は、外周1列のみでなく、外周2列、3列と、応力の影響をより強く受ける領域に対して適宜対策してもよい。このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0053】
本発明の第22の半導体集積回路装置は、第18の半導体集積回路装置において、半導体チップとフリップ接続したインターポーザ上の半導体チップの外周列において、半導体チップとインターポーザとを接合する樹脂材は、半導体チップの周囲及び半導体チップの外周列上部に塗布されていることを特徴とする。
【0054】
より応力の影響を受けやすい外周列の半導体チップとインターポーザを接合する樹脂材が、半導体チップの周囲及び半導体チップの外周列上部に塗布された形状とすることにより、フリップチップ接合による応力の影響範囲を縮小することが可能となる。このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0055】
以上説明したように、本発明によると、フリップチップ構造における半導体チップの外周列のパッドからの応力の影響を考慮したLSI設計及び半導体集積回路装置の構造を実現することが可能となる。このため、当該応力を原因とする半導体集積回路装置の不具合をコストを増加させることなく防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示す上面図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示す断面図である。
【図3】図3は、本発明の第2の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示す上面図である。
【図4】図4は、本発明の第3の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示す上面図である。
【図5】図5は、本発明の第3の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示す断面図である。
【図6】図6は、本発明の第4の実施形態に係る半導体集積回路装置のパッド部の構成を示す上面図である。
【図7】図7は、本発明の第4の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示す断面図である。
【図8】図8は、本発明の第5の実施形態に係る半導体集積回路装置のパッド部の構成を示す上面図である。
【図9】図9は、本発明の第5の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示す断面図である。
【図10】図10は、本発明の第6の実施形態に係る半導体集積回路装置のパッド部の構成を示す上面図である。
【図11】図11は、本発明の第6の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示す上面図である。
【図12】図12は、本発明の第7の実施形態に係る半導体集積回路装置のパッド部の構成を示す上面図である。
【図13】図13は、本発明の第8、10、17の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示す上面図である。
【図14】図14は、本発明の第9、11、18の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示す上面図である。
【図15】図15は、本発明の第12、13の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示す上面図である。
【図16】図16は、本発明の第14、15の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示す上面図である。
【図17】図17は、本発明の第19の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示す断面図である。
【図18】図18は、従来のフリップチップ構造を用いるチップの構成を示す平面図である。
【図19】図19は、従来のフリップチップ構造を用いたチップとパッケージとが接続された構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
以下、本発明の例示的な各実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下では、図面及び詳細な説明をもって本発明の技術的思想を明確に説明するものであり、当該技術分野におけるいずれの当業者であれば、本発明の好ましい実施例を理解した後に、本発明が開示する技術により、変更及び付加を加えることが可能であり、これは本発明の技術的思想及び範囲を逸脱するものではない。
【0058】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る半導体集積回路装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0059】
本実施形態では、特にチップの外周列におけるエリアパッドからの応力を考慮した半導体集積回路装置として、半導体チップ101の外周列においてパッド(パッドメタル)102上の樹脂保護膜103の開口径が半導体チップの内周列においてパッド102上の樹脂保護膜103の開口径よりも小開口径であることを特徴とする半導体集積回路装置について説明する。
【0060】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示す平面図であり、図2は、本発明の第1の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示す断面図である。
【0061】
図1における半導体チップ101上に、図2の断面図に示すようなパッド102がアレイ状に配置され、エリアパッド構造となっている。なお、特に図1は、半導体チップ101上に配置されたパッド102の形状を示しており、説明の便宜上、該パッド102上に形成されている樹脂保護膜103の部分を取り出して併せて示している。また、パッド102は、図示しないが半導体チップ101の周縁部に形成された入出力セル(図18参照)の少なくとも一部と半導体チップ101に形成された配線を通じて電気的に接続されている。
【0062】
図2に示すように、半導体チップ101の表面は、パッド102上に開口部103hs又は103hrを有する樹脂保護膜103によって覆われており、パッド102の上には当該開口部103hs又は103hrを埋めるようにバリアメタル106が形成されており、バリアメタル106上にはんだバンプ107が形成されている。はんだバンプ107を介して、インターポーザ基板110のインターポーザ接合部となる電極メタル109と電気的及び物理的に接合する構造が形成されている。半導体チップ101とインターポーザ基板110とは、インターポーザ樹脂材保護膜108、樹脂保護膜103及び窒化保護膜を介して、接合樹脂111によって物理的に接合された構造が形成されている。
【0063】
ここで、図1に示すように、半導体チップ101の表面上に形成されたパッド102について、半導体チップ101の外周列に配置されるパッド102上に位置する樹脂保護膜103に設けられた開口部103hsの開口径103sが、半導体チップ101の内部列に配置されるパッド102上に位置する樹脂保護膜103に設けられた開口部103hrの開口径103rよりも小さくなっている。
【0064】
より応力の影響を受けやすい半導体チップ101の外周列のパッド102上の樹脂保護膜103に設けられた開口部103hsの開口径103sを小さくすることにより、フリップチップ接合による応力の影響を受ける範囲を縮小することが可能である。半導体チップ101の外周列としては、図1に示す外周1列のみでなく、外周2列、3列と、応力の影響をより強く受ける領域に対して適宜対策してもよい。
【0065】
このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0066】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る半導体集積回路装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0067】
本実施形態では、特にチップの外周列におけるエリアパッドからの応力を考慮した半導体集積回路装置として、半導体チップ101の外周列においてパッド102上の樹脂保護膜103の開口径が半導体チップ101の内周列においてパッド102上の樹脂保護膜103の開口径よりも大開口径であることを特徴とする半導体集積回路装置について説明する。
【0068】
図3は、本発明の第2の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示す平面図であり、上記図2は、本発明の第2の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示す断面図でもある。
【0069】
図3に示すように、半導体チップ101の表面上に形成されたパッド102について、半導体チップ101の外周列に配置されるパッド102上に位置する樹脂保護膜103に設けられた開口部103hrの開口径103rが、半導体チップ101の内部列に配置されるパッド102上に位置する樹脂保護膜103に設けられた開口部103hsの開口径103sよりも大きくなっている。
【0070】
より応力の影響を受けやすい半導体チップ101の外周列のパッド102上の樹脂保護膜103に設けられた開口部103hrの開口径103rを大きくすることにより、フリップチップ接合による応力そのものを縮小することが可能である。半導体チップ101の外周列としては、図3に示す外周1列のみでなく、外周2列、3列と、応力の影響をより強く受ける領域に対して適宜対策してもよい。
【0071】
このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0072】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態に係る半導体集積回路装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0073】
本実施形態では、特にチップの外周列におけるエリアパッドからの応力を考慮した半導体集積回路装置として、半導体チップ101の外周列に形成されたパッド102の上面は、樹脂保護膜103に覆われていることを特徴とする半導体集積回路装置について説明する。
【0074】
図4は、本発明の第3の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示す平面図であり、図5は、本発明の第3の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示す断面図である。
【0075】
図4に示すように、複数の入出力セルを有する半導体チップ101の表面上に形成されたパッド102について、半導体チップ101の外周列においてパッド102上の樹脂保護膜103aには開口部が形成されていない。すなわち、図5に示すように、半導体チップ101の外周列におけるパッド102上には、窒化保護膜105を介して、開口部が形成されていない樹脂保護膜103aと、バリアメタル106とが順に形成されている。このように、本実施形態において、外周列に形成されたバンプ102は、入出力セルと電気的に接合しないダミーバンプとなっている。なお、半導体チップ101の内周列におけるパッド102上の樹脂保護膜103には、例えば第2の実施形態で説明したような開口径103sを有する開口部103hsが形成されているが、開口径及び開口部の大きさはこれに限定されるものではない。
【0076】
より応力の影響を受けやすいチップの外周列のパッド102上の樹脂保護膜103aには開口部を形成しないことにより、フリップチップ接合による応力そのものの影響を縮小することが可能である。半導体チップ101の外周列としては、図4に示す外周1列のみでなく、外周2列、3列と、応力の影響をより強く受ける領域に対して適宜対策してもよい。
【0077】
このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0078】
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態に係る半導体集積回路装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0079】
本実施形態では、エリアパッドからの応力を考慮した半導体集積回路装置として、半導体チップ101のパッド102上の樹脂保護膜103bの開口形状がリング型形状であることを特徴とする半導体集積回路装置について説明する。
【0080】
図6は、本発明の第4の実施形態に係る半導体集積回路装置のパッドの構成を示す平面図であり、図7は、本発明の第4の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示す断面図であって、図6の中央部付近に対応する断面図である。
【0081】
図6及び図7に示すように、複数の入出力セルを有する半導体チップ101の表面上に形成されたパッド102について、半導体チップ101の外周列においてパッド102は、パッド102上の樹脂保護膜103bに設けられた開口部103bhの開口形状が、リング径103bhtのリング型形状となっている。なお、半導体チップ101の内周列におけるパッド102上の樹脂保護膜103には、例えば第2の実施形態で説明したような開口径103sを有する開口部103hsが形成されてもよいし、その他、開口径及び開口部の大きさ及び形状はこれに限定されるものではない。
【0082】
図6に示すパッド102上の樹脂保護膜103bに設けられた開口部103bhの開口形状をリング型形状とし、より応力の影響を受けやすい半導体チップ101の外周列に配置することにより、フリップチップ接合による応力の影響範囲を縮小することが可能である。半導体チップ101の外周列としては、外周1列のみでなく、外周2列、3列と、応力の影響をより強く受ける領域に対して適宜対策してもよい。そのリング型形状は、円形のみでなく、適宜、八角形、四角形等の各種形状とする場合であっても、同様に応力を緩和する対策としてもよい。
【0083】
このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0084】
(第5の実施形態)
以下、本発明の第5の実施形態に係る半導体集積回路装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0085】
本実施形態では、特にチップ外周部におけるエリアパッドからの応力を考慮した半導体集積回路装置として、パッド102上の樹脂保護膜103cには、小径の開口径103chtを有する開口部103chがアレイ状に並んで形成された形状であることを特徴とする半導体集積回路装置について説明する。
【0086】
図8は、本発明の第5の実施形態に係る半導体集積回路装置のパッドの構成を示す平面図であり、図9は、本発明の第5の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示す断面図であって、図8の中央部付近に対応する断面図である。
【0087】
図8及び図9に示すように、半導体チップ101の外周列におけるパッド102上の樹脂保護膜103cには、小径の開口径103chtを有する開口部103chがアレイ状に並んで形成されている。なお、半導体チップ101の内周列におけるパッド102上の樹脂保護膜103には、例えば第2の実施形態で説明したような開口径103sを有する開口部103hsを形成してもよいし、その他、開口径及び開口部の大きさ及び形状はこれに限定されるものではない。
【0088】
図8に示す小径の開口径103chtを有する開口部103chがアレイ状に並んで形成された形状を有するパッド102を、より応力の影響を受けやすい半導体チップの外周列に配置することにより、フリップチップ接合応力の影響範囲を縮小することが可能である。半導体チップ101の外周列としては、外周1列のみでなく、外周2列、3列と、応力の影響をより強く受ける領域に対して適宜対策してもよい。また、小径の開口部103chの開口形状は、円形のみでなく、適宜、八角形、四角形等の各種形状とする場合であっても、同様に応力を緩和する対策としてもよい。
【0089】
このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0090】
(第6の実施形態)
以下、本発明の第6の実施形態に係る半導体集積回路装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0091】
本実施形態では、特にチップの外周部におけるエリアパッドからの応力を考慮した半導体集積回路装置として、パッド102上の樹脂保護膜103dに設けられた開口部103bhの開口形状がリング型形状であって、且つ、リング型形状の内側に、小径の開口径103chtを有する開口部103chがアレイ状に並んで形成されていることを特徴とする半導体集積回路装置について説明する。すなわち、本実施形態は、上述した第4及び第5の実施形態の組み合わせを特徴とする。
【0092】
図10は、本発明の第6の実施形態に係る半導体集積回路装置のパッドの構成を示す平面図であり、図11は、本発明の第6の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示す断面図であって、図10の中央部付近に対応する断面図である。
【0093】
図10及び図11に示すように、半導体チップ101の外周列におけるパッド102上の樹脂保護膜103dには、リング径103bhtのリング型形状の開口部103bhが形成されていると共に、そのリング型形状の内部には、小径の開口径103chtを有する開口部103chがアレイ状に並んで形成されている。なお、半導体チップ101の内周列におけるパッド102上の樹脂保護膜103には、例えば第2の実施形態で説明したような開口径103sを有する開口部103hsが形成されてもよいし、その他、開口径及び開口部の大きさ及び形状はこれに限定されるものではない。
【0094】
図10及び図11に示すパッド102上の樹脂保護膜103dに設けられた開口部103bhの開口形状がリング型形状であって、そのリング型形状の内側に複数の開口部103chがアレイ状に並んでいるパッド102を、半導体チップ101の外周列に配置することにより、フリップチップ接合による応力の影響を縮小することが可能である。パッド102上の樹脂保護膜103dに設ける開口部103bhの開口形状をリング型形状とする際は、外周一列のみでなく、2列、3列と、複数のリング形状を適宜設けることにより、応力を緩和する対策としてもよい。そのリング型形状、及び小径の開口部103chの開口形状は、円形のみでなく、適宜、八角形、四角形等の各種形状とする場合であっても、同様に応力を緩和する対策としてもよい。
【0095】
このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0096】
(第7の実施形態)
以下、本発明の第7の実施形態に係る半導体集積回路装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0097】
本実施形態では、特にチップ外周部におけるエリアパッドからの応力を考慮した半導体集積回路装置として、パッド102上の樹脂保護膜103eに設けられた開口部103bhの開口形状がリング型形状であって、且つ、リング型形状の外側に、小径の開口径103chtを有する開口部103chが形成されていることを特徴とする半導体集積回路装置について説明する。
【0098】
図12は、本発明の第7の実施形態に係る半導体集積回路装置のパッドの構成を示す平面図である。なお、図12の中央部付近に対応する断面図は省略するが、上述の図7、図9、図11などから容易に想起できるものである。
【0099】
図12に示すように、半導体チップ101の外周列におけるパッド102上の樹脂保護膜103eには、リング径103bhtのリング型形状の開口部103bhが形成されていると共に、そのリング型形状の外側には、小径の開口径103chtを有する開口部103chが形成されている。なお、半導体チップ101の内周列におけるパッド102上の樹脂保護膜103には、例えば第2の実施形態で説明したような開口径103sを有する開口部103hsが形成されてもよいし、その他、開口径及び開口部の大きさ及び形状はこれに限定されるものではない。
【0100】
図12に示すパッド102上の樹脂保護膜103eに設けられた開口部103bhの開口形状がリング型形状であって、そのリング型形状の外側に小径の複数の開口部103chを有するパッド102を、半導体チップ101の外周列に配置することにより、フリップチップ接合による応力の影響を縮小することが可能である。パッド102上の樹脂保護膜103eに設ける開口部103bhの開口形状をリング型形状とする際は、外周一列のみでなく、2列、3列と、複数のリング形状を適宜設けることにより、応力を緩和する対策としてもよい。そのリング型形状、及び小径の開口部103chの開口形状は、円形のみでなく、適宜、八角形、四角形等の各種形状とする場合であっても、同様に応力を緩和する対策としてもよい。
【0101】
このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0102】
(第8の実施形態)
以下、本発明の第8の実施形態に係る半導体集積回路装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0103】
本実施形態では、特にチップの外周列におけるエリアパッドからの応力を考慮した半導体集積回路装置として、半導体チップ101の外周列におけるパッド102rの径がチップの内周列におけるパッド102sの径よりも大口径であることを特徴とする半導体集積回路装置について説明する。
【0104】
図13は、本発明の第8の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示す平面図である。
【0105】
図13に示すように、半導体チップ101の表面上に形成された複数のパッドのうち外周列におけるパッド102rの径は、半導体チップ101の内周列におけるパッド102sの径よりも大きい。
【0106】
より応力の影響を受けやすい半導体チップ101の外周列におけるパッド102rの径を大きくすることにより、フリップチップ接合による応力そのものを縮小することが可能である。半導体チップ101の外周列としては、図13に示す外周1列のみでなく、外周2列、3列と、応力の影響をより強く受ける領域に対して適宜対策してもよい。
【0107】
このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0108】
(第9の実施形態)
以下、本発明の第9の実施形態に係る半導体集積回路装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0109】
本実施形態では、特にチップの外周列におけるエリアパッドからの応力を考慮した半導体集積回路装置として、半導体チップ101の外周列におけるパッド102sの径が、半導体チップ101の内周列におけるパッド102rの径よりも小口径であることを特徴とする半導体集積回路装置について説明する。
【0110】
図14は、本発明の第9の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示す平面図である。
【0111】
図14に示すように、半導体チップ101の表面上に形成された複数のパッドのうち外周列におけるパッド102sの径は、半導体チップ101の内周列におけるパッド102rの径よりも小さい。
【0112】
より応力の影響を受けやすいチップの外周列におけるパッド102sの径を小さくすることにより、フリップチップ接合による応力の影響範囲を縮小することが可能である。半導体チップ101の外周列としては、図14に示す外周1列のみでなく、外周2列、3列と、応力の影響をより強く受ける領域に対して適宜対策してもよい。
【0113】
このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0114】
(第10の実施形態)
以下、本発明の第10の実施形態に係る半導体集積回路装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0115】
本実施形態では、特にチップの外周部におけるエリアパッドからの応力を考慮した半導体集積回路装置として、パッド102上に配置されるはんだバンプ107r、107sの径について、半導体チップ101の外周列におけるはんだバンプ107rの径が、半導体チップ101の内周列におけるはんだバンプ107sの径よりも大口径であることを特徴とする半導体集積回路装置について説明する。
【0116】
上記図13は、本発明の第10の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示す平面図でもある。
【0117】
図13に示すように、半導体チップ101の外周列におけるはんだバンプ107rの径は、半導体チップ101の内周列におけるはんだバンプ107sの径よりも大きい。
【0118】
より応力の影響を受けやすい半導体チップ101の外周列におけるはんだバンプ107rの径を大きくすることにより、フリップチップ接合による応力そのものを縮小することが可能である。半導体チップ101の外周列としては、図13に示す外周1列のみでなく、外周2列、3列と、応力の影響をより強く受ける領域に対して適宜対策してもよい。
【0119】
このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0120】
(第11の実施形態)
以下、本発明の第11の実施形態に係る半導体集積回路装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0121】
本実施形態では、特にチップの外周部におけるエリアパッドからの応力を考慮した半導体集積回路装置として、パッド102上に配置されるはんだバンプ107r、107sの径について、半導体チップ101の外周列におけるはんだバンプ107sの径が、半導体チップ101の内周列におけるはんだバンプ107rの径よりも小口径であることを特徴とする半導体集積回路装置について説明する。
【0122】
上記図14は、本発明の第11の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示す平面図でもある。
【0123】
図14に示すように、半導体チップ101の外周列におけるはんだバンプ107sの径は、半導体チップ101の内周列におけるはんだバンプ107rの径よりも小さい。
【0124】
より応力の影響を受けやすい半導体チップ101の外周列におけるはんだバンプ107sの径を小さくすることにより、フリップチップ接合による応力の影響範囲を縮小することが可能である。半導体チップ101の外周列としては、図14に示す外周1列のみでなく、外周2列、3列と、応力の影響をより強く受ける領域に対して適宜対策してもよい。
【0125】
このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0126】
(第12の実施形態)
以下、本発明の第12の実施形態に係る半導体集積回路装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0127】
本実施形態では、特にチップの外周部におけるエリアパッドからの応力を考慮した半導体集積回路装置として、半導体チップ101の外周列におけるパッド102の配置密度が、半導体チップ101の内周列におけるパッド102の配置密度に対して密であることを特徴とする半導体集積回路装置について説明する。
【0128】
図15は、本発明の第12の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示す平面図である。
【0129】
図15に示すように、半導体チップ101における外周列の領域として例えば領域140Rに配置されたパッド102の配置密度が、半導体チップ101における内周列、例えば領域140Rの内側の領域に配置されたパッド102の配置密度に対して密となっている。
【0130】
より応力の影響を受けやすい半導体チップ101の外周部のパッド102の配置密度を密にすることにより、フリップチップ接合による応力の影響を縮小することが可能である。半導体チップ101の外周列としては、図15に示す外周1列のみでなく、外周2列、3列と、応力の影響をより強く受ける領域に対して適宜対策してもよい。
【0131】
このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0132】
(第13の実施形態)
以下、本発明の第13の実施形態に係る半導体集積回路装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0133】
本実施形態では、特にチップの外周部におけるエリアパッドからの応力を考慮した半導体集積回路装置として、上述した第12の実施形態の半導体集積回路装置において、その外周列に配置されたパッド102が電源端子として使用されることを特徴とする半導体集積回路装置について説明する。
【0134】
上記図15は、本発明の第13の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示す平面図でもある。
【0135】
図15に示すように、本実施形態の半導体集積回路装置は、上述した第12の半導体集積回路装置において、その外周列の領域140Rに配置されたパッド102の接続が電源端子として使用される。
【0136】
より応力の影響を受けやすい半導体チップ101の外周列は、半導体チップ101及びインターポーザの配線が混雑しがちな場所であり、パッド102の接続を電源端子として使用することにより、配線混雑を引き起こすことなくフリップチップ接合による応力の影響を縮小することが可能である。半導体チップ101の外周列としては、図15に示す外周1列のみでなく、外周2列、3列と、応力の影響をより強く受ける領域に対して適宜対策してもよい。
【0137】
このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0138】
(第14の実施形態)
以下、本発明の第14の実施形態に係る半導体集積回路装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0139】
本実施形態では、特にチップの外周部におけるエリアパッドからの応力を考慮した半導体集積回路装置として、半導体チップ101の四隅部(コーナー部)におけるパッド102の配置密度が、半導体チップ101の内部におけるパッド102の配置密度に対して密であることを特徴とする半導体集積回路装置について説明する。
【0140】
図16は、本発明の第14の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示す平面図である。
【0141】
図16に示すように、半導体チップ101の四隅部として例えば領域150Rにおけるパッド102の配置密度が、半導体チップ101の内部として例えば領域150R以外の領域におけるパッド102の配置密度に対して密となっている。
【0142】
より応力の影響を受けやすい半導体チップ101の外周列における四隅部に配置されたパッド102の配置密度を密にすることにより、フリップチップ接合による応力の影響を縮小することが可能である。半導体チップ101の外周列としては、図16に示す外周1列のみでなく、外周2列、3列と、応力の影響をより強く受ける領域に対して適宜対策してもよい。また、半導体チップ101の四隅部の範囲は、半導体チップ101の四隅の端部から四角形の領域や三角形の領域であっても構わない。
【0143】
このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0144】
(第15の実施形態)
以下、本発明の第15の実施形態に係る半導体集積回路装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0145】
本実施形態では、特にチップの外周部におけるエリアパッドからの応力を考慮した半導体集積回路装置として、上述した第15の半導体集積回路装置において、その四隅部に配置されたパッド102が電源端子として使用されることを特徴とする半導体集積回路装置について説明する。
【0146】
上記図16は、本発明の第15の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示す平面図でもある。
【0147】
図16に示すように、本実施形態の半導体集積回路装置は、上述した第14の半導体集積回路装置において、その四隅部である領域150Rに配置されたパッド102の接続が電源端子として使用される。
【0148】
より応力の影響を受けやすい半導体チップ101の外周列における四隅部は、半導体チップ101及びインターポーザの配線が混雑しがちな場所であり、パッド102の接続を電源端子として使用することにより、配線混雑を引き起こすことなくフリップチップ接合による応力の影響を縮小することが可能である。半導体チップ101の外周列としては、図16に示す外周1列のみでなく、外周2列、3列と、応力の影響をより強く受ける領域に対して適宜対策してもよい。
【0149】
このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0150】
(第16の実施形態)
以下、本発明の第16の実施形態に係る半導体集積回路装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0151】
本実施形態では、特にチップの外周部におけるエリアパッドからの応力を考慮した半導体集積回路装置として、半導体チップ101の外周列におけるパッド102の下側に位置する半導体チップ101の内部領域において、第1種別のセルの配置密度は第2種別のセルの配置密度よりも高いことを特徴とする半導体集積回路装置について説明する。
【0152】
上記図15は本発明の第16の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示す平面図でもある。
【0153】
図15に示すように、半導体チップ101の外周列として例えば領域140Rにおけるパッド102の下側に位置する半導体チップ101の内部領域において、第1種別のセルの配置密度は第2種別のセルの配置密度よりも高くなっている。
【0154】
ここで、「第1種別のセル」とは、つまり「タイミングばらつきが生じても半導体チップに誤動作を引き起こさないセル」を意味し、例えばクロック同期して動作していないセルが該当し、「第2種別のセル」とは、つまり「タイミングばらつきが生じると半導体チップに誤動作を引き起こすセル」を意味し、例えば高速クロック同期によってシビアなタイミングで動作しているセルが該当する。
【0155】
本発明に係る第16の半導体集積回路装置によると、半導体チップ101の外周列として例えば領域140Rにおけるパッド102の下側に位置する半導体チップ101の内部領域において、タイミングばらつきが生じても半導体チップ101に誤動作を引き起こさない第1種別のセルの配置密度は、タイミングばらつきが生じると半導体チップ101に誤動作を引き起こす第2種別のセルの配置密度よりも高くなっている。これにより、半導体チップ101の表面に配置したパッド102から半導体チップ101の内部へ加わる応力の影響に起因するLSIの動作不具合が発生しにくくなる。その結果、コストを抑制しながら、タイミング信頼性の劣化を防止することができる。また、このように、LSI設計の段階でパッド102からの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0156】
(第17の実施形態)
以下、本発明の第17の実施形態に係る半導体集積回路装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0157】
本実施形態では、特にチップの外周部におけるエリアパッドからの応力を考慮した半導体集積回路装置として、パッド102r、102s上に配置されたはんだバンプ107r、107sと接合されるインターポーザ接合部となる開口径について、半導体チップ101の外周列におけるその開口径は半導体チップ101の内周列におけるその開口径よりも大口径であることを特徴とする半導体集積回路装置について説明する。
【0158】
上記図13は、本発明の第17の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示す平面図でもある。
【0159】
図13に示すように、半導体チップ101の外周列におけるパッド102r上のはんだバンプ107rが、インターボーザ基板110における電極メタル109と接合する領域(図2参照)、つまりインターポーザ接合部の開口径は、半導体チップ101の内周列におけるパッド102s上のはんだバンプ107sの対応するインターポーザ接合部の開口径に対して大口径となっている。
【0160】
より応力の影響を受けやすい半導体チップ101の外周列におけるインターポーザ接合部の開口径を大きくすることにより、フリップチップ接合による応力そのものを縮小することが可能である。半導体チップ101の外周列としては、図13に示す外周1列のみでなく、外周2列、3列と、応力の影響をより強く受ける領域に対して適宜対策してもよい。
【0161】
このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0162】
(第18の実施形態)
以下、本発明の第18の実施形態に係る半導体集積回路装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0163】
本実施形態では、特にチップの外周部におけるエリアパッドからの応力を考慮した半導体集積回路装置として、パッド102r、102s上に配置されたはんだバンプ107r、107sと接合されるインターポーザ接合部となる開口径について、半導体チップ101の外周列におけるその開口径は半導体チップ101の内周列におけるその開口径よりも小口径であることを特徴とする半導体集積回路装置について説明する。
【0164】
上記図14は、本発明の第18の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示す平面図でもある。
【0165】
図14に示すように、半導体チップ101の外周列におけるパッド102s上のはんだバンプ107sが、インターボーザ基板110における電極メタル109と接合する領域(図2参照)、つまりインターポーザ接合部の開口径は、半導体チップ101の内周列におけるパッド102r上のはんだバンプ107rの対応するインターポーザ接合部の開口径に対して小口径となっている。
【0166】
より応力の影響を受けやすい半導体チップ101の外周部におけるインターポーザ接合部の開口径を小さくすることにより、フリップチップ接合による応力の影響範囲を縮小することが可能である。半導体チップ101の外周列としては、図14に示す外周1列のみでなく、外周2列、3列と、応力の影響をより強く受ける領域に対して適宜対策してもよい。
【0167】
このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0168】
(第19の実施形態)
以下、本発明の第19の実施形態に係る半導体集積回路装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0169】
本実施形態では、特にチップの外周部におけるエリアパッドからの応力を考慮した半導体集積回路装置として、半導体チップ101とフリップ接続したパッケージ122(裏面に外部電極124を有する)内のインターポーザ上における半導体チップ101の外周領域において、半導体チップ101とインターポーザとを接合する樹脂材123が、半導体チップ101の周囲及び半導体チップ101の外周列上部に塗布されていることを特徴とする。
【0170】
図17は、本発明の第19の実施形態に係る半導体集積回路装置の構成を示す断面図である。
【0171】
図17に示すように、半導体チップ21とフリップチップ接続したインターポーザ上における半導体チップ101の外周列(外周領域)において、半導体チップ101とインターポーザとを接合する樹脂材123が、半導体チップ101の周囲及び半導体チップ101の外周列上部に塗布されている。
【0172】
より応力の影響を受けやすい半導体チップ101の外周列において、半導体チップ101とインターポーザとを接合する樹脂材123が、半導体チップ101の周囲及び半導体チップ101の外周列上部に塗布されている。
【0173】
このように、LSI設計の段階でパッドからの応力に対応した処置を施すことにより、コストを抑制しながら、前述の効果を得ることができる。
【0174】
なお、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、以上に述べた第1〜第19の実施形態(変形例を含む)における各構成要素を任意に組み合わせることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0175】
本発明は、半導体集積回路装置、特にパッドの下側にトランジスタ等から構成される半導体回路が形成されている半導体集積回路装置及びその設計方法に好適なものである。
【符号の説明】
【0176】
101 半導体チップ
102、102r、102s パッド(パッドメタル)
102t パッド幅
103、103a、103b、 樹脂材保護膜
105 窒化保護膜
106 バリアメタル
107 はんだバンプ
108 (インターポーザ)樹脂材保護膜
109 (インターポーザ接合部)電極メタル
110 インターポーザ基板
103s、103r、103bht、103cht 開口径
103hs、103rs、103bh、103ch 開口部
122 パッケージ
123 樹脂材
124 外部電極
140R 四隅部(コーナー部)
150R 外周部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の入出力セルを有する半導体チップと、
前記半導体チップの表面上に形成された複数のパッドと、
前記半導体チップの表面上に形成され、且つ前記複数の入出力セルの少なくとも一部と前記複数のパッドの少なくとも一部とを電気的に接続する配線とを備え、
前記複数のパッドは、前記半導体チップの外周列に形成されたパッドと、前記半導体チップの内周列に形成されたパッドとからなり、
前記複数のパッドの各々の上には、樹脂保護膜が形成されており、
前記外周列に形成されたパッド上の前記樹脂保護膜の形状は、前記内周列に形成されたパッド上の前記樹脂保護膜の形状と異なることを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項2】
前記樹脂保護膜には、前記複数のパッドの各々の上に開口部が形成されており、
前記外周列に形成されたパッド上の前記開口部の開口径は、前記内周列に形成されたパッド上の前記開口部の開口径と異なることを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路装置。
【請求項3】
前記外周列に形成されたパッド上の前記開口部の開口径は、前記内周列に形成されたパッド上の前記開口部の開口径よりも小さいことを特徴とする請求項2に記載の半導体集積回路装置。
【請求項4】
前記外周列に形成されたパッド上の前記開口部の開口径は、前記内周列に形成されたパッド上の前記開口部の開口径よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の半導体集積回路装置。
【請求項5】
前記外周列に形成されたパッドの上面は、前記樹脂保護膜に覆われていることを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路装置。
【請求項6】
前記外周列に形成されたパッド上の前記樹脂保護膜には、開口部が形成されており、
前記外周列に形成されたパッド上の前記開口部の開口形状は、リング型形状であることを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路装置。
【請求項7】
前記外周列に形成されたパッド上の前記樹脂保護膜には、開口部が形成されており、
前記外周列に形成されたパッド上の前記開口部の開口形状は、アレイ状に並んだ複数個の開口が形成された形状であることを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路装置。
【請求項8】
前記外周列に形成されたパッド上の前記樹脂保護膜には、前記リング型形状の内側にアレイ状に並んだ複数個の開口がさらに形成されていることを特徴とする請求項6に記載の半導体集積回路装置。
【請求項9】
前記外周列に形成されたパッド上の前記樹脂保護膜には、前記リング型形状の外側に複数個の開口がさらに形成されていることを特徴とする請求項6に記載の半導体集積回路装置。
【請求項10】
前記外周列に形成されたパッドの径は、前記内周列に形成されたパッドの径よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路装置。
【請求項11】
前記外周列に形成されたパッドの径は、前記内周列に形成されたパッドの径よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路装置。
【請求項12】
前記外周列に形成されたパッド上に配置されるバンプの径は、前記内周列に形成されたパッド上に配置されるバンプの径よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路装置。
【請求項13】
前記外周列に形成されたパッド上に配置されるバンプの径は、前記内周列に形成されたパッド上に配置されるバンプの径よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路装置。
【請求項14】
前記外周列に形成されたパッドの配置密度は、前記内周列に形成されたパッドの配置密度よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路装置。
【請求項15】
前記外周列に形成されたパッドが電源端子として使用されることを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路装置。
【請求項16】
前記複数のパッドのうち前記半導体チップの四隅部に形成されたパッドの配置密度は、前記複数のパッドのうち前記半導体チップの四隅部以外に形成されたパッドの配置密度よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路装置。
【請求項17】
前記複数のパッドのうち前記半導体チップの四隅部に形成されたパッドが電源端子として使用されることを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路装置。
【請求項18】
前記複数の入出力セルは、タイミングばらつきが生じても前記半導体チップに誤動作を引き起こさない第1種別のセルと、前記半導体チップの内部に形成され、且つタイミングばらつきが生じると前記半導体チップに誤動作を引き起こす第2種別のセルとからなり、
前記外周列に形成されたパッドの下側に位置する前記半導体チップの内部領域において、前記第1種別のセルの配置密度は前記第2種別のセルの配置密度よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路装置。
【請求項19】
前記半導体チップとフリップ接合するためのインターポーザをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路装置。
【請求項20】
前記外周列に形成されたパッド上に配置されるバンプと接合されるインターポーザ接合部の開口径は、前記内周列に形成されたパッド上に配置されるバンプと接合されるインターポーザ接合部の開口径よりも大きいことを特徴とする請求項19に記載の半導体集積回路装置。
【請求項21】
前記外周列に形成されたパッド上に配置されるバンプと接合されるインターポーザ接合部の開口径は、前記内周列に形成されたパッド上に配置されるバンプと接合されるインターポーザ接合部の開口径よりも小さいことを特徴とする請求項19に記載の半導体集積回路装置。
【請求項22】
前記半導体チップとフリップ接続したインターポーザ上の前記半導体チップの外周列において、前記半導体チップと前記インターポーザとを接合する樹脂材は、前記半導体チップの周囲及び前記半導体チップの外周列上部に塗布されていることを特徴とする請求項19に記載の半導体集積回路装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−176011(P2011−176011A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−37345(P2010−37345)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】