説明

印刷はんだ検査装置

【課題】
内外からの振動がプリント板へ伝達されるのを防ぎつつ、センサの測定精度を向上させることで、繰り返し安定して保持可能としプリント板に印刷されたはんだの形状を測定する技術を提供する。
【解決手段】
プリント板1が検査位置まで搬送されてきたとき前記プリント板の辺縁部1aの下面を下から上へ押し上げることによって、前記辺縁部の上面をガイド部3の突出部3aの下辺に押圧して位置を固定して支持するクランプ6とを備え、該クランプで支持された状態でプリント板に印刷されたはんだの形状を検査する印刷はんだ検査装置であって、
前記クランプ部が前記プリント板を押し上げるときに、該プリント板の辺縁部の下面と前記クランプ部との間に存する弾性体ベルト5諸共押し上げることで、前記辺縁部の下面を前記弾性体ベルトで押圧し前記プリント板を固定して支持することを特徴とする印刷はんだ検査装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送されてきたプリント板を停止させ、安定に保持した上で、プリント板に印刷されたはんだの形状を検査する印刷はんだ検査装置に関する。特に、搬送機構上で停止した各プリント板の振動を抑えて保持し、精度良く検査できるようにした技術に係る。
【背景技術】
【0002】
従来、搬送機構上で停止した各プリント板の振動を抑えて精度良く検査できるようにした技術がある(特許文献1を参照)。図7のように、特許文献1の技術は、ベルト205で搬送されて所定の検査位置で停止したプリント板201の二つの辺を昇降手段207に設けられたクランプ部206により上側からベルト205へ押し付け、かつプリント板1の下側から、第1の弾性体210と第1の弾性体の下側に設けられた第1の弾性体より弾性力の低い第2の弾性体211とを昇降部212により上昇させ、第1の弾性体210を部品面の部品の形状に応じて変形させて押圧させることにより、微少振動を抑圧させて、検査部により検査するという技術であった。
【0003】
特許文献1の技術によれば、第1の弾性体210の大きさによっては、プリント板1を全面的に弾力性を持たせて保持することもできるし、第1の弾性体210を小さくし、第1の弾性体210、第2の弾性体211及び昇降部212をそれぞれ複数、所有すれば、プリント板1の下面を部分的に複数箇所で保持することもできる。
【特許文献1】特開2006−108293号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
検査に影響する振動の大きさは数十μmであり、これらの振動の要因としては、自己の検査装置内の動作に基づく振動、及び外部からの振動がある。上記の特許文献1の技術は、プリント板に到達する前の経路で振動の伝達を防止するものではなく、そのプリント板自体の回路部品面の一部を弾性体で抑えることにより振動を減衰させようとする技術であり、プリント板の大きさや電子部品のレイアウトによっては、弾性体で押さえる位置についての工夫が必要になる。
【0005】
一般的に、プリント板はその各辺から所定距離Δrだけ内部へ入った辺縁部(辺からの幅が数mmの範囲)は、部品の取り付けがなされないため、この辺縁部を利用して搬送や支持を行っている。しかし、この辺縁部の幅が狭いため、プリント板の材質や厚さ等の条件によっては従来から振動を受けやすいという一面があった。
【0006】
従来、図7のようにプリント板201を測定時に固定支持するために、プリント板201の上側にクランプ206および昇降手段207を設置するとセンサ220をクランプ206および昇降手段207より上方に設置しなければならない。しかし、一般的に光変位センサと被測定物(本案件の場合は、プリント板)とのその間の距離(作動距離)が離れると分解能が悪くなり測定精度が悪くなる。若しくは、センサ220のサイズを大きくする必要がある。
【0007】
また、図8のように下側から昇降手段307に設けられたクランプ部306により、プリント板301を持ち上げてガイド303に押し付けかつ、下側から防振装置310を上昇させることによりプリント板の微少振動を抑圧させる技術が開示されている。これならば、センサ320はプリント板301に、より近く設置することができる(特許文献2を参照)。
【特許文献2】特開2007−180184号公報 しかし、これによると前述したように、プリント板に到達する前の経路で振動の伝達を防止するものではなく、そのプリント板自体の回路部品面の一部を弾性体で押さえることにより振動を減衰させようとする技術であり、プリント板の大きさや電子部品のレイアウトによっては、弾性体で抑える位置についての工夫が必要になる。また、これによるとプリント板の辺縁部の範囲内Δrに搬送ベルト305とクランプ部306の領域の設けなければならず、搬送においても固定においても不安定であった。
【0008】
本発明の目的は、内外からの振動がプリント板へ伝達されるのを防ぎつつ、センサの測定精度を向上させることで、繰り返し安定して保持可能としプリント板に印刷されたはんだの形状を測定する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的のうち振動抑制を達成するために、本発明においては、次の(1)(2)ような要件を整えた。(1)内外からの振動がプリント板へ伝達されるのが、主に搬送路を形成、支持する側壁部からであり、その側壁部とプリント板の直接の接触を避けて、弾性体を介して保持、固定可能にする。(2)その弾性体の使用環境としては、電子部品を搭載したプリント板の狭い幅の辺縁部を、弾性体を介して支持し、全体を安定に保持するためには、振動を減衰させること、弾性体の狭い領域に保持するため押圧力が集中すること、しかも多数のプリント板を次々交換するので頻回に使用される。したがって、弾性体は、帯電防止できること、振動を減衰させる柔軟性があること、押圧力に対する強度を維持できること、かつプリント板や押圧手段が繰り返し接触してもへばって粘着することなく離脱しやすいこと、それらの特性が維持できる耐久性があること、等の効力を付与する材質を有するものであることが望ましい。
【0010】
請求項1に記載された印刷はんだ検査装置は、搬送路を囲む両サイドの側壁部と、該各側壁部の内壁面に沿って設けられ、前記搬送路を形成しプリント板の辺縁部の下部を支持して搬送する一対の弾性体ベルトと、該各弾性体ベルトより上に所定距離Δh(>プリント板の厚さd)だけ離れて該弾性体ベルトに平行に設けられ、かつ前記搬送路の中央方向へ庇状に突出して設けられた突出部を有し、該突出部がほぼ前記プリント板の前記辺縁部を覆うことができるようにされたガイド部と、前記プリント板が検査位置まで搬送されてきたとき前記プリント板の前記辺縁部の下面を下から上へ押し上げることによって、前記辺縁部の上面を前記ガイド部の突出部の下辺に押圧して位置を固定して支持するクランプとを備え、該クランプで支持された状態でプリント板に印刷されたはんだの形状を検査する印刷はんだ検査装置であって、
前記クランプ部が前記辺縁部の下面で前記プリント板を押し上げるときに、該プリント板の辺縁部の下面と前記クランプ部との間に存する前記弾性体ベルト諸共押し上げることで、前記辺縁部の下面を前記弾性体ベルトで押圧し前記プリント板を固定して支持することを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載された印刷はんだ検査装置は、請求項1に記載の印刷はんだ検査装置において、前記プリント板を固定して支持する前記クランプ部の上端部には支持ブロックを有し、該支持ブロックの幅は、前記プリント板の辺縁部の幅とほぼ同じであることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載された印刷はんだ検査装置は、請求項1または2のいずれか一つに記載の印刷はんだ検査装置において、前記ガイド部の前記搬送路の中央方向へ庇状に突出部の下辺に接して設けられた弾性体シートを有し、該弾性体シートは前記弾性体ベルトと同じ材質であり、前記プリント板は前記クランプにより下部方向から押圧されたとき、該プリント板の前記辺縁部の上面が該弾性体シートを介して前記ガイド部の突出部の下辺に押圧されることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載された印刷はんだ検査装置は、請求項1または3のいずれか一つに記載の印刷はんだ検査装置において、前記ガイド部は、前記弾性体シートを介して、前記側壁部の上部に取り付けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載された印刷はんだ検査装置は、請求項1から4のいずれか一つに記載の印刷はんだ検査装置において、前記弾性体ベルトは、一方の面がポリウタレン、他方の面がアクリル・ニトリル・ブタジェン、及びそれら両面の内部がポリアミド系の繊維の成分を有することを特徴とする。
【0015】
請求項6の記載された印刷はんだ検査装置は、請求項1から5のいずれか一つに記載の印刷はんだ検査装置において、前記弾性体ベルトは、その断面形状が矩形の平ベルトであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1および2に記載の発明によれば、プリント板の辺縁部を下側からクランプで押し上げるときに、弾性体ベルト諸共プリント板を押し上げることで、その辺縁部とクランプ部との間に弾性を有するベルトを挟んで固定するので側壁部−クランプ部の順で伝達されるプリント板への振動の伝達を軽減できる。また、プリント板の下側にクランプが設置されているのでセンサの作動距離を近くすることができる。
【0017】
さらに、プリント板の辺縁部の幅Δrの全てを弾性体ベルト上に乗せることができので、安定して搬送できる。
【0018】
請求項3および4に記載の発明によれば、プリント板の辺縁部を弾性体ベルト諸共下側からクランプで押圧し、さらに、その辺縁部の上部を弾性体シートを介して側壁部に取り付けられたガイド部に押圧することから、プリント板を同じ弾性体で上下で挟み込むができ、側壁部―ガイド部の順および側壁部−クランプ部の順で伝達される振動のプリント板への伝達を軽減できる。
【0019】
また、請求項5に記載のような材質の弾性体を用いるので、柔軟性、強度、非粘着性及びそれらの耐久性が十分得られるので、プリント板をその振動を軽減して保持、検査、交換の作業性、信頼性が良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施形態について図を用いて説明する。図1(a)は、本発明に係る印刷はんだ検査装置を搬送方向から見た断面図であり、プリント板が固定保持された状態である。(b)はプリント板の搬送されて停止した状態とプリント板の固定された状態の詳細図である。図2は、他の実施形態を示す図である。図3は、図1におけるA−A断面図である。図4は、弾性体ベルトおよび弾性体シートの成分及び形態を示す図である。図5は、本発明を適用する前に実際にプリント板の表面を測定したときの高さ変位を示す図である。図6は、本発明を適用して実際にプリント板の表面を測定したときの高さ変位を示す図である。
【0021】
以下、搬送装置と検査装置とに分けて説明する。
【0022】
[搬送装置]
図1(a)及び図2において、搬送装置は、搬送路8を囲うようにして、基台9,及びその上に搬送路8を間に挟んで両側に相対して配された2つの側壁部2で、骨組みが構成される。相対する側壁部2の間は、検査対象のプリント板1の大きさに合わせて調整可能にされている。
【0023】
搬送路8を挟んで対極して配置された2つの側壁部2のそれぞれは、搬送路8の中央を境に対称的な構造を有する。側壁部2の頂部にはガイド部3が設置されている。ガイド部3は、側壁部2の内壁面2aより搬送路8側に突出部3aを有している。
【0024】
また、側壁部2の搬送路8に向かい合う内壁面2aに沿って被測定物であるプリント板1を搬送するための弾性体ベルト5が設置されている。弾性体ベルト5は、無端であり、図示しない回転駆動機構によりローラ5bが回転駆動されて、回転する。
【0025】
そして、無端である弾性体ベルト5で上下に挟まれるように昇降手段7が側壁部2の内壁面2aに設置されており、昇降手段7にクランプ6および支持ブロック6aが設置されている。
【0026】
このクランプ6,昇降機構7は、プリント板1の検査位置、つまり、センサ101が配置されたその下部の予め決められた位置に配置されている。そして、クランプ6の上部に設置している支持ブロック6aは、当初は下げられておりプリント板1が弾性体ベルト5で搬送されてきて検査位置で停止したときに昇降機構7によって上昇させられ、弾性体ベルト5諸共プリント板1を持ち上げて、その辺縁部1aをガイド部3へ押しつけて保持する。
【0027】
次に、図1(b)を基にガイド部3,弾性体ベルト5、クランプ6,支持ブロック6a及びプリント板1の関係を、特に寸法関係を明瞭にして説明する。
【0028】
ガイド部3は、側壁部2の内壁面2aより、プリント板1のほぼ辺縁部1aの幅Δrだけ搬送路8の中央側へ庇状に突出した突出部3aを有する。従って、弾性体ベルト5上面とガイド部3の突出部3aの下辺との距離Δhは、測定されるプリント板の厚さdより長い。図1(b)左図に示されるように、支持ブロック6aの位置及びプリント板1の位置は、プリント板1が弾性体ベルト5で搬送されて来て、制御部103からの指示により検査位置で弾性体ベルト5が停止したときの状態を示している。その後、右図に示されるように、制御部103の指示で昇降機構7がクランプ6および支持ブロック6aを上昇させ、支持ブロック6aが弾性体ベルト5諸共プリント板1を持ち上げプリント板1の辺縁部1aの上面をガイド部3の突出部3aの下辺に押圧する。その状態を検査終了まで維持し、検査終了後に、クランプ6および支持ブロック6aが元の位置まで下げられる。そして、再び、プリント板1が弾性体ベルト5に搭載されて後段へ搬送される。つまり、図1(b)で記載されているΔhはこのときのプリント板1の上昇したときの移動距離である。
【0029】
上記のように、支持ブロック6aが弾性体ベルト5諸共プリント板1をガイド部3の突出部の下辺に押圧して保持されている状態においては、側壁部2,昇降機構7、クランプ部6および支持ブロック6aの順で伝達される振動は、弾性体ベルト5で減衰させられ、プリント板1への伝達が軽減される。
【0030】
次に、図3はその他の実施形態を示す。ガイド部3の突出部3aの下側には、シート状(或いは薄いベルト状)の弾性体4が接着して取り付けられている。また、この弾性体シート4は、側壁部2とその上部のガイド部3とを分けている。つまり、ガイド部3は、側壁部2の上部に弾性体シート4を介して取り付けられて、側壁部2の下部からの振動の伝達を弾性体シート4で減衰されるように配置される。
【0031】
そして、支持ブロック6aが弾性体ベルト5諸共プリント板1の辺縁部1aの上面をガイド部3の突出部3aの下辺に弾性体シート4を介して押圧して保持されている状態においては、弾性体ベルト5により、側壁部2,昇降機構7、クランプ部6および支持ブロック6aの順で伝達される振動を減衰させ、さらに、弾性体シート4により、側壁部2,ガイド部3の順で伝達される振動を減衰させ、プリント板1への伝達がより軽減される。
【0032】
また、クランプ部6の上部に設置されている支持ブロック6aの幅(搬送路8側への方向)は、プリント板1の辺縁部1aの幅Δrと同寸法であったほうがよい。これにより、弾性体ベルト5諸共プリント板1をガイド部3の突出部3aの下辺に押圧して保持するときに、弾性体ベルト5と弾性体シート4とにより辺縁部1aの範囲全体の表裏全面で支持でき、更なる振動の伝達が軽減できる。
【0033】
弾性体ベルト5および弾性体シート4としては、プリント板1に搭載された電子部品の静電破壊を防止するために帯電防止(導電性)の特性を有すること、当然に、振動を減衰させる(応答しない)柔軟性を有すること、弾性体ベルト5は回転しているので、支持される位置が毎回変わるが、弾性体シート4は固定支持される毎に押圧力が加わるので、クランプ6によって小さな面積に集中する押圧力に対する強度を有すること、また粘着することなくクランプ6または支持ブロック6aの押圧、プリント板1の離脱の繰り返しが速やかにできること、それらの特性の耐久性が優れていることが望まれる。
【0034】
図4に、弾性体ベルト5および弾性体シート4の構成・材質を示す図である。表面の層がアクリル・ニトリル・ブタジェン4a、裏面の層がポリウタレン4c、及び内部がポリアミド4bの繊維でなり、全体薄いシート状(ベルト状)に構成されている。裏面がガイド部3に貼り付けられて取り付けられ、表面側がプリント板1に面するように用いられることが好ましい。このような製品の一例は、ハバジット(habasit)日本株式会社が型名「HAM―5P」で販売しているものがある。
【0035】
図4の弾性体ベルト5および弾性体シート4を用いたとき、プリント板1への振動の伝達を軽減する効果を図6に示す。
【0036】
図5,図6は、振動のある環境でプリント板1の表面の形状の変位を実際に測定したときの、測定された形状を3次元画像化したデータであり、奥行き方向と横軸方向がX−Yの位置座標で上方向が高さを示す。図5は、この発明を実施する前、つまり、弾性体ベルト5および弾性体シート4が無い状態で実際にプリント板1を検査し、振動の状態をプリント板1の高さ変位を測定したとき、はんだ形状の表面が振動の影響で揺れるので、その揺れが高さ変位の変動として立体的に画像として現れる。図6は、この発明を実施したときに同じ条件で検査したときの測定画像である。図5も、図6も周期性のある振動の振幅が高さの変位として現れている、図6は、図5に比し、振動の振幅(高さ方向の変位)が軽減されて低くなること、かつ振幅の谷とピークとの間がつぶれ(なまり)、それらの差が少ないこと、等の効果が明瞭に現れている。つまり、本発明によれば、振動がプリント板1へ伝達するのを防止する効果が明瞭に現れている。
【0037】
[検査装置]
検査装置としては、図1に示すように、センサ101,測定評価部102、及び制御部103を含む検査部100と、上記説明した搬送装置とで構成される。
【0038】
制御部103の制御に従って、全体の一連の動作の流れを説明する。制御部103は、主として、コンピュータとメモリで構成され、下記のような動作手順は、そのメモリに記憶され、コンピュータがそのプログラムを読み出して実行することにより、実施される。
【0039】
(a)制御部103は、昇降機構7を制御して、クランプ6の上部に設置されている支持ブロック6aの上面が弾性体ベルト5より下の位置迄、下げておく(弾性体ベルト5の回転に支障がない程度まで下げておく)。
【0040】
(b)この状態で、制御部103は、プリント1の両辺円縁部1aを弾性体ベルト5上に搭載する。弾性体ベルト5を駆動させる図示しない搬送機構に対して、プリント板1を搬送させる。プリント板1がセンサ101の下の検査位置まできたことを検知して、搬送機構に対して搬送を停止させる。
【0041】
(c)制御部103は、昇降機構7を駆動してクランプ6および支持ブロック6aを上昇させ、支持ブロック6aがプリント板1を弾性体ベルト5および弾性体シート4を介して、ガイド部3の突出部の下辺に押圧した状態を検査終了まで維持させる。
【0042】
(d)センサ101がプリント板1を走査して、はんだ箇所の高さ方向の変位を測定する。そして、測定評価部102は、その変位を基にはんだの形状を表す面積、高さ、体積等のはんだ形状を3次元形状に表す判定用データにし、予め設計値として記憶していた基準データと比較して、良否判定を行う。良否判定の結果は、表示手段等に表示される。
【0043】
(e)制御部103が、検査終了後(早ければ、センサ101が走査し測定を変位データを取得し終えた時点)に、クランプ6を元の位置まで下げさせる。そして、再び、プリント板1がベルト5に搭載し搬送させる。
【0044】
上記のようにプリント板1の測定時にプリント板1を昇降手段7によって持ち上げて固定支持しているので、センサ101をプリント板1に接近させて測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】(a)は、本発明に係る印刷はんだ検査装置を搬送方向から見た断面図である。(b)は、プリント板の搬送時とプリント板の固定時の詳細図である。
【図2】その他の実施形態を表す図である。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】弾性体ベルトおよび弾性体シートの成分および形態を示す図である。
【図5】本発明を適用する前に実際にプリント板の表面を測定したときの高さ変位を示す図である。
【図6】本発明を適用して実際にプリント板の表面を測定したときの高さ変位を示す図である。
【図7】従来の技術を示す図である。
【図8】他の従来の技術を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
1 プリント板
1a プリント板の辺縁部
2 側壁部
2a 側壁部の内壁面
3 ガイド
3a ガイドの突出部
4 弾性体シート
5 弾性体ベルト
6 クランプ部
6a 支持ブロック
7 昇降機構
8 搬送路
9 基台
100 検査部
101 センサ
102 測定評価部
103 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送路(8)を囲む両サイドの側壁部(2)と、該各側壁部の内壁面(2a)に沿って設けられ、前記搬送路を形成しプリント板(1)の辺縁部(1a)の下部を支持して搬送する一対の弾性体ベルト(5)と、該各弾性体ベルトより上に所定距離Δh(>プリント板の厚さd)だけ離れて該弾性体ベルトに平行に設けられ、かつ前記搬送路の中央方向へ庇状に突出して設けられた突出部(3a)を有し、該突出部がほぼ前記プリント板の前記辺縁部を覆うことができるようにされたガイド部(3)と、前記プリント板が検査位置まで搬送されてきたとき前記プリント板の前記辺縁部の下面を下から上へ押し上げることによって、前記辺縁部の上面を前記ガイド部の突出部の下辺に押圧して位置を固定して支持するクランプ(6)とを備え、該クランプで支持された状態でプリント板に印刷されたはんだの形状を検査する印刷はんだ検査装置であって、
前記クランプ部が前記辺縁部の下面で前記プリント板を押し上げるときに、該プリント板の辺縁部の下面と前記クランプ部との間に存する前記弾性体ベルト諸共押し上げることで、前記辺縁部の下面を前記弾性体ベルトで押圧し前記プリント板を固定して支持することを特徴とする印刷はんだ検査装置。
【請求項2】
前記プリント板を固定して支持する前記クランプ部の上端部には支持ブロック(6a)を有し、該支持ブロックの幅は、前記プリント板の辺縁部の幅とほぼ同じであることを特徴とする請求項1の記載の印刷はんだ検査装置。
【請求項3】
前記ガイド部の前記搬送路の中央方向へ庇状に突出部の下辺に接して設けられた弾性体シート(4)を有し、該弾性体シートは前記弾性体ベルトと同じ材質であり、前記プリント板は前記クランプにより下部方向から押圧されたとき、該プリント板の前記辺縁部の上面が該弾性体シートを介して前記ガイド部の突出部の下辺に押圧されることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷はんだ検査装置。
【請求項4】
前記ガイド部は、前記弾性体シートを介して、前記側壁部の上部に取り付けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の印刷はんだ検査装置。
【請求項5】
前記弾性体ベルトは、一方の面がポリウタレン、他方の面がアクリル・ニトリル・ブタジェン、及びそれら両面の内部がポリアミド系の繊維の成分を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の印刷はんだ検査装置。
【請求項6】
前記弾性体ベルトは、その断面形状が矩形の平ベルトであることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の印刷はんだ検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−176981(P2009−176981A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−14508(P2008−14508)
【出願日】平成20年1月25日(2008.1.25)
【出願人】(000000572)アンリツ株式会社 (838)
【Fターム(参考)】