説明

印刷画質を向上可能な画像処理

【課題】印刷画質を向上させるように各印刷画素におけるドットの形成状態を決定することを可能とする。
【解決手段】画像処理装置は、画像を表す画像データに基づき、画像を複数サイズのドットを利用して印刷する際のドットの形成状態を決定する。画像処理装置は、画像中における画像の印刷に用いられるドットのうち、1つの色の画素で構成された領域の所定の方向に沿った幅を算出する領域幅算出部と、領域の幅に応じて予め設定されたドットの配置パターンを記憶する記憶部と、領域の幅が第1の閾値以下の場合に、幅を算出した領域の部分に対して、配置パターンに従いドットを割り当てるドット割り当て部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像の印刷画質を向上させることが可能な画像処理に関する。
【背景技術】
【0002】
紙や布、フィルムなどの各種印刷媒体にドットを形成して画像を印刷する印刷装置として、インクジェットプリンタが知られている。インクジェットプリンタは、例えばシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色のインクを印刷媒体に向けて噴射して印刷媒体上にインクドットを形成することにより、印刷媒体上に画像を印刷する。インクジェットプリンタには、例えば大ドット(Lドット)、中ドット(Mドット)、小ドット(Sドット)のように、複数サイズのドットを形成可能なものがある。
【0003】
インクジェットプリンタによる画像の印刷の際には、一般に、画像を表す画像データに基づき、各印刷画素におけるドットの形成状態を決定する処理(ハーフトーン処理と呼ばれる)が行われる(例えば特許文献1参照)。ここで、各印刷画素におけるドットの形成状態を決定するとは、各印刷画素にどの色のどのサイズのドットを形成するか(あるいはドットを形成しないか)を決定することである。
【0004】
【特許文献1】特開2007−118238号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ハーフトーン処理の際には、色のにじみの発生を抑制する等のために、印刷媒体の単位面積当たりの総インク量に制限が設けられる場合がある。このような場合には、例えば画像中の文字や線画におけるエッジの部分を構成する印刷画素に、異なるサイズのドットが混在して形成されたり、当該印刷画素の一部にドットが形成されなかったりする可能性があり、エッジのがたつきや欠けによって印刷画質が低下するおそれがあった。
【0006】
なお、このような問題は、インクジェットプリンタによる画像の印刷に限らず、ドットを利用して画像を印刷する際の各印刷画素におけるドットの形成状態を決定する際に共通の問題であった。
【0007】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、印刷画質を向上させるように各印刷画素におけるドットの形成状態を決定することを可能とする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明は、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0009】
[適用例1]複数の画素により構成される画像を表す画像データに基づき、前記画像を複数サイズのドットを利用して印刷する際のドットの形成状態を決定する画像処理装置であって、
前記画像中における前記画像の印刷に用いられるドットのうち、1つの色の画素で構成された領域の所定の方向に沿った幅を算出する領域幅算出部と、
前記領域の幅に応じて予め設定されたドットの配置パターンを記憶する記憶部と、
前記領域の幅が第1の閾値以下の場合に、幅を算出した前記領域の部分に対して、前記配置パターンに従いドットを割り当てるドット割り当て部と、を備える、画像処理装置。
【0010】
この画像処理装置では、領域の幅が第1の閾値以下の場合に、幅を算出した領域の部分に対して配置パターンに従ったドットの割り当てが行われるため、領域の幅が比較的小さい場合でも、比較的小さいドットのみが割り当てられることによるドット間の隙間の発生や、再現すべき所定の濃度・太さを再現できない事態の発生を抑制することができ、印刷画質を向上させることができる。
【0011】
[適用例2]適用例1に記載の画像処理装置であって、
前記配置パターンは、前記複数サイズのドットの内の最小サイズのドット以外のドットが少なくとも1つ含まれたパターンである、画像処理装置。
【0012】
この画像処理装置では、領域の幅が比較的小さい場合でも、幅を算出した領域の部分がすべて最小サイズのドットを用いて印刷されるようなことはなく、ドット間の隙間の発生や、再現すべき所定の濃度・太さを再現できない事態の発生が抑制される。
【0013】
[適用例3]適用例1または適用例2に記載の画像処理装置であって、
前記配置パターンは、幅を算出した前記領域の部分の第1の位置に割り当てられるドットのサイズが、前記領域のエッジからの距離が前記第1の位置よりも大きい第2の位置に割り当てられるドットのサイズよりも小さいパターンである、画像処理装置。
【0014】
この画像処理装置では、幅を算出した領域の部分の第1の位置に、領域のエッジからの距離が第1の位置よりも大きい第2の位置に割り当てられるドットのサイズより小さいサイズのドットが割り当てられため、エッジ部分におけるにじみや太りが抑制され、印刷画質をさらに向上させることができる。
【0015】
[適用例4]適用例1ないし適用例3のいずれかに記載の画像処理装置であって、
前記ドット割り当て部は、前記領域の幅が前記第1の閾値より大きい場合には、幅を算出した前記領域の部分における前記領域のエッジからの距離が第2の閾値以内の位置に、前記複数サイズのドットのうち、最大サイズのドット以外のドットを割り当てる、画像処理装置。
【0016】
この画像処理装置では、領域の幅が比較的大きい場合に、幅を算出した領域の部分におけるエッジからの距離が小さい位置に最大サイズのドット以外のドットが割り当てられるため、エッジ部分におけるにじみや太りが抑制され、印刷画質をさらに向上させることができる。
【0017】
[適用例5]適用例4に記載の画像処理装置であって、
前記ドット割り当て部は、前記領域の幅が前記第1の閾値より大きい場合には、幅を算出した前記領域の部分における前記領域のエッジからの距離が第2の閾値以内の位置に、前記複数サイズのドットの内の最小サイズのドットを割り当てる、画像処理装置。
【0018】
この画像処理装置では、領域の幅が比較的大きい場合に、幅を算出した領域の部分におけるエッジからの距離が小さい位置に最小サイズのドットが割り当てられるため、印刷画像におけるエッジのがたつきや欠けを抑制することができると共に、エッジ部分におけるにじみや太りが抑制され、印刷画質をさらに向上させることができる。また、領域の幅が第1の閾値以下の場合には、配置パターンに従ったドットの割り当てが行われるため、印刷画像におけるエッジのがたつきや欠けの抑制、エッジ部分におけるにじみや太りの抑制と、ドット間の隙間の発生や再現すべき所定の濃度・太さを再現できない事態の発生の抑制とを両立させることができる。
【0019】
[適用例6]適用例1ないし適用例5のいずれかに記載の画像処理装置であって、
前記画像は、白色と前記画像の印刷に用いられるドットの色の1つとのみにより構成された画像である、画像処理装置。
【0020】
この画像処理装置では、白色と画像の印刷に用いられるドットの色の1つとのみにより構成された画像の印刷の際に、印刷画質を向上させることができる。
【0021】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、画像処理方法および装置、ドット形成状態決定方法および装置、ドットデータ生成方法および装置、印刷データ生成方法および装置、印刷方法および装置、これらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.実施例:
B.変形例:
【0023】
A.実施例:
図1は、本発明の実施例における印刷システムの構成を概略的に示す説明図である。本実施例における印刷システム1000は、画像処理装置としてのパーソナルコンピュータ100と、パーソナルコンピュータ100に有線または無線によって接続されたプリンタ200と、を備えている。
【0024】
パーソナルコンピュータ100は、プログラムを実行することにより種々の処理や制御を行うCPU110と、プログラムやデータ・情報を格納するメモリ120と、外部に接続される周辺機器との間でデータや情報のやりとりを行う入出力インタフェース(I/F)部130と、を備えている。パーソナルコンピュータ100は、さらに、キーボードやポインティングデバイスなどの入力装置、ディスプレイなどの表示装置、CD−ROMドライブ装置などの記録再生装置等を備えていてもよい。
【0025】
メモリ120は、出力バッファ32と幅記録バッファ34とエッジフラグバッファ36とを含んでいる。出力バッファ32と幅記録バッファ34とエッジフラグバッファ36とは、後述するドット形成状態の決定処理に用いられる。出力バッファ32は、決定されたドット形成状態を記録するためのバッファであり、幅記録バッファ34は、算出された黒色領域の幅Wを記録するためのバッファであり、エッジフラグバッファ36は、後述のエッジ処理によってドットが割り当てられたか否かを記録するためのバッファである。メモリ120には、さらに、標準エッジ周辺パターンテーブル42と細幅対応パターンテーブル44とが格納されている。標準エッジ周辺パターンテーブル42と細幅対応パターンテーブル44とについては、後に詳述する。
【0026】
パーソナルコンピュータ100には、アプリケーションプログラム10やプリンタドライバ20などのプログラムがインストールされている。アプリケーションプログラム10やプリンタドライバ20は、所定のオペレーティングシステム(図示せず)の下でCPU110により実行される。
【0027】
アプリケーションプログラム10は、例えば画像編集機能を実現するためのプログラムである。ユーザは、アプリケーションプログラム10の提供するユーザインターフェースを介して、アプリケーションプログラム10により編集された画像を印刷する指示を与えることができる。アプリケーションプログラム10は、ユーザより印刷の指示を受けると、プリンタドライバ20に印刷の対象となる画像データを出力する。なお、本実施例では、画像データはRGBデータとして出力される。
【0028】
プリンタドライバ20は、アプリケーションプログラム10から出力された画像データに基づき印刷データを生成する機能を実現するためのプログラムである。プリンタドライバ20は、CD−ROMなどの各種記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体等)に記憶されて配布されたり、またはインターネットなど各種通信手段を通じて配信されたりする。
【0029】
プリンタドライバ20は、アプリケーションプログラム10から画像データを受け取り、画像データに基づき印刷データを生成し、生成された印刷データをプリンタ200に出力する。ここで、印刷データは、プリンタ200が解釈できる形式のデータであって、各種のコマンドデータとドットデータとを含む。コマンドデータは、プリンタ200に特定の動作の実行を指示するためのデータである。ドットデータは、印刷される画像(印刷画像)を構成する画素(印刷画素)におけるドットの形成状態を表すデータであり、具体的には、各印刷画素にどの色のどのサイズのドットを形成するか(あるいはドットを形成しないか)を示すデータである。ここで、「ドット」とは、プリンタ200から噴射されたインクが印刷媒体に着弾して形成される1つの領域をいう。
【0030】
図1に示すように、プリンタドライバ20は、解像度変換処理部21と、エッジ判定部22と、領域幅算出部23と、幅比較部24と、エッジ部ドット割り当て部25と、処理済判定部26と、色変換処理部27と、ハーフトーン処理部28と、ラスタライズ処理部29と、を含んでいる。本実施例におけるエッジ部ドット割り当て部25とハーフトーン処理部28とは、本発明におけるドット割り当て部に相当する。
【0031】
解像度変換処理部21は、アプリケーションプログラム10から出力された画像データの解像度をプリンタ200の印刷解像度に一致するように変換する解像度変換処理を行う。
【0032】
エッジ判定部22は、画像から、黒色画素で構成された黒色領域(例えば画像における線画の部分)のエッジ(以下「黒色エッジ」とも呼ぶ)を検出する。領域幅算出部23は、検出されたエッジの位置におけるエッジに直交する方向に沿った黒色領域の幅を算出する。なお、本実施例における「エッジに直交する方向」は、本発明における「所定の方向」に相当する。幅比較部24は、算出された黒色領域の幅を、所定の閾値と比較したり、別の方向に沿った黒色領域の幅と比較したりする。
【0033】
エッジ部ドット割り当て部25は、黒色領域のエッジ周辺に対応した印刷画素に所定のドットを割り当てることにより、当該印刷画素におけるドットの形成状態を決定し、出力バッファ32に記録する。エッジ部ドット割り当て部25によるドットの割り当て方法については、後に詳述する。なお、本実施例で用いられるプリンタ200は、小さいサイズの小ドット(以下「Sドット」とも呼ぶ)と中程度のサイズの中ドット(以下「Mドット」とも呼ぶ)と大きいサイズの大ドット(以下「Lドット」とも呼ぶ)との3種類のサイズのドットを形成可能なプリンタである。そのため、印刷画素におけるドットの形成状態としては、各インク色について、ドットを形成しない、Sドットを形成する、Mドットを形成する、Lドットを形成する、の計4つの選択肢が存在することとなる。
【0034】
処理済判定部26は、エッジフラグバッファ36を参照して、画像データを構成する画素の内の注目画素に対応した印刷画素に対してエッジ部ドット割り当て部25によるドットの割り当てが行われたか否かを判定する。色変換処理部27は、処理済判定部26によって未だドットの割り当てが行われていないと判定された画素を対象に、色変換処理を行う。本実施例で用いられるプリンタ200は、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色のインクを用いて印刷を行うプリンタであるため、色変換処理部27は、対象画素のそれぞれについて、RGB値で表された画素値をCMYK値に変換する。
【0035】
ハーフトーン処理部28は、色変換処理部27による色変換処理後の画素値に基づきハーフトーン処理を行い、印刷画素におけるドットの形成状態を決定し、出力バッファ32に記録する。本実施例では、ハーフトーン処理部28は、印刷媒体の単位面積当たりの総インク量に制限を設けつつ、ディザマトリクスによる閾値処理によってハーフトーン処理を行う。
【0036】
ラスタライズ処理部29は、出力バッファ32に記録された各印刷画素におけるドットの形成状態に基づきドットデータを生成すると共に、ドットデータをプリンタ200に転送すべき順序に並び替える。
【0037】
本実施例のプリンタ200は、印刷媒体にインクドットを形成して画像を印刷するインクジェットプリンタである。プリンタ200は、プログラムを実行することによりプリンタ200全体の制御や各種処理を行うCPU210と、プログラムやデータ・情報を格納するメモリ220と、外部に接続されるパーソナルコンピュータ100との間でデータや情報のやりとりを行う入出力インタフェース(I/F)部230と、CPU210からの指示に従って各ユニットを制御するユニット制御回路240と、ヘッドユニット250と、キャリッジユニット260と、搬送ユニット270と、を備えている。
【0038】
ヘッドユニット250は、印刷媒体にインクを噴射するためのヘッド(図示せず)を有している。ヘッドは、複数のノズルを有し、各ノズルから断続的にインクを噴射する。このヘッドはキャリッジ(図示せず)に搭載されており、キャリッジが所定の走査方向(主走査方向)に移動すると、ヘッドも主走査方向に移動する。ヘッドが主走査方向に移動している間にインクを断続的に噴射することにより、主走査方向に沿ったドットライン(ラスタライン)が印刷媒体上に形成される。
【0039】
キャリッジユニット260は、ヘッドを搭載するキャリッジを主走査方向に往復移動させるための駆動装置である。キャリッジには、ヘッドの他、インクを収容するインクカートリッジも着脱可能に保持されている。
【0040】
搬送ユニット270は、印刷媒体を印刷可能な位置に送り込み、印刷時に所定の搬送方向に所定の搬送量で印刷媒体を搬送させることによって副走査を行うための駆動装置である。搬送ユニット270は、例えば、給紙ローラ、搬送モータ、搬送ローラ、プラテン、及び排紙ローラ(図示せず)などによって構成される。
【0041】
パーソナルコンピュータ100のメモリ120に格納された標準エッジ周辺パターンテーブル42および細幅対応パターンテーブル44は、共に、画像中の黒色領域のエッジ(黒色エッジ)周辺に対応した印刷画素におけるドットの配置パターンを示すテーブルである。図2は、標準エッジ周辺パターンテーブル42および細幅対応パターンテーブル44が定めるドットの配置パターンを示す説明図である。細幅対応パターンテーブル44は、図2(a)に示すように、黒色領域の幅Wが比較的細い場合、具体的には印刷画素4つ分以下の場合のドット配置パターンである細幅対応パターンを定める。具体的には、黒色領域の幅Wが印刷画素1つ分である場合には、黒色領域の幅Wに対応した1つの印刷画素には1つのMドットが割り当てられる。同様に、黒色領域の幅Wが印刷画素2つ分である場合には、2つの印刷画素にはそれぞれMドットが割り当てられ、黒色領域の幅Wが印刷画素3つ分である場合には、3つの印刷画素には一方の黒色エッジ側から順にMドット、Lドット、Mドットがそれぞれ割り当てられ、黒色領域の幅Wが印刷画素4つ分である場合には、4つの印刷画素には一方の黒色エッジ側から順にSドット、Lドット、Lドット、Sドットがそれぞれ割り当てられる。なお、本実施例における印刷画素4つ分は、本発明における第1の閾値に相当する。また、細幅対応パターンは、黒色領域の幅Wが比較的細い場合(印刷画素4つ分以下の場合)に採用されるパターンであるため、黒色エッジ周辺に対応したドットの配置を定めるパターンであると言える。
【0042】
標準エッジ周辺パターンテーブル42は、図2(b)に示すように、黒色領域の幅Wが比較的太い場合、具体的には印刷画素4つ分より大きい場合のドット配置パターンである標準エッジ周辺パターンを定める。具体的には、黒色領域の幅Wが印刷画素4つ分より大きい場合には、黒色領域のエッジ(黒色エッジ)からの距離が1画素分である(すなわち黒色エッジに位置する)2つの黒色画素(以下「黒色エッジ画素」とも呼ぶ)にSドットが割り当てられ、黒色エッジからの距離が2画素分である(すなわち黒色エッジ画素よりさらに1画素分内側に位置する)2つの黒色画素(以下「黒色エッジ隣接画素」とも呼ぶ)にMドットが割り当てられる。なお、標準エッジ周辺パターンテーブル42は、黒色領域の幅Wに対応した印刷画素の内、黒色エッジ周辺に位置する画素、具体的には黒色エッジ画素および黒色エッジ隣接画素におけるドットの配置のみを定めるパターンであり、黒色エッジ画素でも黒色エッジ隣接画素でもない画素(図2(b)において「X」と示された画素)におけるドットの配置を定めるものではない。また、本実施例における黒色エッジからの距離としての1画素分は、本発明における第2の閾値に相当する。あるいは、本実施例における黒色エッジからの距離としての2画素分が、本発明における第2の閾値に相当するとしてもよい。
【0043】
ユーザがアプリケーションプログラム10(図1)上で画像の印刷を指示すると、アプリケーションプログラム10からプリンタドライバ20に印刷命令が発せられる。この印刷命令には、アプリケーションプログラム10上で編集された画像データ(RGBデータ)が含まれる。
【0044】
印刷命令を受領したプリンタドライバ20では、解像度変換処理部21が、印刷命令の中に含まれている画像データの解像度を、印刷解像度に一致するように変換する。続いて、エッジ判定部22と、領域幅算出部23と、幅比較部24と、エッジ部ドット割り当て部25と、処理済判定部26と、色変換処理部27と、ハーフトーン処理部28とにより、画像データの表す画像を印刷する際の各印刷画素におけるドットの形成状態の決定処理が行われる。ドット形成状態の決定処理については、後に詳述する。決定されたドットの形成状態は、出力バッファ32に記録される。ドット形成状態が決定されると、ラスタライズ処理部29が、出力バッファ32に記録された各印刷画素におけるドットの形成状態に基づきドットデータを生成すると共に、ドットデータをプリンタ200に転送すべき順序に並び替え、ドットデータを含む印刷データを入出力インタフェース部130を介してプリンタ200に出力する。
【0045】
プリンタ200は、パーソナルコンピュータ100から印刷データを受領すると、印刷処理を実行する。まず、CPU210は、パーソナルコンピュータ100から入出力インタフェース部230を介して印刷データを受領し、受領した印刷データに含まれる各種コマンドの内容を解析する。CPU210は、解析結果に基づき、ユニット制御回路240を介して搬送ユニット270を制御する。この制御により、搬送ユニット270は、印刷すべき紙(印刷媒体)をプリンタ200内に供給させ、印刷開始位置に紙を位置決めする。
【0046】
次に、CPU210は、ユニット制御回路240を介してキャリッジユニット260を制御する。この制御により、キャリッジユニット260は、ヘッドを搭載したキャリッジを主走査方向に移動させる。また、CPU210は、ユニット制御回路240を介して印刷データに基づいてヘッドユニット250を制御する。この制御により、ヘッドユニット250は、主走査方向に沿って移動するヘッドから、印刷データに基づいてインクを断続的に噴射させ、噴射されたインク滴が紙上に着弾することにより紙上にドットを形成させる。さらに、CPU210は、搬送ユニット270を制御し、紙を搬送方向に搬送させて、ヘッドに対し相対的に移動させる。これにより、ヘッドは、先ほど形成されたドットの位置とは異なる位置にドットを形成することが可能になる。こうして、印刷するためのデータがなくなるまで、ドット形成や搬送などの処理を繰り返し、ドットから構成される画像を紙に印刷する。その後、印刷するためのデータがなくなれば、印刷処理が完了する。
【0047】
図3は、ドット形成状態の決定処理の流れを示すフローチャートである。ドット形成状態の決定処理は、解像度変換処理後の画像データに基づき、各印刷画素におけるドットの形成状態を決定し、出力バッファ32に記録する処理である。
【0048】
また、図4は、解像度変換処理後の印刷対象画像の一例を示す説明図である。以下では、図4に示す印刷対象画像40に基づき印刷処理が行われるものとして説明する。図4に示す印刷対象画像40は、線画Aおよび線画Bを含んでいる。線画Aは、横(水平方向)4画素×縦(鉛直方向)11画素の黒色画素によって構成された黒色領域である。また、線画Bは、横6画素×縦11画素の黒色画素によって構成された黒色領域である。印刷対象画像40の線画Aおよび線画B以外の部分の画素はすべて白色画素である。すなわち、印刷対象画像40は、白色とインクドット色の1つである黒色とのみにより構成されたモノクロ画像である。なお、図4において、○印は後述する注目画素を示しており、実線矢印は注目画素が移動する軌跡を示している。
【0049】
図5は、出力バッファ32(図1参照)の構成を示す説明図である。出力バッファ32は、印刷対象画像40の各画素に対応したドット形成状態が記録可能なように構成されている。図5に示した32Aおよび32Bの部分は、それぞれ、印刷対象画像40の線画Aおよび線画Bに対応した部分である。なお、出力バッファ32は、必ずしも印刷対象画像40全体の各画素に対応したドット形成状態が記録可能に構成されている必要はなく、印刷処理をバンド(印刷対象画像40を複数の帯状領域に分割した分割画像)単位で実行する場合には、出力バッファ32はバンド内の各画素に対応したドット形成状態が記録可能に構成されていればよい。また、幅記録バッファ34およびエッジフラグバッファ36(図1参照)の構成は、図5に示した出力バッファ32の構成と同様である。
【0050】
図6ないし図8は、注目画素の位置と出力バッファ32、幅記録バッファ34、エッジフラグバッファ36のそれぞれの状態とを対応付けて示す説明図である。図6ないし図8の上段には、出力バッファ32における線画Aに対応した部分32A(図5参照)の状態を示している。また、図6ないし図8の中段には、幅記録バッファ34における線画Aに対応した部分34Aの状態を、図6ないし図8の下段には、エッジフラグバッファ36における線画Aに対応した部分36Aの状態を、それぞれ示している。図中の○は、注目画素に対応した位置を示している。注目画素を示す○印が実線で記載されている場合には、当該位置に注目画素が設定された後に、出力バッファ32、幅記録バッファ34、エッジフラグバッファ36に対する処理が完了した時点における各バッファの状態が示されている。一方、注目画素を示す○印が破線で記載されている場合には、当該位置に注目画素が設定された時点、すなわち出力バッファ32、幅記録バッファ34、エッジフラグバッファ36に対する処理が行われていない時点における各バッファの状態が示されている。出力バッファ32の状態を示す図中の符号「S」は「Sドットを形成する」というドット形成状態を示しており、同様に、図中の符号「M」は「Mドットを形成する」というドット形成状態を、符号「L」は「Lドットを形成する」というドット形成状態を、それぞれ示している。幅記録バッファ34の状態を示す図中の符号「−」は初期値を示している。ここで初期値は十分に大きい値(本実施例では5以上の値)である。エッジフラグバッファ36の状態を示す図中の符号「−」はフラグが立っていない状態を示しており、符号「1」はフラグが立っている状態を示している。時間の経過と共に、図6の左端の状態(状態a)から右端の状態(状態f)、さらに図7の左端の状態(状態g)から右端の状態(状態l)、さらに図8の左端の状態(状態m)から右端の状態(状態q)へと推移するものとする。
【0051】
ステップS102(図3)では、エッジ判定部22(図1)が、解像度変換処理部21による解像度変換処理後の画像データを読み込む。ステップS104では、エッジ判定部22が、幅記録バッファ34およびエッジフラグバッファ36を初期化する。これにより、図6の状態aに示すように、幅記録バッファ34の値はすべて初期値「−」となり、エッジフラグバッファ36の値はすべてフラグが立っていない状態を示す値(符号「−」で示す)となる。
【0052】
ステップS106では、エッジ判定部22が、印刷対象画像40における左上隅の画素を最初の注目画素として設定する。図6に示した状態aは、印刷対象画像40における左上隅の画素が最初の注目画素として設定されたときの状態を示している。
【0053】
ステップS108(図3)では、エッジ判定部22(図1)が、注目画素の下側に黒色エッジがあるか否かを判定する。すなわち、エッジ判定部22は、注目画素が白色画素であり、かつ、1画素分下側の画素が黒色画素であるか否かを判定する。本実施例に用いられる印刷対象画像40(図4)は、線画Aおよび線画B以外の部分はすべて白色であるため、図6の状態aにおいては注目画素の下側に黒色エッジはないと判定される。
【0054】
注目画素の下側に黒色エッジはないと判定された場合には(ステップS108:No)、エッジ判定部22(図1)が、注目画素の右側に黒色エッジがあるか否かを判定する(ステップS112)。図6の状態aにおいては注目画素の右側に黒色エッジはないと判定される。注目画素の右側に黒色エッジはないと判定された場合には(ステップS112:No)、エッジ判定部22(図1)が、注目画素の上側に黒色エッジがあるか否かを判定する(ステップS116)。図6の状態aにおいては注目画素の上側に黒色エッジはないと判定される。
【0055】
注目画素の上側に黒色エッジはないと判定された場合には(ステップS116:No)、処理済判定部26(図1)が、エッジフラグバッファ36を参照して、注目画素に対応した位置にエッジフラグが立っているか否かを判定する(ステップS120)。図6の状態aにおいてはすべての画素についてエッジフラグは立っていないため、注目画素に対応したエッジフラグは立っていないと判定される(ステップS120:No)。この場合には、色変換処理部27(図1)が色変換処理を行うと共に、ハーフトーン処理部28がハーフトーン処理を行う(ステップS122)。図6の状態aにおいては、ハーフトーン処理の結果、注目画素に対応した印刷画素のドット形成状態は「ドットを形成しない」という状態に決定される。
【0056】
その後、ステップS124(図3)において、エッジ判定部22は、注目画素が印刷対象画像40の右端の画素であるか否かを判定する。注目画素が印刷対象画像40の右端の画素ではないと判定された場合には(ステップS124:No)、エッジ判定部22は注目画素を右に1画素分移動する(ステップS126)。その後、処理はステップS108に戻る。図6の状態aにおいて、注目画素に対応した印刷画素のドット形成状態が決定されると、注目画素が1画素分右に移動される(ステップS126)。この後、ステップS108,S112,S116において、それぞれ、注目画素の下側、右側、上側には黒色エッジはないと判定される。そのため、この状態においても、色変換処理部27による色変換処理およびハーフトーン処理部28によるハーフトーン処理が実行され(ステップS122)、注目画素に対応した印刷画素のドット形成状態は「ドットを形成しない」という状態に決定される。このような処理が繰り返され、図6の状態aから注目画素が印刷対象画像40の右端まで移動すると、ステップS124において注目画素は右端であると判定される。このときには、エッジ判定部22が、注目画素は画像の下端の画素であるか否かを判定する(ステップS128)。注目画素は画像の下端の画素ではないと判定された場合には(ステップS128:No)、エッジ判定部22が、注目画素を1ライン下の画像左端に移動する(ステップS130)。その後、処理はステップS108に戻る。
【0057】
上述の処理が繰り返され、注目画素が図6の状態bに示す位置まで移動すると、図3のステップS108において注目画素の下側に黒色エッジがあると判定される。このときには、下側エッジ処理が実行される(ステップS110)。
【0058】
図9は、下側エッジ処理の流れを示すフローチャートである。ステップS202(図9)では、領域幅算出部23(図1)が、検出されたエッジの位置におけるエッジに直交する方向、すなわち鉛直方向に沿った黒色領域の幅Wを算出する。印刷対象画像40(図4)における線画Aの鉛直方向に沿った幅は11画素分であるため、状態bにおける鉛直方向に沿った黒色領域の幅Wは11であると算出される。
【0059】
ステップS204(図9)では、幅比較部24(図1)が、算出された幅Wが所定の閾値Th1(=4)より大きいか否かを判定する。本実施例における閾値Th1は、本発明における第1の閾値に相当する。図6の状態bにおいては、算出された幅W(=11)は、所定の閾値Th1(=4)より大きいと判定される。この場合には、エッジ部ドット割り当て部25(図1)が、標準エッジ周辺パターンテーブル42を参照して標準エッジ周辺パターン(図2(b)参照)を読み出す(ステップS212)。読み出されたパターンは、黒色エッジに位置する2つの黒色エッジ画素にSドットが割り当てられ、黒色エッジ画素に隣接する2つの黒色エッジ隣接画素にMドットが割り当てられたパターンである。エッジ部ドット割り当て部25は、幅Wを算出した黒色領域の部分に対応した印刷画素の内の上側2画素に、読み出したパターンに従ったドットを割り当てる(ステップS214)。これにより、出力バッファ32における注目画素の1つ下の画素の位置に、「Sドットを形成する」というドットの形成状態が記録され、注目画素の2つ下の画素の位置に、「Mドットを形成する」というドットの形成状態が記録される(図6の状態c参照)。その後、エッジ部ドット割り当て部25は、エッジフラグバッファ36において、ステップS214でドットが割り当てられた画素に対応した位置にフラグを立てる(ステップS216、図6の状態c参照)。以上で下側エッジ処理が終了する。
【0060】
その後、注目画素の位置が図6の状態d、状態e、状態fに示す位置に移動するのに伴い、上述した処理と同様の処理が実行され、出力バッファ32およびエッジフラグバッファ36の状態が図6の状態d、状態e、状態fに示すように変遷する。
【0061】
注目画素が図7の状態gに示す位置まで移動すると、図3のステップS112において注目画素の右側に黒色エッジがあると判定される。このときには、水平方向エッジ処理が実行される(ステップS114)。
【0062】
図10は、水平方向エッジ処理の流れを示すフローチャートである。ステップS302(図10)では、領域幅算出部23(図1)が、検出されたエッジの位置におけるエッジに直交する方向、すなわち水平方向に沿った黒色領域の幅Wを算出する。印刷対象画像40(図4)における線画Aの水平方向に沿った幅は4画素分であるため、状態gにおける水平方向に沿った黒色領域の幅Wは4であると算出される。
【0063】
ステップS304(図10)では、幅比較部24(図1)が、算出された幅Wが所定の閾値Th1(=4)より大きいか否かを判定する。図7の状態gにおいては、算出された幅W(=4)は、所定の閾値Th1(=4)より大きくはないと判定される。この場合には、エッジ部ドット割り当て部25(図1)が、細幅対応パターンテーブル44を参照して、算出された幅W(=4ドット)に対応した細幅対応パターン(図2(a)参照)を読み出す(ステップS306)。読み出されたパターンは、図2(a)に示すように、2つの黒色エッジ画素にSドットが割り当てられ、2つの黒色エッジ隣接画素にLドットが割り当てられたパターンである。
【0064】
ステップS308(図10)では、エッジ部ドット割り当て部25(図1)が、幅Wを算出した黒色領域の部分の画素をPiとして設定する。すなわち、状態gにおいては、注目画素から右方向に1つ目の画素から4つ目の画素までの4つの画素がPiとして設定される。ステップS310では、エッジ部ドット割り当て部25が、iの値を1に設定する。このとき、画素Piは注目画素の右隣の画素となる。
【0065】
ステップS312では、幅比較部24(図1)が、算出された幅Wが幅記録バッファ34における画素Piに対応した値より小さいか否かを判定する。図7の状態gにおいては幅記録バッファ34の値はすべて初期値(「−」で示す)となっており、初期値は十分に大きい値(本実施例では5以上の値)であるため、幅Wは幅記録バッファ34における画素Piに対応した値より小さいと判定される。この場合には、エッジ部ドット割り当て部25は、画素Piに、読み出したパターンに従ったドットを割り当てる(ステップS324)。これにより、出力バッファ32における画素Pi(注目画素の右隣の画素)の位置に、「Sドットを形成する」というドットの形成状態が記録される(図7の状態h参照)。ただし、図7の状態gにおいては、出力バッファ32における画素Piの位置に「Sドットを形成する」というドットの形成状態が既に記録されているため、出力バッファ32の状態は変化しない。
【0066】
ステップS325(図10)では、エッジ部ドット割り当て部25が、エッジフラグバッファ36の画素Piに対応した位置にフラグを立てる(図7の状態h参照)。続いて、エッジ部ドット割り当て部25は、幅記録バッファ34における画素Piの位置の値が初期値であるか否かを判定する(ステップS326)。図7の状態gにおいては、幅記録バッファ34における画素Piの位置の値は初期値である。幅記録バッファ34における画素Piの位置の値が初期値であると判定された場合には、エッジ部ドット割り当て部25は、幅記録バッファ34の画素Piに対応した位置に、算出された幅Wの値を記録する(ステップS328、図7の状態h参照)。
【0067】
その後、エッジ部ドット割り当て部25は、iの値を1つ繰り上げ(ステップS320)、iの値が幅Wより大きいか否かを判定する(ステップS322)。iの値が幅Wより大きくないと判定された場合には(ステップS322:No)、新たな画素Piについて、ステップS312以降の処理が実行される。iの値が2に設定されたとき、すなわち、画素Piが注目画素の2つ右隣の画素となったとき、ステップS324において、出力バッファ32における画素Pi(注目画素の2つ右隣の画素)の位置に、「Lドットを形成する」というドットの形成状態が記録される。ここで、図7の状態gにおいては、出力バッファ32の当該位置に「Sドットを形成する」というドットの形成状態が記録されているため、「Lドットを形成する」というドットの形成状態は上書き記録されることとなる。
【0068】
その後、iの値が3および4に設定され、ステップS324〜S328の処理が実行されることにより、出力バッファ32、幅記録バッファ34、エッジフラグバッファ36の状態は、図7の状態hに示した状態となる。すなわち、出力バッファ32における線画Aの上端の4つの印刷画素に対応した位置には、左から順に、Sドット、Lドット、Lドット、Sドットをそれぞれ形成するというドットの形成状態が記録される。その後、iの値が5に設定され、ステップS322において、iの値が幅Wより大きいと判定されると(ステップS322:Yes)、水平方向エッジ処理は終了する。
【0069】
注目画素が図7の状態iに示す位置まで移動すると、図3のステップS108、S112、S116において、それぞれ、注目画素の下側、右側、上側には黒色エッジが無いと判定され、さらに、ステップS120において、注目画素に対応したエッジフラグが立っていると判定される。この場合には、当該注目画素についての色変換処理およびハーフトーン処理(ステップS122)は実行されない。エッジフラグバッファ36において注目画素に対応したエッジフラグが立っているということは、既に標準エッジ周辺パターンまたは細幅対応パターンに従ってドットが割り当てられていることを示している。すなわち、既に標準エッジ周辺パターンまたは細幅対応パターンに従ってドットが割り当てられている画素については、ハーフトーン処理が実行されることはなく、パターンに従って割り当てられたドットが優先される。
【0070】
注目画素が図7の状態jに示す位置まで移動すると、図3のステップS112において注目画素の右側に黒色エッジがあると判定され、水平方向エッジ処理(ステップS114)が実行される。これにより、出力バッファ32、幅記録バッファ34、エッジフラグバッファ36は、図7の状態jに示す状態となる。その後、注目画素の移動に伴い、出力バッファ32、幅記録バッファ34、エッジフラグバッファ36は、図7の状態k、状態lに示したように遷移する。
【0071】
注目画素が図8の状態mに示す位置まで移動すると、図3のステップS116において注目画素の上側に黒色エッジがあると判定される。このときには、上側エッジ処理が実行される(ステップS118)。
【0072】
図11は、上側エッジ処理の流れを示すフローチャートである。ステップS402(図11)では、幅比較部24(図1)が、上側の黒色領域の下端に位置する画素(黒色エッジ画素)に対応した幅記録バッファ34の値が初期値であるか否かを判定する。図8の状態mにおいては、当該画素に対応した幅記録バッファ34の値(=4)は初期値ではない。ステップS402において初期値ではないと判定された場合には、そのまま上側エッジ処理は終了する(状態n参照)。ステップS402における判定は、黒色領域の鉛直方向の幅Wに注目したドットの割り当てと水平方向の幅Wに注目したドットの割り当てとのどちらを優先するかを定めるために実行される。すなわち、ステップS402において初期値ではないと判定されるということは、水平方向エッジ処理(図10)において算出された水平方向に沿った黒色領域の幅Wが初期値よりも小さいことを意味する。この場合には、水平方向の幅Wに注目したドットの割り当てが優先される。一方、ステップS402において初期値であると判定されるということは、水平方向に沿った黒色領域の幅Wが初期値以上であることを意味する。この場合には、鉛直方向の幅Wに注目したドットの割り当てが優先される。すなわち、黒色領域の水平方向および鉛直方向の幅Wの内、小さい方に注目したドットの割り当てが優先される。
【0073】
その後、注目画素の移動に伴い、出力バッファ32、幅記録バッファ34、エッジフラグバッファ36の状態は、図8の状態o、状態p、状態q、に示したように遷移する(すなわち状態mから変化しない)。状態qの後、注目画素が印刷対象画像40(図4)の右下端まで移動すると、図3のステップS128において注目画素は画像の下端であると判定され、処理が終了する。
【0074】
以上説明したドット形成状態の決定処理により、印刷対象画像40(図4参照)の線画Aの部分に対応した印刷画素のドット形成状態は、図8の状態qに示したように決定される。この場合には、プリンタ200による画像の印刷の際に、鉛直方向のエッジについての黒色エッジ画素に対応した印刷画素にはSドットが形成され、鉛直方向のエッジについての黒色エッジ隣接画素に対応した印刷画素にはLドットが形成されることとなる。
【0075】
本実施例では、黒色領域の幅Wが所定の閾値Th1(=4)以下の場合には、幅Wを算出した黒色領域の部分に対して、細幅対応パターンテーブル44に定められた細幅対応パターン(図2(a)参照)に従ったドットの割り当てが行われる。そのため、黒色領域の幅Wが比較的小さい場合でも、比較的小さいドットのみが割り当てられることによるドット間の隙間の発生や、再現すべき所定の濃度・太さを再現できない事態の発生を抑制することができ、比較的細幅の黒色領域を印刷する際の印刷画質を向上させることができる。具体的には、細幅対応パターンは、各幅Wについて、3つのサイズのドットの内の最小サイズのドット(Sドット)以外のドット(Mドット、Lドット)が1つ以上含まれたパターンとなっている。そのため、黒色領域の幅Wが比較的小さい場合でも、幅Wを算出した黒色領域の部分がすべてSドットを用いて印刷されるようなことはなく、ドット間の隙間の発生や、再現すべき所定の濃度・太さを再現できない事態の発生が抑制される。
【0076】
また、本実施例の細幅対応パターン(図2(a)参照)は、幅Wを算出した黒色領域の部分の第1の位置に割り当てられるドットのサイズが、黒色エッジからの距離が第1の位置よりも大きい第2の位置(すなわち第1の位置よりもエッジから離れた位置)に割り当てられるドットのサイズよりも小さいパターンとなっている。そのため、本実施例では、エッジ部分におけるにじみや太りが抑制され、印刷画質をさらに向上させることができる。
【0077】
さらに、本実施例では、黒色領域の幅Wが比較的小さい場合には、細幅対応パターン(図2(a)参照)に従ったドットの割り当てが行われることにより、黒色エッジ画素に対応した印刷画素に割り当てられるドットのサイズが同一サイズ(幅Wが1〜3の場合はMドット、幅Wが4の場合はSドット)となる。そのため、本実施例では、印刷画像におけるエッジのがたつきや欠けが抑制され、印刷画質をさらに向上させることができる。
【0078】
次に、印刷対象画像40の線画Bに対応した部分についてのドット形成状態の決定処理について説明する。図12ないし図14は、注目画素の位置と出力バッファ32、幅記録バッファ34、エッジフラグバッファ36のそれぞれの状態とを対応付けて示す説明図である。図12ないし図14の上段には、出力バッファ32における線画Bに対応した部分32Bの状態を示している。また、図12ないし図14の中段には、幅記録バッファ34における線画Bに対応した部分34Bの状態を、図12ないし図14の下段には、エッジフラグバッファ36における線画Bに対応した部分36Bの状態を、それぞれ示している。時間の経過と共に、図12の左端の状態(状態a)から右端の状態(状態f)、さらに図13の左端の状態(状態g)から右端の状態(状態l)、さらに図14の左端の状態(状態m)から右端の状態(状態r)へと推移するものとする。
【0079】
注目画素が図12の状態bに示す位置まで移動すると、図3のステップS108において注目画素の下側に黒色エッジがあると判定され、下側エッジ処理(ステップS110)が実行される。ここで、線画Bの鉛直方向に沿った幅Wは線画Aと同じく11画素分であるため、下側エッジ処理(図9)のステップS204において、黒色領域の幅W(=11)は閾値Th1(=4)より大きいと判定される。従って、標準エッジ周辺パターン(図2(b)参照)が読み出され(ステップS212)、幅Wを算出した黒色領域の部分に対応した印刷画素の内の上側2画素に読み出したパターンに従ったドットが割り当てられる(ステップS214)。これにより、出力バッファ32における注目画素の1つ下の画素の位置に、「Sドットを形成する」というドットの形成状態が記録され、注目画素の2つ下の画素の位置に、「Mドットを形成する」というドットの形成状態が記録される(図12の状態c参照)。また、エッジフラグバッファ36において、ドットが割り当てられた画素に対応した位置にフラグが立てられる(ステップS216、図12の状態c参照)。その後、注目画素の移動に伴い、出力バッファ32、幅記録バッファ34、エッジフラグバッファ36の状態は、図12の状態d、状態eに示したように遷移する。
【0080】
注目画素が図12の状態fに示す位置まで移動すると、図3のステップS112において注目画素の右側に黒色エッジがあると判定され、水平方向エッジ処理(ステップS114)が実行される。ここで、線画Bの水平方向に沿った幅Wは6画素分であるため、水平方向エッジ処理(図10)のステップS304において、黒色領域の幅W(=6)は閾値Th1(=4)より大きいと判定される。このときには、ステップS330において、エッジ部ドット割り当て部25(図1)が、標準エッジ周辺パターンテーブル42を参照して標準エッジ周辺パターン(図2(b)参照)を読み出す(ステップS330)。読み出されたパターンは、図2(b)に示すように、黒色エッジに位置する2つの黒色エッジ画素にSドットが割り当てられ、黒色エッジ画素に隣接する2つの黒色エッジ隣接画素にMドットが割り当てられたパターンである。
【0081】
次に、エッジ部ドット割り当て部25(図1)は、幅Wを算出した黒色領域の部分の画素の内の左端の2画素と右端の2画素とをPiとして設定する(ステップS332)。すなわち、図12の状態fにおいては、注目画素から右方向に1つ目および2つ目の画素と5つ目および6つ目の画素との合計4つの画素がPiとして設定される。ステップS334では、エッジ部ドット割り当て部25が、iの値を1に設定する。このとき、画素Piは注目画素の右隣の画素となる。
【0082】
ステップS336では、幅比較部24(図1)が、幅記録バッファ34における画素Piに対応した値が初期値か否かを判定する。ステップS336における判定は、黒色領域の鉛直方向に沿った幅Wに注目したドットの割り当てと水平方向に沿った幅Wに注目したドットの割り当てとのどちらを優先するかを定めるために実行される。ステップS336において初期値であると判定されるということは、下側エッジ処理(図9)において算出された鉛直方向に沿った黒色領域の幅Wが初期値以上であったことを意味する。この場合には、水平方向に沿った幅Wに注目したドットの割り当てが優先されるべく、ステップS338以降の処理が実行される。一方、ステップS336において初期値ではないと判定されるということは、下側エッジ処理(図9)において算出された鉛直方向に沿った黒色領域の幅Wが初期値より小さかったことを意味する。この場合には、鉛直方向に沿った幅Wに注目したドットの割り当てが優先されるべく、ステップS338以降の処理がスキップされる。すなわち、黒色領域の水平方向および鉛直方向に沿った幅の内、小さい方に注目したドットの割り当てが優先される。
【0083】
図12の状態fにおいては、幅記録バッファ34の値はすべて初期値(「−」で示す)となっている。ステップS336において初期値であると判定されると、エッジ部ドット割り当て部25が、画素Piに既に割り当てられたドットサイズはステップS330で読み出されたドットサイズより大きいか否かを判定する(ステップS338)。ステップS338における判定は、ある印刷画素に複数のエッジ処理においてドットが割り当てられることとなる場合に、より小さいサイズのドットの割り当てを優先するために実行される。図12の状態fにおいては、画素Pi(注目画素の右隣の画素)に既に割り当てられたドットサイズ(Sサイズ)は、ステップS330で読み出されたドットサイズ(Sサイズ)と同じである。ステップS338において、画素Piに既に割り当てられたドットサイズはステップS330で読み出されたドットサイズより大きくないと判定された場合には、図10のステップS340およびS341がスキップされる。
【0084】
その後、エッジ部ドット割り当て部25は、iの値を1つ繰り上げ(ステップS342)、iの値が4より大きいか否かを判定する(ステップS344)。iの値が4より大きくないと判定された場合には(ステップS344:No)、新たな画素Piについて、ステップS336以降の処理が実行される。iの値が2に設定されたとき、すなわち、画素Piが注目画素の2つ右隣の画素となったときにも、ステップS336において初期値であると判定され、ステップS338において、画素Piに既に割り当てられたドットサイズ(Sサイズ)はステップS330で読み出されたドットサイズ(Mサイズ)より大きくないと判定されるため、図10のステップS340およびS341はスキップされる。iの値が3および4に設定されたときも同様である。その後、iの値が5に設定され、ステップS344において、iの値が4より大きいと判定されると(ステップS344:Yes)、水平方向エッジ処理は終了する。
【0085】
注目画素が図13の状態gに示す位置まで移動すると、図3のステップS112において注目画素の右側に黒色エッジがあると判定され、水平方向エッジ処理(ステップS114)が実行される。この場合にも同様に、ステップS304において黒色領域の幅W(=6)は閾値Th1(=4)より大きいと判定され(ステップS304:Yes)、標準エッジ周辺パターン(図2(b)参照)が読み出される(ステップS330)。
【0086】
次に、幅Wを算出した黒色領域の部分の画素の内の左端の2画素と右端の2画素とがPiとして設定され(ステップS332)、iの値が1に設定される(ステップS334)。このとき、画素Piは注目画素の右隣の画素となる。
【0087】
次に、ステップS336(図10)において、幅記録バッファ34における画素Piに対応した値が初期値であると判定され、画素Piに既に割り当てられたドットサイズがステップS330で読み出されたドットサイズより大きいか否かの判定(ステップS338)が行われる。図13の状態gにおいては、画素Pi(注目画素の右隣の画素)に既に割り当てられたドットサイズ(Mサイズ)は、ステップS330で読み出されたドットサイズ(Sサイズ)より大きい。ステップS338において、画素Piに既に割り当てられたドットサイズはステップS330で読み出されたドットサイズより大きいと判定された場合には、エッジ部ドット割り当て部25が、画素Piに読み出されたサイズのドットを割り当てる(ステップS340)。これにより、出力バッファ32の画素Piに対応した位置に「Sドットを形成する」というドットの形成状態が上書き記録される(図13の状態h参照)。また、エッジフラグバッファ36の画素Piに対応した位置にフラグが立てられる(ステップS341)。ただし、図13の状態gにおいては、エッジフラグバッファ36の画素Piに対応した位置に既にフラグが立てられている。
【0088】
その後、iの値が2に設定されたとき、すなわち、画素Piが注目画素の2つ右隣の画素となったときには、ステップS336において初期値であると判定され、ステップS338において、画素Piに既に割り当てられたドットサイズ(Mサイズ)はステップS330で読み出されたドットサイズ(Mサイズ)より大きくないと判定されるため、図10のステップS340およびS341はスキップされる。iの値が3に設定されたときも同様である。iの値が4に設定されたときには、ステップS338において、画素Piに既に割り当てられたドットサイズ(Mドット)はステップS330で読み出されたドットサイズ(Sドット)より大きいと判定され、図13の状態hに示すように、出力バッファ32の画素Pi(注目画素の右側6つ目の画素)に対応した位置に、「Sドットを形成する」というドットの形成状態が上書き記録されると共に、エッジフラグバッファ36の画素Piに対応した位置にフラグが立てられる。iの値が5に設定されると、ステップS344においてiの値が4より大きいと判定され(ステップS344:Yes)、水平方向エッジ処理は終了する。
【0089】
注目画素が図13の状態iに示す位置まで移動すると、図3のステップS112において注目画素の右側に黒色エッジがあると判定され、水平方向エッジ処理(ステップS114)が実行される。この場合にも同様に、ステップS304において黒色領域の幅W(=6)は閾値Th1(=4)より大きいと判定され(ステップS304:Yes)、標準エッジ周辺パターン(図2(b)参照)が読み出される(ステップS330)。
【0090】
次に、幅Wを算出した黒色領域の部分の画素の内の左端の2画素と右端の2画素とがPiとして設定され(ステップS332)、iの値が1に設定される(ステップS334)。このとき、画素Piは注目画素の右隣の画素となる。
【0091】
次に、ステップS336(図10)において、幅記録バッファ34における画素Piに対応した値が初期値であると判定され、画素Piに既に割り当てられたドットサイズがステップS330で読み出されたドットサイズより大きいか否かの判定(ステップS338)が行われる。図13の状態iにおいては、画素Pi(注目画素の右隣の画素)には未だドットが割り当てられていない。画素Piに未だドットが割り当てられていない場合には、ステップS338において「Yes」と判定されるものとする。ステップS338において「Yes」と判定された場合には、画素Piに、読み出されたサイズのドットが割り当てられる(ステップS340)。これにより、出力バッファ32の画素Piに対応した位置に「Sドットを形成する」というドットの形成状態が記録される(図13の状態j参照)。また、エッジフラグバッファ36の画素Piに対応した位置にフラグが立てられる(ステップS341)。
【0092】
その後、iの値が2に設定されたとき、すなわち、画素Piが注目画素の2つ右隣の画素となったときには、ステップS336において初期値であると判定され、ステップS338において「Yes」と判定されるため、出力バッファ32の画素Piに対応した位置に、読み出されたサイズのドットである「Mドットを形成する」というドットの形成状態が記録されると共に、エッジフラグバッファ36の画素Piに対応した位置にフラグが立てられる(図13の状態j参照)。iの値が3および4に設定されたときも同様の処理が実行され、注目画素から右に5つ目の画素にMドットが割り当てられ、注目画素から右に6つ目の画素にSドットが割り当てられる(図13の状態j参照)。iの値が5に設定されると、ステップS344において、iの値が4より大きいと判定され(ステップS344:Yes)、水平方向エッジ処理は終了する。
【0093】
注目画素が図13の状態kに示す位置まで移動すると、図3のステップS108、S112、S116において、それぞれ、注目画素の下側、右側、上側には黒色エッジが無いと判定され、さらに、ステップS120において、注目画素に対応したエッジフラグが立っていると判定される。この場合には、当該注目画素についての色変換処理およびハーフトーン処理(ステップS122)は実行されない。
【0094】
注目画素が図13の状態lに示す位置まで移動すると、図3のステップS108、S112、S116において、それぞれ、注目画素の下側、右側、上側には黒色エッジが無いと判定され、さらに、ステップS120において、注目画素に対応したエッジフラグが立っていないと判定される。この場合には、当該注目画素について、色変換処理およびハーフトーン処理(ステップS122)が実行され、出力バッファ32にドットの形成状態が記録される(図14の状態m参照)。図14の例では、「Sドットを形成する」というドットの形成状態が記録されている。
【0095】
その後、注目画素の移動に伴い、出力バッファ32、幅記録バッファ34、エッジフラグバッファ36の状態は図14の状態nに示したように遷移する。図14の状態nにおいては、線画Bの上から3行目から最下行までの画素行について、2つの黒色エッジ画素(左端および右端に位置する画素)にSドットが割り当てられ、2つの黒色エッジ周辺画素(左から2番目および右から2番目の画素)にMドットが割り当てられている。また、線画Bの上から3行目から最下行までの画素行におけるその他の画素には、ハーフトーン処理結果に応じたドットが割り当てられている。
【0096】
注目画素が図14の状態oに示す位置まで移動すると、図3のステップS116において注目画素の上側に黒色エッジがあると判定され、上側エッジ処理(ステップS118)が実行される。図14の状態oにおいては、上側エッジ処理(図11)のステップS402において、上側の黒色領域の下端に位置する黒色エッジ画素に対応した幅記録バッファ34における値が初期値であると判定される。この場合には、エッジ部ドット割り当て部25(図1)が、標準エッジ周辺パターンテーブル42を参照して標準エッジ周辺パターン(図2(b)参照)を読み出す(ステップS404)。
【0097】
次に、エッジ部ドット割り当て部25(図1)は、幅Wを算出した黒色領域の部分の画素の内の下端の2画素をPiとして設定する(図11のステップS406)。すなわち、図14の状態oにおいては、注目画素から上方向に1つ目および2つ目の画素がPiとして設定される。ステップS408では、エッジ部ドット割り当て部25が、iの値を1に設定する。このとき、画素Piは注目画素の上隣の画素となる。
【0098】
ステップS409(図11)では、処理済判定部26(図1)が、エッジフラグバッファ36における画素Piに対応した位置にフラグが立っているか否かを判定する。また、ステップS409においてフラグが立っていると判定された場合には、エッジ部ドット割り当て部25が、画素Piに既に割り当てられたドットサイズはステップS404で読み出されたドットサイズより大きいか否かを判定する(ステップS410)。ステップS409およびS410における判定は、画素Piに複数のエッジ処理においてドットが割り当てられることとなる場合に、小さいサイズのドットの割り当てを優先するために実行される。ステップS409においてフラグが立っていないと判定された場合、または、ステップS410において画素Piに既に割り当てられたドットサイズはステップS404で読み出されたドットサイズより大きいと判定された場合には、エッジ部ドット割り当て部25が、画素Piに、ステップS404で読み出されたサイズのドットを割り当て、出力バッファ32に記録する(ステップS412)。また、エッジ部ドット割り当て部25は、エッジフラグバッファ36における画素Piに対応した位置にフラグを立てる(ステップS413)。一方、ステップS410において画素Piに既に割り当てられたドットサイズはステップS404で読み出されたドットサイズより大きくない判定された場合には、ステップS412およびS413の処理はスキップされる。
【0099】
図14の状態oにおいては、エッジフラグバッファ36の画素Piに対応した位置にフラグが立っており、画素Piに既に割り当てられたドットサイズ(Sドット)はステップS404で読み出されたドットサイズ(Sドット)より大きくはないため、ステップS412およびS413の処理はスキップされる。
【0100】
その後、エッジ部ドット割り当て部25は、iの値を1つ繰り上げ(ステップS414)、iの値が2より大きいか否かを判定する(ステップS416)。iの値が2より大きくないと判定された場合には(ステップS416:No)、新たな画素Piについて、ステップS409以降の処理が実行される。iの値が2に設定されたとき、すなわち、画素Piが注目画素から上方向に2つ目の画素となったときにも、エッジフラグバッファ36の画素Piに対応した位置にフラグが立っており、画素Piに既に割り当てられたドットサイズ(Sドット)はステップS404で読み出されたドットサイズ(Mドット)より大きくはないため、ステップS412およびS413の処理はスキップされる。その後、iの値が3に設定され、ステップS416において、iの値が2より大きいと判定されると、上側エッジ処理は終了する。
【0101】
注目画素が図14の状態pに示す位置に移動すると、図3のステップS116において注目画素の上側に黒色エッジがあると判定され、上側エッジ処理(ステップS118)が実行される。図14の状態pにおいては、上側エッジ処理(図11)のステップS402において、上側の黒色領域の下端に位置する画素(黒色エッジ画素)に対応した幅記録バッファ34における値が初期値であると判定され、標準エッジ周辺パターン(図2(b)参照)が読み出される(ステップS404)。
【0102】
次に、幅Wを算出した黒色領域の部分の画素の内の下端の2画素がPiとして設定され(図11のステップS406)、iの値が1に設定される(ステップS408)。このとき、画素Piは注目画素の上隣の画素となる。図14の状態pにおいては、エッジフラグバッファ36の画素Piに対応した位置にフラグが立っており、画素Piに既に割り当てられたドットサイズ(Mドット)はステップS404で読み出されたドットサイズ(Sドット)より大きいため、画素PiにステップS404で読み出されたサイズのドット(Sドット)が割り当てられ、出力バッファ32に上書き記録される(ステップS412)。また、iの値が2に設定されたとき、すなわち、画素Piが注目画素から上方向に2つ目の画素となったときには、エッジフラグバッファ36の画素Piに対応した位置にフラグが立っており、画素Piに既に割り当てられたドットサイズ(Mドット)はステップS404で読み出されたドットサイズ(Mドット)より大きくはないため、ステップS412およびS413の処理はスキップされる。その後、iの値が3に設定され、ステップS416において、iの値が2より大きいと判定されると、上側エッジ処理は終了する。
【0103】
注目画素が図14の状態qに示す位置に移動すると、図3のステップS116において注目画素の上側に黒色エッジがあると判定され、上側エッジ処理(ステップS118)が実行される。図14の状態qにおいては、上側エッジ処理(図11)のステップS402において、上側の黒色領域の下端に位置する画素(黒色エッジ画素)に対応した幅記録バッファ34における値が初期値であると判定され、標準エッジ周辺パターン(図2(b)参照)が読み出される(ステップS404)。
【0104】
次に、幅Wを算出した黒色領域の部分の画素の内の下端の2画素がPiとして設定され(図11のステップS406)、iの値が1に設定される(ステップS408)。このとき、画素Piは注目画素の上隣の画素となる。図14の状態qにおいては、エッジフラグバッファ36の画素Piに対応した位置にフラグが立っていない(ステップS409:No)。そのため、画素PiにステップS404で読み出されたサイズのドット(Sドット)が割り当てられ、出力バッファ32に上書き記録される(ステップS412)。また、iの値が2に設定されたとき、すなわち、画素Piが注目画素から上方向に2つ目の画素となったときにも、エッジフラグバッファ36の画素Piに対応した位置にフラグが立っていないため、画素PiにステップS404で読み出されたサイズのドット(Mドット)が割り当てられ、出力バッファ32に上書き記録される(ステップS412)。その後、注目画素の移動に伴い、出力バッファ32、幅記録バッファ34、エッジフラグバッファ36の状態は図14の状態rに示した状態に遷移する。
【0105】
以上説明したドット形成状態の決定処理により、印刷対象画像40(図3参照)の線画Bの部分に対応した印刷画素のドット形成状態は、図14の状態rに示したように決定される。この場合には、プリンタ200による画像の印刷の際に、黒色エッジ画素に対応した印刷画素にはSドットが形成され、黒色エッジ周辺画素に対応した印刷画素にはMドットが形成されることとなる。また、黒色エッジ画素でも黒色エッジ周辺画素でもない画素(黒色エッジからの距離が2より大きい画素)に対応した印刷画素のドット形成状態は、通常のハーフトーン処理によって決定される。
【0106】
本実施例では、黒色領域の幅Wが所定の閾値Th1(=4)より大きい場合には、標準エッジ周辺パターンテーブル42に定められた標準エッジ周辺パターン(図2(a)参照)に従ったドットの割り当てが行われる。ここで標準エッジ周辺パターンは、黒色エッジ画素(エッジに位置する画素)に対応したすべての印刷画素に同一サイズのドット(Sドット)が割り当てられるようなパターンとなっている。そのため、本実施例では、黒色領域の幅Wが比較的大きい場合にも、印刷画像におけるエッジのがたつきや欠けを抑制することができ、印刷画質を向上させることができる。また、標準エッジ周辺パターンは、黒色エッジ画素に対応したすべての印刷画素に最大サイズのドット(Lドット)以外のドット(Sドット)が割り当てられるようなパターンとなっているため、エッジ部分におけるにじみや太りが抑制され、印刷画質がさらに向上する。さらに、標準エッジ周辺パターンは、黒色エッジ周辺画素に対応したすべての印刷画素にも最大サイズのドット(Lドット)以外のドット(Mドット)が割り当てられるようなパターンとなっているため、エッジ部分におけるにじみや太りが抑制され、印刷画質がさらに向上する。
【0107】
図15は、本実施例に従って決定したドット形成状態の一例を示す説明図である。図15(a)には、印刷画素7画素分に相当する幅W1の線画を印刷する際のドット形成状態を示しており、図10(b)には、印刷画素1画素分に相当する幅W2の線画を印刷する際のドット形成状態を示している。図10の記号「S」は「Sドットを形成する」というドット形成状態を示している。同様に、図10の記号「M」は「Mドットを形成する」というドット形成状態を、記号「L」は「Lドットを形成する」というドット形成状態を、それぞれ示している。本実施例では、図10(b)に示すように、例えば黒色領域の幅Wが1画素分の場合には、細幅対応パターンに従ってMドットが割り当てられる。一方、仮に黒色領域の幅Wを考慮することなく標準エッジ周辺パターンに従ったドットの割り当てが行われるとすると、黒色領域の幅Wが1画素分の場合には、Sドットが割り当てられることとなる。このように、本実施例では、黒色領域の幅Wが比較的小さい場合でも、ドット間の隙間の発生や、再現すべき所定の濃度・太さを再現できない事態の発生を有効に抑制することができる。
【0108】
なお、下側エッジ処理(図9)のステップS204において、幅Wが閾値Th1より大きくないと判定された場合には、細幅対応パターンが読み出され、読み出されたパターンに従ったドットの割り当てが行われ、エッジフラグバッファ36にエッジフラグが立てられ、幅記録バッファ34に幅Wが記録される(図9のステップS206〜S210)。また、水平方向エッジ処理(図10)のステップS312において、幅記録バッファ34における画素Piに対応した値が幅Wに等しいと判定された場合には、画素Piに既に割り当てられたドットのサイズが読み出されたドットのサイズより大きいか否かが判定され、大きいと判定された場合に、読み出されたパターンに従ったドットが割り当てられると共に、エッジフラグバッファ36にエッジフラグが立てられる(図10のステップS314〜S319)。
【0109】
B.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0110】
B1.変形例1:
上記実施例では、細幅対応パターンに従ったドットの割り当てを行うか否かの判定のための閾値Th1の値を4に設定しているが、閾値Th1の値は任意に設定可能である。例えば、閾値Th1の値を1に設定し、黒色領域の幅Wが1の場合にのみ細幅対応パターンに従ったドットの割り当てを行うものとしてもよい。あるいは、閾値Th1の値を5以上に設定し、黒色領域の幅Wが5以上の場合にも細幅対応パターンに従ったドットの割り当てを行うものとしてもよい。
【0111】
また、図2(a)に示した細幅対応パターンにおける各幅Wに対応したドットの配列はあくまで一例であり、複数サイズのドットの内の最小サイズのドット(Sドット)以外のドットが少なくとも1つ含まれる限り、種々変形可能である。例えば、図2(a)に示した幅Wが3のときの細幅対応パターンにおいて、黒色エッジ周辺画素(中央の画素)の位置にLドットの代わりにMドットを割り当ててもよい。また、幅Wが4のときの細幅対応パターンにおいて、黒色エッジ画素(両端部の画素)の位置にSドットの代わりにMドットを割り当ててもよい。
【0112】
B2.変形例2:
上記実施例では、下側エッジ処理(図3のステップS110)と上側エッジ処理(同ステップS118)とが、別の処理として実施されているが、印刷処理をバンド単位ではなく、印刷対象画像40全体を対象として実行する場合には、下側エッジ処理および上側エッジ処理を、水平方向エッジ処理(図3のステップS114)と同様に、1つの処理として実行可能である。
【0113】
B3.変形例3:
上記実施例の標準エッジ周辺パターン(図2(b))に従ったドットの割り当てでは、黒色エッジ画素に対応する印刷画素に最小サイズのドットであるSドットが割り当てられるとしているが、黒色エッジ画素に対応する印刷画素には、すべて同一サイズのドットが割り当てられるならばMドットやLドットが割り当てられるとしてもよい。黒色エッジ画素に対応する印刷画素のすべてにMドット(またはLドット)が割り当てられた場合にも、印刷画像におけるエッジのがたつきや欠けが抑制されると共に、ドットの欠けが発生することも無いため、印刷画質が向上する。ただし、黒色エッジ画素に対応する印刷画素に最大サイズのドット以外のドット(SドットやMドット)が割り当てられれば、エッジ部分におけるにじみや太りが抑制されるため、好ましい。
【0114】
また、上記実施例の標準エッジ周辺パターン(図2(b))に従ったドットの割り当てでは、黒色エッジ周辺画素に対応する印刷画素にMドットが割り当てられるとしているが、黒色エッジ周辺画素に対応する印刷画素に最大サイズのドット(Lドット)以外のドットが割り当てられればよく、例えば、黒色エッジ周辺画素に対応する印刷画素のすべてにSドットが割り当てられるとしてもよいし、黒色エッジ周辺画素に対応する印刷画素の一部にはMドットが割り当てられ、残りの一部にはSドットが割り当てられるとしてもよい。
【0115】
また、上記実施例の標準エッジ周辺パターン(図2(b))では、黒色エッジ画素にSドットが割り当てられ黒色エッジ周辺画素にMドットが割り当てられているが、標準エッジ周辺パターンにおいて黒色エッジ画素にのみSドットを割り当て、黒色エッジ周辺画素については色変換処理およびハーフトーン処理によってドットの形成状態が決定されるとしてもよい。
【0116】
B4.変形例4:
上記実施例では、白色と黒色とのみにより構成された画像を対象としてドット形成状態の決定処理を説明したが、本発明は、白色と画像の印刷に用いられるドットの色(例えばシアンやマゼンタ、イエロー)の1つとのみにより構成された画像を対象としたドット形成状態の決定処理にも適用可能である。すなわち、上記実施例において、黒色を画像の印刷に用いられる他のドット色に置換することが可能である。
【0117】
B5.変形例5:
上記実施例では、印刷対象画像40の全体において同一の方法でドット形成状態の決定処理を行っているが、印刷対象画像40における文字や線画(記号、図形、グラフ等)を含むテキスト領域のみを対象として上記実施例の方法でドット形成状態の決定を行うとしてもよい。この場合には、例えば、画像データのRGB値に基づいてテキスト領域を検出してもよいし、画素の輝度値に基づいてテキスト領域を検出してもよい。
【0118】
B6.変形例6:
上記実施例では、画像データはRGBデータであるとしているが、画像データは必ずしもRGBデータである必要はない。また、上記実施例では、プリンタ200はCMYKの4色のインクを用いて3種類のサイズのドットを形成することにより印刷を行うとしているが、プリンタ200はCMYK以外の他の色のインクを用いて印刷を行うとしてもよいし、2種類(あるいは4種類以上)のサイズのドットを形成することにより印刷を行うとしてもよい。
【0119】
B7.変形例7:
上記実施例では、画像処理装置がパーソナルコンピュータ100として構成されているが、本発明は、パーソナルコンピュータ100以外のドット形成状態を決定する画像処理を行う画像処理装置にも適用可能である。例えば、画像処理装置をプリンタ200として構成することも可能である。
【0120】
また、上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
【0121】
B8.変形例8:
上記実施例では、印刷媒体にインクを噴射するためのヘッドが主走査方向に移動するプリンタを例に説明したが、ヘッドを主走査方向に複数個並べて配置し、ヘッドは移動しないラインヘッドプリンタにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明の実施例における印刷システムの構成を概略的に示す説明図である。
【図2】標準エッジ周辺パターンテーブル42および細幅対応パターンテーブル44が定めるドットの配置パターンを示す説明図である。
【図3】ドット形成状態の決定処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】解像度変換処理後の印刷対象画像の一例を示す説明図である。
【図5】出力バッファ32の構成を示す説明図である。
【図6】注目画素の位置と出力バッファ32幅記録バッファ34エッジフラグバッファ36のそれぞれの状態とを対応付けて示す説明図である。
【図7】注目画素の位置と出力バッファ32幅記録バッファ34エッジフラグバッファ36のそれぞれの状態とを対応付けて示す説明図である。
【図8】注目画素の位置と出力バッファ32幅記録バッファ34エッジフラグバッファ36のそれぞれの状態とを対応付けて示す説明図である。
【図9】下側エッジ処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】水平方向エッジ処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】上側エッジ処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】注目画素の位置と出力バッファ32幅記録バッファ34エッジフラグバッファ36のそれぞれの状態とを対応付けて示す説明図である。
【図13】注目画素の位置と出力バッファ32幅記録バッファ34エッジフラグバッファ36のそれぞれの状態とを対応付けて示す説明図である。
【図14】注目画素の位置と出力バッファ32幅記録バッファ34エッジフラグバッファ36のそれぞれの状態とを対応付けて示す説明図である。
【図15】本実施例に従って決定したドット形成状態の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0123】
10…アプリケーションプログラム
20…プリンタドライバ
21…解像度変換処理部
22…エッジ判定部
23…領域幅算出部
24…幅比較部
25…エッジ部ドット割り当て部
26…処理済判定部
27…色変換処理部
28…ハーフトーン処理部
29…ラスタライズ処理部
32…出力バッファ
34…幅記録バッファ
36…エッジフラグバッファ
42…標準エッジ周辺パターンテーブル
44…細幅対応パターンテーブル
100…パーソナルコンピュータ
110…CPU
120…メモリ
130…入出力インタフェース部
200…プリンタ
210…CPU
220…メモリ
230…入出力インタフェース部
240…ユニット制御回路
250…ヘッドユニット
260…キャリッジユニット
270…搬送ユニット
1000…印刷システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素により構成される画像を表す画像データに基づき、前記画像を複数サイズのドットを利用して印刷する際のドットの形成状態を決定する画像処理装置であって、
前記画像中における前記画像の印刷に用いられるドットのうち、1つの色の画素で構成された領域の所定の方向に沿った幅を算出する領域幅算出部と、
前記領域の幅に応じて予め設定されたドットの配置パターンを記憶する記憶部と、
前記領域の幅が第1の閾値以下の場合に、幅を算出した前記領域の部分に対して、前記配置パターンに従いドットを割り当てるドット割り当て部と、を備える、画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置であって、
前記配置パターンは、前記複数サイズのドットの内の最小サイズのドット以外のドットが少なくとも1つ含まれたパターンである、画像処理装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の画像処理装置であって、
前記配置パターンは、幅を算出した前記領域の部分の第1の位置に割り当てられるドットのサイズが、前記領域のエッジからの距離が前記第1の位置よりも大きい第2の位置に割り当てられるドットのサイズよりも小さいパターンである、画像処理装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の画像処理装置であって、
前記ドット割り当て部は、前記領域の幅が前記第1の閾値より大きい場合には、幅を算出した前記領域の部分における前記領域のエッジからの距離が第2の閾値以内の位置に、前記複数サイズのドットのうち、最大サイズのドット以外のドットを割り当てる、画像処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像処理装置であって、
前記ドット割り当て部は、前記領域の幅が前記第1の閾値より大きい場合には、幅を算出した前記領域の部分における前記領域のエッジからの距離が第2の閾値以内の位置に、前記複数サイズのドットの内の最小サイズのドットを割り当てる、画像処理装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の画像処理装置であって、
前記画像は、白色と前記画像の印刷に用いられるドットの色の1つとのみにより構成された画像である、画像処理装置。
【請求項7】
複数の画素により構成される画像を表す画像データに基づき、前記画像を複数サイズのドットを利用して印刷する際のドットの形成状態を決定する画像処理方法であって、
前記画像中における前記画像の印刷に用いられるドットのうち、1つの色の画素で構成された領域の所定の方向に沿った幅を算出する工程と、
前記領域の幅に応じて予め設定されたドットの配置パターンを記憶する工程と、
前記領域の幅が第1の閾値以下の場合に、幅を算出した前記領域の部分に対して、前記配置パターンに従いドットを割り当てる工程と、を備える、画像処理方法。
【請求項8】
複数の画素により構成される画像を表す画像データに基づき、前記画像を複数サイズのドットを利用して印刷する際のドットの形成状態を決定するためのコンピュータプログラムであって、
前記画像中における前記画像の印刷に用いられるドットのうち、1つの色の画素で構成された領域の所定の方向に沿った幅を算出する領域幅算出機能と、
前記領域の幅に応じて予め設定されたドットの配置パターンを記憶する記憶機能と、
前記領域の幅が第1の閾値以下の場合に、幅を算出した前記領域の部分に対して、前記配置パターンに従いドットを割り当てるドット割り当て機能と、を、コンピュータに実現させる、コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−177566(P2009−177566A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−14604(P2008−14604)
【出願日】平成20年1月25日(2008.1.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】