印刷装置、印刷装置の制御方法、及び、プログラム
【課題】印刷不良を検査可能な印刷装置において、印刷品質の向上と印刷不良率の低減を両立させること。
【解決手段】印刷装置70の検品コントローラ430は、複数ページを含む第1画像データに基づいてプリンタエンジン10で複数ページが印刷されたシートをイメージリーダ410で読み取って第2画像データを生成し(S906)、前記第1画像データと前記第2画像データからシートに印刷された各ページの印刷ズレ量を検出し(S907)、該検出された前記各ページの印刷ズレ量が許容値の範囲内にあるかどうかを判断し(S911、S912)、前記第1データに基づいて前記印刷処理を行う際の印刷設定として、中綴じ製本処理が設定されている場合、シートの折部の周辺領域に画像が存在する特定ページと他のページとで前記許容値を変更するように制御する(S908〜S911)。
【解決手段】印刷装置70の検品コントローラ430は、複数ページを含む第1画像データに基づいてプリンタエンジン10で複数ページが印刷されたシートをイメージリーダ410で読み取って第2画像データを生成し(S906)、前記第1画像データと前記第2画像データからシートに印刷された各ページの印刷ズレ量を検出し(S907)、該検出された前記各ページの印刷ズレ量が許容値の範囲内にあるかどうかを判断し(S911、S912)、前記第1データに基づいて前記印刷処理を行う際の印刷設定として、中綴じ製本処理が設定されている場合、シートの折部の周辺領域に画像が存在する特定ページと他のページとで前記許容値を変更するように制御する(S908〜S911)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷不良を検査可能な印刷装置の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
商業的印刷業界やPOD(Print On Demand)市場においては、顧客に納品する印刷物に不具合がないかどうかの検品作業が必要とされている。しかしながら、検品作業の一部は未だに自動化されておらず、印刷物を作業員が手作業でチェックしているのが現状である。しかし、数百ページに及ぶ印刷物の場合、ページ毎に詳細にチェックすることは膨大な時間と労力が必要となるため、実際には大まかな検品作業となり、細かい印字ミスや抜け、紙汚れなどは検出されないといった問題がある。
【0003】
このような現状において、印刷物の検品作業を自動化する技術が望まれている。なお、検品作業を自動化する技術として、印刷物を検証するための検証用画像と、印刷物を撮像して取得した画像とを比較することで、印刷物を検品する技術が知られている(特許文献1)。
【0004】
また、印刷装置の用紙搬送の機械的な精度の誤差により、シート上の印字位置がずれてしまうことがある。その問題に対して、印字位置のズレ量を検出し、このズレ量が予め規定した最大値を超えた場合に、印刷を中断する技術が知られている(特許文献2)。
【0005】
また、印刷装置では、複数の印刷されたシートの中央部分をバインドし、シートの中央を2つ折りして、パンフレットのようなブックレット(例えば図12(A)に示すようなもの)を作成することが出来る。
【0006】
図12は、この種の印刷装置の課題を説明する図である。
このブックレットは、一番内側の見開きページのみ1枚のシートで構成されるが、それ以外の見開きページは2枚のシートで構成される。そして2枚のシートで構成される見開きページに2枚のシートに跨る連続した画像が存在すると、ほんの僅かな印刷ズレが発生するだけで、中央のシート境界部のズレは非常に目立ってしまう。例えば、本来であれば図12(B)のように印刷されるべきものが、多少の印刷ずれが生じるだけで図12(C)のような非常に見栄えの悪い印刷となってしまう。この問題に対して、上述の特許文献2の技術を用いると、予め規定するズレ量の最大値を小さくすることで防ぐことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−39492号公報
【特許文献2】特開2008−52115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来の技術では、予め規定するズレ量の最大値を小さくしてしまうと、全てのシートに対して印刷ズレが厳しく判定されてしまう。例えば、2枚のシートに跨る連続した画像が存在しないシートや1枚のシートで構成される一番内側の見開きページのように、多少の印刷ズレではそれほど見栄えに影響しないシートに対しても印刷ズレが厳しく判定されてしまう。すると、印刷物の不良率が上がってしまい、印刷コストの増大や、生産量の低下を招いてしまう。
【0009】
一方、不良率を下げるには、予め規定するズレ量の最大値を大きくする必要があるが、これでは、製本印刷時に2枚のシートに跨る連続した画像が存在する見開きページがあると僅かな印刷ズレでも見栄えが悪くなってしまう。
【0010】
このように従来の技術では、予め規定するズレ量の最大値が一定であるために、印刷品質の向上と不良率の低減を両立できないという課題が存在する。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。本発明の目的は、中綴じ製本処理により処理されるシートの印刷不良を検査可能な印刷装置において印刷品質の向上と印刷不良率の低減を両立させる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、複数ページを含む第1画像データに基づいてシートに印刷処理を行う印刷手段と、前記印刷手段により複数ページが印刷処理されたシートを読み取り第2画像データを生成する読取手段と、前記第1画像データと前記第2画像データからシートに印刷された各ページの印刷ズレ量を検出する検出手段と、前記検出手段で検出された前記各ページの印刷ズレ量が許容値の範囲内にあるかどうかを判断する第1判断手段と、前記第1画像データに基づいて前記印刷処理を行う際の印刷設定として、各シートの同一面上に複数ページが印刷された複数のシートを重ねてその中央部を2つ折りにして綴じる中綴じ製本処理が設定されている場合、シートの折部の周辺領域に画像が存在する特定ページと他のページとで前記許容値を変更するように制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、印刷不良を検査可能な印刷装置において、印刷品質の向上と印刷不良率の低減を両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施例を示す印刷装置の構成を示す図である。
【図2】印刷装置の制御を司る印刷コントローラ20の構成を示すブロック図である。
【図3】操作部30の構成を示す図である。
【図4】検品ユニット40及び検品ユニット内の検品コントローラ430の構成を示すブロック図である。
【図5】切り出し補正部434の切り出し補正処理を説明する図である。
【図6】ホストコンピュータ90のモニタに表示されるプリンタドライバの設定画面の構成の一例を示す図である。
【図7】プリンタドライバの仕上げ処理に関連したプロパティ設定画面構成の一例を示す図である。
【図8】印刷コントローラ20の動作を説明するフローチャートである。
【図9】実施例1における検品コントローラ430の動作を説明するフローチャートである。
【図10】印刷ズレ発生時の操作部表示画面の一例を示す図である。
【図11】検品NG発生時の操作部表示画面の一例を示す図である。
【図12】この種の印刷装置の課題を説明する図である。
【図13】実施例2における検品コントローラ430の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の一実施例を示す印刷装置の構成を示す図である。
本実施例の印刷システムは、印刷装置70とホストコンピュータ90及びこれらを接続するネットワーク80から構成される。さらに、印刷装置70は、プリンタエンジン10、検品ユニット40、フィニッシャ50、操作部30及びこれらの制御を司る印刷コントローラ20から構成される。
【0016】
以下、印刷装置システム及び印刷装置70の動作を簡単に説明する。
ホストコンピュータ90は、アプリケーションプログラムにより作成された複数ページを含む文書から印刷ジョブを作成し、ネットワーク80を介して作成した印刷ジョブを印刷コントローラ20に送信する。
印刷コントローラ20は、ホストコンピュータ90から受信した印刷ジョブを解析して複数ページを含む画像データを生成し、その画像データを順次画像信号に変換してプリンタエンジン10の露光制御部105に送信する。露光制御部105は、画像信号に応じたレーザ光を出力する。このレーザ光が感光ドラム106に照射されると、感光ドラム106上には静電潜像が形成される。感光ドラム106上の静電潜像は、現像器107により現像される。感光ドラム106上の現像剤は、カセット108、109、手差し給紙部110及び両面搬送パス111のいずれかから給送された記録紙等のシートに転写部112で転写される。現像剤が転写されたシートは定着部113に導かれると、定着部113により現像剤の定着処理が施される。
【0017】
定着部113を通過したシートを、図示しないフラッパにより、一旦、パス115からパス114に導き、シートの後端がパス115を抜けた後、シートをスイッチバックさせてパス116から排出ローラ117に導く。これにより、現像剤が転写された面を下向きの状態(フェイスダウン)にして排出ローラ117によりプリンタエンジン10から排出することが可能である。これを反転排紙という。このように、フェイスダウンで排出することにより、複数枚の画像を印刷する場合など、先頭頁から正しい頁順で印刷処理を行うことが可能である。
【0018】
なお、手差し給紙部110からOHPシートなどの硬いシートに印刷処理を行う場合、パス115に導くことなく、現像剤が転写された面を上向きの状態(フェイスアップ)のままで排出ローラ117から排出する。
【0019】
また、シートの両面に印刷処理を行う場合、シートを定着部113からパス115、パス114に導き、シートの後端がパス115を抜けた直後にシートをスイッチバックさせ、図示しないフラッパにより両面搬送パス111に導く。両面搬送パス111に導かれたシートに対し、再度、転写部112で静電潜像が転写され、定着部113で定着処理が施される。このように、転写部112から両面搬送パス111を経由して再び転写部112に戻る一巡のパスの中に、A4、B5等のハーフサイズ用紙が複数枚入った状態でも搬送可能なように、パス長、ローラ配置、駆動系の分割がなされている。なお、これらの処理による排出頁順は、奇数頁が下向きになるように排出されるので、両面印刷時の頁順を合わせることができる。
【0020】
排出ローラ117から排出された印刷出力物は検品ユニット40に搬送される。検品ユニット40では、搬送されてきた印刷物(印刷処理されたシート)をセンサ420で検知し、イメージリーダ410で印刷出力物の両面から画像データを読取る。画像データを読取った後は、印刷出力物をフィニッシャ50に搬送し、製本処理、綴じ処理、穴あけなどの後処理を行う。
【0021】
図2は、印刷装置の制御を司る印刷コントローラ20の構成を示すブロック図である。
図2において、201はホストI/F部で、ネットワーク80を介してホストコンピュータ90と通信を行う。ホストI/F部201は、ホストコンピュータ90から送信される印刷ジョブ等を受信する。なお、本実施例では、ホストコンピュータとのインターフェースをネットワークとして説明するが、これに限定されずUSBやパラレルインターフェース等でも良い。
【0022】
202は、受信した印刷ジョブや、画像データ等を記憶する記憶装置であり、メモリやハードディスク等で構成される。203はRIP(Raster Image Processor)部で、印刷ジョブ中のPDLデータを画像データに展開するためのものである。204は検品I/F部で、検品コントローラ430と通信を行う。205は、プリンタエンジンの制御を行うエンジン制御部である。
【0023】
206は、操作部30と通信を行う操作部I/F部である。207はCPUで、印刷装置全体を滞りなく動作させるために、前記201〜206の各ユニットを制御する演算装置(プロセッサ)である。
【0024】
208は不揮発性メモリ(以降ROMと表記)で、CPU207のプログラムを格納したフラッシュメモリ等である。209はDRAM等の揮発性メモリ(以降RAMと表記)で、CPU207が動作するためのシステムワークメモリとして利用される。
【0025】
図3は、操作部30の構成を示す図である。
図3に示すように、操作部30は、タッチパネルディスプレイ301と電源ボタン302等から構成されている。
タッチパネルディスプレイ301は、LCD表示部上にタッチパネルシートが貼られており、システムの操作画面を表示するとともに、表示してあるエリアが押されるとその位置情報を印刷コントローラ20に伝える。電源ボタン302は、印刷装置70の電源オン/オフ制御や、節電モードへの移行や節電モードからの復帰に使用される。
【0026】
図4は、検品ユニット40及び検品ユニット内の検品コントローラ430の構成を示すブロック図である。
検品コントローラ430は、インターフェース部431、基準画像データ記憶部432、スキャン画像データ記憶部433、切り出し補正部434、印刷ズレ量演算部435、印刷ズレ補正部436、比較判定部437、検品CPU438及びROM439、RAM440等から構成される。
【0027】
インターフェース部431は、印刷コントローラ20と通信を行うためのインターフェース部である。基準画像データ記憶部432は、印刷コントローラ20からインターフェース部431を介して送信されてくる基準画像データを記憶する。
【0028】
スキャン画像データ記憶部433は、イメージリーダ410で読み込んだ画像データ(スキャン画像データ)を記憶する。切り出し補正部434は、スキャン画像データ記憶部433に記憶されるスキャン画像データからシートの位置を検出し、シート上の画像を切り出す。ここで、切り出し補正部434について図5を用いて説明する。
【0029】
図5は、切り出し補正部434の切り出し補正処理を説明する図である。
例えば、イメージリーダ410で読み込んだ画像データは、図5(A)の状態でスキャン画像データ記憶部433に記憶されている。これは、シート搬送時のズレを考慮し、シートのサイズより大きな領域な画像データとなっている。このままであると、基準画像データと比較できないため、切り出し補正部434により、シートの位置を検出し、図5(B)に示すようにシートの部分のみを切り出している。なお、シートの位置は、スキャン時の背景色をシートとは異なる色(図5の例ではグレー)にしておくことで、容易に検出可能である。
【0030】
以下、図4の説明に戻る。
印刷ズレ量演算部435は、基準画像データ記憶部432に記憶されている基準画像データと切り出し補正部434により切り出し処理されたスキャン画像データとの相対位置関係を演算する。印刷ズレ量演算部435は、相対的な位置を変化させながら基準画像データと検査対象画像データとの一致度の評価数値を演算し、最も一致度が良い位置の変化量を印刷ズレ量として検出する。なお、印刷ズレ量演算部435は、一致度の評価数値を演算する場合、演算量を減らすために、全ての画像データに基づいて演算するのではなく、天地方向と左右方向に配列する画素列の内から、一致度の評価に適正な画素列を抽出して演算する。また、一致度の評価数値としては、相関係数、対応画素の差の絶対値の総和、対応画素の差の自乗の総和等を用いることができる。なお、印刷ズレ量演算部435における、印刷ズレ量の具体的な演算方法については、例えば、特開平7−249122号等によって公知であるから、ここでは説明を省略する。本発明は、印刷ズレ量の演算方法はいかなる方法であってもよく、それによって限定されるものではない。
【0031】
印刷ズレ補正部436は、切り出し補正部434により切り出し処理されたスキャン画像データに対して印刷ズレ量演算部435にて算出されたズレ量分を補正する。比較判定部437は、前記印刷ズレ補正部436にて補正されたスキャン画像データと基準画像データ記憶部432に記憶されている基準画像データとの差分を比較する。なお、比較判定部437における具体的な方法については、例えば、特公平1−47823号等によって公知であるから、ここでは説明を省略する。本発明は、画像比較の判定方法はいかなる方法であってもよく、それによって限定されるものではない。
【0032】
CPU438(印刷コントローラ内のCPU207と区別するために検品CPUと表記)は、検品ユニット40を滞りなく動作させるために、前記検品ユニットを構成する各ブロックを制御する演算装置(プロセッサ)である。なお、検品CPU438は、印刷ズレ量演算部435で検出された印刷ズレ量が許容値(後述する印刷ズレ許容値、又は、製本印刷ズレ許容値)の範囲内にあるかどうかを判断する
不揮発性メモリ(以下、ROM)439は、検品CPU438のプログラムを格納したフラッシュメモリ等のである。DRAM等の揮発性メモリ(以下、RAM)440は、検品CPU438が動作するためのシステムワークメモリである。
【0033】
なお、検品コントローラ430内の434〜437は、検品CPU438が、ROMに記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものであっても、ハードウェアにより実現されるものであってもよい。また、基準画像データ記憶部、スキャン画像データ記憶部433、RAM440は、同一の記憶装置で構成されていても、異なる記憶装置で構成されていてもよい。
【0034】
次にホストコンピュータ90の動作について説明する。
ホストコンピュータ90では、ホストコンピュータ90上で動作する印刷アプリケーションから印刷装置70等のプリントデバイスにプルーフ出力したり、最終成果物を出力したりするための一手段として、プリンタドライバが使用される。
【0035】
図6は、ホストコンピュータ90のモニタに表示されるプリンタドライバの設定画面の構成の一例を示す図である。
図6に示すプリンタドライバの設定画面は、作業者がホストコンピュータ90から印刷装置70等のプリントデバイスで印刷を行う場合に、一般的に印刷アプリケーションの印刷メニューを選択することにより表示される。
【0036】
まず、作業者によって、この設定画面の「プリンタ名」プルダウンリストボックス601により、使用するプリントデバイスが選択される。すると、その下の状態602にプリントデバイスの状態が、種類603にプリンタドライバの種類が、場所604にプリントデバイスの設置場所情報が、コメント605にプリントデバイス管理者からのコメント情報が表示される。
【0037】
印刷データをプリントデバイスで印刷せずにファイルに出力したい場合は、「ファイルへ出力」チェックボックス606を選択状態にする。
「印刷範囲」では、「全て」「現在のページ」「選択したページ」「ページ指定」のいずれかをラジオボタン607で選択することにより、印刷したいページを指定する。「ページ指定」を選択した場合は、エディットボックス608に印刷したいページ番号を入力する。
【0038】
「印刷部数」では、「部数」スピンボックス609に印刷したい部数を入力するとともに、複数部数をページ単位ではなく部単位で印刷する場合は、「部単位で印刷」チェックボックス610を選択状態にする。
【0039】
「プロパティ」ボタン611を押下することにより、さらに詳細な印刷属性を設定することができる。
作業者がプリンタドライバの設定画面の設定を終了したならば、「OK」ボタン612を押下することにより、印刷データ及び後述する挿入原稿チェックデータを印刷装置70等のプリントデバイスに送信したり、ファイルに出力したりすることができる。印刷やファイル出力を止める場合は、「キャンセル」ボタン613を押下すればよい。
【0040】
図7は、プリンタドライバの仕上げ処理に関連したプロパティ設定画面構成の一例を示す図であり、プリンタドライバのプロパティ設定画面の「仕上げ」タブ700を選択することにより表示される画面である。
【0041】
図7において、「お気に入り」プルダウンリストボックス701では、予め決められたページ設定モードの中から最適なページ設定を選択する。その左に位置する2つのボタンにより、お気に入りの選択項目を追加したり編集したりすることができる。
【0042】
また、「設定確認」ボタン702を押下することにより、プロパティ設定画面で設定した内容を一覧表示することができ、プロパティ設定画面で設定した内容は、その上に表示されているページイメージに反映される。
【0043】
「出力方法」プルダウンリストボックス703では、プリントデバイスに通常印刷あるいはセキュア印刷をするのか、プリントデバイスのハードディスクに保存するのか、プリントデバイスで編集とプレビューを実行するのかといったような出力方法を指定する。
【0044】
「印刷方法」プルダウンリストボックス704では、「片面印刷」「両面印刷」「製本印刷」といったような印刷方法を選択する。プルダウンリストボックス704で「製本印刷」を選択すると、「中とじ」のチェックボックス705が有効になり、このチェックボックスをチェックすると中央の折部がステイプルされる。即ち、プルダウンリストボックス704で「製本印刷」を選択し、「中とじ」のチェックボックス705をチェックすることにより、中綴じ製本処理(各シートの同一面上に複数ページの画像が印刷された複数のシートを重ねてその中央部を2つ折りにして綴じる処理)を指定することができる。
【0045】
「検品の設定」欄706にて検品に関する設定ができる。「検品(印刷検査)」のラジオボタン707の「する」にチェックすると検品を実施し(検品対象となり)、「しない」にチェックすると検品は実施しない(検品対象とならない)。そして検品「する」にチェックした場合、「検品判定閾値」708、「印刷ズレ許容値」709、「製本印刷ズレ許容値」710が設定可能となる。
【0046】
「検品判定閾値」708は、レベル1〜10を選択できるプルダウンメニューになっており、数値が大きいほど、厳しい検査を行うことができる。なお、本実施例では、レベル1〜10にそれぞれ対応する閾値が予め設定されているものとするが、実際の閾値をここで入力する形態であってもよい。
【0047】
「印刷ズレ許容値」709は、印刷時の位置ズレをどの程度許容するかを示す印刷ズレ許容値を設定するためのものであり、縦横個別に設定することが可能である。
「製本印刷ズレ許容値」710は、印刷方法704で「製本印刷」が選択され且つ「中とじ」705がチェックされたときに有効になる。「製本印刷ズレ許容値」710は、複数の用紙で見開き連続画像が存在するページ(特定ページ)の印刷時の位置ズレをどの程度許容するかを示す製本印刷ズレ許容値を設定するためのものであり、縦横個別に設定することが可能である。なお、複数の用紙で見開き連続画像が存在するページ以外のページ(他のページ)に対しては、709で設定される印刷ズレ許容値を位置ズレの許容値として用いる。なお、710で設定可能な製本印刷ズレ許容値の範囲を、709で設定された印刷ズレ許容値を超えない範囲に制御してもよい。
【0048】
「仕上げ詳細」ボタン711を押下することにより、さらに詳細な仕上げ方法を設定することができる。また、「標準に戻す」ボタン712を押下することにより、これらの設定をデフォルトに戻すことができる。
【0049】
作業者がプリンタドライバのプロパティ設定画面の設定を確定して終了したならば、「OK」ボタン713を押下することにより、これらの印刷属性を実際の印刷に反映することができる。プロパティ設定画面の設定を止める場合は、「キャンセル」ボタン714を押下すればよい。
【0050】
作業者がプリンタドライバのプロパティ設定画面の設定を確定したならば、「適用」ボタン715を押下することにより、これらの印刷属性を確定し、プロパティ設定画面の設定を継続することができる。
【0051】
「ヘルプ」ボタン716は、プロパティ設定画面のヘルプ画面を表示するものである。
ホストコンピュータ90から印刷が実行されると、図7に示したプリンタドライバのプロパティ設定画面で設定された印刷設定を含むプリントジョブがプリンタドライバにより生成され、該印刷ジョブが印刷装置70の印刷コントローラ20に送信される。この印刷設定には、印刷する文書のページ数や用紙サイズ、片面/両面印刷、フィニッシングモード等の印刷情報や、検品する/しない(検品実施モード/検品オフモード)や検品判定閾値、印刷ズレ許容値、製本印刷ズレ許容値等の検品情報が含まれる。なお、検品判定閾値としては、上述のレベル1〜10に対応する閾値が印刷コントローラ20に送信されるものとする。
【0052】
以下、図8のフローチャートを用いて、印刷コントローラ20の動作を説明する。
図8は、印刷コントローラ20の動作を説明するフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、印刷コントローラ20のCPU207がROM208等に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0053】
CPU207は、ホストコンピュータ90から送信された複数ページを含む印刷ジョブをホストI/F部201を介して受信すると、該受信した印刷ジョブを記憶装置202に格納する(S801)。次に、CPU207は、上記S801で受信した印刷ジョブを解析する(S802)。
【0054】
次に、CPU207は、上記S802での解析結果から上記S801で受信した印刷ジョブが検品実施モード(検品する設定)かどうか判断する(S803)。そして、検品オフモード(検品しない設定)と判断した場合(S803でNo)、CPU207は、検品オフモードであることを検品コントローラ430へ通知し(S804)、本フローチャートの処理を終了し、通常の印刷ジョブの処理を実行する。
【0055】
一方、上記S803にて検品実施モード(検品する設定)と判断した場合(S803でYes)、CPU207は、検品実施モードや検品判定閾値、印刷ズレ許容値、製本印刷ズレ許容値等の検品情報を検品コントローラ430に送信する(S805)。
【0056】
次に、CPU207は、印刷する文書のページ数や用紙サイズ、片面/両面印刷、フィニッシングモード等の印刷情報を検品コントローラ430に送信する(S806)。
次に、CPU207は、印刷ジョブ中のPDLデータをRIP部203にて展開し、複数ページを含む画像データ(第1画像データ)を生成し、記憶装置202に格納する(S807)。
次に、CPU207は、上記S807で生成した画像データを基準画像データとして検品コントローラ430に送信する(S808)。
次に、CPU207は、上記S807で生成し記憶装置202に格納されている画像データをエンジン制御部205を介してプリンタエンジン10に送信して印刷処理を開始する(S809)。
【0057】
そして、CPU207は、検品コントローラ430からの送信情報を待つ(S810)。CPU207は、検品コントローラ430からの情報を受信すると(S810でYes)、S811に処理を進める。
【0058】
S811では、CPU207は、検品コントローラ430からの受信情報の内容が「検品終了」を示す情報であるかどうかを判断し(S811)、「検品終了」を示す情報であったと判断した場合(S811でYes)、本フローチャートの処理を終了する。
【0059】
一方、上記S811にて、検品コントローラ430からの受信情報の内容が「検品終了」を示す情報でないと判断した場合(S811でNo)、CPU207は、その後の作業者からの指示を待つために、印刷を一時的に中断するように印刷制御する(S812)。
【0060】
次に、CPU207は、検品コントローラ430からの受信情報が「印刷ズレ」情報かどうかを判断し(S813)、「印刷ズレ」情報であると判断した場合(S813でYes)、CPU207は、S814に処理を進める。
【0061】
S814では、CPU207は、印刷ズレが発生したこと、検品コントローラ430からの受信情報に含まれる印刷ズレ量等の印刷ズレ内容を示す情報1001と、「リカバリ印刷」ボタン1002及び「印刷中止」ボタン1003を有する操作表示画面(第1選択部)(図10)を操作部30のタッチパネルディスプレイ301に表示する。そして、S817に処理を進める。
【0062】
図10は、印刷ズレ発生時の操作部表示画面の一例を示す図である。
一方、上記S813で、検品コントローラ430からの受信情報が「印刷ズレ」情報でないと判断した場合(S813でNo)、CPU207は、S815に処理を進める。
S815では、CPU207は、検品コントローラ430からの受信情報が「検品NG」情報かどうかを判断し、「検品NG」情報であると判断した場合(S815でYes)、S816に処理を進める。
【0063】
S816では、CPU207は、検品結果がNG(印刷不良)であることを示す情報1101と、「リカバリ印刷」ボタン1002及び「印刷中止」ボタン1003(第2選択部)を有する操作表示画面(図11)を操作部30のタッチパネルディスプレイ301に表示する(S816)。そして、S817に処理を進める。
【0064】
図11は、検品NG発生時の操作部表示画面の一例を示す図である。
次に、CPU207は、作業者(操作者)から操作部表示画面(図10又は図11)上の「リカバリ印刷」ボタン1002、又は、「印刷中止」ボタン1003が選択操作(タッチ)されるまで待機する(S817でNo且つS819でNo)。
【0065】
そして、「リカバリ印刷」ボタン1002が選択操作(タッチ)されたと判断した場合(S817でYes)、CPU207は、S818に処理を進める。
S818では、CPU207は、検品コントローラ430からの受信情報に含まれる印刷ズレが発生したページ番号、又は、検品NGが発生したページ番号に対応する印刷物の再印刷処理を実行する。例えば、図12(A)に示したような6ページの文書を印刷する印刷ジョブにて、2及び5ページを印刷した面が印刷ズレ又は検品NGとなった場合、片面に2及び5ページを印刷し、もう一方の面に3及び4ページを印刷する印刷物を再印刷処理するように制御する。そして、S810に処理を戻す。なお、図8には示していないが、CPU207は、上記S818の再印刷処理を完了した後には、必要なページから中断した印刷処理を再開するものとする。例えば、検品ユニット40が不図示の退避トレイ等を備え、再印刷した印刷物を本来の順序に割り込ませて排出できる構成の印刷装置では、再印刷処理を完了した後には、S812で中断したページから印刷処理を再開する。一方、退避トレイ等を備えず、再印刷した印刷物を本来の順序に割り込ませることができない構成の印刷装置では、再印刷処理を完了した後には、再印刷したページの続きのページから印刷処理を再開する。
【0066】
一方、上記S819にて「印刷中止」ボタン1003が選択操作(タッチ)されたと判断した場合(S819でYes)、CPU207は、印刷を中止し(S820)、本フローチャートの処理を終了する。
【0067】
なお、上記S815にて、CPU207が、検品コントローラ430からの受信情報が「検品NG」を示す情報でないと判断した場合(S815でNo)、CPU207は、上記受信情報を解析し、その内容に応じた処理を実行する(S821)。そして、本フローチャートの処理を終了する。
【0068】
以下、図9のフローチャートを用いて、検品コントローラ430の動作を説明する。
図9は、実施例1における検品コントローラ430の動作を説明するフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、検品コントローラ430の検品CPU438がROM439等に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0069】
検品CPU438は、印刷コントローラ20から送信される検品実施モードや検品判定閾値、印刷ズレ許容値、製本印刷ズレ許容値等の検品情報をインターフェース部431を介して受信する(S901)。
【0070】
次に、検品CPU438は、上記S901で受信した検品情報を解析し、検品実施モードであるかどうかを判断し(S902)、検品実施モードでないと判断した場合(S902でNo)、そのまま本フローチャートの処理を終了する。
【0071】
一方、上記S902にて検品実施モードであると判断した場合(S902でYes)、検品CPU438は、S903に処理を進める。
S903では、検品CPU438は、引き続き印刷コントローラ20から送信される、印刷する文書のページ数や用紙サイズ、片面/両面印刷、フィニッシングモード等の印刷情報を受信する。
【0072】
さらに、検品CPU438は、印刷コントローラ20から送信される基準画像データを受信し、基準画像データ記憶部432に格納する(S904)。
次に、検品CPU438は、センサ420にて印刷物の搬入が検出されるまで待機し、センサ420にて印刷物の搬入が検出されたと判断した場合(S905でYes)、S906に処理を進める。
【0073】
S906では、検品CPU438は、イメージリーダ410を動作させて印刷物の両面の画像をスキャンして画像データを生成し、該画像データをスキャン画像データ記憶部433に格納する。さらに、検品CPU438は、切り出し補正部434を動作させて、スキャン画像データからシートの位置を検出しシート上の画像データのみを切り出し、スキャン画像データ(第2画像データ)を生成する(S906)。なお、両面印刷の場合は、表面及び裏面からそれぞれ画像データを切り出す。
【0074】
そして、検品CPU438は、上記S906で切り出した表面又は裏面のスキャン画像データ(以下、現在のスキャン画像データ)と基準画像データ記憶部に格納されている対象の基準画像データとを印刷ズレ量演算部435に入力する。そして、印刷ズレ量演算部435にて印刷ズレ量を検出させる(S907)。
【0075】
次に、検品CPU438は、上記S903で受信した印刷情報内のフィニッシングモードから現在のスキャン画像データが「中綴じ製本モード」のものかどうかを判断する(S908)。そして、現在のスキャン画像データが「中綴じ製本モード」のものであると判断した場合(S908でYes)、検品CPU438は、S909に処理を進める。
【0076】
S909では、検品CPU438は、上記S903で受信した印刷情報内の、文書のページ数から、現在のスキャン画像データが「中央最内側ページ」に対応するかどうかを判断する。なお「中央最内側ページ」は、中綴じ製本処理を行った際に最も内側になるページを示し、中綴じ製本処理を行った際に左右のページが一枚の印刷物にて構成されるページとなる。例えば、図12(A)に示したような6ページの文書を印刷する印刷ジョブの場合、文書の3ページ及び4ページが印刷された印刷面から読み取られたスキャン画像データが「中央最内側ページ」に対応する。なお、検品CPU438は、印刷情報(文書のページ数等を含む)から、印刷装置70でのページレイアウトや印刷順等を判断し、何番目に搬入される印刷物のいずれの面が「中央最内側ページ」に対応するか判断可能である。
【0077】
上記S909にて、現在のスキャン画像データが「中央最内側ページ」に対応しないと判断した場合(S909でNo)、検品CPU438は、S910に処理を進める。S910では、検品CPU438は、対象ページの基準画像データを参照し、中央部周辺領域(中綴じ製本処理においてシートを2つ折りにする際の折部の周辺領域)に画像があるかどうかを判断する(S910)。なお、ここで画像の有無を参照する上記中央部周辺領域は、上記折部を中心に製本印刷ズレ許容値(上記S901で受信した検品情報内の製本印刷ズレ許容値)に対応する幅を有する領域とする。
【0078】
そして、上記S910にて、中央の中折部周辺に画像があると判断した場合(S910でYes)、検品CPU438は、印刷ズレ補正部436にて、上記S907で検出した印刷ズレ量と検品情報内の製本印刷ズレ許容値とを比較させる(S911)。すなわち、許容値として製本印刷ズレ許容値を用いる。
【0079】
また、「中綴じ製本モード」でない場合(S908でNo)、「中央最内側ページ」に対応する場合(S909でYes)、又は、中央の中折部周辺に画像がない場合(S910でNo)、検品CPU438は、S912に処理を進める。
【0080】
S912では、検品CPU438は、印刷ズレ補正部436にて、上記S907で検出した印刷ズレ量と検品情報内の印刷ズレ許容値とを比較させる(S912)。すなわち、許容値として印刷ズレ許容値を用いる。
【0081】
すなわち、上記S908〜S912では、検品CPU438は、印刷設定として中綴じ製本処理が指定されている場合、特定ページと他のページとで許容値を変更するように制御する。そして、上記S911又はS912の処理を終了すると、S913に処理を進める。
【0082】
S913では、検品CPU438は、上記S911又は上記S912の比較結果に基づいて、「印刷ズレ量」が「許容値」を越えるかどうかを判断する(第1判断)。
そして、上記S913にて、「印刷ズレ量」が「許容値」を越える(「印刷ズレ量」が「許容値」の範囲内にない)と判断した場合(S913でYes)、検品CPU438は、S914に処理を進める。
【0083】
S914では、検品CPU438は、「印刷ズレ」の通知及び印刷ズレが発生したページ番号を含む情報を印刷コントローラ20に送信(通知)し、S919に処理を進める。この通知により、印刷処理が中断される(第1印刷制御)。
一方、上記S913にて、「印刷ズレ量」が「許容値」を越えない(「印刷ズレ量」が「許容値」の範囲内にある)と判断した場合(S913でNo)、検品CPU438は、S915に処理を進める。
【0084】
S915では、検品CPU438は、印刷ズレ補正部436に、現在のスキャン画像データを印刷ズレ量分だけシフトする補正を実行させて、補正画像データ(第3画像データ)を生成させる(S915)。
【0085】
そして、検品CPU438は、比較判定部437に、上記S915で補正された補正画像データと基準画像データを比較させ、差分を検出させる(S916)。そして、比較判定部437は、上記S916で検出された差分と上記S901で受信した検品情報内の「検品判定閾値」とを比較し、差分が閾値を超えるかどうかを判断する(S917)。この判断により、印刷の掠れや滲み、汚れ等の印刷不良の有無が判断可能となる。
【0086】
そして、差分が閾値を越えると判断された場合(S917でYes)、検品CPU438は、S918に処理を進める。
S918では、検品CPU438は、印刷に掠れや滲みや汚れ等の印刷不良であると判断して、「検品結果NG」の通知及び検品結果NGが発生したページ番号を含む情報を印刷コントローラ20に送信(通知)する。そして、S919に処理を進める。なお、この通知により、印刷処理が中断される。
【0087】
一方、差分が閾値を越えないと判断された場合(S917でNo)、検品CPU438は、表面/裏面の両面の検品が終了したかどうかを判断し(S921)、両面が終了していないと判断した場合(S921でNo)、S907に処理を戻し、もう一方の面のスキャン画像データを処理する。
【0088】
一方、両面終了したと判断した場合(S921でYes)、検品CPU438は、上記S903で受信した印刷情報内のページ数と検品済みページ数を比較することで全ページの印刷が終了したかを判断する(S922)。なお、再印刷がなされた場合は、再印刷も含めて終了を判断する。
【0089】
そして、まだ全ページの印刷が終了していないと判断した場合(S922でNo)、検品CPU438は、S905に処理を戻す。
一方、全ページの印刷が終了したと判断した場合(S922でYes)、検品CPU438は、「検品終了」を印刷コントローラ20に通知して、本フローチャートの処理を終了する。
【0090】
なお、上記S914で「印刷ズレ」、又は、上記S918で「検品結果NG」を印刷コントローラ20に通知した後、検品CPU438は、印刷コントローラ20からの「リカバリ命令」又は「中止命令」の受信を待機する(S919、S920)。
【0091】
そして、印刷コントローラ20から「リカバリ命令」を受信したと判断した場合(S919でYes)。検品CPU438は、S905に処理を戻す。
一方、印刷コントローラ20から「中止命令」を受信したと判断した場合(S920でYes)。検品CPU438は、本フローチャートの処理を終了する。
なお、検品ユニット40が不図示の退避トレイを備える場合、印刷ズレ又は検品NGとなった印刷物のみ印刷装置で再印刷される。検品ユニット40では、印刷ズレ又は検品NGとなった印刷物のみNGトレイに廃棄し、その時点で印刷済みの後続ページの印刷物を退避トレイに退避させておき、再印刷物の搬入を待機する。そして、再印刷物が搬入されOK(印刷ズレも検品NGもない)と判断すると、該再印刷物を本来の順序に割り込ませて排出する。
【0092】
なお、検品ユニット40が退避トレイを備えていない場合、印刷ズレ又は検品NGとなった印刷物とその時点で印刷済みの後続ページの印刷物が印刷装置で再印刷される。検品ユニット40では、印刷ズレ又は検品NGとなった印刷物とその時点で印刷済みの後続ページの印刷物をNGトレイに廃棄し、再印刷物の搬入を待機する。
以上説明したように、実施例1によれば、中綴じ製本処理により処理されるシートの印刷不良を検査可能な印刷装置において、中央最内側ページ(図12における3、4ページ)であるのかどうかに応じて、印刷ズレ許容値を異ならせることができる。従って、中綴じ製本処理により処理されるシートの印刷不良を検査可能な印刷装置において印刷品質の向上と印刷不良率の低減を両立させる仕組みを提供することができる。
【実施例2】
【0093】
次に、本発明の実施例2について説明する。実施例2は実施例1の変形例であるので、下記で特に説明する部分を除いては、実施例1と同様であるものとする。
実施例1は、印刷装置70により印刷される複数枚のシートの各シートについて印刷ズレを検査するものであった。そのため、各シートにおける検査では印刷ズレ量が許容値を超えなければ、検品結果NGとはならない。しかしながら、検品結果がNGとならない場合であっても、見開き対象の一組のシートが逆方向(一方が上方、他方が下方)にズレていると印刷ズレ量は加算されてしまうため、相対的なズレ量は大きくなってしまう。
【0094】
そこで、実施例2では、見開き対象の一組のシートにおける相対的な印刷ズレ量が許容値を超えないかどうかを検査する構成とする。なお、検品コントローラ430の動作以外は、実施例1で説明した内容と同一となるため、以下では説明を省略する。
【0095】
以下、図13のフローチャートを用いて、検品コントローラ430の動作を説明する。
図13は、実施例2における検品コントローラ430の動作を説明するフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、検品コントローラ430の検品CPU438がROM439等に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0096】
検品CPU438は、印刷コントローラ20から送信される検品実施モードや検品判定閾値、印刷ズレ許容値、製本印刷ズレ許容値等の検品情報をインターフェース部431を介して受信する(S1301)。
【0097】
次に、検品CPU438は、上記S1301で受信した検品情報を解析し、検品実施モードであるかどうかを判断し(S1302)、検品実施モードでないと判断した場合(S1302でNo)、そのまま本フローチャートの処理を終了する。
【0098】
一方、上記S1302にて検品実施モードであると判断した場合(S1302でYes)、検品CPU438は、S1303に処理を進める。
S1303では、検品CPU438は、引き続き印刷コントローラ20から送信される、印刷する文書のページ数や用紙サイズ、片面/両面印刷、フィニッシングモード等の印刷情報を受信する。
【0099】
さらに、検品CPU438は、印刷コントローラ20から送信される基準画像データを受信し、基準画像データ記憶部432に格納する(S1304)。
次に、検品CPU438は、センサ420にて印刷物の搬入が検出されるまで待機し、センサ420にて印刷物の搬入が検出されたと判断した場合(S1305でYes)、S1306に処理を進める。
【0100】
S1306では、検品CPU438は、イメージリーダ410を動作させて印刷物の両面の画像をスキャンして画像データを生成し、該画像データをスキャン画像データ記憶部433に格納する。さらに、検品CPU438は、切り出し補正部434を動作させて、スキャン画像データからシートの位置を検出しシート上の画像データのみを切り出し、スキャン画像データ(第2画像データ)を生成する(S1306)。なお、両面印刷の場合は、表面及び裏面からそれぞれ画像データを切り出す。
【0101】
そして、検品CPU438は、上記S1306で切り出した表面又は裏面のスキャン画像データ(以下、現在のスキャン画像データ)と基準画像データ記憶部に格納されている対象の基準画像データとを印刷ズレ量演算部435に入力する。そして、印刷ズレ量演算部435にて印刷ズレ量を検出させる(S1307)。この際、印刷ズレ量演算部435は、印刷ズレ量を、ズレ方向とズレ量をもつベクトルとして検出する。
【0102】
次に、検品CPU438は、上記S1307で検出した印刷ズレ量をRAM440に格納する(S1308)。
次に、検品CPU438は、上記S1303で受信した印刷情報内のフィニッシングモードから現在のスキャン画像データが「中綴じ製本モード」のものかどうかを判断する(S1309)。そして、現在のスキャン画像データが「中綴じ製本モード」のものであると判断した場合(S1309でYes)、検品CPU438は、S1310に処理を進める。
【0103】
S1310では、検品CPU438は、上記S1303で受信した印刷情報内の、文書のページ数から、現在のスキャン画像データが「中央最内側ページ」に対応するかどうかを判断する。なお「中央最内側ページ」は、中綴じ製本処理を行った際に最も内側になるページを示し、中綴じ製本処理を行った際に左右のページが一枚の印刷物にて構成されるページとなる。例えば、図12(A)に示したような6ページの文書を印刷する印刷ジョブの場合、文書の3ページ及び4ページが印刷された印刷面から読み取られたスキャン画像データが「中央最内側ページ」に対応する。なお、検品CPU438は、印刷情報(文書のページ数等を含む)から、印刷装置70でのページレイアウトや印刷順等を判断し、何番目に搬入される印刷物のいずれの面が「中央最内側ページ」に対応するか判断可能である。
【0104】
上記S1310にて、現在のスキャン画像データが「中央最内側ページ」に対応しないと判断した場合(S1310でNo)、検品CPU438は、S1311に処理を進める。S1311では、検品CPU438は、対象ページの基準画像データを参照し、中央部周辺領域(中綴じ製本処理においてシートを2つ折りにする際の折部の周辺領域)に画像があるかどうかを判断する(S1311)。なお、ここで画像の有無を参照する上記中央部周辺領域は、上記折部を中心に製本印刷ズレ許容値(上記S1301で受信した検品情報内の製本印刷ズレ許容値)に対応する幅を有する領域とする。
【0105】
そして、上記S1311にて、中央の中折部周辺に画像があると判断した場合(S1311でYes)、検品CPU438は、印刷ズレ補正部436にて、上記S1307で検出した印刷ズレ量と検品情報内の製本印刷ズレ許容値とを比較させる(S1312)。すなわち、許容値として製本印刷ズレ許容値を用いる。
【0106】
また、「中綴じ製本モード」でない場合(S1309でNo)、「中央最内側ページ」に対応する場合(S1310でYes)、又は、中央の中折部周辺に画像がない場合(S1311でNo)、検品CPU438は、S1313に処理を進める。
【0107】
S1313では、検品CPU438は、印刷ズレ補正部436にて、上記S1307で検出した印刷ズレ量と検品情報内の印刷ズレ許容値とを比較させる。すなわち、許容値として印刷ズレ許容値を用いる。
【0108】
すなわち、上記S1309〜S1313では、検品CPU438は、印刷設定として中綴じ製本処理が指定されている場合、特定ページと他のページとで許容値を変更するように制御する。そして、上記S1312又はS1313の処理を終了すると、S1314に処理を進める。
【0109】
S1314では、検品CPU438は、上記S1312又は上記S1313の比較結果に基づいて、「印刷ズレ量」が「許容値」を越えるかどうかを判断する(第1判断)。なお、ここで比較する「印刷ズレ量」は、上記S1307で検出した印刷ズレ量を示すベクトルの大きさとする。
【0110】
そして、上記S1314にて、「印刷ズレ量」が「許容値」を越える(「印刷ズレ量」が「許容値」の範囲内にない)と判断した場合(S1314でYes)、検品CPU438は、S1315に処理を進める。
【0111】
S1315では、検品CPU438は、「印刷ズレ」の通知及び印刷ズレが発生した現在のシートのページ番号を含む情報を印刷コントローラ20に送信(通知)し、S1331に処理を進める。この通知により、印刷処理が中断される(第1印刷制御)。
【0112】
一方、上記S1314にて、「印刷ズレ量」が「許容値」を越えない(「印刷ズレ量」が「許容値」の範囲内にある)と判断した場合(S1314でNo)、検品CPU438は、S1316に処理を進める。
【0113】
S1316では、検品CPU438は、現在のスキャン画像データに対応するシートと製本処理時に向き合うシート(以下、見開き対象シート)が印刷済みであるかどうかを判断する(S1316)。そして、見開き対象シートが印刷済みでないと判断した場合(S1316でNo)、検品CPU438は、そのままS1327に処理を進める。なお、見開き対象シートとは、図12におけるSheet1に対するSheet2のことをいう。
【0114】
一方、上記S1316にて見開き対象シートが印刷済みであると判断した場合(S1316でYes)、検品CPU438は、見開き対象シートの現在のスキャン画像データに対応するページと製本処理時に向き合うページの印刷ズレ量(以下、見開き対象シートの印刷ズレ量)をRAM440から読み出す(S1317)。そして、検品CPU438は、上記S1317で読み出した見開き対象シートの印刷ズレ量とS1307で検出した印刷ズレ量(以下、現在のシートの印刷ズレ量)から相対的なズレ量を算出する(S1318)。なお、上記S1307に示したように、本実施例の印刷ズレ量は、ベクトルで算出されている。よって、上記S1317で読み出した見開き対象シートの印刷ズレ量をベクトルA、上記S1307で検出した現在のシートの印刷ズレ量をベクトルBとすると、相対的なズレ量は、ベクトルAとベクトルBの差を示すベクトルの大きさとして算出される。
【0115】
次に、検品CPU438は、上記S1318で算出した相対的なズレ量を検品情報内の製本印刷ズレ許容値とを比較させる(S1319)。すなわち、許容値として製本印刷ズレ許容値を用いる。
【0116】
S1320では、検品CPU438は、上記S1319の比較結果に基づいて、「印刷ズレ量」が「許容値」を越えるかどうかを判断する(第2判断)。
そして、上記S1320にて、「印刷ズレ量」が「許容値」を越える(「印刷ズレ量」が「許容値」の範囲内にない)と判断した場合(S1320でYes)、検品CPU438は、S1321に処理を進める。
【0117】
S1321では、検品CPU438は、RAMから読み出した見開き対象シートの印刷ズレ量(ベクトルの大きさ)と上記S1307で検出した現在のシート印刷ズレ量(ベクトルの大きさ)とを比較する。
【0118】
そして検品CPU438は、上記S1321の比較結果に基づいて、「見開き対象シートの印刷ズレ量(ベクトルの大きさ)」が「現在のシート印刷ズレ量(ベクトルの大きさ)」を越えるかどうかを判断する(S1322)。
【0119】
そして、上記S1322にて「見開き対象シートの印刷ズレ量(ベクトルの大きさ)」が「現在のシート印刷ズレ量(ベクトルの大きさ)」を越えると判断した場合(S1322でYes)、検品CPU438は、S1323に処理を進める。
【0120】
S1323では、検品CPU438は、退避トレイに格納されている見開き対象シートをNGトレイに排出し、現在のシートを退避トレイに格納する(S1323)。そして、検品CPU438は、「印刷ズレ」の通知及び印刷ズレが発生した見開き対象シートのページ番号を含む情報を印刷コントローラ20に送信(通知)する(S1324)。そして、S1331に処理を進める。なお、図示しないが、S1324の通知により、上記見開き対象シートがリカバリ印刷(再印刷)され、該リカバリ印刷されたシートについて、印刷ズレ及び相対的な印刷ズレの双方が許容値を超えなかった場合(S1314及びS1320でYesの場合)、まずこのシートをフィニッシャに搬送する。その後、上記S1323で退避トレイに格納したシートについて、S1327以降の処理を行うように制御する。このように制御することにより、シートの順序を保ってリカバリ印刷を行うことができる。また、変形例として、上記S1323にて、退避トレイに格納されている見開き対象シート、及び、現在のシートの双方をNGトレイに排出し、上記S1324にて、「印刷ズレ」の通知及び印刷ズレが発生したページ番号として、上記見開き対象シートのページ番号及び上記現在のシートページ番号の双方を印刷コントローラ20に送信するようにしてもよい。
【0121】
一方、上記S1322にて「見開き対象シートの印刷ズレ量(ベクトルの大きさ)」が「現在のシート印刷ズレ量(ベクトルの大きさ)」を越えないと判断した場合(S1322でNo)、検品CPU438は、S1325に処理を進める。
【0122】
S1325では、検品CPU438は、現在のシートをNGトレイに排出する。そして検品CPU438は、「印刷ズレ」の通知及び印刷ズレが発生した現在のシートのページ番号を含む情報を印刷コントローラ20に送信(通知)する(S1326)。そして、S1331に処理を進める。
【0123】
すなわち、上記S1321〜S1326にて、検品CPU438は、印刷ズレ量の大きい方のシートをNGトレイに排出し、該NGトレイに排出したシートの情報を印刷コントローラ20に送信(通知)して、そのシートの再印刷を可能にする。なお、この通知(上記S1324又はS1326この通知)により、印刷処理が中断される(第2印刷制御)。
【0124】
一方、上記S1320にて、「印刷ズレ量」が「許容値」を越えない(「印刷ズレ量」が「許容値」の範囲内にある)と判断した場合(S1320でNo)、検品CPU438は、S1327に処理を進める。
【0125】
S1327では、検品CPU438は、印刷ズレ補正部436に、現在のスキャン画像データを印刷ズレ量分だけシフトする補正を実行させて、補正画像データ(第3画像データ)を生成させる(S1327)。
【0126】
そして、検品CPU438は、比較判定部437に、上記S1327で補正された補正画像データと基準画像データを比較させ、差分を検出させる(S1328)。そして、比較判定部437は、上記S1328で検出された差分と上記S1301で受信した検品情報内の「検品判定閾値」とを比較し、差分が閾値を超えるかどうかを判断する(S1329)。この判断により、印刷の掠れや滲み、汚れ等の印刷不良の有無が判断可能となる。
【0127】
そして、差分が閾値を越えると判断された場合(S1329でYes)、検品CPU438は、S1330に処理を進める。
S1330では、検品CPU438は、印刷に掠れや滲みや汚れ等の印刷不良であると判断して、「検品結果NG」の通知及び検品結果NGが発生したページ番号を含む情報を印刷コントローラ20に送信(通知)する。そして、S1331に処理を進める。なお、この通知により、印刷処理が中断される。
【0128】
一方、差分が閾値を越えないと判断された場合(S1329でNo)、検品CPU438は、表面/裏面の両面の検品が終了したかどうかを判断し(S1333)、両面が終了していないと判断した場合(S1333でNo)、S1307に処理を戻し、もう一方の面のスキャン画像データを処理する。
【0129】
一方、両面終了したと判断した場合(S1333でYes)、検品CPU438は、退避トレイ(不図示)に格納されている見開き対象のシートをフィニッシャ50に搬送し(S1334)、S1335に処理を進める。なお、退避トレイに見開き対象のシートが格納されていない場合には、そのままS1335に処理を進める。
【0130】
そして、検品CPU438は、上記S1303で受信した印刷情報内のページ数と検品済みページ数を比較することで全ページの印刷が終了したかを判断する(S1335)。なお、再印刷がなされた場合は、再印刷も含めて終了を判断する。
【0131】
そして、まだ全ページの印刷が終了していないと判断した場合(S1335でNo)、検品CPU438は、現在のシートを退避トレイに格納し(S1336)、S1305に処理を戻す。
【0132】
一方、全ページの印刷が終了したと判断した場合(S1335でYes)、検品CPU438は、現在のシートをフィニッシャ50に搬送し(S1337)、「検品終了」を印刷コントローラ20に通知して(S1338)、本フローチャートの処理を終了する。
【0133】
なお、上記S1315、S1324及びS1326で「印刷ズレ」、又は、上記S1330で「検品結果NG」を印刷コントローラ20に通知した後、検品CPU438は、印刷コントローラ20からの「リカバリ命令」又は「中止命令」の受信を待機する(S1331、S1332)。
【0134】
そして、印刷コントローラ20から「リカバリ命令」を受信したと判断した場合(S1331でYes)。検品CPU438は、S1305に処理を戻す。
一方、印刷コントローラ20から「中止命令」を受信したと判断した場合(S1332でYes)。検品CPU438は、本フローチャートの処理を終了する。
以上説明したように、実施例2によれば、中綴じ製本処理により処理されるシートの印刷不良を検査可能な印刷装置において、中央最内側ページ(図12における3、4ページ)であるのかどうかに応じて、印刷ズレ許容値を異ならせることができる。さらに、見開き対象シートとの相対的な印刷ズレ量を比較して印刷不良を検査することができる。従って、中綴じ製本処理により処理されるシートの印刷不良を検査可能な印刷装置において印刷品質の向上と印刷不良率の低減を両立させる仕組みを提供することができる。
【0135】
(他の実施例)
上記実施例1及び2では、検品情報(「検品する/しない」、「検品判定閾値」、「印刷ズレ許容値」、「製本印刷ズレ許容値」等)の設定をホストコンピュータ上のプリンタドライバの設定画面で設定し、この設定を印刷コントローラ20に送信する構成を説明した。しかし、検品情報の設定を印刷装置70の操作部30で行うように構成してもよい。
【0136】
なお、印刷装置70にスキャナ部を設け、スキャナ部で読み取った画像データをプリンタエンジン10で印刷するコピージョブについても、検品処理を実行可能にしてもよい。また、印刷装置70にハードディスクドライブ部等の記憶装置を設け、該記憶装置に画像データを記憶可能にし、該記憶装置に記憶された画像データに基づく印刷ジョブ(ボックス印刷ジョブ)についても、検品処理を実行可能にしてもよい。なお、上記コピージョブやボックス印刷ジョブの場合、検品情報の設定を印刷装置70の操作部30で行うものとする。
【0137】
また、上記実施例1及び2では、「検品判定閾値」、「印刷ズレ許容値」、「製本印刷ズレ許容値」を任意に設定可能としたが、固定値を検品コントローラ430内のROM439等に記憶させておく構成でもよい。
【0138】
また、上記実施例1及び2では、印刷コントローラ20にて画像データを生成し、これを基準画像データとした。しかし、ホストコンピュータ90にて基準画像データを生成し、これを印刷コントローラ20に送信し、さらに印刷コントローラ20から検品コントローラ430に送信する構成でもよい。また、ホストコンピュータ90から直接、検品コントローラ430に基準画像データを送信する構成でもよい。
【0139】
また、上記実施例1及び2では、印刷ズレ発生時に、操作部30に印刷ズレ情報を表示し、操作部から「リカバリ印刷」か「印刷中止」を選択する構成とした。しかし、印刷ズレ情報を検品コントローラ430からホストコンピュータ90に送信し、ホストコンピュータ90上で「リカバリ印刷」か「印刷中止」を選択する構成でもよい。
【0140】
また、上記実施例1及び2では、検品結果NG発生時に、操作部30に検品結果を表示し、操作部から「リカバリ印刷」か「印刷中止」を選択するとした。しかし、検品結果を検品コントローラ430からホストコンピュータ90に送信し、ホストコンピュータ90上で「リカバリ印刷」か「印刷中止」を選択する構成でもよい。
【0141】
また、上記実施例1及び2では、中折部周辺に画像があるかどうかの領域の幅を「製本印刷ズレ許容値」と同じにしたが、これに限定されるものでなく、「製本印刷ズレ許容値」と異なる値を中折部周辺に画像があるかどうかの領域の幅として用いてもよい。
【0142】
また、上記実施例1及び2では、中折部周辺に画像があるかどうかを基準画像データを参照して判断したが、スキャン画像データを参照して判断するように構成してもよい。また、中折部周辺に画像があるかどうかの判断を印刷コントローラ20側で前もって行い、その判断結果を検品情報の一部として検品コントローラ430に送信し、この情報をもとに検品コントローラ430が判断する構成でもよい。さらに、ホストコンピュータ90側で中折部周辺に画像があるかどうかを判断し、この判断結果を印刷ジョブの一部として印刷コントローラ20に送信し、さらに検品情報として印刷コントローラ20から検品コントローラ430に送信し、この情報をもとに検品コントローラ430が判断する構成でもよい。また、ホストコンピュータ90から直接、検品コントローラ430に中折部周辺に画像があるかどうかの判断結果を送信する構成でもよい。
【0143】
また、上記実施例1及び2では、検品コントローラ430にて、印刷ズレの判断及び検品判定を行う構成を説明した。しかし、スキャン画像データを検品コントローラ430から印刷コントローラ20に送信し、印刷コントローラ20側で印刷ズレの判断及び検品判定等を行う構成でもよい。
【0144】
また、上記実施例1及び2では、印刷ズレ発生時もしくは検品結果NG時に、作業者が操作部30に表示されている「リカバリ印刷」か「印刷中止」を選択することで再印刷や印刷中止を行う構成を説明した。しかし、印刷ズレ発生時の動作、検品結果NG時の動作として、再印刷、印刷中止のいずれを行うかをそれぞれ予め設定しておくように構成してもよい。
【0145】
また、上記実施例1及び2では、検品ユニット40が印刷装置70に組み込まれたいわゆるインライン型の構成を説明した。しかし、この構成に限定されるものではなく、検品ユニット40と印刷装置70とが別ユニットとなる構成でもよい。
【0146】
(他の実施例2)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0147】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施例の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。即ち、上述した各実施例及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0148】
以上示したように、本発明の印刷装置は、中綴じ製本印刷時に2枚のシートに跨る連続した画像が存在する見開きページに対しては、印刷ズレの許容値を他のページより厳しくして検査する構成を有する。この構成により、見栄えの良い印刷出力物を得ることができ、また、印刷物の不良率の上昇を抑えることができ、印刷コストの増大や生産量の低下を防ぐことができる。従って、印刷不良を検査可能な印刷装置において、中綴じ製本処理が指定された印刷における印刷品質の向上と印刷不良率の低減を両立させることができる。この結果、製本印刷の印刷不良率の上昇を抑えながら、2枚のシートに跨る連続した画像が存在する見開きページがあっても、見栄えの良い印刷出力物を得ることができる。
【符号の説明】
【0149】
10 プリンタエンジン
20 印刷コントローラ
30 操作部
50 フィニッシャ
430 検品コントローラ
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷不良を検査可能な印刷装置の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
商業的印刷業界やPOD(Print On Demand)市場においては、顧客に納品する印刷物に不具合がないかどうかの検品作業が必要とされている。しかしながら、検品作業の一部は未だに自動化されておらず、印刷物を作業員が手作業でチェックしているのが現状である。しかし、数百ページに及ぶ印刷物の場合、ページ毎に詳細にチェックすることは膨大な時間と労力が必要となるため、実際には大まかな検品作業となり、細かい印字ミスや抜け、紙汚れなどは検出されないといった問題がある。
【0003】
このような現状において、印刷物の検品作業を自動化する技術が望まれている。なお、検品作業を自動化する技術として、印刷物を検証するための検証用画像と、印刷物を撮像して取得した画像とを比較することで、印刷物を検品する技術が知られている(特許文献1)。
【0004】
また、印刷装置の用紙搬送の機械的な精度の誤差により、シート上の印字位置がずれてしまうことがある。その問題に対して、印字位置のズレ量を検出し、このズレ量が予め規定した最大値を超えた場合に、印刷を中断する技術が知られている(特許文献2)。
【0005】
また、印刷装置では、複数の印刷されたシートの中央部分をバインドし、シートの中央を2つ折りして、パンフレットのようなブックレット(例えば図12(A)に示すようなもの)を作成することが出来る。
【0006】
図12は、この種の印刷装置の課題を説明する図である。
このブックレットは、一番内側の見開きページのみ1枚のシートで構成されるが、それ以外の見開きページは2枚のシートで構成される。そして2枚のシートで構成される見開きページに2枚のシートに跨る連続した画像が存在すると、ほんの僅かな印刷ズレが発生するだけで、中央のシート境界部のズレは非常に目立ってしまう。例えば、本来であれば図12(B)のように印刷されるべきものが、多少の印刷ずれが生じるだけで図12(C)のような非常に見栄えの悪い印刷となってしまう。この問題に対して、上述の特許文献2の技術を用いると、予め規定するズレ量の最大値を小さくすることで防ぐことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−39492号公報
【特許文献2】特開2008−52115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来の技術では、予め規定するズレ量の最大値を小さくしてしまうと、全てのシートに対して印刷ズレが厳しく判定されてしまう。例えば、2枚のシートに跨る連続した画像が存在しないシートや1枚のシートで構成される一番内側の見開きページのように、多少の印刷ズレではそれほど見栄えに影響しないシートに対しても印刷ズレが厳しく判定されてしまう。すると、印刷物の不良率が上がってしまい、印刷コストの増大や、生産量の低下を招いてしまう。
【0009】
一方、不良率を下げるには、予め規定するズレ量の最大値を大きくする必要があるが、これでは、製本印刷時に2枚のシートに跨る連続した画像が存在する見開きページがあると僅かな印刷ズレでも見栄えが悪くなってしまう。
【0010】
このように従来の技術では、予め規定するズレ量の最大値が一定であるために、印刷品質の向上と不良率の低減を両立できないという課題が存在する。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。本発明の目的は、中綴じ製本処理により処理されるシートの印刷不良を検査可能な印刷装置において印刷品質の向上と印刷不良率の低減を両立させる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、複数ページを含む第1画像データに基づいてシートに印刷処理を行う印刷手段と、前記印刷手段により複数ページが印刷処理されたシートを読み取り第2画像データを生成する読取手段と、前記第1画像データと前記第2画像データからシートに印刷された各ページの印刷ズレ量を検出する検出手段と、前記検出手段で検出された前記各ページの印刷ズレ量が許容値の範囲内にあるかどうかを判断する第1判断手段と、前記第1画像データに基づいて前記印刷処理を行う際の印刷設定として、各シートの同一面上に複数ページが印刷された複数のシートを重ねてその中央部を2つ折りにして綴じる中綴じ製本処理が設定されている場合、シートの折部の周辺領域に画像が存在する特定ページと他のページとで前記許容値を変更するように制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、印刷不良を検査可能な印刷装置において、印刷品質の向上と印刷不良率の低減を両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施例を示す印刷装置の構成を示す図である。
【図2】印刷装置の制御を司る印刷コントローラ20の構成を示すブロック図である。
【図3】操作部30の構成を示す図である。
【図4】検品ユニット40及び検品ユニット内の検品コントローラ430の構成を示すブロック図である。
【図5】切り出し補正部434の切り出し補正処理を説明する図である。
【図6】ホストコンピュータ90のモニタに表示されるプリンタドライバの設定画面の構成の一例を示す図である。
【図7】プリンタドライバの仕上げ処理に関連したプロパティ設定画面構成の一例を示す図である。
【図8】印刷コントローラ20の動作を説明するフローチャートである。
【図9】実施例1における検品コントローラ430の動作を説明するフローチャートである。
【図10】印刷ズレ発生時の操作部表示画面の一例を示す図である。
【図11】検品NG発生時の操作部表示画面の一例を示す図である。
【図12】この種の印刷装置の課題を説明する図である。
【図13】実施例2における検品コントローラ430の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の一実施例を示す印刷装置の構成を示す図である。
本実施例の印刷システムは、印刷装置70とホストコンピュータ90及びこれらを接続するネットワーク80から構成される。さらに、印刷装置70は、プリンタエンジン10、検品ユニット40、フィニッシャ50、操作部30及びこれらの制御を司る印刷コントローラ20から構成される。
【0016】
以下、印刷装置システム及び印刷装置70の動作を簡単に説明する。
ホストコンピュータ90は、アプリケーションプログラムにより作成された複数ページを含む文書から印刷ジョブを作成し、ネットワーク80を介して作成した印刷ジョブを印刷コントローラ20に送信する。
印刷コントローラ20は、ホストコンピュータ90から受信した印刷ジョブを解析して複数ページを含む画像データを生成し、その画像データを順次画像信号に変換してプリンタエンジン10の露光制御部105に送信する。露光制御部105は、画像信号に応じたレーザ光を出力する。このレーザ光が感光ドラム106に照射されると、感光ドラム106上には静電潜像が形成される。感光ドラム106上の静電潜像は、現像器107により現像される。感光ドラム106上の現像剤は、カセット108、109、手差し給紙部110及び両面搬送パス111のいずれかから給送された記録紙等のシートに転写部112で転写される。現像剤が転写されたシートは定着部113に導かれると、定着部113により現像剤の定着処理が施される。
【0017】
定着部113を通過したシートを、図示しないフラッパにより、一旦、パス115からパス114に導き、シートの後端がパス115を抜けた後、シートをスイッチバックさせてパス116から排出ローラ117に導く。これにより、現像剤が転写された面を下向きの状態(フェイスダウン)にして排出ローラ117によりプリンタエンジン10から排出することが可能である。これを反転排紙という。このように、フェイスダウンで排出することにより、複数枚の画像を印刷する場合など、先頭頁から正しい頁順で印刷処理を行うことが可能である。
【0018】
なお、手差し給紙部110からOHPシートなどの硬いシートに印刷処理を行う場合、パス115に導くことなく、現像剤が転写された面を上向きの状態(フェイスアップ)のままで排出ローラ117から排出する。
【0019】
また、シートの両面に印刷処理を行う場合、シートを定着部113からパス115、パス114に導き、シートの後端がパス115を抜けた直後にシートをスイッチバックさせ、図示しないフラッパにより両面搬送パス111に導く。両面搬送パス111に導かれたシートに対し、再度、転写部112で静電潜像が転写され、定着部113で定着処理が施される。このように、転写部112から両面搬送パス111を経由して再び転写部112に戻る一巡のパスの中に、A4、B5等のハーフサイズ用紙が複数枚入った状態でも搬送可能なように、パス長、ローラ配置、駆動系の分割がなされている。なお、これらの処理による排出頁順は、奇数頁が下向きになるように排出されるので、両面印刷時の頁順を合わせることができる。
【0020】
排出ローラ117から排出された印刷出力物は検品ユニット40に搬送される。検品ユニット40では、搬送されてきた印刷物(印刷処理されたシート)をセンサ420で検知し、イメージリーダ410で印刷出力物の両面から画像データを読取る。画像データを読取った後は、印刷出力物をフィニッシャ50に搬送し、製本処理、綴じ処理、穴あけなどの後処理を行う。
【0021】
図2は、印刷装置の制御を司る印刷コントローラ20の構成を示すブロック図である。
図2において、201はホストI/F部で、ネットワーク80を介してホストコンピュータ90と通信を行う。ホストI/F部201は、ホストコンピュータ90から送信される印刷ジョブ等を受信する。なお、本実施例では、ホストコンピュータとのインターフェースをネットワークとして説明するが、これに限定されずUSBやパラレルインターフェース等でも良い。
【0022】
202は、受信した印刷ジョブや、画像データ等を記憶する記憶装置であり、メモリやハードディスク等で構成される。203はRIP(Raster Image Processor)部で、印刷ジョブ中のPDLデータを画像データに展開するためのものである。204は検品I/F部で、検品コントローラ430と通信を行う。205は、プリンタエンジンの制御を行うエンジン制御部である。
【0023】
206は、操作部30と通信を行う操作部I/F部である。207はCPUで、印刷装置全体を滞りなく動作させるために、前記201〜206の各ユニットを制御する演算装置(プロセッサ)である。
【0024】
208は不揮発性メモリ(以降ROMと表記)で、CPU207のプログラムを格納したフラッシュメモリ等である。209はDRAM等の揮発性メモリ(以降RAMと表記)で、CPU207が動作するためのシステムワークメモリとして利用される。
【0025】
図3は、操作部30の構成を示す図である。
図3に示すように、操作部30は、タッチパネルディスプレイ301と電源ボタン302等から構成されている。
タッチパネルディスプレイ301は、LCD表示部上にタッチパネルシートが貼られており、システムの操作画面を表示するとともに、表示してあるエリアが押されるとその位置情報を印刷コントローラ20に伝える。電源ボタン302は、印刷装置70の電源オン/オフ制御や、節電モードへの移行や節電モードからの復帰に使用される。
【0026】
図4は、検品ユニット40及び検品ユニット内の検品コントローラ430の構成を示すブロック図である。
検品コントローラ430は、インターフェース部431、基準画像データ記憶部432、スキャン画像データ記憶部433、切り出し補正部434、印刷ズレ量演算部435、印刷ズレ補正部436、比較判定部437、検品CPU438及びROM439、RAM440等から構成される。
【0027】
インターフェース部431は、印刷コントローラ20と通信を行うためのインターフェース部である。基準画像データ記憶部432は、印刷コントローラ20からインターフェース部431を介して送信されてくる基準画像データを記憶する。
【0028】
スキャン画像データ記憶部433は、イメージリーダ410で読み込んだ画像データ(スキャン画像データ)を記憶する。切り出し補正部434は、スキャン画像データ記憶部433に記憶されるスキャン画像データからシートの位置を検出し、シート上の画像を切り出す。ここで、切り出し補正部434について図5を用いて説明する。
【0029】
図5は、切り出し補正部434の切り出し補正処理を説明する図である。
例えば、イメージリーダ410で読み込んだ画像データは、図5(A)の状態でスキャン画像データ記憶部433に記憶されている。これは、シート搬送時のズレを考慮し、シートのサイズより大きな領域な画像データとなっている。このままであると、基準画像データと比較できないため、切り出し補正部434により、シートの位置を検出し、図5(B)に示すようにシートの部分のみを切り出している。なお、シートの位置は、スキャン時の背景色をシートとは異なる色(図5の例ではグレー)にしておくことで、容易に検出可能である。
【0030】
以下、図4の説明に戻る。
印刷ズレ量演算部435は、基準画像データ記憶部432に記憶されている基準画像データと切り出し補正部434により切り出し処理されたスキャン画像データとの相対位置関係を演算する。印刷ズレ量演算部435は、相対的な位置を変化させながら基準画像データと検査対象画像データとの一致度の評価数値を演算し、最も一致度が良い位置の変化量を印刷ズレ量として検出する。なお、印刷ズレ量演算部435は、一致度の評価数値を演算する場合、演算量を減らすために、全ての画像データに基づいて演算するのではなく、天地方向と左右方向に配列する画素列の内から、一致度の評価に適正な画素列を抽出して演算する。また、一致度の評価数値としては、相関係数、対応画素の差の絶対値の総和、対応画素の差の自乗の総和等を用いることができる。なお、印刷ズレ量演算部435における、印刷ズレ量の具体的な演算方法については、例えば、特開平7−249122号等によって公知であるから、ここでは説明を省略する。本発明は、印刷ズレ量の演算方法はいかなる方法であってもよく、それによって限定されるものではない。
【0031】
印刷ズレ補正部436は、切り出し補正部434により切り出し処理されたスキャン画像データに対して印刷ズレ量演算部435にて算出されたズレ量分を補正する。比較判定部437は、前記印刷ズレ補正部436にて補正されたスキャン画像データと基準画像データ記憶部432に記憶されている基準画像データとの差分を比較する。なお、比較判定部437における具体的な方法については、例えば、特公平1−47823号等によって公知であるから、ここでは説明を省略する。本発明は、画像比較の判定方法はいかなる方法であってもよく、それによって限定されるものではない。
【0032】
CPU438(印刷コントローラ内のCPU207と区別するために検品CPUと表記)は、検品ユニット40を滞りなく動作させるために、前記検品ユニットを構成する各ブロックを制御する演算装置(プロセッサ)である。なお、検品CPU438は、印刷ズレ量演算部435で検出された印刷ズレ量が許容値(後述する印刷ズレ許容値、又は、製本印刷ズレ許容値)の範囲内にあるかどうかを判断する
不揮発性メモリ(以下、ROM)439は、検品CPU438のプログラムを格納したフラッシュメモリ等のである。DRAM等の揮発性メモリ(以下、RAM)440は、検品CPU438が動作するためのシステムワークメモリである。
【0033】
なお、検品コントローラ430内の434〜437は、検品CPU438が、ROMに記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものであっても、ハードウェアにより実現されるものであってもよい。また、基準画像データ記憶部、スキャン画像データ記憶部433、RAM440は、同一の記憶装置で構成されていても、異なる記憶装置で構成されていてもよい。
【0034】
次にホストコンピュータ90の動作について説明する。
ホストコンピュータ90では、ホストコンピュータ90上で動作する印刷アプリケーションから印刷装置70等のプリントデバイスにプルーフ出力したり、最終成果物を出力したりするための一手段として、プリンタドライバが使用される。
【0035】
図6は、ホストコンピュータ90のモニタに表示されるプリンタドライバの設定画面の構成の一例を示す図である。
図6に示すプリンタドライバの設定画面は、作業者がホストコンピュータ90から印刷装置70等のプリントデバイスで印刷を行う場合に、一般的に印刷アプリケーションの印刷メニューを選択することにより表示される。
【0036】
まず、作業者によって、この設定画面の「プリンタ名」プルダウンリストボックス601により、使用するプリントデバイスが選択される。すると、その下の状態602にプリントデバイスの状態が、種類603にプリンタドライバの種類が、場所604にプリントデバイスの設置場所情報が、コメント605にプリントデバイス管理者からのコメント情報が表示される。
【0037】
印刷データをプリントデバイスで印刷せずにファイルに出力したい場合は、「ファイルへ出力」チェックボックス606を選択状態にする。
「印刷範囲」では、「全て」「現在のページ」「選択したページ」「ページ指定」のいずれかをラジオボタン607で選択することにより、印刷したいページを指定する。「ページ指定」を選択した場合は、エディットボックス608に印刷したいページ番号を入力する。
【0038】
「印刷部数」では、「部数」スピンボックス609に印刷したい部数を入力するとともに、複数部数をページ単位ではなく部単位で印刷する場合は、「部単位で印刷」チェックボックス610を選択状態にする。
【0039】
「プロパティ」ボタン611を押下することにより、さらに詳細な印刷属性を設定することができる。
作業者がプリンタドライバの設定画面の設定を終了したならば、「OK」ボタン612を押下することにより、印刷データ及び後述する挿入原稿チェックデータを印刷装置70等のプリントデバイスに送信したり、ファイルに出力したりすることができる。印刷やファイル出力を止める場合は、「キャンセル」ボタン613を押下すればよい。
【0040】
図7は、プリンタドライバの仕上げ処理に関連したプロパティ設定画面構成の一例を示す図であり、プリンタドライバのプロパティ設定画面の「仕上げ」タブ700を選択することにより表示される画面である。
【0041】
図7において、「お気に入り」プルダウンリストボックス701では、予め決められたページ設定モードの中から最適なページ設定を選択する。その左に位置する2つのボタンにより、お気に入りの選択項目を追加したり編集したりすることができる。
【0042】
また、「設定確認」ボタン702を押下することにより、プロパティ設定画面で設定した内容を一覧表示することができ、プロパティ設定画面で設定した内容は、その上に表示されているページイメージに反映される。
【0043】
「出力方法」プルダウンリストボックス703では、プリントデバイスに通常印刷あるいはセキュア印刷をするのか、プリントデバイスのハードディスクに保存するのか、プリントデバイスで編集とプレビューを実行するのかといったような出力方法を指定する。
【0044】
「印刷方法」プルダウンリストボックス704では、「片面印刷」「両面印刷」「製本印刷」といったような印刷方法を選択する。プルダウンリストボックス704で「製本印刷」を選択すると、「中とじ」のチェックボックス705が有効になり、このチェックボックスをチェックすると中央の折部がステイプルされる。即ち、プルダウンリストボックス704で「製本印刷」を選択し、「中とじ」のチェックボックス705をチェックすることにより、中綴じ製本処理(各シートの同一面上に複数ページの画像が印刷された複数のシートを重ねてその中央部を2つ折りにして綴じる処理)を指定することができる。
【0045】
「検品の設定」欄706にて検品に関する設定ができる。「検品(印刷検査)」のラジオボタン707の「する」にチェックすると検品を実施し(検品対象となり)、「しない」にチェックすると検品は実施しない(検品対象とならない)。そして検品「する」にチェックした場合、「検品判定閾値」708、「印刷ズレ許容値」709、「製本印刷ズレ許容値」710が設定可能となる。
【0046】
「検品判定閾値」708は、レベル1〜10を選択できるプルダウンメニューになっており、数値が大きいほど、厳しい検査を行うことができる。なお、本実施例では、レベル1〜10にそれぞれ対応する閾値が予め設定されているものとするが、実際の閾値をここで入力する形態であってもよい。
【0047】
「印刷ズレ許容値」709は、印刷時の位置ズレをどの程度許容するかを示す印刷ズレ許容値を設定するためのものであり、縦横個別に設定することが可能である。
「製本印刷ズレ許容値」710は、印刷方法704で「製本印刷」が選択され且つ「中とじ」705がチェックされたときに有効になる。「製本印刷ズレ許容値」710は、複数の用紙で見開き連続画像が存在するページ(特定ページ)の印刷時の位置ズレをどの程度許容するかを示す製本印刷ズレ許容値を設定するためのものであり、縦横個別に設定することが可能である。なお、複数の用紙で見開き連続画像が存在するページ以外のページ(他のページ)に対しては、709で設定される印刷ズレ許容値を位置ズレの許容値として用いる。なお、710で設定可能な製本印刷ズレ許容値の範囲を、709で設定された印刷ズレ許容値を超えない範囲に制御してもよい。
【0048】
「仕上げ詳細」ボタン711を押下することにより、さらに詳細な仕上げ方法を設定することができる。また、「標準に戻す」ボタン712を押下することにより、これらの設定をデフォルトに戻すことができる。
【0049】
作業者がプリンタドライバのプロパティ設定画面の設定を確定して終了したならば、「OK」ボタン713を押下することにより、これらの印刷属性を実際の印刷に反映することができる。プロパティ設定画面の設定を止める場合は、「キャンセル」ボタン714を押下すればよい。
【0050】
作業者がプリンタドライバのプロパティ設定画面の設定を確定したならば、「適用」ボタン715を押下することにより、これらの印刷属性を確定し、プロパティ設定画面の設定を継続することができる。
【0051】
「ヘルプ」ボタン716は、プロパティ設定画面のヘルプ画面を表示するものである。
ホストコンピュータ90から印刷が実行されると、図7に示したプリンタドライバのプロパティ設定画面で設定された印刷設定を含むプリントジョブがプリンタドライバにより生成され、該印刷ジョブが印刷装置70の印刷コントローラ20に送信される。この印刷設定には、印刷する文書のページ数や用紙サイズ、片面/両面印刷、フィニッシングモード等の印刷情報や、検品する/しない(検品実施モード/検品オフモード)や検品判定閾値、印刷ズレ許容値、製本印刷ズレ許容値等の検品情報が含まれる。なお、検品判定閾値としては、上述のレベル1〜10に対応する閾値が印刷コントローラ20に送信されるものとする。
【0052】
以下、図8のフローチャートを用いて、印刷コントローラ20の動作を説明する。
図8は、印刷コントローラ20の動作を説明するフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、印刷コントローラ20のCPU207がROM208等に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0053】
CPU207は、ホストコンピュータ90から送信された複数ページを含む印刷ジョブをホストI/F部201を介して受信すると、該受信した印刷ジョブを記憶装置202に格納する(S801)。次に、CPU207は、上記S801で受信した印刷ジョブを解析する(S802)。
【0054】
次に、CPU207は、上記S802での解析結果から上記S801で受信した印刷ジョブが検品実施モード(検品する設定)かどうか判断する(S803)。そして、検品オフモード(検品しない設定)と判断した場合(S803でNo)、CPU207は、検品オフモードであることを検品コントローラ430へ通知し(S804)、本フローチャートの処理を終了し、通常の印刷ジョブの処理を実行する。
【0055】
一方、上記S803にて検品実施モード(検品する設定)と判断した場合(S803でYes)、CPU207は、検品実施モードや検品判定閾値、印刷ズレ許容値、製本印刷ズレ許容値等の検品情報を検品コントローラ430に送信する(S805)。
【0056】
次に、CPU207は、印刷する文書のページ数や用紙サイズ、片面/両面印刷、フィニッシングモード等の印刷情報を検品コントローラ430に送信する(S806)。
次に、CPU207は、印刷ジョブ中のPDLデータをRIP部203にて展開し、複数ページを含む画像データ(第1画像データ)を生成し、記憶装置202に格納する(S807)。
次に、CPU207は、上記S807で生成した画像データを基準画像データとして検品コントローラ430に送信する(S808)。
次に、CPU207は、上記S807で生成し記憶装置202に格納されている画像データをエンジン制御部205を介してプリンタエンジン10に送信して印刷処理を開始する(S809)。
【0057】
そして、CPU207は、検品コントローラ430からの送信情報を待つ(S810)。CPU207は、検品コントローラ430からの情報を受信すると(S810でYes)、S811に処理を進める。
【0058】
S811では、CPU207は、検品コントローラ430からの受信情報の内容が「検品終了」を示す情報であるかどうかを判断し(S811)、「検品終了」を示す情報であったと判断した場合(S811でYes)、本フローチャートの処理を終了する。
【0059】
一方、上記S811にて、検品コントローラ430からの受信情報の内容が「検品終了」を示す情報でないと判断した場合(S811でNo)、CPU207は、その後の作業者からの指示を待つために、印刷を一時的に中断するように印刷制御する(S812)。
【0060】
次に、CPU207は、検品コントローラ430からの受信情報が「印刷ズレ」情報かどうかを判断し(S813)、「印刷ズレ」情報であると判断した場合(S813でYes)、CPU207は、S814に処理を進める。
【0061】
S814では、CPU207は、印刷ズレが発生したこと、検品コントローラ430からの受信情報に含まれる印刷ズレ量等の印刷ズレ内容を示す情報1001と、「リカバリ印刷」ボタン1002及び「印刷中止」ボタン1003を有する操作表示画面(第1選択部)(図10)を操作部30のタッチパネルディスプレイ301に表示する。そして、S817に処理を進める。
【0062】
図10は、印刷ズレ発生時の操作部表示画面の一例を示す図である。
一方、上記S813で、検品コントローラ430からの受信情報が「印刷ズレ」情報でないと判断した場合(S813でNo)、CPU207は、S815に処理を進める。
S815では、CPU207は、検品コントローラ430からの受信情報が「検品NG」情報かどうかを判断し、「検品NG」情報であると判断した場合(S815でYes)、S816に処理を進める。
【0063】
S816では、CPU207は、検品結果がNG(印刷不良)であることを示す情報1101と、「リカバリ印刷」ボタン1002及び「印刷中止」ボタン1003(第2選択部)を有する操作表示画面(図11)を操作部30のタッチパネルディスプレイ301に表示する(S816)。そして、S817に処理を進める。
【0064】
図11は、検品NG発生時の操作部表示画面の一例を示す図である。
次に、CPU207は、作業者(操作者)から操作部表示画面(図10又は図11)上の「リカバリ印刷」ボタン1002、又は、「印刷中止」ボタン1003が選択操作(タッチ)されるまで待機する(S817でNo且つS819でNo)。
【0065】
そして、「リカバリ印刷」ボタン1002が選択操作(タッチ)されたと判断した場合(S817でYes)、CPU207は、S818に処理を進める。
S818では、CPU207は、検品コントローラ430からの受信情報に含まれる印刷ズレが発生したページ番号、又は、検品NGが発生したページ番号に対応する印刷物の再印刷処理を実行する。例えば、図12(A)に示したような6ページの文書を印刷する印刷ジョブにて、2及び5ページを印刷した面が印刷ズレ又は検品NGとなった場合、片面に2及び5ページを印刷し、もう一方の面に3及び4ページを印刷する印刷物を再印刷処理するように制御する。そして、S810に処理を戻す。なお、図8には示していないが、CPU207は、上記S818の再印刷処理を完了した後には、必要なページから中断した印刷処理を再開するものとする。例えば、検品ユニット40が不図示の退避トレイ等を備え、再印刷した印刷物を本来の順序に割り込ませて排出できる構成の印刷装置では、再印刷処理を完了した後には、S812で中断したページから印刷処理を再開する。一方、退避トレイ等を備えず、再印刷した印刷物を本来の順序に割り込ませることができない構成の印刷装置では、再印刷処理を完了した後には、再印刷したページの続きのページから印刷処理を再開する。
【0066】
一方、上記S819にて「印刷中止」ボタン1003が選択操作(タッチ)されたと判断した場合(S819でYes)、CPU207は、印刷を中止し(S820)、本フローチャートの処理を終了する。
【0067】
なお、上記S815にて、CPU207が、検品コントローラ430からの受信情報が「検品NG」を示す情報でないと判断した場合(S815でNo)、CPU207は、上記受信情報を解析し、その内容に応じた処理を実行する(S821)。そして、本フローチャートの処理を終了する。
【0068】
以下、図9のフローチャートを用いて、検品コントローラ430の動作を説明する。
図9は、実施例1における検品コントローラ430の動作を説明するフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、検品コントローラ430の検品CPU438がROM439等に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0069】
検品CPU438は、印刷コントローラ20から送信される検品実施モードや検品判定閾値、印刷ズレ許容値、製本印刷ズレ許容値等の検品情報をインターフェース部431を介して受信する(S901)。
【0070】
次に、検品CPU438は、上記S901で受信した検品情報を解析し、検品実施モードであるかどうかを判断し(S902)、検品実施モードでないと判断した場合(S902でNo)、そのまま本フローチャートの処理を終了する。
【0071】
一方、上記S902にて検品実施モードであると判断した場合(S902でYes)、検品CPU438は、S903に処理を進める。
S903では、検品CPU438は、引き続き印刷コントローラ20から送信される、印刷する文書のページ数や用紙サイズ、片面/両面印刷、フィニッシングモード等の印刷情報を受信する。
【0072】
さらに、検品CPU438は、印刷コントローラ20から送信される基準画像データを受信し、基準画像データ記憶部432に格納する(S904)。
次に、検品CPU438は、センサ420にて印刷物の搬入が検出されるまで待機し、センサ420にて印刷物の搬入が検出されたと判断した場合(S905でYes)、S906に処理を進める。
【0073】
S906では、検品CPU438は、イメージリーダ410を動作させて印刷物の両面の画像をスキャンして画像データを生成し、該画像データをスキャン画像データ記憶部433に格納する。さらに、検品CPU438は、切り出し補正部434を動作させて、スキャン画像データからシートの位置を検出しシート上の画像データのみを切り出し、スキャン画像データ(第2画像データ)を生成する(S906)。なお、両面印刷の場合は、表面及び裏面からそれぞれ画像データを切り出す。
【0074】
そして、検品CPU438は、上記S906で切り出した表面又は裏面のスキャン画像データ(以下、現在のスキャン画像データ)と基準画像データ記憶部に格納されている対象の基準画像データとを印刷ズレ量演算部435に入力する。そして、印刷ズレ量演算部435にて印刷ズレ量を検出させる(S907)。
【0075】
次に、検品CPU438は、上記S903で受信した印刷情報内のフィニッシングモードから現在のスキャン画像データが「中綴じ製本モード」のものかどうかを判断する(S908)。そして、現在のスキャン画像データが「中綴じ製本モード」のものであると判断した場合(S908でYes)、検品CPU438は、S909に処理を進める。
【0076】
S909では、検品CPU438は、上記S903で受信した印刷情報内の、文書のページ数から、現在のスキャン画像データが「中央最内側ページ」に対応するかどうかを判断する。なお「中央最内側ページ」は、中綴じ製本処理を行った際に最も内側になるページを示し、中綴じ製本処理を行った際に左右のページが一枚の印刷物にて構成されるページとなる。例えば、図12(A)に示したような6ページの文書を印刷する印刷ジョブの場合、文書の3ページ及び4ページが印刷された印刷面から読み取られたスキャン画像データが「中央最内側ページ」に対応する。なお、検品CPU438は、印刷情報(文書のページ数等を含む)から、印刷装置70でのページレイアウトや印刷順等を判断し、何番目に搬入される印刷物のいずれの面が「中央最内側ページ」に対応するか判断可能である。
【0077】
上記S909にて、現在のスキャン画像データが「中央最内側ページ」に対応しないと判断した場合(S909でNo)、検品CPU438は、S910に処理を進める。S910では、検品CPU438は、対象ページの基準画像データを参照し、中央部周辺領域(中綴じ製本処理においてシートを2つ折りにする際の折部の周辺領域)に画像があるかどうかを判断する(S910)。なお、ここで画像の有無を参照する上記中央部周辺領域は、上記折部を中心に製本印刷ズレ許容値(上記S901で受信した検品情報内の製本印刷ズレ許容値)に対応する幅を有する領域とする。
【0078】
そして、上記S910にて、中央の中折部周辺に画像があると判断した場合(S910でYes)、検品CPU438は、印刷ズレ補正部436にて、上記S907で検出した印刷ズレ量と検品情報内の製本印刷ズレ許容値とを比較させる(S911)。すなわち、許容値として製本印刷ズレ許容値を用いる。
【0079】
また、「中綴じ製本モード」でない場合(S908でNo)、「中央最内側ページ」に対応する場合(S909でYes)、又は、中央の中折部周辺に画像がない場合(S910でNo)、検品CPU438は、S912に処理を進める。
【0080】
S912では、検品CPU438は、印刷ズレ補正部436にて、上記S907で検出した印刷ズレ量と検品情報内の印刷ズレ許容値とを比較させる(S912)。すなわち、許容値として印刷ズレ許容値を用いる。
【0081】
すなわち、上記S908〜S912では、検品CPU438は、印刷設定として中綴じ製本処理が指定されている場合、特定ページと他のページとで許容値を変更するように制御する。そして、上記S911又はS912の処理を終了すると、S913に処理を進める。
【0082】
S913では、検品CPU438は、上記S911又は上記S912の比較結果に基づいて、「印刷ズレ量」が「許容値」を越えるかどうかを判断する(第1判断)。
そして、上記S913にて、「印刷ズレ量」が「許容値」を越える(「印刷ズレ量」が「許容値」の範囲内にない)と判断した場合(S913でYes)、検品CPU438は、S914に処理を進める。
【0083】
S914では、検品CPU438は、「印刷ズレ」の通知及び印刷ズレが発生したページ番号を含む情報を印刷コントローラ20に送信(通知)し、S919に処理を進める。この通知により、印刷処理が中断される(第1印刷制御)。
一方、上記S913にて、「印刷ズレ量」が「許容値」を越えない(「印刷ズレ量」が「許容値」の範囲内にある)と判断した場合(S913でNo)、検品CPU438は、S915に処理を進める。
【0084】
S915では、検品CPU438は、印刷ズレ補正部436に、現在のスキャン画像データを印刷ズレ量分だけシフトする補正を実行させて、補正画像データ(第3画像データ)を生成させる(S915)。
【0085】
そして、検品CPU438は、比較判定部437に、上記S915で補正された補正画像データと基準画像データを比較させ、差分を検出させる(S916)。そして、比較判定部437は、上記S916で検出された差分と上記S901で受信した検品情報内の「検品判定閾値」とを比較し、差分が閾値を超えるかどうかを判断する(S917)。この判断により、印刷の掠れや滲み、汚れ等の印刷不良の有無が判断可能となる。
【0086】
そして、差分が閾値を越えると判断された場合(S917でYes)、検品CPU438は、S918に処理を進める。
S918では、検品CPU438は、印刷に掠れや滲みや汚れ等の印刷不良であると判断して、「検品結果NG」の通知及び検品結果NGが発生したページ番号を含む情報を印刷コントローラ20に送信(通知)する。そして、S919に処理を進める。なお、この通知により、印刷処理が中断される。
【0087】
一方、差分が閾値を越えないと判断された場合(S917でNo)、検品CPU438は、表面/裏面の両面の検品が終了したかどうかを判断し(S921)、両面が終了していないと判断した場合(S921でNo)、S907に処理を戻し、もう一方の面のスキャン画像データを処理する。
【0088】
一方、両面終了したと判断した場合(S921でYes)、検品CPU438は、上記S903で受信した印刷情報内のページ数と検品済みページ数を比較することで全ページの印刷が終了したかを判断する(S922)。なお、再印刷がなされた場合は、再印刷も含めて終了を判断する。
【0089】
そして、まだ全ページの印刷が終了していないと判断した場合(S922でNo)、検品CPU438は、S905に処理を戻す。
一方、全ページの印刷が終了したと判断した場合(S922でYes)、検品CPU438は、「検品終了」を印刷コントローラ20に通知して、本フローチャートの処理を終了する。
【0090】
なお、上記S914で「印刷ズレ」、又は、上記S918で「検品結果NG」を印刷コントローラ20に通知した後、検品CPU438は、印刷コントローラ20からの「リカバリ命令」又は「中止命令」の受信を待機する(S919、S920)。
【0091】
そして、印刷コントローラ20から「リカバリ命令」を受信したと判断した場合(S919でYes)。検品CPU438は、S905に処理を戻す。
一方、印刷コントローラ20から「中止命令」を受信したと判断した場合(S920でYes)。検品CPU438は、本フローチャートの処理を終了する。
なお、検品ユニット40が不図示の退避トレイを備える場合、印刷ズレ又は検品NGとなった印刷物のみ印刷装置で再印刷される。検品ユニット40では、印刷ズレ又は検品NGとなった印刷物のみNGトレイに廃棄し、その時点で印刷済みの後続ページの印刷物を退避トレイに退避させておき、再印刷物の搬入を待機する。そして、再印刷物が搬入されOK(印刷ズレも検品NGもない)と判断すると、該再印刷物を本来の順序に割り込ませて排出する。
【0092】
なお、検品ユニット40が退避トレイを備えていない場合、印刷ズレ又は検品NGとなった印刷物とその時点で印刷済みの後続ページの印刷物が印刷装置で再印刷される。検品ユニット40では、印刷ズレ又は検品NGとなった印刷物とその時点で印刷済みの後続ページの印刷物をNGトレイに廃棄し、再印刷物の搬入を待機する。
以上説明したように、実施例1によれば、中綴じ製本処理により処理されるシートの印刷不良を検査可能な印刷装置において、中央最内側ページ(図12における3、4ページ)であるのかどうかに応じて、印刷ズレ許容値を異ならせることができる。従って、中綴じ製本処理により処理されるシートの印刷不良を検査可能な印刷装置において印刷品質の向上と印刷不良率の低減を両立させる仕組みを提供することができる。
【実施例2】
【0093】
次に、本発明の実施例2について説明する。実施例2は実施例1の変形例であるので、下記で特に説明する部分を除いては、実施例1と同様であるものとする。
実施例1は、印刷装置70により印刷される複数枚のシートの各シートについて印刷ズレを検査するものであった。そのため、各シートにおける検査では印刷ズレ量が許容値を超えなければ、検品結果NGとはならない。しかしながら、検品結果がNGとならない場合であっても、見開き対象の一組のシートが逆方向(一方が上方、他方が下方)にズレていると印刷ズレ量は加算されてしまうため、相対的なズレ量は大きくなってしまう。
【0094】
そこで、実施例2では、見開き対象の一組のシートにおける相対的な印刷ズレ量が許容値を超えないかどうかを検査する構成とする。なお、検品コントローラ430の動作以外は、実施例1で説明した内容と同一となるため、以下では説明を省略する。
【0095】
以下、図13のフローチャートを用いて、検品コントローラ430の動作を説明する。
図13は、実施例2における検品コントローラ430の動作を説明するフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、検品コントローラ430の検品CPU438がROM439等に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0096】
検品CPU438は、印刷コントローラ20から送信される検品実施モードや検品判定閾値、印刷ズレ許容値、製本印刷ズレ許容値等の検品情報をインターフェース部431を介して受信する(S1301)。
【0097】
次に、検品CPU438は、上記S1301で受信した検品情報を解析し、検品実施モードであるかどうかを判断し(S1302)、検品実施モードでないと判断した場合(S1302でNo)、そのまま本フローチャートの処理を終了する。
【0098】
一方、上記S1302にて検品実施モードであると判断した場合(S1302でYes)、検品CPU438は、S1303に処理を進める。
S1303では、検品CPU438は、引き続き印刷コントローラ20から送信される、印刷する文書のページ数や用紙サイズ、片面/両面印刷、フィニッシングモード等の印刷情報を受信する。
【0099】
さらに、検品CPU438は、印刷コントローラ20から送信される基準画像データを受信し、基準画像データ記憶部432に格納する(S1304)。
次に、検品CPU438は、センサ420にて印刷物の搬入が検出されるまで待機し、センサ420にて印刷物の搬入が検出されたと判断した場合(S1305でYes)、S1306に処理を進める。
【0100】
S1306では、検品CPU438は、イメージリーダ410を動作させて印刷物の両面の画像をスキャンして画像データを生成し、該画像データをスキャン画像データ記憶部433に格納する。さらに、検品CPU438は、切り出し補正部434を動作させて、スキャン画像データからシートの位置を検出しシート上の画像データのみを切り出し、スキャン画像データ(第2画像データ)を生成する(S1306)。なお、両面印刷の場合は、表面及び裏面からそれぞれ画像データを切り出す。
【0101】
そして、検品CPU438は、上記S1306で切り出した表面又は裏面のスキャン画像データ(以下、現在のスキャン画像データ)と基準画像データ記憶部に格納されている対象の基準画像データとを印刷ズレ量演算部435に入力する。そして、印刷ズレ量演算部435にて印刷ズレ量を検出させる(S1307)。この際、印刷ズレ量演算部435は、印刷ズレ量を、ズレ方向とズレ量をもつベクトルとして検出する。
【0102】
次に、検品CPU438は、上記S1307で検出した印刷ズレ量をRAM440に格納する(S1308)。
次に、検品CPU438は、上記S1303で受信した印刷情報内のフィニッシングモードから現在のスキャン画像データが「中綴じ製本モード」のものかどうかを判断する(S1309)。そして、現在のスキャン画像データが「中綴じ製本モード」のものであると判断した場合(S1309でYes)、検品CPU438は、S1310に処理を進める。
【0103】
S1310では、検品CPU438は、上記S1303で受信した印刷情報内の、文書のページ数から、現在のスキャン画像データが「中央最内側ページ」に対応するかどうかを判断する。なお「中央最内側ページ」は、中綴じ製本処理を行った際に最も内側になるページを示し、中綴じ製本処理を行った際に左右のページが一枚の印刷物にて構成されるページとなる。例えば、図12(A)に示したような6ページの文書を印刷する印刷ジョブの場合、文書の3ページ及び4ページが印刷された印刷面から読み取られたスキャン画像データが「中央最内側ページ」に対応する。なお、検品CPU438は、印刷情報(文書のページ数等を含む)から、印刷装置70でのページレイアウトや印刷順等を判断し、何番目に搬入される印刷物のいずれの面が「中央最内側ページ」に対応するか判断可能である。
【0104】
上記S1310にて、現在のスキャン画像データが「中央最内側ページ」に対応しないと判断した場合(S1310でNo)、検品CPU438は、S1311に処理を進める。S1311では、検品CPU438は、対象ページの基準画像データを参照し、中央部周辺領域(中綴じ製本処理においてシートを2つ折りにする際の折部の周辺領域)に画像があるかどうかを判断する(S1311)。なお、ここで画像の有無を参照する上記中央部周辺領域は、上記折部を中心に製本印刷ズレ許容値(上記S1301で受信した検品情報内の製本印刷ズレ許容値)に対応する幅を有する領域とする。
【0105】
そして、上記S1311にて、中央の中折部周辺に画像があると判断した場合(S1311でYes)、検品CPU438は、印刷ズレ補正部436にて、上記S1307で検出した印刷ズレ量と検品情報内の製本印刷ズレ許容値とを比較させる(S1312)。すなわち、許容値として製本印刷ズレ許容値を用いる。
【0106】
また、「中綴じ製本モード」でない場合(S1309でNo)、「中央最内側ページ」に対応する場合(S1310でYes)、又は、中央の中折部周辺に画像がない場合(S1311でNo)、検品CPU438は、S1313に処理を進める。
【0107】
S1313では、検品CPU438は、印刷ズレ補正部436にて、上記S1307で検出した印刷ズレ量と検品情報内の印刷ズレ許容値とを比較させる。すなわち、許容値として印刷ズレ許容値を用いる。
【0108】
すなわち、上記S1309〜S1313では、検品CPU438は、印刷設定として中綴じ製本処理が指定されている場合、特定ページと他のページとで許容値を変更するように制御する。そして、上記S1312又はS1313の処理を終了すると、S1314に処理を進める。
【0109】
S1314では、検品CPU438は、上記S1312又は上記S1313の比較結果に基づいて、「印刷ズレ量」が「許容値」を越えるかどうかを判断する(第1判断)。なお、ここで比較する「印刷ズレ量」は、上記S1307で検出した印刷ズレ量を示すベクトルの大きさとする。
【0110】
そして、上記S1314にて、「印刷ズレ量」が「許容値」を越える(「印刷ズレ量」が「許容値」の範囲内にない)と判断した場合(S1314でYes)、検品CPU438は、S1315に処理を進める。
【0111】
S1315では、検品CPU438は、「印刷ズレ」の通知及び印刷ズレが発生した現在のシートのページ番号を含む情報を印刷コントローラ20に送信(通知)し、S1331に処理を進める。この通知により、印刷処理が中断される(第1印刷制御)。
【0112】
一方、上記S1314にて、「印刷ズレ量」が「許容値」を越えない(「印刷ズレ量」が「許容値」の範囲内にある)と判断した場合(S1314でNo)、検品CPU438は、S1316に処理を進める。
【0113】
S1316では、検品CPU438は、現在のスキャン画像データに対応するシートと製本処理時に向き合うシート(以下、見開き対象シート)が印刷済みであるかどうかを判断する(S1316)。そして、見開き対象シートが印刷済みでないと判断した場合(S1316でNo)、検品CPU438は、そのままS1327に処理を進める。なお、見開き対象シートとは、図12におけるSheet1に対するSheet2のことをいう。
【0114】
一方、上記S1316にて見開き対象シートが印刷済みであると判断した場合(S1316でYes)、検品CPU438は、見開き対象シートの現在のスキャン画像データに対応するページと製本処理時に向き合うページの印刷ズレ量(以下、見開き対象シートの印刷ズレ量)をRAM440から読み出す(S1317)。そして、検品CPU438は、上記S1317で読み出した見開き対象シートの印刷ズレ量とS1307で検出した印刷ズレ量(以下、現在のシートの印刷ズレ量)から相対的なズレ量を算出する(S1318)。なお、上記S1307に示したように、本実施例の印刷ズレ量は、ベクトルで算出されている。よって、上記S1317で読み出した見開き対象シートの印刷ズレ量をベクトルA、上記S1307で検出した現在のシートの印刷ズレ量をベクトルBとすると、相対的なズレ量は、ベクトルAとベクトルBの差を示すベクトルの大きさとして算出される。
【0115】
次に、検品CPU438は、上記S1318で算出した相対的なズレ量を検品情報内の製本印刷ズレ許容値とを比較させる(S1319)。すなわち、許容値として製本印刷ズレ許容値を用いる。
【0116】
S1320では、検品CPU438は、上記S1319の比較結果に基づいて、「印刷ズレ量」が「許容値」を越えるかどうかを判断する(第2判断)。
そして、上記S1320にて、「印刷ズレ量」が「許容値」を越える(「印刷ズレ量」が「許容値」の範囲内にない)と判断した場合(S1320でYes)、検品CPU438は、S1321に処理を進める。
【0117】
S1321では、検品CPU438は、RAMから読み出した見開き対象シートの印刷ズレ量(ベクトルの大きさ)と上記S1307で検出した現在のシート印刷ズレ量(ベクトルの大きさ)とを比較する。
【0118】
そして検品CPU438は、上記S1321の比較結果に基づいて、「見開き対象シートの印刷ズレ量(ベクトルの大きさ)」が「現在のシート印刷ズレ量(ベクトルの大きさ)」を越えるかどうかを判断する(S1322)。
【0119】
そして、上記S1322にて「見開き対象シートの印刷ズレ量(ベクトルの大きさ)」が「現在のシート印刷ズレ量(ベクトルの大きさ)」を越えると判断した場合(S1322でYes)、検品CPU438は、S1323に処理を進める。
【0120】
S1323では、検品CPU438は、退避トレイに格納されている見開き対象シートをNGトレイに排出し、現在のシートを退避トレイに格納する(S1323)。そして、検品CPU438は、「印刷ズレ」の通知及び印刷ズレが発生した見開き対象シートのページ番号を含む情報を印刷コントローラ20に送信(通知)する(S1324)。そして、S1331に処理を進める。なお、図示しないが、S1324の通知により、上記見開き対象シートがリカバリ印刷(再印刷)され、該リカバリ印刷されたシートについて、印刷ズレ及び相対的な印刷ズレの双方が許容値を超えなかった場合(S1314及びS1320でYesの場合)、まずこのシートをフィニッシャに搬送する。その後、上記S1323で退避トレイに格納したシートについて、S1327以降の処理を行うように制御する。このように制御することにより、シートの順序を保ってリカバリ印刷を行うことができる。また、変形例として、上記S1323にて、退避トレイに格納されている見開き対象シート、及び、現在のシートの双方をNGトレイに排出し、上記S1324にて、「印刷ズレ」の通知及び印刷ズレが発生したページ番号として、上記見開き対象シートのページ番号及び上記現在のシートページ番号の双方を印刷コントローラ20に送信するようにしてもよい。
【0121】
一方、上記S1322にて「見開き対象シートの印刷ズレ量(ベクトルの大きさ)」が「現在のシート印刷ズレ量(ベクトルの大きさ)」を越えないと判断した場合(S1322でNo)、検品CPU438は、S1325に処理を進める。
【0122】
S1325では、検品CPU438は、現在のシートをNGトレイに排出する。そして検品CPU438は、「印刷ズレ」の通知及び印刷ズレが発生した現在のシートのページ番号を含む情報を印刷コントローラ20に送信(通知)する(S1326)。そして、S1331に処理を進める。
【0123】
すなわち、上記S1321〜S1326にて、検品CPU438は、印刷ズレ量の大きい方のシートをNGトレイに排出し、該NGトレイに排出したシートの情報を印刷コントローラ20に送信(通知)して、そのシートの再印刷を可能にする。なお、この通知(上記S1324又はS1326この通知)により、印刷処理が中断される(第2印刷制御)。
【0124】
一方、上記S1320にて、「印刷ズレ量」が「許容値」を越えない(「印刷ズレ量」が「許容値」の範囲内にある)と判断した場合(S1320でNo)、検品CPU438は、S1327に処理を進める。
【0125】
S1327では、検品CPU438は、印刷ズレ補正部436に、現在のスキャン画像データを印刷ズレ量分だけシフトする補正を実行させて、補正画像データ(第3画像データ)を生成させる(S1327)。
【0126】
そして、検品CPU438は、比較判定部437に、上記S1327で補正された補正画像データと基準画像データを比較させ、差分を検出させる(S1328)。そして、比較判定部437は、上記S1328で検出された差分と上記S1301で受信した検品情報内の「検品判定閾値」とを比較し、差分が閾値を超えるかどうかを判断する(S1329)。この判断により、印刷の掠れや滲み、汚れ等の印刷不良の有無が判断可能となる。
【0127】
そして、差分が閾値を越えると判断された場合(S1329でYes)、検品CPU438は、S1330に処理を進める。
S1330では、検品CPU438は、印刷に掠れや滲みや汚れ等の印刷不良であると判断して、「検品結果NG」の通知及び検品結果NGが発生したページ番号を含む情報を印刷コントローラ20に送信(通知)する。そして、S1331に処理を進める。なお、この通知により、印刷処理が中断される。
【0128】
一方、差分が閾値を越えないと判断された場合(S1329でNo)、検品CPU438は、表面/裏面の両面の検品が終了したかどうかを判断し(S1333)、両面が終了していないと判断した場合(S1333でNo)、S1307に処理を戻し、もう一方の面のスキャン画像データを処理する。
【0129】
一方、両面終了したと判断した場合(S1333でYes)、検品CPU438は、退避トレイ(不図示)に格納されている見開き対象のシートをフィニッシャ50に搬送し(S1334)、S1335に処理を進める。なお、退避トレイに見開き対象のシートが格納されていない場合には、そのままS1335に処理を進める。
【0130】
そして、検品CPU438は、上記S1303で受信した印刷情報内のページ数と検品済みページ数を比較することで全ページの印刷が終了したかを判断する(S1335)。なお、再印刷がなされた場合は、再印刷も含めて終了を判断する。
【0131】
そして、まだ全ページの印刷が終了していないと判断した場合(S1335でNo)、検品CPU438は、現在のシートを退避トレイに格納し(S1336)、S1305に処理を戻す。
【0132】
一方、全ページの印刷が終了したと判断した場合(S1335でYes)、検品CPU438は、現在のシートをフィニッシャ50に搬送し(S1337)、「検品終了」を印刷コントローラ20に通知して(S1338)、本フローチャートの処理を終了する。
【0133】
なお、上記S1315、S1324及びS1326で「印刷ズレ」、又は、上記S1330で「検品結果NG」を印刷コントローラ20に通知した後、検品CPU438は、印刷コントローラ20からの「リカバリ命令」又は「中止命令」の受信を待機する(S1331、S1332)。
【0134】
そして、印刷コントローラ20から「リカバリ命令」を受信したと判断した場合(S1331でYes)。検品CPU438は、S1305に処理を戻す。
一方、印刷コントローラ20から「中止命令」を受信したと判断した場合(S1332でYes)。検品CPU438は、本フローチャートの処理を終了する。
以上説明したように、実施例2によれば、中綴じ製本処理により処理されるシートの印刷不良を検査可能な印刷装置において、中央最内側ページ(図12における3、4ページ)であるのかどうかに応じて、印刷ズレ許容値を異ならせることができる。さらに、見開き対象シートとの相対的な印刷ズレ量を比較して印刷不良を検査することができる。従って、中綴じ製本処理により処理されるシートの印刷不良を検査可能な印刷装置において印刷品質の向上と印刷不良率の低減を両立させる仕組みを提供することができる。
【0135】
(他の実施例)
上記実施例1及び2では、検品情報(「検品する/しない」、「検品判定閾値」、「印刷ズレ許容値」、「製本印刷ズレ許容値」等)の設定をホストコンピュータ上のプリンタドライバの設定画面で設定し、この設定を印刷コントローラ20に送信する構成を説明した。しかし、検品情報の設定を印刷装置70の操作部30で行うように構成してもよい。
【0136】
なお、印刷装置70にスキャナ部を設け、スキャナ部で読み取った画像データをプリンタエンジン10で印刷するコピージョブについても、検品処理を実行可能にしてもよい。また、印刷装置70にハードディスクドライブ部等の記憶装置を設け、該記憶装置に画像データを記憶可能にし、該記憶装置に記憶された画像データに基づく印刷ジョブ(ボックス印刷ジョブ)についても、検品処理を実行可能にしてもよい。なお、上記コピージョブやボックス印刷ジョブの場合、検品情報の設定を印刷装置70の操作部30で行うものとする。
【0137】
また、上記実施例1及び2では、「検品判定閾値」、「印刷ズレ許容値」、「製本印刷ズレ許容値」を任意に設定可能としたが、固定値を検品コントローラ430内のROM439等に記憶させておく構成でもよい。
【0138】
また、上記実施例1及び2では、印刷コントローラ20にて画像データを生成し、これを基準画像データとした。しかし、ホストコンピュータ90にて基準画像データを生成し、これを印刷コントローラ20に送信し、さらに印刷コントローラ20から検品コントローラ430に送信する構成でもよい。また、ホストコンピュータ90から直接、検品コントローラ430に基準画像データを送信する構成でもよい。
【0139】
また、上記実施例1及び2では、印刷ズレ発生時に、操作部30に印刷ズレ情報を表示し、操作部から「リカバリ印刷」か「印刷中止」を選択する構成とした。しかし、印刷ズレ情報を検品コントローラ430からホストコンピュータ90に送信し、ホストコンピュータ90上で「リカバリ印刷」か「印刷中止」を選択する構成でもよい。
【0140】
また、上記実施例1及び2では、検品結果NG発生時に、操作部30に検品結果を表示し、操作部から「リカバリ印刷」か「印刷中止」を選択するとした。しかし、検品結果を検品コントローラ430からホストコンピュータ90に送信し、ホストコンピュータ90上で「リカバリ印刷」か「印刷中止」を選択する構成でもよい。
【0141】
また、上記実施例1及び2では、中折部周辺に画像があるかどうかの領域の幅を「製本印刷ズレ許容値」と同じにしたが、これに限定されるものでなく、「製本印刷ズレ許容値」と異なる値を中折部周辺に画像があるかどうかの領域の幅として用いてもよい。
【0142】
また、上記実施例1及び2では、中折部周辺に画像があるかどうかを基準画像データを参照して判断したが、スキャン画像データを参照して判断するように構成してもよい。また、中折部周辺に画像があるかどうかの判断を印刷コントローラ20側で前もって行い、その判断結果を検品情報の一部として検品コントローラ430に送信し、この情報をもとに検品コントローラ430が判断する構成でもよい。さらに、ホストコンピュータ90側で中折部周辺に画像があるかどうかを判断し、この判断結果を印刷ジョブの一部として印刷コントローラ20に送信し、さらに検品情報として印刷コントローラ20から検品コントローラ430に送信し、この情報をもとに検品コントローラ430が判断する構成でもよい。また、ホストコンピュータ90から直接、検品コントローラ430に中折部周辺に画像があるかどうかの判断結果を送信する構成でもよい。
【0143】
また、上記実施例1及び2では、検品コントローラ430にて、印刷ズレの判断及び検品判定を行う構成を説明した。しかし、スキャン画像データを検品コントローラ430から印刷コントローラ20に送信し、印刷コントローラ20側で印刷ズレの判断及び検品判定等を行う構成でもよい。
【0144】
また、上記実施例1及び2では、印刷ズレ発生時もしくは検品結果NG時に、作業者が操作部30に表示されている「リカバリ印刷」か「印刷中止」を選択することで再印刷や印刷中止を行う構成を説明した。しかし、印刷ズレ発生時の動作、検品結果NG時の動作として、再印刷、印刷中止のいずれを行うかをそれぞれ予め設定しておくように構成してもよい。
【0145】
また、上記実施例1及び2では、検品ユニット40が印刷装置70に組み込まれたいわゆるインライン型の構成を説明した。しかし、この構成に限定されるものではなく、検品ユニット40と印刷装置70とが別ユニットとなる構成でもよい。
【0146】
(他の実施例2)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0147】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施例の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。即ち、上述した各実施例及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0148】
以上示したように、本発明の印刷装置は、中綴じ製本印刷時に2枚のシートに跨る連続した画像が存在する見開きページに対しては、印刷ズレの許容値を他のページより厳しくして検査する構成を有する。この構成により、見栄えの良い印刷出力物を得ることができ、また、印刷物の不良率の上昇を抑えることができ、印刷コストの増大や生産量の低下を防ぐことができる。従って、印刷不良を検査可能な印刷装置において、中綴じ製本処理が指定された印刷における印刷品質の向上と印刷不良率の低減を両立させることができる。この結果、製本印刷の印刷不良率の上昇を抑えながら、2枚のシートに跨る連続した画像が存在する見開きページがあっても、見栄えの良い印刷出力物を得ることができる。
【符号の説明】
【0149】
10 プリンタエンジン
20 印刷コントローラ
30 操作部
50 フィニッシャ
430 検品コントローラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数ページを含む第1画像データに基づいてシートに印刷処理を行う印刷手段と、
前記印刷手段により複数ページが印刷処理されたシートを読み取り第2画像データを生成する読取手段と、
前記第1画像データと前記第2画像データからシートに印刷された各ページの印刷ズレ量を検出する検出手段と、
前記検出手段で検出された前記各ページの印刷ズレ量が許容値の範囲内にあるかどうかを判断する第1判断手段と、
前記第1画像データに基づいて前記印刷処理を行う際の印刷設定として、各シートの同一面上に複数ページが印刷された複数のシートを重ねてその中央部を2つ折りにして綴じる中綴じ製本処理が設定されている場合、シートの折部の周辺領域に画像が存在する特定ページと他のページとで前記許容値を変更するように制御する制御手段と、
を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記特定ページは、前記中綴じ製本処理を行った際に、最も内側になるシートに印刷されたページを含まないことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記特定ページに対して用いる許容値は、前記他のページに対して用いる許容値を超えないことを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記特定ページに対して用いる許容値、及び、前記他のページに対して用いる許容値を設定する設定手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記第1判断手段により前記印刷ズレ量が前記許容値の範囲を超えていると判断された場合、前記印刷処理を中断するよう前記印刷手段を制御する第1印刷制御手段を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記第1印刷制御手段は、前記印刷ズレ量が前記許容値の範囲を超えていると判断されて前記印刷処理を中断した場合、前記印刷ズレ量が前記許容値の範囲を超えていると判断されたシートに対応するページの再印刷処理を行うように制御することを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記第1印刷制御手段は、前記印刷ズレ量が前記許容値の範囲を超えていると判断されて前記印刷処理を中断した場合、印刷ズレが発生した旨を操作者に通知し、前記印刷ズレ量が前記許容値の範囲を超えていると判断されたシートに対応するページの再印刷処理を行うか、前記印刷処理を中止するかの選択操作を受け付け、該選択操作に応じて、前記再印刷処理の実行する、又は、前記印刷処理を中止することを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記第1判断手段により前記印刷ズレ量が前記許容値の範囲を超えていないと判断された場合、前記第2画像データを、前記検出手段で検出された印刷ズレ量分だけシフトする補正を行って第3画像データを生成する印刷ズレ補正手段と、
前記印刷ズレ補正手段により生成された前記第3画像データと前記第1画像データとを比較して前記第3画像データと前記第1画像データとの差分を検出し、該検出した差分が閾値よりも大きいかどうかを判定する比較判定手段とを有し、
前記第1印刷制御手段は、前記比較判定手段により前記差分が閾値よりも大きいと判定された場合に、前記印刷処理を中断することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記第1印刷制御手段は、前記比較判定手段により前記差分が閾値よりも大きいと判定されて前記印刷処理が中断された場合、前記差分が閾値よりも大きいと判定されたシートに対応するページの再印刷処理を行うことを特徴とする請求項8に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記第1印刷制御手段は、前記比較判定手段により前記差分が閾値よりも大きいと判定されて前記印刷処理が中断された場合、印刷不良である旨を操作者に通知し、前記差分が閾値よりも大きいと判定されたシートに対応するページの再印刷処理を行うか、前記印刷処理を中止するかの選択操作を受け付け、該選択操作に応じて、前記再印刷処理の実行する、又は、前記印刷処理を中止することを特徴とする請求項8に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記検出手段で検出した印刷ズレ量を記憶する記憶手段と、
前記シートが特定ページに対応する場合に、前記検出手段で検出した印刷ズレ量と前記記憶手段に記憶されている前記特定ページのシートの見開き対象となるシートに対応する印刷ズレ量から相対的なズレ量を算出する算出手段と、
前記算出手段で算出された相対的な印刷ズレ量が許容値の範囲内にあるかどうかを判断する第2判断手段を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項12】
前記第2判断手段により前記相対的な印刷ズレ量が前記許容値の範囲を超えていると判断された場合、前記印刷処理を中断する第2印刷制御手段を有することを特徴とする請求項11に記載の印刷装置。
【請求項13】
前記第2印刷制御手段は、前記相対的な印刷ズレ量が前記許容値の範囲を超えていると判断されて前記印刷処理を中断した場合、前記相対的な印刷ズレ量が前記許容値の範囲を超えていると判断された前記特定のページ及び前記見開き対象となるシートに対応するページの再印刷処理を行うように制御することを特徴とする請求項12に記載の印刷装置。
【請求項14】
前記第2印刷制御手段は、前記相対的な印刷ズレ量が前記許容値の範囲を超えていると判断されて前記印刷処理を中断した場合、印刷ズレが発生した旨を操作者に通知し、前記相対的な印刷ズレ量が前記許容値の範囲を超えていると判断された前記特定のページ及び前記見開き対象となるシートに対応するページの再印刷処理を行うか、前記印刷処理を中止するかの選択操作を受け付け、該選択操作に応じて、前記再印刷処理の実行する、又は、前記印刷処理を中止することを特徴とする請求項12に記載の印刷装置。
【請求項15】
前記第1判断手段により前記印刷ズレ量が前記許容値の範囲を超えていないと判断された場合、又は、前記第2判断手段により前記相対的な印刷ズレ量が前記許容値の範囲を超えていないと判断された場合、前記第2画像データを、前記検出手段で検出された印刷ズレ量分だけシフトする補正を行って第3画像データを生成する印刷ズレ補正手段と、
前記印刷ズレ補正手段により生成された前記第3画像データと前記第1画像データとを比較して前記第3画像データと前記第1画像データとの差分を検出し、該検出した差分が閾値よりも大きいかどうかを判定する比較判定手段とを有し、
前記第2印刷制御手段は、前記比較判定手段により前記差分が閾値よりも大きいと判定された場合に、前記印刷処理を中断することを特徴とする請求項12乃至14のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項16】
前記第2印刷制御手段は、前記比較判定手段により前記差分が閾値よりも大きいと判定されて前記印刷処理が中断された場合、前記差分が閾値よりも大きいと判定されたシートに対応するページの再印刷処理を行うことを特徴とする請求項15に記載の印刷装置。
【請求項17】
前記第2印刷制御手段は、前記比較判定手段により前記差分が閾値よりも大きいと判定されて前記印刷処理が中断された場合、印刷不良である旨を操作者に通知し、前記差分が閾値よりも大きいと判定されたシートに対応するページの再印刷処理を行うか、前記印刷処理を中止するかの選択操作を受け付け、該選択操作に応じて、前記再印刷処理の実行する、又は、前記印刷処理を中止することを特徴とする請求項15に記載の印刷装置。
【請求項18】
前記第1画像データは、ホストコンピュータより入力された印刷データに基づいて生成された画像データ、又は、原稿から読み取られて生成された画像データであることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項19】
印刷装置の制御方法であって、
印刷手段が、複数ページの画像を含む第1画像データに基づいてシートに印刷処理を行う印刷ステップと、
読取手段が、前記印刷ステップで複数ページの画像が印刷処理されたシートを読み取り第2画像データを生成する読取ステップと、
検出手段が、前記第1画像データと前記第2画像データからシートに印刷された各ページの画像の印刷ズレ量を検出する検出ステップと、
第1判断手段が、前記検出ステップで検出された前記各ページの画像の印刷ズレ量が許容値の範囲内にあるかどうかを判断する第1判断ステップと、
制御手段が、前記第1画像データに基づいて前記印刷処理を行う際の印刷設定として、各シートの同一面上に複数ページの画像が印刷された複数のシートを重ねてその中央部を2つ折りにして綴じる中綴じ製本処理が設定されている場合、シートの折部の周辺領域に画像が存在する特定ページと他のページとで前記許容値を変更するように制御する制御ステップと、
を有することを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項20】
印刷装置に設けられたプロセッサを、請求項1乃至18のいずれか1項に記載の印刷装置の手段として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
複数ページを含む第1画像データに基づいてシートに印刷処理を行う印刷手段と、
前記印刷手段により複数ページが印刷処理されたシートを読み取り第2画像データを生成する読取手段と、
前記第1画像データと前記第2画像データからシートに印刷された各ページの印刷ズレ量を検出する検出手段と、
前記検出手段で検出された前記各ページの印刷ズレ量が許容値の範囲内にあるかどうかを判断する第1判断手段と、
前記第1画像データに基づいて前記印刷処理を行う際の印刷設定として、各シートの同一面上に複数ページが印刷された複数のシートを重ねてその中央部を2つ折りにして綴じる中綴じ製本処理が設定されている場合、シートの折部の周辺領域に画像が存在する特定ページと他のページとで前記許容値を変更するように制御する制御手段と、
を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記特定ページは、前記中綴じ製本処理を行った際に、最も内側になるシートに印刷されたページを含まないことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記特定ページに対して用いる許容値は、前記他のページに対して用いる許容値を超えないことを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記特定ページに対して用いる許容値、及び、前記他のページに対して用いる許容値を設定する設定手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記第1判断手段により前記印刷ズレ量が前記許容値の範囲を超えていると判断された場合、前記印刷処理を中断するよう前記印刷手段を制御する第1印刷制御手段を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記第1印刷制御手段は、前記印刷ズレ量が前記許容値の範囲を超えていると判断されて前記印刷処理を中断した場合、前記印刷ズレ量が前記許容値の範囲を超えていると判断されたシートに対応するページの再印刷処理を行うように制御することを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記第1印刷制御手段は、前記印刷ズレ量が前記許容値の範囲を超えていると判断されて前記印刷処理を中断した場合、印刷ズレが発生した旨を操作者に通知し、前記印刷ズレ量が前記許容値の範囲を超えていると判断されたシートに対応するページの再印刷処理を行うか、前記印刷処理を中止するかの選択操作を受け付け、該選択操作に応じて、前記再印刷処理の実行する、又は、前記印刷処理を中止することを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記第1判断手段により前記印刷ズレ量が前記許容値の範囲を超えていないと判断された場合、前記第2画像データを、前記検出手段で検出された印刷ズレ量分だけシフトする補正を行って第3画像データを生成する印刷ズレ補正手段と、
前記印刷ズレ補正手段により生成された前記第3画像データと前記第1画像データとを比較して前記第3画像データと前記第1画像データとの差分を検出し、該検出した差分が閾値よりも大きいかどうかを判定する比較判定手段とを有し、
前記第1印刷制御手段は、前記比較判定手段により前記差分が閾値よりも大きいと判定された場合に、前記印刷処理を中断することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記第1印刷制御手段は、前記比較判定手段により前記差分が閾値よりも大きいと判定されて前記印刷処理が中断された場合、前記差分が閾値よりも大きいと判定されたシートに対応するページの再印刷処理を行うことを特徴とする請求項8に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記第1印刷制御手段は、前記比較判定手段により前記差分が閾値よりも大きいと判定されて前記印刷処理が中断された場合、印刷不良である旨を操作者に通知し、前記差分が閾値よりも大きいと判定されたシートに対応するページの再印刷処理を行うか、前記印刷処理を中止するかの選択操作を受け付け、該選択操作に応じて、前記再印刷処理の実行する、又は、前記印刷処理を中止することを特徴とする請求項8に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記検出手段で検出した印刷ズレ量を記憶する記憶手段と、
前記シートが特定ページに対応する場合に、前記検出手段で検出した印刷ズレ量と前記記憶手段に記憶されている前記特定ページのシートの見開き対象となるシートに対応する印刷ズレ量から相対的なズレ量を算出する算出手段と、
前記算出手段で算出された相対的な印刷ズレ量が許容値の範囲内にあるかどうかを判断する第2判断手段を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項12】
前記第2判断手段により前記相対的な印刷ズレ量が前記許容値の範囲を超えていると判断された場合、前記印刷処理を中断する第2印刷制御手段を有することを特徴とする請求項11に記載の印刷装置。
【請求項13】
前記第2印刷制御手段は、前記相対的な印刷ズレ量が前記許容値の範囲を超えていると判断されて前記印刷処理を中断した場合、前記相対的な印刷ズレ量が前記許容値の範囲を超えていると判断された前記特定のページ及び前記見開き対象となるシートに対応するページの再印刷処理を行うように制御することを特徴とする請求項12に記載の印刷装置。
【請求項14】
前記第2印刷制御手段は、前記相対的な印刷ズレ量が前記許容値の範囲を超えていると判断されて前記印刷処理を中断した場合、印刷ズレが発生した旨を操作者に通知し、前記相対的な印刷ズレ量が前記許容値の範囲を超えていると判断された前記特定のページ及び前記見開き対象となるシートに対応するページの再印刷処理を行うか、前記印刷処理を中止するかの選択操作を受け付け、該選択操作に応じて、前記再印刷処理の実行する、又は、前記印刷処理を中止することを特徴とする請求項12に記載の印刷装置。
【請求項15】
前記第1判断手段により前記印刷ズレ量が前記許容値の範囲を超えていないと判断された場合、又は、前記第2判断手段により前記相対的な印刷ズレ量が前記許容値の範囲を超えていないと判断された場合、前記第2画像データを、前記検出手段で検出された印刷ズレ量分だけシフトする補正を行って第3画像データを生成する印刷ズレ補正手段と、
前記印刷ズレ補正手段により生成された前記第3画像データと前記第1画像データとを比較して前記第3画像データと前記第1画像データとの差分を検出し、該検出した差分が閾値よりも大きいかどうかを判定する比較判定手段とを有し、
前記第2印刷制御手段は、前記比較判定手段により前記差分が閾値よりも大きいと判定された場合に、前記印刷処理を中断することを特徴とする請求項12乃至14のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項16】
前記第2印刷制御手段は、前記比較判定手段により前記差分が閾値よりも大きいと判定されて前記印刷処理が中断された場合、前記差分が閾値よりも大きいと判定されたシートに対応するページの再印刷処理を行うことを特徴とする請求項15に記載の印刷装置。
【請求項17】
前記第2印刷制御手段は、前記比較判定手段により前記差分が閾値よりも大きいと判定されて前記印刷処理が中断された場合、印刷不良である旨を操作者に通知し、前記差分が閾値よりも大きいと判定されたシートに対応するページの再印刷処理を行うか、前記印刷処理を中止するかの選択操作を受け付け、該選択操作に応じて、前記再印刷処理の実行する、又は、前記印刷処理を中止することを特徴とする請求項15に記載の印刷装置。
【請求項18】
前記第1画像データは、ホストコンピュータより入力された印刷データに基づいて生成された画像データ、又は、原稿から読み取られて生成された画像データであることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項19】
印刷装置の制御方法であって、
印刷手段が、複数ページの画像を含む第1画像データに基づいてシートに印刷処理を行う印刷ステップと、
読取手段が、前記印刷ステップで複数ページの画像が印刷処理されたシートを読み取り第2画像データを生成する読取ステップと、
検出手段が、前記第1画像データと前記第2画像データからシートに印刷された各ページの画像の印刷ズレ量を検出する検出ステップと、
第1判断手段が、前記検出ステップで検出された前記各ページの画像の印刷ズレ量が許容値の範囲内にあるかどうかを判断する第1判断ステップと、
制御手段が、前記第1画像データに基づいて前記印刷処理を行う際の印刷設定として、各シートの同一面上に複数ページの画像が印刷された複数のシートを重ねてその中央部を2つ折りにして綴じる中綴じ製本処理が設定されている場合、シートの折部の周辺領域に画像が存在する特定ページと他のページとで前記許容値を変更するように制御する制御ステップと、
を有することを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項20】
印刷装置に設けられたプロセッサを、請求項1乃至18のいずれか1項に記載の印刷装置の手段として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−152745(P2011−152745A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−16571(P2010−16571)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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