説明

収穫機の走行伝動装置

【課題】操向クラッチを切り状態に維持したクラッチ切り旋回の他に、クラッチ切り旋回よりも旋回半径を大きく任意に変更調節した旋回走行を安定的に行なえるようにする。
【解決手段】左側の走行装置1Lに連動する変速伝動部50と、変速伝動部50に伝動する電動モータ70を設けてある。左用の操向クラッチ33及び右用の操向クラッチ43が入り状態において、左用の伝動部30の出力軸36からのエンジン駆動力と電動モータ70からの電動駆動力を合成して、左用の伝動部30の出力軸36よりも低速の合成駆動力を無段階に変速して発生させ、合成駆動力で左側の走行装置1Lを変速駆動する変速伝動状態と、左用の操向クラッチ33が切り状態で、右用の操向クラッチ43が入り状態において、左側の走行装置1Lを自由回転状態にする非伝動状態とに変速伝動部50を切換え自在である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収穫機の走行伝動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
収穫機の走行伝動装置として、従来、例えば特許文献1に記載されたものがあった。特許文献1に記載された走行伝動装置では、エンジンの出力軸から走行用無段変速装置および走行用副変速装置を介して伝動されるセンター伝動ギヤと、センター伝動ギヤに伝達された駆動力を分岐伝動軸から左操向クラッチを介して左走行装置に伝達する伝動部と、センター伝動ギヤに伝達された駆動力を分岐伝動軸から右操向クラッチを介して右走行装置に伝達する伝動部と、左走行装置に対する伝動部に設けた操向ブレーキと、右走行装置に対する伝動部に設けた操向ブレーキとを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−192972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
たとえばコンバインの場合、主として回り刈り作業の形態で作業が行われ、作業箇所の角部において、走行機体を旋回走行させながら旋回後の作業箇所に対する刈取り部の条合わせを行なわれる。従来、旋回内側の走行装置に対応する操向クラッチを切り状態に切換えて旋回しようとした場合、旋回内側の走行装置が伝動切り状態に維持することによる大きさの旋回半径しか現出されず、走行機体が急角度で向き変化して刈取り部が急激に大きく振れ動き、条合わせを行いにくい場合があった。
【0005】
また、旋回内側の走行装置が自由回転状態になることから、旋回内側の走行装置が旋回抵抗の大きさの変化に起因して回転したり停止したりして現出される旋回半径の大きさが変化し、条合わせを行いにくい場合があった。さらに、旋回内側の走行装置の伝動がオンからオフに切り換わることによるショックが発生しがちであった。操向クラッチが噛み合いクラッチの場合、ショックがより発生しやすい。
【0006】
旋回走行を行なわせる間、操向クラッチを切り状態に維持操作させるのではなく、操向クラッチを切り状態と入り状態とに繰り返して切換え制御させることにより、操向クラッチを切り状態に維持した旋回(以下、クラッチ切り旋回と称する。)とは異なる大きさの旋回半径を現出させるとか、クラッチ切り旋回とは異なる大きさの旋回半径であって、大きさを変更調整した旋回半径を現出させようとした場合、旋回走行をスムーズに行いにくい問題があった。
すなわち、操向クラッチの入り状態と切り状態の切り換わりによって発生する伝動のオン、オフに起因してショックが発生しがちになる。操向クラッチが入り状態になって伝動がオンになった時と、操向クラッチが切り状態になって伝動がオフになった時とで旋回半径の大きさが相違して、旋回半径が安定しにくい。
【0007】
本発明の目的は、操向クラッチを切り状態に維持したクラッチ切り旋回を行えるのみならず、クラッチ切り旋回の旋回半径とは大きさが異なるとともに大きさを任意に変更調整した旋回走行を安定的に行うことができる収穫機の走行伝動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本第1発明は、収穫機の走行伝動装置であって、
エンジンからの駆動力を左側の走行装置の駆動輪体に出力する出力軸を備えるとともに前記出力軸に作用する左用の操向クラッチを備えた左用の伝動部と、前記エンジンからの駆動力を右側の走行装置の駆動輪体に出力する出力軸を備えるとともに前記出力軸に作用する右用の操向クラッチを備えた右用の伝動部と、前記左側の走行装置と前記右側の走行装置の一方の走行装置の前記駆動輪体に連動する出力回転体を備えた変速伝動部と、前記変速伝動部に伝動する電動モータとを設け、
前記左用の操向クラッチ及び前記右用の操向クラッチが入り状態に操作された状態において、前記出力回転体が連動する方の走行装置の前記駆動輪体と前記出力回転体が連動する方の走行装置に対応する前記伝動部の前記出力軸とを等速回転させる等速伝動状態と、
前記左用の操向クラッチ及び前記右用の操向クラッチが入り状態に操作された状態において、前記出力回転体が連動する方の走行装置に対応する前記伝動部の前記出力軸から入力するエンジン駆動力と前記電動モータから入力する電動駆動力とを合成して、前記出力回転体が連動しない方の走行装置に対応する前記伝動部の前記出力軸よりも低速の合成駆動力を無段階に変速して発生させ、発生させた合成駆動力を前記出力回転体から出力して前記出力回転体が連動する方の走行装置の前記駆動輪体を変速駆動する変速伝動状態と、
前記出力回転体が連動する方の走行装置に対応する前記操向クラッチが切り状態に操作され、前記出力回転体が連動しない方の走行装置に対応する前記操向クラッチが入り状態に操作された状態において、前記出力回転体が連動する方の走行装置の前記駆動輪体を自由回転状態にする非伝動状態とに前記変速伝動部を切換え操作自在に構成してある。
【0009】
本第1発明の構成によると、左用の操向クラッチ及び右用の操向クラッチを入り状態に操作するとともに変速伝動部を等速伝動状態に変速操作すれば、変速伝動部の出力回転体が連動しない方の走行装置の駆動輪体は、この走行装置に対応する伝動部の出力軸からの伝動によって駆動され、変速伝動部の出力回転体が連動する方の走行装置の駆動輪体は、この走行装置に対応する伝動部の出力軸によってこの出力軸と等速で駆動される。変速伝動部の出力回転体が連動しない方の走行装置に対応する伝動部の出力軸と、変速伝動部の出力回転体が連動する方の走行装置に対応する伝動部の出力軸とが同じ速度で駆動されるから、左側の走行装置と右側の走行装置を同じ速度で駆動して、走行機体を直進走行させることができる。
【0010】
左用の操向クラッチ及び右用の操向クラッチを入り状態に操作するとともに変速伝動部を変速伝動状態に変速操作すれば、変速伝動部の出力回転体が連動しない方の走行装置の駆動輪体は、この走行装置に対応する伝動部の出力軸からの伝動によって駆動される。変速伝動部の出力回転体が連動する走行装置の駆動輪体は、変速伝動部からの合成駆動力により、変速伝動部の出力回転体が連動しない方の走行装置に対応する伝動部の出力軸よりも低速で無段階に変速して駆動されるから、左側の走行装置と右側の走行装置のうちの変速伝動部の出力回転体が連動しない方の走行装置を一定速度で駆動しながら、変速伝動部の出力回転体が連動する方の走行装置を変速伝動部が連動しない方の走行装置よりも低速で無段階に変速駆動しながら走行機体を走行させることができる。
【0011】
変速伝動部の出力回転体が連動しない方の走行装置に対応する操向クラッチを入り状態に操作し、変速伝動部の出力回転体が連動する方の走行装置に対応する操向クラッチを切り状態に操作するとともに変速伝動部を非伝動状態に変速操作すれば、変速伝動部の出力回転体が連動しない方の走行装置の駆動輪体は、この走行装置に対応する伝動部の出力軸からの伝動によって駆動される。これに対し、変速伝動部の出力回転体が連動する走行装置の駆動輪体は、自由回転状態に操作されるから、左側の走行装置と右側の走行装置のうちの変速伝動部の出力回転体が連動しない方の走行装置を一定速度で駆動しながら、変速伝動部の出力回転体が連動する方の走行装置を自由回転状態にしながら走行機体を走行させることができる。
【0012】
従って、たとえばコンバインの場合、一般に左旋回の回り刈り作業の形態で作業を行われることから、左側の走行装置の駆動輪体に変速伝動部の出力回転体が連動された走行伝動装置を採用することにより、作業箇所の角部などにおいて、左側の走行装置を自由回転状態に維持したクラッチ切り旋回で走行機体を旋回走行させることができるのみならず、左側の走行装置を右側の走行装置よりも低速で無段階に変速駆動して、クラッチ切り旋回の旋回半径とは大きさが異なる旋回半径であって、大きさを無段階に変更調整した旋回半径を現出させて旋回走行させることができ、しかも左側の走行装置に対する伝動切れを発生させずに済んで、伝動切れに起因するショックや旋回半径の変化が発生しない安定した状態で旋回走行させることができ、刈取り対象の植立穀稈に対する条合わせを精度よく迅速に行ないながら旋回走行することができる。このように、旋回半径の大きさを微細に調節して、かつ伝動及び旋回半径を安定させて、快適に旋回走行して能率よく作業を行わせることができる。
【0013】
本第2発明では、前記電動モータの出力軸に連動されたサンギヤと、前記出力回転体が連動する走行装置に対応する前記伝動部の前記出力軸に連動されたリングギヤと、前記出力回転体に連動されたキャリヤとを備えて、前記変速伝動部を構成してある。
【0014】
本第2発明の構成によると、変速伝動部を遊星形に構成してコンパクトに得ることができる。
【0015】
従って、クラッチ切り旋回を行えるのみならず、クラッチ切り旋回と異なる旋回半径を任意に変更調節した旋回走行を安定的に行うことができるものを、コンパクトであって小型の収穫機でも有利に装備することができる。
【0016】
本第3発明では、前記左用の伝動部及び前記右用の伝動部を収容する伝動ケースと、前記変速伝動部を収容する変速ケースを各別に形成して備えてある。
【0017】
本第3発明の構成によると、例えば左用の伝動部、右用の伝動部及び伝動ケースを備える伝動上手側部分を、変速伝動部及び変速ケースを備える伝動下手側部分の組み付けを行なっていない状態で走行機体に取り付け、走行機体に対する取付けを終えた伝動上手側部分に伝動下手側部分を組み付ける方法を採用し、走行伝動装置の全体の組み立て及び走行機体に対する取付けを行なうことができる。
【0018】
従って、例えば小型機であるなどにより、走行伝動装置の完成状態での走行機体に対する取り付けが行いにくい収穫機の場合でも、伝動上手側部分だけを既に備えている収穫機の場合でも、走行伝動装置の全体の取り付けや伝動下手側部分の後付けを容易に行ない、クラッチ切り旋回のみならず、クラッチ切り旋回とは異なる大きさの旋回半径であって微細に変更調節した旋回半径を現出させて有利に旋回走行させることができる状態に安価にかつ組み立て容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】収穫機の全体を示す側面図である。
【図2】走行伝動装置を示す線図である。
【図3】操向クラッチ、操向ブレーキ及び変速伝動部の操作系を示す油圧回路図とブロック図である。
【図4】左用の変速伝動部を示す縦断面図である。
【図5】操向クラッチ、操向ブレーキ、クラッチ体及び電動モータの操作状態と変速伝動部の変速状態との関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例に係る収穫機の全体を示す側面図である。この図に示すように、本発明の実施例に係る収穫機は、左右一対のクローラ式の走行装置1L,1Rを有し、かつ運転座席2aが装備された搭乗形の運転部2を有した走行機体と、この走行機体の機体フレーム3の前部に連結された刈取り部4と、機体フレーム3の後部に走行機体横方向に並べて設けた脱穀装置5、穀粒タンク6とを備えて構成してある。
【0021】
この収穫機は、稲、麦などの収穫作業を行なう。
すなわち、走行機体は、運転座席2の下方に設けたエンジン7を有した原動部を備え、エンジン7からの駆動力によって左右一対の走行装置1L,1Rを駆動して走行する。
【0022】
刈取り部4は、機体フレーム3の前部から上下揺動自在に延出された刈取り部フレーム4aを備え、この刈取り部フレーム4aが油圧シリンダ16によって揺動操作されることにより、刈取り部4の前端部に位置する分草具4b、及び分草具4bの後方に位置するバリカン形の刈取装置4cが地面近くに下降した下降作業姿勢と、分草具4b及び刈取装置4cが地面から高く上昇した上昇作業姿勢とに昇降する。
【0023】
つまり、刈取り部4を下降作業姿勢に下降させて走行機体を走行させると、刈取り部4は、分草具4bからの植立穀稈を引起し処理しながら刈取り装置4cによって刈取り処理し、刈取り穀稈を機体後方向きに搬送して脱穀装置5に供給する。脱穀装置5は、刈取り部4から供給された刈取り穀稈の株元側を脱穀フィードチェーン5aによって後方向きに搬送し、刈取り穀稈の穂先側を扱室(図示せず)に供給して脱穀処理する。穀粒タンク6は、脱穀装置5から搬出された脱穀粒を回収して貯留し、貯留した脱穀粒を穀粒排出オーガ8によって搬出する。
【0024】
複数の分草具4bのうちの最も走行機体左側に位置する分草具4bの先端の走行機体横方向での位置と、左側の走行装置1Lのクローラベルト1aの左端の走行機体横方向での位置とをほぼ同じに設定してあり、回り刈り作業の形態で作業を行なう場合、走行機体を左旋回で走行させることにより、未刈り地側の植立穀稈の走行装置1Lによる踏み付けを回避しやすい。
【0025】
走行装置1L,1Rに動力伝達する走行伝動装置10について説明する。
図2は、走行伝動装置10を示す線図である。この図に示すように、走行伝動装置10は、走行機体上下方向に長い形状の伝動ケース11と、この伝動ケース11の下部の左横側に連なる変速ケース12と、伝動ケース11の上部の横側に連設された主変速装置21を有した左右用の変速伝動部20と、この左右用の変速伝動部20が備える分岐伝動ギヤ24からの駆動力を左側の走行装置1Lのクローラベルト1aを駆動する駆動輪体13Lに伝達するように伝動ケース11の下部に収容した左用の伝動部30と、分岐伝動ギヤ24からの駆動力を右側の走行装置1Rのクローラベルト1aを駆動する駆動輪体13Rに伝達するように伝動ケース11の下部に収容した右用の伝動部40と、変速ケース12に収容した左用の変速伝動部50と、変速ケース12の上部の右横側に支持させた電動モータ70とを備えて構成してある。
【0026】
図4に示すように、伝動ケース11と変速ケース12は、各別に形成し、左用の伝動部30に設けた出力軸36が位置する部位で伝動ケース11と変速ケース12の連結面11a,12aどうしが突き合う状態で連結ボルトによって締め付け連結してある。
【0027】
左右用の変速伝動部20は、主変速装置21を備える他、主変速装置21の出力軸としてのモータ軸21aに入力ギヤ23aが連動している副変速装置23と、副変速装置23の出力ギヤ23bに噛合っている分岐伝動ギヤ24とを備えて構成してある。
【0028】
主変速装置21は、可変容量形のアキシャルプランジャポンプPと、このアキシャルプランジヤポンプPからの圧油によって駆動されるアキシャルプランジャモータMとを備えて成る静油圧式無段変速装置によって構成してある。アキシャルプランジャポンプPのポンプ軸21bは、左右用の変速伝動部20の入力軸を構成しており、エンジン7の出力軸7aに伝動ベルト25を介して連動されている。
【0029】
副変速装置23は、入力軸23cに一体回転及びシフト操作自在に設けたシフトギヤ23dと、出力軸23eに一体回転自在に設けた出力ギヤ23bに兼用の変速ギヤと、この変速ギヤの両横側に分散配置して出力軸23eに一体回転自在に設けた2つの変速ギヤ23f,23gとを備えて構成してあり、シフトギヤ23dがシフト操作されて出力ギヤ23bと2つの変速ギヤ23f,23gに掛け換えられることにより、高速と中速と低速の三段階の変速状態に切り換わる。
【0030】
したがって、左右用の変速伝動部20は、エンジン7が出力軸7aから出力する駆動力を伝動ベルト25とポンプ軸21bによって主変速装置21に入力して前進側の駆動力と後進側の駆動力に変換するとともに前進側の駆動力も後進側の駆動力も無段階に変速してモータ軸21aから出力し、モータ軸21aからの前進側及び後進側の駆動力を、入力ギヤ23aによって副変速装置23に入力して高速と中速と低速の三段階に変速して出力ギヤ23bから分岐伝動ギヤ24に伝達する。
【0031】
左用の伝動部30は、分岐伝動ギヤ24を相対回転自在に支持する支軸31に相対回転及びシフト操作自在に設けた左操向ギヤ32と、この左操向ギヤ32のボス部の一方の端部と分岐伝動ギヤ24の横側部とにわたって設けた噛み合い形式の左用の操向クラッチ33と、左操向ギヤ32に伝動ギヤ34を介して連動する出力ギヤ35と、この出力ギヤ35が一体回転自在に連結している出力軸36と、左操向ギヤ32のボス部の左用の操向クラッチ33が位置する側とは反対側の端部と伝動ケース11に設けられたブレーキケース部14にわたって設けた湿式かつ多板式の左用の操向ブレーキ37とを備えて構成してある。
【0032】
左操向ギヤ32は、伝動ケース11に揺動操作自在に支持された左シフター38によってシフト操作されることにより、分岐伝動ギヤ24の近くに設定したクラッチ位置と、このクラッチ位置の隣に設定した中立位置と、この中立位置に対してクラッチ位置とは反対側に設定したブレーキ位置とに切り換わる。
【0033】
左操向ギヤ32は、クラッチ位置に操作された場合、左用の操向クラッチ33を入り状態に操作し、左用の操向ブレーキ37を切り状態に操作する。左操向ギヤ32は、中立位置に操作された場合、左用の操向クラッチ33及び左用の操向ブレーキ37を切り状態に操作する。左操向ギヤ32は、ブレーキ位置に操作された場合、左用の操向クラッチ33を切り状態に操作し、左用の操向ブレーキ37を入り状態に操作する。左操向ギヤ32は、シフト操作されると伝動ギヤ34の入力ギヤ部34aに対して摺動するが、クラッチ位置と中立位置とブレーキ位置のいずれに操作されても、伝動ギヤ34の入力ギヤ部34aに対する噛み合い状態を維持する。
【0034】
従って、左用の伝動部30は、左操向ギヤ32がクラッチ位置に操作された場合、主変速装置21及び副変速装置23によって分岐伝動ギヤ24に伝達されたエンジン7からの駆動力を、左用の操向クラッチ33、左操向ギヤ32及び伝動ギヤ34を介して出力ギヤ35に伝達して出力軸36を駆動する。
【0035】
左用の伝動部30は、左操向ギヤ32が中立位置に操作された場合、出力ギヤ35に対する伝動を絶つとともに、左操向ギヤ32に左用の操向ブレーキ37を作用させず、出力軸36を自由回転状態にする。
【0036】
左用の伝動部30は、左操向ギヤ32がブレーキ位置に操作された場合、出力ギヤ35に対する伝動を絶つとともに、左用の操向ブレーキ37を左操向ギヤ32、伝動ギヤ34及び出力ギヤ35を介して出力軸36に作用させ、出力軸36を制動状態にする。
【0037】
右用の伝動部40は、分岐伝動ギヤ24を相対回転自在に支持する支軸31に相対回転及びシフト操作自在に設けた右操向ギヤ42と、この右操向ギヤ42のボス部の一方の端部と分岐伝動ギヤ24の横側部とにわたって設けた噛み合い形式の右用の操向クラッチ43と、右操向ギヤ42に伝動ギヤ44を介して連動する出力ギヤ45と、この出力ギヤ45が一体回転自在に連結している出力軸46と、右操向ギヤ42のボス部の右用の操向クラッチ43が位置する側とは反対側の端部と伝動ケース11に設けられたブレーキケース部14にわたって設けた湿式かつ多板式の右用の操向ブレーキ47とを備えて構成してある。
【0038】
右操向ギヤ42は、伝動ケース11に揺動操作自在に支持された右シフター48によってシフト操作されることにより、分岐伝動ギヤ24の近くに設定したクラッチ位置と、このクラッチ位置の隣に設定した中立位置と、この中立位置に対してクラッチ位置とは反対側に設定したブレーキ位置とに切り換わる。
【0039】
右操向ギヤ42は、クラッチ位置に操作された場合、右用の操向クラッチ43を入り状態に操作し、右用の操向ブレーキ47を切り状態に操作する。右操向ギヤ42は、中立位置に操作された場合、右用の操向クラッチ43及び右用の操向ブレーキ47を切り状態に操作する。右操向ギヤ42は、ブレーキ位置に操作された場合、右用の操向クラッチ43を切り状態に操作し、右用の操向ブレーキ47を入り状態に操作する。右操向ギヤ42は、シフト操作されると伝動ギヤ44の入力ギヤ部44aに対して摺動するが、クラッチ位置と中立位置とブレーキ位置のいずれに操作されても、伝動ギヤ44の入力ギヤ部44aに対する噛み合い状態を維持する。
【0040】
従って、右用の伝動部40は、右操向ギヤ42がクラッチ位置に操作された場合、主変速装置21及び副変速装置23によって分岐伝動ギヤ24に伝達されたエンジン7からの駆動力を、右用の操向クラッチ43、右操向ギヤ42及び伝動ギヤ44を介して出力ギヤ45に伝達して出力軸46を駆動し、この出力軸46によって右側の走行装置1Rを駆動する。
【0041】
右用の伝動部40は、右操向ギヤ42が中立位置に操作された場合、出力ギヤ45に対する伝動を絶つとともに、右操向ギヤ42に右用の操向ブレーキ47を作用させず、出力軸46を自由回転状態にして、右側の走行装置1Rを自由回転状態にする。
【0042】
右用の伝動部40は、右操向ギヤ42がブレーキ位置に操作された場合、出力ギヤ45に対する伝動を絶つとともに、右用の操向ブレーキ47を右操向ギヤ42、伝動ギヤ44及び出力ギヤ45を介して出力軸46に作用させ、出力軸46を制動状態にして右側の走行装置1Rを制動状態にする。
【0043】
図4は、左用の変速伝動部50を示す縦断面図である。この図に示すように、左用の変速伝動部50は、変速ケース12に回転自在に支持されるサンギヤ軸51に一体回転自在に設けたサンギヤ52、サンギヤ軸51に相対回転自在に支持されるリングギヤ53、サンギヤ52及びリングギヤ53に噛合う複数の遊星ギヤ54、複数の遊星ギヤ54を回転自在に支持するキャリヤ55を備えた遊星機構56と、左用の伝動部30における出力軸36の端部36aに一体回転及び摺動操作自在に設けたクラッチ体57とを備えて構成してある。
【0044】
サンギヤ軸51は、リングギヤ53を支持する部位に対してサンギヤ52が位置する側とは反対側の部位に一体回転自在に設けた大径ギヤ60と、この大径ギヤ60に噛合う小径ギヤ61と、この小径ギヤ61を一体回転自在に支持する支軸62に一体回転自在に設けた大径ギヤ63とを備えた減速伝動機構64を介して、電動モータ70の出力軸71に一体回転自在に設けた出力ギヤ72に連動させてある。リングギヤ53は、このリングギヤ53のボス部に一体回転自在に設けた入力ギヤ65と、この入力ギヤ65に噛合う状態で左用の伝動部30における出力軸36に一体回転自在に設けた動力取出しギヤ66とを介して出力軸36に連動させてある。キャリヤ55に、キャリヤ55のボス部に一体成形したギヤで成る出力回転体67を備えてある。この出力回転体67に噛合う伝動ギヤ68を左側の走行装置1Lの駆動輪体13Lの回転支軸15に一体回転自在に設けてあり、出力回転体67は、伝動ギヤ68及び回転支軸15を介して左側の走行装置1Lの駆動輪体13Lに連動している。
【0045】
クラッチ体57は、変速ケース12の下部に揺動操作自在に支持されるシフター80によってシフト操作されることにより、出力軸36と回転支軸15の端部15aとにわたって外嵌された入り状態と、回転支軸15の端部15aから外れた切り状態とに切換えられる。
【0046】
クラッチ体57は、入り状態に操作された場合、出力軸36の端部36aと回転支軸15の端部15aに係合して出力軸36と回転支軸15を一体回転自在に連結することにより、左側の走行装置1Lの駆動輪体13Lを出力軸36に一体回転自在に連結する。クラッチ体57は、切り状態に操作された場合、出力軸36と回転支軸15の連結を解除し、左側の走行装置1Lの駆動輪体13Lと出力軸36を相対回転状態にする。
【0047】
したがって、左用の変速伝動部50は、左用の操向クラッチ33と左用の操向ブレーキ37と右用の操向クラッチ43及び右用の操向ブレーキ47の操作状態に対応させて、かつ右側の走行装置1Rの駆動速度および駆動方向に対応させてクラッチ体57及び電動モータ70が適切に操作されることにより、等速伝動状態と第1の変速伝動状態(請求項1に記載の変速伝動状態に相当)と非伝動状態と第2の変速伝動状態と非変速状態と逆転伝動状態に変速操作され、左側の走行装置1Lを右側の走行装置1Rと同じ速度で駆動したり、左側の走行装置1Lを右側の走行装置1Rよりも低速で無段階に変速駆動したり、左側の走行装置1Lを自由回転状態に操作したり、左側の走行変速装置1Lを右側の走行装置1Rとは逆回転方向に駆動したりする。
【0048】
すなわち、図5は、左用の操向クラッチ33と左用の操向ブレーキ37と右用の操向クラッチ43と右用の操向ブレーキ47とクラッチ体57及び電動モータ70の操作状態と、左用の変速伝動部50の変速状態との関係を示す説明図である。図5に示す「○」は、左用の操向クラッチ33、左用の操向ブレーキ37、右用の操向クラッチ43、右用の操向ブレーキ47、クラッチ体57の入り状態を示す。図5に示す「−」は、左用の操向クラッチ33、左用の操向ブレーキ37、右用の操向クラッチ43、右用の操向ブレーキ47、クラッチ体57の切り状態を示す。図5に示す「オフ」は、電動モータ70の停止を示し、図5に示す「オン」は、電動モータ70の駆動を示す。
【0049】
この図に示すように、左操向ギヤ32がクラッチ位置に操作されて左用の操向クラッチ33が入り状態で、左用の操向ブレーキ37が切り状態に操作され、右操向ギヤ42がクラッチ位置に操作されて右用の操向クラッチ43が入り状態で、右用の操向ブレーキ47が切り状態に操作された状態において、クラッチ体57が入り状態に操作され、電動モータ70が停止操作されることにより、左用の変速伝動部50は、等速伝動状態になる。
【0050】
左用の変速伝動部50は、等速伝動状態に変速操作された場合、電動モータ70が停止し、左用の伝動部30の出力軸36と左側の走行装置1Lの回転支軸15とがクラッチ体57によって連結されていることにより、左用の伝動部30の出力軸36と左側の走行装置1Lの駆動輪体13Lを等速回転させて、左側の走行装置1Lを右側の走行装置1Rと同じ駆動速度で右側の走行装置1Rと同じ回転方向に駆動させる。
【0051】
左操向ギヤ32がクラッチ位置に操作されて左用の操向クラッチ33が入り状態で、左用の操向ブレーキ37が切り状態に操作され、右操向ギヤ42がクラッチ位置に操作されて右用の操向クラッチ43が入り状態で、右用の操向ブレーキ47が切り状態に操作された状態において、クラッチ体57が切り状態に操作され、電動モータ70が右側の走行装置1Rの駆動速度及び駆動方向に対応した適切な回転方向に適切な回転数で駆動されることにより、左用の変速伝動部50は、第1の変速伝動状態(請求項1に記載の変速伝動状態に相当)になる。
【0052】
左用の変速伝動部50は、第1の変速伝動状態に変速操作された場合、左用の伝動部30の出力軸36に伝達されたエンジン駆動力を動力取出しギヤ66と入力ギヤ65によってリングギヤ53に入力し、電動モータ70が出力する電動駆動力を減速伝動機構64とサンギヤ軸51によってサンギヤ52に入力し、入力したエンジン駆動力と電動駆動力を合成して、左用の伝動部30及び右用の伝動部40の出力軸36,46よりも低速の合成駆動力を発生させ、発生させた合成駆動力を出力回転体67から伝動ギヤ68に出力して、左側の走行装置1Lの駆動輪体13Lを右側の走行装置1Rの駆動輪体13Rよりも低速で右側の走行装置1Rの駆動輪体13Rと同じ回転方向に駆動する。このとき、左用の変速伝動部50は、電動モータ70の回転数変更が行なわれることにより、発生させる合成駆動力の回転数を無段階に変更し、左側の走行装置1Lの駆動輪体13Lを右側の走行装置1Rの駆動輪体13Rよりも低速で無段階に変速して駆動する。つまり、左用の変速伝動部50は、左側の走行装置1Lを右側の走行装置1Rよりも低速で右側の走行装置1Rと同じ駆動方向に無段階に変速して駆動する。
【0053】
左操向ギヤ32が中立位置に操作されて左用の操向クラッチ33及び左用の操向ブレーキ37が切り状態に操作され、右操向ギヤ42がクラッチ位置に操作されて右用の操向クラッチ43が入り状態で、右用の操向ブレーキ47が切り状態に操作された状態において、クラッチ体57が入り状態に操作され、電動モータ70が停止操作されることにより、左用の変速伝動部50は、非伝動状態になる。
【0054】
左用の変速伝動部50は、非伝動状態に変速操作された場合、電動モータ70が停止し、左用の伝動部30の出力軸36が自由回転状態にあることにより、左側の走行装置1Lの駆動輪体13Lを自由回転状態にする。つまり、左用の変速伝動部50は、右側の走行装置1Rの駆動輪体13Rが駆動されているのに対して、左側の走行装置1Lを自由回転状態にする。
【0055】
左操向ギヤ32がブレーキ位置に操作されて左用の操向クラッチ33が切り状態で、左用の操向ブレーキ37が入り状態に操作され、右操向ギヤ42がクラッチ位置に操作されて右用の操向クラッチ43が入り状態で、右用の操向ブレーキ47が切り状態に操作された状態において、クラッチ体57が切り状態に操作され、電動モータ70が右側の走行装置1Rの駆動速度及び駆動方向に対応した適切な回転方向に適切な回転数で駆動されることにより、左用の変速伝動部50は、第2の変速伝動状態になる。
【0056】
左用の変速伝動部50は、第2の変速伝動状態に変速操作された場合、左用の伝動部30の出力軸36が制動状態に操作されてリングギヤ53が制動された状態になっており、左側の走行装置1Lの回転支軸15と出力軸36が相対回転することにより、電動モータ70が出力する電動駆動力を、減速伝動機構64とサンギヤ軸51によってサンギヤ52に入力して遊星ギヤ54の作用によって減速し、減速した電動駆動力をキャリヤ55から出力回転体67に伝達して出力回転体67から伝動ギヤ68に伝達し、左用の伝動部30の出力軸36が制動されているにもかかわらず、左側の走行装置1Lの駆動輪体13Lを右側の走行装置1Rの駆動輪体13Rよりも低速で右側の走行装置1Rの駆動輪体13Rと同じ回転方向に駆動する。このとき、左用の変速伝動部50は、電動モータ70の回転数変更が行なわれることにより、左側の走行装置1Lの駆動輪体13Lを無段階に変速して駆動する。つまり、左用の変速伝動部50は、左側の走行装置1Lを右側の走行装置1Rよりも低速で、かつ第1の変速伝動状態に変速操作された場合よりも低速で右側の走行装置1Rと同じ駆動方向に無段階に変速して駆動する。
【0057】
左操向ギヤ32がブレーキ位置に操作されて左用の操向クラッチ33が切り状態で、左用の操向ブレーキ37が入り状態に操作され、右操向ギヤ42がクラッチ位置に操作されて右用の操向クラッチ43が入り状態で、右用の操向ブレーキ47が切り状態に操作された状態において、クラッチ体57が入り状態に操作され、電動モータ70が停止操作されることにより、左用の変速伝動部50は、非変速状態になる。
【0058】
左用の変速伝動部50は、非変速状態に変速操作された場合、電動モータ70が停止し、左用の伝動部30の出力軸36が制動状態に操作されているとともにこの出力軸36と左側の走行装置1Lの回転支軸15がクラッチ体57によって連結されることにより、左側の走行装置1Lの駆動輪体13Lを制動状態にし、右側の走行装置1Rが駆動されているのに対して、左側の走行装置1Lを制動状態にする。
【0059】
左操向ギヤ32がブレーキ位置に操作されて左用の操向クラッチ33が切り状態で、左用の操向ブレーキ37が入り状態に操作され、右操向ギヤ42がクラッチ位置に操作されて右用の操向クラッチ43が入り状態で、右用の操向ブレーキ47が切り状態に操作されている状態において、クラッチ体57が切り状態に操作され、電動モータ70が右側の走行装置1Rの駆動方向及び駆動速度に対応した適切な回転方向に適切な回転数で駆動されることにより、左用の変速伝動部50は、逆転伝動状態になる。
【0060】
左用の変速伝動部50は、逆転伝動状態に変速操作された場合、左用の伝動部30の出力軸36が制動状態に操作されてリングギヤ53が制動された状態になっており、左側の走行装置1Lの回転支軸15と出力軸36が相対回転することにより、電動モータ70が出力する電動駆動力を、減速伝動機構64とサンギヤ軸51によってサンギヤ52に入力して右用の伝動部40の出力軸46の回転方向とは逆回転方向の駆動力を発生させて出力回転体67から伝動ギヤ68に伝達し、左用の伝動部30の出力軸36が制動されているにもかかわらず、左側の走行装置1Lの駆動輪体13Lを右側の走行装置1Rの駆動輪体13Rの回転方向とは逆の回転方向に右側の走行装置13Rの駆動輪体13Rと同じ回転速で駆動する。つまり、左用の変速伝動部50は、左側の走行装置1Lを右側の走行装置1Rとは逆の駆動回転方向に右側の走行装置1Rと同じ駆動速度で駆動する。
【0061】
図3に示すように、左操向ギヤ32をシフト操作する左シフター38の回転支軸38aに一体回転自在に設けた左操作アーム38bと、右操向ギヤ42をシフト操作する右シフター48の回転支軸48aに一体回転自在に設けた右操作アーム48bを伝動ケース11の外部に設けるとともに、伝動ケース11の外部に支持されるシリンダブロック84に設けた左操向シリンダ85Lによって左操作アーム38bを揺動操作して左操向ギヤ32をシフト操作するように構成し、シリンダブロック84に設けた右操向シリンダ85Rによって右操作アーム38bを揺動操作して右操向ギヤ42をシフト操作するように構成してある。左操向シリンダ85Lに操作油路86を介して接続され、かつ右操向シリンダ85Rに操作油路87を介して接続された一つの操向バルブ88の操作部に第1連動機構89を介して操向レバー90を連動させてある。左操向シリンダ85L及び右操向シリンダ85Rにリリーフ油路91を接続し、このリリーフ油路91が備える可変リリーフ弁92の操作部を第2連動機構93を介して操向レバー90に連動させてある。
【0062】
図4に示すように、クラッチ体57をシフト操作するシフター80の回転支軸80aに一体回転自在に取り付けた操作アーム80bを変速ケース12の外部に設けるとともに、変速ケース12の外部に支持させた電磁ソレノイド94によって操作アーム80bを揺動操作してクラッチ体57を入り状態と切り状態に切り換え操作するように構成してある。
【0063】
図3に示すように、電動モータ70及び電磁ソレノイド94を、マイクロコンピュータを利用した制御装置96に連係させることにより、制御装置96に備えさせた操向制御手段97に連係させてある。操向制御手段97は、右用の伝動部40における出力軸46の回転数及び回転方向を右側の走行装置1Rの駆動速度及び駆動方向として検出する右回転センサ98と、左側の走行装置1Lの回転支軸15の回転数及び回転方向を左側の走行装置1Lの駆動速度及び駆動方向として検出する左回転センサ99と、操向レバー90の操作位置を検出するように操向レバー90に連動させたレバー位置センサ100とに連係させてある。レバー位置センサ100は、操向レバー90の回転支軸に回転操作軸が連動された回転ポテンショメータによって構成してある。
【0064】
操向レバー90は、運転部2における運転座席2aの前方箇所に走行機体横方向に揺動自在に支持させて設けてあり、操向レバー90を走行機体横方向に揺動操作することにより、操向バルブ88及び可変リリーフ弁92を操作するとともに操向制御手段97を作動させて走行機体を操向操作する。
【0065】
すなわち、図3に示すように、操向レバー90は、中立位置[N]と、中立位置[N]から左横側に揺動した左緩旋回域[L1]と、左緩旋回域[L1]から左横側に揺動した左クラッチ切り旋回位置[LC]と、左クラッチ切り旋回位置[LC]から左横側に揺動した左旋回域[L2]と、左旋回域[L2]から左側に揺動した左ブレーキ旋回位置[LB]と、左ブレーキ旋回位置[LB]から左側に揺動した左信地旋回位置[LP]と、中立位置[N]から右横側に揺動した右クラッチ切り旋回位置[RC]と、右クラッチ切り旋回位置[RC]から右側に揺動した右ブレーキ旋回位置[RB]とに揺動操作できる。
【0066】
操向レバー90を中立位置[N]に操作すると、第1連動機構89が操向バルブ88を中立状態に操作して操向バルブ88が左操向シリンダ85L及び右操向シリンダ85Rから排油操作し、左操向シリンダ85Lが左操向ギヤ32をクラッチ位置に操作して左用の操向クラッチ33を入り状態に操作するとともに左用の操向ブレーキ37を切り状態に操作し、右操向シリンダ85Rが右操向ギヤ42をクラッチ位置に操作して右用の操向クラッチ43を入り状態に操作するとともに右用の操向ブレーキ47を切り状態に操作する。この場合、操向制御手段97がレバー位置センサ100と左回転センサ99及び右回転センサ98による検出情報を基に、クラッチ体57を入り状態に操作するとともに電動モータ70を停止操作して左用の変速伝動部50を等速伝動状態に変速操作する。これにより、左側の走行装置1Lが左用の伝動部30の出力軸36からの駆動力によって駆動され、右側の走行装置1Rが右用の伝動部40の出力軸46からの駆動力によって駆動され、左側の走行装置1Lと右側の走行装置1Rが同じ駆動速度で同じ回転方向に駆動されて、走行機体が直進走行する。
【0067】
操向レバー90を左緩旋回域[L1]に操作すると、第1連動機構89が操向バルブ88を中立状態に維持操作し、左操向シリンダ85Lが左操向ギヤ32をクラッチ位置に操作して左用の操向クラッチ33を入り状態に操作するとともに左用の操向ブレーキ37を切り状態に操作し、右操向シリンダ85Rが右操向ギヤ42をクラッチ位置に操作して右用の操向クラッチ43を入り状態に操作するとともに右用の操向ブレーキ47を切り状態に操作する。この場合、操向制御手段97がレバー位置センサ100と左回転センサ99及び右回転センサ98による検出情報を基に、クラッチ体57を切り状態に操作するとともに電動モータ70を駆動操作して左用の変速伝動部50を第1の変速伝動状態(請求項1に記載の変速伝動状態に相当)に変速操作し、右側の走行装置1Rが右用の伝動部40の出力軸46からの駆動力によって駆動され、左側の走行装置1Lが左用の変速伝動部50によるエンジン駆動力と電動駆動力の合成駆動力によって右側の走行装置1Rよりも低速で駆動されて、走行機体が左旋回走行する。この場合、操向レバー90を中立位置[N]から離間させるほど、操向制御手段97がレバー位置センサ100による検出情報を基に電動モータ70の回転数を変更調整して出力回転体67を操向レバー90の操作位置に対応した回転数に減速調整し、左側の走行装置1Lの駆動速度が右側の走行装置1Rよりも低速に維持されながら減速され、走行機体がより小さい旋回半径で左旋回する。
【0068】
操向レバー90を左クラッチ切り旋回位置[LC]に操作すると、第1連動機構98が操向バルブ88を左旋回状態に切り換え操作して操向バルブ88が右操向シリンダ85Rを排油状態に操作しながら左操向シリンダ85Lに給油し、左操向シリンダ85Lが左操向ギヤ32を中立位置に切換えして左用の操向クラッチ33及び左用の操向ブレーキ37を切り状態に操作し、右操向シリンダ85Rが右操向ギヤ42をクラッチ位置に維持操作して右用の操向クラッチ43を入り状態に操作するとともに右用の操向ブレーキ47を切り状態に操作する。この場合、操向制御手段97がレバー位置センサ100と左回転センサ99及び右回転センサ98による検出情報を基に、クラッチ体57を入り状態に操作するとともに電動モータ70を停止操作して左用の変速伝動部50を非伝動状態に変速操作し、左側の走行装置1Lが自由回転状態に操作され、右側の走行装置1Rが右用の伝動部40の出力軸46からの駆動力によって駆動され、走行機体が右側の走行装置1Rの駆動力により、操向レバー90が左緩旋回域[L1]に操作された場合よりも小さい旋回半径で左旋回走行する。
【0069】
操向レバー90を左旋回域[L2]に操作すると、第1連動機構89が操向バルブ88を左旋回状態に維持操作し、右操向シリンダ85Rが右操向ギヤ42をクラッチ位置に維持操作して右用の操向クラッチ43を入り状態に操作するとともに右用の操向ブレーキ47を切り状態に操作し、第2連動機構93が可変リリーフ弁92を操向レバー90が左クラッチ切り旋回位置[LC]に操作された場合よりも高リリーフ圧の状態に操作して可変リリーフ弁92が左操向シリンダ85Lを操向バルブ88からの油圧によって更に伸長操作させ、左操向シリンダ85Lが左操向ギヤ32をブレーキ位置に操作して左用の操向クラッチ33を切り状態に操作するとともに左用の操向ブレーキ37を入り状態に操作する。この場合、操向制御手段97がレバー位置センサ100と左回転センサ99及び右回転センサ98による検出情報を基に、クラッチ体57を切り状態に操作するとともに電動モータ70を駆動操作して左用の変速伝動部50を第2の変速伝動状態に変速操作し、左側の走行装置1Lが左用の変速伝動部50からの電動駆動力によって右側の走行装置1Rよりも低速で、かつ操向レバー90が左緩旋回域[L1]に操作された場合よりも低速で駆動され、走行機体が操向レバー90を左緩旋回域[L1]及び左クラッチ切り旋回位置[LC]に操作した場合よりも小さい旋回半径で左旋回走行する。この場合、操向レバー90を左クラッチ切り旋回位置[LC]から離間させるほど、操向制御手段97がレバー位置センサ100による検出情報を基に電動モータ70の回転数を変更調整して出力回転体67を操向レバー90の操作位置に対応した回転数に減速調整し、左側の走行装置1Lの駆動速度が右側の走行装置1Rよりも低速に維持されながら減速され、走行機体がより小さい旋回半径で左旋回する。
【0070】
操向レバー90を左ブレーキ旋回位置[LB]に操作すると、第1連動機構89が操向バルブ88を左旋回状態に維持操作し、第2連動機構93が可変リリーフ弁92を高圧リリーフ圧の状態に維持操作し、右用の操向シリンダ85Rが右操向ギヤ42をクラッチ位置に維持操作して右用の操向クラッチ43を入り状態に操作するとともに右用の操向ブレーキ47を切り状態に操作し、左用の操向シリンダ85Lが左用の操向クラッチ33を切り状態に操作するとともに左用の操向ブレーキ37を入り状態に操作し、操向制御手段97がレバー位置センサ100と左回転センサ99及び右回転センサ98による検出情報を基に、クラッチ体57を入り状態に操作するとともに電動モータ70を停止操作して左用の変速伝動部50を非変速状態に変速操作し、右側の走行装置1Rが右用の伝動部40の出力軸46からの駆動力によって駆動され、左側の走行装置1Lが左用の操向ブレーキ37によって制動状態に操作され、走行機体が右側の走行装置1Rの駆動力によって左側の走行装置1Lを旋回中心にして左旋回走行する。
【0071】
操向レバー90を左信地旋回位置[LP]に操作すると、第1連動機構89が操向バルブ88を左旋回状態に維持操作し、第2連動機構93が可変リリーフ弁92を高リリーフ圧の状態に維持操作し、右操向シリンダ85Rが右操向ギヤ42をクラッチ位置に操作して右用の操向クラッチ43を入り状態に操作するとともに右用の操向ブレーキ47を切り状態に操作し、左操向シリンダ85Lが左操向ギヤ32をブレーキ位置に操作して左用の操向クラッチ33を切り状態に操作するとともに左用の操向ブレーキ37を入り状態に操作する。この場合、操向制御手段97がレバー位置センサ100と左回転センサ99及び右回転センサ98による検出情報を基に、クラッチ体57を切り状態に操作するとともに電動モータ70を駆動操作して左用の変速伝動部50を逆転伝動状態に変速操作し、右側の走行装置1Rが右用の伝動部40の出力軸46からの駆動力によって駆動され、左側の走行装置1Lが左用の変速伝動部50からの電動駆動力によって右側の走行装置1Rと逆回転方向に右側の走行装置1Rの駆動速度と同じ駆動速度で駆動され、走行機体が左向きに信地旋回する。
【0072】
操向レバー90を右クラッチ切り旋回位置[RC]に操作すると、第1連動機構89が操向バルブ88を右旋回状態に切り換え操作して操向バルブ88が左操向シリンダ85Lを排油状態に操作しながら右操向シリンダ85Rに給油し、左操向シリンダ85Lが左操向ギヤ32をクラッチ位置に操作して左用の操向クラッチ33を入り状態に操作するとともに左用の操向ブレーキ37を切り状態に操作し、右操向シリンダ85Rが右操向ギヤ42を中立位置に操作して右用の操向クラッチ43を切り状態に操作するとともに右用の操向ブレーキ47を切り状態に操作する。この場合、操向制御手段97がレバー位置センサ100による検出情報を基に、クラッチ体57を入り状態に操作するとともに電動モータ70を停止操作して左用の変速伝動部50を等速伝動状態に変速操作し、左側の走行装置1Lが左用の伝動部30の出力軸36からの駆動力によって駆動され、右側の走行装置1Rが自由回転状態に操作され、走行機体が左側の走行装置1Lの駆動力によって右旋回走行する。
【0073】
操向レバー90を右ブレーキ旋回位置[RB]に操作すると、第1連動機構89が操向バルブ88を右旋回状態に維持操作し、左操向シリンダ85Lが左操向ギヤ32をクラッチ位置に維持操作して左用の操向クラッチ33を入り状態に操作するとともに左用の操向ブレーキ37を切り状態に操作し、第2連動機構93が可変リリーフ弁92を操向レバー90が右クラッチ切り旋回位置[RC]に操作された場合よりも高リリーフ圧の状態に操作して可変リリーフ弁92が右操向シリンダ85Rを操向バルブ88からの油圧によって更に伸長操作させ、右操向シリンダ85Rが右操向ギヤ42をブレーキ位置に操作して右用の操向クラッチ43を切り状態に操作するとともに右用の操向ブレーキ47を入り状態に操作する。この場合、操向制御手段97がレバー位置センサ100による検出情報を基に、クラッチ体57を入り状態に操作するとともに電動モータ70を停止操作して左用の変速伝動部50を等速伝動状態に変速操作し、左側の走行装置1Lが左用の伝動部30の出力軸36からの駆動力によって駆動され、右側の走行装置1Rが右用の操向ブレーキ47によって制動状態に操作され、走行機体が左側の走行装置1Lの駆動力によって右側の走行装置1Rを旋回中心にして右旋回走行する。
【0074】
走行機体の斜行防止について説明する。
図3に示すように、操向レバー90の握り部に指令スイッチ102を設けるとともに、この指令スイッチ102を制御装置96に設けた斜行防止手段103に連係させてある。
【0075】
指令スイッチ102に操作ダイヤルを備えてある。走行機体に走行地の左右傾斜や穀粒タンク6の穀粒重量などに起因した斜行が発生した場合、指令スイッチ102の操作ダイヤルを走行機体の斜行方向に対応した回転方向に回転操作するとともに、操作ダイヤルの操作回転角を走行機体の斜行角度に対応したものにすることにより、指令スイッチ102が斜行防止指令を斜行防止手段103に出力する。すると、斜行防止手段103が指令スイッチ102からの斜行防止指令を基に電動モータ70を制御して左用の変速伝動部50を作動させて左側の走行装置1Lを右側の走行装置1Rよりも減速あるいは増速させて駆動させ、左側の走行装置1Lと右側の走行装置1Rの間に操作ダイヤルが操作された回転方向及び回転角に対応した駆動速度差を発生させて走行機体の斜行を防止する。
【0076】
指令スイッチ102をダイヤル操作式のスイッチによって構成して実施するに替え、指令スイッチ102を操作レバーが揺動操作自在に備えられたスイッチによって構成し、操作レバーを走行機体の斜行方向に対応した揺動方向に揺動操作するとともに、操作レバーの操作揺動角を走行機体の斜行角度に対応したものにすることにより、適切な斜行防止指令が出力されるように構成して実施してもよい。
【0077】
走行機体の自動操向制御について説明する。
図3に示すように、刈取り部4に走行機体横方向に並べて設けられた分草具支持杆105のうちの隣り合う一対の分草具支持杆105,105に、分草具支持杆105から穀稈引起し経路の入口付近に向けて前後揺動自在に延出するセンサバー106、及びセンサバー106に連動された回転ポテンショメータ107を設け、各回転ポテンショメータ107を制御装置96に設けた追従制御手段108に連係させてある。
【0078】
左右のセンサバー106が穀稈引起し経路に導入された植立穀稈Aの株元に後側から接触して揺動し、左右の回転ポテンショメータ107がセンサバー106の揺動角を検出して検出結果を追従制御手段108に出力する。追従制御手段108は、左右の回転ポテンショメータ107による検出情報を基に電動モータ70を制御して左用の変速伝動部50を作動させて左側の走行装置1Lを右側の走行装置1Rよりも減速あるいは増速させて駆動させ、左右の回転ポテンショメータ107による検出揺動角が同じまたはほぼ同じになるように左側の走行装置1Lと右側の走行装置1Rの駆動速度を制御して走行機体を穀稈列に追従させて走行させる。
【0079】
尚、作業走行時は、左用及び右用の操向クラッチ33,43を入り状態にして走行され、電動モータ70の回転数が増減制御されると、左側の走行装置1Lが右側の走行装置1Rよりも高速や低速で無段階に速度変化して駆動され、走行機体が左向きや右向きに旋回走行する。したがって、斜行防止においても自動操向制御においても、左用及び右用の操向クラッチ33,43の入り状態において制御される。
【0080】
〔別実施例〕
(1)上記した実施例では、変速伝動部50を左側の走行装置1Lに作用させる例を示したが、右旋回を主として走行する収穫機の場合、右側の走行装置1Rに作用させるよう構成して実施してもよい。また、左側の走行装置1Lに作用させる変速伝動部と、右側の走行装置1Rに作用させる変速伝動部を設けて実施してもよい。
【0081】
(2)上記した実施例では、クラッチ体57を入り状態に操作するとともに電動モータ70を停止操作することにより、左用の変速伝動部50を非伝動状態に変速操作する例を示したが、クラッチ体57を切り状態に操作するとともに電動モータ70を停止操作することにより、左用の変速伝動部50を非伝動状態に変速操作するよう構成して実施してもよい。出力軸36が自由回転状態にあるから、クラッチ体57を切り状態と入り状態のいずれにしても、左側の走行装置1Lを自由回転状態にすることができる。
【0082】
(3)上記した実施例では、操作レバー90の右旋回の操作域に右クラッチ切り旋回位置[RC]と左ブレーキ旋回位置[RB]だけを設けた例を示したが、操作レバー90の右旋回の操作域に、左旋回の操作域における左緩旋回域[L1]と同様の右緩旋回域を設け、操向レバー90が右緩旋回域に操作されることにより、左側の走行装置1Lが左用の変速伝動部50によって右側の走行装置1Rよりも高速で無段階に変速駆動されて右旋回できるように構成して実施してもよい。
【0083】
(4)電動モータ70が停止操作された場合、左側の走行装置1Lに旋回抵抗による回転が発生すると、この回転によって電動モータ70に発電回生を発生させることができる。この場合、電動モータ70の充電量を制御して電動モータ70の被駆動負荷を制御することで、旋回半径を制御することができる。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、コンバインの他、玉葱など各種の作物の収穫作業を行なう収穫機に利用することができる。
【符号の説明】
【0085】
1L 左側の走行装置
1R 右側の走行装置
7 エンジン
11 伝動ケース
12 変速ケース
13L 左側の走行装置の駆動輪体
13R 右側の走行装置の駆動輪体
30 左用の伝動部
33 左用の操向クラッチ
36 左用の伝動部の出力軸
40 右用の伝動部
43 右用の操向クラッチ
46 右用の伝動部の出力軸
50 変速伝動部
52 サンギヤ
53 リングギヤ
55 キャリヤ
67 変速伝動部の出力回転体
70 電動モータ
71 電動モータの出力軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンからの駆動力を左側の走行装置の駆動輪体に出力する出力軸を備えるとともに前記出力軸に作用する左用の操向クラッチを備えた左用の伝動部と、前記エンジンからの駆動力を右側の走行装置の駆動輪体に出力する出力軸を備えるとともに前記出力軸に作用する右用の操向クラッチを備えた右用の伝動部と、前記左側の走行装置と前記右側の走行装置の一方の走行装置の前記駆動輪体に連動する出力回転体を備えた変速伝動部と、前記変速伝動部に伝動する電動モータとを設け、
前記左用の操向クラッチ及び前記右用の操向クラッチが入り状態に操作された状態において、前記出力回転体が連動する方の走行装置の前記駆動輪体と前記出力回転体が連動する方の走行装置に対応する前記伝動部の前記出力軸とを等速回転させる等速伝動状態と、
前記左用の操向クラッチ及び前記右用の操向クラッチが入り状態に操作された状態において、前記出力回転体が連動する方の走行装置に対応する前記伝動部の前記出力軸から入力するエンジン駆動力と前記電動モータから入力する電動駆動力とを合成して、前記出力回転体が連動しない方の走行装置に対応する前記伝動部の前記出力軸よりも低速の合成駆動力を無段階に変速して発生させ、発生させた合成駆動力を前記出力回転体から出力して前記出力回転体が連動する方の走行装置の前記駆動輪体を変速駆動する変速伝動状態と、
前記出力回転体が連動する方の走行装置に対応する前記操向クラッチが切り状態に操作され、前記出力回転体が連動しない方の走行装置に対応する前記操向クラッチが入り状態に操作された状態において、前記出力回転体が連動する方の走行装置の前記駆動輪体を自由回転状態にする非伝動状態とに前記変速伝動部を切換え操作自在に構成してある収穫機の走行伝動装置。
【請求項2】
前記電動モータの出力軸に連動されたサンギヤと、前記出力回転体が連動する走行装置に対応する前記伝動部の前記出力軸に連動されたリングギヤと、前記出力回転体に連動されたキャリヤとを備えて、前記変速伝動部を構成してある請求項1記載の収穫機の走行伝動装置。
【請求項3】
前記左用の伝動部及び前記右用の伝動部を収容する伝動ケースと、前記変速伝動部を収容する変速ケースを各別に形成して備えてある請求項1又は2記載の収穫機の走行伝動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−207447(P2011−207447A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−79630(P2010−79630)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】