説明

受動患者監視装置及び方法

装置、システム、及び方法は、身体動作、身体位置、呼吸数、及び/又は心拍数などのパラメータの受動患者監視を提供する。受動監視は普通、ベッド、椅子、手術台などの表面に設けられた少なくとも2つの圧電センサを有するセンサ装置を伴い、それによって患者が表面上に横たわる、座る、かがむ、立つ、又は表面を装着することを簡単に可能にすることによって、患者を装置に結合することができる。一実施例では、病院の一般治療区域内の多数の患者を、多数の受動監視装置により連続的に監視することができる。患者が1つ又は複数の所定の閾値領域を満たすことができない、又は負の生理的傾向を有する場合、システムは警報機を作動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、医療装置、システム、及び方法に関する。より詳細には、本発明は受動患者監視装置、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
患者を監視することは、多くの異なる設定において患者治療の重要な一面である。病院の一般治療階又は病棟では、例えば呼吸数、心拍数、及び血圧などの生命維持に必要な生理的兆候を監視することは、患者治療の基本的要素である。患者の病室内の病院用ベッド又は椅子に患者がいるかいないかを監視し、そのベッド又は椅子の上での患者の動作を監視することはまた、病院の一般治療病棟、又は他の区域においても有益であることがある。ある患者がベッドを離れた場合、落ちる及び/又は怪我をする危険性がある。患者がベッドで動くのを止めた場合、患者が死にかけている、昏睡状態に陥っている、或いは移動を難しくする、又は不可能にし、注意を必要とする医療的合併症に苦しんでいるということがある。過度の移動は、発作又は他の状態を示す可能性がある。
【0003】
病院の一般治療区域内の患者は普通、人員及び資源の欠如などの現実的な問題点により、間欠的にだけしか監視されない。一般治療階の患者の生命維持に必要な兆候は、例えば普通、看護婦又は医療技術者によって3〜4時間ごとにとられる。同時に、人口年齢及び入院が、HMO(健康医療団体)及び他の管理された治療提供者によって延期されるので、病院患者の健康問題の重大性が増し、患者全体の数が増える。従って、病院人口は増え続け、病院患者は普通、過去よりもより密接な監視を必要とする。しかし、顕著且つ広がる看護不足により、増やした人員による増やした直接の患者の監視が不可能でないにしても、非現実的になる。
【0004】
生理的監視は、他の設定においても同等に重要である。例えば、病院又は外科センター内の外来手術室内、又は外科医の個人クリニックの処置室内などにおいて、患者が意識のある鎮痛状態で外科処置を行なわれる場合、患者の呼吸数及び心拍数は連続的に監視すべきである。病院合同認定委員会(JCHO)によって設定された基準は、鎮痛医療の悪影響、又は患者が意識のある鎮痛状態で処置を行なわれること検出し、これを防ぐように、このような呼吸数及び心拍数の連続的監視を必要とする。生理的観察が重要である他の背景としては、乳児突然死症候群(SIDS)の早期兆候を検出するための乳児監視、手術室の患者監視、救急運搬中の患者の監視、養護施設及び高度看護施設の患者監視、在宅監視などが挙げられる。
【0005】
患者を適切に監視できないと、いくつかの設定のうちの何れかで重大な結末をむかえる可能性がある。病院では、ベッドに留まっているべきである年配の患者はしばしば、頭が混乱し、ベッドを離れ、臀部、腕、又は手首を骨折するなどの怪我をする。統計では、25%以上の年配の臀部骨折患者は、このような骨折の治療を受けた後、病院を決して離れることができないことが示されている。別の患者は、看護婦による監視チェック間の4時間の間に病室で静かに死んでいることもある。患者の家族は、死を防げたかもしれない、又は少なくとも家族が居合わせるのに十分な長さだけ延ばすことができたかも知れないことを知って、非常に動揺することがある。他の例では、心肺機能などの生命維持に重要な生理機能は、監視が不十分であることにより、検出されることなくかなり悪くなることがある。従って、悪い医療事件、及び医療過誤責任に対する機会は、現在利用可能なシステムを使用した連続的且つ正確な患者の監視が非現実的又は不可能である場合に、病院の一般治療病棟、及び他の設定で広がっている。
【0006】
患者監視の現在のシステムは一般に、便利且つ安定した24時間体制の監視を提供していない。病院の一般治療病棟では、例えば、監視は普通看護婦のチームからなり、呼吸数及び心拍数などの生命維持に重要な兆候をとるため、3又は4時間間隔で患者から患者を巡回する。いくつかの病院では、この監視は、患者の指に取り付けられた小さなクランプ状装置を介して脈拍及び酸素飽和度を監視する、ベッド脇の脈拍オキシメータなどの1つ又は複数の装置によって増強することができる。脈拍オキシメータは、ある脈拍又は酸素閾値レベルに到達した場合に、警報を鳴らすように設計することができる。このようなシステムの一例は、Nellcor(www.nelcor.com)から市販されているOxinet(登録商標)II Central Station Networkである。脈拍オキシメータは呼吸数は測定しないが、これは患者の苦痛の最も早期の兆候の1つである。一般治療病院の設定で最も典型的に使用される呼吸数を測定する方法は、看護婦、認定看護助手などによる直接の測定であり、患者の胸の動作を見るだけで呼吸を数えることが難しいので、これは非常に不正確である。他の現在利用可能な呼吸数を測定する方法としては、複雑であり、新生児集中治療室設定の外ではほとんど使用されないインピーダンス気体式造影法と、これも難しく、少なくとも患者を鼻カニューレに取り付ける必要があるカプノグラフィとが挙げられる。他の現在利用可能な監視システムは、他の患者のパラメータを測定しようと試みる。これらは、患者の心臓生理機能を監視するように遠隔測定装置で使用される、心電図記録法(ECG)送信機を含む。ECG電極は、患者の皮膚に直接取り付けられ、電極に結合された送信機は、患者の心臓機能に関連する生理データを中央監視ステーションに送信できるように、患者に担持されている。血圧測定用カフを患者に取り付け、間欠的且つ自動的に血圧の読取を行なうようにプログラムすることができる。
【0007】
これらの現在利用可能な患者監視システム及び方法は、共通していくつかの特徴を有する。ほぼ全てのものが患者を物理的に監視装置に連結させる必要がある。自動血圧測定用カフなどの多くは、間欠的監視を行なうだけである。監視装置に対する物理的連結は面倒であり、患者に不都合であり、時に患者が不快感により装置を取り外した場合などの、患者の不従順につながる。取り付けた装置はまた、緩まり、位置を変え、患者の上から部分的に落ちて、監視データが不正確になることがある。間欠的監視により、特に応対が急激に変わる非常に具合の悪い患者において、誤った又は遅い診断、及び悪い患者の結果につながる可能性がある。
【0008】
現在のシステムはまた、患者のベッド又は椅子の上などの、患者の移動又は位置を監視しない。上記の通り、患者の移動は重要な監視手段である。例えば、ベッド上の患者の移動が全くない場合は、患者はベッドから離れていることを示す。比較的僅かな移動、移動がかなり少なくなるなどの場合は、患者が十分静止しており、何らかの医療問題が起こったかもしれないことを示す。患者の移動がかなり多くなった場合は、発作又はかなりの患者の不快感を示す。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、1人又は複数の患者を受動的に監視する装置、システム、及び方法を有することは利点があるだろう。このような受動的監視は連続していることが理想的であるが、装置を患者に直接取り付ける不都合又は面倒は必要ない。このような受動監視が、患者のベッド又は椅子などの表面上の患者の動作及び/又は位置を検出できる場合、また呼吸数、心拍数、及び/又は他の生理学パラメータも監視できる場合、有利だろう。監視は、1つ又は複数の閾値に到達した場合、又は所定のマイナス傾向が起こった場合に、警報機を作動させることを含み、またモニタ上に表示するなどの他の形でユーザにデータを提供することを含むことが理想的である。また、多数の患者を同時に監視する装置及び方法を提供することが望ましいだろう。これらの対象物の少なくともいくつかは、本発明によって満たされるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の装置、システム、及び方法は、1人又は複数の患者、新生児、養護施設の患者、在宅看護患者、又は監視されることが有益であるあらゆる他の1人又は複数の人の受動監視を提供する。「受動監視」は全体を通して、本発明による監視が患者に装置を直接取り付ける必要のないという事実のことを言う。普通、患者が単に装置が配置される表面に横になり、座り、もたれかかる、立つなどが可能なことによって、又はいくつかの実施例では、皮膚の次に、又は1層又は複数層の衣類の上に装置を装着することによって、患者は本発明の装置に結合されている。従って、本明細書で使用される「受動監視」という用語は全体的に、本発明の装置が普通は患者を監視するのに患者に直接取り付ける必要がないという事実のことを言う。
【0011】
いくつかの実施例では、本発明のセンサ装置は、ベッド、椅子のシート、椅子の背もたれ、車椅子、手術室台、歯科医の椅子などの上に位置決めすることができる、平らな表面又はパッドに結合された少なくとも2つの圧電センサを備える。センサ装置は、1層又は複数層の寝具の下に配置することができ、1層又は複数層の患者の衣服、患者のガウンなどを通して患者を監視することができる。センサ装置は普通、有線又は無線通信の何れかによってプロセッサと結合される。プロセッサは、圧電センサから感知したデータを受け、その感知したデータを外科医、看護婦、又は他のユーザが使用できる形に加工する。これに限らないが、患者の移動、患者の位置、呼吸数、心拍数、血圧、及び/又はその他などのあらゆる適切な患者パラメータを監視することができる。このような装置を、意識のある鎮痛状態で手術を行なった患者などの1人の患者だけに使用することができる、又は病院の一般治療階又は病棟内の多数の患者などの多数の患者を同時に監視するのに使用することができる。
【0012】
本発明の一態様では、少なくとも1人の患者を受動監視する方法は、センサ装置を表面上に設けるステップを含み、センサ装置は少なくとも2つの圧電センサを有する。患者はその後、患者が横になる、座る、かがむ、表面上に立つ、又は表面を装着することを可能にすることによって、センサ装置の少なくとも一部に結合されている。第1の機械的信号は、センサ装置の第1の圧電センサで感知され、第2の機械的信号はセンサ装置の第2の圧電センサで感知され、第1及び第2の機械的信号は第1及び第2のデジタル信号に変換され、第1及び第2のデジタル信号が比較される。最後に、患者データは、デジタルデータの比較に基づきユーザに提供される。
【0013】
センサ装置は、病院のベッド、ベッド、手術室台、検査台、処置椅子又は台、歯科医の椅子、病院の椅子、椅子のシート、椅子の背もたれ、車椅子、ベビーベッド、ストレッチャ、移動ベッドなどのあらゆる適切な表面、又は他の表面上に設けることができる。いくつかの実施例では、センサ装置を装着可能な装置として設けることができる。普通は、少なくとも2つの圧電センサに加えて、センサ装置は更に、圧電センサを平らな表面に結合させる手段を有する平らな表面を備えている。従って、患者をセンサ装置に結合することにより、患者を装置が設けられたベッドの上に横たわらせることが簡単に可能になる。別の実施例では、患者をセンサ装置に結合することにより、患者を装置が設けられた椅子の上、椅子のシート、椅子の背もたれ、又はその両方に座らせることが可能になる。しばしば、患者は少なくとも1層の衣服、寝具、又は他の材料によりセンサと結合される。
【0014】
様々な実施形態では、いくつかの機械的信号の何れも圧電センサによって感知することができる。一実施例では、例えば、応力信号、熱信号、及び/又は音響信号を感知することができる。このような信号は、あらゆる設定において患者又は非患者内で感知することができる。例えば、病院の一般治療区域、患者は長期医療施設、又は養護施設内の患者であってもよい。別の実施例では、患者は意識のある鎮痛状態で外科的処置を受けていてもよい。
【0015】
センサ装置は、あらゆる適切な数の圧電センサを備えることができる。様々な実施例では、センサ装置は、2個、4個、6個、8個、16個、18個、32個、又は36個の圧電センサを備えることができる。あらゆる数、組合せ、パターン、寸法、形状、又はタイプの圧電センサが考えられる。3個以上のセンサがセンサ装置に含まれる場合、センサのあらゆる組合せを機械的信号を感知するのに使用することができ、様々なセンサからの信号のあらゆる組合せを患者データをユーザに提供するために比べることができる。例えば、方法は第3及び第4の機械的信号を第3及び第4のデジタル信号内で感知するステップと、第1、第2、第3、及び第4のデジタル信号を比較するステップとを含むことができる。
【0016】
デジタル信号を比較するステップは、1つの信号の有無と別の信号の有無を比較するステップを含むことができる。例えば、1つのセンサ内に正の機械的信号があり、別のセンサ内に信号がない場合、これはセンサ装置上の患者の位置に関する情報を提供するのに使用することができる。デジタル信号を比較するステップは更に、第1の信号の量、品質、及び/又は情報内容を第2の信号の量、品質、及び/又は情報内容と比較するステップを含むことができる。例えば、心拍信号に対応する患者の胸部の近くに配置されたセンサからの機械的信号は、患者の右足の近くに位置決めされたセンサからの心拍信号より高い品質をしていることがある。一実施例では、方法は更に、どの信号が最も高品質又は情報内容を有するかに基づいて、データとしてユーザに提供する他の信号の上の1つの信号を選択するステップを含む。任意選択で、方法はまた、2つ以上の信号の比較に基づき、表面上の患者の有無を判断するステップを含むことができる。この方法は更に、表面上の患者の位置を判断するステップを含むことができる。
【0017】
一実施例では、この方法は、デジタル信号を少なくとも2つの患者パラメータに対応する少なくとも2つのグループにグループ分けするステップを備える。例えば、パラメータはこれに限らないが、センサ装置上の患者の動作、センサ装置上の患者の位置、患者の呼吸数、及び/又は患者の心拍数を含むことができる。任意選択で、この方法はデジタル信号の少なくとも1つを少なくとも1つの所定の閾値と比較するステップを含むことができる。このような閾値は、あらゆる患者パラメータ、又はパラメータの組合せを含むことができる。例えば、1つ又は複数の患者の身体動作デジタル信号を、最少量の身体動作及び最大量の身体動作の少なくとも1つと比較することができる。別の実施例では、1つ又は複数の呼吸数デジタル信号を、最小呼吸数及び最大呼吸数の少なくとも1つと比較することができる。更に別の実施例では、1つ又は複数の心拍数デジタル信号を、少なくとも1つの最小心拍数と比較することができる。他の実施例では、他の信号又は信号の組合せを、多数の閾値と比較することができる。閾値が使用される場合、患者データをユーザに提供するステップは、少なくとも1つのデジタル信号が少なくとも1つの所定の閾値を満たさない場合に、警報機を作動させるステップを含むことができる。他の実施例では、負の傾向が1つ又は複数の患者パラメータ内で検出された場合、警報機を作動させることができる。例えば、心拍信号をより早い心拍信号と比較することができ、呼吸数信号をより早い呼吸数信号と比較することができ、負の心拍数傾向、負の呼吸数傾向、又はそのいくつかの組合せがある場合に警報機を作動させることができる。
【0018】
患者データを、あらゆる適切な形で1人又は複数人のユーザに提供することができる。例えば、患者データを提供するステップは、デジタル信号の比較に基づいて警報機を作動させるステップを含むことができる。いくつかの実施例では、患者データを提供するステップは更に、表面上の患者の位置を提供するステップを備えることができる。他の実施例では、患者データをユーザに提供するステップは、患者の呼吸数、患者の心拍数、又は両方を提供することができる。病院の一般治療区域、長期医療施設、又は養護施設内などの、いくつかの実施例では、多数の患者が同時に監視され、患者データを提供するステップは、共通の場所でデータを提供するステップを含む。例えば、共通の場所はこれに限らないが、ナース・ステーション、表示モニタ、デジタル・ポケットベル、無線手持ち式装置、既存のナース・コール・ステーション、及び/又は監視室を含むことができる。
【0019】
別の態様では、多数の患者の生理機能を受動監視する方法は、多数の表面上に多数のセンサを設ける第1のステップを備え、各センサ装置は少なくとも2つの圧電センサを有する。各患者は、各患者が横になる、座る、かがむ、表面の1つに立つ、又はこれを装着することを可能にすることによって、センサ装置の1つの少なくとも一部を有する。少なくとも1つの機械的信号は、各センサ装置上の圧電センサの少なくとも2つで感知され、感知された機械的信号はデジタル信号に変換される。圧電センサの少なくとも2つに対応するデジタル信号はその後、各患者に対して比較され、多数の患者に対応する患者データは、デジタル信号の比較に基づき、中心位置でユーザに提供される。
【0020】
更に別の態様では、患者を受動監視する装置は、患者に結合する表面と、少なくとも1つの機械的信号を患者から感知するように表面に結合された少なくとも2つの圧電センサを備える。プロセッサは、少なくとも1つの機械的信号を少なくとも1つのデジタル信号に変換し、少なくとも2つの圧電センサのそれぞれに対応するデジタル信号を比較して、患者に関連するデータを提供するように、圧電センサに結合されている。第1のコネクタは、圧電センサをプロセッサに結合し、第2のコネクタは、患者データをユーザに提供する装置にプロセッサを結合させるように設けられている。
【0021】
いくつかの実施例では、表面は平らなパッドを備える。例えば、平らなパッドは、少なくとも1層の弾力性のある発泡材料を備えることができる。圧電センサを、適切なパターン内の表面に沿って配置して、患者の監視を可能にすることができる。表面は、あらゆる適切な寸法をしていてもよい。一実施例では、表面は、意識のある鎮痛状態での外科的処置中に患者を監視するように、椅子のシート及び椅子の背もたれの少なくとも1つの上に表面を配置できるような大きさをしている。他の実施例では、表面の寸法により、乳幼児を監視するようにベビーベッド又はベッドの上に表面を位置決めすることが可能になる。更に別の実施例では、表面の寸法により、病院又は養護施設内の患者を監視するように、ベッドの上に表面を位置決めすることが可能になる。
【0022】
任意選択で、装置は更に、表面と患者の間に保護層を提供するように、表面の少なくとも一部を包含する覆いを備えることができる。普通は、このような覆いは耐水性である。時々、覆いは覆いを表面と連結させる少なくとも1つのコネクタを備え、表面は、患者の少なくとも1つの機械的信号を監視するため、コネクタに結合させなければならない。いくつかの実施形態では、覆いは1人の患者を監視するのに使用した後に、使い捨て可能である。
【0023】
圧電センサは、あらゆる適切な材料から製造することができる。5つの実施例では、例えば、センサはフッ化ビニリデン樹脂フィルム、重合ビニリデン・ケーブル、圧電セラミック・ディスク、及び圧電発泡体の1つ又は複数を含む。センサ装置を、ベッドの平らな表面上に設けることができ、患者が表面に横になっているときに、患者の少なくとも1つの機械的信号を監視することができる。機械的信号は、あらゆる適切な信号又は信号の組合せを含むことができるが、一実施例では、応力信号、熱信号、及び/又は音響信号を含んでいる。
【0024】
第1のコネクタ及び第2のコネクタは、あらゆる適切なコネクタを含むことができる。ある実施例では、両方のコネクタが有線コネクタであり、ある実施例では、両方とも無線であり、他の実施例では、コネクタは有線コネクタと無線コネクタの組合せを含んでいる。一実施例では、第1のコネクタは第1のコネクタを介してプロセッサに取り付けられたセンサ装置のタイプ、又はセンサが使用された回数の何れかを検出する手段を備えることができる。例えば、センサ装置が第1のコネクタを介してプロセッサに連結されている場合、コネクタは装置がプロセッサと互換性があるタイプであるかどうか、及び/又は装置が何回使用されたかを検出することができる。いくつかの実施例では、第1のコネクタはその後、検出した1つ又は複数の基準に基づき、センサ装置を作動させることができる。
【0025】
普通、プロセッサは、患者データをあらゆる適切な形、又は多数の形で提供することができる。例えば、警報機を作動させることによって、患者データを提供することができる。一実施例では、デジタル信号の比較により、患者が表面上で移動していない、患者が表面に接触していない、又は患者が表面上で過剰に移動している場合に、プロセッサは警報機を作動させる。別の実施例では、患者の呼吸数が所定の最小呼吸数以下に下がる、又は所定の最大呼吸数以上に上がった場合に、プロセッサは警報機を作動させる。更に別の実施例では、上記のあらゆる組合せが起こった場合に、プロセッサは警報機を作動させる。他の実施例は、負の心拍数、呼吸数、患者の移動、又は他の傾向、或いは傾向の組合せなどの負の傾向が起こった場合に、警報機を鳴らす。いくつかの実施例では、プロセッサは更に、患者データを患者の呼吸数、心拍数、又は両方の形で提供する。
【0026】
別の態様では、患者を受動監視するセンサ装置の少なくとも一部を含む使い捨て覆いは、患者と結合する平らな表面と、センサ装置の少なくとも一部を包含する少なくとも1つのハウジングを備えている。覆いは、いくつかの実施例では、耐水性である。いくつかの実施例では、覆いは、生理機能を受動監視する装置に覆いを脱着可能に連結する少なくとも1つのコネクタを備え、装置に覆いを連結することにより、患者の生理機能を監視するように装置を作動させることが可能になる。
【0027】
別の態様では、多数の患者を受動監視するシステムは複数のセンサ装置を備え、各センサ装置は、患者と結合する表面と、患者からの少なくとも1つの機械的信号を感知するように表面に結合された少なくとも2つの圧電センサとを有する。システムはまた、複数のプロセッサを備え、各プロセッサは、少なくとも1つの機械的信号を少なくとも1つのデジタル信号に変換し、少なくとも2つの圧電センサのそれぞれに対応するデジタル信号を比較して患者に関連するデータを提供するように、1つのセンサ装置に結合されている。最後に、システムは、各プロセッサを多数の患者に対する患者データをユーザに提供する共通の装置に連結させるように、各プロセッサに結合された少なくとも1つのコネクタを備える。様々な実施例では、このシステムは、上記装置の特徴の1つ又は複数を含むことができる。
【実施例】
【0028】
本発明は概して、1人又は複数の患者、乳幼児、養護施設居住者、又は監視が望ましいあらゆる他の人又は人のグループの受動監視装置、システム、及び方法を提供する。装置は普通、患者からの1つ又は複数の機械的信号を感知する少なくとも2つの圧電センサを有するセンサ装置と、機械的信号を加工して患者データを提供するようにセンサ装置に結合されたプロセッサと、データをユーザに提供するようにプロセッサを装置に結合させる手段とを備える。いくつかのシステムでは、多数の患者を同時に監視するのに多数のセンサ装置及びプロセッサを使用することができ、各プロセッサは患者データをユーザに提供するように共通の装置に結合させることができる。
【0029】
方法は普通、センサ装置を表面上に設けるステップと、患者が横になる、座る、表面上に立つ、又は表面を装着することを可能にすることによって患者を装置に結合させるステップと、第1の圧電センサで少なくとも1つの機械的信号を感知するステップと、信号を加工するステップと、加工した信号に基づいてデータをユーザに提供するステップとを含む。「受動患者監視」又は単なる「受動監視」という表現は全体に、本発明の方法及び装置が普通、患者がセンサ装置が配置された表面に対して横になる、座る、表面上に立つなど、又はできる限りセンサ装置を心地よく装着することを可能にすることによって、患者を監視するという考えのことを言う。このような監視は「受動的」である。というのは、1つ又は複数の装置を患者に直接物理的に取り付けることを必要としないからである。基本的に、監視装置が定位置にあることを自覚することさえなく、本発明の装置、方法、及び/又はシステムを使用して、患者をしばしば観察することができる。普通は、本発明のセンサ装置を1層又は複数層のシート又は他の寝具の下に配置することができ、寝具と、患者のガウン又は他の衣類を通して患者のパラメータを感知することができる。従って、シート・クッションなどの中で寝具の下に隠れていることがあるので、本発明の方法及び装置は時々、「不可視」及び受動と言うことができる。
【0030】
一般に、患者又は他の観察される人に関連するいくつのパラメータでも、又はパラメータの組合せを測定することができる。一実施例では、例えば、病院のベッドの上の患者の位置及び/又は動作が観察される。任意選択で、患者の呼吸数及び/又は心拍数を測定することもできる。血圧、心拍出量、体温、及び大変の変化、及び/又はその他などの他のパラメータを、様々な実施例で適切に感知及び観察することもできる。例えば、病院の一般治療区域内の多数の患者、意識のある鎮痛状態において外科的処置を行なわれた患者、緊急室及び手術室内の患者、養護施設及び長期医療施設の患者、眠っている乳幼児、又は在宅医療患者でさえも測定することができる。同様に、病院のベッド、従来のベッド、手術台、或いはストレッチャ又は車輪付き担架に横たわりながら、椅子又は車椅子の上に座りながら、又はあらゆる他の適切な表面上に横になる、かがむ、又は立ちながら、人を観察することができる。従って、以下の説明はしばしば、病院の一般治療階又は病棟の多数の患者を監視する例示的実施例に焦点を合わせるが、この説明は例示的な目的のみで使用され、特許請求の範囲で記載する発明の範囲を限定するように解釈すべきではない。
【0031】
患者監視データを、あらゆる適切な形でユーザに提供することができる。いくつかの実施例では、データは警報機を作動させるのに使用される。例えば患者からの感知された信号が所定の閾値の上下である又は負の傾向を示す場合、患者のパラメータ(呼吸数、心拍数、及び身体動作など)の組合せが負の傾向の所定の規定などを満たす場合、警報機を作動させることができる。他の実施例では、データを医療関係従業員、又は他のユーザが読み取れるようにモニタ上に提供することができる。他の実施例では、警報機を作動させ、モニタ上に表示も提供するのに、データを使用することができる。警報機、表示モニタなどは、ユーザに1人の患者、又は多数の患者に関する情報を提供することができる。例えば、警報機及び/又は表示モニタを、病院の病棟の共通ナース・ステーション内に配置して、そのステーションで1人又は複数の看護婦に病棟全体の患者に関する情報を提供することができる。他の実施例では、データを患者のベッド脇で提供することができる、又はベッド脇と中央位置の両方で提供することができる。1つ又は複数のデジタル・ポケットベル、無線手持ち式装置などを介して生理的データを提供するなどの、生理的データを1人又は複数のユーザに提供するためのあらゆる他の適切な構成が考えられる。この特許出願の目的で、「データ表示装置」又は「表示装置」は、警報機、モニタ、警報機とモニタ、又はあらゆる他の適切な手段などの、生理データをユーザに提供するあらゆる手段を意味する。
【0032】
また、本発明の装置、システム、及び方法を、患者の治療、調査、獣医学、及び/又はその他に適するあらゆる設定で使用することができる。一実施例では、病院の一般治療階の多数の患者は、各患者のベッド脇で医療従事専門家の存在することを必要とすることなく、連続的な監視を提供するように、同時に受動監視される。このような監視システムを、病院又は診療所の適切な階、病棟、又は区域で使用することができる。別の実施例では、意識のある鎮痛状態にある外科的処置が行なわれた患者の生理的機能が、観察される。本発明の装置、システム、及び方法を使用して、乳幼児突然死症候群にかかりやすい寝ている乳幼児、養護施設長期医療施設、又は高度看護施設の居住者、緊急医療設定に運ばれている患者、在宅医療患者、或いはあらゆる他の適切な患者又は非患者を監視することができる。加えて、本発明の様々な実施形態を既存の患者監視システムに加えることができる、及び/又は元の装置製造者のサブシステムなどの他の互換性のある監視システムと共に使用することができる。例えば、一実施例は多数のセンサ装置及び多数のプロセッサを含むことができ、そのうちの後者は、患者データを1つの位置で1人又は複数の看護婦に提供するように、既存のナース・コール・ステーション・システムに連結している。
【0033】
次に図1を参照すると、受動患者監視システム100は適切に、プロセッサ104に結合された少なくとも2つの圧電センサ202を有するセンサ装置102を備え、その後生理的データをユーザに提供するようにデータ表示装置106に結合されている。普通、センサ102は、ケーブル、ワイア、無線送信機などのあらゆる適切なコネクタ110(又は、多数のコネクタ)を介してプロセッサ104と結合することができる。同様に、プロセッサ104をデータ表示装置106に結合させるように、あらゆる適切なコネクタ108を使用することができる。あらゆる所与の実施例は、多数のセンサ102、多数のプロセッサ104、及び/又は多数の表示装置106を備えることができる。例えば、多数の患者を同時に監視することができ、各患者は別個のセンサ装置102に対応する。ある実施例では、各センサ装置102はそれ自体の別個のプロセッサ104に結合されており、他の実施形態では、多数のセンサ装置102を共通のプロセッサ104に結合することができる。更に他の実施例では、プロセッサ104の一部は中央コンピュータなどの中央装置を含むことができる。同様に、表示装置106は、1つの共通の表示モニタ、警報機などを備えることができるが、代替形態では、多数の警報機、ディスプレイ、デジタル・ポケベル、無線装置などを備えることができる。従って、システム100の様々な実施形態は、1つのセンサ装置102、1つのプロセッサ104、及び1つの表示装置106を備えることができるが、代替形態では、これらの構成部品の1つ又は複数のうちの複数を備えることもできる。コネクタ108、110は同様に、様々な実施形態で単一又は多数の構成部品として設けることができる。
【0034】
本発明のいくつかの実施例は、図1に示されるシステム100の一部として設けられている。いくつかの実施例では、例えば、ユーザが既にプロセッサ104及び表示装置106、或いは互換性のあるプロセッサ及び表示装置を所有している場合、例えば、センサ装置102だけをユーザに提供することができる。本発明の別の実施例は、センサ装置102、及びアドオン・プロセッサ104を備えている。アドオン・プロセッサ104は例えば、センサ装置102から受けたデータの加工を行なうように、モニタなどの近くに既存のコンピュータに加えることができるソフトウェア又はハードウェアを備えることができる。従って、システム100は、一実施例ではセンサ装置102、プロセッサ104、表示装置106、及びコネクタ108、110を備えるが、他の実施形態は本発明の範囲から逸脱することなくより少ない要素、又は追加の要素を備えることができる。図1に示す本発明の様々な要素はそれぞれ、以下により詳細に説明する。
【0035】
次に図1Aを参照すると、多患者監視システム101は適切に、あらゆる数のセンサ装置102a〜n、あらゆる数のプロセッサ104a〜n、警報機、モニタなどの共通の表示装置106、及びあらゆる数のコネクタ110a〜n、108a〜nを備えている。他の実施形態では、多数のセンサ装置102a〜nを共通のプロセッサに結合することができ、このプロセッサは次に、表示装置106に結合することができる。更に他の実施例では、1つ又は多数のプロセッサがデータを、多数のデジタル・ポケットベル、デジタル手持ち式装置、多数のモニタなどの多数の表示装置に送信することができる。センサ装置102a〜n、プロセッサ104a〜n、コネクタ108a〜n、110a〜n、及び表示装置106のあらゆる組合せが、本発明の範囲内で考えられる。
【0036】
コネクタ108a〜n、110a〜nは、センサ装置102a〜nをプロセッサ104a〜nに結合させ、プロセッサ104a〜nを表示装置106に結合させるあらゆる適切な手段を備えることができる。ある実施例では例えば、コネクタは有線接続手段を備え、他の実施例では、1つ又は複数のコネクタは無線である。例えば、センサ装置102a〜nとプロセッサ104a〜nの間のコネクタ110a〜nは無線であり、他のコネクタ108a〜nはワイアを含むことができる。一実施例では、コネクタ110a〜nは「小型のコネクタ」装置を備える。小型のコネクタは、マイクロチップ、又はあらゆる他の適切なデータ担持又は加工手段を備えることができ、センサ装置とプロセッサの間の互換性を保証するのに使用することができる。例えば、センサ102が小型コネクタ110を介してプロセッサ104に結合されると、小型コネクタはどのタイプのセンサ装置102がプロセッサ104に結合されているか、センサ装置102が何回使用されたか、センサ装置102はプロセッサ104と互換性があるかどうかなどを検出することができるかもしれない。このような小型のコネクタは、相補的プラグ又はあらゆる他の適切なコネクタとの有線接続を含むことができる。しかし、あらゆる接続手段を使用して本発明の様々な要素を結合することができることを理解すべきである。
【0037】
次に図2を参照すると、センサ装置102は普通、センサを患者に便利且つ受動的に結合させることができるように、表面212に沿って配置された2つ以上の圧電センサ202を備える。各センサ202は、どんな寸法、形状、構成、材料などであってもよい。一般に、各センサ202は圧電材料を備えている。多くの実施例では、使用されている材料はポリマー・フッ化ビニリデン樹脂(PVDF)であるが、これに限らないが、PVDFフィルム、PVDFケーブル、圧電セラミック・ディスク、及び/又は圧電発泡体を含む、あらゆる圧電材料又は材料の組合せを使用することもできる。本発明の圧電材料は、どんな適切な形状、寸法、及び構成をしていてもよい。いくつかの実施例では、例えば、薄いPVDFフィルムが、単一で、又はPVDFケーブルと組み合わせて使用される。ある実施例では、センサ202は矩形の平らな小片状のPVDFフィルムを備える。他の実施例では、センサ202は、円形、三角形、四角形、又はあらゆる他の形状のPVDFフィルム、円形又はあらゆる他の適切な形状の平らな圧電セラミック材料、又はあらゆる他の適切な材料を備えることができる。一実施例では、例えば、各センサ202は紙のように薄い、又はそれより薄く、幅が約15.24cm(6インチ)であり、長さが約22.86cm(9インチ)である。他の実施例では、各センサはもっと大きくてもよく、幅及び長さが数ミリだけでもよく、又はナノメートル尺度であってもよい。
【0038】
図2A〜Fを参照すると、センサ装置102a〜fのいくつかの実施例が示されており、それぞれ異なる構成のセンサを有する。図2Aでは、2つの平らな矩形PVDFフィルム・センサ218が含まれている。図2Bでは、3つのPVDFフィルム・センサ218が、PVDFケーブル220と組み合わせて使用されている。図2Cでは、PVDFケーブル220が単一で、1つのケーブル又は多数のケーブルを備えることができるジグザグ構成で使用されている。図2Dでは、多数の圧電セラミック・ディスク230が使用されている。図2Eでは、PVDFフィルム・センサ218、222が、装置の1つの領域内ではより高い濃度のセンサ222で、他の領域ではより低い濃度のセンサ218でパターン内で使用される。このようなパターンは、例えば、より高い濃度のセンサを、心臓及び呼吸関連の信号を監視するように、患者の胸部のすぐ下などの患者の測定がより強い可能性が高い位置に位置決めする際に、有利である。最後に、図2Fを参照すると、2つの圧電発泡体センサ240が使用されている。従って、センサのあらゆる適切な組合せ及び構成を使用することができることが明らかに分かるだろう。
【0039】
再び図2を参照すると、圧電センサ202は普通、センサ202に対して加えられる応力の変化を感知するように、歪みゲージとして働く。検出された応力変化はその後、患者監視の目的に有用であるデータに変換することができる。1つのセンサ202に対して加えられた患者の身体重量を、1つのセンサに対する応力として測定し、同じセンサ装置102上の1つ又は複数の他のセンサ202からの同様の測定と比較して、患者が装置上のどこに位置決めされているか、患者が移動しているか、及び/又はその他を判断することができる。患者の吸入又は心臓の鼓動中の患者の肺の拡張は、患者の胸部の下、又は近くに位置決めされた1つ又は複数の圧電センサ202に対して応力を加えることができる。センサ202は、このような応力変化を感知し、感知された変化を処理して、呼吸数、心拍数、身体移動、身体位置などを測定することができる。そのうちのいくつかを以下に説明する多くの他の可能性のある測定は、センサ202から集められた情報から派生していてもよい。圧電材料の感圧能力を更に説明するために、2000年9月9日に本発明の発明者によって出願された、「受動生理機能監視システム及び方法」という名称の、米国特許出願第09/662,006号に言及する。この開示全体を、本明細書に参照として援用する。
【0040】
上記の通り、本発明の装置は普通、表面212及び2つ以上の圧電センサ202を備えている。表面212及びセンサ202は両方とも、あらゆる適切な構成を有していてもよい。例えば、いくつかの実施例では、表面212は単に1片又は複数片の弾力性のある発泡材料、プラスチック、紙、又はあらゆる他の適切な材料を含む。他の実施例では、表面212は、接着剤、又はあらゆる他の適切な手段によって互いに結合された2層の発泡材料を備える。センサ202は、接着剤によって、2層の表面212の間で接着剤によりセンサ202を挟むことによって、又はあらゆる他の適切な手段によって表面212と結合させることができる。従って、以下の説明は、発明の一実施例を説明するために行なわれており、頭記の特許請求の範囲に記載の発明の範囲を制限するように解釈すべきではない。
【0041】
いくつかの実施例では、センサ装置102は、圧電センサ202a〜hを包含するポケット208a〜hを備えたハウジング210を有する表面212を備えている。図2に示すように、各圧電センサ202a〜hは、図示するように電気リード又はワイアを備えることができるセンサ送信機204a〜h、或いは無線送信機などに結合される。最終的に、いくつかの実施例では、多数のセンサ送信機204をセンサ送信機コネクタ206に結合することができる。センサ送信機コネクタ206は普通、圧電送信機204a〜hをプロセッサ104に結合させる共通コネクタとして働く。他の実施例では、圧電センサをプロセッサ104に結合するあらゆる他の適切な手段が考えられる。このような結合は、無線周波数、マイクロ波、赤外線、又はあらゆる他の適切な無線送信手段を介した無線接続を含むことができ、多数のワイアを伴うことができ、別個の送信機204a〜hが連結される表面212内の位置から始まる共通ワイアを伴うことなどができる。
【0042】
あらゆる適切な寸法、形状、厚さ、及び全体的な構成の表面212、ハウジング210、ポケット208a〜h、及びセンサ202a〜hを使用することができる。例えば、いくつかの実施例は2個の関連するポケット208を備える圧電センサ202を2個だけ有し、他の実施例は、4個、8個(図2に示す)、16個、32個、又はあらゆる他の適切な数のセンサ202及びポケット208を有する。表面212上にセンサ202を配置することは、「配列」又は「受動センサ配列(PSA)」と呼ぶことができる。このようなPSAは普通、表面上の格子状パターンのセンサ202を備えている。このような格子は、図2に示すように、矩形のPVDFフィルム・センサ202、又は図2A〜2Fに示すようにあらゆる他の形状、寸法、又はタイプのセンサを備えることができる。PSAは、あらゆる適切な数の列及び行のセンサ202を含むことができ、あるパターンはある設定において利点を有することができる。例えば、椅子のシート又は椅子の背もたれの上で使用されるように構成されたセンサ装置102の一実施例では表面212上にセンサ202を2個だけ有することが望ましい。別の実施例では、おそらくベビーベッド用に構成されたセンサ装置102で使用される、それぞれ4個のセンサを有する2列を有することが有利である。さらなる別の実施例では、それぞれ8個のセンサ202の3列を病院のベッドの構成に使用することができる。あらゆる数の列、行、及びセンサ202を所与の実施例で使用することができる。いくつかの実施例では、PVDFをそれだけで、又はPVDFフィルムと合わせて使用することが有利である。例えば、一実施例では、ベッドの縁部での患者の移動を検出するため、PVDFケーブルを表面212の周面周りで使用することができる。
【0043】
一実施例では、各センサ202は別個のポケット208内に含まれるが、他の構成及び組合せが考えられる。例えば、センサ202を2層の表面212の間に簡単に挟むことができ、接着剤で表面212に結合することができる。ハウジング210は、それぞれ1個のセンサ202を格納するための多数のポケット208a〜h又はスリーブを含むことができる、又は多数のセンサ202を格納するための1つ又は複数のより大きなポケットを含むことができる。図2に示す一実施例ではあらゆる寸法を使用することができるが、8個のセンサが約81.28センチ×60.96センチ(32インチ×24インチ)の寸法の表面に沿って配置されている。このような実施例では、各センサは約22.86センチ×15.24センチ(9インチ×6インチ)の寸法を有することができる。あらゆる構成、パターン、寸法などのセンサ202及び表面212を本発明の範囲内で考えられることを強調すべきである。
【0044】
表面212、ハウジング210、及びポケット208a〜hは、これに限らないが、ネオプレン、プラスチック、ポリプロピレン、天然又は化学繊維、Poron、Scappa、PCV、発泡体、Tyvekなどのあらゆる適切な材料又は材料の組合せからなっていてもよい。一実施例では、表面212、ハウジング210、及びポケット208a〜hは、ネオプレンなどの弾力性のある発泡材料を含む。例えば、一層のネオプレンを表面212として使用することができ、追加の層をポケット202a〜hを形成するのに使用することができる。別の実施例では、2層のネオプレンが間にセンサを備えて互いに挟まれ、層を互いに結合し、センサをネオプレンに結合させるのに接着剤が使用される。このようなネオプレン表面212及びハウジング210は、パッドに似ている平らな装置を備えることができ、いくつかの実施例では、ネオプレン材料は、センサ装置102がベッド、椅子などの上の患者の下に位置決めされている場合に、パッドのような快適性を提供することができる。いくつかの実施例では、表面212はまた、横になっている、或いは表面212に対して重量を加えている患者の快適性を高めるため、ネオプレン又はあらゆる他の適切な材料の余分なパッドを含むこともできる。従って、表面212は時々全体的に、「パッド」又は「センサ・パッド」と呼ぶことができる。
【0045】
センサ202a〜hを保持する、又は包含するように、ポケット208a〜hにあらゆる適切な形状を与えることができる。図2に示すように、いくつかのポケット208を、表面212に取り付けられ、センサ202をポケット208内に配置することを可能にする開口部を有する1層のネオプレン、又は他の材料として構成することができる。開口部により、ワイア、可撓性コネクタなどのセンサ送信機204をハウジング210を通過させて、センサ送信機コネクタ206と結合させることも可能になる。いくつかの場合では、図2に示すように、各ポケット208はセンサ202の通過を可能にする1つの開口部と、センサ送信機204の通過を可能にする開口部とを有することができる。一実施例では、開口部の幅はセンサ202の幅より小さく、それによってセンサ202は曲げられる、又は折り曲げられてポケット208内に嵌合し、その後ポケット208内で平らになることが可能であり、従って普通センサ202はポケット208内の定位置に残る。開口部により、いくつかの実施例で、表面212を処分しながらセンサ202を再使用することが可能である。別の方法では、またより好ましくは、製造中にセンサ202をポケット208内に配置するのに開口部が使用されるが、センサ202の配置後にこの開口部は永久的にふさがれる。他の実施例では、開口部は含まれていない。あらゆる他の適切な構成のポケット208を使用することもできる。
【0046】
いくつかの実施例では、多数のセンサ送信機204を1個又は複数のセンサ送信機コネクタ206に連結させる、又は結合させることができる。センサ送信機コネクタ206を、表面212の上又はその周りのどこにでも配置することができ、普通はプロセッサ104又は他の装置にセンサ送信機204をより便利に結合させる。1個又は複数のセンサ送信機204をプロセッサに結合させるあらゆる他の適切な手段を、別の方法で使用することができる。
【0047】
次に図3Aを参照すると、センサ202がセンサ送信機204と別個に示されている。図3Bに示すように、2個以上のセンサ202a〜b及び送信機204a〜bを、2個以上のポケット208a〜bを備えるハウジング210を有する表面212に結合させることができる。図3Cを参照すると、いくつかの実施例のセンサ装置102は更に、表面212の全て又は一部を覆う、又は包含する覆い302と、センサ202とを備える。覆い302は、あらゆる適切な構成及び寸法をしていてもよく、あらゆる適切な材料、又は材料の組合せを含むことができる。一実施例では例えば、覆い302は、第1の側部302a及び第2の側部302bを有する封筒状構造を備えている。一実施例では、このような覆い302は、表面212及びセンサ202を覆い302の内側に配置できるように、一縁部に沿った連結により開閉(湾曲矢印)できる。別の実施例は、表面212及びセンサ202を中に配置できるポケット又はスリーブを作り出すように、2つ又は3つの縁部に沿って結合された2層の側部302a〜bを備える同様の覆い302を含むことができる。
【0048】
あらゆる適切な材料、又は材料の組合せを覆い302を製造する際に使用することができるが、典型的な一実施例は、ある程度の耐水性を有する材料を使用する。例えば、覆いは発泡材料、プラスチック、紙、ナイロン、PVC、繊維性材料、そのあらゆる組合せ、或いはあらゆる他の適切な材料、又は材料の組合せで作ることができる。多くの患者治療設定では、表面212及びセンサ202を尿、水、血液、又は患者のベッド又は椅子の上にこぼれる可能性があり、保護されていない表面212又はセンサ202に損傷を与える可能性のあるあらゆる他の液体から保護するように、耐水性覆い302を有することは利点がある。従って、覆い302は普通、多数の患者に再使用できるように、また使用可能寿命を延ばすように、表面212及びセンサ202を保護する。いくつかの表面212及びセンサ202は例えば、6ヶ月以上使用できる。一方、いくつかの実施例では、覆い302は使い捨て可能であり、1人の患者だけ、1日だけなどに使用することができる。
【0049】
適切な使用を保証するため、及び/又は覆い302の再使用を防ぐため、いくつかの実施例の覆い302及び表面212は、覆い302と表面212の間に連結を作り出すように、相補的コネクタ(図示せず)を備える。このようなコネクタは、電子結合手段、相補的部品の連結により完成される回路などのあらゆる適切な結合機構であってもよく、普通はセンサ装置102を可能にするように構成されている。従って、いくつかの実施例では、センサ装置102を使用する前に、患者を監視し、表面212を覆い302と結合させる必要がある。覆い302は作動することができる、又は患者を監視するため装置102を動作させることが可能になる。このような結合/可能要件により、患者間での覆い302の再使用を防ぐことができ、患者間の感染の広がりを防ぎ、センサ装置102の誤使用を防ぎ、センサ装置102の使用可能寿命を長くする助けとなる。
【0050】
前に説明したように、表面212、ハウジング210、センサ202などはあらゆる適切な寸法をしていてもよい。一実施例では、例えば図3B及び3Cに示すように、表面は長さが約40.64cm(16インチ)であり、幅が約30.48cm(12インチ)である。ハウジング210は、幅304が約25.4cm(10インチ)であり、長さが約35.56cm(14インチ)である。1つのポケット208a又は208bは、長さ304が約25.4cm(10インチ)であり、幅306が約17.78cm(7インチ)である。このような構成では、1つのセンサ202a又は202bは、約15.24cm×約22.86cm(約6インチ×約9インチ)の寸法を有することができる。しかし、これらは単に例示的寸法であり、あらゆる適切な寸法の表面212、センサ202、ハウジング210、ポケット208などが考えられる。
【0051】
再び図1を参照すると、センサ装置102は全体的にプロセッサ104に結合することができる。プロセッサ104は、センサ装置102(又は、あらゆる他の適切なセンサ装置)の圧電センサ202によって感知された機械的信号を受け、患者データを1つ又は複数のユーザに提供するようにこれらの信号を処理するあらゆる適切な手段を備える。いくつかの実施例では、プロセッサ104は、1つ又は複数の有線連結、無線連結などを介してセンサ装置102と結合可能なベッド側ユニットを備える。他の実施例では、プロセッサは、回路基板、コンピュータ・チップ、ソフトウェア・プログラム、及び/又はあらゆる他の適切な処理手段を備えることができる。従って、プロセッサ104はいくつかの実施例では、信号を処理し、ユーザにデータを提供するようにセンサ102と結合できる独立型装置を備え、他の実施例では、プロセッサ104は例えば、元の装置25製造者によって別個に提供されるハードウェアと合わせて使用することができるアドオン装置を備える。
【0052】
次に図4を参照すると、ベッド脇の監視ユニットなどのハードウェア、又はあらゆるほかの適切なハードウェアで使用されるアドオン・プロセッサ104の一実施例が示されている。普通、プロセッサ104は、機械的信号を使用可能な患者データに処理するあらゆる適切な他の手段を備える。信号処理装置及び方法を更に説明するため、米国特許出願第09/662,006号に言及し、前に参照として本明細書に援用した。いくつかの実施例では、プロセッサ104は適切に、処理モジュール404に結合された取得モジュール402と、電源装置440とを備えている。取得モジュールは、コネクタ・モジュール406、除細動保護モジュール408、プログラム可能な可変ゲイン差動増幅モジュール410、EMIフィルタ・モジュール412、アナログ・フィルタ・モジュール414、アナログ−デジタル(AD)変換器モジュール414、及びデジタル−アナログ変換器モジュール416を含むことができる。取得モジュール402は様々な実施例では、より少ない構成部品又は追加の構成部品を備えることができる、及び/又はより少ないモジュールを作り出すように様々なモジュールを組み合わせることができることを強調すべきである。普通、取得モジュール402は、センサ装置102からアナログ機械的信号を取得し、これらの信号を1つ又は複数のフィルタ手段でフィルタリングし、フィルタリングされた信号をデジタル信号に変換する。取得、フィルタリング、及び変換のためのあらゆる手段を使用することができる。
【0053】
プロセッサ104はまた、処理モジュール404を備えることができる。処理モジュール404は、デジタル信号プロセッサ/中央演算処理装置(DSP/CPU)モジュール418、フラッシュ・メモリ・モジュール420、静電RAMモジュール422、不揮発性メモリ・モジュール424、リアル・タイム・クロック・モジュール426、結合検査動作群(JTAG)エミュレータ・モジュール428、デジタル入力/出力モジュール430、AD同期直列通信モジュール432、I/O非同期直列通信モジュール434及びグルー論理領域プログラム可能ゲート配列(FPGA)装置436を備えることができる。また、様々なモジュールを、本発明の範囲から逸脱することなく、組み合わせる、取り除く、又は追加することができる。
【0054】
電源装置440は、いくつかの実施例では、エネルギー源をプロセッサ104に提供するように、取得モジュール402及び処理モジュール404に結合されている。電源装置440は、電池などのあらゆる適切なエネルギー供給、外部電源装置への連結、及び/又はその他を備えることができる。いくつかの実施例では、電源装置440は含まれない。例えばいくつかの実施例では、取得モジュール402及び処理モジュール404を、既存のハードウェアで使用するために設けることができ、ハードウェアは既に電源装置を備えていてもよい。これは、例えば、取得モジュール402及び/又は処理モジュール404が、モニタ又は他の患者監視装置の近くでコンピュータに加えられる、1つ又は複数の回路基板、チップなどの形で設けられている実施形態の場合である。従って、図4に示し、説明したプロセッサ104は一例示的実施例だけであり、いずれにしても本発明の範囲を限定するように解釈されるべきではないことを強調すべきである。
【0055】
上に簡単に述べたように、プロセッサ104は普通、センサ装置102から1つ又は複数の機械的信号を受け、患者データをユーザに提供するように信号を処理する。例えば、プロセッサは、センサ装置102からの圧力変化信号の形で機械的信号を受けることができる。このような信号は普通、多経路回路を介してプロセッサによって受けられ、各経路はセンサ装置102の1つの圧電センサ202に対応する。EMIフィルタ・モジュール412、アナログ・フィルタ・モジュール414、フィルタ・ソフトウェア、処理ソフトウェア、小型アルゴリズム及び/又はその他などのフィルタ手段はその後、例えば背景ノイズなどを除去するように信号をフィルタリングする。その後、信号はアナログ−デジタル変換器モジュール416によってデジタル信号に変換される。次いで、デジタル信号は、様々な手段によって処理することができる。いくつかの実施例では、米国特許出願第09/662,006号に更に説明するように、高速フーリエ変換(FFT)法を使用することができる。他の実施形態では、時間領域分析を使用することができる。更に他の実施形態は、2つの方法の組合せを使用することができる。信号の処理中のある時点で、少なくとも1種類の信号が、センサ装置102の多数の圧電センサ202間で比較される。例えば、機械的圧力変化信号を、センサ装置102の上で多数のセンサ202の間で比較することができる。信号を比較することにより、プロセッサ104が、患者がセンサ装置102上に位置決めされているかどうか、患者がセンサ装置102上で移動しているかどうか、患者がセンサ装置102上にいるかどうか、全ての患者の動作が停止した又は所定のレベルより下になる、及び/又はその他などの患者データをユーザに提供することが可能になる。
【0056】
いくつかの実施形態では、プロセッサ104が最良の忠実性を備えた信号、情報内容などを選択することが可能になるように、信号を比較することができる。例えば、信号を比較することができ、呼吸に関する信号を最も高い品質の呼吸信号を有するセンサ202から選択することができる。同様に、最も高い忠実性の心拍信号を、最も高い忠実性の心拍信号を感知しているセンサ202から選択することができる。1つのセンサ202が、同時に最高の品質の呼吸信号及び最高の品質の心拍信号(又は、2種類以上の信号)を感知し、これらの信号をデータとしてユーザに提供することも可能である。センサ202間の比較により、プロセッサが機械的信号のどの部分が所与の生理的パラメータに関連するかを測定することが可能になる。例えば、患者の胸部の下に配置された第1のセンサ202からの機械的信号の比較は普通、患者の左足の下に配置された第2のセンサ202からの機械的信号より強い呼吸成分を有する。呼吸信号を分離する又は規定するように、これらの信号を比較することができる。また、いずれかをプロセッサ104によって適切に使用することができる信号を処理するこのような方法は、前に参照として援用した米国特許出願第09/662,006号により完全に説明されている。
【0057】
センサ202間で信号をフィルタリングし、信号を比較することに加えて、プロセッサ104はあらゆる適切な方法でセンサ装置102から受けた機械的アナログ信号を処理することができる。例えば、いくつかの実施例では、プロセッサ104は1つ又は複数の所与の信号を1つ又は複数の閾値レベルと比較し、所与の信号が閾値の上又は下になった場合に、警報機を作動させるようにデータを提供する。例えば、病院のベッドの患者の移動の最小及び最大量、最小及び最大呼吸数、最小及び最大心拍数、及び/又はその他の閾値を、プロセッサ104内に記憶させることができる。患者から感知した信号が閾値の1つ又は複数の外に出ると、プロセッサ104はデータをユーザに警告作動信号の形で提供することができる。いくつかの実施例では、閾値の組合せを設定することができる。例えば、患者の呼吸数が閾値以下になり、患者の心拍数も心拍数閾値以下になった場合に、警告作動のみを起こすように、最小心拍数閾値を規定することができる。このような閾値、警告作動処理などのあらゆる組合せが考えられる。更に、1つ又は複数の閾値を代替形態で、プロセッサ104の製造者によって固定することができ、それによって閾値は全ての患者に対して「配線」される、又は各個別の患者、病院の一般治療階などの看護婦、外科医、又は他のユーザによって調節可能である。
【0058】
プロセッサ104の更に別の機能は、呼吸数及び/又は心拍数データを提供する処理信号を含むことができる。このようなデータを、呼吸数/分、心拍数/分、呼吸を表す線又は波線を示す波線信号データ、心拍、及び/又はその他、又はあらゆる他の適切な形として提供することができる。患者の動作又は位置はまた、動作量、動作位置、病院のベッド又は椅子の上にマッピングされた患者位置などのあらゆる適切な形で提供することもできる。前に説明したように、血圧、心拍出量、血液量、呼吸換気量、体温、及び温度変化、及び/又はその他などの、他のパラメータも測定及び提供することができる。
【0059】
再び図1を参照すると、センサ装置102は患者からの1つ又は複数の信号を感知し、プロセッサ104は患者データを提供するようにこれらの信号を処理すると、データは普通はある使用可能な形でユーザに提供される。多くの実施例では、プロセッサ104は単に、データをユーザの既存のシステムに提供する。一実施例では、例えば、プロセッサ104はEthernet(登録商標)接続を介してイントラネット又はインターネットに結合される。ユーザはその後、あらゆるコンピュータ、又はイントラネット又はインターネット・アクセスを有する他の装置を介してデータにアクセスすることができる。様々な実施例では、プロセッサ104はまた、数日、数週間の期間、又は他のあらゆる期間にわたって、30秒毎、1分毎などの予め設定した間隔でデータの記録、表示、及び/又はダウンロードを行なうことができる。30個の記憶されたデータは、コンピュータ、モニタ、プリンタ、携帯可能なデータ記憶装置、或いはあらゆる他の適切なハードウェア又はソフトウェア位置にダウンロードすることができる。別の実施例では、プロセッサ104はデータを病院のナース・コール・システムなどの既存の警報システムの警報作動の形で提供する。このようなシステムを、ベッドの脇、各病室の外、共通のナース・コール・ステーション、及び/又はその他などに配置することができる。更に他の実施形態では、データを1つ又は複数のデジタル・ポケットベルを介して、又は無線送信による無線手持ち式装置を介して提供することができる。
【0060】
プロセッサ104は、ユーザによってデータにアクセスする手段にプロセッサ104を結合させるあらゆる適切なコネクタ108を備えることができる。例えば、コネクタ108は、有線接続、無線接続、コンピュータ・ネットワークに対する接続、警報システムに対する電気接続、又はあらゆる他の適切な接続を含むことができる。従って、図1のシステム100は表示装置106を備えているが、本発明のシステム、装置、及び方法は、センサ装置102及びプロセッサ装置104を適切に備えることができ、データを1つ又は複数の既存の表示装置、警報機、ポケットベル、又は他のシステムに提供することができる。
【0061】
他の実施例では、表示装置106を設け、別個の装置の中、又はプロセッサ104が格納されるのと同じ装置の中の何れかに格納することができる。例えば、センサ装置102に結合されたベッド脇の箱状ユニットは、プロセッサ104と、警報機及び生理データを見るためのスクリーンを含む表示装置106を含むことができる。或いは、他の実施例では、プロセッサ104及び表示装置106は別個の片であってもよい。例えば、プロセッサ104はベッド脇のユニットであり、生理データを1つ又は複数の中央及び/又は遠隔表示装置106に送信することができる。上に簡単に論じたように、表示装置106は、1つ又は複数の患者に関する生理データをユーザに提供する1つ又は複数の装置を備えることができる。一実施例では、表示装置106は、患者が所定の生理的閾値に達したときに鳴るベッド脇の警報機を備えている。別の実施例では、表示装置106は、警報機と、1人又は多数の患者に関する生理データを見るための表示モニタ又はスクリーンを備えている。
【0062】
表示装置106を、あらゆる適切な位置に配置することができる。例えば、いくつかの表示装置106は患者のベッド脇又は患者の部屋に配置されている。他の実施例では、表示装置は、病院の階、病棟などのナース・ステーション又は中央監視ステーションなどの、共通の位置に配置されている。更に別の実施例では、表示装置106は、看護婦、外科医、又は他のユーザが患者の生理データを遠隔的に受信することができるようになる、デジタル・ポケットベル又は無線手持ち式装置などの1つ又は複数の携帯無線装置を備えることができる。更に他の実施例では、患者データは、インターネットへの安全接続によりパソコン、手持ち式装置などで利用可能である。従って、あらゆる形状、数、又は組合せの表示装置106が、本発明の範囲内で考えられる。
【0063】
次に図5を参照すると、本発明の一実施例による方法500が適切に、センサ装置502に患者を結合させるステップと、患者504の少なくとも1つの機械的信号を感知するステップと、機械的信号を患者データ506に処理するステップと、患者データをユーザ508に提供するステップとを含む。普通は、センサ装置502に患者を結合する前に、センサ装置102を表面上に設ける。上記のように、表面は、これに限らないが、病院のベッド、従来のベッド、手術室台、医院の診察台、意識のある鎮痛状態で処置を行なうための処置椅子又は台、歯科医の椅子、病院の椅子又は他の椅子、椅子のシート及び/又は椅子の背もたれ、車椅子、ベビーベッド、ストレッチャ又は移動ベッドなどの、あらゆる適切な表面を含むことができる。他の実施例では、表面はガウン、ノーススリーブ・ジャケット、ストラップなどの形で装着可能である。センサ装置102を表面上に設けるステップは、センサ装置102を表面上に簡単に配置するステップを含むことができ、又はセンサ装置102を表面内に一体化させることを伴う。例えば、センサ装置102を病院のベッド表面、或いは椅子のシート又は背もたれに内蔵することができる。いくつかの実施例では、センサ装置がベッド上で1つ又は複数のシートの下に配置され、ベッド上で封筒又は羽毛布団状のカバー内に配置され、シートなどの上でクッションの下に配置されている場合などに、センサ装置102を1層又は複数層の材料の下に設けることができる。従って、センサ装置102を、本発明の範囲から逸脱することなく、あらゆる適切な手段によってあらゆる適切な表面上に設けることができる。
【0064】
普通、患者が横になる、座る、かがむ、或いはセンサ装置102を上に設けた表面に対して重量又は圧力を加えることを可能にすることを伴う、センサ装置502に患者を結合させるステップが提供されている。このように横になる、座る、かがむことなどは、「受動監視」の要素を含んでいる。というのは、患者はセンサ装置102があることに気が付きさえせず、センサ装置102を患者に取り付ける必要がないからである。血圧測定用カフ、脈拍酸素測定センサ、鼻カニューレ、ECGなどの現在利用可能な装置と正反対をなしており、その全ては1つ又は複数の装置を患者に能動的且つ直接取り付ける必要がある。
【0065】
機械的信号504を感知するステップは普通、センサ装置102の少なくとも1つの圧電センサで少なくとも1つの機械的信号を感知するステップを含む。普通、感知された信号は、圧力信号、温度信号、音響信号、又はあらゆる他の適切な機械的信号を含むことができる。センサ202は普通、あらゆる所与の適切な機械的信号の変化を感知するが、いくつかの実施例では絶対的な機械的信号を感知することもできる。センサ202で感知された信号は、負の信号、又は信号がないことの何れかを含むことができる。例えば、正の圧力変化信号がセンサ装置102の1つのセンサ202内で検出され、圧力変化信号がセンサ装置102の別のセンサ202内で検出されない場合、患者は後者ではなく前者のセンサ202の上に位置決めされており、患者の呼吸数及び心拍数は後者ではなく、前者のセンサ202の上で感知されており、及び/又はその他のことを示すことができる。従って、いくつかの実施例では、第1のセンサは少なくとも1つの機械的信号を感知することができ、第2のセンサは少なくとも1つの機械的信号を感知することができ、感知された信号を比較することができる。第1のセンサ、第2のセンサ、又は両方が実際に、信号を感知しない場合、この信号の欠如をセンサ間で比較して、データをユーザに提供することができる。
【0066】
機械的信号506を処理するステップは上に詳細に説明した。普通、このような処理506は、少なくとも機械的信号をデジタル信号に変換し、信号をセンサ装置102の少なくとも2つの圧電センサ202間で比較することを伴う。処理506はまた、機械的信号をユーザに提供することができるデータに処理すること伴う。患者データをユーザ508に提供するステップも、上記で説明した。データを、患者の動作、呼吸数、及び/又は心拍数領域などの閾値領域に基づき、警報作動の形で提供することができる。データはまた、定性及び定量的な患者の動作又は位置データ、呼吸数データ、心拍数などとして提供することができる。
【0067】
本発明を、様々な例示的実施例に関連して、上記で十分に説明したが、実施例の説明は例示的目的のみで与えられたものであり、頭記の特許請求の範囲に記載された発明の範囲を限定するように解釈するべきではないことを理解すべきである。説明した実施例及び追加の実施例の何れかに対する追加、又は変更は、本発明の範囲内であると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の一実施例による、受動患者監視システムの略図である。
【図1A】本発明の一実施例による、多数の患者の受動監視システムの略図である。
【図2】本発明の一実施例による、センサ装置の正面図である。
【図2A】本発明の様々な実施例による、センサ装置の様々な実施例の略正面図である。
【図2B】本発明の様々な実施例による、センサ装置の様々な実施例の略正面図である。
【図2C】本発明の様々な実施例による、センサ装置の様々な実施例の略正面図である。
【図2D】本発明の様々な実施例による、センサ装置の様々な実施例の略正面図である。
【図2E】本発明の様々な実施例による、センサ装置の様々な実施例の略正面図である。
【図2F】本発明の様々な実施例による、センサ装置の様々な実施例の略正面図である。
【図3A】本発明の一実施例による、センサ装置で使用される圧電センサ及び送信機の正面図である。
【図3B】本発明の一実施例による、図3Aと同様の2つの圧電センサを保持する表面の正面図である。
【図3C】図3A及び3Bの表面及び圧電センサを保持する覆いを含む、完全センサ装置の正面図である。
【図4】本発明の一実施例による、信号を処理するプロセッサの要素を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施例による、患者を受動監視する方法を示すフロー図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1人の患者を受動監視する方法であって、
表面上に少なくとも2つの圧電センサを有するセンサ装置を設けるステップと、
患者が表面上に横になる、座る、かがむ、立つ、又は表面を装着することができるようにすることによって、前記センサ装置の少なくとも一部に患者を結合させるステップと、
第1の機械的信号を前記センサ装置の第1の圧電センサで感知するステップと、
第2の機械的信号を前記センサ装置の第2の圧電センサで感知するステップと、
前記第1及び第2の機械的信号を第1及び第2のデジタル信号に変換するステップと、
前記第1及び第2のデジタル信号を比較するステップと、
前記デジタル信号の比較に基づいて、患者データをユーザに提供するステップとを含む方法。
【請求項2】
前記センサ装置が、病院のベッド、ベッド、手術室台、診察台、処置椅子又は台、歯科医の椅子、病院の椅子、椅子のシート、椅子の背もたれ、車椅子、ベビーベッド、ストレッチャ、及び移動ベッドからなるグループから選択された表面上に設けられている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記センサ装置は更に、前記少なくとも2つの圧電センサを平らな表面に結合させる手段を有する平らな表面を備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記センサ装置を前記患者に結合するステップは、患者を前記装置が設けられたベッドの上に横たわらせることができるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記患者を前記センサ装置に結合するステップは、患者を前記装置が設けられた椅子の上に座らせることができるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
結合するステップは、前記患者を少なくとも1層の衣類、寝具、又は他の材料を通してセンサに結合させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1及び第2の機械的信号を感知するステップは、応力信号、熱信号、及び音響信号の少なくとも1つを感知するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1及び第2の機械的信号を感知するステップは、病院の一般治療区域、長期医療施設、又は養護施設内の患者の信号を感知するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1及び第2の機械的信号を感知するステップは、意識のある鎮痛状態での外科的処置が行なわれた患者の信号を感知するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
更に、第3及び第4の機械的信号を第3及び第4の圧電センサで感知するステップと、
前記第3及び第4の機械的信号を第3及び第4のデジタル信号に変換するステップと、
前記第1、第2、第3及び第4のデジタル信号を比較するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記デジタル信号を比較するステップは、前記第1の信号の有無を前記第2の信号の有無と比較するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記デジタル信号を比較するステップは更に、前記第1の信号の品質を前記第2の信号の品質と比較するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の信号、又は前記第2の信号の何れかを選択して、最も良い品質を有する前記信号に基づいて、データをユーザに提供するステップを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の信号の前記第2の信号との比較に基づいて、前記表面上の患者の有無を判断するステップを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記表面上の前記患者の位置を判断するステップを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記デジタル信号を、少なくとも2つの患者パラメータに対応する少なくとも2つのグループにグループ分けするステップを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも2つのパラメータが、前記センサ装置上の患者の動作、前記センサ装置上の患者の位置、患者の呼吸数、及び患者の心拍数からなるグループから選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記デジタル信号の少なくとも1つを少なくとも1つの所定の閾値と比較するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記デジタル信号の少なくとも1つを前記所定の閾値と比較するステップは、少なくとも1つの身体動作デジタル信号を最小量の身体動作、及び最大量の身体動作の少なくとも1つと比較するステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記デジタル信号の少なくとも1つを前記所定の閾値と比較するステップは、呼吸数デジタル信号を最小呼吸数及び最大呼吸数の少なくとも1つと比較するステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記デジタル信号の少なくとも1つを前記所定の閾値と比較するステップは、心拍数デジタル信号を最小心拍数及び最大心拍数の少なくとも1つと比較するステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
患者データをユーザに提供するステップは、前記少なくとも1つのデジタル信号が前記少なくとも1つの所定の閾値を満たしていない場合に、警報機を作動させるステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
更に、前記デジタル信号の少なくとも1つを少なくとも1つの早いデジタル信号と比較するステップと、
前記デジタル信号の前記早いデジタル信号との比較に基づいて、患者パラメータ内の傾向を認識するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記患者パラメータ内の前記傾向が、所定の負の傾向に一致した場合、警報機を作動させるステップを更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記デジタル信号の少なくとも1つを比較するステップが、
少なくとも1つの心拍信号を少なくとも1つの早い心拍信号と比較するステップと、
少なくとも1つの呼吸信号を少なくとも1つの早い呼吸信号と比較するステップとを含み、
前記負の傾向が、負の心拍傾向及び負の呼吸傾向の組合せを備える、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
患者データをユーザに提供するステップは、前記デジタル信号の前記比較に基づき警報機を作動させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
患者データをユーザに提供するステップは更に、前記表面上の前記患者の位置を提供するステップを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
患者データをユーザに提供するステップは更に、前記患者の呼吸数を提供するステップを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
患者データをユーザに提供するステップは更に、前記患者の心拍数を提供するステップを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記少なくとも1人の患者は多数の患者を含み、患者データを提供するステップはデータを共通の場所に提供するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記多数の患者は、病院の一般治療区域、長期医療施設、又は養護施設内の多数の患者を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記共通の場所は、ナース・ステーション、表示モニタ、デジタル・ポケットベル、無線手持ち式装置、コール・ステーション、及び監視室からなるグループから選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
多数の患者の生理的機能を受動監視する方法であって、
多数の表面上に少なくとも2つの圧電センサをそれぞれ有する多数のセンサ装置を設けるステップと、
患者が表面上に横になる、座る、かがむ、立つ、又は表面を装着することができるようにすることによって、前記センサ装置の1つの少なくとも一部に患者を結合させるステップと、
少なくとも1つの機械的信号を、各センサ装置上の前記圧電センサの少なくとも2つで感知するステップと、
感知した機械的信号をデジタル信号に変換するステップと、
各患者に対する前記圧電センサの少なくとも2つに対応するデジタル信号を比較するステップと、
前記多数の患者に対応する患者データを、前記デジタル信号の前記比較に基づき、中央位置でユーザに提供するステップとを含む方法。
【請求項34】
患者を受動監視する装置であって、
前記患者と結合する表面と、
前記患者からの少なくとも1つの機械的信号を感知するように、前記表面に結合された少なくとも2つの圧電センサと、
前記少なくとも1つの機械的信号を少なくとも1つのデジタル信号に変換し、前記少なくとも2つの圧電センサに対応するデジタル信号を比較して、前記患者に関連するデータを提供するように、前記圧電センサに結合されたプロセッサと、
前記圧電センサを前記プロセッサに結合させる少なくとも1つの第1のコネクタと、
前記患者データをユーザに提供するように、装置に前記プロセッサを結合させる少なくとも第2のコネクタとを備える装置。
【請求項35】
前記表面は平らなパッドである、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記平らなパッドは、少なくとも1層の弾力性のある発泡材料を含む、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記圧電センサは、患者の身体位置、患者の移動、患者の呼吸数、及び患者の心拍数の少なくとも1つの監視を簡単にするようなパターンで、前記表面に沿って配置されている、請求項34に記載の装置。
【請求項38】
前記パターンは、2つ以上の隣接した平らな圧電センサを備える、請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記パターンは、少なくとも2つの隣接する列、及び少なくとも2行の圧電センサを有する格子パターンを備える、請求項38に記載の装置。
【請求項40】
前記表面の寸法により、乳幼児を監視するように、前記表面をベビーベッド及びベッドの少なくとも1つの上に位置決めすることが可能になる、請求項34に記載の装置。
【請求項41】
前記表面の寸法により、病院、長期医療施設、又は養護施設内の患者を監視するように、前記表面をベッドの上に位置決めすることが可能になる、請求項34に記載の装置。
【請求項42】
前記表面の寸法により、意識のある鎮痛状態で処置を行なわれた患者を監視するように、前記表面を椅子の上に位置決めすることが可能になる、請求項34に記載の装置。
【請求項43】
更に、前記表面と前記患者の間に保護層を設けるように、前記表面の少なくとも一部を入れる覆いを備える、請求項34に記載の装置。
【請求項44】
前記覆いは耐水性である、請求項43に記載の装置。
【請求項45】
前記覆いは、少なくとも1つの覆い表面コネクタを含み、前記患者の前記少なくとも1つの機械的信号を監視するため、前記表面を前記覆い表面コネクタを介して前記覆いに連結させなければならない、請求項43に記載の装置。
【請求項46】
前記覆いは、1人の患者を監視するのに使用した後に使い捨て可能である、請求項43に記載の装置。
【請求項47】
前記圧電センサは、フッ化ビニリデン樹脂フィルム、重合ビニリデン・ケーブル、圧電セラミック・ディスク、及び圧電発泡体からなるグループから選択される、請求項34に記載の装置。
【請求項48】
前記表面は、ベッドの平らな表面上に設けられ、前記患者が前記表面上に横たわっているときに、前記患者の前記少なくとも1つの機械的信号を監視することができる、請求項34に記載の装置。
【請求項49】
前記少なくとも1つの機械的信号は、応力信号、熱信号、及び音響信号の少なくとも1つを含む、請求項34に記載の装置。
【請求項50】
前記第1のコネクタは、前記プロセッサに結合されたセンサ装置のタイプの少なくとも1つ、及び前記センサ装置が使用された回数を検出する手段を備える、請求項34に記載の装置。
【請求項51】
前記第1のコネクタは更に、前記センサ装置を作動させる手段を備える、請求項50に記載の装置。
【請求項52】
前記第1のコネクタ及び前記第2のコネクタの少なくとも1つは、無線送信機を備える、請求項34に記載の装置。
【請求項53】
前記プロセッサは、警報機を作動させることによって前記患者データを提供する、請求項34に記載の装置。
【請求項54】
前記デジタル信号の前記比較により、前記患者が前記表面上で動いていない、前記患者が前記表面に接触していない、又は前記患者が前記表面上で過度に動いていることが示された場合に、前記プロセッサは前記警報機を作動させる、請求項53に記載の装置。
【請求項55】
前記患者の呼吸数が所定の最小呼吸数より下がった、又は所定の最大呼吸数より上昇した場合に、前記プロセッサは前記警報機を作動させる、請求項53に記載の装置。
【請求項56】
前記患者の心拍数が所定の最小心拍数より下がった、又は所定の最大心拍数より上昇した場合に、前記プロセッサは前記警報機を作動させる、請求項53に記載の装置。
【請求項57】
前記プロセッサは更に、患者の呼吸数の形で前記患者データを提供する、請求項53に記載の装置。
【請求項58】
前記プロセッサは更に、患者の心拍数の形で前記患者データを提供する、請求項53に記載の装置。
【請求項59】
前記プロセッサは更に、前記表面上の患者の位置の形で前記患者データを提供する、請求項53に記載の装置。
【請求項60】
患者を受動監視するセンサ装置の少なくとも一部を入れるための使い捨て覆いであって、
前記患者と結合する平らな表面と、
前記センサ装置の少なくとも一部を包含する少なくとも1つのハウジングとを備える使い捨て覆い。
【請求項61】
前記覆いは耐水性である、請求項60に記載の使い捨て覆い。
【請求項62】
生理機能を受動監視するように、前記装置に前記覆いを脱着可能に結合させる少なくとも1つのコネクタを更に含む覆いであって、前記覆いを前記装置に連結させることにより、前記装置を作動させて、前記患者の前記生理機能を監視することが可能になる、請求項60に記載の使い捨て覆い。
【請求項63】
多数の患者を受動監視するシステムであって、
それぞれ、前記患者に結合する表面、及び患者からの少なくとも1つの機械的信号を感知するように、前記表面に結合された少なくとも2つの圧電センサを有する複数のセンサ装置と、
患者からの少なくとも1つの機械的信号と、
前記少なくとも1つの機械的信号を少なくとも1つのデジタル信号に変換し、前記少なくとも2つの圧電センサのそれぞれに対応するデジタル信号を比較して、前記患者に関連するデータを提供するように、それぞれ1つのセンサ装置に結合された複数のプロセッサと、
前記多数の患者に対する前記患者データをユーザに提供するように、共通の装置に各プロセッサを連結させる、各プロセッサに結合された少なくとも1つのコネクタとを備えるシステム。
【請求項64】
前記表面は平らなパッドである、請求項63に記載のシステム。
【請求項65】
前記平らなパッドは、少なくとも1層の弾力性のある発泡材料を含む、請求項64に記載のシステム。
【請求項66】
前記圧電センサは、患者の身体位置、患者の移動、患者の呼吸数、及び患者の心拍数の少なくとも1つの監視を簡単にするようなパターンで、前記表面に沿って配置されている、請求項63に記載のシステム。
【請求項67】
前記パターンは、2つ以上の隣接した平らな圧電センサを備える、請求項66に記載のシステム。
【請求項68】
前記パターンは、少なくとも2つの隣接する列、及び少なくとも2行の圧電センサを有する格子パターンを備える、請求項67に記載のシステム。
【請求項69】
前記表面の寸法により、乳幼児を監視するように、前記表面をベビーベッド及びベッドの少なくとも1つの上に位置決めすることが可能になる、請求項63に記載のシステム。
【請求項70】
前記表面の寸法により、病院、長期医療施設、又は養護施設内の患者を監視するように、前記表面をベッドの上に位置決めすることが可能になる、請求項63に記載のシステム。
【請求項71】
前記表面の寸法により、意識のある鎮痛状態で処置を行なわれた患者を監視するように、前記表面を椅子の上に位置決めすることが可能になる、請求項63に記載のシステム。
【請求項72】
更に、前記表面と前記患者の間に保護層を設けるように、前記表面の少なくとも一部を入れる覆いを備える、請求項63に記載のシステム。
【請求項73】
前記覆いは耐水性である、請求項72に記載のシステム。
【請求項74】
前記覆いは、少なくとも1つの覆い表面コネクタを含み、前記患者の前記少なくとも1つの機械的信号を監視するため、前記表面を前記覆い表面コネクタを介して前記覆いに連結させなければならない、請求項72に記載のシステム。
【請求項75】
前記覆いは、1人の患者を監視するのに使用した後に使い捨て可能である、請求項72に記載のシステム。
【請求項76】
前記圧電センサは、フッ化ビニリデン樹脂フィルム、重合ビニリデン・ケーブル、圧電セラミック・ディスク、及び圧電発泡体からなるグループから選択される、請求項63に記載のシステム。
【請求項77】
前記表面は、ベッドの平らな表面上に設けられ、前記患者が前記表面上に横たわっているときに、前記患者の前記少なくとも1つの機械的信号を監視することができる、請求項63に記載のシステム。
【請求項78】
前記少なくとも1つの機械的信号は、応力信号、熱信号、及び音響信号の少なくとも1つを含む、請求項63に記載のシステム。
【請求項79】
前記各センサ装置は、無線接続を介して前記プロセッサの1つに結合される、請求項63に記載のシステム。
【請求項80】
前記少なくとも1つのコネクタは、前記各プロセッサを、共通の警報機、共通の表示装置、少なくとも1つのデジタル・ポケットベル、少なくとも1つの手持ち式無線装置、Ethernet(登録商標)接続、インターネット接続、及びイントラネット接続の少なくとも1つに連結させる、請求項63に記載のシステム。
【請求項81】
前記複数のプロセッサはそれぞれ、警報機を作動させることによって前記患者データを提供する、請求項63に記載のシステム。
【請求項82】
前記デジタル信号の前記比較により、前記患者が前記表面上で動いていない、前記患者が前記表面に接触していない、又は前記患者が前記表面上で過度に動いていることが示された場合に、前記複数のプロセッサはそれぞれ前記警報機を作動させる、請求項81に記載のシステム。
【請求項83】
前記患者の呼吸数が所定の最小呼吸数より下がった、又は所定の最大呼吸数より上昇した場合に、前記複数のプロセッサはそれぞれ前記警報機を作動させる、請求項81に記載のシステム。
【請求項84】
前記患者の心拍数が所定の最小心拍数より下がった、又は所定の最大心拍数より上昇した場合に、前記複数のプロセッサはそれぞれ前記警報機を作動させる、請求項81に記載のシステム。
【請求項85】
前記複数のプロセッサはそれぞれ更に、患者の呼吸数の形で前記患者データを提供する、請求項81に記載のシステム。
【請求項86】
前記複数のプロセッサはそれぞれ更に、患者の心拍数の形で前記患者データを提供する、請求項81に記載のシステム。
【請求項87】
前記複数のプロセッサはそれぞれ更に、前記表面上の患者の位置の形で前記患者データを提供する、請求項81に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−512112(P2006−512112A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−553965(P2004−553965)
【出願日】平成15年11月19日(2003.11.19)
【国際出願番号】PCT/US2003/037067
【国際公開番号】WO2004/045407
【国際公開日】平成16年6月3日(2004.6.3)
【出願人】(504361632)ホアナ メディカル、インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】