説明

口腔歯科感染症の予防のための藻類含有菓子製品

本発明は一般に甘味製品に関する。より具体的には、本発明は、歯に有益な効果をもたらす甘味製品に関する。本発明の甘味製品は、良好な口腔歯科衛生を促進し、特に口腔歯科ケアをもたらして、健康な歯と歯茎を促進および維持する。この甘味製品は、微細藻類および/または微細藻類抽出物、より詳細にはクロレラ(Chlorella)および/またはクロレラ(Chlorella)抽出物を含有することを特徴とする。最後に、本発明は、口腔歯科の良好な健康を増進し維持するための、クロレラ(Chlorella)を含有する甘味製品、好ましくは無糖甘味製品の使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、菓子製品に関する。より具体的には、本発明は、歯科的利点を提供することを目指す菓子製品に関する。本発明の菓子製品は、良好な口腔歯科衛生を促進し、より詳細には歯および歯茎の健康を促進し維持する。この菓子製品は、微細藻類および/または微細藻類抽出物、より詳細にはクロレラおよび/またはクロレラ抽出物を含有することを特徴とする。
【背景技術】
【0002】
藻類は、地球上に出現した最初の生物の1つであり、根、茎、葉を欠くが、酸素産生光合成に付随するクロロフィルおよびその他の色素を有する真核生物と定義されている。これらは青色、赤色、黄色、金色、および褐色、あるいは緑色である。これらは、海洋植物の90%超、そして植物界の18%超に相当し、40000〜45000種ある。藻類は、これらのサイズおよび形状、ならびにこれらの細胞構造の双方において、極めて変化に富む生物である。これらは、水中、または非常に湿潤な環境下で生息する。これらは、多種多様なビタミンおよび微量元素を含有し、健康および美容を促進する有益な活性薬剤の真の濃縮物である。これらは、抗炎症性、保湿性、粘滑性、再生性であり、肌に張りを与え、抗老化性である。これらはまた、食品にテクスチャを与えることを可能にする「技術的」特徴も有する。実際、有名な添加剤E400〜E407は、実のところ、藻類から抽出された化合物であり、その増粘、ゲル化、乳化、および安定化特性が利用されている。
【0003】
微細藻類は、厳密な意味では顕微鏡的藻類である。これらは、単細胞または多細胞のどちらかであり、真核生物および原核生物という2つの多元的集団に分類される光合成微生物である。これらは、高度に水性の媒体中で生息し、鞭毛運動性を有してもよい。
【0004】
クロレラは、30億年以上前に地球上に出現した淡水性の顕微鏡的単細胞藻である。このクロレラは、オランダの微生物学者Martinus Beijernickによって1890年に発見された。Beijernickは、クロレラのクロロフィル含量に、さらに、これに高増殖速度を与える因子CGF(クロレラ成長因子)の存在に魅了された。クロレラは全ての植物中で最も高いクロロフィル濃度を有し、その光合成能力は注目に値する。その発見以来、クロレラは世界的に相当な興味を抱かせ、今日それは栄養補給剤および栄養補助食品における使用のために大量生産されている。実際に、クロレラは、ヒトおよび動物の健康に必須である多数のアミノ酸を含有するタンパク質を60%を超えて含有する。クロレラは、多数のビタミン(A、βカロテン、B1:チアミン、B2:リボフラビン、B3:ナイアシン、B5:パントテン酸、B6:ピリドキシン、B9:葉酸、B12:コバラミン、ビタミンC:アスコルビン酸、ビタミンE:トコフェロール、ビタミンK:フィロキノン)、ルテイン(カロテノイドファミリー、強力な抗酸化剤)、およびミネラル(カルシウム、鉄、リン、マンガン、カリウム、銅、および亜鉛を含む)も含有する。さらに、クロレラは、良好な心臓機能および脳機能に必須であり、癌、糖尿病、または肥満症などの多数の疾患を予防する、特定のωタイプの多価不飽和脂肪酸を含有している。クロレラは、その作用に関与する3つの因子を有している:
- クロレラ中に4%(質量基準)を超えて存在し、その浄化作用で知られているクロロフィル。
- 細胞膜:セルロース分解に必要な酵素を欠くヒト消化管によっては消化されず、重金属および毒素を固定して、自然経路によるその排除を加速する。
- 5%(質量基準)の濃度で存在するCFGは、代謝および細胞成長の強力な補強剤である。CFGは、細胞核に源を発する価値ある因子であり、本質的にアミノ酸、βグルカン、および核酸を含有する。CFGは、クロレラに非常に迅速な細胞成長、増殖、および分裂速度を与える。
【0005】
クロレラ摂取に関連する利点は、非常に多種多様である。クロレラは、日本において、毎日400万人の人々によって使用されている栄養補助食品である。日本国政府がそれを「国益に関わる食物」と分類した程である。この貴重な藻は、主として、次のために推奨されるが、これらに限定されるものではない:
- 神経系を沈静させ、睡眠を促進する。
- 便秘を低減させ、麻痺のある人々においてさえも排便を正常にする。腸内細菌叢も回復させる。
- 免疫系を刺激する。
- 酸塩基平衡を促進させる。
- 細胞再生を刺激し、加齢を遅らせる。
- 血液中の脂肪を低減し、心血管疾患のリスクを低下させる。
- 高血圧を低下させる。
- 重金属その他の毒素を固定し、肝臓を損傷することなくそれらを排除する。
- 胃潰瘍を治癒し、緩和する。
【0006】
米国特許出願公開第2004/0081665号明細書には、免疫調節活性を有する高分子量の多糖類および多糖類複合体類を含有するクロレラ抽出物の使用が記載されている。ここでは、サイトカイン産生を増大させることが意図されており、クロレラ抽出物がワクチンの調製における構成要素として使用されている。
【0007】
KR20030020767号明細書には、骨粗鬆症の予防および治療のための、場合によりタブレット、カプセル、または顆粒の形態であってよい医薬品について記載されており、この医薬品は、活性成分としてクロレラを含有することを特徴としている。
【0008】
FR2747922号明細書には、皮膚疾患の予防および治療を意図する製品を調製するためのクロレラタイプの藻類の濃縮抽出物の使用について記載されており、この使用は、前記抽出物が、表皮のランゲルハンス細胞を紫外線放射から保護することを特徴としている。
【0009】
本発明では、藻という語を、藻類の大きさから独立に使用し、したがって微細藻類も含む。好ましくは、これらは微細藻類である。
【0010】
本出願人は、口腔歯科の感染症もしくは疾患の予防、および/または良好な口腔歯科衛生の維持のための、藻類および/または藻類抽出物の使用に関しては、いかなる関連文献も確認していない。
【0011】
良好な歯科衛生を維持するための最も良く知られており、最も良く認識されている方法は、規則正しい歯磨きと毎日のデンタルフロスの使用である。しかし、これらの方法は、歯磨き中において歯または歯茎の特定部分に到達することが困難であるという問題に起因して、歯肉炎および歯周感染症を予防できない。さらに、人によっては、歯を正しくかつ/あるいは規則正しく磨くことを望まず、またはそうする機会がない。例えば、病気または入院などの特定の状況は、個人が良好な歯科衛生を維持することを妨げる場合がある。その他の状況(例えば、場所の不都合さ、不衛生、気恥ずかしさなど)が、歯磨きを困難または不可能にする。口腔歯科健康を奨励するために、活性成分または医薬品(例えば、消毒剤、亜鉛塩、抗生物質、酸化剤、葉酸、補酵素Q10など)を口腔内に送達する試験が実施されている。
【0012】
国際公開第00/62762号パンフレットには、エナメル質再石灰化および齲歯予防と治療を意図する、ガムベース、可溶性画分、香料、炭酸カルシウム、および食物等級の酸を含む、治療効果を有する無糖のチューインガムが記載されている。
【0013】
米国特許出願公開第2007/0110684号明細書には、インド産の樹木の抽出物であるヤエヤマアオキ(Morinda citrifolia)の有効量の使用によって歯科疾患を治療および予防する方法について記載されている。この植物抽出物は、他の添加剤および/または活性成分と組み合わされた、粉末、タブレット、チューインガム、顆粒、練り歯磨き、口内洗浄用水薬の形態であり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/0081665号明細書
【特許文献2】KR20030020767号明細書
【特許文献3】FR2747922号明細書
【特許文献4】国際公開第00/62762号パンフレット
【特許文献5】米国特許出願公開第2007/0110684号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかし、口腔内に送達されるこれらの薬剤および/または活性成分に付随する、有効性、吸収性、代謝性、生体利用能、二次的影響、規制、および経費は、今日克服する必要があるいくつかの問題である。
【0016】
この観察に基づいて、本出願人は、菓子製品、より詳細には無糖の菓子製品の特性と、微細藻類および/または微細藻類抽出物、より詳細にはクロレラの特性とを組み合わせることによって、口腔歯科健康に有益な効果を有する非齲蝕誘発性菓子製品が得られることを驚いたことに予期せず発見した。実際に、クロレラと組み合わせたこの菓子製品、より詳細にはこの無糖菓子製品は、口腔歯科の感染症または疾患の予防、および/または良好な口腔歯科衛生の維持に対する、技術的および経済的に実行可能な解決法を提供し、全ての状況下での容易な使用を可能にし、したがって、一日を通して健康な口腔の維持を促進する。さらに、クロレラのためのベクターとしての菓子製品の使用は、口腔感染部位に直接クロレラを送達できるようにし、したがって目下存在する直接飲み込まなくてはならないクロレラ含有栄養補給剤と異り、治療の最適化を可能にする。実際に、これらの栄養補給剤に含有されるクロレラ抽出物が胃に到達した後に、口腔歯科衛生に有益な作用を有することは想像し難しい。加えて、これらの栄養補給剤は、口腔歯科の感染症または疾患の予防用および/または良好な口腔歯科衛生の維持用として認められておらず、また処方されていない。
【0017】
さらに、ベクターとしての菓子製品の使用は、1日のいかなる時にも特に制約されない容易な使用を可能にする。良好な口腔歯科健康の維持を可能にするその他の手段、すなわち、食後の歯磨きおよび/または口内洗浄液の使用は、とりわけ、簡単に、規則正しく、その必要性を感じた都度実行することができないという、大きな不都合を有する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
したがって、本発明は、口腔歯科の感染症または疾患の予防および/または良好な口腔歯科衛生の維持を意図し、ひいては良好な口腔歯科健康を維持できるようにする、微細藻類および/または微細藻類抽出物を含有する菓子製品、より詳細には無糖の菓子製品に関する。本発明は、より詳細には、クロレラおよびクロレラ抽出物を含有する無糖の菓子製品に関する。最後に、本発明は、良好な口腔歯科衛生および良好な口腔歯科健康を促進し維持するための、クロレラを含有する菓子製品、好ましくは無糖の菓子製品の使用にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明において、「口腔歯科健康」という表現は、慢性的な口腔または顔面の疼痛、口腔病変、歯周病(歯茎に悪影響を及ぼす感染症)、齲歯、歯周病、および口と口腔に悪影響を及ぼすその他の病態と障害の不在を意味するものと理解される。
本発明において、「口腔歯科の感染症または疾患」という表現は、齲歯、アフタ、口臭、歯肉炎、歯周疾患、および全てのその他の口腔病変を意味する。
【0020】
齲歯は、伝染性感染症であり、それは歯垢細菌によって生じる酸蝕症の結果である。毎日、一般に食後、細菌性歯垢が歯の上に迅速に形成され、歯のエナメル質表面および歯茎の上にバイオフィルムとしても知られている薄い粘着性のマトリックスを構成する。このマトリックスは、食べかすと、食物および飲料中に含有される糖のお陰で成長する細菌とを包含する。細菌によって産生される酸は、歯を覆うエナメル質の脱ミネラル化を引き起こす。この脱ミネラル化は、齲歯の出発点を構成し、それは刺激感応性のない第1段階である。第2段階は、象牙質(歯内層を形成する物質)への攻撃であり、熱、冷たさ、砂糖などの外的刺激に対する刺激感応性によって認識し得る。第3段階は、自発性疼痛(激しい歯痛)によって特徴付けられる歯髄への攻撃が存在するような、硬組織の破壊によって特徴付けられる。最終的に、第4段階は、歯根管および歯周囲の細菌増殖を伴う歯髄の死滅または自発性失活である。これは歯の感染症または膿瘍をもたらす、最も重篤な段階である。
【0021】
この感染症源は、全体的な健康に対する危険性を有する。この細菌は、血流によって生体に移入し、心臓、腎臓、関節などの臓器に移植される場合がある。齲歯が、進行過程を構成し、自然回復しない場合がある。
【0022】
口咽頭アフタおよびアフタ症は、口腔粘膜病変中で重要な位置を占める。これらの発生は、栄養的、心理学的(特にストレス)、または衛生的要因に関係している可能性がある。これらは、表在性の粘膜潰瘍である。それらの発生は、4段階で起きる。前駆期は、灼熱感または刺すよううな感覚の出現を特徴とし、次いで、この前潰瘍性期中において、中心に黄色斑がある紅斑が出現する。このように、斑は、壊死することによって、病勢極期を特徴付ける臨床型次第で、より大きなまたは小さな潰瘍に取って代わられる。治癒期は、病変のサイズ次第で続発症ありまたはなしの回復をもたらす。口腔アフタが単独でなくその他の症状を伴う場合、これらはベーチェット病の徴候、または潰瘍性大腸炎またはクローン病などの腸の炎症性疾患の徴候である可能性がある。治療は、疾患の重篤性の度合いに適合させるべきであり、局所的促進因子の排除、すなわち歯石の除去と良好な口腔衛生から始める。散発型は、局所的対症療法に応答する。より重症型は、その有効性が確認されている全身療法を必要とする。理想的な療法は、疼痛に、病変それ自体に作用すべきであり、可能ならば引き続く発病を予防すべきである。
【0023】
口臭としてもまた知られている口の臭いの原因は、口腔内に見出されることが最も多い。硫化水素およびメチルメルカプタンが、主要な悪臭のある構成成分であり、これらの成分は、唾液中の細胞成分の第一の誘導体である、チオール基および二硫化物を含有するタンパク質基質の、細菌分解に由来する。呼気中のイオウ含有揮発性化合物の含量は、炎症状態の場合に、あるいは睡眠中および口腔洗浄終了後の唾液流の長期の低下後に、特に高い。この呼気中のイオウ含有揮発性化合物含量は、大抵の場合、舌の背後面を含めた口腔の入念なブラッシング、または亜鉛塩を含有する口内洗浄液でのすすぎによって、顕著に低減される可能性がある。舌は、非常に多くの場合、口臭の原因である。これは、舌が多数の絨毛を含み、絨毛が臭い息の原因となる細菌を保持し、細菌が舌上に沈着物を形成するためである。
【0024】
歯肉炎または歯肉疾患は、初期段階にある、歯茎の細菌感染症または歯茎の炎症と説明される。これは、歯茎の出血によって明らかとなるが、歯を支える骨には達しない。これは、消毒液による口内洗浄をはじめとする家庭での厳密な衛生処置、歯垢および歯石を除去するスケーリングをはじめとする歯の清掃によって治療することができる。治療しないと、歯牙喪失がもたらされる可能性がある。歯肉炎は、それはより侵攻型の疾患である歯周炎の第1段階である。歯周炎は、歯茎の出血、骨と歯支持組織の破壊、わずかにまたは大幅に動く歯、臭い息、および歯周ポケット(歯と歯茎の間の深い間隙)によって説明される。歯肉炎は、非外科的な深部清掃および歯石除去処置である掻爬および表面処置によって治療する場合があり、掻爬実施前の歯茎の切開、次に縫合および包帯剤を使用した歯茎閉鎖が必要な外科処置である開放掻爬によって治療する場合もある。最も進行した段階のものは、骨移植または歯茎移植によって治療される。
【0025】
本発明は、その数例について上に詳述した口腔歯科の感染症または疾患を予防するための、ひいては良好な口腔歯科衛生を保って維持管理するための、微細藻類および/または微細藻類抽出物を含有する、口腔内で摂取される菓子製品(好ましくは無糖の菓子製品)に関する。
【0026】
好ましい一態様では、前記微細藻類および/または微細藻類抽出物は、0.2〜65質量%、好ましくは0.2〜50質量%、好ましくは1〜40質量%、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは5〜28質量%、または10〜28質量%の量で存在する。
【0027】
好ましい一態様では、微細藻類および/または微細藻類抽出物は、クロレラ(Chlorella)、スピルリナ(Spirulina)、およびオドンテラ(Odontella)からなる群から選択される。
【0028】
さらにより好ましい好ましい一態様では、本発明の微細藻類および/または微細藻類抽出物は、クロレラ(Chlorella)属に由来し、好ましくはクロレラ・ブルガリス(Chlorella vulgaris)、クロレラ・ピレノイドサ(Chlorella pyrenoidosa)、クロレラ・レギュラリス(Chlorella regularis)、クロレラ・ソロキニアナ(Chlorella sorokiniana)に由来し、さらにより好ましくはクロレラ・ブルガリス(Chlorella vulgaris)に由来する。
【0029】
別の好ましい様式によれば、本発明の菓子製品は、微細藻類抽出物、好ましくはCGF抽出物を含有する。
【0030】
本発明の1つの変形によれば、クロレラ(Chlorella)微細藻類および/またはその抽出物を、一般的に健康に有益な効果を有するその他の藻類および/または藻類抽出物と組み合わせてもよい。
【0031】
そのような藻類および/または藻類抽出物の例は、例えば、DHAまたはドコサヘキサエン酸である。DHAまたはドコサヘキサエン酸は、特に神経細胞のω−3脂肪酸構成要素群からの脂肪酸であり、シゾキトリウム(Schizochytrium)属;イリダエア(Iridaea)属;ポルフィラ(Porphyra)属、より詳細にはスサビノリ(Porphyra yezoensis);ギムノゴングルス(Gymnogongrus)属、より詳細にはギムノゴングルス・クレヌラツス(Gymnogongrus crenulatus)およびギムノゴングルス・グリフィトシア(Gymnogongrus griffithsiae);クリプテコジニウム(Crypthecodinium)属、より詳細にはクリプテコジニウム・コーニイ(Crypthecodinium cohnii);ヒプネア(Hypnea)属、より詳細にはカギイバラノリ(Hypnea musciformis);メリストテカ(Meristotheca)属、より詳細にはメリストテカ・セネガレンシス(Meristotheca senegalensis)およびトサカノリ(Meristotheca papulosa)などの海洋性藻類中に含有される。クロレラ(Chlorella)および/またはクロレラ(Chlorella)抽出物との組み合わせのその他の例は、スピルリナ(Spirulina)属、褐藻類(Phaeophyceae)、紅藻類(Rhodophyceae)、緑藻類(Chlorophyceae)の藻類、および/または、ルテイン、ゼアキサンチン、キサントフィル、ラミナリン、およびクロロフィルの抽出物である。
【0032】
「菓子製品」(同義語:甘味製品、砂糖菓子、キャンディなど)という用語は、本発明では、甘味を有するあらゆる風味付けされた食品を指し、その稠度は硬質または軟質であってもよく、チョコレート掛けされていてもよく、口腔内でしゃぶることおよび/または噛みくだくことにより摂取される。
【0033】
好ましい一態様では、本発明の菓子製品はいずれも、以下のタイプの菓子製品である:有平糖(boiled sugar)(より一般的には、ハードキャンディとして知られている)、ドラジェ、ゼリー菓子、ガム、キャラメル、タフィーおよびファッジ、チューインガム、風船ガム、噛み応えのあるペースト(chewy paste)、タブレット、およびロゼンジ。
【0034】
別の好ましい態様では、本発明の菓子製品は、例えばマシュマロなどの泡菓子製品であってよい。
【0035】
別の好ましい態様では、本発明の菓子製品は、バー、キャンディ、ボンボン、トリュフ、レンズ豆型などであってよい、あらゆる形態で、チョコレートを用いて調製される。
【0036】
本発明の一変形では、本発明の菓子製品をフィルムコーティングすることができる。フィルムコーティングは、乾燥後に保護フィルムになるフィルム形成液体組成物を塗布する工程からなる。このフィルムコーティングは、例えば、菓子製品中に含有される活性成分を保護して、菓子製品それ自体を湿気、衝撃、脆砕性から保護する役割を果たし、菓子製品に光沢、均一色、滑らかな表面などの魅力的な視覚的特性をも与える。
【0037】
より好ましい一変形では、フィルムコーティングのために使用する組成物は、本出願人が保有者である国際公開第2005/060944号パンフレットに記載されているものである。
【0038】
別の好ましい変形では、本発明の菓子製品を、可能な場合には、液状、ペースト状、固体状、粉末状などの詰め物で充填することもできる。これらは、チョコレート掛け、糖衣、砂糖漬け、糖蜜掛けなどによりコーティングすることもできる。
【0039】
別のより好ましい態様では、本発明の菓子製品は無糖の菓子製品である。
【0040】
別のさらにより好ましい態様では、本発明の菓子製品は、ポリオールから、ポリオールの混合物から、ポリオールおよび可溶性繊維の混合物から、またはポリオール、可溶性繊維、およびタンパク質の混合物から調製される無糖の菓子製品であり、歯に対する無害性のため、およびスクロースと比べて低いカロリーのため、特に本発明に適している。
【0041】
特に有利な組み合わせの一例は、それらの利点が認められており、本出願人によって製造販売されている、可溶性繊維の完全な製品系列であるNUTRIOSE(登録商標)の使用である。NUTRIOSE(登録商標)は、最高で85%までの繊維を含有する、部分的に加水分解された小麦およびトウモロコシデンプン誘導体である。この高い繊維含量は、消化耐性を増大させ、カロリー制限を改善し、エネルギー放出を延長させ、より低い糖含量が得られるようにする。さらに、NUTRIOSE(登録商標)は、市販されている最も認容性の高い繊維の1つである。NUTRIOSE(登録商標)は、高い消化耐性を示し、他の繊維よりも高い組み込みを可能にし、これにより、実質的な栄養的利点がもたらされる。
【0042】
より健康的な食品に対するトレンドは確実に勢いを得ており、消費および購入習慣を顕著に変化させている。おいしいものを食べながら砂糖の摂取量を減らすことは、多くの栄養提言に応えてますます多くの消費者の希望となっている。
【0043】
さらに、無糖の製品は、治療的機能を有する菓子製品(例えば、咳または気道のための菓子製品や、口腔歯科衛生に寄与するカルシウム含有チューインガムなど)を製造するために特に有利である。
【0044】
本発明のさらにより好ましい一態様では、前述の菓子製品は、先行技術で知られている方法の1つによってコーティングおよび/またはフィルムコーティングされていてもされていなくてもよい、無糖のポリオールベースのチューインガムである。
【0045】
特定の一つのメカニズムに限定されないが、クロレラおよび/またはクロレラ抽出物を含有するチューインガムを摂取することは、とりわけ、多数の口腔歯科感染症または疾患の原因である歯垢形成を予防することによって、良好な歯科衛生の維持に寄与し得る。前述のチューインガムの咀嚼により、唾液防御メカニズムの活性化が促進され、ひいては歯の表面における菌の成長を妨げられる。チューインガム中に含有されているクロレラの複合作用が、これらの抗菌性防御メカニズムをさらに強化する。
【0046】
この有益な効果は、クロレラを、しゃぶるかまたはかみ砕かれる菓子製品に含める場合にも見られる。この場合も、唾液の産生が促進され、これにより、歯の上の細菌の増殖が大幅に低減される可能性がある。
【0047】
本発明のさらにより好ましい一態様では、より大量の唾液分泌を促進し、ひいては保護作用を強化するために、ハッカなどの香料および果実フレーバーを添加してもよい。その他の香料(例えば、メントール、ユーカリプトール、チモール、サリチル酸メチル、甘草、および桂皮アルデヒドなど)は、それらの固有の抗菌特性により、望ましくない口腔の病原菌を撲滅する作用を強化し得る。
【0048】
本発明の別の好ましい態様では、活性成分を菓子製品に添加してもよい。本発明において「活性成分」という表現は、立証された薬理学的効果と、臨床的に立証された治療上の利点とを有する、任意の活性分子を意味するものと理解される。
【0049】
本発明の別の好ましい態様では、クロレラおよび/またはクロレラ抽出物を含有する無糖のチューインガムは、口腔歯科の感染症または疾患を予防し、良好な口腔歯科衛生を維持し、結果として良好な口腔歯科健康維持管理するために、いつでも摂取することができる。
【0050】
本発明の菓子製品は、口腔感染症を有する個人に投与してもよい。特に、これらは、選択によってまたはやむを得ず口腔歯科衛生が欠如している個人に特に適している。本発明の菓子製品を、極めて単純に、良好な口腔歯科衛生を補足するものとして使用することができることも理解される。
【0051】
好ましい一態様では、特に適切な一菓子製品は、本出願人によるEP1222860号明細書に記載されているものなどの、ざらつくテクスチャをゆうする菓子製品であってもよく、これはこれだけで口臭問題に対抗することが可能である。このようなざらつくテクスチャの菓子製品は、タブレット、ロゼンジなどであってもよい。クロレラと、菓子製品のざらつくテクスチャとの両方の複合作用によって、健康な口腔の維持に関わる有益な作用が強化される。
【0052】
本発明の別の好ましい態様では、1人が1日あたり摂取する菓子製品の量は、0.5g〜50gである。さらにより好ましい一態様では、摂取量は1日あたり2g〜30gである。
【0053】
菓子製品がチューインガムまたは噛み応えのあるペースト(chewy paste)である具体的事例では、1日あたり摂取される菓子製品の量は15グラム未満であり、好ましくは10グラム前後である。
【0054】
本発明の好ましい一態様では、1日あたり摂取されるクロレラおよび/またはクロレラ抽出物の有効用量または有効量は、0.1g〜10gである。
【0055】
もう一つの好ましい態様では、1日あたり摂取されるクロレラおよび/またはクロレラ抽出物の有効用量または有効量は、1g〜3gの間である。
【0056】
さらにより好ましい一態様では、1日あたり摂取されるクロレラおよび/またはクロレラ抽出物の有効用量または有効量は2グラムである。
【0057】
本発明の菓子製品は、あらゆる好機において所望の時間にわたり摂取される。
【0058】
好ましい一態様では、菓子製品は、例えば細菌攻撃および歯垢形成が最も多い時点である、食後などの飲み物および/または食べ物の各摂取後に摂取される。
【0059】
本発明の好ましい一態様では、菓子製品は少なくとも1日2回、好ましくは少なくとも1日3回摂取される。
【0060】
本発明の好ましい一態様では、2つのチューインガムタブレットが一緒に噛み砕かれる。
【0061】
別の好ましい態様では、2つ、好ましくは3つのタブレットが一緒にしゃぶられる。
【0062】
別の好ましい態様では、菓子製品は、少なくとも2分間、好ましくは少なくとも5分間、さらにより好ましくは少なくとも10分間口腔内に留められる。
【0063】
本発明は、例証的であるが制限は意図しない以下の実施例の助けを借りて、より良く理解されるであろう。
【実施例】
【0064】
[実施例1]:ポリオールおよびクロレラを含有する無糖チューインガム
A.センター製造のための配合(成分は質量百分率で表す)
- ガムベース:35.0%
(例えば:Cafosa Gum SA Barcelona(スペイン)社からのOptima)
- マルチトールMaltisorb(登録商標)P35:36.3%
- LYCASIN(登録商標)80/55マルチトールシロップ(75%DS):7.0%
- クロレラ(粉末、96%DS):20.0%
- 液体ハッカ香料:1.5%
(例えば:Ref.SN748096、IFF社)
- アスパルテーム:0.2%
【0065】
B.方法(60kgのセンター用)
・50℃のZブレード混練機内への装入手順(分刻み)
0分:混練機内への、溶融ガムベース(50℃にて一晩加熱したもの)および半量のMaltisorb(登録商標)P35の装入
4分:クロレラおよびアスパルテームの添加
8分:残り半量のMaltisorb(登録商標)P35の添加
10分:LYCASIN(登録商標)80/55マルチトールシロップの添加
12分:液体ハッカ香料の添加
14分:混練機からの取り出し(約53℃のガム)、および、このガムの約2キログラムローフへの分割。20℃および相対湿度50%の空気中で、これらのローフを約1時間貯蔵する。ガムローフが押し出し機に到達する時点において、ガムローフの温度は約43℃である。
【0066】
・押出し(Togum TO−E82装置)
押し出し機本体温度:41℃
押し出し機ヘッド温度:44℃
【0067】
・積層化:4対のローラー
・折り目付け:2対のローラー(Togum TO−W191装置)
得られたガムのストリップに、50質量%の滑石および50質量%のマンニトール60を含有する混合物をまぶす。
【0068】
・貯蔵:コーティングする前に、未分離センターのストリップを15℃および相対湿度50%の空気中で約48時間貯蔵する。
【0069】
C.上で得られたセンターのコーティング
【0070】
・コーティングシロップ組成(70%DS、75℃)
【表1】

【0071】
・コーティング層組成(%)
- MALTISORB(登録商標)P200マルチトール:90.54%
- アラビアガム溶液(40%DS):4.85%
- TiO:0.97%
- 液体ハッカ香料:0.97%
- クロレラ:0.73%
- 水:1.94%
【0072】
・クロレラ添加チューインガム組成
【表2】

【0073】
ガム中および外側コーティング層中にクロレラを含有する上記チューインガムを、食味検査員パネルによって試験させた。これらの味は、満足のいくものでありかなり好ましいと判定された。
【0074】
[実施例2]:クロレラを含有するざらつくテクスチャの菓子製品
好ましい一態様では、特に適切な1つの菓子製品は、EP1222860号明細書で本出願人により記載されているものなどの、ざらつくテクスチャの菓子製品である。
【0075】
A.配合表(成分は質量百分率で表す)
- NEOSORB(登録商標)P60Wソルビトール:39.00%
- Maltisorb(登録商標)P200マルチトール:39.00%
- クロレラ(粉末、96%DS):20.00%
- 液体ハッカ香料:1.00%
(例えば:Ref.SN748096、IFF社)
- ステアリン酸マグネシウム:1.00%
【0076】
B.粉末の調製
*ソルビトールとマルチトールの混合
*前述の粉末混合物への液体香料の噴霧
*クロレラの添加
*潤滑剤の添加
*均質化するまで混合
【0077】
C.圧縮
直径18mmの平パンチおよび丸パンチを装着した卓上型交互プレス上での圧縮
【0078】
D.得られたタブレットの特徴
*1タブレットあたりの質量:1.76g
*厚さ:5mm
*1タブレットあたりのクロレラ用量:352mg
*Erweka TBH 30装置で測定された硬度:110N
【0079】
ざらざらした菓子製品を、食味検査員パネルによって試食させた。これらの味は、満足のいくものでありかなり好ましいと判定された。
【0080】
[実施例3]:クロレラを含有する噛み応えのあるペースト(chewy paste)のレシピ
【0081】
A.つの試験のための配合
【表3】

【0082】
B.方法
*40%DS含有ゼラチン溶液の調製
*116℃でのLYCASIN(登録商標)HBC(およびマンニトール60、試験1)の調理
*ミキサー内へのゼラチン溶液装入および混練
*溶融植物性脂肪および乳化剤の添加および混練
*クロレラおよび香料の添加および混練
*冷却、切断、および包装
【0083】
C.2つの試験の完成品組成
【表4】

【0084】
リンゴ風味の噛み応えのある菓子製品を、食味検査員パネルによって試食させた。これらの味は、満足のいくものでありかなり好ましいと判定された。
【0085】
[実施例4]:クロレラ充填ゼラチンゼリー菓子
【0086】
A.配合(成分は質量百分率で表す)
【表5】

【0087】
B.方法
・ゼラチンでゲル化させた外側材の調製および調理(調製品A)
- ゼラチンを60℃の湯煎にかける。
- 砂糖をグルコースシロップおよび水と混合し、混合物の加熱を始める。
- 前述の混合物を110℃〜115℃で調理する。
- 混合物を冷却し、90℃でゼラチン溶液、クエン酸、ならびに香料および着色剤を添加する。混合物のブリックスは約78%である。
【0088】
・クロレラ詰め物の調製および調理(調製品B)
- 砂糖をグルコースシロップおよび水と混合し、混合物の加熱を始める。
- CLEARAM(登録商標)CR2010デンプンを冷水に分散させ、この調製品を前述の混合物に添加し、調理して、混合物全体をゼラチン化して透明の塊を得る。
- クロレラを水に分散させる。
- クロレラ溶液を先に得られた透明の塊に添加する。
【0089】
・前述した菓子製品の製造
- 製品を充填するための2つの注型ホッパーを備えた注型装置内に、ゲル化した外側材料(調製品A)およびクロレラ詰め物(調製品B)を入れる。
- 完成品が90%の外側材(調製品A)および10%の詰め物(調製品B)を含んでなるように注型装置を調節する。
- 充填菓子製品を乾燥デンプン型内に入れて24時間放置する。
- それらを取り出して刷毛で払ってから油を塗布する。
【0090】
C.完成品組成
【表6】

【0091】
クロレラ充填ゼラチンゼリー菓子を、食味検査員パネルによって試食させた。これらの味は、満足のいくものでありかなり好ましいと判定された。
【0092】
[実施例5]:クロレラ含有タブレット
A.配合(成分は質量百分率で表す)
- LYCATAB(登録商標)C:37.25%
- クロレラ(粉末、96%DS):62.50%
- ステアリン酸マグネシウム:0.25%
【0093】
B.粉末の調製
3つの成分を一緒に手動で5分間混合する。
【0094】
C.圧縮
直径16mmおよび曲率半径25mmの凹形丸パンチを装着したFETTE P 1000回転プレスで圧縮する。
【0095】
D.得られたタブレットの特徴
- 1タブレットあたりの質量:1000mg
- 厚さ:5.76mm
- 1タブレットあたりのクロレラ用量:625mg
- Erweka TBH 30装置で測定された硬度:40N
【0096】
クロレラを含有するタブレットを、食味検査員パネルによって試食させた。これらの味は、満足のいくものでありかなり好ましいと判定された。
【0097】
[実施例6]:クロレラおよびNUTRIOSE(登録商標)含有タブレット
A.配合(成分は質量百分率で表す)
- NUTRIOSE(登録商標)FB06:49.75%
- クロレラ(粉末、96%DS):49.75%
- ステアリン酸マグネシウム:0.50%
【0098】
B.粉末調製
3つの成分を一緒に混合する。
【0099】
C.圧縮
直径16mmおよび曲率半径25mmの凹形丸パンチを装着したFETTE P 1000回転プレスで圧縮する。
【0100】
E.得られたタブレットの特徴
- 1タブレットあたりの質量:1000mg
- 厚さ:5.75mm
- 1タブレットあたりのクロレラ用量:497mg
- Erweka TBH 30装置で測定された硬度:40N
【0101】
NUTRIOSE(登録商標)と組み合わせたクロレラを含有するタブレットを、食味検査員パネルによって試食させた。これらの味は満足のいくものでありかなり好ましいと判定された。
【0102】
[実施例7]:歯垢減少に対するクロレラ含有菓子製品摂取の効果
多数の口腔歯科の感染症または疾患の源である歯垢形成の低減に対する、本明細書の実施例2に記載した菓子製品摂取の有効性を判定するために、内部研究を実施した。
【0103】
歯垢は、歯表面に付着するかまたは歯肉と歯の空隙内に詰まる、異種性堆積物と定義され、微生物および唾液起源の細胞間マトリックスで覆われた好気性および嫌気性の細菌に豊んでいる、微生物群集から構成されている。歯垢は、残留性であり、接着剤に類似した、くすんだ黄白色のゲルである。歯の表面に位置する多種多様な微生物群集は、食べかすが残留するとそれらを代謝に利用することによって生育する。歯垢は、口腔生態系の平衡を失わせ、口腔病変を定着させる。歯垢は齲歯発病の原因である。歯垢は歯周疾患(歯肉炎、歯周炎)の出発点とも見なされる。歯垢は口臭の一因である可能性もある。
【0104】
[実験プロトコル]
次からなる15人のボランティアを選択した。
- 年齢20〜55歳の8人の女性
- 年齢20〜55歳の7人の男性
被験者は次を含んだ。
- 5人の喫煙者
- 毎日少なくとも3杯のコーヒーまたは茶を飲む10人の被験者
【0105】
これらのボランティアは、特定の歯科問題を有しておらず、口腔歯科衛生は良好であり、(朝晩)毎日2回歯磨きをしている。試験は昼食の1時間後に、歯垢検出剤を用いて歯垢を測定することからなった。この検出剤は、液体または錠剤の形態であり、薬局で入手できる。この製品は、エリスロシンを含有し、これが歯上の歯垢を赤紫色に染色し、歯垢を視覚的に定量化するために顕示化させることができる。
【0106】
歯垢の定量化は、全歯表面に対する着色した歯表面を評価することによって、視覚的に実施した。
【0107】
最初の10日間、ボランティアは本発明の菓子製品を摂取せず、いかなる食物またはタバコの制限も受けなかった。昼食終了の1時間後に歯垢を顕示化させた。
【0108】
その後、それに続く10日間、ボランティアは昼食終了の30分後に、実施例2に記載されるざらざらしたタブレットを2個摂取し、それらを少なくとも5分間、口腔内で循環させながら溶解させた。次いで、昼食終了の1時間後、すなわち菓子製品が完全に溶解した約20分後に、液体検出剤を使用して同一条件下でプラークを顕示化させた。この場合も、ボランティアは、いかなる食物またはタバコの制限も受けなかった。
【0109】
[測定結果]
・ボランティアが本発明の菓子製品を摂取しない場合、昼食終了の1時間後に顕示化された歯垢は、15人中13人のボランティアで、全可視歯表面の60%超に相当すると評価された。残りの2人のボランティアでは、昼食終了の1時間後に形成された歯垢は、全可視歯表面の40%に相当すると視覚的に評価された。
・ボランティアが実験プロトコルに従って本発明の菓子製品を摂取した場合、顕示化された歯垢は、15人中12人のボランティアで、全可視歯表面の20%のみに相当すると評価された。残る3人のボランティアの歯垢は、全可視歯表面の30%に相当すると評価された。
【0110】
この実験は、本発明の菓子製品を恒常的に摂取すると、歯垢形成を顕著に低減させることができ、したがって良好な口腔歯科衛生の維持がもたらされることを実証している。さらに、本発明の菓子製品の摂取は、容易さまたは不便さの理由から省かれることが多い、昼食後の歯磨きに置き換えることが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔歯科の感染症もしくは疾患の予防および良好な口腔歯科衛生の維持のための、微細藻類および/または微細藻類抽出物を含有する菓子製品。
【請求項2】
0.2〜65質量%、好ましくは1〜40質量%、より好ましくは5〜28質量%の微細藻類および/または微細藻類抽出物を含有する、請求項1に記載の菓子製品。
【請求項3】
無糖であることを特徴とする、請求項1または2に記載の菓子製品。
【請求項4】
1種以上のポリオール、または1種以上の可溶性繊維と組み合わせた1種以上のポリオール、または、1種以上の可溶性繊維および1種以上のタンパク質と組み合わせた1種以上のポリオールを含有することを特徴とする、請求項3に記載の菓子製品。
【請求項5】
微細藻類が、クロレラ(Chlorella)、スピルリナ(Spirulina)、およびオドンテラ(Odontella)からなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の菓子製品。
【請求項6】
微細藻類が、クロレラ・ブルガリス(Chlorella vulgaris)、クロレラ・ピレノイドサ(Chlorella pyrenoidosa)、クロレラ・レギュラリス(Chlorella regularis)、クロレラ・ソロキニアナ(Chlorella sorokiniana)に由来する、請求項5に記載の菓子製品。
【請求項7】
微細藻類抽出物がCGF(クロレラ成長因子)を構成する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の菓子製品。
【請求項8】
微細藻類および/または微細藻類抽出物が、シゾキトリウム(Schizochytrium)属、イリダエア(Iridaea)属、ポルフィラ(Porphyra)属、ギムノゴングルス(Gymnogongrus)属、クリプテコジニウム(Crypthecodinium)属、ヒプネア(Hypnea)属、メリストテカ(Meristotheca)属、スピルリナ(Spirulina)属、褐藻類(Phaeophyceae)、紅藻類(Rhodophyceae)、緑藻類(Chlorophyceae)の藻類からなる群から選択される別の藻類および/または藻類抽出物、ルテインの抽出物、ゼアキサンチンの抽出物、キサントフィルの抽出物、ラミナリンの抽出物、クロロフィルの抽出物、およびドコサヘキサエン酸の抽出物と組み合わせられた、請求項5〜7のいずれか一項に記載の菓子製品。
【請求項9】
活性成分をさらに含有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の菓子製品。
【請求項10】
有平糖、ドラジェ、ゼリー菓子、ガム、キャラメル、タフィーおよびファッジ、噛み応えのあるペースト、タブレット、マシュマロ、チョコレート、チューインガム、風船ガム、およびロゼンジからなる群から選択される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の菓子製品。
【請求項11】
液体、ペースト状、固体、および/または粉末詰め物が充填された、請求項1〜10のいずれか一項に記載の菓子製品。
【請求項12】
良好な口腔歯科衛生を促進し維持するための、クロレラおよび/またはクロレラ抽出物を含有する菓子製品、好ましくは無糖の菓子製品の使用。
【請求項13】
口腔歯科の感染症または疾患の予防および良好な口腔歯科衛生の維持を意図する菓子製品を製造するための、クロレラおよび/またはクロレラ抽出物の使用。

【公表番号】特表2011−520852(P2011−520852A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−508980(P2011−508980)
【出願日】平成21年5月11日(2009.5.11)
【国際出願番号】PCT/FR2009/050858
【国際公開番号】WO2009/147340
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(592097428)ロケット・フルーレ (58)
【Fターム(参考)】