説明

可変容量型排気ターボ過給機のスクロール構造及びその製造方法

【課題】 きわめて簡単な構造で以って、かつタービンケーシングを大形化することなしに、スクロール断面積Aとスクロール半径Rとの比(A/R)を大きくして排気タービン容量を増大し、過給機効率を向上させエンジン出力の上昇を可能とした可変容量型排気ターボ過給機を提供する。
【解決手段】 複数のノズルベーンの翼角を変化可能に構成された可変ノズル機構を備えた排気ターボ過給機において、前記可変ノズル機構は、複数のノズルベーンを環状のノズルマウントに回動可能に支持して、ノズルマウントと該ノズルマウントに複数のノズルサポートを介して結合された環状のノズルプレートとの間に配置し一体化されたノズル組立品を、前記ケース部材に着脱自在に取り付け、可変ノズル機構のノズルプレートをスクロールに臨ませて該スクロールの内周側壁面の一部を形成することにより、該スクロールの壁面をタービンケーシングと前記ノズルプレートとにより形成したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の排気ターボ過給機に用いられ、エンジン(内燃機関)からの排気ガスを、タービンケーシングに形成されたスクロール内及び複数のノズルベーンを通してタービンロータに作用させるとともに、前記複数のノズルベーンの翼角を変化可能に構成された可変ノズル機構を備えた可変容量型排気ターボ過給機のスクロール構造及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用内燃機関等に用いられる比較的小型の排気ターボ過給機においては、たとえば特許文献1(特開2001−207858号公報)に提供されているように、エンジンからの排気ガスを、タービンケーシングに形成されたスクロール内に充填し、該スクロールの内周側に設けられた複数のノズルベーンを通して、該ノズルベーンの内周側に設けられたタービンロータに作用させるように構成されるとともに、前記複数のノズルベーンの翼角を変化可能に構成された可変ノズル機構を備えた輻流型可変容量排気ターボ過給機が多く用いられるようになった。
【0003】
特許文献1の過給機においては、エンジンからの排ガスはタービンケーシングに形成されたスクロールに入り、該スクロールの渦巻きに沿って周回しながらノズルベーンに流入してノズルベーンの翼間を流過してタービンロータにその外周側から流入し、中心側に向かい半径方向に流れて該タービンロータに膨張仕事をなした後、軸方向に流出してガス出口に案内されて機外に送出されるようになっている。
また、かかる過給機の容量を制御するにあたっては、アクチュエータにノズルベーンを流れる排ガスの流量が所要の流量になるようなノズルベーンの翼角を設定し、かかる翼角に対応するアクチュエータの往復変位をドライブリング、ドライブピン、レバープレートを介してノズル軸の回動角に変換し、該ノズル軸の回動によりノズルベーンが回動して前記アクチュエータにて設定された翼角に変化せしめている。
また、かかる可変ノズル機構を備えた輻流型可変容量排気ターボ過給機の他の例として、特許文献2(特開2004−132367号公報)の技術が提供されている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−207858号公報
【特許文献2】特開2004−132367号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記可変ノズル機構を備えた輻流型可変容量排気ターボ過給機においては、タービンケーシング内に形成されたスクロールの設計要素として、該スクロールの断面積A、タービンロータの軸心から該スクロール断面中心までの距離であるスクロール半径Rが挙げられ、スクロールの断面積Aとスクロール半径Rとの比A/Rは、タービンの空力性能、流量特性を決定する重要要素である。前記A/Rを大きく取りたい場合、断面積Aを大きくするかスクロール半径Rを小さくする。
【0006】
前記特許文献1(特開2001−207858号公報)にて提供されているような従来技術では、前記スクロールの断面積Aを大きくする場合、排気タービンの径方向及び軸方向に拡大する必要があり、タービンケーシングが大型化する。特にスクロールを径方向に拡大した場合はスクロール半径Rも大きくなる方向に移動するのでA/Rはそれ程大きくならない。
また、前記スクロール半径Rを小さくする場合、スクロールを内径方向に移動する必要があるが、内径方向にはタービン出口ディフュ−ザー等が設置されているという制約があり、かかる移動は困難である。
【0007】
一方、前記スクロールを排気タービンの径方向につぶして偏平形状とすることで、前記スクロール半径Rは小さくできるが、スクロール自体はタービン軸方向に延びて大形になってしまう。また、前記スクロールにおけるA/Rを大きくとるためにタービン出口側を軸方向内側に大きく膨らませる手段も提案されているが、この場合は、タービンケーシングのスクロール中子を製作する際に難易度の高いものとなっており生産性も悪い。
【0008】
また前記特許文献2(特開2004−132367号公報)の図1には、円板/締結リングがスクロールの一部を構成しているものが示されている。かかる構成によりスクロールの設計の自由度は増すが、この円板/締結リングはピン等を介してハウジングフランジ/壁にリジットに締結されるとともに、スペーサスリーブを介してベーン支持体にも止め部/フランジにもリジットに締結されている。
また、前記止め部/フランジは回転するタービンロータのシュラウド面も形成するため、タービンケーシングと同軸度を確保するためにリジットに締結されなければならない。この円板/締結リングは周囲部品と比較して小ぶりであり、熱容量も小さい。該円板/締結リングは案内ベーンの摺動面を構成しているので、熱変形は許容できない反面このような熱容量の小さいものを周囲にリジットに締結した場合、エンジンの過渡運転時に温度分布が生じて変形する可能性があり、このレイアウトを成立させ機能させることは困難となる。
【0009】
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、きわめて簡単な構造で以って、かつタービンケーシングを大形化することなしに、スクロール断面積Aとスクロール半径Rとの比(A/R)を大きくして排気タービン容量を増大し、過給機効率を向上せしめてエンジン出力の上昇を可能とした可変容量型排気ターボ過給機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明はかかる目的を達成するもので、エンジンからの排気ガスを、タービンケーシングに形成されたスクロール内及び該スクロールの内周側に設けられた複数のノズルベーンを通して、該ノズルベーンの内周側に設けられたタービンロータに作用させるとともに、前記複数のノズルベーンの翼角を変化可能に構成された可変ノズル機構を備えた可変容量型排気ターボ過給機において、前記可変ノズル機構は、前記複数のノズルベーンを環状のノズルマウントに回動可能に支持するとともに、前記ノズルマウントと該ノズルマウントに複数のノズルサポートを介して結合された環状のノズルプレートとの間に配置して一体化されたノズル組立品を、前記タービンケーシング含むケース部材に着脱自在に取り付けてなり、前記可変ノズル機構のノズルプレートを前記スクロールに臨ませて該スクロールの内周側壁面の一部を形成することにより、該スクロールの壁面を前記タービンケーシングと前記ノズルプレートとにより形成したことを特徴とする。
かかる可変容量型排気ターボ過給機において、前記ノズルプレートとタービンケーシングとの間に、前記スクロール内とノズルベーンの下流側通路との間のガスシールを行なうシール部材を介装するのが好ましい。
【0011】
また、前記のように構成された可変容量型排気ターボ過給機を製造する方法の発明は、エンジンからの排気ガスを、タービンケーシングに形成されたスクロール内及び該スクロールの内側に設けられた複数のノズルベーンを通して、該ノズルベーンの内周側に設けられたタービンロータに作用させるとともに、前記複数のノズルベーンの翼角を変化可能に構成された可変ノズル機構を備えた可変容量型排気ターボ過給機の製造方法であって、前記複数のノズルベーンを環状のノズルマウントに回動可能に支持するとともに、前記ノズルマウントと該ノズルマウントに複数のノズルサポートを介して結合された環状のノズルプレートとの間に配置して一体化されたカートリッジ状のノズル組立品を製作し、該カートリッジ状のノズル組立品を、前記ノズルプレートが前記スクロールに臨みかつ該スクロールの内周側壁面の一部を構成するように前記タービンケーシングを含むケース部材に組み込み、前記ノズルプレートとタービンケーシングとの間に前記スクロール内とノズルベーンの下流側通路との間のガスシールを行なうシール部材を組み付けることを特徴とする。
【0012】
かかる発明によれば、可変ノズル機構のノズルプレートをスクロールに臨ませて該スクロールの内周側壁面の一部を形成することにより、該スクロールの壁面をタービンケーシングとノズルプレートとにより形成したので、前記スクロールに関してノズルプレート周りのタービンケーシングの部位が不要になるため、該タービンケーシングを大きくすること無しに、スクロール断面積Aとスクロール半径Rとの比(A/R)を大きく取ることができる。
これにより、過給機を大型化することなく、排気タービン容量を大きくできるとともに、スクロール断面積Aを大きくできることから、スクロールの容積増大に伴い静圧過給に近い過給状態となって過給機効率が向上し、エンジン出力の上昇が可能となる。
【0013】
また、タービンケーシング自体の軽量化が可能となるとともに、タービンケーシング粗材で複雑なスクロール形状を構成することが不要となるので、タービンケーシング鋳造時におけるスクロール中子の形状の単純化が可能であり、過給機の生産性を向上できる。
また、ノズルプレートがスクロールの一部を構成することで、該ノズルプレートとタービンケーシングとの合せ面からのガス漏れが懸念されるが、ノズルプレートとタービンケーシングとの間に、前記スクロール内とノズルベーンの下流側通路との間のガスシールを行なうシール部材を介装したので、該シール部材によりかかるガス漏れを防止できる。
【0014】
またかかる発明において、好ましくは、前記ノズルサポートとノズルプレートとの結合部を、該ノズルプレートの円周方向に沿って複数個穿孔された嵌合穴に前記ノズルサポートの端部外周を一定間隙を存して嵌合したルーズフィット嵌合にて構成する。
このように構成すれば、ノズルプレートの嵌合穴とノズルサポートの端部外周との嵌合を、該嵌合穴と端部外周との間に一定間隙を存して嵌合したルーズフィット嵌合としているので、ノズルマウントとノズルプレートに温度差が生じて両部品のノズルサポートを締結する穴中心位置がずれても、前記一定間隙部で前記ずれを吸収することにより、前記ノズルサポートとノズルマウント及びノズルプレートとの間の応力を回避できる。
【0015】
またかかる発明において、好ましくは、前記ノズルプレートの前記ノズルベーンの入口側通路に臨む外周部をテーパ状あるいは曲面状のいずれか一方の形状に切欠くことにより、前記スクロール側から前記入口側通路に向けて通路面積が滑らかに縮小せしめられるガス導入ガイド部を形成する。
このように構成すれば、ノズルプレートのノズルベーンの入口側通路に臨む外周部をテーパ状あるいは曲面状に切欠くことにより、スクロール側から入口側通路に向けて通路面積が滑らかに縮小せしめられるガス導入ガイド部を形成することにより、スクロールからノズルベーンの入口側通路への流入部の通路抵抗が小さくなって空力性能が向上し、タービン効率が上昇する。
【0016】
またかかる発明において、好ましくは、ノズルプレートのスクロールに臨む面を、タービンケーシングに形成されたスクロールに臨む内周面に滑らかに接続されるスクロール側曲面部に形成する。
このように構成すれば、ノズルプレートのスクロール側を単なる板形状ではなく、スクロールの理想的な形状に合わせた形状にできるので、スクロール設計の自由度が上がって、空力性能を改善しタービン効率を向上させる設計が可能になる。また、ノズルプレートの温度分布が大きく熱応力が高い場合に、必要な強度を確保するためにノズルプレートを厚くする必要があっても、スクロールが確保できるスペースを小さくすることなく、ノズルプレートを厚くして、該ノズルプレートの一部をスクロール形状とすることで、ノズルプレートの強度とコンパクトなタービンケーシング構造を両立できる。
【0017】
またかかる発明において、好ましくは、前記ノズルプレートを板状に形成するとともに、前記ノズルベーンの入口側通路に臨む面が前記スクロール側から前記入口側通路に向けて通路面積が滑らかに縮小せしめられる曲面状になるようにノズルプレートを湾曲してガス導入ガイド部を形成する。
このように構成すれば、前記ガス導入ガイド部に、一般的に知られているベルマウスの形状の一部を使用したので、この曲面状部のR形状は機械加工、プレス、鍛造などで比較的簡単に加工することができるとともに、該ガス導入ガイド部の曲率半径を大きくすることができて、空力性能が改善されタービン性能を向上できる。
【0018】
また本発明は、前記ノズルプレートは、外周部を前記ノズルベーンの入口側通路に臨ませて該通路の入口部を構成するとともに、内周部を前記タービンロータの軸心方向に延設して該タービンロータ出口のシュラウド部を構成するように、前記外周部と内周部との間で屈曲して形成されたことを特徴とする。
かかる発明において、好ましくは、前記ノズルプレートの前記タービンロータ軸心方向の端部をタービンケーシングにインロー嵌合するとともに、ノズルサポートとノズルプレートとの結合部を、該ノズルプレートの円周方向に沿って複数個穿孔された嵌合穴に該ノズルサポートの端部外周を一定間隙を存して嵌合したルーズフィット嵌合にて構成する。
【0019】
かかる発明によれば、ノズルプレートの外周部をノズルベーンの入口側通路に臨ませて該通路の入口部を構成するとともに、内周部をタービンロータの軸心方向に延設して該タービンロータ出口のシュラウド部を構成しているので、従来はスクロール内径とタービンロータ出口のシュラウド面との間の肉部が鋳造品で構成されていることから、該肉部の肉厚を厚くする必要があったのに対し、スクロール内径とタービンロータ出口のシュラウド面との間の肉部をL字型に曲げられたノズルプレートで構成していることから、該ノズルプレートに例えばオーステナイト系ステンレス等の高温強度が高く、伸びのある材料を使用することで前記肉部の肉厚を薄くすることができる。
【0020】
これにより、タービンケーシングの小型化が可能となり、また前記肉部の肉厚を薄くすることができるので、タービンロータの出口径を大きくする必要があるときには、前記スクロールの容量(断面積)小さくすることなしに前記シュラウド部の径を大きくすることが可能となる。従って、ノズルプレートに多くの機能を持たせることができて、タービンケーシングのスクロールを簡素化でき、タービンケーシング鋳造時におけるスクロール中子の製作簡素化及び軽量化が可能となる。
また、ノズルプレートの前記タービンロータ軸心方向の端部をタービンケーシングにインロー嵌合するとともに、ノズルサポートとノズルプレートとの結合部を、該ノズルプレートの嵌合穴に該ノズルサポートの端部外周を一定間隙を存して嵌合したルーズフィット嵌合にて構成しているので、このルーズフィット嵌合での締結部位とインロー部分を十分距離を採ることができるため、お互いの影響を受けることはない。一方ノズルプレートのスラスト方向の伸びは、ノズルプレート端部とタービンケーシングとの間のスラスト方向隙間にて吸収できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、可変ノズル機構のノズルプレートをスクロールに臨ませて該スクロールの内周側壁面の一部を形成することにより、該スクロールの壁面をタービンケーシングとノズルプレートとにより構成したので、スクロールに関してノズルプレート周りのタービンケーシングの部位が不要になるため、該タービンケーシングを大きくすること無しに、スクロール断面積Aとスクロール半径Rとの比(A/R)を大きく取ることができ、これにより、過給機を大型化することなく、排気タービン容量を大きくできるとともに、スクロール断面積Aを大きくできることから、スクロールの容積増大に伴い静圧過給に近い過給状態となって過給機効率が向上し、エンジン出力の上昇が可能となる。
また、タービンケーシング自体の軽量化が可能となるとともに、該タービンケーシング粗材で複雑なスクロール形状を構成することが不要となるので、タービンケーシング鋳造時におけるスクロール中子の形状の単純化が可能であり、過給機の生産性を向上できる。
【0022】
また本発明によれば、ノズルプレートの外周部をノズルベーンの入口側通路に臨ませて該通路の入口部を構成するとともに、内周部をタービンロータの軸心方向に延設して該タービンロータ出口のシュラウド部を構成しているので、スクロール内径とタービンロータ出口のシュラウド面との間の肉部をL字型に曲げられたノズルプレートで構成していることから、該ノズルプレートに高温強度が高く、伸びのある材料を使用することで前記肉部の肉厚を薄くすることができる。
これにより、タービンケーシングの小型化が可能となり、また前記肉部の肉厚を薄くすることができるので、スクロールの容量(断面積)小さくすることなしにシュラウド部の径を大きくすることが可能となり、従って、該ノズルプレートに多くの機能を持たせることができて、タービンハウジングのスクロールを簡素化でき、タービンケーシング鋳造時におけるスクロール中子の製作簡素化及び軽量化が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0024】
図8は本発明が適用される可変ノズル機構を備えた可変容量型排気ターボ過給機の縦断面である
図8において、10はタービンケーシング、11は該タービンケーシング10の外周部に渦巻状に形成されたスクロールである。12は輻流型のタービンロータで、コンプレッサ8と同軸に設けられこれのタービンシャフト12aが軸受ハウジング13に軸受16を介して回転自在に支持されている。7は前記コンプレッサ8が収納されるコンプレッサハウジング、9は該コンプレッサハウジング7の空気入口、7aは渦巻状の空気通路である。また100aは該排気ターボ過給機の回転軸心である。
【0025】
2はノズルベーンで、前記スクロール11の内周側にタービンの円周方向等間隔に複数枚配置されるとともに、これの翼端部に連結されたノズル軸02が前記タービンケーシング10に固定されたノズルマウント4に回動可能に支持され、可変ノズル機構100によりその翼角を変化せしめられるようになっている。
前記可変ノズル機構100において、前記ノズルベーンを、前記ノズルマウント4と該ノズルマウント4に複数のノズルサポート5を介して結合された環状のノズルプレート6との間に配置し、該ノズルプレート6を前記タービンケーシング10の取付部に嵌合している。
【0026】
3は円盤状に形成されたドライブリングで、前記タービンケーシング10に回転可能に支持されるとともに、円周方向等間隔にドライブピン32が固着されている。1はレバープレートで、入力側の溝が該ドライブピン32に係合され、出力側が前記ノズル軸02に固定されている。
15は前記ノズルベーン2の駆動源であるアクチュエータ(図示省略)に連結されるリンク、14は該リンク15に連結されるピンで、該ピン14が前記ドライブリング3に係合されて該ドライブリング3を回動駆動している。
【0027】
かかる構成からなる可変ノズル機構付き可変容量型排気ターボ過給機において、エンジン(図示省略)からの排ガスは前記スクロール11に入り、該スクロール11の渦巻きに沿って周回しながらノズルベーン2に流入する。そして、該排ガスは、前記ノズルベーン2の翼間を流過して前記タービンロータ12にその外周側から流入し、中心側に向かい半径方向に流れて該タービンロータ12に膨張仕事をなした後、軸方向に流出してガス出口10bに案内されて機外に送出される。
【0028】
かかる可変容量タービンの容量を制御するにあたっては、前記アクチュエータに対し,前記ノズルベーン2を流れる排ガスの流量が所要の流量になるような該ノズルベーン2の翼角を、翼角制御手段(図示省略)により設定する。かかる翼角に対応するアクチュエータの往復変位はリンク15、ピン14を介してドライブリング3に伝達され、該ドライブリング3が回動駆動される。
該ドライブリング3の回動により、該ドライブリング3に円周方向等間隔に固着されているドライブピン32がレバープレート1を前記ノズル軸02廻りに回動させ、該ノズル軸02の回動によりノズルベーン2が回動して、前記アクチュエータにて設定された翼角に変化せしめられる。
本発明は、以上のように構成された可変ノズル機構100を備えた可変容量型排気ターボ過給機におけるスクロール構造に係るものである。
【実施例1】
【0029】
図1は本発明の本発明の第1実施例に係る可変ノズル機構を備えた可変容量型排気ターボ過給機の要部縦断面図、図2は前記第1実施例におけるノズルプレートとノズルサポートとの結合部を示し、(A)は正面図、(B)は(A)におけるE―E線断面図である。
図1において、10はタービンケーシング、11は該タービンケーシング10の外周部に渦巻状に形成されたスクロールである。100aは該排気ターボ過給機の回転軸心であり、この図においてはタービンロータ12(図8参照)の図示を省略している。
2はノズルベーンで、前記スクロール11の内周側にタービンの円周方向等間隔に複数枚配置されるとともに、これの翼端部に連結されたノズル軸02が前記タービンケーシング10に取り付けられた環状のノズルマウント4に回動可能に支持され、可変ノズル機構100によりその翼角を変化せしめられるようになっている。
【0030】
前記可変ノズル機構100においては、前記ノズルマウント4にノズルシャフト02を介して回動可能に支持された前記ノズルベーン2を、前記ノズルマウント4と該ノズルマウント4に複数のノズルサポート5を介して結合された環状のノズルプレート6との間に配置して、一体化されたカートリッジ状のノズル組立品に構成し、該ノズル組立品の前記ノズルマウント4をタービンケーシング10に図示しないボルトによって固定するとともに、該ノズルプレート6を前記タービンケーシング10の端部に形成された取付外周面10cに嵌合することにより、該カートリッジ状のノズル組立品単位で前記タービンケーシング10に着脱自在に取り付けている。
【0031】
そして、前記可変ノズル機構100のノズルプレート6を前記スクロール11に臨ませて該スクロール11の内周側壁面の一部を形成せしめることにより、該スクロール11の内周側壁面を前記タービンケーシング10のスクロール内径面10a(内径D1)と前記ノズルプレート6とにより形成している。
図1において、Yは前記スクロール11の断面中心(面心)、Rは前記回転軸心100aから前記断面中心(面心)までの距離つまりスクロール半径である。
図1(B)に示されるように、前記ノズルプレート6の内周側側面とタービンケーシング10の前記取付外周面10cに連なる側面との間にはシールリング20が介装され、該シールリング20により、前記スクロール11内とノズルベーン2の下流側通路10dとの間のガスシールを行なっている。
【0032】
また図2(A)、(B)において、前記ノズルサポート5とノズルプレート6との結合部を、該ノズルプレート6の円周方向に沿って複数個(この例では円周方向等間隔に4個)穿孔された嵌合穴61に前記ノズルサポート5の端部外周5aを一定間隙を存して嵌合したルーズフィット嵌合にて構成し、該ノズルサポート5の端部をワッシャ5cを介してかしめる(5bはかしめ部)。
このように構成すれば、ノズルプレート6の嵌合穴61とノズルサポート5の端部外周5aとの嵌合を、前記のように一定間隙を存して嵌合したルーズフィット嵌合としているので、ノズルマウント4とノズルプレート6との間に温度差が生じて両部品のノズルサポート5を締結する穴中心位置がずれても、前記一定間隙部で前記ずれを吸収することにより、前記ノズルサポート5とノズルマウント4及びノズルプレートとの間の応力を回避できる。
【0033】
前記のように構成された可変容量型排気ターボ過給機を製造する際には、前記複数のノズルベーン2を環状のノズルマウント4にノズルシャフトを介して回動可能に支持するとともに、前記ノズルマウント4と該ノズルマウント4に複数のノズルサポート5(図8参照)を介して結合された環状のノズルプレート6との間に配置して、一体化されたカートリッジ状のノズル組立品を製作する。
次いで、該カートリッジ状のノズル組立品を、前記ノズルプレート6が前記スクロール11に臨みかつ該スクロール11の内周側壁面の一部を構成するように前記タービンケーシング10に組み込む。
その際に、前記ノズルプレート6の内周側側面とタービンケーシング10の前記取付外周面10cに連なる側面との間に前記シールリング20を組み付け、該シールリング20により前記スクロール11内とノズルベーン2の下流側通路10dとの間のガスシールを行なう。
【0034】
かかる第1実施例によれば、可変ノズル機構100のノズルプレート6をスクロール11に臨ませて該スクロール11の内周側壁面の一部を形成することにより、該スクロール11の壁面をタービンケーシング11の内径D1なるスクロール内径面10aとノズルプレート6とにより形成したので、前記スクロール11に関してノズルプレート6周りのタービンケーシング10の部位が不要になるため、該タービンケーシング10を大きくすること無しに、前記スクロール11の断面積Aと前記スクロール半径Rとの比(A/R)を大きく取ることができる。
これにより、過給機を大型化することなく、排気タービン容量を大きくできるとともに、前記スクロール断面積Aを大きくできることから、スクロール11の容積増大に伴い静圧過給に近い過給状態となって、過給機効率が向上する。
【0035】
また、前記のように、ノズルプレート6周りのタービンケーシング10の部位が不要になることから、前記タービンケーシング10自体の軽量化が可能となるとともに、タービンケーシング10の粗材で複雑なスクロール形状を構成することが不要となるので、タービンケーシング鋳造時におけるスクロール中子の形状の単純化が可能であり、過給機の生産性を向上できる。
また、ノズルプレート6がスクロール11の一部を構成することにより発生懸念のある該ノズルプレート6とタービンケーシング10との合せ面からのガス漏れについては、ノズルプレート6とタービンケーシング10との間にシール部材20を介装したので、該シール部材20によってスクロール11内とノズルベーン2の下流側通路10dとの間のガスシールを行なうことにより、かかるガス漏れを防止できる。
【0036】
図3は本発明の第2実施例を示す図1対応図である。
かかる第2実施例においては、前記ノズルプレート6の前記ノズルベーン2の入口側通路10eに臨む外周部をテーパ状に切欠くことにより、前記スクロール11側から前記入口側通路10eに向けて通路面積が滑らかに縮小せしめられるガス導入ガイド部6aを形成している。
その他の構成は図1に示す第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0037】
図4は本発明の第3実施例を示す図1対応図である。
かかる第3実施例においては、前記ノズルプレート6の前記ノズルベーン2の入口側通路10eに臨む外周部を曲面状に切欠くことにより、前記スクロール11側から前記入口側通路10eに向けて通路面積が滑らかに縮小せしめられるガス導入ガイド部6bを形成している。
その他の構成は図1に示す第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0038】
かかる第2実施例及び第3実施例によれば、ノズルプレート6のノズルベーン2の入口側通路10eに臨む外周部をテーパ状(第2実施例)あるいは曲面状(第3実施例)に切欠いて、前記スクロール11側から前記入口側通路10eに向けて通路面積が滑らかに縮小せしめられるガス導入ガイド部6a(第2実施例)あるいはガス導入ガイド部6b(第3実施例)を形成することにより、スクロール11からノズルベーン2の入口側通路10eへの流入部の通路抵抗が小さくなって空力性能が向上し、タービン効率が上昇する。
【0039】
図5は本発明の第4実施例を示す図1対応図である。
かかる第4実施例においては、前記ノズルプレート6の前記スクロール11に臨む面を、タービンケーシング10に形成されたスクロール内径面10aに滑らかに接続される曲面からなるスクロール側曲面部6cに形成している。
かかる第4実施例によれば、前記ノズルプレート6のスクロール11側を単なる板形状ではなく、該スクロール11の理想的な形状に合わせた形状に形成できるので、スクロール11の設計の自由度が上がって、空力性能を改善しタービン効率を向上させる設計が可能になる。
【0040】
また、前記ノズルプレート6の温度分布が大きく熱応力が高い場合に、必要な強度を確保するために該ノズルプレート6を厚くする必要があっても、スクロール11が確保できるスペースを小さくすることなくノズルプレート6を厚くして、該ノズルプレート6の一部をスクロール形状とすることで、ノズルプレート6の強度とコンパクトなタービンケーシング構造を両立できる。
その他の構成は図1に示す第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0041】
図6は本発明の第5実施例を示す図1対応図である。
かかる第5実施例においては、前記ノズルプレート6を板状に形成するとともに、前記ノズルベーン2の入口側通路10eに臨む面が前記スクロール11側から該入口側通路10eに向けて通路面積が滑らかに縮小せしめられる曲面状になるようにノズルプレート6を湾曲してガス導入ガイド部6dを形成している。
かかる第5実施例によれば、前記ノズルプレート6に一般的に知られているベルマウスの形状の一部を使用したので、曲面状のガス導入ガイド部6dのR形状は機械加工、プレス、鍛造などで比較的簡単に加工することができる。また、前記ガス導入ガイド部6dのの曲率半径を大きくすることができるため、空力性能が改善されタービン性能を向上できる。
その他の構成は図1に示す第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0042】
図7は本発明の第6実施例を示す図1対応図である。
かかる第6実施例においては、前記ノズルプレート6は、外周部を前記ノズルベーン2の入口側通路10eに臨ませて該通路10eの入口部を構成するとともに、内周部を前記タービンロータ12(図8参照)の回転軸心100a方向に延設して該タービンロータ12出口のシュラウド面6eを構成するように、前記外周部と内周部との間で屈曲して形成されている。
またかかる第6実施例においては、前記ノズルプレート6の前記タービンロータの回転軸心100a方向の端部をタービンケーシング10にインロー嵌合する(10fはインロー部)とともに、ノズルサポート5(図8参照)とノズルプレート6との結合部を、図2のように該ノズルプレート6の円周方向に沿って複数個穿孔された嵌合穴61に該ノズルサポート5の端部外周5aを一定間隙を存して嵌合したルーズフィット嵌合にて構成している。
【0043】
かかる第6実施例によれば、ノズルプレート6の外周部をノズルベーン2の入口側通路10eに臨ませて該通路10eの入口部を構成するとともに、内周部をタービンロータ12の回転軸心100a方向に延設して該タービンロータ出口のシュラウド面6eを構成しているので、従来はスクロール内径とタービンロータ出口のシュラウド面との間の肉部が鋳造品で構成されていることから該肉部の肉厚を厚くする必要があったのに対し、スクロール11内径とタービンロータ12出口のシュラウド面6eとの間の肉部を、L字型に曲げられたノズルプレート6で構成していることから、該ノズルプレート6に例えばオーステナイト系ステンレス等のような、高温強度が高く、伸びのある材料を使用することで前記肉部の肉厚を薄くすることができる。
【0044】
これにより、タービンケーシング10の小型化が可能となり、また前記肉部の肉厚を薄くすることができるので、タービンロータ12の出口径を大きくする必要があるときには、前記スクロール11の容量(断面積)小さくすることなしに前記シュラウド面6eの径を大きくすることが可能となる。従って、ノズルプレート6に多くの機能を持たせることができて、タービンケーシング10のスクロール11を簡素化でき、該タービンケーシング鋳造時におけるスクロール中子の製作簡素化及び軽量化が可能となる。
【0045】
また、ノズルプレート6の前記タービンロータ軸心100a方向の端部をタービンケーシング10にインロー嵌合するとともに、ノズルサポート5(図8参照)とノズルプレート6との結合部を、該ノズルプレート6の嵌合穴61に該ノズルサポート5の端部外周5aを一定間隙を存して嵌合したルーズフィット嵌合(10fはインロー部)にて構成しているので、このルーズフィット嵌合での締結部位とインロー部分を十分距離を採ることができてため、お互いの影響を受けることはない。一方ノズルプレート6のスラスト方向の伸びは、ノズルプレート6端部とタービンケーシング12との間のスラスト方向隙間Sにて吸収できる。
その他の構成は図1に示す第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明によれば、きわめて簡単な構造で以って、かつタービンケーシングを大形化することなしに、スクロール断面積Aとスクロール半径Rとの比(A/R)を大きくできて、排気タービン容量を増大でき、過給機効率が向上し、エンジン出力が上昇した可変容量型排気ターボ過給機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1実施例に係る可変ノズル機構を備えた可変容量型排気ターボ過給機の要部縦断面図である。
【図2】前記第1実施例におけるノズルプレートとノズルサポートとの結合部を示し、(A)は正面図、(B)は(A)におけるE―E線断面図である。
【図3】本発明の第2実施例を示す図1対応図である。
【図4】本発明の第3実施例を示す図1対応図である。
【図5】本発明の第4実施例を示す図1対応図である。
【図6】本発明の第5実施例を示す図1対応図である。
【図7】本発明の第6実施例を示す図1対応図である。
【図8】本発明が適用される可変ノズル機構を備えた可変容量型排気ターボ過給機の縦断面である。
【符号の説明】
【0048】
1 レバープレート
2 ノズルベーン
02 ノズル軸
3 ドライブリング
4 ノズルマウント
5 ノズルサポート
6 ノズルプレート
6a、6b、6d ガス導入ガイド部
6c スクロール側曲面部
6e シュラウド面
10 タービンケーシング
10e 入口側通路
11 スクロール
11a スクロール内径面
12 タービンロータ
32 ドライブピン
100 可変ノズル機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンからの排気ガスを、タービンケーシングに形成されたスクロール内及び該スクロールの内周側に設けられた複数のノズルベーンを通して、該ノズルベーンの内周側に設けられたタービンロータに作用させるとともに、前記複数のノズルベーンの翼角を変化可能に構成された可変ノズル機構を備えた可変容量型排気ターボ過給機において、前記可変ノズル機構は、前記複数のノズルベーンを環状のノズルマウントに回動可能に支持するとともに、前記ノズルマウントと該ノズルマウントに複数のノズルサポートを介して結合された環状のノズルプレートとの間に配置して一体化されたノズル組立品を、前記タービンケーシング含むケース部材に着脱自在に取り付けてなり、前記可変ノズル機構のノズルプレートを前記スクロールに臨ませて該スクロールの内周側壁面の一部を形成することにより、該スクロールの壁面を前記タービンケーシングと前記ノズルプレートとにより形成したことを特徴とする可変容量型排気ターボ過給機のスクロール構造。
【請求項2】
前記ノズルプレートとタービンケーシングとの間に、前記スクロール内と前記ノズルベーンの下流側通路との間のガスシールを行なうシール部材を介装したことを特徴とする請求項1記載の可変容量型排気ターボ過給機のスクロール構造。
【請求項3】
前記ノズルサポートとノズルプレートとの結合部を、該ノズルプレートの円周方向に沿って複数個穿孔された嵌合穴に前記ノズルサポートの端部外周を一定間隙を存して嵌合したルーズフィット嵌合にて構成したことを特徴とする請求項1記載の可変容量型排気ターボ過給機のスクロール構造。
【請求項4】
前記ノズルプレートのノズルベーンの入口側通路に臨む外周部をテーパ状あるいは曲面状のいずれか一方の形状に切欠くことにより、前記スクロール側から前記入口側通路に向けて通路面積が滑らかに縮小せしめられるガス導入ガイド部を形成したことを特徴とする請求項1記載の可変容量型排気ターボ過給機のスクロール構造。
【請求項5】
前記ノズルプレートのスクロールに臨む面を、前記タービンケーシングに形成されたスクロールに臨む内周面に滑らかに接続されるスクロール側曲面部に形成したことを特徴とする請求項1記載の可変容量型排気ターボ過給機のスクロール構造。
【請求項6】
前記ノズルプレートを板状に形成するとともに、前記ノズルベーンの入口側通路に臨む面が前記スクロール側から前記入口側通路に向けて通路面積が滑らかに縮小せしめられる曲面状になるようにノズルプレートを湾曲してガス導入ガイド部を形成したことを特徴とする請求項1記載の可変容量型排気ターボ過給機のスクロール構造。
【請求項7】
前記ノズルプレートは、外周部を前記ノズルベーンの入口側通路に臨ませて該通路の入口部を構成するとともに、内周部を前記タービンロータの軸心方向に延設して該タービンロータ出口のシュラウド部を構成するように、前記外周部と内周部との間で屈曲して形成されたことを特徴とする請求項1記載の可変容量型排気ターボ過給機のスクロール構造。
【請求項8】
前記ノズルプレートの前記タービンロータ軸心方向の端部をタービンケーシングにインロー嵌合するとともに、ノズルサポートとノズルプレートとの結合部を、該ノズルプレートの円周方向に沿って複数個穿孔された嵌合穴に該ノズルサポートの端部外周を一定間隙を存して嵌合したルーズフィット嵌合にて構成したことを特徴とする請求項7記載の可変容量型排気ターボ過給機のスクロール構造。
【請求項9】
エンジンからの排気ガスを、タービンケーシングに形成されたスクロール内及び該スクロールの内周側に設けられた複数のノズルベーンを通して、該ノズルベーンの内周側に設けられたタービンロータに作用させるとともに、前記複数のノズルベーンの翼角を変化可能に構成された可変ノズル機構を備えた可変容量型排気ターボ過給機の製造方法において、前記複数のノズルベーンを環状のノズルマウントに回動可能に支持するとともに、前記ノズルマウントと該ノズルマウントに複数のノズルサポートを介して結合された環状のノズルプレートとの間に配置して一体化されたカートリッジ状のノズル組立品を製作し、該カートリッジ状のノズル組立品を、前記ノズルプレートが前記スクロールに臨みかつ該スクロールの内周側壁面の一部を構成するように前記タービンケーシングを含むケース部材に組み込み、前記ノズルプレートとタービンケーシングとの間に前記スクロール内とノズルベーンの下流側通路との間のガスシールを行なうシール部材を組み付けることを特徴とする可変容量型排気ターボ過給機の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−220053(P2006−220053A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−33805(P2005−33805)
【出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】