説明

固体撮像素子および電子機器

【課題】より良好な色再現性を有する固体撮像素子および電子機器を提供する。
【解決手段】同一の半導体基板22の内部における1画素ごとに、それぞれ異なる深さに、それぞれ異なる波長域の光を光電変換する複数の光電変換領域23B、23G、23Rが積層され、複数の光電変換領域23B、23G、23Rのうち、半導体基板の深さ方向に隣接する光電変換領域23Bおよび23G、または23Gおよび23Rの間に、その光電変換領域23Bおよび23G、または23Gおよび23Rの間の領域における光電変換で発生した電荷を排出する排出領域24が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、固体撮像素子および電子機器に関し、特に、より良好な色再現性を有することができるようにした固体撮像素子および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルスチルカメラなどの電子機器で採用されている固体撮像素子は、光電変換領域の上に形成されたカラーフィルタにより、特定波長域の光のみが光電変換領域の画素ごとに入射されるように構成されている。これにより、固体撮像素子では、カラーフィルタの色に応じた色情報を、光電変換領域の画素ごとに取得することができる。
【0003】
カラーフィルタの色の配置には、例えば、赤、青、および緑の三原色に対応する原色カラーフィルタを市松状に配置する、いわゆるベイヤ(Bayer)配列と呼ばれる配列がある。ところで、ある画素においては、その画素の上に配置された色以外の色情報は、周辺にある他の画素から補完することによって取得することになる。このような補完を行うための演算により求められた色情報は、本来の色情報とは異なることがあるため、実際の色が正しく再現されないことがあった。
【0004】
そこで、周辺にある他の画素からの補完を必要としない固体撮像素子として、単一の画素から異なる波長域の画像信号を出力する構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
図1を参照して、単一の画素から三色の画像信号を取得することができる固体撮像素子の構成例について説明する。
【0006】
図1には、固体撮像素子11の断面図が示されており、固体撮像素子11は、1画素ごとに、シリコン基板12の内部に、光電変換領域13B、光電変換領域13Gおよび光電変換領域13Rが積層されて構成される。また、固体撮像素子11では、それらの領域の間に挿入されるようにP型ウェル14が形成されている。
【0007】
光電変換領域13Bは、青色波長域の光を光電変換してB信号出力部から出力し、光電変換領域13Gは、緑色波長域の光を光電変換してG信号出力部から出力し、光電変換領域13Rは、赤色波長域の光を光電変換してR信号出力部から出力する。
【0008】
図2は、固体撮像素子11の分光感度特性、即ち、光電変換領域13Bからの出力である青出力、光電変換領域13Gからの出力である緑出力、および光電変換領域13Rからの出力である赤出力についての波長に対する相対感度を示す図である。
【0009】
図2の分光特性では、青出力、緑出力、および赤出力それぞれの分光特性はブロード(広幅)であり、固体撮像素子11は、色の分光性能が低いことが示されている。
【0010】
つまり、図2の分光特性に示すように、積層された光電変換領域13B、光電変換領域13Gおよび光電変換領域13Rからの出力(青出力、緑出力、および赤出力)それぞれに対する分光特性に重なりが大きくなっている。例えば、波長550nmでの相対感度を見ると、緑出力を得るために基板の深さ方向で見たときに、三層に積層されたうちの中央の深さに形成された光電変換領域13Gからの出力と、最も深く形成された光電変換領域13Rからの出力とが略同一となっている。
【0011】
つまり、波長550nmの光を入射した場合には、本来、この波長の光は緑色であり、緑出力のみが出力されることが望ましい。しかしながら、赤出力が緑出力と同じ強度で出力されることになり、本来、緑色であるはずの色情報が緑色と赤色に分離されずに画像上に色再現を行った場合には、緑色と赤色との中間である橙色に再現されてしまい、本来の色を再現することが困難になる。また、この分光特性から、本来の色再現を行うためには、複雑な信号処理が必要となってしまい、入射光の色温度が変化した場合などには、正しく色の再現をすることが困難となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2003−303949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述したように、従来、単一の画素から三色の画像信号を取得することができる固体撮像素子は分光特性が低く、入射光の色温度が変化した場合などにおいて、色を正確に再現することが困難であった。
【0014】
本開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、より良好な色再現性を有することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本開示の一側面の固体撮像素子は、同一の半導体基板の内部における1画素ごとに、それぞれ異なる深さに積層され、それぞれ異なる波長域の光を光電変換する複数の光電変換領域と、複数の前記光電変換領域のうちの、前記半導体基板の深さ方向に隣接する前記光電変換領域どうしの間に形成され、その間の領域における光電変換で発生した電荷を排出する排出領域とを備える。
【0016】
本開示の一側面の電子機器は、同一の半導体基板の内部における1画素ごとに、それぞれ異なる深さに積層され、それぞれ異なる波長域の光を光電変換する複数の光電変換領域と、複数の前記光電変換領域のうちの、前記半導体基板の深さ方向に隣接する前記光電変換領域どうしの間に形成され、その間の領域における光電変換で発生した電荷を排出する排出領域とを有する固体撮像素子を備える。
【0017】
本開示の一側面においては、同一の半導体基板の内部における1画素ごとに、それぞれ異なる深さに、それぞれ異なる波長域の光を光電変換する複数の光電変換領域が積層され、複数の光電変換領域のうちの、半導体基板の深さ方向に隣接する光電変換領域どうしの間に形成される排出領域により、その間の領域における光電変換で発生した電荷が排出される。
【発明の効果】
【0018】
本開示の一側面によれば、より良好な色再現性を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】単一の画素から三色の画像信号を取得することができる従来の固体撮像素子の構成例を示す断面図である。
【図2】従来の固体撮像素子の相対感度を示す図である。
【図3】本技術を適用した固体撮像素子の第1の実施の形態の構成例を示す断面図である。
【図4】固体撮像素子の色分離特性のシミュレーション結果を示す図である。
【図5】固体撮像素子の第1の実施の形態についての第1の変形例の構成例を示す断面図である。
【図6】固体撮像素子の第1の実施の形態についての第2の変形例の構成例を示す断面図である。
【図7】本技術を適用した固体撮像素子の第2の実施の形態の構成例を示す断面図である。
【図8】本技術を適用した固体撮像素子の第2の実施の形態についての変形例の構成例を示す断面図である。
【図9】本技術を適用した固体撮像素子の第3の実施の形態の構成例を示す断面図である。
【図10】本技術を適用した固体撮像素子の第3の実施の形態についての変形例の構成例を示す断面図である。
【図11】本技術を適用した固体撮像素子の第4の実施の形態の構成例を示す断面図である。
【図12】本技術を適用した固体撮像素子の第4の実施の形態についての変形例の構成例を示す断面図である。
【図13】本技術を適用した固体撮像素子の第5の実施の形態の構成例を示す断面図である。
【図14】本技術を適用した固体撮像素子の第6の実施の形態の構成例を示す断面図である。
【図15】電子機器に搭載される撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本技術を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
図3は、本技術を適用した固体撮像素子の第1の実施の形態の構成例を示す断面図であり、図3には、固体撮像素子が有する1画素の構造が示されている。
【0022】
図3に示すように、固体撮像素子21は、1画素ごとに、シリコン基板22の内部において、光入射面(固体撮像素子21に光が入射してくる側の面)側から近い順に、光電変換領域23B、排出領域24、光電変換領域23G、排出領域24、および光電変換領域23Rが積層されて構成される。また、固体撮像素子21では、それらの領域を絶縁分離するため、各領域の間に挿入されるようにP型ウェル25が形成されている。
【0023】
光電変換領域23Bは、シリコン基板22の内部において、波長450nm付近の青色波長域の光に対して最大感度を有する深さに形成されたn型の不純物領域であり、固体撮像素子21に入射する光のうちの、青色波長域の光を光電変換する。また、光電変換領域23Bには、図示しないB信号出力部が接続されており、光電変換領域23Bは、光電変換により発生した電荷(電子)に応じた信号、即ち、青色波長域の光の強度に応じた信号(以下、適宜、B信号と称る)をB信号出力部から出力する。
【0024】
光電変換領域23Gは、シリコン基板22の内部において、波長550nm付近の緑色波長域の光に対して最大感度を有する深さに形成されたn型の不純物領域であり、固体撮像素子21に入射する光のうちの、緑色波長域の光を光電変換する。また、光電変換領域23Gには、図示しないG信号出力部が接続されており、光電変換領域23Gは、光電変換により発生した電荷に応じた信号、即ち、緑色波長域の光の強度に応じた信号(以下、適宜、G信号と称る)をG信号出力部から出力する。
【0025】
光電変換領域23Rは、シリコン基板22の内部において、波長650nm付近の赤色波長域の光に対して最大感度を有する深さに形成されたn型の不純物領域であり、固体撮像素子21に入射する光のうちの、赤色波長域の光を光電変換する。また、光電変換領域23Rには、図示しないR信号出力部が接続されており、光電変換領域23Rは、光電変換により発生した電荷に応じた信号、即ち、赤色波長域の光の強度に応じた信号(以下、適宜、R信号と称る)をR信号出力部から出力する。
【0026】
排出領域24は、光電変換領域23B、光電変換領域23G、および光電変換領域23Rよりも濃度の濃いn型の不純物で形成された領域(N+領域)であり、所定の電圧の電源端子VDDに接続されている。また、排出領域24は、光電変換領域23Bおよび光電変換領域23Gの間に延在する部分、光電変換領域23Gおよび光電変換領域23Rの間に延在する部分、並びに、それらの2つの部分を連結する部分を有し、断面形状が略コ字となるように形成されている。また、排出領域24の各部は、P型ウェル25の間に挟持されている。
【0027】
そして、排出領域24は、光電変換領域23Bおよび光電変換領域23Gの間に延在する部分により、光電変換領域23Bおよび光電変換領域23Gの間の領域における光電変換で発生した電荷を取り込んで、電源端子VDDから排出する。また、排出領域24は、光電変換領域23Gおよび光電変換領域23Rの間に延在する部分により、光電変換領域23Gおよび光電変換領域23Rの間の領域における光電変換で発生した電荷を取り込んで、電源端子VDDから排出する。
【0028】
以上のように構成される固体撮像素子21は、光電変換領域23Bおよび光電変換領域23Gの間の領域における光電変換で発生した電荷を、排出領域24に取り込んで排出することができる。これにより、固体撮像素子21では、光電変換領域23Bおよび光電変換領域23Gの間の領域における光電変換で発生した電荷が、光電変換領域23Bまたは光電変換領域23Gに取り込まれて、B信号またはG信号として出力されることが回避される。
【0029】
従って、固体撮像素子21は、B信号とG信号との間でクロストーク成分が発生することを防止することができる。つまり、光電変換領域23Bおよび光電変換領域23Gの間の領域における光電変換で発生した電荷が、光電変換領域23Bまたは光電変換領域23Gに取り込まれると、B信号とG信号との間でクロストーク成分が発生してしまうが、固体撮像素子21では、そのようなクロストーク成分が発生することはない。
【0030】
同様に、固体撮像素子21は、光電変換領域23Gおよび光電変換領域23Rの間の領域における光電変換で発生した電荷を排出領域24に取り込んで排出することができるので、G信号とR信号との間でクロストーク成分が発生することを防止することができる。
【0031】
図4は、図3に示した固体撮像素子21の色分離特性のシミュレーション結果を示す図である。
【0032】
図4には、光電変換領域23B、光電変換領域23G、光電変換領域23Rのうちの、光電変換領域23Gを一定としたうえで、光電変換領域23Bおよび光電変換領域23Gの間に、光電変換領域23Bを縮小するように排出領域24を設けた場合と、光電変換領域23Gおよび光電変換領域23Rの間に、光電変換領域23Rを縮小するように排出領域24を設けた場合とにおいて、各色の分光形状の変化が示されている。
【0033】
図4に示すように、排出領域24を設けて、さらに排出領域24を厚くすることにより、青色および赤色の分光曲線は、グラフの下方にシフトし、緑色の分光曲線との重なりが小さくなっていることが分かる。即ち、色分離性が改善され、色の再現性が向上していることが示されている。
【0034】
具体的には、波長520nmにおいて、排出領域24を形成しない場合(0μmの場合)、青色の信号出力は、緑色の信号出力の最も感度ピーク時を1とした場合に、0.8であった。これに対し、排出領域24を形成することによって、青色の信号出力は低下し、排出領域24を厚く形成した場合(0.1μmから0.3μmへと厚くした場合)、青色の信号出力はより低下する。即ち、排出領域24が、0.3μmである場合には、波長520nmでの青色の信号出力は、0.6となり、緑色の信号出力との重なりが、より少ない分光曲線を得ることができる。
【0035】
このように、固体撮像素子21は、より良好に各色を分離することができ、従来よりも色の再現性を向上させることができる。従って、固体撮像素子21は、より良好な色分離性能を有し、より色再現性の高い撮像画像を取得することができる。
【0036】
なお、上述したように、排出領域24は、断面形状が略コ字となるように、光電変換領域23Bおよび光電変換領域23Gの間に延在する部分と、光電変換領域23Gおよび光電変換領域23Rの間に延在する部分とがシリコン基板22の内部で連結されている。これに対し、排出領域24は、例えば、光電変換領域23Bおよび光電変換領域23Gの間に延在する部分と、光電変換領域23Gおよび光電変換領域23Rの間に延在する部分とが、それぞれ別々に(接続されずに)形成される構成としてもよい。この場合、排出領域24を構成する各部分を、シリコン基板22の外部において、異なる電源端子に接続したり、共通の電源端子に接続したりすることができる。
【0037】
なお、光電変換領域23B、光電変換領域23G、および光電変換領域23Rにおいて光電変換されて、それぞれの領域に蓄積されている電荷は、電荷を読み出す読出し部を介して外部に出力することができる。この読出し部は、シリコン基板22の光入射面に設けてもよく、その反対側の面に設けてもよい。
【0038】
例えば、図5には、シリコン基板22の光入射面に読出し部が設けられた、所謂、表面照射型の固体撮像素子が示されており、図6には、シリコン基板22の光入射面の反対側の面に読出し部が設けられた、所謂、裏面照射型の固体撮像素子が示されている。
【0039】
図5は、本技術を適用した固体撮像素子の第1の実施の形態についての第1の変形例の構成例を示す断面図である。
【0040】
図5に示すように、固体撮像素子21−1では、光電変換領域23G−1および光電変換領域23R−1は、それぞれシリコン基板22の光入射面まで延在するように形成されている。また、排出領域24−1も、シリコン基板22の光入射面まで延在するように形成されている。
【0041】
光電変換領域23B−1からの信号電荷の読み出しを制御する信号電荷読出し電極26B−1が、光電変換領域23B−1に隣接するように、シリコン基板22の光入射面上に形成されている。また、光電変換領域23B−1からの信号電荷を転送する拡散層領域27B−1が、光電変換領域23B−1から信号電荷読出し電極26B−1を介して隣接するシリコン基板22の光入射面の内部に形成されている。
【0042】
光電変換領域23G−1からの信号電荷の読み出しを制御する信号電荷読出し電極26G−1が、光電変換領域23G−1の光入射面まで延在する部分に隣接するように、シリコン基板22の光入射面上に形成されている。また、光電変換領域23G−1からの信号電荷を転送する拡散層領域27G−1が、光電変換領域23G−1から信号電荷読出し電極26G−1を介して隣接するシリコン基板22の光入射面の内部に形成されている。
【0043】
光電変換領域23R−1からの信号電荷の読み出しを制御する信号電荷読出し電極26R−1が、光電変換領域23R−1の光入射面まで延在する部分に隣接するように、シリコン基板22の光入射面上に形成されている。また、光電変換領域23R−1からの信号電荷を転送する拡散層領域27R−1が、光電変換領域23R−1から信号電荷読出し電極26R−1を介して隣接するシリコン基板22の光入射面の内部に形成されている。
【0044】
このように構成されている固体撮像素子21−1では、信号電荷読出し電極26B−1に所定の読み出し電圧を印加すると、光電変換領域23B−1の信号電荷が拡散層領域27B−1に転送される。同様に、信号電荷読出し電極26G−1に所定の読み出し電圧を印加すると、光電変換領域23G−1の信号電荷が拡散層領域27G−1に転送される。また、信号電荷読出し電極26R−1に所定の読み出し電圧を印加すると、光電変換領域23R−1の信号電荷が拡散層領域27R−1に転送される。
【0045】
なお、拡散層領域27B−1、拡散層領域27G−1、および拡散層領域27R−1には、それぞれの領域を一定電位にリセットするリセット部(図示せず)が隣接して設けられている。また、拡散層領域27B−1、拡散層領域27G−1、および拡散層領域27R−1は、この電位に従って、出力信号を得るためのアンプトランジスタのゲート電極(図示せず)などに接続されている。
【0046】
また、図5では、固体撮像素子21−1は、光電変換領域23B−1、光電変換領域23G−1、および光電変換領域23R−1ごとに、拡散層領域27B−1、拡散層領域27G−1、および拡散層領域27R−1が設けられた構成となっている。これに対し、固体撮像素子21−1は、光電変換領域23B−1、光電変換領域23G−1、および光電変換領域23R−1が、1つの拡散層領域を共有するように構成してもよく、同一の拡散層領域から信号が出力されるようにすることができる。
【0047】
図6は、本技術を適用した固体撮像素子の第1の実施の形態についての第2の変形例の構成例を示す断面図である。
【0048】
図6に示すように、固体撮像素子21−2では、光電変換領域23B−2、光電変換領域23G−2、および光電変換領域23R−2は、それぞれシリコン基板22の光入射面の反対側の面(反対面)まで延在するように形成されている。また、排出領域24−2も、シリコン基板22の反対面まで延在するように形成されている。
【0049】
光電変換領域23B−2からの信号電荷の読み出しを制御する信号電荷読出し電極26B−2が、光電変換領域23B−2の反対面まで延在する部分に隣接するように、シリコン基板22の反対面上に形成されている。また、光電変換領域23B−2からの信号電荷を転送する拡散層領域27B−2が、光電変換領域23B−2から信号電荷読出し電極26B−2を介して隣接するシリコン基板22の反対面の内部に形成されている。
【0050】
光電変換領域23G−2からの信号電荷の読み出しを制御する信号電荷読出し電極26G−2が、光電変換領域23G−2の反対面まで延在する部分に隣接するように、シリコン基板22の反対面上に形成されている。また、光電変換領域23G−2からの信号電荷を転送する拡散層領域27G−2が、光電変換領域23G−2から信号電荷読出し電極26G−2を介して隣接するシリコン基板22の反対面の内部に形成されている。
【0051】
光電変換領域23R−2からの信号電荷の読み出しを制御する信号電荷読出し電極26R−2が、光電変換領域23R−2の反対面まで延在する部分に隣接するように、シリコン基板22の反対面上に形成されている。また、光電変換領域23R−2からの信号電荷を転送する拡散層領域27R−2が、光電変換領域23R−2から信号電荷読出し電極26R−2を介して隣接するシリコン基板22の反対面の内部に形成されている。
【0052】
このように構成される固体撮像素子21−2は、図5の固体撮像素子21−1と同様に、所定の読み出し電圧に従って、光電変換領域23B−2、光電変換領域23G−2、光電変換領域23R−2からの電荷が読み出される。
【0053】
なお、固体撮像素子21−2は、図5の固体撮像素子21−1と同様に、リセット部やアンプトランジスタのゲート電極などの図示は省略されている。また、固体撮像素子21−2は、光電変換領域23B−2、光電変換領域23G−2、および光電変換領域23R−2が、1つの拡散層領域を共有するように構成してもよい。
【0054】
さらに、図5または図6に示した構成の他、例えば、一部の光電変換領域の出力を光入射面側から行い、残りの一部の光電変換領域の出力を反対面側から行うような構成とすることができる。また、この構成においても、同じ面側から出力される電荷の転送に拡散層領域が共有されるようにしてもよい。
【0055】
図7は、本技術を適用した固体撮像素子の第2の実施の形態の構成例を示す断面図であり、固体撮像素子が有する1画素の構造が示されている。
【0056】
図7に示すように、固体撮像素子31は、1画素ごとに、シリコン基板32の内部において光入射面側から近い順に、光電変換領域33B、排出領域34、および光電変換領域33Rが積層されて構成される。また、固体撮像素子31では、それらの各領域を絶縁分離するため、各領域の間に挿入されるようにP型ウェル35が形成されている。さらに、固体撮像素子31の光入射面には、図示しない絶縁膜を介して、光電変換部36が積層されている。
【0057】
光電変換領域33Bは、図3の光電変換領域23Bと同様に、青色波長域の光を光電変換して、青色波長域の光の強度に応じたB信号をB信号出力部から出力する。また、光電変換領域33Rは、図3の光電変換領域23Rと同様に、赤色波長域の光を光電変換して、赤色波長域の光の強度に応じたR信号をR信号出力部から出力する。
【0058】
排出領域34は、光電変換領域33Bおよび光電変換領域33Rの間の領域に形成されたN+領域であり、所定の電圧の電源端子VDDに接続されている。即ち、排出領域34は、図3の固体撮像素子21において光電変換領域23Gが形成されていた領域を含むように形成されている点で、図3の排出領域24と異なっている。従って、排出領域34は、光電変換領域33Bおよび光電変換領域33Rの間の領域における光電変換で発生した電荷を取り込み、電源端子VDDから排出する。
【0059】
光電変換部36は、波長550nm付近に最大感度を有する緑色波長域の光を光電変換する光電変換膜37が、上部電極38および下部電極39に挟持された状態で形成されている。また、下部電極39には、図示しないG信号出力部が接続されており、上部電極38および下部電極39には、光電変換膜37で光電変換された電荷が下部電極39から出力されるように電圧が印加されている。従って、光電変換部36は、光電変換膜37における光電変換により発生した電荷に応じた信号、即ち、緑色波長域の光の強度に応じたG信号を、下部電極39に接続されたG信号出力部から出力する。
【0060】
以上のように構成される固体撮像素子31では、固体撮像素子31に入射される光のうちの緑色波長域の光が光電変換部36において光電変換され、他の色の波長域の光が、光電変換部36を透過してシリコン基板32に入射する。即ち、固体撮像素子31では、光電変換部36が、緑色波長域の光を全て吸収して光電変換するため、緑色波長域の光がシリコン基板32に入射することはない。従って、固体撮像素子31は、光電変換領域33Bおよび光電変換領域33Rにおいて、緑色波長域の光によりクロストーク成分が発生することを防止することができる。また、固体撮像素子31では、光電変換部36において、青色波長域および赤色波長域の光によるクロストーク成分が発生することもない。
【0061】
また、シリコン基板32に入射される光(緑色波長域の光以外の光)のうち、青色波長域の光が光電変換領域33Bにおいて光電変換され、赤色波長域の光が光電変換領域33Rにおいて光電変換される。
【0062】
そして、固体撮像素子31では、光電変換領域33Bおよび光電変換領域33Rの間の領域における光電変換で発生した電荷を排出領域34に取り込んで排出することができる。これにより、固体撮像素子31では、その間の領域で光電変換された電荷が、光電変換領域33Bまたは光電変換領域33Rに取り込まれて、B信号またはR信号として出力されることが回避される。従って、固体撮像素子31は、B信号とR信号との間でクロストーク成分が発生することを防止することができる。
【0063】
このように、固体撮像素子31は、各色の間でクロストーク成分が発生することを防止することができるので、より良好な色分離性能を備え、より色再現性の高い撮像画像を取得することができる。
【0064】
図8は、本技術を適用した固体撮像素子の第2の実施の形態についての変形例の構成例を示す断面図である。
【0065】
図8に示されている固体撮像素子31’は、P型ウェル35が形成されたシリコン基板32の内部に、光電変換領域33Bおよび光電変換領域33Rが積層され、シリコン基板32の光入射面に光電変換部36が積層されている点で、図7の固体撮像素子31と同様に構成されており、それらの各部についての説明は省略する。
【0066】
即ち、固体撮像素子31’は、排出領域34に替えて、排出領域34’を備える点で、図7の固体撮像素子31と異なる構成となっている。
【0067】
排出領域34’は、光電変換領域33Bおよび光電変換領域33Rと同等の濃度の薄いn型の不純物で形成された領域(N−領域)であり、光電変換部36の下部電極39と共に、図示しないG信号出力部に接続されている。排出領域34’は、光電変換領域33Bおよび光電変換領域33Rの間の領域における光電変換で発生した電荷を取り込み、G信号出力部に出力する。即ち、排出領域34’が取り込んだ電荷は、光電変換部36から出力されるG信号に加算される。
【0068】
このように構成される固体撮像素子31’は、各色の分光感度特性の重なりが少なく、色再現性に優れたものとなるのに加えて、排出領域34’が取り込んだ電荷が、G信号に加算されるため、G信号の出力を増加させることができる。即ち、光電変換部36が、例えば、緑色波長域の光を完全に光電変換することができず、緑色波長域の光が光電変換部36を透過した場合に、その光が光電変換された電荷が排出領域34’に取り込まれてG信号に加算される。従って、固体撮像素子31’では、緑色波長域の光が光電変換部36を透過することによるG信号の低下を、排出領域34’から出力される電荷により回復することができる。
【0069】
なお、光電変換部36を用いる場合には、光電変換部36からの信号電荷は、図示しない電荷蓄積部に一度蓄積した後に出力する構成が想定されるが、電荷蓄積部は、シリコン基板32の内部に設ける構造としてもよいし、シリコン基板32上に形成したキャパシタ部に信号電荷を蓄積してもよい。また、排出領域34’の電荷を光電変換部36からの信号電荷に加算する場合には、光電変換部36からの信号電荷を蓄積するための電荷蓄積部に直接的に接続する構成とすることができる。また、図示しない電荷転送ゲートを介して、排出領域34’からの電荷を、光電変換部36からの信号電荷を蓄積する電荷蓄積部に転送する構成とすることができる。さらに、光電変換部36からの出力信号と、排出領域34’からの出力信号とを、固体撮像素子31’の外部で加算する構成としてもよい。
【0070】
図9は、本技術を適用した固体撮像素子の第3の実施の形態の構成例を示す断面図であり、図9には、固体撮像素子が有する1画素の構造が示されている。
【0071】
図9に示すように、固体撮像素子41は、1画素ごとに、シリコン基板42の内部において光入射面側から近い順に、排出領域44、光電変換領域43G、排出領域44、および光電変換領域43Rが積層されて構成される。また、固体撮像素子41では、それらの各領域を絶縁分離するため、各領域の間に挿入されるようにP型ウェル45が形成されている。さらに、固体撮像素子41の光入射面には、図示しない絶縁膜を介して、光電変換部46が積層されている。
【0072】
光電変換領域43Gは、図3の光電変換領域23Gと同様に、緑色波長域の光を光電変換して、緑色波長域の光の強度に応じたG信号をG信号出力部から出力する。また、光電変換領域43Rは、図3の光電変換領域23Rと同様に、赤色波長域の光を光電変換して、赤色波長域の光の強度に応じたR信号をR信号出力部から出力する。
【0073】
排出領域44は、所定の電圧の電源端子VDDに接続されたN+領域である。また、排出領域44は、シリコン基板42の光入射面および光電変換領域43Gの間に延在する部分、光電変換領域43Gおよび光電変換領域43Rの間に延在する部分、並びに、それらの2つの部分を連結する部分を有し、断面形状が略コ字となるように形成されている。なお、排出領域44における、シリコン基板42の光入射面および光電変換領域43Gの間に延在する部分は、図3の光電変換領域23Bに対応する領域を含むように形成される。
【0074】
そして、排出領域44は、シリコン基板42の光入射面および光電変換領域43Gの間に延在する部分により、シリコン基板42の光入射面および光電変換領域43Gの間の領域における光電変換で発生した電荷を取り込んで、電源端子VDDから排出する。また、排出領域44は、光電変換領域43Gおよび光電変換領域43Rの間に延在する部分により、光電変換領域43Gおよび光電変換領域43Rの間の領域における光電変換で発生した電荷を取り込んで、電源端子VDDから排出する。
【0075】
光電変換部46は、波長450nm付近に最大感度を有する青色波長域の光を光電変換する光電変換膜47が、上部電極48および下部電極49に挟持された状態で形成されている。また、下部電極49には、図示しないB信号出力部が接続されており、上部電極48および下部電極49には、光電変換膜47で光電変換された電荷が下部電極49から出力されるように電圧が印加されている。従って、光電変換部46は、光電変換膜47で光電変換により発生した電荷に応じた信号、即ち、青色波長域の光の強度に応じたB信号を、下部電極49に接続されたB信号出力部から出力する。
【0076】
以上のように構成される固体撮像素子41では、固体撮像素子41に入射される光のうちの青色波長域の光が光電変換部46において光電変換され、他の色の波長域の光が、光電変換部46を透過してシリコン基板42に入射する。即ち、固体撮像素子41では、光電変換部46が、青色波長域の光を全て吸収して光電変換するため、青色波長域の光がシリコン基板42に入射することはない。従って、固体撮像素子41は、光電変換領域43Gおよび光電変換領域43Rにおいて、青色波長域の光によりクロストーク成分が発生することを防止することができる。また、固体撮像素子41では、光電変換部46において、緑色波長域および赤色波長域の光によりクロストーク成分が発生することもない。
【0077】
また、シリコン基板42に入射される光(青色波長域の光以外の光)のうち、緑色波長域の光が光電変換領域43Gにおいて光電変換され、赤色波長域の光が光電変換領域43Rにおいて光電変換される。そして、固体撮像素子41では、シリコン基板42の光入射面および光電変換領域43Gの間の領域における光電変換で発生した電荷を排出領域44に取り込んで排出することができる。また、固体撮像素子41では、光電変換領域43Gおよび光電変換領域43Rの間の領域における光電変換で発生した電荷を排出領域44に取り込んで排出することができる。
【0078】
これにより、固体撮像素子41では、シリコン基板42の光入射面および光電変換領域43Gの間の領域における光電変換で発生した電荷が光電変換領域43Gに取り込まれて、G信号として出力されることが回避される。従って、固体撮像素子41は、シリコン基板42の光入射面および光電変換領域43Gの間の領域で光電変換された電荷により、クロストーク成分が発生することを防止することができる。
【0079】
同様に、固体撮像素子41では、光電変換領域43Gおよび光電変換領域43Rの間の領域における光電変換で発生した電荷が光電変換領域43Gまたは光電変換領域43Rに取り込まれて、G信号またはR信号として出力されることが回避される。従って、固体撮像素子41は、G信号とR信号との間でクロストーク成分が発生することを防止することができる。
【0080】
このように、固体撮像素子41は、各色の間におけるクロストーク成分の発生を抑制することができるので、より良好な色分離性能を備え、より色再現性の高い撮像画像を取得することができる。
【0081】
なお、排出領域44は、例えば、シリコン基板42の光入射面および光電変換領域43Gの間に延在する部分と、光電変換領域43Gおよび光電変換領域43Rの間に延在する部分とが、それぞれ別々に(接続されずに)形成される構成としてもよい。この場合、排出領域44を構成する各部分を、シリコン基板42の外部において、異なる電源端子に接続したり、共通の電源端子に接続したりすることができる。
【0082】
図10は、本技術を適用した固体撮像素子の第3の実施の形態についての変形例の構成例を示す断面図である。
【0083】
図10に示されている固体撮像素子41’は、P型ウェル45が形成されたシリコン基板42の内部に、光電変換領域43Gおよび光電変換領域43Rが積層され、シリコン基板42の光入射面に光電変換部46が積層されている点で、図9の固体撮像素子41と同様に構成されており、それらの各部についての説明は省略する。
【0084】
即ち、固体撮像素子41’は、排出領域44に替えて、第1の排出領域44−1および第2の排出領域44−2を備える点で、図9の固体撮像素子41と異なる構成となっている。第1の排出領域44−1は、シリコン基板42の光入射面および光電変換領域43Gの間に積層され、第2の排出領域44−2は、光電変換領域43Gおよび光電変換領域43Rの間に積層されている。
【0085】
第1の排出領域44−1は、光電変換領域43Gおよび光電変換領域43Rと同等の濃度の薄いn型の不純物で形成された領域(N−領域)であり、光電変換部46の下部電極49と共に、図示しないB信号出力部に接続されている。第1の排出領域44−1は、シリコン基板42の光入射面および光電変換領域43Gの間の領域における光電変換で発生した電荷を取り込み、B信号出力部に出力する。即ち、第1の排出領域44−1が取り込んだ電荷は、光電変換部46から出力されるB信号に加算される。
【0086】
第2の排出領域44−2は、図9の排出領域44と同様に、N+領域であり、所定の電圧の電源端子VDDに接続されている。第2の排出領域44−2は、光電変換領域43Gおよび光電変換領域43Rの間の領域における光電変換で発生した電荷を取り込んで、電源端子VDDから排出する。
【0087】
このように構成される固体撮像素子41’は、各色の分光感度特性の重なりが少なく、色再現性に優れたものとなる。さらに、固体撮像素子41’では、第1の排出領域44−1が取り込んだ電荷が、B信号に加算されるため、図8の固体撮像素子31’でG信号の出力を増加させるのと同様の原理により、B信号の出力を増加させることができる。
【0088】
図11は、本技術を適用した固体撮像素子の第4の実施の形態の構成例を示す断面図であり、図11には、固体撮像素子が有する1画素の構造が示されている。
【0089】
図11に示すように、固体撮像素子51は、1画素ごとに、シリコン基板52の内部において光入射面側から近い順に、光電変換領域53B、排出領域54、光電変換領域53G、および排出領域54が積層されて構成される。また、固体撮像素子51では、それらの各領域を絶縁分離するため、各領域の間に挿入されるようにP型ウェル55が形成されている。さらに、固体撮像素子51の光入射面には、図示しない絶縁膜を介して、光電変換部56が積層されている。
【0090】
光電変換領域53Bは、図3の光電変換領域23Bと同様に、青色波長域の光を光電変換して、青色波長域の光の強度に応じたB信号をB信号出力部から出力する。また、光電変換領域53Gは、図3の光電変換領域23Gと同様に、緑色波長域の光を光電変換して、緑色波長域の光の強度に応じたG信号をG信号出力部から出力する。
【0091】
排出領域54は、所定の電圧の電源端子VDDに接続されたN+領域である。また、排出領域54は、光電変換領域53Bおよび光電変換領域53Gの間に延在する部分、光電変換領域53Gより深い領域に形成された部分、並びに、それらの2つの部分を連結する部分を有し、断面形状が略コ字となるように形成されている。なお、排出領域54における、光電変換領域53Gより深い領域に形成された部分は、図3の光電変換領域23Rに対応する領域を含むように形成される。
【0092】
そして、排出領域54は、光電変換領域53Bおよび光電変換領域53Gの間に延在する部分により、光電変換領域53Bおよび光電変換領域53Gの間の領域における光電変換で発生した電荷を取り込んで、電源端子VDDから排出する。また、排出領域54は、光電変換領域53Gより深い領域に形成された部分により、光電変換領域53Gより深い領域における光電変換で発生した電荷を取り込んで、電源端子VDDから排出する。
【0093】
光電変換部56は、波長650nm付近に最大感度を有する赤色波長域の光を光電変換する光電変換膜57が、上部電極58および下部電極59に挟持された状態で形成されている。また、下部電極59には、図示しないR信号出力部が接続されており、上部電極58および下部電極59には、光電変換膜57で光電変換された電荷が下部電極59から出力されるように電圧が印加されている。従って、光電変換部56は、光電変換膜57で光電変換により発生した電荷に応じた信号、即ち、赤色波長域の光の強度に応じたR信号を、下部電極59に接続されたR信号出力部から出力する。
【0094】
以上のように構成される固体撮像素子51では、固体撮像素子51に入射される光のうちの赤色波長域の光が光電変換部56において光電変換され、他の色の波長域の光が、光電変換部56を透過してシリコン基板52に入射する。即ち、固体撮像素子51では、光電変換部56が、赤色波長域の光を全て吸収して光電変換するため、赤色波長域の光がシリコン基板52に入射することはない。従って、固体撮像素子51は、光電変換領域53Bおよび光電変換領域53Gにおいて、赤色波長域の光によりクロストーク成分が発生することを防止することができる。また、固体撮像素子51では、光電変換部56において、青色波長域および緑色波長域の光によりクロストーク成分が発生することもない。
【0095】
また、シリコン基板52に入射される光(赤色波長域の光以外の光)のうち、青色波長域の光が光電変換領域53Bにおいて光電変換され、緑色波長域の光が光電変換領域53Gにおいて光電変換される。そして、固体撮像素子51では、光電変換領域53Bおよび光電変換領域53Gの間の領域における光電変換で発生した電荷、並びに、光電変換領域53Gより深い領域における光電変換で発生した電荷を排出領域54に取り込んで排出することができる。
【0096】
これにより、固体撮像素子51では、光電変換領域53Bおよび光電変換領域53Gの間の領域における光電変換で発生した電荷が光電変換領域53Bまたは光電変換領域53Gに取り込まれて、B信号またはG信号として出力されることが回避される。従って、固体撮像素子51は、光電変換領域53Bおよび光電変換領域53Gの間の領域における光電変換で発生した電荷により、B信号とG信号との間でクロストーク成分が発生することを防止することができる。
【0097】
同様に、固体撮像素子51では、光電変換領域53Gより深い領域における光電変換で発生した電荷が光電変換領域53Gに取り込まれて、G信号として出力されることが回避される。従って、固体撮像素子51は、光電変換領域53Gより深い領域における光電変換で発生した電荷により、クロストーク成分が発生することを防止することができる。
【0098】
このように、固体撮像素子51は、各色の間におけるクロストーク成分の発生を抑制することができるので、より良好な色分離性能を備え、より色再現性の高い撮像画像を取得することができる。
【0099】
なお、排出領域54は、例えば、光電変換領域53Bおよび光電変換領域53Gの間に延在する部分と、光電変換領域53Gより深い領域に形成された部分とが、それぞれ別々に(接続されずに)形成される構成としてもよい。この場合、排出領域54を構成する各部分を、シリコン基板52の外部において、異なる電源端子に接続したり、共通の電源端子に接続したりすることができる。
【0100】
図12は、本技術を適用した固体撮像素子の第4の実施の形態についての変形例の構成例を示す断面図である。
【0101】
図12に示されている固体撮像素子51’は、P型ウェル55が形成されたシリコン基板52の内部に、光電変換領域53Bおよび光電変換領域53Gが積層され、シリコン基板52の光入射面に光電変換部56が積層されている点で、図11の固体撮像素子51と同様に構成されており、それらの各部についての説明は省略する。
【0102】
即ち、固体撮像素子51’は、排出領域54に替えて、第1の排出領域54−1および第2の排出領域54−2を備える点で、図11の固体撮像素子51と異なる構成となっている。第1の排出領域54−1は、光電変換領域53Bおよび光電変換領域53Gの間に積層され、第2の排出領域54−2は、光電変換領域53Gより深い領域に積層されている。
【0103】
第1の排出領域54−1は、図11の排出領域54と同様に、N+領域であり、所定の電圧の電源端子VDDに接続されている。第1の排出領域54−1は、光電変換領域53Bおよび光電変換領域53Gの間の領域における光電変換で発生した電荷を取り込んで、電源端子VDDから排出する。
【0104】
第2の排出領域54−2は、光電変換領域53Bおよび光電変換領域53Gと同等の濃度の薄いn型の不純物で形成された領域(N−領域)であり、光電変換部56の下部電極59と共に、図示しないR信号出力部に接続されている。第2の排出領域54−2は、光電変換領域53Gより深い領域における光電変換で発生した電荷を取り込み、R信号出力部に出力する。即ち、第2の排出領域54−2が取り込んだ電荷は、光電変換部56から出力されるR信号に加算される。
【0105】
このように構成される固体撮像素子51’は、各色の分光感度特性の重なりが少なく、色再現性に優れたものとなる。さらに、固体撮像素子51’では、第2の排出領域54−2が取り込んだ電荷が、R信号に加算されるため、図8の固体撮像素子31’ でG信号の出力を増加させるのと同様の原理により、R信号の出力を増加させることができる。
【0106】
図13は、本技術を適用した固体撮像素子の第5の実施の形態の構成例を示す断面図であり、図13には、固体撮像素子が有する1画素の構造が示されている。
【0107】
図13に示すように、固体撮像素子61は、1画素ごとに、シリコン基板62の内部において光入射面側から近い順に、光電変換領域63B、排出領域64、光電変換領域63G、排出領域64、光電変換領域63R、排出領域64、および光電変換領域63RIが積層されて構成される。また、固体撮像素子61では、それらの各領域を絶縁分離するため、各領域の間に挿入されるようにP型ウェル65が形成されている。
【0108】
光電変換領域63B、光電変換領域63G、および光電変換領域63Rは、図3の光電変換領域23B、光電変換領域23G、および光電変換領域23Rとそれぞれ同様に、B信号、G信号、およびR信号を出力する。
【0109】
光電変換領域63RIは、シリコン基板62の内部において、波長700nm以上の赤外線波長域の光に対して最大感度を有する深さに形成されたn型の不純物領域であり、固体撮像素子61に入射する光のうちの、赤外線波長域の光を光電変換する。また、光電変換領域63RIには、図示しないRI信号出力部が接続されており、光電変換領域63RIは、光電変換により発生した電荷に応じた信号、即ち、赤外線波長域の光の強度に応じた信号(以下、適宜、RI信号と称る)をRI信号出力部から出力する。
【0110】
排出領域64は、所定の電圧の電源端子VDDに接続されたN+領域である。また、排出領域64は、光電変換領域63Bおよび光電変換領域63Gの間に延在する部分、光電変換領域63Gおよび光電変換領域63Rの間に延在する部分、光電変換領域63Rおよび光電変換領域63RIの間に延在する部分、並びに、それらの3つの部分を連結する部分を有し、断面形状が略E字となるように形成されている。
【0111】
そして、排出領域64は、光電変換領域63Bおよび光電変換領域63Gの間に延在する部分により、光電変換領域63Bおよび光電変換領域63Gの間の領域における光電変換で発生した電荷を取り込んで、電源端子VDDから排出する。また、排出領域64は、光電変換領域63Gおよび光電変換領域63Rの間に延在する部分により、光電変換領域63Gおよび光電変換領域63Rの間の領域における光電変換で発生した電荷を取り込んで、電源端子VDDから排出する。また、排出領域64は、光電変換領域63Rおよび光電変換領域63RIの間に延在する部分により、光電変換領域63Rおよび光電変換領域63RIの間の領域における光電変換で発生した電荷を取り込んで、電源端子VDDから排出する。
【0112】
以上のように、固体撮像素子61は、青色波長域の光に対して感度を有する光電変換領域63B、緑色波長域の光に対して感度を有する光電変換領域63G、赤色波長域の光に対して感度を有する光電変換領域63R、および赤外線波長域の光に対して感度を有する光電変換領域63RIが、単一の画素に積層されて構成されている。
【0113】
そして、固体撮像素子61では、光電変換領域63Bおよび光電変換領域63Gの間の領域における光電変換で発生した電荷を、排出領域64に取り込んで排出することができる。これにより、固体撮像素子61では、光電変換領域63Bおよび光電変換領域63Gの間の領域における光電変換で発生した電荷が、光電変換領域63Bまたは光電変換領域63Gに取り込まれて、B信号またはG信号として出力されることが回避される。
【0114】
同様に、固体撮像素子61では、光電変換領域63Gおよび光電変換領域63Rの間の領域における光電変換で発生した電荷が、光電変換領域63Gまたは光電変換領域63Rに取り込まれて、G信号またはR信号として出力されることが回避される。また、固体撮像素子61では、光電変換領域63Rおよび光電変換領域63RIの間の領域における光電変換で発生した電荷が、光電変換領域63Rまたは光電変換領域63RIに取り込まれて、R信号またはRI信号として出力されることが回避される。
【0115】
従って、固体撮像素子61は、B信号とG信号との間のクロストーク成分、G信号とR信号との間のクロストーク成分、および、R信号とRI信号との間のクロストーク成分が発生することを防止することができる。即ち、固体撮像素子61では、シリコン基板62の深さ方向に隣接する光電変換領域63B、光電変換領域63G、光電変換領域63R、および光電変換領域63RIそれぞれの間の領域で光電変換された電荷を排出領域64から排出することができるので、それぞれの間の領域で光電変換された電荷によってクロストーク成分が発生することが防止される。これにより、各色の分光特性の重なりが少ない分光形状を実現することができ、色の再現性に優れた固体撮像素子61を実現することができる。
【0116】
なお、固体撮像素子61の変形例として、例えば、光電変換領域63Gが形成されている領域まで排出領域64を形成するとともに、図7に示したような光電変換部36が積層されるような構成を採用することができる。同様に、固体撮像素子61の変形例として、光電変換領域63Bまたは光電変換領域63Rが形成されている領域まで排出領域64を形成するとともに、光電変換部46(図9)または光電変換部56(図11)が積層されるような構成を採用することができる。さらに、固体撮像素子61の変形例として、例えば、光電変換領域63RIが形成されている領域まで排出領域64を形成するとともに、赤外線領域の光を光電変換する光電変換部が積層されるような構成を採用することができる。
【0117】
即ち、光電変換領域63B、光電変換領域63G、光電変換領域63R、または光電変換領域63RIのうちの、いずれか1つの領域に対応する光電変換部が、固体撮像素子61の光入射面の上側に積層されるような構成を採用することができる。また、光電変換領域63B、光電変換領域63G、光電変換領域63R、または光電変換領域63RIのうちの、いずれか2つの領域に対応する光電変換部が、固体撮像素子61の光入射面の上側に積層されるような構成としてもよい。
【0118】
このように、光電変換部を用いた構成とすることで、有限の体積であるシリコン基板62の内部に光電変換領域63を形成することを考えると、最も高い出力を得たい色信号を出力するための光電変換領域63を光電変換部に置き換えることで、より信号電荷量を増加させることができ、高感度化を図ることができる。例えば、人間の目に最も感度が高い緑色の光に感度を有する光電変換領域63Gを光電変換部に置き換えることが想定される。
【0119】
また、排出領域64を形成する領域を広く確保し、排出領域64を容易に形成することを考えると、上下を他の光電変換領域63で挟まれた光電変換領域63を光電変換部に置き換えることが望ましい。そして、この観点からは、1つの光電変換領域63を光電変換部に置き換える場合には、光電変換領域63Gまたは光電変換領域63Rを光電変換部に置き換えることが望ましい。また、2つの光電変換領域63を光電変換部に置き換える場合には、光電変換領域63Gおよび光電変換領域63Rの組み合わせか、光電変換領域63Bおよび光電変換領域63Rの組み合わせを光電変換部に置き換えることが望ましい。
【0120】
さらに、最も深い位置に形成される光電変換領域63RIを光電変換部に置き換えることで、シリコン基板62の薄膜化を図ることができ、固体撮像素子61を小型化することができる。
【0121】
なお、排出領域64は、例えば、光電変換領域63B、光電変換領域63G、光電変換領域63R、および光電変換領域63RIそれぞれの間に形成された部分が、それぞれ別々に(接続されずに)形成される構成としてもよい。この場合、排出領域64を構成する各部分を、シリコン基板62の外部において、異なる電源端子に接続したり、共通の電源端子に接続したりすることができる。また、この構成は、上述の固体撮像素子61の変形例にも適用することができる。
【0122】
図14は、本技術を適用した固体撮像素子の第6の実施の形態の構成例を示す断面図である。
【0123】
図14Aには、固体撮像素子71の上に形成されたカラーフィルタ72の色の配置が示されている。カラーフィルタ72は、青色波長域および赤色波長域の光を透過するマゼンタフィルタ72MGと、緑色波長域の光を透過するグリーンフィルタ72Gとが市松状に配置されている。従って、固体撮像素子71は、青色波長域および赤色波長域の光が光電変換された電荷に応じた信号を出力するマゼンタ画素、および、緑色波長域の光が光電変換された電荷に応じた信号を出力するグリーン画素を備えて構成される。
【0124】
図14Bには、固体撮像素子71のマゼンタ画素の構成例を示す断面図が示されており、図14Cには、固体撮像素子71のグリーン画素の構成例を示す断面図が示されている。
【0125】
図14Bに示すように、固体撮像素子71のマゼンタ画素73MGは、シリコン基板82の内部において光入射面側から近い順に、光電変換領域83B、排出領域84、および光電変換領域83Rが積層されて構成される。また、固体撮像素子71では、それらの領域を絶縁分離するため、各領域の間に挿入されるようにP型ウェル85が形成されている。
【0126】
光電変換領域83Bは、図3の光電変換領域23Bと同様に、青色波長域の光を光電変換して、青色波長域の光の強度に応じたB信号をB信号出力部から出力する。また、光電変換領域83Rは、図3の光電変換領域23Rと同様に、赤色波長域の光を光電変換して、赤色波長域の光の強度に応じたR信号をR信号出力部から出力する。排出領域84は、所定の電圧の電源端子VDDに接続されたN+領域であり、図3の光電変換領域23Bに対応する領域を含むように形成される。
【0127】
図14Cに示すように、固体撮像素子71のグリーン画素73Gは、シリコン基板82の内部に、光電変換領域83Gが積層されて構成され、光電変換領域83Gは、図3の光電変換領域23Bから光電変換領域23Rまでに対応する領域を含むように形成される。また、固体撮像素子71では、他の領域から光電変換領域83Gを絶縁分離するようにP型ウェル85が形成されている。
【0128】
マゼンタ画素73MGのシリコン基板82には、マゼンタフィルタ72MGを透過した青色波長域および赤色波長域の光が入射し、青色波長域の光が光電変換領域83Bにおいて光電変換され、赤色波長域の光が光電変換領域83Rにおいて光電変換される。そして、マゼンタ画素73MGでは、光電変換領域83Bおよび光電変換領域83Rの間の領域における光電変換で発生した電荷を排出領域84に取り込んで排出することができる。
【0129】
グリーン画素73Gのシリコン基板82には、グリーンフィルタ72Gを透過した緑色波長域の光が入射し、緑色波長域の光が光電変換領域83Gにおいて光電変換される。即ち、グリーンフィルタ72Gを透過した全ての光は、光電変換領域83Gにより光電変換される。
【0130】
以上のように構成される固体撮像素子71では、赤色および青色の波長域の信号は、マゼンタ画素73MGにより出力されるが、マゼンタ画素73MGでは、光電変換領域83Bおよび光電変換領域83Rの間の領域における光電変換で発生した電荷が排出領域84から排出される。そして、赤色および青色の波長域の光に対応した電荷のみが光電変換領域83Bおよび光電変換領域83Rに取り込まれるので、B信号およびR信号の分光特性の重なりが少ない分光形状を実現することができる。
【0131】
なお、固体撮像素子71のグリーン画素73Gでは、グリーンフィルタ72Gを透過した緑色波長域の光のみがシリコン基板82に取り込まれ、光電変換領域83Gにおいて光電変換される構造としている。これに対し、グリーンフィルタ72Gを使用せず、例えば、緑色波長域の光のみを光電変換する光電変換部(図7の光電変換部36)を使用してもよい。また、シリコン基板82の内部で緑色波長域の光のみが光電変換される深さに光電変換領域83Gを形成し、その光電変換領域83Gにより緑色波長域の光に応じた電荷のみが出力されるようにしてもよい。
【0132】
また、例えば、固体撮像素子21(或いは、上述のいずれかの実施の形態の固体撮像素子)に強度が高い光が入射した場合には、各光電変換領域23において蓄積容量を超える電荷が光電変換される場合がある。この場合、光電変換領域23の蓄積容量を超えた電荷を光電変換領域23それぞれの間に形成された排出領域24から排出することができ、排出領域24は、過剰電荷のオーバーフロードレインとして機能させることができる。
【0133】
なお、本実施の形態において、排出領域24は、電源端子VDDにより一定の電位を与えてもよいし、パルス状の電位を印加してもよい。パルス状の電圧を印加する場合には、少なくとも電荷を蓄積する期間において、一定の電圧が印加されるように制御する。また、電荷蓄積期間以外の期間において、例えば、光電変換領域23と排出領域24との間に存在する電位障壁を消滅させて、光電変換領域23を空乏化させることで、電荷蓄積期間を制御することができる。
【0134】
また、上述したような固体撮像素子は、例えば、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラなどの撮像システム、撮像機能を備えた携帯電話機、または、撮像機能を備えた他の機器といった各種の電子機器に適用することができる。
【0135】
図15は、電子機器に搭載される撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【0136】
図15に示すように、撮像装置101は、光学系102、シャッタ装置103、撮像素子104、駆動回路105、信号処理回路106、モニタ107、およびメモリ108を備えて構成され、静止画像および動画像を撮像可能である。
【0137】
光学系102は、1枚または複数枚のレンズを有して構成され、被写体からの像光(入射光)を撮像素子104に導き、撮像素子104の受光面(センサ部)に結像させる。
【0138】
シャッタ装置103は、光学系102および撮像素子104の間に配置され、駆動回路105の制御に従って、撮像素子104への光照射期間および遮光期間を制御する。
【0139】
撮像素子104としては、上述したような実施の形態および変形例の固体撮像素子のいずれかが適用される。撮像素子104には、光学系102およびシャッタ装置103を介して受光面に結像される像に応じて、一定期間、信号電荷が蓄積される。そして、撮像素子104に蓄積された信号電荷は、駆動回路105から供給される駆動信号(タイミング信号)に従って転送される。
【0140】
駆動回路105は、撮像素子104の転送動作、および、シャッタ装置103のシャッタ動作を制御する駆動信号を出力して、撮像素子104およびシャッタ装置103を駆動する。
【0141】
信号処理回路106は、撮像素子104から出力された信号電荷に対して各種の信号処理を施す。信号処理回路106が信号処理を施すことにより得られた画像(画像データ)は、モニタ107に供給されて表示されたり、メモリ108に供給されて記憶(記録)されたりする。
【0142】
このように構成されている撮像装置101では、撮像素子104として、上述したような良好な色再現性を有する固体撮像素子を適用することにより、より色再現性の高い撮像画像を取得することができる。
【0143】
また、本技術における固体撮像素子の構成は、裏面照射型のCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型固体撮像素子や、表面照射型のCMOS型固体撮像素子、CCD(Charge Coupled Device)型固体撮像素子に採用することができる。
【0144】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
同一の半導体基板の内部における1画素ごとに、それぞれ異なる深さに積層され、それぞれ異なる波長域の光を光電変換する複数の光電変換領域と、
複数の前記光電変換領域のうちの、前記半導体基板の深さ方向に隣接する前記光電変換領域どうしの間に形成され、その間の領域における光電変換で発生した電荷を排出する排出領域と
を備える固体撮像素子。
(2)
前記排出領域は、複数の前記光電変換領域のうちの、前記半導体基板の光入射面に最も近い位置に形成された前記光電変換領域と前記光入射面との間にも形成され、その領域における光電変換で発生した電荷を排出する
前記(1)に記載の固体撮像素子。
(3)
前記排出領域は、複数の前記光電変換領域のうちの、前記半導体基板の光入射面から最も深い位置に形成された前記光電変換領域より深い位置にも形成され、その領域における光電変換で発生した電荷を排出する
前記(1)または(2)に記載の固体撮像素子。
(4)
前記光電変換領域は、第1の導電型の半導体層からなり、
複数の前記光電変換領域を絶縁分離するための第2の導電型の半導体層が、複数の前記光電変換領域どうしの間に形成され、
前記排出領域は、前記第2の導電型の半導体層の間に狭持された第1の導電型の半導体層からなり、所定の電源電圧に接続されている
前記(1)から(3)のいずれかに記載の固体撮像素子。
(5)
第1および第2の波長域の光をそれぞれ光電変換する2層の前記光電変換領域が前記半導体基板の内部に積層されており、
前記半導体基板の光入射面の上側に積層された、第3の波長域の光を光電変換する光電変換部
をさらに備える前記(1)から(4)のいずれかに記載の固体撮像素子。
(6)
前記半導体基板の内部に積層された2層の前記光電変換領域のうちの、前記半導体基板の光入射面側となる位置に形成された前記光電変換領域が青色の波長域の光を光電変換し、その光電変換領域よりも深い位置に形成された前記光電変換領域が赤色の波長域の光を光電変換し、前記半導体基板の光入射面の上側に積層された前記光電変換部が緑色の波長域の光を光電変換する
前記(5)に記載の固体撮像素子。
(7)
前記半導体基板の内部に積層された2層の前記光電変換領域の間に形成された前記排出領域が、前記光電変換部からの信号を出力する出力部に接続されている
前記(6)に記載の固体撮像素子。
(8)
前記半導体基板の内部に積層された2層の前記光電変換領域のうちの、前記半導体基板の光入射面側となる位置に形成された前記光電変換領域が緑色の波長域の光を光電変換し、その光電変換領域よりも深い位置に形成された前記光電変換領域が赤色の波長域の光を光電変換し、前記半導体基板の光入射面の上側に積層された前記光電変換部が青色の波長域の光を光電変換する
前記(5)に記載の固体撮像素子。
(9)
複数の前記光電変換領域のうちの、前記半導体基板の光入射面に最も近い位置に形成された前記光電変換領域と前記基板表面との間に形成された前記排出領域が、前記光電変換部からの信号を出力する出力部に接続されている
前記(8)に記載の固体撮像素子。
(10)
前記半導体基板の内部に積層された2層の前記光電変換領域のうちの、前記半導体基板の光入射面側となる位置に形成された前記光電変換領域が青色の波長域の光を光電変換し、その光電変換領域よりも深い位置に形成された前記光電変換領域が緑色の波長域の光を光電変換し、前記半導体基板の光入射面の上側に積層された前記光電変換部が赤色の波長域の光を光電変換する
前記(5)に記載の固体撮像素子。
(11)
複数の前記光電変換領域のうちの、前記半導体基板の光入射面から最も深い位置に形成された前記光電変換領域より深い位置に形成された前記排出領域が、前記光電変換部からの信号を出力する出力部に接続されている
前記(10)に記載の固体撮像素子。
(12)
複数の前記光電変換領域のうちの、前記半導体基板の光入射面から最も深い位置に形成された前記光電変換領域が赤外線の波長域の光を光電変換する
前記(1)から(11)のいずれかに記載の固体撮像素子。
(13)
前記半導体基板の光入射面の上側に形成された、少なくとも一色の補色カラーフィルタ
をさらに備える前記(1)から(12)のいずれかに記載の固体撮像素子。
(14)
前記補色カラーフィルタは、マゼンタフィルタである
前記(13)に記載の固体撮像素子。
【0145】
なお、本開示は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0146】
21 固体撮像素子, 22 シリコン基板, 23B,23G,23R 光電変換領域, 24 排出領域, 25 P型ウェル, 26B,26G,26R 信号電荷読出し電極, 27B,27G,27R 拡散層領域, 31 固体撮像素子, 32 シリコン基板, 33B,33R 光電変換領域, 34 排出領域, 35 P型ウェル, 36 光電変換部, 37 光電変換膜, 38 上部電極, 39 下部電極, 41 固体撮像素子, 42 シリコン基板, 43G,43R 光電変換領域, 44 排出領域, 45 P型ウェル, 46 光電変換部, 47 光電変換膜, 48 上部電極, 49 下部電極, 51 固体撮像素子, 52 シリコン基板, 53B,53G 光電変換領域, 54 排出領域, 55 P型ウェル, 56 光電変換部, 57 光電変換膜, 58 上部電極, 59 下部電極, 61 固体撮像素子, 62 シリコン基板, 63B,63G,63R,63RI 光電変換領域, 64 排出領域, 65 P型ウェル, 71 固体撮像素子, 72 カラーフィルタ, 72MG マゼンタフィルタ, 72G グリーンフィルタ, 73MG マゼンタ画素, 73G グリーン画素, 82 シリコン基板, 83B,83G,83R 光電変換領域, 84 排出領域, 85 P型ウェル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一の半導体基板の内部における1画素ごとに、それぞれ異なる深さに積層され、それぞれ異なる波長域の光を光電変換する複数の光電変換領域と、
複数の前記光電変換領域のうちの、前記半導体基板の深さ方向に隣接する前記光電変換領域どうしの間に形成され、その間の領域における光電変換で発生した電荷を排出する排出領域と
を備える固体撮像素子。
【請求項2】
前記排出領域は、複数の前記光電変換領域のうちの、前記半導体基板の光入射面に最も近い位置に形成された前記光電変換領域と前記光入射面との間にも形成され、その領域における光電変換で発生した電荷を排出する
請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項3】
前記排出領域は、複数の前記光電変換領域のうちの、前記半導体基板の光入射面から最も深い位置に形成された前記光電変換領域より深い位置にも形成され、その領域における光電変換で発生した電荷を排出する
請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項4】
前記光電変換領域は、第1の導電型の半導体層からなり、
複数の前記光電変換領域を絶縁分離するための第2の導電型の半導体層が、複数の前記光電変換領域どうしの間に形成され、
前記排出領域は、前記第2の導電型の半導体層の間に狭持された第1の導電型の半導体層からなり、所定の電源電圧に接続されている
請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項5】
第1および第2の波長域の光をそれぞれ光電変換する2層の前記光電変換領域が前記半導体基板の内部に積層されており、
前記半導体基板の光入射面の上側に積層された、第3の波長域の光を光電変換する光電変換部
をさらに備える請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項6】
前記半導体基板の内部に積層された2層の前記光電変換領域のうちの、前記半導体基板の光入射面側となる位置に形成された前記光電変換領域が青色の波長域の光を光電変換し、その光電変換領域よりも深い位置に形成された前記光電変換領域が赤色の波長域の光を光電変換し、前記半導体基板の光入射面の上側に積層された前記光電変換部が緑色の波長域の光を光電変換する
請求項5に記載の固体撮像素子。
【請求項7】
前記半導体基板の内部に積層された2層の前記光電変換領域の間に形成された前記排出領域が、前記光電変換部からの信号を出力する出力部に接続されている
請求項6に記載の固体撮像素子。
【請求項8】
前記半導体基板の内部に積層された2層の前記光電変換領域のうちの、前記半導体基板の光入射面側となる位置に形成された前記光電変換領域が緑色の波長域の光を光電変換し、その光電変換領域よりも深い位置に形成された前記光電変換領域が赤色の波長域の光を光電変換し、前記半導体基板の光入射面の上側に積層された前記光電変換部が青色の波長域の光を光電変換する
請求項5に記載の固体撮像素子。
【請求項9】
複数の前記光電変換領域のうちの、前記半導体基板の光入射面に最も近い位置に形成された前記光電変換領域と前記基板表面との間に形成された前記排出領域が、前記光電変換部からの信号を出力する出力部に接続されている
請求項8に記載の固体撮像素子。
【請求項10】
前記半導体基板の内部に積層された2層の前記光電変換領域のうちの、前記半導体基板の光入射面側となる位置に形成された前記光電変換領域が青色の波長域の光を光電変換し、その光電変換領域よりも深い位置に形成された前記光電変換領域が緑色の波長域の光を光電変換し、前記半導体基板の光入射面の上側に積層された前記光電変換部が赤色の波長域の光を光電変換する
請求項5に記載の固体撮像素子。
【請求項11】
複数の前記光電変換領域のうちの、前記半導体基板の光入射面から最も深い位置に形成された前記光電変換領域より深い位置に形成された前記排出領域が、前記光電変換部からの信号を出力する出力部に接続されている
請求項10に記載の固体撮像素子。
【請求項12】
複数の前記光電変換領域のうちの、前記半導体基板の光入射面から最も深い位置に形成された前記光電変換領域が赤外線の波長域の光を光電変換する
請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項13】
前記半導体基板の光入射面の上側に形成された、少なくとも一色の補色カラーフィルタ
をさらに備える請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項14】
前記補色カラーフィルタは、マゼンタフィルタである
請求項12に記載の固体撮像素子。
【請求項15】
同一の半導体基板の内部における1画素ごとに、それぞれ異なる深さに積層され、それぞれ異なる波長域の光を光電変換する複数の光電変換領域と、
複数の前記光電変換領域のうちの、前記半導体基板の深さ方向に隣接する前記光電変換領域どうしの間に形成され、その間の領域における光電変換で発生した電荷を排出する排出領域と
を有する固体撮像素子
を備える電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2013−16729(P2013−16729A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−149972(P2011−149972)
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】