固体撮像装置及びカメラモジュール
【課題】固体撮像装置の画質の向上を図る。
【解決手段】本実施形態の固体撮像装置は、半導体基板10内に設けられ、光が照射される複数の第1の光電変換部を有する第1の領域2と、半導体基板10内に設けられ、第1の領域2に隣接する第2の領域3と、受光面に対して垂直方向において第1の領域2と重なる位置に配置され、第1の光電変換部にそれぞれ対応する複数の第1のレンズ9と、記第1の領域2と第1のレンズ9との間において2つの領域2,3との境界部の段差に隣接し、第1の領域2に対応する第2のレンズ7Aと、を含む。
【解決手段】本実施形態の固体撮像装置は、半導体基板10内に設けられ、光が照射される複数の第1の光電変換部を有する第1の領域2と、半導体基板10内に設けられ、第1の領域2に隣接する第2の領域3と、受光面に対して垂直方向において第1の領域2と重なる位置に配置され、第1の光電変換部にそれぞれ対応する複数の第1のレンズ9と、記第1の領域2と第1のレンズ9との間において2つの領域2,3との境界部の段差に隣接し、第1の領域2に対応する第2のレンズ7Aと、を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、固体撮像装置及びカメラモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサなどの固体撮像装置は、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、或いは、監視カメラ等、多様な用途で使われている。
【0003】
イメージセンサにおいて、光電変換部を有する画素アレイと画素アレイの動作を制御するための周辺回路とが、同じチップ上に設けられている。
【0004】
イメージセンサの光電変換部には、例えば、フォトダイオードが用いられている。フォトダイオードに入射された光が、光電変換され、被写体からの光に対応した電気信号が得られる。
【0005】
画素アレイ及び周辺回路が形成された領域の構造の違いに起因して、被写体に対応した入射光の光量が、画素アレイの中央部の光電変換部と画素アレイの外周部(周辺回路側)の光電変換部とで異なる場合がある。この入射光の光量の違いが、形成される画像にシェーディングを引き起こす場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平06−163866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
形成される画像の画質を向上する技術を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施形態の固体撮像装置は、半導体基板内に設けられ、光が照射される複数の第1の光電変換部を有する第1の領域と、前記半導体基板内に設けられ、前記第1の領域に隣接する第2の領域と、前記第1の光電変換部の受光面に対して垂直方向において前記第1の領域と重なる位置に配置され、前記第1の光電変換部にそれぞれ対応する複数の第1のレンズと、前記第1の領域と前記第1のレンズとの間において前記第1の領域と前記第2の領域との境界部の段差に隣接し、前記第1の領域に対応する第2のレンズと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態の固体撮像装置の構造を示す平面図。
【図2】実施形態の固体撮像装置の構造を示す断面図。
【図3】第1の実施形態の固体撮像装置の構造を示す断面図。
【図4】第1の実施形態の固体撮像装置の製造方法の一工程を示す断面図。
【図5】第1の実施形態の固体撮像装置の製造方法の一工程を示す断面図。
【図6】第1の実施形態の固体撮像装置の製造方法の一工程を示す断面図。
【図7】第2の実施形態の固体撮像装置の構造を示す断面図。
【図8】第2の実施形態の固体撮像装置の製造方法の一工程を示す断面図。
【図9】第3の実施形態の固体撮像装置の構造を示す断面図。
【図10】第3の実施形態の固体撮像装置の製造方法の一工程を示す断面図。
【図11】第3の実施形態の固体撮像装置の製造方法の一工程を示す断面図。
【図12】第3の実施形態の固体撮像装置の製造方法の一工程を示す断面図。
【図13】第4の実施形態の固体撮像装置の構造を示す断面図。
【図14】実施形態の固体撮像装置の応用例を示す断面図。
【図15】実施形態の固体撮像装置の変形例を示す平面図。
【図16】実施形態の固体撮像装置の変形例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態]
以下、図面を参照しながら、本実施形態について詳細に説明する。以下の説明において、同一の機能及び構成を有する要素については、同一符号を付し、重複する説明は必要に応じて行う。
【0011】
(1) 第1の実施形態
図1乃至図6を参照して、第1の実施形態に係る固体撮像装置及びその製造方法について説明する。
【0012】
(a) 構造
図1乃至図3を用いて、第1の実施形態に係る固体撮像装置の構造について、説明する。
【0013】
図1は、固体撮像装置(以下、イメージセンサとよぶ)のチップのレイアウト例を示す模式図である。図2は、図1のチップの断面構造を模式的に示す断面概略図である。
【0014】
図1に示されるように、本実施形態のイメージセンサにおいて、画素アレイ2及び画素アレイ2の動作を制御するための複数の回路が形成される領域30が、1つの半導体基板(チップ)10内に設けられている。以下では、画素アレイ2を制御するための回路群を、周辺回路とよび、周辺回路が形成される領域のことを、周辺回路領域3とよぶ。
【0015】
本実施形態のイメージセンサは、CMOSイメージセンサでもよいし、CCDイメージセンサでもよい。
【0016】
半導体基板10内の画素アレイ2は、複数の単位セル20を含み、各単位セル20は、光電変換部(画素)を有している。光電変換部は、被写体に対応する光を取得し、取得した光を電気信号に変換する。
【0017】
例えば、画素アレイ2は、光が入射される撮像領域(有効領域ともよばれる)と光が入射されない無効領域とを含んでいる。
【0018】
撮像領域内の光電変換部のことを、有効画素とよぶ。無効領域は、撮像領域と実質的に同じ構造の単位セルを有する。無効領域内の単位セルは、外部からの光が入射されないように、遮光膜(例えば、金属膜)によって、遮光されている。例えば、無効領域は、黒基準領域及びダミー領域を含んでいる。黒基準領域は、光電変換された信号に対する基準電位(暗電圧又はリセット電圧)を形成するために、画素アレイ2内に設けられている。黒基準領域は、OB(Optical Black)領域ともよばれる。以下では、黒基準領域内の光電変換部のことを、黒基準画素とよぶ。一方、ダミー領域内の単位セルは、回路としての機能を有さない。ダミー領域内の単位セルのことを、ダミーセルとよぶ。尚、画素アレイ2内に、ダミー領域及び黒基準領域のうち少なくとも一方が設けられない場合もある。
【0019】
単位セル20は、少なくとも1つの光電変換部(画素)PD及び信号走査回路部を含む。光電変換部PDは、例えば、フォトダイオードである。
【0020】
本実施形態のイメージセンサが、CMOSイメージセンサである場合、単位セル20の信号走査回路部は、例えば、4つの電界効果トランジスタ(例えば、nチャネル型MOSトランジスタ)によって形成される。単位セル20に含まれる4つの電界効果トランジスタのことを、トランスファゲート(リードトランジスタ)、アンプトランジスタ、アドレストランジスタ及びリセットトランジスタとそれぞれよぶ。
【0021】
尚、各単位セル20は、アドレストランジスタを含まなくともよい。また、単位セル20は、1つの光電変換部と1つの信号走査回路部を含むセル構造(1画素1セル構造)を有してもよいし、複数の光電変換部とそれらに共有される1つの信号走査回路部を含むセル構造(例えば、2画素1セル構造)を有してもよい。
【0022】
周辺回路領域3は、画素アレイ2に隣接するように設けられている。周辺回路領域3内には、アナログ回路又はロジック回路が形成される。周辺回路領域3内には、電界効果トランジスタ、抵抗素子、容量素子などが設けられている。以下では、周辺回路を形成する構成素子のことを、周辺素子とよぶ。
【0023】
画素アレイ2の受光面に対して垂直方向(素子が形成された面に対して垂直方向)において、マイクロレンズアレイ9が、層間絶縁膜を介して、画素アレイ2と上下に重なる位置に配置されている。
【0024】
マイクロレンズアレイ9は、複数のマイクロレンズ(第1のレンズ)を含む。マイクロレンズアレイ9は、1つのマイクロレンズ90が1つの光電変換部(画素、フォトダイオード)に対応するように、形成されている。
【0025】
図1及び図2に示されるように、本実施形態のイメージセンサにおいて、画素アレイ2の受光面に対して垂直方向において、マイクロレンズアレイ9と画素アレイ2との間に、レンズ(第2のレンズ)7Aが設けられている。
【0026】
レンズ7Aは、画素アレイ2に対応するように設けられ、光の照射面側において画素アレイ2の上方を覆っている。
【0027】
レンズ7Aは、例えば、円形の平面形状を有している。レンズ7Aの直径L1は、画素アレイ2の最大寸法(例えば、四角形の対角線)L2以上の寸法に、設定されている。例えば、画素アレイ2の受光面に対して垂直方向から見て、画素アレイ2は、円形の平面形状のレンズ7Aに内接する。この場合において、画素アレイ2の全体が、1つのレンズ7Aに覆われる。例えば、レンズ7Aは、1つのレンズ7Aが画素アレイ2内の全ての光電変換部(画素)に対応するように、マイクロレンズアレイ9と画素アレイ2との中間の層内に、形成されている。例えば、図2に示されるように、レンズ7Aは、例えば、層間絶縁膜79A内の溝92B内に、設けられている。
【0028】
画素アレイ2の受光面(半導体基板の素子形成面)に対して水平方向におけるレンズ7Aの最大寸法(例えば、直径)は、画素アレイ2の受光面に対して水平方向におけるマイクロレンズ90の最大寸法(例えば、直径)より大きい。
【0029】
以下では、画素アレイ2とマイクロレンズアレイ9との間に設けられたレンズ7Aのことを、ラージレンズ又は内部レンズとよぶ。
【0030】
図3を参照して、第1の実施形態のイメージセンサの構造について、より具体的に説明する。図3は、本実施形態のイメージセンサの断面構造の一例を示している。
【0031】
画素アレイ2内に、複数のアクティブ領域が設けられている。各アクティブ領域は、素子分離領域によって、半導体基板10内に区画されている。
画素アレイ2内に、複数の単位セル20が設けられている。単位セル20は、アクティブ領域内に、それぞれ設けられている。互いに隣接する単位セル20は、素子分離領域内の素子分離層15によって、電気的に分離されている。素子分離層15は、例えば、不純物層であってもよいし、STI構造の絶縁膜でもよい。
【0032】
上述のように、単位セル20は、光電変換部(画素)として、少なくとも1つのフォトダイオードPDを含む。フォトダイオードPDにおいて、入射光の光量に応じた電荷が、フォトダイオード内部に発生し、フォトダイオードPDの端子間(内部)に電位差が生じる。フォトダイオードPDは発生した電荷を蓄積できる。
【0033】
フォトダイオードPDは、半導体基板10内に形成されている。フォトダイオードPDは、半導体基板10内に形成された少なくとも1つの不純物層(拡散層)21を含んでいる。例えば、半導体基板10が、P型の導電型を有する場合、フォトダイオードPDを形成するための不純物層21は、N型の導電型を有する。尚、フォトダイオードPDの特性(例えば、感度)を向上させるために、フォトダイオードPDは、不純物濃度の異なる複数のN型及びP型不純物層を含んでいてもよい。
【0034】
尚、図3において、素子分離層15に囲まれたアクティブ領域内において、図示の簡略化のため、フォトダイオードPDのみが図示されているが、同じ領域内に、単位セル20が含んでいる各トランジスタやフローティングディフュージョン(浮遊拡散層)が設けられている。
【0035】
周辺回路領域3は、素子分離領域内の素子分離層(例えば、STI構造の絶縁層)19によって、画素アレイ2から電気的に分離されている。周辺回路領域3内において、電界効果トランジスタ(例えば、MOSトランジスタ)Trは、半導体基板10内のウェル領域12内に設けられている。ウェル領域12内に、2つの拡散層(不純物層)33が設けられている。これらの2つの拡散層33は、トランジスタTrのソース/ドレインとして、機能する。2つの拡散層33間のウェル領域(チャネル領域)表面に、ゲート絶縁膜32を介して、ゲート電極31が設けられる。
【0036】
電界効果トランジスタTrが、Pチャネル型であるかNチャネル型であるかは、そのトランジスタTrが設けられるウェル領域12の導電型又はソース/ドレインとなる拡散層33の導電型によって、決まる。
【0037】
尚、図示の簡単化のために、周辺回路領域3内に形成される素子(周辺素子)として、電界効果トランジスタTrのみが図示されているが、周辺回路領域3に、抵抗素子、容量素子、ダイオード又はバイポーラトランジスタなどが、設けられている。
【0038】
半導体基板10上に、複数の絶縁層が積層された層間絶縁膜70が設けられている。層間絶縁膜70は、半導体基板10内に形成された素子PD,Trを、覆っている。層間絶縁膜70内には、複数の金属膜50,55が設けられている。
層間絶縁膜70及び金属膜50,55は、多層配線技術によって形成され、所定の配線レベル(基板表面からの高さ)内にそれぞれ設けられている。
【0039】
層間絶縁膜70は、複数の絶縁層701,702,703,704の積層構造を有している。例えば、層間絶縁膜70は、酸化シリコンを用いて、形成される。金属膜50は、アルミニウム(Al)或いは銅(Cu)を用いて、形成される。
【0040】
画素アレイ2上方の金属膜55は、マイクロレンズ60を透過した光が、マイクロレンズに対応する画素20に入射されるように、隣接する画素間における光の漏れを防止するための遮光膜として用いられる。
【0041】
周辺回路領域3内の金属膜50は、回路を形成するための配線として用いられる。配線としての金属膜50は、プラグVP,CPによって、異なる配線レベル間において接続されている。例えば、基板表面の直上の最下層の配線50は、コンタクトプラグCPを経由して、半導体基板10内の不純物層33に接続される。そして、下層の配線50は、ビアプラグVPを経由して、上層の配線50に接続される。
【0042】
積層構造のベース層71,72は、層間絶縁膜70上に、設けられている。下層のベース層71は、層間絶縁膜70に接する。上層のベース層72は、層間絶縁膜70に接する。下層のベース層71は、例えば、数十nmから0.2μm程度の膜厚を有する。ベース層71,72は、シリコン酸化膜、有機膜、塗布膜、樹脂などの絶縁層によって、形成される。
【0043】
カラーフィルタ層(顔料層)8は、ベース層71,72上に設けられている。
カラーフィルタ層8は、複数のフィルタによって形成され、赤、青及び緑のフィルタを含んでいる。各色のフィルタは、ベイヤー配列を有するように、カラーフィルタ層8内に配列されている。カラーフィルタ層8は、赤、青及び緑のフィルタに加えて、白又は黄のフィルタを含んでいてもよい。カラーフィルタ層8を形成する各フィルタは、光電変換部PDと1対1で対応するように、画素アレイ2上方に設けられている。
【0044】
オーバーコート層(平坦化層ともよばれる)73は、カラーフィルタ層8及びベース層71,72上に設けられている。オーバーコート層73は、例えば、シリコン酸化膜、有機膜、塗布膜、樹脂などのうち少なくとも1つの絶縁層を用いて形成される。以下では、ベース層71,72及びオーバーコート層73のことを、層間絶縁膜に含めて説明する場合もある。
【0045】
マイクロレンズ9は、オーバーコート層73上に設けられている。マイクロレンズアレイ9は、基板10上の複数の絶縁膜70,71,72,73を挟んで、画素アレイ2の上方に配置されている。
【0046】
例えば、再配線形成技術によって、パッド(図示せず)が、層間絶縁膜70が設けられている面側(表面側)に、設けられてもよい。また、半導体基板10を貫通するビア(貫通ビア)によって、層間絶縁膜70が設けられた半導体基板10の面に対して反対側(裏面側)に、パッドが設けられてもよい。貫通ビア(図示せず)は、TSV(Through Substrate Via)技術によって、形成される。
【0047】
本実施形態において、層間絶縁膜70が設けられた半導体基板10の面(第1の面)を、半導体基板10の表面とよび、層間絶縁膜75が設けられた面に対向する半導体基板10の面(第2の面)を、半導体基板10の裏面とよぶ。
本実施形態において、取得される画像に対応する光は、半導体基板10の表面側から照射される。このように、半導体基板10の表面側から照射された光を画素(フォトダイオード)に取り込むイメージセンサは、表面照射型イメージセンサとよばれる。
【0048】
例えば、周辺回路領域3内の最上層の配線と同じ配線レベルにおいて、その配線レベルに対応する画素アレイ2内の遮光膜及び絶縁層は、イメージセンサの集光特性の改善及びフォトダイオードPDに対する光量の増大のために、画素アレイ2上方に設けられていない。例えば、基板表面に対して垂直方向において、周辺回路領域3内に、n層(ここでは、3層)の配線レベル(配線)が設けられている場合、画素アレイ2内に、(n−1)層(ここでは、2層)の配線レベル(遮光膜)が設けられている。
【0049】
画素アレイ2及び周辺回路領域3における配線レベル数(金属膜及び絶縁層の積層数)の違いに起因して、画素アレイ2を覆う層間絶縁膜70の上面と周辺回路領域3を覆う層間絶縁膜70の上面との間に、段差92Aが生じる。このため、画素アレイ2の上方において、層間絶縁膜70の上面に、溝(凹部)92Bが形成される。例えば、層間絶縁膜70内に、溝92Bが形成された場合、層間絶縁膜70の最上層の絶縁層704は、開口部を有する。尚、最上層側から2番目の絶縁層703の上面は、この溝又は開口部92Bによって露出してもよいし、最上層の絶縁層704によって覆われていてもよい。
【0050】
層間絶縁膜70の段差92Aは、画素アレイ2と周辺回路領域3との境界の素子分離領域(素子分離層)の上方に、位置している。
【0051】
ラージレンズ7Aは、層間絶縁膜70内の溝92B内に、設けられている。例えば、ラージレンズ7Aは、層間絶縁膜70の最上層の絶縁層704の開口部内に配置されている。そして、ラージレンズ7Aは、画素アレイの受光面に対して水平方向において、層間絶縁膜70の段差92Aに隣接している。
【0052】
ラージレンズ7Aは、下層のベース層71上に設けられている。下層のベース層71は、層間絶縁膜70の上面、溝92Bの内側面及び底面を覆っている。上層のベース層72は、下層のベース層71及びラージレンズ7Aの上面を、覆っている。例えば、ラージレンズ7Aの上面の一部が、カラーフィルタ層8の底面の一部に接触してもよい。
【0053】
ラージレンズ7Aは、透過性を有する材料を用いて、形成される。ラージレンズ7Aは、例えば、層間絶縁膜70、ベース層71,72及び平坦化層73とは異なる材料から形成される。ラージレンズ7Aの材料は、層間絶縁膜70、ベース層71,72及び平坦化層73の材料と屈折率が異なることが好ましい。ラージレンズ7Aは、無機膜、有機膜、樹脂(合成樹脂)及び塗布膜を含むグループから選択される少なくとも1つの材料を用いて、形成される。
【0054】
ラージレンズ7Aは、ラージレンズ7A上方の各マイクロレンズからの光を集光し、各マイクロレンズに対応する各画素(フォトダイオードPD)に集光した光を照射する。このように、層間絶縁膜70内に設けられたラージレンズ7Aは、マイクロレンズアレイ9の集光をアシストする。
【0055】
上述のように、ラージレンズ7Aは、画素アレイ2の受光面に対して垂直方向(基板表面に対して垂直方向)において、画素アレイ2と上下に重なる位置に設けられている。また、ラージレンズ7Aは、例えば、画素アレイ2の受光面に対して垂直方向から見て画素アレイ2の全体を覆う形状を有している。例えば、ラージレンズ7Aが円形の平面形状を有する場合、画素アレイ2の受光面に対して垂直方向から見て、画素アレイ2がラージレンズ7A内に内接するように、ラージレンズ7Aの大きさ(直径)が設定されている。画素アレイ2とラージレンズ7Aとの平面レイアウトは、ラージレンズ7Aが画素アレイ2に対して外接円の関係を有するレイアウトになっている。ラージレンズ7Aの直径は、基板表面に対して垂直方向における画素アレイ2の最大寸法(例えば、対角線)より大きくともよい。
【0056】
尚、溝(開口部)92Bの平面形状は、ラージレンズ7Aの平面形状と同じ形状(例えば、円形状)でもよいし、異なる形状(例えば、矩形状)でもよい。
【0057】
周辺回路領域3内における層間絶縁膜70の上面と画素アレイ2内における層間絶縁膜70の上面との段差92Aの大きさ、つまり、溝92Bの深さは、例えば、1.5μmから2μm程度である。この場合、ラージレンズ7Aの最も厚い部分の厚さは、例えば、1.0μmから1.5μm程度である。ラージレンズ7Aは、溝92B及び溝の上方に形成される部材8,9,72,73に対してスペーサー層として機能し、層間絶縁膜78の段差92Aを小さくする。
【0058】
イメージセンサの集光特性を改善するために、最上層の配線レベルに位置する金属膜(遮光膜)及び絶縁層が、画素アレイ2の上方から選択的に除去される場合がある。この場合、画素アレイ2を覆う層間絶縁膜70の上面と周辺回路領域3を覆う層間絶縁膜70の上面との間に、段差92Aが生じる。この段差92Aに起因して、層間絶縁膜70上面を覆うベース層の膜厚、カラーフィルタ層の膜厚及びオーバーコート層の膜厚が、不均一になる可能性がある。さらに、層間絶縁膜70の段差92A及びマイクロレンズアレイ9下方の各層71,72,73の厚さむらに起因して、マイクロレンズアレイが含む複数のマイクロレンズの形状がばらつく可能性がある。
【0059】
例えば、カバレッジの悪い材料が、段差92Aを有する層間絶縁膜70の直上のベース層71に用いられた場合、膜厚の不均一性の悪影響は、さらに大きくなる。また、イメージセンサのチップに形成される素子の微細化に伴って、画素アレイ2及び周辺回路領域3間に生じる層間絶縁膜の段差92Aは、セルサイズに対して相対的に大きくなる傾向がある。
【0060】
マイクロレンズアレイ9の下地層70,71,72,73の段差92A及び不均一性に起因して、画素アレイ2と周辺回路領域3との境界近傍において、マイクロレンズの特性が劣化し、画素アレイの外周部に照射される光の光量が、画素アレイの中央部に比較して、低下する。この結果として、イメージセンサにシェーディングが発生し、イメージセンサによって形成される画像のクオリティ(画質)が劣化する。
【0061】
本実施形態のイメージセンサにおいて、画素アレイ2と周辺回路領域3との間の段差92Aに起因した層間絶縁膜70の溝(絶縁層704の開口部)92B内に、レンズ(ラージレンズ又は内部レンズ)7Aが設けられている。
【0062】
本実施形態のイメージセンサにおいて、溝92B内のレンズ7Aは、層間絶縁膜70の段差92Aに対するスペーサー層として機能し、画素アレイ2上方と周辺回路領域3上方とに生じた段差92Aが、レンズ7Aによって小さくされる。それゆえ、マイクロレンズアレイ9の下地となる各層71,72,73の厚さの不均一性を抑制でき、それらの層71,72,73上方に形成されるマイクロレンズの特性ばらつきを低減できる。
【0063】
本実施形態のイメージセンサにおいて、レンズ7Aは、マイクロレンズアレイ9と画素アレイ2との間に設けられている。そのため、層間絶縁膜70内のレンズ7Aによって、マイクロレンズからの光が集光され、かつ、光電変換部(フォトダイオード)に対する入射角が緩和され、光電変換部PDに照射される。
【0064】
本実施形態のイメージセンサのように、画素アレイ2と周辺回路領域3との境界近傍の段差92Aに起因した層間絶縁膜70の溝92B内に、レンズ7Aが設けられることによって、画素アレイ2に対する集光特性を改善でき、光電変換部PDに照射される光量の低減を防止できる。それゆえ、本実施形態のイメージセンサは、イメージセンサのシェーディングを抑制できる。
【0065】
さらに、本実施形態のイメージセンサは、画素アレイ2に対応するように、1つのレンズ7Aが層間絶縁膜70内に設けられている。それゆえ、本実施形態のイメージセンサは、複数のレンズが光電変換部に対応するように層間絶縁膜7A内に設けられる場合に比較して、層間絶縁膜内のレンズの特性ばらつきを考慮する必要はなく、レンズの製造工程が過剰に増大するのを抑制できる。
【0066】
以上のように、第1の実施形態の固体撮像装置によれば、形成される画像の画質の劣化を抑制できる。
【0067】
(b) 製造方法
図3乃至図6を用いて、第1の実施形態の固体撮像装置(イメージセンサ)の製造方法について、説明する。図4乃至図6は、本実施形態のイメージセンサの製造方法の各工程における断面構造を示している。尚、本実施形態のイメージセンサの製造方法において、後述のイメージセンサの各構成要素の形成順序は、プロセスの整合性が確保されていれば、適宜変更されてもよい。
【0068】
図4に示されるように、P型及びN型のウェル領域12及び素子分離層15,19が、半導体基板10、例えば、P型シリコン基板10内に、それぞれ形成される。尚、半導体基板10は、SOI基板でもよい。
【0069】
ウェル領域12及び不純物層の素子分離層は、フォトリソグラフィ技術によって形成されたマスクや、イオン注入における不純物イオンの加速エネルギーの制御によって、半導体基板10内の所定の位置に、形成される。
【0070】
また、絶縁体からなる素子分離層の形成工程において、素子分離溝が、フォトリソグラフィ技術及びRIE(Reactive Ion Etching)法によって、半導体基板10内に形成される。素子分離溝内に、絶縁体が、CVD(Chemical Vapor Deposition)法又は塗布法によって埋め込まれる。これによって、絶縁体の素子分離層15が、半導体基板10内の所定の位置に形成される。
【0071】
このように、半導体基板10内に、隣接する素子を電気的に分離する素子分離領域(絶縁膜又は不純物層)が形成され、画素アレイ2とこれに隣接する周辺回路領域3とが、それぞれ半導体基板10内に区画される。また、画素アレイ2内において、単位セルの形成領域としてのアクティブ領域が、形成された素子分離領域によって定義される。
【0072】
フォトリソグラフィ技術によって、レジストマスク(図示せず)が半導体基板10上に、形成される。レジストマスクは、フォトダイオードの形成領域に対応した開口部が、形成されている。開口部を有するレジストマスクをマスクに用いて、不純物層21が、イオン注入法によって半導体基板10内に、形成される。半導体基板10がP型の半導体基板である場合、例えば、少なくとも1つのN型の不純物層21が、半導体基板10内に形成される。これによって、イメージセンサの各画素に対応するフォトダイオードPDが、画素アレイ2内に、形成される。尚、フォトダイオードの特性を向上させるため、複数のP型及びN型の不純物層が、フォトダイオード形成領域内に、形成されてもよい。
【0073】
トランジスタの形成領域において、半導体基板10上に、ゲート絶縁膜32が、例えば、熱酸化法によって、半導体基板10上に形成される。ゲート絶縁膜32上に、例えば、シリコン層が、CVD法により、堆積される。そして、フォトリソグラフィ技術及びRIE法によって、所定のゲート長及びゲート幅のゲート電極31が、ゲート絶縁膜32を挟んで、半導体基板10の表面(第1の面)上に形成される。例えば、形成されたゲート電極51がマスクとして用いられ、イオン注入法によって、ソース及びドレインとしての不純物層33が、半導体基板10内に形成される。これによって、半導体基板10の表面上に、単位セル20の電界効果トランジスタ(図示せず)及び周辺回路の電界効果トランジスタTrが、画素アレイ2内及び周辺回路領域3内にそれぞれ形成される。
【0074】
フローティングディフュージョンとしての不純物層(図示せず)が、フォトリソグラフィ技術及びイオン注入法によって、画素アレイ2のアクティブ領域内の所定の位置において、半導体基板10内に形成される。フローティングディフュージョンは、フォトダイオードが含む不純物層と共通の工程で形成されてもよいし、ソース/ドレインとしての不純物層と共通の工程で形成されてもよいし、これらとは別の工程で形成されてもよい。
【0075】
尚、単位セル20の電界効果トランジスタ及び周辺回路の電界効果トランジスタTrは、同時の工程で形成されてもよいし、それぞれ別の工程で形成されてもよい。
【0076】
素子が形成された半導体基板10の表面上に、多層配線技術により、層間絶縁膜70としての複数の絶縁層701,702,703,704、金属膜50,55及びプラグCP,VPが、配線レベル毎に順次形成される。
【0077】
例えば、層間絶縁膜70の最下層の絶縁層701は、トランジスタTrのゲート電極31及びフォトダイオードPDの上面を覆うように、CVD(Chemical Vapor Deposition)法によって、半導体基板10の表面上に堆積される。そして、堆積された絶縁層701の上面が、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用いて平坦化される。ゲート電極31の上部や不純物層(ソース/ドレイン又はコンタクト領域)の上部を露出させるように、コンタクトホールが、絶縁層701内に、フォトリソグラフィ技術及びRIE法を用いて、形成される。コンタクトプラグCPは、形成されたコンタクトホール内に埋め込まれる。
【0078】
アルミニウムや銅などの金属膜が、例えば、スパッタ法によって、絶縁層701上及びコンタクトプラグCP上に堆積される。堆積された金属膜50,55は、フォトリソグラフィ技術及びRIE法によって、コンタクトプラグCPに接続されるように、所定の形状に加工される。加工された金属膜(配線又は遮光膜)を覆うように、2番目の層間絶縁膜702が、最下層の層間絶縁膜701上に堆積される。これと実質的に同様の工程によって、各配線レベルにおいて、絶縁層、ビアプラグVP及び複数の金属膜50,55が、下層(基板表面側)の配線レベルから順次形成される。
【0079】
このように、所定の配線レベルの数に達するように、複数の絶縁層701,702,703,704を含む層間絶縁膜70内において、遮光膜としての金属膜55が画素アレイ2内に形成され、配線としての金属膜50が周辺回路領域3内に形成される。
【0080】
層間絶縁膜70上に、レジストが塗布される。レジストは、画素アレイ2の上方に開口部が形成されるように、フォトリソグラフィ技術及びRIE法によって、パターニングされる。所定のパターンのレジストマスク80が、層間絶縁膜70上に形成される。パターニングされたレジストマスク80をマスクに用いて、最上層の配線レベルに位置する金属膜及び絶縁層が、画素アレイ2上方から除去される。例えば、周辺回路領域3内において、3つの配線レベルの多層配線が形成された場合、金属膜の除去によって、画素アレイ2内において、2つの配線レベルの多層配線(遮光膜)が形成される。
【0081】
この結果として、画素アレイ2と周辺回路領域3の境界近傍において、層間絶縁膜70の上面に、段差92Aが形成される。画素アレイ2の上方において、層間絶縁膜70内に溝(凹部)92Bが形成される。例えば、画素アレイ2の上方の領域において、最上層の絶縁層704内に、開口部が形成され、最上層の1つ下層の絶縁層703の上面の一部が、エッチングされる。段差92Aの大きさ(溝の深さ)は、例えば、1.5μmから2.0μm程度である。後の工程において、画素アレイ2の上方全体を覆うレンズが溝92B内に形成されるように、画素アレイ2より大きい面積を有する溝92Bが形成されることが好ましい。溝(絶縁層704の開口部)92Bの平面形状は、矩形状(四角形状)でもよいし、円形状(又は楕円形状)でもよい。尚、最上層側から2番目の絶縁層703の上面は、この溝又は開口部92Bによって露出してもよいし、最上層の絶縁層704によって覆われていてもよい。
【0082】
レジストマスク80が除去された後、再配線形成技術によって、再配線層が、配線としての金属膜55に接続されるように、層間絶縁膜70上に、形成されてもよい。再配線層は、例えば、パッドとして用いられる。
【0083】
図5に示されるように、層間絶縁膜70上のレジストマスクが除去された後、第1のベース層71が、溝92B内が充填されないように、層間絶縁膜70上に堆積される。ベース層71は、塗布法又はCVD法によって、形成される。ベース層71は、数十nmから0.2μm程度の膜厚を有するように形成される。尚、ベース層71は、カバレッジ性の良い材料が用いられることが好ましい。
【0084】
そして、レンズを形成するための層(第1のレンズ形成層)7Aが、ベース層71上に堆積される。レンズ形成層7Aの材料は、各層7A、70,71の屈折率が互いに異なるように、ベース層71及び層間絶縁膜70と異なる材料を用いて、形成される。
【0085】
レンズ形成層7Aは、受光面側が半球状(レンズ状)になるように、例えば、RIE法によって加工される。これによって、層間絶縁膜70の溝92B内に、ラージレンズ7Aが形成される。ラージレンズ7Aは、層間絶縁膜70に生じた段差92Aに、隣接している。
【0086】
ラージレンズ7Aの高さ(レンズの膜厚が最も厚い部分の寸法)は、例えば、1.0μmから1.5μm程度である。
【0087】
図6に示されるように、第2のベース層72が、例えば、CVD法又は塗布法によって、第1のベース層71上及びラージレンズ7A上に、形成される。第2のベース層72には、ラージレンズ7Aの材料と異なる材料(例えば、屈折率の異なる材料)が用いられる。
【0088】
上述の工程において画素アレイ2の上方の金属膜が除去されることよって、画素アレイ2と周辺回路領域3との境界部において層間絶縁膜70の上面に段差92Aが生じる。
本実施形態において、段差92Aに起因した層間絶縁膜71内の窪み(溝)92B内に、ラージレンズ7Aが設けられている。ラージレンズ7Aは、段差92Aに対するスペーサー層となるため、段差92Aの大きさが緩和される。その結果として、画素アレイ2上方と周辺回路領域3上方との間の段差が小さくなり、段差92Aに起因した第2のベース層72の不均一性(厚さのむら)は、抑制される。
【0089】
赤、青及び緑のフィルタを含むカラーフィルタ層(顔料層)8が、画素アレイ2及びラージレンズ7Aと上下に重なる位置において、第2のベース層72上に形成される。カラーフィルタ層8は、1色のフィルタが1つの画素(フォトダイオード)に対応するように、形成されている。
【0090】
尚、カラーフィルタ層8が、ベース層72の厚さに応じて、レンズ7Aの上部に接触する場合がある。
【0091】
上述のように、ラージレンズ7Aによって下層の層間絶縁膜70に生じた段差92Aが緩和され、ベース層72の厚さの不均一性が抑制される。そのため、本実施形態において、ラージレンズ層7Aが溝92B内に設けられない場合に比較して、下地層70,71,72に起因したカラーフィルタ層8の不均一性(厚さのむら)、又は、画素アレイ2及び周辺回路領域3の境界近傍におけるカラーフィルタフィルタ層8の歪み(フィルタの傾き)は、抑制される。
【0092】
図3に示されるように、オーバーコート層(平坦化層)73が、例えば、塗布法によって、第2のベース層72及びカラーフィルタ層8上に形成される。オーバーコート層73には、ラージレンズ7Aの材料と異なる材料(例えば、屈折率の異なる材料)が用いられることが好ましい。尚、オーバーコート層73は、塗布法で形成される樹脂層でもよいし、CVD法によって形成される層でもよい。
【0093】
オーバーコート層73上に、レンズ形成層(第2のレンズ形成層)が、マイクロレンズアレイ9を形成するために、堆積される。そのレンズ形成層から複数のマイクロレンズが形成されるように、例えば、エッチング(RIE法)によって、レンズ層が加工される。これによって、複数のマイクロレンズを含むマイクロレンズアレイ9が、画素アレイ2及びラージレンズ7A上方に形成される。マイクロレンズは、フォトダイオード30に1対1で対応するように形成される。
【0094】
本実施形態の製造方法において、段差92Aに起因した層間絶縁膜71の溝92B内に、ラージレンズ7Aが設けられることによって、層間絶縁膜71の段差92Aが小さくされ、ベース層72及びカラーフィルタ層8の不均一性が緩和される。オーバーコート層73の不均一性(厚さのむら)は緩和され、オーバーコート層73に生じる段差92Aは下地層8,72の段差92Aよりさらに低減される。この結果として、マイクロレンズアレイ9は、段差及び不均一性が小さいオーバーコート層71上に形成されるため、複数のマイクロレンズの形状のばらつきが、低減される。
【0095】
再配線技術やTSV技術によって、イメージセンサのチップの表面側又は裏面側に、パッドが形成される。
【0096】
以上の製造工程によって、第1の実施形態のイメージセンサが作製される。
【0097】
本実施形態の固体撮像装置(イメージセンサ)の製造方法において、画素アレイ1上方の金属膜及び絶縁層が選択的に除去された後、画素アレイ2と周辺回路領域3との境界部分の段差92Aに隣接するように、層間絶縁膜70の溝(絶縁層の開口部)92B内に、画素アレイ2に対応するレンズ7Aが形成される。
【0098】
溝92B内のレンズ7Aは、層間絶縁膜70に生じた段差92Aに対するスペーサー層として、機能する。層間絶縁膜70内のレンズによって、画素アレイ2と周辺回路領域3との境界部の段差92Aを小さくでき、画素アレイ2及び周辺回路領域3の上方に形成される各層71,72,73の不均一性(膜厚のむら)を抑制できる。さらに、層間絶縁膜70の溝92B内にレンズ7Aが形成されることによって、マイクロレンズアレイ9の下地層8,70,71,72,73の不均一性が低減される。それゆえ、その下地層8,70,71,72,73上に形成されるマイクロレンズの形状の不均一性は、抑制される。これによって、下地の段差や不均一性に起因したマイクロレンズの集光特性の劣化が、抑制される。
【0099】
層間絶縁膜70内に設けられたレンズ7Aによって、マイクロレンズからの光が集光され、その集光された光がマイクロレンズに対応したフォトダイオード(画素)21へそれぞれ照射される。層間絶縁膜70内のレンズ(ラージレンズ)7Aと層間絶縁膜70上のレンズ(マイクロレンズ)9とによって、画素アレイ2に照射される光量は増大する。
【0100】
それゆえ、画素アレイ2の外周部(周辺回路領域側)のフォトダイオードに対する光量が、画素アレイ2の中央部のフォトダイオードに対する光量に比較して、低下するのを抑制され、イメージセンサのシェーディングを抑制できる。
【0101】
また、本実施形態のイメージセンサの製造方法は、画素アレイ2に対して1つのレンズ7Aが形成されるため、複数のレンズが光電変換部に対応するように層間絶縁膜7A内に設けられる場合に比較して、層間絶縁膜内のレンズの特性ばらつきを考慮する必要はなく、レンズの製造工程が過剰に増大するのを抑制できる。
【0102】
以上のように、第1の実施形態の固体撮像装置の製造方法によれば、形成される画像の画質の劣化を抑制できる固体撮像装置を提供できる。
【0103】
(2) 第2の実施形態
図7及び図8を用いて、第2の実施形態の固体撮像装置及びその製造方法について、説明する。尚、第1の実施形態の構成と共通の部材に関して、重複する説明は、必要に応じて行う。
【0104】
図7は、本実施形態におけるイメージセンサの断面構造を、示している。
【0105】
図7に示されるように、ラージレンズ7Aが設けられた溝92Bの内部は、第2のベース層(絶縁体)72Aによって埋め込まれてもよい。この場合、画素アレイ2及び周辺回路領域3の上方に、上面が平坦なベース層72Aが形成される。例えば、画素アレイの受光面(半導体基板の表面)に対して垂直方向において、溝92内の第2のベース層72Zの上面(マイクロレンズアレイ側の面)の位置は、周辺回路領域3内の第2のベース層72Zの上面の位置と実質的に同じである。または、溝92内の第2のベース層72Zの上面の位置は、周辺回路領域3内の第1のベース層71の上面の位置と実質的に同じでもよい。さらに、第1のベース層71が層間絶縁膜70上に設けられていない場合、溝92内の第2のベース層72Zの上面の位置は、周辺回路領域3内の層間絶縁膜70の上面の位置と実質的に同じでもよい。
【0106】
カラーフィルタ層8、オーバーコート層73及びマイクロレンズアレイ9は、平坦な面上に、それぞれ形成される。カラーフィルタ層8は、画素アレイ2と周辺回路領域3の境界部の段差92Aに起因したフィルタ層の傾き(歪み)が低減され、平坦な層となる。
【0107】
このように、溝92がラージレンズ7A及びベース層72Zによって充填されることによって、画素アレイ2と周辺回路領域3との境界近傍における層間絶縁膜70の上面の段差92Aは実質的に消失し、画素アレイ2及び周辺回路領域3の上方の領域は、平坦になる。それゆえ、層間絶縁膜上及びラージレンズ7A上の各層8,72A,70の厚さのむらは、抑制され、マイクロレンズの形状のばらつきは、低減される。
【0108】
したがって、本実施形態のイメージセンサは、形成される画像のシェーディングを抑制できる。
【0109】
本実施形態のイメージセンサは、例えば、以下のように形成される。図8は、本実施形態のイメージセンサの製造方法の一工程における断面構造を示している。
【0110】
第1の実施形態と同様の工程によって、ラージレンズ7Aが、層間絶縁膜70の段差92Aに隣接するように、層間絶縁膜70内の溝92B内に、形成される。
【0111】
図8に示されるように、絶縁体72Zが、溝92B内が満たされるように、例えば、塗布法によって溝(開口部)92B内に形成される。絶縁体72Zには、ラージレンズ7Aと異なる材料が用いられる。
【0112】
例えば、図7に示されるように、絶縁体72Zの上面が、例えば、CMP法によって、平坦化される。これによって、画素アレイ2及び周辺回路領域3の上方を覆う絶縁膜72Zの上面が、平坦になる。尚、塗布法によって、絶縁体72Zがベース層71上及びラージレンズ7A上に形成される場合、流動性の高い塗布溶液によって実質的に平坦な面が形成されるため、絶縁体72Zに対する平坦化処理は、省略されてもよい。
【0113】
このように、画素アレイ2上方の溝92B内にレンズ7Aが設けられ、さらに、溝92Bの内部が、絶縁体(第2のベース層)で充填される。これによって、画素アレイ2及び周辺回路領域3の上方に平坦な面が形成され、画素アレイ2と周辺回路領域3と境界部において層間絶縁膜70に生じた段差が解消される。
【0114】
それゆえ、画素アレイ2及び周辺回路領域3の上方のほぼ平坦な面上に、カラーフィルタ層8及びマイクロレンズアレイ9が形成される。この結果として、カラーフィルタ層8及びオーバーコート層73の膜厚のむら、カラーフィルタ層8の傾き、マイクロレンズの形状のばらつきを、抑制できる。
【0115】
したがって、第2の実施形態のイメージセンサは、第1の実施形態のイメージセンサと同様に、イメージセンサに生じるシェーディングを抑制できる。
【0116】
以上のように、第2の実施形態の固体撮像装置及びその製造方法によれば、形成される画像の画質の劣化を抑制できる固体撮像装置を提供できる。
【0117】
(3) 第3の実施形態
図9乃至図12を参照して、第3の実施形態の固体撮像装置及びその製造方法について説明する。尚、第1及び第2の実施形態の構成要素と共通の部材に関して、重複する説明は、必要に応じて行う。
【0118】
(a) 構造
図9を用いて、第3の実施形態の固体撮像装置(イメージセンサ)の構造について、説明する。
【0119】
第1及び第2の実施形態において、表面照射型イメージセンサについて述べた。但し、実施形態に係るイメージセンサは、裏面照射型イメージセンサでもよい。
図9は、本実施形態における裏面照射型イメージセンサの断面構造を、示している。
【0120】
裏面照射型イメージセンサは、基板の裏面側が、被写体からの光の照射面となっている。裏面照射型イメージセンサは、素子(例えば、トランジスタのゲート電極)を覆う層間絶縁膜70が設けられた面(表面、第1の面)とは反対の面(裏面、第2の面)側に、カラーフィルタ層8及びマイクロレンズ9が設けられている。裏面照射型イメージセンサにおいて、支持基板19が、接着層(図示せず)によって、基板表面側の層間絶縁膜71上に貼り付けられている。
【0121】
本実施形態のイメージセンサにおいて、裏面照射型イメージセンサの照射面側、すなわち、半導体基板10の裏面側に、ラージレンズ7Aが設けられている。
【0122】
裏面照射型イメージセンサにおいて、金属膜の遮光膜59が、半導体基板10の裏面上の保護膜(絶縁膜)75を介して、基板10の裏面側に、設けられている。遮光膜59は、第1及び第2のベース層76,77に覆われている。
【0123】
遮光膜59は、画素アレイ2の無効領域(第2の領域)2Xに、光が照射されないように、無効領域2X内の単位セル(無効セル)20X及び電界効果トランジスタTrの下方(照射面側)を覆っている。例えば、無効領域2Xとしての黒基準領域は、基準電位としての暗電圧(暗電流)を、生成及び出力するために設けられている。例えば、無効セル(黒基準セル)20XのフォトダイオードPDから出力される電圧に基づいて、リセット電圧が生成される。
【0124】
遮光膜59は、光の照射面に対して垂直方向において画素アレイ2の撮像領域(第1の領域)2Aと上下に重なる位置に、開口部92Bを有する。半導体基板10の裏面側において、撮像領域2Aの受光面が露出し、被写体からの光が撮像領域2Aに照射される。
【0125】
本実施形態の裏面照射型イメージセンサにおいて、遮光膜59の有無に応じた段差92Aが、撮像領域2Aと無効領域2Xとの境界部において生じる。
【0126】
ラージレンズ7Aは、半導体基板10の裏面側において、画素アレイ2と裏面側のマイクロレンズアレイ9との間に設けられている。
【0127】
ラージレンズ7Aは、段差92Aに起因した溝(遮光膜59の開口部)92B内に、設けられる。溝92Bは、遮光膜59の側面と半導体基板10の裏面とによって形成される。ラージレンズ7Aは、段差92A(遮光膜59の側面)に隣接するように、半導体基板10の裏面側に設けられている。ラージレンズ7Aは、画素の照射面に対して垂直方向において、撮像領域2Aと上下に重なる位置に配置されている。ラージレンズ7Aは、撮像領域2Aの照射面側の全体を覆うように形成されている。例えば、画素アレイの受光面に対して垂直方向から見て、画素アレイ2の撮像領域2Aは、ラージレンズ7Aに内接する。ラージレンズ7Aと半導体基板10の裏面との間には、絶縁膜75及びベース層76が設けられている。
【0128】
本実施形態の裏面照射型イメージセンサにおいて、ラージレンズ7Aは、遮光膜59の開口部92B内に設けられている。ラージレンズ7Aは、段差92Aに対するスペーサー層として機能する。これによって、画素アレイ2内の撮像領域2Aと無効領域2Xとの境界において遮光膜59の有無に起因した段差92Aが、緩和される。
【0129】
それゆえ、開口部を有する遮光膜59下に形成される第2のベース層77、カラーフィルタ層8及びオーバーコート層78に、段差92Aに起因した不均一性(膜厚のむら)が生じるのを、抑制できる。そして、マイクロレンズアレイ9の下地層8,77,78の不均一性が抑制されるため、マイクロレンズの形状(特性)のばらつきは低減される。
【0130】
本実施形態の裏面照射型イメージセンサにおいて、ラージレンズ7Aによって、半導体基板10の裏面側に設けられたマイクロレンズアレイ9からの光が集光され、撮像領域2A内の各光電変換部PDに集光した光が照射される。
【0131】
したがって、第3の実施形態のような裏面照射型イメージセンサにおいても、上述の表面照射型イメージセンサと同様に、イメージセンサのシェーディングを抑制できる。
【0132】
以上のように、第3の実施形態の固体撮像装置によれば、形成される画像の画質の劣化を抑制できる。
【0133】
(b) 製造方法
図9乃至図12を参照して、第3の実施形態の固体撮像装置の製造方法について、説明する。本実施形態の固体撮像装置の製造方法は、裏面照射型イメージセンサの製造方法に関する。図10乃至図12は、本実施形態のイメージセンサの製造方法の各工程における断面構造を示している。
【0134】
図10に示されるように、第1及び第2の実施形態と同様に、フォトダイオードを含む単位セル20が、半導体基板10の画素アレイ2内に形成され、トランジスタTrなどの周辺回路を形成する素子が、半導体基板10の周辺回路領域3内に形成される。トランジスタTrのゲート電極31は、半導体基板10の表面上に形成される。半導体基板10の表面(第1の面)上に、配線(金属膜)50を含む層間絶縁膜70が、形成される。層間絶縁膜70の上面は、平坦化される。
【0135】
支持基板17が、半導体基板10の表面側において、接着層(図示せず)を介して層間絶縁膜70に貼り付けられる。
【0136】
図11に示されるように、半導体基板10の裏面に、例えば、グライディング(研磨)、CMP法及びウェットエッチングなどが施され、半導体基板10の厚さが、薄くされる。
【0137】
半導体基板10が薄くされた後、半導体基板10の裏面上に、保護膜(絶縁膜)75が形成される。
金属膜59が、例えば、スパッタ法によって、保護膜75上に堆積される。フォトリソグラフィ技術によって、所定のパターンのレジストマスク82が金属膜59上に形成される。レジストマスク82は、画素アレイ2の撮像領域2Aに対応する位置に開口部が形成されている。
【0138】
パターニングされたレジストマスク82をマスクに用いて、半導体基板10の裏面側の金属膜59が、例えば、RIE法によってエッチングされる。これによって、半導体基板の裏面側に、開口部を有する遮光膜59が、形成される。遮光膜59によって、画素アレイ2内に撮像領域2Aと無効領域2Xとが、形成される。基板10の表面に対して垂直方向において遮光膜59の開口部92Bと上下に重なる位置に、撮像領域2Aが形成され、遮光膜59と上下に重なる位置に、無効領域(黒基準領域)が形成される。このように、裏面照射型イメージセンサの画素アレイ2における光の照射面が、露出する。遮光膜59を形成するための金属膜の膜厚は、無効領域に対する遮光性を確保するために、厚いことが好ましい。
【0139】
半導体基板10の裏面側において、遮光膜59に覆われない部分と遮光膜59に覆われた部分との境界部分に、すなわち、画素アレイ2の撮像領域2Aと無効領域2Xとの境界部分に、段差92Aが形成される。この結果として、遮光膜59の開口部に対応する部分92Bが、溝92Bとなる。
【0140】
図12に示されるように、レジストマスクが除去された後、第1のベース層76が、例えば、CVD法又は塗布法によって、半導体基板10の裏面側の遮光膜59及び保護膜75上に形成される。
【0141】
第1のベース層76上に、レンズ形成層が堆積される。レンズ形成層は、エッチングによって半球状に加工され、ラージレンズ7Aが、遮光膜59の開口部92B内に形成される。
【0142】
図9に示されるように、ラージレンズ7Aが形成された後、第1及び第2の実施形態と実質的に同じ工程によって、半導体基板10の裏面側において、第1のベース層76及びラージレンズ7A上に、第2のベース層77、カラーフィルタ層8及びオーバーコート層78が形成される。
【0143】
開口部92Bに設けられたラージレンズ7Aは、スペーサー層として、遮光膜59の有無に起因した段差92Aの大きさを緩和させる。その結果として、ベース層76及びラージレンズ7A上に積層される各層8,77,78の不均一性(膜厚のむら)を、抑制できる。
【0144】
オーバーコート層78上に、マイクロレンズアレイ9が、形成される。半導体基板の裏面側のマイクロレンズアレイ9は、段差92Aが小さく、且つ、不均一性が抑制された下地層8,77,78上に形成される。そのため、マイクロレンズアレイ9内のマイクロレンズの形状のばらつきは、低減される。
【0145】
以上のように、本実施形態の製造方法において、半導体基板の裏面側において遮光膜の有無によって生じた段差92Aは、その段差92Aに隣接するように、レンズ7Aが遮光膜59の開口部(溝)92B内に形成されることによって、緩和される。
【0146】
それゆえ、第3の実施形態の製造方法によれば、第1及び第2の実施形態と同様に、ラージレンズ7Aが溝(開口部)92B内に設けられることによって、段差92Aが生じた後に形成される各層8,77,78に、段差92Aに起因した不均一性(膜厚のむら)が生じるのを抑制できる。そして、下地層としての各層8,77,78上に形成されるマイクロレンズアレイ9において、マイクロレンズの形状のばらつきを低減できる。さらに、裏面照射側イメージセンサにおいて、画素アレイ2の撮像領域2Aとマイクロレンズアレイ9と間に、画素アレイ2に対応したラージレンズ7Aが形成されることによって、そのラージレンズ7Aが、光電変換部に対する光の照射をアシストする。
【0147】
これによって、本実施形態の裏面照射型イメージセンサにおいて、イメージセンサの集光特性が改善される。
【0148】
したがって、本実施形態の製造方法によって、シェーディングを抑制できるイメージセンサを形成できる。
【0149】
以上のように、第3の実施形態の固体撮像装置の製造方法によれば、形成される画像の画質の劣化を抑制できる固体撮像装置を提供できる。
【0150】
(4) 第4の実施形態
図13を参照して、第4の実施形態の固体撮像装置及びその製造方法について、説明する。本実施形態の固体撮像装置は、第3の実施形態と同様に、裏面照射型イメージセンサである。
【0151】
図13は、本実施形態における裏面照射型イメージセンサの断面構造を、示している。
【0152】
本実施形態の裏面照射型イメージセンサにおいて、ラージレンズ7Aが配置される溝92Bの内部、すなわち、撮像領域2Aに対応するように形成された遮光膜59内の開口部92B内が、第2の実施形態と同様に、絶縁体(第2のベース層)77Aによって満たされてもよい。これによって、撮像領域2Aと無効領域2Xとの境界部分の段差92Aが解消される。そして、半導体基板の裏面側(マイクロレンズが設けられた側)において、段差92Aがベース層77Aに生じずに、ベース層77Aは、平坦な面を有する。
【0153】
第2のベース層77Aは、第2の実施形態で述べたのと同様に、塗布法によって形成されてもよいし、CMP法によって平坦化処理されてもよい。
【0154】
本実施形態の裏面照射型イメージセンサにおいて、半導体基板10の裏面側のカラーフィルタ層8、オーバーコート層78及びマイクロレンズアレイ9は、平坦な面を有する下地層(ベース層)77A上に、それぞれ形成される。それゆえ、本実施形態の裏面照射型イメージセンサは、各層8,78の不均一性を抑制でき、マイクロレンズ9の形状のばらつきを低減できる。
【0155】
それゆえ、本実施形態のイメージセンサは、形成される画像のシェーディングを抑制できる。
したがって、第4の実施形態の固体撮像装置及び製造方法によれば、形成される画像の画質の劣化を抑制できる。
【0156】
(5) 応用例
図14を参照して、実施形態の固体撮像装置の応用例について、説明する。尚、上述の各実施形態で述べた構成要素には、共通の符号を付し、それらの構成要素の説明は、必要に応じて行う。
【0157】
第1乃至第4の実施形態で述べた固体撮像装置(イメージセンサ)は、例えば、カメラモジュール100に適用できる。
【0158】
図14は、本実施形態のイメージセンサ1を含むカメラモジュール100を模式的に示す断面図である。
【0159】
カメラモジュール100は、イメージセンサ1のチップを含んでいる。カメラモジュール100は、イメージセンサ1のチップに加え、例えば、信号処理部(図示せず)、演算部(図示せず)、入出力部(図示せず)及び光学レンズユニット200を有する。
【0160】
信号処理部(例えば、DSP:Digital Signal Processor)は、イメージセンサ1から出力された電気信号を処理する。入出力部は、モジュール100内からの信号及び外部からの信号のインタフェースとして機能する。光学レンズユニット200は、入射光をイメージセンサ1に集光し、入射光に対応する画像をイメージセンサ1上に結像させる。演算部(例えば、MPU:Micro - Processing Unit)は、外部からの信号に基づいて、モジュール100全体の動作を制御する。
【0161】
図14に示されるように、本実施形態のイメージセンサ1は、遮光性を有するシールド(外囲器)101,102内に搭載される。
【0162】
イメージセンサ1は、例えば、下部シールド101内部の実装基板(図示せず)上に設けられる。イメージセンサは、電極(例えば、半田ボール又はバンプ)6又はボンディングワイヤ(図示せず)によって、実装基板に形成された配線(図示せず)に接続される。
【0163】
下部シールド101の底部上には、例えば、半田ボール(または半田バンプ)109が設けられる。半田ボール109を介して、カメラモジュール100が、実装基板(図示せず)上の他の回路に接続される。
【0164】
光学レンズユニット200は、シールド101,102内に搭載される。光学レンズユニット200は、イメージセンサ1の受光面に対して垂直方向に位置するように、上部シールド102によって保持されている。光学レンズユニット200は、複数のレンズ201,202を有する。例えば、複数のレンズ201,202は、屈折率がそれぞれ異なる。尚、図14において、2個のレンズ201,202が、光学レンズユニット200内に設けられている例が示されているが、レンズの個数は2個に限定されず、1個でもよいし、3個以上でもよいのは、もちろんである。
【0165】
イメージセンサ1と光学レンズユニット200との間において、例えば、ガラス基板(カバーガラス)105が、シールド102内に設けられている。ガラス基板105は、下部シールド101と上部シールド102とに挟まれることによって、シールド101,102内に保持されている。
【0166】
被写体からの光は、シールドユニット101,102に形成された開口部を介して、光学レンズユニット200に照射され、光学レンズユニット200は照射された光を集光する。イメージセンサ1の照射面に対する被写体からの光の入射角は、光学レンズユニット200内の複数のレンズ201,202の組み合わせによって、変化(調整)される。光学レンズユニット200からの光は、ガラス基板105を介して、イメージセンサ1に照射される。その光は、イメージセンサ1のマイクロレンズアレイ9及び層間絶縁膜内のラージレンズ7Aを介して、画素アレイ(撮像領域)2内の各画素20に照射される。
【0167】
本実施形態のイメージセンサは、マイクロレンズ9と画素アレイ2との間に、画素アレイ2に対応するラージレンズ7Aを含む。ラージレンズ7Aは、チップ内で互いに隣接する2つの領域の境界部の段差92Aに隣接するように設けられることによって、スペーサー層として機能し、層間絶縁膜70及びラージレンズ7A上に設けられる各部材に対して、段差92Aの大きさを緩和する。これによって、段差92Aに起因した各層の不均一性(厚さのむら)が抑制され、マイクロレンズアレイ9の各マイクロレンズの形状及び特性のばらつきを低減する。また、ラージレンズ7Aは、マイクロレンズアレイ9からの光をさらに集光し、画素アレイの各光電変換部(フォトダイオード)20に照射する。このように、ラージレンズ7Aは、イメージセンサの集光特性を改善する。
【0168】
それゆえ、本実施形態のイメージセンサを含むカメラモジュールは、例えば、シェーディングなどの画質の劣化を抑制できる。
【0169】
本実施形態のイメージセンサ1のチップがマイクロレンズ9に加えてラージレンズ7Aを含むことによって、本実施形態のイメージセンサを含むカメラモジュールは、光学レンズユニット200内のレンズ201,202の個数を削減できる。さらに、光学レンズユニット200のレンズの個数を削減できることによって、カメラモジュールを薄型化できる。
【0170】
カメラモジュールの光学レンズユニット200は、カメラモジュールに要求される仕様に応じて、様々な設計の制約を受ける。例えば、モジュールの面積や厚さの仕様が原因で、イメージセンサの受光面に対する光の入射角を、光学レンズユニット200によって30℃以下に設定することは、困難な場合がある。
これに対して、本実施形態のイメージセンサ1及びそれを含むカメラモジュール100は、チップ内のラージレンズ7Aが、チップ外部からの光を集光する。また、ラージレンズ7Aの形状及び材料を調整することによって、光学レンズユニット200のレンズ201,202の光学設計を、補助できる。これによって、本実施形態のイメージセンサ1を含むカメラモジュール100において、レンズに起因した画像のディストーションを抑制できる。
【0171】
以上のように、本実施形態のイメージセンサ及びそのイメージセンサを含むカメラモジュールは、カメラモジュールのレンズの設計上の制約を緩和できる。
【0172】
したがって、本実施形態のイメージセンサを含むカメラモジュールは、画質の向上に加え、カメラモジュールの設計の負荷を軽減できる。
【0173】
(6) 変形例
図15及び図16を参照して、第1乃至第4の実施形態の固体撮像装置の変形例について、説明する。
【0174】
上述の各実施形態において、ラージレンズ7Aの平面形状が、円形状の場合について、述べた。但し、図15及び図16に示されるように、ラージレンズは、円形以外の平面形状を有していてもよい。
【0175】
図15は、本実施形態の変形例におけるイメージセンサのチップの平面図を模式的に示している。図15の(a)に示されるように、ラージレンズ7Bの平面形状は、楕円形状でもよい。また、図15の(b)に示されるように、ラージレンズ7Cの平面形状は、四角形状でもよい。
【0176】
楕円形状又は四角形状のラージレンズ7B,7Cは、図2に示される構造と同様に、画素アレイ2全体を覆うように、画素アレイ2とマイクロレンズアレイ9との間に配置されている。
【0177】
例えば、光の受光面に対して垂直方向から見て、画素アレイ2は楕円形状のラージレンズ7Bに内接している。例えば、楕円形状のラージレンズ7Bにおいて、ラージレンズ7Bの長軸の寸法L3Aは、画素アレイ2の長辺の寸法L2Aより大きく、ラージレンズ7Bの短軸の寸法L3Bは、画素アレイ2の短辺の寸法L2Bより大きい。
【0178】
例えば、四角形状のラージレンズ7Cにおいて、ラージレンズ7Cの長辺の寸法L4Aは、画素アレイ2の長辺の寸法L2A以上で、ラージレンズ7Cの短辺の寸法L4Bは、画素アレイ2の短辺の寸法L2B以上である。尚、ラージレンズ7Cの平面形状は、画素アレイ2の全体を覆う平面レイアウトであれば、四角形の角が丸くなった形状でもよい。
【0179】
図16に示されるように、表面照射型イメージセンサにおいて、撮像領域2Aと無効領域(例えば、黒基準領域)2Xとが画素アレイ2内に設けられる。例えば、無効領域2の遮光性を向上させるために、無効領域2Xにおいて、最上層の配線レベルに位置する金属膜を遮光膜59として、残存させる場合がある。この場合において、撮像領域2Aと無効領域2Xとの境界部分において、層間絶縁膜70の上面に段差92Aが形成され、撮像領域2Aの上方に、溝92Bが設けられる。
【0180】
この場合、図16に示されるように、ラージレンズ7Aが、画素アレイ2内のうち撮像領域2Aにのみ対応するように設けられてもよい。無効領域2X内の上方に、ラージレンズ7Aは設けられていない。例えば、ラージレンズ7Aが円形状の平面形状を有する場合、画素アレイ2の受光面に対して垂直方向(基板表面に対して垂直方向)から見て、撮像領域2Aが円形状のラージレンズ7Aに内接する。ラージレンズ7Aは、1つのレンズ7Aが撮像領域2A内の全ての光電変換部(有効画素)に対応するように、形成されている。
【0181】
図15及び図16に示される変形例において、第1乃至第4の実施形態のイメージセンサ及びそのイメージセンサを含むカメラモジュールと同じ効果が得られる。
【0182】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0183】
2:画素アレイ、2A:撮像領域、2X:無効領域、3:周辺回路領域、20:画素、7A:レンズ、9:マイクロレンズアレイ、100:カメラモジュール、1:イメージセンサ、200:光学レンズユニット、201,202:レンズ、92A:段差、92B:溝,開口部。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、固体撮像装置及びカメラモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサなどの固体撮像装置は、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、或いは、監視カメラ等、多様な用途で使われている。
【0003】
イメージセンサにおいて、光電変換部を有する画素アレイと画素アレイの動作を制御するための周辺回路とが、同じチップ上に設けられている。
【0004】
イメージセンサの光電変換部には、例えば、フォトダイオードが用いられている。フォトダイオードに入射された光が、光電変換され、被写体からの光に対応した電気信号が得られる。
【0005】
画素アレイ及び周辺回路が形成された領域の構造の違いに起因して、被写体に対応した入射光の光量が、画素アレイの中央部の光電変換部と画素アレイの外周部(周辺回路側)の光電変換部とで異なる場合がある。この入射光の光量の違いが、形成される画像にシェーディングを引き起こす場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平06−163866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
形成される画像の画質を向上する技術を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施形態の固体撮像装置は、半導体基板内に設けられ、光が照射される複数の第1の光電変換部を有する第1の領域と、前記半導体基板内に設けられ、前記第1の領域に隣接する第2の領域と、前記第1の光電変換部の受光面に対して垂直方向において前記第1の領域と重なる位置に配置され、前記第1の光電変換部にそれぞれ対応する複数の第1のレンズと、前記第1の領域と前記第1のレンズとの間において前記第1の領域と前記第2の領域との境界部の段差に隣接し、前記第1の領域に対応する第2のレンズと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態の固体撮像装置の構造を示す平面図。
【図2】実施形態の固体撮像装置の構造を示す断面図。
【図3】第1の実施形態の固体撮像装置の構造を示す断面図。
【図4】第1の実施形態の固体撮像装置の製造方法の一工程を示す断面図。
【図5】第1の実施形態の固体撮像装置の製造方法の一工程を示す断面図。
【図6】第1の実施形態の固体撮像装置の製造方法の一工程を示す断面図。
【図7】第2の実施形態の固体撮像装置の構造を示す断面図。
【図8】第2の実施形態の固体撮像装置の製造方法の一工程を示す断面図。
【図9】第3の実施形態の固体撮像装置の構造を示す断面図。
【図10】第3の実施形態の固体撮像装置の製造方法の一工程を示す断面図。
【図11】第3の実施形態の固体撮像装置の製造方法の一工程を示す断面図。
【図12】第3の実施形態の固体撮像装置の製造方法の一工程を示す断面図。
【図13】第4の実施形態の固体撮像装置の構造を示す断面図。
【図14】実施形態の固体撮像装置の応用例を示す断面図。
【図15】実施形態の固体撮像装置の変形例を示す平面図。
【図16】実施形態の固体撮像装置の変形例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態]
以下、図面を参照しながら、本実施形態について詳細に説明する。以下の説明において、同一の機能及び構成を有する要素については、同一符号を付し、重複する説明は必要に応じて行う。
【0011】
(1) 第1の実施形態
図1乃至図6を参照して、第1の実施形態に係る固体撮像装置及びその製造方法について説明する。
【0012】
(a) 構造
図1乃至図3を用いて、第1の実施形態に係る固体撮像装置の構造について、説明する。
【0013】
図1は、固体撮像装置(以下、イメージセンサとよぶ)のチップのレイアウト例を示す模式図である。図2は、図1のチップの断面構造を模式的に示す断面概略図である。
【0014】
図1に示されるように、本実施形態のイメージセンサにおいて、画素アレイ2及び画素アレイ2の動作を制御するための複数の回路が形成される領域30が、1つの半導体基板(チップ)10内に設けられている。以下では、画素アレイ2を制御するための回路群を、周辺回路とよび、周辺回路が形成される領域のことを、周辺回路領域3とよぶ。
【0015】
本実施形態のイメージセンサは、CMOSイメージセンサでもよいし、CCDイメージセンサでもよい。
【0016】
半導体基板10内の画素アレイ2は、複数の単位セル20を含み、各単位セル20は、光電変換部(画素)を有している。光電変換部は、被写体に対応する光を取得し、取得した光を電気信号に変換する。
【0017】
例えば、画素アレイ2は、光が入射される撮像領域(有効領域ともよばれる)と光が入射されない無効領域とを含んでいる。
【0018】
撮像領域内の光電変換部のことを、有効画素とよぶ。無効領域は、撮像領域と実質的に同じ構造の単位セルを有する。無効領域内の単位セルは、外部からの光が入射されないように、遮光膜(例えば、金属膜)によって、遮光されている。例えば、無効領域は、黒基準領域及びダミー領域を含んでいる。黒基準領域は、光電変換された信号に対する基準電位(暗電圧又はリセット電圧)を形成するために、画素アレイ2内に設けられている。黒基準領域は、OB(Optical Black)領域ともよばれる。以下では、黒基準領域内の光電変換部のことを、黒基準画素とよぶ。一方、ダミー領域内の単位セルは、回路としての機能を有さない。ダミー領域内の単位セルのことを、ダミーセルとよぶ。尚、画素アレイ2内に、ダミー領域及び黒基準領域のうち少なくとも一方が設けられない場合もある。
【0019】
単位セル20は、少なくとも1つの光電変換部(画素)PD及び信号走査回路部を含む。光電変換部PDは、例えば、フォトダイオードである。
【0020】
本実施形態のイメージセンサが、CMOSイメージセンサである場合、単位セル20の信号走査回路部は、例えば、4つの電界効果トランジスタ(例えば、nチャネル型MOSトランジスタ)によって形成される。単位セル20に含まれる4つの電界効果トランジスタのことを、トランスファゲート(リードトランジスタ)、アンプトランジスタ、アドレストランジスタ及びリセットトランジスタとそれぞれよぶ。
【0021】
尚、各単位セル20は、アドレストランジスタを含まなくともよい。また、単位セル20は、1つの光電変換部と1つの信号走査回路部を含むセル構造(1画素1セル構造)を有してもよいし、複数の光電変換部とそれらに共有される1つの信号走査回路部を含むセル構造(例えば、2画素1セル構造)を有してもよい。
【0022】
周辺回路領域3は、画素アレイ2に隣接するように設けられている。周辺回路領域3内には、アナログ回路又はロジック回路が形成される。周辺回路領域3内には、電界効果トランジスタ、抵抗素子、容量素子などが設けられている。以下では、周辺回路を形成する構成素子のことを、周辺素子とよぶ。
【0023】
画素アレイ2の受光面に対して垂直方向(素子が形成された面に対して垂直方向)において、マイクロレンズアレイ9が、層間絶縁膜を介して、画素アレイ2と上下に重なる位置に配置されている。
【0024】
マイクロレンズアレイ9は、複数のマイクロレンズ(第1のレンズ)を含む。マイクロレンズアレイ9は、1つのマイクロレンズ90が1つの光電変換部(画素、フォトダイオード)に対応するように、形成されている。
【0025】
図1及び図2に示されるように、本実施形態のイメージセンサにおいて、画素アレイ2の受光面に対して垂直方向において、マイクロレンズアレイ9と画素アレイ2との間に、レンズ(第2のレンズ)7Aが設けられている。
【0026】
レンズ7Aは、画素アレイ2に対応するように設けられ、光の照射面側において画素アレイ2の上方を覆っている。
【0027】
レンズ7Aは、例えば、円形の平面形状を有している。レンズ7Aの直径L1は、画素アレイ2の最大寸法(例えば、四角形の対角線)L2以上の寸法に、設定されている。例えば、画素アレイ2の受光面に対して垂直方向から見て、画素アレイ2は、円形の平面形状のレンズ7Aに内接する。この場合において、画素アレイ2の全体が、1つのレンズ7Aに覆われる。例えば、レンズ7Aは、1つのレンズ7Aが画素アレイ2内の全ての光電変換部(画素)に対応するように、マイクロレンズアレイ9と画素アレイ2との中間の層内に、形成されている。例えば、図2に示されるように、レンズ7Aは、例えば、層間絶縁膜79A内の溝92B内に、設けられている。
【0028】
画素アレイ2の受光面(半導体基板の素子形成面)に対して水平方向におけるレンズ7Aの最大寸法(例えば、直径)は、画素アレイ2の受光面に対して水平方向におけるマイクロレンズ90の最大寸法(例えば、直径)より大きい。
【0029】
以下では、画素アレイ2とマイクロレンズアレイ9との間に設けられたレンズ7Aのことを、ラージレンズ又は内部レンズとよぶ。
【0030】
図3を参照して、第1の実施形態のイメージセンサの構造について、より具体的に説明する。図3は、本実施形態のイメージセンサの断面構造の一例を示している。
【0031】
画素アレイ2内に、複数のアクティブ領域が設けられている。各アクティブ領域は、素子分離領域によって、半導体基板10内に区画されている。
画素アレイ2内に、複数の単位セル20が設けられている。単位セル20は、アクティブ領域内に、それぞれ設けられている。互いに隣接する単位セル20は、素子分離領域内の素子分離層15によって、電気的に分離されている。素子分離層15は、例えば、不純物層であってもよいし、STI構造の絶縁膜でもよい。
【0032】
上述のように、単位セル20は、光電変換部(画素)として、少なくとも1つのフォトダイオードPDを含む。フォトダイオードPDにおいて、入射光の光量に応じた電荷が、フォトダイオード内部に発生し、フォトダイオードPDの端子間(内部)に電位差が生じる。フォトダイオードPDは発生した電荷を蓄積できる。
【0033】
フォトダイオードPDは、半導体基板10内に形成されている。フォトダイオードPDは、半導体基板10内に形成された少なくとも1つの不純物層(拡散層)21を含んでいる。例えば、半導体基板10が、P型の導電型を有する場合、フォトダイオードPDを形成するための不純物層21は、N型の導電型を有する。尚、フォトダイオードPDの特性(例えば、感度)を向上させるために、フォトダイオードPDは、不純物濃度の異なる複数のN型及びP型不純物層を含んでいてもよい。
【0034】
尚、図3において、素子分離層15に囲まれたアクティブ領域内において、図示の簡略化のため、フォトダイオードPDのみが図示されているが、同じ領域内に、単位セル20が含んでいる各トランジスタやフローティングディフュージョン(浮遊拡散層)が設けられている。
【0035】
周辺回路領域3は、素子分離領域内の素子分離層(例えば、STI構造の絶縁層)19によって、画素アレイ2から電気的に分離されている。周辺回路領域3内において、電界効果トランジスタ(例えば、MOSトランジスタ)Trは、半導体基板10内のウェル領域12内に設けられている。ウェル領域12内に、2つの拡散層(不純物層)33が設けられている。これらの2つの拡散層33は、トランジスタTrのソース/ドレインとして、機能する。2つの拡散層33間のウェル領域(チャネル領域)表面に、ゲート絶縁膜32を介して、ゲート電極31が設けられる。
【0036】
電界効果トランジスタTrが、Pチャネル型であるかNチャネル型であるかは、そのトランジスタTrが設けられるウェル領域12の導電型又はソース/ドレインとなる拡散層33の導電型によって、決まる。
【0037】
尚、図示の簡単化のために、周辺回路領域3内に形成される素子(周辺素子)として、電界効果トランジスタTrのみが図示されているが、周辺回路領域3に、抵抗素子、容量素子、ダイオード又はバイポーラトランジスタなどが、設けられている。
【0038】
半導体基板10上に、複数の絶縁層が積層された層間絶縁膜70が設けられている。層間絶縁膜70は、半導体基板10内に形成された素子PD,Trを、覆っている。層間絶縁膜70内には、複数の金属膜50,55が設けられている。
層間絶縁膜70及び金属膜50,55は、多層配線技術によって形成され、所定の配線レベル(基板表面からの高さ)内にそれぞれ設けられている。
【0039】
層間絶縁膜70は、複数の絶縁層701,702,703,704の積層構造を有している。例えば、層間絶縁膜70は、酸化シリコンを用いて、形成される。金属膜50は、アルミニウム(Al)或いは銅(Cu)を用いて、形成される。
【0040】
画素アレイ2上方の金属膜55は、マイクロレンズ60を透過した光が、マイクロレンズに対応する画素20に入射されるように、隣接する画素間における光の漏れを防止するための遮光膜として用いられる。
【0041】
周辺回路領域3内の金属膜50は、回路を形成するための配線として用いられる。配線としての金属膜50は、プラグVP,CPによって、異なる配線レベル間において接続されている。例えば、基板表面の直上の最下層の配線50は、コンタクトプラグCPを経由して、半導体基板10内の不純物層33に接続される。そして、下層の配線50は、ビアプラグVPを経由して、上層の配線50に接続される。
【0042】
積層構造のベース層71,72は、層間絶縁膜70上に、設けられている。下層のベース層71は、層間絶縁膜70に接する。上層のベース層72は、層間絶縁膜70に接する。下層のベース層71は、例えば、数十nmから0.2μm程度の膜厚を有する。ベース層71,72は、シリコン酸化膜、有機膜、塗布膜、樹脂などの絶縁層によって、形成される。
【0043】
カラーフィルタ層(顔料層)8は、ベース層71,72上に設けられている。
カラーフィルタ層8は、複数のフィルタによって形成され、赤、青及び緑のフィルタを含んでいる。各色のフィルタは、ベイヤー配列を有するように、カラーフィルタ層8内に配列されている。カラーフィルタ層8は、赤、青及び緑のフィルタに加えて、白又は黄のフィルタを含んでいてもよい。カラーフィルタ層8を形成する各フィルタは、光電変換部PDと1対1で対応するように、画素アレイ2上方に設けられている。
【0044】
オーバーコート層(平坦化層ともよばれる)73は、カラーフィルタ層8及びベース層71,72上に設けられている。オーバーコート層73は、例えば、シリコン酸化膜、有機膜、塗布膜、樹脂などのうち少なくとも1つの絶縁層を用いて形成される。以下では、ベース層71,72及びオーバーコート層73のことを、層間絶縁膜に含めて説明する場合もある。
【0045】
マイクロレンズ9は、オーバーコート層73上に設けられている。マイクロレンズアレイ9は、基板10上の複数の絶縁膜70,71,72,73を挟んで、画素アレイ2の上方に配置されている。
【0046】
例えば、再配線形成技術によって、パッド(図示せず)が、層間絶縁膜70が設けられている面側(表面側)に、設けられてもよい。また、半導体基板10を貫通するビア(貫通ビア)によって、層間絶縁膜70が設けられた半導体基板10の面に対して反対側(裏面側)に、パッドが設けられてもよい。貫通ビア(図示せず)は、TSV(Through Substrate Via)技術によって、形成される。
【0047】
本実施形態において、層間絶縁膜70が設けられた半導体基板10の面(第1の面)を、半導体基板10の表面とよび、層間絶縁膜75が設けられた面に対向する半導体基板10の面(第2の面)を、半導体基板10の裏面とよぶ。
本実施形態において、取得される画像に対応する光は、半導体基板10の表面側から照射される。このように、半導体基板10の表面側から照射された光を画素(フォトダイオード)に取り込むイメージセンサは、表面照射型イメージセンサとよばれる。
【0048】
例えば、周辺回路領域3内の最上層の配線と同じ配線レベルにおいて、その配線レベルに対応する画素アレイ2内の遮光膜及び絶縁層は、イメージセンサの集光特性の改善及びフォトダイオードPDに対する光量の増大のために、画素アレイ2上方に設けられていない。例えば、基板表面に対して垂直方向において、周辺回路領域3内に、n層(ここでは、3層)の配線レベル(配線)が設けられている場合、画素アレイ2内に、(n−1)層(ここでは、2層)の配線レベル(遮光膜)が設けられている。
【0049】
画素アレイ2及び周辺回路領域3における配線レベル数(金属膜及び絶縁層の積層数)の違いに起因して、画素アレイ2を覆う層間絶縁膜70の上面と周辺回路領域3を覆う層間絶縁膜70の上面との間に、段差92Aが生じる。このため、画素アレイ2の上方において、層間絶縁膜70の上面に、溝(凹部)92Bが形成される。例えば、層間絶縁膜70内に、溝92Bが形成された場合、層間絶縁膜70の最上層の絶縁層704は、開口部を有する。尚、最上層側から2番目の絶縁層703の上面は、この溝又は開口部92Bによって露出してもよいし、最上層の絶縁層704によって覆われていてもよい。
【0050】
層間絶縁膜70の段差92Aは、画素アレイ2と周辺回路領域3との境界の素子分離領域(素子分離層)の上方に、位置している。
【0051】
ラージレンズ7Aは、層間絶縁膜70内の溝92B内に、設けられている。例えば、ラージレンズ7Aは、層間絶縁膜70の最上層の絶縁層704の開口部内に配置されている。そして、ラージレンズ7Aは、画素アレイの受光面に対して水平方向において、層間絶縁膜70の段差92Aに隣接している。
【0052】
ラージレンズ7Aは、下層のベース層71上に設けられている。下層のベース層71は、層間絶縁膜70の上面、溝92Bの内側面及び底面を覆っている。上層のベース層72は、下層のベース層71及びラージレンズ7Aの上面を、覆っている。例えば、ラージレンズ7Aの上面の一部が、カラーフィルタ層8の底面の一部に接触してもよい。
【0053】
ラージレンズ7Aは、透過性を有する材料を用いて、形成される。ラージレンズ7Aは、例えば、層間絶縁膜70、ベース層71,72及び平坦化層73とは異なる材料から形成される。ラージレンズ7Aの材料は、層間絶縁膜70、ベース層71,72及び平坦化層73の材料と屈折率が異なることが好ましい。ラージレンズ7Aは、無機膜、有機膜、樹脂(合成樹脂)及び塗布膜を含むグループから選択される少なくとも1つの材料を用いて、形成される。
【0054】
ラージレンズ7Aは、ラージレンズ7A上方の各マイクロレンズからの光を集光し、各マイクロレンズに対応する各画素(フォトダイオードPD)に集光した光を照射する。このように、層間絶縁膜70内に設けられたラージレンズ7Aは、マイクロレンズアレイ9の集光をアシストする。
【0055】
上述のように、ラージレンズ7Aは、画素アレイ2の受光面に対して垂直方向(基板表面に対して垂直方向)において、画素アレイ2と上下に重なる位置に設けられている。また、ラージレンズ7Aは、例えば、画素アレイ2の受光面に対して垂直方向から見て画素アレイ2の全体を覆う形状を有している。例えば、ラージレンズ7Aが円形の平面形状を有する場合、画素アレイ2の受光面に対して垂直方向から見て、画素アレイ2がラージレンズ7A内に内接するように、ラージレンズ7Aの大きさ(直径)が設定されている。画素アレイ2とラージレンズ7Aとの平面レイアウトは、ラージレンズ7Aが画素アレイ2に対して外接円の関係を有するレイアウトになっている。ラージレンズ7Aの直径は、基板表面に対して垂直方向における画素アレイ2の最大寸法(例えば、対角線)より大きくともよい。
【0056】
尚、溝(開口部)92Bの平面形状は、ラージレンズ7Aの平面形状と同じ形状(例えば、円形状)でもよいし、異なる形状(例えば、矩形状)でもよい。
【0057】
周辺回路領域3内における層間絶縁膜70の上面と画素アレイ2内における層間絶縁膜70の上面との段差92Aの大きさ、つまり、溝92Bの深さは、例えば、1.5μmから2μm程度である。この場合、ラージレンズ7Aの最も厚い部分の厚さは、例えば、1.0μmから1.5μm程度である。ラージレンズ7Aは、溝92B及び溝の上方に形成される部材8,9,72,73に対してスペーサー層として機能し、層間絶縁膜78の段差92Aを小さくする。
【0058】
イメージセンサの集光特性を改善するために、最上層の配線レベルに位置する金属膜(遮光膜)及び絶縁層が、画素アレイ2の上方から選択的に除去される場合がある。この場合、画素アレイ2を覆う層間絶縁膜70の上面と周辺回路領域3を覆う層間絶縁膜70の上面との間に、段差92Aが生じる。この段差92Aに起因して、層間絶縁膜70上面を覆うベース層の膜厚、カラーフィルタ層の膜厚及びオーバーコート層の膜厚が、不均一になる可能性がある。さらに、層間絶縁膜70の段差92A及びマイクロレンズアレイ9下方の各層71,72,73の厚さむらに起因して、マイクロレンズアレイが含む複数のマイクロレンズの形状がばらつく可能性がある。
【0059】
例えば、カバレッジの悪い材料が、段差92Aを有する層間絶縁膜70の直上のベース層71に用いられた場合、膜厚の不均一性の悪影響は、さらに大きくなる。また、イメージセンサのチップに形成される素子の微細化に伴って、画素アレイ2及び周辺回路領域3間に生じる層間絶縁膜の段差92Aは、セルサイズに対して相対的に大きくなる傾向がある。
【0060】
マイクロレンズアレイ9の下地層70,71,72,73の段差92A及び不均一性に起因して、画素アレイ2と周辺回路領域3との境界近傍において、マイクロレンズの特性が劣化し、画素アレイの外周部に照射される光の光量が、画素アレイの中央部に比較して、低下する。この結果として、イメージセンサにシェーディングが発生し、イメージセンサによって形成される画像のクオリティ(画質)が劣化する。
【0061】
本実施形態のイメージセンサにおいて、画素アレイ2と周辺回路領域3との間の段差92Aに起因した層間絶縁膜70の溝(絶縁層704の開口部)92B内に、レンズ(ラージレンズ又は内部レンズ)7Aが設けられている。
【0062】
本実施形態のイメージセンサにおいて、溝92B内のレンズ7Aは、層間絶縁膜70の段差92Aに対するスペーサー層として機能し、画素アレイ2上方と周辺回路領域3上方とに生じた段差92Aが、レンズ7Aによって小さくされる。それゆえ、マイクロレンズアレイ9の下地となる各層71,72,73の厚さの不均一性を抑制でき、それらの層71,72,73上方に形成されるマイクロレンズの特性ばらつきを低減できる。
【0063】
本実施形態のイメージセンサにおいて、レンズ7Aは、マイクロレンズアレイ9と画素アレイ2との間に設けられている。そのため、層間絶縁膜70内のレンズ7Aによって、マイクロレンズからの光が集光され、かつ、光電変換部(フォトダイオード)に対する入射角が緩和され、光電変換部PDに照射される。
【0064】
本実施形態のイメージセンサのように、画素アレイ2と周辺回路領域3との境界近傍の段差92Aに起因した層間絶縁膜70の溝92B内に、レンズ7Aが設けられることによって、画素アレイ2に対する集光特性を改善でき、光電変換部PDに照射される光量の低減を防止できる。それゆえ、本実施形態のイメージセンサは、イメージセンサのシェーディングを抑制できる。
【0065】
さらに、本実施形態のイメージセンサは、画素アレイ2に対応するように、1つのレンズ7Aが層間絶縁膜70内に設けられている。それゆえ、本実施形態のイメージセンサは、複数のレンズが光電変換部に対応するように層間絶縁膜7A内に設けられる場合に比較して、層間絶縁膜内のレンズの特性ばらつきを考慮する必要はなく、レンズの製造工程が過剰に増大するのを抑制できる。
【0066】
以上のように、第1の実施形態の固体撮像装置によれば、形成される画像の画質の劣化を抑制できる。
【0067】
(b) 製造方法
図3乃至図6を用いて、第1の実施形態の固体撮像装置(イメージセンサ)の製造方法について、説明する。図4乃至図6は、本実施形態のイメージセンサの製造方法の各工程における断面構造を示している。尚、本実施形態のイメージセンサの製造方法において、後述のイメージセンサの各構成要素の形成順序は、プロセスの整合性が確保されていれば、適宜変更されてもよい。
【0068】
図4に示されるように、P型及びN型のウェル領域12及び素子分離層15,19が、半導体基板10、例えば、P型シリコン基板10内に、それぞれ形成される。尚、半導体基板10は、SOI基板でもよい。
【0069】
ウェル領域12及び不純物層の素子分離層は、フォトリソグラフィ技術によって形成されたマスクや、イオン注入における不純物イオンの加速エネルギーの制御によって、半導体基板10内の所定の位置に、形成される。
【0070】
また、絶縁体からなる素子分離層の形成工程において、素子分離溝が、フォトリソグラフィ技術及びRIE(Reactive Ion Etching)法によって、半導体基板10内に形成される。素子分離溝内に、絶縁体が、CVD(Chemical Vapor Deposition)法又は塗布法によって埋め込まれる。これによって、絶縁体の素子分離層15が、半導体基板10内の所定の位置に形成される。
【0071】
このように、半導体基板10内に、隣接する素子を電気的に分離する素子分離領域(絶縁膜又は不純物層)が形成され、画素アレイ2とこれに隣接する周辺回路領域3とが、それぞれ半導体基板10内に区画される。また、画素アレイ2内において、単位セルの形成領域としてのアクティブ領域が、形成された素子分離領域によって定義される。
【0072】
フォトリソグラフィ技術によって、レジストマスク(図示せず)が半導体基板10上に、形成される。レジストマスクは、フォトダイオードの形成領域に対応した開口部が、形成されている。開口部を有するレジストマスクをマスクに用いて、不純物層21が、イオン注入法によって半導体基板10内に、形成される。半導体基板10がP型の半導体基板である場合、例えば、少なくとも1つのN型の不純物層21が、半導体基板10内に形成される。これによって、イメージセンサの各画素に対応するフォトダイオードPDが、画素アレイ2内に、形成される。尚、フォトダイオードの特性を向上させるため、複数のP型及びN型の不純物層が、フォトダイオード形成領域内に、形成されてもよい。
【0073】
トランジスタの形成領域において、半導体基板10上に、ゲート絶縁膜32が、例えば、熱酸化法によって、半導体基板10上に形成される。ゲート絶縁膜32上に、例えば、シリコン層が、CVD法により、堆積される。そして、フォトリソグラフィ技術及びRIE法によって、所定のゲート長及びゲート幅のゲート電極31が、ゲート絶縁膜32を挟んで、半導体基板10の表面(第1の面)上に形成される。例えば、形成されたゲート電極51がマスクとして用いられ、イオン注入法によって、ソース及びドレインとしての不純物層33が、半導体基板10内に形成される。これによって、半導体基板10の表面上に、単位セル20の電界効果トランジスタ(図示せず)及び周辺回路の電界効果トランジスタTrが、画素アレイ2内及び周辺回路領域3内にそれぞれ形成される。
【0074】
フローティングディフュージョンとしての不純物層(図示せず)が、フォトリソグラフィ技術及びイオン注入法によって、画素アレイ2のアクティブ領域内の所定の位置において、半導体基板10内に形成される。フローティングディフュージョンは、フォトダイオードが含む不純物層と共通の工程で形成されてもよいし、ソース/ドレインとしての不純物層と共通の工程で形成されてもよいし、これらとは別の工程で形成されてもよい。
【0075】
尚、単位セル20の電界効果トランジスタ及び周辺回路の電界効果トランジスタTrは、同時の工程で形成されてもよいし、それぞれ別の工程で形成されてもよい。
【0076】
素子が形成された半導体基板10の表面上に、多層配線技術により、層間絶縁膜70としての複数の絶縁層701,702,703,704、金属膜50,55及びプラグCP,VPが、配線レベル毎に順次形成される。
【0077】
例えば、層間絶縁膜70の最下層の絶縁層701は、トランジスタTrのゲート電極31及びフォトダイオードPDの上面を覆うように、CVD(Chemical Vapor Deposition)法によって、半導体基板10の表面上に堆積される。そして、堆積された絶縁層701の上面が、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用いて平坦化される。ゲート電極31の上部や不純物層(ソース/ドレイン又はコンタクト領域)の上部を露出させるように、コンタクトホールが、絶縁層701内に、フォトリソグラフィ技術及びRIE法を用いて、形成される。コンタクトプラグCPは、形成されたコンタクトホール内に埋め込まれる。
【0078】
アルミニウムや銅などの金属膜が、例えば、スパッタ法によって、絶縁層701上及びコンタクトプラグCP上に堆積される。堆積された金属膜50,55は、フォトリソグラフィ技術及びRIE法によって、コンタクトプラグCPに接続されるように、所定の形状に加工される。加工された金属膜(配線又は遮光膜)を覆うように、2番目の層間絶縁膜702が、最下層の層間絶縁膜701上に堆積される。これと実質的に同様の工程によって、各配線レベルにおいて、絶縁層、ビアプラグVP及び複数の金属膜50,55が、下層(基板表面側)の配線レベルから順次形成される。
【0079】
このように、所定の配線レベルの数に達するように、複数の絶縁層701,702,703,704を含む層間絶縁膜70内において、遮光膜としての金属膜55が画素アレイ2内に形成され、配線としての金属膜50が周辺回路領域3内に形成される。
【0080】
層間絶縁膜70上に、レジストが塗布される。レジストは、画素アレイ2の上方に開口部が形成されるように、フォトリソグラフィ技術及びRIE法によって、パターニングされる。所定のパターンのレジストマスク80が、層間絶縁膜70上に形成される。パターニングされたレジストマスク80をマスクに用いて、最上層の配線レベルに位置する金属膜及び絶縁層が、画素アレイ2上方から除去される。例えば、周辺回路領域3内において、3つの配線レベルの多層配線が形成された場合、金属膜の除去によって、画素アレイ2内において、2つの配線レベルの多層配線(遮光膜)が形成される。
【0081】
この結果として、画素アレイ2と周辺回路領域3の境界近傍において、層間絶縁膜70の上面に、段差92Aが形成される。画素アレイ2の上方において、層間絶縁膜70内に溝(凹部)92Bが形成される。例えば、画素アレイ2の上方の領域において、最上層の絶縁層704内に、開口部が形成され、最上層の1つ下層の絶縁層703の上面の一部が、エッチングされる。段差92Aの大きさ(溝の深さ)は、例えば、1.5μmから2.0μm程度である。後の工程において、画素アレイ2の上方全体を覆うレンズが溝92B内に形成されるように、画素アレイ2より大きい面積を有する溝92Bが形成されることが好ましい。溝(絶縁層704の開口部)92Bの平面形状は、矩形状(四角形状)でもよいし、円形状(又は楕円形状)でもよい。尚、最上層側から2番目の絶縁層703の上面は、この溝又は開口部92Bによって露出してもよいし、最上層の絶縁層704によって覆われていてもよい。
【0082】
レジストマスク80が除去された後、再配線形成技術によって、再配線層が、配線としての金属膜55に接続されるように、層間絶縁膜70上に、形成されてもよい。再配線層は、例えば、パッドとして用いられる。
【0083】
図5に示されるように、層間絶縁膜70上のレジストマスクが除去された後、第1のベース層71が、溝92B内が充填されないように、層間絶縁膜70上に堆積される。ベース層71は、塗布法又はCVD法によって、形成される。ベース層71は、数十nmから0.2μm程度の膜厚を有するように形成される。尚、ベース層71は、カバレッジ性の良い材料が用いられることが好ましい。
【0084】
そして、レンズを形成するための層(第1のレンズ形成層)7Aが、ベース層71上に堆積される。レンズ形成層7Aの材料は、各層7A、70,71の屈折率が互いに異なるように、ベース層71及び層間絶縁膜70と異なる材料を用いて、形成される。
【0085】
レンズ形成層7Aは、受光面側が半球状(レンズ状)になるように、例えば、RIE法によって加工される。これによって、層間絶縁膜70の溝92B内に、ラージレンズ7Aが形成される。ラージレンズ7Aは、層間絶縁膜70に生じた段差92Aに、隣接している。
【0086】
ラージレンズ7Aの高さ(レンズの膜厚が最も厚い部分の寸法)は、例えば、1.0μmから1.5μm程度である。
【0087】
図6に示されるように、第2のベース層72が、例えば、CVD法又は塗布法によって、第1のベース層71上及びラージレンズ7A上に、形成される。第2のベース層72には、ラージレンズ7Aの材料と異なる材料(例えば、屈折率の異なる材料)が用いられる。
【0088】
上述の工程において画素アレイ2の上方の金属膜が除去されることよって、画素アレイ2と周辺回路領域3との境界部において層間絶縁膜70の上面に段差92Aが生じる。
本実施形態において、段差92Aに起因した層間絶縁膜71内の窪み(溝)92B内に、ラージレンズ7Aが設けられている。ラージレンズ7Aは、段差92Aに対するスペーサー層となるため、段差92Aの大きさが緩和される。その結果として、画素アレイ2上方と周辺回路領域3上方との間の段差が小さくなり、段差92Aに起因した第2のベース層72の不均一性(厚さのむら)は、抑制される。
【0089】
赤、青及び緑のフィルタを含むカラーフィルタ層(顔料層)8が、画素アレイ2及びラージレンズ7Aと上下に重なる位置において、第2のベース層72上に形成される。カラーフィルタ層8は、1色のフィルタが1つの画素(フォトダイオード)に対応するように、形成されている。
【0090】
尚、カラーフィルタ層8が、ベース層72の厚さに応じて、レンズ7Aの上部に接触する場合がある。
【0091】
上述のように、ラージレンズ7Aによって下層の層間絶縁膜70に生じた段差92Aが緩和され、ベース層72の厚さの不均一性が抑制される。そのため、本実施形態において、ラージレンズ層7Aが溝92B内に設けられない場合に比較して、下地層70,71,72に起因したカラーフィルタ層8の不均一性(厚さのむら)、又は、画素アレイ2及び周辺回路領域3の境界近傍におけるカラーフィルタフィルタ層8の歪み(フィルタの傾き)は、抑制される。
【0092】
図3に示されるように、オーバーコート層(平坦化層)73が、例えば、塗布法によって、第2のベース層72及びカラーフィルタ層8上に形成される。オーバーコート層73には、ラージレンズ7Aの材料と異なる材料(例えば、屈折率の異なる材料)が用いられることが好ましい。尚、オーバーコート層73は、塗布法で形成される樹脂層でもよいし、CVD法によって形成される層でもよい。
【0093】
オーバーコート層73上に、レンズ形成層(第2のレンズ形成層)が、マイクロレンズアレイ9を形成するために、堆積される。そのレンズ形成層から複数のマイクロレンズが形成されるように、例えば、エッチング(RIE法)によって、レンズ層が加工される。これによって、複数のマイクロレンズを含むマイクロレンズアレイ9が、画素アレイ2及びラージレンズ7A上方に形成される。マイクロレンズは、フォトダイオード30に1対1で対応するように形成される。
【0094】
本実施形態の製造方法において、段差92Aに起因した層間絶縁膜71の溝92B内に、ラージレンズ7Aが設けられることによって、層間絶縁膜71の段差92Aが小さくされ、ベース層72及びカラーフィルタ層8の不均一性が緩和される。オーバーコート層73の不均一性(厚さのむら)は緩和され、オーバーコート層73に生じる段差92Aは下地層8,72の段差92Aよりさらに低減される。この結果として、マイクロレンズアレイ9は、段差及び不均一性が小さいオーバーコート層71上に形成されるため、複数のマイクロレンズの形状のばらつきが、低減される。
【0095】
再配線技術やTSV技術によって、イメージセンサのチップの表面側又は裏面側に、パッドが形成される。
【0096】
以上の製造工程によって、第1の実施形態のイメージセンサが作製される。
【0097】
本実施形態の固体撮像装置(イメージセンサ)の製造方法において、画素アレイ1上方の金属膜及び絶縁層が選択的に除去された後、画素アレイ2と周辺回路領域3との境界部分の段差92Aに隣接するように、層間絶縁膜70の溝(絶縁層の開口部)92B内に、画素アレイ2に対応するレンズ7Aが形成される。
【0098】
溝92B内のレンズ7Aは、層間絶縁膜70に生じた段差92Aに対するスペーサー層として、機能する。層間絶縁膜70内のレンズによって、画素アレイ2と周辺回路領域3との境界部の段差92Aを小さくでき、画素アレイ2及び周辺回路領域3の上方に形成される各層71,72,73の不均一性(膜厚のむら)を抑制できる。さらに、層間絶縁膜70の溝92B内にレンズ7Aが形成されることによって、マイクロレンズアレイ9の下地層8,70,71,72,73の不均一性が低減される。それゆえ、その下地層8,70,71,72,73上に形成されるマイクロレンズの形状の不均一性は、抑制される。これによって、下地の段差や不均一性に起因したマイクロレンズの集光特性の劣化が、抑制される。
【0099】
層間絶縁膜70内に設けられたレンズ7Aによって、マイクロレンズからの光が集光され、その集光された光がマイクロレンズに対応したフォトダイオード(画素)21へそれぞれ照射される。層間絶縁膜70内のレンズ(ラージレンズ)7Aと層間絶縁膜70上のレンズ(マイクロレンズ)9とによって、画素アレイ2に照射される光量は増大する。
【0100】
それゆえ、画素アレイ2の外周部(周辺回路領域側)のフォトダイオードに対する光量が、画素アレイ2の中央部のフォトダイオードに対する光量に比較して、低下するのを抑制され、イメージセンサのシェーディングを抑制できる。
【0101】
また、本実施形態のイメージセンサの製造方法は、画素アレイ2に対して1つのレンズ7Aが形成されるため、複数のレンズが光電変換部に対応するように層間絶縁膜7A内に設けられる場合に比較して、層間絶縁膜内のレンズの特性ばらつきを考慮する必要はなく、レンズの製造工程が過剰に増大するのを抑制できる。
【0102】
以上のように、第1の実施形態の固体撮像装置の製造方法によれば、形成される画像の画質の劣化を抑制できる固体撮像装置を提供できる。
【0103】
(2) 第2の実施形態
図7及び図8を用いて、第2の実施形態の固体撮像装置及びその製造方法について、説明する。尚、第1の実施形態の構成と共通の部材に関して、重複する説明は、必要に応じて行う。
【0104】
図7は、本実施形態におけるイメージセンサの断面構造を、示している。
【0105】
図7に示されるように、ラージレンズ7Aが設けられた溝92Bの内部は、第2のベース層(絶縁体)72Aによって埋め込まれてもよい。この場合、画素アレイ2及び周辺回路領域3の上方に、上面が平坦なベース層72Aが形成される。例えば、画素アレイの受光面(半導体基板の表面)に対して垂直方向において、溝92内の第2のベース層72Zの上面(マイクロレンズアレイ側の面)の位置は、周辺回路領域3内の第2のベース層72Zの上面の位置と実質的に同じである。または、溝92内の第2のベース層72Zの上面の位置は、周辺回路領域3内の第1のベース層71の上面の位置と実質的に同じでもよい。さらに、第1のベース層71が層間絶縁膜70上に設けられていない場合、溝92内の第2のベース層72Zの上面の位置は、周辺回路領域3内の層間絶縁膜70の上面の位置と実質的に同じでもよい。
【0106】
カラーフィルタ層8、オーバーコート層73及びマイクロレンズアレイ9は、平坦な面上に、それぞれ形成される。カラーフィルタ層8は、画素アレイ2と周辺回路領域3の境界部の段差92Aに起因したフィルタ層の傾き(歪み)が低減され、平坦な層となる。
【0107】
このように、溝92がラージレンズ7A及びベース層72Zによって充填されることによって、画素アレイ2と周辺回路領域3との境界近傍における層間絶縁膜70の上面の段差92Aは実質的に消失し、画素アレイ2及び周辺回路領域3の上方の領域は、平坦になる。それゆえ、層間絶縁膜上及びラージレンズ7A上の各層8,72A,70の厚さのむらは、抑制され、マイクロレンズの形状のばらつきは、低減される。
【0108】
したがって、本実施形態のイメージセンサは、形成される画像のシェーディングを抑制できる。
【0109】
本実施形態のイメージセンサは、例えば、以下のように形成される。図8は、本実施形態のイメージセンサの製造方法の一工程における断面構造を示している。
【0110】
第1の実施形態と同様の工程によって、ラージレンズ7Aが、層間絶縁膜70の段差92Aに隣接するように、層間絶縁膜70内の溝92B内に、形成される。
【0111】
図8に示されるように、絶縁体72Zが、溝92B内が満たされるように、例えば、塗布法によって溝(開口部)92B内に形成される。絶縁体72Zには、ラージレンズ7Aと異なる材料が用いられる。
【0112】
例えば、図7に示されるように、絶縁体72Zの上面が、例えば、CMP法によって、平坦化される。これによって、画素アレイ2及び周辺回路領域3の上方を覆う絶縁膜72Zの上面が、平坦になる。尚、塗布法によって、絶縁体72Zがベース層71上及びラージレンズ7A上に形成される場合、流動性の高い塗布溶液によって実質的に平坦な面が形成されるため、絶縁体72Zに対する平坦化処理は、省略されてもよい。
【0113】
このように、画素アレイ2上方の溝92B内にレンズ7Aが設けられ、さらに、溝92Bの内部が、絶縁体(第2のベース層)で充填される。これによって、画素アレイ2及び周辺回路領域3の上方に平坦な面が形成され、画素アレイ2と周辺回路領域3と境界部において層間絶縁膜70に生じた段差が解消される。
【0114】
それゆえ、画素アレイ2及び周辺回路領域3の上方のほぼ平坦な面上に、カラーフィルタ層8及びマイクロレンズアレイ9が形成される。この結果として、カラーフィルタ層8及びオーバーコート層73の膜厚のむら、カラーフィルタ層8の傾き、マイクロレンズの形状のばらつきを、抑制できる。
【0115】
したがって、第2の実施形態のイメージセンサは、第1の実施形態のイメージセンサと同様に、イメージセンサに生じるシェーディングを抑制できる。
【0116】
以上のように、第2の実施形態の固体撮像装置及びその製造方法によれば、形成される画像の画質の劣化を抑制できる固体撮像装置を提供できる。
【0117】
(3) 第3の実施形態
図9乃至図12を参照して、第3の実施形態の固体撮像装置及びその製造方法について説明する。尚、第1及び第2の実施形態の構成要素と共通の部材に関して、重複する説明は、必要に応じて行う。
【0118】
(a) 構造
図9を用いて、第3の実施形態の固体撮像装置(イメージセンサ)の構造について、説明する。
【0119】
第1及び第2の実施形態において、表面照射型イメージセンサについて述べた。但し、実施形態に係るイメージセンサは、裏面照射型イメージセンサでもよい。
図9は、本実施形態における裏面照射型イメージセンサの断面構造を、示している。
【0120】
裏面照射型イメージセンサは、基板の裏面側が、被写体からの光の照射面となっている。裏面照射型イメージセンサは、素子(例えば、トランジスタのゲート電極)を覆う層間絶縁膜70が設けられた面(表面、第1の面)とは反対の面(裏面、第2の面)側に、カラーフィルタ層8及びマイクロレンズ9が設けられている。裏面照射型イメージセンサにおいて、支持基板19が、接着層(図示せず)によって、基板表面側の層間絶縁膜71上に貼り付けられている。
【0121】
本実施形態のイメージセンサにおいて、裏面照射型イメージセンサの照射面側、すなわち、半導体基板10の裏面側に、ラージレンズ7Aが設けられている。
【0122】
裏面照射型イメージセンサにおいて、金属膜の遮光膜59が、半導体基板10の裏面上の保護膜(絶縁膜)75を介して、基板10の裏面側に、設けられている。遮光膜59は、第1及び第2のベース層76,77に覆われている。
【0123】
遮光膜59は、画素アレイ2の無効領域(第2の領域)2Xに、光が照射されないように、無効領域2X内の単位セル(無効セル)20X及び電界効果トランジスタTrの下方(照射面側)を覆っている。例えば、無効領域2Xとしての黒基準領域は、基準電位としての暗電圧(暗電流)を、生成及び出力するために設けられている。例えば、無効セル(黒基準セル)20XのフォトダイオードPDから出力される電圧に基づいて、リセット電圧が生成される。
【0124】
遮光膜59は、光の照射面に対して垂直方向において画素アレイ2の撮像領域(第1の領域)2Aと上下に重なる位置に、開口部92Bを有する。半導体基板10の裏面側において、撮像領域2Aの受光面が露出し、被写体からの光が撮像領域2Aに照射される。
【0125】
本実施形態の裏面照射型イメージセンサにおいて、遮光膜59の有無に応じた段差92Aが、撮像領域2Aと無効領域2Xとの境界部において生じる。
【0126】
ラージレンズ7Aは、半導体基板10の裏面側において、画素アレイ2と裏面側のマイクロレンズアレイ9との間に設けられている。
【0127】
ラージレンズ7Aは、段差92Aに起因した溝(遮光膜59の開口部)92B内に、設けられる。溝92Bは、遮光膜59の側面と半導体基板10の裏面とによって形成される。ラージレンズ7Aは、段差92A(遮光膜59の側面)に隣接するように、半導体基板10の裏面側に設けられている。ラージレンズ7Aは、画素の照射面に対して垂直方向において、撮像領域2Aと上下に重なる位置に配置されている。ラージレンズ7Aは、撮像領域2Aの照射面側の全体を覆うように形成されている。例えば、画素アレイの受光面に対して垂直方向から見て、画素アレイ2の撮像領域2Aは、ラージレンズ7Aに内接する。ラージレンズ7Aと半導体基板10の裏面との間には、絶縁膜75及びベース層76が設けられている。
【0128】
本実施形態の裏面照射型イメージセンサにおいて、ラージレンズ7Aは、遮光膜59の開口部92B内に設けられている。ラージレンズ7Aは、段差92Aに対するスペーサー層として機能する。これによって、画素アレイ2内の撮像領域2Aと無効領域2Xとの境界において遮光膜59の有無に起因した段差92Aが、緩和される。
【0129】
それゆえ、開口部を有する遮光膜59下に形成される第2のベース層77、カラーフィルタ層8及びオーバーコート層78に、段差92Aに起因した不均一性(膜厚のむら)が生じるのを、抑制できる。そして、マイクロレンズアレイ9の下地層8,77,78の不均一性が抑制されるため、マイクロレンズの形状(特性)のばらつきは低減される。
【0130】
本実施形態の裏面照射型イメージセンサにおいて、ラージレンズ7Aによって、半導体基板10の裏面側に設けられたマイクロレンズアレイ9からの光が集光され、撮像領域2A内の各光電変換部PDに集光した光が照射される。
【0131】
したがって、第3の実施形態のような裏面照射型イメージセンサにおいても、上述の表面照射型イメージセンサと同様に、イメージセンサのシェーディングを抑制できる。
【0132】
以上のように、第3の実施形態の固体撮像装置によれば、形成される画像の画質の劣化を抑制できる。
【0133】
(b) 製造方法
図9乃至図12を参照して、第3の実施形態の固体撮像装置の製造方法について、説明する。本実施形態の固体撮像装置の製造方法は、裏面照射型イメージセンサの製造方法に関する。図10乃至図12は、本実施形態のイメージセンサの製造方法の各工程における断面構造を示している。
【0134】
図10に示されるように、第1及び第2の実施形態と同様に、フォトダイオードを含む単位セル20が、半導体基板10の画素アレイ2内に形成され、トランジスタTrなどの周辺回路を形成する素子が、半導体基板10の周辺回路領域3内に形成される。トランジスタTrのゲート電極31は、半導体基板10の表面上に形成される。半導体基板10の表面(第1の面)上に、配線(金属膜)50を含む層間絶縁膜70が、形成される。層間絶縁膜70の上面は、平坦化される。
【0135】
支持基板17が、半導体基板10の表面側において、接着層(図示せず)を介して層間絶縁膜70に貼り付けられる。
【0136】
図11に示されるように、半導体基板10の裏面に、例えば、グライディング(研磨)、CMP法及びウェットエッチングなどが施され、半導体基板10の厚さが、薄くされる。
【0137】
半導体基板10が薄くされた後、半導体基板10の裏面上に、保護膜(絶縁膜)75が形成される。
金属膜59が、例えば、スパッタ法によって、保護膜75上に堆積される。フォトリソグラフィ技術によって、所定のパターンのレジストマスク82が金属膜59上に形成される。レジストマスク82は、画素アレイ2の撮像領域2Aに対応する位置に開口部が形成されている。
【0138】
パターニングされたレジストマスク82をマスクに用いて、半導体基板10の裏面側の金属膜59が、例えば、RIE法によってエッチングされる。これによって、半導体基板の裏面側に、開口部を有する遮光膜59が、形成される。遮光膜59によって、画素アレイ2内に撮像領域2Aと無効領域2Xとが、形成される。基板10の表面に対して垂直方向において遮光膜59の開口部92Bと上下に重なる位置に、撮像領域2Aが形成され、遮光膜59と上下に重なる位置に、無効領域(黒基準領域)が形成される。このように、裏面照射型イメージセンサの画素アレイ2における光の照射面が、露出する。遮光膜59を形成するための金属膜の膜厚は、無効領域に対する遮光性を確保するために、厚いことが好ましい。
【0139】
半導体基板10の裏面側において、遮光膜59に覆われない部分と遮光膜59に覆われた部分との境界部分に、すなわち、画素アレイ2の撮像領域2Aと無効領域2Xとの境界部分に、段差92Aが形成される。この結果として、遮光膜59の開口部に対応する部分92Bが、溝92Bとなる。
【0140】
図12に示されるように、レジストマスクが除去された後、第1のベース層76が、例えば、CVD法又は塗布法によって、半導体基板10の裏面側の遮光膜59及び保護膜75上に形成される。
【0141】
第1のベース層76上に、レンズ形成層が堆積される。レンズ形成層は、エッチングによって半球状に加工され、ラージレンズ7Aが、遮光膜59の開口部92B内に形成される。
【0142】
図9に示されるように、ラージレンズ7Aが形成された後、第1及び第2の実施形態と実質的に同じ工程によって、半導体基板10の裏面側において、第1のベース層76及びラージレンズ7A上に、第2のベース層77、カラーフィルタ層8及びオーバーコート層78が形成される。
【0143】
開口部92Bに設けられたラージレンズ7Aは、スペーサー層として、遮光膜59の有無に起因した段差92Aの大きさを緩和させる。その結果として、ベース層76及びラージレンズ7A上に積層される各層8,77,78の不均一性(膜厚のむら)を、抑制できる。
【0144】
オーバーコート層78上に、マイクロレンズアレイ9が、形成される。半導体基板の裏面側のマイクロレンズアレイ9は、段差92Aが小さく、且つ、不均一性が抑制された下地層8,77,78上に形成される。そのため、マイクロレンズアレイ9内のマイクロレンズの形状のばらつきは、低減される。
【0145】
以上のように、本実施形態の製造方法において、半導体基板の裏面側において遮光膜の有無によって生じた段差92Aは、その段差92Aに隣接するように、レンズ7Aが遮光膜59の開口部(溝)92B内に形成されることによって、緩和される。
【0146】
それゆえ、第3の実施形態の製造方法によれば、第1及び第2の実施形態と同様に、ラージレンズ7Aが溝(開口部)92B内に設けられることによって、段差92Aが生じた後に形成される各層8,77,78に、段差92Aに起因した不均一性(膜厚のむら)が生じるのを抑制できる。そして、下地層としての各層8,77,78上に形成されるマイクロレンズアレイ9において、マイクロレンズの形状のばらつきを低減できる。さらに、裏面照射側イメージセンサにおいて、画素アレイ2の撮像領域2Aとマイクロレンズアレイ9と間に、画素アレイ2に対応したラージレンズ7Aが形成されることによって、そのラージレンズ7Aが、光電変換部に対する光の照射をアシストする。
【0147】
これによって、本実施形態の裏面照射型イメージセンサにおいて、イメージセンサの集光特性が改善される。
【0148】
したがって、本実施形態の製造方法によって、シェーディングを抑制できるイメージセンサを形成できる。
【0149】
以上のように、第3の実施形態の固体撮像装置の製造方法によれば、形成される画像の画質の劣化を抑制できる固体撮像装置を提供できる。
【0150】
(4) 第4の実施形態
図13を参照して、第4の実施形態の固体撮像装置及びその製造方法について、説明する。本実施形態の固体撮像装置は、第3の実施形態と同様に、裏面照射型イメージセンサである。
【0151】
図13は、本実施形態における裏面照射型イメージセンサの断面構造を、示している。
【0152】
本実施形態の裏面照射型イメージセンサにおいて、ラージレンズ7Aが配置される溝92Bの内部、すなわち、撮像領域2Aに対応するように形成された遮光膜59内の開口部92B内が、第2の実施形態と同様に、絶縁体(第2のベース層)77Aによって満たされてもよい。これによって、撮像領域2Aと無効領域2Xとの境界部分の段差92Aが解消される。そして、半導体基板の裏面側(マイクロレンズが設けられた側)において、段差92Aがベース層77Aに生じずに、ベース層77Aは、平坦な面を有する。
【0153】
第2のベース層77Aは、第2の実施形態で述べたのと同様に、塗布法によって形成されてもよいし、CMP法によって平坦化処理されてもよい。
【0154】
本実施形態の裏面照射型イメージセンサにおいて、半導体基板10の裏面側のカラーフィルタ層8、オーバーコート層78及びマイクロレンズアレイ9は、平坦な面を有する下地層(ベース層)77A上に、それぞれ形成される。それゆえ、本実施形態の裏面照射型イメージセンサは、各層8,78の不均一性を抑制でき、マイクロレンズ9の形状のばらつきを低減できる。
【0155】
それゆえ、本実施形態のイメージセンサは、形成される画像のシェーディングを抑制できる。
したがって、第4の実施形態の固体撮像装置及び製造方法によれば、形成される画像の画質の劣化を抑制できる。
【0156】
(5) 応用例
図14を参照して、実施形態の固体撮像装置の応用例について、説明する。尚、上述の各実施形態で述べた構成要素には、共通の符号を付し、それらの構成要素の説明は、必要に応じて行う。
【0157】
第1乃至第4の実施形態で述べた固体撮像装置(イメージセンサ)は、例えば、カメラモジュール100に適用できる。
【0158】
図14は、本実施形態のイメージセンサ1を含むカメラモジュール100を模式的に示す断面図である。
【0159】
カメラモジュール100は、イメージセンサ1のチップを含んでいる。カメラモジュール100は、イメージセンサ1のチップに加え、例えば、信号処理部(図示せず)、演算部(図示せず)、入出力部(図示せず)及び光学レンズユニット200を有する。
【0160】
信号処理部(例えば、DSP:Digital Signal Processor)は、イメージセンサ1から出力された電気信号を処理する。入出力部は、モジュール100内からの信号及び外部からの信号のインタフェースとして機能する。光学レンズユニット200は、入射光をイメージセンサ1に集光し、入射光に対応する画像をイメージセンサ1上に結像させる。演算部(例えば、MPU:Micro - Processing Unit)は、外部からの信号に基づいて、モジュール100全体の動作を制御する。
【0161】
図14に示されるように、本実施形態のイメージセンサ1は、遮光性を有するシールド(外囲器)101,102内に搭載される。
【0162】
イメージセンサ1は、例えば、下部シールド101内部の実装基板(図示せず)上に設けられる。イメージセンサは、電極(例えば、半田ボール又はバンプ)6又はボンディングワイヤ(図示せず)によって、実装基板に形成された配線(図示せず)に接続される。
【0163】
下部シールド101の底部上には、例えば、半田ボール(または半田バンプ)109が設けられる。半田ボール109を介して、カメラモジュール100が、実装基板(図示せず)上の他の回路に接続される。
【0164】
光学レンズユニット200は、シールド101,102内に搭載される。光学レンズユニット200は、イメージセンサ1の受光面に対して垂直方向に位置するように、上部シールド102によって保持されている。光学レンズユニット200は、複数のレンズ201,202を有する。例えば、複数のレンズ201,202は、屈折率がそれぞれ異なる。尚、図14において、2個のレンズ201,202が、光学レンズユニット200内に設けられている例が示されているが、レンズの個数は2個に限定されず、1個でもよいし、3個以上でもよいのは、もちろんである。
【0165】
イメージセンサ1と光学レンズユニット200との間において、例えば、ガラス基板(カバーガラス)105が、シールド102内に設けられている。ガラス基板105は、下部シールド101と上部シールド102とに挟まれることによって、シールド101,102内に保持されている。
【0166】
被写体からの光は、シールドユニット101,102に形成された開口部を介して、光学レンズユニット200に照射され、光学レンズユニット200は照射された光を集光する。イメージセンサ1の照射面に対する被写体からの光の入射角は、光学レンズユニット200内の複数のレンズ201,202の組み合わせによって、変化(調整)される。光学レンズユニット200からの光は、ガラス基板105を介して、イメージセンサ1に照射される。その光は、イメージセンサ1のマイクロレンズアレイ9及び層間絶縁膜内のラージレンズ7Aを介して、画素アレイ(撮像領域)2内の各画素20に照射される。
【0167】
本実施形態のイメージセンサは、マイクロレンズ9と画素アレイ2との間に、画素アレイ2に対応するラージレンズ7Aを含む。ラージレンズ7Aは、チップ内で互いに隣接する2つの領域の境界部の段差92Aに隣接するように設けられることによって、スペーサー層として機能し、層間絶縁膜70及びラージレンズ7A上に設けられる各部材に対して、段差92Aの大きさを緩和する。これによって、段差92Aに起因した各層の不均一性(厚さのむら)が抑制され、マイクロレンズアレイ9の各マイクロレンズの形状及び特性のばらつきを低減する。また、ラージレンズ7Aは、マイクロレンズアレイ9からの光をさらに集光し、画素アレイの各光電変換部(フォトダイオード)20に照射する。このように、ラージレンズ7Aは、イメージセンサの集光特性を改善する。
【0168】
それゆえ、本実施形態のイメージセンサを含むカメラモジュールは、例えば、シェーディングなどの画質の劣化を抑制できる。
【0169】
本実施形態のイメージセンサ1のチップがマイクロレンズ9に加えてラージレンズ7Aを含むことによって、本実施形態のイメージセンサを含むカメラモジュールは、光学レンズユニット200内のレンズ201,202の個数を削減できる。さらに、光学レンズユニット200のレンズの個数を削減できることによって、カメラモジュールを薄型化できる。
【0170】
カメラモジュールの光学レンズユニット200は、カメラモジュールに要求される仕様に応じて、様々な設計の制約を受ける。例えば、モジュールの面積や厚さの仕様が原因で、イメージセンサの受光面に対する光の入射角を、光学レンズユニット200によって30℃以下に設定することは、困難な場合がある。
これに対して、本実施形態のイメージセンサ1及びそれを含むカメラモジュール100は、チップ内のラージレンズ7Aが、チップ外部からの光を集光する。また、ラージレンズ7Aの形状及び材料を調整することによって、光学レンズユニット200のレンズ201,202の光学設計を、補助できる。これによって、本実施形態のイメージセンサ1を含むカメラモジュール100において、レンズに起因した画像のディストーションを抑制できる。
【0171】
以上のように、本実施形態のイメージセンサ及びそのイメージセンサを含むカメラモジュールは、カメラモジュールのレンズの設計上の制約を緩和できる。
【0172】
したがって、本実施形態のイメージセンサを含むカメラモジュールは、画質の向上に加え、カメラモジュールの設計の負荷を軽減できる。
【0173】
(6) 変形例
図15及び図16を参照して、第1乃至第4の実施形態の固体撮像装置の変形例について、説明する。
【0174】
上述の各実施形態において、ラージレンズ7Aの平面形状が、円形状の場合について、述べた。但し、図15及び図16に示されるように、ラージレンズは、円形以外の平面形状を有していてもよい。
【0175】
図15は、本実施形態の変形例におけるイメージセンサのチップの平面図を模式的に示している。図15の(a)に示されるように、ラージレンズ7Bの平面形状は、楕円形状でもよい。また、図15の(b)に示されるように、ラージレンズ7Cの平面形状は、四角形状でもよい。
【0176】
楕円形状又は四角形状のラージレンズ7B,7Cは、図2に示される構造と同様に、画素アレイ2全体を覆うように、画素アレイ2とマイクロレンズアレイ9との間に配置されている。
【0177】
例えば、光の受光面に対して垂直方向から見て、画素アレイ2は楕円形状のラージレンズ7Bに内接している。例えば、楕円形状のラージレンズ7Bにおいて、ラージレンズ7Bの長軸の寸法L3Aは、画素アレイ2の長辺の寸法L2Aより大きく、ラージレンズ7Bの短軸の寸法L3Bは、画素アレイ2の短辺の寸法L2Bより大きい。
【0178】
例えば、四角形状のラージレンズ7Cにおいて、ラージレンズ7Cの長辺の寸法L4Aは、画素アレイ2の長辺の寸法L2A以上で、ラージレンズ7Cの短辺の寸法L4Bは、画素アレイ2の短辺の寸法L2B以上である。尚、ラージレンズ7Cの平面形状は、画素アレイ2の全体を覆う平面レイアウトであれば、四角形の角が丸くなった形状でもよい。
【0179】
図16に示されるように、表面照射型イメージセンサにおいて、撮像領域2Aと無効領域(例えば、黒基準領域)2Xとが画素アレイ2内に設けられる。例えば、無効領域2の遮光性を向上させるために、無効領域2Xにおいて、最上層の配線レベルに位置する金属膜を遮光膜59として、残存させる場合がある。この場合において、撮像領域2Aと無効領域2Xとの境界部分において、層間絶縁膜70の上面に段差92Aが形成され、撮像領域2Aの上方に、溝92Bが設けられる。
【0180】
この場合、図16に示されるように、ラージレンズ7Aが、画素アレイ2内のうち撮像領域2Aにのみ対応するように設けられてもよい。無効領域2X内の上方に、ラージレンズ7Aは設けられていない。例えば、ラージレンズ7Aが円形状の平面形状を有する場合、画素アレイ2の受光面に対して垂直方向(基板表面に対して垂直方向)から見て、撮像領域2Aが円形状のラージレンズ7Aに内接する。ラージレンズ7Aは、1つのレンズ7Aが撮像領域2A内の全ての光電変換部(有効画素)に対応するように、形成されている。
【0181】
図15及び図16に示される変形例において、第1乃至第4の実施形態のイメージセンサ及びそのイメージセンサを含むカメラモジュールと同じ効果が得られる。
【0182】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0183】
2:画素アレイ、2A:撮像領域、2X:無効領域、3:周辺回路領域、20:画素、7A:レンズ、9:マイクロレンズアレイ、100:カメラモジュール、1:イメージセンサ、200:光学レンズユニット、201,202:レンズ、92A:段差、92B:溝,開口部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板内に設けられ、光が照射される複数の第1の光電変換部を含んでいる第1の領域と、
前記半導体基板内に設けられ、前記第1の領域に隣接する第2の領域と、
前記第1の光電変換部の受光面に対して垂直方向において前記第1の領域と重なる位置に配置され、前記第1の光電変換部にそれぞれ対応する複数の第1のレンズと、
前記第1の領域と前記第1のレンズとの間において前記第1の領域と前記第2の領域との境界部の段差に隣接し、前記第1の領域に対応する第2のレンズと、
を具備することを特徴とする固体撮像装置。
【請求項2】
前記半導体基板の第1の面上に設けられ、前記第1の領域と上下に重なる位置に前記溝を有する層間絶縁膜と、
前記第2の領域内に設けられた周辺素子とを、
さらに具備し、
前記第1のレンズは、前記第1の面側の前記層間絶縁膜上に設けられ、
前記第2のレンズは、前記層間絶縁膜内の前記溝内に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記半導体基板の第1の面上に設けられた層間絶縁膜と、
前記第2の領域内に設けられ、光が照射されない第2の光電変換部と、
前記半導体基板の前記第1の面とは反対側の第2の面側に設けられ、前記第1の領域と上下に重なる位置に開口部を有する金属膜とを、
さらに具備し、
前記第1のレンズは前記第2の面側に設けられ、
前記第2のレンズは、前記開口部内に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記第2のレンズは、前記第1の光電変換部の受光面側において前記第1の領域の全体を覆う平面レイアウトを有している、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の固体撮像装置と、
前記固体撮像装置に光を照射するレンズユニットと、
前記固体撮像装置及びレンズユニットを保持する外装器と、
を具備することを特徴とするカメラモジュール。
【請求項1】
半導体基板内に設けられ、光が照射される複数の第1の光電変換部を含んでいる第1の領域と、
前記半導体基板内に設けられ、前記第1の領域に隣接する第2の領域と、
前記第1の光電変換部の受光面に対して垂直方向において前記第1の領域と重なる位置に配置され、前記第1の光電変換部にそれぞれ対応する複数の第1のレンズと、
前記第1の領域と前記第1のレンズとの間において前記第1の領域と前記第2の領域との境界部の段差に隣接し、前記第1の領域に対応する第2のレンズと、
を具備することを特徴とする固体撮像装置。
【請求項2】
前記半導体基板の第1の面上に設けられ、前記第1の領域と上下に重なる位置に前記溝を有する層間絶縁膜と、
前記第2の領域内に設けられた周辺素子とを、
さらに具備し、
前記第1のレンズは、前記第1の面側の前記層間絶縁膜上に設けられ、
前記第2のレンズは、前記層間絶縁膜内の前記溝内に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記半導体基板の第1の面上に設けられた層間絶縁膜と、
前記第2の領域内に設けられ、光が照射されない第2の光電変換部と、
前記半導体基板の前記第1の面とは反対側の第2の面側に設けられ、前記第1の領域と上下に重なる位置に開口部を有する金属膜とを、
さらに具備し、
前記第1のレンズは前記第2の面側に設けられ、
前記第2のレンズは、前記開口部内に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記第2のレンズは、前記第1の光電変換部の受光面側において前記第1の領域の全体を覆う平面レイアウトを有している、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の固体撮像装置と、
前記固体撮像装置に光を照射するレンズユニットと、
前記固体撮像装置及びレンズユニットを保持する外装器と、
を具備することを特徴とするカメラモジュール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−16702(P2013−16702A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−149380(P2011−149380)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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