説明

地図更新装置、移動端末、車両、通信システムおよび地図更新方法

【課題】道路地図情報を容易に更新すること。
【解決手段】地図更新装置110は、記憶部111と、第一受信部112と、更新部113と、を備えている。記憶部111は、道路を示す道路地図情報を記憶する。第一受信部112は、道路の各区間のうちの、第一移動端末120が過去に通過し、かつ第一移動端末120が所定期間以上通過していない無通過区間を示す無通過情報を第一移動端末120から受信する。更新部113は、記憶部111によって記憶された道路地図情報のうちの第一受信部112によって受信された無通過情報が示す無通過区間の部分を、前記無通過区間ではない道路の区間と区別するように更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図更新装置、移動端末、車両、通信システムおよび地図更新方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、道路地図の整備には多大な調査費用がかかっている。一般的には、官報などの情報に基づいて、個別に人が道路を廻って実態を調査している。これに対して、カーナビゲーションシステムなどにおいて道路が登録されていない場所を通過した時には、そこに道路ができたと認識し、管理センタなどへ情報を送信し、自動的に道路地図情報をメンテナンスする方法が知られている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−243391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術では、道路が通行できなくなった場合の道路地図情報の更新が容易でないという問題がある。具体的には、過去に通行可能な道路として道路地図情報に登録された道路がなくなったり閉鎖されたりしても、道路が通行できなくなったことを自動的に道路地図情報へ反映させることができない。
【0005】
開示の地図更新装置、移動端末、車両、通信システムおよび地図更新方法は、上述した問題点を解消するものであり、道路地図情報を容易に更新することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、開示技術は、道路地図情報が示す道路における移動端末の通過履歴を取得し、取得された通過履歴に基づいて、前記道路の各区間のうちの、移動端末が過去に通過し、かつ所定期間以上通過していない無通過区間を検出し、道路を示す道路地図情報のうちの検出された無通過区間の部分を、前記無通過区間ではない道路の区間と区別するように更新する。
【発明の効果】
【0007】
開示の地図更新装置、移動端末、車両、通信システムおよび地図更新方法によれば、道路地図情報を容易に更新することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態1にかかる通信システムを示す図である。
【図2】通信システムの適用例を示す図である。
【図3】管理センタのハードウェア構成の一例を示す図である。
【図4】各車載装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図5】道路地図情報の一例を示す図である。
【図6】各車載装置によって管理される走行履歴ファイルの一例を示す図である。
【図7】第一車載装置によって管理される通過履歴ファイルの一例を示す図である。
【図8】第一車載装置による通過履歴ファイルの更新処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】第一車載装置から管理センタへ送信される無通過情報の一例を示す図である。
【図10】第一車載装置による無通過情報の送信処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】管理センタによって管理される無通過情報ファイルの一例を示す図である。
【図12】管理センタによる無通過情報ファイルの更新処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】管理センタから第二車載装置へ送信される監視道路情報の一例を示す図である。
【図14】管理センタによる監視道路情報の送信処理の一例を示すフローチャート(その1)である。
【図15】管理センタによる監視道路情報の送信処理の一例を示すフローチャート(その2)である。
【図16】第二車載装置によって管理される通過履歴ファイルの一例を示す図である。
【図17】第二車載装置によって管理される監視道路ファイルの一例を示す図である。
【図18】第二車載装置による監視道路ファイルの更新処理の一例を示すフローチャートである。
【図19】第二車載装置による監視道路通過情報の送信処理の一例を示すフローチャートである。
【図20】管理センタによる監視道路解除情報の送信処理の一例を示すフローチャート(その1)である。
【図21】管理センタによる監視道路解除情報の送信処理の一例を示すフローチャート(その2)である。
【図22】管理センタによる道路地図情報の更新を示す図である。
【図23】管理センタによる道路地図情報の更新処理の一例を示すフローチャートである。
【図24】実施の形態2にかかる通信システムを示す図である。
【図25】第一車載装置から管理センタへ送信される候補情報の一例を示す図である。
【図26】第一車載装置による候補情報の送信処理の一例を示すフローチャートである。
【図27】管理センタによって管理される新規道路候補ファイルの一例を示す図である。
【図28】管理センタによる新規道路候補ファイルの更新処理の一例を示すフローチャートである。
【図29】管理センタによる道路地図情報の更新処理の一例を示すフローチャートである。
【図30】上下並行した各道路の一例を示す図である。
【図31】第一車載装置によって管理される道路管理ファイルの一例を示す図である。
【図32】第一車載装置による道路管理ファイルの更新処理の一例を示すフローチャートである。
【図33】併設された各道路の一例を示す図である。
【図34】実施の形態3にかかる通信システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、開示技術の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
(実施の形態1)
(通信システム)
図1は、実施の形態1にかかる通信システムを示す図である。図1に示すように、実施の形態1にかかる通信システム100は、地図更新装置110と、第一移動端末120と、第二移動端末130と、を含んでいる。第一移動端末120および第二移動端末130は、たとえば経路案内機能などのために道路地図情報を記憶している。地図更新装置110は、道路地図情報を記憶しており、第一移動端末120および第二移動端末130との間で無線通信を行うことによって道路地図情報の更新処理を行う。
【0011】
第一移動端末120および第二移動端末130のそれぞれは、たとえばカーナビゲーション機能などを有する車載装置に適用することができる。また、第一移動端末120および第二移動端末130のそれぞれは、たとえば歩行経路案内機能などを有する携帯電話などの携帯端末に適用することもできる。
【0012】
<地図更新装置>
地図更新装置110は、記憶部111と、第一受信部112と、更新部113と、を備えている。さらに、地図更新装置110は、送信部114と、第二受信部115と、を備えていてもよい。記憶部111は、道路を示す道路地図情報を記憶する。道路地図情報は、たとえば、分岐点によって区切られる道路の各区間を示す情報を含む。
【0013】
第一受信部112は、第一移動端末120から無通過情報を受信する。無通過情報は、道路の各区間のうちの、第一移動端末120が過去に通過し、かつ第一移動端末120が所定期間(たとえば1年)以上通過していない無通過区間を示す情報である。第一受信部112は、受信した無通過情報を更新部113へ出力する。
【0014】
更新部113は、記憶部111に記憶された道路地図情報のうちの、第一受信部112から出力された無通過情報が示す無通過区間の部分を、無通過区間ではない道路の区間と区別するように更新する。たとえば、更新部113は、道路地図情報における無通過区間の部分を「無通過区間」、「閉鎖区間」などと設定し、他の部分と区別できるようにする。または、更新部113は、道路地図情報における無通過区間の部分を削除してもよい。
【0015】
たとえば、更新部113は、第一受信部112から無通過情報が出力された場合に道路地図情報を更新する。これにより、第一移動端末120が過去に通過し、かつ所定期間以上通過していない無通過区間について道路地図情報を更新することができる。
【0016】
または、更新部113は、複数の第一移動端末120から送信された同一の無通過区間を示す複数の無通過情報が第一受信部112から出力された場合に道路地図情報を更新してもよい。これにより、複数の第一移動端末120が過去に通過し、かつ所定期間以上通過していない無通過区間について道路地図情報を更新することができる。このため、道路地図情報の通行できない区間を精度よく更新することができる。
【0017】
または、更新部113は、第一受信部112から無通過情報が出力された場合に、送信部114を介して監視道路情報を第二移動端末130へ送信してもよい。監視道路情報は、無通過情報が示す区間が監視中であることを示す情報である。これにより、第一移動端末120から送信された無通過情報が示す区間が通行できない区間であるか否かを第二移動端末130によって確認させることができる。
【0018】
そして、更新部113は、送信部114によって監視道路情報が送信されてから所定期間内に第二受信部115によって第二移動端末130からの監視道路通過情報が受信されなかった場合に道路地図情報を更新する。監視道路通過情報は、無通過情報が示す区間を第二移動端末130が通過したことを示す情報である。また、更新部113は、送信部114によって監視道路情報が送信されてから所定期間内に第二受信部115によって監視道路通過情報が受信された場合には道路地図情報を更新しない。
【0019】
これにより、第一移動端末120から送信された無通過情報が示す区間が通行できない区間であるか否かを第二移動端末130によって確認させてから道路地図情報を更新することができる。したがって、第一移動端末120が通過していなくても、第二移動端末130が通過している区間については通行できない区間とみなさないようにすることができる。このため、道路地図情報の通行できない区間を精度よく更新することができる。
【0020】
また、更新部113は、第二受信部115によって第二移動端末130からの監視道路通過情報が受信された場合に、送信部114によって監視道路解除情報を他の第二移動端末130へ送信してもよい。監視道路解除情報は、無通過情報が示す区間の監視が解除されたことを示す情報である。これにより、通行できる区間を第二移動端末130が監視を続けることを回避し、第二移動端末130の処理量を低減することができる。
【0021】
送信部114は、第一受信部112から出力される監視道路情報を第二移動端末130へ送信する。また、送信部114は、監視道路情報を複数の第二移動端末130へ送信してもよい。これにより、無通過情報が示す区間が通行できない区間であるか否かを複数の第二移動端末130によって確認させることができる。このため、道路地図情報の通行できない区間をさらに精度よく更新することができる。
【0022】
また、送信部114は、第一受信部112から出力される監視道路解除情報を第二移動端末130へ送信する。第二受信部115は、第二移動端末130から監視道路通過情報を受信する。第二受信部115は、受信した監視道路通過情報を更新部113へ出力する。第一受信部112、送信部114および第二受信部115は、たとえば一つまたは複数の通信インターフェースによって実現することができる。
【0023】
<第一移動端末>
第一移動端末120は、記憶部121と、取得部122と、検出部123と、送信部124と、を備えている。記憶部121は、道路を示す道路地図情報を記憶する。取得部122は、記憶部121に記憶された道路地図情報が示す道路における自装置の通過履歴を取得する。取得部122は、取得した通過履歴を検出部123へ出力する。
【0024】
検出部123は、取得部122から出力された通過履歴に基づいて、道路の各区間のうちの、自装置が過去に通過し、かつ所定期間以上通過していない無通過区間を検出する。検出部123は、検出した無通過区間を示す無通過情報を送信部124へ出力する。送信部124は、検出部123から出力された無通過情報を地図更新装置110へ送信する。
【0025】
<第二移動端末>
第二移動端末130は、記憶部131と、受信部132と、取得部133と、検出部134と、送信部135と、を備えている。記憶部131は、道路を示す道路地図情報を記憶する。受信部132は、地図更新装置110から監視道路情報を受信し、受信した監視道路情報を検出部134へ出力する。また、受信部132は、地図更新装置110から監視道路解除情報を受信し、受信した監視道路解除情報を検出部134へ出力する。
【0026】
取得部133は、記憶部131に記憶された道路地図情報が示す道路における自装置の通過履歴を取得する。取得部133は、取得した通過履歴を検出部134へ出力する。検出部134は、取得部133から出力された通過履歴に基づいて、受信部132から出力された監視道路情報が示す区間の自装置による通過を検出する。検出部134は、監視道路情報が示す区間の自装置による通過を検出すると、監視道路通過情報を送信部135へ出力する。また、検出部134は、受信部132から監視道路解除情報を受信すると、監視道路解除情報が示す区間の自装置による通過の検出処理を停止する。
【0027】
送信部135は、検出部134から出力された監視道路通過情報を地図更新装置110へ送信する。第一受信部112、送信部114および第二受信部115は、たとえば一つまたは複数の通信インターフェースによって実現することができる。
【0028】
地図更新装置110は、たとえば、記憶部111に記憶された道路地図情報が更新部113によって更新された場合に、更新された道路地図情報の一部または全部を第一移動端末120や第二移動端末130に配信する。これにより、第一移動端末120や第二移動端末130が有する道路地図情報を更新させることができる。
【0029】
図2は、通信システムの適用例を示す図である。図2に示す通信システム200は、図1に示した通信システム100の適用例である。図2に示すように、通信システム200は、管理センタ210と、複数の第一車両220と、複数の第二車両230と、を含んでいる。管理センタ210には、図1に示した地図更新装置110が適用される。
【0030】
第一車両220のそれぞれには第一車載装置221が設けられている。第二車両230のそれぞれには第二車載装置231が設けられている。たとえば、第一車載装置221および第二車載装置231のそれぞれには、図1に示した第一移動端末120および第二移動端末130の両方の機能を適用することができる。ただし、以下においては、第一車載装置221に第一移動端末120を適用し、第二車載装置231に第二移動端末130を適用する場合について説明する。
【0031】
図3は、管理センタのハードウェア構成の一例を示す図である。図3に示すように、管理センタ210は、CPU301と、メインメモリ302と、補助メモリ303と、ユーザインターフェース304と、通信インターフェース305と、を備えている。CPU301、メインメモリ302、補助メモリ303、ユーザインターフェース304および通信インターフェース305は、バス310によって接続されている。
【0032】
CPU301(Central Processing Unit)は、管理センタ210の全体の制御を司る。メインメモリ302は、たとえばRAM(Random Access Memory)である。メインメモリ302は、CPU301のワークエリアとして使用される。補助メモリ303は、たとえば、ハードディスクや光ディスクなどの不揮発メモリである。補助メモリ303には、管理センタ210を動作させる各種のプログラムが記憶されている。補助メモリ303に記憶されたプログラムは、メインメモリ302にロードされてCPU301によって実行される。
【0033】
ユーザインターフェース304は、たとえば、ユーザからの操作入力を受け付ける入力デバイスや、ユーザへ情報を出力する出力デバイスなどを含む。入力デバイスは、たとえばキー(たとえばキーボード)やリモコンなどによって実現することができる。出力デバイスは、たとえばディスプレイやスピーカなどによって実現することができる。また、タッチパネルなどによって入力デバイスおよび出力デバイスを実現してもよい。ユーザインターフェース304は、CPU301によって制御される。
【0034】
通信インターフェース305は、たとえば、無線によって管理センタ210の外部(たとえば第一移動端末120や第二移動端末130)との間で通信を行う通信インターフェースである。通信インターフェース305は、CPU301によって制御される。
【0035】
図1に示した記憶部111は、たとえば補助メモリ303によって実現することができる。図1に示した第一受信部112、送信部114および第二受信部115は、たとえばCPU301および通信インターフェース305によって実現することができる。図1に示した更新部113は、たとえばCPU301によって実現することができる。
【0036】
図4は、各車載装置のハードウェア構成の一例を示す図である。ここでは第一車載装置221のハードウェア構成について説明するが、第二車載装置231のハードウェア構成についても同様である。図4に示すように、第一車載装置221は、CPU401と、メインメモリ402と、補助メモリ403と、ユーザインターフェース404と、通信インターフェース405と、GPSユニット406と、センサ407と、を備えている。CPU401、メインメモリ402、補助メモリ403、ユーザインターフェース404、通信インターフェース405、GPSユニット406およびセンサ407はバス410によって接続されている。
【0037】
CPU401は、第一車載装置221の全体の制御を司る。メインメモリ402は、たとえばRAMである。メインメモリ402は、CPU401のワークエリアとして使用される。補助メモリ403は、たとえば、ハードディスクや光ディスクなどの不揮発メモリである。補助メモリ403には、第一車載装置221を動作させる各種のプログラムが記憶されている。補助メモリ403に記憶されたプログラムは、メインメモリ402にロードされてCPU401によって実行される。
【0038】
ユーザインターフェース404は、図3に示したユーザインターフェース304と同様である。通信インターフェース405は、たとえば、無線によって第一車載装置221の外部(たとえば管理センタ210)との間で通信を行う通信インターフェースや、CAN(Controller Area Network)などによって第一車載装置221との間で通信を行う通信インターフェースなどを含む。通信インターフェース405は、CPU401によって制御される。
【0039】
GPSユニット406は、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)衛星からの電波を受信し、第一車載装置221の現在位置を示す位置情報を取得する。GPSユニット406は、CPU401によって制御される。センサ407は、たとえば、第一車載装置221の各状態を示す情報を取得するセンサを含む。センサ407はCPU401によって制御される。
【0040】
図1に示した記憶部121,131は、たとえば補助メモリ403によって実現することができる。図1に示した取得部122,133は、たとえばCPU401およびGPSユニット406によって実現することができる。図1に示した検出部123,134は、たとえばCPU401によって実現することができる。図1に示した送信部124、受信部132および送信部135は、たとえば通信インターフェース405によって実現することができる。
【0041】
図5は、道路地図情報の一例を示す図である。図5に示す道路地図情報500は、道路を各分岐点によって分割した各区間を示す情報を示している。具体的には、道路地図情報500は、始点Aと、分岐点B,C,D,Eと、終点G,Fと、を含む。また、道路地図情報500は、道路を分岐点B,C,D,Eによって分割した区間ab11,bc11,bc21,bd11,ce11,ef11,…を含む。たとえば区間ab11は、始点Aと分岐点Bとの間の区間である。区間bc11および区間bc21は、分岐点Bと分岐点Cとの間の並行する2つの区間である。
【0042】
また、道路地図情報500は、道路地図情報500をメッシュ状に区切った地図情報501〜503を含む。地図情報501〜503にはそれぞれ地図ID「1」〜「3」が対応付けられている。道路地図情報500は、たとえば、管理センタ210、第一車載装置221、第二車載装置231の各メモリに記憶されている。また、第一車載装置221および第二車載装置231に記憶された道路地図情報500は、管理センタ210による更新処理によって更新されてもよい。
【0043】
たとえば、第一車載装置221および第二車載装置231は、ユーザに対して経路案内を行う経路案内機能を有する。この場合は、第一車載装置221および第二車載装置231は、たとえば、道路地図情報500に基づく地図画像に対してGPSユニット406により取得した現在位置を描画した画像をユーザインターフェース404で表示する。
【0044】
図6は、各車載装置によって管理される走行履歴ファイルの一例を示す図である。ここでは第一車載装置221が管理する走行履歴ファイルについて説明するが、第二車載装置231が管理する走行履歴ファイルについても同様である。第一車載装置221は、たとえば図6に示す走行履歴ファイル600の生成または更新を行う。走行履歴ファイル600は、第一車載装置221の走行履歴を示す情報である。
【0045】
具体的には、走行履歴ファイル600は、各走行履歴情報を含んでいる。走行履歴情報は、「日付」[年.月.日]と、「時間」[時.分.秒]と、「緯度」[度.分.秒]と、「経度」[度.分.秒]と、「速度」[km/s]と、「第一分岐点」と、「第二分岐点」と、「区間」と、「地図ID」と、を含む。「日付」および「時間」は、走行履歴情報が取得された日時を示している。走行履歴情報はたとえば1[秒]間隔で取得される。
【0046】
「緯度」および「経度」は、第一車載装置221の位置を示している。「緯度」および「経度」は、たとえばGPSユニット406によって取得することができる。「速度」は、第一車載装置221の走行速度を示している。「速度」は、たとえば通信インターフェース405を介して第一車両220(第二車両230)から取得することができる。
【0047】
「第一分岐点」は、第一車載装置221が通過中の区間の直前の分岐点を示している。「第二分岐点」は、第一車載装置221が通過中の区間の直後の分岐点を示している。「区間」は、第一車載装置221が通過中の区間を示している。「第一分岐点」、「第二分岐点」および「区間」は、たとえば「緯度」、「経度」および道路地図情報500に基づいて取得することができる。「地図ID」は、地図情報501〜503のうちの第一車載装置221が通過中の地点が含まれる地図情報を示す地図IDである。
【0048】
(第一車載装置による通過履歴ファイルの管理)
図7は、第一車載装置によって管理される通過履歴ファイルの一例を示す図である。第一車載装置221は、図6に示した走行履歴ファイル600のうちの「第一分岐点」、「第二分岐点」および「区間」が同じ走行履歴情報を集約することで図7に示す通過履歴ファイル700を生成または更新する。通過履歴ファイル700は、たとえば第一車載装置221のメモリに記憶される。通過履歴ファイル700は、「第一分岐点」と、「第二分岐点」と、「区間」と、「地図ID」と、「最終通過日」[年.月.日]と、「通過回数」と、「送信済みフラグ」と、を含む各通過履歴情報を含んでいる。
【0049】
「最終通過日」は、通過履歴情報に対応する走行履歴ファイル600の各走行履歴情報のうちの最新の走行履歴情報の「日付」である。「通過回数」は、通過履歴情報に対応する「第一分岐点」、「第二分岐点」および「区間」を第一車載装置221が通過した回数である。具体的には、「通過回数」は、通過履歴情報に対応する走行履歴ファイル600の走行履歴情報の数である。ただし、「通過回数」において、「日付」および「時間」が連続する各走行履歴情報は1回として計数する。
【0050】
「送信済みフラグ」は、通過履歴情報が示す区間について監視道路情報を送信したか否かを示すフラグである。初期状態においては、各通過履歴情報の「送信済みフラグ」は0(送信済みでない)に設定されている。また、監視道路情報を送信した通過履歴情報の「送信済みフラグ」は1(送信済)に設定される。
【0051】
図8は、第一車載装置による通過履歴ファイルの更新処理の一例を示すフローチャートである。第一車載装置221は、図8に示す処理によって通過履歴ファイル700を更新する。第一車載装置221は、第一車両220の走行中に、自身の現在位置をGPSユニット406によって取得しながら以下の各ステップを実行する。
【0052】
まず、第一車載装置221は、自身の現在位置が道路地図情報500における分岐点か否かを判断し(ステップS801)、現在位置が分岐点になるまで待つ(ステップS801:Noのループ)。現在位置が分岐点になると(ステップS801:Yes)、第一車載装置221は、現在位置の分岐点を第一分岐点として取得する(ステップS802)。
【0053】
つぎに、第一車載装置221は、自身の現在位置が、ステップS802によって取得された分岐点と異なる分岐点になったか否かを判断する(ステップS803)。現在位置が分岐点になっていない場合(ステップS803:No)は、第一車載装置221は、現在位置の区間を取得し(ステップS804)、ステップS803へ戻る。
【0054】
ステップS803において、現在位置が分岐点になった場合(ステップS803:Yes)は、第一車載装置221は、現在位置の分岐点を第二分岐点として取得する(ステップS805)。つぎに、第一車載装置221は、ステップS802,S804,S805によって取得された通過履歴情報(各分岐点および区間)に対応する通過履歴情報が通過履歴ファイル700にあるか否かを判断する(ステップS806)。
【0055】
ステップS806において、対応する通過履歴情報がない場合(ステップS806:No)は、第一車載装置221は、取得された通過履歴情報を通過履歴ファイル700に追加し(ステップS807)、ステップS801へ戻る。対応する通過履歴情報がある場合(ステップS806:Yes)は、第一車載装置221は、対応する通過履歴情報を更新し(ステップS808)、ステップS801へ戻る。
【0056】
ステップS808において、たとえば、第一車載装置221は、対応する通過履歴情報の「通過回数」をインクリメント(カウントアップ)するとともに、対応する通過履歴情報の「最終通過日」を現在の日付に設定する。以上の処理により、第一車載装置221は、新たな区間を通過するごとに通過履歴情報(各分岐点および区間)を取得し、取得した通過履歴情報によって通過履歴ファイル700を更新することができる。
【0057】
(第一車載装置による無通過情報の送信)
図9は、第一車載装置から管理センタへ送信される無通過情報の一例を示す図である。第一車載装置221は、過去に通過し、かつ最近の所定期間以上通過していない区間があった場合に、たとえば図9に示す無通過情報900を管理センタ210へ送信する。無通過情報900は、「車両番号」と、「エリア」と、「送信日」[年.月.日]と、「第一分岐点」と、「第二分岐点」と、「区間」と、「地図ID」と、「最終通過日」[年.月.日]と、「通過回数」と、を含んでいる。
【0058】
「車両番号」は、第一車載装置221が設けられている第一車両220の識別情報である。「エリア」は、第一車載装置221が位置するエリアである。たとえば、道路地図情報500には、第一車載装置221の現在位置とエリアとを対応付ける対応情報が含まれている。この場合は、「エリア」は、たとえば第一車載装置221の現在位置および道路地図情報500に基づいて取得することができる。
【0059】
「送信日」は、無通過情報900を送信する日付である。「第一分岐点」、「第二分岐点」、「区間」、「地図ID」、「最終通過日」および「通過回数」は、通過履歴ファイル700の通過履歴情報に基づく情報である。
【0060】
また、第一車載装置221は、「エリア」が第一車載装置221が通常行動するエリアでない場合は、無通過情報900を管理センタ210へ送信しないようにしてもよい。第一車載装置221が通常行動するエリアは、あらかじめ設定されてもよいし、走行履歴ファイル600などに基づいて自動的に判定されてもよい。
【0061】
図10は、第一車載装置による無通過情報の送信処理の一例を示すフローチャートである。第一車載装置221は、たとえば図10に示す処理によって無通過情報900を管理センタ210へ送信する。まず、第一車載装置221は、現在の日付を取得する(ステップS1001)。つぎに、第一車載装置221は、インデックスiを初期化(i=1)する(ステップS1002)。つぎに、第一車載装置221は、通過履歴ファイル700にi番目の通過履歴情報があるか否かを判断する(ステップS1003)。
【0062】
ステップS1003において、通過履歴ファイル700にi番目の通過履歴情報がない場合(ステップS1003:No)は、第一車載装置221は、ステップS1011へ移行する。通過履歴ファイル700にi番目の通過履歴情報がある場合(ステップS1003:Yes)は、第一車載装置221は、ステップS1001によって取得された日付が通過履歴ファイル700のi番目の通過履歴情報の「最終通過日」+所定日数より後か否かを判断する(ステップS1004)。すなわち、第一車載装置221は、i番目の通過履歴情報の「最終通過日」から所定日数が経過したか否かを判断する。
【0063】
ステップS1004において、日付が通過履歴ファイル700のi番目の通過履歴情報の「最終通過日」+所定日数より後でない場合(ステップS1004:No)は、第一車載装置221は、インデックスiをインクリメントし(ステップS1005)、ステップS1003へ戻る。日付が通過履歴ファイル700のi番目の通過履歴情報の「最終通過日」+所定日数より後である場合(ステップS1004:Yes)は、第一車載装置221は、i番目の通過履歴情報の「通過回数」が所定回数より大きいか否かを判断する(ステップS1006)。
【0064】
ステップS1006において、i番目の通過履歴情報の「通過回数」が所定回数より大きくない場合(ステップS1006:No)は、第一車載装置221は、ステップS1005へ移行する。i番目の通過履歴情報の「通過回数」が所定回数より大きい場合(ステップS1006:Yes)は、第一車載装置221は、i番目の通過履歴情報の「送信済みフラグ」が0であるか否かを判断する(ステップS1007)。すなわち、第一車載装置221は、i番目の通過履歴情報が示す区間に関する無通過情報900を送信済みであるか否かを判断する。
【0065】
ステップS1007において、i番目の通過履歴情報の「送信済みフラグ」が0でない場合(ステップS1007:No)は、第一車載装置221は、ステップS1005へ移行する。i番目の通過履歴情報の「送信済みフラグ」が0である場合(ステップS1007:Yes)は、第一車載装置221は、i番目の通過履歴情報に基づく無通過情報900をセンタ送信ファイルへ格納する(ステップS1008)。センタ送信ファイルは、管理センタ210へ送信するためのファイルであり、たとえば第一車載装置221のメモリに記憶されている。
【0066】
つぎに、第一車載装置221は、i番目の通過履歴情報の「送信済みフラグ」を「1」に設定する(ステップS1009)。つぎに、第一車載装置221は、管理センタ210との間でコネクションを確立する(ステップS1010)。つぎに、第一車載装置221は、センタ送信ファイルを管理センタ210へ送信し(ステップS1011)、一連の処理を終了する。これにより、第一車載装置221は、過去に通過し、かつ最近の所定日数(期間)以上通過していない区間があった場合に、たとえば図9に示す無通過情報900を管理センタ210へ送信することができる。
【0067】
(管理センタによる無通過情報ファイルの管理)
図11は、管理センタによって管理される無通過情報ファイルの一例を示す図である。管理センタ210は、複数の第一車載装置221から送信される複数の無通過情報900を集約することで図11に示す無通過情報ファイル1100を生成または更新する。無通過情報ファイル1100は、たとえば管理センタ210のメモリに記憶される。無通過情報ファイル1100は、各無通過情報を含んでいる。
【0068】
各無通過情報は、「第一分岐点」と、「第二分岐点」と、「区間」と、「地図ID」と、「エリア」と、「受信日」[年.月.日]と、「受信回数」と、「公開日」[年.月.日]と、「車両番号」…「車両番号」と、「監視解除フラグ」と、を含む。「第一分岐点」、「第二分岐点」、「区間」、「地図ID」および「エリア」は、無通過情報900に基づく情報である。「受信日」は、無通過情報900を受信した日付である。「受信日」は無通過情報に複数含まれていてもよい。「受信回数」は、同一の「第一分岐点」、「第二分岐点」および「区間」を含む無通過情報900を受信した回数である。
【0069】
「公開日」は、無通過情報が示す区間に関する監視道路情報を第二車載装置231へ送信した(または送信可能にした)日付である。「車両番号」…「車両番号」は、無通過情報900を受信した第一車両220のそれぞれの識別情報である。「監視解除フラグ」は、監視道路情報を送信した監視道路について、監視を解除したか否かを示すフラグである。具体的には、初期状態においては「監視解除フラグ」は0(非解除)に設定されている。また、監視道路情報を送信し、監視道路通過情報を第二車載装置231から受信した無通過情報の「監視解除フラグ」は1(解除)に設定される。
【0070】
図12は、管理センタによる無通過情報ファイルの更新処理の一例を示すフローチャートである。管理センタ210は、たとえば図12に示す処理によって無通過情報ファイル1100を更新する。まず、管理センタ210は、第一車載装置221からのコネクション確立要求があったか否かを判断し(ステップS1201)、コネクション確立要求があるまで待つ(ステップS1201:Noのループ)。コネクション確立要求があると(ステップS1201:Yes)、管理センタ210は、第一車載装置221との間でコネクションを確立する(ステップS1202)。
【0071】
つぎに、管理センタ210は、第一車載装置221からセンタ送信ファイルに格納されて送信される無通過情報900を受信する(ステップS1203)。つぎに、管理センタ210は、第一車載装置221へ応答信号を送信する(ステップS1204)。つぎに、管理センタ210は、第一車載装置221との間のコネクションを切断する(ステップS1205)。つぎに、管理センタ210は、インデックスiを初期化(i=1)する(ステップS1206)。
【0072】
つぎに、管理センタ210は、ステップS1203によって受信された無通過情報900にi番目の無通過情報があるか否かを判断する(ステップS1207)。無通過情報900にi番目の無通過情報がある場合(ステップS1207:Yes)は、管理センタ210は、i番目の無通過情報に該当する無通過情報が無通過情報ファイル1100にあるか否かを判断する(ステップS1208)。
【0073】
ステップS1208において、該当する無通過情報が無通過情報ファイル1100にない場合(ステップS1208:No)は、管理センタ210は、i番目の無通過情報を無通過情報ファイル1100に追加し(ステップS1209)、ステップS1212へ移行する。該当する無通過情報が無通過情報ファイル1100にある場合(ステップS1208:Yes)は、管理センタ210は、該当する無通過情報をi番目の無通過情報と同一の車載装置から受信したか否かを判断する(ステップS1210)。
【0074】
ステップS1210において、該当する無通過情報をi番目の無通過情報と同一の車載装置から受信した場合(ステップS1210:Yes)は、第一移動端末120は、ステップS1212へ移行する。該当する無通過情報をi番目の無通過情報と異なる車載装置から受信した場合(ステップS1210:No)は、管理センタ210は、該当する無通過情報を更新する(ステップS1211)。具体的には、管理センタ210は、該当する無通過情報の「受信回数」や「車両番号」などを更新する。
【0075】
つぎに、管理センタ210は、インデックスiをインクリメントし(ステップS1212)、ステップS1207へ戻る。ステップS1207において、無通過情報にi番目の無通過情報がない場合(ステップS1207:No)は、管理センタ210は、一連の処理を終了する。これにより、管理センタ210は、第一車載装置221から無通過情報900を受信した場合に、無通過情報ファイル1100を更新することができる。
【0076】
(管理センタによる監視道路情報の送信処理)
図13は、管理センタから第二車載装置へ送信される監視道路情報の一例を示す図である。管理センタ210は、「第一分岐点」、「第二分岐点」および「区間」が同一の複数の無通過情報900を受信した場合に、たとえば図13に示す監視道路情報1300を第二車載装置231へ送信する。監視道路情報1300は、「第一分岐点」と、「第二分岐点」と、「区間」と、「地図ID」と、「エリア」と、「送信日」[年.月.日]と、を含む。「第一分岐点」、「第二分岐点」、「区間」、「地図ID」および「エリア」は、無通過情報ファイル1100に基づく情報である。「送信日」は、監視道路情報1300を送信する日付である。
【0077】
図14は、管理センタによる監視道路情報の送信処理の一例を示すフローチャート(その1)である。管理センタ210は、たとえば図14および図15に示す処理によって監視道路情報1300を送信する。まず、図14に示すように、管理センタ210は、インデックスiを初期化(i=1)する(ステップS1401)。つぎに、管理センタ210は、無通過情報ファイル1100にi番目の無通過情報があるか否かを判断する(ステップS1402)。
【0078】
ステップS1402において、無通過情報ファイル1100にi番目の無通過情報がある場合(ステップS1402:Yes)は、管理センタ210は、i番目の無通過情報の「受信回数」が所定回数より大きいか否かを判断する(ステップS1403)。i番目の無通過情報の「受信回数」が所定回数より大きくない場合(ステップS1403:No)は、管理センタ210は、ステップS1407へ移行する。
【0079】
ステップS1403において、i番目の無通過情報の「受信回数」が所定回数より大きい場合(ステップS1403:Yes)は、管理センタ210は、i番目の無通過情報の「公開日」が未設定であるか否かを判断する(ステップS1404)。すなわち、管理センタ210は、i番目の無通過情報に関する監視道路情報1300を送信済みか否かを判断する。i番目の無通過情報の「公開日」が未設定でない場合(ステップS1404:No)は、管理センタ210は、ステップS1407へ移行する。
【0080】
ステップS1404において、i番目の無通過情報の「公開日」が未設定である場合(ステップS1404:Yes)は、管理センタ210は、i番目の無通過情報を監視道路情報1300として端末送信ファイルに格納する(ステップS1405)。端末送信ファイルは、第二移動端末130へ送信するためのファイルであり、たとえば管理センタ210のメモリに記憶されている。
【0081】
つぎに、管理センタ210は、i番目の無通過情報の「公開日」を現在の日付に設定する(ステップS1406)。つぎに、管理センタ210は、インデックスiをインクリメントし(ステップS1407)、一連の処理を終了する。ステップS1402において、無通過情報ファイル1100にi番目の無通過情報がない場合(ステップS1402:No)は、管理センタ210は、一連の処理を終了する。
【0082】
図15は、管理センタによる監視道路情報の送信処理の一例を示すフローチャート(その2)である。図14に示したステップS1405によって監視道路情報1300が端末送信ファイルに格納されると、管理センタ210は、たとえば図15に示す処理によって監視道路情報1300を送信する。まず、管理センタ210は、第二車載装置231からのコネクション確立要求があったか否かを判断し(ステップS1501)、コネクション確立要求があるまで待つ(ステップS1501:Noのループ)。
【0083】
ステップS1501において、第二車載装置231からのコネクション確立要求があった場合(ステップS1501:Yes)は、管理センタ210は、第二車載装置231との間でコネクションを確立する(ステップS1502)。つぎに、管理センタ210は、ステップS1502によって確立されたコネクションによって第二車載装置231が位置するエリアを取得する(ステップS1503)。
【0084】
つぎに、管理センタ210は、ステップS1503によって取得されたエリアを含む監視道路情報1300を端末送信ファイルから取得する(ステップS1504)。つぎに、管理センタ210は、ステップS1504によって取得された監視道路情報1300を第二車載装置231へ送信する(ステップS1505)。
【0085】
つぎに、管理センタ210は、第二車載装置231との間のコネクションを切断し(ステップS1506)、一連の処理を終了する。図14および図15に示した処理により、管理センタ210は、「第一分岐点」、「第二分岐点」および「区間」が同一の無通過情報900を受信した回数が所定回数を超えた場合に、監視道路情報1300を第二車載装置231へ送信することができる。
【0086】
ここでは管理センタ210が第二車載装置231からのコネクション確立要求を待って監視道路情報1300を送信する場合について説明したが、管理センタ210から第二車載装置231へコネクション確立要求を行って監視道路情報1300を送信してもよい。
【0087】
(第二車載装置による通過履歴ファイルの管理)
図16は、第二車載装置によって管理される通過履歴ファイルの一例を示す図である。第二車載装置231は、図6に示した走行履歴ファイル600のうちの「第一分岐点」、「第二分岐点」および「区間」が同じ走行履歴情報を集約することで、たとえば図16に示す通過履歴ファイル1600を生成または更新する。通過履歴ファイル1600は、たとえば第二車載装置231のメモリに記憶される。
【0088】
通過履歴ファイル1600は、「第一分岐点」と、「第二分岐点」と、「区間」と、「地図ID」と、「最終通過日」[年.月.日]と、「通過回数」と、「監視道路フラグ」と、「送信済みフラグ」と、を含む各通過履歴情報を含んでいる。通過履歴情報の「監視道路フラグ」以外の項目については図7に示した通過履歴ファイル700と同様である。
【0089】
「監視道路フラグ」は、通過履歴情報が示す区間が監視中か否かを示すフラグである。初期状態においては、「監視道路フラグ」は0に設定されている。また、通過履歴情報が示す区間について第二車載装置231が監視道路情報1300を受信すると「監視道路フラグ」は1に設定される。さらに、通過履歴情報が示す区間を第二車載装置231が通過すると、「監視道路フラグ」は再度0に設定される。
【0090】
「送信済みフラグ」は、通過履歴情報について監視道路通過情報を送信済みであるか否かを示すフラグである。初期状態においては、「送信済みフラグ」は0に設定されている。また、通過履歴情報について監視道路通過情報が送信されると「送信済みフラグ」は1に設定される。
【0091】
(第二車載装置による監視道路ファイルの管理)
図17は、第二車載装置によって管理される監視道路ファイルの一例を示す図である。第二車載装置231は、管理センタ210から受信した監視道路情報1300に基づいて、たとえば図17に示す監視道路ファイル1700を生成または更新する。監視道路ファイル1700は、各監視道路情報を含んでいる。
【0092】
各監視道路情報は、「第一分岐点」と、「第二分岐点」と、「区間」と、「地図ID」と、「エリア」と、「公開日」[年.月.日]と、「通過回数」と、「最終通過日」[年.月.日]と、「通過情報送信日」[年.月.日]と、を含む。「第一分岐点」、「第二分岐点」、「区間」、「地図ID」および「エリア」は、監視道路情報1300に基づく情報である。
【0093】
「公開日」は、監視道路情報1300の「受信日」に対応する情報である。「通過回数」は、「第一分岐点」、「第二分岐点」、「区間」が示す区間を第二車載装置231が通過した回数を示す。「最終通過日」は、「第一分岐点」、「第二分岐点」、「区間」が示す区間を第二車載装置231が最後に通過した日付を示す。「通過情報送信日」は、監視道路情報に関する監視道路通過情報を送信した日付を示す。
【0094】
図18は、第二車載装置による監視道路ファイルの更新処理の一例を示すフローチャートである。第二車載装置231は、たとえば図18に示す処理によって監視道路ファイル1700を更新する。図18に示すステップS1801〜S1805は、図8に示したステップS801〜S805と同様である。ステップS1805のつぎに、第二車載装置231は、ステップS1802,S1804,S1805によって取得された監視道路情報(各分岐点および区間)に対応する監視道路情報が監視道路ファイル1700にあるか否かを判断する(ステップS1806)。
【0095】
ステップS1806において、対応する監視道路情報がない場合(ステップS1806:No)は、第二車載装置231は、取得された監視道路情報を監視道路ファイル1700に追加し(ステップS1807)、ステップS1801へ戻る。対応する監視道路情報がある場合(ステップS1806:Yes)は、第一車載装置221は、対応する監視道路情報を更新し(ステップS1808)、ステップS1801へ戻る。
【0096】
ステップS1808において、たとえば、第二車載装置231は、対応する監視道路情報の「通過回数」をインクリメント(カウントアップ)するとともに、対応する監視道路情報の「最終通過日」を現在の日付に設定する。以上の処理により、第二車載装置231は、新たな区間を通過するごとに監視道路情報(各分岐点および区間)を取得し、取得した監視道路情報によって監視道路ファイル1700を更新することができる。
【0097】
(第二車載装置による監視道路通過情報の送信)
図19は、第二車載装置による監視道路通過情報の送信処理の一例を示すフローチャートである。第二車載装置231は、たとえば図19に示す処理によって監視道路通過情報を送信する。まず、第二車載装置231は、現在の日付を取得する(ステップS1901)。つぎに、第二車載装置231は、インデックスiを初期化(i=1)する(ステップS1902)。つぎに、第二車載装置231は、監視道路ファイル1700にi番目の監視道路情報があるか否かを判断する(ステップS1903)。
【0098】
ステップS1903において、監視道路ファイル1700にi番目の監視道路情報がない場合(ステップS1903:No)は、第二車載装置231は、ステップS1912へ移行する。監視道路ファイル1700にi番目の監視道路情報がある場合(ステップS1903:Yes)は、第二車載装置231は、i番目の監視道路情報の「通過回数」が0であるか否かを判断する(ステップS1904)。
【0099】
ステップS1904において、「通過回数」が0である場合(ステップS1904:Yes)は、第二車載装置231は、インデックスiをインクリメントし(ステップS1905)、ステップS1903へ戻る。「通過回数」が0でない場合(ステップS1904:No)は、第二車載装置231は、i番目の監視道路情報の「通過情報送信日」が未設定であるか否かを判断する(ステップS1906)。
【0100】
ステップS1906において、i番目の監視道路情報の「通過情報送信日」が未設定でない場合(ステップS1906:No)は、第二車載装置231は、ステップS1905へ移行する。i番目の監視道路情報の「通過情報送信日」が未設定である場合(ステップS1906:Yes)は、第二車載装置231は、i番目の監視道路情報に対応する通過履歴ファイル1600の通過履歴情報の「送信済みフラグ」が0であるか否かを判断する(ステップS1907)。
【0101】
ステップS1907において、「送信済みフラグ」が0でない場合(ステップS1907:No)は、第二車載装置231は、ステップS1905へ移行する。「送信済みフラグ」が0である場合(ステップS1907:Yes)は、第二車載装置231は、i番目の監視道路情報に基づく監視道路通過情報をセンタ送信ファイルへ格納する(ステップS1908)。センタ送信ファイルは、管理センタ210へ送信するためのファイルであり、たとえば第二車載装置231のメモリに記憶されている。
【0102】
つぎに、第二車載装置231は、i番目の監視道路情報の「通過情報送信日」を、ステップS1901によって取得された日付に設定する(ステップS1909)。つぎに、第二車載装置231は、i番目の監視道路情報に対応する通過履歴ファイル1600の通過履歴情報の「送信済みフラグ」を「1」に設定する(ステップS1910)。
【0103】
つぎに、第二車載装置231は、管理センタ210との間でコネクションを確立する(ステップS1911)。つぎに、第二車載装置231は、センタ送信ファイルを管理センタ210へ送信し(ステップS1912)、一連の処理を終了する。これにより、第二車載装置231は、監視道路情報が示す区間を通過した場合に、監視道路通過情報を管理センタ210へ送信することができる。
【0104】
(管理センタによる監視道路解除情報の送信)
図20は、管理センタによる監視道路解除情報の送信処理の一例を示すフローチャート(その1)である。管理センタ210は、たとえば図20および図21に示す処理によって監視道路解除情報を送信する。まず、図20に示すように、管理センタ210は、第二車載装置231からのコネクション確立要求があったか否かを判断し(ステップS2001)、コネクション確立要求があるまで待つ(ステップS2001:Noのループ)。
【0105】
ステップS2001において、コネクション確立要求があると(ステップS2001:Yes)、管理センタ210は、第二車載装置231との間でコネクションを確立する(ステップS2002)。つぎに、管理センタ210は、第二車載装置231からセンタ送信ファイルに格納されて送信される監視道路通過情報を受信する(ステップS2003)。つぎに、管理センタ210は、第二車載装置231へ応答信号を送信する(ステップS2004)。つぎに、管理センタ210は、第二車載装置231との間のコネクションを切断する(ステップS2005)。管理センタ210は、インデックスiを初期化(i=1)する(ステップS2006)。
【0106】
つぎに、管理センタ210は、ステップS2003によって受信された監視道路通過情報にi番目の監視道路通過情報があるか否かを判断する(ステップS2007)。監視道路通過情報にi番目の監視道路通過情報がある場合(ステップS2007:Yes)は、管理センタ210は、i番目の監視道路通過情報に該当する無通過情報が無通過情報ファイル1100にあるか否かを判断する(ステップS2008)。
【0107】
ステップS2008において、該当する無通過情報が無通過情報ファイル1100にない場合(ステップS2008:No)は、管理センタ210は、ステップS2011へ移行する。該当する無通過情報が無通過情報ファイル1100にある場合(ステップS2008:Yes)は、管理センタ210は、該当する無通過情報の「監視解除フラグ」を1に設定する(ステップS2009)。
【0108】
つぎに、管理センタ210は、該当する無通過情報に関する監視道路解除情報を端末送信ファイルに格納する(ステップS2010)。つぎに、管理センタ210は、インデックスiをインクリメントし(ステップS2011)、ステップS2007へ戻る。ステップS2007において、監視道路通過情報にi番目の監視道路通過情報がない場合(ステップS2007:No)は、管理センタ210は、一連の処理を終了する。
【0109】
図21は、管理センタによる監視道路解除情報の送信処理の一例を示すフローチャート(その2)である。図20に示したステップS2005によって監視道路解除情報が端末送信ファイルに格納されると、管理センタ210は、たとえば図21に示す処理によって監視道路解除情報を送信する。図21に示すステップS2101〜S2103は、図15に示したステップS1501〜S1503と同様である。
【0110】
ステップS2103のつぎに、管理センタ210は、ステップS2103によって取得されたエリアを含む監視道路解除情報を端末送信ファイルから取得する(ステップS2104)。つぎに、管理センタ210は、ステップS2104によって取得された監視道路解除情報を第二車載装置231へ送信する(ステップS2105)。つぎに、管理センタ210は、第二車載装置231との間のコネクションを切断し(ステップS2106)、一連の処理を終了する。
【0111】
図20および図21に示した処理により、管理センタ210は、第二車載装置231から監視道路通過情報を受信した場合に、該当する無通過情報に関する監視道路解除情報を他の第二車載装置231へ送信することができる。
【0112】
(管理センタによる道路地図情報の更新)
図22は、管理センタによる道路地図情報の更新を示す図である。図22において、図5に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。管理センタ210は、監視道路情報1300を送信してから所定日数が経過しても監視道路通過情報を受信しない場合に、道路地図情報500のうちの、監視道路情報1300が示す区間に対応する部分を更新する。
【0113】
たとえば、管理センタ210は、区間bc21に関する監視道路情報1300を第二車載装置231へ送信してから所定日数が経過しても区間bc21に関する監視道路通過情を受信しなかったとする。この場合は、管理センタ210は、道路地図情報500の区間bc21を無通過道路として設定する。または、管理センタ210は、道路地図情報500の区間bc21を削除してもよい。
【0114】
図23は、管理センタによる道路地図情報の更新処理の一例を示すフローチャートである。管理センタ210は、たとえば図23に示す処理によって道路地図情報500を更新する。まず、管理センタ210は、現在の日付を取得する(ステップS2301)。つぎに、管理センタ210は、インデックスiを初期化(i=1)する(ステップS2302)。つぎに、管理センタ210は、無通過情報ファイル1100にi番目の無通過情報があるか否かを判断する(ステップS2303)。
【0115】
ステップS2303において、無通過情報ファイル1100にi番目の無通過情報がある場合(ステップS2303:Yes)は、管理センタ210は、ステップS2301によって取得された日付が、i番目の無通過情報の「公開日」+所定日数より後か否かを判断する(ステップS2304)。すなわち、管理センタ210は、i番目の通過履歴情報の「公開日」から所定日数が経過したか否かを判断する。
【0116】
ステップS2304において、日付が「公開日」+所定日数より後でない場合(ステップS2304:No)は、管理センタ210は、ステップS2308へ移行する。日付が「公開日」+所定日数より後である場合(ステップS2304:Yes)は、管理センタ210は、i番目の通過履歴情報の「監視解除フラグ」が0であるか否かを判断する(ステップS2305)。i番目の通過履歴情報の「監視解除フラグ」が0でない場合(ステップS2305:No)は、管理センタ210は、ステップS2308へ移行する。
【0117】
ステップS2305において、i番目の通過履歴情報の「監視解除フラグ」が0である場合(ステップS2305:Yes)は、管理センタ210は、地図情報501〜503のうちのi番目の通過履歴情報の「地図ID」に対応する地図情報を道路地図情報500から取得する(ステップS2306)。つぎに、管理センタ210は、ステップS2306によって取得された地図情報のうちのi番目の通過履歴情報の「区間」に該当する部分を無通過道路に設定する(ステップS2307)。
【0118】
つぎに、管理センタ210は、インデックスiをインクリメントし(ステップS2308)、ステップS2303へ戻る。ステップS2303において、無通過情報ファイル1100にi番目の無通過情報がない場合(ステップS2303:No)は、管理センタ210は、一連の処理を終了する。以上の処理により、管理センタ210は、監視道路情報を送信してから所定日数を経過しても監視道路通過情報を受信しなかった場合に、道路地図情報500の対応する部分を更新することができる。
【0119】
このように、実施の形態1にかかる通信システム100によれば、道路の各区間のうちの第一移動端末120が過去に通過し所定期間以上通過していない無通過区間の検出結果を用いて道路地図情報500の更新を行うことができる。これにより、通行できなくなった道路の情報を自動的に道路地図情報500に反映させることができる。このため、道路地図情報の更新を容易にすることができる。
【0120】
また、監視道路情報を第二移動端末130へ送信することで、第一移動端末120の無通過区間が通行できなくなった区間か否かを第二移動端末130に確認させ、通行できなくなった区間であると確認された場合に道路地図情報500を更新することができる。これにより、道路地図情報を精度よく更新することができる。
【0121】
また、実施の形態1にかかる通信システム100によれば、第一移動端末120の無通過区間を第一移動端末120によって検出させ、無通過区間が検出された場合に第一移動端末120から無通過情報を地図更新装置110へ送信させることができる。これにより、第一移動端末120と地図更新装置110との間の通信量を低減しつつ、管理センタ210が無通過情報を取得することができる。
【0122】
また、第一移動端末120の無通過区間の第二移動端末130による通過を第二移動端末130によって検出させ、通過が検出された場合に第二移動端末130から地図更新装置110へ監視道路通過情報を送信させることができる。これにより、第二移動端末130と地図更新装置110との間の通信量を低減しつつ、管理センタ210が監視道路通過情報を取得することができる。
【0123】
(実施の形態2)
(通信システム)
図24は、実施の形態2にかかる通信システムを示す図である。図24において、図1に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図24に示すように、通信システム100は、図1に示した構成に加えて複数の第三移動端末2410を含む。実施の形態2にかかる地図更新装置110の第一受信部112は、道路地図情報が示す道路の各区間に含まれず、かつ第三移動端末2410が通過した新規候補区間を示す候補情報を第三移動端末2410から受信する。第一受信部112は、第三移動端末2410から受信した候補情報を更新部113へ出力する。
【0124】
更新部113は、第一受信部112から出力された候補情報に基づいて記憶部111の道路地図情報に新規候補区間が示す区間を追加する。これにより、道路地図情報が示す道路の各区間に含まれず、かつ第三移動端末2410が通過した新規候補区間を記憶部111の道路地図情報に追加することができる。
【0125】
第三移動端末2410は、記憶部2411と、取得部2412と、検出部2413と、送信部2414と、を備えている。記憶部2411は、道路を示す道路地図情報を記憶する。取得部2412は、記憶部2411に記憶された道路地図情報が示す道路における自装置の通過履歴を取得し、取得した通過履歴を検出部2413へ出力する。
【0126】
検出部2413は、取得部2412から出力された通過履歴に基づいて、記憶部2411に記憶された道路の各区間に含まれない区間であって、第三移動端末2410が通過した新規候補区間を検出する。検出部2413は、検出した新規候補区間を示す候補情報を送信部2414へ出力する。送信部2414は、検出部2413から出力された無通過情報を地図更新装置110へ送信する。
【0127】
第三移動端末2410を第一移動端末120や第二移動端末130と異なる移動端末とする構成について説明したが、このような構成に限らない。たとえば、第三移動端末2410の機能を第一移動端末120や第二移動端末130に付加し、第一移動端末120や第二移動端末130を第三移動端末2410として機能させてもよい。
【0128】
通信システム100の適用例は、図2に示した通信システム200と同様である。以下、図2に示した第一車載装置221に第三移動端末2410を適用する場合について説明する。この場合は、図24に示した記憶部2411は、たとえば補助メモリ403(図4参照)によって実現することができる。取得部2412は、たとえばCPU401およびGPSユニット406によって実現することができる。検出部2413は、たとえばCPU401によって実現することができる。送信部2414は、たとえば通信インターフェース405によって実現することができる。
【0129】
(第一車載装置による候補情報の送信)
図25は、第一車載装置から管理センタへ送信される候補情報の一例を示す図である。第三移動端末2410を適用した第一車載装置221は、新規候補区間を検出した場合に、たとえば図25に示す候補情報2500を管理センタ210へ送信する。候補情報2500は、「第一分岐点」と、「第二分岐点」と、「区間」と、「地図ID」と、「エリア」と、「車両番号」と、を含む各候補情報を含んでいる。「第一分岐点」、「第二分岐点」、「区間」、「地図ID」および「エリア」は、走行履歴ファイル600に基づく情報である。また、候補情報2500は、候補情報2500を送信する日付を示す「送信日」を含んでいてもよい。
【0130】
図26は、第一車載装置による候補情報の送信処理の一例を示すフローチャートである。第一車載装置221は、たとえば図26に示す処理によって候補情報2500を送信する。まず、第一車載装置221は、インデックスiを初期化(i=1)する(ステップS2601)。つぎに、第一車載装置221は、走行履歴ファイル600にi番目の走行履歴情報があるか否かを判断する(ステップS2602)。
【0131】
ステップS2602において、走行履歴ファイル600にi番目の走行履歴情報がある場合(ステップS2602:Yes)は、第一車載装置221は、地図情報501〜503のうちのi番目の走行履歴情報の「地図ID」に対応する地図情報を道路地図情報500から取得する(ステップS2603)。
【0132】
つぎに、第一車載装置221は、ステップS2603によって取得された地図情報に、i番目の走行履歴情報の「区間」に該当する道路があるか否かを判断する(ステップS2604)。i番目の走行履歴情報の「区間」に該当する道路がある場合(ステップS2604:Yes)は、第一車載装置221は、ステップS2606へ移行する。
【0133】
ステップS2604において、i番目の走行履歴情報の「区間」に該当する道路がない場合(ステップS2604:No)は、第一車載装置221は、i番目の走行履歴情報を候補情報2500としてセンタ送信ファイルに格納する(ステップS2605)。つぎに、第一車載装置221は、インデックスiをインクリメントし(ステップS2606)、ステップS2602へ戻る。
【0134】
ステップS2602において、走行履歴ファイル600にi番目の走行履歴情報がない場合(ステップS2602:No)は、第一車載装置221は、管理センタ210との間でコネクションを確立する(ステップS2607)。つぎに、第一車載装置221は、センタ送信ファイルを管理センタ210へ送信し(ステップS2608)、一連の処理を終了する。これにより、第一車載装置221は、道路地図情報500にない走行履歴情報があった場合に、管理センタ210へ候補情報を送信することができる。
【0135】
(管理センタによる新規道路候補ファイルの管理)
図27は、管理センタによって管理される新規道路候補ファイルの一例を示す図である。管理センタ210は、複数の第一車載装置221から受信した複数の候補情報2500のうちの「第一分岐点」、「第二分岐点」および「区間」が同じ候補情報を集約することで、図27に示す新規道路候補ファイル2700を生成または更新する。新規道路候補ファイル2700は、「第一分岐点」と、「第二分岐点」と、「区間」と、「地図ID」と、「エリア」と、「受信日」[年.月.日]と、「受信回数」と、「車両番号」と、「地図反映日」と、を含む各候補情報を含んでいる。
【0136】
「第一分岐点」、「第二分岐点」、「区間」、「地図ID」、「エリア」および「車両番号」は、候補情報2500に基づく情報である。「受信回数」は、同一の「第一分岐点」、「第二分岐点」および「区間」を含む候補情報を受信した回数である。「受信日」は、候補情報を受信した日付である。「受信日」は候補情報に複数含まれていてもよい。「地図反映日」は、候補情報を道路地図情報500に反映させた日付である。
【0137】
図28は、管理センタによる新規道路候補ファイルの更新処理の一例を示すフローチャートである。管理センタ210は、たとえば図28に示す処理によって新規道路候補ファイル2700を更新する。まず、管理センタ210は、第一車載装置221からのコネクション確立要求があったか否かを判断し(ステップS2801)、コネクション確立要求があるまで待つ(ステップS2801:Noのループ)。
【0138】
ステップS2801において、コネクション確立要求があると(ステップS2801:Yes)、管理センタ210は、第一車載装置221との間でコネクションを確立する(ステップS2802)。つぎに、管理センタ210は、第一車載装置221からセンタ送信ファイルに格納されて送信される候補情報2500を受信する(ステップS2803)。つぎに、管理センタ210は、第一車載装置221へ応答信号を送信する(ステップS2804)。つぎに、管理センタ210は、第一車載装置221との間のコネクションを切断する(ステップS2805)。管理センタ210は、インデックスiを初期化(i=1)する(ステップS2806)。
【0139】
つぎに、管理センタ210は、ステップS2803によって受信された候補情報2500にi番目の候補情報があるか否かを判断する(ステップS2807)。候補情報2500にi番目の候補情報がある場合(ステップS2807:Yes)は、管理センタ210は、i番目の候補情報に該当する候補情報が新規道路候補ファイル2700にあるか否かを判断する(ステップS2808)。
【0140】
ステップS2808において、該当する候補情報が新規道路候補ファイル2700にない場合(ステップS2808:No)は、管理センタ210は、i番目の候補情報を新規道路候補ファイル2700に追加し(ステップS2809)、ステップS2811へ移行する。該当する候補情報が新規道路候補ファイル2700にある場合(ステップS2808:Yes)は、管理センタ210は、該当する候補情報を更新する(ステップS2810)。具体的には、管理センタ210は、該当する候補情報の「受信回数」や「車両番号」などを更新する。
【0141】
つぎに、管理センタ210は、インデックスiをインクリメントし(ステップS2811)、ステップS2807へ戻る。ステップS2807において、候補情報にi番目の候補情報がない場合(ステップS2807:No)は、管理センタ210は、一連の処理を終了する。これにより、管理センタ210は、第一車載装置221から候補情報2500を受信した場合に新規道路候補ファイル2700を更新することができる。
【0142】
(管理センタによる道路地図情報の更新)
図29は、管理センタによる道路地図情報の更新処理の一例を示すフローチャートである。管理センタ210は、たとえば図29に示す処理により道路地図情報500を更新する。まず、管理センタ210は、インデックスiを初期化(i=1)する(ステップS2901)。つぎに、管理センタ210は、新規道路候補ファイル2700にi番目の候補情報があるか否かを判断する(ステップS2902)。
【0143】
ステップS2902において、新規道路候補ファイル2700にi番目の候補情報がある場合(ステップS2902:Yes)は、管理センタ210は、i番目の候補情報の「受信回数」が所定回数より大きいか否かを判断する(ステップS2903)。i番目の候補情報の「受信回数」が所定回数より大きくない場合(ステップS2903:No)は、管理センタ210は、ステップS2907へ移行する。
【0144】
ステップS2903において、i番目の候補情報の「受信回数」が所定回数より大きい場合(ステップS2903:Yes)は、管理センタ210は、i番目の候補情報の「地図反映日」が未設定であるか否かを判断する(ステップS2904)。i番目の候補情報の「地図反映日」が未設定でない場合(ステップS2904:No)は、管理センタ210は、ステップS2907へ移行する。
【0145】
ステップS2904において、i番目の候補情報の「地図反映日」が未設定である場合(ステップS2904:Yes)は、管理センタ210は、道路地図情報500の地図情報501〜503のうちのi番目の候補情報の「地図ID」に対応する地図情報を更新する(ステップS2905)。具体的には、管理センタ210は、i番目の候補情報が示す区間を地図情報に追加する。
【0146】
また、管理センタ210は、ステップS2905による更新を示す地図更新情報を端末送信ファイルに格納する(ステップS2906)。地図更新情報は、たとえば道路地図情報500の地図情報501〜503のうちのステップS2905によって更新された地図情報である。つぎに、管理センタ210は、インデックスiをインクリメントし(ステップS2907)、ステップS2902へ戻る。ステップS2902において、新規道路候補ファイル2700にi番目の候補情報がない場合(ステップS2902:No)は、管理センタ210は、一連の処理を終了する。
【0147】
以上の処理により、管理センタ210は、同一の区間を示す候補情報の受信回数が所定回数を超えた場合に、候補情報が示す区間を道路地図情報500に追加して更新することができる。これにより、複数の第一車載装置221によって確認された新規道路を道路地図情報500に追加することができる。このため、たとえばGPSユニット406の誤動作や誤差によってある第一車載装置221が新しい道路と誤判定した場合に、新規道路として道路地図情報500に追加してしまうことを回避することができる。
【0148】
また、第一車両220は、道路地図情報500の更新情報を第一車載装置221や第二車載装置231へ送信することができる。これにより、管理センタ210における道路地図情報500の更新を、第一車載装置221や第二車載装置231の道路地図情報500にも適用することができる。
【0149】
このように、実施の形態2にかかる通信システム100によれば、道路地図情報500が示す道路の各区間に含まれず、かつ第三移動端末2410が通過した新規候補区間の検出結果を用いることで、道路地図情報500に新しい区間を追加することができる。
【0150】
(上下並行した道路の情報の更新)
図30は、上下並行した各道路の一例を示す図である。図30に示す道路3001,3002は、互いに上下並行した道路である。具体的には、道路3002は、道路3001の上を道路3001と並行に通っている。したがって、第一車両220が道路3001を走行する場合と、第一車両220が道路3002を走行する場合と、においてGPSユニット406によって取得される現在位置(「緯度」および「経度」)がほぼ同じになる。このため、道路3001および道路3002は平面上の位置が重なった区間となり、道路3001と道路3002とを別の道路として認識することが困難である。
【0151】
たとえば、道路3001は道路地図情報500に含まれている区間であり、道路3002は道路地図情報500に含まれていない区間であるとする。また、たとえば、道路3001は車専用道路(たとえば有料道路)であり、道路3002は一般道路である。この場合は、道路3001においては第一車両220の停止(速度ゼロ)が少なく、道路3002においては第一車両220の停止が多いと考えられる。
【0152】
このことから、第一車載装置221に適用された検出部2413は、道路の各区間において第一車両220が停止した回数と停止しなかった回数とを計数し、計数結果によって道路3001と重なる新たな区間である道路3002を検出する。送信部2414は、検出部2413によって検出された道路3001と重なる道路3002を示す候補情報を管理センタ210へ送信する。
【0153】
図31は、第一車載装置によって管理される道路管理ファイルの一例を示す図である。第一車載装置221は、図6に示した走行履歴ファイル600のうちの「第一分岐点」、「第二分岐点」および「区間」が同じ走行履歴情報を集約することで、たとえば図31に示す道路管理ファイル3100を生成または更新する。道路管理ファイル3100は、「第一分岐点」と、「第二分岐点」と、「区間」と、「距離」と、「停止ゼロでの通過回数」と、「停止ゼロ以外での通過回数」と、を含む各道路管理情報を含んでいる。
【0154】
「距離」は、走行履歴ファイル600の「時間」および「速度」に基づいて算出することができる。「停止ゼロでの通過回数」は、道路管理情報が示す区間を第一車載装置221が停止せずに通過した回数である。「停止ゼロ以外での通過回数」は、道路管理情報が示す区間を第一車載装置221が少なくとも一回停止して通過した回数である。
【0155】
たとえば、第一車載装置221は、走行履歴ファイル600において、「停止ゼロでの通過回数」および「停止ゼロ以外での通過回数」が所定回数(たとえば一回)以上である道路管理情報を取得する。そして、第一車載装置221は、取得した道路管理情報が示す区間は複数の道路が並行した道路であると判断する。
【0156】
そして、第一車載装置221は、複数の道路が並行した道路であると判断した区間が、道路地図情報500において複数の道路が並行した道路として登録されていない場合は、取得した道路管理情報が示す区間において道路が新設されたと判断する。この場合は、第一車載装置221は、取得した道路管理情報が示す区間を示す候補情報を管理センタ210へ送信する。
【0157】
また、第一車載装置221は、「距離」が所定距離以下である道路管理情報については、「停止ゼロでの通過回数」および「停止ゼロ以外での通過回数」が所定回数以上であっても候補情報を送信しないようにしてもよい。これにより、「距離」が短く、車専用道路か一般道路化の判定が困難な道路管理情報については除外することができる。このため、取得した道路管理情報が示す区間において道路が新設されたか否かについて誤判断することを回避することができる。
【0158】
図32は、第一車載装置による道路管理ファイルの更新処理の一例を示すフローチャートである。第一車載装置221は、たとえば図32に示す処理によって道路管理ファイル3100を更新する。まず、第一車載装置221は、走行履歴ファイル600から、同じ「区間」が連続する各走行履歴情報を取得する(ステップS3201)。すなわち、第一車載装置221は、1つの区間を示す未取得の各走行履歴情報を取得する。
【0159】
つぎに、第一車載装置221は、ステップS3201によって取得された各走行履歴情報において「速度」=0が連続する各走行履歴情報の数を計数する(ステップS3202)。すなわち、第一車載装置221は、ステップS3201によって取得された各走行履歴情報が示す1つの区間において第一車載装置221が何回停止したかを計数する。
【0160】
つぎに、第一車載装置221は、ステップS3202による計数結果が0であるか否かを判断する(ステップS3203)。計数結果が0である場合(ステップS3203:Yes)は、第一車載装置221は、道路管理ファイル3100の対応する道路管理情報の「停止ゼロでの通過回数」をインクリメントし(ステップS3204)、ステップS3206へ移行する。道路管理ファイル3100の対応する道路管理情報は、道路管理ファイル3100の各道路管理情報のうちの、ステップS3201によって取得された各走行履歴情報が示す区間に対応する道路管理情報である。
【0161】
ステップS3203において、計数結果が0でない場合(ステップS3203:No)は、第一車載装置221は、道路管理ファイル3100の対応する道路管理情報の「停止ゼロ以外での通過回数」をインクリメントする(ステップS3205)。つぎに、第一車載装置221は、同じ「区間」が連続する未取得の各走行履歴情報が走行履歴ファイル600にあるか否かを判断する(ステップS3206)。
【0162】
ステップS3206において、同じ「区間」が連続する未取得の各走行履歴情報がある場合(ステップS3206:Yes)は、第一車載装置221は、ステップS3201へ戻る。同じ「区間」が連続する未取得の各走行履歴情報がない場合(ステップS3206:No)は、第一車載装置221は、一連の処理を終了する。
【0163】
これにより、道路管理ファイル3100の道路管理情報について、停止せずに通過した走行履歴と、停止して通過した走行履歴と、がある場合は「停止ゼロでの通過回数」および「停止ゼロ以外での通過回数」の両方がインクリメントされる。これにより、道路管理情報が示す道路に重なる道路が新設された場合に、新設された道路を新規候補区間として検出することができる。
【0164】
(併設された道路の情報の更新)
図33は、併設された各道路の一例を示す図である。図33に示す道路3301,3302は、互いに併設された道路である。したがって、第一車両220が道路3301を走行する場合と、第一車両220が道路3302を走行する場合と、においてGPSユニット406によって取得される現在位置(「緯度」および「経度」)がほぼ同じになる。このため、道路3301と道路3302を別の道路として区別することが困難である。
【0165】
たとえば、道路3301は、旧道路であり道路地図情報500に含まれている区間であるとする。また、道路3302は、新道路であり道路地図情報500に含まれていない区間であるとする。道路3302が新設され、第一車両220が道路3302を走行した場合は、第一車載装置221は、道路3301を走行しているのか、または新設されて道路地図情報500に含まれていない道路を走行しているのかを判定することが困難である。
【0166】
これに対して、第一車載装置221に適用された第三移動端末2410の取得部2412は、道路地図情報500に含まれる道路3301(区間)における自装置の複数の走行軌跡3311,3312を取得する。走行軌跡3311,3312のそれぞれは、たとえばGPSユニット406によって取得された「緯度」および「経度」の集合である。
【0167】
検出部2413は、取得部2412によって取得された走行軌跡3311,3312の差分の変動量に基づいて、道路3301(区間)に併設された新たな道路3302(区間)を新規候補区間として検出する。たとえば、検出部2413は、走行軌跡3311,3312の差分の変動量が閾値を超えた場合に道路3301に併設された新たな道路3302が存在すると判定する。走行軌跡3311,3312の差分の変動量は、たとえば、走行軌跡3311,3312の各差分の最小値と最大値との差分である。
【0168】
GPSユニット406によって取得される現在位置の誤差は、ある程度の期間継続すると考えられる。したがって、走行軌跡3311,3312の差分の変動量が大きい場合は、道路3301と、道路3301に併設された道路(道路3302)と、の間で第一車両220が移動したと判断することができる。このため、道路3301(区間)に併設された新たな道路3302(区間)を新規候補区間として検出することができる。
【0169】
これにより、第一車載装置221は、たとえば道路3301に対して道路3302が新たに併設された場合に、道路3302を新規候補区間として検出し、道路3302を示す候補情報を管理センタ210へ送信することができる。
【0170】
管理センタ210は、道路3301に併設された道路3302の候補を示す候補情報を受信した場合に、道路地図情報500に道路3302の情報を追加する。また、管理センタ210は、同一の道路3302を示す候補情報を複数の第一車載装置221から受信した場合に道路地図情報500に道路3302の情報を追加してもよい。
【0171】
(トンネルなどの情報の更新)
たとえばトンネル内においては、GPSユニット406による現在位置の取得が不可になる。このため、第一車載装置221に適用された第三移動端末2410の取得部2412は、GPSユニット406による位置情報の取得が不可である場合はセンサ407に含まれる角速度センサ(ジャイロセンサ)によって位置情報を推定して取得してもよい。これにより、たとえば第一車両220がトンネル内に入ってGPSユニット406による位置情報の取得が不可になっても通過履歴を取得することができる。
【0172】
ただし、第三移動端末2410が道路地図情報が示す道路の各区間に含まれる区間を通過している場合は、第三移動端末2410は、第一車両220が道路地図情報500の道路に沿って走行しているとみなして通過履歴を取得してもよい。
【0173】
検出部2413は、取得部2412によって角速度センサによって推定された位置情報に基づく通過履歴が取得された場合に、取得された通過履歴が示す区間を新しいトンネルの候補として検出する。送信部2414は、検出部2413によって新しいトンネルの候補として検出された区間を示す候補情報を管理センタ210へ送信する。
【0174】
管理センタ210は、新しいトンネルの候補を示す候補情報を受信した場合に、道路地図情報500に新しいトンネルの情報を追加する。また、管理センタ210は、同一のトンネルの候補を示す候補情報を複数の第一車載装置221から受信した場合に、受信した各候補情報が示す軌跡を重ね合わせた(平均の座標)トンネルの情報を道路地図情報500に追加してもよい。これにより、位置情報の精度が高いトンネルの情報を道路地図情報500に追加することができる。
【0175】
(実施の形態3)
(通信システム)
図34は、実施の形態3にかかる通信システムを示す図である。図34において、図1に示した部分については同一の符号を付して説明を省略する。図33に示すように、実施の形態3にかかる第一移動端末120は、第一移動端末120の通過履歴を地図更新装置110へ送信する。第二移動端末130は、第二移動端末130の通過履歴を地図更新装置110へ送信する。
【0176】
<地図更新装置>
実施の形態3にかかる地図更新装置110は、図1に示した構成に加えて検出部3411,3412を備えている。実施の形態3にかかる地図更新装置110は、図1に示した送信部114を省いた構成にしてもよい。第一受信部112は、第一移動端末120から送信された第一移動端末120の通過履歴を受信する。第一受信部112は、受信した通過履歴を検出部3411へ出力する。
【0177】
検出部3411は、第一受信部112から出力された通過履歴に基づいて、道路の各区間のうちの、第一移動端末120が過去に通過し、かつ第一移動端末120が所定期間以上通過していない無通過区間を検出する。検出部3411は、検出した無通過区間を示す無通過情報を更新部113へ出力する。
【0178】
更新部113は、記憶部111に記憶された道路地図情報のうちの、検出部3411から出力された無通過情報が示す無通過区間の部分を更新する。たとえば、更新部113は、検出部3411から無通過情報が出力された場合に監視道路情報を検出部3412へ出力する。更新部113は、検出部3412へ監視道路情報を出力してから所定期間内に検出部3412から監視道路通過情報が出力されなかった場合に道路地図情報を更新する。また、更新部113は、検出部3412へ監視道路情報を出力してから所定期間内に検出部3412から監視道路通過情報が出力された場合は道路地図情報を更新しない。
【0179】
第二受信部115は、第二移動端末130から送信された第二移動端末130の通過履歴を受信する。第二受信部115は、受信した通過履歴を検出部3412へ出力する。検出部3412は、第二受信部115から出力された第二移動端末130の通過履歴に基づいて、更新部113から出力された監視道路情報が示す区間の第二移動端末130による通過を検出する。検出部3412は、監視道路情報が示す区間の第二移動端末130による通過を検出すると、監視道路通過情報を更新部113へ出力する。
【0180】
<第一移動端末>
実施の形態3にかかる第一移動端末120は、図1に示した検出部123を省いた構成にしてもよい。第一移動端末120の取得部122は、取得した通過履歴を送信部124へ出力する。送信部124は、取得部122から出力された通過履歴を地図更新装置110へ送信する。
【0181】
<第二移動端末>
実施の形態3にかかる第二移動端末130は、図1に示した受信部132および検出部134を省いた構成にしてもよい。第二移動端末130の取得部133は、取得した通過履歴を送信部135へ出力する。送信部135は、取得部133から出力された通過履歴を地図更新装置110へ送信する。
【0182】
このように、第一移動端末120の無通過区間を検出する機能(検出部3411)を地図更新装置110に設けてもよい。この場合においても、道路の各区間のうちの第一移動端末120が過去に通過し所定期間以上通過していない無通過区間の検出結果を用いて道路地図情報500の更新を行うことができる。これにより、通行できなくなった道路の情報を自動的に道路地図情報500に反映させることができる。このため、道路地図情報の更新を容易にすることができる。
【0183】
また、第一移動端末120の無通過区間の第二移動端末130による通過を検出する機能(検出部3412)を地図更新装置110に設けてもよい。この場合においても、第一移動端末120の無通過区間が通行できなくなった区間か否かを確認し、通行できなくなった区間であると確認された場合に道路地図情報500を更新することができる。これにより、道路地図情報を精度よく更新することができる。
【0184】
以上説明したように、地図更新装置、移動端末、車両、通信システムおよび地図更新方法によれば、道路地図情報を容易に更新することができる。このため、たとえば道路の調査要員や調査費用を削減することができる。また、調査が困難な閉鎖されたりなくなった道路を道路地図情報へ自動的に反映させることができる。
【0185】
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0186】
(付記1)道路を示す道路地図情報を記憶する記憶部と、
前記道路の各区間のうちの、移動端末が過去に通過し、かつ前記移動端末が所定期間以上通過していない無通過区間を示す無通過情報を前記移動端末から受信する受信部と、
前記記憶部によって記憶された道路地図情報のうちの前記受信部によって受信された無通過情報が示す無通過区間の部分を、前記無通過区間ではない道路の区間と区別するように更新する更新部と、
を備えることを特徴とする地図更新装置。
【0187】
(付記2)前記更新部は、複数の前記移動端末から送信された同一の無通過区間を示す複数の無通過情報が前記受信部によって受信された場合に前記無通過区間の部分を更新することを特徴とする付記1に記載の地図更新装置。
【0188】
(付記3)前記無通過区間が監視中であることを示す監視道路情報を前記移動端末とは異なる第二移動端末へ送信する送信部と、
前記第二移動端末が前記無通過区間を通過したことを示す監視道路通過情報を前記第二移動端末から受信する第二受信部と、
を備え、
前記更新部は、前記送信部によって前記監視道路情報が送信されてから所定期間内に前記監視道路通過情報が前記第二受信部によって受信されなかった場合に前記無通過区間の部分を更新することを特徴とする付記1または2に記載の地図更新装置。
【0189】
(付記4)前記送信部は、前記監視道路情報を複数の前記第二移動端末へ送信することを特徴とする付記3に記載の地図更新装置。
【0190】
(付記5)前記送信部は、前記監視道路情報を送信してから所定期間内に前記第二受信部によって前記監視道路通過情報が受信された場合に、前記無通過区間の監視が解除されたことを示す監視道路解除情報を前記第二移動端末へ送信することを特徴とする付記3または4に記載の地図更新装置。
【0191】
(付記6)前記受信部は、前記道路地図情報が示す道路の各区間に含まれず、かつ第三移動端末が通過した新規候補区間を示す候補情報を前記第三移動端末から受信し、
前記更新部は、前記受信部によって受信された候補情報に基づいて前記道路地図情報に前記新規候補区間が示す区間を追加することを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の地図更新装置。
【0192】
(付記7)道路地図情報を記憶する記憶部と、
前記道路地図情報が示す道路における自装置の通過履歴を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された通過履歴に基づいて、前記道路の各区間のうちの、自装置が過去に通過し、かつ所定期間以上通過していない無通過区間を検出する検出部と、
前記検出部によって検出された無通過区間を示す無通過情報を送信する送信部と、
を備えることを特徴とする移動端末。
【0193】
(付記8)前記検出部は、前記道路地図情報が示す道路の各区間に含まれず、かつ自装置が通過した新規候補区間を検出し、
前記送信部は、前記検出部によって検出された新規候補区間を示す候補情報を送信することを特徴とする付記7に記載の移動端末。
【0194】
(付記9)前記検出部は、前記道路地図情報に含まれる区間において停止した回数と停止しなかった回数との計数結果に基づいて前記含まれる区間と重なる新たな区間を前記新規候補区間として検出することを特徴とする付記8に記載の移動端末。
【0195】
(付記10)前記取得部は、前記道路地図情報に含まれる区間における自装置の複数の走行軌跡を取得し、
前記検出部は、前記取得部によって取得された複数の走行軌跡の差分の変動量に基づいて前記含まれる区間に併設された新たな区間を前記新規候補区間として検出することを特徴とする付記8に記載の移動端末。
【0196】
(付記11)前記取得部は、GPS(Global Positioning System)によって取得された位置情報に基づいて前記通過履歴を取得するとともに、前記GPSによる位置情報の取得が不可である場合は角速度センサによって推定した位置情報に基づいて前記通過履歴を取得することを特徴とする付記8に記載の移動端末。
【0197】
(付記12)付記7〜11のいずれか一つに記載の移動端末を車載装置として備えることを特徴とする車両。
【0198】
(付記13)道路の各区間のうちの、自装置が過去に通過し、かつ所定期間以上通過していない無通過区間を検出し、検出した無通過区間を示す無通過情報を送信する移動端末と、
道路を示す道路地図情報のうちの、前記移動端末によって送信された無通過情報が示す無通過区間の部分を、前記無通過区間ではない道路の区間と区別するように更新する地図更新装置と、
を含むことを特徴とする通信システム。
【0199】
(付記14)道路地図情報が示す道路における移動端末の通過履歴を取得し、
取得された通過履歴に基づいて、前記道路の各区間のうちの、前記移動端末が過去に通過し、かつ前記移動端末が所定期間以上通過していない無通過区間を検出し、
前記道路地図情報のうちの、検出された無通過区間の部分を、前記無通過区間ではない道路の区間と区別するように更新することを特徴とする地図更新方法。
【0200】
(付記15)道路を示す道路地図情報を記憶する記憶部と、
前記道路における移動端末の通過履歴を示す通過履歴情報を前記移動端末から受信する受信部と、
前記受信部によって受信された通過履歴情報に基づいて、前記道路の各区間のうちの、前記移動端末が過去に通過し、かつ前記移動端末が所定期間以上通過していない無通過区間を検出する検出部と、
前記記憶部によって記憶された道路地図情報のうちの前記検出部によって検出された無通過区間の部分を、前記無通過区間ではない道路の区間と区別するように更新する更新部と、
を備えることを特徴とする地図更新装置。
【符号の説明】
【0201】
100,200 通信システム
220 第一車両
230 第二車両
310,410 バス
500 道路地図情報
501〜503 地図情報
3001,3002,3301,3302 道路
3311,3312 走行軌跡

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路を示す道路地図情報を記憶する記憶部と、
前記道路の各区間のうちの、移動端末が過去に通過し、かつ前記移動端末が所定期間以上通過していない無通過区間を示す無通過情報を前記移動端末から受信する受信部と、
前記記憶部によって記憶された道路地図情報のうちの前記受信部によって受信された無通過情報が示す無通過区間の部分を、前記無通過区間ではない道路の区間と区別するように更新する更新部と、
を備えることを特徴とする地図更新装置。
【請求項2】
前記更新部は、複数の前記移動端末から送信された同一の無通過区間を示す複数の無通過情報が前記受信部によって受信された場合に前記無通過区間の部分を更新することを特徴とする請求項1に記載の地図更新装置。
【請求項3】
前記無通過区間が監視中であることを示す監視道路情報を前記移動端末とは異なる第二移動端末へ送信する送信部と、
前記第二移動端末が前記無通過区間を通過したことを示す監視道路通過情報を前記第二移動端末から受信する第二受信部と、
を備え、
前記更新部は、前記送信部によって前記監視道路情報が送信されてから所定期間内に前記監視道路通過情報が前記第二受信部によって受信されなかった場合に前記無通過区間の部分を更新することを特徴とする請求項1または2に記載の地図更新装置。
【請求項4】
前記送信部は、前記監視道路情報を複数の前記第二移動端末へ送信することを特徴とする請求項3に記載の地図更新装置。
【請求項5】
道路地図情報を記憶する記憶部と、
前記道路地図情報が示す道路における自装置の通過履歴を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された通過履歴に基づいて、前記道路の各区間のうちの、自装置が過去に通過し、かつ所定期間以上通過していない無通過区間を検出する検出部と、
前記検出部によって検出された無通過区間を示す無通過情報を送信する送信部と、
を備えることを特徴とする移動端末。
【請求項6】
請求項5に記載の移動端末を車載装置として備えることを特徴とする車両。
【請求項7】
道路の各区間のうちの、自装置が過去に通過し、かつ所定期間以上通過していない無通過区間を検出し、検出した無通過区間を示す無通過情報を送信する移動端末と、
道路を示す道路地図情報のうちの、前記移動端末によって送信された無通過情報が示す無通過区間の部分を、前記無通過区間ではない道路の区間と区別するように更新する地図更新装置と、
を含むことを特徴とする通信システム。
【請求項8】
道路地図情報が示す道路における移動端末の通過履歴を取得し、
取得された通過履歴に基づいて、前記道路の各区間のうちの、前記移動端末が過去に通過し、かつ前記移動端末が所定期間以上通過していない無通過区間を検出し、
前記道路地図情報のうちの、検出された無通過区間の部分を、前記無通過区間ではない道路の区間と区別するように更新することを特徴とする地図更新方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2012−98524(P2012−98524A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−246257(P2010−246257)
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】