説明

地図表示装置

【課題】車載状態か否かにより自動的に表示する地図画像の表示態様を変更できる地図表示装置を提供すること。
【解決手段】 ロードノイズを集音するためのマイクからの集音信号を増幅してローパスフィルタを通してアナログデジタル変換し、変換されたデジタル信号の周波数成分と音圧レベルとを分析することにより動き検出データを検出し、動き検出データが検出されれば車載状態と判別する状態判別手段と、状態判別手段の判別結果が車載状態と判別されたか否かに応じて、地図の方位表示、起動時の初期表示位置、表示色、表示文字、鳥瞰表示時の視点位置の少なくとも1つの表示形態を異ならせて表示するように制御を行なう表示制御手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば地図画像を表示可能な地図表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から地図画像を表示する地図表示アプリケーションでは、それを使用する場所によって表示する地図画像の表示形態は異なるものとされる。
例えば地図画像を表示する代表的な場所としては、主として自動車などの車内と、一般家庭やオフィスなどの建物の室内が挙げられる。
そして自動車などの車内では、カーナビゲーションシステムとして走行中の自車の現在位置を表示するときに地図画像を表示する。そのため、通常は、自車の進行方向が常に画面の上に向くように表示を行う。
これに対して、一般家庭内等において地図画像を表示するときは、例えば常に北の方角が画面の上を向くようにして表示を行うようにしていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記したような地図表示アプリケーションでは、通常、その使用場所を予め限定したうえで、その使用場所に合わせた表示形態で地図画像を表示するようにしていた。このため、例えば車内での使用を前提にした地図表示アプリケーションは、一般家庭内での使用に適した表示形態で地図画像を表示することができない。また逆に、一般家庭内での使用を前提にした地図表示アプリケーションは、車内での使用に適した表示形態で地図画像を表示することができない。
特に、自動車などの車内での使用と他の場所での使用では、表示する地図画像の表示形態が異なるため、車載状態での使用と、非車載状態での使用に応じて、適正な表示形態で地図画像を表示することができる地図表示装置が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
そこで、本発明は上記したような点を鑑みてなされたものであり、車載状態または非車載状態かに応じて、地図画像の表示態様を変更することができる地図表示装置を提供することを目的とする。
【0005】
本発明は、ロードノイズを集音するためのマイクからの集音信号を増幅してローパスフィルタを通してアナログデジタル変換し、変換されたデジタル信号の周波数成分と音圧レベルとを分析することにより動き検出データを検出し、上記動き検出データが検出されれば車載状態と判別する状態判別手段と、上記状態判別手段の判別結果が車載状態と判別されたか否かに応じて、地図の方位表示、起動時の初期表示位置、表示色、表示文字、鳥瞰表示時の視点位置の少なくとも1つの表示形態を異ならせて表示するように制御を行なう表示制御手段と、を備える。
【0006】
さらに、本発明は、電源電圧に重畳されるノイズをDCカット回路により検出してローパスフィルタを通してアナログデジタル変換し、変換されたデジタル信号について演算器によりオルタネータノイズの有無を検出し、上記オルタネータノイズが検出されれば車載状態と判別する状態判別手段と、上記状態判別手段の判別結果が車載状態と判別されたか否かに応じて、地図の方位表示、起動時の初期表示位置、表示色、表示文字、鳥瞰表示時の視点位置の少なくとも1つの表示形態を異ならせて表示するように制御を行なう表示制御手段と、を備える。
【0007】
さらに、本発明は、車輌のバッテリーにおけるエンジン始動時の電源電圧降下を検出する電圧降下検出回路により上記電源電圧降下の有無を検出し、上記電源電圧降下が検出されれば車載状態と判別する状態判別手段と、上記状態判別手段の判別結果が車載状態と判別されたか否かに応じて、地図の方位表示、起動時の初期表示位置、表示色、表示文字、鳥瞰表示時の視点位置の少なくとも1つの表示形態を異ならせて表示するように制御を行なう表示制御手段と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、本発明によれば状態判別手段により、当該地図表示装置が、車載状態または非車載状態の何れであるかを判別し、その判別結果に応じて、表示制御手段により所要の地図画像が表示されるように表示制御を行うようにしている。これにより、使用環境に応じた最適な地図表示を実現することができる。例えば、地図表示装置の使用場所が自動車などの車内である場合には、車内での使用に適した地図画像を表示することができ、また地図表示装置の使用場所が家庭内であれば、家庭内での使用に合った地図画像を表示することができる。
この結果、本発明の地図表示装置を、自動車などの車内で使用する場合には、画面の視認性の向上を図ることができ、しかも運転者が安全に車の運行に従事できるような表示形態による表示を実現することができるようになる。
また、家庭内の机上で使用する場合には、制限されない表示、または家庭内での環境に適した表示形態で地図画像の表示を実現することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態の地図表示装置について説明する。
なお、本実施の形態の地図表示装置1は、車載用機器として自動車などの移動体の車内で使用するときは、カーナビゲーションシステムにおける地図表示装置として機能するものとされる。また、車載用機器として使用しない場合は単体で地図画像を表示することができる地図表示装置として動作するものとされる。
【0010】
図1は、本実施の形態としての地図表示装置の概略構造の一例を示した図である。
この図1に示す地図表示装置1では、その前面側に表示部2と、各種入力操作用の操作部3などが設けられている。また、図示していないが、地図表示装置1の前面には、赤外線などを利用したリモートコマンダ(リモコン)からのコマンド信号を受光する受光部なども設けられている。
【0011】
なお、操作手段としては、上記以外にも例えば電波送信によるリモートコマンダ、地図表示装置1と有線又は無線により接続可能なキーボードやマウスなども考えられる。さらには表示部2に押圧操作を関知してこれを操作情報として出力するタッチパネル機構を設け、表示部2に表示された画像に対して押圧操作を行う、いわゆるGUI(Graphical User Interface)としての操作によって入力を行うことも考えられる。またさらにはジョイスティックやゲームパッドなどにより操作を行うことも考えられる。
【0012】
また、本実施の形態の地図表示装置1は、図示していないが、その内部に地図情報が記録されているCD−ROM、或いはDVD−ROMといったディスク状記録媒体を収納可能に構成されており、これらの記録媒体に記録されてる地図データを利用して、表示部2に所要の地図画像を表示するようにしている。
【0013】
図2は、本実施の形態の地図表示装置1の使用形態例を示した図であり、図2(a)には地図表示装置1を車内で使用する場合の一例が示されている。また、図2(b)には地図表示装置1を一般家庭内などの机上で使用する場合の一例が示されている。
【0014】
この図2(a)に示すように、地図表示装置1を自動車の車内で使用する場合は、例えば車輌内のダッシュボードなどの付近に取り付けた車載設置用装置(以下、「車載クレードル」という)4に対して、地図表示装置1を設置したうえで、シガー電源コネクタ5から電源ケーブル6を介して電源電圧の供給を得るようにしている。
また、その詳細については後述するが、地図表示装置1には、信号ケーブル7を介して、自動車内に取り付けられているGPS(Global Positioning System)、自律航法系デバイス、或いはマイクなどから各種信号が入力される。そして、これらの信号に基づいて所要の地図画像を表示するようにしている。
【0015】
一方、図2(b)に示すように、地図表示装置1を一般家庭内で使用する場合は、例えば商用電源8からの商用交流電圧をAC/DC変換器9で所定レベルの直流電圧に変換して電源電圧の供給を受けるようにしている。
【0016】
図3は、上記した本実施の形態の地図表示装置1の内部構成を示したブロック図である。
この図3において、入力部21は、ユーザが各種情報を入力するための入力操作部であり、上記図1に示した操作部3の他にも、リモコン、キーボード、マウス、タッチパネルなどにより構成可能とされる。
【0017】
CPU(Centoral Processing Unit)22は、当該地図表示装置1全体の動作を制御を行うようにされる。
またCPU22は、インターフェース(I/F)29を介して入力される各種データや判断部32におけるの判断結果に基づいて、当該地図表示装置1が車載状態か、或いは非車載状態かどうかを判別する判別処理などを行うようにされる。
【0018】
ROM(Read Only Memory)23は、CPU22が所要の処理を実行するための各種プログラムが格納されている。
RAM(Random Access Memory)24は、例えばSRAM(Static Random Access Memory)や、DRAM(Dynamic Random Access Memory)であり、各種の設定情報などを記憶するようにされる。またフラッシュメモリなどの不揮発性メモリが設けられても良い。
【0019】
ディスクドライブ25は、CD−ROMやDVD−ROMといったディスク状記録媒体28に記録されている地図情報や各種情報を再生する部位とされる。再生された地図情報等はバス33を介してVRAM(Video Ram)26に転送されて記憶される。なお、地図情報などを記録しておく記録媒体としてはハードディスクなども考えられる。
【0020】
VRAM26は、ディスクドライブ25によってディスク状記録媒体28から再生された画像データに基づいて地図画像を表示するための描画用データ等を記憶する。
表示ドライバ27は、VRAM26において生成された描画データに応じた画像を表示部2に表示させるための表示部3を駆動する。
【0021】
インターフェース(I/F)29は、例えば自動車などの車輌側に設けられている外部装置と当該地図表示装置1とを接続するために設けられている。
外部装置としては、例えばGPS(Global Positioning System)42、マイク43、自律航法系デバイス44等とされる。
GPS42は、アンテナ41を介して衛星から電波を受信し、その受信結果であるGPSデータを出力するようにされる。
マイク43は、地図表示装置1が搭載される車輌の走行時の騒音を集音するために設けられている。なお、マイク43により集音した騒音信号の利用方法については後述する。
自律航法系デバイス44は、車速センサ45、加速度センサ46、ジャイロ47とからなる。
車速センサ45は、車輌の走行速度を検出し、走行速度に応じた車速パルスを出力する。
また、加速度センサ46は、車輌の加速度を検出し、加速度に応じた加速度情報を出力する。
ジャイロ47は、方位を検出し、検出した方位データを出力する。
【0022】
なお、本実施の形態では、外部装置としてGPS42と、車速センサ45、加速度センサ46、ジャイロ47などの自律航法系デバイス44を備えているものとして説明しているが、これはあくまでも一例であり、外部装置としては、他にも光ファイバジャイロなども考えられる。
【0023】
ノイズセンサ30は、当該地図表示装置1が車載状態にあるかどうかを判断するために設けられており、具体的には振動ノイズを検出するノイズ検出センサ、電源ノイズを検出する電源ノイズセンサ、エンジンの点火ノイズを検出するエンジン点火ノイズセンサなどとされる。
【0024】
クレードル検出部31は、当該地図表示装置1を自動車などの車内の所定位置に取り付けられている車載クレードル4に対して設置されているか否かを検出する検出部であり、車載クレードル4と地図表示装置1との物理的な接触、もしくはこれらの間で通信等を行うことにより地図表示装置1が車載クレードル4に設置されているか否かを検出するようにされる。
【0025】
なお、ここでいうクレードル検出部31は、単純に車載状態→非車載状態、又は非車載状態→車載状態への状態変化を検出する検出スイッチであっても構わないし、地図表示装置1自体が例えば短距離無線通信等の手段を用いて車両側のバスシステム等と直接通信して車載状態を確認するようなものであっても構わない。
【0026】
判断部32は、バス33を介して上記インターフェース29か転送されてくる各種入力情報、或いはノイズセンサ30やクレードル検出部31からの検出情報に基づいて、当該地図表示装置1が車載状態にあるか否かの判断を行うようにされる。そして、その判断結果をバス33を介してCPU22に転送するようにされる。なお、判断部32は、必ずしも設ける必要はなく、CPU22だけで当該地図表示装置1が車載状態にあるかどうかの判断を行うことも可能とされる。
【0027】
図4は、これまで説明した本実施の形態の地図表示装置1の構成を機能ブロックにより示した図である。
この図4において、ユーザ入力機能部51は、ユーザからの入力情報を取得するための機能部とされ、上記図3に示した入力部21が、このユーザ入力機能部51に相当するものとされる。
【0028】
車載/非車載判断機能部52は、本実施の形態の地図表示装置1が車載状態にあるか非車載状態にあるか判断する機能部とされ、上記図3に示したCPU22、及び判断部32が、車載/非車載判断機能部52に相当する。
そして、このような車載/非車載判断機能部52にあっては、上記した入力部21、ノイズセンサ30、クレードル検出部31、或いはインターフェース29を介して、マイク43や自律航法系デバイス44などの外部装置から入力される各種入力信号に基づいて、当該地図表示装置1が車載状態であるかどうかの判別を行うようにしている。
【0029】
処理機能部53は、各種情報処理を行う機能部とされ、上記図3に示したCPU22、RAM24、VRAM26などが相当する。
このような処理機能部53における入力情報処理部54は、ユーザ入力機能部51において取得した目的地の地点情報に関する情報を抽出して処理を行うようにされる。
【0030】
地図情報処理部55は、地図情報格納機能部57から地図情報を取得して地図画像を表示するための処理を行うようにされる。
【0031】
画面描画処理部56は、上記地図情報処理部55において処理された画面情報に基づいて画像出力機能部58において表示するための表示画像を生成するようにされる。なお、このような処理機能部53には、上記以外にも地図情報処理部55で処理した地図画像情報を利用して最適経路を探索する推奨経路処理なども行うようにされる。
【0032】
地図情報格納機能部57は、所要の地図画像情報を格納しておくための機能部であり、地図情報が記録されたCD−ROM、DVDなどの記録媒体28と、これらのディスク状記録媒体28をドライブするディスクドライブ25により構成される。
【0033】
画像出力機能部58は、上記図3に示した表示ドライバ27、及び表示部2が相当し、処理機能部53において処理した地図画像情報に基づいて、画像表示を行う機能部とされる。
【0034】
そして、このように構成される本実施の形態の地図表示装置1は、車載状態であるか非車載状態であるかの判別を行い、その判別結果に応じて表示する地図画像の表示形態を変更するようにしている。
【0035】
図5は、本実施の形態の地図表示装置1における表示例を示した図であり、同図(a)には車載時の表示例が、同図(b)には非車載時の表示例がそれぞれ示されている。
この図5(a)に示すように、本実施の形態の地図表示装置1を、自動車などの搭載して、走行中に地図画像を表示するときは、自車の進行方向が常に画面の上に向くように表示するいわゆるヘッディングアップ表示とされる。
【0036】
一方、本実施の形態の地図表示装置1を、一般家庭内の机上で使用するときは、例えば日本国内での使用であれば、図5(b)に示すように、北の方角が常に画面の上を向くように表示するいわゆるノースアップ表示とされる。
【0037】
すなわち、本実施の形態の地図表示装置1は、その使用が車載状態か否かによって表示する地図画像の表示形態を変更するようにしている。なお、車載状態か否かの判別方法については後述する。
【0038】
上記図5に示した例では、本実施の形態の地図表示装置1が、車載状態であるか否かに応じて、地図画像をヘディングアップ表示、或いはノースアップ表示とする場合を例に挙げて説明したが、地図画像の表示方法は他にも考えられるものである。
【0039】
1.起動時の地図表示位置
地図表示装置1を起動したときに車載状態であると判別したときは、例えば表示する地図画像の表示位置(緯度経度)を自車位置(現在位置)とする。
これに対して、地図表示装置1を起動したときに車載状態でない判別したときは、地図画像の表示位置をユーザが予め設定した位置、例えばユーザの住居位置とする。
なお、非車載状態における地図画像の表示位置、つまりユーザの住居位置などの設定方法は各種考えられるが、例えばユーザが住居位置の郵便番号や電話番号(市外局番)などを入力して設定することが考えられる。
【0040】
2.地図表示色
地図表示装置1が車載状態での使用と判別したときは、自動車を運転中のユーザが、必要な情報を安全、且つ、容易に判断できるように、地図画像の表示色を設定する。例えば、車内では外の明るさが変化(昼夜・トンネルなど)するため、外の明るさに応じて地図の表示色を変化させるシステムなどを設け、車載時は、そのようなシステムを有効にして、表示色を外の明るさに応じて可変するように設定する。
これに対して、地図表示装置1を家庭内で使用するときは、上記した車内での使用とは異なり、ユーザが地図画像を注視することが予想されるため、そのような条件での使用にあわせて表示画像の表示色を設定する。例えば、目にやさしい配色、或いはユーザの嗜好にあわせた配色とする。
【0041】
3.地図表示文字
地図表示装置1が車載状態での使用と判別したときは、表示する地図画像の文字情報量を運転に必要な最小限の情報量に制限して表示する。これにより、ユーザが運転中に画面を注視する時間を出来る限り短くし、安全な運転を遂行できるようにする。
これに対して、家庭内で使用するときは、ユーザが画面を注視することが可能になるため、画面に表示する文字情報量を煩雑にならない範囲で増やすようにする。
これにより、ユーザが地図画面から出来る限りの情報を得られるように表示することも考えられる。なお、その場合は、ユーザが画面に表示する文字情報量を調整する調整機能を提供するようにしても良い。
【0042】
4.鳥瞰図表示時の視点位置
地図表示装置1が車載状態での使用であるときは、地図画像を鳥瞰図表示により表示する際の視点位置を、運転者と同様の視点位置とすることにより、実際の風景に近い形で地図表示を行う。
これに対して、家庭内で使用するときは、鳥瞰図表示の視点位置を、上記した車内での使用より高い視点位置にして表示を行うようにする。これにより、地図の閲覧性を高くし、見やすさ判りやすさの向上を図るようにする。なお、この場合もユーザの視点位置を調整する機能を設けるようにしても良い。
【0043】
このように、本実施の形態の地図表示装置1は、その使用場所が自動車などの車内であるかの判別を行い、その判別結果に応じて、地図の方位表示、起動時の初期表示位置、表示色、表示文字、鳥瞰図表示時の視点位置などの変更した表示形態で地図画像を表示するようにしている。
【0044】
したがって、本実施の形態の地図表示装置1を、自動車の車内で使用する場合には、画面の視認性の向上を図ることができ、しかも運転者が安全に車の運行に従事できるような表示形態による表示を実現することができる。
また、例えば家庭内の机上で使用する場合には、制限されない表示、または家庭内での環境に適した表示形態で地図画像の表示を実現することができるようになる。
【0045】
図6は、本実施の形態の地図表示装置1が上記したような動作を実現するために、CPU22が実行する処理を示したフローチャートである。
この場合、CPU22は、ステップS101において、当該地図表示装置1が車載状態での使用であるか否かの判別を行う。
そして、ステップS101において、肯定結果が得られたときはステップS102に進み、車載状態での使用に応じた地図画像を表示するようにされる。つまり、表示する地図画像の表示向き、起動時の表示位置、表示色、表示文字量、鳥瞰図表示の視点位置などを、上記した車載使用時に合わせた表示形態で表示が行われるように表示制御を実行するようにされる。
【0046】
一方、ステップS101において否定結果が得られたときはステップS103に進み、非車載状態での使用に応じた地図画像を表示するようにされる。つまり、地図画像の表示向き、起動時の表示位置、表示色、表示文字量、鳥瞰図表示時の視点位置などを非車載環境、即ち家庭内の机上での使用に合わせた表示形態で表示が行われるように表示制御を実行するようにされる。
これにより、本実施の形態の地図表示装置1において、車載状態または非車載状態での使用に応じた表示形態で地図画像を表示することができるようになる。
【0047】
さて、これまでの説明から分かるように、本実施の形態の地図表示装置1は、車載状態であるか否かの判別を行い、その判別結果に応じて地図画像の表示形態を変更するようにしている。
このため、本実施の形態の地図表示装置1では、図4に示した車載/非車載判断機能部52で、当該地図表示装置1が車載状態にあるか否かの判別を行うようにしている。そこで、車載/非車載判断機能部52の構成例について説明していくこととする。
【0048】
第1の構成例
先ず、本実施の形態の地図表示装置1に備えられている車載/非車載判断機能部52を自律航法系デバイス44からの走行情報を利用して構成する場合について説明する。
図7は、本実施の形態の地図表示装置を備えることができる車輌に取り付けられる各種センサを概念的に示した図である。
この図7に示すように、本実施の形態の地図表示装置1を取付可能な車輌200のトランスミッション201には、自律航法系デバイス44として車の速度に応じたパルスを出力する車速センサ45が備えられている。
また、車輌200には、進行方向(X方向)の加速度を検出する加速度センサ46aと、進行方向(X方向)と直交する方向(Y方向)の加速度を検出する加速度センサ46bが備えられている。
【0049】
そして、本実施の形態の地図表示装置1では、これら車速センサ45や加速度センサ46からの走行情報、及びGPS41からのGPSデータに基づいて、自車の現在位置を求めるようにしているが、さらに本実施の形態の地図表示装置1にあっては、これら車速センサ45や加速度センサ46からの走行情報を利用して当該地図表示装置1が車載状態かどうかの判別を行うようにしている。
【0050】
図8は、車速センサ45の車速パルスに基づいて車速データを出力する車速データ出力回路の構成を示したブロック図である。
この図8に示すように、車速センサ45からの車速パルスは、ローパスフィルタ(LPF)61においてノイズ等の不要な信号成分が除去された後、周期計測部62に入力される。
周期計測部62は、LPF61を介して入力される車速パルスのパルス周期を計測して演算器63に出力する。
演算器63は、以下に示すような演算(式1)を行うことで、車輌200の速度を求め、その結果を車速データとして出力する。

速度(m/s)=1/パルス周期(s)×1パルスあたりの移動距離(m)・・(式1)
但し、(「1パルスあたりの移動距離」は定数)
【0051】
なお、「1パルスあたりの移動距離」は、予め他の手段で求めた値などがメモリー64に格納されているものとされる。
【0052】
そして、本実施の形態の地図表示装置1では、上記したような車速データ出力回路から出力される車速データから、当該地図表示装置1が車載状態にあるかどうか判断するようにしている。
地図表示装置1が車載状態にあるかどうか判断は上記図3に示したCPU22と判断部32にて行う。
例えば、地図表示装置1が車載状態にないときは、上記したような車速データ出力回路からの車速データがCPU22または判断部32に入力されることがないので、CPU22または判断部32において車速データを検出した時点で、当該地図表示装置1が車載状態にあると判断することができる。
【0053】
なお、上記図8に示した車速データ出力回路は、地図表示装置1の内部、或いは車輌200の何れかに備えられるものである。
例えば、上記車速データ出力回路を地図表示装置1の内部に備える場合には、LPF61、周期計測部62、演算部63は、上記図3に示した判断部32またはCPU22を利用して構成することが考えられる。またメモリ64はRAM24を利用して構成することが考えられる。
【0054】
図9は、加速度センサの加速度信号に基づいて動きデータを出力する動きデータ出力回路の構成を示したブロック図である。
この図9に示す加速度センサ46(46a,46b)では、それぞれ検出した軸方向(X軸とY軸)の加速度を電圧信号に変換して加速度信号(X,Y)として出力する。
このような加速度信号(X,Y)はローパスフィルタ(LPF)71においてノイズ等の不要な信号成分が除去された後、A/D変換器72に入力される。
A/D変換器72では、入力されるアナログの加速度信号(X,Y)をデジタル加速度信号に変換して演算器73に出力する。
演算器73では所要の演算処理を施して動き検出データを求めるようにしている。ここで、演算器73における演算処理としては、例えば入力されるデジタル加速度信号から単位時間あたりの振動強度を求め、この振動強度を予め決められたしきい値と比較して動き検出データとして出力するようにしている。
【0055】
加速度信号から振動強度を求める方法としては、例えば走行時における加速度センサ46のセンサ出力は、図10に示されている曲線のように時々刻々と変化する。従って、例えば単位時間におけるセンサ出力の変化を斜線で示した面積を計算することにより、振動強度を定量的に求めることができる。
このようにすれば、加速度信号から当該車輌200が静止状態か、或いは走行状態かを判別することができる。また、しきい値を複数設定すれば、加速度情報から大まかな速度を求めることも可能である。なお、しきい値は予めメモリー74に格納されている。
【0056】
従って、地図表示装置1では、上記した動き検出データ出力回路から出力される動き検出データにより、判断部32または/及びCPU22において、当該地図表示装置1が車載状態であるか否か判断することもできる。
例えば、地図表示装置1が車載状態にないときは、上記したような動き検出データがCPU22または判断部32に入力されることがないので、CPU22または判断部32において動き検出データを検出した時点で、当該地図表示装置1が車載状態にあると判断することができる。
【0057】
なお、上記図9に示した動きデータ出力回路も、地図表示装置1の内部、或いは車輌200の何れかに備えられるものである。例えば上記動きデータ出力回路を地図表示装置1の内部に備える場合には、LPF71、A/D変換器72は、上記図3に示した判断部32を利用して構成し、演算器73はCPU22を利用して構成することが考えられる。またメモリ74はRAM24を利用して構成することが考えられる。
【0058】
第2の構成例
次に、本実施の形態の地図表示装置1に備えられている車載/非車載判断機能部52をマイク43からの音声信号を利用して構成する場合について説明する。
図11は、マイクの集音信号から車輌の動き検出データを求める動きデータ出力回路の構成を示したブロック図である。
この図11に示すマイク43は車輌200の走行時の騒音を集音する。
マイク43により集音された集音信号は、マイクアンプ81において増幅された後、エイリアシングが発生しないようにローパスフィルタ(LPF)82にて帯域制限をかけてA/D変換器83に出力される。
そしてA/D変換器83においてデジタル信号に変換された後、演算器84に供給される。
【0059】
演算器84では、入力されるデジタル信号に所要の演算処理を施して動き検出データを出力するようにしている。
演算器84における演算処理としては、例えばデジタル信号に変換された集音信号をさらに周波数成分と音圧レベルに変換した後、所要の演算処理を行って分析を行うようにする。この場合、周波数成分はFFTや複数のデジタルフィルターを組み合わせることによって求めることが可能である。
【0060】
通常、走行速度に応じて変化する騒音の主成分としては、タイヤと道路の摩擦で生じるロードノイズが挙げられる。
ロードノイズの周波数成分とその大きさは、路面状況やタイヤの種類により変化するが、例えば学習機能を設けることにより、静止状態か、あるいは走行状態なのか程度の判定を行うことは可能とされる。
また、普通に運転している状態の急発進や急停車が無い状況を想定すると、加減速時のロードノイズはゆるやかに変化する。
従って、このノイズ成分を学習することにより、外乱と車輌の速度に応じて変化する成分をある程度、区別することが可能となる。
【0061】
従って、地図表示装置1では、上記図11に示した動き検出データ出力回路からの動き検出データにより、判断部32または/及びCPU22において、当該地図表示装置1が車載状態であるか否か判断することができる。
【0062】
なお、このような騒音などの音を利用した判断方法は、外乱の影響を受けやすく、判定エラーは生じるものと考えられるが、マイク43により効率良くロードノイズを拾えるように、その設置位置を工夫することでエラー率の低減を図ることが可能とされる。
【0063】
また、上記図11に示した動きデータ出力回路も、上記同様、地図表示装置1の内部、或いは車輌200の何れかに備えられるものである。
例えば、上記動きデータ出力回路を地図表示装置1の内部に備える場合は、アンプ81、LPF82、A/D変換器83は、図3に示した判断部32を利用して構成し、演算器84はCPU22を利用して構成する。またメモリ85はRAM24を利用して構成することが考えられる。
【0064】
第3の構成例
次に、本実施の形態の地図表示装置1に備えられている車載/非車載判断機能部52をノイズセンサの検出信号を利用して構成する場合について説明する。
図12は、本実施の形態の地図表示装置を適用可能な車輌の電源系ラインの構成を概念的に示した図である。
【0065】
この図12に示す車輌200の電源系ラインは、バッテリー202とオルタネータ203とから構成されている。なお、この図12では、交流発電機であるオルタネータ203とバッテリー202が直接接続されているように示されているが、これはあくまでもオルタネータ203とバッテリー202の関係を概念的に示したものであり、実際にはオルタネータ203とバッテリー202とが直接接続されているわけではない。
【0066】
このような車輌200の電源系ラインでは、それなりの対策を講じたとしても、オルタネータ203の交流成分が車輌電源ライン204にわずかに漏れ出てしまう。このため、例えばオルタネータノイズに対する対策が十分でないオーディオ機器などを車載電源であるバッテリー202で駆動した時は、オーディオ機器の出力にノイズが含まれることがあり、その要因の一つが、このオルタネータノイズである。
【0067】
そこで、本実施の形態の地図表示装置1では、このオルタネータノイズを検出することができれば、地図表示装置1が車輌200に搭載されているバッテリー202で駆動されているかどうか判断することができる。即ち、車載状態であるか否か判断することができる。
【0068】
図13は、オルタネータノイズ検出回路の構成を示したブロック図である。
この図13において、車輌200からの電源電圧Vcは、直流(DC)カット回路91にて直流電圧成分がカットされて交流電圧成分のみが抽出される。
DCカット回路91において抽出された交流電圧成分は、増幅器(アンプ)92にて十分検出できるレベルまで増幅した後、ローパスフィルタ(LPF)93で不必要な低周波数成分を除去した後、A/D変換器94でデジタル信号に変換するようにされる。
演算器95は、A/D変換器94でデジタルに変換された交流成分の周波数分析を行い、その交流成分がオルタネータノイズ成分であるかどうかの判定を行うようにされる。
【0069】
オルタネーターノイズは、エンジンの回転数に応じてピークの周波数が遷移するという特徴を有し、オルタネーター回転時においては、図14に示すように、バッテリー202の中心電圧Vcに対してノイズが重畳した波形となる。
従って、本実施の形態の地図表示装置1においては、演算器95でオルタネータノイズであるかどうかの判断を行い、その判別結果を電源ノイズ判定データとして出力するようにしている。
【0070】
なお、オルタネータノイズ検出回路として、オルタネータ回転時と非回転時のノイズ成分の典型的なスペクトラムを学習させる機能を設けるようにすると、エンジン回転の変化が無い状態でも、オルタネータノイズの有無を検出することが可能となる。学習データはメモリー96に格納しておく。
【0071】
従って、本実施の形態の地図表示装置1でも、演算器95から出力される電源ノイズ判定データに基づいて、当該地図表示装置1が車載状態であるか否かの判別を行うことが可能とされる。
【0072】
なお、このようなオルタネータノイズ検出回路は、地図表示装置1の内部に備えられるものとされ、例えば上記したDCカット回路91、アンプ92、LPF93、A/D変換器94を上記図3に示したノイズセンサ30として形成し、演算器95はCPU22、メモリー96はRAM24を利用して構成することが考えられる。
【0073】
第4の構成例
次に、本実施の形態の地図表示装置1に備えられている車載/非車載判断機能部52を車輌200に備えられているバッテリの電源電圧を利用して構成する場合について説明する。
車輌200に搭載されているバッテリー202は、エンジン始動時にセルモーターを回転させると大電流が流れるために電源電圧が降下する。
そこで、地図表示装置1においては、セルモーターON時の電圧降下を検出することで、当該地図表示装置1がバッテリー202で駆動されているかどうか、すなわち車載状態であるかどうか判別することが可能とされる。
【0074】
図15は、セルモーターオン時の電圧降下を検出する電圧降下検出回路の構成を示したブロック図である。なお、このような電圧降下検出回路は地図表示装置1内の判断部32に形成される。
【0075】
この図15に示す電圧降下検出回路は、コンパレータ101,102、アンド回路103とから構成され、コンパレータ101の非反転入力端子(+)と、コンパレータ102の反転入力端子(−)に、車輌200のバッテリ電圧を印加するようにしている。そして、コンパレータ101の反転入力端子(−)に所定のリファレンス電圧Vt2を印加し、コンパレータ102の非反転入力端子(+)に、上記リファレンス電圧Vt2より高い所定レベルのリファレンス電圧Vt1を印加するようにしている。そして、これらコンパレータ101,102の出力をアンド回路103を介して出力するようにしている。
このように構成すれば、本実施の形態の地図表示装置1において、エンジン始動時に流れる大電流により、図16に示されているように、バッテリー202の通常時の電源電圧Vcが電圧Vlまで降下する電源電圧Vcの電圧変化を検出することができるため、地図表示装置1が車載状態であるか否か判別することができる。
【0076】
第5の構成例
次に、本実施の形態の地図表示装置1に備えられている車載/非車載判断機能部52を車載クレードルを利用して構成する場合について説明する。
図17は、本実施の形態の地図表示装置と車載クレードルの関係を示した図である。
この図17に示すように、本実施の形態の地図表示装置1は、車内に設けられている車載クレードル4に設置可能とされる。
車載クレードル4に設置したときには、車輌200に搭載されているバッテリー202から車載クレードル4の電源接点13−地図表示装置1の電源接点10の経路で電源電圧が供給される。また車輌200に設けられているGPS42や自律航法系デバイス44からの各種入力信号が、車載クレードル4の通信接点14−地図表示装置1の通信接点11を介して供給されている。
【0077】
さらに、本実施の形態では、地図表示装置1が車載クレードル4に設置されているか否かを判別する判別機構として、地図表示装置1にクレードル検出部31として内部回路スイッチ12を設けるようにしている。また車載クレードル4には、地図表示装置1の内部回路スイッチ12と対応する位置に突起15を形成するようにしている。
【0078】
図18は、上記した地図表示装置1と車載クレードル4に形成されている判別機構の説明図である。
この図18(a)に示すように、地図表示装置1を車載クレードル4に設置していない状態のもとでは、内部回路スイッチ12に突起15が接触することがないので、内部回路スイッチ12はオンとされる。
これに対して、地図表示装置1を車載クレードル4に設置したときは、図18(b)に示すように、車載クレードル4の突起15が地図表示装置1の内部回路スイッチ12に接触して内部回路スイッチ12がオフとなる。
従って、地図表示装置1では、この内部回路スイッチ12のオン/オフ状態から車載状態か否かを判別することができる。
【0079】
図19は、上記したような判別機構により、地図表示装置が車載状態であるか否かを判別する処理動作を示したフローチャートである。なお、このような処理動作は図3に示した地図表示装置1のCPU22が実行するものとされる。
この場合、CPU22は、ステップS201において、当該地図表示装置1のシステム電源(スタンバイ電源)がオンになったと判別したときは、ステップS202に進み、内部回路スイッチ12の状態がオフであるか否かの判別を行うようにされる。そして、ステップS202において、肯定結果が得られたときはステップS203に進み当該地図表示装置1は車載状態であると判断する。
一方、ステップS202において、否定結果が得られたときがステップS204に進み、当該地図表示装置1は車載状態ではないと判断する。
このようにすれば、本実施の形態の地図表示装置1が車載クレードル4に設置されているか否かを判別することができる。
【0080】
なお、本実施の形態では、地図表示装置1が車載クレードル4に設置されているかどうかを判別するためのクレードル検出部31として、物理的な判別機構を設けるようにしているが、これはあくまで一例であり、例えば地図表示装置1と車載クレードル4間、或いは地図表示装置1がCAN−BUSに代表されるような車両コントロールバスとの間で通信を行って車載状態であるか否かを確認するようにしても良い。
【0081】
第6の構成例
次に、本実施の形態の地図表示装置1に備えられている車載/非車載判断機能部52を入力部21を利用して構成する場合について説明する。
この場合、ユーザ入力機能部51として機能する入力部21から入力される入力操作情報に基づいて車載状態であるか否かの判別を行うようにしている。
例えば地図表示装置1にGUI機能を持たせ、図20に示すようなGUI画面を表示部2に表示することで、ユーザに対して現在の使用状態についての入力を促すことが考えられる。勿論、ユーザ入力機能部51として機能する入力部21は、例えばマウスやリモコン等を用いても可能であることはいうまでもない。
【0082】
このようにして、本実施の形態の地図表示装置1の車載/非車載判断機能部52を構成すれば、地図表示装置1が車載状態にあるか否かの判別を行うことができるため、使用環境に応じた地図画像を表示することができる。
例えば、地図表示装置1の使用場所が自動車などの車内である場合には、地図の方位表示、起動時の初期表示位置、表示色、表示文字、鳥瞰図表示時の視点位置などを車内での使用に合った地図画像として表示することができる。
また、家庭内であれば、同じく表示地図の方位表示、起動時の初期表示位置、表示色、表示文字、鳥瞰図表示時の視点位置などを家庭内での使用に合った地図画像として表示することができる。
【0083】
また、これまでのカーナビゲーションシステムに代表される車載ビジュアル機器は、車の電装系との接続を行わねばならない場合が多く、専門の業者に取り付けを依頼する必要があり、機器の普及を図る上での障害の一つとなっていた。
これに対して、本実施の形態のように、シガー電源コネクタ5を使って電源を得る車載機器の場合は、取り付けを行う上でのハードルを下げることができるが、セーフティモードの切り換えに必要な信号等を得ることができず、安全対策を十分に行うことができないなどの不具合があった。
ところが、本実施の形態のように地図表示装置1を車載状態であるか否かに応じて地図画像の表示形態を変更可能に構成して、車載時は自動的に車載状態にあった表示形態の地図画像を表示することができる。さらに、車載/非車載判断機能部52からの入力情報により、地図表示装置1が搭載されている車輌200が走行状態にあるかどうかの判別ができるため、図2で示したようにシガー電源コネクタ5から電源を得るように構成した場合でも、上記したような不具合がなという利点がある。
【0084】
なお、本実施の形態では、地図表示装置1が車載状態であるか否かを判別することで、地図表示装置1が車載状態での使用か、或いは非車載状態での使用かを判別するようにしているが、これはあくまでも一例であり、例えば地図表示装置1が非車載状態であるか否かを判別することで、地図表示装置1が車載状態での使用か、或いは非車載状態での使用かを判別することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の実施の形態とされる地図表示装置の概略構造を示した図である。
【図2】本実施の形態の地図表示装置の使用形態例を示した図である。
【図3】本実施の形態の地図表示装置のハードウェアの構成を示したブロック図である。
【図4】本実施の形態の地図表示装置の機能ブロック図である。
【図5】本実施の形態の地図表示装置における表示例を示した図である。
【図6】本実施の形態の地図表示装置が実行する処理を示したフローチャートである。
【図7】車輌に取り付けられるセンサを概念的に示した図である。
【図8】車速センサの車速パルスに基づいて車速データを出力する車速データ出力回路の構成を示したブロック図である。
【図9】加速度センサの加速度信号に基づいて動きデータを出力する動きデータ出力回路の構成を示したブロック図である。
【図10】加速度センサの出力波形を示したグラフ図である。
【図11】マイクの集音信号から車輌の動き検出データを求める動きデータ出力回路の構成を示したブロック図である。
【図12】車輌の電源系ラインの構成を概念的に示した図である。
【図13】オルタネータノイズ検出回路の構成を示したブロック図である。
【図14】車輌電源系のノイズ例を示した図である。
【図15】電圧降下を検出する電圧降下検出回路の構成を示したブロック図である。
【図16】車輌電源系の電圧遷移の様子を示した図である。
【図17】本実施の形態の地図表示装置と車載クレードルの関係を示した概念図である。
【図18】本実施の形態の地図表示装置と車載クレードルに形成されている判別機構の説明図である。
【図19】地図表示装置が車載状態であるか否かを判別する処理動作を示したフローチャートである。
【図20】ユーザの入力操作により車載状態であるか否かを判別するための動作を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0086】
1 地図表示装置、2 表示部、3 操作部、4 車載クレードル、5 シガー電源コネクタ、6 電源ケーブル、7 信号ケーブル、8 商用電源、9 AC/DC変換器、10 13 電源接点、11 14 通信接点、12 スイッチ、15 突起、21 入力部、22 CPU、23 ROM、24 RAM、25 ディスクドライブ、26 VRAM、27 表示ドライバ、28 記録媒体、29 インターフェース、30 ノイズセンサ、31 クレードル検出部、32 判断部、33 バス、41 アンテナ、42 GPS、43 マイク、44 自律航法系デバイス、45 車速センサ、46 加速度センサ、47 ジャイロ、51 ユーザ入力機能部、52 車載/非車載判断機能部、53 処理機能部、54 入力情報処理部、55 地図情報処理部、56 画面描画処理部、57 地図情報格納機能部、58 画像出力機能部、61 71 82 93 ローパスフィルタ、62 周期計測部、63 73 84 95 演算器、64 74 96 メモリー、72 83 94 A/D変換器、81 マイクアンプ、91 DCカット回路、101 102 コンパレータ、103 アンド回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロードノイズを集音するためのマイクからの集音信号を増幅してローパスフィルタを通してアナログデジタル変換し、変換されたデジタル信号の周波数成分と音圧レベルとを分析することにより動き検出データを検出し、上記動き検出データが検出されれば車載状態と判別する状態判別手段と、
上記状態判別手段の判別結果が車載状態と判別されたか否かに応じて、
地図の方位表示、起動時の初期表示位置、表示色、表示文字、鳥瞰表示時の視点位置の少なくとも1つの表示形態を異ならせて表示するように制御を行なう表示制御手段と、
を備える地図表示装置。
【請求項2】
電源電圧に重畳されるノイズをDCカット回路により検出してローパスフィルタを通してアナログデジタル変換し、変換されたデジタル信号について演算器によりオルタネータノイズの有無を検出し、上記オルタネータノイズが検出されれば車載状態と判別する状態判別手段と、
上記状態判別手段の判別結果が車載状態と判別されたか否かに応じて、
地図の方位表示、起動時の初期表示位置、表示色、表示文字、鳥瞰表示時の視点位置の少なくとも1つの表示形態を異ならせて表示するように制御を行なう表示制御手段と、
を備える地図表示装置。
【請求項3】
車輌のバッテリーにおけるエンジン始動時の電源電圧降下を検出する電圧降下検出回路により上記電源電圧降下の有無を検出し、上記電源電圧降下が検出されれば車載状態と判別する状態判別手段と、
上記状態判別手段の判別結果が車載状態と判別されたか否かに応じて、
地図の方位表示、起動時の初期表示位置、表示色、表示文字、鳥瞰表示時の視点位置の少なくとも1つの表示形態を異ならせて表示するように制御を行なう表示制御手段と、
を備える地図表示装置。
【請求項4】
上記状態判別手段の判別結果が車載状態と判別されたか否かに応じて、
上記表示制御手段は、
判別結果が車載状態であるときは、地図画像中の自車位置が常に画面の上を向くように表示し、
判別結果が非車載状態であるときは、地図画像の北の方角が常に画面の上を向くように表示する
ように制御を行なうことを特徴とする請求項1ないし3に記載の地図表示装置。
【請求項5】
上記状態判別手段の判別結果が車載状態と判別されたか否かに応じて、
上記表示制御手段は、
起動時の初期表示位置について、
判別結果が車載状態であるときは、地図画像の表示位置を現在位置として表示し、
判別結果が非車載状態であるときは、地図画像の表示位置を予め設定された所定の位置として表示する
ように制御を行なうことを特徴とする請求項1ないし3に記載の地図表示装置。
【請求項6】
上記状態判別手段の判別結果が車載状態と判別されたか否かに応じて、
上記表示制御手段は、
判別結果が車載状態であるときは、外の明るさに応じて地図の表示色を可変するように表示し、
判別結果が非車載状態であるときは、ユーザの嗜好にあわせた配色とするように表示色を表示する
ように制御を行なうことを特徴とする請求項1ないし3に記載の地図表示装置。
【請求項7】
上記状態判別手段の判別結果が車載状態と判別されたか否かに応じて、
上記表示制御手段は、
判別結果が車載状態であるときは、表示する地図画像の文字情報量を運転に必要な最小限の情報量に制限して表示し、
判別結果が非車載状態であるときは、表示する地図画像の文字情報量を煩雑にならない範囲でより多くするように表示する
ように制御を行なうことを特徴とする請求項1ないし3に記載の地図表示装置。
【請求項8】
上記状態判別手段の判別結果が車載状態と判別されたか否かに応じて、
上記表示制御手段は、
判別結果が車載状態であるときは、上記地図画像を鳥瞰図表示により表示する際の視点位置を、運転者と同様の視点位置として地図表示を行い、
判別結果が非車載状態であるときは、鳥瞰図表示の視点位置を、上記車載状態での使用より高い視点位置として地図表示を行う
ように制御を行なうことを特徴とする請求項1ないし3に記載の地図表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2008−241723(P2008−241723A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−163783(P2008−163783)
【出願日】平成20年6月23日(2008.6.23)
【分割の表示】特願2002−324137(P2002−324137)の分割
【原出願日】平成14年11月7日(2002.11.7)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】