説明

地図表示装置

【課題】より正確な位置に検索された地点を表示できるようにする。
【解決手段】目的地情報に含まれる住所を検索条件として地点検索を実施し(S102)、地図データを参照して検索地点を示す第2の座標データを取得し(S106)、目的地情報に目的地地点を示す第1の座標データが含まれることを判定した場合、第1の座標データにより示される第1の地点と第2の座標データにより示される第2の地点との直線距離が予め定められた閾値以下であるか否かを判定し(S114)、直線距離が閾値以下の場合には第2の地点を目的地として表示し、閾値よりも大きい場合には第1の地点を目的地として表示する(S116、S118)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部から受信した目的地情報に含まれる検索条件に従って地点検索を実施し、検索された地点を地図上に表示させる地図表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の地図表示装置として、携帯電話機の記憶媒体に記憶された氏名や住所、電話番号等の個別情報を含む電話帳データを携帯電話機の通信機能を利用して入力し、個別情報に含まれる住所または電話番号に基づいて地点座標を特定し、特定した地点座標に対応する地図上の位置に個別情報の内容を表示するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、地名や電話番号、住所が座標データと関連付けて格納された地図データを記憶する記憶媒体と、地図データを記憶した外部データベースと通信を行うための通信装置を備え、目的地情報に対応するデータが記憶媒体に記憶されていないときには、通信装置を用いて外部データベースより目的地情報に対応する座標データを取得して目的地を特定するようにして、新しい地名や電話番号が記憶媒体に記憶されていなくても目的地を特定できるようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2005−3431号公報
【特許文献2】特開2002−286479号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載された装置は、住所または電話番号に基づいて地点座標を特定し、そのまま特定した地点座標に対応する地図上の位置に個別情報の内容を表示するようになっている。したがって、例えば、個別情報に含まれる住所に都道府県名や市町村名等が記載されていないような場合、同じ地名の全く異なる地点の地点座標が特定され、見当違いの位置に個別情報の内容が表示されてしまう可能性があるといった問題があった。
【0005】
つまり、名称、住所、電話番号のいずれかを検索条件として地点検索を実施し、検索された地点をそのまま地図上に表示するような場合、検索地点が正確な位置に表示されない場合があるといった問題があった。
【0006】
また、特許文献2に記載された装置は、外部データベースより目的地情報に対応する座標データを取得して、取得した座標データに対応する位置を目的地として特定するようになっている。したがって、例えば、外部データベースに記憶された地図データと記憶媒体に記憶された自己の地図データとの間で座標の設定に相違があり、外部データベースより取得した座標データにずれが生じている場合、目的地がずれた位置に表示されてしまう場合があるといった問題があった。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みたもので、より正確な位置に検索された地点を表示できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、外部から受信した目的地情報に含まれる検索条件に従って地点検索を実施し、検索された地点を地図上に表示させる地図表示装置であって、目的地情報には、名称、住所、電話番号のいずれか1つと目的地地点を示す第1の座標データが含まれており、目的地情報を受信すると、目的地情報に含まれる名称、住所、電話番号のいずれかを検索条件として地点検索を実施する地点検索手段と、自己の地図データを参照して地点検索手段により検索された特定地点を示す第2の座標データを取得する座標データ取得手段と、第1の座標データにより示される第1の地点と第2の座標データにより示される第2の地点との距離が予め定められた閾値以下であるか否かを判定する距離判定手段と、距離判定手段により第1の地点と第2の地点間の距離が閾値以下であると判定された場合には、第2の座標データにより示される第2の地点を目的地として地図上に表示させる表示制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0009】
このような構成によれば、第1の地点と第2の地点間の距離が閾値以下であると判定された場合には、自己の地図データを参照して取得した第2の座標データにより示される第2の地点を目的地として地図上に表示するので、目的地情報に含まれる第1の座標データにより示される第1の地点が地図データを参照して取得した第2の座標データにより示される第2の地点に補正されたように地図上に表示されることになり、例えば、目的地情報を送信する側で用いられている地図データと記憶媒体に記憶された自己の地図データとの間で座標の設定に多少相違があっても、目的地をずれた位置に表示してしまうことなく、より正確な位置に検索された地点を表示することができる。
【0010】
また、上記目的を達成するため、請求項2に記載の発明は、外部から受信した目的地情報に含まれる検索条件に従って地点検索を実施し、検索された地点を地図上に表示させる地図表示装置であって、目的地情報には、名称、住所、電話番号のいずれか1つと目的地地点を示す第1の座標データが含まれており、目的地情報を受信すると、目的地情報に含まれる名称、住所、電話番号のいずれかを検索条件として地点検索を実施する地点検索手段と、自己の地図データを参照して地点検索手段により検索された特定地点を示す第2の座標データを取得する座標データ取得手段と、第1の座標データにより示される第1の地点と第2の座標データにより示される第2の地点との距離が予め定められた閾値以下であるか否かを判定する距離判定手段と、距離判定手段により第1の地点と第2の地点間の距離が閾値よりも大きいと判定された場合には、第1の座標データにより示される第1の地点を目的地として地図上に表示させる表示制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0011】
目的地情報に含まれる名称、住所、電話番号のいずれかを検索条件として地点検索を実施し、検索された地点をそのまま地図上に表示する場合には、見当違いの地点を目的地として地図上に表示してしまう可能性があるが、上記した構成によれば、第1の地点と第2の地点間の距離が閾値よりも大きいと判定された場合には、目的地情報に含まれる第1の座標データにより示される第1の地点を目的地として地図上に表示するので、見当違いの地点を目的地として地図上に表示してしまうことがなく、より正確な位置に検索された地点を表示することができる。
【0012】
また、上記目的を達成するため、請求項3に記載の発明は、外部から受信した目的地情報に含まれる検索条件に従って地点検索を実施し、検索された地点を地図上に表示させる地図表示装置であって、目的地情報には、名称、住所、電話番号のいずれか1つと目的地地点を示す第1の座標データが含まれており、目的地情報を受信すると、目的地情報に含まれる名称、住所、電話番号のいずれかを検索条件として地点検索を実施する地点検索手段と、自己の地図データを参照して地点検索手段により検索された特定地点を示す第2の座標データを取得する座標データ取得手段と、第1の座標データにより示される第1の地点と第2の座標データにより示される第2の地点との距離が予め定められた閾値以下であるか否かを判定する距離判定手段と、距離判定手段により第1の地点と第2の地点間の距離が閾値以下であると判定された場合には、第2の座標データにより示される第2の地点を目的地として地図上に表示させ、距離判定手段により第1の地点と第2の地点間の距離が閾値よりも大きいと判定された場合には、第1の座標データにより示される第1の地点を目的地として地図上に表示させる表示制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0013】
このような構成によれば、第1の地点と第2の地点間の距離が閾値以下であると判定された場合には、自己の地図データを参照して取得した第2の座標データにより示される第2の地点を目的地として地図上に表示するので、目的地情報に含まれる第1の座標データにより示される第1の地点が地図データを参照して取得した第2の座標データにより示される第2の地点に補正されたように地図上に表示されることになり、例えば、目的地情報を送信する側で用いられている地図データと記憶媒体に記憶された自己の地図データとの間で座標の設定に多少相違があっても、目的地をずれた位置に表示してしまうことなく、より正確な位置に検索された地点を表示することができる。また、目的地情報に含まれる名称、住所、電話番号のいずれかを検索条件として地点検索を実施し、検索された地点をそのまま地図上に表示する場合には、見当違いの地点を目的地として地図上に表示してしまう可能性があるが、第1の地点と第2の地点間の距離が閾値よりも大きいと判定された場合には、目的地情報に含まれる第1の座標データにより示される第1の地点を目的地として地図上に表示するので、見当違いの地点を目的地として地図上に表示してしまうことがなく、より正確な位置に検索された地点を表示することができる。
【0014】
また、請求項4に記載の発明のように、目的地情報には、目的地地点を示す第1の座標データが必ずしも含まれるものではなく、目的地情報に目的地地点を示す第1の座標データが含まれているか否かを判定する座標データ判定手段を備え、距離判定手段は、座標データ判定手段により目的地情報に目的地地点を示す第1の座標データが含まれていると判定された場合、第1の座標データにより示される第1の地点と第2の座標データにより示される第2の地点との距離が予め定められた閾値以下であるか否かを判定することができる。
【0015】
また、請求項5に記載の発明のように、表示制御手段は、座標データ判定手段により目的地情報に第1の座標データが含まれていないと判定された場合、第2の座標データにより示される第2の地点を目的地として地図上に表示させることができる。
【0016】
また、請求項6に記載の発明は、第1、第2の地点のいずれかより目的地をユーザが選択するマニュアル選択設定となっているか否かを判定する選択設定判定手段を備え、表示制御手段は、選択設定判定手段によりマニュアル選択設定となっていると判定された場合には、第1、第2の地点を地図上に表示させ、ユーザにより選択された第1、第2の地点のいずれかの地点を目的地として地図上に表示させることを特徴としている。
【0017】
このような構成によれば、第1、第2の地点のいずれかより目的地をユーザが選択するマニュアル選択設定となっていると判定された場合には、第1、第2の地点を地図上に表示させ、ユーザにより選択された第1、第2の地点のいずれかの地点を目的地として地図上に表示させるので、ユーザが意図する地点を目的地として地図上に表示させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の一実施形態に係る地図表示装置の構成を図1に示す。本地図表示装置は、目的地に至る案内経路を探索し、案内経路に従って走行案内を行うナビゲーション装置として構成されている。本ナビゲーション装置は、外部通信装置10、地図データ取得部11、受信データ記憶部12、表示部13、操作部14および制御部15を備えている。
【0019】
外部通信装置10は、各地に設置された無線基地局を介してネットワークに接続し、当該ネットワーク上の通信装置(以下、外部通信装置という)と通信するための装置である。
【0020】
地図データ取得部11は、地図データを記憶した不揮発性の記憶媒体から地図データを取得するための装置である。なお、地図データを記憶した不揮発性の記憶媒体としては、CD、DVD、ハードディスクドライブ、メモリカード等がある。
【0021】
地図データには、各リンクのリンクID、リンク長、道路幅員、道路種別、車線数、信号機の位置等を表す道路データ、位置検出精度を向上するためのいわゆるマップマッチングデータ、川、湖、海、鉄道、施設などの位置、形状、名称を表す背景データ、各地の施設の名称、住所、電話番号を座標データと関連付けした施設データ等が含まれる。
【0022】
受信データ記憶部12は、外部通信装置10を介して外部より受信した受信データを記憶するメモリによって構成されている。
【0023】
表示部13は、液晶等のディスプレイを有し、制御部15から入力される映像信号に応じた映像をディスプレイに表示させる。
【0024】
操作部14は、表示部13のディスプレイの前面に重ねて設けられたタッチスイッチ、表示部13のディスプレイの周囲に配置されたメカニカルスイッチ等により構成され、ユーザのスイッチ操作に応じた信号を制御部15へ出力する。
【0025】
制御部15は、CPU、メモリ、I/O等を備えたコンピュータとして構成されており、CPUはメモリに記憶されたプログラムに従って各所処理を実施する。
【0026】
制御部15の処理としては、ユーザの操作に応じて外部通信装置10を介してコールセンターと通信接続する通信接続処理、外部通信装置10を介してコールセンターから目的地情報を受信すると受信した目的地情報を受信データ記憶部12に記憶させる受信データ記憶処理、ユーザによる操作部14の操作に応じて施設検索を実施して検索結果を表示部13のディスプレイに表示させる施設検索処理等がある。
【0027】
本ナビゲーション装置は、ユーザの操作部14の操作によりコールセンターへの通信回線の接続指示があると、外部通信装置10を介してコールセンターに接続し、ユーザとコールセンターのオペレータの間で通話が可能な状態となる。また、ユーザがコールセンターのオペレータに所望の目的地条件を伝えると、コールセンターから目的地条件に該当する目的地情報が送信されるようになっている。この目的地情報には、検索条件としての住所と、目的地地点を示す座標データが含まれる。ただし、目的地地点を示す座標データについては、目的地情報に含まれない場合もある。
【0028】
制御部15は、コールセンターから送信される目的地情報に含まれる検索条件に従って地点検索を実施し、検索された地点を地図上に表示させる処理を実施する。
【0029】
図2に、この処理のフローチャートを示す。制御部15は、外部通信装置10を介してコールセンターと通信が確立すると、図2に示す処理を開始する。
【0030】
まず、コールセンターから目的地情報を受信したか否かを判定する(S100)。
【0031】
目的地情報を受信しない場合には、S100の判定を繰り返し実施する。また、目的地情報を受信すると、S100の判定はYESとなり、次に、住所検索(アドレス検索)を実施する(S102)。具体的には、地図データに含まれる施設データを参照して目的地情報に含まれる住所を検索条件として住所検索を実施する。
【0032】
次に、住所検索の検索結果が1件のみか否かを判定する(S104)。
【0033】
住所検索の検索結果が1件のみの場合、S104の判定はYESとなり、次に、検索地点の座標データを取得する(S106)。具体的には、地図データを参照して住所検索により検索された検索地点を示す座標データ(第2の座標データ)を取得する(S106)。
【0034】
次に、目的地情報に目的地地点を示す受信座標が含まれているか否かを判定する(S108)。すなわち、目的地情報に目的地地点を示す座標データ(第1の座標データ)が含まれているか否かを判定する。
【0035】
ここで、目的地情報に目的地地点を示す座標データが含まれている場合、S108の判定はYESとなり、次に、地点表示に関するユーザ設定がマニュアル選択となっているか自動選択となっているかを判定する(S110)。
【0036】
本実施形態において、目的地情報に含まれる受信座標により示される地点と検索地点を示す座標により示される地点間の距離を算出して最適な地点を自動で選択する自動選択設定と、ユーザ操作により目的地情報に含まれる受信座標により示される地点と、検索地点を示す座標により示される地点のいずれかを選択するマニュアル選択設定のいずれかをユーザが事前に設定するようになっており、ユーザ設定がどちらの設定になっているか否かを判定する。
【0037】
ユーザ設定が自動選択になっている場合、次に、検索地点の座標位置と受信座標位置の直線距離を算出する(S112)。具体的には、目的地情報に含まれる目的地地点を示す座標データ(第1の座標データ)により示される第1の地点と、検索地点を示す座標データ(第2の座標データ)により示される第2の地点間の直線距離を算出する。
【0038】
次に、第1の地点と第2の地点間の直線距離が予め定められた閾値(例えば、1キロメートル)以下であるか否かを判定する(S114)。
【0039】
ここで、第1の地点と第2の地点間の直線距離が予め定められた閾値以下の場合、S114の判定はYESとなり、検索地点の座標位置を目的地として地図上に表示させる(S116)。具体的には、検索地点を示す座標データ(第2の座標データ)により示される第2の地点を目的地として地図上に表示させる。
【0040】
このように、第1の地点と第2の地点間の直線距離が予め定められた閾値以下の場合には、検索地点を示す座標データ(第2の座標データ)により示される第2の地点が誤った地点ではないとして、第2の地点を目的地として地図上に表示させるようになっている。
【0041】
また、第1の地点と第2の地点間の直線距離が予め定められた閾値よりも大きい場合には、S114の判定はNOとなり、検索地点の座標位置を目的地として地図上に表示させる(S118)。具体的には、目的地情報に含まれる目的地地点を示す座標データ(第1の座標データ)により示される第1の地点を目的地として地図上に表示させる。
【0042】
このように、第1の地点と第2の地点間の直線距離が予め定められた閾値よりも大きい場合には、検索地点を示す座標データ(第2の座標データ)により示される第2の地点が誤った地点であるとし、第2の地点ではなく第1の地点を目的地として地図上に表示させるようになっている。
【0043】
また、上記ユーザ設定がマニュアル選択になっている場合には、検索地点の座標位置と受信座標位置の両方を表示させる(S120)。具体的には、検索地点の座標位置と受信座標位置の両方を表示させ、いずれか一方の選択を促す画面を表示させる。
【0044】
そして、ユーザが選択した座標が検索地点の座標であるか受信座標であるかを判定する(S122)。
【0045】
ユーザにより検索地点の座標が選択された場合、S116へ進む。したがって、検索地点を示す座標データ(第2の座標データ)により示される第2の地点が目的地として地図上に表示される。
【0046】
また、ユーザにより受信座標が選択された場合には、S118へ進む。したがって、目的地情報に含まれる目的地地点を示す座標データ(第1の座標データ)により示される第1の地点が目的地として地図上に表示される。
【0047】
また、上述した住所検索の検索結果が0件または複数件となった場合、S104の判定はNOとなり、次に、目的地情報に受信座標が含まれるか否かを判定する(S124)。すなわち、目的地情報に目的地地点を示す座標データ(第1の座標データ)が含まれるか否かを判定する。
【0048】
ここで、目的地情報に目的地地点を示す座標データ(第1の座標データ)が含まれる場合、S124の判定はYESとなり、S118へ進む。したがって、検索地点を示す座標データ(第2の座標データ)により示される第2の地点が目的地として地図上に表示される。
【0049】
また、目的地情報に目的地地点を示す座標データ(第1の座標データ)が含まれない場合には、S124の判定はNOとなり、次に、「検索結果なし」または「エラー表示」を行う(S126)。具体的には、住所検索の検索結果が0件である場合には、検索結果がなしであることを表すメッセージを表示し、住所検索の検索結果が複数件となった場合には、エラーであることを示す表示を行い、本処理を終了する。
【0050】
上記した構成では、目的地情報には、名称、住所、電話番号のいずれか1つと目的地地点を示す第1の座標データが含まれており、目的地情報を受信すると、目的地情報に含まれる名称、住所、電話番号のいずれかを検索条件として地点検索を実施し、自己の地図データを参照して検索された特定地点を示す第2の座標データを取得し、第1の座標データにより示される第1の地点と第2の座標データにより示される第2の地点との距離が予め定められた閾値以下であるか否かを判定し、第1の地点と第2の地点間の距離が閾値以下であると判定された場合には、第2の座標データにより示される第2の地点が目的地として地図上に表示され、第1の地点と第2の地点間の距離が閾値よりも大きいと判定された場合には、第1の座標データにより示される第1の地点が目的地として地図上に表示される。
【0051】
このような構成によれば、第1の地点と第2の地点間の距離が閾値以下であると判定された場合には、自己の地図データを参照して取得した第2の座標データにより示される第2の地点が目的地として地図上に表示されるので、目的地情報に含まれる第1の座標データにより示される第1の地点が地図データを参照して取得した第2の座標データにより示される第2の地点に補正されたように地図上に表示されることになり、例えば、目的地情報を送信する側で用いられている地図データと記憶媒体に記憶された自己の地図データとの間で座標の設定に多少相違があっても、目的地をずれた位置に表示してしまうことなく、より正確な位置に検索された地点を表示することができる。
【0052】
また、目的地情報に含まれる名称、住所、電話番号、座標データのいずれかを検索条件として地点検索を実施し、検索された地点をそのまま地図上に表示する場合には、見当違いの地点を目的地として地図上に表示してしまう可能性があるが、上記した構成によれば、第1の地点と第2の地点間の距離が閾値よりも大きいと判定された場合には、目的地情報に含まれる第1の座標データにより示される第1の地点が目的地として地図上に表示されるので、見当違いの地点を目的地として地図上に表示してしまうことがなく、より正確な位置に検索された地点を表示することができる。
【0053】
また、第1、第2の地点のいずれかより目的地をユーザが選択するマニュアル選択設定となっていると判定された場合、第1、第2の地点を地図上に表示させ、ユーザにより選択された第1、第2の地点のいずれかの地点を目的地として地図上に表示させるので、ユーザが意図する地点を目的地として地図上に表示させることができる。
【0054】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々なる形態で実施することができる。
【0055】
例えば、上記実施形態では、S102にて目的地情報に含まれる住所を検索条件として住所検索を実施したが、住所検索に限定されるものではなく、目的地情報に含まれる目的地の名称を検索条件とした名称検索、目的地情報に含まれる目的地の電話番号を検索条件とした電話番号検索を実施するようにしてもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、S112にて検索地点の座標位置と受信座標位置の直線距離を算出し、S114にて第1の地点と第2の地点間の直線距離が予め定められた閾値以下であるか否かを判定したが、このような直線距離に限定されるものではなく、例えば、検索地点の座標位置と受信座標位置の道なり距離が閾値以下であるか否かを判定するようにしてもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、S114にて第1の地点と第2の地点間の直線距離が予め定められた閾値以下であると判定された場合、S116へ進み、検索地点を示す座標データ(第2の座標データ)により示される第2の地点を目的地として地図上に表示させたが、このような表示を行うことなく、例えば、目的地情報に含まれる目的地地点を示す座標データ(第1の座標データ)により示される第1の地点を目的地として地図上に表示させるとともに、目的地の表示位置の精度が低い可能性があることを示すメッセージを表示させるようにしてもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、S114にて第1の地点と第2の地点間の直線距離が予め定められた閾値よりも大きいと判定された場合、S118へ進み、目的地情報に含まれる目的地地点を示す座標データ(第1の座標データ)により示される第1の地点を目的地として地図上に表示させたが、このような表示を行うことなく、例えば、検索地点を示す座標データにより示される第1の地点を目的地として地図上に表示させるとともに、目的地の表示位置の精度が低い可能性があることを示すメッセージを表示させるようにしてもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、目的地情報に目的地地点を示す座標データが含まれる場合と含まれない場合があり、S108にて目的地情報に目的地地点を示す受信座標が含まれているか否かを判定するように構成したが、目的地情報に目的地地点を示す座標データが含まれるように構成してもよい。この場合には、S108の判定ステップを省略してもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、コールセンターから目的地情報を受信したが、例えば、携帯電話やPDA等の外部機器と通信するためのインタフェースを備え、このインタフェース介して目的地情報を受信する構成に適用してもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、S104にて住所検索の検索結果が1件のみか否かを判定した後にS108にて目的地情報に目的地地点を示す受信座標が含まれるか否かを判定したが、S108にて目的地情報に目的地地点を示す受信座標が含まれるか否かを判定した後にS104にて住所検索の検索結果が1件のみか否かを判定するようにしてもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、S104にて地点検索の検索結果が1件か否かを判定し、検索結果が1件の場合にS106へ進むようにしたが、例えば、地点検索の検索結果が複数の場合であってもS106へ進むようにしてもよい。
【0063】
なお、上記実施形態における構成と特許請求の範囲の構成との対応関係について説明すると、S102が地点検索手段に相当し、S108が座標データ判定手段に相当し、S106が座標データ取得手段に相当し、S114が距離判定手段に相当し、S116、S118、S120、S122が表示制御手段に相当し、S110が選択設定判定手段に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施形態に係る地図表示装置の構成を示す図である。
【図2】制御部の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0065】
10 外部通信装置
11 地図データ取得部
12 受信データ記憶部
13 表示部
14 操作部
15 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から受信した目的地情報に含まれる検索条件に従って地点検索を実施し、検索された地点を地図上に表示させる地図表示装置であって、
前記目的地情報には、名称、住所、電話番号のいずれか1つと目的地地点を示す第1の座標データが含まれており、
前記目的地情報を受信すると、前記目的地情報に含まれる名称、住所、電話番号のいずれかを前記検索条件として地点検索を実施する地点検索手段と、
自己の地図データを参照して前記地点検索手段により検索された特定地点を示す第2の座標データを取得する座標データ取得手段と、
前記第1の座標データにより示される第1の地点と前記第2の座標データにより示される第2の地点との距離が予め定められた閾値以下であるか否かを判定する距離判定手段と、
前記距離判定手段により前記第1の地点と前記第2の地点間の距離が前記閾値以下であると判定された場合には、前記第2の座標データにより示される前記第2の地点を目的地として地図上に表示させる表示制御手段と、を備えたことを特徴とする地図表示装置。
【請求項2】
外部から受信した目的地情報に含まれる検索条件に従って地点検索を実施し、検索された地点を地図上に表示させる地図表示装置であって、
前記目的地情報には、名称、住所、電話番号のいずれか1つと目的地地点を示す第1の座標データが含まれており、
前記目的地情報を受信すると、前記目的地情報に含まれる名称、住所、電話番号のいずれかを前記検索条件として地点検索を実施する地点検索手段と、
自己の地図データを参照して前記地点検索手段により検索された特定地点を示す第2の座標データを取得する座標データ取得手段と、
前記第1の座標データにより示される第1の地点と前記第2の座標データにより示される第2の地点との距離が予め定められた閾値以下であるか否かを判定する距離判定手段と、
前記距離判定手段により前記第1の地点と前記第2の地点間の距離が前記閾値よりも大きいと判定された場合には、前記第1の座標データにより示される前記第1の地点を目的地として地図上に表示させる表示制御手段と、を備えたことを特徴とする地図表示装置。
【請求項3】
外部から受信した目的地情報に含まれる検索条件に従って地点検索を実施し、検索された地点を地図上に表示させる地図表示装置であって、
前記目的地情報には、名称、住所、電話番号のいずれか1つと目的地地点を示す第1の座標データが含まれており、
前記目的地情報を受信すると、前記目的地情報に含まれる名称、住所、電話番号のいずれかを前記検索条件として地点検索を実施する地点検索手段と、
自己の地図データを参照して前記地点検索手段により検索された特定地点を示す第2の座標データを取得する座標データ取得手段と、
前記第1の座標データにより示される第1の地点と前記第2の座標データにより示される第2の地点との距離が予め定められた閾値以下であるか否かを判定する距離判定手段と、
前記距離判定手段により前記第1の地点と前記第2の地点間の距離が前記閾値以下であると判定された場合には、前記第2の座標データにより示される前記第2の地点を目的地として地図上に表示させ、前記距離判定手段により前記第1の地点と前記第2の地点間の距離が前記閾値よりも大きいと判定された場合には、前記第1の座標データにより示される前記第1の地点を目的地として地図上に表示させる表示制御手段と、を備えたことを特徴とする地図表示装置。
【請求項4】
前記目的地情報には、前記目的地地点を示す第1の座標データが必ずしも含まれるものではなく、
前記目的地情報に目的地地点を示す第1の座標データが含まれているか否かを判定する座標データ判定手段を備え、
前記距離判定手段は、前記座標データ判定手段により前記目的地情報に目的地地点を示す第1の座標データが含まれていると判定された場合、前記第1の座標データにより示される第1の地点と前記第2の座標データにより示される第2の地点との距離が予め定められた閾値以下であるか否かを判定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の地図表示装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記座標データ判定手段により前記目的地情報に前記第1の座標データが含まれていないと判定された場合、前記第2の座標データにより示される前記第2の地点を目的地として地図上に表示させることを特徴とする請求項4に記載の地図表示装置。
【請求項6】
前記第1、第2の地点のいずれかより前記目的地をユーザが選択するマニュアル選択設定となっているか否かを判定する選択設定判定手段を備え、
前記表示制御手段は、前記選択設定判定手段により前記マニュアル選択設定となっていると判定された場合には、前記第1、第2の地点を地図上に表示させ、ユーザにより選択された前記第1、第2の地点のいずれかの地点を目的地として地図上に表示させることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の地図表示装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−210518(P2009−210518A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−56359(P2008−56359)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】