説明

基材上への双軸組織層の電着

基材上に1つまたはそれ以上の双軸組織層を製造する方法と、該方法によって製造された物体が開示される。例示としての方法は、希土類、遷移金属、アクチニド、ランタニド、およびそれらの酸化物からなる群から選ばれた前駆体を、基材上に電着する段階を含む。例示としての物体(150)は、双軸組織基材(130)、および希土類、遷移金属、アクチニド、ランタニド、およびそれらの酸化物からなる群から選ばれた少なくとも1つの双軸組織層(110)を有する。少なくとも1つの双軸組織層(110)は、双軸組織基材(130)上に電着により形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
契約上の原点
米国政府は、米国エネルギー省とMidwest Research Instituteの一部門であるNational Renewable Energy Laboratoryとの間で締結された契約番号第DE−AC36−99GO10337号により、本発明に対する権利を有する。
【0002】
技術分野
本発明は、双軸組織層に係り、より具体的には、基材上に双軸組織層を電着する操作に関する。
【背景技術】
【0003】
超伝導体は、抵抗なく伝導することができるという、非常に好ましい能力が特徴である。これらの超伝導体は、たとえば導電性ワイヤ、導電性テープおよび電子デバイスを含む種々の用途に用いるために、種々の基材の上に積層することができるようになっている。これらの用途に用いられる超伝導体は、商業的に成り立たせるためには、高い限界電流密度(Jc)(即ち、所定の温度と磁界の下で超伝導体が搬送できる最大電流密度)を備えていなければならないが、それは、ある程度の大きさの荷重を移動させるためには、大きい電流が必要だからである。組織が双軸結晶構造を有する材料を用いて形成した超伝導体は、優れた限界電流密度を有することが知られている。
【0004】
一般に、組織は、多結晶体またはその他の材料において、同じ(たとえば縦軸方向の)結晶配向をした、多数の結晶粒子を有するクラスタ構造を指す。双軸組織は、クラスタ構造のきわめて多数の結晶粒子が、3軸全ての方向に、概ね均等に配向している材料を指す。顕微鏡で観察したとき、双軸組織超伝導体は、共通の縦軸方向に配向した、多数の細長い結晶構造を呈する。
【0005】
現在では、YBa2Cu37-δ(YBCO)の超伝導体についてきわめて優れた限界電流密度(Jc)を得るためには、双軸結晶構造の組織体を用いることが必須であることは周知である。超伝導体を双軸組織に転換する1つの方法は、双軸組織の基材上にYBCOをエピタキシャル成長させることである。また、ローリング・アシスト式の双軸組織基材技術が、77Kと強い磁界の下で、高電流密度を可能にするYBCO被覆の伝導体の製造に、非常に有効である可能性があることが証明されている。
【0006】
いずれにしろ、NiやNi合金のような緩衝層は、ローリング・アシスト式の双軸組織基材上に形成されるYBCO超伝導体の主要な構成要素である。これらの緩衝層は、YBCO層を成長させるための化学的に不活性で連続した平滑な基部を提供するとともに、双軸組織を、基材から高温超伝導体(HTS)層に転移させる。また、YBCOは酸素含有量が100ppmまたはそれ以上の雰囲気の中、約800℃で処理されているために、緩衝層は、金属のHTS層への拡散および金属基材の酸化を防止するバリアとして作用する。
【0007】
最近では、機械的特性を向上させ、かつ磁性を抑制するために、常磁性Ni−W基材が多くの注目を集めている。典型的な条件の下、常磁性組織のNi−W基材の上に酸化物の緩衝層を直接成長させることは、局部的に形成された酸化タングステンが、酸化物の緩衝層およびYBCO層の特性を低下させるために、挑戦的な操作である。現在では、Ni−W基材は、保護作用がある硫化物層を形成するために、硫化される。硫化されたNi−W基材に積層される商業品質の緩衝層構造体は、一般にCeO2/YSZ/Y23/Ni−WおよびCeO2/YSZ/CeO2/Ni−Wである。現在、緩衝層は、一般に、蒸着速度が比較的低速な、直流(DC)マグネトロンスパッタリングおよびパルスレーザー堆積法(PLD)によって蒸着される。
【0008】
先に説明した関連技術の例、およびそれらが有する制限は、例示することを目的としており、限定的ではない。当業者には、当明細書を読み、また図面を検討することにより、関連技術が有するその他の制限が明白になるであろう。
【発明の開示】
【0009】
以下の実施形態とその観点は、システム、ツールおよび方法との関連において、説明しかつ図示するが、例示を目的とするものであり、範囲を限定する意図はない。種々の実施形態は、先に説明した1つまたはそれ以上の問題点を小さいものにしているまたは解決しているが、その他の実施形態は、その他の改良に関係している。
【0010】
少なくとも1つの双軸組織層を基材上に製造する例示としての方法は、希土類、遷移金属、アクチニド、ランタニド、およびそれらの酸化物からなる群から選ばれた前駆体を基材上に電着する段階を含む。この方法は、たとえば双軸組織の物体を製造するために用いてもよい。また、この方法は、たとえば双軸組織層を有する超伝導体を製造するために用いてもよい。
【0011】
少なくとも1つの双軸組織層を有する超伝導体を製造する例示としてのもう1つの方法は、希土類、遷移金属、アクチニド、ランタニド、およびそれらの酸化物からなる群から前駆体を選ぶ段階、および選ばれた前駆体を双軸組織の基材上に電着する段階を含む。
【0012】
例示としての双軸組織体は、双軸組織の母材、および希土類、遷移金属、アクチニド、ランタニド、およびそれらの酸化物からなる群から選ばれた少なくとも1つの双軸組織層を含む。少なくとも1つの双軸組織層は、双軸組織の母材上に電着によって形成される。
【0013】
例示としての実施形態において、基材は、ニッケル地金またはNi−Wのようなニッケル系金属である。また、例示としての実施形態において、前駆体は、CeO2、被ドープCeO2、La23、Ir、Ni−Ir、Ni、YSZ、Y23およびLa−Mn−Oからなる群から選んでもよい。
【0014】
先に説明した例示としての観点と実施形態に加え、図面を参照し、かつ以下の説明を検討することによって、さらなる観点と実施形態が明白になるであろう。
【0015】
例示としての実施形態は、図面に示されている。ここに開示した実施形態と図面は、例示であって、限定するものではないと了解されるものとする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
簡単に説明すると、双軸組織は、それ自体も双軸組織である基材上に1つまたはそれ以上の前駆体を蒸着することによって完成される。蒸着中に、結晶粒子は、基材の双軸組織の結晶配向にしたがって、同一方向に成長する。双軸組織の基材上に超伝導体層を成長させることによって、基材の双軸組織は、完成した超伝導体の物体に受け継がれる。
【0017】
双軸組織層は、電着法を用いることによって、基材上に低コストで製造することができる。電着は、大型で平面状ではない面上に、均一な層を蒸着することができる、低コストで、真空が不要で、かつ高速度の蒸着法である。ここで説明する例示としての実施形態は、希土類、遷移金属、アクチニド、ランタニド、およびそれらの酸化物からなる双軸組織層を含む。たとえば、前駆体は、CeO2、被ドープCeO2、La23、Ir、Ni−Ir、Ni、YSZ、Y23およびLa−Mn−Oからなる群から選んでもよい。
【0018】
図1は、ここで説明した方法によって製造された例示としての双軸組織の物体150を示す。例示としての双軸組織の物体150は、基材130上の緩衝層120の上にエピタキシャル成長により形成された外側層110を有する。しかし、双軸組織の物体150は、2つの層110、120を必要とするものではないと留意されるものとする。たとえば、適用されるのは1つの層だけであってもよく、2つ以上の層であってもよい。
【0019】
ここで用いる用語「双軸組織」は、たとえばX線スキャンによって明らかになるような、部分的なおよび完全な双軸組織を指す。各々の層110、120は、基材130と同じ双軸結晶配向を有する。つまり、基材130の双軸組織の配向(矢印125で示す)は、緩衝層120の双軸組織に対応した配向(矢印135で示す)を誘発し、このために外側層110の双軸組織に対応した配向(矢印115で示す)が誘発される。
【0020】
基材130は、種々の形状、サイズおよび厚さに加工可能な、柔軟な若しくは硬質の金属またはその他の材料であってよい。基材130は、たとえば約0.005〜0.5mmの範囲の所望の厚さであってよい。好適な金属は、限定するものではないが、ニッケル、銅、チタニウム、パラジウムおよび/またはそれらの組合せ若しくは合金(たとえばニッケル−タングステン合金(Ni−W)およびニッケル−クロミウム合金)を含む。
【0021】
基材130は、たとえばローリング・アシスト式の双軸組織基材(RABiTS)と呼ばれる公知の方法によって双軸組織とされてもよい。双軸組織基材130は必ずしも必要ではないが、双軸組織基材130を用いることによって、層110、120の双軸組織を得る能力が向上する。
【0022】
層110、120は、薬浴の中で、基材130上に電着によって蒸着される。電着は、下記の実施例の中でより詳細に説明するが、一般に約0.05〜25mA/cm2で約1〜45分間実施される。厚い層は、蒸着時間の延長および/または多数層蒸着法によって製造される。多数層蒸着法においては、電着層は双軸組織を有するが、これにより電着される次の層110が最適な面にされる。
【0023】
電着を行った後に、双軸組織は、たとえばアルゴン(Ar)およびフォーミング・ガスのような適切なガスの中でアニーリングを行うことによって改良してもよい。アニーリング処理は、約750〜1200℃で、約12〜48時間行われる。勿論、その他の適切なアニーリング法を使用してもよい。
【0024】
双軸組織の物体と、その製造方法の概略を説明したところで以下の例示としての実施形態を参照することにより、該物体と方法について、より良い理解が可能になるであろう。
【0025】
CeO2の電着
CeO2および被ドープCeO2層は、たとえば次に説明する緩衝層を形成するために、ニッケル基の双軸組織基材上に電着される。例示としての実施形態において、CeO2層(無ドープ)は、脱イオン水に溶解したセリウム塩を含む浴の中で形成される。別の例示としての実施形態において、被ドープCeO2層は、たとえばサマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)およびジルコニウム(Zr)、またはとりわけ希土類、遷移金属、アクチニド、ランタニドおよびアクチニドのようなその他の元素を用いて形成される。例示を目的として説明すると、SmでドープしたCeO2層は、脱イオン水に溶解したセリウム塩とサマリウム塩を含む浴の中で形成される。GdでドープしたCeO2層は、脱イオン水に溶解したセリウム塩とガドリニウム塩を含む浴の中で形成される。ZrでドープしたCeO2層は、脱イオン水に溶解したセリウム塩とジルコニウム塩を含む浴の中で形成される。
【0026】
試験的な製造を行うとき、層は、電極(作用電極と対極の両方)がセルの上端から縦方向に懸架されている縦型セルの中で電着されてもよい。基材上への層の電着は、一定の速度で撹拌を行いながら、室温(約22〜25℃)で行われる。
【0027】
基材は、Ni−W(3重量%)のようなニッケル基である。例示としての実施形態において、基材は、電界研磨法によって改良された、10cm×0.5cmの平面状のNi−W基材である。電界研磨法は、5容量%のヒドラジン水和物溶液中に基材を配置して、+0.6Vの電圧を印加する段階を含み、ここで、Pt対極とPt擬似参照電極はショートされる。
【0028】
電着による前駆体は、商業的に好適な約−2Vの定電流モードで形成されるが、ここで、Pt対極とPt擬似参照電極はショートされる。電着時間は、たとえば3〜20分のように、50分未満である。電着層の形成には、IBM PC ATコンピュータとのインターフェイスを備えたPrinceton Applied Researchのポテンショスタット/ガルバノスタット(モデル273A)を用いてもよい。
【0029】
例示としての実施形態において、電着層は、CuKα1放射(λ=1.5406nm)を用いる、X線回析(XRD)のθ/2θ走査によって特性が明らかになる。面外配列は、(200)CeO2反射のω走査によって判定される。面内配列は、CeO2(111)反射のポールフィギュア測定とφ走査によって推定される。ガウス分布はφ走査とω走査のデータにフィットさせて、半値幅(FWHM)の推定が行われる。層形態は、走査電子顕微鏡写真(SEM)によって観察される。また、電着層の粗さは、原子間力顕微鏡(AFM)により走査して推定される。
【0030】
図2aは、Ni−W基材上に形成した、アニールCeO2とCeO2:SmのXRD走査による典型的な測定結果を示す。c−軸方向の(200)CeO2反射だけを確認でき、また、Smでドープした層の強度は、優れた結晶度と大きい厚さを有するために、かなり大きいことが示されている。図2bは、Ni−W基材上に形成した、アニールCeO2とCeO2:Smの(200)反射のω走査の典型的な測定結果を示す。無ドープCeO2粒子とSmでドープしたCeO2粒子のc−軸に沿った分光は、非常に小さく、各々3.8°と3.5°であることが示されている。CeO2のω走査値は、ベースNi−W基材についての測定値の7.4°より良好である。図3aと図3bは、Ni−W基材上に形成した、アニールCeO2とCeO2:Smのポールフィギュア走査の典型的な結果を示す。ポールフィギュア走査のこの結果は、CeO2とCeO2:Smは双軸組織であることを示す。
【0031】
図4aと図4bは、(a)アニールCeO2とCeO2:Sm、および(b)Ni−W基材のφ走査による典型的な測定結果を示す。図4aは、CeO2層のφ走査による平均面内モザイク・スプレッドが約6.1°であり、CeO2:Sm層のφ走査による平均面内モザイク・スプレッドが約6.4°であることを示す。図4bは、ベースNi−W基材のφ走査による平均面内モザイク・スプレッドが7.6°であることを示す。ω走査とφ走査の値が向上したのは、電着したCeO2とCeO2:Smの前駆体層の粒子サイズが比較的小さいことが原因であり、前駆体層は、また、アニール後に粒子配列が良好になる。図5aと図5bは、CeO2とCeO2:Smの層のAFM像である。層の粗さが、平均約3nmであることが観察される。図6a〜図6dは、CeO2:Sm層のSEM写真である。両方の層ともに、クラックがまったくないことが観察される。
【0032】
例示としての実施形態において、基材上に緩衝材の層を蒸着させるために、パルスレーザー堆積法(PLD)が用いられる。PLDは、よく知られた技術であり、レーザー光が、蒸着する緩衝材を含むターゲットに照射される。レーザーの入力光により、緩衝材のプルームが、ターゲットの面から発生する。基材は加熱してこのプルームの経路に配置されるために、基材上に、プルームに含まれる緩衝材が蒸着する。例示としてのYBCO超伝導体は、Ni−W基材からのNiの内部拡散を例示するために、電着CeO2層上に、たとえばYSZ層によるPLD、CeO2層によるPLD、およびYBCO層によるPLDによって製造してもよい。
【0033】
図7aは、YBCO/CeO2/YSZ/ED−CeO2/Ni−W構造を有する超伝導体の原子発光分光法(AES)による解析結果を示す。Niの内部拡散が、第1の電着CeO2層で完全に止まっていることが観察される。図7bは、簡単な緩衝層構造の有効性を検証するためにED−CeO2/Ni−W基材上に直接ある、YBCO超伝導体のAESによる解析結果を示す。Niの内部拡散は停止しているが、Niは、CeO2層まで深く侵入していることが観察される。
【0034】
イリジウムの電着
イリジウム(Ir)は、優れた耐酸化性と耐腐食性を有する。さらに、立方Ir(a=3.84Å)の格子不整合は、CeO2[a=5.411Å、a/21/2=3.826Å]およびNi(a=3.524Å)のそれに非常に近似しているために、イリジウムは、YBCO高温超伝導体用の良好な緩衝材である。
【0035】
例示としての実施形態において、イリジウム層は、ニッケル基の双軸組織基材上に電着によって、下記のような緩衝層を形成する。イリジウム層は、Ir塩だけを含む浴を用いて65℃で電着される。ここでも、電極(作用電極と対極の両方)がセルの上端から縦方向に懸架されている縦型セルが用いられる。電着による前駆体は、Ni−W(3重量%)基材上に、約−1.2Vの電圧を2〜45分印加して形成されるが、ここで、Pt対極とPt擬似参照電極はショートされる。
【0036】
電着によるIr緩衝層の有効性を検証するために、パルスレーザー堆積法(PLD)により、CeO2/YSZ/CeO2構造と簡素化したYSZ/CeO2構造をIr被覆が施されたNi−W基材上に蒸着してもよい。電着Ir/金属基材は、66.7Pa(500mT)のフォーミング・ガス雰囲気中で800℃にまず加熱し、次いでCeO2のシード層が、24.0Pa(180mT)のフォーミング・ガス雰囲気中で蒸着される。続けて、YSZとCeO2の層が、13.3×10-3Pa(0.1mT)酸素中で蒸着される。
【0037】
PLDシステムは、標準的なPLDチャンバ(Neocera)と、260mJと10Hzの条件の下で作動されるエキシマKrFレーザー(Lambda Physik, Complex 201、λ=248nm)である。レーザービームは、2〜3J/cm2のフルエンスで、ターゲット上の3×1cm2の点に45°の角度で照射される。ターゲットのYSZ(3モル%Y23)とCeO2の面は、全ての蒸着前に1000回のレーザーショットにより、その場で洗浄される。基材は、基材用のホルダ・カム・ヒータに装着し、そして蒸着を行う前にチャンバは約0.133×10-3Pa(10-6T)のベース圧力まで排気される。ターゲットと基材の距離は、約8cmに維持されるとともに、YSZとCeO2の層は連続して蒸着される。電着層は、CuKα1放射(λ=1.5406nm)を用いる、X線回析(XRD)のθ/2θ走査によって特性が明らかになる。
【0038】
図8は、Ni−W基材上に電着したCYC/Ir緩衝層のXRDによる測定結果を示す代表的なダイアグラムである。CeO2/YSZ/CeO2/Ir/Ni−WについてのXRDダイアグラムは、各々の蒸着層にエピタキシャル(001)相が形成されていることを示す。層は、800℃でアニールしたが、この種の緩衝構造にNiO相の形成は観察されなかった。双軸組織の緩衝層の面外ω値は、YSZ(200)とCeO2(200)について、各々6.5°と8.7°であった。
【0039】
図9aと図9bは、(a)Ni−W基材上に形成されたCeO2層と(b)Ni−W基材上に形成されたYSZ層のポールフィギュア走査による代表的な測定結果を示す。CeO2の最上層とYSZ層は、立方組織であることが観察される。図10aと図10bは、(a)CeO2層と(b)Ni−W基材上に形成されたYSZ層それぞれの層についてのφ走査による代表的な測定結果である。YSZとCeO2の面内組織値(φ走査)は、各々7.0°と8.0°であうことが観察される。これらの値は、CeO2/YSZ/CeO2/Ir/Ni−W構造が良好なエピタキシャル特性を示すNi−W基材(Δω=7.0°とΔφ=7.5°)と同等である。
【0040】
最初のCeO2層は、ニッケル基の基材上にIrを電着する必要がないことに留意されるものとする。例示としての実施形態において、最終的な緩衝層構造は、Ni−W基材上のCeO2/YSZ/Irであってよい。これらの構造についての測定結果は、CYC/Ir構造tp同等であるとともに、立方組織であることを示す。
【0041】
図11aと図11bは、(a)CeO2/YSZ/CeO2/Ir/Ni−Wと(b)CeO2/YSZ/Ir/Ni−Wの原子間力顕微鏡(AFM)写真である。AFM写真は、CeO2/YSZ/CeO2/Ir/Ni−WとCeO2/YSZ/Ir/Ni−Wの両方について、平滑で、連続した、かつクラックのない緩衝構造を示す。平均粗さは、CY/Ir/Ni−Wが約3nm、CYC/Ir/Ni−Wが約9nmである。
【0042】
Niの電着
Niの電着は、66gのNiSO4・xH2O、9gのNiCl262O、および200mLの脱イオン水に溶解した7.6gのホウ酸を含む浴を用いて行われる。ここでも、層は、電極(作用電極と対極の両方)がセルの上端から縦方向に懸架されている縦型セルの中で、65℃の下、ただし撹拌は行わずに蒸着される。
【0043】
電着による前駆体は、電流密度0.4mA/cm2Nの電流を60分間流して65℃の下で形成されるが、ここで、Pt対極とPt擬似参照電極はショートされる。Ni−W基材は、電界研磨法によって改良される。Ni−W基材の電界研磨は、5容量%のヒドラジン水和物溶液中で、−50μA/cm2(相当電圧;約+0.8V)の電流を流して行われるが、ここで、Pt対極とPt擬似参照電極はショートされる。
【0044】
電着層形成には、IBM PC ATコンピュータとのインターフェイスを備えたPrinceton Applied Researchのポテンショスタット/ガルバノスタット(モデル273A)を用いてもよい。電着Ni層は、厚さが約2.0μmである。電着によるNi層は、双軸組織の結晶構造である。
【0045】
緩衝構造は、この種のED−Niのシード層に、パルスレーザー堆積法(PLD)によりCeO2/YSZ/CeO2を蒸着することによって完成する。特に、Ni/Ni−W(3%)の電着層は、フォーミング・ガス中で133.3Pa(1T)の下、850℃でアニールされる。CeO2のシード層は、フォーミング・ガス中で24.0Pa(180mT)の下、850℃で蒸着される。それに続くYSZとCeO2のキャップ層は、酸素中で13.3×10-3Pa(0.1mT)の下、850℃で蒸着される。
【0046】
ED−Ni層の特性は、PLDによりYBCOの層を蒸着して評価される。ここでも、YBCOの厚さが300nmのPLD蒸着は、エキシマKrFレーザーを2〜3J/cm2のフルエンスで作動させて行われるが、基材は、酸素中で20.0Pa(150mT)の部分圧の下、780℃に維持される。YBCOの蒸着後、厚さ0.5μmの銀(Ag)接点が、DCマグネトロンスパッタリングによって蒸着され、完成品は、流動酸素中で500℃の下、90分間アニールされる。搬送臨界電流(Jc)の測定は、標準的な4プローブ技術と基準値1μV/cmを用い、液体窒素中(〜77K)で作用磁界の強さを種々変化させて行う。
【0047】
図12a〜図12dは、Ni−W基材の、XRDのω走査とφ走査による測定結果(a、b)、およびNi−W基材上に電着したNiのω走査とφ走査による測定結果(c、d)を示す。Ni−W基材のω走査(面外)とφ走査(面内)による半値幅(FWHM)は、(a)6.0°と(b)8.3°である。電着したNi層のω走査(面外)とφ走査(面内)による半値幅(FWHM)は、(c)7.1°と(d)7.0°であり、この結果は、Ni−W(3%)のベース基材と同等であるとともに、良好な双軸組織を有することを示す。Niの電着層の粒子サイズを比較的小さくすることは、高品質の超伝導体層を成長させるために有益である。
【0048】
図13aと図13bは、(a)ED−Ni/Ni−W上のYBCO超伝導体と、(b)ED−Ni/Ni−W上のYBCO超伝導体のXRDのω走査とφ走査による代表的な測定結果を示す。XRDのθ/2θ走査の結果は、YBCOの、いくつかの混入物−Ni(111)相を含む、非常に良好な相形成が行われていることを示す。図14は、PLDによるYBCO/CYC/ED−Ni/Ni−W構造の臨界電流密度を、磁界の強度に対してプロットした図である。磁界の強度を変えたときの、ED−Ni基の緩衝層上に成長したYBCO層の臨界電流密度は、磁界が0.06T(600G)のとき、75.2Kの下で約1.8MA/cm2であることが観察される。
【0049】
ここで説明した技術は、限定するものではないが、超伝導体、半導体、強誘電体、焦電気物質、磁性体、光学素子、センサ、半導体層および光電池に応用可能であると容易に了解されるであろう。応用例は、たとえばY−Ba2Cu3X(YBCO)、Bi−Sr−Ca−Cu−O(BSCCO)、Tl−Ba−Ca−Cu−O(TBCCO)、Pb−Ba−Sr−Ca−Cu−O(PBSCCO)、Tl−Sr−Ba−Ca−Cu−O(TSBCCO)、Tl−Pb−Sr−Ba−Ca−Cu−O(TPSBCCO)、およびHg−Ba−Ca−Cu−O(HBCCO)を製造するために、高温超伝導材料を緩衝層上に電着することによる、高温超伝導体の製造を含む。超伝導材料は、超伝導材料が緩衝層と同じ結晶配向を持つよう、エピタキシャルによって蒸着してもよい。別の応用例は、基材上にシリコン結晶を成長させて、太陽電池を製造することである。さらに別の応用例も検討されているが、当業者には、ここでの教えを習熟すれば、容易に明白になるであろう。
【実施例】
【0050】
ここで説明した方法と物体の特徴をさらに明らかにするために、以下、実施例について説明する。これらの実施例は、例示であって、限定する意図はない。
【0051】
電着CeO2
この実施例では、双軸組織のCeO2をNiとNi−Wの基材上に形成した。具体的には、0.5gの臭化セリウムを200mLの水に溶解した。層は、室温(約22℃)の下、電流密度0.26mA/cm2の電流を10分間流して、電着された。蒸着の間、溶液を撹拌した。電着層を、95%のArガスと5%のフォーミング・ガス[H2(10%)/N2]の混合ガスの中、980℃でアニールした。
【0052】
サマリウムでドープされた電着CeO2
この実施例では、双軸組織のCeO2:SmをNiとNi−Wの基材上に形成した。具体的には、0.5gの臭化セリウムと0.01gの臭化サマリウムを200mLの水に溶解した。層は、室温(約22℃)の下、電流密度0.26mA/cm2の電流を15分間流して、電着された。蒸着の間、溶液を撹拌した。電着層を、95%のArガスと5%のフォーミング・ガス[H2(10%)/N2]の混合ガスの中、980℃でアニールした。
【0053】
電着CeO2:Gd
この実施例では、双軸組織のCeO2:GdをNi−W基材上に形成した。具体的には、0.5gの臭化セリウムと0.02gの臭化ガドリニウムを200mLの水に溶解した。層は、室温(約22℃)の下、電流密度0.3mA/cm2の電流を10分間流して、電着された。電着層を、414kPa(60psi)に加圧したArガスと17kPa(2.5psi)に加圧したフォーミング・ガス[H2(10%)/N2]の混合ガスの中、1020℃の下、2時間アニールした。
【0054】
電着CeO2:Zr
この実施例では、双軸組織のCeO2:ZrをNi−W基材上に形成した。具体的には、0.5gの臭化セリウムと0.18gの臭化ジルコニウムを200mLの水に溶解した。層は、室温(約22℃)の下、電流密度0.4mA/cm2の電流を5分間流して、電着された。電着層を、414kPa(60psi)に加圧したArガスと17kPa(2.5psi)に加圧したフォーミング・ガス[H2(10%)/N2]の混合ガスの中、1020℃の下、2時間アニールした。
【0055】
電着La23
この実施例では、双軸組織のLa23をNi−W基材上に形成した。具体的には、0.1gの臭化ランタニドを、100mLの水(20%)とイソプロピル・アルコール(80%)の混合溶剤に溶解した。層は、室温(約22℃)の下、電流密度0.4mA/cm2の電流を10分間流して、電着された。電着層を、95%のArガスと5%のフォーミング・ガス[H2(10%)/N2]の混合ガスの中、1030℃でアニールした。
【0056】
電着イリジウム(Ir)
この実施例では、双軸組織のイリジウムをNi−W基材上に形成した。具体的には、0.5gの臭化イリジウムを100mLの水に溶解した。層は、65℃の下、電流密度1mA/cm2の電流を10分間流して、電着された。
【0057】
電着Ni−Ir
この実施例では、双軸組織のNi−IrをNi−W基材上に形成した。具体的には、66gのNiSO4、9gのNiCl2、7.6gのホウ酸および0.5gのIrBr3を250mLの水に溶解した。層は、65℃の下、電流密度0.4mA/cm2の電流を15分間流して、電着された。
【0058】
電着Ni
この実施例では、双軸組織のNiをNi−W基材上に形成した。具体的には、66gのNiSO4、9gのNiCl2および7.6gのホウ酸を250mLの水に溶解した。層は、65℃の下、電流密度0.4mA/cm2の電流を60分間流して、電着された。
【0059】
電着YSZ(Y23により安定化したZrO2
この実施例では、双軸組織のYSZをNi−W基材上に形成した。具体的には、2.1gの臭化ジルコニウムと0.05gの臭化イットリウムを100mLの水に溶解した。層は、室温(約22℃)の下、電流密度3mA/cm2の電流を10分間流して、電着された。
【0060】
電着Y23
この実施例では、双軸組織のY23をNi−W基材上に形成した。具体的には、0.5gの臭化イットリウムを、100mLの水(30%)とイソプロピル・アルコール(70%)の混合溶剤に溶解した。層は、室温(約22℃)の下、電流密度0.8mA/cm2の電流を15分間流して、電着された。電着層を、95%のArガスと5%のフォーミング・ガス[H2(10%)/N2]の混合ガスの中、980℃でアニールした。
【0061】
別の実施形態では、双軸組織のY23を次のようにしてNi−W基材上に形成した。0.5gの臭化イットリウムを、200mLのイソプロピル・アルコール(イソプロパノール)に溶解した。層は、室温(約22℃)の下、電流密度0.1mA/cm2の電流を30分間流して、電着された。蒸着の間、溶液を撹拌した。電着層を、138kPa(20psi)に加圧したArガスと17kPa(2.5psi)に加圧したフォーミング・ガス[H2(10%)/N2]の混合ガスの中、1100℃でアニールした。
【0062】
さらに別の実施形態では、双軸組織のY23を次のようにしてNi−W基材上に形成した。1.0gの臭化イットリウムを、200mLの水に溶解した。層は、室温(約22℃)の下、電流密度0.8mA/cm2の電流を20分間流して、電着された。蒸着の間、溶液を撹拌した。電着層を、138kPa(20psi)に加圧したArガスと17kPa(2.5psi)に加圧したフォーミング・ガス[H2(10%)/N2]の混合ガスの中、1100℃でアニールした。
【0063】
電着La−Mn−O
この実施例では、双軸組織のLa−Mn−OをNi−W基材上に形成した。具体的には、0.7gの臭化ランタニドと0.6gの臭化マグネシウムを200mLの水に溶解した。層は、室温(約22℃)の下、電流密度0.8mA/cm2の電流を15分間流して、電着された。電着層を、95%のArガスと5%のフォーミング・ガス[H2(10%)/N2]の混合ガスの中、990℃でアニールした。
【0064】
電着Y23/Ni−W上に電着したCeO2
この実施例では、双軸組織のCeO2をY23/Ni−W基材上に形成した。最初に、0.5gの臭化イットリウムを200mLのイソプロパノールに溶解した。Y23層は、室温(約22℃)の下、電流密度0.1mA/cm2の電流を30分間流して、電着によりNi−W基材上形成した。蒸着の間溶液を撹拌して、Y23/Ni−W基材を形成した。
【0065】
次いで、Y23/Ni−W基材上にCeO2を電着した。具体的には、0.5gの臭化セリウムと0.01gの臭化サマリウムを200mLの水に溶解した。Y23層は、電流密度0.26mA/cm2の電流を流して、電着された。電着層を、95%のArガスと5%のフォーミング・ガス[H2(10%)/N2]の混合ガスの中、990℃でアニールした。
【0066】
先に説明した実施例は、例示を目的とするものであって、限定する意図はないことに、留意されるものとする。その他、別の実施例と変更例も考慮されている。
【0067】
以上、多くの、例示としての観点と実施例について説明したが、当業者は、特定の修正、置換、追加およびそれらの組合せが可能であることを、理解するであろう。従って、添付特許請求の範囲、即ち以下で説明する特許請求の範囲は、そのような修正、置換、追加およびそれらの組合せが、その本質的な精神と範囲に含まれることを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】ここで説明した方法によって製造された、例示としての双軸組織の物体150である。
【図2a】Ni−W基材上に形成した、アニールCeO2とCeO2:SmのXRD走査による典型的な測定結果である。
【図2b】Ni−W基材上に形成した、アニールCeO2とCeO2:Smの(200)反射ω走査による典型的な測定結果である。
【図3a】Ni−W基材上に形成した、アニールCeO2とCeO2:Smのポールフィギュア走査の典型的な結果である。
【図3b】Ni−W基材上に形成した、アニールCeO2とCeO2:Smのポールフィギュア走査の典型的な結果である。
【図4a】Ni−W基材上に形成した、アニールCeO2とCeO2:Smのφ走査による典型的な測定結果である。
【図4b】Ni−W基材上に形成した、Ni−W基材のφ走査による典型的な測定結果である。
【図5a】CeO2とCeO2:Smの層のAFM像である。
【図5b】CeO2とCeO2:Smの層のAFM像である。
【図6a】CeO2:Sm層の走査電子顕微鏡写真である。
【図6b】CeO2:Sm層の走査電子顕微鏡写真である。
【図6c】CeO2:Sm層の走査電子顕微鏡写真である。
【図6d】CeO2:Sm層の走査電子顕微鏡写真である。
【図7a】YBCO/CeO2/YSZ/ED−CeO2/Ni−W構造を有する超伝導体の原子発光分光法(AES)による解析結果である。
【図7b】簡単な緩衝層構造の有効性を検証するためにED−CeO2/Ni−W基材上に直接形成した、YBCO超伝導体のAESによる解析結果を示す。
【図8】Ni−W基材上に電着したCYC/Ir緩衝層のXRDによる測定結果を示す代表的なダイアグラムである。
【図9a】Ni−W基材上に形成したCeO2層のポールフィギュア走査による代表的な測定結果である。
【図9b】Ni−W基材上に形成したYSZ層のポールフィギュア走査による代表的な測定結果である。
【図10a】CeO2層のφ走査による代表的な測定結果である。
【図10b】Ni−W基材上に形成されたYSZ層のφ走査による代表的な測定結果である。
【図11a】CeO2/YSZ/CeO2/Ir/Ni−Wの原子間力顕微鏡(AFM)写真である。
【図11b】CeO2/YSZ/Ir/Ni−Wの原子間力顕微鏡(AFM)写真である。
【図12a】Ni−W基材の、XRDのω走査による測定結果である。
【図12b】Ni−W基材の、XRDのφ走査による測定結果である。
【図12c】Ni−W基材上に電着したNiの、XRDのω走査による測定結果である。
【図12d】Ni−W基材上に電着したNiの、XRDのφ走査による測定結果である。
【図13a】ED−Ni/Ni−W上に形成したYBCO超伝導体の、XRDのω走査による代表的な測定結果である。
【図13b】ED−Ni/Ni−W上に形成したYBCO超伝導体の、XRDのφ走査による代表的な測定結果である。
【図14】PLDにより形成したYBCO/CYC/ED−Ni/Ni−W構造の臨界電流密度を、磁界の強度に対してプロットした図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に少なくとも1つの双軸組織層を製造する方法において、
前記基材上に、希土類、遷移金属、アクチニド、ランタニド、およびそれらの酸化物からなる群から選ばれた前駆体を電着する段階を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記前駆体は、CeO2、被ドープCeO2、La23、Ir、Ni−Ir、Ni、YSZ、Y23およびLa−Mn−Oからなる群から選ばれることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記基材は、双軸組織であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記基材は、Niを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記基材は、Ni−Wを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記前駆体は、CeO2であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記前駆体は、被ドープCeO2であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項8】
CeO2は、Sm、GdまたはZrでドープされることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項9】
電着Y23上にCeO2を電着する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項10】
電着は、約0.05〜25mA/cm2の範囲の電流密度においてであることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項11】
電着は、前記前駆体を含有した浴の撹拌中であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項12】
電着は、約20〜100℃の範囲においてであることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項13】
電着は、ほぼ室温においてであることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項14】
電着は、約1〜30分の間であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記双軸組織層を、約700〜1200℃でアニールする段階をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記双軸組織層を、混合ガス中でアニールする段階をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項17】
前記双軸組織層を、アニールする段階をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項18】
請求項1記載の工程にしたがって製造された双軸組織層を有することを特徴とする超伝導体。
【請求項19】
請求項1記載の工程にしたがって製造されたことを特徴とする双軸組織層物体。
【請求項20】
前記少なくとも1つの双軸組織層は、緩衝層であることを特徴とする請求項19記載の双軸組織層物体。
【請求項21】
前記少なくとも1つの双軸組織層は、双軸組織の緩衝層上に蒸着されることを特徴とする請求項19記載の双軸組織層物体。
【請求項22】
少なくとも1つの双軸組織層を有する超伝導体を製造する方法において、
前駆体を、希土類、遷移金属、アクチニド、ランタニド、およびそれらの酸化物からなる群から選ぶ段階と、
選択された前記前駆体を、双軸組織基材上に電着する段階とを含むことを特徴とする方法。
【請求項23】
電着を行う段階の間、前記前駆体を含有する浴を一定の速度で撹拌する段階をさらに含むことを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記電着前駆体を、熱的にアニールする段階をさらに含むことを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項25】
前記双軸組織基材はNi基であることを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項26】
前記前駆体は、CeO2、被ドープCeO2、La23、Ir、Ni−Ir、Ni、YSZ、Y23およびLa−Mn−Oからなる群から選ばれることを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項27】
双軸組織材において、
双軸組織基材と、
希土類、遷移金属、アクチニド、ランタニド、およびそれらの酸化物からなる群から選ばれた、少なくとも1つの双軸組織層とを有し、
前記少なくとも1つの双軸組織層は、前記双軸組織基材上に電着によって形成されることを特徴とする双軸組織材。
【請求項28】
前記少なくとも1つの双軸組織層は、緩衝層であることを特徴とする請求項27記載の双軸組織材。
【請求項29】
少なくとも1つの双軸組織層は、緩衝層上に電着されることを特徴とする請求項27記載の双軸組織材。
【請求項30】
前記双軸組織基材はNi基であることを特徴とする請求項27記載の双軸組織材。
【請求項31】
前記少なくとも1つの双軸組織層は、CeO2、被ドープCeO2、La23、Ir、Ni−Ir、Ni、YSZ、Y23およびLa−Mn−Oからなる群から選ばれることを特徴とする請求項27記載の双軸組織材。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図6d】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10a】
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【図10b】
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【図11a】
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【図11b】
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【図12a】
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【図12b】
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【図12c】
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【図12d】
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【図13a】
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【図13b】
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【図14】
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【公表番号】特表2009−503269(P2009−503269A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−524945(P2008−524945)
【出願日】平成17年8月1日(2005.8.1)
【国際出願番号】PCT/US2005/027263
【国際公開番号】WO2007/015692
【国際公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(500066207)ミッドウエスト リサーチ インスティチュート (4)
【Fターム(参考)】