基板の処理方法及びテンプレート

【課題】基板の所定位置に高い位置精度で処理液を供給し、当該基板を適切に処理する。
【解決手段】ウェハWのアライメント領域13上に純水Pを供給する(図9(a))。テンプレート20をウェハWの上方に配置する(図9(b))。純水PによってウェハWの処理領域12の上方にテンプレート20のめっき液流通路30が位置するように、テンプレート20とウェハWを位置調整する(図9(c))。テンプレート20を下方に移動させる(図9(d))。めっき液流通路30にめっき液Mを供給する(図9(e))。テンプレート20の第1の親水領域41と処理領域12との間にめっき液Mを充填する(図9(f))。めっき処理を行い、ウェハWの貫通電極10上にバンプ110を形成する(図9(g))。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板表面の処理領域に処理液を供給して所定の処理を行う基板の処理方法、及び当該基板の処理方法に用いられるテンプレートに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイス(以下、「デバイス」という)の製造においては、デバイスの高集積化が進んでいる。かかる状況下で、高集積化されたデバイスを水平面内に複数配置し、これらデバイスを配線で接続して製品化する場合、配線長が増大し、それにより配線の抵抗が大きくなること、また配線遅延が大きくなることが懸念される。
【0003】
そこで、デバイスを3次元に積層する3次元集積技術が提案されている。この3次元集積技術においては、例えば表面に複数の電子回路が形成された半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という)を貫通するように、例えば100μm以下の微細な径を有する電極、いわゆる貫通電極(TSV:Through Silicon Via)が複数形成される。そして、この貫通電極を介して、上下に積層されたデバイス(ウェハ)が電気的に接続される(特許文献1)。
【0004】
上述した貫通電極は、デバイスを適切に積層するため、高い位置精度で形成される必要がある。そこで、かかる貫通電極の形成には、例えば特許文献2に開示されためっき方法を用いることができる。この方法では、ウェハの表面にめっき液を液盛りし、液盛りしためっき液にマイクロプローブの先端を付着させ、当該マイクロプローブからウェハに電流を流すことによりめっき領域を制御している。
【0005】
また、ウェハ上の所定の位置(貫通電極が形成される位置)にめっきを行うため、ウェハの所定の位置に対応する位置に開口部が複数形成され、且つ当該開口部に連通するめっき液の流通路を備えたテンプレートを用いること提案されている(特許文献3)。この方法では、テンプレートをウェハ上に配置し、当該テンプレートの流通路と開口部を介してウェハ上にめっき液を供給することで、めっき液を所定の位置に供給している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−004722号公報
【特許文献2】特開2008−280558号公報
【特許文献3】特開2011−174140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献2の方法において、複数の微細な貫通電極を位置精度よく形成する場合、マイクロプローブを高い位置精度でプローブカードに整列配置させる必要がある。しかしながら、実際には、このようにマイクロプローブを高い位置精度で整列させることは技術的に困難である。このため、めっき液などの処理液を適切な位置に供給することができず、所定の位置に適切な処理を行うことができなかった。
【0008】
また、特許文献3の方法においても、テンプレートを介してウェハ上にめっき液を供給する際、テンプレートとウェハの位置合わせを行う必要があるが、この位置合わせは例えば機械的な移動機構によって行われる。かかる場合、ウェハ上には複数の微細な貫通電極が形成されるため、すべての開口部をウェハ上の所定の位置に位置合わせすることは困難である。このため、めっき液などの処理液を適切な位置に供給することができず、所定の位置に適切な処理を行うことができなかった。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、基板の所定位置に高い位置精度で処理液を供給し、当該基板を適切に処理することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の目的を達成するため、本発明は、基板表面の処理領域に処理液を供給して所定の処理を行う基板の処理方法であって、前記処理領域と異なる位置に形成された基板表面のアライメント領域に、アライメント液を供給するアライメント液供給工程と、その後、基板に対向して配置され、且つ前記処理液を流通させるための処理液流通路と、前記アライメント液を流通させるためのアライメント液流通路とが厚み方向に貫通して形成されたテンプレートを、前記アライメント領域に供給されたアライメント液によって、前記処理領域の上方に前記処理液流通路が位置するように基板に対して位置調整するアライメント工程と、その後、前記処理液流通路を介して前記処理領域に前記処理液を供給し、基板に所定の処理を行う処理工程と、を有することを特徴としている。
【0011】
本発明によれば、処理工程において基板の処理領域に処理液を供給する前に、アライメント工程において、基板のアライメント領域に供給されたアライメント液によって、基板に対するテンプレートの位置調整を行っている。アライメント工程では、アライメント領域上のアライメント液をテンプレートと基板との間に充填し、アライメント液の表面張力によって、テンプレートを移動させる復元力が当該テンプレートに作用する。この復元力によって、処理領域の上方に処理液流通路が位置するようにテンプレートが移動し、テンプレートと基板の位置調整が高精度で行われる。そうすると、その後の処理工程において、テンプレートの処理液流通路を介して、基板の所定の位置、すなわち処理領域に高い位置精度で適切に処理液を供給することができる。しかも、このアライメント工程は処理液とは別の構成要素であるアライメント液を用いて行われるので、例えば処理領域の面積が小さく、アライメント工程前にテンプレートの処理液流通路の位置と基板の処理領域の位置が全く対応していない場合でも、テンプレートと基板の位置調整を適切に行うことができる。以上のように本発明によれば、基板の所定位置に高い位置精度で処理液を供給することができ、当該処理液を用いて基板を適切に処理することができる。
【0012】
前記処理工程において、前記テンプレートを基板側に移動させた後、前記処理液流通路を介して前記処理領域に前記処理液を供給してもよい。
【0013】
前記処理領域と前記アライメント領域は、それぞれ親水性を有する親水領域であってもよい。
【0014】
前記親水領域の周囲には、溝部が形成されていてもよい。
【0015】
前記親水領域は、その周囲の領域に比して突起していてもよい。
【0016】
前記親水領域の周囲には、突起部が形成されていてもよい。
【0017】
前記親水領域の周囲には、疎水性を有する疎水領域が形成されていてもよい。
【0018】
前記テンプレートにおいて、前記処理領域と前記アライメント領域に対応する領域はそれぞれ親水性を有していてもよい。
【0019】
前記テンプレートにおいて基板に対向する面には、前記処理液流通路がその周囲よりも突起した他の突起部が形成されていてもよい。
【0020】
基板と前記テンプレートの相対位置を調整するための昇降機構を用いて、前記アライメント工程及び前記処理工程における基板と前記テンプレートとの間の間隔を調節してもよい。
【0021】
前記アライメント液供給工程において前記アライメント領域に前記アライメント液を供給した後、前記アライメント工程において前記テンプレートを基板に対向して配置し、当該テンプレートの基板に対する位置を調整してもよい。
【0022】
前記アライメント液供給工程において、前記テンプレートを基板に対向して配置し、前記アライメント液流通路を介して前記アライメント領域に前記アライメント液を供給してもよい。
【0023】
前記アライメント液は純水であってもよい。
【0024】
別な観点による本発明は、基板表面の処理領域に処理液を供給する際に用いられるテンプレートであって、厚み方向に貫通し、前記処理液を流通させるための処理液流通路と、厚み方向に貫通した流通路であって、前記処理領域と異なる位置に形成された基板表面のアライメント領域に供給されて、当該基板に対するテンプレートの位置調整するアライメント液を流通させるためのアライメント液流通路と、を有することを特徴としている。
【0025】
前記テンプレートにおいて、前記処理領域と前記アライメント領域に対応する領域はそれぞれ親水性を有する親水領域であってもよい。
【0026】
前記親水領域の周囲には、溝部が形成されていてもよい。
【0027】
前記親水領域は、その周囲の領域に比して突起していてもよい。
【0028】
前記親水領域の周囲には、突起部が形成されていてもよい。
【0029】
前記親水領域の周囲には、疎水性を有する疎水領域が形成されていてもよい。
【0030】
前記テンプレートにおいて基板に対向する面には、前記処理液流通路がその周囲よりも突起した他の突起部が形成されていてもよい。
【0031】
前記テンプレートは、基板と前記テンプレートの相対位置を調整するための昇降機構を有していてもよい。
【0032】
前記アライメント液は純水であってもよい。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、基板の所定位置に高い位置精度で処理液を供給し、当該基板を適切に処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本実施の形態にかかるウェハの処理方法を実施するためのウェハ処理装置の構成の概略を示す縦断面図である。
【図2】ウェハの構成の概略を示す縦断面図である。
【図3】ウェハの構成の概略を示す平面図である。
【図4】テンプレートの構成の概略を示す説明図である。
【図5】テンプレートの構成の概略を示す縦断面図である。
【図6】テンプレートの表面の構成の概略を示す平面図である。
【図7】テンプレートの裏面の構成の概略を示す平面図である。
【図8】ウェハ処理の主な工程を示すフローチャートである。
【図9】ウェハ処理の各工程におけるテンプレートとウェハの状態を模式的に示した説明図であり、(a)はウェハのアライメント領域上に純水を供給する様子を示し、(b)はウェハの上方にテンプレートを配置した状態を示し、(c)はテンプレートとウェハの位置調整を行った様子を示し、(d)はテンプレートを下方に移動させた様子を示し、(e)はめっき液流通路にめっき液を供給する様子を示し、(f)はテンプレートとウェハの間にめっき液が充填された様子を示し、(g)は貫通電極上にバンプが形成された様子を示している。
【図10】他の実施の形態にかかるウェハの構成の概略を示す縦断面図である。
【図11】他の実施の形態にかかるテンプレートの構成の概略を示す縦断面図である。
【図12】他の実施の形態にかかるウェハの構成の概略を示す縦断面図である。
【図13】他の実施の形態にかかるテンプレートの構成の概略を示す縦断面図である。
【図14】他の実施の形態にかかるウェハの構成の概略を示す縦断面図である。
【図15】他の実施の形態にかかるテンプレートの構成の概略を示す縦断面図である。
【図16】他の実施の形態にかかるウェハの構成の概略を示す縦断面図である。
【図17】他の実施の形態にかかるテンプレートの構成の概略を示す縦断面図である。
【図18】他の実施の形態にかかるテンプレートの構成の概略を示す縦断面図である。
【図19】他の実施の形態にかかるテンプレートの構成の概略を示す縦断面図である。
【図20】他の実施の形態にかかるウェハ処理の各工程におけるテンプレートとウェハの状態を模式的に示した説明図であり、(a)はウェハの上方にテンプレートを配置した状態を示し、(b)はテンプレートを下方に移動させた様子を示している。
【図21】他の実施の形態にかかるウェハ処理の各工程におけるテンプレートとウェハの状態を模式的に示した説明図であり、(a)はウェハの上方にテンプレートを配置した状態を示し、(b)はウェハのアライメント領域上に純水を供給する様子を示し、(c)はテンプレートとウェハの位置調整を行った様子を示している。
【図22】他の実施の形態にかかるウェハ処理の各工程におけるテンプレートとウェハの状態を模式的に示した説明図であり、(a)はウェハの上方にテンプレートを配置した状態を示し、(b)はウェハのアライメント領域上に純水を供給する様子を示している。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明で用いる図面において、各構成要素の寸法は、技術の理解の容易さを優先させるため、必ずしも実際の寸法に対応していない。
【0036】
図1は、本実施の形態にかかる、基板としてのウェハの処理方法を実施するための、ウェハ処理装置1の構成の概略を示す縦断面図である。なお、本実施の形態では、ウェハ処理として、ウェハに形成された貫通電極(3次元集積技術におけるTSV)上に処理液としてのめっき液を供給しめっき処理をして、例えばバンプを形成する処理について説明する。
【0037】
本実施の形態のウェハ処理装置1で処理されるウェハWには、図2に示すように、その表面Waから裏面Wbまで厚み方向に貫通した貫通電極10が複数形成されている。複数の貫通電極10は、図3に示すようにウェハWの表面Wa上の位置に整列されて形成されている。複数の整列された貫通電極10の電極群は、例えば半導体チップ単位でウェハWの表面Wa上に複数形成されている。なお、図3はウェハWの表面Waの一部を描画したものであり、ウェハWは平面視において略円形状を有している。
【0038】
ウェハWの表面Waには、図2及び図3に示すように各貫通電極10の周囲に環状の溝部11が形成されている。各溝部11の内側領域には、後述するようにめっき液が供給されてめっき処理が行われる処理領域12が形成されている。
【0039】
ここで、処理領域12内に供給されためっき液は、ある接触角を持って拡散するが、溝部11の縁部においてより大きな接触角を持つことになる。そうすると、めっき液は、溝部11を乗り越えることができず、処理領域12内にとどまる。このように溝部11がめっき液の広がりを抑える現象は、いわゆるピン止め効果として知られている。したがって、処理領域12は当該処理領域12の外側の表面Waと同質の表面を有するが、溝部11のピン止め効果により、処理領域12は見かけ上、処理領域12の外側の領域に比して親水性を有する親水領域として機能する。
【0040】
また、ウェハWの表面Waには、処理領域12と異なる位置にアライメント領域13が複数形成されている。アライメント領域13は、後述するようにアライメント液としての純水が供給されてテンプレート20とウェハWとの位置調整を行うための領域である。アライメント領域13は、例えばスクライブラインに形成される。スクライブラインとは、ウェハWが切断され複数の半導体チップに分割される際のラインのことである。ウェハWの表面Waには、貫通電極10に接続される電子回路や、電源用、接地用、アドレス等の信号用配線等を含むデバイス層(図示せず)が形成されているが、スクライブライン上、及びその周辺には、電子回路や配線等が形成されない。したがって、このアライメント領域13に純水が供給されても半導体チップに悪影響を及ぼすことはない。
【0041】
アライメント領域13は、処理領域12と同様に環状の溝部14の内側領域に形成された領域である。したがって、アライメント領域13も、溝部14のピン止め効果により、見かけ上、アライメント領域13の外側の領域に比して親水性を有する親水領域として機能する。
【0042】
なお、ウェハWにおいて、溝部11、14は、それぞれ例えば機械加工を行ったり、フォトリソグラフィー処理とエッチング処理を一括して行うことで形成され、高い位置精度で形成される。このため、溝部11、14を形成するに際し、特別なプロセスを必要としない。
【0043】
また、本実施の形態のウェハ処理装置1では、図4〜図7に示すように略円盤形状を有するテンプレート20が用いられる。テンプレート20には、例えばシリコン(Si)、炭化珪素(SiC)などが用いられる。
【0044】
テンプレート20には、図4及び図5に示すように、その表面20aから裏面20bまで厚み方向に貫通し、めっき液を流通させるための処理液流通路としてのめっき液流通路30が複数形成されている。各めっき液流通路30は、ウェハWに形成された貫通電極10に対応する位置に形成されている。また、テンプレート20には、その表面20aから裏面20bまで厚み方向に貫通し、純水を流通させるためのアライメント液流通路としての純水流通路31が複数形成されている。各純水流通路31は、ウェハW上に形成された処理領域12に対応する位置、すなわち処理領域12に純水を供給可能な位置に形成されている。
【0045】
テンプレート20の表面20aには、図6に示すように、各めっき液流通路30の周囲に環状の溝部40が形成されている。各溝部40の内側領域には、第1の親水領域41が形成されている。第1の親水領域41は、処理領域12に対応する位置に形成されている。また、第1の親水領域41は、溝部40のピン止め効果により、見かけ上、第1の親水領域41の外側の領域に比して親水性を有する親水領域として機能する。
【0046】
また、テンプレート20の表面20aには、純水流通路31の周囲に環状の溝部42が形成されている。各溝部42の内側領域には、第2の親水領域43が形成されている。第2の親水領域41は、アライメント領域13に対応する位置に形成されている。また、第2の親水領域43は、溝部41のピン止め効果により、見かけ上、第2の親水領域43の外側の領域に比して親水性を有する親水領域として機能する。
【0047】
さらに、テンプレート20の裏面20bには、図7に示すように、純水流通路31の周囲に環状の溝部44が形成されている。各溝部44の内側領域には、第3の親水領域45が形成されている。第3の親水領域45は、後述するように裏面20b上の純水が第3の親水領域45の外側の領域に拡散しないように形成される。そして、第3の親水領域45は、溝部41のピン止め効果により、見かけ上、第3の親水領域45の外側の領域に比して親水性を有する親水領域として機能する。特に、第3の親水領域45は、デバイス層などの形成されないテンプレート20の裏面20bに位置する為、その領域面積の調節幅が大きい。なお、後述するようにテンプレート20とウェハWの位置調整を行う際、裏面20b上に純水が流出しない場合は、第3の親水領域45はなくてもよい。
【0048】
なお、テンプレート20において、めっき液流通路30、純水流通路31、溝部40、42、44は、例えば機械加工を行ったり、フォトリソグラフィー処理とエッチング処理を一括して行うことで形成され、高い位置精度で形成される。
【0049】
図1に示すように本実施の形態のウェハ処理装置1は、その内部にウェハWを収容する処理容器50を有している。処理容器50内の底面には、ウェハWを載置する載置台51が設けられている。載置台51には、例えば真空チャックなどが用いられ、載置台51は、ウェハWの表面Waが上方を向いた状態で当該ウェハWを水平に載置することができる。
【0050】
載置台51の上方には、テンプレート20を保持する保持部材60が配置されている。保持部材60は、テンプレート20の表面20aが下方を向いた状態で当該テンプレート20を保持する。そして、保持部材60に保持されたテンプレート20は、その表面20aが載置台51上のウェハWの表面Waに対向するように配置される。
【0051】
保持部材60は、シャフト61を介して、処理容器50内の天井面に設けられた移動機構62に支持されている。テンプレート20と保持部材60は、この移動機構62により鉛直方向及び水平方向に移動可能になっている。
【0052】
処理容器50の内部であってテンプレート20の上方には、テンプレート20の裏面20b側からめっき液流通路30にめっき液を供給するめっき液供給部70が設けられている。めっき液供給部70は、移動機構(図示せず)によって鉛直方向及び水平方向に移動可能になっている。なお、めっき液供給部30には、種々の手段を用いることができるが、本実施の形態においてはめっき液を一時的に貯留して供給するポッドが用いられる。
【0053】
また、処理容器50の内部であって、テンプレート20とウェハWとの間には、ウェハW上に純水を供給する純水供給部71が設けられている。純水供給部71は、移動機構72によって鉛直方向及び水平方向に移動可能になっている。なお、純水供給部71には、種々の手段を用いることができるが、本実施の形態においては純水を吐出可能なノズルが用いられる。
【0054】
以上のウェハ処理装置1には、制御部100が設けられている。制御部100は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、ウェハ処理装置1における後述のウェハ処理を実現させるためのプログラムなどが格納されている。なお、上記プログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどのコンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、その記憶媒体から制御部100にインストールされたものであってもよい。
【0055】
次に、以上のように構成されたウェハ処理装置1を用いて行われるウェハWの処理について説明する。図8は、ウェハ処理の主な工程を示すフローチャートである。図9は、ウェハ処理の各工程におけるテンプレート20とウェハWの状態を模式的に示した説明図である。なお、図9では、技術の理解の容易さを優先させるため、テンプレート20の一部(一の処理領域12と一のアライメント領域13の近傍)とウェハWの一部(一の第1の親水領域41と一の第2の親水領域43の近傍)を示している。
【0056】
先ず、ウェハ処理装置1内において、テンプレート20が保持部材60に保持されると共に、ウェハWが載置台51に載置される。テンプレート20は、その表面20aが下方を向くように保持部材60に保持される。また、ウェハWは、その表面Waが上方を向くように載置台51に載置される。
【0057】
その後、図9(a)に示すように移動機構72によって純水供給部71をウェハWのアライメント領域13の上方に配置する。そして、純水供給部71からアライメント領域13上に所定量の純水Pを供給する(図8の工程S1)。なお、純水Pは、一枚のウェハWに対して、例えば13ml(ミリリットル)供給される。
【0058】
アライメント領域13上に所定量の純水Pが供給されると、その後、移動機構62によってテンプレート20の水平方向の位置を調整すると共に、テンプレート20を所定の位置まで下降させる。なお、移動機構62によるテンプレート20の位置調整は、例えば光学センサ(図示せず)を用いて行われる。そして、図9(b)に示すようにウェハWの上方にテンプレート20を配置する(図8の工程S2)。このとき、テンプレート20は、その第1の親水領域41の位置が処理領域12の位置に対応し、第2の親水領域43の位置がアライメント領域13の位置に対応するように配置される。なお、第1の親水領域41の位置と処理領域12の位置、及び第2の親水領域43の位置とアライメント領域13の位置は、それぞれ厳密に対応している必要はない。これらの位置が多少ずれている場合でも、後述する工程S3においてテンプレート20とウェハWの位置調整が行われる。
【0059】
また、工程S2において、テンプレート20とウェハW間の鉛直方向の間隔H1は、例えば50μm〜200μm、本実施の形態では100μmである。間隔H1がかかる間隔に維持されると、テンプレート20は、ウェハWに対して相対的に水平方向に移動可能になる。なお、間隔H1は、後述するようにテンプレート20が移動して、当該テンプレート20とウェハWの位置調整が行われる間隔である。ここで、後述するように第2の親水領域43とアライメント領域13との間に充填される純水Pの表面張力によって、テンプレート20に復元力が作用し、テンプレート20とウェハWの位置調整が行われる。間隔H1は、この復元力、すなわち純水Pの表面張力を確保するように設定される。具体的には、例えば供給する純水Pの供給量、アライメント領域13と第2の親水領域43の各面積、テンプレート20自体の重さ等によって、間隔H1を調節することが可能である。また、間隔H1が小さいほど、テンプレート20に作用する復元力は大きくなる。しかしながら、間隔H1が小さすぎる場合、テンプレート20とウェハWの少なくともいずれか一方が傾斜すると、テンプレート20とウェハWが接触するおそれがある。このため、間隔H1の下限値は50μmが好ましい。
【0060】
そして、工程S2では、アライメント領域13上の純水Pは、毛細管現象によってアライメント領域13内の端部まで水平方向に拡散すると共に、テンプレート20の純水流通路31を鉛直方向に上昇する。なお、純水Pは第2の親水領域43とアライメント領域13の間を拡散するが、溝部42、14のピン止め効果によって、純水Pが第2の親水領域43とアライメント領域13の外側の領域に拡散することはない。
【0061】
その後、上述した第2の親水領域43とアライメント領域13との間に充填された純水Pの表面張力によって、図9(c)に示すようにテンプレート20を移動させる復元力(図9(c)の矢印)がテンプレート20に作用する。そうすると、第1の親水領域41の位置と処理領域12の位置、及び第2の親水領域43の位置とアライメント領域13の位置がずれている場合でも、これらの領域が対向するようにテンプレート20が移動し、テンプレート20とウェハWの位置調整が行われる(図8の工程S3)。そして、貫通電極10の上方にめっき液流通路30が配置される。なお、説明の便宜上、工程S2と工程S3を順に説明したが、実際にはこれらの現象はほぼ同時に進行する。
【0062】
その後、図9(d)に示すように、例えば移動機構62によってテンプレート20を下方に移動させる(図8の工程S4)。このとき、テンプレート20とウェハW間の鉛直方向の間隔H2は、例えば5μmである。この間隔H2は、後述するように貫通電極11上に形成されるバンプの厚みによって決まる。一方、間隔H2が小さいほど、バンプを形成するためにめっき処理を行う時間を短縮できる。このため、テンプレート20を下方に移動させて、テンプレート20とウェハW間の間隔を小さくしているのである。そして、例えばレーザー変位計(図示せず)を用いてテンプレート20とウェハW間の間隔H2を計測し、間隔H2が5μmに達したときにテンプレート20の下方への移動を停止する。なお、テンプレート20を下方へ移動させる際には、移動機構62に代えて、例えばテンプレート20上に荷重をかける別の荷重機構(図示せず)を用いてもよい。また、テンプレート20が十分な自重を有する場合には、当該自重によってテンプレート20が下方に移動する。或いは、後述するようにテンプレート20の裏面20bに流出する純水Pの圧力によって、テンプレート20の下方への移動を制御してもよい。
【0063】
また、この工程S4において、純水流通路31内の純水Pはテンプレート20の裏面20bに流出する。流出した純水Pは、第3の親水領域45内を拡散する。なお、溝部44のピン止め効果によって、純水Pが第3の親水領域45の外側の領域に拡散することはない。換言すれば、第3の親水領域45の範囲は、純水流通路31から純水Pが最適量流出するように決定される。
【0064】
その後、図9(e)に示すようにめっき液供給部70を、テンプレート20の裏面20bにおけるめっき液流通路30上に配置する。めっき液供給部70には、めっき液供給源(図示せず)からめっき液Mが供給される。そして、めっき液供給部70からめっき液流通路30にめっき液Mが供給される(図8の工程S5)。そうすると、めっき液流通路30が微細な径を有しているため、供給されためっき液Mは毛細管現象によってめっき液流通路30内を流通する。なお、めっき液Mには種々のめっき液を用いることができる。本実施の形態では、例えばCuSO五水和物と硫酸のめっき液Mが用いられる場合について説明するが、めっき液Mには、例えば硝酸銀、アンモニア水及びグルコースからなるめっき液や、無電解銅めっき液などを用いてもよい。
【0065】
めっき液Mがめっき液流通路30の端部まで流通すると、図9(f)に示すようにめっき液Mは、さらに毛細管現象によって水平方向に拡散する。すなわち、めっき液Mは、テンプレート20の第1の親水領域41とウェハWの処理領域12との間に進入する。こうして、第1の親水領域41と処理領域12との間にめっき液Mが充填される(図8の工程S6)。なお、純水Pは第1の親水領域41と処理領域12との間を拡散するが、溝部40、11のピン止め効果によって、めっき液Mが第1の親水領域41と処理領域12の外側の領域に拡散することはない。
【0066】
その後、電源装置(図示せず)によって第1の親水領域41と処理領域12との間のめっき液Mに電圧が印加される。そうすると、めっき液Mが反応し、貫通電極10上にめっき処理が行われる(図8の工程S7)。そして、図9(g)に示すように貫通電極10上にバンプ110が形成される。
【0067】
以上の実施の形態によれば、工程S5及び工程S6においてウェハWの処理領域12にめっき液Mを供給する前に、工程S1〜工程S3において、テンプレート20の第2の親水領域43とウェハWのアライメント領域13との間に供給された純水Pによって、ウェハWに対するテンプレート20の位置調整を行っている。すなわち、第2の親水領域43とアライメント領域13との間に充填された純水Pの表面張力によって、テンプレート20に復元力を作用させ、貫通電極10の上方にめっき液流通路30が位置するようにテンプレート30を移動させる。このようにテンプレート20とウェハWの位置調整を高精度で行うことができるので、その後の工程S5及び工程S6において、ウェハWの処理領域12に高い位置精度で適切にめっき液Mを供給することができる。したがって、本実施の形態によれば、ウェハWの所定位置に高い位置精度でめっき液Mを供給することができ、当該めっき液Mを用いてウェハWの貫通電極10上に適切にめっき処理することができる。
【0068】
ここで、発明者らは、テンプレート20とウェハWの位置調整を行うに際し、本発明のように純水Pを用いずに、テンプレート20のめっき液流通路30から供給されためっき液Mを用いることを試みた。すなわち、処理領域12をアライメント領域としても機能させ、めっき液Mをアライメント液として用いることを試みた。
【0069】
かかる場合、貫通電極10の径は微小であって、当該貫通電極10を囲む処理領域12は小さい領域であるため、処理領域12上のめっき液Mの表面張力を十分に確保できない。そうすると、テンプレート20に作用する復元力が小さくなり、テンプレート20が適切な位置に移動しない。したがって、テンプレート20とウェハWの位置調整を適切に行うことができない。また、めっき液Mを用いてテンプレート20とウェハWの位置調整を行う場合、めっき液MをウェハW上に供給する際には、少なくとも、めっき液流通路30と貫通電極10がある程度オーバーラップしている必要がある。しかしながら、特に半導体デバイスの微細化が進行してウェハWの貫通電極10も微細化すると、オーバーラップさせることが困難になる。
【0070】
この点、本実施の形態では、テンプレート20とウェハWの位置調整は、大きい面積を有するアライメント領域13に供給される純水Pを用いて行われるので、純水Pの表面張力を十分に確保することができる、したがって、テンプレート20に作用する復元力を大きくでき、テンプレート20とウェハWの位置調整を適切に行うことができる。また、めっき液Mとは別の構成要素である純水Pを用いて位置調整が行われるので、貫通電極10の径が微小で処理領域12の面積が小さく、テンプレート20のめっき液流通路30の位置と処理領域12の位置が全く対応していない場合でも、テンプレート20とウェハWの位置調整を適切に行うことができる。
【0071】
また、アライメント液として用いられる純水Pは大きい表面張力を有するので、テンプレート20に大きい復元力を作用させることができる。このため、テンプレート20とウェハWの位置調整をより適切に行うことができる。しかも、純水Pを用いた場合、その後、テンプレート20とウェハWと間に供給された純水Pを洗浄する必要がないので、ウェハ処理のスループットを向上させることもできる。
【0072】
また、工程S3においてテンプレート20とウェハW間の間隔H1を100μmにしているので、テンプレート20とウェハWを接触させることなく、当該テンプレート20とウェハWを適切に位置調整できる。その後、工程S4においてテンプレート20を下方に降下させて、テンプレート20とウェハW間の間隔H2を5μmにしている。このため、めっき液Mを用いて貫通電極10上にバンプ110を形成する際にも、めっき処理を短時間で行うことができる。したがって、ウェハ処理のスループットをより向上させることができる。
【0073】
また、ウェハWの処理領域12、アライメント領域13、テンプレート20の第1の親水領域41、第2の親水領域43、第3の親水領域45は、それぞれ見かけ上、親水性を有している。すなわち、これら領域12、13、41、43、45は、それぞれ溝部11、14、40、42、44のピン止め効果によって、めっき液Mや純水Pが当該領域12、13、41、43、45の外側の領域には拡散しない。したがって、めっき液Mや純水Pが所望の領域以外に拡散することがなく、テンプレート20とウェハWの位置調整を適切に行い、ウェハWの貫通電極10上にめっき処理を適切に行うことができる。
【0074】
以上の実施の形態では、処理領域12、アライメント領域13、第1の親水領域41、第2の親水領域43、第3の親水領域45は、それぞれ溝部11、14、40、42、44によって親水領域を形成していたが、他の方法で親水領域を形成してもよい。
【0075】
例えばピン止め効果によって親水領域を形成するためには、親水領域とその周囲の領域に段差が生じていればよく、段差構造は溝部の形成に限られない。例えば図10に示すようにウェハW上の処理領域12とアライメント領域13を、その周囲の領域に比して突起させてもよい。かかる場合、処理領域12、アライメント領域13にそれぞれ供給されためっき液M、純水Pの拡散は、ピン止め効果によって処理領域12、アライメント領域13の肩部で止まる。したがって、処理領域12とアライメント領域13を、見かけ上、親水領域にすることができる。
【0076】
テンプレート20については、図11に示すように第1の親水領域41、第2の親水領域43、第3の親水領域45を、その周囲の領域に比して突起させてもよい。かかる場合、第1の親水領域41、第2の親水領域43、第3の親水領域45にそれぞれ供給されためっき液M、純水Pの拡散は、ピン止め効果によって第1の親水領域41、第2の親水領域43、第3の親水領域45の肩部で止まる。したがって、第1の親水領域41、第2の親水領域43、第3の親水領域45を、見かけ上、親水領域にすることができる。
【0077】
また、例えば図12に示すようにウェハW上の処理領域12(貫通電極10)の周囲とアライメント領域13の周囲に、それぞれ突起部200を形成してもよい。かかる場合、処理領域12、アライメント領域13にそれぞれ供給されためっき液M、純水Pの拡散は、ピン止め効果によって突起部200の肩部で止まる。したがって、処理領域12とアライメント領域13を、見かけ上、親水領域にすることができる。
【0078】
テンプレート20については、図13に示すように第1の親水領域41(めっき液流通路30)の周囲と、第2の親水領域43及び第3の親水領域45(純水流通路31)の周囲に、それぞれ突起部210を形成してもよい。かかる場合、第1の親水領域41、第2の親水領域43、第3の親水領域45にそれぞれ供給されためっき液M、純水Pの拡散は、ピン止め効果によって突起部210の肩部で止まる。したがって、第1の親水領域41、第2の親水領域43、第3の親水領域45を、見かけ上、親水領域にすることができる。
【0079】
このように処理領域12、アライメント領域13、第1の親水領域41、第2の親水領域43、第3の親水領域45を突起させたり、突起部200、210を形成する方法は、特にウェハWの表面Waに重要な薄膜があって、十分な深さの溝部11、14、40、42、44を形成することができない場合に有用になるのである。また、これらの領域の突起や突起部200、210は、CVDなどで形成した薄膜をリソグラフィー技術でパターニングすれば得ることができる。
【0080】
なお、ピン止め効果を得るために、溝部11、14、40、42、44や突起部200、210を形成したり、或いは処理領域12、アライメント領域13、第1の親水領域41、第2の親水領域43、第3の親水領域45を突起させる場合は、必要に応じて、後述するウェハWの表面Waやテンプレート20の表面20a及び裏面20bの親水化処理、疎水化処理を組み合わせても構わない。組み合わせることにより、より確実に液面の拡がりを規定することができる。
【0081】
また、例えばウェハWの表面20aとテンプレート20の表面20a及び裏面20bを改質することで、親水領域を形成してもよい。例えば図14に示すようにウェハWの表面Waにおいて、処理領域12とアライメント領域13がそれ以外の領域に比して親水性を有する。処理領域12とアライメント領域13を形成するに際しては、所定の領域の表面Waを親水化処理してもよいし、それ以外の領域の表面Waを疎水化処理してもよいし、さらにこれら親水化処理と疎水化処理を共に行ってもよい。
【0082】
テンプレート20についても、図15に示すようにその表面20aにおいて、第1の親水領域41と第2の親水領域43がそれ以外の領域に比して親水性を有し、裏面20bにおいて、第3の親水領域45がそれ以外の領域に比して親水性を有する。第1の親水領域41、第2の親水領域43、第3の親水領域45を形成するに際しては、所定の領域の表面20a、裏面20bを親水化処理してもよいし、それ以外の領域の表面20a、裏面20bを疎水化処理してもよいし、さらにこれら親水化処理と疎水化処理を共に行ってもよい。
【0083】
また、テンプレート20において、めっき液流通路30と純水流通路31の内側面にも、それぞれ親水性を有する第4の親水領域220と第5の親水領域221が形成されている。第4の親水領域220と第5の親水領域221を形成するに際しては、それぞれめっき液流通路30と純水流通路31を親水化処理する。このようにめっき液流通路30と純水流通路31の内側面を親水化することで、めっき液Mと純水Pの流通をより円滑にすることができる。
【0084】
また、例えば図16に示すようにウェハWの処理領域12の周囲とアライメント領域13の周囲に、それぞれ環状の疎水領域230を形成してもよい。同様に図17に示すように第1の親水領域41の周囲と、第2の親水領域43、第3の親水領域45の周囲に、それぞれ環状の疎水領域240を形成してもよい。かかる場合、疎水領域230、240の内側領域に供給されためっき液M、純水Pは、それぞれ疎水領域230、240が境界になるようにして液面が広がる。したがって、処理領域12、アライメント領域13、第1の親水領域41、第2の親水領域43、第3の親水領域45を、見かけ上、親水領域にすることができる。疎水領域230、240は広い面積を持つ必要がなく、所望の親水領域41、43、45を囲っていれば十分なので、ウェハWの表面Wa、テンプレート20の表面20a及び裏面20bの加工領域を少なくすることができる。
【0085】
以上のように、図10〜図17のいずれの場合においても、処理領域12、アライメント領域13、第1の親水領域41、第2の親水領域43、第3の親水領域45を親水領域にすることができるので、めっき液Mや純水Pが所望の領域以外に拡散することがなく、テンプレート20とウェハWの位置調整を適切に行い、ウェハWの貫通電極10上にめっき処理を適切に行うことができる。
【0086】
以上の実施の形態では、ウェハWの処理領域12とテンプレート20の第1の親水領域41を親水領域にしていたが、これらの親水領域に代えて、図18に示すようにテンプレート20の表面20aに他の突起部としての突起部250を形成してもよい。突起部250は、めっき液流通路30に対応する位置に形成されている。すなわち、めっき液流通路30は、突起部250の内部を挿通し、周囲の表面20aよりも突起している。なお、突起部250は、テンプレート20の内部に両端部が開口した配管を埋設することによって形成してもよいし、或いは突起部250の周囲を研磨することで当該突起部250を形成してもよい。また、ウェハWとテンプレート20には、上記実施の形態と同様に、アライメント領域13、第2の親水領域43、第3の親水領域45がそれぞれ形成されている。
【0087】
かかる場合、工程S5において、めっき液流通路30にめっき液Mが供給されると、毛細管現象によってめっき液Mはめっき液流通路30を流通し、テンプレート20とウェハWとの間に進入する。このとき、めっき液流通路30から流出しためっき液Mは、突起部250のピン止め効果によって、その水平方向の拡がりが抑制されてウェハW上に供給される。したがって、めっき液Mは、貫通電極10上のみに高い位置精度で供給される。なお、その他の工程S1〜S4、S7については、上記実施の形態の工程S1〜S4、S7と同様であるので説明を省略する。
【0088】
以上のように本実施の形態によれば、処理領域12と第1の親水領域41を形成することなく、めっき液Mを貫通電極10上に適切に供給することができる。したがって、後続の工程S7におけるめっき処理を適切に行うことができる。また、ウェハWの表面Waに回路等が密集して形成されており、当該表面Waに処理領域12を形成できない場合に、本実施の形態は特に有用である。なお、本実施の形態では、テンプレート20のめっき液流通路30に対応する位置に突起部250を形成したが、純水流通路31に対応する位置に同様の突起部を形成してもよい。かかる場合、テンプレート20の突起部から供給される純水によって、テンプレート20とウェハWの位置調整が行われる。
【0089】
以上の実施の形態のテンプレート20は、図19に示すようにテンプレート20とウェハWの相対位置を調整するための昇降機構260を有していてもよい。昇降機構260は、テンプレート20の表面20aにおける外周部に複数設けられている。また、昇降機構260には、例えば伸縮自在の昇降ピンが用いられる。
【0090】
かかる場合、工程S2においてウェハWの上方にテンプレート20を配置する際、図20(a)に示すようにテンプレート20とウェハWとの間を昇降機構260によって支持する。そして、昇降機構260によって、テンプレート20とウェハW間の間隔H1を適切な間隔、例えば50μm〜200μmに維持する。この段階ではテンプレート20は昇降機構260に支えられているので、昇降機構260がない場合に比べて、より精密に水平な状態を維持することができる。次に昇降機構260の縮小を開始する。昇降機構260の縮小が開始されると、テンプレート20は純水Pのみで支えられる状態になり、工程S3のテンプレート20とウェハWの位置調整が進行する。同時に、テンプレート20の自重によりテンプレート20が下方に移動し、純水Pが純水流通路31を通って第3の親水領域45に広がる。テンプレート昇降機構260の高さがH2に達すると、図20(b)に示すように、再びテンプレート20が昇降機構260によって支持される状態になる。テンプレート20とウェハW間の間隔H2を適切な間隔、例えば5μmに維持することができるのである。なお、その他の工程S1、S5〜S7については、上記実施の形態のS1、S5〜S7と同様であるので説明を省略する。
【0091】
本実施の形態によれば、昇降機構260によってテンプレート20とウェハW間の間隔H1、H2をそれぞれ適切な間隔に制御できるので、テンプレート20とウェハWの位置調整とめっき処理を適切に行うことができる。また、間隔H1、H2が微小で、且つテンプレート20の自重が大きいと、めっき液M、純水Pだけでは、これら間隔H1、H2を適切に維持できない場合がある。かかる場合において、昇降機構260によって間隔H1、H2を物理的に維持することができる本実施の形態は特に有用である。
【0092】
以上の実施の形態では、工程S1においてウェハWのアライメント領域13に純水Pを供給した後、工程S2においてウェハWの上方にテンプレート20を配置していたが、ウェハW上にテンプレート20を配置した後、アライメント領域13に純水Pを供給してもよい。
【0093】
かかる場合、先ず、図21(a)に示すとおりテンプレート20の表面20aとウェハWの表面Waを重ね合せるように、ウェハW上にテンプレート20を配置する。
【0094】
その後、図21(b)に示すように純水Pを一時的に貯留して供給する純水供給部270を、テンプレート20の裏面20bにおける純水流通路31上に配置する。純水供給部270には、純水供給源(図示せず)から純水Pが供給される。そして、純水供給部270から純水流通路31に純水Pが供給される。そうすると、純水流通路31が微細な径、例えば100μmを有しているため、供給された純水Pは毛細管現象によって純水流通路31内を流通する。
【0095】
純水Pが純水流通路31の端部まで流通すると、さらに毛細管現象によって水平方向に拡散する。すなわち、純水Pは、第2の親水領域43とアライメント領域13との間に進入する。こうして、第2の親水領域43とアライメント領域13との間に純水Pが充填される。なお、純水Pは第2の親水領域43とアライメント領域13との間を拡散するが、溝部42、14のピン止め効果によって、純水Pが第2の親水領域43とアライメント領域13の外側の領域に拡散することはない。
【0096】
またこのとき、第2の親水領域43とアライメント領域13との間に充填された純水Pの表面張力等によって、テンプレート20がウェハWに対して浮上する。そして、テンプレート20とウェハWとの間に所定の間隔H1の隙間が形成される。そうすると、テンプレート20は、ウェハWに対して相対的に水平方向に移動可能になる。なおこのとき、テンプレート20とウェハWとの間において純水Pの外部に露出する面で働くラプラス圧により流体全体に圧力が波及する。この圧力は、パスカルの原理として、テンプレート20がウェハWに対して浮上しようとする力として作用している。
【0097】
その後、工程S3において、上述した第2の親水領域43とアライメント領域13との間に充填された純水Pの表面張力によって、図21(c)に示すようにテンプレート20を移動させる復元力(図21(c)の矢印)がテンプレート20に作用する。そして、この復元力によってテンプレート20とウェハWの位置調整が行われる。なお、その後の工程S4〜S7については、上記実施の形態のS4〜S7と同様であるので説明を省略する。
【0098】
本実施の形態によっても、ウェハWの処理領域12にめっき液Mを供給する前に、第2の親水領域43とアライメント領域13との間に供給された純水Pによって、テンプレート20とウェハWの位置調整を適切に行うことができる。したがって、ウェハWの処理領域12に高い位置精度でめっき液Mを供給することができ、当該めっき液Mを用いてウェハWを適切にめっき処理することができる。
【0099】
なお、本実施の形態においても、テンプレート20に昇降機構260を設けてもよい。かかる場合、先ず、図22(a)に示すようにテンプレート20をウェハWの上方に配置する際、当該テンプレート20とウェハWとの間を昇降機構260によって支持する。そして、昇降機構260によって、テンプレート20とウェハW間の間隔H1を適切な間隔、例えば50μm〜200μmに維持する。次に、図22(b)に示すように純水供給部270により純水流通路31に純水Pを供給し、第2の親水領域43とアライメント領域13との間に純水Pを充填する。続いて、昇降機構260を縮小させてテンプレート20を純水Pのみで支える状態をつくる。その後、工程S3において、上述した第2の親水領域43とアライメント領域13との間に充填された純水Pの表面張力によって、テンプレート20を移動させる復元力がテンプレート20に作用する。そして、この復元力によってテンプレート20とウェハWの位置調整が行われる。なお、その後の工程S4〜S7については、上記実施の形態のS4〜S7と同様であるので説明を省略する。
【0100】
本実施の形態によれば、昇降機構260を用いてテンプレート20とウェハW間の間隔を調整できるので、テンプレート20が浮上するまでの時間を短縮することができる。このため、ウェハ処理のスループットを向上させることができる。
【0101】
また、例えば間隔H1が微小で、且つテンプレート20の自重が大きいと、純水Pだけではこの間隔H1を適切に維持できない場合がある。かかる場合において、本実施の形態のように、昇降機構260によってテンプレート20とウェハW間の間隔を物理的に調整することは特に有用である。
【0102】
以上の実施の形態では、ウェハ処理として、ウェハWの貫通電極10上にバンプ110を形成するめっき処理について説明したが、本発明は他のウェハ処理にも適用することができる。例えばウェハWの貫通孔にめっき処理を行い、当該貫通孔内に貫通電極10を形成する際にも本発明を適用することができる。
【0103】
また、めっき液以外の他の処理液を用いて、ウェハWにめっき処理以外の他の処理を行う際にも本発明を適用することができる。例えば他の処理液としてエッチング液を用いて、本発明の方法でウェハWにエッチング処理を行ってもよい。また、他の処理液として絶縁膜形成用溶液、例えば電着ポリイミド溶液を用いて、ウェハWの孔部内に絶縁膜を形成してもよい。さらに、他の処理液として洗浄液や純水を用いて、ウェハWを洗浄してもよい。
【0104】
以上の実施の形態では、アライメント液として純水Pを用いたが、他のアライメント液、例えばめっき液やエッチング液等を用いてもよい。
【0105】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0106】
1 ウェハ処理装置
10 貫通電極
11 溝部
12 処理領域
13 アライメント領域
14 溝部
20 テンプレート
20a 表面
20b 裏面
30 めっき液流通路
31 純水流通路
40 溝部
41 第1の親水領域
42 溝部
43 第2の親水領域
44 溝部
45 第3の親水領域
100 制御部
110 バンプ
200 突起部
210 突起部
220 第4の親水領域
221 第5の親水領域
230 疎水領域
240 疎水領域
250 突起部
260 昇降機構
M めっき液
P 純水
W ウェハ
Wa 表面
Wb 裏面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板表面の処理領域に処理液を供給して所定の処理を行う基板の処理方法であって、
前記処理領域と異なる位置に形成された基板表面のアライメント領域に、アライメント液を供給するアライメント液供給工程と、
その後、基板に対向して配置され、且つ前記処理液を流通させるための処理液流通路と、前記アライメント液を流通させるためのアライメント液流通路とが厚み方向に貫通して形成されたテンプレートを、前記アライメント領域に供給されたアライメント液によって、前記処理領域の上方に前記処理液流通路が位置するように基板に対して位置調整するアライメント工程と、
その後、前記処理液流通路を介して前記処理領域に前記処理液を供給し、基板に所定の処理を行う処理工程と、を有することを特徴とする、基板の処理方法。
【請求項2】
前記処理工程において、前記テンプレートを基板側に移動させた後、前記処理液流通路を介して前記処理領域に前記処理液を供給することを特徴とする、請求項1に記載の基板の処理方法。
【請求項3】
前記処理領域と前記アライメント領域は、それぞれ親水性を有する親水領域であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の基板の処理方法。
【請求項4】
前記親水領域の周囲には、溝部が形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の基板の処理方法。
【請求項5】
前記親水領域は、その周囲の領域に比して突起していることを特徴とする、請求項3に記載の基板の処理方法。
【請求項6】
前記親水領域の周囲には、突起部が形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の基板の処理方法。
【請求項7】
前記親水領域の周囲には、疎水性を有する疎水領域が形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の基板の処理方法。
【請求項8】
前記テンプレートにおいて、前記処理領域と前記アライメント領域に対応する領域はそれぞれ親水性を有することを特徴とする、請求項3〜7のいずれかに記載の基板の処理方法。
【請求項9】
前記テンプレートにおいて基板に対向する面には、前記処理液流通路がその周囲よりも突起した他の突起部が形成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の基板の処理方法。
【請求項10】
基板と前記テンプレートの相対位置を調整するための昇降機構を用いて、前記アライメント工程及び前記処理工程における基板と前記テンプレートとの間の間隔を調節することを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の基板の処理方法。
【請求項11】
前記アライメント液供給工程において前記アライメント領域に前記アライメント液を供給した後、前記アライメント工程において前記テンプレートを基板に対向して配置し、当該テンプレートの基板に対する位置を調整することを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の基板の処理方法。
【請求項12】
前記アライメント液供給工程において、前記テンプレートを基板に対向して配置し、前記アライメント液流通路を介して前記アライメント領域に前記アライメント液を供給することを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の基板の処理方法。
【請求項13】
前記アライメント液は純水であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の基板の処理方法。
【請求項14】
基板表面の処理領域に処理液を供給する際に用いられるテンプレートであって、
厚み方向に貫通し、前記処理液を流通させるための処理液流通路と、
厚み方向に貫通した流通路であって、前記処理領域と異なる位置に形成された基板表面のアライメント領域に供給されて、当該基板に対するテンプレートの位置調整するアライメント液を流通させるためのアライメント液流通路と、を有することを特徴とする、テンプレート。
【請求項15】
前記テンプレートにおいて、前記処理領域と前記アライメント領域に対応する領域はそれぞれ親水性を有する親水領域であることを特徴とする、請求項14に記載のテンプレート。
【請求項16】
前記親水領域の周囲には、溝部が形成されていることを特徴とする、請求項15に記載のテンプレート。
【請求項17】
前記親水領域は、その周囲の領域に比して突起していることを特徴とする、請求項15に記載のテンプレート。
【請求項18】
前記親水領域の周囲には、突起部が形成されていることを特徴とする、請求項15に記載のテンプレート。
【請求項19】
前記親水領域の周囲には、疎水性を有する疎水領域が形成されていることを特徴とする、請求項15に記載のテンプレート。
【請求項20】
前記テンプレートにおいて基板に対向する面には、前記処理液流通路がその周囲よりも突起した他の突起部が形成されていることを特徴とする、請求項14に記載のテンプレート。
【請求項21】
基板と前記テンプレートの相対位置を調整するための昇降機構を有することを特徴とする、請求項14〜20のいずれかに記載のテンプレート。
【請求項22】
前記アライメント液は純水であることを特徴とする、請求項14〜21のいずれかに記載のテンプレート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−108111(P2013−108111A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252214(P2011−252214)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】