基板エッチング装置及びこれを利用した基板エッチング方法
【課題】太陽電池、半導体素子または平板表示装置の基板の縁をエッチングするに際し、複数の基板を一度に処理し生産性の高い基板の縁のエッチング装置、エッチング方法を提供する。
【解決手段】エッチング装置100、エッチング方法は、反応空間を形成するチャンバー110と;チャンバーの内部に設置されて複数の基板安置部122が定義される基板安置台120と;基板安置台の上部に設置されて、内部に中空部を具備し、底面で基板安置部と対応する位置に複数の貫通部132を具備するガス供給手段133と;貫通部の面積より小さい断面積を有して貫通部に挿入される本体部と、本体部に突出形成されて貫通部の縁に据置きされる係止段142を有する複数の基板遮へい部材140を含み、基板遮へい部材の本体部が複数の基板安置部に安置された各基板の中央部を遮って縁のみを露出させたまま基板の縁に対するエッチング工程を行う。
【解決手段】エッチング装置100、エッチング方法は、反応空間を形成するチャンバー110と;チャンバーの内部に設置されて複数の基板安置部122が定義される基板安置台120と;基板安置台の上部に設置されて、内部に中空部を具備し、底面で基板安置部と対応する位置に複数の貫通部132を具備するガス供給手段133と;貫通部の面積より小さい断面積を有して貫通部に挿入される本体部と、本体部に突出形成されて貫通部の縁に据置きされる係止段142を有する複数の基板遮へい部材140を含み、基板遮へい部材の本体部が複数の基板安置部に安置された各基板の中央部を遮って縁のみを露出させたまま基板の縁に対するエッチング工程を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の縁をエッチングする装置及び方法に関するものであって、具体的には2以上の基板(特に太陽電池用基板)を一度に処理することができる新しい概念の基板の縁のエッチング装置及びこれを利用したエッチング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池は、PN接合半導体の内部で太陽光により励起された少数キャリアにより起電力を発生させる素子である。このような太陽電池を製造することに用いられる半導体には単結晶シリコン、多結晶シリコン、非晶質シリコン、化合物半導体等がある。
【0003】
単結晶シリコンがエネルギー変換効率が最も良いが価格が高い短所のため多結晶シリコンがさらに多く用いられて、最近には非晶質シリコンや化合物半導体等の薄膜をガラスやプラスチック等の値段が安い基板に蒸着することによって非常に低廉に製造することができる薄膜型太陽電池も多く用いられている。
【0004】
以下では図1の工程順序図及び図2Aないし図2Eの工程断面図を参照して結晶質シリコン太陽電池を製造する一般的な方法を説明する。
【0005】
まず図2Aに示したように結晶質シリコン基板10を準備して、塩基または酸溶液を利用した湿式エッチングを介して基板切断過程で発生した損傷を除去する。本明細書では便宜上p型基板10を利用して太陽電池を製造する過程を説明する。p型基板の代わりにn型基板が利用されることができることはもちろんである(st11、図2A)。
【0006】
続いて光吸収率を高めるために基板10の表面に対してテクスチャリング(texturing
)工程を実施する。テクスチャリングは基板10の表面に所定形状の微細な凹凸を形成する工程であって、凹凸状は主にピラミッド形態であるものが望ましい。テクスチャリングは一般的に塩基または酸溶液を利用した湿式エッチング(wet etching)やプラズマを利
用した乾式エッチング(dry etching)を介して行われる(st12)。
【0007】
テクスチャリング工程以後にはPN接合構造を形成するためにp型基板10にn型ドーパント(dopant)を拡散させる。
【0008】
主に利用される方法は、高温拡散(thermal diffusion)法であって、p型基板10を
高温の拡散炉の内部に安置させた状態でPOCl3、PH3等のn型ドーパント含有ガスを供給するとn型ドーパントがp型基板10の内部に拡散しながら図2Bに示したようにn+ドーピング層12が形成される(st13、図2B)。
【0009】
このような高温拡散工程(st13)は、通常800℃以上の高温で進行されるが、この程度の高温では基板10の表面にPSG(Phosphor-Silicate Glass)のような副産物
が形成される。ところがPSGは電池の電流を遮蔽させる役割をするため電池効率を高めるために必ず除去しなければならない。主にエッチング溶液を利用した湿式エッチングを介して除去する。
【0010】
もしもn型基板にホウ素(B)を含むp型ドーパントを拡散させる場合にはBSG(Boro-Silicate Glass)が生成されるが、BSGも電池の効率を低下させる役割をするので同
じ方法で除去しなければならない(st14)。
【0011】
一方、拡散工程(ST13)では図2Bに示したように基板10のエッジ部分でもn+ドーピング層12が形成される。ところがエッジ部分のドーピング層12を介しては前面電極と後面電極間の漏れ電流が発生するので電池の効率を高めるためには図2Cに示したように基板10のエッジに形成されたn+ドーピング層12を除去しなければならない。
【0012】
このような工程をエッジアイソレイション(edge isolation)といっており、具体的にはレーザを利用してエッジ部分を切断したり湿式エッチングを介してエッジ部分をエッチングする。但し、エッジアイソレイション工程はPSG除去をする前に遂行したり太陽電池を完成してテストを遂行する直前に進行されることができる(st15、図2C)。
【0013】
続いて図2Dに示したようにn+ドーピング層12の上部に反射防止膜14を形成する。特にSiN薄膜を反射防止膜14として形成すれば太陽光の吸収率を高める役割だけでなく基板の表面保護膜(surface passivation)と水素保護膜(hydrogen passivation)
の役割も遂行する。SiN薄膜はプラズマ強化化学気相蒸着(PECVD)法を介して形成され、スパッタ法を通じてでも蒸着されることができる(st16、図2D)。
【0014】
SiNを利用して反射防止膜14を形成した以後には基板10の前面と後面に導電物質を利用して電極を形成しなければならない。
【0015】
このために基板10の前面と後面にAlまたはAgを含んだ導電性ペーストをスクリーンプリンティング技法を利用して所定パターンで塗布して、前記基板10を高温のファーネス(furnace)で焼結(sintering)させる。
【0016】
導電性ペーストが焼結されながら図2Eに示したように基板10の前面と後面にそれぞれ前面電極18と後面電極16が形成される。
【0017】
特にp型基板10の後面にAlペーストを塗布した後に焼結させれば、焼結過程でn+ドーピング層12にAlが拡散しながらp+層13が形成される。このようにp型基板10の後面にp+層13が形成されれば基板10の後面には後面電界(Back Surface Field)が形成される。
【0018】
後面電界は、p型基板10の内部で太陽光により励起された電子が後面電極16に移動して消滅しなくて、前面電極18側に移動して光電流に寄与するようにすることによって太陽電池の効率を高める役割をする(st17、図2e)。
【0019】
電極形成工程が完了した以後には電池の効率等をテストしてその結果によって分類作業を行なう。テストをする前にモジュール化作業や絶縁のためにレーザカッティング作業を行なう事もでき、前述したようにエッジ部分で発生する漏れ電流を除去するために基板10のエッジ部分を切断またはエッチングするエッジアイソレイションを行なうことができる。
【0020】
続いて完成した複数の太陽電池を連結するモジュール化工程を介して太陽電池モジュールを製造する(st18)。
【0021】
一方エッジアイソレイションのために湿式エッチングを行なえば、複数の基板を一度にエッチングすることができる長所があるがエッチング溶液の処理と関連して環境問題を引き起こす短所がある。
【0022】
したがって最近には半導体素子や平板表示装置を製造する時基板の縁に不必要に蒸着された薄膜や汚染粒子を除去するために用いられる縁のエッチング装置を利用した乾式エッ
チングが研究されている。
【0023】
しかし従来の乾式エッチング法は、基板を1枚ずつ処理するため生産性が非常に低い短所がある。特に太陽電池製造工程は生産性を高めるために数十個以上の基板を大型トレーに安置して薄膜蒸着工程などを行なう場合が多いためエッジアイソレイションのために基板を1枚ずつ処理するようになれば全体工程速度が大幅に低下されるしかない。
【0024】
太陽電池製造工程だけでなく半導体製造工程や平板表示装置の製造工程でも基板の縁に蒸着または付着した汚染物質を除去するために別途に縁のエッチング工程を行なう場合があるため前述した問題点はこれら工程でも解決しなければならない課題で台頭している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本発明はこのような問題点を解決するためのものであって、複数の基板を一度に安置して縁のエッチング工程を行なうことによって生産性を大幅に向上させた基板の縁のエッチング装置を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明は、前記目的を達成するために、反応空間を形成するチャンバーと;前記チャンバーの内部に設置されて複数の基板安置部が設けられる基板安置台と;前記基板安置台の上部に設置されて、内部に中空部を具備して底面で前記基板安置部と対応する位置に複数の貫通部を具備するガス供給手段と;前記貫通部の面積より小さい断面積を有しながら前記貫通部に挿入される本体部と、前記本体部で突出形成されて前記貫通部の縁に据置きされる係止段を有する複数の基板遮へい部材を含み、前記基板遮へい部材の前記本体部が前記複数の基板安置部に安置された各基板の中央部を遮って縁のみを露出させたまま前記基板の縁に対するエッチング工程を行なうことを特徴とする基板の縁のエッチング装置を提供する。
【0027】
本発明の基板の縁のエッチング装置で、前記複数の基板安置部は前記基板安置台の床面にへこんでいるように形成されることを特徴とすることができる。
【0028】
また前記基板安置台には上下を貫通する複数の排気ホールが形成されたことを特徴とすることができる。ここで前記複数の排気ホールは前記複数の基板安置部の間に形成されることを特徴とすることができる。
【0029】
また基板の縁の下面を露出させるために前記基板安置部の周辺部に沿ってトレンチが形成されたことを特徴とすることができる。
【0030】
また前記基板遮へい部材は、絶縁材質であることを特徴とすることができる。
【0031】
また前記基板遮へい部材の前記係止段の底面には前記ガス供給手段の前記貫通部の周辺に据置きされる複数の支持部が突出形成されたことを特徴とすることができる。
【0032】
また前記基板遮へい部材の前記係止段には第1整列手段が形成されて、前記ガス供給手段の前記貫通部の周辺には前記第1整列手段と結合する第2整列手段が形成されることを特徴とすることができる。
【0033】
ここで前記第1整列手段と前記第2整列手段は、整列ピンまたは整列溝であることを特徴とすることができる。
【0034】
また前記基板遮へい部材の前記本体部の側壁には前記ガス供給手段の前記貫通部の内壁と接する複数の突出部が形成されて、前記複数の突出部によって前記本体部が定位置を維持することを特徴とすることができる。
【0035】
また前記ガス供給手段の底面には前記中空部と連通する複数の噴射ホールが形成されたことを特徴とすることができる。
【0036】
また前記ガス供給手段にはRF電源が連結されることを特徴とすることができる。ここで前記基板安置台は接地されたり第2のRF電源に連結されることを特徴とすることができる。
【0037】
また前記ガス供給手段は、接地されて前記基板安置台にはRF電源が連結されることを特徴とすることができる。
【0038】
また前記チャンバーの外部には前記ガス供給手段と連結する遠隔プラズマ発生装置が設置されることを特徴とすることができる。
【0039】
また本発明は、前述した基板の縁のエッチング装置を利用して基板の縁をエッチングする方法において、前記複数の基板安置部のそれぞれに基板を安置する第1段階と;前記基板安置台を上昇させて前記基板遮へい部材の前記本体部で前記基板の中央部を遮って縁のみを露出させる第2段階と;前記ガス供給手段を介して前記基板安置台の上部にエッチングガスを噴射して前記基板の縁をエッチングする第3段階を含むことを特徴とする基板の縁のエッチング方法を提供する。
【0040】
前記基板の縁のエッチング方法の前記第2段階では前記基板遮へい部材が前記基板安置台に安置された基板に密着し、又は前記基板遮へい部材と前記基板の間隔を1mm以下とすることを特徴とすることができる。
【0041】
また前記第2段階では前記基板の縁が0.1〜5mmの幅だけ露出することを特徴とすることができる。
【0042】
また前記第3段階で前記エッチングガスは、SF6、Cl2、CF4またはO2であることを特徴とすることができる。
【0043】
また前記第3段階で前記エッチングガスは、10〜100、000sccmの流量で噴射されることを特徴とすることができる。
【0044】
また前記第3段階は、前記ガス供給手段にRF電力を印加して前記エッチングガスをプラズマ状態に励起させる過程を含むことを特徴とすることができる。ここで前記RF電力は前記基板安置台の面積に対して100mW/cm2ないし5W/cm2の比率で印加されることを特徴とすることができる。
【0045】
また前記第3段階は、外部の遠隔プラズマ発生装置でプラズマ状態に励起された前記エッチングガスを供給する過程を含むことを特徴とすることができる。
【0046】
また前記第3段階の工程圧力は10mTorrないし10Torrであることを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0047】
本発明によると、数ないし数百枚の基板を一度に安置して縁のエッチング工程を行なう
ことができるため全体工程速度を向上させて生産性を大きく高めることができる。
【0048】
また乾式エッチング法であるため湿式エッチングによる環境問題や化学溶液処理負担を減らすことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】一般的な結晶質シリコン太陽電池の製造方法を示したフローチャート。
【図2A】結晶質シリコン太陽電池の製造方法を示した工程断面図。
【図2B】結晶質シリコン太陽電池の製造方法を示した工程断面図。
【図2C】結晶質シリコン太陽電池の製造方法を示した工程断面図。
【図2D】結晶質シリコン太陽電池の製造方法を示した工程断面図。
【図2E】結晶質シリコン太陽電池の製造方法を示した工程断面図。
【図3】本発明の実施形態による基板の縁のエッチング装置の概略構成図。
【図4】複数の基板をトレーを利用して基板安置台にロードした様子を示した図面。
【図5】RF電極の底面図。
【図6】基板遮へい部材の底面斜視図。
【図7】基板遮へい部材の整列のための整列ピンを示した斜視図及び断面図。
【図8】基板遮へい部材の整列のための整列ピンを示した斜視図及び断面図。
【図9】基板遮へい部材の整列のための本体部の複数の突出部を示した図面。
【図10】本発明の実施形態による基板の縁のエッチング装置を利用した基板の縁のエッチング工程を示したフローチャート。
【図11】基板の縁のエッチング装置の工程時の様子を示した断面図。
【図12】エッチング工程時の基板周辺部を示した拡大断面図。
【図13】他の実施形態による基板の縁のエッチング装置の基板遮へい部材を示した底面斜視図。
【図14】図13の基板遮へい部材が設置された場合の基板周辺部を示した拡大断面図。
【図15】他の実施形態による基板の縁のエッチング装置のRF電極の下面に形成された噴射ホールを示した図面。
【図16】図15で基板安置台が上昇した様子を示した図面。
【図17】他の実施形態による基板の縁のエッチング装置の基板安置台の排気ホールを示した図面。
【図18】他の実施形態による基板の縁のエッチング装置のRF電極の下面の噴射ホール及び基板安置台の排気ホールを示した図面。
【図19】他の実施形態による基板の縁のエッチング装置の基板安置部の周辺部に沿って形成されたトレンチを示した図面。
【図20】他の実施形態による基板の縁のエッチング装置の多くの連結類型のRF電源を示した図面。
【図21】他の実施形態による基板の縁のエッチング装置の多くの連結類型のRF電源を示した図面。
【図22】遠隔プラズマ発生装置を含む他の実施形態による基板の縁のエッチング装置を示した図面。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下では図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0051】
本発明の実施形態による基板の縁のエッチング装置は、図3の概略断面図に示したように、内部に反応空間を形成して一側に基板出入口112を有するチャンバー110、前記チャンバー110の内部に設置されて複数の基板(s)を安置する基板安置台120、前記基板安置台120の上部に位置するRF電極130を含む。
【0052】
エッチング工程が進行される間基板の縁のエッチング装置の圧力が一定に維持されるように、エッチングガス(反応ガス)は、外部からガス供給管150を介して一定に供給されて、残留されたエッチングガスとエッチング副産物はガス排気管124を介して一定に排気される。
【0053】
基板安置台120は、複数の基板安置部122を具備し、各基板安置部122は基板安置台120の床面に設定された領域であって基板安置台120の残り部分と同一平面上に設けることもできて、図示したようにへこんでいるように形成することもできる。へこんでいるように形成する場合には容易な基板整列のために各基板安置部122の縁を傾斜面で処理することが好ましい。
【0054】
基板安置台120は、底面に連結される支持部によって昇降運動が可能となっており、前記支持部は中央部に一つだけ設けることもでき、又複数個が設けることもできる。
【0055】
一方例えば太陽電池製造工程では基板安置台120に数十ないし数百個の基板(s)を安置して工程を行なわなければならないが基板安置台120にこのように複数の基板(s)を安置することが容易でない。
【0056】
したがって図4に示したように平坦な床面を有する基板安置台120に複数の基板(s)を安置したトレー(T)を乗せて工程を行なうことができる。
【0057】
すなわち、チャンバー110の外部でトレー(T)に複数の基板(s)を安置させて、前記トレー(T)をチャンバー110の内部に搬入して基板安置台120に載せることも出来る。この場合には基板安置台120の床面は平坦に処理してトレー(T)の床面に基板(s)を安置するへこんでいた基板安置部122を形成することが好ましい。
【0058】
RF電極130は、Al等の材質で製造されてRF電源160に連結される。RF電源160とRF電極130の間にはインピーダンスマッチングのためのマッチング回路162が設置される。RF電源160は10kHz〜13.56MHzまたはVHF(30〜300MHz)のRF電力を提供して、具体的なRF電力の大きさは基板安置台120の大きさによって決定される。
【0059】
本発明の基板の縁のエッチング装置100ではRF電極130がガス噴射手段の役割も遂行する。このためにRF電極130は内部にガス供給管150と連通する中空部131を具備して、下面131に図5に示したように複数の貫通部132を具備する。
【0060】
前記複数の貫通部132は、基板安置台120に安置される基板(s)の位置にそれぞれ対応して形成され、前記各貫通部132にはエッチング工程時に基板(s)の中央部を遮るための基板遮へい部材140が挿入設置される。
【0061】
RF電極130は、チャンバー110に対して絶縁されなければならなく、このためにチャンバー110の側壁またはチャンバー110のリードとRF電極130の間には絶縁部材170を設置する。
【0062】
基板遮へい部材140は、図6の底面斜視図に示したように本体部144と本体部144の上端から外側へ形成された係止段142を具備し、セラミック、テフロン(登録商標)系列等の絶縁材質で製造される。またピーク(PEEK)、ベスペル(Vespel)(登録商標)、ポリイミド(Polymide)等の材質が利用されることができる。
【0063】
本体部144は、RF電極130の貫通部130を介して下部に突出する部分であって、本発明ではRF電極130の内部に流入されたエッチングガスが本体部144と貫通部130間の間隙を介して下部に流動しなければならないので本体部144の断面積は貫通部130の面積に比べて小さくなければならない。
【0064】
また本体部144は、エッチング工程時に基板(s)の中央部を遮るためのことであるので本体部144の断面積は基板(s)の大きさよりは小さくなければならない。
【0065】
係止段142は、基板遮へい部材140をRF電極130の貫通部132のエッジにかけるためのことなので係止段144の断面積は貫通部130より大きくなければならない。
【0066】
一方図面では本体部144を四角柱状で示したが、これは下部に位置する基板(s)が四角形であるためで、基板(s)が円形ならば本体部144の断面は基板(s)より小さい直径の円形でなければならない。結局基板遮へい部材140はエッチング工程時に基板(s)の縁を一定な幅で露出させなければならないのでその形状は基板(s)の形態により決定される。
【0067】
一方基板遮へい部材140は、基板(s)の中央部を遮る一方縁を一定な幅で露出させなければならないので基板遮へい部材140と基板(s)の整列が非常に重要である。
【0068】
ところが基板遮へい部材140の本体部144の断面積がRF電極130の貫通部132の面積より小さいため基板安置台120が昇降する過程でその位置が不安定になりえる。
【0069】
これを防止するためには図7の斜視図及び図8の設置断面図に示したようにRF電極130の貫通部132の周辺に複数の整列ピン136を設置して、基板遮へい部材140の係止段142には前記複数の整列ピン136が挿入される整列溝(143)を形成することができる。
【0070】
したがって基板遮へい部材140が整列ピン136に沿って昇降することによって正確な位置を維持することができる。
【0071】
他の方法として図9に示したように、基板遮へい部材140の本体部144に貫通部132の内壁と接することができる複数の突出部145を形成すれば、本体部144が昇降しても正確な位置を維持することができる。
【0072】
本体部144が四角の断面形状を有する場合には図示したように各角を突出部145で形成して貫通部132の内壁と接するようにすることが好ましく、円形の断面形状を有する場合には中心に対して等間隔で配置された3個以上の突出部を形成することが好ましい。
【0073】
以下では図10のフローチャートを参照して本発明の基板の縁のエッチング装置100を利用した縁のエッチング工程を説明する。
【0074】
まず複数の基板(s)を基板安置台120の基板安置部122に安置する。前述したようにトレー(T)を利用する場合にはチャンバー110の外部でトレー(T)に基板をロードした後にトレー(T)をチャンバー110内部に搬入して基板安置台120の上部に乗せる(ST11)。
【0075】
続いて基板出入口112を閉じて工程雰囲気を組成した後に基板安置台120を上昇させる(ST12)。
【0076】
基板安置台120は、図11に示したように各基板安置部122に安置された基板(s)が基板遮へい部材140を上部に押し上げる時まで上昇する。上昇した基板安置台120とRF電極130の間隙は5〜50mmであることが好ましい。
【0077】
ここで基板遮へい部材140の本体部144は基板(s)の中央部のみを遮って縁を露出させ、露出する基板縁の幅は0.1〜5mm程度であることが好ましい(ST13)。
【0078】
続いてガス供給管150を介してSF6、Cl2、CF4、O2等のエッチングガスを10〜100、000sccmの流量で供給すれば、RF電極130の中空部131で一次拡散したエッチングガスは、図12に示したように基板遮へい部材140の本体部144とRF電極130下面133の貫通部132のエッジ間の間隙を介して下部に噴射される。ここでチャンバー110内部の工程圧力は10mTorrないし10Torrであることが好ましい(ST14)。
【0079】
続いてRF電極130にRF電源160のRF電力を印加すると、RF電極130と接地された基板安置台120の間にイオン及び活性種の混合体であるプラズマ(P)が発生する。
【0080】
印加されるRF電力は、基板安置台120の大きさによって変わることができるが、大体100mW/cm2ないし5W/cm2の比率で印加されることが好ましい。他の観点では大体100Wないし50KWのRF電力が印加されることが好ましい(ST15)。
【0081】
ST15段階で発生したプラズマ(P)により基板遮へい部材140により遮られない基板(s)の縁がエッチングされる(ST16)。
【0082】
エッチング工程を終えた次には再び基板安置台120を下降して、基板(s)を搬出する。トレー(T)が利用された場合にはトレー(T)を搬出する(ST17、ST18)。
【0083】
一方前述した実施形態では基板(s)が基板遮へい部材140を押し上げることによってガス流動経路を確保できた。ところが基板(s)と基板遮へい部材140が互いに接触するようになれば基板(s)の上面に形成されたパターンが損傷される危険がある。
【0084】
これを防止するためには図13及び14に示したような他の実施形態による基板の縁のエッチング装置200では、基板遮へい部材240の係止段242の下面に複数の支持部246を突出形成することによって、基板遮へい部材240がRF電極230の下面233に据置きされても係止段242がRF電極230の下面233に密着しないようにすることができる。
【0085】
このようにすれば基板遮へい部材240を上に押し上げなくても前記支持部242によりガス流動経路が確保されるため基板安置台220を上昇させる時基板(s)を基板遮へい部材240の底面に密着させる必要がなくて若干の間隙を置くことが可能になる。そうだとしてもエッチングガスが基板(s)の中央部まで浸透することは防止しなければならないので基板(s)と基板遮へい部材240の間隙は1mm程度であることが好ましい。
【0086】
以上ではRF電極130の貫通部132を介してのみエッチングガスを下部に噴射したがこれだけでは基板(s)の縁上部にエッチングガスの供給が円滑でないこともある。
【0087】
円滑なガス供給のためには図15及び16に示したような他の実施形態による基板の縁のエッチング装置300では、RF電極330の底面333に複数の噴射ホール334を設置することもできる。
【0088】
したがって基板安置台320が上昇した時各基板(s)の縁付近にはRF電極330の貫通部332と噴射ホール334を介してエッチングガスが円滑に供給されることができる。
【0089】
一方、エッチングガスが噴射されてエッチング工程が進行される途中にも工程圧力を一定に維持するためにはガス排気管124を介して残留ガス及びエッチング副産物を持続的にポンピングしなければならない。
【0090】
ところが本発明の基板の縁のエッチング装置100では基板安置台120に複数の基板(s)を安置してRF電極130の下部に複数の基板遮へい部材140が突出した状態でエッチング工程が行われるため残留ガス及びエッチング副産物を円滑に排出するのが難しくなる問題点がある。
【0091】
またエッチング副産物等が基板安置台120の中央部から周辺部側に流動する間既にエッチング工程が進行された基板(s)の縁に付着されたり再蒸着されて以後の工程で汚染源として作用する憂慮もある。
【0092】
これを解決するためには図17に示したような他の実施形態による基板の縁のエッチング装置400では、基板安置台420の各基板安置部422の間に複数の排気ホール426を形成することが好ましい。したがって基板安置台420の上部に噴射されたエッチングガスは基板安置台420に形成された排気ホール426を介して基板安置台420の下部にすぐ排気されることができる。
【0093】
排気ホール426の直径や個数は必要な排気圧力によって適切に決定されることができる。
【0094】
但しトレー(T)を利用して基板(s)を搬入または搬送する場合には示してはいないがトレー(T)とその下部の基板安置台120のそれぞれに互いに連通する排気ホールを形成することが好ましい。ここで両側の排気ホールが正確に連通されることができるようにトレー(T)が正確な位置に安置されるべきであることはもちろんである。
【0095】
そして、図18に示したような他の実施形態による基板の縁のエッチング装置500では、基板安置台520に複数の排気ホール526が形成されてRF電極530の下面533には複数の噴射ホール534が形成された様子を示した図面である。
【0096】
以上で説明した基板の縁のエッチング装置100を利用すると基板(s)の縁の上面と側面をエッチングすることができる。ところが場合によっては基板(s)の縁の下面(または背面)に不要な薄膜が蒸着される場合もある。
【0097】
このように基板(s)の縁の下面(または背面)に形成された薄膜を除去するためには図19に示したような他の実施形態による基板の縁のエッチング装置600では、基板安置台620の基板安置部622の周辺部に沿って所定深さのトレンチ(623)を形成することが好ましい。
【0098】
したがって基板(s)を基板安置部622に安置すれば、基板(s)の中央部の下面は
基板安置部622に密着して、基板縁の下面は露出された状態になる。
【0099】
したがってエッチング工程時に基板(s)の縁の上面、側面及び下面が全てプラズマに露出するため基板(s)の縁を完全にエッチングすることが可能になる。
【0100】
一方以上で説明した基板の縁のエッチング装置100は、RF電極130にRF電源160を連結したが、これと異なり図20に示したような他の実施形態による基板の縁のエッチング装置700では、基板安置台720にRF電源760を連結して基板安置台720の上部にはRF電極を代わるガス供給部790を設置して、前記ガス供給部790を接地させることができる。
【0101】
ガス供給部790は、前述したRF電極730と事実上同一構造を有し、したがってその下面に形成された複数の貫通部792毎に基板遮へい部材740が挿入結合される。但しRF電力が印加される必要がないため材質が金属材質に限定されない。この場合にもRF電源760には10kHz〜13.56MHzまたはVHF(30〜300MHz)のRF電力を印加することができる。
【0102】
また図21に示したような他の実施形態による基板の縁のエッチング装置800では、基板安置台820の上部のRF電極830には第1マッチング回路862と第1RF電源860を順次に連結して、基板安置台820には第2マッチング回路866と第2RF電源864を順次に連結することができる。第1RF電源860と第2RF電源864もそれぞれ10kHz〜13.56MHzまたはVHF(30〜300MHz)のRF電力を提供することができる。
【0103】
また以上で説明した基板の縁のエッチング装置100は、チャンバー110の内部でプラズマを発生させてエッチング工程を行なったが、図22に示したような他の実施形態による基板の縁のエッチング装置900では、チャンバー910の外部に遠隔プラズマ発生装置980を設置して、チャンバー910の内部にはRF電極の代わりにガス供給部990を設置することもできる。ここでRF電源960は遠隔プラズマ発生装置980に連結される。
【0104】
したがって遠隔プラズマ発生装置980で生成されたエッチングガス(SF6、Cl2、CF4、O2等)のイオン及び活性種はガス供給管950を介してガス供給部990に流入した後基板安置台930の上部に噴射される。
【0105】
ガス供給部990は、前述した図3の基板の縁のエッチング装置100のRF電極130と事実上同一構造を有し、したがってその下面に形成された複数の貫通部992毎に基板遮へい部材940が挿入結合される。但しRF電力が印加される必要がないため材質が金属材質に限定されない。
【0106】
一方本発明は前述した実施形態に限定されなくて多様な形態で変形または修正されて実施されることができて、このように変形した実施形態も後述する特許請求範囲に記載された技術的思想を含むならば本発明の権利範囲に属することはもちろんである。
【符号の説明】
【0107】
100、200:基板の縁のエッチング装置
110:チャンバー
120:基板安置台
122:基板安置部
123:トレンチ
124:支持部
126:排気ホール
130:RF電極
132:貫通部
134:噴射ホール
136:整列ピン
140:基板遮へい部材
142:係止段
143:整列溝
144:本体部
146:支持部
150:ガス供給管
160:RF電源
170:絶縁部材
180:遠隔プラズマ発生装置
190:ガス供給部
192:貫通部
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の縁をエッチングする装置及び方法に関するものであって、具体的には2以上の基板(特に太陽電池用基板)を一度に処理することができる新しい概念の基板の縁のエッチング装置及びこれを利用したエッチング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池は、PN接合半導体の内部で太陽光により励起された少数キャリアにより起電力を発生させる素子である。このような太陽電池を製造することに用いられる半導体には単結晶シリコン、多結晶シリコン、非晶質シリコン、化合物半導体等がある。
【0003】
単結晶シリコンがエネルギー変換効率が最も良いが価格が高い短所のため多結晶シリコンがさらに多く用いられて、最近には非晶質シリコンや化合物半導体等の薄膜をガラスやプラスチック等の値段が安い基板に蒸着することによって非常に低廉に製造することができる薄膜型太陽電池も多く用いられている。
【0004】
以下では図1の工程順序図及び図2Aないし図2Eの工程断面図を参照して結晶質シリコン太陽電池を製造する一般的な方法を説明する。
【0005】
まず図2Aに示したように結晶質シリコン基板10を準備して、塩基または酸溶液を利用した湿式エッチングを介して基板切断過程で発生した損傷を除去する。本明細書では便宜上p型基板10を利用して太陽電池を製造する過程を説明する。p型基板の代わりにn型基板が利用されることができることはもちろんである(st11、図2A)。
【0006】
続いて光吸収率を高めるために基板10の表面に対してテクスチャリング(texturing
)工程を実施する。テクスチャリングは基板10の表面に所定形状の微細な凹凸を形成する工程であって、凹凸状は主にピラミッド形態であるものが望ましい。テクスチャリングは一般的に塩基または酸溶液を利用した湿式エッチング(wet etching)やプラズマを利
用した乾式エッチング(dry etching)を介して行われる(st12)。
【0007】
テクスチャリング工程以後にはPN接合構造を形成するためにp型基板10にn型ドーパント(dopant)を拡散させる。
【0008】
主に利用される方法は、高温拡散(thermal diffusion)法であって、p型基板10を
高温の拡散炉の内部に安置させた状態でPOCl3、PH3等のn型ドーパント含有ガスを供給するとn型ドーパントがp型基板10の内部に拡散しながら図2Bに示したようにn+ドーピング層12が形成される(st13、図2B)。
【0009】
このような高温拡散工程(st13)は、通常800℃以上の高温で進行されるが、この程度の高温では基板10の表面にPSG(Phosphor-Silicate Glass)のような副産物
が形成される。ところがPSGは電池の電流を遮蔽させる役割をするため電池効率を高めるために必ず除去しなければならない。主にエッチング溶液を利用した湿式エッチングを介して除去する。
【0010】
もしもn型基板にホウ素(B)を含むp型ドーパントを拡散させる場合にはBSG(Boro-Silicate Glass)が生成されるが、BSGも電池の効率を低下させる役割をするので同
じ方法で除去しなければならない(st14)。
【0011】
一方、拡散工程(ST13)では図2Bに示したように基板10のエッジ部分でもn+ドーピング層12が形成される。ところがエッジ部分のドーピング層12を介しては前面電極と後面電極間の漏れ電流が発生するので電池の効率を高めるためには図2Cに示したように基板10のエッジに形成されたn+ドーピング層12を除去しなければならない。
【0012】
このような工程をエッジアイソレイション(edge isolation)といっており、具体的にはレーザを利用してエッジ部分を切断したり湿式エッチングを介してエッジ部分をエッチングする。但し、エッジアイソレイション工程はPSG除去をする前に遂行したり太陽電池を完成してテストを遂行する直前に進行されることができる(st15、図2C)。
【0013】
続いて図2Dに示したようにn+ドーピング層12の上部に反射防止膜14を形成する。特にSiN薄膜を反射防止膜14として形成すれば太陽光の吸収率を高める役割だけでなく基板の表面保護膜(surface passivation)と水素保護膜(hydrogen passivation)
の役割も遂行する。SiN薄膜はプラズマ強化化学気相蒸着(PECVD)法を介して形成され、スパッタ法を通じてでも蒸着されることができる(st16、図2D)。
【0014】
SiNを利用して反射防止膜14を形成した以後には基板10の前面と後面に導電物質を利用して電極を形成しなければならない。
【0015】
このために基板10の前面と後面にAlまたはAgを含んだ導電性ペーストをスクリーンプリンティング技法を利用して所定パターンで塗布して、前記基板10を高温のファーネス(furnace)で焼結(sintering)させる。
【0016】
導電性ペーストが焼結されながら図2Eに示したように基板10の前面と後面にそれぞれ前面電極18と後面電極16が形成される。
【0017】
特にp型基板10の後面にAlペーストを塗布した後に焼結させれば、焼結過程でn+ドーピング層12にAlが拡散しながらp+層13が形成される。このようにp型基板10の後面にp+層13が形成されれば基板10の後面には後面電界(Back Surface Field)が形成される。
【0018】
後面電界は、p型基板10の内部で太陽光により励起された電子が後面電極16に移動して消滅しなくて、前面電極18側に移動して光電流に寄与するようにすることによって太陽電池の効率を高める役割をする(st17、図2e)。
【0019】
電極形成工程が完了した以後には電池の効率等をテストしてその結果によって分類作業を行なう。テストをする前にモジュール化作業や絶縁のためにレーザカッティング作業を行なう事もでき、前述したようにエッジ部分で発生する漏れ電流を除去するために基板10のエッジ部分を切断またはエッチングするエッジアイソレイションを行なうことができる。
【0020】
続いて完成した複数の太陽電池を連結するモジュール化工程を介して太陽電池モジュールを製造する(st18)。
【0021】
一方エッジアイソレイションのために湿式エッチングを行なえば、複数の基板を一度にエッチングすることができる長所があるがエッチング溶液の処理と関連して環境問題を引き起こす短所がある。
【0022】
したがって最近には半導体素子や平板表示装置を製造する時基板の縁に不必要に蒸着された薄膜や汚染粒子を除去するために用いられる縁のエッチング装置を利用した乾式エッ
チングが研究されている。
【0023】
しかし従来の乾式エッチング法は、基板を1枚ずつ処理するため生産性が非常に低い短所がある。特に太陽電池製造工程は生産性を高めるために数十個以上の基板を大型トレーに安置して薄膜蒸着工程などを行なう場合が多いためエッジアイソレイションのために基板を1枚ずつ処理するようになれば全体工程速度が大幅に低下されるしかない。
【0024】
太陽電池製造工程だけでなく半導体製造工程や平板表示装置の製造工程でも基板の縁に蒸着または付着した汚染物質を除去するために別途に縁のエッチング工程を行なう場合があるため前述した問題点はこれら工程でも解決しなければならない課題で台頭している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本発明はこのような問題点を解決するためのものであって、複数の基板を一度に安置して縁のエッチング工程を行なうことによって生産性を大幅に向上させた基板の縁のエッチング装置を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明は、前記目的を達成するために、反応空間を形成するチャンバーと;前記チャンバーの内部に設置されて複数の基板安置部が設けられる基板安置台と;前記基板安置台の上部に設置されて、内部に中空部を具備して底面で前記基板安置部と対応する位置に複数の貫通部を具備するガス供給手段と;前記貫通部の面積より小さい断面積を有しながら前記貫通部に挿入される本体部と、前記本体部で突出形成されて前記貫通部の縁に据置きされる係止段を有する複数の基板遮へい部材を含み、前記基板遮へい部材の前記本体部が前記複数の基板安置部に安置された各基板の中央部を遮って縁のみを露出させたまま前記基板の縁に対するエッチング工程を行なうことを特徴とする基板の縁のエッチング装置を提供する。
【0027】
本発明の基板の縁のエッチング装置で、前記複数の基板安置部は前記基板安置台の床面にへこんでいるように形成されることを特徴とすることができる。
【0028】
また前記基板安置台には上下を貫通する複数の排気ホールが形成されたことを特徴とすることができる。ここで前記複数の排気ホールは前記複数の基板安置部の間に形成されることを特徴とすることができる。
【0029】
また基板の縁の下面を露出させるために前記基板安置部の周辺部に沿ってトレンチが形成されたことを特徴とすることができる。
【0030】
また前記基板遮へい部材は、絶縁材質であることを特徴とすることができる。
【0031】
また前記基板遮へい部材の前記係止段の底面には前記ガス供給手段の前記貫通部の周辺に据置きされる複数の支持部が突出形成されたことを特徴とすることができる。
【0032】
また前記基板遮へい部材の前記係止段には第1整列手段が形成されて、前記ガス供給手段の前記貫通部の周辺には前記第1整列手段と結合する第2整列手段が形成されることを特徴とすることができる。
【0033】
ここで前記第1整列手段と前記第2整列手段は、整列ピンまたは整列溝であることを特徴とすることができる。
【0034】
また前記基板遮へい部材の前記本体部の側壁には前記ガス供給手段の前記貫通部の内壁と接する複数の突出部が形成されて、前記複数の突出部によって前記本体部が定位置を維持することを特徴とすることができる。
【0035】
また前記ガス供給手段の底面には前記中空部と連通する複数の噴射ホールが形成されたことを特徴とすることができる。
【0036】
また前記ガス供給手段にはRF電源が連結されることを特徴とすることができる。ここで前記基板安置台は接地されたり第2のRF電源に連結されることを特徴とすることができる。
【0037】
また前記ガス供給手段は、接地されて前記基板安置台にはRF電源が連結されることを特徴とすることができる。
【0038】
また前記チャンバーの外部には前記ガス供給手段と連結する遠隔プラズマ発生装置が設置されることを特徴とすることができる。
【0039】
また本発明は、前述した基板の縁のエッチング装置を利用して基板の縁をエッチングする方法において、前記複数の基板安置部のそれぞれに基板を安置する第1段階と;前記基板安置台を上昇させて前記基板遮へい部材の前記本体部で前記基板の中央部を遮って縁のみを露出させる第2段階と;前記ガス供給手段を介して前記基板安置台の上部にエッチングガスを噴射して前記基板の縁をエッチングする第3段階を含むことを特徴とする基板の縁のエッチング方法を提供する。
【0040】
前記基板の縁のエッチング方法の前記第2段階では前記基板遮へい部材が前記基板安置台に安置された基板に密着し、又は前記基板遮へい部材と前記基板の間隔を1mm以下とすることを特徴とすることができる。
【0041】
また前記第2段階では前記基板の縁が0.1〜5mmの幅だけ露出することを特徴とすることができる。
【0042】
また前記第3段階で前記エッチングガスは、SF6、Cl2、CF4またはO2であることを特徴とすることができる。
【0043】
また前記第3段階で前記エッチングガスは、10〜100、000sccmの流量で噴射されることを特徴とすることができる。
【0044】
また前記第3段階は、前記ガス供給手段にRF電力を印加して前記エッチングガスをプラズマ状態に励起させる過程を含むことを特徴とすることができる。ここで前記RF電力は前記基板安置台の面積に対して100mW/cm2ないし5W/cm2の比率で印加されることを特徴とすることができる。
【0045】
また前記第3段階は、外部の遠隔プラズマ発生装置でプラズマ状態に励起された前記エッチングガスを供給する過程を含むことを特徴とすることができる。
【0046】
また前記第3段階の工程圧力は10mTorrないし10Torrであることを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0047】
本発明によると、数ないし数百枚の基板を一度に安置して縁のエッチング工程を行なう
ことができるため全体工程速度を向上させて生産性を大きく高めることができる。
【0048】
また乾式エッチング法であるため湿式エッチングによる環境問題や化学溶液処理負担を減らすことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】一般的な結晶質シリコン太陽電池の製造方法を示したフローチャート。
【図2A】結晶質シリコン太陽電池の製造方法を示した工程断面図。
【図2B】結晶質シリコン太陽電池の製造方法を示した工程断面図。
【図2C】結晶質シリコン太陽電池の製造方法を示した工程断面図。
【図2D】結晶質シリコン太陽電池の製造方法を示した工程断面図。
【図2E】結晶質シリコン太陽電池の製造方法を示した工程断面図。
【図3】本発明の実施形態による基板の縁のエッチング装置の概略構成図。
【図4】複数の基板をトレーを利用して基板安置台にロードした様子を示した図面。
【図5】RF電極の底面図。
【図6】基板遮へい部材の底面斜視図。
【図7】基板遮へい部材の整列のための整列ピンを示した斜視図及び断面図。
【図8】基板遮へい部材の整列のための整列ピンを示した斜視図及び断面図。
【図9】基板遮へい部材の整列のための本体部の複数の突出部を示した図面。
【図10】本発明の実施形態による基板の縁のエッチング装置を利用した基板の縁のエッチング工程を示したフローチャート。
【図11】基板の縁のエッチング装置の工程時の様子を示した断面図。
【図12】エッチング工程時の基板周辺部を示した拡大断面図。
【図13】他の実施形態による基板の縁のエッチング装置の基板遮へい部材を示した底面斜視図。
【図14】図13の基板遮へい部材が設置された場合の基板周辺部を示した拡大断面図。
【図15】他の実施形態による基板の縁のエッチング装置のRF電極の下面に形成された噴射ホールを示した図面。
【図16】図15で基板安置台が上昇した様子を示した図面。
【図17】他の実施形態による基板の縁のエッチング装置の基板安置台の排気ホールを示した図面。
【図18】他の実施形態による基板の縁のエッチング装置のRF電極の下面の噴射ホール及び基板安置台の排気ホールを示した図面。
【図19】他の実施形態による基板の縁のエッチング装置の基板安置部の周辺部に沿って形成されたトレンチを示した図面。
【図20】他の実施形態による基板の縁のエッチング装置の多くの連結類型のRF電源を示した図面。
【図21】他の実施形態による基板の縁のエッチング装置の多くの連結類型のRF電源を示した図面。
【図22】遠隔プラズマ発生装置を含む他の実施形態による基板の縁のエッチング装置を示した図面。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下では図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0051】
本発明の実施形態による基板の縁のエッチング装置は、図3の概略断面図に示したように、内部に反応空間を形成して一側に基板出入口112を有するチャンバー110、前記チャンバー110の内部に設置されて複数の基板(s)を安置する基板安置台120、前記基板安置台120の上部に位置するRF電極130を含む。
【0052】
エッチング工程が進行される間基板の縁のエッチング装置の圧力が一定に維持されるように、エッチングガス(反応ガス)は、外部からガス供給管150を介して一定に供給されて、残留されたエッチングガスとエッチング副産物はガス排気管124を介して一定に排気される。
【0053】
基板安置台120は、複数の基板安置部122を具備し、各基板安置部122は基板安置台120の床面に設定された領域であって基板安置台120の残り部分と同一平面上に設けることもできて、図示したようにへこんでいるように形成することもできる。へこんでいるように形成する場合には容易な基板整列のために各基板安置部122の縁を傾斜面で処理することが好ましい。
【0054】
基板安置台120は、底面に連結される支持部によって昇降運動が可能となっており、前記支持部は中央部に一つだけ設けることもでき、又複数個が設けることもできる。
【0055】
一方例えば太陽電池製造工程では基板安置台120に数十ないし数百個の基板(s)を安置して工程を行なわなければならないが基板安置台120にこのように複数の基板(s)を安置することが容易でない。
【0056】
したがって図4に示したように平坦な床面を有する基板安置台120に複数の基板(s)を安置したトレー(T)を乗せて工程を行なうことができる。
【0057】
すなわち、チャンバー110の外部でトレー(T)に複数の基板(s)を安置させて、前記トレー(T)をチャンバー110の内部に搬入して基板安置台120に載せることも出来る。この場合には基板安置台120の床面は平坦に処理してトレー(T)の床面に基板(s)を安置するへこんでいた基板安置部122を形成することが好ましい。
【0058】
RF電極130は、Al等の材質で製造されてRF電源160に連結される。RF電源160とRF電極130の間にはインピーダンスマッチングのためのマッチング回路162が設置される。RF電源160は10kHz〜13.56MHzまたはVHF(30〜300MHz)のRF電力を提供して、具体的なRF電力の大きさは基板安置台120の大きさによって決定される。
【0059】
本発明の基板の縁のエッチング装置100ではRF電極130がガス噴射手段の役割も遂行する。このためにRF電極130は内部にガス供給管150と連通する中空部131を具備して、下面131に図5に示したように複数の貫通部132を具備する。
【0060】
前記複数の貫通部132は、基板安置台120に安置される基板(s)の位置にそれぞれ対応して形成され、前記各貫通部132にはエッチング工程時に基板(s)の中央部を遮るための基板遮へい部材140が挿入設置される。
【0061】
RF電極130は、チャンバー110に対して絶縁されなければならなく、このためにチャンバー110の側壁またはチャンバー110のリードとRF電極130の間には絶縁部材170を設置する。
【0062】
基板遮へい部材140は、図6の底面斜視図に示したように本体部144と本体部144の上端から外側へ形成された係止段142を具備し、セラミック、テフロン(登録商標)系列等の絶縁材質で製造される。またピーク(PEEK)、ベスペル(Vespel)(登録商標)、ポリイミド(Polymide)等の材質が利用されることができる。
【0063】
本体部144は、RF電極130の貫通部130を介して下部に突出する部分であって、本発明ではRF電極130の内部に流入されたエッチングガスが本体部144と貫通部130間の間隙を介して下部に流動しなければならないので本体部144の断面積は貫通部130の面積に比べて小さくなければならない。
【0064】
また本体部144は、エッチング工程時に基板(s)の中央部を遮るためのことであるので本体部144の断面積は基板(s)の大きさよりは小さくなければならない。
【0065】
係止段142は、基板遮へい部材140をRF電極130の貫通部132のエッジにかけるためのことなので係止段144の断面積は貫通部130より大きくなければならない。
【0066】
一方図面では本体部144を四角柱状で示したが、これは下部に位置する基板(s)が四角形であるためで、基板(s)が円形ならば本体部144の断面は基板(s)より小さい直径の円形でなければならない。結局基板遮へい部材140はエッチング工程時に基板(s)の縁を一定な幅で露出させなければならないのでその形状は基板(s)の形態により決定される。
【0067】
一方基板遮へい部材140は、基板(s)の中央部を遮る一方縁を一定な幅で露出させなければならないので基板遮へい部材140と基板(s)の整列が非常に重要である。
【0068】
ところが基板遮へい部材140の本体部144の断面積がRF電極130の貫通部132の面積より小さいため基板安置台120が昇降する過程でその位置が不安定になりえる。
【0069】
これを防止するためには図7の斜視図及び図8の設置断面図に示したようにRF電極130の貫通部132の周辺に複数の整列ピン136を設置して、基板遮へい部材140の係止段142には前記複数の整列ピン136が挿入される整列溝(143)を形成することができる。
【0070】
したがって基板遮へい部材140が整列ピン136に沿って昇降することによって正確な位置を維持することができる。
【0071】
他の方法として図9に示したように、基板遮へい部材140の本体部144に貫通部132の内壁と接することができる複数の突出部145を形成すれば、本体部144が昇降しても正確な位置を維持することができる。
【0072】
本体部144が四角の断面形状を有する場合には図示したように各角を突出部145で形成して貫通部132の内壁と接するようにすることが好ましく、円形の断面形状を有する場合には中心に対して等間隔で配置された3個以上の突出部を形成することが好ましい。
【0073】
以下では図10のフローチャートを参照して本発明の基板の縁のエッチング装置100を利用した縁のエッチング工程を説明する。
【0074】
まず複数の基板(s)を基板安置台120の基板安置部122に安置する。前述したようにトレー(T)を利用する場合にはチャンバー110の外部でトレー(T)に基板をロードした後にトレー(T)をチャンバー110内部に搬入して基板安置台120の上部に乗せる(ST11)。
【0075】
続いて基板出入口112を閉じて工程雰囲気を組成した後に基板安置台120を上昇させる(ST12)。
【0076】
基板安置台120は、図11に示したように各基板安置部122に安置された基板(s)が基板遮へい部材140を上部に押し上げる時まで上昇する。上昇した基板安置台120とRF電極130の間隙は5〜50mmであることが好ましい。
【0077】
ここで基板遮へい部材140の本体部144は基板(s)の中央部のみを遮って縁を露出させ、露出する基板縁の幅は0.1〜5mm程度であることが好ましい(ST13)。
【0078】
続いてガス供給管150を介してSF6、Cl2、CF4、O2等のエッチングガスを10〜100、000sccmの流量で供給すれば、RF電極130の中空部131で一次拡散したエッチングガスは、図12に示したように基板遮へい部材140の本体部144とRF電極130下面133の貫通部132のエッジ間の間隙を介して下部に噴射される。ここでチャンバー110内部の工程圧力は10mTorrないし10Torrであることが好ましい(ST14)。
【0079】
続いてRF電極130にRF電源160のRF電力を印加すると、RF電極130と接地された基板安置台120の間にイオン及び活性種の混合体であるプラズマ(P)が発生する。
【0080】
印加されるRF電力は、基板安置台120の大きさによって変わることができるが、大体100mW/cm2ないし5W/cm2の比率で印加されることが好ましい。他の観点では大体100Wないし50KWのRF電力が印加されることが好ましい(ST15)。
【0081】
ST15段階で発生したプラズマ(P)により基板遮へい部材140により遮られない基板(s)の縁がエッチングされる(ST16)。
【0082】
エッチング工程を終えた次には再び基板安置台120を下降して、基板(s)を搬出する。トレー(T)が利用された場合にはトレー(T)を搬出する(ST17、ST18)。
【0083】
一方前述した実施形態では基板(s)が基板遮へい部材140を押し上げることによってガス流動経路を確保できた。ところが基板(s)と基板遮へい部材140が互いに接触するようになれば基板(s)の上面に形成されたパターンが損傷される危険がある。
【0084】
これを防止するためには図13及び14に示したような他の実施形態による基板の縁のエッチング装置200では、基板遮へい部材240の係止段242の下面に複数の支持部246を突出形成することによって、基板遮へい部材240がRF電極230の下面233に据置きされても係止段242がRF電極230の下面233に密着しないようにすることができる。
【0085】
このようにすれば基板遮へい部材240を上に押し上げなくても前記支持部242によりガス流動経路が確保されるため基板安置台220を上昇させる時基板(s)を基板遮へい部材240の底面に密着させる必要がなくて若干の間隙を置くことが可能になる。そうだとしてもエッチングガスが基板(s)の中央部まで浸透することは防止しなければならないので基板(s)と基板遮へい部材240の間隙は1mm程度であることが好ましい。
【0086】
以上ではRF電極130の貫通部132を介してのみエッチングガスを下部に噴射したがこれだけでは基板(s)の縁上部にエッチングガスの供給が円滑でないこともある。
【0087】
円滑なガス供給のためには図15及び16に示したような他の実施形態による基板の縁のエッチング装置300では、RF電極330の底面333に複数の噴射ホール334を設置することもできる。
【0088】
したがって基板安置台320が上昇した時各基板(s)の縁付近にはRF電極330の貫通部332と噴射ホール334を介してエッチングガスが円滑に供給されることができる。
【0089】
一方、エッチングガスが噴射されてエッチング工程が進行される途中にも工程圧力を一定に維持するためにはガス排気管124を介して残留ガス及びエッチング副産物を持続的にポンピングしなければならない。
【0090】
ところが本発明の基板の縁のエッチング装置100では基板安置台120に複数の基板(s)を安置してRF電極130の下部に複数の基板遮へい部材140が突出した状態でエッチング工程が行われるため残留ガス及びエッチング副産物を円滑に排出するのが難しくなる問題点がある。
【0091】
またエッチング副産物等が基板安置台120の中央部から周辺部側に流動する間既にエッチング工程が進行された基板(s)の縁に付着されたり再蒸着されて以後の工程で汚染源として作用する憂慮もある。
【0092】
これを解決するためには図17に示したような他の実施形態による基板の縁のエッチング装置400では、基板安置台420の各基板安置部422の間に複数の排気ホール426を形成することが好ましい。したがって基板安置台420の上部に噴射されたエッチングガスは基板安置台420に形成された排気ホール426を介して基板安置台420の下部にすぐ排気されることができる。
【0093】
排気ホール426の直径や個数は必要な排気圧力によって適切に決定されることができる。
【0094】
但しトレー(T)を利用して基板(s)を搬入または搬送する場合には示してはいないがトレー(T)とその下部の基板安置台120のそれぞれに互いに連通する排気ホールを形成することが好ましい。ここで両側の排気ホールが正確に連通されることができるようにトレー(T)が正確な位置に安置されるべきであることはもちろんである。
【0095】
そして、図18に示したような他の実施形態による基板の縁のエッチング装置500では、基板安置台520に複数の排気ホール526が形成されてRF電極530の下面533には複数の噴射ホール534が形成された様子を示した図面である。
【0096】
以上で説明した基板の縁のエッチング装置100を利用すると基板(s)の縁の上面と側面をエッチングすることができる。ところが場合によっては基板(s)の縁の下面(または背面)に不要な薄膜が蒸着される場合もある。
【0097】
このように基板(s)の縁の下面(または背面)に形成された薄膜を除去するためには図19に示したような他の実施形態による基板の縁のエッチング装置600では、基板安置台620の基板安置部622の周辺部に沿って所定深さのトレンチ(623)を形成することが好ましい。
【0098】
したがって基板(s)を基板安置部622に安置すれば、基板(s)の中央部の下面は
基板安置部622に密着して、基板縁の下面は露出された状態になる。
【0099】
したがってエッチング工程時に基板(s)の縁の上面、側面及び下面が全てプラズマに露出するため基板(s)の縁を完全にエッチングすることが可能になる。
【0100】
一方以上で説明した基板の縁のエッチング装置100は、RF電極130にRF電源160を連結したが、これと異なり図20に示したような他の実施形態による基板の縁のエッチング装置700では、基板安置台720にRF電源760を連結して基板安置台720の上部にはRF電極を代わるガス供給部790を設置して、前記ガス供給部790を接地させることができる。
【0101】
ガス供給部790は、前述したRF電極730と事実上同一構造を有し、したがってその下面に形成された複数の貫通部792毎に基板遮へい部材740が挿入結合される。但しRF電力が印加される必要がないため材質が金属材質に限定されない。この場合にもRF電源760には10kHz〜13.56MHzまたはVHF(30〜300MHz)のRF電力を印加することができる。
【0102】
また図21に示したような他の実施形態による基板の縁のエッチング装置800では、基板安置台820の上部のRF電極830には第1マッチング回路862と第1RF電源860を順次に連結して、基板安置台820には第2マッチング回路866と第2RF電源864を順次に連結することができる。第1RF電源860と第2RF電源864もそれぞれ10kHz〜13.56MHzまたはVHF(30〜300MHz)のRF電力を提供することができる。
【0103】
また以上で説明した基板の縁のエッチング装置100は、チャンバー110の内部でプラズマを発生させてエッチング工程を行なったが、図22に示したような他の実施形態による基板の縁のエッチング装置900では、チャンバー910の外部に遠隔プラズマ発生装置980を設置して、チャンバー910の内部にはRF電極の代わりにガス供給部990を設置することもできる。ここでRF電源960は遠隔プラズマ発生装置980に連結される。
【0104】
したがって遠隔プラズマ発生装置980で生成されたエッチングガス(SF6、Cl2、CF4、O2等)のイオン及び活性種はガス供給管950を介してガス供給部990に流入した後基板安置台930の上部に噴射される。
【0105】
ガス供給部990は、前述した図3の基板の縁のエッチング装置100のRF電極130と事実上同一構造を有し、したがってその下面に形成された複数の貫通部992毎に基板遮へい部材940が挿入結合される。但しRF電力が印加される必要がないため材質が金属材質に限定されない。
【0106】
一方本発明は前述した実施形態に限定されなくて多様な形態で変形または修正されて実施されることができて、このように変形した実施形態も後述する特許請求範囲に記載された技術的思想を含むならば本発明の権利範囲に属することはもちろんである。
【符号の説明】
【0107】
100、200:基板の縁のエッチング装置
110:チャンバー
120:基板安置台
122:基板安置部
123:トレンチ
124:支持部
126:排気ホール
130:RF電極
132:貫通部
134:噴射ホール
136:整列ピン
140:基板遮へい部材
142:係止段
143:整列溝
144:本体部
146:支持部
150:ガス供給管
160:RF電源
170:絶縁部材
180:遠隔プラズマ発生装置
190:ガス供給部
192:貫通部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバーと;
前記チャンバーの内部に設置し、少なくとも一つの基板に対応される少なくとも一つの第1基板安置部を含む基板安置台と;
前記基板安置台の上部に設置されて、その内部の中空部と、前記少なくとも一つの第1基板安置部に対応される少なくとも一つの貫通部を含むガス供給手段と;
前記少なくとも一つの貫通部より小さい断面積を有する本体部と、前記本体部から外に突出する係止段で構成されて、前記少なくとも一つの貫通部に挿入される少なくとも一つの基板遮へい部材
を含み、前記少なくとも一つの基板遮へい部材は前記係止段によって前記ガス供給手段にぶら下げられて、前記本体部は前記少なくとも一つの基板の中央部を遮って前記少なくとも一つの縁部を露出することを特徴とする基板エッチング装置。
【請求項2】
前記少なくとも一つの第1基板安置部は、凹部と、前記凹部境界の傾斜部を含むことを特徴とする請求項1に記載の基板エッチング装置。
【請求項3】
前記基板安置台は、少なくとも一つの排気ホールをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の基板エッチング装置。
【請求項4】
前記少なくとも一つの排気ホールは、前記少なくとも一つの第1基板安置部に隣接して配置されることを特徴とする請求項3に記載の基板エッチング装置。
【請求項5】
前記基板安置台は、前記少なくとも一つの基板の前記縁部の底面が露出されるように前記少なくとも一つの第1基板安置部の境界に形成されるトレンチをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の基板エッチング装置。
【請求項6】
前記少なくとも一つの基板遮へい部材は、絶縁物質で構成されることを特徴とする請求項1に記載の基板エッチング装置。
【請求項7】
前記少なくとも一つの基板遮へい部材は、前記係止段から下へ突出して前記少なくとも一つの貫通部の境界と接触する少なくとも一つの支持部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の基板エッチング装置。
【請求項8】
前記係止段は、第1整列手段を含んで、前記少なくとも一つの貫通部は前記第1整列手段に対応される第2整列手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の基板エッチング装置。
【請求項9】
前記第1及び第2整列手段は、整列ピンと整列溝であることを特徴とする請求項8に記載の基板エッチング装置。
【請求項10】
前記ガス供給手段は、前記少なくとも一つの貫通部に隣接した少なくとも一つの噴射ホールをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の基板エッチング装置。
【請求項11】
前記ガス供給手段は、第1RF電源に連結されることを特徴とする請求項1に記載の基板エッチング装置。
【請求項12】
前記基板安置台は、接地されたり第2RF電源に連結されることを特徴とする請求項11に記載の基板エッチング装置。
【請求項13】
前記ガス供給手段は、接地されて、前記基板安置台はRF電源に連結されることを特徴とする請求項1に記載の基板エッチング装置。
【請求項14】
前記チャンバー外部に配置されて前記ガス供給手段に連結される遠隔プラズマ発生装置をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の基板エッチング装置。
【請求項15】
前記基板安置台上部のトレーをさらに含んで、前記トレーは、凹部と、前記凹部境界の傾斜部を有して、前記少なくとも一つの第1基板安置部に対応される少なくとも一つの第2基板安置部を含んで、前記基板安置台は平坦な床面を有することを特徴とする請求項1に記載の基板エッチング装置。
【請求項16】
前記トレーは、前記少なくとも一つの第2基板安置部に隣接した少なくとも一つの第1排気ホールをさらに含んで、前記基板安置台は前記少なくとも一つの第1排気ホールに対応される少なくとも一つの第2排気ホールをさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の基板エッチング装置。
【請求項17】
チャンバー内部の基板安置台の少なくとも一つの基板安置部上部に少なくとも一つの基板を安置する段階と;
前記基板安置台上の少なくとも一つの遮へい部材が前記少なくとも一つの基板の中央部を遮って前記少なくとも一つの基板の縁部を露出させるように、前記基板安置台を上昇させる段階と;
前記基板安置台上に配置されたガス供給手段を介して供給される反応ガスを利用して前記少なくとも一つの基板の前記縁部をエッチングする段階と;
を含むことを特徴とする基板エッチング方法。
【請求項18】
前記基板安置台が上昇した場合、前記少なくとも一つの基板遮へい部材と前記少なくとも一つの基板間の距離は0mm〜1mmの範囲に属して、前記少なくとも一つの基板遮へい部材を介して露出する前記少なくとも一つの基板の前記縁部の幅は0.1mm〜5mmの範囲に属することを特徴とする請求項17に記載の基板エッチング方法。
【請求項19】
前記反応ガスは、SF6、Cl2、CF4及びO2の中いずれか一つであって、前記反応ガスは10〜100、000sccmの流量で供給されて、前記チャンバーは10mTorr〜10Torrの圧力を有することを特徴とする基板エッチング方法。
【請求項20】
前記第3段階は、
前記ガス供給手段に100mW/cm2〜5W/cm2の電力密度を有するRF電力を印加して前記反応ガスのプラズマを生成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の基板エッチング方法。
【請求項21】
前記チャンバー外部に配置される遠隔プラズマ発生装置にRF電力を印加して前記反応ガスのプラズマを生成する段階と、前記プラズマを前記ガス供給手段に供給する段階をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の基板エッチング方法。
【請求項22】
中空部と少なくとも一つの貫通部を含むガス供給手段と;
前記少なくとも一つの貫通部より小さい断面積を有する本体部と、前記本体部から外に突出する係止段で構成されて、前記少なくとも一つの貫通部に挿入される少なくとも一つの基板遮へい部材
を含み、前記少なくとも一つの基板遮へい部材は前記係止段によって前記ガス供給手段にぶら下げられることを特徴とするガス供給装置。
【請求項1】
チャンバーと;
前記チャンバーの内部に設置し、少なくとも一つの基板に対応される少なくとも一つの第1基板安置部を含む基板安置台と;
前記基板安置台の上部に設置されて、その内部の中空部と、前記少なくとも一つの第1基板安置部に対応される少なくとも一つの貫通部を含むガス供給手段と;
前記少なくとも一つの貫通部より小さい断面積を有する本体部と、前記本体部から外に突出する係止段で構成されて、前記少なくとも一つの貫通部に挿入される少なくとも一つの基板遮へい部材
を含み、前記少なくとも一つの基板遮へい部材は前記係止段によって前記ガス供給手段にぶら下げられて、前記本体部は前記少なくとも一つの基板の中央部を遮って前記少なくとも一つの縁部を露出することを特徴とする基板エッチング装置。
【請求項2】
前記少なくとも一つの第1基板安置部は、凹部と、前記凹部境界の傾斜部を含むことを特徴とする請求項1に記載の基板エッチング装置。
【請求項3】
前記基板安置台は、少なくとも一つの排気ホールをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の基板エッチング装置。
【請求項4】
前記少なくとも一つの排気ホールは、前記少なくとも一つの第1基板安置部に隣接して配置されることを特徴とする請求項3に記載の基板エッチング装置。
【請求項5】
前記基板安置台は、前記少なくとも一つの基板の前記縁部の底面が露出されるように前記少なくとも一つの第1基板安置部の境界に形成されるトレンチをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の基板エッチング装置。
【請求項6】
前記少なくとも一つの基板遮へい部材は、絶縁物質で構成されることを特徴とする請求項1に記載の基板エッチング装置。
【請求項7】
前記少なくとも一つの基板遮へい部材は、前記係止段から下へ突出して前記少なくとも一つの貫通部の境界と接触する少なくとも一つの支持部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の基板エッチング装置。
【請求項8】
前記係止段は、第1整列手段を含んで、前記少なくとも一つの貫通部は前記第1整列手段に対応される第2整列手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の基板エッチング装置。
【請求項9】
前記第1及び第2整列手段は、整列ピンと整列溝であることを特徴とする請求項8に記載の基板エッチング装置。
【請求項10】
前記ガス供給手段は、前記少なくとも一つの貫通部に隣接した少なくとも一つの噴射ホールをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の基板エッチング装置。
【請求項11】
前記ガス供給手段は、第1RF電源に連結されることを特徴とする請求項1に記載の基板エッチング装置。
【請求項12】
前記基板安置台は、接地されたり第2RF電源に連結されることを特徴とする請求項11に記載の基板エッチング装置。
【請求項13】
前記ガス供給手段は、接地されて、前記基板安置台はRF電源に連結されることを特徴とする請求項1に記載の基板エッチング装置。
【請求項14】
前記チャンバー外部に配置されて前記ガス供給手段に連結される遠隔プラズマ発生装置をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の基板エッチング装置。
【請求項15】
前記基板安置台上部のトレーをさらに含んで、前記トレーは、凹部と、前記凹部境界の傾斜部を有して、前記少なくとも一つの第1基板安置部に対応される少なくとも一つの第2基板安置部を含んで、前記基板安置台は平坦な床面を有することを特徴とする請求項1に記載の基板エッチング装置。
【請求項16】
前記トレーは、前記少なくとも一つの第2基板安置部に隣接した少なくとも一つの第1排気ホールをさらに含んで、前記基板安置台は前記少なくとも一つの第1排気ホールに対応される少なくとも一つの第2排気ホールをさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の基板エッチング装置。
【請求項17】
チャンバー内部の基板安置台の少なくとも一つの基板安置部上部に少なくとも一つの基板を安置する段階と;
前記基板安置台上の少なくとも一つの遮へい部材が前記少なくとも一つの基板の中央部を遮って前記少なくとも一つの基板の縁部を露出させるように、前記基板安置台を上昇させる段階と;
前記基板安置台上に配置されたガス供給手段を介して供給される反応ガスを利用して前記少なくとも一つの基板の前記縁部をエッチングする段階と;
を含むことを特徴とする基板エッチング方法。
【請求項18】
前記基板安置台が上昇した場合、前記少なくとも一つの基板遮へい部材と前記少なくとも一つの基板間の距離は0mm〜1mmの範囲に属して、前記少なくとも一つの基板遮へい部材を介して露出する前記少なくとも一つの基板の前記縁部の幅は0.1mm〜5mmの範囲に属することを特徴とする請求項17に記載の基板エッチング方法。
【請求項19】
前記反応ガスは、SF6、Cl2、CF4及びO2の中いずれか一つであって、前記反応ガスは10〜100、000sccmの流量で供給されて、前記チャンバーは10mTorr〜10Torrの圧力を有することを特徴とする基板エッチング方法。
【請求項20】
前記第3段階は、
前記ガス供給手段に100mW/cm2〜5W/cm2の電力密度を有するRF電力を印加して前記反応ガスのプラズマを生成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の基板エッチング方法。
【請求項21】
前記チャンバー外部に配置される遠隔プラズマ発生装置にRF電力を印加して前記反応ガスのプラズマを生成する段階と、前記プラズマを前記ガス供給手段に供給する段階をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の基板エッチング方法。
【請求項22】
中空部と少なくとも一つの貫通部を含むガス供給手段と;
前記少なくとも一つの貫通部より小さい断面積を有する本体部と、前記本体部から外に突出する係止段で構成されて、前記少なくとも一つの貫通部に挿入される少なくとも一つの基板遮へい部材
を含み、前記少なくとも一つの基板遮へい部材は前記係止段によって前記ガス供給手段にぶら下げられることを特徴とするガス供給装置。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2009−218596(P2009−218596A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−54101(P2009−54101)
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【出願人】(504210651)チュサン エンジニアリング コー リミテッド (7)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【出願人】(504210651)チュサン エンジニアリング コー リミテッド (7)
【Fターム(参考)】
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