説明

基板処理システム

【課題】セキュリティ及び操作性の向上を実現する基板処理システムを提供する。
【解決手段】
本発明に係る基板処理システムは、基板を処理する基板処理装置及びこれを制御するための制御データを編集及び操作する制御装置とを有する基板処理システムであって、前記制御装置は、操作者を認証する認証手段と、認証された操作者から、制御データの編集及び操作を受け付ける受付手段と、制御データの編集及び操作が受け付けられない状態で予め定められた時間が経過した場合であって、予め定められた時間前に最後に制御データが編集されていたときには、編集された内容を保存して、認証された操作者の認証を無効化し、予め定められた時間前に最後に制御データが操作されていたときには、制御データの操作が完了した後、認証された操作者の認証を無効化する無効化手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板やガラス基板等の基板を処理する基板処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の基板処理システムは、基板処理装置及びリモート端末から構成される。基板処理装置は、各種パラメータ及びレシピに基づいて制御される。リモート端末には、専用のアプリケーションがインストールされ、リモート端末を利用するユーザは、アプリケーションを起動してログインすることによって、ネットワークを介して基板処理装置にアクセスし、パラメータ及びレシピを編集及び操作することができる。
リモート端末を利用するユーザが不特定多数である場合には、あるユーザ(ユーザA)がログインして作業した後、ログアウトせずリモート端末を離れてしまい、別のユーザ(ユーザB)がユーザAになりすまして作業するおそれがある。
このようなセキュリティの問題を解決するため、例えば、あるユーザがログアウトしないままセッションを切断した後、別のユーザが再度セッションを接続した場合に、図1に示すような警告画面を表示することにより、別のユーザにログアウトを促すという技術が知られている。
しかしながら、ユーザにとっては、このようにログアウトを促されることは非常に煩雑である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上述した背景からなされたものであり、セキュリティ及び操作性の向上を実現する基板処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明に係る基板処理システムは、基板を処理する基板処理装置と、前記基板処理装置を制御する制御データを編集及び操作して、前記基板処理装置を制御する制御装置とを有する基板処理システムであって、前記制御装置は、前記制御装置の操作者を認証する認証手段と、前記認証手段により認証された操作者から、制御データの編集及び操作を受け付ける受付手段と、前記受付手段により制御データの編集及び操作が受け付けられない状態で予め定められた時間が経過した場合であって、予め定められた時間前に最後に制御データが編集されていたときには、編集された内容を保存して、前記認証手段により認証された操作者の認証を無効化し、予め定められた時間前に最後に制御データが操作されていたときには、制御データの操作が完了した後、前記認証手段により認証された操作者の認証を無効化する無効化手段とを有する基板処理システムである。
【0005】
好適には、制御データの操作は、制御データのコピー、削除及び移動である。
【0006】
好適には、前記無効化手段は、前記受付手段により制御データの編集及び操作が受け付けられず、予め定められた時間が経過し、直前に制御データが編集されていた場合、編集された制御データをバッファに保存する。
【0007】
好適には、前記認証手段により認証された操作者が再度認証された場合、前記受付手段は、再度認証された操作者から、バッファに保存された制御データの編集及び操作を受け付ける。
【0008】
好適には、前記無効化手段により制御データが保存されるバッファは、操作者ごとに設けられる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る基板処理システムによれば、再ログインが促されることなく、ユーザのなりすましが防止されるので、セキュリティ及び操作性の向上を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
[基板処理システム1の全体構成]
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図2は、本発明の実施形態に係る基板処理システム1の構成を示す図である。
図2に示すように、基板処理システム1は、基板処理装置10−1〜10−n、ルータ16及び外部操作装置17を有し、これらは、例えば、LAN等の通信ネットワーク18により互いに通信可能なように接続されている。
このような構成によって、基板処理システム1において、基板処理装置10−1〜10−nは、外部操作装置17からの制御を受け付ける。
【0011】
なお、複数存在しうる基板処理装置10−1〜10−nなどのいずれかが特定されずに示されるときには、基板処理装置10などと略記される。
以下、各図面において、実質的に同じ構成部分には、同じ符号が付加される。
【0012】
[基板処理装置10]
基板処理装置10は、それぞれ、基板処理装置本体11を有する。さらに、基板処理装置本体11は、それぞれ、主コントローラ12、スイッチングハブ13、操作装置14及びビデオケーブル15を有する。
基板処理装置本体11の外壁(例えば、基板処理装置10の背面側(図2における左側))には、それぞれ、操作装置14が装着されている。操作装置14は、ビデオケーブルを介して、主コントローラに接続されている。
また、基板処理装置10には、スイッチングハブ13を介して主コントローラ12に接続されるようにして、外部操作装置17が接続されている。
なお、基板処理装置10の詳細は後述する。
【0013】
[主コントローラ12]
主コントローラ12は、少なくとも、処理炉(後述)を制御する制御手段として用いられ、主コントローラ12によって、基板処理装置10が制御される。また、主コントローラ12は、ビデオケーブル15及び通信ネットワーク18を介して、操作装置14及び外部操作装置17から、基板処理装置10に関するパラメータ及びレシピに対する編集及び操作を受け入れる。例えば、主コントローラ12は、モータ(後述)に関するパラメータの編集を受け入れた場合には、搬送制御部(後述)に対して、受け入れた編集内容を反映させるようにする。また、主コントローラ12は、ヒータ(後述)に関するパラメータの編集を受け入れた場合には、プロセス制御部(後述)に対して、受け入れた編集内容を反映させるようにする。
【0014】
ここで、基板処理装置10に関するパラメータは、例えば、基板処理装置10を操作するユーザ、ユーザが所属するグループに応じて予め設定される操作権限を定義する権限パラメータ、及び、ユーザが操作する機能を制限する機能制御パラメータなどである。また、基板処理装置10に関するレシピは、例えば、複数のプロセスからなる運転レシピである。
基板処理装置10に関するパラメータ及びレシピは、パラメータ及びレシピが関連する制御部のRAM(後述)などに、ファイル形式で記憶される。例えば、モータに関するパラメータ及びレシピは、搬送制御部のRAMに記憶され、ヒータに関するパラメータ及びレシピは、プロセス制御部のRAMに記憶される。
以下、基板処理装置10に関するパラメータ及びレシピをファイル形式で保存したものの少なくとも一部を変更することを「ファイル編集」と記載し、コピー、削除及び移動することを「ファイル操作」と記載する。
【0015】
[操作装置14]
操作装置14は、基板処理装置10の近傍に配置される。ここでは、操作装置14は、基板処理装置本体11に装着させているが、基板処理装置10と一体にしてもよいし、基板処理装置10と別体にしてもよい。
ここで、操作装置14が基板処理装置10の近傍に配置されるとは、基板処理装置10を操作するユーザが、基板処理装置10の状態を確認できる位置に操作装置14が配置されていることをいう。
【0016】
操作装置14は、例えば、液晶表示パネルからなる表示装置(不図示)を有する。
操作装置14のCPU(不図示)が表示制御プログラム(後述)を実行することにより、表示装置には、少なくとも、ユーザ認証、ファイル編集及びファイル操作を行うための画面が表示される。
【0017】
[外部操作装置17]
外部操作装置17は、操作装置14と同様の表示装置を有し、外部操作装置17においても、外部操作装置17のCPU(不図示)が表示制御プログラム(後述)を実行することにより、表示装置には、少なくとも、ユーザ認証、ファイル編集及びファイル操作を行うための画面が表示される。
外部操作装置17は、例えば、WBT(Windows(登録商標)−Based Terminal)からなる。WBTとは、前述のTSEが動作するサーバにネットワークを介して接続して処理するための専用端末機である。
また、外部操作装置17は、基板処理装置10(または基板処理装置本体11)近傍に配置される。ここでは、外部操作装置17は、基板処理装置本体11に直接接続させ、スイッチングハブ13を介して主コントローラにアクセスするよう構成しているが、ルータ16を介して基板処理装置本体11に接続させてもよい。
また、ここでは、1台の外部操作装置17が1台の基板処理装置10に接続されるよう構成しているが、複数の外部操作装置17が1台の基板処理装置10に接続されるよう構成してもよい。
また、外部操作装置17は、基板処理装置10が設置されているクリーンルーム内に設置されてもよいし、別のフロアに設置されてもよい。
【0018】
[基板処理装置10の詳細構成]
図3には、基板処理装置10が斜視図を用いて示されている。また、図4には、基板処理装置10が側面透視図を用いて示されている。
基板処理装置10は、基板として用いられるシリコン等からなるウエハ100を処理する。
【0019】
図3及び図4に示されているように、基板処理装置10は、基板処理装置本体11を備える。また、基板処理装置10では、ウエハ100を収納したウエハキャリアとして用いられるフープ(基板収容器。以下、ポッド)101が使用されている。
基板処理装置本体11の正面壁11aの正面前方部にはメンテナンス可能なように設けられた開口部として用いられる正面メンテナンス口102が設置され、正面メンテナンス口102を開閉する正面メンテナンス扉103が建て付けられている。なお、上側の正面メンテナンス扉103近傍には、操作部(不図示)が設置されている。
【0020】
基板処理装置本体11の正面壁11aには、ポッド搬入搬出口104が基板処理装置本体11の内外を連通するように開設されており、ポッド搬入搬出部104はフロントシャッタ105によって開閉されるようになっている。
ポッド搬入搬出部104の正面前方側にはロードポート106が設置されており、ロードポート106はポッド101を載置されて位置合わせするように構成されている。ポッド101はロードポート106上に工程内搬送装置(不図示)によって搬入され、ロードポート106上から搬出されるようになっている。
【0021】
基板処理装置本体11内の前後方向の略中央部における上部には、回転式ポッド棚107が設置されており、回転式ポッド棚107は複数個のポッド101を保管するように構成されている。すなわち、回転式ポッド棚107は垂直に設置されて水平面内で間欠回転される支柱108と、支柱108に上中下段の各位置において放射状に支持された複数枚の棚板109とを備えており、複数枚の棚板109はポッド101を複数個宛にそれぞれ載置した状態で保持するように構成されている。
【0022】
基板処理装置本体11内におけるロードポート106と回転式ポッド棚107との間には、ポッド搬送装置110が設置されており、ポッド搬送装置110は、ポッド101を保持したまま昇降可能なポッドエレベータ110aと搬送機構としてのポッド搬送機構110bとで構成されており、ポッド搬送装置110はポッドエレベータ110aとポッド搬送機構110bとの連続動作により、ロードポート106、回転式ポッド棚107、ポッドオープナ111との間で、ポッド101を搬送するように構成されている。
【0023】
基板処理装置本体11内の前後方向の略中央部における下部には、サブ筐体112が後端にわたって設置されている。サブ筐体112の正面壁112aにはウエハ100をサブ筐体112内に対して搬入搬出するためのウエハ搬入搬出口113が一対、垂直方向に上下二段に並べられて設置されており、上下段のウエハ搬入搬出口113には、一対のポッドオープナ111がそれぞれ設置されている。ポッドオープナ111はポッド101を載置する載置台114と、ポッドのキャップを着脱するキャップ着脱機構115を備えている。ポッドオープナ111は載置台114に載置されたポッド101のキャップをキャップ着脱機構115によって着脱することにより、ポッド101のウエハ出し入れ口を開閉するように構成されている。
【0024】
サブ筐体112はポッド搬送装置110や回転式ポッド棚107の設置空間から流体的に隔絶された移載室116を構成している。移載室116の前側領域にはウエハ移載機構117が設置されており、ウエハ移載機構117は、ウエハ100を水平方向に回転ないし直動可能なウエハ移載装置117a及びウエハ移載装置117aを昇降させるためのウエハ移載装置エレベータ117bとで構成されている。図3に模式的に示されているようにウエハ移載装置エレベータ117bは基板処理装置本体11右側端部とサブ筐体112の移載室116前方領域右端部との間に設置されている。これら、ウエハ移載装置エレベータ117b及びウエハ移載装置117aの連続動作により、ウエハ移載装置117aのツイーザ117cをウエハ100の載置部として、ボート118に対してウエハ100を装填(チャージング)及び脱装(ディスチャージング)するように構成されている。
【0025】
移載室116の後側領域には、ボート118を収容して待機させる待機部119が構成されている。待機部119の上方には、処理炉120が設けられている。処理炉120の下端部は、炉口シャッタ121により開閉されるように構成されている。
【0026】
図3に模式的に示されているように、基板処理装置本体11右側端部とサブ筐体112の待機部119右端部との間にはボート118を昇降させるためのボートエレベータ122が設置されている。ボートエレベータ122の昇降台に連結された連結具としてのアーム123には蓋体としてのシールキャップ124が水平に据え付けられており、シールキャップ124はボート118を垂直に支持し、処理炉120の下端部を閉塞可能なように構成されている。
ボート118は複数本の保持部材を備えており、複数枚(例えば、50〜125枚程度)のウエハ100をその中心を揃えて垂直方向に整列させた状態で、それぞれ水平に保持するように構成されている。
【0027】
また、図3に模式的に示されているように移載室116のウエハ移載装置エレベータ117b側及びボートエレベータ122側と反対側である左側端部には、清浄化した雰囲気もしくは不活性ガスであるクリーンエア125を供給するよう供給ファン及び防塵フィルタで構成されたクリーンユニット126が設置されており、ウエハ移載装置117aとクリーンユニット126との間には、ウエハの円周方向の位置を整合させる基板整合装置としてのノッチ合わせ装置(不図示)が設置されている。
【0028】
クリーンユニット126から吹き出されたクリーンエア125は、ノッチ合わせ装置及びウエハ移載装置117a、待機部119にあるボート118に流通された後に、ダクト(不図示)により吸い込まれて、基板処理装置本体11の外部に排気がなされるか、もしくはクリーンユニット126の吸い込み側である一次側(供給側)にまで循環され、再びクリーンユニット126によって、移載室117内に吹き出されるように構成されている。
【0029】
[基板処理装置10の動作]
次に、本発明の基板処理装置10の動作について説明する。
図3及び図4に示されているように、ポッド101がロードポート106に供給されると、ポッド搬入搬出口104がフロントシャッタ105によって開放され、ロードポート106の上のポッド101はポッド搬送装置110によって基板処理装置本体11の内部へポッド搬入搬出口104から搬入される。
【0030】
搬入されたポッド101は回転式ポッド棚107の指定された棚板109へポッド搬送装置110によって自動的に搬送されて受け渡され、一時的に保管された後、棚板109から一方のポッドオープナ111に搬送されて受け渡され、一時的に保管された後、棚板109から一方のポッドオープナ111に搬送されて載置台114に移載されるか、もしくは直接ポッドオープナ111に搬送されて載置台114に移載される。この際、ポッドオープナ111のウエハ搬入搬出口113はキャップ着脱機構115によって閉じられており、移載室116にはクリーンエア125が流通され、充満されている。例えば、移載室116にはクリーンエア125として窒素ガスが充満することにより、酸素濃度が20ppm以下と、基板処理装置本体11の内部(大気雰囲気)の酸素濃度よりも遥かに低く設定されている。
【0031】
載置台114に載置されたポッド101はその開口側端面がサブ筐体112の正面壁112aにおけるウエハ搬入搬出口113の開口縁辺部に押し付けられるとともに、そのキャップがキャップ着脱機構123によって取り外され、ウエハ出し入れ口を開放される。
ポッド101がポッドオープナ111によって開放されると、ウエハ100はポッド101からウエハ移載装置117aのツイーザ117cによってウエハ出し入れ口を通じてピックアップされ、ノッチ合わせ装置(不図示)にてウエハを整合した後、移載室116の後方にある待機部119へ搬入され、ボート118に装填(チャージング)される。ボート118にウエハ100を受け渡したウエハ移載装置117aはポッド101に戻り、次のウエハをボート118に装填する。
【0032】
この一方(上段または下段)のポッドオープナ111におけるウエハ移載機構117によるウエハのボート118への装填作業中に、他方(下段または上段)のポッドオープナ111には回転式ポッド棚107から別のポッド101がポッド搬送装置110によって搬送されて移載され、ポッドオープナ111によるポッド101の開放作業が同時進行される。
【0033】
予め指定された枚数のウエハ100がボート118に装填されると、炉口シャッタ121によって閉じられていた処理炉120の下端部が、炉口シャッタ121によって、開放される。続いて、ウエハ100群を保持したボート118はシールキャップ124がボートエレベータ122によって上昇されることにより、処理炉120内へ搬入(ローディング)されて行く。
【0034】
ローディング後は、処理炉120にてウエハ100に任意の処理が実施される。
処理後は、ノッチ合わせ装置(不図示)でのウエハの整合工程を除き、概上述の逆の手順で、ウエハ100及びポッド101は筐体の外部へ払出される。
【0035】
[基板処理システム1のハードウエア構成]
以下、基板処理システム1におけるハードウエア構成を説明する。
図5は、基板処理システム1のハードウエア構成を示す図である。
図5に示すように、基板処理装置10内の基板処理装置本体11は、前述した主コントローラ12、スイッチングハブ13、操作装置14及びビデオケーブル15のほか、搬送制御部19及びプロセス制御部21を有する。
【0036】
搬送制御部19は、例えばCPUなどからなる搬送系コントローラ20を有し、プロセス制御部21は、例えばCPUなどからなるプロセス系コントローラ22を有する。搬送系コントローラ20及びプロセス系コントローラ22は、スイッチングハブ13を介して、主コントローラ12に接続される。
なお、搬送系コントローラ20及びプロセス系コントローラ22の詳細は後述する。
【0037】
[搬送制御部19]
図6には、搬送制御部19の詳細が記載されている。
図6に示されるように、搬送制御部19は、上記の搬送系コントローラ20を有するとともに、ROM(Read Only Memory)200、RAM(Random Access Memory)201、モータドライバ202、モータドライバ203、及び、モータドライバ202及びモータドライバ203とのI/O制御を行うI/O制御部204を有する。ROM200及びRAM201は、モータ205及びモータ206に関するパラメータ及びレシピを記憶する。
搬送系コントローラ20は、操作装置14及び外部操作装置17の表示装置でファイル編集及びファイル操作された内容を、RAM201等に記憶されているパラメータ及びレシピに反映させ、反映後のパラメータ及びレシピに基づいて基板を搬送するための制御データを、モータドライバ202及びモータドライバ203に対して出力する。
モータドライバ202及びモータドライバ203は、基板を搬送するための駆動源として用いられるモータ205及びモータ206により、基板処理システム1内におけるウエハ100の搬送を制御する。
【0038】
[プロセス制御部21]
図7には、プロセス制御部21の詳細が記載されている。
図7に示されるように、プロセス制御部21は、前述したプロセス系コントローラ22を有するとともに、ROM200、RAM201、温度制御部207、ガス制御部208、圧力制御部209、及び、温度制御部207等とのI/O制御を行うI/O制御部204を有する。ROM200及びRAM201は、前述した処理炉120、ヒータ210、MFC(マスフローコントローラ)211、ガス配管212、排気配管213、圧力センサ214及びバルブ215に関するパラメータ及びレシピを記憶する。
プロセス系コントローラ22は、操作装置14及び外部操作装置17の表示装置でファイル編集及びファイル操作された内容を、RAM201等に記憶されているパラメータ及びレシピに反映させ、反映後のパラメータ及びレシピに基づいて基板を処理するための制御データを、温度制御部207、ガス制御部208及び圧力制御部209に対して出力する。
【0039】
温度制御部207は、処理炉120の外周部に設けられたヒータ210により処理炉120内の温度を制御する。
ガス制御部208は、処理炉120のガス配管212に設けられたMFC(マスフローコントローラ)211からの出力値に基づいて処理炉120内に供給する反応ガスの供給量等を制御する。
圧力制御部209は、処理炉120の排気配管213に設けられた圧力センサ214の出力値に基づいてバルブ215を開閉することにより処理炉120内の圧力を制御する。
このように、温度制御部207等のサブコントローラは、プロセス系コントローラ22からの制御データに基づいて基板処理装置10の各部(ヒータ210、MFC211及びバルブ215等)を制御する。
【0040】
[表示制御プログラム23]
図8は、前述した操作装置14及び外部操作装置17において実行される表示制御プログラム23の機能構成を示す図である。
図8に示すように、表示制御プログラム23は、ユーザインターフェース(UI部)24、認証部25、認証情報記憶部26、セッション監視部27、セッション情報記憶部28及び操作制御部29を有する。
表示制御プログラム23は、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク及びCD−ROMなどの外部記憶媒体(不図示)に格納されて操作装置14及び外部操作装置17に供給され、メモリ(不図示)にロードされて、操作装置14及び外部操作装置17上で動作するOS(Operation System;不図示)上で、ハードウエア資源を具体的に利用して実行される。
なお、表示制御プログラム23は、前述した通信ネットワーク18に接続されたコンピュータから供給されてもよい。
【0041】
[UI部24]
表示制御プログラム23において、UI部24は、表示装置(不図示)に対するユーザの作業を受け入れ、表示制御プログラム23の各構成要素に出力する。例えば、UI部24は、ユーザ認証のためのユーザ名及びパスワードを受け入れた場合には、認証部25に出力し、ファイル編集及びファイル操作を受け入れた場合には、操作制御部30に出力する。また、UI部24は、表示制御プログラム23の各構成要素により作成されたデータ及び各構成要素の処理内容などを、表示装置に表示する。例えば、UI部24は、認証部25によるユーザ認証が失敗した場合には、その旨を表示装置に表示し、操作制御部29により自動ログアウトされた場合には、その旨を表示装置に表示する。
【0042】
[認証部25]
認証部25は、UI部24から受け入れたユーザ名及びパスワードが、認証情報記憶部26に予め登録されたユーザ名及びパスワードのいずれかと一致するか否かを判定する。認証部25は、一致すると判定する場合には、表示装置の操作者が正規のユーザであると判断して(ユーザ認証に成功)、表示装置の操作者にファイル編集及びファイル操作を許可する。一方、そうでない場合には、表示装置の操作者は正規のユーザではないと判断し(ユーザ認証に失敗)、表示装置の操作者にファイル編集及びファイル操作を禁止する。
さらに、認証部25は、このようなユーザ認証の履歴を認証情報記憶部26に送信し、認証に成功したユーザの名前をセッション情報記憶部28に送信する。
【0043】
[認証情報記憶部26]
認証情報記憶部26は、例えば、図9に示すように、ユーザ名、パスワード及びログイン履歴というデータ項目を有する。
ユーザ名及びパスワードは、基板処理システム1の管理者などにより、予め登録される。ログイン履歴は、上記の認証部25によってユーザ認証が行われた場合に、ユーザ認証の履歴として記憶される。
【0044】
[セッション監視部27]
セッション監視部27は、例えば、1秒間隔でOSに対してAPI(例えば、WTSQuerySessionInformationなど)を実行することにより、セッションの接続状態を問い合わせる。
さらに、セッション監視部27は、問い合わせた接続状態に応じて、セッション情報記憶部28の接続状態を更新する。例えば、セッション監視部27は、問い合わせた接続状態がアクティブである場合には、セッション情報記憶部28の接続状態がアクティブになるよう更新する。一方、セッション監視部27は、問い合わせた接続状態が切断であって、セッション情報記憶部28に記憶されている接続状態がアクティブである場合には、セッション切断イベントを操作制御部29に通知し、セッション情報記憶部28の接続状態を更新する。セッション切断イベントは、例えば、予め定められた時間内に、UI部24が、ユーザによる処理を受け入れないことなどである。
【0045】
[セッション情報記憶部28]
セッション情報記憶部28は、例えば、図10に示すように、ユーザ名及び接続状態というデータ項目を有する。ユーザ名として、上記の認証部25から送信されたものがセットされ、接続状態として、ここでは、初期値'切断'がセットされている。
【0046】
[操作制御部29]
操作制御部29は、UI部24から受け入れたユーザによる処理の内容を、前述の主コントローラ12に出力する。さらに、操作制御部29は、上記のセッション監視部27から、セッション切断イベントを通知された場合には、適宜、自動ログアウトする。
具体的には、操作制御部29は、セッション切断イベントの発生直前にUI部24から受け入れた処理がファイル編集である場合には、編集された内容が反映されないようにして(つまり、編集された内容を破棄し、編集される前の状態で保存されるようにして)から、セッションを終了する(ログアウト)。なお、操作制御部29は、編集された内容が予め作成されたバッファファイル(不図示)に保存されるようにしてから、セッションを終了してもよい。バッファファイルには、同一ユーザが再ログインすることによりアクセス可能であるようにしてもよい。また、バッファファイルは、ユーザごとに設けられてもよい。
また、操作制御部29は、セッション切断イベントの発生直前にUI部24から受け入れた処理がファイル操作である場合には、予め定められた時間間隔で、ファイル操作が終了したか否かを確認し、ファイル操作が終了したことを確認してからセッションを終了する。
操作制御部29は、セッションを終了した場合には、認証情報記憶部26のログイン履歴を更新する。
【0047】
図11は、上記のUI部24により表示される画面である。
図11Aは、UI部24により表示されるメイン画面である。メイン画面は、上記の表示制御プログラム23の実行が開始される場合に表示される初期画面である。
図11Aに示すように、メイン画面には、ユーザ認証のためのログインボタン30が表れる。
【0048】
図11Bは、UI部24により表示される認証画面である。認証画面は、上記のメイン画面でログインボタン30が押下されることにより、この認証画面に切り替えられる。
図11Bに示すように、認証画面には、ユーザ名を入力するためのフォームであるユーザ名入力部31、パスワードを入力するためのフォームであるパスワード入力部32と、入力されたユーザ名及びパスワードを確定する確定ボタン33とが表れる。
【0049】
図11Cは、UI部24により表示されるメニュー画面である。メニュー画面は、上記の認証画面で確定ボタン33が押下され、入力されたユーザ名及びパスワードに基づき、ユーザ認証が成功した場合、このメニュー画面に切り替えられる。
図11Cに示すように、メニュー画面には、ファイル編集ボタン34及びファイル操作ボタン表示部35が表れる。ここでは、ファイル操作ボタンとして、ファイルコピーボタン36、ファイル削除ボタン37及びファイル移動ボタン38が表れる。
【0050】
図12は、表示制御プログラム23の全体動作(S10)を説明するフローチャートである。
ステップ100(S100)において、前述したUI部24が、図11Aに示したメイン画面を表示する。
ステップ101(S101)において、UI部24が、メイン画面のログインボタン30が押下されたか否かを判定し、ログインボタン30が押下されたと判定した場合、ステップ102の処理に進む。一方、そうでない場合には、ステップ101の判定を繰り返す。
ステップ102(S102)において、UI部24が、図11Bに示した認証画面を表示する。
ステップ103(S103)において、前述した認証部25が、認証画面のユーザ名入力部31に入力されたユーザ名及びパスワード入力部32に入力されたパスワードに基づいて、ユーザ認証を行う。ユーザ認証が成功した場合には、ステップ104の処理に進み、そうでない場合には、ステップ103の判定を繰り返す。
【0051】
ステップ104(S104)において、ステップ103で認証に成功したユーザがファイル編集及びファイル操作するための新しいセッションが生成され、ユーザにセッションIDが割り振られる。
さらに、接続状態の初期値が、前述したセッション情報記憶部28に記憶され、ステップ105及びステップ108の処理に進む。なお、ステップ105〜107の処理及びステップ108〜109の処理は、並行して行われ、ステップ110におけるイベント検知をトリガとして、ステップ107の処理は自動ログアウト処理(S30)に移行する。
ステップ105(S105)において、UI部24は、図11Cに示したメニュー画面を表示する。
ステップ106(S106)において、UI部24が、メニュー画面のボタンが押下されたか否かを判定し、いずれかのボタンが押下されたと判定した場合、ステップ107の処理に進む。一方、そうでない場合には、ステップ106の判定を繰り返す。
【0052】
ステップ107(S107)において、UI部24が、表示装置に対するユーザの作業を受け入れる。さらに、ステップ107では、操作制御部29が、ステップ109においてセッション切断イベントを受信した場合には、自動ログアウト処理(S30)に進む。
ステップ108(S108)において、前述したセッション監視部27が、ステップ104においてセッションが作成されてから、予め定められた時間を経過したか否かを判定する。予め定められた時間を経過したと判定した場合、セッション監視処理(S20)に移行する。一方、そうでない場合には、ステップ108の判定を繰り返す。
ステップ109(S109)において、前述した操作制御部29が、セッション監視部27から、セッション切断イベントを受信したか否かを判定する。セッション切断イベントを受信したと判定された場合には、自動ログアウト処理(S30)に進み、そうでない場合には、ステップ108の判定に戻る。
【0053】
図13は、上記のセッション監視処理(S20)を説明するフローチャートである。
ステップ200(S200)において、前述のセッション監視部27は、セッションの接続状態を問い合わせ、ステップ201の処理に進む。
ステップ201(S201)において、ステップ201で問い合わせた接続状態がアクティブ又は切断のいずれであるかを判定する。問い合わせた接続状態が切断である場合には、ステップ202の処理に進み、アクティブである場合には、ステップ203の処理に進む。
ステップ202(S202)において、ステップ201で接続状態が切断であると判定されたセッションの、前述のセッション情報記憶部28に記憶されている接続状態が、アクティブ又は切断のいずれであるかを判定する。セッション情報記憶部28の接続状態がアクティブである場合には、ステップ204の処理に進み、切断である場合には、セッション監視処理を終了する。
【0054】
ステップ203(S203)において、セッション監視部27は、セッション情報記憶部28の接続状態がアクティブになるよう更新する。
ステップ204(S204)において、セッション監視部27は、セッション切断イベントを操作制御部29に通知し、ステップ205の処理に進む。
ステップ205(S205)において、セッション監視部27は、セッション情報記憶部28の接続状態が切断になるよう更新する。
【0055】
図14は、前述した自動ログアウト処理(S30)を説明するフローチャートである。
ステップ300(S300)において、操作制御部29が、前述したステップ107で受け入れた処理がファイル編集であるか否かを判定する。ユーザがファイル編集中であると判定された場合には、ステップ303の処理に進み、そうでない場合には、ステップ301の処理に進む。
ステップ301(S301)において、操作制御部29が、ステップ107で受け入れた処理がファイル操作であるか否かを判定する。ユーザがファイル操作中であると判定された場合には、ステップ302の処理に進み、そうでない場合には、ステップ304の処理に進む。
ステップ302(S302)において、操作制御部29が、ステップ301の判定から予め定められた時間を経過したか否かを判定する。予め定められた時間を経過したと判定された場合には、ステップ301の判定に戻り、そうでない場合には、ステップ302の判定を繰り返す。
【0056】
ステップ303(S303)において、ステップ300で編集中と判定された内容が反映されないようにして、ステップ304の処理に進む。
ステップ304(S304)において、UI部24は、ステップ105で表示されたメニュー画面を、メイン画面に切り替え、ステップ305の処理に進む。
ステップ305(S305)において、操作制御部29は、ステップ104で作成されたセッションを終了し、認証情報記憶部26のログイン履歴を更新する。
【0057】
以上説明したように、ユーザが認証された後、セッション切断イベントが検知された場合には、認証されたユーザは自動でログアウトされるので、ユーザは、手動でログアウトする必要がなくなる。
【0058】
なお、本発明に係る基板処理システムを構成する基板処理装置10は、半導体製造装置だけではなく、LCD装置などのガラス基板を処理する装置にも適用される。また、本発明に係る基板処理システムを構成する基板処理装置10は、他の基板処理装置である露光装置、塗布装置、乾燥装置、加熱装置などにも適用される。また、本発明に係る基板処理システムを構成する基板処理装置10は、炉内の処理を限定せず、CVD、PVD、酸化膜、窒化散を形成する処理、及び、金属を含む膜を形成する処理を含む成膜処理を行うことができる。さらに、本発明に係る基板処理システムを構成する基板処理装置10は、アニール処理、酸化処理、窒化処理及び拡散処理等を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】従来技術において表示される警告画面である。
【図2】本発明の実施形態に係る基板処理システム1の構成を示す図である。
【図3】斜視図を用いて示される基板処理装置10である。
【図4】側面透視図を用いて示される基板処理装置10である。
【図5】基板処理システム1のハードウエア構成を示す図である。
【図6】搬送制御部19の詳細が記載されている。
【図7】プロセス制御部21の詳細が記載されている。
【図8】操作装置14及び外部操作装置17において実行される表示制御プログラム23の機能構成を示す図である。
【図9】認証情報記憶部26に記憶される認証情報の例である。
【図10】セッション情報記憶部28に記憶されるセッション情報の例である。
【図11A】UI部24により表示されるメイン画面である。
【図11B】UI部24により表示される認証画面である。
【図11C】UI部24により表示されるメニュー画面である。
【図12】表示制御プログラム23の全体動作(S10)を説明するフローチャートである。
【図13】セッション監視処理(S20)を説明するフローチャートである。
【図14】自動ログアウト処理(S30)を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0060】
1 基板処理システム
10 基板処理装置
11 基板処理装置本体
12 主コントローラ
13 スイッチングハブ
14 操作装置
15 ビデオケーブル
16 ルータ
17 外部操作装置
18 通信ネットワーク
19 搬送制御部
20 搬送系コントローラ
21 プロセス制御部
22 プロセス系コントローラ
23 表示制御プログラム
24 UI部
25 認証部
26 認証情報記憶部
27 セッション情報記憶部
28 セッション監視部
29 操作制御部
30 ログインボタン
31 ユーザ名入力部
32 パスワード入力部
33 確定ボタン
34 ファイル編集ボタン
35 ファイル操作ボタン表示部
36 ファイルコピーボタン
37 ファイル削除ボタン
38 ファイル移動ボタン
100 ウエハ
101 ポッド
102 正面メンテナンス口
103 正面メンテナンス扉
104 ポッド搬入搬出口
105 フロントシャッタ
106 ロードポート
107 回転式ポッド棚
108 支柱
109 基板収容器載置台
110 ポッド搬送装置
111 ポッドオープナ
112 サブ筐体
113 ウエハ搬入搬出口
114 載置台
115 キャップ着脱機構
116 移載室
117 ウエハ移載機構
118 ボート
119 待機部
120 処理炉
121 炉口シャッタ
122 ボートエレベータ
123 アーム
124 シールキャップ
125 クリーンエア
126 クリーンユニット
200 ROM
201 RAM
202 モータドライバ
203 モータドライバ
204 I/O制御部
205 モータ
206 モータ
207 温度制御部
208 ガス制御部
209 圧力制御部
210 ヒータ
211 MFC
212 ガス配管
213 排気配管
214 圧力センサ
215 バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する基板処理装置と、前記基板処理装置を制御する制御データを編集及び操作して、前記基板処理装置を制御する制御装置とを有する基板処理システムであって、
前記制御装置は、
前記制御装置の操作者を認証する認証手段と、
前記認証手段により認証された操作者から、制御データの編集及び操作を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により制御データの編集及び操作が受け付けられない状態で予め定められた時間が経過した場合であって、予め定められた時間前に最後に制御データが編集されていたときには、編集された内容を保存して、前記認証手段により認証された操作者の認証を無効化し、予め定められた時間前に最後に制御データが操作されていたときには、制御データの操作が完了した後、前記認証手段により認証された操作者の認証を無効化する無効化手段と
を有する基板処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−102430(P2010−102430A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−271841(P2008−271841)
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】