説明

基板接続部材とそれを用いた三次元接続構造体並びに三次元接続構造体の製造方法

【課題】電子部品を搭載したモジュール基板間を電気的および機械的に接続することが可能で、かつ衝撃力に対して強い基板接続部材とそれを用いた三次元接続構造体並びにその製造方法を提供する。
【解決手段】樹脂製の第1ハウジング14と、第1ハウジング14にあらかじめ設定されたピッチで植設された複数のリード端子15とを有する第1ブロック12と、第1ハウジング14と同じ外形を有し、加熱することで少なくとも表面が軟化して粘着性を発現し、かつ常温においては粘弾性特性を有する第2ハウジング17と、上記リード端子15と同じピッチで第2ハウジング17に植設された複数の連結導体18とを有する第2ブロック13とを一組とし、第1ブロック12と第2ブロック13とが第2ハウジング17の粘着性により接着され、リード端子15と連結導体18とを機械的な接触により電気的導通を有するリード部とした構成からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能回路を構成するモジュール基板間を接続するための基板接続部材とそれを用いた三次元接続構造体並びに三次元接続構造体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、チップ部品等の受動部品や半導体IC等の機能部品を実装して機能回路を構成したモジュール基板間を接合する基板接続部材としては、樹脂製スペーサに複数個の接続ピンを固定したピンコネクタを使用していた。
【0003】
図13は、従来のピンコネクタによる接続構造の断面図を示す。図13に示すように、樹脂スペーサ1に貫通固定された複数個の金属製接続ピン2の上端部2Aをモジュール基板4Aの配線パターン5Aに貫通させ、下端部2Bをモジュール基板4Bの配線パターン5Bに貫通させて、それぞれの配線パターン5A、5Bとハンダ付け等をすることによって接続している。なお、モジュール基板4A、4Bには、電子部品3A、3Bがそれぞれ実装されている。
【0004】
このような接続方式の場合、搭載されている電子部品等からの発熱が生じると、モジュール基板4A、4B間の熱膨張差により発生する熱応力によりピンと配線パターンとの間のハンダ付け部で不良が発生しやすくなる。これは、モジュール基板4A、4Bとピンコネクタとがすべて剛体接合となっているため、貫通孔の周辺部のハンダ付け領域に集中的に応力が加わるためである。
【0005】
このため、図14に示すようなピンコネクタにより熱膨張による熱応力を緩和することが行われている(例えば、特許文献1)。図14(a)はピンコネクタの平面図であり、図14(b)はその断面図である。このピンコネクタは、樹脂スペーサ6の上下方向に貫通する複数個の金属製接続ピン7がインサート成形により固定されているとともに、下面の左右両端部に可撓弾性片8が突出するように形成されている。
【0006】
図15は、このピンコネクタを使用してモジュール基板4Aの配線パターン5Aとモジュール基板4Bの配線パターン5Bとを接続した接続構造の断面図である。なお、モジュール基板4A、4Bには電子部品3A、3Bがそれぞれ実装されている。金属製接続ピン7の上端部7Aと下端部7Bとをそれぞれのモジュール基板4A、4Bの配線パターン5A、5Bに貫通させて、上端部7Aと配線パターン5Aおよび下端部7Bと配線パターン5Bとをそれぞれハンダ付け接続する。
【0007】
このとき、下側のモジュール基板4Bは樹脂スペーサ6の下面に設けられている可撓弾性片8に当接するように固定される。これによって、モジュール基板4Bに搭載した電子部品3Bの発熱や周囲温度の変化によるピンコネクタとモジュール基板4A、4Bの熱膨張による熱応力が加わっても、この可撓弾性片8によって吸収することができ、接続部の不良発生を抑制できる。なお、可撓弾性片8は樹脂スペーサ6の下面だけでなく、上面にも設けてもよい。
【特許文献1】特開平6−310195号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のピンコネクタを用いると、熱膨張により生じる熱応力に強い接続構造を実現できる。しかし、モバイル機器等の軽薄短小化の進展と機能の高度化に伴いモジュール基板間の接続端子数が増加する傾向にあるのに対して、基板接続部材としてのコネクタはより小型化することが要求されている。このためには、コネクタの接続ピンのピッチをさらに小さくすることが必要とされる。
【0009】
このような要求に対しては、ピンコネクタ方式は充分な対応が困難である。すなわち、モバイル機器の接続部にこのようなピンコネクタを用いる場合、ピン数の増加に対応して金属製接続ピンの配列ピッチをより小さくしていくことが非常に困難となる。この方式の場合には、モジュール基板の配線パターンには金属製接続ピンが貫通できる程度の径を有する貫通孔が必要であり、この貫通孔の周囲にランドが必要である。配列ピッチを小さくするためには、金属製接続ピンの径を小さくすることが要求されるが、径を小さくすると衝撃力等により破損する不良が発生しやすい。また、ランドの面積を小さくすると、ハンダ付け面積が小さくなるため、衝撃力を受けるとハンダ付け部が外れる不良が発生しやすくなる。したがって、ピンコネクタを用いる接続方式では、ファインピッチの接続が比較的難しいという課題を有していた。
【0010】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、チップ部品等の受動部品や半導体IC等の機能部品を含む電子部品を搭載したモジュール基板間をファインピッチで電気的および機械的に接続することが可能で、かつ衝撃力に対して強い基板接続部材とそれを用いた三次元接続構造体並びにその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述したような課題を解決するために、本発明の基板接続部材は、樹脂製の第1ハウジングと、第1ハウジングにあらかじめ設定されたピッチで植設され、その一端部が第1ハウジングの一方の面である上面部に露出し、その他端部が第1ハウジングの他方の面である下面部に露出してなる複数のリード端子とを有する第1ブロックと、第1ハウジングと同じ外形を有し、加熱することで少なくとも表面が軟化して粘着性を発現し、かつ常温においては粘弾性特性を有する第2ハウジングと、第1ハウジングに植設されたリード端子の植設ピッチと同じピッチで第2ハウジングに植設され、第2ハウジングの一方の面である上面部と他方の面である下面部とにその一端部および他端部とがそれぞれ露出した複数の連結導体とを有する第2ブロックとを一組とし、第1ブロックと第2ブロックとが第2ハウジングの粘着性により接着され、リード端子と連結導体とを機械的な接触により電気的導通を有するリード部とした構成からなる。
【0012】
このような構成とすることにより、第2ブロックは粘弾性を有するので、衝撃力等に強い基板接続部材を実現できる。すなわち、この基板接続部材を用いてモジュール基板同士を接続して三次元接続構造体を作製した場合、落下等により外部から衝撃力が加わってもこの第2ブロックにより衝撃力を吸収でき、モジュール基板との接続部の接続不良あるいはリード部の破損等の発生を防止できる。
【0013】
また、本発明の基板接続部材は、第1ブロックの第1ハウジングの下面部に露出しているリード端子の他端部が下面部に沿って密着して折り曲げられている構成としてもよい。さらに、第1ブロックの第1ハウジングの下面部に露出しているリード端子の他端部が下面部から垂直方向にあらかじめ設定した距離延在された後に、下面部に沿って折り曲げられている構成としてもよい。
【0014】
このような構成とすることにより、第1ハウジングの下面部に露出しているリード端子の他端部をモジュール基板の電極端子に容易にハンダ付け等で接続することができる。また、リード端子の他端部が下面部から垂直方向にあらかじめ設定した距離延在された後に下面部に沿って折り曲げた構成とすれば、この延在部でも衝撃力を吸収することができるので、さらに落下等による耐衝撃性を大きくできる。
【0015】
また、本発明の基板接続部材は、第2ブロックの連結導体が第2ハウジングの外周面に沿って第2ハウジングの上面部と下面部とに延在されて形成されている構成としてもよい。このような構成とすることにより、連結導体を、例えば薄い金属箔からなる可撓性に富んだ材料とすることができ、かつモジュール基板の電極端子や第1ブロックのリード端子との接触が大きな面積になるので、接触による接続でも接続部の抵抗を非常に小さくすることができる。
【0016】
また、本発明の基板接続部材は、第2ブロックの連結導体が第2ハウジングの上面部と下面部とを貫通する貫通孔中に配設されている構成としてもよい。また、貫通孔中に配設する連結導体は金属細線を捩り合わせた捩り線としてもよい。あるいは、貫通孔中に充填し硬化された導電性樹脂としてもよい。
【0017】
このような構成とすることにより、第2ブロックの作製工程を簡略化できる。金属細線を捩って構成した捩り線は導体抵抗が小さく、かつ柔軟性を有するので、第2ハウジングの粘弾性特性に影響を与える割合を小さくできる。また、導電性樹脂も可撓性を有しているので、第2ハウジングの粘弾性特性に与える影響を同様に小さくできる。したがって、第2ブロックで衝撃力を吸収する作用を確実に発揮させることができる。
【0018】
また、本発明の基板接続部材は、第1ブロックの第1ハウジングおよび第2ブロックの第2ハウジングが円形、楕円形または多角形の額縁形状を有し、額縁領域に複数のリード端子と連結導体がそれぞれ配列されている構成としてもよい。
【0019】
この構成とすることにより、モジュール基板と接続するためのリード部を額縁領域の全周に渡って配設できるので、2つのモジュール基板を安定して接続、保持できる。したがって、外部から衝撃力が作用した場合にも、応力が分散して加わるので基板接続部材の第2ブロックで主としてこの応力を吸収することができる。さらに、基板接続部材の額縁領域の内部に相当するモジュール基板面にも電子部品を実装することができる。
【0020】
また、本発明の三次元接続構造体は、額縁形状を有し、あらかじめ設定した配列ピッチで額縁領域に配設され、額縁のそれぞれ対向する上面部と下面部とに露出して形成されたリード部を有する基板接続部材と、配線基板上に複数の電子部品が実装され、上記基板接続部材のリード部に対応したピッチで配列された電極端子を有する第1モジュール基板と、第1モジュール基板と同様に配線基板上に複数の電子部品が実装され、上記基板接続部材のリード部に対応したピッチで配列された電極端子を有する第2モジュール基板とを含み、第1モジュール基板の電極端子および第2モジュール基板の電極端子を基板接続部材のリード部に接続して三次元接続構造を形成する構成であって、基板接続部材が上記構成からなる。
【0021】
このような構成とすることにより、2つのモジュール基板同士を一定の距離離間した状態を保持しながら、落下等により外部から衝撃力が作用しても基板接続部材の第2ブロックで主としてこの衝撃力を吸収することができ、接続部の接続不良やリード部の破損等が生じにくくなる。この結果、耐衝撃性の大きな三次元接続構造体を実現できる。
【0022】
また、本発明の三次元接続構造体の製造方法は、樹脂製の第1ハウジングと、第1ハウジングにあらかじめ設定されたピッチで植設され、その一端部が第1ハウジングの一方の面である上面部に露出し、その他端部が第1ハウジングの他方の面である下面部に露出してなる複数のリード端子とを有する第1ブロックと、配線基板上に複数の電子部品が実装され、第1ブロックのリード端子に対応したピッチで配列された電極端子を有する第1モジュール基板とを対向位置合せして、リード端子と電極端子とを接続部材により電気的および機械的に接続する工程と、第1ハウジングと同じ外形を有し、加熱することで少なくとも表面が軟化して粘着性を発現し、かつ常温においては粘弾性特性を有する第2ハウジングと、第1ハウジングに植設されたリード端子の植設ピッチと同じピッチで第2ハウジングに植設され、第2ハウジングの一方の面である上面部と他方の面である下面部とにその一端部および他端部とがそれぞれ露出した複数の連結導体とを有する第2ブロックと、配線基板上に複数の電子部品が実装され、第2ブロックの連結導体に対応したピッチで配列された電極端子を有する第2モジュール基板とを対向位置合せして、連結導体と電極端子とを機械的に接触させて電気的導通をとるとともに、第2ブロックの第2ハウジングを軟化させて第2モジュール基板の絶縁基材と接着する工程と、第1ブロックのリード端子と第2ブロックの連結導体とを対向位置合せして連結導体とリード端子とを機械的に接触させて電気的導通をとりリード部とするとともに、第2ブロックの第2ハウジングを軟化させて第1ブロックの第1ハウジングと接着固定する工程とを有する方法からなる。
【0023】
このような製造方法とすることにより、第1ブロックと第2ブロックとをあらかじめそれぞれ別々にモジュール基板と接続するので、各モジュール基板の特性検査を容易に行える。
【発明の効果】
【0024】
本発明の基板接続部材は、第2ブロックの粘弾性特性により外部から衝撃力が加わっても、この第2ブロックでその応力を吸収することが可能となる。この結果、落下等の大きな衝撃力が作用しても、接続部の不良やリード部の破損等を生じにくくでき、信頼性の高い基板接続部材およびこれを用いた三次元接続構造体を実現できる。さらに、額縁形状の基板接続部材の額縁内部に相当するモジュール基板面上にも電子部品を配置できるので、より高密度の実装も可能となる。
【0025】
モバイル機器等の携帯電子機器の小型、高信頼性化を実現できるという大きな効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、同じ要素については同じ符号を付しており、説明を省略する場合がある。
【0027】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる基板接続部材の外観斜視図である。また、図2はその断面図である。
【0028】
図1および図2に示すように、本実施の形態による基板接続部材11は、第1ブロック12と第2ブロック13とを重ねて接続した構成からなる。第1ブロック12と第2ブロック13とは、図示するように同じ四角形の額縁形状である。第1ブロック12は、第1ハウジング14と、この第1ハウジング14の内部に中央部分が埋設され、第1ハウジング14の上下面に端子部分がそれぞれ露出している複数のリード端子15とにより構成されている。また、同形状の第2ブロック13は、第2ハウジング17と、この第2ハウジング17の外周部に密着あるいは表面が同じ面になるように埋設された略コ字状の連結導体18とから構成されている。
【0029】
第1ブロック12の第1ハウジング14は液晶ポリマーやポリフェニレンサルファイド等の硬質樹脂により作製されており、四角形の額縁形状をしている。なお、樹脂材料としては、液晶ポリマー等だけでなく、その他の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂で、一般に成型樹脂として用いられているものであれば使用可能である。そして、その上面部14Aと下面部14Bとはほぼ平行となるように形成されている。
【0030】
第1ハウジング14の額縁部分には、金属薄板からなる複数のリード端子15が、例えばインサート成形等により所定のピッチで植設されている。その一端部15Aは、第1ハウジング14の上面部14Aに沿って外方へ折り曲げられ、かつ同一面となるように一部は上面部14Aに埋め込まれている。一方、他端部15Bは下面部14Bの表面に沿って外方へ折り曲げられ、下面部14Bに密着固定されている。なお、下面部14B側のリード端子15の他端部15Bは第1ハウジング14よりも外方へ突出していてもよい。また、少なくともリード端子15の一端部15Aおよび他端部15Bの表面には金メッキが施されている。
【0031】
一方、第2ブロック13の第2ハウジング17は、ナイロンやシリコーン樹脂等の熱可塑性樹脂またはゴム類等で、常温では柔軟性と絶縁性を有する材料からなる。また、第2ハウジング17の上面部17Aと下面部17Bとは、加熱して粘着性あるいは接着性を示す特性を有する。これは、第2ハウジング17自体の材料が、このような特性を有していてもよいし、または第2ハウジング17をはさむように、加熱により粘着性あるいは接着性を示す材料を貼り合わせた構成としてもよい。積層構成としての一例としては、粘弾性特性を有するゴムを中心部材として、その両面に連結導体18の厚み以上の厚みのPET−Gを積層する構成があるが、さらに種々の構成を選択することが可能である。したがって、第1ハウジング14を形成する樹脂よりも軟らかく、外力が作用すると変形するが、外力がなくなると元に戻る性質を有している。さらに、加熱により軟化して粘着性を示す特性も有している。
【0032】
また、第1ハウジング14と同様に、上面部17Aと下面部17Bとはほぼ平行に形成されている。そして、この上面部17Aと下面部17Bとを繋ぐようにコ字状に配設された複数の連結導体18が設けられており、この連結導体18は上面部17Aから下面部17Bにかけて全体が第2ハウジング17と同一平面となるように、その一部が第2ハウジング17に埋め込まれている。また、連結導体18の一端部18Aは上面部17Aの表面に露出しており、モジュール基板等と接続する端子部となる。連結導体18の他端部18Bは下面部17Bの表面に露出しており、第1ブロック12のリード端子15の一端部15Aと接触しており、これにより連結導体18とリード端子15とが電気的に接続されてリード部となる。なお、連結導体18とリード端子15とは、同じピッチで、同じ本数それぞれのハウジングに配設されている。
【0033】
図3および図4を用いて、第1ハウジング14と第2ハウジング17とを一体化して本実施の形態の基板接続部材とする製造方法について、以下説明する。
【0034】
図3は、第2ハウジング17の斜視図である。連結導体18は、第2ハウジング17の外面17Cに沿って第2ハウジング17の上面部17Aから下面部17Bまで形成されている。この連結導体18は、例えば第2ハウジング17の上面部17Aから下面部17Bまで銅箔等を貼り付けた後、連結導体18となる部分を残すようにレーザ加工またはエッチング加工して形成することができる。さらに、第2ハウジング17を加熱して、連結導体18の表面と第2ハウジング17の表面とが同じになるように連結導体18を一部埋め込むと、その後の接続作業が容易になる。また、連結導体18の表面、特に一端部18Aと他端部18Bには金メッキをしておくことが好適である。
【0035】
図4は、第1ブロック12の第1ハウジング14の上面部14Aと、第2ブロック13の第2ハウジング17の下面部17Bとを対向させて一体化する方法を説明するための斜視図である。
【0036】
第1ブロック12の複数のリード端子15の一端部15Aが露出した第1ハウジング14の上面部14Aと、第2ブロック13の複数の連結導体18の他端部18Bが露出した第2ハウジング17の下面部17Bとを、同図の矢印で示すように、対応するリード端子15の一端部15Aと連結導体18の他端部18Bのそれぞれの位置が合うように重ね合わせる。
【0037】
位置合せして積層した後、所定の圧力を加えながら第2ハウジング17を加熱して軟化させることによって、第2ハウジング17の下面部17Bは粘着性を示すので第1ハウジング14の上面部14Aに対して接着させることができる。これにより、第1ブロック12と第2ブロック13とが結合一体化する。同時に、リード端子15の一端部15Aと連結導体18の他端部18Bとは接触した状態を保持し、電気的に接続される。これにより、本実施の形態の基板接続部材11を作製できる。なお、接触しているリード端子15の一端部15Aおよび連結導体18の他端部18Bの表面にそれぞれ金メッキをしておくと、接触抵抗を小さく、かつそのばらつきも小さくすることができる。
【0038】
本実施の形態による基板接続部材11は以上のように構成されており、第2ブロック13は柔軟性を有している。すなわち、第2ハウジング17はナイロンやシリコーン樹脂等の熱可塑性樹脂またはゴム類等で、加熱されると軟化して粘着性が生じ、常温では柔軟性と絶縁性を有する材料で作製されている。また、第2ハウジング17の表面に形成されている連結導体18も箔状の材料等を使用しており、同様に柔軟性を有している。このように第2ハウジング17は、全体として柔軟性を有する構成であるので、この基板接続部材11を用いて後述するような三次元接続構造体を作製した場合、この三次元接続構造体に対して落下衝撃等の衝撃力が加わっても、第2ブロック13が衝撃力を吸収して接続部分の不良を生じにくくできる。
【0039】
なお、本実施の形態では、基板接続部材の形状を四角形の額縁形状としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、円形、楕円形、五角形等の多角形の額縁形状、あるいはこれらの多角形状の角部を曲面にした形状等、用途に応じて種々の形状とすることができる。
【0040】
また、第1ブロック12の複数個のリード端子15の材料としては、銅、りん青銅等の銅合金、ニッケルあるいはニッケル合金、鉄等の一般にコネクタのリード端子等に用いられているものであれば、特に限定なく使用可能である。さらに、第2ブロック13の連結導体18の材料としても、銅箔等だけでなく、第2ハウジング17面上に蒸着等で導体膜を形成してもよい。さらに、メッキで形成してもよい。
【0041】
図5は、本実施の形態にかかる基板接続部材の変形例を示す断面図である。本変形例の基板接続部材110は、第1ブロック21のリード端子22の形状が異なる。すなわち、リード端子22が露出している一端部22Aと他端部22Bとのうち、他端部22Bを第1ハウジング14の下面部14Bから所定寸法だけ突出させてから下面部14Bと平行に折り曲げた構成としている。このような構成にすれば、第1ハウジング14の下面部14Bから突出したリード端子22の他端部22Bが柔軟性を有するようになるので、第1ブロック21も全体として柔軟性を有するようになる。したがって、第2ブロック13の柔軟性と第1ブロック21の柔軟性を含めて、より大きな衝撃力に強い基板接続部材110を実現できる。この基板接続部材110を用いた三次元接続構造体は、さらに信頼性を向上できる。
【0042】
つぎに、本実施の形態の基板接続部材11を使用した三次元接続構造体について説明する。図6は、配線基板上に複数の電子部品を搭載した2枚のモジュール基板間を、上記の基板接続部材11により接続してなる三次元接続構造体の断面図である。
【0043】
第1モジュール基板50は、第1多層配線基板30の表面と裏面とにそれぞれ電子部品44、46を実装して構成されている。第1多層配線基板30は、三層の絶縁基材32の間に内層電極配線36、38が形成されており、表面と裏面とには表面電極配線34と裏面電極配線40がそれぞれ形成されている。これらの電極配線間を複数のビア42により接続して構成されている。電子部品44は、基板接続部材11の額縁の内部に位置するように第1多層配線基板30の表面電極配線34に、例えばハンダ付けされている。また、他の電子部品46は、第1多層配線基板30の裏面側において裏面電極配線40と、例えばハンダ付けされている。
【0044】
なお、この第1モジュール基板50に実装する電子部品としては、抵抗やコンデンサ等の受動部品、半導体ICやセンサー等の機能部品があり、さらに印刷形成方式や薄膜形成方式でこれらの受動部品や機能部品を形成してもよい。
【0045】
第2モジュール基板80も第1モジュール基板と同様に、第2多層配線基板60の表面と裏面とにそれぞれ電子部品72、74を実装して構成されている。この第2多層配線基板60は、二層の絶縁基材62を有し、これらの絶縁基材62の間に形成されている内層電極配線66、表面に形成されている表面電極配線68、裏面に形成されている裏面電極配線64およびこれらの電極配線間を接続するための複数のビア70により構成されている。電子部品72は、基板接続部材11の額縁の内部に位置するように第2多層配線基板60の裏面電極配線64に、例えばハンダ付けされている。また、他の電子部品74は、第2多層配線基板60の表面側において表面電極配線68と、例えばハンダ付けされている。
【0046】
なお、この第2モジュール基板80に実装する電子部品としては、抵抗やコンデンサ等の受動部品、半導体ICやセンサー等の機能部品があり、さらに印刷形成方式や薄膜形成方式でこれらの受動部品や機能部品を形成してもよい。
【0047】
また、第1モジュール基板50および第2モジュール基板80は、本実施の形態の構成に限定されることはなく、さらに積層してもよいし、あるいは単層構成であってもよい。
【0048】
本実施の形態の三次元接続構造体は、第1モジュール基板50の表面電極配線34の所定の電極端子34Aと基板接続部材11のリード端子15の他端部15Bとを、接続部材76により接続し、第2モジュール基板80の裏面電極配線64の所定の電極端子64Aと基板接続部材11の連結導体18の一端部18Aとを接触状態で接続する。このときの固定は第2ハウジング17を加熱して上面部17Aに粘着性を生じさせて、この粘着性を利用して接着固定する。
【0049】
図7は、この接続方法を説明するための工程断面図である。最初に、基板接続部材11のリード端子15の他端部15Bと、第1モジュール基板50の表面電極配線34の対応する電極端子34Aとを位置合せして接続部材76により接続する。このときの接続部材76としては、ハンダまたは導電性接着剤を用いることができる。つぎに、図7において矢印で示すように、基板接続部材11の連結導体18の一端部18Aと、第2モジュール基板80の裏面電極配線64の対応する電極端子64Aとを位置合せして密着させる。この後、所定の圧力を加えながら第2ハウジング17を加熱して粘着性を生じさせ、第2モジュール基板80の絶縁基材62と接着させる。これにより、連結導体18の一端部18Aと裏面電極配線64の電極端子64Aとは機械的に接触して電気的接続がなされる。
【0050】
なお、図7では、基板接続部材11と第1モジュール基板50とを先に接続したが、基板接続部材11と第2モジュール基板80とを先に接続してもよい。または、基板接続部材11と、第1モジュール基板50および第2モジュール基板80とを位置合せし密着させておいてから、加圧と加熱を行い同時に両方を接続するようにしてもよい。
【0051】
本実施の形態の基板接続部材11を用いた三次元接続構造体は、基板接続部材11の額縁の内側に位置する第1モジュール基板50と第2モジュール基板80との面上にも図示するように電子部品44、72を実装することができる。また、ピンコネクタとは異なり、第1モジュール基板50と第2モジュール基板80には貫通孔が不要であるので電極配線を高密度に形成することができる。
【0052】
また、三次元接続構造体に対して衝撃等が加わっても基板接続部材11の第2ブロック13が柔軟性を有する材料で形成されており、この第2ブロック13で衝撃等により作用する応力を吸収することができる。したがって、基板接続部材11と第1モジュール基板50および第2モジュール基板80との接続部に加わる応力を大幅に低減することができる。この結果、落下等による衝撃力が作用しても接続部に不良発生が生じにくく、信頼性の高い三次元接続構造体を実現できる。この三次元接続構造体を携帯電話等の携帯電子機器に搭載すれば、落下等によっても壊れにくく信頼性の高い電子機器を実現できる。
【0053】
図8は、図5に示した変形例の基板接続部材110を用いて三次元接続構造体を作製したときの断面図である。この基板接続部材110では、リード端子22の他端部22Bが第1ハウジング14の下面部14Bから突出して形成されており、このリード端子22は柔軟性を有しているので、第2ブロック13の柔軟性を含めてさらに耐衝撃力を大きくすることができる。
【0054】
なお、本実施の形態では、基板接続部材11の連結導体18の一端部18Aと、第2モジュール基板80の裏面電極配線64の電極端子64Aとは接触により電気的導通をとるようにしたが、これに限定されない。ハンダ接続や導電性接着剤を用いた接続としてもよい。
【0055】
(第2の実施の形態)
図9は、本発明の第2の実施の形態にかかる基板接続部材の断面図である。
【0056】
図9に示すように、本実施の形態にかかる基板接続部材90の基本的な構成は、第1の実施の形態にかかる基板接続部材11と同じである。本実施の形態では、第2ブロック92の構成が第1の実施の形態の基板接続部材11の第2ブロック13と異なる。すなわち、本実施の形態では、第2ハウジング94の額縁部分の上面部94Aから下面部94Bに貫通孔が設けられ、この貫通孔に連結導体96が配設されている。
【0057】
すなわち、第1の実施の形態と同様な材料により作製された第2ハウジング94の額縁部分には、第1ブロック12の複数のリード端子15と同じピッチで、複数個の同一寸法の貫通孔が設けられており、各貫通孔内には連結導体96が配設されている。この連結導体96としては、細い金属線を捩り合わせて柔軟性を持たせた構成を用いることが望ましい。また、金や銅等の比較的軟質な材料を用いてピンを形成して、これを貫通孔に配設する構成としてもよい。
【0058】
そして、このように形成した第2ブロック92を第1ブロック12と接続して、図9に示した基板接続部材90とする製造方法は、第1の実施の形態にかかる基板接続部材11の場合と同じであるので説明を省略する。
【0059】
なお、本実施の形態では、連結導体96として捩り線を用いたが、個々の連結導体96となる領域の第2ハウジング94に小さな複数の貫通孔を形成しておき、その貫通孔に金属細線をそれぞれ挿入して固定する構成としてもよい。このようにすれば、より柔軟性を有しながら、かつ比較的広い接続面積を確保することができる。
【0060】
(第3の実施の形態)
図10は、本発明の第3の実施の形態にかかる基板接続部材100の断面図である。図10に示すように、本実施の形態にかかる基板接続部材100の基本的な構成も、第1の実施の形態にかかる基板接続部材11と同じである。本実施の形態では、第2ブロック102の構成が第1の実施の形態の基板接続部材11の第2ブロック13と異なる。すなわち、本実施の形態では、第2ハウジング104の額縁部分の上面部104Aから下面部104Bに貫通孔が設けられ、この貫通孔に連結導体106が配設されている。
【0061】
すなわち、第1の実施の形態と同様な材料により作製された第2ハウジング104の額縁部分には、第1ブロック12の複数のリード端子15と同じピッチで、複数個の同一寸法の貫通孔が設けられており、各貫通孔内には連結導体106が充填されている。
【0062】
この連結導体106としては、導電性ペーストを印刷や描画等の手法を用いれば貫通孔に容易に充填することができる。例えば、熱硬化型のエポキシ樹脂に導体として銀粉を混ぜた導電性樹脂ペーストを使用し、ディスペンサー等の描画方式を用いれば、貫通孔に充填することができる。
【0063】
そして、このように形成された第2ブロック102を第1ブロック12と接続して、図10に示す基板接続部材100とする方法は、第1の実施の形態にかかる基板接続部材11の製造方法と同じである。
【0064】
すなわち、第1ブロック12のリード端子15の一端部15Aと第2ブロック102の連結導体106である導電性ペーストの他端部とを位置合せした後、所定の圧力を加えながら第2ハウジング104の軟化温度以上の温度に加熱して表面を軟化させ、第2ハウジング104の下面部104Bと第1ハウジング14の上面部14Aとを接着結合させる。これにより、第1ブロック12と第2ブロック102とが結合一体化するとともに、連結導体106とリード端子15とが接触により接続され、基板接続部材100が作製される。なお、この加熱時に、熱硬化型の樹脂からなる導電性ペーストも一緒に硬化させてもよい。
【0065】
本実施の形態にかかる基板接続部材100は以上説明した構成からなり、第2ブロック102は柔軟性を有する連結導体106と第2ハウジング104とにより、落下等の衝撃が加わっても応力はこの第2ブロック102で吸収される。したがって、接続部が外れる等の不良が生じにくく、信頼性の高い三次元接続構造体を実現できる。
【0066】
なお、上記の説明において、連結導体106に用いる導電性ペーストは熱硬化型であるとしたが、熱可塑型またはホットメルト型であってもよい。
【0067】
(第4の実施の形態)
図11および図12は、本発明の第4の実施の形態にかかる三次元接続構造体の製造方法を説明するための断面図である。
【0068】
本実施の形態にかかる三次元接続構造体の製造方法は、第1の実施の形態にかかる基板接続部材11の第1ブロック12と第2ブロック13とをそれぞれ別個に第1モジュール基板50と第2モジュール基板80とに接続した後に、第1ブロック12と第2ブロック13とを結合することにより、三次元接続構造体とする方法である。
【0069】
すなわち、まず、図11(a)に示すように、第1ブロック12の複数のリード端子15の他端部15Bと、第1モジュール基板50の表面電極配線34の対応する電極端子34Aとを接続部材76により接続する。この接続は第1の実施の形態と同じ方法により行うことができる。
【0070】
一方、図11(b)に示すように、第2ブロック13の連結導体18の一端部18Aと、第2モジュール基板80の裏面電極配線64の対応する電極端子64Aとを位置合せして密着させる。つぎに、第2ハウジング17を加熱・加圧して粘着力を生じさせ、第2ハウジング17の上面部17Aと第2モジュール基板80の絶縁基材62とを接着する。これにより、第2モジュール基板80と第2ブロック13との接着固定と電気的導通を行う。
【0071】
つぎに、図12に示すように、第1ブロック12と第2ブロック13とが対向する配置とする。さらに、第1ブロック12のリード端子15の一端部15Aと第2ブロック13の連結導体18の他端部18Bとを位置合せした後、第2ブロック13の第2ハウジング17の下面部17Bと第1ブロック12の第1ハウジング14の上面部14Aとを矢印で示す方向に押圧していき加熱・加圧する。これにより、第2ハウジング17の表面部分は粘着性を生じるので、第2ハウジング17の下面部17Bと第1ハウジング14の上面部14Aとが接着される。
【0072】
以上により、第1ブロック12と第2ブロック13とが結合一体化して三次元接続構造体が得られる。
【0073】
このような三次元接続構造体の製造方法によれば、第1モジュール基板50と第1ブロック12および第2モジュール基板80と第2ブロック13とをそれぞれ別々に接続後、これらを一体化すればよいので三次元接続構造体の製造工程を簡略化できる。
【0074】
なお、第1の実施の形態から第4の実施の形態までにおいて、第1ブロックのリード端子の一端部と第2ブロックの連結導体の他端部とは、どちらも第1ハウジングおよび第2ハウジングの表面と同じ面となるように一部埋設された構成としたが、本発明はこれに限定されない。どちらか一方が表面上に密着して形成されていてもよいし、両方ともに表面上に形成されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明の基板接続部材とそれを用いた三次元接続構造体並びに三次元接続構造体の製造方法は、電子部品を搭載したモジュール基板間を電気的および機械的に接続するもので、落下等の衝撃を受けても接続部の不良が生じにくく、信頼性の高い三次元接続構造体を実現でき、モバイル機器等の携帯用電子機器の分野において有用である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる基板接続部材の外観斜視図
【図2】同実施の形態にかかる基板接続部材の断面図
【図3】同実施の形態にかかる基板接続部材の第2ハウジングの斜視図
【図4】同実施の形態にかかる基板接続部材において、第1ブロックの第1ハウジングの上面部と、第2ブロックの第2ハウジングの下面部とを対向させて一体化する方法を説明するための斜視図
【図5】同実施の形態にかかる基板接続部材の変形例を示す断面図
【図6】同実施の形態にかかる基板接続部材を用いて、配線基板上に複数の電子部品を搭載した2枚のモジュール基板間を接続してなる三次元接続構造体の断面図
【図7】同実施の形態にかかる基板接続部材を用いて三次元接続構造体を作製するときの接続方法を説明するための工程断面図
【図8】図5に示した変形例の基板接続部材を用いて三次元接続構造体を作製したときの断面図
【図9】本発明の第2の実施の形態にかかる基板接続部材の断面図
【図10】本発明の第3の実施の形態にかかる基板接続部材の断面図
【図11】本発明の第4の実施の形態にかかる三次元接続構造体の製造方法を説明するための断面図
【図12】同実施の形態にかかる三次元接続構造体の製造方法を説明するための断面図
【図13】従来のピンコネクタによる接続構造の断面図
【図14】(a)は従来の他の方式のピンコネクタの平面図(b)はその断面図
【図15】図14に示すピンコネクタを使用してモジュール基板の配線パターン同士を接続した接続構造の断面図
【符号の説明】
【0077】
1,6 樹脂スペーサ
2,7 金属製接続ピン
2A,7A 上端部
2B,7B 下端部
3A,3B,44,46,72,74 電子部品
4A,4B モジュール基板
5A,5B 配線パターン
8 可撓弾性片
11,90,100,110 基板接続部材
12,21 第1ブロック
13,92,102 第2ブロック
14 第1ハウジング
14A,17A,94A,104A 上面部
14B,17B,94B,104B 下面部
15,22 リード端子
15A,18A,22A 一端部
15B,18B,22B 他端部
17,94,104 第2ハウジング
17C 外面
18,96,106 連結導体
30 第1多層配線基板
32,62 絶縁基材
34,68 表面電極配線
34A,64A 電極端子
36,38,66 内層電極配線
40,64 裏面電極配線
42,70 ビア
50 第1モジュール基板
60 第2多層配線基板
76 接続部材
80 第2モジュール基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製の第1ハウジングと、前記第1ハウジングにあらかじめ設定されたピッチで植設され、その一端部が前記第1ハウジングの一方の面である上面部に露出し、その他端部が前記第1ハウジングの他方の面である下面部に露出してなる複数のリード端子とを有する第1ブロックと、
前記第1ハウジングと同じ外形を有し、加熱することで少なくとも表面が軟化して粘着性を発現し、かつ常温においては粘弾性特性を有する第2ハウジングと、前記第1ハウジングに植設された前記リード端子の植設ピッチと同じピッチで前記第2ハウジングに植設され、前記第2ハウジングの一方の面である上面部と他方の面である下面部とにその一端部および他端部とがそれぞれ露出した複数の連結導体とを有する第2ブロックとを一組とし、
前記第1ブロックと前記第2ブロックとが前記第2ハウジングの粘着性により接着され、前記リード端子と前記連結導体とを機械的な接触により電気的導通を有するリード部とした構成を特徴とする基板接続部材。
【請求項2】
前記第1ブロックの前記第1ハウジングの前記下面部に露出している前記リード端子の他端部が、前記下面部に沿って密着して折り曲げられていることを特徴とする請求項1に記載の基板接続部材。
【請求項3】
前記第1ブロックの前記第1ハウジングの前記下面部に露出している前記リード端子の他端部が、前記下面部から垂直方向にあらかじめ設定した距離延在された後に、前記下面部に沿って折り曲げられていることを特徴とする請求項1に記載の基板接続部材。
【請求項4】
前記第2ブロックの前記連結導体が、前記第2ハウジングの外周面に沿って前記第2ハウジングの前記上面部と前記下面部とに延在されて形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の基板接続部材。
【請求項5】
前記第2ブロックの前記連結導体が、前記第2ハウジングの前記上面部と前記下面部とを貫通する貫通孔中に配設されていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の基板接続部材。
【請求項6】
前記連結導体は、金属細線を捩り合わせた捩り線からなることを特徴とする請求項5に記載の基板接続部材。
【請求項7】
前記連結導体は、前記貫通孔中に充填し硬化された導電性樹脂からなることを特徴とする請求項5に記載の基板接続部材。
【請求項8】
前記第1ブロックの前記第1ハウジングおよび前記第2ブロックの前記第2ハウジングが円形、楕円形または多角形の額縁形状を有し、前記額縁領域に複数の前記リード端子と前記連結導体がそれぞれ配列されていることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかに記載の基板接続部材。
【請求項9】
額縁形状を有し、あらかじめ設定した配列ピッチで前記額縁領域に配設され、前記額縁のそれぞれ対向する上面部と下面部とに露出して形成されたリード部を有する基板接続部材と、
配線基板上に複数の電子部品が実装され、前記基板接続部材の前記リード部に対応したピッチで配列された電極端子を有する第1モジュール基板と、
前記第1モジュール基板と同様に配線基板上に複数の電子部品が実装され、前記基板接続部材の前記リード部に対応したピッチで配列された電極端子を有する第2モジュール基板とを含み、
前記第1モジュール基板の前記電極端子および前記第2モジュール基板の前記電極端子を前記基板接続部材の前記リード部に接続して三次元接続構造を形成する構成であって、前記基板接続部材が請求項1から請求項8までのいずれかに記載の基板接続部材であることを特徴とする三次元接続構造体。
【請求項10】
樹脂製の第1ハウジングと、前記第1ハウジングにあらかじめ設定されたピッチで植設され、その一端部が前記第1ハウジングの一方の面である上面部に露出し、その他端部が前記第1ハウジングの他方の面である下面部に露出してなる複数のリード端子とを有する第1ブロックと、配線基板上に複数の電子部品が実装され、前記第1ブロックの前記リード端子に対応したピッチで配列された電極端子を有する第1モジュール基板とを対向位置合せして、前記リード端子と前記電極端子とを接続部材により電気的および機械的に接続する工程と、
前記第1ハウジングと同じ外形を有し、加熱することで少なくとも表面が軟化して粘着性を発現し、かつ常温においては粘弾性特性を有する第2ハウジングと、前記第1ハウジングに植設された前記リード端子の植設ピッチと同じピッチで前記第2ハウジングに植設され、前記第2ハウジングの一方の面である上面部と他方の面である下面部とにその一端部および他端部とがそれぞれ露出した複数の連結導体とを有する第2ブロックと、配線基板上に複数の電子部品が実装され、前記第2ブロックの前記連結導体に対応したピッチで配列された電極端子を有する第2モジュール基板とを対向位置合せして、前記連結導体と前記電極端子とを機械的に接触させて電気的導通をとるとともに、前記第2ブロックの前記第2ハウジングを軟化させて前記第2モジュール基板の絶縁基材と接着する工程と、
前記第1ブロックの前記リード端子と前記第2ブロックの前記連結導体とを対向位置合せして前記連結導体と前記リード端子とを機械的に接触させて電気的導通をとりリード部とするとともに、前記第2ブロックの前記第2ハウジングを軟化させて前記第1ブロックの前記第1ハウジングと接着固定する工程とを有することを特徴とする三次元接続構造体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−40744(P2006−40744A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−219758(P2004−219758)
【出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】