説明

基板搬送設備

【課題】基板移載装置による基板の移載を適確に行うことができる基板搬送設備の提供。
【解決手段】基板を出し入れする出し入れ口及び基板を上下方向に間隔を隔てる状態で複数枚収納可能な基板収納空間を備えた容器本体3と、その容器本体3を載置支持可能で且つ容器本体3を載置支持した状態で基板収納空間に清浄空気を送風するファンフィルタユニットを備えた載置支持部材4とを備えた基板用収納容器2、容器本体3を載置支持した載置支持部材4を支持台8に対して上方から載置支持させる形態で基板用収納容器2を支持台8に搬送する容器搬送装置、及び、基板用収納容器2を支持台8に載置支持させた状態で容器本体3に直接に当接することにより、容器本体3の水平方向での位置を基板移載装置が出し入れ口を通して基板を移載するための基板移載用位置に調整する位置調整手段51を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を上下方向に間隔を隔てて並べる状態で複数枚収納可能な基板収納空間を備えた基板用収納容器を基板移載用の支持台に搬送する容器搬送装置と、前記支持台に載置支持された前記基板用収納容器に対して、前記基板用収納容器の側部に形成された出し入れ口を通して基板を取り出す又は基板を収納するべく基板を移載する基板移載装置とが設けられている基板搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる基板搬送設備は、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイに使用されるガラス基板等の基板を搬送する際に用いられるものであり、基板を複数枚収納した基板用収納容器を容器搬送装置にて支持台に搬送した後、支持台に載置支持された基板用収納容器から基板移載装置にて基板を取り出す、或いは、基板移載装置にて支持台に載置支持された基板用収納容器に基板を収納した後、基板を複数枚収納した基板用収納容器を容器搬送装置にて支持台から搬送するようにして、基板を搬送するように構成されている。そして、ガラス基板等の高いクリーン度が要求される基板を基板用収納容器に収納する場合、基板収納空間に清浄空気を供給するファンフィルタユニットを設けて、外部よりも基板用収納容器の基板収納空間のクリーン度を高くする局所クリーン技術が用いられている。
【0003】
このような基板用収納容器の従来例として、基板用収納容器が、出し入れ口及び基板収納空間を形成する容器本体と、出し入れ口を開閉する蓋が装着された蓋用枠体と、基板収納空間に清浄空気を供給するファンフィルタユニットが装着されたFFU用枠体とで構成されており、容器本体の出し入れ口が形成される一端側に蓋用枠体が分離可能に取り付けられ、容器本体の他端側にFFU用枠体が分離可能に取り付けられているものがある。そして、この従来例では、支持台は、基板用収納容器の底部を形成する容器本体を載置支持する形態で基板用収納容器を載置支持するように構成されており、容器搬送装置は、容器本体を支持台に対して上方から載置支持させる形態で基板用収納容器を支持台に搬送するように構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、一般に、基板搬送設備では、基板用収納容器の収納効率を高めるために基板同士の間隔が狭い状態で容器本体に収納されており、また、ガラス基板等の基板では他物との接触により破損し易いものであるため、基板用収納容器の設定位置への調整は高い精度が求められる。そこで、特許文献1の基板搬送設備では、基板用収納容器を支持台に載置支持させた状態で、基板用収納容器に当接することにより、基板用収納容器の水平方向での位置を基板移載装置が基板を移載するための設定位置に調整するセンタリング装置が設けられていた。
【0005】
特許文献1のセンタリング装置について説明を加えると、このセンタリング装置は、平面視が矩形状の基板用収納容器の下端部における四隅に当接することにより、基板用収納容器の水平方向での位置を調整することで、基板用収納容器を設定位置に調整するように構成されている。具体的には、基板用収納容器の下端部における四隅には蓋用枠体又はFFU用枠体が位置しており、センタリング装置は、FFU用枠体や蓋用枠体の下端部に当接することにより基板用収納容器の水平方向での位置を調整することで、基板用収納容器を設定位置に位置させるように構成されている。
【0006】
また、容器本体を分離可能な基板用収納容器として、本願の出願人は特願2009−244754において、基板用収納容器が、出し入れ口及び基板収納空間を形成する容器本体と、この容器本体を載置支持し且つファンフィルタユニットが装着された載置支持体とで構成した基板用収納容器を提案している。この基板用収納容器は、載置支持部材にて基板用収納容器の底部を形成し、容器本体が載置支持部材に対して上方に分離可能で且つ容器本体を分離させたときに載置支持部材が転倒し難くして、容器本体の分離を自動化させ易いものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−094494号公報(段落番号「0057」、図23及び図24)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
容器本体と載置支持部材とで構成された基板用収納容器の水平方向での位置を、特許文献1のセンタリング装置にて調節することが考えられるが、センタリング装置は、基板用収納容器の下端部の四隅に当接して基板用収納容器の水平方向での位置を調整するものであり、その基板用収納容器の下端部の四隅には載置支持部材の四隅が位置しているため、センタリング装置を載置支持部材の四隅に当接させて基板用収納容器の位置を設定位置に調整することになる。
【0009】
しかしながら、基板用収納容器を容器本体と載置支持部材とで構成したものでは、搬送中の振動等により容器本体が載置支持部材に対して水平方向にずれる場合があるため、基板用収納容器を設定位置に調節するべく載置支持部材を適正な位置に調整したとしても、載置支持部材と容器本体との間で水平方向にずれが生じていると、基板移載装置が移載するための基板移載用位置から容器本体の位置が水平方向にずれてしまう。
【0010】
そして、容器本体の位置が基板移載用位置から水平方向にずれた状態で基板移載装置にて基板を移載すると、容器本体に収納されている基板を取り出すときに、基板移載装置が取り出し対象の基板に対する位置がずれることになり、基板移載装置による基板の移載が適確に行えない虞があった。
【0011】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、基板移載装置による基板の移載を適確に行うことができる基板搬送設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明にかかる基板搬送設備は、基板を上下方向に間隔を隔てて並べる状態で複数枚収納可能な基板収納空間を備えた基板用収納容器を基板移載用の支持台に搬送する容器搬送装置と、前記支持台に載置支持された前記基板用収納容器に対して、前記基板用収納容器の側部に形成された出し入れ口を通して基板を取り出す又は基板を収納するべく基板を移載する基板移載装置とが設けられているものであって、その第1特徴構成は、
前記基板用収納容器が、前記出し入れ口及び前記基板収納空間を備えた容器本体と、その容器本体を載置支持可能で且つ前記容器本体を載置支持した状態で前記基板収納空間に清浄空気を送風するファンフィルタユニットを備えた載置支持部材とを備えて構成され、 前記容器搬送装置が、前記容器本体を載置支持した前記載置支持部材を前記支持台に対して上方から載置支持させる形態で前記基板用収納容器を前記支持台に搬送するように構成され、前記基板用収納容器を前記支持台に載置支持させた状態で前記容器本体に直接に当接することにより、前記容器本体の水平方向での位置を前記基板移載装置が基板を移載するための基板移載用位置に調整する位置調整手段が設けられている点にある。
【0013】
すなわち、基板用収納容器は、容器本体を載置支持部材に対して相対的に上昇させることにより、容器本体を載置支持部材から分離させることができ、また、載置支持部材は容器本体を載置支持するべく水平方向に大きく形成されているため、容器本体を分離させたときに載置支持部材が転倒し難くなる。
【0014】
そして、容器搬送手段は、容器本体を載置支持した載置支持部材を支持台に対して上方から載置支持させる形態で基板用収納容器を支持台に搬送するように構成されており、容器搬送手段にて基板用収納容器が支持台に搬送されるに伴って、支持台が基板用収納容器の載置支持部材を載置支持するとともに、位置調整手段が容器本体に直接に当接して容器本体の水平方向での位置を基板移載用位置に調整する。このように、基板用収納容器を支持台に載置支持させた状態で位置調整手段が容器本体に直接に当接することにより、容器本体の水平方向での位置を基板移載用位置に調整することができる。
【0015】
つまり、支持台に載置支持されている載置支持部材の水平方向での位置を調整するのではなく、基板移載装置にて基板が移載される容器本体の位置を位置調整手段にて直接に調整することにより、容器本体と載置支持部材との間にずれが生じていても容器本体の位置を基板移載用位置に調整することができる。このため、基板移載装置による基板の移載を適確に行うことができ、もって、基板移載装置による基板の移載を適確に行うことができる基板搬送設備を提供することができるに至った。
【0016】
本発明にかかる基板搬送設備の第2特徴構成は、第1特徴構成において、前記位置調整手段が、前記支持台にその支持台から上方に突出する状態で設けられた複数の嵌合体、前記容器本体に備えられた上方に凹入する被嵌合部、前記容器本体における前記被嵌合部の周囲に備えられて前記嵌合体を前記被嵌合部に案内する傾斜面部、及び、前記嵌合体が前記被嵌合部に嵌合する嵌合状態と前記嵌合体を前記被嵌合部から下方に離間させた離間状態とに切り換えるべく前記容器本体と前記嵌合体とを相対的に昇降移動させる昇降操作手段を備えて構成されている点にある。
【0017】
すなわち、昇降操作手段にて容器本体を嵌合体に対して相対的に下降移動させることにより、被嵌合部から下方に離間していた嵌合体が被嵌合部に嵌合して嵌合状態に切り換えられる。そして、被嵌合部の周囲に、嵌合体を被嵌合部に案内する傾斜面部が備えられているため、昇降操作手段にて離間状態から嵌合状態に切り換える際に、容器本体が基板移載用位置から水平方向にずれており、被嵌合部の位置が嵌合体の真上から水平方向にずれて位置している場合でも、嵌合体が傾斜面部に当接しながら相対的に上昇移動することで、被嵌合部が嵌合体の真上に位置するように容器本体が基板移載用位置に移動して嵌合体が被嵌合部に嵌合する。このように、位置調整手段は、容器本体が基板移載用位置から水平方向にずれている場合に、傾斜面部の作用により、容器本体の位置を基板移載用位置に調整することができるとともに、嵌合体の被嵌合部への嵌合により、基板用移載位置に調整された容器本体の位置をその位置に保持できる。
【0018】
本発明にかかる基板搬送設備の第3特徴構成は、第2特徴構成において、前記嵌合体が、前記支持台に固定状態で設けられ、前記容器搬送装置が、前記昇降操作手段を兼用している点にある。
【0019】
すなわち、容器搬送手段にて、容器本体を載置支持した載置支持部材を支持台に対して上方から載置支持させることで、容器本体が嵌合体に対して下降移動して嵌合状態に切り換えることができ、また、容器搬送手段にて、容器本体を載置支持した載置支持部材を支持台から掬い上げることで、容器本体が嵌合体に対して上昇移動して離間状態に切り換えることができる。よって、容器本体と嵌合体とを相対的に昇降移動させる専用の手段を備える必要がなく、基板搬送設備の構成の簡素化を図ることができる。
【0020】
本発明にかかる基板搬送設備の第4特徴構成は、第2又は第3特徴構成のいずれか1つにおいて、前記載置支持部材に、その載置支持部材から上方に突出する状態で係合体が複数設けられ、前記容器本体に、上方に凹入する形状に形成されて、前記載置支持部材にて前記容器本体を載置支持している状態で前記係合体が係合する被係合部が複数設けられ、前記複数の嵌合体の夫々が、前記昇降操作手段にて前記離間状態から前記嵌合状態に切り換えられるに伴って前記被嵌合部を受け止め支持した状態で前記容器本体を前記載置支持部材に対して持ち上げ、前記嵌合状態において、前記係合体が前記被係合部から下方に離間させた状態で前記容器本体を支持するように構成されている点にある。
【0021】
すなわち、容器本体を載置支持部材に載置支持させた状態では係合体が被係合部に係合しており、容器本体が載置支持部材に対して水平方向に移動することが規制されているため、容器搬送手段にて基板用収納容器を搬送する際に容器本体が載置支持部材から落下することを未然に防止することができる。
【0022】
また、嵌合状態に切り換えた状態では、係合体が被係合部から下方に離間しており係合体と被係合体との係合が外れた状態であるので、容器本体は載置支持部材に対して水平方向に移動可能な状態となっている。よって、位置調整手段にて容器本体の位置を基板移載用位置に調整する際に、載置支持部材を水平方向に極力移動させることなく容器本体の位置を基板移載用位置に調整することができるため、載置支持部材が容器搬送手段や支持台上で水平方向へ摺動することによる塵埃の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】基板搬送設備の側面図
【図2】基板搬送設備の平面図
【図3】基板移載ロボットの正面図
【図4】基板用収納容器の斜視図
【図5】容器本体の斜視図
【図6】載置支持部材の斜視図
【図7】基板用収納容器を支持台の上方に位置させた状態を示す斜視図
【図8】基板用収納容器を支持台に載置支持させた状態を示す斜視図
【図9】嵌合状態と離間状態とを示す図
【図10】別実施形態(1)の嵌合状態と離間状態とを示す図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の基板搬送設備について図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、基板搬送設備には、基板用収納容器2を収納する収納棚10と基板移載用の支持台8との間や収納棚10と容器離脱用の載置台9との間で基板用収納容器2を搬送する容器搬送装置としてのスタッカークレーン7、基板移載用の支持台8に載置支持された基板用収納容器2に対して、基板用収納容器2の側部に形成された出し入れ口21を通して基板1を取り出し且つ基板1を収納するべく基板1を移載する基板移載装置としての基板移載ロボット11、及び、載置台9に載置支持された基板用収納容器2から容器本体3を分離させる容器分離装置12が設けられている。
【0025】
また、図1に示すように、基板搬送設備には、クリーン空間13に設置されており、天井部から床部に清浄空気を通風させるダウンフロー式の清浄空気通風手段14が設けられている。この清浄空気通風手段14は、床部を構成するグレーティング床15の下方の空間と天井部を構成するエアーフィルタ16の上方の空間とが、通風ファン17及びプレフィルタ18を備えた循環路19にて連通されており、クリーン空間13内の空気を、プレフィルタ18とエアーフィルタ16とで清浄化させながら循環させて、清浄空気をクリーン空間13の天井部から床部に通風させるように構成されている。
【0026】
〔基板用収納容器〕
図4に示すように、基板搬送設備において搬送される基板用収納容器2には、基板1を上下方向に間隔を隔てて並べる状態で複数枚収納可能な基板収納空間Sが備えられている。そして、基板用収納容器2は、基板1を出し入れする出し入れ口21及び基板収納空間Sを備えた容器本体3と、その容器本体3を載置支持可能で且つ容器本体3を載置支持した状態で基板収納空間Sに清浄空気を送風するファンフィルタユニット5(図6参照)を備えた載置支持部材4とを備えて構成されており、容器本体3と載置支持部材4とは分離可能に構成されている。
【0027】
図5に示すように、容器本体3は、その側部に基板1を出し入れするための出し入れ口21とファンフィルタユニット5にて供給される清浄空気を基板収納空間Sに給気するための給気口22とを形成して構成されている。そして、出し入れ口21は、容器本体3の前側部に形成され、給気口22は、容器本体3の後側部に形成されており、出し入れ口21と給気口22とは互いに対向するように形成されている。尚、図5(a)は、前方側左斜め上方からの容器本体3の斜視図を示しており、容器本体3の一部を切り欠いている。また、図5(b)は、後方側左斜め下方からの容器本体3の斜視図を示している。
【0028】
容器本体3について説明を加えると、容器本体3は、枠材を四角柱状に枠組みして本体フレーム23を形成し、その本体フレーム23の上部と左右の横側部とを側板24で閉塞して門状に形成されている。そして、容器本体3の前側部は、側板24にて閉塞されておらず、その前側部に出し入れ口21が形成されている。また、容器本体3の後側部も、側板24にて閉塞されておらず、その後側部に給気口22が形成されている。容器本体3の下部は、下部形成用の枠材23aを格子状に並べて構成されており、側板24にて閉塞されていないため開口しているが、図4に示すように、容器本体3を載置支持部材4に載置支持させた状態ではその載置支持部材4にて閉塞される。
【0029】
つまり、容器本体3は、ファンフィルタユニット5にて供給される清浄空気を給気口22から給気し、基板収納空間S内を後方側から前方側に清浄空気を通気させ、出し入れ口21から清浄空気を排気させるように構成されている。そして、基板収納空間S内を後方側から前方側に清浄空気を通気させることで、その気流により基板1に塵埃が付着することを防止するとともに、出し入れ口21から清浄空気を排気させることにより出し入れ口21から基板収納空間Sへの塵埃の侵入が防止されている。
【0030】
また、容器本体3には、基板収納空間Sに収納する基板1を載置支持するための基板支持体25が備えられており、この基板支持体25は本体フレーム23に支持されている。また、基板支持体25は、上下方向に間隔を隔てて並ぶ複数枚の基板1の枚数に応じて上下方向に複数並べて設けられており、複数の基板支持体25の夫々は、横方向に並ぶ複数本の棒材にて構成されている。ちなみに、容器本体3の内部空間にて基板収納空間Sが形成されている。
【0031】
図6に示すように、載置支持部材4は、容器本体3を載置支持する支持部分27と、その支持部分27にて容器本体3を載置支持した状態において給気口22と対向する位置にファンフィルタユニット5を位置させるようにファンフィルタユニット5が装着された装着部分28とを備えて構成されている。ちなみに、載置支持部材4の支持部分27は、載置支持した容器本体3が支持部分27から横側方に突出しないように、平面視での大きさが容器本体3より大型に形成されている。尚、図6(a)は、前方側左斜め上方からの載置支持部材4の斜視図であり、図6(b)は、後方側左斜め下方からの載置支持部材4の斜視図である。
【0032】
載置支持部材4について説明を加えると、載置支持部材4の支持部分27は、枠材を平面視で矩形の格子状に枠組みして支持フレーム29を形成し、その支持フレーム29に底板30を取り付けて平板状に構成されている。また、載置支持部材4の装着部分28は、支持部分27の後端部から立設される状態で支持部分27に連結され、且つ、ファンフィルタユニット5が起立姿勢で容器横幅方向に並ぶ状態で3台装着されている。そして、載置支持部材4は、側面視で一字状の支持部分27と側面視でI字状の装着部分28とで側面視でL字状に形成されている。尚、底板30は、横幅方向に4枚並べ、その列を前後方向に3列並べるように計12枚取り付けられている。
【0033】
支持部分27には、並べられた底板30のうちの3列夫々において横幅方向の両端に位置する2枚の底板30に形成する形態で後述する昇降式支持体47が上下方向に挿抜可能な開口部31が形成されている。このように形成された開口部31は、容器横幅方向に間隔を隔てて2列形成されており、その夫々が、容器前後方向に沿う形状に形成されている。ちなみに、載置支持部材4における2列の開口部31の間に位置する部分が、スタッカークレーン7にて載置支持され、開口部31の容器横幅方向外方側に位置する部分が、収納棚10に収納される際に支持され、また、支持台8や載置台9に載せた際に載置支持される。
【0034】
装着部分28には、載置支持部材4に載置支持された容器本体3の後端部を覆うフード部32が設けられている。このフード部32は、容器本体3の後端部における左右の横側方及び上方を覆う形状に形成されている。また、図4に示すように、フード部32は、容器本体3が支持部分27に載置支持された状態において、容器本体3の上部とフード部32との間に上下方向の隙間が形成されており、この隙間が形成されていることにより、図8に示すように、載置支持部材4に対して容器本体3を上方側に分離させるときに、容器本体3がフード部32と接触しないように構成されている。
【0035】
図6(b)に示すように、載置支持部材4には、非接触給電装置33の受電部33aが備えられており、収納棚10に収納された状態では、収納棚10に備えられた非接触給電装置33の給電部33b(図1参照)から供給された電力によりファンフィルタユニット5が作動されるように構成されている。また、載置支持部材4には、受電部33aに供給された電力を蓄えるバッテリ(図示せず)も備えられており、基板用収納容器2をスタッカークレーン7にて搬送するとき等、受電部33aが給電部33bから離れて基板用収納容器2に電力が供給されなくなる状態では、バッテリに蓄えられた電力にてファンフィルタユニット5が作動されるように構成されている。
【0036】
基板用収納容器2には、容器本体3を載置支持部材4に載置支持された状態において、容器本体3の載置支持部材4に対する水平方向への移動を規制する規制手段34が備えられている。載置支持部材4に、その載置支持部材4の上面から上方に突出する状態で係合体としての位置決めピン34aが複数設けられ、容器本体3に、上方に凹入する形状に形成されて、載置支持部材4にて容器本体3を載置支持している状態で位置決めピン34aが係合する被係合部としての係合用凹部34bが複数設けられており、規制手段34は、これら位置決めピン34aと係合用凹部34bとを備えて構成されている。そして、規制手段34は、載置支持部材4に容器本体3を載置した際に係合用凹部34bに位置決めピン34aが係合することにより、容器本体3の載置支持部材4に対する水平方向の移動を規制するように構成されている。
【0037】
そして、容器本体3の下部形成用の枠材23aは、その一部の容器前後方向に沿う枠材23a(図5(b)において仮想線で示す枠材23a)が載置支持部材4に容器本体3を載置支持させた状態において載置支持部材4に形成された開口部31の真上に位置するように配設されている。そして、開口部31に挿入された後述する昇降式支持体47にて下部形成用の枠材23aが受け止め支持される状態で容器本体3が持ち上げられるように構成されており、容器本体3は、開口部31に挿入された昇降式支持体47にて下部形成用の枠材23aが受け止め支持される状態で載置支持部材4に対して上方側に分離可能に構成されている。
【0038】
〔スタッカークレーン〕
図1及び図2に示すように、基板用収納容器2を収納する収納部10aを上下方向及び棚横幅方向に並設した収納棚10が互いに対向する状態で一対設けられており、この一対の収納棚10の間にスタッカークレーン7が配設されている。スタッカークレーン7は、一対の収納棚10の間に形成された走行経路36をその長手方向に沿って走行移動する走行台車37と、走行台車37に立設された昇降マストに昇降自在に案内支持される昇降台38と、昇降台38に支持されたフォーク式の移載装置39とを備えて構成されている。移載装置39は、基板用収納容器2における載置支持部材4を載置支持するように構成されており、一対の収納棚10と自己との間や支持台8と自己との間や載置台9と自己との間で基板用収納容器2を移載可能で且つ縦軸心周りに旋回可能に構成されている。ちなみに、収納棚10の収納部10aには、ファンフィルタユニット5が装着されている後端部を出し入れ口21が形成されている前端部より走行経路36側に位置させる状態で基板用収納容器2が収納されている。
【0039】
スタッカークレーン7は、走行経路36に隣接する状態で設けられた支持台8に搬送可能に構成されている。そして、スタッカークレーン7は、移載装置39を旋回させることにより搬送している基板用収納容器2の向きを180°変更可能に構成されており、搬送先の支持台8の位置が搬送元の収納部10aの位置に対して走行経路36の反対側に位置する場合は移載装置39の旋回により基板用収納容器2の向きを180°変更して支持台8に搬送し、また、搬送先の支持台8の位置が搬送元の収納部10aの位置に対して走行経路36の同じ側に位置する場合は基板用収納容器2の向きを変更せずに支持台8に搬送することにより、支持台8に対して基板用収納容器2を受け渡すときは、基板用収納容器2の後端部を前端部より走行経路36側に位置させる状態で受け渡される。尚、載置台9に対しても、支持台8と同様にスタッカークレーン7にて基板用収納容器2が搬送される。
【0040】
〔基板移載ロボット〕
図1〜図3に示すように、基板移載ロボット11は、収納棚10の背面側を棚横幅方向に沿って移動する移動台車41と、その移動台車41に昇降並びに回転自在に支持された昇降回転部42と、その昇降回転部42にリンク機構44を介して連結されたフォーク状の基板支持部43とを備えて構成されている。
【0041】
そして、基板移載ロボット11は、昇降回転部42の昇降及び回転とリンク機構44の伸縮とによって、支持台8に載置支持された基板用収納容器2から基板搬送コンベヤ45の収納棚側端部に基板1を一枚ずつ移載し、且つ、基板搬送コンベヤ45の収納棚側端部の基板1を支持台8に載置支持された基板用収納容器2に一枚ずつ移載するように構成されている。ちなみに、基板用収納容器2における横幅方向に隣接する基板支持体25同士の間で且つ上下方向に隣接する基板1同士の間に、基板支持部挿抜用のスペースが形成されており、この基板支持部挿抜用のスペースに基板支持部43を挿抜させて、基板用収納容器2から基板1を一枚ずつ取り出すことや基板用収納容器2に基板1を一枚ずつ収納できるようになっている。
【0042】
ちなみに、基板搬送コンベヤ45は、基板1の横幅方向の両端部を回転ローラにて支持して、その回転ローラを回転駆動させることによって基板1を搬送するように構成されており、図2に示すように、基板搬送コンベヤ45として、基板移載ロボット11から受け取った基板1を基板処理装置Eに向けて搬送する未処理用の基板搬送コンベヤ45と、基板処理装置Eから搬出された基板1を収納棚10側に向けて搬送する処理済用の基板搬送コンベヤ45とが備えられている。
【0043】
〔容器分離装置〕
図1に示すように、容器分離装置12は、容器本体3を水平方向に載置搬送可能で且つ昇降可能な昇降式支持体47と、この昇降式支持体47を昇降移動させる電動式シリンダ等で構成された昇降手段48とを備えて構成されている。
【0044】
そして、容器分離装置12は、基板用収納容器2が載置台9にて載置支持されている状態で、昇降手段48にて昇降式支持体47を上昇移動させることで、昇降式支持体47が載置支持部材4の開口部31に下方側から挿通して容器本体3を上方側に持ち上げ、容器本体3を載置支持部材4に対して上方側に分離させる。この分離させた状態では、容器本体3の下面が位置決めピン34aの上端より上方に位置しており、容器本体3は規制手段34にて規制されることなく載置支持部材4に対して水平方向に搬送可能な状態となっている。
【0045】
また、容器分離装置12は、載置支持部材4が載置台9にて載置支持され且つ容器本体3が昇降式支持体47にて載置支持されている状態で、昇降手段48にて昇降式支持体47を下降移動させることで、位置決めピン34aが係合用凹部34bに係合されるように容器本体3が載置支持部材4上に降ろされ、昇降式支持体47が載置支持部材4の開口部31から下方側に抜出される。このように載置支持部材4に降ろされた容器本体3は載置支持部材4に載置支持されて載置支持部材4と結合される。
【0046】
そして、昇降式支持体47は、上昇移動した状態で容器本体3を水平方向に載置搬送することで、隣接する容器搬送コンベヤ49との間で容器本体3を授受できるように構成されている。ちなみに、容器搬送コンベヤ49は容器本体3を洗浄する図外の洗浄装置に容器本体3を搬送する。
【0047】
基板搬送設備には、基板用収納容器2を支持台8に載置支持させた状態で容器本体3に直接に当接することにより、容器本体3の水平方向での位置を基板移載ロボット11が基板1を移載するための基板移載用位置に調整する位置調整手段51が設けられている。次に、この位置調整手段51について説明するとともに、上述した規制手段34について説明を加える。
【0048】
〔規制手段〕
まず、規制手段34について説明を加える。
規制手段34は、上述の如く位置決めピン34aと係合用凹部34bとを備えて構成されている。図6に示すように、位置決めピン34aは、載置支持部材4の支持部分27の前端部における横幅方向の中央部に横幅方向に間隔を隔てた状態で一対設けられ、また、支持部分27の後端部における横幅方向の中央部に横幅方向に間隔を隔てた状態で一対設けられている。これら計4本の位置決めピン34aの夫々は、載置支持部材4の支持フレーム29に連結支持される状態で設けられており、図9に示すように、円柱形状に形成され且つ上端部は先細り形状に形成されている。
【0049】
図5に示すように、係合用凹部34bは、容器本体3の下面の前端部における横幅方向の中央部に横幅方向に間隔を隔てた状態で一対設けられ、また、容器本体3の下面の後端部における横幅方向の中央部に横幅方向に間隔を隔てた状態で一対設けられている。これら計4箇所の係合用凹部34bの夫々は、載置支持部材4の適正な箇所に容器本体3を載置支持させた状態で位置決めピン34aが係合するように、位置決めピン34aの設置位置に対応して形成されている。また、係合用凹部34bの夫々は円筒形の穴に形成されている。
【0050】
係合用凹部34bの夫々の径は、係合する位置決めピン34aの径より若干大きく、位置決めピン34aを係合用凹部34bに係合した状態で位置決めピン34aの側面と係合用凹部34bの側面との間に隙間が形成されるようになっており、規制手段34は、この隙間分だけ容器本体3の載置支持部材4に対する水平方向への移動を許容するように構成されている。また、係合用凹部34bの夫々の周囲には、位置決めピン34aを係合用凹部34bに案内する係合用傾斜面35が円錐状に形成されている。
【0051】
そして、容器本体3を載置支持部材4に載置支持させた状態において、載置支持部材4の支持部分27の上面と位置決めピン34aの上端との上下方向の間隔より、容器本体3の下面と係合用凹部34bの底面との上下方向の間隔が広くなるように、位置決めピン34aの長さ及び係合用凹部34bの深さが設定されている。つまり、容器本体3を載置支持部材4に載置支持させた状態では、係合した位置決めピン34aの上端は係合用凹部34bの底面に接触していない。ちなみに、容器本体3の下面とは、容器本体3を載置支持部材4に載置支持させた状態で支持部分27の上面に接触する面である。
【0052】
〔位置調整手段〕
次に、位置調整手段51について説明する。
図9に示すように、位置調整手段51は、支持台8にその支持台8から上方に突出する状態で設けられた複数の嵌合体としての調整ピン52、容器本体3に備えられた上方に凹入する被嵌合部としての嵌合用凹部53、容器本体3における嵌合用凹部53の周囲に備えられて調整ピン52を嵌合用凹部53に案内する傾斜面部としての嵌合用傾斜面54、及び、調整ピン52が嵌合用凹部53に嵌合する嵌合状態と調整ピン52を嵌合用凹部53から下方に離間させた離間状態とに切り換えるべく容器本体3と調整ピン52とを相対的に昇降移動させる昇降操作手段56を備えて構成されている
【0053】
図7に示すように、調整ピン52は、支持台8の四隅に固定状態で設けられている。具体的には、支持台8に、載置支持する基板用収納容器2の四隅に対応して4本の支柱8aが設けられており、4本の支柱8aの夫々の上端部に基板用収納容器2の隅部を各別に載置支持する支持板8bが取り付けられている。そして、調整ピン52は、支持板8bの平坦に形成された上面の夫々に固着されて、支持台8の四隅に支持台8から上方に突出する状態に固定状態で設けられている。また、図9に示すように、調整ピン52は、円柱形状に形成され且つ上端部は先細り形状に形成されている。
【0054】
嵌合用凹部53は、容器本体3の下面の四隅に設けられており、これら計4箇所の嵌合用凹部53の夫々は、容器本体3の水平方向での位置が基板1を移載するための基板移載用位置に位置させた状態で調整ピン52が係合するように、調整ピン52の設置位置に対応して形成されている。また、嵌合用凹部53の夫々は、円筒形の穴に形成されており、底面が調整ピン52の形状に沿う形状に形成されている。
【0055】
嵌合用凹部53の夫々の径は、係合する調整ピン52の径と略同じ大きさであり、調整ピン52を嵌合用凹部53に係合した状態で調整ピン52の側面と嵌合用凹部53の側面との間に隙間が殆ど形成されないようになっており、位置調整手段51は、調整ピン52が嵌合用凹部53に嵌合した状態では、容器本体3が支持台8に対する水平方向への移動が殆ど許容されておらず、容器本体3の位置を基板移載用位置に適確に位置させることができるように構成されている。
【0056】
基板用収納容器2を支持台8に載置支持させた状態における支持台8の上面と調整ピン52の上端との上下方向の間隔より、載置支持部材4に容器本体3を載置支持した状態における載置支持部材4の下面と嵌合用凹部53の底面との上下方向の間隔が狭くなるように、調整ピン52の長さ及び嵌合用凹部53の深さが設定されている。つまり、図9(b)に示すように、基板用収納容器2を支持台8に載置支持させた状態では、基板用収納容器2における載置支持部材4のみが支持台8に載置支持され、容器本体3は調整ピン52にて支持される。ちなみに、載置支持部材4の下面とは、基板用収納容器2を支持台8に載置支持させた状態で支持板8bの上面に接触する面である。
【0057】
そして、図9に示すように、複数の調整ピン52の夫々は、スタッカークレーン7にて離間状態から嵌合状態に切り換えられるに伴って嵌合用凹部53を受け止め支持した状態で容器本体3を載置支持部材4に対して持ち上げ、図9(b)に示すように、嵌合状態において、位置決めピン34aが係合用凹部34bから下方に離間させた状態で容器本体3を支持するように構成されている。よって、嵌合状態に切り換えられて容器本体3が調整ピン52にて支持された状態では、容器本体3の下面が位置決めピン34aの上端より上方に位置しており、容器本体3は規制手段34にて規制されることなく載置支持部材4に対して水平方向に移動可能な状態となっている。
【0058】
嵌合用傾斜面54は、嵌合用凹部53の夫々の周囲に形成されており、上方側ほど径が小さくなる円錐状に形成されている。つまり、容器本体3を調整ピン52に対して下降移動させて離間状態から嵌合状態に切り換える際に、容器本体3が基板移載用位置から水平方向にずれており、嵌合用凹部53の位置が調整ピン52の真上から水平方向にずれて位置している場合でも、調整ピン52が嵌合用傾斜面54に当接した状態で相対的に上昇移動することで、嵌合用凹部53が調整ピン52の真上に位置するように容器本体3が案内されて容器本体3が基板移載用位置に移動し、調整ピン52が嵌合用凹部53に嵌合するように構成されている。このように、位置調整手段51は、容器本体3が基板移載用位置から水平方向にずれている場合に、嵌合用傾斜面54の作用により容器本体3の位置を基板移載用位置に調整するように構成されている。
【0059】
載置支持部材4における嵌合用凹部53に対応した箇所に形成されて調整ピン52が上下方向に挿抜可能な開孔部55が形成されている。この開孔部55は、載置支持部材4に載置支持された容器本体3が載置支持部材上の適正な位置(位置決めピンの中心と係合用凹部の中心とが一致する位置)に位置する状態において嵌合用凹部53の真下に位置する箇所に形成されており、平面視で円形の孔に形成されている。また、開孔部55は、位置決めピン34aが係合用凹部34bに係合している状態で容器本体3が載置支持部材4上の適正な位置から水平方向にずれている場合でも、調整ピン52の上端部が嵌合用傾斜面54の外周縁部に接触できるように、嵌合用傾斜面54の下端部の径より大径に形成されている。ちなみに、嵌合用傾斜面54の下端部の径は、スタッカークレーン7による支持台8への搬送精度により生じる基板用収納容器2の設定位置に対する水平方向の最大ずれ量と、位置決めピン34aの径と係合用凹部34bの径との差により生じる容器本体3の載置支持部材4上の適正な位置に対する水平方向の最大ずれ量とを考慮して設定されている。
【0060】
スタッカークレーン7は、容器本体3を載置支持した載置支持部材4を支持台8に対して上方から載置支持させる形態で基板用収納容器2を支持台8に搬送し、且つ、載置支持部材4を支持台8から掬い上げる形態で基板用収納容器2を支持台8から搬送するように構成されている。そして、スタッカークレーン7は、基板用収納容器2を支持台8に対して上方から降ろすことで容器本体3を調整ピン52に対して下降移動させ、基板用収納容器2を支持台8に対して上方に掬い上げることで容器本体3を調整ピン52に対して上昇移動させるものであり、昇降操作手段56に兼用されている。
【0061】
要するに、容器本体3が基板移載用位置からずれていない場合は、スタッカークレーン7にて基板用収納容器2を支持台8に対して上方から降ろすときに、調整ピン52は嵌合用傾斜面54に当接することなく嵌合用凹部53に嵌合するため、位置調整手段51による調整は行われない。また、基板用収納容器2が基板移載ロボット11に対応して設定された支持台8上の設定位置から水平方向にずれている、又は、載置支持部材4に載置支持された容器本体3が載置支持部材4上の適正な位置から水平方向にずれている、或いは、これら両方の要因によって、容器本体3が基板移載用位置から水平方向にずれている場合は、スタッカークレーン7にて基板用収納容器2を支持台8に対して上方から降ろすときに、調整ピン52が嵌合用傾斜面54に当接した後に嵌合用凹部53に嵌合するため、位置調整手段51により容器本体3の位置は基板移載用位置に調整される。このように、容器本体3が基板移載用位置からずれている場合は、位置調整手段51における調整ピン52を容器本体3に直接に当接させることにより、支持台8上に載置支持される載置支持部材4の位置を調整することなく、容器本体3の位置を基板移載用位置に調整することができる。
【0062】
〔別実施形態〕
(1) 上記実施形態では、容器搬送装置7を昇降操作手段56に兼用したが、嵌合体を昇降移動させる昇降操作手段56を設ける等、容器搬送装置7とは別に昇降操作手段56を設けてもよい。具体的には、例えば、図10に示すように、昇降操作手段56として調整ピン52を支持台8に対して昇降移動させる昇降用シリンダ58を設けて、基板用収納容器2を支持台8に載置支持させた状態で、昇降用シリンダ58にて調整ピン52を昇降移動させることで、嵌合状態(図10(b)参照)と離間状態(図10(a)参照)とに切り換えるように構成してもよい。
【0063】
(2) 上記実施形態では、位置調整手段51を、嵌合体と被嵌合体と傾斜面部と昇降操作手段とを備えて、容器本体を嵌合体に対して相対的に昇降移動させて容器本体を基板移載用位置に調整するように構成したが、位置調整手段51を、支持台8に載置支持された基板用収納容器2における容器本体3に側方から当接する当接部材を設けて、当接部材を容器本体に対して水平方向に遠近移動させて容器本体を基板移載用位置に調整するように構成してもよい。
【0064】
(3) 上記実施形態では、嵌合状態において係合体が被係合部から下方に離間させるように構成したが、嵌合状態に切り換えるに伴う容器本体3の載置支持部材4に対する持ち上げ量を小さくして、嵌合状態においても係合体が被係合部に係合する状態を維持するように構成してもよい。この場合、位置調整手段51にて容器本体3の位置を水平方向に調整する際に、係合体が被係合体に係合していることより、載置支持部材4は容器本体3の移動に追従して水平方向に移動する。また、上記実施形態では、係合体と被係合部とを設けたが、これらを設けなくてもよい。
【0065】
(4) 上記実施形態では、被嵌合部を容器本体3の下面の四隅に備えて容器本体3に4つの被嵌合部を備えるとともに、これに対応して支持台8に嵌合体を4つ備えたが、被嵌合部や嵌合体の位置や数は適宜変更してもよい。つまり、例えば、被嵌合部を、容器本体3の下面における横幅方向の両端部夫々の前後方向中央部に備え、且つ、容器本体3の下面における前後方向の両端部夫々の横幅方向中央部に備えるように、容器本体の4箇所に被嵌合部を備えてもよい。また、被嵌合部を、容器本体3の下面における後端部の横幅方向両端部に夫々備え、容器本体3の下面における前端部の横幅方向中央部に備えるようにして、容器本体の3箇所に被嵌合部を備えてもよい。また、容器本体3の下面の周縁部ではなく中央部に被嵌合部を備えてもよく、また、容器本体の5箇所以上に被嵌合部を備えてもよい。そして、嵌合体は、支持台における被嵌合部に対応する箇所に対応した数だけ備える。
【0066】
(5) 上記実施形態では、基板用収納容器を載置支持する支持台8に嵌合体を設けたが、支持台8に嵌合体を設けずに、別途設けた嵌合体専用の台に嵌合体を設けてもよい。
【0067】
(6) 上記実施形態では、被嵌合部における底部を上方側ほど径が小さくなる先細り形状に形成し、被嵌合部における底部より下方の部分を円筒形状に形成したが、被嵌合部の全体を上方側ほど径が小さくなる先細り形状に形成してもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 基板
2 基板用収納容器
3 容器本体
4 載置支持部材
5 ファンフィルタユニット
7 容器搬送装置
8 支持台
11 基板移載装置
21 出し入れ口
34a 係合体
34b 被係合部
51 位置調整手段
52 嵌合体
53 被嵌合部
54 傾斜面部
56 昇降操作手段
S 基板収納空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を上下方向に間隔を隔てて並べる状態で複数枚収納可能な基板収納空間を備えた基板用収納容器を基板移載用の支持台に搬送する容器搬送装置と、
前記支持台に載置支持された前記基板用収納容器に対して、前記基板用収納容器の側部に形成された出し入れ口を通して基板を取り出す又は基板を収納するべく基板を移載する基板移載装置とが設けられている基板搬送設備であって、
前記基板用収納容器が、前記出し入れ口及び前記基板収納空間を備えた容器本体と、その容器本体を載置支持可能で且つ前記容器本体を載置支持した状態で前記基板収納空間に清浄空気を送風するファンフィルタユニットを備えた載置支持部材とを備えて構成され、
前記容器搬送装置が、前記容器本体を載置支持した前記載置支持部材を前記支持台に対して上方から載置支持させる形態で前記基板用収納容器を前記支持台に搬送するように構成され、
前記基板用収納容器を前記支持台に載置支持させた状態で前記容器本体に直接に当接することにより、前記容器本体の水平方向での位置を前記基板移載装置が基板を移載するための基板移載用位置に調整する位置調整手段が設けられている基板搬送設備。
【請求項2】
前記位置調整手段が、前記支持台にその支持台から上方に突出する状態で設けられた複数の嵌合体、前記容器本体に備えられた上方に凹入する被嵌合部、前記容器本体における前記被嵌合部の周囲に備えられて前記嵌合体を前記被嵌合部に案内する傾斜面部、及び、前記嵌合体が前記被嵌合部に嵌合する嵌合状態と前記嵌合体を前記被嵌合部から下方に離間させた離間状態とに切り換えるべく前記容器本体と前記嵌合体とを相対的に昇降移動させる昇降操作手段を備えて構成されている請求項1に記載の基板搬送設備。
【請求項3】
前記嵌合体が、前記支持台に固定状態で設けられ、
前記容器搬送装置が、前記昇降操作手段を兼用している請求項2記載の基板搬送設備。
【請求項4】
前記載置支持部材に、その載置支持部材から上方に突出する状態で係合体が複数設けられ、
前記容器本体に、上方に凹入する形状に形成されて、前記載置支持部材にて前記容器本体を載置支持している状態で前記係合体が係合する被係合部が複数設けられ、
前記複数の嵌合体の夫々が、前記昇降操作手段にて前記離間状態から前記嵌合状態に切り換えられるに伴って前記被嵌合部を受け止め支持した状態で前記容器本体を前記載置支持部材に対して持ち上げ、前記嵌合状態において、前記係合体が前記被係合部から下方に離間させた状態で前記容器本体を支持するように構成されている請求項2又は3記載の基板搬送設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−111258(P2011−111258A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−267763(P2009−267763)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】