基準合わせ型真空紫外線反射率計
真空紫外線スペクトラムで動作する分光検査システム(500)が提供される。特に、該真空紫外線スペクトラムの反射率計測技術を使うシステムが度量衡応用での使用のため提供される。精密で繰り返し可能な測定を保証するために、光路(506,508)の環境が、該光路内に存在するガスの吸収効果を制限するよう制御される。なお起こる吸収効果の責めを負うために、該光路の長さは最小化される。更に吸収効果の責めを負うために、該反射率データは相対的標準に基準合わせされる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に真空紫外線(vacuum ultraviolet)反射率(reflectance)分光学(spectroscopy)の計測と応用に関する。1実施例では、本発明は最先端半導体デバイス(leading edge semiconductor device)の製造時プロセス制御で使うための高スループット、非接触度量衡能力(high throughput, non−contact metrology capabilities)を半導体製造者に提供するため使用されることが可能である。加えて、本発明は一体化された{インラインの(in−line)}プロセス制御応用品でのその使用を実現するのに充分な程のコンパクトさをもたらす。
【背景技術】
【0002】
半導体工業は現在歴史上如何なる時よりも薄い層(thinner layers)から成るデバイスを製造し、小さい特徴的寸法(smaller feature sizes)を持つことを可能にする処理技術(processing technologies)を開発しつつある。これらの進歩を可能にするためには、現在のシステムが処理条件の細かい変化(subtle changes)を検出するのに要する感度を欠くので、サポートする度量衡技術(metrology techniques)が開発されねばならない。
【0003】
光学的度量衡計測器(Optical metrology instruments)は長く半導体処理応用に使われて来たが、それは典型的に非接触、非破壊的であり、高い測定スループットを可能にするからである。これらの計測器(instruments)の大多数は材料を特徴付けるために偏光解析法及び/又は反射率計測法の方法(ellipsometry and/or reflectometry methods)を使う。従来これらの計測器は、膜厚さと、光学特性とそして組成(composition)、多孔性(porosity)、及び粗さ(roughness)の様な他の材料特性と、を測定するため使われて来た。もっと最近には、散乱計測法モデル化技術(scatterometry modeling techniques)の使用を通してデバイス特徴の重要寸法を特徴付けるために前記計測の拡張について関心が高まっている。
【0004】
事実上全ての現在の偏光解析法及び反射率計測法の度量衡計測器は遠紫外線(deep
ultraviolet)(〜200nm)と近赤外線(near infra−red)(〜1000nm)波長の間のスペクトル領域(spectral region)の或る部分で動作(operate)する。不幸にして、半導体処理技術が進歩し、デバイス形状(device geometries)が縮小(shrink)すると、処理条件の変化に対するこの様な計測器の感度は減少する。度量衡計測からの敏感で、精密で繰り返し可能なフイードバック無しでは、半導体製造は処理機器を適切に制御出来ず、従って、高いイールド(high yields)を達成出来ない。要するに、従来の光学的計測はそれを将来技術用には不適切にする限界に到達しつつある。
【0005】
選ばれた数の会社は真空紫外線(VUV)(波長は一般的に190nmより短い)光学度量衡機器の進展するニーヅを認識し、この要求に取り組むよう目指した商業製品を製造した。例には、ドイツのセンテックインスツルメントゲーエムベーハー(Sentech
Instruments GmbH of Germany)、アメリカのジェイ.エイ.ウーラム社(J. A. Woollam Co., Inc. of the U.S.)、そしてフランスのソプラ社(Sopra Inc. of France)が含まれる。しかしながら、これらの会社の全部が、それらの性質上複雑なハードウエアと制御システムを要する偏光解析的技術(ellipsometric techniques)に依存する機器を設計した。この様なデバイスは典型的に遅く、半導体製造環境で必要な高レベル測定スループットを保持出来ない。加えて、この様な計測器は一般的に多くの透過性偏波要素(transmissive polarizing elements)を使うがそれらは使われ得る最短波長光子(shortest wavelength photons)を結果的に限定する。結果的に、現在のVUV偏光解析的度量衡システム(VUV ellipsometric metrology systems)は約140nmより長い波長でのみ動作し得るに過ぎない。
【0006】
又、従来技術の、特許文献1は光路全体が制御された環境内に保持される形状内での、高エネルギー反射性双方向偏光解析的測定(high energy specular
bi−directional ellipsometric measurements)を行う利点を説明している。この取り組みはより高いエネルギー光子(higher energy photons)の使用により与えられる改良された信号識別能力を使用しようと企てるが、それは又複雑な偏光解析的技術の使用に付随する前記障害(complications)をこうむる。加えて、この設計は、精密で再生可能な結果(accurate and reproducible results)を得るために、現実の測定中、のみならず、測定のシリーズの間、の両者で厳密で再生可能に制御された周囲状態(ambient)を要する。すなわち、環境の影響から生ずる測定データ内の不確実性を最小化するために、適当な環境条件が実現されるのみならず、同じ適当な条件が、各そして全ての測定中、再生可能に達成され保持されることを保証する必要がある。もし該条件が変わるなら、計測器の再現性と安定性は不利に影響されるであろう。
【0007】
マックアニンチ(McAninch)は特許文献2で、サンプルを制御された環境内に置く必要がない光学的度量衡ツール用パージシステム(purge system)を開示している。再生可能な定常条件(Reproducible steady−state conditions)はこの様な配置を使って達成することは難しいが、それは流れ特性が測定中サンプルの配置により可成り変化すると期待されるからである。サンプル寸法そして該サンプル表面上のパターン化された構造の存在の様な他の要因が流れ特性に影響すると期待される。加えて、この開示は如何にデータ基準合わせ(data referencing)がその設計に組み合わされるかを述べていない。
【0008】
アメリカのアクトンサーチ社及びマクフアーソン社の両者(Acton Research Corporation and McPherson, Inc., both
of the U.S.)の様な他の会社も該VUV領域内の反射率及び/又は透過率のスペクトル的測定を行うために光学的計測器を開発した。一般的に言って、これらのシステムはステップアンドスキャン技術(step and scan technology)を使うが、それによればスペクトルは、或る角度の範囲を通しての回折格子の走査と組み合わせた1要素検出器(single element detector)の使用を通して記録される。この様であるから、これらのシステムは時間が掛かり、半導体製造者のニーヅには良く適合していない。
【0009】
反射率計を用いて高度に繰り返し可能な結果を達成するためには、反射率データが基準合わせされ得る、又は相対的標準と比較される得る手段を提供する必要がある。この仕方では、該システムが最初に校正(calibrated)される初期の時と、サンプル測定が行われるもっと後の時、の間で起こる該システム内の変化が適当に責めを負わ(accounted for)され得る。
【0010】
従来技術には多くの基準合わせ技術が存在するが、しかしながら、一般にこれらの方法は、時間が掛かり、そして基準サンプルをサンプル位置内へそして該位置外へ機械的に位
置づける過程を含むか、又は不精密な結果へ導き得るサンプル及び基準測定用の別検出部品(separate detection components)(すなわち、回折要素及び検出器)を使うか、何れかである。例えば、反射率計データを基準合わせするために別の検出部品を使う1つのアプローチは“双ビーム”構成(唐р浮≠戟@beam煤@configuration)を使うことである。この配置ではモノクロの出口ビーム(monochromatic exit beam)を創るためにスペクトロメーターを使って広帯域光が分散(dispersed)されるのが典型的である。このビームは2つの部分、サンプルビームと基準ビームと、に分離される。該サンプルビームはサンプルから反射され、サンプル検出器により記録される一方、該基準ビームは該サンプルをバイパスし、基準検出器により記録される。このアプローチは、それが分散格子(dispersion grating)の走査を要し、又前記検出器課題(detector issues)をこうむるので、時間が掛かる。
【0011】
従って、インライン度量衡応用でのその使用を容易化するためには光学測定ツールが急速でコンパクトな高精密基準合わせ手段を組み入れることが望ましい。
【0012】
デバイス形状が縮小すると、度量衡計測器はサンプルの益々小さい領域で測定を行うよう期待される。もし度量衡ツールが、サンプルの再位置付けと再整合に典型的に付随する時間増加無しに、より多い情報を得るために、サンプルの局所化した領域内の多数のこの様なサイトで測定を同時に行えるならば、非常に有利である。
【0013】
現在利用可能な光学的度量衡技術のどれも該VUV領域内の精密で繰り返し可能な光学的データの収集に付随する困難を克服してないので、この様な計測器の設計には大きな利点が存在することになる。
【0014】
事実上全ての光学的度量衡計測器は、それらが初期に記録する量から意味のある材料情報を抽出するために或る形式のモデル化アルゴリズムを組み入れている。この様なアルゴリズムの性能はそれらが還元(reduce)すべきデータセットの性質に大いに左右される。より広い範囲の波長をカバーするデータセットは、適合するアルゴリズムにより多い制限をもたらすのが一般的であり、それによりより速い収斂とより精密な結果を与える。
【0015】
少なくとも2つのスペクトル領域をカバーする広い範囲の波長に亘り反射率データを集める従来のアプローチはステップアンドスキャン技術を使うことであり、そこでは1つの要素検出器が回転格子モノクロメーター(rotating grating monochromator)と連携して使われる。調査される波長範囲が充分大きい場合は屡々、1つの広帯域データセットの取得中、格子、検出器、光学機器そしてソースを手動で変えることが必要である。このアプローチは時間が掛かることが多く、半導体産業で遭遇するそれらの様な製造環境には良く適合していない。
【0016】
干渉計(Interferometers)は広い波長の範囲に亘るデータを集めるために赤外線スペクトル領域で広く使われているが、しかしながら、これらの計測器は該VUVでは普通には使われず、何故ならば該計測器の光学的及び機械的許容差(tolerances)は波長で縮尺調整され(scale with wavelength)、このスペクトル領域では充たすのは難しいからである。
【0017】
ワング(Wang)は特許文献3で別々の最適ビーム路を有する測定システムを開示している。このシステムは多数のスペクトルサブバンドに亘り効率的測定が行われることを可能にするが、該集められたデータを基準合わせする手段を提供しない。従って、信号スループットは高いが、システム繰り返し性は極めて貧弱である。これは該VUVでの動作
時特に関連があり、何故ならばこの様な波長は頻繁な基準合わせを必要とさせる大気変化(atmospheric changes)に高い感受性を有するからである。
【0018】
該VUVでの高度に繰り返し可能な反射率データの収集は恐らくは、校正測定の結論と、次のサンプル測定の開始と、の間で起こるかも知れない、データを変える環境変化により導入される誤差を最小化及び/又は一緒に除去するよう設計されたシステムを使って最も良く達成される。この様なシステムの例は特許文献4で説明される。その出願人は、該VUVと少なくとも1つの他のスペクトル領域とを含む広い波長範囲に亘りデータを取得出来る反射率計で、その使用を容易化するためにこの能力を拡大することが望ましいことを認識した。
【0019】
該出願人は更に、広帯域全体の波長を含むスペクトル領域の各々からのデータセットが、該サンプル上でそして同じスポット寸法を有する同じ物理的位置から、集められることを保証することが望ましいことを認識した。更に又、もしこの様なデータセットが、同じ様な散乱条件に遭遇することを保証するためにそのサンプルに対し同じ配向(すなわち、入射角と方向)を使って集められるならば有利である。
【0020】
該出願人は又、前記システムが、もし並列プロセスが使われるなら予想するであろう迷光障害(stray light complications)を避けるために該スペクトル領域の各々からのデータがシーケンシャルに集められる直列収集プロセスを使用するなら望ましいことを認識した。
【特許文献1】米国特許第6、414、302号明細書(Freeouf)
【特許文献2】米国特許出願公開第20020149774号明細書(McAninch)
【特許文献3】米国特許出願公開第20030071996号明細書(Wang)
【特許文献4】米国特許出願公開第10/668、644号明細書
【特許文献5】米国特許第4932768号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明の目的は、より薄い層とより小さな特徴とを組み入れた半導体デバイスを特徴付けることが出来る信頼性のある光学的度量衡ツールを半導体製造工業に提供することである。この計測器は、該VUV波長領域での及びその下での材料の特徴付けを通して与えられる、処理条件の小さな変化に対する高められたレベルの感度を充分利用する。この機器は非接触、非破壊的であり、基準合わせされた反射率計測データ(reflectometry data)を使用する。
【課題を解決するための手段】
【0022】
該機器の設計は簡単で頑丈(robust)であり、それはVUV波長で動作することを容易にする。それは、その簡単さの結果として、高速であり、それにより高スループット製造応用での使用をもたらす。該システムはそれがコンパクトであるよう、そして小さな空間しか要しないよう、に設計される。該計測器は、校正、基準合わせそしてサンプル測定の過程中再生可能な制御された環境を保持する必要性を除けば、環境的影響を最小化する利点を提供する。加えて、それは、製品サンプル上でのインライン測定が可能であるよう、小さな測定スポット寸法を提供し、局所化された領域内でサイトのシリーズ上の多数測定が同時に得られるよう、画像形成光学機器を使う。
【0023】
1実施例では、真空紫外線スペクトル内で動作する分光学システム(spectroscopy system)が提供される。特に、真空紫外線スペクトル内の反射率計測技術(reflectmetry techniques)を使うシステムが度量衡応用で
の使用のため提供される。該システムは更に画像形成スペクトロメーター(imaging spectrometer)と組み合わされたアレイ検出器(array detector)の使用を含む。この仕方で多数波長のデータが同時に集められる。更に、該多数波長のデータは2次元サンプル範囲について同時に集められる。該システムは更に固定回折格子の使用を含み、偏波要素(polarizing elements)の使用を要しない。精密で繰り返し可能な測定を保証するために、光路の環境が制御される。該光路は、非吸収性パージガスが存在する又は真空化技術(vacuum evacuation techniques)が使われる制御された環境室(controlled environmental chamber)を含んでもよい。該制御された環境は更に別の計測室と別のサンプル室を有してもよい。該制御された環境は繰り返し可能な仕方でVUV光子(VUV photons)の吸収を限定する。
【0024】
もう1つの実施例では、真空紫外線スペクトルで動作する分光学システムが提供される。特に、真空紫外線スペクトルで反射率計測技術を使うシステムが度量衡応用での使用のために提供される。精密で繰り返し可能な測定を保証するために、その光路の環境は該光路内にあるガスの吸収効果を制限するよう制御される。なおも起こるかも知れない吸収効果の責めを負うために、該光路の長さは最小化される。更に吸収効果の責めを負うために、その反射率データは相対標準に対し基準合わせされる。基準合わせは、低い利用可能光子光束(low available photon flux)と、光路と共に含まれるガス状媒体の組成に対する記録されたデータの感度と、により該VUV反射率計では特に有利である。かくして、該制御される環境内の変化により導入される誤差は減じられる。1つの例示的実施例では、該VUV反射率計(VUV reflectometer)は、殆どバランスの取れたマッハ−ツエンダー干渉計(near balanced Mach Zehnder interferometer)の2つのアームを形成するようにサンプルビームと基準ビームとを創るためにビームスプリッター(beam splitter)が使われる技術を使用する。もう1つの例示的実施例では、該基準チャンネルはマイケルソン干渉計(Michelson interferometer)から成る。
【0025】
なおもう1つの実施例では、真空紫外線スペクトルで動作する分光学的システムが提供される。特に、該真空紫外線スペクトルで反射率計測技術を使うシステムが度量衡応用での使用のために提供される。精密で繰り返し可能な測定を保証するために、光路の環境は該光路内にあるガスの吸収効果を限定するよう制御される。該VUV反射率計は半導体処理環境での広い範囲のデータをモニターするため使われる。例えば、該技術は膜又は膜のスタックの厚さ、光学的性質、組成、多孔度(porosity)そして粗さ(roughness)を測定するため使われる。更にこれらのVUV技術と装置はデバイスの重要寸法と他の特徴を特徴付けるために使われる。該VUV反射率計システムはスタンドアロンツール(stand alone tool)として使われてもよく、或いは該システムの比較的コンパクトな性質が、該システムが他のプロセスツール内に組み入れられるよう利用されてもよい。かくして、例えば、ここに説明された該VUV技術は、インライン測定、モニタリング及び制御が有利に得られるよう蒸着(deposition)、エッチング(etch)、フオトリゾグラフイー(photolithography)、他用に使われるツール内に直接組み入れられてもよい。
【0026】
本発明の目的は半導体製造工業に、より薄い層と新しい複雑な材料を組み入れる半導体デバイスを特徴付けることが出来る信頼性のある光学的度量衡ツールを提供することである。該計測器のユーザーにより使われる何等かの適合するアルゴリズムは、2つ以上のスペクトル領域から成るデータセットにより与えられるより高レベルの制限を充分利用することによりより速い収斂と、より精密な結果を達成する。この計測器は非接触で非破壊的であり、広帯域反射率データを利用する。
【0027】
該計測器は第1のスペクトル領域での動作用に最適化され、少なくとも1つの他のスペクトル領域で良く動作することが出来る。別々のスペクトル領域での使用のために選択したソースと検出器はそれらの選択を許容する計測器内の光学的モジュール内に組み入れられる。加えて、このモジュールは、別々のスペクトル領域での測定値が同様なスポット特性を使って集められることを可能にするために共通の供給及び収集光学機器(common delivery and collection optics)を含む。更に、本発明は別々のスペクトル領域からのデータが、迷光障害(stray light complications)を避けるためにシーケンシャルに集められる直列収集アプローチを使う。
【0028】
1実施例では、第1のスペクトル領域での動作用に最適化され、少なくとも1つの他の領域で良く動作出来る分光学システムが提供される。該システムは、該第1のスペクトル領域からのデータ収集では運動する光学要素が何等含まれない(シャッターは除いて)ように設計される。加えて、該システムは別のスペクトル領域用に最適化された選択可能なソースと検出器とを与える光学的モジュールを組み入れる。同様に、該光学的モジュールは別のスペクトル領域での測定値が同様なスポット特性を使って集められることを可能にするために共通の供給及び収集光学機器を提供する。該モジュールは又高度に繰り返し可能な結果が達成されることを保証するよう測定されたデータを手早く基準合わせする手段を提供する。
【0029】
もう1つの実施例では、該VUVで動作するよう最適化され、DUV−NIRで良く動作することが出来る分光学システムが提供される。加えて、該システムは、該VUV及びDUV−NIRで使用するために最適化された選択可能なソースと検出器とを提供する光学的モジュールを組み入れる。同様に、該光学的モジュールは両スペクトル領域での測定値が同様なスポット特性を使って集められることを可能にする共通の供給及び収集光学機器を提供する。該モジュールは又高度に繰り返し可能な結果が達成されることを保証するように測定されたデータを手早く基準合わせする手段を提供する。該モジュールは更に、該VUVソースと、サンプル室と、そしてVUV検出器との間に制御された環境を提供するが、該環境は繰り返し可能な仕方でVUV光子の吸収を限定するよう作動する。該DUV−NIR波長に加えて、VUV波長を含む広帯域データセットの使用はより広範な種類の材料が意味ある様に特徴付けられることを可能にする。アレイベースの検出的計測(Array based detection instrumentation)はより広い波長領域の同時収集を可能にするよう開発されてもよい。
【0030】
本発明の性質と利点の更に進んだ理解は下記説明と付随する図面の調査に従うことにより実現されよう。
【実施例1】
【0031】
挑戦的応用のために光学的度量衡機器の感度を高めるには、この様な測定が行われる波長の範囲を広げることが望ましい。特に、真空紫外線(vacuum ultra−violet)(VUV)と呼ばれる電磁スペクトルの領域の中へ、そしてそれを超えるよう、広がる、より短い波長の(より高いエネルギーの)光子を利用することは有利である。VUV(及びそれより短い)光子は標準的大気条件内で強く吸収されると言う事実のために、これらの波長で動作するよう設計された光学的計測の開発には歴史的に比較的少しの努力しか払われなかった。真空紫外線(VUV)波長は一般的に遠紫外線(deep ultra−violet)(DUV)波長より短い波長と考えられる。かくしてVUV波長は一般的に約190nmより短い波長であると考えられる。該VUV範囲の下端について汎用されるカットオフは無いが、その分野の或る人はVUVが終了し、極端紫外線(extreme ultra−violet)(EUV)範囲が始まると考える(例えば、或る人は100nmより短い波長をEUVと規定する)。ここで説明される原理は100nmより上の波長に適用可能であるが、この様な原理は一般的には100nmより下の波長にも適用可能である。かくして、ここで使われる時、用語VUVは一般的に約190nmより短い波長を示すよう意味するが、しかしながらVUVはより短い波長を排除することを意味しないことは認識されるであろう。かくして、ここで説明される時、VUVは、下端波長排除を行わずに一般的に約190nmより短い波長を含むことを意味する。更に、下端(low end)VUVは概ね約140nmより下の波長と考えられてもよい。
【0032】
実際、事実上全ての形式の物質(個体、液体そして気体)はVUV波長で益々強い光学的吸収特性を示すことは真である。皮肉にも、VUV光学的度量衡技術に利用可能な増加した感度に自身で責任を負うのは物質のこの同じ、寧ろ基本的な特性である。これは、より長い波長では材料の光学的動作の検出出来ない変化しか生じない、プロセス条件の小変化として振る舞う(follows)が、VUV波長ではこの様な材料の測定可能な特性での実質的で容易に検出出来る変化を誘起し得る。
【0033】
VUV光子が大抵の種類の物質により強く吸収される事実は、該VUVでの動作を実現するよう従来のより長い波長の光学的度量衡機器を簡単に拡張したり、又は該機器を修正することを不可能にする。今日のツールは標準的大気条件下で動作するよう設計されており、とりわけ、これらのより短い波長での動作用に求められる制御された環境を欠いているのが典型的である。VUV放射はO2及びH2Oの両分子により強く吸収され、従ってこれらの種(species)は計測器の光路を通るVUV光子の透過を可能にするよう十分に低いレベルに保持されねばならない。この点をより良く図解するために、標準大気(プロット100)と1PPMのO2及びH2O濃度レベルを含む制御された環境(プロット110)との両者の100cm路長を通る光学的透過率が光子波長の関数として図1にプロットされる。図から明らかな様に、標準大気(standard atmosphere)を通る光子の透過は約200nmより短い波長で絶壁状に降下する。
【0034】
従来の光学的計測器は標準大気条件で機能するよう意図されているのみならず、それらは、それらをVUV動作用には不適当にさせる光学的要素の配列と設計も使っているのが典型的である。反射率計で高度に繰り返し可能な結果を達成するために、反射率データが相対的標準と基準合わせされる又は比較される手段を提供することが望ましい。この仕方では、そのシステムが最初に校正される初期時と、サンプル測定が行われる後刻時と、の間に起こる該システムの変化が適切に責めを負わされ得る(properly accounted for)。より長い波長では、この様な変化はソースのスペクトル出力の輝度変動(intensity variations)により支配されるのが通常である。VUV波長で動作時は、環境条件の変化{すなわち、光路の環境内の吸収する種(species)の濃度の変化}が遙かに大きい役割を演じ得る。
【0035】
かくして、従来のより長い波長のシステムは吸収する環境が測定過程に及ぼす意味のある影響に取り組み損ねる(fail to address)。精密で繰り返し可能な反射率データが得られることを保証するために、その光路を含む環境を制御する手段を提供することのみならず、更に起こる吸収効果が、校正、測定そして基準合わせ過程の全ての面での間、適切に考慮されることを保証することが望ましい。
【0036】
従って、VUV波長で及びそれより下で動作するよう設計された制御された環境を光学的度量衡ツールに提供することが望ましい。加えて、精密で繰り返し可能な結果が得られることを保証するために、その設計が、該制御された環境の変化により導入される誤差を減じる又は一緒に除去するよう作用する強固な基準合わせ方法論(referencing methodology)を組み入れることが望ましい。
【0037】
本発明の1実施例を描く光学的反射率計度量衡ツール200の略図表現が図2で示される。明らかな様に、ソース210,ビーム調整モジュール(beam coditioning module)220,光学機器(示されてない)、スペクトロメーター230そして検出器240が環境制御された計測器室202内に含まれる。該計測器室環境の質を汚損することなくサンプルの搭載(loading)及び取り除き(unloading)を可能にするよう、サンプル250,追加光学機器260、モーター駆動ステージ(motorized stage)270{オプションの脱離器(desorber)を有してもよい}が分離され環境制御されたサンプル室204内に収容される。該計測及びサンプル室は制御可能な結合機構206を介して結合されるが、該機構は光子の輸送が、そしてそう望まれるなら、ガスの交換が起こることを、可能にすることが出来る。例えば、結合機構206は光学的窓であってもよく、光学的透過路が望まれる時開くゲート弁(gate valves)であってもよく、或いは該2つの室間に適当に光路が結ばれることを可能にする他の機構であってもよい。この仕方で、該計測及びサンプル室との間の光路が提供される。加えて、該制御された環境の外に配置されたプロセサー290はその測定されたデータを解析するため使われてもよい。プロセサー290が適当なデータ処理及び/又は集められたデータの記憶を提供する広い種類の計算手段の何れかであってもよい。
【0038】
図2にあからさまに示されてはないが、該システムは又、自動化された仕方でサンプルの搭載及び取り除きに役立ち、それにより測定スループットを更に高めるロボットと他の付随の機械化された部品を装備し得ることを注意しておく。更に、当該技術で公知の様に、環境制御を改良し、サンプルの相互交換についてシステムスループットを高めるために、該サンプル室に連携して負荷ロック室(load lock chamber)も又使われてもよい。
【0039】
動作時、ソース210からの光は、ビーム調整モジュール(beam conditioning module)220により、修正され、供給光学機器を介することにより、結合機構窓206を通り、サンプル室204内に収容されたサンプル250上へ向けられ、焦点合わせされる。該サンプルから反射された光は戻って進み結合機構206を通り、収集光学機器(collection optics)により取り込まれ、スペクトロメーター230の入り口平面上に焦点合わせされる。下記でもっと詳細に論じられる様に、該スペクトロメーター230は1実施例では画像形成スペクトロメーター(imaging spectrometer)であってもよい。この種のスペクトロメーターは、それが或る範囲のデータ点を同時に集めることが出来るよう或る形の多数素子検出器(multi−element detector)240{例えば、アレイ検出器(array detector)}を装備するのが典型的である。該デバイスの光路全体は制御された環境内に保持されるが、該環境は吸収種を取り除き、VUV光子の透過を許容するよう機能する。該制御された環境は、望まれる最低動作波長に依って、該計測及びサンプル室内へ、高純度窒素、アルゴン又はヘリウムの様な非吸収パージガス(non−absorbing purge gas)を導入することにより及び/又は真空を介する排気(evacuation)により、パージ又は真空システム280を用いて創られてもよい。もし高純度パージガスが使われるなら、該結合機構206はMgF2窓から成ることが出来るが、もし該室が排気されるなら、機械的ゲート弁が使われ得る。他の可能な適当な窓材料は溶融シリカ、フッ素ドープされた溶融シリカ、水晶、CaF,SrF、BaF、MgF2、LaFそしてLiFを含む。排気技術を機械的ゲート弁との組み合わせを使うことにより光子の吸収が遙かに減じられることは認識されるであろう。
【0040】
本発明の1実施例では、該VUVソース210は、日本のハママツ(Hamamatsu of Japan)により製造されるモデル#L7293(model #L7293)の様なロングノーズ突出型(long nose projecting type)重水素(D2)ランプである。この様なソースは広帯域VUVソースであり、それは下は約115nmまでの連続放射を提供するよう、爛熟したアークランプ技術をフッ化マグネシウム(MgF2)窓と組み合わせる(図3のプロット300参照)。しかしながら、該窓は溶融シリカ、フッ素ドープされた溶融シリカ、水晶、CaF,SrF、BaF、MgF2、LafそしてLiFを含む種々のVUV材料から成ってもよい。該ランプの突出した設計は優れた指向性(directivity)を提供し、それによりVUV光子の該反射率計光学的システム内への効率的結合を可能にする。D2アークランプは、求める半導体度量衡応用にそれらを良く適合させる高安定性、高い明るさそして長い寿命を特徴としている。本発明の代わりの実施例は、狭帯域ソースと、下って115nmまでの、そしてその下の、波長で光子を放射出来る窓無し放電ソース(windowless discharge sources)と、を含むがそれらに限定されない、種々の他のVUVソースを組み入れてもよい。例えば、該窓無しソースは差動的にポンプされる放電ソース(differentially pumped discharge source)であってもよい。かくして、ここで提供されるシステムと技術はローエンドVUV(又はそれより短い)応用品に特に有用である。
【0041】
再び図2を参照すると、該ビーム調整モジュール(beam conditioner
module)220は該ソースビームの特性を修正するために空間的及び/又はスペクトル的濾過要素(spatial and/or spectral filtering elements)の導入を許容する。この機能は一般的には必要でないが、それが有利と考えられる特定の応用が生ずる。例としては、アパーチャーの使用を通してソースビームの空間的又は時間的コヒーレンスを修正すること、又はより長い波長の光が、該光ビーム路内の種々の光学的面で起こる散乱機構を通して偽りのVUV信号を発生するのを防止するための“ソーラーブラインド(solar blind)”フイルターを導入すること、が含まれる。該デバイスの特定の実施例では、該“ソーラーブラインド”フイルターはアクトンリサーチ社(Acton Research Corporation)からのVUVフイルターであり、該フイルターの典型的反射特性が、該アクトンリサーチ部品番号120−VBBフイルター(Acton Research part number 120−VBB filter)についてはプロット400で、アクトンリサーチ部品番号170−VBBフイルター(Acton Research part number 170−VBB filter)についてはプロット410で、示す様に図4で提示されている。
【0042】
光学的反射率計度量衡ツール500の1実施例のより詳細な線図が図5で提供されるが、そこでは該デバイスの測定及び基準チャンネルを有する光学機器がより詳細に図解されている。示されてないが、該光学的反射率計度量衡ツールはパージ又は真空システム280,プロセサー290,ステージ270他の様な図2に示す部品を含んでもよい。図5で示される様に、ソース510,スペクトロメーター530,そしてアレイ検出器540が計測室502内に提供される。サンプル室504は結合機構(示されてない)を通して計測室502に結合される。
【0043】
再び図5を参照し、サンプル測定用の光路を説明する。ソース510からの光はコリメートされ、ミラー1によりビームスプリッター1の方へ導かれ、該スプリッターではソースビームはサンプル及び基準ビーム成分(一般的に、それぞれビーム508,506により示される)に分割される。該サンプルビーム508は該ビームスプリッター1から平面ミラー5の方へ反射されるが、そこではそれはミラー2の方へ向け直される。ここで該光は下方へ(図の平面内へ)、サンプル550上へと焦点合わせされる。該サンプル550から(図の平面から)反射された光はコリメート用光学機器(ミラー3)により取り込まれ、そこではそれはビームスプリッター2を通して焦点合わせ光学機器、ミラー4の方へ向けられる。ここで該光は次いで該スペクトロメーター530の入り口平面上に焦点合わせされる。該サンプルの測定中、シャッター1と2は開いており、一方シャッター3は閉じた儘である。
【0044】
1実施例では、ミラー1,ミラー2、ミラー3そしてミラー4は軸外れ放物線状反射器であり、この様なものの例が軸外れミラー600として図6で描かれている。これらのミラーは好ましくはそれらの製造後、従来技術を使ってポリッシ(polished)され、次いでAl/MgF2の様な或る種の広帯域反射コーテイング610でカバーされるのがよい(或る製造者は該ミラー上で相互の上に直接アルミニウム及びMgF2層を実現してもよく、或いは代わりに他の材料の薄い層が該アルミニウム層の下又は上に配置されてもよい)。ポストポリッシング(Post polishing)はダイアモンド旋削アーチフアクト(diamond turning artifacts)から生じる流出物(issues)を最小化することにより該ミラーの画像形成特性を改良する。該広帯域コーテイング610は該VUVでの該ミラーの反射特性を高めるよう誂えられる。コーテイング610用の特に良く適合されたコーテイングの例がアクトンリサーチ社(Acton Research Company)により作られている。図7はアクトンリサーチ社により作られるコーテイング#1000,#1200,そして#1600についての反射率プロットを図解する(それぞれプロット700,710そして720)。より短い波長での動作用には、元素イリジウム(elemental iridium)の様な他のコーテイングがより良く適合している。
【0045】
又他の種類のミラーも該システム内に組み入れられ得るが、軸外れ放物線状反射器の使用は、反射率データが、数多くの利点を生み出す法線に近い入射の照明/収集を使って得られることを可能にする。これらの利点には、偏波効果(polarization effects)が無視され得るので測定データの次の解析を簡単化すること、サンプル上の測定領域の対称な照明を生ずること、より大きい入射角度を使い遭遇するサンプル表面の散乱効果を最小化すること、そしてコンパクトなシステム設計と言う、一体化及び/又はインライン度量衡応用品用に重要な考慮、を実現すること、が含まれる。加えて、或る光学的測定はそれら自身法線に近い構成の使用から利益を受ける。典型的例は、散乱計測法の方法(scatterometry methods)を使った高アスペクト比特徴の寸法的特徴付けと、フオトマスクの薄膜を通した測定(through−pellicle measurements)と、を含むがそれらに限定されない。例えば、図8に示され、当該技術で公知の様に、半導体フオトリゾグラフイーマスク基盤(semiconductor photolithography mask substrate)800は薄膜(pellicle)820により保護された膜(film)(又は複数膜)810を有してもよい。該膜(又は複数膜)810の薄膜を通した測定の測定値は法線に近い構成の使用で利益を受ける。
【0046】
軸外れ放物線状ミラーは種々の光学機器製造者により規則的に作られ、それらはかくして容易に入手可能であり、比較的低廉である。それらは一体化及び整合に関してより大きな自由度を提供し、同じ応用に使われる時ドーナツ形ミラー(toroidal mirror)と同程度に非点収差(astigmatism)をこうむらない。
【0047】
本発明の特に有用な実施例では、該軸外れ放物線状ミラーの1つ以上が、該軸外れ角度(図6でθで示される)が90ーに等しくなるよう設計される。この様な配置は可成りの柔軟性と、より短い波長での散乱に対して減じられた感受性と、を提供する(含まれる、より小さな入射角の結果)。柔軟性は、該光学機器の中央光線軸に平行な軸の周りでの1つのこの様な光学機器の回転が、他の軸外れ角度を有する光学機器についての3次元パターン(すなわち、円錐)とは反対に、2次元パターン(すなわち、円)を描く(maps out)事実から生じる。この特定の幾何学的形状は多数のシステム向上の可能性と利点を提供する。
【0048】
この様な向上の例は多数ソースを該システム内に簡単に組み入れることを可能にすることであろう。他のソースが該光学機器の中央光線軸に直角の軸の周りの適当な位置に置かれ得る。もう1つのソースを選択するためにはその時該軸線の周りに該光学機器を回転させるだけでよい。この様な配置のもう1つの利点は該計測器の初期整合位相中に現実化する。法線入射構成を使うことは、該ツールの照明及び収集の両アーム上への適当な整合の簡単な決定を可能にするのであり、何故ならばそれらは、中央の焦点合わせに直角な面上へ焦点合わせしつつある意味で、軸線上で働いているからである。これはより良いスポット規定に、従ってより良い全体的画像形成動作に帰着する。
【0049】
再び図5を参照するが、一旦光が該スペクトロメーター530に入ると、それは平面ミラー531により反射され、焦点合わせミラー532によりコリメートされそして回折格子533上に入射する。該格子により回折された光の或る部分は第2焦点合わせミラー534により集められ、VUV感応性アレイ検出器540の表面上へ焦点合わせされる。当該技術で公知の様に、該回折格子から反射された光は該検出器の幅に亘り波長により空間的に分離される(spatially separated)。この特定の実施例では、該スペクトロメーター内部の光学機器の全部も又それらの効率を高めるためにAl/MgF2の様な広帯域反射性コーテイングでコートされていることを注意しておく。理想的には該スペクトロメーターは、クロメックスインスツルメント(Chromex Instruments)により製造された250is/smを用いた場合に於ける様に、大面積平坦場(large area flat field)内で無収差画像形成(stigmatic imaging)を提供する様な仕方に設計された画像形成スペクトロメーター(imaging spectrometer)であるのがよい(又特許文献5も参照)。典型的に、この様なスペクトロメーターは、広範囲の多数波長が、該検出器による検出用に該スペクトロメーターを同時に出る、ことを可能にする(出て行く光を1つの波長に拘束するよう企てる或る種のスペクトロメーターと反対に)。典型的に、この様なスペクトロメーターは固定回折格子を利用するが、それは可動回折格子は種々の波長でデータを発生するよう求められないからである。該画像形成スペクトロメーターは、該スペクトロメーターを出る多数波長がアレイ検出器の幅に亘り広げられるように、アレイ検出器と組み合わせて使用されてもよい。該検出器の幅に亘るカラム(column)はかくして種々の波長の光を伴って提供される。画像形成スペクトロメーターの内部要素は、該多数の波長が、該アレイ検出器が種々の波長について精密にデータを得るよう充分分解されるよう設計されるのがよい。
【0050】
加えて、もし該回折格子が、短い波長での光散乱から生じる迷光(stray light)を最小化させるようホログラフィックイオンエッチされた種類(holographic ion−etched type)であれば有利である。本発明の代わりの実施例は又、フランスのジョバンイボン(Jobin−Yvon of France)により製造されたものの様な、非周期的ドーナッツ状格子形状(non−periodic toroidal grating configuration)、カナダのリゾナンス社(Resonance Ltd. of Canada)により製造されたものの様な、ローランド円形状(Rowland circle configuration)、米国のカタリーナサイエンティフィック社(Catalina Scientific Corp. of the United States)により製造されたものの様な、エシュレット形状(Echelette configuration)、を含む他の種類のVUVスペクトロメーターを組み入れることも出来る。加えて、使用される回折格子は移動可能である必要はなく、寧ろ固定回折格子として実現されてもよい。
【0051】
どんな数のVUV感応性アレイ検出器が本発明と共に使われることも可能であるが、広いダイナミックレンジを提供しながら、VUV光子の効率的変換を提供する検出器を使う
ことが望ましい。背部が薄く、後方照明され、コートされない電荷結合デバイス(Back−thinned, back−illuminated, uncoated charge coupled devices){シーシーデーエス(CCD’s)}はこの応用に特に好適であるが、それはそれらが、それらの燐光体コートされ、前部照明される相手部分(phosphorus coated front−illuminated counterparts)と出会うと、高い感度を提供し、そしてポリシリコンゲート領域(poly−Si gate regions)でのVUV光子の吸収による損失を避けるからである。一般にコートされないデバイスは、広い範囲の波長に亘り、反射防止層を有するものより良く動作すると期待される。使われてもよいもう1種類のアレイ検出器は、標準的シーシーデー又はフオトダイオードアレイ(photodiode array){ピーデーエイ(PDA)}と結合されたマイクロチャンネルプレート検出器(micro channel plate detector)である。この応用に好適なマイクロチャンネルプレート検出器の1例が米国のバールインダストリー社(Burle Industries Inc. of United States)により製造されている。代わりに、もしそれらが短波長光子を吸収し、次いで該デバイスで有効に集められ得るより長い波長の光子を再放射する燐光体コーテイングを装備しているなら、前部照明されるシーシーデーエス又はフオトダイオードアレイが独立に使用され得る。
【0052】
該アレイ検出器540のもう1つの側面はそれが、測定信号をマスクし、そして低光子レベルが勝る場合にシステム精度に不利に影響し得るダークカウント(dark counts){すなわち、熱的に発生されたキャリア(thermally generated carriers)}を減ずるために低温度に(0℃より下に)冷却されてもよいことである。該検出器を冷却するために、凝縮可能な種の該デバイス上への蓄積を防止するようそれを密閉式にシールされた室(hermetically sealed chamber)内に内部閉じ込めする(encapsulate)ことが必要である。これはVUV光子を通過可能にするMgF2窓でシールされた真空室内に該デバイスを設置することにより通常達成される。より短い波長(一般的には、MgF2の透過カットオフ、すなわち約115nmより下)の動作用に、該保護窓(protective window)は、該制御された環境が、非吸収性パージガスより寧ろ真空のそれである時は除去されることも可能である。特に好適な検出器{モデル#デーブイ−420−ビーエヌ(Model # DV−420−BN)}が北アイルランドのアンドールテクノロジー(Andor Technology of Northern Ireland)により製造されている。この特定の検出器は26.6mmの幅で6.7mmの高さを有するアレイ検出器である。この様な検出器は行及び列として配置された画素の配列(array)で形成される。この例では、10マイクロメーターの桁のより小さい解像度を有する検出器も典型的に入手可能であるが、典型的画素は幅及び高さが26マイクロメーターでもよい。
【0053】
パターン化されたサンプル上で個別測定位置の選択に役立つように、オプションでカメラシステム565(すなわち、カメラと所要焦点合わせ要素)が使われ得る。この様なシステムを反射率計配置内に一体化する多くの方法があるが、1つの可能な方法はサンプルチャンネル508を通過しビームスプリッター2から反射するビームを取り込むためにそれを使うことである。この仕方で使われる時、該カメラシステム565は、該サンプルチャンネル508が使われるどんな時(すなわち、シャッター1が開く時)も画像を集めるために使われ得る。代わりに、該サンプルビーム(次の該サンプルからの反射)の或る部分を1時的に該カメラに向け直すためにフリップインミラー(flip−in mirror)が該カメラシステムに追加されることも可能である。最後に、該サンプル上で画像を取得し、特定の特徴を突き止めるために、該反射率計に別の照明及び/又は収集光学機器を導入するオプションもある。
【0054】
アレイベースの検出器と組み合わせての画像形成スペクトルグラフ(imaging spectrograph)の使用は、スペクトル全体を、従来の走査モノクロメーター(scanning monochromator)及び単一素子検出器配置(single element detector arrangement)を用いてより遙かに速く、そしてより高精度で(可動部分がないので)、集めることを可能にする。加えて、それは高い質の画像形成反射率計測法(imaging reflectometry)を可能にして、該サンプル上の小さな領域からのデータが容易に集められ空間的に解像される(spatially resolved)ことを可能にする。これは測定が、単なるブランケットの“試験(test)”基盤又はウエーハ上でなく、現実のパターン化された生産サンプル上で、行われることを可能にする。事実、画像形成光学機器と高感度検出システムの組み合わせは、多数の測定が局所化された領域内の1連のサイト上で同時に行われることを可能にする。
【0055】
図9はこの様な多数の測定が達成される仕方を図解する。これらの技術は選ばれる検出器が2次元アレイ検出器であることを利用する。かくして図5に関する例については、該アレイ検出器540は2次元アレイ検出器であってもよい。図9の左側はパターン化されたサンプル550の部分を示し、そこでは形成された4つの長方形構造体900を有する。例えば、この様な構造体900はパターン化されたポリシリコン構造体、金属構造体又は半導体ウエーハ上に形成された他の構造体、の様に半導体基盤上に形成されてもよい。該構造体900は該半導体基盤のパターン化されない領域により囲まれてもよい(示された該構造体は本発明の理解に役立つために単に図解用であり、サンプルの部分又は構造体はここで説明される同時の多数測定に供されてもよい)。該スペクトロメーターの入り口スリット上に画像形成される空間領域を規定する垂直の長方形920が該サンプルの中部の2つの特徴物上に重ね合わされている。現実には可成り大きい領域が該サンプル上で照明されるが、特定の範囲から反射される光だけが該スペクトロメーターにより集められ、従って該検出器により記録される。この領域の幅と高さは、選ばれるサポート用収集及び照明光学機器と組み合わされるスペクトロメーター入り口スリットのスリット幅930とスリット高さ940の関数である。例示するスリットは20−30マイクロメーターの桁の幅と1cmの桁の高さとを有してもよい。図9の例で示される様に、該サンプルとスリットは行と列で形成されると考えられてよい(行は行950の様な該頁上で左から右であり、列は該頁上で頂部から底部である)。該スペクトロメーターの入り口スリットを通過したサンプルからの情報は次いで該回折格子により回折され、次いで該アレイ検出器に与えられる。該サンプルの行情報は物理的に該検出器上の行に写像されるが、しかしながら、該列情報は写像されず、それは該回折格子は、全ての列から発する与えられた波長成分が該検出器上の1つの列に写像されるように、該列情報を分散させるからである。結果として、該サンプル上の異なる垂直位置(すなわち、行)に対応するデータが該検出器の異なる垂直位置(行)上に画像形成される。
【0056】
該検出器は画素行のシリーズ(典型的に、256,512,又は1024)から成るので、画素の各個別行は該パターン化されたサンプル上の異なる個別位置に対応するデータを記録する。この点は図9の右側上に図解され、該図はサンプル550上の5つの別々の行のサイト950から集められた反射率スペクトルプロット960を表す。かくして、サンプル情報の何れか与えられた行のサイト950について、波長範囲のスペクトルプロットが得られる。更に、アレイ検出器は多数の別々の行サイト950からの情報を同時に集めてもよい。かくして、多数波長のそして多数行サイトのデータが同時に集められる。検出されるサンプルサイト個別行の解像度はアレイ検出器で使われる画素高さに依る。収集及び照明光学機器、入り口スリット幅そして検出器ビニング構成(detector binning configurations)の選択及び/又は調整を通して、種々の寸法の測定サイトの範囲が達成される。この仕方で、サンプルの2次元領域がその光路により照明され、該2次元領域からのデータが該2次元アレイ検出器上に記録される。図9
のスペクトルプロット960で示される様に、この様な技術は該サンプル構造900を特徴付けるため、及び/又は該サンプルのパターン化されない領域から該サンプル構造体900を区別するため、使われてもよい。更に、該スリット幅は該サンプル構造体900上でのみ与えられた行を写像する様に示されたが、該サンプルは、スリット幅の与えられた行がパターン化された及びパターン化されない、両領域と重なり合うよう動かされ(図で左又は右)、かくして両領域の組み合わせを示すデータが提供されてもよい。
【0057】
与えられた局所化された領域内の多数の個別位置から同時にデータを集める能力は測定スループットに関する利点を提供するが、それは従来の計測器でサイト当たりの測定時間の可成りの部分がサンプルを置くこと(すなわち、測定場所内へのサンプルサイトの精密な調整と位置付け)から生ずるからである。加えて、この独特な能力は又、近くに分離されたサイト間の比較測定に関心がある応用で有用となる。典型的例は、化学的で機械的なポリッシング応用品に関係するくぼませ及び浸食調査(dishing and erosion studies)を含むが、それらに限定されない。かくして、サンプルの移動に連携して行われる別々の多数の測定を行わねばならないよりも寧ろ単一測定が、該サンプルの2次元範囲内の多数位置に関するデータを戻してもよい。この様な技術では光学的要素(ミラー、ビームスプリッター、他の様な)の質は、2次元測定が使われない応用に比較して、より大きい無歪み範囲が提供される様なものであるべきことが認識されるであろう。かくして、ここで提供される光学的VUV反射率計システムは又2次元反射率計システムとして1実施例では特徴付けられてもよい。この様な2次元データ収集の多くの利用は、解析されつつある該2次元サンプル範囲のパターン認識が行われるように上記説明のカメラ要素と共に有利に使われることは認識されるであろう。
【0058】
ここで説明されるシステムと技術は、高速度測定が望ましい応用での利用に特に有利である。与えられた局所化された領域内の多数の個別位置からデータを得る能力に加えて、これらの測定は、可動回折格子を使う遅いステップアンドスキャン技術の必要無しに得られてもよい。
【0059】
前に論じた吸収の問題の結果として、小さな環境的混乱はVUV波長での測定データに可成り影響し得る。これらの線に沿って、測定過程中起こる環境的変化から生ずる有害効果を最小化するために短い時間内で測定を行える装置を提供することが望ましい。更に、測定されるデータがデータ正規化(data normalization)の目的で既知の標準に対し基準合わせされ得る手段を提供することが望ましい。加えて、基準合わせの該手段(the means of referencing)は、校正測定の結論(conclusion of a calibration measurement)と次のサンプル測定の開始との間に起こるかも知れないデータを変える環境変化(data altering environmental changes)により導入される誤差を更に最小化及び/又は一緒に除去する様なものであるべきである。
【0060】
基準合わせは該システム内の変化(すなわち、ソースの出力、環境条件、他)が適切に責めを負われ、不精密なデータに帰着しないことを保証するために必要である。どんな波長の状況(wavelength regime)でも反射率計測法の結果(reflectometry results)の安定性を保証するために必須であるが、基準合わせは、より低い利用可能光子フラックスと、光路内に含まれるガス状媒体の組成に対する記録データの高められた感度と、によりVUVで動作する時、一層重要である。
【0061】
再び図5を参照すると、ここで説明される該VUV装置では、データの基準合わせは基準ビームチャンネル506の使用を通して達成される。ここで更に説明される様に、該基準ビームチャンネルはソースビームチャンネル508とバランスを取られる(又は同じビーム長さにされる)ことが望ましい。図5で図解されるこの基準ビームチャンネル506は、ソースビームがサンプル及び基準成分に分割される時、ビームスプリッター1で創られる。このビームはビームスプリッターを透過し、ミラー9で反射される前にミラー6,7そして8で反射される。該ビームは次いでビームスプリッター2で反射し、その後、前にサンプルビームチャンネル508用に説明したと同一の該検出器への通路に従う。該基準ビームチャンネルと該サンプルビームチャンネルを選択的にイネーブル又はディスエイブル(enable or disable)にするため制御可能なアパーチャー(Controllable apertures)が使われてもよい。例えば、該アパーチャーは制御可能な光学的シャッターで形成されてもよい。該基準測定中シャッター1は閉じられ、一方シャッター2及び3は開いた儘でいる。
【0062】
もしビームスプリッター1からビームスプリッター2まで該サンプル及び基準ビームが進む光路が、それらが長さで殆ど同一になるよう精密に調整されるなら、それらが殆どバランスされたマッハ−ツエンダー干渉計(near−balanced Mach−Zehnder interferometer)の2つのアームを形成することは当業者には明らかであろう。又、この目的を達成するために他の干渉計設計を組み込む他の多くの等価な配置が存在することは容易に明らかになるであろう。1つのこの様な代わりの実施例が図10で図解されるが、そこではマイケルソン干渉計(Michelson interferometer)が該設計に組み入れられる。図2又は5のシステムの他の要素が示されてないが、結合機構、カメラ、パージ又は真空システム、プロセサー、他の様なものが図10のシステムの使用に組み入れられてもよい。図10の配置では、ソース1010からの光はミラー1によりコリメートされ、ビームスプリッター1020の方へ導かれ、そこでサンプルビーム1030と基準ビーム1040が分割される。該サンプルビーム1030はシャッター1を通過し、軸外れ放物線状反射器(ミラー2)によりサンプル1050上へ焦点合わせされる。該サンプルからの光は同じ光学機器により取り込まれ、その元の通路に沿って戻るよう進む。次いで該ビームは該ビームスプリッター1020を通るよう進み、もう1つの軸外れ放物線状反射器(ミラー3)によりスペクトロメーター1070の入り口スリット1060上に焦点合わせされ、そして最後にアレイ検出器1080に向かうよう導かれる。該サンプル測定中シャッター1と2は開き、一方シャッター3は閉じた儘である。
【0063】
基準測定中は、基準ビーム1040は、それがミラー4によりその通路に沿って戻るよう反射される前に、ビームスプリッター1020とシャッター3を通過する。次いでそれは該ビームスプリッター1020で反射し、サンプルビームと同様な仕方で該スペクトロメーター1070の入り口スリット1060上に焦点合わせされる。該基準測定中、シャッター2と3は開き、一方シャッター1は閉じた儘である。
【0064】
これらの基準構成の利点は下記の様に説明され得る。吸収性の大気の種によるVUV光子の減衰は光路長の関数であり(該路が長い程、もっと多い吸収分子に遭遇する)、その依存性は本質的に非線形であるので、サンプル及び基準アームは、もし同様な減衰効果が各ビームで見出されるべきとすれば、実質的に同じ長さであるべきことがもたらされる。もしこれがそうでない場合、そして該アームが異なる長さであるならば、校正測定に続くどんな時に取られたデータも、該環境内の吸収種の濃度が、該校正測定が行われた時存在するそれと精密に同一である場合のみ精密である。この条件は保証するのが事実上不可能なので、該サンプル及び基準路長が等しくなければ、精密な結果が得られることは到底ありそうにない。
【0065】
下記でもっと詳細に説明される様に、基準ビームを提供することは光学的反射率計システムの条件を示す測定値が得られることを可能にする。例えば、光学的反射率計システム内の吸収性ガスの存在は特定のサンプルから得られるデータに大いに影響し得る。該基準ビームチャンネルは環境の又は他のシステムの条件を示す機構を提供する。該基準チャン
ネルから得られたデータは次いで、サンプルから得られたデータを調整又は修正するため使われてもよい。かくして、光路の環境条件を示す機構を提供するための基準ビームの使用は、該光学的度量衡システムから得られるデータから行われる計算の高められた精度を可能にする。加えて、基準ビームの使用は適当なサンプルデータが広範囲の環境条件に亘り得られることを可能にし、かくしより低い波長測定用で特に、て環境基準下げる。
【0066】
高度に精密な反射率データが得られることを保証することに加えて、該基準チャンネル配置は又多数の他の直接的利点を提供する。第1に、該基準合わせスキームは、信頼性のある精密なデータが得られる得る受け入れ可能な環境的動作条件の範囲を広げる。ごく単純に、吸収する種の濃度が、VUV光子の測定可能な部分がソースを離れ、サンプルで反射し、そして検出器に到達することを可能にするのに可成り充分な程低い限り、精密な測定が行われることが可能である。これは制御された環境の要求を減じ、より広い範囲の条件でのデータ収集を可能にする。本質的に、該基準合わせ方法は広い範囲の、再現可能なとは反対の、適切な環境で、精密測定が行われることを可能にする。同様に、ここで説明される干渉計の手法(approach)は、該チャンネルの路長をバランスさせるのみならず、検出器から見たスペクトル輝度プロフアイル(spectral intensity profiles)をバランスさせるよう作用する。これはより長い積分時間を許容し、検出器に固有な何等かの非線形性効果を緩和することを助けるので重要である。
【0067】
本発明のなおもう1つの実施例では、該サンプル自身の例外はあるが、該光学的要素の事実上全てが該計測器室内に収容される。図11で図解されるこの構成は該サンプル室の空間的要求を可成り減じ、該構成を一体化されたプロセス制御応用に好適にさせる。図11に示す様に、光学的反射率計度量衡ツール1100が提供される。ソース1110、スペクトロメーター1170,そしてアレイ検出器1180が計測室1102内に提供される。又該計測室内には該サンプルビーム及び基準ビームの両路の光学的要素の全てが提供される。かくして、ミラー1−6及びシャッター1−3は全て該計測室1102内に配置される。ミラー2は該ビームを(図の面内へ)下方へ、そして結合機構1106を通し、該サンプル室1104内に焦点合わせする。該サンプル1150から、次いでサンプルビームは上方へ、そして該結合機構を通り、ミラー3へと(図の面の外へ)進む。図11に示す様に、該基準ビーム路は2つの結合機構1105A(窓又はゲート弁の様な)を通過するが、該機構は該基準ビームを該計測室1102から該サンプル室1104内へそして該計測室1102内へ戻るよう結合する。この仕方で、該基準ビームは丁度サンプルビームがそうである様に該サンプル室の環境に供される。理想的には、該基準ビームが該サンプル室1104内を進む距離は、該サンプルビームが該サンプル室内を進む距離とマッチするのがよい。更に、該基準ビームは、該サンプルビームが丁度行う様に、結合機構を2回通過することを注意しておく。かくして、該基準ビームの光路は該サンプルビームの条件を近くシミュレートするよう設計される。この仕方で、該基準ビームと該サンプルビームの光路は、全体として、そして該計測室及びサンプル室内の個別通路に関して、の両者で類似している。図11に示した結合機構の通路と配置は例示のためであり、ここで説明された利点をなお達成しながら、他の通路及び配置が使われてもよい。
【0068】
図11aは、ミラー2と3、結合機構1106を有する計測室1102と、サンプル1150を有するサンプル室1104と、の図11の配置を図解する。図11aに示す様に、該サンプルビーム1107と該基準ビーム1109は該サンプル室1104を通って進む。恐らく望ましさはより低いが、システムは該基準ビームが該サンプル室を通過しないように構成されてもよいことは認識されよう。この様な構成は、例えば、該サンプル室内の該サンプルビームにより辿られる路長が充分短い時、そして該サンプル室内の吸収種の濃度が、初期校正時及び後でのサンプル測定時、に関して充分良く制御されるので、この様な構成により導入される誤差が受け入れ可能な誤差トレランス(acceptable error tolerance)内にある場合、使用されてもよい。この様な場合、該基準ビームは、該基準ビームと該サンプルビームの両者が該計測室内で同じ光学的距離を進むよう構成されてもよい。該基準ビームが該計測室内を進むだけの時、合計ビーム路はかくして異なるだろう。この仕方では、該2つのビームが供される環境はなお概ねマッチする(該サンプル室内の路長に関しては除いて)。この条件は、該サンプル室が高い質の非吸収性ガスでパージされるか、又はそれが高度の真空機器を使って排気される、場合に実現される。
【0069】
図11及び図11aのシステムはスタンドアロンのツールとして利用されるか又はもう1つのプロセスツールと一体化されてもよい。1実施例では、図11aのシステムは、プロセスツールと度量衡ツールサンプル室との間のサンプル輸送を可能にする或る機構と共に該プロセスツールに取り付けられるだけでもよい。しかしながら、図11bは該光学的反射率計度量衡ツールをプロセスツールと一体化するための代わりの仕方を示す。図11bに示す様に、計測室1102は結合機構1106と結合される。該結合機構1106は例えば窓であってもよい。この場合該結合機構1106は、プロセスツール1105上に形成されるゲート弁(gate valve)であっても、或いは該プロセスツール1105の環境が該サンプル室1104と共用されることを可能にする或る他の機構であってもよい。図11bに示される様に、該サンプル1150は該プロセスツールの環境を離れる必要はなく、寧ろ該サンプル1150は該プロセスツールの領域1175内に含まれていてもよい。領域1175は処理室でも、輸送領域でも或いは該プロセスツール内の他の領域でもよい。示された例では、該結合機構1106(ゲート弁の様な)が開かれると、該領域1175と該サンプル室1104の間の環境は共用される(サンプル室と呼ばれるが、サンプル室1104は決してサンプルを受けず、寧ろ該サンプルを含む該領域と共用した環境を持つことを注意しておく)。代わりに、該結合機構を開くことは該領域1175を含むよう該サンプル室1104を有効に広げるよう考えられてもよい。この仕方で、吸収種の濃度の様な環境条件は該領域1175と該サンプル室1104の間で同様であってもよい。該基準ビーム1109と該サンプルビーム1107用のビーム路は再び、該領域1175と該サンプル室1104の共通の環境内で同様な長さであるよう設計される。又図11bの機構は、ゲート弁の様な1つの簡単な結合機構を提供することにより、サンプルツールとの一体化が達成される点で有利である。上記で注意した様に、もし該領域1175内の環境が狭く制御されるなら、該サンプル室と該領域1175との間で環境を共用すること無しに受け入れ可能な誤差トレランス内で測定を達成することが可能である。この様な場合は、該結合機構1106は窓であってもよく、該度量衡ツールはサンプル室1104を要しないだろう。
【0070】
図11bのプロセスツール1105は、例えば、蒸着プロセスツール(deposition process tool)、エッチングプロセスツール(etch process tool)、フオトリゾグラフイーツール、プラナリゼーションプロセスツール(planarization process tool)、他、の様な、どんな種類のサンプルプロセス用機構(sample processing mechanism)であってもよい。この配置では、該サンプルは該プロセスツール1105内に含まれるだろう。該プロセスツールは、該結合機構1106を通してビームによりアクセスされる光路内に配置されたサンプルを含んでもよい。サンプルは、度量衡測定用に使うため専用化されたプロセスツールサンプル室内に配置されてもよく、或いは該プロセスツールの何らの他の領域内に配置されてもよい。図11bの構成では、該光学的反射率計度量衡ツール1100はかくして、結合機構1106を有するプロセスツール1105に接続された計測室1102(及び付随要素と)から成る別のアドオンユニット(add on unit)であってもよい。図11bの構成は、該プロセスツール製造がツール自身内に重要な度量衡要素を組み入れる必要無しに、該プロセスツール上に結合機構を提供することを要するだけなので、該光学的度量衡ツールが広い種類のプロセスツールと共に使うよう容易に適合可能である点で有利である。
【0071】
図11,11aそして11bの配置に於いては、該サンプル室内の光路長は、計測室内に封じられたそれに比して、極めて短く出来る。好ましい実施例では、該サンプル室内の光路はマイクロメーターの範囲内の短さに出来る。代わりに、該プロセスツールの設計を容易化するために、該路は数百センチメーターの範囲で遙かに長くすることが出来る。しかしながら、該光路が長い程、吸収する特徴部(features)の存在を最小化し、かくして該サンプル室上に課される環境的要求を高めることが望まれる。もし短い光路が使われるなら、該サンプル室環境の質への要求は減じられ、それにより安定化時間(settling times)を減じ、サンプルスループットを増す。連続的に維持される計測室内に収容された光学的面は、それらが該サンプル室の循環する環境内に定在する場合より汚染に対し、より影響されにくいので更に進んだ利点が生ずる。図11にはあからさまに示されてないが、該基準及びサンプル両ビームの光路長は、サンプル室自身の賢明な設計を通してか、又は該サンプルの調整又は位置づけの何等かの他の手段、或いは該サンプルと計測室の間の1つ以上の結合機構によるか、何れかで殆ど同一であることを暗に意味している。図11,11a及び11bは減じられた寸法のサンプル室の使用を図解している。図2,5、11,11a、及び/又は11bのシステムの他の特徴部と要素は、例えこの様な特徴部又は要素の全てが該図内で図解されてなくても、相互に交換されてもよいことが再度認識されるであろう。かくして、例えば、図11の光学的反射率計度量衡ツールはカメラ、パージ又は真空システム、プロセサー、マイケルソン干渉計設計、他を使ってもよく、何れか特定の図に示されるシステムは、図解されたそれらの要素又は示された該要素の配置のみでの使用に限定されないことは認識されるであろう。
【0072】
該デバイス内で使われるビームスプリッターは種々の設計とすることが出来る。例えば、該ビームスプリッターは、該ビーム直径全体を見えなくする部分的に透過性のビームスプリッターであってもよく、或いは該ビーム直径全体の或る部分を見えなくし充分反射するミラーであってもよい。もし115nmより上の波長での動作が望まれ、VUV光子フラックスが充分なら、MgF2基盤を使う従来の薄膜干渉ビームスプリッターが使われ得る。この応用に特に好適なビームスプリッターはアクトンリサーチ社により作られている{モデルVUVBS−45−MF−2D(Model VUVBS−45−MF−2D)}。このビームスプリッターについての典型的反射率及び透過率特性はプロット1310及び1320として図13に提示されている。プロット1310と1320はそれぞれ波長の関数として45°での%反射率と45°での%透過率とを図解する。もし115nmより下の波長での動作が望まれる、或いはもし光子レベルが充分低いならば、空間的ビームスプリッター(光路を2分する全反射ミラー)又はフリップインミラーのアプローチ(ビームスプリッター1及び2をフリップインミラーと置き換え、シャッター1と2を取り除く)が使われ得る。
【0073】
ミラー6,7及び8は、基準アーム内の路長を、それが例えば図5に示す様に該サンプルアーム内の路長を綿密に平行にするよう調整する手段を提供する。この目的を達成する多くの代わりの手段があることは当業者により認識されるであろう。例えば、ミラー7と8が無い図11に示す構成が使われてもよい。この努力に付随する利点は図14を調べると明らかであるが、該図では該サンプル及び基準アーム間の吸光度(absorbance)の差が種々の路長差及びO2とH2O汚損濃度(PPMでの)についてプロットされている。図14は計測器のサンプル及び基準チャンネルの路長差に対して、該システムが校正された初期の時から未知のサンプルが測定された後刻の時での汚損物の濃度の差をプロットしている。該プロット1410,1420そして1430は、濃度及び路長の差の特定のセットについて該測定された反射率データに導入される0.01%、0.1%及び1%の絶対誤差の線に対応する。かくして、例えば、点1445は、校正サンプルが測定される時と測定サンプルが測定される時の間の濃度差が1.0E+01と1.0E+02の間にあり、路長差が約0.01センチメーターであるなら、0.01%の近似絶対誤差
がもたらされることを図解する。図14はここで説明される原理を示す例示的グラフであることが認識される。例えば、図14のグラフはO2とH2Oとが一緒に変化すると仮定する(すなわち、10PPMの濃度差はO2の10PPM変化そしてH2Oの10PPM変化に対応する)。更に、吸収する種である他の汚損物があると認識されるであろう。加えて、図14は145nmの波長でのデータを表すが、他の波長が説明される該概念を同様に反映するであろう。
【0074】
かくして、もし特定の応用品が誤差が0.1%より下に保持されることを要求するならそしてサンプル室内の吸収する種の濃度が該初期校正と最終サンプル測定時の間で100PPMの桁で変化すると期待される得るなら、図14で反映される様に、最大路長差が計算されてもよい。提示された例では、この様な路長差は約0.025cmより小さい。もし期待される濃度差がより大きいと予想されたら、受け入れ可能な路長差は減じられるであろう。同様に、もし誤差が受け入れ可能なより低く保持されねばならないなら、(与えられた濃度差用の)路長差はより小さくあらねばならない。これらの結果は周囲内の吸収種の存在に大いに左右されることそして与えられた路長差についての吸光度差は該環境劣化に非線形的に増加することに気付く。
【0075】
種々の応用品は種々の程度の不精密さを保持し得るが、多くの応用品では0.1%より少なく、或る場合は0.01%以下にこの様な誤差を保つことを一般的に好むことになりそうである。出会う濃度差の範囲は、計測器が如何に設計され、使われるかに大きな程度で左右される。例えば、スタンドアロンのシステムは、濃度差が非常に低レベル(1デジットPPMレベル)で保持され得そうなように適当なパージ及び/又は真空制御を伴って使うよう設計されるが、度量衡計測器が図11bを参照して説明された様な他のプロセスツールに取り付けられる(従ってサンプル室の或る部分がその他のプロセスツール内に定在する)一体化された応用では、該差を制御することは可能でないかも知れない。
【0076】
該サンプル及び基準の両測定中、図5,10又は11の関連して上記で説明した実施例のシャッター2は、測定されたデータの精度に直接影響する該測定の持続時間を精密に制御するよう作用する。この様であるから、シャッター2はミリ秒の時間スケールで精密に制御され得る高速度電子式シャッターとするのが好ましい。この様なシャッターの例は米国サーモオリエル(Thermo Oriel of the United States)により製造されるモデル76994(Model 76994)である。又シャッター2は、ソースからの光への長い露光から生じるそれらの面内の変化を防止するために、測定が積極的には行われていない時間中、該ソースからの光が該計測器内の光学的面に到達することを防止するよう作用する。
【0077】
ここで提示される設計を使って、該サンプル及び基準両チャンネルからの信号は該スペクトロメーター内の回折格子の同じ領域を使って分散され、共通の検出器を使って記録されることを注意することは重要である。これは格子の局所的性能の差と多数検出器間の応答差から生ずる不精密さを避けるのに役立つ。
【0078】
加えて、該サンプル及び基準のビームが、該2つのビームが一致するように、該スペクトロメーターに入る角度を調整する又は同調させるための手段が存在するのが望ましい。該2つのビームの入る角度間の差は、異なる有効スペクトル分解能のために該2つの信号の比でのアーチフアクト及び望ましくない特徴部(該2つのビームが異なる有効スリット幅を見るため)、を含むがそれらに限定されない、障害に帰着する。入る角度(entrance angles)を調整する有効手段はビームスプリッター2を保持するための標準的キネマチックマウンティング装置(standard kinematic mounting apparatus)の使用を通して提供され得る。該入る角度を調整する多くの他の手段も使われ得ることを当業者は認識するであろう。上述の様に、殆ど等し
い光路長が得られるよう該サンプル及び基準ビームの光路距離(optical path distance)を近づくようマッチさせることが望ましい。又、実質的に同じ特性を有する基準及びサンプル路が提供されるようミラー、ビームスプリッター、他の様な光学的要素の数と種類をマッチさせることも望ましい。しかしながら、該室の環境条件から生じる吸収が支配的要因であるので、光路距離は該ビーム通路をマッチさせることでの最も重要な要因である。
【0079】
環境の吸収により表される挑戦を見ると、該デバイスの全体的路長を実際に出来るだけ短く減じることが望ましい。この設計パラメーターが最適化され得る程度への限界は、ソースの明るさ及び必要なスペクトル分解能を含むが、それらに限定されない、多数のシステム特性に左右される。更に、該計測器及び/又はサンプル室をパージするために要する安定化時間とパージガスの量を最小化するよう該計測器の容積を減じることは有利である。これらの特性の両者は、ガスの充分な混合が起こることを保証するように強制循環の導入と知的な機械的設計とにより或る程度影響されると期待され得る。
【0080】
該計測器の制御された環境はそれと共に多くの利点をもたらす。第1に、真空又は高純度パージ条件の使用は、酸化物成長(oxide growth)、炭化水素形成、湿気吸収等に導く起こり得る汚染物の消失を意味する。この考慮は益々重要になっているが、それは汚染過程を通して不注意に創られる膜の厚さに付随する寸法と今や比肩出来る及び/又はそれより小さい所の、より薄い層及びより小さい特徴部を、最先端のウエーハ処理技術が組み入れているからである。超薄層(ultra−thin layers)が含まれる応用では、測定精度の改良は、存在する汚染層(contamination layers)を除去するようオプションの脱離器ユニット(desorber unit)(図2参照)内でのサンプルの測定前処理(pre−measurement treatment)を通して実現されそうである。当該技術で公知の様に、この様な脱離器は熱的加熱(thermal heating)の使用により湿気と炭化水素の様な他の汚染物とを除去する。この能力は校正及び材料試験の精度の保証で鍵となる役割を演ずる。該制御される環境の更に進んだ利点は、該計測器内の温度と微粒子レベルが良く制御された時それが優れた測定安定性を提供することである。
【0081】
ここで説明した基準合わせ技術は従来の校正技術を超える利点を提供すること、そして該基準合わせ技術は校正技術と組み合わせて及び/又は校正技術の代わりに使われてもよいことは注意されてもよい。従来の校正技術では、(既知の反射率の様な)既知の特性を有する基準が測定用に提供される。該既知のサンプルからの測定値は次いで、未知のサンプルから取られた測定値から得られるデータの解析で役立つよう使われる。しかしながら、この様な校正技術は、もし校正が未知のサンプル上で全測定が行われる前に行われるなら、時間が掛かる(特に、各サンプルについて多数の測定が行われる場合)。加えて、校正自身が、校正サンプルの質がオーバータイム(overtime)で劣化することで誤差を導入する(例えば、校正サンプルが時間が経つと汚染されるので)。加えて、校正サンプルのサンプル室内へ及び該室からの移動は、データ解析の精度に影響する環境変化を更に導入する。ここに説明する基準合わせ技術は誤差の機械的導入無しに達成される。
【0082】
ここで提供される基準合わせ技術は、しかしながら、速くそして最小のシステム影響を伴うだけで行われる。かくして、例えば、基準測定はサンプルから集められる全ての測定の前に容易に得られる。かくして、サンプルデータ収集までに間近に間に合った実時間データ基準合わせは度量衡システムの条件を示すために得られてもよい。更にこの基準合わせデータはサンプルデータを調整するため使われてもよく、何故ならばシステムの吸収効果が検出されるからである。加えて、この基準データは標準サンプルに依存すること無しにそのシステムを真に特徴付ける。又この基準合わせデータは、他のシステム変化が起こっているので(すなわち、ソース出力の変化の様に)、サンプルデータを調整するため使用されてもよい。又該基準合わせ技術は、集められたデータをもっと充分特徴付けるために、従来の校正技術と組み合わされてもよい。かくして、システム校正は或る周期的ベースに基づいて(日に1回、週に1回、他)行われてもよく、そして該基準合わせ技術は、例えば、サンプル毎に1回又はサンプルから行われる全ての測定の前に、など著しくもっと頻繁に行われてもよい。
【0083】
校正、基準合わせそして測定のシーケンス1200に含まれる典型的過程の例が高レベルで図12で提供される。過程1202で示される様に、校正サンプルがサンプル室内に搭載(loaded)され、(吸収する種の様な)適当なシステム状態が確立される。次いで過程1204の様に、光学的反射率計システムを校正するために既知の校正サンプルについて測定が行われる。該システムはこの時に現実に校正されてもよく、或いは未知のサンプルで行われた測定値から与えられる何等かの最終データ結果を調整するために使用されるよう、該校正データが唯集められてもよい(次のソフトウエアアルゴリズムを通して実施される調整の様な)。該校正測定が行われた時の該反射率計システムの状態を特徴付け、記録するために、次いで過程1206により示される様に、基準チャンネルの測定値が得られる。示される様に、該基準合わせチャンネルの測定は該校正サンプルについての測定の後に行われるよう示されるが、しかしながら、該基準合わせ測定が該校正測定の前に行われてもよいことを注意しておく。但し、この様な測定が、校正時のシステム特性が決定されるように、時間的に比較的近く行われることが望ましい。
【0084】
次に過程1208に示す様に、分析されることが望まれる未知サンプルがサンプル室内に搭載され(吸収種に関する様な)適当なシステム状態が確立される。次いで過程1212で示す様に光学的反射率計測定値が該未知サンプルから得られる。次いで、該未知サンプルに関する測定が行われた時の該反射率計システムの状態を特徴付け、記録するために、過程1214に示す様に基準チャンネルの測定値が得られる。示される様に、該基準合わせチャンネルの測定値が該未知サンプルの測定の後に行われるよう示されているが、該基準合わせ測定が該未知サンプル測定の前に行われてもよいことをもう1度注意しておく。最後に、過程1216に示す様に、該サンプル測定の結果は、該システム校正測定の時と該サンプル測定の時とに行われた基準測定からの記録された情報を使って調整されてもよい。これらの調整は該システムの状態の変化で生ずる誤差を除くために行われる。かくして、この仕方で校正の時及び該未知サンプルの測定の時の吸収種の濃度の変化が織り込まれる(accounted for)。かくして、特に、路長差の様な他の変数が既知であるか又は精密に見積もられる場合に、該基準ビームは周囲環境濃度又は該濃度の差を特徴付けるのに役立つよう使われてもよい。下記で図14を参照して更に詳細に説明される様に、基準ビーム路とサンプルビーム路の間のゼロでない路長差の存在は吸収種濃度変動によりもたらされる修正の精度を限定するであろう。加えて、見なされる変化は更に、校正測定値の時と未知サンプル測定値の時の間に存在する該基準ビーム路とサンプルビーム路の間に共通の該システムの要素の変化を含む。例えば、ソース、共用光学機器、スペクトロメーター、検出器他の特性の変化に向けられる。この様な変化は、経年/寿命的変動(age/lifetime variations)、温度変動(temperature variations)、機械的変動、他の結果であってもよい。
【0085】
校正、基準合わせそして測定のシーケンス1200に含まれる典型的過程のもっと詳細な例が図12aのフローチャートで提供される。過程1205に示される様に、既知の反射率を有する校正サンプルが測定用の場所(サンプル室内の様な)に搭載され、次いで吸収種の適切に低い環境濃度を確立するためにパージ作用及び/又は真空ポンプ引きが行われる。次いで過程1210に示す様に、校正サンプルの輝度(intensity)を記録するために光学的反射率計測定値が該校正サンプルから得られる。この様なデータはプロセサー又は他の計算システムにより保存されてもよい。次に過程1215に示す様にソース輝度プロフアイルが計算される。過程1220は時刻t1に基準チャンネルの輝度の記録することを含む。前に記録され計算されたデータを使って、次いで基準反射率が過程1225で示される様に計算される。
【0086】
次に過程1230に示す様に、未知サンプルが該システムに搭載され、吸収種の適当な濃度が再び得られる。もう1つの基準測定値が次いで記録され、過程1235で示す様に保存されるが、そこでは該基準チャンネルの輝度が時刻t2について記録される。次いで該ソース輝度プロフアイルが過程1235からのデータを使って過程1240で再び計算される。該ソース輝度プロフアイルは過程1245で示す様に書き直されてもよい。次いで過程1250で示される様に該未知サンプルの輝度が記録され、そして過程1255で示す様に該サンプル反射率を計算することが出来る。該サンプル反射率は過程1260と1265の書き直された式を使って計算されてもよい。過程1265の式の指数関数項は1つの室の中の2つのビーム(サンプル及び基準)の場合用に書き直されたことを注意しておく。2つの室のもっと複雑な場合は、それは2つの指数関数成分、1つは第1室内の差を特徴付け、第2は第2室内の差を特徴付けるが、それらを含むよう拡張されるだろう。
【0087】
次いで追加の測定が同じ未知サンプル又はもう1つの未知サンプルについて行われてもよい。この様な追加の基準用には、校正サンプルのもう1つの搭載と測定がこの様な測定の各々用には行われなくてもよく、寧ろ該校正データは再使用のために記憶されてもよいのであり、そして該基準合わせと未知サンプル過程が再び行われる必要がある。なおもう1つの実施例では、該基準合わせ過程のデータも、追加の基準合わせが全追加未知サンプル測定用に行われないよう、再使用されてもよい。かくして、ここで説明された該基準合わせ技術は、該基準合わせ技術の利点の少なくとも幾つかをなお得ながら、広い種類の仕方で使われてもよいことが認識されるだろう。
【0088】
図12aの過程1255−1265で指示する様に、路長及び濃度の差の依存性は明らかに示されている。又過程1265で示す様に、路長差(Lsample−Lreference)がゼロに向かって減少する時、指数関数的な依存項により引き起こされる誤差が減じられるが、それは該差がゼロに近づくと、指数関数項は1(unity)に近づくからである。これは濃度の差(N2−N1)から独立に起こることを注意しておく。該図で図解される典型的過程に加えて、光無しで行われる背景測定値(すなわち、サンプル及び基準の両シャッターが閉じた測定)が記録され、全ての続く測定値から引き算されることが気付かれる。該測定器で使われた検出器が冷却と温度制御とを共に行われた事実の性質により、この様な検出器構成に組み合わされる背景のレベルは低く、非常に安定していると期待されるので、この様な背景測定が規則的に行われる必要は無さそうである。
【0089】
ここで開示した光学的度量衡システムの利点が上記説明の基準合わせ技術の使用を要することなく得られてもよいことは認識されるであろう。かくして、ここで開示したシステムと技術は該基準合わせ技術から独立して又は該基準合わせ技術と組み合わせて実施されてもよい。更にここで提供される該基準合わせ技術が、ここで開示されたそれらと異なる光学的度量衡システムと共に、又は異なる波長で動作するシステムと共に、使われてもよい。ここで開示された該基準合わせ技術と光学的度量衡システムは、しかしながら、組み合わせて使われる時特に有利である。
【0090】
図12及び12aに示されないが、該データ取得過程中に追加の修正過程を行うことは、可成りのレベルの迷光(stray−light)がある状況でも有用である。迷光は、該システムのビーム路内の光学的面での散乱プロセス(scattering processes)を通して発生される光を称する。この様な光の存在は究極的に検出器により記録される偽りのカウントに帰着し得る(すなわち、λ0に対応する画素上に入射するλ0の他の波長の光)。ここで説明される該VUV装置が該デバイス内の迷光の発生を可成り減ずるためにその様に設計されてあるが、或る環境ではこの現象を修正することがなお有利である。
【0091】
該システム内の迷光を修正する1つのアプローチは該計測器のスペクトル範囲より下{すなわち、該デバイスの下方波長カットオフ(lower wavelength cutoff)より下}の光を記録するよう企てることを含む。この領域より下で記録されるどんな信号も、定義により、存在すべきでなく、代わりに、散乱プロセスを通して創られたと仮定される。この様な信号の輝度を波長の関数として理解するに伴って、“真の”信号が同時に記録されつつある計測器のスペクトル範囲内のより長い波長領域から、適当な“迷光”寄与を引き算することは可能である。
【0092】
ここで開示した概念はVUV光学的反射率計度量衡ツールを提供する。該ツールの設計は簡単で強固(robust)であり、VUV波長で動作することを容易にする。更に、該ツールは偏光解析技術(ellipsometry techniques)に付随する問題の多くを回避する。例えば、ここで開示されたツールと技術は偏波要素無しで使用されてもよい。偏光解析法では、サンプルの表面から反射される光の偏波状態の変化が測定される。典型的偏光解析技術は少なくとも2つの偏波要素を使う(1つはサンプルの前の光路に、1つはサンプルの後の光路に)。この様な技術は、多数の偏波角度のデータを集める性質のため時間が掛かる。加えて、偏波要素は一般的に吸収性(absorbing)であり、かくしてそれらを低波長測定用に、特に約140nm以下の該VUV領域での測定用としては不適当にする。かくして、ここに説明したシステムと技術(偏波要素無しで使われてもよい)はローエンドVUV領域(又はより低い)である波長での使用に特に有利である。又偏波要素の該吸収性の性質は測定値を得るために充分な光を集めるのに必要な時間を増加させる。
【0093】
かくして、偏波から独立した測定が得られる様な非偏波光路を有し、ここに開示した技術を使う反射率計ツールを提供することは望ましい。ここに示した偏波から独立の技術は位相から独立した反射性振幅測定(reflectivity amplitude measurement)を提供する。ここで説明した反射率計ツールは典型的に、光路が、波長がその点で空間的に分離される回折格子に当たるまで、該光路内に多数の波長を含む。偏光解析技術は従来該光路内の或る点で光源を1つの波長にフイルターする過程を有する。ここで説明した該技術とツールの少なくとも幾つかは偏波反射率計測法(polarized reflectometry)として知られた応用に有用である。この様な応用は、2つの可能な偏波状態の1つで反射性振幅データ(reflectivity amplitude data)の収集を可能にするために該サンプルの前又は後の何れかに配置された1つの偏波要素を使うのが典型的である。
【0094】
ここで開示したツールと技術は又、サンプルに対し光学的ビームに求められるより小さな入射角のために、偏光解析装置の技術(ellipsometer techiniques)に比較して有利である。かくして、例えば、図11aに関連して示す様に、70°の桁での入射角を使うことが多い偏光解析装置の技術に相対してここで開示された技術を使って、10°以下の、そして4°以下の、入射角φでさえも可能である。これは、度量衡ツールの足跡(footprint)がより小さく、該度量衡ツールのプロセスツールとの一体化もより簡単なので有利である。例えば、多数の結合機構を要するのに相対して1つの結合機構の使用によりここに開示した度量衡ツールをプロセスツールと一体化することが可能である。
【0095】
一旦スペクトル反射率データ(spectral reflectance data)が該検出器により記録されると、それは図1に描かれるプロセサーユニットへ送られるが、そこでは次いでそれは解析アルゴリズムを介して還元(reduced)される。これらのアルゴリズムは一般的に、例えば、反射率(reflectance)の様な光学的データを、次いで測定及び/又はモニターされ得る該サンプルの他の特性に関係付ける。もし該サンプルが基盤1510上の薄膜1505(又は薄膜のスタック)から成るならば、該状況は図15に於ける様に描かれ得て、付随するサンプル特性は例えば、膜厚さ、複素屈折率、組成、多孔率そして表面又はインターフエース粗さを含むが、それらに限定されない、様な量を含んでもよい。
【0096】
データ還元は一般的に該サンプルを含む材料又は複数材料の光学的特性を説明するために1つ以上のモデルと組み合わせた或る形のフレーネル方程式(Fresnel equations)を使って達成される。含まれる材料の性質に依り、種々の適用度を有して多数のこの様なモデルが存在する。頻繁に使われるモデルは、実効的中央値近似(effective median approximation)(EMA)とその変型が“調波発信器(harmonic oscillator)”と普通称されるものと、を含むが、それらに限定されない。該データセットの還元で使われる特定のモデルと関係無く、より大きな目標は一般的に、該サンプルの特性(上記で論じられた)に関する或るパラメーターが繰り返し最適化過程を通して得られ得るよう該測定されたデータを説明する正当な数学的表現(valid mathematical expression)を使うことである。すなわち、該測定されたデータセットは該サンプルの性質に関するパラメーターのセットに依る表現を使って計算されたものと比較される。測定されたデータセットと計算されたものとの間の食い違いは、該2つのデータセットの間の適当な合致が達成される回数まで該パラメーターの値を繰り返し調整することにより最小化される。この食い違いは通常“適合の良さ(goodness of fit)”パラメーターの用語で定量化される。
【0097】
多くの材料は、深紫外線(DUV)及び可視領域のより長い波長に於けるよりもそれらの特性のVUV領域で著しく多くの構造を表すので、特にデータ還元過程に関する時、ここで説明される該VUV装置により与えられる拡張されたデータ範囲に付随して可成りの利点がある。この点が図16と図17で提供される例を通して図解される。図16の2つの曲線はシリコン基盤上に蒸着された薄い(〜50オングストローム)酸化アルミニウム(AL2O3)層の測定された反射率スペクトル1610(実線)と計算された反射率スペクトル1620(点線)を表す。該計算された結果は上記で概説したデータ還元方法を使って得られた。明らかな様に、測定された及び計算されたスペクトルの間に優れた合致が得られ、それは取得された結果の高度な信頼度を提供する。
【0098】
該Al2O3層について得られたn及びk値(複素屈折率のそれぞれ実数及び虚数部の値)が図17で表される。該nとkのスペクトルに付随する主なピークが排他的に該VUV内のより短い波長に定在するので、n値のプロット1710とk値のプロット1720から明らかな様に、該DUV及び可視領域での光学的特性は構造を規定する方法では示すところは少ない。該適合アルゴリズム内のパラメーターはこれらのピークの(とりわけ)位置、振幅及び幅に固有に関係しているので、この様なパラメーターの精密な決定は関心のある波長範囲に亘り現実の測定されたデータを該適合ルーチンに提供することにより大いに助けられることになる。換言すれば、多くの材料の光学的特性は該VUVで(そして該DUV又は可視領域ではなく)それらの規定する構造の大多数を表す傾向があるので、この様な特性を精密に決定しようと企てる時このスペクトル領域の測定されたデータを使用することは大いに望ましい。図18は半導体プロセス環境で非常に薄い層を識別し、測定するためにここで開示された該VUV技術が如何に使われるかを図解する。右側のy軸に対応する、図中の第1曲線1810はブランクマスク基盤上の残留ホトレジストの超薄(5オングストローム)層に付随する反射率信号を表す。左側のy軸に対応する第2曲線1820は残留ホトレジストの前記層の膜厚さでの1オングストロームの増加に付随する差信号を表す。該差信号の最大変化はより短いVUV波長で表れ、該波長が該DUVのよ
り長い波長に近づくと該差信号はゼロに向かうことは明らかである。図19は該開示された方法が超薄層の厚さを測定又はモニターするため如何に使われるかの更に進んだ例を提供する。該図中には3つの曲線があり、シリコン基盤上に蒸着されたオキシ窒化ケイ素(silicon oxy−nitride)(SiON)の薄い10オングストローム層(曲線1810)、薄い14オングストローム層(曲線1820)そして薄い18オングストローム層(曲線1830)から成るサンプルから記録された反射率スペクトルに対応する。明らかな様に、該スペクトル間の差は再びより短いVUV波長で最大であり、そして、この場合、より長いDUV波長では本質的に存在しない。これはそれが半導体プロセス制御に関係する時、益々重要な側面であり、何故ならば該半導体工業は益々より薄い層を半導体デバイス内に組み入れるよう絶えず働いているからである。
【0099】
この点は、SiO0.87N0.13層用の(公称10オングストローム層に対する)反射率変化を(13%窒素を有する公称10オングストローム層に対する)膜厚さの関数として表す図20を調べる時益々強調される。該グラフから明らかな様に、膜厚さの与えられた変化についての130nm(プロット2010)での反射率変化は今度は157nm(プロット2020)か又は193nm(プロット2030)か何れかで期待されるそれらより大きい。事実、130nmに於けるVUVの変化は193nmに於いて該DUVで示されるそれらより約7倍大きい。図21と図22はここで説明された該VUV技術が材料又は膜の組成をモニターするため如何に使われるかを一般的に図解する。図21は10%から15%の範囲の濃度でSi上に蒸着された6層の16オングストローム厚さのSiON層のシリースについての反射率スペクトルを表す。明らかな様に、領域2110は該SiON膜の組成の変化に対し最高の感度の領域であり、約130nmに中央がある。この点は(公称10オングストローム層に対する)膜厚さの関数としてSiON層の(10%窒素を有する公称16オングストロームSiON層に対する)反射率変化を表す図22の検討に従って更に強調される。該グラフから明らかな様に、膜厚さの与えられた変化についての130nm(プロット2210)での反射率変化は今度は157nm(プロット2220)か又は193nm(プロット2230)か何れかで期待されるそれらより大きい。
【0100】
ここで提示される該VUV方法の使用により与えられる利点の更に進んだ例として、窒素の不均一分布(膜厚さの関数として)を示すSiON膜の組成の決定が考えられる。図22aは1e15窒素原子/cm2の線量に供される20オングストロームSiO2膜の4つの窒素分布のシリーズを提示する。該窒素原子%は膜深さ(周囲/膜のインターフエースから測られたとして)の関数としてプロットされる。同じ数の窒素原子が該4つのサンプルの各々内に含まれるが、それらの原子の分布は可成り異なる。1つの場合、窒素は該層の厚さを通して均一に分散され(プロット2240)、もう1つではそれはそれが該膜深さの中間(middle)に中心合わせされた広いガウス分布(broad Gaussian distribution)を示すよう組み入れられ(プロット2250)、なおもう1つではそれは底部の大きいガウス分布(bottom heavy Gaussian distribution)を示し(プロット2260)そして最後の場合それは指数関数的に減衰する分布を示す(プロット2270)。
【0101】
図22bは該広い中心合わせされたガウス分布(プロット2251)、底部の大きいガウス分布(プロット2261)そして指数関数的に減衰する(プロット2271)分布を表すサンプルに付随する反射率差信号を示す。該反射率差信号は正規分布するサンプルに付随する反射率信号を他の3つのそれから引き算することにより得られる。明らかな様に、不均一に分布するサンプルは全て可成りのそして明らかに区別される反射率差信号を該スペクトルのVUV領域内で示す、一方同時により長い波長では差が少ししか、又は全く、ないことを示す。この図はここで開示された該VUV技術が非常に薄い層の組成プロフアイルを測定及び/又はモニターするために如何に使われ得るかを更に図解するよう作用する。
【0102】
図17−22bの例示の層はAl2O3、ホトレジストそしてSiONのそれらであるが、シリコンウエーハ及びホトマスクブランク(photo mask blanks)を含むが、それらに限定されない、種々の基盤上に蒸着(deposited)された、他の材料の層と膜のスタックが同様の流儀で測定されてもよいことは認識されるであろう。
【0103】
VUV波長により与えられるもう1つの利点は2つ以上の層から成る或る膜スタックを測定する時実現される。スタック内の膜の数が増えると、同様に該数のパラメーターが一般に最適化ルーチン(optimization routine)で探される。パラメーターの数が増えるとパラメーター間に相関が存在する尤度(likelihood)もそうなる。或る環境では、これは測定結果の不精密さ又は不安定さに寄与する。或る状況では、知的重み付け関数(intelligent weighting function)を組み込むことを通して該VUV内の光学的データを探す使用法により、その問題を簡単化し、そして従って該最適化ルーチン内で探すパラメーターの数を減じることが可能である。
【0104】
この関数は、ここで“動的重み付け関数(dynamic weighting function)”と称されるが、最適化過程中で、探し出されるパラメーターのセットの決定へのそれらの期待される寄与に依って、より多い又はより少ない強調を、ダイナミックに、特定のデータに帰する過程を有する。この様なアプローチでは、該期待された寄与は、サンプルの期待された構成(すなわち、該サンプルを含む層の厚さ及び組成)に基づいてダイナミックに見積もられ、繰り返しベースで更新される。例えば、図23に示す様に、シリコン基盤2340上に蒸着された二酸化ケイ素(SiO2)層2310と窒化ケイ素(SiN)層2320から成る2層膜スタックを測定する時、該頂部SiO2膜の厚さの探索中該VUV内のデータ点により多くの強調を課すことが有利となる。これはSiNが約1000オングストロームより大きい厚さではVUV光子に対し事実上不透明である事実から来る。かくして図23に示す様に、該SiN−基盤インターフエースからの反射率2350はDUV波長で行われる測定には存在するが、VUV波長で行われる測定には存在しない。従って、下にあるSiN層の厚さは、もしDUV及びより長い波長データが無視されれば、最適化過程中本質的に無視され得る。この点は図24及び図25の検討時更に図解される。図24は3つのSiO2/SiN/Siサンプルからの反射率データを表す。該SiN層厚さは該サンプル内で1000オングストローム(プロット2410)から、2000オングストローム(プロット2420)、3000オングストローム(プロット2430)へと変わるが、SiO2層厚さは10オングストロームに固定された儘である。明らかな様に、該3つのサンプルからの反射率スペクトルは該DUV領域では顕著に異なるが、VUV波長ではなお事実上同一である。これはVUV光子は該SiN層を貫通せず、代わりにSiN基盤上に蒸着されたSiO2の10オングストロームから成るサンプルを“見ている(see)”事実から来る。該VUVを強く強調し、それにより該DUVとより長い波長データを著しく軽視する(strongly de−emphasizes)重み付け関数を適用することは該最適化ルーチンにより探し出されるパラメーターセットを減じるが、それは該結果がその時該SiN層厚さに鈍感であるからである。このアプローチは存在する該SiO2及びSiN層についての厚さパラメーター間の何等かの相関を減じるか又は一緒に除去し、それにより該測定結果の精度と再現性(repeatability)を増すよう作用する。加えて、このアプローチは従来の方法を使って可能なより可成り短い時間での解の収斂に帰着するのが一般的である。
【0105】
この様なダイナミック重み付け関数の利点の更に進んだ証拠は、又3つのSiO2/SiN/Siサンプルからの反射率スペクトルを表す図25で提供される。この場合、該S
iN層厚さは該サンプル間で1000オングストロームに固定されるが、該SiO2層厚さは0オングストローム(プロット2510)から10オングストローム(プロット2520)、20オングストローム(プロット2530)へと変わる。見られる様に、スペクトルは該VUV領域では明らかな差を示すが、該DUVでは事実上同一に見える。かくして、ここで説明されたツールと技術の吸収効果に対する感度のために、測定される薄膜内のより短い波長の吸収が有利に利用される。更に、予想されるサンプル特性の粗い見積もりが既知である(例えば、下にあるSiN膜厚さの粗い見積もり)状況では、或る波長領域での反射率データに大きな重要性(又はダイナミック重み付け)が置かれる。
【0106】
図23,図24そして図25の例示的サンプルはSiO2/SiN/Siから成るが、ダイナミック重み付け関数のアプローチは2つより多い層を有し、異なる材料から成るサンプルを測定及び/又はモニターするため使われ得ることは明らかである。
【0107】
該ダイナミック重み付け関数は又繰り返しデータ適合過程と連携して使われてもよい。例えば、図23−25に関連して上記で説明されたSiO2/SiN/Si層から集められたデータについて、該層の各々の厚さを決定するよう企てるために繰り返し過程が使われ得る。その適合ルーチンの各繰り返し中に、該計算及び測定データセット間の差は各波長で数学的に比較され、該適合ルーチンのパラメーターの値(この場合該膜厚さ)でもたらされる変化が前の繰り返しで得られたパラメーター値を上回る改良であるかどうかを決定するため使われる。サンプルの近似的性質を斟酌する重み付け係数を含むことは有利である。例えば、図25のデータは〜180nmより上の波長が頂部SiO2層の厚さについての情報を有しないことを明らかに表している。従来のデータ適合方法はこの事実を無視し、この厚さを探し出す時全ての測定波長で測定と計算のデータを比較しようと企てる。結果として、比較される大抵の波長(180nmより大きいもの)は結果内に不確実性を増やすのみであるが、それはそれらが重み付けされた比較関数の有意部分(significant portion)を表すからである。ダイナミック重み付け関数アプローチを使うと、問題は、有用な情報を含むと合理的に期待され得る測定データのみが該重み付け比較関数内に含まれるように、分解される。該方法は(測定データが考えられるべき)意志決定過程(decision making process)が各反復(iteration)の後に繰り返され(repeated)得るのでダイナミックである。
【0108】
パターン化されたサンプルが含まれる時は、追加の理論的構造(theoretical construct)が、該測定用光子と周期的でパターン化された特徴部との間の相互作用の結果として起こる、光散乱(light scattering)を適切に説明するため発動(invoked)されるのが典型的である。この様な光散乱が図26に関連して示される。図26はパターン化された基盤2610と、入射ビーム2640から生ずる反射ビーム2620と回折ビーム2630と、を図解する。この形の非画像形成的で光学的な寸法度量衡(non−imaging optical dimensional metrology)は散乱計測法(scatterometry)として知られ、データ還元過程時或る形の“厳密結合波解析(rigorous coupled wave analysis)”(RCWA)の使用を普通含んでいる。この技術はパターン化されたサンプルから光散乱の感度を引き出し、この様なものから適当な数学的表現の使用を通して記録された光学的信号に、該サンプルを含む特徴部の寸法を関係付ける。換言すれば、散乱計測法はパターン化された特徴部の寸法が、パターン化された特徴部を含むサンプルから散乱又は回折された光を説明することにより決定されることを可能にする。
【0109】
このアプローチを使ってパターン化された基盤2700上で測定及び/又はモニターされる例示的量の例が図27にグラフ式に描かれ、該例は重要寸法(ライン幅)2710,側壁角度(sidewall angles)2720,トレンチ深さ(trench
depths)(又はライン高さ)2730、トレンチ幅2740そして膜厚さ2750を含むが、それらに限定されない。これらの量は薄膜のスタック及び/又は構造体内で測定及び/又はモニターされる多くのこの様な量の選択された数を表すことは理解される。この性質のパターン化された薄膜サンプルは半導体デバイス及び記憶媒体を含む多くの範囲で見出される。
【0110】
光散乱物理学の見方が明らかにする様に、該VUVのそれらの様な短い波長の光子は、長い波長の光子よりも、前者により与えられる増加する感度のために、パターン化された特徴部のより小さな重要寸法を測定又はモニターするのに本質的により良く適合している。事実、先端半導体デバイスを含む多くの重要寸法度量衡応用について、短い波長のVUV光子を使ってのみ測定が可能であることが分かる。この点は下記で提供される例を通して更に図解されるだろう。
【0111】
図28はライン幅決定に関する例示的VUV測定を図解する。図中の右側のy軸に対応する第1曲線2810は130nmのピッチを有する65nmラインアレイから得られた反射信号を表す。すなわち、65nm間隔で分離された65nm幅ラインを表すよう造られたラインアレイ。図28で、左側のy軸に対応する第2曲線2820は66nmと65nmラインアレイの間で反射された信号の差を表す。すなわち、この曲線は、65nm幅のラインと間隔を表すラインアレイのライン幅の1nm増加に付随する差信号を表す。該図から明らかな様に、該差信号の特異で有意な変化はラインアレイのピッチに対応する波長で及びそれより下でのみ期待される(65nmライン幅+65nm間隔幅=130nmピッチ)。従って、ここで説明されるアプローチを使ってこの様な構造体のライン幅を測定又はモニターするためには、測定される波長の範囲は該ピッチ波長の又はそれより下のそれらを含むことが必要である。
【0112】
図29はピッチ決定に関する例示的VUV測定を図解する。図中の3曲線は63nm(曲線2910)、65nm(曲線2920)そして67nm(曲線2930)ライン及び間隔から成るラインアレイから期待される反射率信号を表す。すなわち、該データは等しいライン幅と間隔幅を有するが、126nm、130nmそして134nmのピッチを有するラインアレイからの信号を表す。図から明らかな様に、該3つのスペクトルの変化は、直ちに、該ラインアレイピッチに対応する波長に於いて及びそれより下のスペクトル領域で顕著に明らかである(再びこの例での130nm近くで)。
【0113】
図30はここで説明された該VUV技術と装置がラインアレイを含むラインの高さの変化を測定又はモニターするため如何に使用出来るかを図解する。2つの曲線が該図中に示される。左側のy軸に対応する第1曲線3010は65nmのライン及び間隔を有するラインアレイからの期待される反射率信号を表し、そこではライン高さは1000オングストロームである。右側のy軸に対応する第2曲線3020は同じこの様なラインアレイのライン高さの10オングストローム増加に付随する差信号を表す。明らかな様に、ライン高さの変化は、前に提示されたラインの幅及びピッチに於ける場合を通して導入された変化とは顕著に特異なスペクトル信号をもたらす(参考に、図29と図30参照)。すなわち、ライン高さの変化から生ずる最小の差信号を表すスペクトル領域は、事実上、ライン幅及びピッチの変化から生ずる最大の差信号を表す同じスペクトル領域である。
【0114】
半導体プロセス制御度量衡の分野でのここに説明した該VUV技術及び装置の応用は数多くもあり、広く及んでもいる。一般に、ここで提供されたVUV反射率計技術は与えられた波長でデータを示された反射率の大きさを提供することが示された。更に、これらの測定の感度は種々のプロセス変数を示すデータを提供する半導体製造プロセスデータに意味深く関係する。この仕方で、ここで提供されたシステムと技術はプロセス制御とプロセス特徴付け応用で使用されてもよい。選択された数のこの様な場合の特定例が提示される
が、しかしながら、当業者はこれらの方法が更に多くの他の状況でも応用出来ることを認識するであろう。
【0115】
ここで説明された技術は度量衡応用品用に使われるオフラインでスタンドアロンの度量衡機器に組み入れられてもよい。しかしながら、それらは比較的速くそして繰り返して、測定結果を生み出す比較的複雑さの少ないハードウエア解決策で実現されるので、ここで説明される技術は広範な種類の半導体プロセスツールの何れかへの組み入れにも特に好適である。かくして、例えば、ここで説明された該VUV技術は、インラインの測定、モニタリングそして制御が有利に得られるように、蒸着、エッチング、フオトリゾグラフイー、他に用いられるツールに直接組み入れられてもよい。
【0116】
上記説明の機器、部品、材料、そして技術は波長の広帯域範囲を使うシステム内で使われてもよい。例えば、VUV波長を含む反射率計は少なくとも1つの他のスペクトル領域で動作するよう構成されてもよい。かくして、図1−30に関連して上記で説明されたシステムと技術の全て又は部分は広帯域システム及び技術と連携して使われてもよい。図31−39及び付随する下記の本文は上記で説明した機器、部品、材料、そして技術と連携して使われてもよい種々の広帯域システム及び技術を説明する。
【0117】
広帯域システム3100の1実施例の簡単な表現が図31で提示される。動作時、3つのソース3102,3104そして3106の1つからの光が選択され、光学的モジュール3108により導かれ、サンプル3110の面上に焦点合わせされる。該サンプルから反射されると、該光は再び集められ、該光学的モジュール3108により選択された3つの検出器3112,3114,そして3118の1つへ導かれる。或る状況(circumstances)では、該光学的モジュールは又該ソース、サンプル室3120そして検出器の間に制御された環境を提供する。加えて、或る場合は、該光学的モジュールは、集められたデータが基準合わせされる手段を提供することによりシステム性能を改良するよう作用する。該光学的モジュールはプロセサー3122により制御されるが、該プロセサーは又該検出器により記録されたデータを解析するため使われてもよい。
【0118】
図32は、VUV及びDUV−NIRの両者で基準合わせされた広帯域反射率データを集めるよう構成された本発明の実施例3200を表す。動作時これらの2つのスペクトル領域からの光は直列の仕方で得られる。すなわち、該VUVからの反射率データが最初に得られ、基準合わせされ、それに続いて該DUB−NIR領域からの反射率データが集められ、基準合わせされる。一旦両データセットが記録されると、それらは1つの広帯域スペクトルを形成するよう一緒になるよう継ぎ合わされる(spliced)。
【0119】
該計測器は2つの環境的に制御された室、計測器室3202及びサンプル室3204に分けられる。該計測器室3202は大抵の該システム光学機器を収容し、規則的ベースでは大気に開放されない。該サンプル室3204はサンプル3206と基準光学的ミラーM−5とを収容し、サンプルを替えるのを容易にするために規則的に開かれる。
【0120】
動作時該VUVデータは、該VUVソース3201からの光が集められ、コリメートされそして焦点合わせミラーM−1によりビームスプリッター要素BSの方へ向け直されることを可能にするよう、フリップインソースミラーFM−1を“アウト(out)”位置へスイッチすることにより、最初に得られる。該ビームスプリッターを打つ光はバランスを取られたマイケルソン干渉計配備を使って、2つの成分、サンプルビーム3210と基準ビーム3212,に分けられる。サンプルビームは該ビームスプリッターBSから反射されシャッターS−1を通過する。この間シャッターS−2は閉じている。該サンプルビームは続いて補償器プレート(compensator plate)CPを通り、焦点合わせミラーM−2を経由して窓W−1を通りサンプル室へ向け直され、その中へ焦点合わせされる。該補償器プレートが含まれるのは、該サンプルチャンネル内を進む光が該ビームスプリッター基盤を1回だけしか通過せず、一方該基準チャンネル内を進む光はビームスプリッターの動作の性質により該ビームスプリッター基盤を3回通過する事実、から生ずるサンプル及び基準路間で起こる位相差を除くためである。従って、該補償器プレートは該ビームスプリッターと同じ材料で作られ、同じ厚さである。これは該サンプルチャンネルを通過する光も同じ合計厚さのビームスプリッター基盤材料を通過することを保証する。窓W−1は上記説明のシステム内で高い光学的スループットを維持するためにVUV波長に対し充分透明な材料で作られる。
【0121】
サンプル室3204に入る光はサンプル3206を打ち、戻ってW−1を通るよう反射されるが、そこでは該光は集められ、コリメートされそしてミラーM−2により向け直される。ミラーM−2からの光は補償器プレートCP、シャッターS−1そしてビームスプリッターBSを通過するが、該ビームスプリッターでは該光はフリップイン検出器ミラーFM−2(FM−1と同じ時刻に“アウト”位置にスイッチされている)により妨げられずに進むが、該フリップイン検出器ミラーでは該光は向け直され、焦点合わせミラーM−3により該VUVスペクトロメーター3214の入射スリット上に焦点合わせされる。この点で、該サンプルビームからの光は該VUVスペクトロメーターにより分散され、その付随する検出器により取得される。
【0122】
サンプルビーム3210の収集に続いて、基準ビーム3212が測定される。これはシャッターS−1を閉じ、シャッターS−2を開くことにより達成される。これは該基準ビーム3212がビームスプリッターBSとシャッターS−2を通過することを可能にするが、そこでは該ビームは向け直され、焦点合わせミラーM−4を経由して窓W−2を通り該サンプル室内へ焦点合わせされる。窓W−2は、上記説明のシステム内の高い光学的スループットを維持するようVUV波長に対し充分透明な材料で作られる。
【0123】
一旦該サンプル室3204内部に入ると、光は平面基準ミラーM−5の面から反射され、ミラーM−4の方へ戻るよう反射されるが、該ミラーM−4では該光は集められ、コリメートされ、ビームスプリッターBSの方へ向け直される。光は次いでビームスプリッターBSによりミラーM−3の方へ反射されが、M−3では該光は向け直され、該VUVスペクトロメーター3214の入射スリット上に焦点合わせされる。
【0124】
一旦該サンプル及び基準の両ビームが集められると、プロセサー(示されてない)が該基準合わせされたVUV反射率スペクトルを計算するよう使われる。
【0125】
該VUVデータセットの測定に続いて、該DUV−NIRデータが、ソース及び検出器の両フリップインミラー、それぞれFM−1とFM−2を、“イン(in)”位置にスイッチすることにより、得られる。結果として、該VUVソース3201からの光は阻止され、該DUV−NIRソース3203からの光は、それが集められ、コリメートされそして焦点合わせミラーM−6により向け直された後、窓W−3を通過することが出来る。同様に、フリップインミラーFM−2を“イン”位置にスイッチすることはサンプルビーム3210(シャッターS−1が開き、シャッターS−2が閉じている時)及び基準ビーム3212(シャッターS−2が開き、シャッターS−1が閉じている時)からの光を窓W−4を通してミラーM−7上へ向けるが、該ミラーM−7は該光を該DUV−NIRスペクトロメーター3216の入射スリット上へ焦点合わせし、該スペクトロメーターでは該光は分散され、その検出器により集められる。適当なDUV−NIRスペクトロメーターと検出器は今日の市場ではありふれたものである。特に良くマッチされた組み合わせはフランスのジョバンイボン(Jobin Yvon of France)により製造されている。そのブイエス−70(VS−70)は回転ミラーを使わない高度に効率的(f/2)な光学的設計を組み合わせている。この計測器は小さな物理的足跡を有し順序並べ替えフイルター(order sorting filter)を組み込み、線形CCDか又はPDA検出器か何れかと共に使用され得る。
【0126】
該システム内で使われるフリップインミラーはそれらが、ビーム方向性の誤差に付随する光学的スループットの損失を最小化するために速くそして繰り返し可能な方式で位置をスイッチ出来るよう設計される。特に好適な、モーター駆動されるフリップインミラーは米国のニューフオーカス(New Focus of the United States)により製造される。僅かに修正された実施例では、これらのミラーは共にビームスプリッター/シャッター対により置き換えられ得るが、しかしながら、これにはVUV信号強さの望ましくない損失が伴うだろう。
【0127】
一旦該サンプル及び基準両ビームが得られると、プロセサーが基準合わせされたDUV−NIR反射率スペクトルを計算するため使われる。この仕方で、基準合わせされた反射率データが該VUV及びDUV−NIRスペクトル領域で直列に得られる。高次の回折成分による障害を避けるために該VUV及びDUV−NIR両スペクトロメーターは必要な並べ替えフイルターを装備する必要があることを注意しておく。
【0128】
真空適合性(vacuum compatible)部品はそれらの標準的相手(standard counterpart)よりも設計が複雑で製造するのに高価なのが典型的なので、VUV動作に決定的に重要ではないシステム要素は制御された環境の外側に設置されることになる。従って、該DUV−NIRソース3203とスペクトロメーター/検出器3216は該制御された環境の外側に設置される。この様な配置はしかしながら要求はされない。
【0129】
本発明のこの実施例の動作に付随する直列収集過程を抄録するフローチャート3300が図33で表される。特に、過程3302に示す様に、該システムは最初にフリップインソース(FM−1)及び検出器(FM−2)ミラーを“アウト”位置にスイッチすることによりVUVスペクトル領域の収集をイネーブルにする(enables collection)。次いで過程3304で、該システムはシャッターS−1を開くことによりVUVサンプルチャンネルデータ取得をスタートする。更に、過程3306で、VUVサンプルチャンネルデータ取得がシャッターS−1を閉じることにより停止される。次いで過程3308で、VUV基準チャンネルデータ取得がシャッターS−2を開くことによりスタートされる。次に過程3310で、VUV基準チャンネルデータ取得がシャッターS−2を閉じることにより停止される。更に過程3312で、該VUV反射率スペクトルが計算される。次いで、過程3314で、該DUV−NIRスペクトル領域の収集がフリップインソース(FM−1)及び検出器(FM−2)ミラーを“イン”位置にスイッチすることによりイネーブルにされる。次に、過程3316で、該DUN−NIRサンプルチャンネルデータ取得がシャッターS−1を開くことによりスタートされる。次いで過程3318でDUV−NIRサンプルチャンネルデータ取得がシャッターS−1を閉じることにより停止される。次いで過程3320で該DUV−NIR基準チャンネルデータ取得がシャッターS−2を開くことによりスタートされる。次に過程3322でDUV−NIR基準チャンネルデータ取得がシャッターS−2を閉じることにより停止される。更に過程3324で、DUV−NIR反射率スペクトルが計算される。次いで過程3326で、1つの広帯域反射率スペクトルを得るためにVUV及びDUV−NIRスペクトル領域からのデータが一緒に継ぎ合わされる。
【0130】
本発明のこの実施例により与えられる多くの利点がある。例えば、該システムは効率的で精密なVUV性能用に最適化された。とりわけ、これは、該VUV光子により横断される光路を有する環境が、酸素及び湿気の様な吸収する種の濃度が適当な光学的スループットを可能にするに充分な低いレベルに保持されるように、制御されることを要求する。こ
れは上記で詳細に説明された種々の方法で達成される。この様な技術は要求されるシステム性能のレベルにより、非吸収性ガスで及び/又は真空システムを介した排気により該環境をパージすることを含む。
【0131】
該VUVデータの取得中、フリップインソース及び検出器ミラーは“アウト”位置にスイッチされ、従って何等かの機械的不確実性を該測定に寄与させることはない。事実、該VUVデータの取得に係わる運動する光学的要素はない(シャッターの他に)。これは多くの理由で有利である。第1に短波長VUV測定は典型的に、入手可能な低い光子フラックスと、使われ得る効率的光学機器及びコーテイングの一般的不足と、のために他の波長領域のそれらより一層実行するのに挑戦的である。第2に超薄(<100オングストローム)膜の特徴付けは、精密な輝度又は振幅情報にひどく依存し、何故ならばこの様な膜からの反射率スペクトルは、それらのより厚い膜の相手方からのスペクトルが示す干渉効果に関する特異なスペクトル的特徴を一般に示さないからである。
【0132】
この実施例により与えられるもう1つの利点はそれが、非常に繰り返し可能な結果が達成されるように、集められたデータセットを基準合わせする速く、自動化された手段を提供することである。この能力は該システムの光学的スループットでの変化により導入される誤差を減ずる又は一緒に除去するよう作用する。より長い波長ではこの様な変化はソース出力の変動によりドライブされるのが典型的である、一方該VUVでは、光路内の環境の吸収する種の濃度の変化が支配すると期待される。
【0133】
本発明のこの実施例により与えられる更に進んだ利点は1つの光学的供給/収集モジュール(optical delivery/collection module)の使用に関する。この共通モジュールは、調査されるスペクトル領域に関係なく同じスポットサイズと配向を使ってサンプル上の同じ場所からのデータの収集を実現するよう作用する。この目的に向かって、該DUV−NIRソースとスペクトロメーターとは、それらが該VUVソースとスペクトロメーターのそれらと実質的に同様な光収集/供給特性(light gathering/delivery characteristics)を保持するよう選択される。該システムのこの側面はパターン化されたサンプルが研究される状況では特に重要である。
【0134】
加えて、1つの光学的モジュールは、一体化と製造中、特に自動焦点合わせルーチンから生ずる複雑化に関して計測器の整合を簡単化する。
【0135】
本発明により与えられる更に進んだ利点はその直列の動作方法から生ずる。散乱過程を通して発生する迷光は、それが簡単に基準合わせされ得ず、かくして非線形システム応答と、記録された反射率データの不精密さと、に導き得るので、問題である。波長領域の各々からのデータをシーケンシャルに集め、基準合わせすることにより、検出器で記録される散乱光子の輝度は著しく減じられ得る。これがもたらされるのは、如何なる与えられた時にも1つのソースからの光だけが該システムを通って伝播するからである。従って、他のスペクトル領域からの光は散乱することが出来ず、結局、偽りの信号が検出器で記録されることはない。これは該VUV波長領域で作動するとき特に有利であり、それは散乱機構がより長い波長に於けるより遙かに大きな役割を演ずるからである。
【0136】
上記で説明された広帯域システムと技術は代わりのソース、スペクトロメーターそして検出器の追加により簡単に他のスペクトル領域を含むよう容易に拡張することが出来る。図34は第1スペクトル領域での動作用に最適化され、第2及び第3のスペクトル領域で良く動作するよう設計された本発明の1実施例の代替えの広帯域システム3400を表す。例えば、図32に示す様なソース3201と3203に加えて、第3のソース3302が使われてもよい。1実施例では、該ソース3201はVUVソースであり、該ソース3203はDUVソースであり、そして該3302はNIRソースであってもよい。対応するVUVスペクトロメーター3214,DUVスペクトロメーター3216そしてNIRスペクトロメーター3304がそれぞれの組み合わされるソースと共に使われる。前に於ける様に、ソース及び検出器フリップインミラーのセットが代わりのソースから代わりのスペクトロメーター及び検出器へ光を供給するために使われる。この実施例では、第1スペクトル領域データは“アウト”位置にある全スリップインミラー(FM−1、FM−2,FM−3そしてFM−4)で集められ、第2スペクトル領域データは“イン”位置へスイッチされたフリップインミラーFM−1とFM−2のみを用いてソース3203を使って集められそして第3スペクトル領域データは“イン”位置へスイッチされたFM−3とFM−4のみを用いてソース3302を使って集められる。
【0137】
この実施例用の直列測定過程のフローチャート3500が図35で表される。特に、過程3502に示す様に、第1スペクトル領域の収集は全てのフリップインソース及び検出器ミラーを“アウト”位置にスイッチすることによりイネーブルにされる。次いで、過程3504で、第1サンプルチャンネルデータ取得はシャッターS−1を開くことによりスタートされる。次に、過程3506で、該第1サンプルチャンネルデータ取得はシャッターS−1を閉じることにより停止される。更に、過程3508で、第1基準チャンネルデータ取得がシャッターS−2を開くことによりスタートされる。次いで、過程3510で、第1基準チャンネルデータ取得はシャッターS−2を閉じることにより停止される。次いで、過程3512で、第1スペクトル領域反射率スペクトラムが計算される。更に過程3514で、第2スペクトル領域の収集がスリップインソース(FM−1)及び検出器(FM−2)ミラーを“イン”位置にスイッチすることによりイネーブルにされる。次に過程3516で、第2スペクトル領域サンプルチャンネルデータ取得がシャッターS−1を開くことによりスタートされる。次に過程3518で、第2スペクトル領域サンプルチャンネルデータ取得がシャッターS−1を閉じることにより停止される。次いで過程3520で、第2スペクトル領域基準チャンネルデータ取得がシャッターS−2を開くことによりスタートされる。次に過程3522で、第2スペクトル領域基準チャンネルデータ取得がシャッターS−2を閉じることにより停止される。更に過程3524で、第2スペクトル領域反射率スペクトラムが計算される。次いで過程3526で、第3スペクトル領域の収集がフリップインソース(FM−1)及び検出器(FM−2)ミラーを“アウト”位置に、フリップインソース(FM−3)及び検出器(FM−4)ミラーを“イン”位置にスイッチすることによりイネーブルにされる。次いで過程3528で、第3スペクトル領域サンプルチャンネルデータ取得がシャッターS−1を開くことによりスタートされる。次に過程3530で、第3スペクトル領域サンプルチャンネルデータ取得がシャッターS−1を閉じることにより停止される。次に過程3532で、第3スペクトル領域基準チャンネルデータ取得がシャッターS−2を開くことによりスタートする。更に過程3534で、第3スペクトル領域基準チャンネルデータ取得がシャッターS−2を閉じることにより停止される。次いで過程3536で、第3スペクトル領域反射率スペクトラムが計算される。次に過程3538で、1つの広帯域反射率スペクトラムを得るために第1、第2そして第3スペクトル領域からのデータが一緒に継ぎ合わされる。
【0138】
代わりの広帯域システム3600が、本発明の1実施例で、図36に提示されているが、そこではソース3201と3203、そしてスペクトロメーター3214と3216、の選択がフリップインミラーの使用に依るよりも寧ろ焦点合わせ光学機器RM−1とRM−2の回転に依り達成される。この実施例では、RM−1とRM−2は90ーの回転角を有する軸外れ放物線状ミラーである。従って、RM−1は、VUVソース3201か又はDUV−NIRソース3203か何れかからの光を集めるためにRM−1とビームスプリッターBSを繋ぐ線により規定される光軸の周りに回転される。同様に、焦点合わせミラーRM−2は、VUVスペクトロメーター3214か又はDUV−NIRスペクトロメーター3216か何れかの入射スリット上に光を焦点合わせするためにRM−2とBSの間の線により規定される軸の周りに回転される。
【0139】
この配置は図32の実施例のそれより少ない光学的部品を使い、従ってより少ない計測器足跡を与える。このアプローチへの起こり得る欠点はそれが焦点合わせ光学機器RM−1とRM−2の回転のために或る程度の機械的不確実性を該VUV測定過程に導入することである。
【0140】
本発明の代わりの実施例がシステム3700に関する図37で提示されているが、そこでは基準合わせチャンネル3212内に使われるバランスを取られた干渉計は図32,図34そして図36の実施例で描かれたマイケルソン構成より寧ろマッハ−ツエンダー型である。この実施例は追加の光学的要素を要するがサンプル3206の表面への、及び該表面からの、光の角度を持った供給及び収集(angular delivery and
collection of light)に関してより大きな柔軟性を提供する。
【0141】
動作時、第1ソース3201からの光は集められ、コリメートされそして焦点合わせミラーM−1によりビームスプリッターBS−1の方へ向け直されるが、該ビームスプリッターでは該光はサンプルビーム3210と基準ビーム3212の成分に分けられる。シャッターS−1が開きシャッターS−2が閉じた時、該サンプルビーム3210はイネーブルとされる(enabled)。この状態で、ビームスプリッターBS−1から反射された光は集められ、窓W−1を通り焦点合わせミラーM−2によりサンプル上に焦点合わせされる。該サンプル3206から反射された光は窓W−1を経由して該サンプル室3204を出て、集められ、コリメートされそして焦点合わせミラーM−3により平面ミラーM−4の方へ向け直される。M−4を去った光は第2ビームスプリッターBS−2を通過し、集められ、焦点合わせミラーM−5により第1スペクトル領域スペクトロメーター3214の入射スリット上に焦点合わせされる。この点でサンプルビーム3210からの光は該スペクトロメーターにより分散され、検出器により取得される。
【0142】
第1スペクトル領域サンプルビームの収集に続いて、該第1スペクトル領域基準ビームが測定される。これはシャッターS−1を閉じ、シャッターS−2を開くことにより達成される。これは該基準ビーム3212がビームスプリッターBS−1を通過することを可能にするが、該ビームスプリッターでは該光は向け直され、窓W−2を通り焦点合わせミラーM−6を経由してサンプル室3204内へ焦点合わせされる。一旦該サンプル室3204の内部に入ると光は平面基準ミラーM−7の表面から反射されそして集められ、コリメートされ、そして焦点合わせミラーM−8により平面ミラーM−9の方へ向け直される。この光はビームスプリッターBS−2により反射され、そして向け直され、焦点合わせミラーM−5により第1スペクトル領域スペクトロメーター3214の入り口スリット上に焦点合わせされる。一旦該サンプル及び基準の両ビームが得られると、該第1スペクトル領域用の該基準合わせされた反射率データがプロセサー(示されてない)を使って計算される。
【0143】
第2及び第3スペクトル領域からのデータは、代わりのソースからそして代わりのスペクトロメーター及びそれらの付随する検出器へ光を送るために、ソース及び検出器フリップインミラーのセットを使って、再び集められる。特に、第2スペクトル領域データはフリップインミラーFM−1とFM−2のみが“イン”位置にスイッチされる時集められ、第3スペクトル領域データはFM−3とFM−4のみが“イン”位置にスイッチされる時集められる。
【0144】
本発明のなおもう1つの実施例は図38のシステム3800として提示される。この2つのスペクトル領域構成は又マッハ−ツエンダー干渉計基準合わせシステムを組み入れるが、スペクトル領域間を選択するのにフリップインミラーの使用を要しない。代わりに、
2つの追加ソースシャッター(S−1及びS−4)がこの課題を達成するために該システムに追加される。第1スペクトル領域の測定が行われる時、シャッターS−1は開き、シャッターS−4は閉じられる。逆に、第2スペクトル領域測定が行われる時、シャッターS−1は閉じられ、S−4は開く。
【0145】
この実施例はフリップインミラーを使わないので、システム繰り返し性は前に説明した実施例に比して或る程度改良され得ることになるが、それは該フリップインミラーに付随する機械的位置付け誤差が除かれるためである。
【0146】
図38の実施例用の直列測定過程のフローチャート3900は図39で提示される。特に、過程3902に示す様に、第1スペクトル領域データの収集は第1ソースシャッターS−1を開くことによりイネーブルにされる。次いで過程3904で、該第1スペクトル領域サンプルチャンネルデータ取得がシャッターS−2を開くことによりスタートする。次に、過程3906で、第1スペクトル領域サンプルチャンネルデータ取得がシャッターS−2を閉じることにより停止される。次いで過程3908で、第1スペクトル領域基準チャンネルデータ取得がシャッターS−3を開くことによりスタートする。更に過程3910で、第1スペクトル領域基準チャンネルデータ取得がシャッターS−3を閉じることにより停止される。次いで過程3912で、該第1スペクトル領域反射率スペクトラムが計算される。次に過程3914で、第2スペクトル領域の収集が第1ソースシャッターS−1を閉じ、第2ソースシャッターS−4を開くことによりイネーブルにされる。次いで過程3916で、第2スペクトルサンプルチャンネルデータ取得がシャッターS−2を開くことによりスタートする。次に過程3918で、第2スペクトルサンプルチャンネルデータ取得がシャッターS−2を閉じることにより停止される。更に過程3920で、第2スペクトル基準チャンネルデータ取得がシャッターS−3を開くことによりスタートする。次いで過程3922で、該第2スペクトル基準チャンネルデータ取得がシャッターS−3を閉じることにより停止される。次に過程3924で、第2スペクトル反射率スペクトラムが計算される。次いで過程2926で、該第1及び第2スペクトル領域からのデータは1つの広帯域反射率スペクトラムを得るために一緒に継ぎ合わされる。
【0147】
かくして、上記説明の様に第1スペクトル領域での動作用に最適化され、少なくとも1つの他のスペクトル領域で良く動作することが出来る広帯域システムが提供される。1つの光学的モジュール内の共通の供給及び収集光学機器は別々のスペクトル領域での測定が同じスポット特性を使って集められることを可能にする。例えば、サンプルからの収集用の同じスポット寸法が得られる。更に収集スポットの配向は異なるスペクトル領域間で実質的に同じである。更に、説明されたシステムと技術は直列のデータ収集アプローチを許容し、それにより別々のスペクトル領域からのデータがシーケンシャルに集められ迷光による障害を避ける。該システムは第1スペクトル領域からのデータの取得に運動する光学的要素(シャッターを除いて)が含まれないように設計されてもよい。加えて、該システムは別々のスペクトル領域用に最適化された選択可能なソースと検出器を与える光学的モジュールを組み入れてもよい。又該光学的モジュールは高度に繰り返し可能な結果が達成されることを保証するよう測定されたデータを速く基準合わせするための機構を提供する。
【0148】
上記説明の広帯域システム及び技術は、従って多数スペクトル範囲に亘ってサンプルからの光学的度量衡データの精密な収集を許容する度量衡システムを提供する。広範囲の波長について光学的データを有することにより、計測器のユーザーにより使われる適合アルゴリズムは、2つ以上のスペクトル領域から成るデータセットにより与えられる高いレベルの制限を完全にに利用することで、より速い収斂とより精密な結果を達成する。
【0149】
光学的データが上記説明の様に多数スペクトル領域について集められると、該データは
解析される連続したセットのデータを形成するためにコンピュータ、プロセサー等の中で組み合わされる。該データは広範囲の仕方で組み合わされ、そして理想的に、各スペクトロメーターからのデータはそれらのスペクトル領域が接合する点でマッチするであろう。例えば、どのスペクトロメーターが特定の波長のデータを集めるために使われるかを決定するために、予め決められた波長が選択されてもよい。例えば、190nmより下の波長用にはデータは唯VUVスペクトロメーターのみから取られ、190nmより長い波長用にはデータはDUV−NIRスペクトロメーターから取られてもよい。しかしながら、この様なアプローチは、もし各スペクトロメーターからの結果がクロスオーバー点(crossover point)で変わるなら、該波長クロスオーバー点で、該集められたデータ内に不連続部を引き起こす。この様な変動は適合アルゴリズム(fitting algolithms)と該データの処理を複雑化する。もう1つのアプローチでは、データが各スペクトロメーターから集められる波長は或る決められた範囲、例えば20nmの間でオーバーラップする。このオーバーラップ領域では、各波長用のデータは各スペクトロメーターからの平均値として計算されてもよい。なおもう1つの代替えでは、段階付平均又は最良適合アルゴリズム(graded averages or best fit algolithms)が該データを接合するため適用されることが可能である。各スペクトル領域からのデータを組み合わせる何等かの他の適当なアプローチも使われてよい。
【0150】
本発明の更に進んだ変型と代替え実施例がこの説明を見た当業者には明らかであろう。従って、この説明は単に図解用と解釈されるべきであり、本発明を実行する仕方を当業者に開示する目的用である。ここに示され、説明された本発明の形は現在の好ましい実施例と取られるべきと理解している。本発明のこの説明の利点を有した後は、当業者には全て明らかな様に、等価の要素がここに図解され、説明されたそれらと置換されてもよく、本発明の或る特徴は他の特徴の使用から独立に使われてもよい。
【0151】
本発明とその利点のより完全な理解は付属する図面と連携して行われる上記説明を参照することにより得られるが、該図面では同様な特徴は同様な参照番号で示されている。しかしながら、付属する図面は本発明の例示的実施例を図解しているだけで、従って本発明の範囲を限定すると考えるべきでなく、何故ならば本発明は他の等しく有効な実施例を認めているからである、ことは注意されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】H2O及びO2の1ppmを含む制御された環境の100cmに対する、標準大気の100cmを通しての光透過の比較。
【図2】VUV反射率計の略図表現。
【図3】MgF2窓を装備したハママツ重水素ランプ(Hamamatsu deuterium lamp)からのスペクトル出力。
【図4】アクトンリサーチ社(Acton Research Corporation)からの“ソーラーブラインド(Solar−blind)”広帯域VUVフイルター。
【図5】基準チャンネルの組み込みを図解するVUV反射率計のトップダウン(Top−down)略図。
【図6】典型的な軸外れ放物線状ミラー。
【図7】アクトンリサーチ社からの広帯域VUV−UV反射性コーテイング。
【図8】浅い角度(実線)及び大きい角度(波線)の入射構成を用いた“薄膜通過(through−pellicle)”測定の例。
【図9】パターン化されたサンプル上の種々の物理的位置からの多数のスペクトルを同時記録するための画像形成反射率計の使用。
【図10】基準チャンネルを有する代わりのVUV反射率計の略図。
【図11】計測器室内に収められた事実上全ての光学機器を有する代わりのVUV反射率計の略図。
【図11a】図11のシステムの代わりの略図。
【図11b】プロセスツールと一体化された図11のシステムの略図。
【図12】典型的測定フローチャート。
【図12a】例示的な詳細測定フローチャート。
【図13】アクトンリサーチ社により製造されたVUVビームスプリッターに付随する典型的特性。
【図14】濃度差及び路長差の関数としての誤差プロット。
【図15】典型的反射率測定の略図表現。
【図16】シリコン基盤上に蒸着された薄いAl2O3層からの、測定及び計算された反射率スペクトル。
【図17】繰り返し適合過程を通して、Al2O3層について得られた光学的特性(n及びk値)。
【図18】マスクブランク上に蒸着された残留フオトレジストの超薄(5オングストローム)層に付随する反射信号。差信号は層厚さの1nm増加に対応。
【図19】シリコン基盤上の10オングストローム、14オングストローム及び18オングストロームSiON層からの反射率信号。
【図20】10オングストロームSiON層について膜厚さの増加に付随して130nm、157nm及び193nmでの反射率差信号。
【図21】10−15%の範囲の窒素濃度を有する16オングストロームSiON層のマトリックスに付随する反射率信号。
【図22】10%窒素を有する16オングストロームSiON層について窒素濃度の増加に付随する130nm、157nm及び193nmでの反射率差信号。
【図22a】20オングストロームSiON膜についての種々の窒素ドーピングプロフアイル。全ての場合、サンプルは1e15原子/cm2の同じ線量に露出された。
【図22b】種々の不均一窒素分布から生じる反射率差信号(均一にドープされたサンプルに対して)。
【図23】反射率測定中の入射DUV及びVUV光子の典型的半導体スタックサンプルとの相互作用。
【図24】種々のSiN厚さを示すSiO2/SiN/Siサンプルからの反射率スペクトル。
【図25】種々のSiO2層厚さを示すSiO2/SiN/Siサンプルからの反射率スペクトル。
【図26】反射される及び回折される両ビームを図解する典型的散乱計測法の測定の略図的表現。
【図27】散乱計測法の測定を通して得られた典型的出力の略図表現。
【図28】公称65nm線アレイに付随する反射信号と、公称65nm線幅の1nm増加に対応する差信号。
【図29】63nm、65nm及び67nmの線及び間隔から成る線アレイに付随する反射信号。
【図30】65nm幅の線及び間隔(1000オングストロームの公称線高さについて)から成る線アレイに付随する反射信号。差信号は前記構造の線高さの10オングストロームの増加に対応。
【図31】光学的モジュールを有する広帯域反射率計の略図表現。
【図32】VUV及びDUV−NIRスペクトル領域をカバーする広帯域基準合わせ型反射率計。
【図33】VUV及びDUV−NIRスペクトル領域をカバーする広帯域基準合わせ型反射率計用の直列測定のフローチャート。
【図34】3つのスペクトル領域をカバーする広帯域基準合わせ型反射率計。
【図35】3つのスペクトル領域をカバーする広帯域基準合わせ型反射率計用の直列測定のフローチャート。
【図36】回転ミラーを使い、VUV及びDUV−NIRスペクトル領域をカバーする広帯域基準合わせ型反射率計の代わりの実施例。
【図37】3つのスペクトル領域をカバーする広帯域基準合わせ型反射率計の代わりの実施例。
【図38】フリップインミラーを有さず、2つのスペクトル領域をカバーする広帯域基準合わせ型反射率計の代わりの実施例。
【図39】フリップインミラーを有さず、2つのスペクトル領域をカバーする広帯域基準合わせ型反射率計用の直列測定のフローチャート。
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に真空紫外線(vacuum ultraviolet)反射率(reflectance)分光学(spectroscopy)の計測と応用に関する。1実施例では、本発明は最先端半導体デバイス(leading edge semiconductor device)の製造時プロセス制御で使うための高スループット、非接触度量衡能力(high throughput, non−contact metrology capabilities)を半導体製造者に提供するため使用されることが可能である。加えて、本発明は一体化された{インラインの(in−line)}プロセス制御応用品でのその使用を実現するのに充分な程のコンパクトさをもたらす。
【背景技術】
【0002】
半導体工業は現在歴史上如何なる時よりも薄い層(thinner layers)から成るデバイスを製造し、小さい特徴的寸法(smaller feature sizes)を持つことを可能にする処理技術(processing technologies)を開発しつつある。これらの進歩を可能にするためには、現在のシステムが処理条件の細かい変化(subtle changes)を検出するのに要する感度を欠くので、サポートする度量衡技術(metrology techniques)が開発されねばならない。
【0003】
光学的度量衡計測器(Optical metrology instruments)は長く半導体処理応用に使われて来たが、それは典型的に非接触、非破壊的であり、高い測定スループットを可能にするからである。これらの計測器(instruments)の大多数は材料を特徴付けるために偏光解析法及び/又は反射率計測法の方法(ellipsometry and/or reflectometry methods)を使う。従来これらの計測器は、膜厚さと、光学特性とそして組成(composition)、多孔性(porosity)、及び粗さ(roughness)の様な他の材料特性と、を測定するため使われて来た。もっと最近には、散乱計測法モデル化技術(scatterometry modeling techniques)の使用を通してデバイス特徴の重要寸法を特徴付けるために前記計測の拡張について関心が高まっている。
【0004】
事実上全ての現在の偏光解析法及び反射率計測法の度量衡計測器は遠紫外線(deep
ultraviolet)(〜200nm)と近赤外線(near infra−red)(〜1000nm)波長の間のスペクトル領域(spectral region)の或る部分で動作(operate)する。不幸にして、半導体処理技術が進歩し、デバイス形状(device geometries)が縮小(shrink)すると、処理条件の変化に対するこの様な計測器の感度は減少する。度量衡計測からの敏感で、精密で繰り返し可能なフイードバック無しでは、半導体製造は処理機器を適切に制御出来ず、従って、高いイールド(high yields)を達成出来ない。要するに、従来の光学的計測はそれを将来技術用には不適切にする限界に到達しつつある。
【0005】
選ばれた数の会社は真空紫外線(VUV)(波長は一般的に190nmより短い)光学度量衡機器の進展するニーヅを認識し、この要求に取り組むよう目指した商業製品を製造した。例には、ドイツのセンテックインスツルメントゲーエムベーハー(Sentech
Instruments GmbH of Germany)、アメリカのジェイ.エイ.ウーラム社(J. A. Woollam Co., Inc. of the U.S.)、そしてフランスのソプラ社(Sopra Inc. of France)が含まれる。しかしながら、これらの会社の全部が、それらの性質上複雑なハードウエアと制御システムを要する偏光解析的技術(ellipsometric techniques)に依存する機器を設計した。この様なデバイスは典型的に遅く、半導体製造環境で必要な高レベル測定スループットを保持出来ない。加えて、この様な計測器は一般的に多くの透過性偏波要素(transmissive polarizing elements)を使うがそれらは使われ得る最短波長光子(shortest wavelength photons)を結果的に限定する。結果的に、現在のVUV偏光解析的度量衡システム(VUV ellipsometric metrology systems)は約140nmより長い波長でのみ動作し得るに過ぎない。
【0006】
又、従来技術の、特許文献1は光路全体が制御された環境内に保持される形状内での、高エネルギー反射性双方向偏光解析的測定(high energy specular
bi−directional ellipsometric measurements)を行う利点を説明している。この取り組みはより高いエネルギー光子(higher energy photons)の使用により与えられる改良された信号識別能力を使用しようと企てるが、それは又複雑な偏光解析的技術の使用に付随する前記障害(complications)をこうむる。加えて、この設計は、精密で再生可能な結果(accurate and reproducible results)を得るために、現実の測定中、のみならず、測定のシリーズの間、の両者で厳密で再生可能に制御された周囲状態(ambient)を要する。すなわち、環境の影響から生ずる測定データ内の不確実性を最小化するために、適当な環境条件が実現されるのみならず、同じ適当な条件が、各そして全ての測定中、再生可能に達成され保持されることを保証する必要がある。もし該条件が変わるなら、計測器の再現性と安定性は不利に影響されるであろう。
【0007】
マックアニンチ(McAninch)は特許文献2で、サンプルを制御された環境内に置く必要がない光学的度量衡ツール用パージシステム(purge system)を開示している。再生可能な定常条件(Reproducible steady−state conditions)はこの様な配置を使って達成することは難しいが、それは流れ特性が測定中サンプルの配置により可成り変化すると期待されるからである。サンプル寸法そして該サンプル表面上のパターン化された構造の存在の様な他の要因が流れ特性に影響すると期待される。加えて、この開示は如何にデータ基準合わせ(data referencing)がその設計に組み合わされるかを述べていない。
【0008】
アメリカのアクトンサーチ社及びマクフアーソン社の両者(Acton Research Corporation and McPherson, Inc., both
of the U.S.)の様な他の会社も該VUV領域内の反射率及び/又は透過率のスペクトル的測定を行うために光学的計測器を開発した。一般的に言って、これらのシステムはステップアンドスキャン技術(step and scan technology)を使うが、それによればスペクトルは、或る角度の範囲を通しての回折格子の走査と組み合わせた1要素検出器(single element detector)の使用を通して記録される。この様であるから、これらのシステムは時間が掛かり、半導体製造者のニーヅには良く適合していない。
【0009】
反射率計を用いて高度に繰り返し可能な結果を達成するためには、反射率データが基準合わせされ得る、又は相対的標準と比較される得る手段を提供する必要がある。この仕方では、該システムが最初に校正(calibrated)される初期の時と、サンプル測定が行われるもっと後の時、の間で起こる該システム内の変化が適当に責めを負わ(accounted for)され得る。
【0010】
従来技術には多くの基準合わせ技術が存在するが、しかしながら、一般にこれらの方法は、時間が掛かり、そして基準サンプルをサンプル位置内へそして該位置外へ機械的に位
置づける過程を含むか、又は不精密な結果へ導き得るサンプル及び基準測定用の別検出部品(separate detection components)(すなわち、回折要素及び検出器)を使うか、何れかである。例えば、反射率計データを基準合わせするために別の検出部品を使う1つのアプローチは“双ビーム”構成(唐р浮≠戟@beam煤@configuration)を使うことである。この配置ではモノクロの出口ビーム(monochromatic exit beam)を創るためにスペクトロメーターを使って広帯域光が分散(dispersed)されるのが典型的である。このビームは2つの部分、サンプルビームと基準ビームと、に分離される。該サンプルビームはサンプルから反射され、サンプル検出器により記録される一方、該基準ビームは該サンプルをバイパスし、基準検出器により記録される。このアプローチは、それが分散格子(dispersion grating)の走査を要し、又前記検出器課題(detector issues)をこうむるので、時間が掛かる。
【0011】
従って、インライン度量衡応用でのその使用を容易化するためには光学測定ツールが急速でコンパクトな高精密基準合わせ手段を組み入れることが望ましい。
【0012】
デバイス形状が縮小すると、度量衡計測器はサンプルの益々小さい領域で測定を行うよう期待される。もし度量衡ツールが、サンプルの再位置付けと再整合に典型的に付随する時間増加無しに、より多い情報を得るために、サンプルの局所化した領域内の多数のこの様なサイトで測定を同時に行えるならば、非常に有利である。
【0013】
現在利用可能な光学的度量衡技術のどれも該VUV領域内の精密で繰り返し可能な光学的データの収集に付随する困難を克服してないので、この様な計測器の設計には大きな利点が存在することになる。
【0014】
事実上全ての光学的度量衡計測器は、それらが初期に記録する量から意味のある材料情報を抽出するために或る形式のモデル化アルゴリズムを組み入れている。この様なアルゴリズムの性能はそれらが還元(reduce)すべきデータセットの性質に大いに左右される。より広い範囲の波長をカバーするデータセットは、適合するアルゴリズムにより多い制限をもたらすのが一般的であり、それによりより速い収斂とより精密な結果を与える。
【0015】
少なくとも2つのスペクトル領域をカバーする広い範囲の波長に亘り反射率データを集める従来のアプローチはステップアンドスキャン技術を使うことであり、そこでは1つの要素検出器が回転格子モノクロメーター(rotating grating monochromator)と連携して使われる。調査される波長範囲が充分大きい場合は屡々、1つの広帯域データセットの取得中、格子、検出器、光学機器そしてソースを手動で変えることが必要である。このアプローチは時間が掛かることが多く、半導体産業で遭遇するそれらの様な製造環境には良く適合していない。
【0016】
干渉計(Interferometers)は広い波長の範囲に亘るデータを集めるために赤外線スペクトル領域で広く使われているが、しかしながら、これらの計測器は該VUVでは普通には使われず、何故ならば該計測器の光学的及び機械的許容差(tolerances)は波長で縮尺調整され(scale with wavelength)、このスペクトル領域では充たすのは難しいからである。
【0017】
ワング(Wang)は特許文献3で別々の最適ビーム路を有する測定システムを開示している。このシステムは多数のスペクトルサブバンドに亘り効率的測定が行われることを可能にするが、該集められたデータを基準合わせする手段を提供しない。従って、信号スループットは高いが、システム繰り返し性は極めて貧弱である。これは該VUVでの動作
時特に関連があり、何故ならばこの様な波長は頻繁な基準合わせを必要とさせる大気変化(atmospheric changes)に高い感受性を有するからである。
【0018】
該VUVでの高度に繰り返し可能な反射率データの収集は恐らくは、校正測定の結論と、次のサンプル測定の開始と、の間で起こるかも知れない、データを変える環境変化により導入される誤差を最小化及び/又は一緒に除去するよう設計されたシステムを使って最も良く達成される。この様なシステムの例は特許文献4で説明される。その出願人は、該VUVと少なくとも1つの他のスペクトル領域とを含む広い波長範囲に亘りデータを取得出来る反射率計で、その使用を容易化するためにこの能力を拡大することが望ましいことを認識した。
【0019】
該出願人は更に、広帯域全体の波長を含むスペクトル領域の各々からのデータセットが、該サンプル上でそして同じスポット寸法を有する同じ物理的位置から、集められることを保証することが望ましいことを認識した。更に又、もしこの様なデータセットが、同じ様な散乱条件に遭遇することを保証するためにそのサンプルに対し同じ配向(すなわち、入射角と方向)を使って集められるならば有利である。
【0020】
該出願人は又、前記システムが、もし並列プロセスが使われるなら予想するであろう迷光障害(stray light complications)を避けるために該スペクトル領域の各々からのデータがシーケンシャルに集められる直列収集プロセスを使用するなら望ましいことを認識した。
【特許文献1】米国特許第6、414、302号明細書(Freeouf)
【特許文献2】米国特許出願公開第20020149774号明細書(McAninch)
【特許文献3】米国特許出願公開第20030071996号明細書(Wang)
【特許文献4】米国特許出願公開第10/668、644号明細書
【特許文献5】米国特許第4932768号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明の目的は、より薄い層とより小さな特徴とを組み入れた半導体デバイスを特徴付けることが出来る信頼性のある光学的度量衡ツールを半導体製造工業に提供することである。この計測器は、該VUV波長領域での及びその下での材料の特徴付けを通して与えられる、処理条件の小さな変化に対する高められたレベルの感度を充分利用する。この機器は非接触、非破壊的であり、基準合わせされた反射率計測データ(reflectometry data)を使用する。
【課題を解決するための手段】
【0022】
該機器の設計は簡単で頑丈(robust)であり、それはVUV波長で動作することを容易にする。それは、その簡単さの結果として、高速であり、それにより高スループット製造応用での使用をもたらす。該システムはそれがコンパクトであるよう、そして小さな空間しか要しないよう、に設計される。該計測器は、校正、基準合わせそしてサンプル測定の過程中再生可能な制御された環境を保持する必要性を除けば、環境的影響を最小化する利点を提供する。加えて、それは、製品サンプル上でのインライン測定が可能であるよう、小さな測定スポット寸法を提供し、局所化された領域内でサイトのシリーズ上の多数測定が同時に得られるよう、画像形成光学機器を使う。
【0023】
1実施例では、真空紫外線スペクトル内で動作する分光学システム(spectroscopy system)が提供される。特に、真空紫外線スペクトル内の反射率計測技術(reflectmetry techniques)を使うシステムが度量衡応用で
の使用のため提供される。該システムは更に画像形成スペクトロメーター(imaging spectrometer)と組み合わされたアレイ検出器(array detector)の使用を含む。この仕方で多数波長のデータが同時に集められる。更に、該多数波長のデータは2次元サンプル範囲について同時に集められる。該システムは更に固定回折格子の使用を含み、偏波要素(polarizing elements)の使用を要しない。精密で繰り返し可能な測定を保証するために、光路の環境が制御される。該光路は、非吸収性パージガスが存在する又は真空化技術(vacuum evacuation techniques)が使われる制御された環境室(controlled environmental chamber)を含んでもよい。該制御された環境は更に別の計測室と別のサンプル室を有してもよい。該制御された環境は繰り返し可能な仕方でVUV光子(VUV photons)の吸収を限定する。
【0024】
もう1つの実施例では、真空紫外線スペクトルで動作する分光学システムが提供される。特に、真空紫外線スペクトルで反射率計測技術を使うシステムが度量衡応用での使用のために提供される。精密で繰り返し可能な測定を保証するために、その光路の環境は該光路内にあるガスの吸収効果を制限するよう制御される。なおも起こるかも知れない吸収効果の責めを負うために、該光路の長さは最小化される。更に吸収効果の責めを負うために、その反射率データは相対標準に対し基準合わせされる。基準合わせは、低い利用可能光子光束(low available photon flux)と、光路と共に含まれるガス状媒体の組成に対する記録されたデータの感度と、により該VUV反射率計では特に有利である。かくして、該制御される環境内の変化により導入される誤差は減じられる。1つの例示的実施例では、該VUV反射率計(VUV reflectometer)は、殆どバランスの取れたマッハ−ツエンダー干渉計(near balanced Mach Zehnder interferometer)の2つのアームを形成するようにサンプルビームと基準ビームとを創るためにビームスプリッター(beam splitter)が使われる技術を使用する。もう1つの例示的実施例では、該基準チャンネルはマイケルソン干渉計(Michelson interferometer)から成る。
【0025】
なおもう1つの実施例では、真空紫外線スペクトルで動作する分光学的システムが提供される。特に、該真空紫外線スペクトルで反射率計測技術を使うシステムが度量衡応用での使用のために提供される。精密で繰り返し可能な測定を保証するために、光路の環境は該光路内にあるガスの吸収効果を限定するよう制御される。該VUV反射率計は半導体処理環境での広い範囲のデータをモニターするため使われる。例えば、該技術は膜又は膜のスタックの厚さ、光学的性質、組成、多孔度(porosity)そして粗さ(roughness)を測定するため使われる。更にこれらのVUV技術と装置はデバイスの重要寸法と他の特徴を特徴付けるために使われる。該VUV反射率計システムはスタンドアロンツール(stand alone tool)として使われてもよく、或いは該システムの比較的コンパクトな性質が、該システムが他のプロセスツール内に組み入れられるよう利用されてもよい。かくして、例えば、ここに説明された該VUV技術は、インライン測定、モニタリング及び制御が有利に得られるよう蒸着(deposition)、エッチング(etch)、フオトリゾグラフイー(photolithography)、他用に使われるツール内に直接組み入れられてもよい。
【0026】
本発明の目的は半導体製造工業に、より薄い層と新しい複雑な材料を組み入れる半導体デバイスを特徴付けることが出来る信頼性のある光学的度量衡ツールを提供することである。該計測器のユーザーにより使われる何等かの適合するアルゴリズムは、2つ以上のスペクトル領域から成るデータセットにより与えられるより高レベルの制限を充分利用することによりより速い収斂と、より精密な結果を達成する。この計測器は非接触で非破壊的であり、広帯域反射率データを利用する。
【0027】
該計測器は第1のスペクトル領域での動作用に最適化され、少なくとも1つの他のスペクトル領域で良く動作することが出来る。別々のスペクトル領域での使用のために選択したソースと検出器はそれらの選択を許容する計測器内の光学的モジュール内に組み入れられる。加えて、このモジュールは、別々のスペクトル領域での測定値が同様なスポット特性を使って集められることを可能にするために共通の供給及び収集光学機器(common delivery and collection optics)を含む。更に、本発明は別々のスペクトル領域からのデータが、迷光障害(stray light complications)を避けるためにシーケンシャルに集められる直列収集アプローチを使う。
【0028】
1実施例では、第1のスペクトル領域での動作用に最適化され、少なくとも1つの他の領域で良く動作出来る分光学システムが提供される。該システムは、該第1のスペクトル領域からのデータ収集では運動する光学要素が何等含まれない(シャッターは除いて)ように設計される。加えて、該システムは別のスペクトル領域用に最適化された選択可能なソースと検出器とを与える光学的モジュールを組み入れる。同様に、該光学的モジュールは別のスペクトル領域での測定値が同様なスポット特性を使って集められることを可能にするために共通の供給及び収集光学機器を提供する。該モジュールは又高度に繰り返し可能な結果が達成されることを保証するよう測定されたデータを手早く基準合わせする手段を提供する。
【0029】
もう1つの実施例では、該VUVで動作するよう最適化され、DUV−NIRで良く動作することが出来る分光学システムが提供される。加えて、該システムは、該VUV及びDUV−NIRで使用するために最適化された選択可能なソースと検出器とを提供する光学的モジュールを組み入れる。同様に、該光学的モジュールは両スペクトル領域での測定値が同様なスポット特性を使って集められることを可能にする共通の供給及び収集光学機器を提供する。該モジュールは又高度に繰り返し可能な結果が達成されることを保証するように測定されたデータを手早く基準合わせする手段を提供する。該モジュールは更に、該VUVソースと、サンプル室と、そしてVUV検出器との間に制御された環境を提供するが、該環境は繰り返し可能な仕方でVUV光子の吸収を限定するよう作動する。該DUV−NIR波長に加えて、VUV波長を含む広帯域データセットの使用はより広範な種類の材料が意味ある様に特徴付けられることを可能にする。アレイベースの検出的計測(Array based detection instrumentation)はより広い波長領域の同時収集を可能にするよう開発されてもよい。
【0030】
本発明の性質と利点の更に進んだ理解は下記説明と付随する図面の調査に従うことにより実現されよう。
【実施例1】
【0031】
挑戦的応用のために光学的度量衡機器の感度を高めるには、この様な測定が行われる波長の範囲を広げることが望ましい。特に、真空紫外線(vacuum ultra−violet)(VUV)と呼ばれる電磁スペクトルの領域の中へ、そしてそれを超えるよう、広がる、より短い波長の(より高いエネルギーの)光子を利用することは有利である。VUV(及びそれより短い)光子は標準的大気条件内で強く吸収されると言う事実のために、これらの波長で動作するよう設計された光学的計測の開発には歴史的に比較的少しの努力しか払われなかった。真空紫外線(VUV)波長は一般的に遠紫外線(deep ultra−violet)(DUV)波長より短い波長と考えられる。かくしてVUV波長は一般的に約190nmより短い波長であると考えられる。該VUV範囲の下端について汎用されるカットオフは無いが、その分野の或る人はVUVが終了し、極端紫外線(extreme ultra−violet)(EUV)範囲が始まると考える(例えば、或る人は100nmより短い波長をEUVと規定する)。ここで説明される原理は100nmより上の波長に適用可能であるが、この様な原理は一般的には100nmより下の波長にも適用可能である。かくして、ここで使われる時、用語VUVは一般的に約190nmより短い波長を示すよう意味するが、しかしながらVUVはより短い波長を排除することを意味しないことは認識されるであろう。かくして、ここで説明される時、VUVは、下端波長排除を行わずに一般的に約190nmより短い波長を含むことを意味する。更に、下端(low end)VUVは概ね約140nmより下の波長と考えられてもよい。
【0032】
実際、事実上全ての形式の物質(個体、液体そして気体)はVUV波長で益々強い光学的吸収特性を示すことは真である。皮肉にも、VUV光学的度量衡技術に利用可能な増加した感度に自身で責任を負うのは物質のこの同じ、寧ろ基本的な特性である。これは、より長い波長では材料の光学的動作の検出出来ない変化しか生じない、プロセス条件の小変化として振る舞う(follows)が、VUV波長ではこの様な材料の測定可能な特性での実質的で容易に検出出来る変化を誘起し得る。
【0033】
VUV光子が大抵の種類の物質により強く吸収される事実は、該VUVでの動作を実現するよう従来のより長い波長の光学的度量衡機器を簡単に拡張したり、又は該機器を修正することを不可能にする。今日のツールは標準的大気条件下で動作するよう設計されており、とりわけ、これらのより短い波長での動作用に求められる制御された環境を欠いているのが典型的である。VUV放射はO2及びH2Oの両分子により強く吸収され、従ってこれらの種(species)は計測器の光路を通るVUV光子の透過を可能にするよう十分に低いレベルに保持されねばならない。この点をより良く図解するために、標準大気(プロット100)と1PPMのO2及びH2O濃度レベルを含む制御された環境(プロット110)との両者の100cm路長を通る光学的透過率が光子波長の関数として図1にプロットされる。図から明らかな様に、標準大気(standard atmosphere)を通る光子の透過は約200nmより短い波長で絶壁状に降下する。
【0034】
従来の光学的計測器は標準大気条件で機能するよう意図されているのみならず、それらは、それらをVUV動作用には不適当にさせる光学的要素の配列と設計も使っているのが典型的である。反射率計で高度に繰り返し可能な結果を達成するために、反射率データが相対的標準と基準合わせされる又は比較される手段を提供することが望ましい。この仕方では、そのシステムが最初に校正される初期時と、サンプル測定が行われる後刻時と、の間に起こる該システムの変化が適切に責めを負わされ得る(properly accounted for)。より長い波長では、この様な変化はソースのスペクトル出力の輝度変動(intensity variations)により支配されるのが通常である。VUV波長で動作時は、環境条件の変化{すなわち、光路の環境内の吸収する種(species)の濃度の変化}が遙かに大きい役割を演じ得る。
【0035】
かくして、従来のより長い波長のシステムは吸収する環境が測定過程に及ぼす意味のある影響に取り組み損ねる(fail to address)。精密で繰り返し可能な反射率データが得られることを保証するために、その光路を含む環境を制御する手段を提供することのみならず、更に起こる吸収効果が、校正、測定そして基準合わせ過程の全ての面での間、適切に考慮されることを保証することが望ましい。
【0036】
従って、VUV波長で及びそれより下で動作するよう設計された制御された環境を光学的度量衡ツールに提供することが望ましい。加えて、精密で繰り返し可能な結果が得られることを保証するために、その設計が、該制御された環境の変化により導入される誤差を減じる又は一緒に除去するよう作用する強固な基準合わせ方法論(referencing methodology)を組み入れることが望ましい。
【0037】
本発明の1実施例を描く光学的反射率計度量衡ツール200の略図表現が図2で示される。明らかな様に、ソース210,ビーム調整モジュール(beam coditioning module)220,光学機器(示されてない)、スペクトロメーター230そして検出器240が環境制御された計測器室202内に含まれる。該計測器室環境の質を汚損することなくサンプルの搭載(loading)及び取り除き(unloading)を可能にするよう、サンプル250,追加光学機器260、モーター駆動ステージ(motorized stage)270{オプションの脱離器(desorber)を有してもよい}が分離され環境制御されたサンプル室204内に収容される。該計測及びサンプル室は制御可能な結合機構206を介して結合されるが、該機構は光子の輸送が、そしてそう望まれるなら、ガスの交換が起こることを、可能にすることが出来る。例えば、結合機構206は光学的窓であってもよく、光学的透過路が望まれる時開くゲート弁(gate valves)であってもよく、或いは該2つの室間に適当に光路が結ばれることを可能にする他の機構であってもよい。この仕方で、該計測及びサンプル室との間の光路が提供される。加えて、該制御された環境の外に配置されたプロセサー290はその測定されたデータを解析するため使われてもよい。プロセサー290が適当なデータ処理及び/又は集められたデータの記憶を提供する広い種類の計算手段の何れかであってもよい。
【0038】
図2にあからさまに示されてはないが、該システムは又、自動化された仕方でサンプルの搭載及び取り除きに役立ち、それにより測定スループットを更に高めるロボットと他の付随の機械化された部品を装備し得ることを注意しておく。更に、当該技術で公知の様に、環境制御を改良し、サンプルの相互交換についてシステムスループットを高めるために、該サンプル室に連携して負荷ロック室(load lock chamber)も又使われてもよい。
【0039】
動作時、ソース210からの光は、ビーム調整モジュール(beam conditioning module)220により、修正され、供給光学機器を介することにより、結合機構窓206を通り、サンプル室204内に収容されたサンプル250上へ向けられ、焦点合わせされる。該サンプルから反射された光は戻って進み結合機構206を通り、収集光学機器(collection optics)により取り込まれ、スペクトロメーター230の入り口平面上に焦点合わせされる。下記でもっと詳細に論じられる様に、該スペクトロメーター230は1実施例では画像形成スペクトロメーター(imaging spectrometer)であってもよい。この種のスペクトロメーターは、それが或る範囲のデータ点を同時に集めることが出来るよう或る形の多数素子検出器(multi−element detector)240{例えば、アレイ検出器(array detector)}を装備するのが典型的である。該デバイスの光路全体は制御された環境内に保持されるが、該環境は吸収種を取り除き、VUV光子の透過を許容するよう機能する。該制御された環境は、望まれる最低動作波長に依って、該計測及びサンプル室内へ、高純度窒素、アルゴン又はヘリウムの様な非吸収パージガス(non−absorbing purge gas)を導入することにより及び/又は真空を介する排気(evacuation)により、パージ又は真空システム280を用いて創られてもよい。もし高純度パージガスが使われるなら、該結合機構206はMgF2窓から成ることが出来るが、もし該室が排気されるなら、機械的ゲート弁が使われ得る。他の可能な適当な窓材料は溶融シリカ、フッ素ドープされた溶融シリカ、水晶、CaF,SrF、BaF、MgF2、LaFそしてLiFを含む。排気技術を機械的ゲート弁との組み合わせを使うことにより光子の吸収が遙かに減じられることは認識されるであろう。
【0040】
本発明の1実施例では、該VUVソース210は、日本のハママツ(Hamamatsu of Japan)により製造されるモデル#L7293(model #L7293)の様なロングノーズ突出型(long nose projecting type)重水素(D2)ランプである。この様なソースは広帯域VUVソースであり、それは下は約115nmまでの連続放射を提供するよう、爛熟したアークランプ技術をフッ化マグネシウム(MgF2)窓と組み合わせる(図3のプロット300参照)。しかしながら、該窓は溶融シリカ、フッ素ドープされた溶融シリカ、水晶、CaF,SrF、BaF、MgF2、LafそしてLiFを含む種々のVUV材料から成ってもよい。該ランプの突出した設計は優れた指向性(directivity)を提供し、それによりVUV光子の該反射率計光学的システム内への効率的結合を可能にする。D2アークランプは、求める半導体度量衡応用にそれらを良く適合させる高安定性、高い明るさそして長い寿命を特徴としている。本発明の代わりの実施例は、狭帯域ソースと、下って115nmまでの、そしてその下の、波長で光子を放射出来る窓無し放電ソース(windowless discharge sources)と、を含むがそれらに限定されない、種々の他のVUVソースを組み入れてもよい。例えば、該窓無しソースは差動的にポンプされる放電ソース(differentially pumped discharge source)であってもよい。かくして、ここで提供されるシステムと技術はローエンドVUV(又はそれより短い)応用品に特に有用である。
【0041】
再び図2を参照すると、該ビーム調整モジュール(beam conditioner
module)220は該ソースビームの特性を修正するために空間的及び/又はスペクトル的濾過要素(spatial and/or spectral filtering elements)の導入を許容する。この機能は一般的には必要でないが、それが有利と考えられる特定の応用が生ずる。例としては、アパーチャーの使用を通してソースビームの空間的又は時間的コヒーレンスを修正すること、又はより長い波長の光が、該光ビーム路内の種々の光学的面で起こる散乱機構を通して偽りのVUV信号を発生するのを防止するための“ソーラーブラインド(solar blind)”フイルターを導入すること、が含まれる。該デバイスの特定の実施例では、該“ソーラーブラインド”フイルターはアクトンリサーチ社(Acton Research Corporation)からのVUVフイルターであり、該フイルターの典型的反射特性が、該アクトンリサーチ部品番号120−VBBフイルター(Acton Research part number 120−VBB filter)についてはプロット400で、アクトンリサーチ部品番号170−VBBフイルター(Acton Research part number 170−VBB filter)についてはプロット410で、示す様に図4で提示されている。
【0042】
光学的反射率計度量衡ツール500の1実施例のより詳細な線図が図5で提供されるが、そこでは該デバイスの測定及び基準チャンネルを有する光学機器がより詳細に図解されている。示されてないが、該光学的反射率計度量衡ツールはパージ又は真空システム280,プロセサー290,ステージ270他の様な図2に示す部品を含んでもよい。図5で示される様に、ソース510,スペクトロメーター530,そしてアレイ検出器540が計測室502内に提供される。サンプル室504は結合機構(示されてない)を通して計測室502に結合される。
【0043】
再び図5を参照し、サンプル測定用の光路を説明する。ソース510からの光はコリメートされ、ミラー1によりビームスプリッター1の方へ導かれ、該スプリッターではソースビームはサンプル及び基準ビーム成分(一般的に、それぞれビーム508,506により示される)に分割される。該サンプルビーム508は該ビームスプリッター1から平面ミラー5の方へ反射されるが、そこではそれはミラー2の方へ向け直される。ここで該光は下方へ(図の平面内へ)、サンプル550上へと焦点合わせされる。該サンプル550から(図の平面から)反射された光はコリメート用光学機器(ミラー3)により取り込まれ、そこではそれはビームスプリッター2を通して焦点合わせ光学機器、ミラー4の方へ向けられる。ここで該光は次いで該スペクトロメーター530の入り口平面上に焦点合わせされる。該サンプルの測定中、シャッター1と2は開いており、一方シャッター3は閉じた儘である。
【0044】
1実施例では、ミラー1,ミラー2、ミラー3そしてミラー4は軸外れ放物線状反射器であり、この様なものの例が軸外れミラー600として図6で描かれている。これらのミラーは好ましくはそれらの製造後、従来技術を使ってポリッシ(polished)され、次いでAl/MgF2の様な或る種の広帯域反射コーテイング610でカバーされるのがよい(或る製造者は該ミラー上で相互の上に直接アルミニウム及びMgF2層を実現してもよく、或いは代わりに他の材料の薄い層が該アルミニウム層の下又は上に配置されてもよい)。ポストポリッシング(Post polishing)はダイアモンド旋削アーチフアクト(diamond turning artifacts)から生じる流出物(issues)を最小化することにより該ミラーの画像形成特性を改良する。該広帯域コーテイング610は該VUVでの該ミラーの反射特性を高めるよう誂えられる。コーテイング610用の特に良く適合されたコーテイングの例がアクトンリサーチ社(Acton Research Company)により作られている。図7はアクトンリサーチ社により作られるコーテイング#1000,#1200,そして#1600についての反射率プロットを図解する(それぞれプロット700,710そして720)。より短い波長での動作用には、元素イリジウム(elemental iridium)の様な他のコーテイングがより良く適合している。
【0045】
又他の種類のミラーも該システム内に組み入れられ得るが、軸外れ放物線状反射器の使用は、反射率データが、数多くの利点を生み出す法線に近い入射の照明/収集を使って得られることを可能にする。これらの利点には、偏波効果(polarization effects)が無視され得るので測定データの次の解析を簡単化すること、サンプル上の測定領域の対称な照明を生ずること、より大きい入射角度を使い遭遇するサンプル表面の散乱効果を最小化すること、そしてコンパクトなシステム設計と言う、一体化及び/又はインライン度量衡応用品用に重要な考慮、を実現すること、が含まれる。加えて、或る光学的測定はそれら自身法線に近い構成の使用から利益を受ける。典型的例は、散乱計測法の方法(scatterometry methods)を使った高アスペクト比特徴の寸法的特徴付けと、フオトマスクの薄膜を通した測定(through−pellicle measurements)と、を含むがそれらに限定されない。例えば、図8に示され、当該技術で公知の様に、半導体フオトリゾグラフイーマスク基盤(semiconductor photolithography mask substrate)800は薄膜(pellicle)820により保護された膜(film)(又は複数膜)810を有してもよい。該膜(又は複数膜)810の薄膜を通した測定の測定値は法線に近い構成の使用で利益を受ける。
【0046】
軸外れ放物線状ミラーは種々の光学機器製造者により規則的に作られ、それらはかくして容易に入手可能であり、比較的低廉である。それらは一体化及び整合に関してより大きな自由度を提供し、同じ応用に使われる時ドーナツ形ミラー(toroidal mirror)と同程度に非点収差(astigmatism)をこうむらない。
【0047】
本発明の特に有用な実施例では、該軸外れ放物線状ミラーの1つ以上が、該軸外れ角度(図6でθで示される)が90ーに等しくなるよう設計される。この様な配置は可成りの柔軟性と、より短い波長での散乱に対して減じられた感受性と、を提供する(含まれる、より小さな入射角の結果)。柔軟性は、該光学機器の中央光線軸に平行な軸の周りでの1つのこの様な光学機器の回転が、他の軸外れ角度を有する光学機器についての3次元パターン(すなわち、円錐)とは反対に、2次元パターン(すなわち、円)を描く(maps out)事実から生じる。この特定の幾何学的形状は多数のシステム向上の可能性と利点を提供する。
【0048】
この様な向上の例は多数ソースを該システム内に簡単に組み入れることを可能にすることであろう。他のソースが該光学機器の中央光線軸に直角の軸の周りの適当な位置に置かれ得る。もう1つのソースを選択するためにはその時該軸線の周りに該光学機器を回転させるだけでよい。この様な配置のもう1つの利点は該計測器の初期整合位相中に現実化する。法線入射構成を使うことは、該ツールの照明及び収集の両アーム上への適当な整合の簡単な決定を可能にするのであり、何故ならばそれらは、中央の焦点合わせに直角な面上へ焦点合わせしつつある意味で、軸線上で働いているからである。これはより良いスポット規定に、従ってより良い全体的画像形成動作に帰着する。
【0049】
再び図5を参照するが、一旦光が該スペクトロメーター530に入ると、それは平面ミラー531により反射され、焦点合わせミラー532によりコリメートされそして回折格子533上に入射する。該格子により回折された光の或る部分は第2焦点合わせミラー534により集められ、VUV感応性アレイ検出器540の表面上へ焦点合わせされる。当該技術で公知の様に、該回折格子から反射された光は該検出器の幅に亘り波長により空間的に分離される(spatially separated)。この特定の実施例では、該スペクトロメーター内部の光学機器の全部も又それらの効率を高めるためにAl/MgF2の様な広帯域反射性コーテイングでコートされていることを注意しておく。理想的には該スペクトロメーターは、クロメックスインスツルメント(Chromex Instruments)により製造された250is/smを用いた場合に於ける様に、大面積平坦場(large area flat field)内で無収差画像形成(stigmatic imaging)を提供する様な仕方に設計された画像形成スペクトロメーター(imaging spectrometer)であるのがよい(又特許文献5も参照)。典型的に、この様なスペクトロメーターは、広範囲の多数波長が、該検出器による検出用に該スペクトロメーターを同時に出る、ことを可能にする(出て行く光を1つの波長に拘束するよう企てる或る種のスペクトロメーターと反対に)。典型的に、この様なスペクトロメーターは固定回折格子を利用するが、それは可動回折格子は種々の波長でデータを発生するよう求められないからである。該画像形成スペクトロメーターは、該スペクトロメーターを出る多数波長がアレイ検出器の幅に亘り広げられるように、アレイ検出器と組み合わせて使用されてもよい。該検出器の幅に亘るカラム(column)はかくして種々の波長の光を伴って提供される。画像形成スペクトロメーターの内部要素は、該多数の波長が、該アレイ検出器が種々の波長について精密にデータを得るよう充分分解されるよう設計されるのがよい。
【0050】
加えて、もし該回折格子が、短い波長での光散乱から生じる迷光(stray light)を最小化させるようホログラフィックイオンエッチされた種類(holographic ion−etched type)であれば有利である。本発明の代わりの実施例は又、フランスのジョバンイボン(Jobin−Yvon of France)により製造されたものの様な、非周期的ドーナッツ状格子形状(non−periodic toroidal grating configuration)、カナダのリゾナンス社(Resonance Ltd. of Canada)により製造されたものの様な、ローランド円形状(Rowland circle configuration)、米国のカタリーナサイエンティフィック社(Catalina Scientific Corp. of the United States)により製造されたものの様な、エシュレット形状(Echelette configuration)、を含む他の種類のVUVスペクトロメーターを組み入れることも出来る。加えて、使用される回折格子は移動可能である必要はなく、寧ろ固定回折格子として実現されてもよい。
【0051】
どんな数のVUV感応性アレイ検出器が本発明と共に使われることも可能であるが、広いダイナミックレンジを提供しながら、VUV光子の効率的変換を提供する検出器を使う
ことが望ましい。背部が薄く、後方照明され、コートされない電荷結合デバイス(Back−thinned, back−illuminated, uncoated charge coupled devices){シーシーデーエス(CCD’s)}はこの応用に特に好適であるが、それはそれらが、それらの燐光体コートされ、前部照明される相手部分(phosphorus coated front−illuminated counterparts)と出会うと、高い感度を提供し、そしてポリシリコンゲート領域(poly−Si gate regions)でのVUV光子の吸収による損失を避けるからである。一般にコートされないデバイスは、広い範囲の波長に亘り、反射防止層を有するものより良く動作すると期待される。使われてもよいもう1種類のアレイ検出器は、標準的シーシーデー又はフオトダイオードアレイ(photodiode array){ピーデーエイ(PDA)}と結合されたマイクロチャンネルプレート検出器(micro channel plate detector)である。この応用に好適なマイクロチャンネルプレート検出器の1例が米国のバールインダストリー社(Burle Industries Inc. of United States)により製造されている。代わりに、もしそれらが短波長光子を吸収し、次いで該デバイスで有効に集められ得るより長い波長の光子を再放射する燐光体コーテイングを装備しているなら、前部照明されるシーシーデーエス又はフオトダイオードアレイが独立に使用され得る。
【0052】
該アレイ検出器540のもう1つの側面はそれが、測定信号をマスクし、そして低光子レベルが勝る場合にシステム精度に不利に影響し得るダークカウント(dark counts){すなわち、熱的に発生されたキャリア(thermally generated carriers)}を減ずるために低温度に(0℃より下に)冷却されてもよいことである。該検出器を冷却するために、凝縮可能な種の該デバイス上への蓄積を防止するようそれを密閉式にシールされた室(hermetically sealed chamber)内に内部閉じ込めする(encapsulate)ことが必要である。これはVUV光子を通過可能にするMgF2窓でシールされた真空室内に該デバイスを設置することにより通常達成される。より短い波長(一般的には、MgF2の透過カットオフ、すなわち約115nmより下)の動作用に、該保護窓(protective window)は、該制御された環境が、非吸収性パージガスより寧ろ真空のそれである時は除去されることも可能である。特に好適な検出器{モデル#デーブイ−420−ビーエヌ(Model # DV−420−BN)}が北アイルランドのアンドールテクノロジー(Andor Technology of Northern Ireland)により製造されている。この特定の検出器は26.6mmの幅で6.7mmの高さを有するアレイ検出器である。この様な検出器は行及び列として配置された画素の配列(array)で形成される。この例では、10マイクロメーターの桁のより小さい解像度を有する検出器も典型的に入手可能であるが、典型的画素は幅及び高さが26マイクロメーターでもよい。
【0053】
パターン化されたサンプル上で個別測定位置の選択に役立つように、オプションでカメラシステム565(すなわち、カメラと所要焦点合わせ要素)が使われ得る。この様なシステムを反射率計配置内に一体化する多くの方法があるが、1つの可能な方法はサンプルチャンネル508を通過しビームスプリッター2から反射するビームを取り込むためにそれを使うことである。この仕方で使われる時、該カメラシステム565は、該サンプルチャンネル508が使われるどんな時(すなわち、シャッター1が開く時)も画像を集めるために使われ得る。代わりに、該サンプルビーム(次の該サンプルからの反射)の或る部分を1時的に該カメラに向け直すためにフリップインミラー(flip−in mirror)が該カメラシステムに追加されることも可能である。最後に、該サンプル上で画像を取得し、特定の特徴を突き止めるために、該反射率計に別の照明及び/又は収集光学機器を導入するオプションもある。
【0054】
アレイベースの検出器と組み合わせての画像形成スペクトルグラフ(imaging spectrograph)の使用は、スペクトル全体を、従来の走査モノクロメーター(scanning monochromator)及び単一素子検出器配置(single element detector arrangement)を用いてより遙かに速く、そしてより高精度で(可動部分がないので)、集めることを可能にする。加えて、それは高い質の画像形成反射率計測法(imaging reflectometry)を可能にして、該サンプル上の小さな領域からのデータが容易に集められ空間的に解像される(spatially resolved)ことを可能にする。これは測定が、単なるブランケットの“試験(test)”基盤又はウエーハ上でなく、現実のパターン化された生産サンプル上で、行われることを可能にする。事実、画像形成光学機器と高感度検出システムの組み合わせは、多数の測定が局所化された領域内の1連のサイト上で同時に行われることを可能にする。
【0055】
図9はこの様な多数の測定が達成される仕方を図解する。これらの技術は選ばれる検出器が2次元アレイ検出器であることを利用する。かくして図5に関する例については、該アレイ検出器540は2次元アレイ検出器であってもよい。図9の左側はパターン化されたサンプル550の部分を示し、そこでは形成された4つの長方形構造体900を有する。例えば、この様な構造体900はパターン化されたポリシリコン構造体、金属構造体又は半導体ウエーハ上に形成された他の構造体、の様に半導体基盤上に形成されてもよい。該構造体900は該半導体基盤のパターン化されない領域により囲まれてもよい(示された該構造体は本発明の理解に役立つために単に図解用であり、サンプルの部分又は構造体はここで説明される同時の多数測定に供されてもよい)。該スペクトロメーターの入り口スリット上に画像形成される空間領域を規定する垂直の長方形920が該サンプルの中部の2つの特徴物上に重ね合わされている。現実には可成り大きい領域が該サンプル上で照明されるが、特定の範囲から反射される光だけが該スペクトロメーターにより集められ、従って該検出器により記録される。この領域の幅と高さは、選ばれるサポート用収集及び照明光学機器と組み合わされるスペクトロメーター入り口スリットのスリット幅930とスリット高さ940の関数である。例示するスリットは20−30マイクロメーターの桁の幅と1cmの桁の高さとを有してもよい。図9の例で示される様に、該サンプルとスリットは行と列で形成されると考えられてよい(行は行950の様な該頁上で左から右であり、列は該頁上で頂部から底部である)。該スペクトロメーターの入り口スリットを通過したサンプルからの情報は次いで該回折格子により回折され、次いで該アレイ検出器に与えられる。該サンプルの行情報は物理的に該検出器上の行に写像されるが、しかしながら、該列情報は写像されず、それは該回折格子は、全ての列から発する与えられた波長成分が該検出器上の1つの列に写像されるように、該列情報を分散させるからである。結果として、該サンプル上の異なる垂直位置(すなわち、行)に対応するデータが該検出器の異なる垂直位置(行)上に画像形成される。
【0056】
該検出器は画素行のシリーズ(典型的に、256,512,又は1024)から成るので、画素の各個別行は該パターン化されたサンプル上の異なる個別位置に対応するデータを記録する。この点は図9の右側上に図解され、該図はサンプル550上の5つの別々の行のサイト950から集められた反射率スペクトルプロット960を表す。かくして、サンプル情報の何れか与えられた行のサイト950について、波長範囲のスペクトルプロットが得られる。更に、アレイ検出器は多数の別々の行サイト950からの情報を同時に集めてもよい。かくして、多数波長のそして多数行サイトのデータが同時に集められる。検出されるサンプルサイト個別行の解像度はアレイ検出器で使われる画素高さに依る。収集及び照明光学機器、入り口スリット幅そして検出器ビニング構成(detector binning configurations)の選択及び/又は調整を通して、種々の寸法の測定サイトの範囲が達成される。この仕方で、サンプルの2次元領域がその光路により照明され、該2次元領域からのデータが該2次元アレイ検出器上に記録される。図9
のスペクトルプロット960で示される様に、この様な技術は該サンプル構造900を特徴付けるため、及び/又は該サンプルのパターン化されない領域から該サンプル構造体900を区別するため、使われてもよい。更に、該スリット幅は該サンプル構造体900上でのみ与えられた行を写像する様に示されたが、該サンプルは、スリット幅の与えられた行がパターン化された及びパターン化されない、両領域と重なり合うよう動かされ(図で左又は右)、かくして両領域の組み合わせを示すデータが提供されてもよい。
【0057】
与えられた局所化された領域内の多数の個別位置から同時にデータを集める能力は測定スループットに関する利点を提供するが、それは従来の計測器でサイト当たりの測定時間の可成りの部分がサンプルを置くこと(すなわち、測定場所内へのサンプルサイトの精密な調整と位置付け)から生ずるからである。加えて、この独特な能力は又、近くに分離されたサイト間の比較測定に関心がある応用で有用となる。典型的例は、化学的で機械的なポリッシング応用品に関係するくぼませ及び浸食調査(dishing and erosion studies)を含むが、それらに限定されない。かくして、サンプルの移動に連携して行われる別々の多数の測定を行わねばならないよりも寧ろ単一測定が、該サンプルの2次元範囲内の多数位置に関するデータを戻してもよい。この様な技術では光学的要素(ミラー、ビームスプリッター、他の様な)の質は、2次元測定が使われない応用に比較して、より大きい無歪み範囲が提供される様なものであるべきことが認識されるであろう。かくして、ここで提供される光学的VUV反射率計システムは又2次元反射率計システムとして1実施例では特徴付けられてもよい。この様な2次元データ収集の多くの利用は、解析されつつある該2次元サンプル範囲のパターン認識が行われるように上記説明のカメラ要素と共に有利に使われることは認識されるであろう。
【0058】
ここで説明されるシステムと技術は、高速度測定が望ましい応用での利用に特に有利である。与えられた局所化された領域内の多数の個別位置からデータを得る能力に加えて、これらの測定は、可動回折格子を使う遅いステップアンドスキャン技術の必要無しに得られてもよい。
【0059】
前に論じた吸収の問題の結果として、小さな環境的混乱はVUV波長での測定データに可成り影響し得る。これらの線に沿って、測定過程中起こる環境的変化から生ずる有害効果を最小化するために短い時間内で測定を行える装置を提供することが望ましい。更に、測定されるデータがデータ正規化(data normalization)の目的で既知の標準に対し基準合わせされ得る手段を提供することが望ましい。加えて、基準合わせの該手段(the means of referencing)は、校正測定の結論(conclusion of a calibration measurement)と次のサンプル測定の開始との間に起こるかも知れないデータを変える環境変化(data altering environmental changes)により導入される誤差を更に最小化及び/又は一緒に除去する様なものであるべきである。
【0060】
基準合わせは該システム内の変化(すなわち、ソースの出力、環境条件、他)が適切に責めを負われ、不精密なデータに帰着しないことを保証するために必要である。どんな波長の状況(wavelength regime)でも反射率計測法の結果(reflectometry results)の安定性を保証するために必須であるが、基準合わせは、より低い利用可能光子フラックスと、光路内に含まれるガス状媒体の組成に対する記録データの高められた感度と、によりVUVで動作する時、一層重要である。
【0061】
再び図5を参照すると、ここで説明される該VUV装置では、データの基準合わせは基準ビームチャンネル506の使用を通して達成される。ここで更に説明される様に、該基準ビームチャンネルはソースビームチャンネル508とバランスを取られる(又は同じビーム長さにされる)ことが望ましい。図5で図解されるこの基準ビームチャンネル506は、ソースビームがサンプル及び基準成分に分割される時、ビームスプリッター1で創られる。このビームはビームスプリッターを透過し、ミラー9で反射される前にミラー6,7そして8で反射される。該ビームは次いでビームスプリッター2で反射し、その後、前にサンプルビームチャンネル508用に説明したと同一の該検出器への通路に従う。該基準ビームチャンネルと該サンプルビームチャンネルを選択的にイネーブル又はディスエイブル(enable or disable)にするため制御可能なアパーチャー(Controllable apertures)が使われてもよい。例えば、該アパーチャーは制御可能な光学的シャッターで形成されてもよい。該基準測定中シャッター1は閉じられ、一方シャッター2及び3は開いた儘でいる。
【0062】
もしビームスプリッター1からビームスプリッター2まで該サンプル及び基準ビームが進む光路が、それらが長さで殆ど同一になるよう精密に調整されるなら、それらが殆どバランスされたマッハ−ツエンダー干渉計(near−balanced Mach−Zehnder interferometer)の2つのアームを形成することは当業者には明らかであろう。又、この目的を達成するために他の干渉計設計を組み込む他の多くの等価な配置が存在することは容易に明らかになるであろう。1つのこの様な代わりの実施例が図10で図解されるが、そこではマイケルソン干渉計(Michelson interferometer)が該設計に組み入れられる。図2又は5のシステムの他の要素が示されてないが、結合機構、カメラ、パージ又は真空システム、プロセサー、他の様なものが図10のシステムの使用に組み入れられてもよい。図10の配置では、ソース1010からの光はミラー1によりコリメートされ、ビームスプリッター1020の方へ導かれ、そこでサンプルビーム1030と基準ビーム1040が分割される。該サンプルビーム1030はシャッター1を通過し、軸外れ放物線状反射器(ミラー2)によりサンプル1050上へ焦点合わせされる。該サンプルからの光は同じ光学機器により取り込まれ、その元の通路に沿って戻るよう進む。次いで該ビームは該ビームスプリッター1020を通るよう進み、もう1つの軸外れ放物線状反射器(ミラー3)によりスペクトロメーター1070の入り口スリット1060上に焦点合わせされ、そして最後にアレイ検出器1080に向かうよう導かれる。該サンプル測定中シャッター1と2は開き、一方シャッター3は閉じた儘である。
【0063】
基準測定中は、基準ビーム1040は、それがミラー4によりその通路に沿って戻るよう反射される前に、ビームスプリッター1020とシャッター3を通過する。次いでそれは該ビームスプリッター1020で反射し、サンプルビームと同様な仕方で該スペクトロメーター1070の入り口スリット1060上に焦点合わせされる。該基準測定中、シャッター2と3は開き、一方シャッター1は閉じた儘である。
【0064】
これらの基準構成の利点は下記の様に説明され得る。吸収性の大気の種によるVUV光子の減衰は光路長の関数であり(該路が長い程、もっと多い吸収分子に遭遇する)、その依存性は本質的に非線形であるので、サンプル及び基準アームは、もし同様な減衰効果が各ビームで見出されるべきとすれば、実質的に同じ長さであるべきことがもたらされる。もしこれがそうでない場合、そして該アームが異なる長さであるならば、校正測定に続くどんな時に取られたデータも、該環境内の吸収種の濃度が、該校正測定が行われた時存在するそれと精密に同一である場合のみ精密である。この条件は保証するのが事実上不可能なので、該サンプル及び基準路長が等しくなければ、精密な結果が得られることは到底ありそうにない。
【0065】
下記でもっと詳細に説明される様に、基準ビームを提供することは光学的反射率計システムの条件を示す測定値が得られることを可能にする。例えば、光学的反射率計システム内の吸収性ガスの存在は特定のサンプルから得られるデータに大いに影響し得る。該基準ビームチャンネルは環境の又は他のシステムの条件を示す機構を提供する。該基準チャン
ネルから得られたデータは次いで、サンプルから得られたデータを調整又は修正するため使われてもよい。かくして、光路の環境条件を示す機構を提供するための基準ビームの使用は、該光学的度量衡システムから得られるデータから行われる計算の高められた精度を可能にする。加えて、基準ビームの使用は適当なサンプルデータが広範囲の環境条件に亘り得られることを可能にし、かくしより低い波長測定用で特に、て環境基準下げる。
【0066】
高度に精密な反射率データが得られることを保証することに加えて、該基準チャンネル配置は又多数の他の直接的利点を提供する。第1に、該基準合わせスキームは、信頼性のある精密なデータが得られる得る受け入れ可能な環境的動作条件の範囲を広げる。ごく単純に、吸収する種の濃度が、VUV光子の測定可能な部分がソースを離れ、サンプルで反射し、そして検出器に到達することを可能にするのに可成り充分な程低い限り、精密な測定が行われることが可能である。これは制御された環境の要求を減じ、より広い範囲の条件でのデータ収集を可能にする。本質的に、該基準合わせ方法は広い範囲の、再現可能なとは反対の、適切な環境で、精密測定が行われることを可能にする。同様に、ここで説明される干渉計の手法(approach)は、該チャンネルの路長をバランスさせるのみならず、検出器から見たスペクトル輝度プロフアイル(spectral intensity profiles)をバランスさせるよう作用する。これはより長い積分時間を許容し、検出器に固有な何等かの非線形性効果を緩和することを助けるので重要である。
【0067】
本発明のなおもう1つの実施例では、該サンプル自身の例外はあるが、該光学的要素の事実上全てが該計測器室内に収容される。図11で図解されるこの構成は該サンプル室の空間的要求を可成り減じ、該構成を一体化されたプロセス制御応用に好適にさせる。図11に示す様に、光学的反射率計度量衡ツール1100が提供される。ソース1110、スペクトロメーター1170,そしてアレイ検出器1180が計測室1102内に提供される。又該計測室内には該サンプルビーム及び基準ビームの両路の光学的要素の全てが提供される。かくして、ミラー1−6及びシャッター1−3は全て該計測室1102内に配置される。ミラー2は該ビームを(図の面内へ)下方へ、そして結合機構1106を通し、該サンプル室1104内に焦点合わせする。該サンプル1150から、次いでサンプルビームは上方へ、そして該結合機構を通り、ミラー3へと(図の面の外へ)進む。図11に示す様に、該基準ビーム路は2つの結合機構1105A(窓又はゲート弁の様な)を通過するが、該機構は該基準ビームを該計測室1102から該サンプル室1104内へそして該計測室1102内へ戻るよう結合する。この仕方で、該基準ビームは丁度サンプルビームがそうである様に該サンプル室の環境に供される。理想的には、該基準ビームが該サンプル室1104内を進む距離は、該サンプルビームが該サンプル室内を進む距離とマッチするのがよい。更に、該基準ビームは、該サンプルビームが丁度行う様に、結合機構を2回通過することを注意しておく。かくして、該基準ビームの光路は該サンプルビームの条件を近くシミュレートするよう設計される。この仕方で、該基準ビームと該サンプルビームの光路は、全体として、そして該計測室及びサンプル室内の個別通路に関して、の両者で類似している。図11に示した結合機構の通路と配置は例示のためであり、ここで説明された利点をなお達成しながら、他の通路及び配置が使われてもよい。
【0068】
図11aは、ミラー2と3、結合機構1106を有する計測室1102と、サンプル1150を有するサンプル室1104と、の図11の配置を図解する。図11aに示す様に、該サンプルビーム1107と該基準ビーム1109は該サンプル室1104を通って進む。恐らく望ましさはより低いが、システムは該基準ビームが該サンプル室を通過しないように構成されてもよいことは認識されよう。この様な構成は、例えば、該サンプル室内の該サンプルビームにより辿られる路長が充分短い時、そして該サンプル室内の吸収種の濃度が、初期校正時及び後でのサンプル測定時、に関して充分良く制御されるので、この様な構成により導入される誤差が受け入れ可能な誤差トレランス(acceptable error tolerance)内にある場合、使用されてもよい。この様な場合、該基準ビームは、該基準ビームと該サンプルビームの両者が該計測室内で同じ光学的距離を進むよう構成されてもよい。該基準ビームが該計測室内を進むだけの時、合計ビーム路はかくして異なるだろう。この仕方では、該2つのビームが供される環境はなお概ねマッチする(該サンプル室内の路長に関しては除いて)。この条件は、該サンプル室が高い質の非吸収性ガスでパージされるか、又はそれが高度の真空機器を使って排気される、場合に実現される。
【0069】
図11及び図11aのシステムはスタンドアロンのツールとして利用されるか又はもう1つのプロセスツールと一体化されてもよい。1実施例では、図11aのシステムは、プロセスツールと度量衡ツールサンプル室との間のサンプル輸送を可能にする或る機構と共に該プロセスツールに取り付けられるだけでもよい。しかしながら、図11bは該光学的反射率計度量衡ツールをプロセスツールと一体化するための代わりの仕方を示す。図11bに示す様に、計測室1102は結合機構1106と結合される。該結合機構1106は例えば窓であってもよい。この場合該結合機構1106は、プロセスツール1105上に形成されるゲート弁(gate valve)であっても、或いは該プロセスツール1105の環境が該サンプル室1104と共用されることを可能にする或る他の機構であってもよい。図11bに示される様に、該サンプル1150は該プロセスツールの環境を離れる必要はなく、寧ろ該サンプル1150は該プロセスツールの領域1175内に含まれていてもよい。領域1175は処理室でも、輸送領域でも或いは該プロセスツール内の他の領域でもよい。示された例では、該結合機構1106(ゲート弁の様な)が開かれると、該領域1175と該サンプル室1104の間の環境は共用される(サンプル室と呼ばれるが、サンプル室1104は決してサンプルを受けず、寧ろ該サンプルを含む該領域と共用した環境を持つことを注意しておく)。代わりに、該結合機構を開くことは該領域1175を含むよう該サンプル室1104を有効に広げるよう考えられてもよい。この仕方で、吸収種の濃度の様な環境条件は該領域1175と該サンプル室1104の間で同様であってもよい。該基準ビーム1109と該サンプルビーム1107用のビーム路は再び、該領域1175と該サンプル室1104の共通の環境内で同様な長さであるよう設計される。又図11bの機構は、ゲート弁の様な1つの簡単な結合機構を提供することにより、サンプルツールとの一体化が達成される点で有利である。上記で注意した様に、もし該領域1175内の環境が狭く制御されるなら、該サンプル室と該領域1175との間で環境を共用すること無しに受け入れ可能な誤差トレランス内で測定を達成することが可能である。この様な場合は、該結合機構1106は窓であってもよく、該度量衡ツールはサンプル室1104を要しないだろう。
【0070】
図11bのプロセスツール1105は、例えば、蒸着プロセスツール(deposition process tool)、エッチングプロセスツール(etch process tool)、フオトリゾグラフイーツール、プラナリゼーションプロセスツール(planarization process tool)、他、の様な、どんな種類のサンプルプロセス用機構(sample processing mechanism)であってもよい。この配置では、該サンプルは該プロセスツール1105内に含まれるだろう。該プロセスツールは、該結合機構1106を通してビームによりアクセスされる光路内に配置されたサンプルを含んでもよい。サンプルは、度量衡測定用に使うため専用化されたプロセスツールサンプル室内に配置されてもよく、或いは該プロセスツールの何らの他の領域内に配置されてもよい。図11bの構成では、該光学的反射率計度量衡ツール1100はかくして、結合機構1106を有するプロセスツール1105に接続された計測室1102(及び付随要素と)から成る別のアドオンユニット(add on unit)であってもよい。図11bの構成は、該プロセスツール製造がツール自身内に重要な度量衡要素を組み入れる必要無しに、該プロセスツール上に結合機構を提供することを要するだけなので、該光学的度量衡ツールが広い種類のプロセスツールと共に使うよう容易に適合可能である点で有利である。
【0071】
図11,11aそして11bの配置に於いては、該サンプル室内の光路長は、計測室内に封じられたそれに比して、極めて短く出来る。好ましい実施例では、該サンプル室内の光路はマイクロメーターの範囲内の短さに出来る。代わりに、該プロセスツールの設計を容易化するために、該路は数百センチメーターの範囲で遙かに長くすることが出来る。しかしながら、該光路が長い程、吸収する特徴部(features)の存在を最小化し、かくして該サンプル室上に課される環境的要求を高めることが望まれる。もし短い光路が使われるなら、該サンプル室環境の質への要求は減じられ、それにより安定化時間(settling times)を減じ、サンプルスループットを増す。連続的に維持される計測室内に収容された光学的面は、それらが該サンプル室の循環する環境内に定在する場合より汚染に対し、より影響されにくいので更に進んだ利点が生ずる。図11にはあからさまに示されてないが、該基準及びサンプル両ビームの光路長は、サンプル室自身の賢明な設計を通してか、又は該サンプルの調整又は位置づけの何等かの他の手段、或いは該サンプルと計測室の間の1つ以上の結合機構によるか、何れかで殆ど同一であることを暗に意味している。図11,11a及び11bは減じられた寸法のサンプル室の使用を図解している。図2,5、11,11a、及び/又は11bのシステムの他の特徴部と要素は、例えこの様な特徴部又は要素の全てが該図内で図解されてなくても、相互に交換されてもよいことが再度認識されるであろう。かくして、例えば、図11の光学的反射率計度量衡ツールはカメラ、パージ又は真空システム、プロセサー、マイケルソン干渉計設計、他を使ってもよく、何れか特定の図に示されるシステムは、図解されたそれらの要素又は示された該要素の配置のみでの使用に限定されないことは認識されるであろう。
【0072】
該デバイス内で使われるビームスプリッターは種々の設計とすることが出来る。例えば、該ビームスプリッターは、該ビーム直径全体を見えなくする部分的に透過性のビームスプリッターであってもよく、或いは該ビーム直径全体の或る部分を見えなくし充分反射するミラーであってもよい。もし115nmより上の波長での動作が望まれ、VUV光子フラックスが充分なら、MgF2基盤を使う従来の薄膜干渉ビームスプリッターが使われ得る。この応用に特に好適なビームスプリッターはアクトンリサーチ社により作られている{モデルVUVBS−45−MF−2D(Model VUVBS−45−MF−2D)}。このビームスプリッターについての典型的反射率及び透過率特性はプロット1310及び1320として図13に提示されている。プロット1310と1320はそれぞれ波長の関数として45°での%反射率と45°での%透過率とを図解する。もし115nmより下の波長での動作が望まれる、或いはもし光子レベルが充分低いならば、空間的ビームスプリッター(光路を2分する全反射ミラー)又はフリップインミラーのアプローチ(ビームスプリッター1及び2をフリップインミラーと置き換え、シャッター1と2を取り除く)が使われ得る。
【0073】
ミラー6,7及び8は、基準アーム内の路長を、それが例えば図5に示す様に該サンプルアーム内の路長を綿密に平行にするよう調整する手段を提供する。この目的を達成する多くの代わりの手段があることは当業者により認識されるであろう。例えば、ミラー7と8が無い図11に示す構成が使われてもよい。この努力に付随する利点は図14を調べると明らかであるが、該図では該サンプル及び基準アーム間の吸光度(absorbance)の差が種々の路長差及びO2とH2O汚損濃度(PPMでの)についてプロットされている。図14は計測器のサンプル及び基準チャンネルの路長差に対して、該システムが校正された初期の時から未知のサンプルが測定された後刻の時での汚損物の濃度の差をプロットしている。該プロット1410,1420そして1430は、濃度及び路長の差の特定のセットについて該測定された反射率データに導入される0.01%、0.1%及び1%の絶対誤差の線に対応する。かくして、例えば、点1445は、校正サンプルが測定される時と測定サンプルが測定される時の間の濃度差が1.0E+01と1.0E+02の間にあり、路長差が約0.01センチメーターであるなら、0.01%の近似絶対誤差
がもたらされることを図解する。図14はここで説明される原理を示す例示的グラフであることが認識される。例えば、図14のグラフはO2とH2Oとが一緒に変化すると仮定する(すなわち、10PPMの濃度差はO2の10PPM変化そしてH2Oの10PPM変化に対応する)。更に、吸収する種である他の汚損物があると認識されるであろう。加えて、図14は145nmの波長でのデータを表すが、他の波長が説明される該概念を同様に反映するであろう。
【0074】
かくして、もし特定の応用品が誤差が0.1%より下に保持されることを要求するならそしてサンプル室内の吸収する種の濃度が該初期校正と最終サンプル測定時の間で100PPMの桁で変化すると期待される得るなら、図14で反映される様に、最大路長差が計算されてもよい。提示された例では、この様な路長差は約0.025cmより小さい。もし期待される濃度差がより大きいと予想されたら、受け入れ可能な路長差は減じられるであろう。同様に、もし誤差が受け入れ可能なより低く保持されねばならないなら、(与えられた濃度差用の)路長差はより小さくあらねばならない。これらの結果は周囲内の吸収種の存在に大いに左右されることそして与えられた路長差についての吸光度差は該環境劣化に非線形的に増加することに気付く。
【0075】
種々の応用品は種々の程度の不精密さを保持し得るが、多くの応用品では0.1%より少なく、或る場合は0.01%以下にこの様な誤差を保つことを一般的に好むことになりそうである。出会う濃度差の範囲は、計測器が如何に設計され、使われるかに大きな程度で左右される。例えば、スタンドアロンのシステムは、濃度差が非常に低レベル(1デジットPPMレベル)で保持され得そうなように適当なパージ及び/又は真空制御を伴って使うよう設計されるが、度量衡計測器が図11bを参照して説明された様な他のプロセスツールに取り付けられる(従ってサンプル室の或る部分がその他のプロセスツール内に定在する)一体化された応用では、該差を制御することは可能でないかも知れない。
【0076】
該サンプル及び基準の両測定中、図5,10又は11の関連して上記で説明した実施例のシャッター2は、測定されたデータの精度に直接影響する該測定の持続時間を精密に制御するよう作用する。この様であるから、シャッター2はミリ秒の時間スケールで精密に制御され得る高速度電子式シャッターとするのが好ましい。この様なシャッターの例は米国サーモオリエル(Thermo Oriel of the United States)により製造されるモデル76994(Model 76994)である。又シャッター2は、ソースからの光への長い露光から生じるそれらの面内の変化を防止するために、測定が積極的には行われていない時間中、該ソースからの光が該計測器内の光学的面に到達することを防止するよう作用する。
【0077】
ここで提示される設計を使って、該サンプル及び基準両チャンネルからの信号は該スペクトロメーター内の回折格子の同じ領域を使って分散され、共通の検出器を使って記録されることを注意することは重要である。これは格子の局所的性能の差と多数検出器間の応答差から生ずる不精密さを避けるのに役立つ。
【0078】
加えて、該サンプル及び基準のビームが、該2つのビームが一致するように、該スペクトロメーターに入る角度を調整する又は同調させるための手段が存在するのが望ましい。該2つのビームの入る角度間の差は、異なる有効スペクトル分解能のために該2つの信号の比でのアーチフアクト及び望ましくない特徴部(該2つのビームが異なる有効スリット幅を見るため)、を含むがそれらに限定されない、障害に帰着する。入る角度(entrance angles)を調整する有効手段はビームスプリッター2を保持するための標準的キネマチックマウンティング装置(standard kinematic mounting apparatus)の使用を通して提供され得る。該入る角度を調整する多くの他の手段も使われ得ることを当業者は認識するであろう。上述の様に、殆ど等し
い光路長が得られるよう該サンプル及び基準ビームの光路距離(optical path distance)を近づくようマッチさせることが望ましい。又、実質的に同じ特性を有する基準及びサンプル路が提供されるようミラー、ビームスプリッター、他の様な光学的要素の数と種類をマッチさせることも望ましい。しかしながら、該室の環境条件から生じる吸収が支配的要因であるので、光路距離は該ビーム通路をマッチさせることでの最も重要な要因である。
【0079】
環境の吸収により表される挑戦を見ると、該デバイスの全体的路長を実際に出来るだけ短く減じることが望ましい。この設計パラメーターが最適化され得る程度への限界は、ソースの明るさ及び必要なスペクトル分解能を含むが、それらに限定されない、多数のシステム特性に左右される。更に、該計測器及び/又はサンプル室をパージするために要する安定化時間とパージガスの量を最小化するよう該計測器の容積を減じることは有利である。これらの特性の両者は、ガスの充分な混合が起こることを保証するように強制循環の導入と知的な機械的設計とにより或る程度影響されると期待され得る。
【0080】
該計測器の制御された環境はそれと共に多くの利点をもたらす。第1に、真空又は高純度パージ条件の使用は、酸化物成長(oxide growth)、炭化水素形成、湿気吸収等に導く起こり得る汚染物の消失を意味する。この考慮は益々重要になっているが、それは汚染過程を通して不注意に創られる膜の厚さに付随する寸法と今や比肩出来る及び/又はそれより小さい所の、より薄い層及びより小さい特徴部を、最先端のウエーハ処理技術が組み入れているからである。超薄層(ultra−thin layers)が含まれる応用では、測定精度の改良は、存在する汚染層(contamination layers)を除去するようオプションの脱離器ユニット(desorber unit)(図2参照)内でのサンプルの測定前処理(pre−measurement treatment)を通して実現されそうである。当該技術で公知の様に、この様な脱離器は熱的加熱(thermal heating)の使用により湿気と炭化水素の様な他の汚染物とを除去する。この能力は校正及び材料試験の精度の保証で鍵となる役割を演ずる。該制御される環境の更に進んだ利点は、該計測器内の温度と微粒子レベルが良く制御された時それが優れた測定安定性を提供することである。
【0081】
ここで説明した基準合わせ技術は従来の校正技術を超える利点を提供すること、そして該基準合わせ技術は校正技術と組み合わせて及び/又は校正技術の代わりに使われてもよいことは注意されてもよい。従来の校正技術では、(既知の反射率の様な)既知の特性を有する基準が測定用に提供される。該既知のサンプルからの測定値は次いで、未知のサンプルから取られた測定値から得られるデータの解析で役立つよう使われる。しかしながら、この様な校正技術は、もし校正が未知のサンプル上で全測定が行われる前に行われるなら、時間が掛かる(特に、各サンプルについて多数の測定が行われる場合)。加えて、校正自身が、校正サンプルの質がオーバータイム(overtime)で劣化することで誤差を導入する(例えば、校正サンプルが時間が経つと汚染されるので)。加えて、校正サンプルのサンプル室内へ及び該室からの移動は、データ解析の精度に影響する環境変化を更に導入する。ここに説明する基準合わせ技術は誤差の機械的導入無しに達成される。
【0082】
ここで提供される基準合わせ技術は、しかしながら、速くそして最小のシステム影響を伴うだけで行われる。かくして、例えば、基準測定はサンプルから集められる全ての測定の前に容易に得られる。かくして、サンプルデータ収集までに間近に間に合った実時間データ基準合わせは度量衡システムの条件を示すために得られてもよい。更にこの基準合わせデータはサンプルデータを調整するため使われてもよく、何故ならばシステムの吸収効果が検出されるからである。加えて、この基準データは標準サンプルに依存すること無しにそのシステムを真に特徴付ける。又この基準合わせデータは、他のシステム変化が起こっているので(すなわち、ソース出力の変化の様に)、サンプルデータを調整するため使用されてもよい。又該基準合わせ技術は、集められたデータをもっと充分特徴付けるために、従来の校正技術と組み合わされてもよい。かくして、システム校正は或る周期的ベースに基づいて(日に1回、週に1回、他)行われてもよく、そして該基準合わせ技術は、例えば、サンプル毎に1回又はサンプルから行われる全ての測定の前に、など著しくもっと頻繁に行われてもよい。
【0083】
校正、基準合わせそして測定のシーケンス1200に含まれる典型的過程の例が高レベルで図12で提供される。過程1202で示される様に、校正サンプルがサンプル室内に搭載(loaded)され、(吸収する種の様な)適当なシステム状態が確立される。次いで過程1204の様に、光学的反射率計システムを校正するために既知の校正サンプルについて測定が行われる。該システムはこの時に現実に校正されてもよく、或いは未知のサンプルで行われた測定値から与えられる何等かの最終データ結果を調整するために使用されるよう、該校正データが唯集められてもよい(次のソフトウエアアルゴリズムを通して実施される調整の様な)。該校正測定が行われた時の該反射率計システムの状態を特徴付け、記録するために、次いで過程1206により示される様に、基準チャンネルの測定値が得られる。示される様に、該基準合わせチャンネルの測定は該校正サンプルについての測定の後に行われるよう示されるが、しかしながら、該基準合わせ測定が該校正測定の前に行われてもよいことを注意しておく。但し、この様な測定が、校正時のシステム特性が決定されるように、時間的に比較的近く行われることが望ましい。
【0084】
次に過程1208に示す様に、分析されることが望まれる未知サンプルがサンプル室内に搭載され(吸収種に関する様な)適当なシステム状態が確立される。次いで過程1212で示す様に光学的反射率計測定値が該未知サンプルから得られる。次いで、該未知サンプルに関する測定が行われた時の該反射率計システムの状態を特徴付け、記録するために、過程1214に示す様に基準チャンネルの測定値が得られる。示される様に、該基準合わせチャンネルの測定値が該未知サンプルの測定の後に行われるよう示されているが、該基準合わせ測定が該未知サンプル測定の前に行われてもよいことをもう1度注意しておく。最後に、過程1216に示す様に、該サンプル測定の結果は、該システム校正測定の時と該サンプル測定の時とに行われた基準測定からの記録された情報を使って調整されてもよい。これらの調整は該システムの状態の変化で生ずる誤差を除くために行われる。かくして、この仕方で校正の時及び該未知サンプルの測定の時の吸収種の濃度の変化が織り込まれる(accounted for)。かくして、特に、路長差の様な他の変数が既知であるか又は精密に見積もられる場合に、該基準ビームは周囲環境濃度又は該濃度の差を特徴付けるのに役立つよう使われてもよい。下記で図14を参照して更に詳細に説明される様に、基準ビーム路とサンプルビーム路の間のゼロでない路長差の存在は吸収種濃度変動によりもたらされる修正の精度を限定するであろう。加えて、見なされる変化は更に、校正測定値の時と未知サンプル測定値の時の間に存在する該基準ビーム路とサンプルビーム路の間に共通の該システムの要素の変化を含む。例えば、ソース、共用光学機器、スペクトロメーター、検出器他の特性の変化に向けられる。この様な変化は、経年/寿命的変動(age/lifetime variations)、温度変動(temperature variations)、機械的変動、他の結果であってもよい。
【0085】
校正、基準合わせそして測定のシーケンス1200に含まれる典型的過程のもっと詳細な例が図12aのフローチャートで提供される。過程1205に示される様に、既知の反射率を有する校正サンプルが測定用の場所(サンプル室内の様な)に搭載され、次いで吸収種の適切に低い環境濃度を確立するためにパージ作用及び/又は真空ポンプ引きが行われる。次いで過程1210に示す様に、校正サンプルの輝度(intensity)を記録するために光学的反射率計測定値が該校正サンプルから得られる。この様なデータはプロセサー又は他の計算システムにより保存されてもよい。次に過程1215に示す様にソース輝度プロフアイルが計算される。過程1220は時刻t1に基準チャンネルの輝度の記録することを含む。前に記録され計算されたデータを使って、次いで基準反射率が過程1225で示される様に計算される。
【0086】
次に過程1230に示す様に、未知サンプルが該システムに搭載され、吸収種の適当な濃度が再び得られる。もう1つの基準測定値が次いで記録され、過程1235で示す様に保存されるが、そこでは該基準チャンネルの輝度が時刻t2について記録される。次いで該ソース輝度プロフアイルが過程1235からのデータを使って過程1240で再び計算される。該ソース輝度プロフアイルは過程1245で示す様に書き直されてもよい。次いで過程1250で示される様に該未知サンプルの輝度が記録され、そして過程1255で示す様に該サンプル反射率を計算することが出来る。該サンプル反射率は過程1260と1265の書き直された式を使って計算されてもよい。過程1265の式の指数関数項は1つの室の中の2つのビーム(サンプル及び基準)の場合用に書き直されたことを注意しておく。2つの室のもっと複雑な場合は、それは2つの指数関数成分、1つは第1室内の差を特徴付け、第2は第2室内の差を特徴付けるが、それらを含むよう拡張されるだろう。
【0087】
次いで追加の測定が同じ未知サンプル又はもう1つの未知サンプルについて行われてもよい。この様な追加の基準用には、校正サンプルのもう1つの搭載と測定がこの様な測定の各々用には行われなくてもよく、寧ろ該校正データは再使用のために記憶されてもよいのであり、そして該基準合わせと未知サンプル過程が再び行われる必要がある。なおもう1つの実施例では、該基準合わせ過程のデータも、追加の基準合わせが全追加未知サンプル測定用に行われないよう、再使用されてもよい。かくして、ここで説明された該基準合わせ技術は、該基準合わせ技術の利点の少なくとも幾つかをなお得ながら、広い種類の仕方で使われてもよいことが認識されるだろう。
【0088】
図12aの過程1255−1265で指示する様に、路長及び濃度の差の依存性は明らかに示されている。又過程1265で示す様に、路長差(Lsample−Lreference)がゼロに向かって減少する時、指数関数的な依存項により引き起こされる誤差が減じられるが、それは該差がゼロに近づくと、指数関数項は1(unity)に近づくからである。これは濃度の差(N2−N1)から独立に起こることを注意しておく。該図で図解される典型的過程に加えて、光無しで行われる背景測定値(すなわち、サンプル及び基準の両シャッターが閉じた測定)が記録され、全ての続く測定値から引き算されることが気付かれる。該測定器で使われた検出器が冷却と温度制御とを共に行われた事実の性質により、この様な検出器構成に組み合わされる背景のレベルは低く、非常に安定していると期待されるので、この様な背景測定が規則的に行われる必要は無さそうである。
【0089】
ここで開示した光学的度量衡システムの利点が上記説明の基準合わせ技術の使用を要することなく得られてもよいことは認識されるであろう。かくして、ここで開示したシステムと技術は該基準合わせ技術から独立して又は該基準合わせ技術と組み合わせて実施されてもよい。更にここで提供される該基準合わせ技術が、ここで開示されたそれらと異なる光学的度量衡システムと共に、又は異なる波長で動作するシステムと共に、使われてもよい。ここで開示された該基準合わせ技術と光学的度量衡システムは、しかしながら、組み合わせて使われる時特に有利である。
【0090】
図12及び12aに示されないが、該データ取得過程中に追加の修正過程を行うことは、可成りのレベルの迷光(stray−light)がある状況でも有用である。迷光は、該システムのビーム路内の光学的面での散乱プロセス(scattering processes)を通して発生される光を称する。この様な光の存在は究極的に検出器により記録される偽りのカウントに帰着し得る(すなわち、λ0に対応する画素上に入射するλ0の他の波長の光)。ここで説明される該VUV装置が該デバイス内の迷光の発生を可成り減ずるためにその様に設計されてあるが、或る環境ではこの現象を修正することがなお有利である。
【0091】
該システム内の迷光を修正する1つのアプローチは該計測器のスペクトル範囲より下{すなわち、該デバイスの下方波長カットオフ(lower wavelength cutoff)より下}の光を記録するよう企てることを含む。この領域より下で記録されるどんな信号も、定義により、存在すべきでなく、代わりに、散乱プロセスを通して創られたと仮定される。この様な信号の輝度を波長の関数として理解するに伴って、“真の”信号が同時に記録されつつある計測器のスペクトル範囲内のより長い波長領域から、適当な“迷光”寄与を引き算することは可能である。
【0092】
ここで開示した概念はVUV光学的反射率計度量衡ツールを提供する。該ツールの設計は簡単で強固(robust)であり、VUV波長で動作することを容易にする。更に、該ツールは偏光解析技術(ellipsometry techniques)に付随する問題の多くを回避する。例えば、ここで開示されたツールと技術は偏波要素無しで使用されてもよい。偏光解析法では、サンプルの表面から反射される光の偏波状態の変化が測定される。典型的偏光解析技術は少なくとも2つの偏波要素を使う(1つはサンプルの前の光路に、1つはサンプルの後の光路に)。この様な技術は、多数の偏波角度のデータを集める性質のため時間が掛かる。加えて、偏波要素は一般的に吸収性(absorbing)であり、かくしてそれらを低波長測定用に、特に約140nm以下の該VUV領域での測定用としては不適当にする。かくして、ここに説明したシステムと技術(偏波要素無しで使われてもよい)はローエンドVUV領域(又はより低い)である波長での使用に特に有利である。又偏波要素の該吸収性の性質は測定値を得るために充分な光を集めるのに必要な時間を増加させる。
【0093】
かくして、偏波から独立した測定が得られる様な非偏波光路を有し、ここに開示した技術を使う反射率計ツールを提供することは望ましい。ここに示した偏波から独立の技術は位相から独立した反射性振幅測定(reflectivity amplitude measurement)を提供する。ここで説明した反射率計ツールは典型的に、光路が、波長がその点で空間的に分離される回折格子に当たるまで、該光路内に多数の波長を含む。偏光解析技術は従来該光路内の或る点で光源を1つの波長にフイルターする過程を有する。ここで説明した該技術とツールの少なくとも幾つかは偏波反射率計測法(polarized reflectometry)として知られた応用に有用である。この様な応用は、2つの可能な偏波状態の1つで反射性振幅データ(reflectivity amplitude data)の収集を可能にするために該サンプルの前又は後の何れかに配置された1つの偏波要素を使うのが典型的である。
【0094】
ここで開示したツールと技術は又、サンプルに対し光学的ビームに求められるより小さな入射角のために、偏光解析装置の技術(ellipsometer techiniques)に比較して有利である。かくして、例えば、図11aに関連して示す様に、70°の桁での入射角を使うことが多い偏光解析装置の技術に相対してここで開示された技術を使って、10°以下の、そして4°以下の、入射角φでさえも可能である。これは、度量衡ツールの足跡(footprint)がより小さく、該度量衡ツールのプロセスツールとの一体化もより簡単なので有利である。例えば、多数の結合機構を要するのに相対して1つの結合機構の使用によりここに開示した度量衡ツールをプロセスツールと一体化することが可能である。
【0095】
一旦スペクトル反射率データ(spectral reflectance data)が該検出器により記録されると、それは図1に描かれるプロセサーユニットへ送られるが、そこでは次いでそれは解析アルゴリズムを介して還元(reduced)される。これらのアルゴリズムは一般的に、例えば、反射率(reflectance)の様な光学的データを、次いで測定及び/又はモニターされ得る該サンプルの他の特性に関係付ける。もし該サンプルが基盤1510上の薄膜1505(又は薄膜のスタック)から成るならば、該状況は図15に於ける様に描かれ得て、付随するサンプル特性は例えば、膜厚さ、複素屈折率、組成、多孔率そして表面又はインターフエース粗さを含むが、それらに限定されない、様な量を含んでもよい。
【0096】
データ還元は一般的に該サンプルを含む材料又は複数材料の光学的特性を説明するために1つ以上のモデルと組み合わせた或る形のフレーネル方程式(Fresnel equations)を使って達成される。含まれる材料の性質に依り、種々の適用度を有して多数のこの様なモデルが存在する。頻繁に使われるモデルは、実効的中央値近似(effective median approximation)(EMA)とその変型が“調波発信器(harmonic oscillator)”と普通称されるものと、を含むが、それらに限定されない。該データセットの還元で使われる特定のモデルと関係無く、より大きな目標は一般的に、該サンプルの特性(上記で論じられた)に関する或るパラメーターが繰り返し最適化過程を通して得られ得るよう該測定されたデータを説明する正当な数学的表現(valid mathematical expression)を使うことである。すなわち、該測定されたデータセットは該サンプルの性質に関するパラメーターのセットに依る表現を使って計算されたものと比較される。測定されたデータセットと計算されたものとの間の食い違いは、該2つのデータセットの間の適当な合致が達成される回数まで該パラメーターの値を繰り返し調整することにより最小化される。この食い違いは通常“適合の良さ(goodness of fit)”パラメーターの用語で定量化される。
【0097】
多くの材料は、深紫外線(DUV)及び可視領域のより長い波長に於けるよりもそれらの特性のVUV領域で著しく多くの構造を表すので、特にデータ還元過程に関する時、ここで説明される該VUV装置により与えられる拡張されたデータ範囲に付随して可成りの利点がある。この点が図16と図17で提供される例を通して図解される。図16の2つの曲線はシリコン基盤上に蒸着された薄い(〜50オングストローム)酸化アルミニウム(AL2O3)層の測定された反射率スペクトル1610(実線)と計算された反射率スペクトル1620(点線)を表す。該計算された結果は上記で概説したデータ還元方法を使って得られた。明らかな様に、測定された及び計算されたスペクトルの間に優れた合致が得られ、それは取得された結果の高度な信頼度を提供する。
【0098】
該Al2O3層について得られたn及びk値(複素屈折率のそれぞれ実数及び虚数部の値)が図17で表される。該nとkのスペクトルに付随する主なピークが排他的に該VUV内のより短い波長に定在するので、n値のプロット1710とk値のプロット1720から明らかな様に、該DUV及び可視領域での光学的特性は構造を規定する方法では示すところは少ない。該適合アルゴリズム内のパラメーターはこれらのピークの(とりわけ)位置、振幅及び幅に固有に関係しているので、この様なパラメーターの精密な決定は関心のある波長範囲に亘り現実の測定されたデータを該適合ルーチンに提供することにより大いに助けられることになる。換言すれば、多くの材料の光学的特性は該VUVで(そして該DUV又は可視領域ではなく)それらの規定する構造の大多数を表す傾向があるので、この様な特性を精密に決定しようと企てる時このスペクトル領域の測定されたデータを使用することは大いに望ましい。図18は半導体プロセス環境で非常に薄い層を識別し、測定するためにここで開示された該VUV技術が如何に使われるかを図解する。右側のy軸に対応する、図中の第1曲線1810はブランクマスク基盤上の残留ホトレジストの超薄(5オングストローム)層に付随する反射率信号を表す。左側のy軸に対応する第2曲線1820は残留ホトレジストの前記層の膜厚さでの1オングストロームの増加に付随する差信号を表す。該差信号の最大変化はより短いVUV波長で表れ、該波長が該DUVのよ
り長い波長に近づくと該差信号はゼロに向かうことは明らかである。図19は該開示された方法が超薄層の厚さを測定又はモニターするため如何に使われるかの更に進んだ例を提供する。該図中には3つの曲線があり、シリコン基盤上に蒸着されたオキシ窒化ケイ素(silicon oxy−nitride)(SiON)の薄い10オングストローム層(曲線1810)、薄い14オングストローム層(曲線1820)そして薄い18オングストローム層(曲線1830)から成るサンプルから記録された反射率スペクトルに対応する。明らかな様に、該スペクトル間の差は再びより短いVUV波長で最大であり、そして、この場合、より長いDUV波長では本質的に存在しない。これはそれが半導体プロセス制御に関係する時、益々重要な側面であり、何故ならば該半導体工業は益々より薄い層を半導体デバイス内に組み入れるよう絶えず働いているからである。
【0099】
この点は、SiO0.87N0.13層用の(公称10オングストローム層に対する)反射率変化を(13%窒素を有する公称10オングストローム層に対する)膜厚さの関数として表す図20を調べる時益々強調される。該グラフから明らかな様に、膜厚さの与えられた変化についての130nm(プロット2010)での反射率変化は今度は157nm(プロット2020)か又は193nm(プロット2030)か何れかで期待されるそれらより大きい。事実、130nmに於けるVUVの変化は193nmに於いて該DUVで示されるそれらより約7倍大きい。図21と図22はここで説明された該VUV技術が材料又は膜の組成をモニターするため如何に使われるかを一般的に図解する。図21は10%から15%の範囲の濃度でSi上に蒸着された6層の16オングストローム厚さのSiON層のシリースについての反射率スペクトルを表す。明らかな様に、領域2110は該SiON膜の組成の変化に対し最高の感度の領域であり、約130nmに中央がある。この点は(公称10オングストローム層に対する)膜厚さの関数としてSiON層の(10%窒素を有する公称16オングストロームSiON層に対する)反射率変化を表す図22の検討に従って更に強調される。該グラフから明らかな様に、膜厚さの与えられた変化についての130nm(プロット2210)での反射率変化は今度は157nm(プロット2220)か又は193nm(プロット2230)か何れかで期待されるそれらより大きい。
【0100】
ここで提示される該VUV方法の使用により与えられる利点の更に進んだ例として、窒素の不均一分布(膜厚さの関数として)を示すSiON膜の組成の決定が考えられる。図22aは1e15窒素原子/cm2の線量に供される20オングストロームSiO2膜の4つの窒素分布のシリーズを提示する。該窒素原子%は膜深さ(周囲/膜のインターフエースから測られたとして)の関数としてプロットされる。同じ数の窒素原子が該4つのサンプルの各々内に含まれるが、それらの原子の分布は可成り異なる。1つの場合、窒素は該層の厚さを通して均一に分散され(プロット2240)、もう1つではそれはそれが該膜深さの中間(middle)に中心合わせされた広いガウス分布(broad Gaussian distribution)を示すよう組み入れられ(プロット2250)、なおもう1つではそれは底部の大きいガウス分布(bottom heavy Gaussian distribution)を示し(プロット2260)そして最後の場合それは指数関数的に減衰する分布を示す(プロット2270)。
【0101】
図22bは該広い中心合わせされたガウス分布(プロット2251)、底部の大きいガウス分布(プロット2261)そして指数関数的に減衰する(プロット2271)分布を表すサンプルに付随する反射率差信号を示す。該反射率差信号は正規分布するサンプルに付随する反射率信号を他の3つのそれから引き算することにより得られる。明らかな様に、不均一に分布するサンプルは全て可成りのそして明らかに区別される反射率差信号を該スペクトルのVUV領域内で示す、一方同時により長い波長では差が少ししか、又は全く、ないことを示す。この図はここで開示された該VUV技術が非常に薄い層の組成プロフアイルを測定及び/又はモニターするために如何に使われ得るかを更に図解するよう作用する。
【0102】
図17−22bの例示の層はAl2O3、ホトレジストそしてSiONのそれらであるが、シリコンウエーハ及びホトマスクブランク(photo mask blanks)を含むが、それらに限定されない、種々の基盤上に蒸着(deposited)された、他の材料の層と膜のスタックが同様の流儀で測定されてもよいことは認識されるであろう。
【0103】
VUV波長により与えられるもう1つの利点は2つ以上の層から成る或る膜スタックを測定する時実現される。スタック内の膜の数が増えると、同様に該数のパラメーターが一般に最適化ルーチン(optimization routine)で探される。パラメーターの数が増えるとパラメーター間に相関が存在する尤度(likelihood)もそうなる。或る環境では、これは測定結果の不精密さ又は不安定さに寄与する。或る状況では、知的重み付け関数(intelligent weighting function)を組み込むことを通して該VUV内の光学的データを探す使用法により、その問題を簡単化し、そして従って該最適化ルーチン内で探すパラメーターの数を減じることが可能である。
【0104】
この関数は、ここで“動的重み付け関数(dynamic weighting function)”と称されるが、最適化過程中で、探し出されるパラメーターのセットの決定へのそれらの期待される寄与に依って、より多い又はより少ない強調を、ダイナミックに、特定のデータに帰する過程を有する。この様なアプローチでは、該期待された寄与は、サンプルの期待された構成(すなわち、該サンプルを含む層の厚さ及び組成)に基づいてダイナミックに見積もられ、繰り返しベースで更新される。例えば、図23に示す様に、シリコン基盤2340上に蒸着された二酸化ケイ素(SiO2)層2310と窒化ケイ素(SiN)層2320から成る2層膜スタックを測定する時、該頂部SiO2膜の厚さの探索中該VUV内のデータ点により多くの強調を課すことが有利となる。これはSiNが約1000オングストロームより大きい厚さではVUV光子に対し事実上不透明である事実から来る。かくして図23に示す様に、該SiN−基盤インターフエースからの反射率2350はDUV波長で行われる測定には存在するが、VUV波長で行われる測定には存在しない。従って、下にあるSiN層の厚さは、もしDUV及びより長い波長データが無視されれば、最適化過程中本質的に無視され得る。この点は図24及び図25の検討時更に図解される。図24は3つのSiO2/SiN/Siサンプルからの反射率データを表す。該SiN層厚さは該サンプル内で1000オングストローム(プロット2410)から、2000オングストローム(プロット2420)、3000オングストローム(プロット2430)へと変わるが、SiO2層厚さは10オングストロームに固定された儘である。明らかな様に、該3つのサンプルからの反射率スペクトルは該DUV領域では顕著に異なるが、VUV波長ではなお事実上同一である。これはVUV光子は該SiN層を貫通せず、代わりにSiN基盤上に蒸着されたSiO2の10オングストロームから成るサンプルを“見ている(see)”事実から来る。該VUVを強く強調し、それにより該DUVとより長い波長データを著しく軽視する(strongly de−emphasizes)重み付け関数を適用することは該最適化ルーチンにより探し出されるパラメーターセットを減じるが、それは該結果がその時該SiN層厚さに鈍感であるからである。このアプローチは存在する該SiO2及びSiN層についての厚さパラメーター間の何等かの相関を減じるか又は一緒に除去し、それにより該測定結果の精度と再現性(repeatability)を増すよう作用する。加えて、このアプローチは従来の方法を使って可能なより可成り短い時間での解の収斂に帰着するのが一般的である。
【0105】
この様なダイナミック重み付け関数の利点の更に進んだ証拠は、又3つのSiO2/SiN/Siサンプルからの反射率スペクトルを表す図25で提供される。この場合、該S
iN層厚さは該サンプル間で1000オングストロームに固定されるが、該SiO2層厚さは0オングストローム(プロット2510)から10オングストローム(プロット2520)、20オングストローム(プロット2530)へと変わる。見られる様に、スペクトルは該VUV領域では明らかな差を示すが、該DUVでは事実上同一に見える。かくして、ここで説明されたツールと技術の吸収効果に対する感度のために、測定される薄膜内のより短い波長の吸収が有利に利用される。更に、予想されるサンプル特性の粗い見積もりが既知である(例えば、下にあるSiN膜厚さの粗い見積もり)状況では、或る波長領域での反射率データに大きな重要性(又はダイナミック重み付け)が置かれる。
【0106】
図23,図24そして図25の例示的サンプルはSiO2/SiN/Siから成るが、ダイナミック重み付け関数のアプローチは2つより多い層を有し、異なる材料から成るサンプルを測定及び/又はモニターするため使われ得ることは明らかである。
【0107】
該ダイナミック重み付け関数は又繰り返しデータ適合過程と連携して使われてもよい。例えば、図23−25に関連して上記で説明されたSiO2/SiN/Si層から集められたデータについて、該層の各々の厚さを決定するよう企てるために繰り返し過程が使われ得る。その適合ルーチンの各繰り返し中に、該計算及び測定データセット間の差は各波長で数学的に比較され、該適合ルーチンのパラメーターの値(この場合該膜厚さ)でもたらされる変化が前の繰り返しで得られたパラメーター値を上回る改良であるかどうかを決定するため使われる。サンプルの近似的性質を斟酌する重み付け係数を含むことは有利である。例えば、図25のデータは〜180nmより上の波長が頂部SiO2層の厚さについての情報を有しないことを明らかに表している。従来のデータ適合方法はこの事実を無視し、この厚さを探し出す時全ての測定波長で測定と計算のデータを比較しようと企てる。結果として、比較される大抵の波長(180nmより大きいもの)は結果内に不確実性を増やすのみであるが、それはそれらが重み付けされた比較関数の有意部分(significant portion)を表すからである。ダイナミック重み付け関数アプローチを使うと、問題は、有用な情報を含むと合理的に期待され得る測定データのみが該重み付け比較関数内に含まれるように、分解される。該方法は(測定データが考えられるべき)意志決定過程(decision making process)が各反復(iteration)の後に繰り返され(repeated)得るのでダイナミックである。
【0108】
パターン化されたサンプルが含まれる時は、追加の理論的構造(theoretical construct)が、該測定用光子と周期的でパターン化された特徴部との間の相互作用の結果として起こる、光散乱(light scattering)を適切に説明するため発動(invoked)されるのが典型的である。この様な光散乱が図26に関連して示される。図26はパターン化された基盤2610と、入射ビーム2640から生ずる反射ビーム2620と回折ビーム2630と、を図解する。この形の非画像形成的で光学的な寸法度量衡(non−imaging optical dimensional metrology)は散乱計測法(scatterometry)として知られ、データ還元過程時或る形の“厳密結合波解析(rigorous coupled wave analysis)”(RCWA)の使用を普通含んでいる。この技術はパターン化されたサンプルから光散乱の感度を引き出し、この様なものから適当な数学的表現の使用を通して記録された光学的信号に、該サンプルを含む特徴部の寸法を関係付ける。換言すれば、散乱計測法はパターン化された特徴部の寸法が、パターン化された特徴部を含むサンプルから散乱又は回折された光を説明することにより決定されることを可能にする。
【0109】
このアプローチを使ってパターン化された基盤2700上で測定及び/又はモニターされる例示的量の例が図27にグラフ式に描かれ、該例は重要寸法(ライン幅)2710,側壁角度(sidewall angles)2720,トレンチ深さ(trench
depths)(又はライン高さ)2730、トレンチ幅2740そして膜厚さ2750を含むが、それらに限定されない。これらの量は薄膜のスタック及び/又は構造体内で測定及び/又はモニターされる多くのこの様な量の選択された数を表すことは理解される。この性質のパターン化された薄膜サンプルは半導体デバイス及び記憶媒体を含む多くの範囲で見出される。
【0110】
光散乱物理学の見方が明らかにする様に、該VUVのそれらの様な短い波長の光子は、長い波長の光子よりも、前者により与えられる増加する感度のために、パターン化された特徴部のより小さな重要寸法を測定又はモニターするのに本質的により良く適合している。事実、先端半導体デバイスを含む多くの重要寸法度量衡応用について、短い波長のVUV光子を使ってのみ測定が可能であることが分かる。この点は下記で提供される例を通して更に図解されるだろう。
【0111】
図28はライン幅決定に関する例示的VUV測定を図解する。図中の右側のy軸に対応する第1曲線2810は130nmのピッチを有する65nmラインアレイから得られた反射信号を表す。すなわち、65nm間隔で分離された65nm幅ラインを表すよう造られたラインアレイ。図28で、左側のy軸に対応する第2曲線2820は66nmと65nmラインアレイの間で反射された信号の差を表す。すなわち、この曲線は、65nm幅のラインと間隔を表すラインアレイのライン幅の1nm増加に付随する差信号を表す。該図から明らかな様に、該差信号の特異で有意な変化はラインアレイのピッチに対応する波長で及びそれより下でのみ期待される(65nmライン幅+65nm間隔幅=130nmピッチ)。従って、ここで説明されるアプローチを使ってこの様な構造体のライン幅を測定又はモニターするためには、測定される波長の範囲は該ピッチ波長の又はそれより下のそれらを含むことが必要である。
【0112】
図29はピッチ決定に関する例示的VUV測定を図解する。図中の3曲線は63nm(曲線2910)、65nm(曲線2920)そして67nm(曲線2930)ライン及び間隔から成るラインアレイから期待される反射率信号を表す。すなわち、該データは等しいライン幅と間隔幅を有するが、126nm、130nmそして134nmのピッチを有するラインアレイからの信号を表す。図から明らかな様に、該3つのスペクトルの変化は、直ちに、該ラインアレイピッチに対応する波長に於いて及びそれより下のスペクトル領域で顕著に明らかである(再びこの例での130nm近くで)。
【0113】
図30はここで説明された該VUV技術と装置がラインアレイを含むラインの高さの変化を測定又はモニターするため如何に使用出来るかを図解する。2つの曲線が該図中に示される。左側のy軸に対応する第1曲線3010は65nmのライン及び間隔を有するラインアレイからの期待される反射率信号を表し、そこではライン高さは1000オングストロームである。右側のy軸に対応する第2曲線3020は同じこの様なラインアレイのライン高さの10オングストローム増加に付随する差信号を表す。明らかな様に、ライン高さの変化は、前に提示されたラインの幅及びピッチに於ける場合を通して導入された変化とは顕著に特異なスペクトル信号をもたらす(参考に、図29と図30参照)。すなわち、ライン高さの変化から生ずる最小の差信号を表すスペクトル領域は、事実上、ライン幅及びピッチの変化から生ずる最大の差信号を表す同じスペクトル領域である。
【0114】
半導体プロセス制御度量衡の分野でのここに説明した該VUV技術及び装置の応用は数多くもあり、広く及んでもいる。一般に、ここで提供されたVUV反射率計技術は与えられた波長でデータを示された反射率の大きさを提供することが示された。更に、これらの測定の感度は種々のプロセス変数を示すデータを提供する半導体製造プロセスデータに意味深く関係する。この仕方で、ここで提供されたシステムと技術はプロセス制御とプロセス特徴付け応用で使用されてもよい。選択された数のこの様な場合の特定例が提示される
が、しかしながら、当業者はこれらの方法が更に多くの他の状況でも応用出来ることを認識するであろう。
【0115】
ここで説明された技術は度量衡応用品用に使われるオフラインでスタンドアロンの度量衡機器に組み入れられてもよい。しかしながら、それらは比較的速くそして繰り返して、測定結果を生み出す比較的複雑さの少ないハードウエア解決策で実現されるので、ここで説明される技術は広範な種類の半導体プロセスツールの何れかへの組み入れにも特に好適である。かくして、例えば、ここで説明された該VUV技術は、インラインの測定、モニタリングそして制御が有利に得られるように、蒸着、エッチング、フオトリゾグラフイー、他に用いられるツールに直接組み入れられてもよい。
【0116】
上記説明の機器、部品、材料、そして技術は波長の広帯域範囲を使うシステム内で使われてもよい。例えば、VUV波長を含む反射率計は少なくとも1つの他のスペクトル領域で動作するよう構成されてもよい。かくして、図1−30に関連して上記で説明されたシステムと技術の全て又は部分は広帯域システム及び技術と連携して使われてもよい。図31−39及び付随する下記の本文は上記で説明した機器、部品、材料、そして技術と連携して使われてもよい種々の広帯域システム及び技術を説明する。
【0117】
広帯域システム3100の1実施例の簡単な表現が図31で提示される。動作時、3つのソース3102,3104そして3106の1つからの光が選択され、光学的モジュール3108により導かれ、サンプル3110の面上に焦点合わせされる。該サンプルから反射されると、該光は再び集められ、該光学的モジュール3108により選択された3つの検出器3112,3114,そして3118の1つへ導かれる。或る状況(circumstances)では、該光学的モジュールは又該ソース、サンプル室3120そして検出器の間に制御された環境を提供する。加えて、或る場合は、該光学的モジュールは、集められたデータが基準合わせされる手段を提供することによりシステム性能を改良するよう作用する。該光学的モジュールはプロセサー3122により制御されるが、該プロセサーは又該検出器により記録されたデータを解析するため使われてもよい。
【0118】
図32は、VUV及びDUV−NIRの両者で基準合わせされた広帯域反射率データを集めるよう構成された本発明の実施例3200を表す。動作時これらの2つのスペクトル領域からの光は直列の仕方で得られる。すなわち、該VUVからの反射率データが最初に得られ、基準合わせされ、それに続いて該DUB−NIR領域からの反射率データが集められ、基準合わせされる。一旦両データセットが記録されると、それらは1つの広帯域スペクトルを形成するよう一緒になるよう継ぎ合わされる(spliced)。
【0119】
該計測器は2つの環境的に制御された室、計測器室3202及びサンプル室3204に分けられる。該計測器室3202は大抵の該システム光学機器を収容し、規則的ベースでは大気に開放されない。該サンプル室3204はサンプル3206と基準光学的ミラーM−5とを収容し、サンプルを替えるのを容易にするために規則的に開かれる。
【0120】
動作時該VUVデータは、該VUVソース3201からの光が集められ、コリメートされそして焦点合わせミラーM−1によりビームスプリッター要素BSの方へ向け直されることを可能にするよう、フリップインソースミラーFM−1を“アウト(out)”位置へスイッチすることにより、最初に得られる。該ビームスプリッターを打つ光はバランスを取られたマイケルソン干渉計配備を使って、2つの成分、サンプルビーム3210と基準ビーム3212,に分けられる。サンプルビームは該ビームスプリッターBSから反射されシャッターS−1を通過する。この間シャッターS−2は閉じている。該サンプルビームは続いて補償器プレート(compensator plate)CPを通り、焦点合わせミラーM−2を経由して窓W−1を通りサンプル室へ向け直され、その中へ焦点合わせされる。該補償器プレートが含まれるのは、該サンプルチャンネル内を進む光が該ビームスプリッター基盤を1回だけしか通過せず、一方該基準チャンネル内を進む光はビームスプリッターの動作の性質により該ビームスプリッター基盤を3回通過する事実、から生ずるサンプル及び基準路間で起こる位相差を除くためである。従って、該補償器プレートは該ビームスプリッターと同じ材料で作られ、同じ厚さである。これは該サンプルチャンネルを通過する光も同じ合計厚さのビームスプリッター基盤材料を通過することを保証する。窓W−1は上記説明のシステム内で高い光学的スループットを維持するためにVUV波長に対し充分透明な材料で作られる。
【0121】
サンプル室3204に入る光はサンプル3206を打ち、戻ってW−1を通るよう反射されるが、そこでは該光は集められ、コリメートされそしてミラーM−2により向け直される。ミラーM−2からの光は補償器プレートCP、シャッターS−1そしてビームスプリッターBSを通過するが、該ビームスプリッターでは該光はフリップイン検出器ミラーFM−2(FM−1と同じ時刻に“アウト”位置にスイッチされている)により妨げられずに進むが、該フリップイン検出器ミラーでは該光は向け直され、焦点合わせミラーM−3により該VUVスペクトロメーター3214の入射スリット上に焦点合わせされる。この点で、該サンプルビームからの光は該VUVスペクトロメーターにより分散され、その付随する検出器により取得される。
【0122】
サンプルビーム3210の収集に続いて、基準ビーム3212が測定される。これはシャッターS−1を閉じ、シャッターS−2を開くことにより達成される。これは該基準ビーム3212がビームスプリッターBSとシャッターS−2を通過することを可能にするが、そこでは該ビームは向け直され、焦点合わせミラーM−4を経由して窓W−2を通り該サンプル室内へ焦点合わせされる。窓W−2は、上記説明のシステム内の高い光学的スループットを維持するようVUV波長に対し充分透明な材料で作られる。
【0123】
一旦該サンプル室3204内部に入ると、光は平面基準ミラーM−5の面から反射され、ミラーM−4の方へ戻るよう反射されるが、該ミラーM−4では該光は集められ、コリメートされ、ビームスプリッターBSの方へ向け直される。光は次いでビームスプリッターBSによりミラーM−3の方へ反射されが、M−3では該光は向け直され、該VUVスペクトロメーター3214の入射スリット上に焦点合わせされる。
【0124】
一旦該サンプル及び基準の両ビームが集められると、プロセサー(示されてない)が該基準合わせされたVUV反射率スペクトルを計算するよう使われる。
【0125】
該VUVデータセットの測定に続いて、該DUV−NIRデータが、ソース及び検出器の両フリップインミラー、それぞれFM−1とFM−2を、“イン(in)”位置にスイッチすることにより、得られる。結果として、該VUVソース3201からの光は阻止され、該DUV−NIRソース3203からの光は、それが集められ、コリメートされそして焦点合わせミラーM−6により向け直された後、窓W−3を通過することが出来る。同様に、フリップインミラーFM−2を“イン”位置にスイッチすることはサンプルビーム3210(シャッターS−1が開き、シャッターS−2が閉じている時)及び基準ビーム3212(シャッターS−2が開き、シャッターS−1が閉じている時)からの光を窓W−4を通してミラーM−7上へ向けるが、該ミラーM−7は該光を該DUV−NIRスペクトロメーター3216の入射スリット上へ焦点合わせし、該スペクトロメーターでは該光は分散され、その検出器により集められる。適当なDUV−NIRスペクトロメーターと検出器は今日の市場ではありふれたものである。特に良くマッチされた組み合わせはフランスのジョバンイボン(Jobin Yvon of France)により製造されている。そのブイエス−70(VS−70)は回転ミラーを使わない高度に効率的(f/2)な光学的設計を組み合わせている。この計測器は小さな物理的足跡を有し順序並べ替えフイルター(order sorting filter)を組み込み、線形CCDか又はPDA検出器か何れかと共に使用され得る。
【0126】
該システム内で使われるフリップインミラーはそれらが、ビーム方向性の誤差に付随する光学的スループットの損失を最小化するために速くそして繰り返し可能な方式で位置をスイッチ出来るよう設計される。特に好適な、モーター駆動されるフリップインミラーは米国のニューフオーカス(New Focus of the United States)により製造される。僅かに修正された実施例では、これらのミラーは共にビームスプリッター/シャッター対により置き換えられ得るが、しかしながら、これにはVUV信号強さの望ましくない損失が伴うだろう。
【0127】
一旦該サンプル及び基準両ビームが得られると、プロセサーが基準合わせされたDUV−NIR反射率スペクトルを計算するため使われる。この仕方で、基準合わせされた反射率データが該VUV及びDUV−NIRスペクトル領域で直列に得られる。高次の回折成分による障害を避けるために該VUV及びDUV−NIR両スペクトロメーターは必要な並べ替えフイルターを装備する必要があることを注意しておく。
【0128】
真空適合性(vacuum compatible)部品はそれらの標準的相手(standard counterpart)よりも設計が複雑で製造するのに高価なのが典型的なので、VUV動作に決定的に重要ではないシステム要素は制御された環境の外側に設置されることになる。従って、該DUV−NIRソース3203とスペクトロメーター/検出器3216は該制御された環境の外側に設置される。この様な配置はしかしながら要求はされない。
【0129】
本発明のこの実施例の動作に付随する直列収集過程を抄録するフローチャート3300が図33で表される。特に、過程3302に示す様に、該システムは最初にフリップインソース(FM−1)及び検出器(FM−2)ミラーを“アウト”位置にスイッチすることによりVUVスペクトル領域の収集をイネーブルにする(enables collection)。次いで過程3304で、該システムはシャッターS−1を開くことによりVUVサンプルチャンネルデータ取得をスタートする。更に、過程3306で、VUVサンプルチャンネルデータ取得がシャッターS−1を閉じることにより停止される。次いで過程3308で、VUV基準チャンネルデータ取得がシャッターS−2を開くことによりスタートされる。次に過程3310で、VUV基準チャンネルデータ取得がシャッターS−2を閉じることにより停止される。更に過程3312で、該VUV反射率スペクトルが計算される。次いで、過程3314で、該DUV−NIRスペクトル領域の収集がフリップインソース(FM−1)及び検出器(FM−2)ミラーを“イン”位置にスイッチすることによりイネーブルにされる。次に、過程3316で、該DUN−NIRサンプルチャンネルデータ取得がシャッターS−1を開くことによりスタートされる。次いで過程3318でDUV−NIRサンプルチャンネルデータ取得がシャッターS−1を閉じることにより停止される。次いで過程3320で該DUV−NIR基準チャンネルデータ取得がシャッターS−2を開くことによりスタートされる。次に過程3322でDUV−NIR基準チャンネルデータ取得がシャッターS−2を閉じることにより停止される。更に過程3324で、DUV−NIR反射率スペクトルが計算される。次いで過程3326で、1つの広帯域反射率スペクトルを得るためにVUV及びDUV−NIRスペクトル領域からのデータが一緒に継ぎ合わされる。
【0130】
本発明のこの実施例により与えられる多くの利点がある。例えば、該システムは効率的で精密なVUV性能用に最適化された。とりわけ、これは、該VUV光子により横断される光路を有する環境が、酸素及び湿気の様な吸収する種の濃度が適当な光学的スループットを可能にするに充分な低いレベルに保持されるように、制御されることを要求する。こ
れは上記で詳細に説明された種々の方法で達成される。この様な技術は要求されるシステム性能のレベルにより、非吸収性ガスで及び/又は真空システムを介した排気により該環境をパージすることを含む。
【0131】
該VUVデータの取得中、フリップインソース及び検出器ミラーは“アウト”位置にスイッチされ、従って何等かの機械的不確実性を該測定に寄与させることはない。事実、該VUVデータの取得に係わる運動する光学的要素はない(シャッターの他に)。これは多くの理由で有利である。第1に短波長VUV測定は典型的に、入手可能な低い光子フラックスと、使われ得る効率的光学機器及びコーテイングの一般的不足と、のために他の波長領域のそれらより一層実行するのに挑戦的である。第2に超薄(<100オングストローム)膜の特徴付けは、精密な輝度又は振幅情報にひどく依存し、何故ならばこの様な膜からの反射率スペクトルは、それらのより厚い膜の相手方からのスペクトルが示す干渉効果に関する特異なスペクトル的特徴を一般に示さないからである。
【0132】
この実施例により与えられるもう1つの利点はそれが、非常に繰り返し可能な結果が達成されるように、集められたデータセットを基準合わせする速く、自動化された手段を提供することである。この能力は該システムの光学的スループットでの変化により導入される誤差を減ずる又は一緒に除去するよう作用する。より長い波長ではこの様な変化はソース出力の変動によりドライブされるのが典型的である、一方該VUVでは、光路内の環境の吸収する種の濃度の変化が支配すると期待される。
【0133】
本発明のこの実施例により与えられる更に進んだ利点は1つの光学的供給/収集モジュール(optical delivery/collection module)の使用に関する。この共通モジュールは、調査されるスペクトル領域に関係なく同じスポットサイズと配向を使ってサンプル上の同じ場所からのデータの収集を実現するよう作用する。この目的に向かって、該DUV−NIRソースとスペクトロメーターとは、それらが該VUVソースとスペクトロメーターのそれらと実質的に同様な光収集/供給特性(light gathering/delivery characteristics)を保持するよう選択される。該システムのこの側面はパターン化されたサンプルが研究される状況では特に重要である。
【0134】
加えて、1つの光学的モジュールは、一体化と製造中、特に自動焦点合わせルーチンから生ずる複雑化に関して計測器の整合を簡単化する。
【0135】
本発明により与えられる更に進んだ利点はその直列の動作方法から生ずる。散乱過程を通して発生する迷光は、それが簡単に基準合わせされ得ず、かくして非線形システム応答と、記録された反射率データの不精密さと、に導き得るので、問題である。波長領域の各々からのデータをシーケンシャルに集め、基準合わせすることにより、検出器で記録される散乱光子の輝度は著しく減じられ得る。これがもたらされるのは、如何なる与えられた時にも1つのソースからの光だけが該システムを通って伝播するからである。従って、他のスペクトル領域からの光は散乱することが出来ず、結局、偽りの信号が検出器で記録されることはない。これは該VUV波長領域で作動するとき特に有利であり、それは散乱機構がより長い波長に於けるより遙かに大きな役割を演ずるからである。
【0136】
上記で説明された広帯域システムと技術は代わりのソース、スペクトロメーターそして検出器の追加により簡単に他のスペクトル領域を含むよう容易に拡張することが出来る。図34は第1スペクトル領域での動作用に最適化され、第2及び第3のスペクトル領域で良く動作するよう設計された本発明の1実施例の代替えの広帯域システム3400を表す。例えば、図32に示す様なソース3201と3203に加えて、第3のソース3302が使われてもよい。1実施例では、該ソース3201はVUVソースであり、該ソース3203はDUVソースであり、そして該3302はNIRソースであってもよい。対応するVUVスペクトロメーター3214,DUVスペクトロメーター3216そしてNIRスペクトロメーター3304がそれぞれの組み合わされるソースと共に使われる。前に於ける様に、ソース及び検出器フリップインミラーのセットが代わりのソースから代わりのスペクトロメーター及び検出器へ光を供給するために使われる。この実施例では、第1スペクトル領域データは“アウト”位置にある全スリップインミラー(FM−1、FM−2,FM−3そしてFM−4)で集められ、第2スペクトル領域データは“イン”位置へスイッチされたフリップインミラーFM−1とFM−2のみを用いてソース3203を使って集められそして第3スペクトル領域データは“イン”位置へスイッチされたFM−3とFM−4のみを用いてソース3302を使って集められる。
【0137】
この実施例用の直列測定過程のフローチャート3500が図35で表される。特に、過程3502に示す様に、第1スペクトル領域の収集は全てのフリップインソース及び検出器ミラーを“アウト”位置にスイッチすることによりイネーブルにされる。次いで、過程3504で、第1サンプルチャンネルデータ取得はシャッターS−1を開くことによりスタートされる。次に、過程3506で、該第1サンプルチャンネルデータ取得はシャッターS−1を閉じることにより停止される。更に、過程3508で、第1基準チャンネルデータ取得がシャッターS−2を開くことによりスタートされる。次いで、過程3510で、第1基準チャンネルデータ取得はシャッターS−2を閉じることにより停止される。次いで、過程3512で、第1スペクトル領域反射率スペクトラムが計算される。更に過程3514で、第2スペクトル領域の収集がスリップインソース(FM−1)及び検出器(FM−2)ミラーを“イン”位置にスイッチすることによりイネーブルにされる。次に過程3516で、第2スペクトル領域サンプルチャンネルデータ取得がシャッターS−1を開くことによりスタートされる。次に過程3518で、第2スペクトル領域サンプルチャンネルデータ取得がシャッターS−1を閉じることにより停止される。次いで過程3520で、第2スペクトル領域基準チャンネルデータ取得がシャッターS−2を開くことによりスタートされる。次に過程3522で、第2スペクトル領域基準チャンネルデータ取得がシャッターS−2を閉じることにより停止される。更に過程3524で、第2スペクトル領域反射率スペクトラムが計算される。次いで過程3526で、第3スペクトル領域の収集がフリップインソース(FM−1)及び検出器(FM−2)ミラーを“アウト”位置に、フリップインソース(FM−3)及び検出器(FM−4)ミラーを“イン”位置にスイッチすることによりイネーブルにされる。次いで過程3528で、第3スペクトル領域サンプルチャンネルデータ取得がシャッターS−1を開くことによりスタートされる。次に過程3530で、第3スペクトル領域サンプルチャンネルデータ取得がシャッターS−1を閉じることにより停止される。次に過程3532で、第3スペクトル領域基準チャンネルデータ取得がシャッターS−2を開くことによりスタートする。更に過程3534で、第3スペクトル領域基準チャンネルデータ取得がシャッターS−2を閉じることにより停止される。次いで過程3536で、第3スペクトル領域反射率スペクトラムが計算される。次に過程3538で、1つの広帯域反射率スペクトラムを得るために第1、第2そして第3スペクトル領域からのデータが一緒に継ぎ合わされる。
【0138】
代わりの広帯域システム3600が、本発明の1実施例で、図36に提示されているが、そこではソース3201と3203、そしてスペクトロメーター3214と3216、の選択がフリップインミラーの使用に依るよりも寧ろ焦点合わせ光学機器RM−1とRM−2の回転に依り達成される。この実施例では、RM−1とRM−2は90ーの回転角を有する軸外れ放物線状ミラーである。従って、RM−1は、VUVソース3201か又はDUV−NIRソース3203か何れかからの光を集めるためにRM−1とビームスプリッターBSを繋ぐ線により規定される光軸の周りに回転される。同様に、焦点合わせミラーRM−2は、VUVスペクトロメーター3214か又はDUV−NIRスペクトロメーター3216か何れかの入射スリット上に光を焦点合わせするためにRM−2とBSの間の線により規定される軸の周りに回転される。
【0139】
この配置は図32の実施例のそれより少ない光学的部品を使い、従ってより少ない計測器足跡を与える。このアプローチへの起こり得る欠点はそれが焦点合わせ光学機器RM−1とRM−2の回転のために或る程度の機械的不確実性を該VUV測定過程に導入することである。
【0140】
本発明の代わりの実施例がシステム3700に関する図37で提示されているが、そこでは基準合わせチャンネル3212内に使われるバランスを取られた干渉計は図32,図34そして図36の実施例で描かれたマイケルソン構成より寧ろマッハ−ツエンダー型である。この実施例は追加の光学的要素を要するがサンプル3206の表面への、及び該表面からの、光の角度を持った供給及び収集(angular delivery and
collection of light)に関してより大きな柔軟性を提供する。
【0141】
動作時、第1ソース3201からの光は集められ、コリメートされそして焦点合わせミラーM−1によりビームスプリッターBS−1の方へ向け直されるが、該ビームスプリッターでは該光はサンプルビーム3210と基準ビーム3212の成分に分けられる。シャッターS−1が開きシャッターS−2が閉じた時、該サンプルビーム3210はイネーブルとされる(enabled)。この状態で、ビームスプリッターBS−1から反射された光は集められ、窓W−1を通り焦点合わせミラーM−2によりサンプル上に焦点合わせされる。該サンプル3206から反射された光は窓W−1を経由して該サンプル室3204を出て、集められ、コリメートされそして焦点合わせミラーM−3により平面ミラーM−4の方へ向け直される。M−4を去った光は第2ビームスプリッターBS−2を通過し、集められ、焦点合わせミラーM−5により第1スペクトル領域スペクトロメーター3214の入射スリット上に焦点合わせされる。この点でサンプルビーム3210からの光は該スペクトロメーターにより分散され、検出器により取得される。
【0142】
第1スペクトル領域サンプルビームの収集に続いて、該第1スペクトル領域基準ビームが測定される。これはシャッターS−1を閉じ、シャッターS−2を開くことにより達成される。これは該基準ビーム3212がビームスプリッターBS−1を通過することを可能にするが、該ビームスプリッターでは該光は向け直され、窓W−2を通り焦点合わせミラーM−6を経由してサンプル室3204内へ焦点合わせされる。一旦該サンプル室3204の内部に入ると光は平面基準ミラーM−7の表面から反射されそして集められ、コリメートされ、そして焦点合わせミラーM−8により平面ミラーM−9の方へ向け直される。この光はビームスプリッターBS−2により反射され、そして向け直され、焦点合わせミラーM−5により第1スペクトル領域スペクトロメーター3214の入り口スリット上に焦点合わせされる。一旦該サンプル及び基準の両ビームが得られると、該第1スペクトル領域用の該基準合わせされた反射率データがプロセサー(示されてない)を使って計算される。
【0143】
第2及び第3スペクトル領域からのデータは、代わりのソースからそして代わりのスペクトロメーター及びそれらの付随する検出器へ光を送るために、ソース及び検出器フリップインミラーのセットを使って、再び集められる。特に、第2スペクトル領域データはフリップインミラーFM−1とFM−2のみが“イン”位置にスイッチされる時集められ、第3スペクトル領域データはFM−3とFM−4のみが“イン”位置にスイッチされる時集められる。
【0144】
本発明のなおもう1つの実施例は図38のシステム3800として提示される。この2つのスペクトル領域構成は又マッハ−ツエンダー干渉計基準合わせシステムを組み入れるが、スペクトル領域間を選択するのにフリップインミラーの使用を要しない。代わりに、
2つの追加ソースシャッター(S−1及びS−4)がこの課題を達成するために該システムに追加される。第1スペクトル領域の測定が行われる時、シャッターS−1は開き、シャッターS−4は閉じられる。逆に、第2スペクトル領域測定が行われる時、シャッターS−1は閉じられ、S−4は開く。
【0145】
この実施例はフリップインミラーを使わないので、システム繰り返し性は前に説明した実施例に比して或る程度改良され得ることになるが、それは該フリップインミラーに付随する機械的位置付け誤差が除かれるためである。
【0146】
図38の実施例用の直列測定過程のフローチャート3900は図39で提示される。特に、過程3902に示す様に、第1スペクトル領域データの収集は第1ソースシャッターS−1を開くことによりイネーブルにされる。次いで過程3904で、該第1スペクトル領域サンプルチャンネルデータ取得がシャッターS−2を開くことによりスタートする。次に、過程3906で、第1スペクトル領域サンプルチャンネルデータ取得がシャッターS−2を閉じることにより停止される。次いで過程3908で、第1スペクトル領域基準チャンネルデータ取得がシャッターS−3を開くことによりスタートする。更に過程3910で、第1スペクトル領域基準チャンネルデータ取得がシャッターS−3を閉じることにより停止される。次いで過程3912で、該第1スペクトル領域反射率スペクトラムが計算される。次に過程3914で、第2スペクトル領域の収集が第1ソースシャッターS−1を閉じ、第2ソースシャッターS−4を開くことによりイネーブルにされる。次いで過程3916で、第2スペクトルサンプルチャンネルデータ取得がシャッターS−2を開くことによりスタートする。次に過程3918で、第2スペクトルサンプルチャンネルデータ取得がシャッターS−2を閉じることにより停止される。更に過程3920で、第2スペクトル基準チャンネルデータ取得がシャッターS−3を開くことによりスタートする。次いで過程3922で、該第2スペクトル基準チャンネルデータ取得がシャッターS−3を閉じることにより停止される。次に過程3924で、第2スペクトル反射率スペクトラムが計算される。次いで過程2926で、該第1及び第2スペクトル領域からのデータは1つの広帯域反射率スペクトラムを得るために一緒に継ぎ合わされる。
【0147】
かくして、上記説明の様に第1スペクトル領域での動作用に最適化され、少なくとも1つの他のスペクトル領域で良く動作することが出来る広帯域システムが提供される。1つの光学的モジュール内の共通の供給及び収集光学機器は別々のスペクトル領域での測定が同じスポット特性を使って集められることを可能にする。例えば、サンプルからの収集用の同じスポット寸法が得られる。更に収集スポットの配向は異なるスペクトル領域間で実質的に同じである。更に、説明されたシステムと技術は直列のデータ収集アプローチを許容し、それにより別々のスペクトル領域からのデータがシーケンシャルに集められ迷光による障害を避ける。該システムは第1スペクトル領域からのデータの取得に運動する光学的要素(シャッターを除いて)が含まれないように設計されてもよい。加えて、該システムは別々のスペクトル領域用に最適化された選択可能なソースと検出器を与える光学的モジュールを組み入れてもよい。又該光学的モジュールは高度に繰り返し可能な結果が達成されることを保証するよう測定されたデータを速く基準合わせするための機構を提供する。
【0148】
上記説明の広帯域システム及び技術は、従って多数スペクトル範囲に亘ってサンプルからの光学的度量衡データの精密な収集を許容する度量衡システムを提供する。広範囲の波長について光学的データを有することにより、計測器のユーザーにより使われる適合アルゴリズムは、2つ以上のスペクトル領域から成るデータセットにより与えられる高いレベルの制限を完全にに利用することで、より速い収斂とより精密な結果を達成する。
【0149】
光学的データが上記説明の様に多数スペクトル領域について集められると、該データは
解析される連続したセットのデータを形成するためにコンピュータ、プロセサー等の中で組み合わされる。該データは広範囲の仕方で組み合わされ、そして理想的に、各スペクトロメーターからのデータはそれらのスペクトル領域が接合する点でマッチするであろう。例えば、どのスペクトロメーターが特定の波長のデータを集めるために使われるかを決定するために、予め決められた波長が選択されてもよい。例えば、190nmより下の波長用にはデータは唯VUVスペクトロメーターのみから取られ、190nmより長い波長用にはデータはDUV−NIRスペクトロメーターから取られてもよい。しかしながら、この様なアプローチは、もし各スペクトロメーターからの結果がクロスオーバー点(crossover point)で変わるなら、該波長クロスオーバー点で、該集められたデータ内に不連続部を引き起こす。この様な変動は適合アルゴリズム(fitting algolithms)と該データの処理を複雑化する。もう1つのアプローチでは、データが各スペクトロメーターから集められる波長は或る決められた範囲、例えば20nmの間でオーバーラップする。このオーバーラップ領域では、各波長用のデータは各スペクトロメーターからの平均値として計算されてもよい。なおもう1つの代替えでは、段階付平均又は最良適合アルゴリズム(graded averages or best fit algolithms)が該データを接合するため適用されることが可能である。各スペクトル領域からのデータを組み合わせる何等かの他の適当なアプローチも使われてよい。
【0150】
本発明の更に進んだ変型と代替え実施例がこの説明を見た当業者には明らかであろう。従って、この説明は単に図解用と解釈されるべきであり、本発明を実行する仕方を当業者に開示する目的用である。ここに示され、説明された本発明の形は現在の好ましい実施例と取られるべきと理解している。本発明のこの説明の利点を有した後は、当業者には全て明らかな様に、等価の要素がここに図解され、説明されたそれらと置換されてもよく、本発明の或る特徴は他の特徴の使用から独立に使われてもよい。
【0151】
本発明とその利点のより完全な理解は付属する図面と連携して行われる上記説明を参照することにより得られるが、該図面では同様な特徴は同様な参照番号で示されている。しかしながら、付属する図面は本発明の例示的実施例を図解しているだけで、従って本発明の範囲を限定すると考えるべきでなく、何故ならば本発明は他の等しく有効な実施例を認めているからである、ことは注意されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】H2O及びO2の1ppmを含む制御された環境の100cmに対する、標準大気の100cmを通しての光透過の比較。
【図2】VUV反射率計の略図表現。
【図3】MgF2窓を装備したハママツ重水素ランプ(Hamamatsu deuterium lamp)からのスペクトル出力。
【図4】アクトンリサーチ社(Acton Research Corporation)からの“ソーラーブラインド(Solar−blind)”広帯域VUVフイルター。
【図5】基準チャンネルの組み込みを図解するVUV反射率計のトップダウン(Top−down)略図。
【図6】典型的な軸外れ放物線状ミラー。
【図7】アクトンリサーチ社からの広帯域VUV−UV反射性コーテイング。
【図8】浅い角度(実線)及び大きい角度(波線)の入射構成を用いた“薄膜通過(through−pellicle)”測定の例。
【図9】パターン化されたサンプル上の種々の物理的位置からの多数のスペクトルを同時記録するための画像形成反射率計の使用。
【図10】基準チャンネルを有する代わりのVUV反射率計の略図。
【図11】計測器室内に収められた事実上全ての光学機器を有する代わりのVUV反射率計の略図。
【図11a】図11のシステムの代わりの略図。
【図11b】プロセスツールと一体化された図11のシステムの略図。
【図12】典型的測定フローチャート。
【図12a】例示的な詳細測定フローチャート。
【図13】アクトンリサーチ社により製造されたVUVビームスプリッターに付随する典型的特性。
【図14】濃度差及び路長差の関数としての誤差プロット。
【図15】典型的反射率測定の略図表現。
【図16】シリコン基盤上に蒸着された薄いAl2O3層からの、測定及び計算された反射率スペクトル。
【図17】繰り返し適合過程を通して、Al2O3層について得られた光学的特性(n及びk値)。
【図18】マスクブランク上に蒸着された残留フオトレジストの超薄(5オングストローム)層に付随する反射信号。差信号は層厚さの1nm増加に対応。
【図19】シリコン基盤上の10オングストローム、14オングストローム及び18オングストロームSiON層からの反射率信号。
【図20】10オングストロームSiON層について膜厚さの増加に付随して130nm、157nm及び193nmでの反射率差信号。
【図21】10−15%の範囲の窒素濃度を有する16オングストロームSiON層のマトリックスに付随する反射率信号。
【図22】10%窒素を有する16オングストロームSiON層について窒素濃度の増加に付随する130nm、157nm及び193nmでの反射率差信号。
【図22a】20オングストロームSiON膜についての種々の窒素ドーピングプロフアイル。全ての場合、サンプルは1e15原子/cm2の同じ線量に露出された。
【図22b】種々の不均一窒素分布から生じる反射率差信号(均一にドープされたサンプルに対して)。
【図23】反射率測定中の入射DUV及びVUV光子の典型的半導体スタックサンプルとの相互作用。
【図24】種々のSiN厚さを示すSiO2/SiN/Siサンプルからの反射率スペクトル。
【図25】種々のSiO2層厚さを示すSiO2/SiN/Siサンプルからの反射率スペクトル。
【図26】反射される及び回折される両ビームを図解する典型的散乱計測法の測定の略図的表現。
【図27】散乱計測法の測定を通して得られた典型的出力の略図表現。
【図28】公称65nm線アレイに付随する反射信号と、公称65nm線幅の1nm増加に対応する差信号。
【図29】63nm、65nm及び67nmの線及び間隔から成る線アレイに付随する反射信号。
【図30】65nm幅の線及び間隔(1000オングストロームの公称線高さについて)から成る線アレイに付随する反射信号。差信号は前記構造の線高さの10オングストロームの増加に対応。
【図31】光学的モジュールを有する広帯域反射率計の略図表現。
【図32】VUV及びDUV−NIRスペクトル領域をカバーする広帯域基準合わせ型反射率計。
【図33】VUV及びDUV−NIRスペクトル領域をカバーする広帯域基準合わせ型反射率計用の直列測定のフローチャート。
【図34】3つのスペクトル領域をカバーする広帯域基準合わせ型反射率計。
【図35】3つのスペクトル領域をカバーする広帯域基準合わせ型反射率計用の直列測定のフローチャート。
【図36】回転ミラーを使い、VUV及びDUV−NIRスペクトル領域をカバーする広帯域基準合わせ型反射率計の代わりの実施例。
【図37】3つのスペクトル領域をカバーする広帯域基準合わせ型反射率計の代わりの実施例。
【図38】フリップインミラーを有さず、2つのスペクトル領域をカバーする広帯域基準合わせ型反射率計の代わりの実施例。
【図39】フリップインミラーを有さず、2つのスペクトル領域をカバーする広帯域基準合わせ型反射率計用の直列測定のフローチャート。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射率計装置に於いて、該装置が
サンプルチャンネル光路を創るために使われる光源と、
少なくとも1つの基準チャンネル光路と、を具備しており、該基準チャンネル光路はサンプルに出会わないよう構成されており、該装置は又
該基準チャンネル光路又は該サンプルチャンネル光路の少なくとも1つを選択的にイネーブルにする又はディスエーブルにする少なくとも1つの光学的要素と、そして
該サンプルチャンネル光路と該基準チャンネル光路の両者により共有される複数の反射率計システム要素と、を具備しており、
該基準チャンネル光路は、該反射率計の使用により得られる反射率データを調整するように、システム又は環境の変化の責めを負うため使われるデータを集めるよう構成されることを特徴とする該装置。
【請求項2】
サンプルチャンネル光路と該基準チャンネル光路とは、該光源からのソースビームを分けるために、そして次に前記分けられた部分を、それらが共通の回折要素及び共通の検出器へ向けられるように、組み合わせ直すために、1つ以上のビームスプリッターデバイスを使って確立されることを特徴とする請求項1の該装置。
【請求項3】
個別チャンネルの選択が制御可能なアパーチャーの使用により達成されることを特徴とする請求項2の該装置。
【請求項4】
該制御可能なアパーチャーが光学的シャッターであることを特徴とする請求項3の該装置。
【請求項5】
1つ以上の該ビームスプリッターデバイスが、ビーム直径全体を覆い隠す部分透過性ビームスプリッター又はビーム直径全体の或る部分を覆い隠す充分に反射するミラーから成ることを特徴とする請求項2の該装置。
【請求項6】
該基準チャンネル光路と該サンプルチャンネル光路が干渉計のバランスされたアームを備えることを特徴とする請求項1の該装置。
【請求項7】
該干渉計がマッハ−ツエンダー干渉計又はマイケルソン干渉計であることを特徴とする請求項6の該装置。
【請求項8】
該サンプルチャンネル光路及び該基準チャンネル光路が、該サンプルチャンネル光路か又は該基準チャンネル光路かの何れかを通るよう該光源からのソースビームの全体を導くために、そして該サンプルチャンネル光路と該基準チャンネル光路を共通の回折要素と共通の検出器へ導くために、モーター駆動された充分に反射するミラーの形の2つ以上の制御可能なアパーチャーを使って確立されることを特徴とする請求項1の該装置。
【請求項9】
該基準チャンネル光路及び該サンプルチャンネル光路が、遠紫外線(DUV)波長より下の吸収種から生ずる環境影響を最小化するために、殆ど等しい光路長であることを特徴とする請求項1の該装置。
【請求項10】
該装置が、インライン測定で、モニタリング及び制御が有利に得られるようプロセスツール内への一体化を実現するために充分コンパクトであることを特徴とする請求項1の該装置。
【請求項11】
反射率計に於いて、該反射率計が
サンプルチャンネル光路を創るため使われる光源を具備しており、該サンプルチャンネル光路は少なくとも1つの未知特性を有するサンプルに出会うよう構成されており、そして該反射率計は又、
該サンプルから得られた反射率データの調整が、反射率計校正時と該サンプル反射率データが得られた時と、の間の反射率計又は環境の変化の責めを負うことを可能にするために、該反射率計を基準合わせする手段を具備しており、
該基準合わせする手段は基準チャンネル光路を備えることを特徴とする反射率計。
【請求項12】
該サンプルチャンネル光路と該基準合わせする手段とが干渉計のバランスされたアームを形成することを特徴とする請求項11の該反射率計。
【請求項13】
該干渉計がマッハ−ツエンダー干渉計又はマイケルソン干渉計であることを特徴とする請求項12の該反射率計。
【請求項14】
サンプルチャンネル光路と該基準チャンネル光路とが、該光源からのソースビームを分けるために、そして次に前記分けられた部分を、それらが回折要素と検出器との共通の部分に導かれるよう組み合わせ直すために、1つ以上のビームスプリッターデバイスを使って確立されることを特徴とする請求項11の該反射率計。
【請求項15】
個別チャンネルの選択が制御可能なアパーチャーの使用により達成されることを特徴とする請求項14の該反射率計。
【請求項16】
該制御可能なアパーチャーが光学的シャッターであることを特徴とする請求項15の該反射率計。
【請求項17】
該サンプルチャンネル光路及び該基準チャンネル光路が、該サンプルチャンネル光路か又は該基準チャンネル光路かの何れかを通して該光源からのソースビームの全体を導くために、そして該サンプルチャンネル光路と該基準チャンネル光路とを共通の回折要素と共通の検出器へ導くために、モーター駆動された充分に反射するミラーの形の2つ以上の制御可能なアパーチャーを使って確立されることを特徴とする請求項11の該反射率計。
【請求項18】
該基準チャンネル光路及び該サンプルチャンネル光路が、遠紫外線(DUV)波長より下の吸収種から生ずる環境影響を最小化するために、殆ど等しい光路長であることを特徴とする請求項11の該反射率計。
【請求項19】
更に少なくとも1つの環境的に制御された室を具備しており、該サンプルチャンネル光路と該基準チャンネル光路とが、少なくとも部分的に該1つの環境的に制御された室内に形成されることを特徴とする請求項18の該反射率計。
【請求項20】
該基準チャンネル光路が未知のサンプル又は校正サンプルに出会わないことを特徴とする請求項11の該反射率計。
【請求項21】
該基準チャンネル光路及び該サンプルチャンネル光路が共通の光源、回折格子そして検出器を共有することを特徴とする請求項11の該反射率計。
【請求項22】
第1サンプルから反射率データを得る方法に於いて、該方法が
サンプル光学的チャンネルを提供する過程と、
基準光学的チャンネルを提供する過程と、を具備しており、該サンプル光学的チャンネルと該基準光学的チャンネルとは少なくとも回折格子及び検出器の共通部分を有する少なくとも幾つかの共通光学的要素を共有しており、該方法は又、
該検出器を用いて基準合わせデータを得るために該基準光学的チャンネルを使う過程を具備しており、該基準合わせデータは該サンプル光学的チャンネル路内の何等かのサンプルの使用から独立したシステム又は環境パラメーターを示しており、そして該方法は更に、
該第1サンプルからのサンプル反射率データの収集に付随した該基準合わせデータを使うことにより該サンプル光路から得られた反射率データを基準合わせする過程を具備することを特徴とする該方法。
【請求項23】
該第1サンプルが未知サンプルであることを特徴とする請求項22の該方法。
【請求項24】
該第1サンプルが校正サンプルであることを特徴とする請求項22の該方法。
【請求項25】
該基準合わせデータが該第1サンプル反射率データの収集に時間的に隣接して集められることを特徴とする請求項22の該方法。
【請求項26】
該第1サンプルが未知サンプルであること、そして反射率データの該基準合わせが校正時と該第1サンプル反射率データが得られた時との間のシステム又は環境の変化の責めを負うこと、を特徴とする請求項22の該方法。
【請求項27】
該第1サンプルが校正サンプルであり、該方法が更に未知サンプル用に反射率測定を行う過程を具備することを特徴とする請求項22の方法。
【請求項28】
該校正サンプルの反射率測定に付随する該基準合わせデータが、該校正サンプルからの反射率データを得る過程に時間的に隣接して検出されることを特徴とする請求項27の該方法。
【請求項29】
更に該未知サンプルに付随する基準合わせデータを得る過程を具備することを特徴とする請求項28の該方法。
【請求項30】
該第1サンプルは未知サンプルであり、該方法は更に校正サンプル用の反射率測定を行う過程を具備することを特徴とする請求項22の該方法。
【請求項31】
該未知サンプルの反射率測定に付随する基準合わせデータが該サンプルから反射率データを得る過程に時間的に隣接して検出されることを特徴とする請求項30の該方法。
【請求項32】
更に該校正サンプルに付随する基準合わせデータを得る過程を具備することを特徴とする請求項31の該方法。
【請求項33】
未知サンプルから基準データを得る方法に於いて、該方法が
サンプル光学的チャンネルを提供する過程と、
基準光学的チャンネルを提供する過程とを具備しており、該サンプル光学的チャンネルと該基準光学的チャンネルとは少なくとも1つの回折格子及び検出器の共通部分を有する少なくとも幾つかの共通の光学的要素を共有しており、該方法は又
校正サンプルから反射率データを検出するために該検出器を使う過程と、
該校正に時間的に隣接して該検出器で第1基準合わせデータを得るために該基準光学的チャンネルを使う過程を具備しており、該第1基準合わせデータは該サンプル光学的チャンネル路内での何等かのサンプルの使用から独立したシステム又は環境パラメーターを示しており、該方法は更に
未知サンプルから反射率データを検出するために該検出器を使う過程と、
該未知サンプル反射率データの該検出に時間的に隣接して該検出器で第2基準合わせデ
ータを得るために該基準光学的チャンネルを使う過程と、を具備しており、該第2基準データは該サンプル光学的チャンネル路内の何等かのサンプルの該使用から独立したシステム又は環境パラメーターを示しており、そして該方法はなお更に
該第1基準合わせデータと該第2基準合わせデータとを使うことにより該未知サンプルから得られた該反射率データを基準合わせする過程を具備することを特徴とする該方法。
【請求項34】
該サンプル光学的チャンネルと該基準光学的チャンネルが干渉計のバランスしたアームを形成することを特徴とする請求項33の該方法。
【請求項35】
該干渉計がマッハ−ツエンダー干渉計又はマイケルソン干渉計であることを特徴とする請求項34の反射率計。
【請求項36】
該サンプル光学的チャンネルと該基準光学的チャンネルとが、該光源からのソースビームを分けるために、そして次に前記分けられた部分をそれらが該回折格子及び該検出器の共通部分に導かれるよう組み合わせ直すために、1つ以上のビームスプリッターデバイスを使って確立されることを特徴とする請求項33の該反射率計。
【請求項37】
遠紫外線(DUV)波長より下で動作する反射測定装置に於いて、該装置が
光源を具備しており、該光源はDUV波長の、及びそれより下の、波長を有するソースビームを提供しており、該装置は又
サンプルチャンネル光路と、
基準チャンネル光路と、
該サンプルチャンネル光路からの光を、該光がサンプルから反射された後、受けるスペクトロメーターと、
該スペクトロメーターの出力から透過されるDUV波長の、又はそれより下の、光の波長を受ける検出器とを具備しており、
該基準チャンネル光路は、少なくとも幾つかの反射率計システム特性が該サンプルからの反射率データの取得に時間的に隣接して得られるように、該反射率計を基準合わせするため使われることを特徴とする該装置。
【請求項38】
該基準合わせする過程は、該サンプルから得られる反射率データの調整が、装置校正時と、該サンプル反射率データが得られた時と、の間の装置又は環境の変化の責めを負うことが出来るようにすることを特徴とする請求項37の該装置。
【請求項39】
更に該サンプルチャンネル光路と該基準チャンネル光路とが少なくとも部分的に含まれる少なくとも1つの環境的に制御された室を具備することを特徴とする請求項37の該装置。
【請求項40】
該サンプルチャンネル光路は該サンプルに出会うよう構成されており、該基準チャンネル光路は、それが該サンプルに出会わないよう構成されており、そして該サンプルチャンネル光路と該基準チャンネル光路とが1つ以上の制御可能なアパーチャーの操作を通して選択されることが出来ることを特徴とする請求項37の該装置。
【請求項41】
該サンプルチャンネル光路と該基準チャンネル光路とが回折格子と検出器との共通部分を共有することを特徴とする請求項40の該装置。
【請求項42】
サンプルチャンネル光路と該基準チャンネル光路とが、ソースビームを分けるために、そして次に前記分けられた部分をそれらが共通の回折要素及び検出器へ導かれるよう組み合わせ直すために、1つ以上のビームスプリッターデバイスを使って確立されることを特徴とする請求項37の該装置。
【請求項43】
サンプルチャンネル光路又は該基準チャンネル光路の選択が、光学的シャッターの形の制御可能なアパーチャーの使用を通して達成されることを特徴とする請求項42の該装置。
【請求項44】
該ビームスプリッターデバイスの1つ以上が、該全体のビーム直径を覆い隠す部分透過性ビームスプリッターか、又は該全体のビーム直径の幾らかの部分を覆い隠す充分反射するミラーであることを特徴とする請求項42の該装置。
【請求項45】
該サンプルチャンネル光路及び該基準チャンネル光路が、該サンプルチャンネル光路か又は該基準チャンネル光路かの何れかを通して該ソースビームの全体を導くために、そして該基準チャンネル光路と該サンプルチャンネル光路を共通の回折要素と共通の検出器へ導くために、モーター駆動され充分に反射するミラーの形の2つ以上の制御可能なアパーチャーを使って確立されることを特徴とする請求項37の該装置。
【請求項46】
該基準チャンネル光路と該サンプルチャンネル光路とがDUVより下の波長を吸収する吸収種から生ずる環境の影響を最小化するために、殆ど等しい光路長であることを特徴とする請求項37の該装置。
【請求項47】
基準及びサンプルチャンネルが干渉計のバランスしたアームを備えることを特徴とする請求項46の該装置。
【請求項48】
該干渉計がマッハ−ツエンダー又はマイケルソン干渉計であることを特徴とする請求項47の該装置。
【請求項49】
該装置が更に少なくとも1つの結合機構を介して接続された少なくとも2つの環境的に制御された室を具備することを特徴とする請求項37の該装置。
【請求項50】
サンプルチャンネル光路と該基準チャンネル光路とが、該ソースビームを分けるために、そして次に前記分けられた部分をそれらが共通の回折要素と共通の検出器とに導かれるように組み合わせ直すために、1つ以上のビームスプリッターデバイスを使って確立されることを特徴とする請求項49の該装置。
【請求項51】
該サンプルチャンネル光路又は該基準チャンネル光路の1つの選択が制御可能なアパーチャーの使用により達成されることを特徴とする請求項50の該装置。
【請求項52】
該ビームスプリッターデバイスの1つ以上が、全体のビーム直径を覆い隠す部分的に透過性のビームスプリッターか又は全体のビーム直径の幾らかの部分を覆い隠す充分に反射するミラーであることを特徴とする請求項50の該装置。
【請求項53】
該サンプルチャンネル光路及び該基準チャンネル光路が、該サンプルチャンネル光路か又は該基準チャンネル光路かの何れかを通して該ソースビームの全体を導くために、そして該基準チャンネル光路と該サンプルチャンネル光路を両光路が共通の回折要素と共通の検出器を有するよう組み合わせ直すために、モーター駆動され充分に反射するミラーの形の2つ以上の制御可能なアパーチャーを使って確立されることを特徴とする請求項49の該装置。
【請求項54】
該基準チャンネル光路と該サンプルチャンネル光路とが、DUV波長より下の波長の吸収種から生ずる環境の影響を最小化するために殆ど等しい光路長であることを特徴とする請求項49の該装置。
【請求項55】
基準チャンネル光路及び該サンプルチャンネル光路が干渉計のバランスしたアームを備えることを特徴とする請求項54の該装置。
【請求項56】
該干渉計がマッハ−ツエンダー又はマイケルソン干渉計であることを特徴とする請求項55の該装置。
【請求項57】
該検出器は、反射率データが、該サンプルの2次元範囲内の多数サイト用に同時に得られることを可能にするために光の多数の空間的に分離された波長を受けるアレイ検出器であることを特徴とする請求項37の該装置。
【請求項58】
該サンプルチャンネル光路は該サンプルに出会うよう構成されており、該基準チャンネル光路はそれが該サンプルに出会わないよう構成されており、そして該サンプルチャンネル光路と該基準チャンネル光路とが1つ以上の制御可能なアパーチャーの操作により選択されることが出来ることを特徴とする請求項57の該装置。
【請求項59】
該サンプルチャンネル光路と該基準チャンネル光路とが共通の回折要素と共通の検出器とを共有することを特徴とする請求項58の該装置。
【請求項60】
該サンプルチャンネル光路と該基準チャンネル光路とが、該ソースビームを分けるために、そして次に前記分けられた部分をそれらが共通の回折要素と共通の検出器へ導かれるよう組み合わせ直すために、1つ以上のビームスプリッターデバイスを使って確立されることを特徴とする請求項58の該装置。
【請求項61】
基準チャンネル光路と該サンプルチャンネル光路とが、DUV波長より短い波長の吸収種から生ずる環境の影響を最小化するために、殆ど等しい光路長であることを特徴とする請求項58の該装置。
【請求項62】
基準チャンネル光路及び該サンプルチャンネル光路が干渉計のバランスしたアームを備えることを特徴とする請求項61の該装置。
【請求項63】
該干渉計がマッハ−ツエンダー又はマイケルソン干渉計であることを特徴とする請求項62の該装置。
【請求項64】
更に反射性光学機器である少なくとも1つの光学的要素を具備することを特徴とする請求項57の該装置。
【請求項65】
該少なくとも1つの光学的要素が軸外れ放物線状ミラーであることを特徴とする請求項64の該装置。
【請求項66】
該軸外れ放物線状ミラーが、画像形成性能を改良するためにその製造中導入されるダイアモンド旋削アーチフアクトを除去するよう従来のポリッシングを受けることを特徴とする請求項65の該装置。
【請求項67】
該軸外れ放物線状ミラーがミラーの中心光線軸を90ー外して動作するよう設計されることを特徴とする請求項65の該装置。
【請求項68】
該反射性光学機器はDUV波長より下の反射率を高めるために広帯域反射性コーテイングでコートされることを特徴とする請求項64の該装置。
【請求項69】
該広帯域VUV−DUV反射性コーテイングはアルミニウムとMgF2を含むことを特徴とする請求項68の該装置。
【請求項70】
該アレイ検出器は電荷結合デバイス(CCD)であることを特徴とする請求項57の該装置。
【請求項71】
該CCDは背部を薄くして、背部照明された設計であることを特徴とする請求項70の該装置。
【請求項72】
該スペクトロメーターは修正光学機器の組み込みにより大面積平坦視野での無収差の画像形成を提供する仕方で設計された画像形成スペクトログラフであることを特徴とする請求項57の該装置。
【請求項73】
該ソースビームの空間的及び時間的コヒーレンスを修正する目的で、又は該ソースビームのスペクトル特性を修正するために、該ソースと該スペクトロメーターの間にビーム調整モジュールが導入されることを特徴とする請求項57の該装置。
【請求項74】
該装置が、インライン測定でモニター作用及び制御が有利に得られるべく、プロセスツール内への一体化を実現するよう充分コンパクトであることを特徴とする請求項57の該装置。
【請求項75】
2次元サンプル範囲から反射率データを得るための光学的反射率計に於いて、該反射率計が
光ビームを提供する光源と、
該光ビームを2次元サンプル範囲へ、そしてそこから、導くためにサンプルチャンネルビーム路を使うよう構成された複数の光学的要素と、
少なくとも1つの基準チャンネルビーム路と、を具備しており、該基準チャンネルビーム路はサンプルに出会わないよう構成されており、該反射率計は又
該基準チャンネルビーム路又は該サンプルチャンネルビーム路の少なくとも1つを選択的にイネーブル又はディスエイブルにする少なくとも1つの光学的要素と、
該基準チャンネルビーム路と該サンプルチャンネルビーム路の両者内にあるスペクトロメーターとを具備しており、該スペクトロメーターは該スペクトロメーターの出口で多数の空間的に分離された波長の光を提供しており、そして該反射率計は更に
該基準チャンネルビーム路と該サンプルチャンネルビーム路の両者内にあるアレイ検出器を具備しており、該アレイ検出器は、反射率データが該2次元サンプル範囲内の多数のサイトで同時に得られることを可能にするために、多数の空間的に分離された波長の光を受けており、
該基準チャンネルビーム路は、該反射率計の使用を通して得られる反射率データを調整してシステム又は環境の変化の責めを負うために使われるデータを集めるよう構成されることを特徴とする該反射率計。
【請求項76】
該光源がDUV波長より下の波長を提供することを特徴とする請求項75の該反射率計。
【請求項77】
基準チャンネルビーム路と該サンプルチャンネルビーム路とが、遠紫外線(DUV)波長より下の吸収種から生ずる環境の影響を最小化するために、殆ど等しい光路長であることを特徴とする請求項76の該反射率計。
【請求項78】
更に、該サンプルビーム路と基準ビーム路が中に形成される少なくとも1つの環境的に制御された室を具備することを特徴とする請求項77の該反射率計。
【請求項79】
更に複数の環境的に制御された室を具備しており、少なくとも1つの室はサンプル室であることを特徴とする請求項78の該反射率計。
【請求項80】
該基準チャンネルビーム路は、該サンプルから得られた反射率データの調整が、反射率計校正時と該サンプル反射率データが得られる時と、の間の反射率計又は環境の変化の責めを負うことが出来るようにすることを特徴とする請求項75の該反射率計。
【請求項81】
反射率計を使いサンプルの反射率特性を解析する方法に於いて、該方法が、
少なくとも1つの光ビームを提供する過程と、
該光ビームを、サンプル光学的チャンネルを使うことによりサンプルの2次元範囲上に導く過程と、
画像形成スペクトロメーター内で該光ビームの少なくとも1部分を、該光ビームが該サンプルから反射された後、受ける過程と、
該スペクトロメーターの出口平面に多数の空間的に分離された波長の光を提供する過程と、
反射率データが、該サンプルの該2次元範囲内の多数のサイトについて、同時に得られることを可能にするために、2次元アレイ検出器で該多数の空間的に分離された波長の光を受ける過程と、
基準光学的チャンネルを提供する過程と、を具備しており、該サンプル光学的チャンネルと該基準光学的チャンネルは少なくとも幾つかの共通の光学要素を共有しており、該方法は又
該検出器を用いて基準合わせデータを得るために該基準光学的チャンネルを使う過程を具備しており、該基準データは該サンプル光学的チャンネル路内の何等かのサンプルの使用から独立したシステム又は環境のパラメーターを示しており、そして該方法は更に、
該サンプルからのサンプル反射率データの収集に付随した該基準合わせデータを使うことにより、該サンプル光路から得られる該反射率データを基準合わせする過程を具備することを特徴とする該方法。
【請求項82】
該基準合わせチャンネルビーム路は、サンプル反射率データの調整が、反射率計校正時と該サンプル反射率データが得られる時と、の間の反射率計又は環境の変化の責めを負うことが出来るようにすることを特徴とする請求項81の該方法。
【請求項83】
更に、該反射率データが該サンプルの望ましい2次元範囲から得られるようにカメラを用いたパターン認識を行う過程を具備することを特徴とする請求項82の該方法。
【請求項84】
該アレイ検出器により解かれた該反射率データがDUVより下の波長のデータを有することを特徴とする請求項81の該方法。
【請求項85】
該アレイ検出器により解かれた該反射率データが約140nmより短い波長のデータを有することを特徴とする請求項84の該方法。
【請求項86】
更に、
少なくとも1つの環境的に制御された室内に該光ビームを透過する過程と、そして
DUV光より下の波長の透過を可能にするために該少なくとも1つの環境的に制御された室内の環境を制御する過程とを具備することを特徴とする請求項81の該方法。
【請求項87】
該少なくとも1つの環境的に制御された室がサンプル室であることを特徴とする請求項86の該方法。
【請求項88】
該光ビームが複数の該環境的に制御された室を通して透過されることを特徴とする請求項87の該方法。
【請求項89】
基盤上に形成された複数の薄膜から成るサンプルを分析する方法に於いて、該方法が
該基盤上に形成された少なくとも第1と第2の薄膜の期待される構成を提供する過程と、
少なくとも部分的に該期待される構成に基づいて、遠紫外線(DUV)波長より下にある波長範囲内で卓越して規定される該第1薄膜の少なくとも1つの光学特性と、遠紫外線(DUV)波長より下にある波長範囲内では卓越しては規定されない該第2薄膜の少なくとも1つの光学特性を決定する過程と、
遠紫外線(DUV)波長より下の少なくとも複数の波長を有する波長範囲に亘り該サンプルの光学的応答データセットを記録する過程と、そして
遠紫外線(DUV)波長より下にある波長範囲内で卓越して規定される該第1薄膜の該少なくとも1つの光学的特性の該決定と、遠紫外線(DUV)波長より下にある波長範囲内では卓越しては規定されない該第2薄膜の少なくとも1つの光学的特性の該決定と、に基づき、該記録された光学的応答データセットを重み付けすることにより、該第1薄膜の少なくとも1つの特性を特徴付ける過程と、を具備することを特徴とする該方法。
【請求項90】
基盤上に形成された少なくとも1つの薄膜から成るミニァチャーデバイスを解析する方法に於いて、該方法が
該少なくとも1つの薄膜の期待される構成を提供する過程と、
少なくとも部分的に該期待される構成に基づいて、遠紫外線(DUV)波長より下にある波長範囲内で卓越して規定される少なくとも1つのデバイス光学特性を決定する過程と、
遠紫外線(DUV)波長より下の少なくとも複数の波長を有する波長の範囲に亘り該デバイスの光学的応答データセットを記録するために反射率計を使う過程と、
遠紫外線(DUV)波長より下にある波長範囲内で卓越して規定される該少なくとも1つの光学的特性の該決定に基づき該記録された光学的応答データセットを重み付けすることにより該デバイスの少なくとも1つの物理的特性を特徴付ける過程と、を具備することを特徴とする該方法。
【請求項91】
基盤上に形成された少なくとも1つの薄膜から成る基盤を解析する装置に於いて、該装置が、
少なくともDUV波長より下の波長を有するソースビームを提供する光源と、
中を光ビームが進む少なくとも1つの環境的に制御された室と、を具備しており、該室はDUV光より下の波長の透過を可能にするよう充分制御されており、該装置は又
該基盤と出会うよう構成されたサンプルチャンネル光路と、
該基盤と出会わない路を提供するよう構成された基準チャンネル光路と、を具備しており、該基準チャンネル光路は、該反射率計の使用を通して得られる反射率データを調整するために、システム又は環境の変化の責めを負うよう使われるデータを集めるよう構成されており、該装置は更に、
該ソースビームの少なくとも1部分を受けるスペクトロメーターを具備しており、該スペクトロメーターは該スペクトロメーターの出口平面に多数の空間的に分離された波長の光を提供しており、該多数の空間的に分離された波長の光はDUV波長より下の波長の光を含んでおり、該装置はなお更に、
該多数の空間的に分離された波長の光を受けるアレイ検出器を具備しており、該アレイ検出器は該基盤の2次元範囲内の多数のサイトのDUV波長より下の波長の反射率データを同時に得ており、そして該装置は又なお更に
該基盤反射率データを受けるために該アレイ検出器に接続されたデータプロセサーを具備しており、該データプロセサーは、
該少なくとも1つの薄膜の期待される構成に関するデータを受け、
少なくとも部分的に該期待される構成に基づいて、遠紫外線(DUV)波長より下にある波長範囲内で卓越して規定される少なくとも1つの薄膜光学特性を決定し、
遠紫外線(DUV)波長より下の少なくとも複数の波長を有する波長の範囲に亘り該基盤の光学的応答データセットを記録し、そして
遠紫外線(DUV)波長より下にある波長範囲内で卓越して規定される該少なくとも1つの光学的特性の該決定に基づき、該記録された光学的応答データセットを重み付けすることにより、該薄膜の少なくとも1つの物理的特性を特徴付けるよう構成されることを特徴とする該装置。
【請求項92】
遠紫外線(DUV)波長より下で動作する反射率計に於いて、該反射率計が、
DUV波長より下の波長を有する光を創る光源を具備しており、該光は該反射率計内で少なくとも1つの光ビームを創るため使われており、該反射率計は又
中を該光ビームが進む少なくとも1つの環境的に制御された室を具備しており、該室はDUV光より下の波長の透過を可能にするよう充分制御されており、該反射率計は更に、
該光ビームの少なくとも1部分を受けるスペクトロメーターを具備しており、該スペクトロメーターは該スペクトロメーターの出口平面に多数の空間的に分離された波長の光を提供しており、該多数の空間的に分離された波長の光はDUV波長より下の波長の光を有しており、そして、該反射率計はなお更に
該多数の空間的に分離された波長の光を受けるアレイ検出器を具備しており、該アレイ検出器はDUV波長より下の波長のデータを検出することを特徴とする該反射率計。
【請求項93】
遠紫外線(DUV)波長より下で動作する反射率計に於いて、該反射率計が、
DUV波長より下の波長を有する光を創る光源を具備しており、該光は該反射率計内で少なくとも1つの光ビームを創るため使われており、該反射率計は又
中を該光ビームが進む複数の環境的に制御された室を具備しており、該室はDUVより下の光波長の透過を可能にするよう充分制御されており、該室の少なくとも1つは反射率データが集められるよう望まれるサンプルを保持するべく構成されたサンプル室であり、該反射率計は更に、
該光ビームの少なくとも1部分を受け、該光ビームの少なくとも1部分をスペクトロメーター出力として提供するスペクトロメーターと、
該スペクトロメーター出力を受ける検出器と、を具備しており、該検出器はDUV波長の、又はそれより下の、波長のデータを検出することを特徴とする該反射率計。
【請求項94】
遠紫外線(DUV)波長より下の波長の反射率データを集める過程を含み、反射率計を使ってサンプルから反射率データを集める方法に於いて、該方法が、
DUV波長より下の光波長を創る過程を具備しており、該光は該反射率計内で少なくとも1つの光ビームを創るため使われており、該方法は又
該光ビームを少なくとも1つの環境的に制御された室内に透過させる過程と、
DUV光より下の波長の透過を可能にするよう該少なくとも1つの環境的に制御された室内の該環境を制御する過程と、
該光ビームをサンプル上へ導く過程と、
該光ビームが該サンプルから反射された後スペクトロメーター内で該光ビームの少なくとも1部分を受ける過程と、
該スペクトロメーターの出口平面に多数の空間的に分離された波長の光を提供する過程と、を具備しており、該多数の空間的に分離された波長の光はDUV波長より下の波長の光を有しており、そして該方法は更に、
該多数の空間的に分離された波長の光をアレイ検出器で受ける過程を具備しており、該アレイ検出器は、遠紫外線(DUV)波長より下の波長のサンプル反射率データを集めるために、DUV波長より下の波長のデータを検出することを特徴とする該方法。
【請求項95】
2次元サンプル範囲から反射率データを得るための光学的反射率計に於いて、該反射率計が、
光ビームを提供する光源と、
2次元サンプル範囲へ、そしてそこから、該光ビームを導くよう構成されて複数の光学的要素と、
該光ビームを受けるスペクトロメーターと、を具備しており、該スペクトロメーターは該スペクトロメーターの出口に多数の空間的に分離された波長の光を提供しており、そして該反射率計は又
反射率データが、該2次元サンプル範囲内の多数のサイトについて同時に得られることを可能にするため、該多数の空間的に分離された波長の光を受けるアレイ検出器を具備することを特徴とする該反射率計。
【請求項96】
反射率計を使ってサンプルの反射率特性を解析する方法に於いて、該方法が
少なくとも1つの光ビームを提供する過程と、
該光ビームをサンプルの2次元範囲上へ向ける過程と、
該光ビームが該サンプルから反射された後、該光ビームの少なくとも1部分を画像形成スペクトロメーター内で受ける過程と、
該スペクトロメーターの出口平面に多数の空間的に分離された波長の光を提供する過程と、そして
反射率データが該サンプルの該2次元範囲内の多数サイトについて同時に得られるよう、2次元アレイ検出器を用いて該多数の空間的に分離された波長の光を受ける過程と、を具備することを特徴とする該方法。
【請求項97】
広帯域反射率計装置に於いて、該装置が
第1スペクトル領域内で動作する第1光源と、
第2スペクトル領域内で動作する第2光源と、を具備しており、該第1及び第2スペクトル領域は少なくとも部分的に異なっており、そして該装置は又
該第1光源及び第2光源と共に使用される共通の光学的モジュールを具備しており、該光学的モジュールは、該第1光源及び第2光源の間の選択を実現する、そして各スペクトル領域用サンプルスポットが少なくとも1つの同様なスポット特性を有するように該第1スペクトル領域及び該第2スペクトル領域での測定を実現する、供給及び収集光学機器を備えており、
該第1光源と、該第2光源と、そして該共通の光学的モジュールとは、該第1スペクトル領域と該第2スペクトル領域からシーケンシャルに集められたデータが、該第1スペクトル領域と該第2スペクトル領域の両者の少なくとも部分から成る広帯域スペクトル領域用の反射率データを創るために一緒に合体されるよう、直列のデータ収集方法を使うよう構成されることを特徴とする該装置。
【請求項98】
広帯域反射率計装置に於いて、該装置が
第1スペクトル領域を有する光と第2スペクトル領域を有する光の間を選択するよう構成された光学的モジュールを具備しており、該光学的モジュールは、各スペクトル領域用のサンプル上のサンプルスポットが少なくとも1つの同様なスポット特性を有するよう、該第1スペクトル領域と該第2スペクトル領域での測定を実現するために少なくとも幾つかの共通の供給及び収集光学機器を備えており、そして該装置は又
少なくとも1つの基準チャンネル光路を具備しており、該基準チャンネル光路は該サンプルから独立しているよう構成されており、
該広帯域反射率計装置は、該第1スペクトル領域での動作用に最適化される、一方少なくとも該第2スペクトル領域のデータをなお収集出来ることを特徴とする該装置。
【請求項99】
広帯域反射率計装置に於いて、該装置が
第1スペクトル領域で動作する第1光源と、
第2スペクトル領域で動作する第2光源とを具備しており、該第1及び第2スペクトル領域は少なくとも部分的に異なっており、そして該装置は又
該第1光源及び第2光源と共に使用される共通の光学的モジュールを具備しており、該光学的モジュールは、該第1光源と該第2光源の間の選択を実現する、そして各スペクトル領域用のサンプル上のサンプルスポットが同様な配向を有するように該第1スペクトル領域及び第2スペクトル領域での測定を実現する、供給及び収集光学機器を備えることを特徴とする該装置。
【請求項100】
VUV領域での動作用に最適化され、そして少なくともDUV領域での動作可能な広対域反射率計装置に於いて、該装置が
VUV光源とDUV光源の間で、そしてVUVスペクトロメーターとDUVスペクトロメーターの間で、選択するよう構成された単1の光学的モジュールを具備しており、該単一の光学的モジュールは
少なくとも1つの同様なスポット特性を用いて各スペクトル領域での測定を実現するために少なくとも幾つかの共通な供給及び収集光学機器と、
少なくとも1つのサンプルチャンネル光路と、
少なくとも1つの基準チャンネル光路とを備えており、そして該装置は又
該単一の光学的モジュールの少なくとも1部分を囲む環境的に制御された室を具備しており、
該VUV光源と、該DUV光源とそして該単一の光学的モジュールとは、VUVスペクトル領域とDUVスペクトル領域からシーケンシャルに集められたデータが該VUVスペクトル領域と該DUVスペクトル領域の両者の少なくとも部分から成る広帯域スペクトル領域用の反射率データを創るため一緒に合体されるように直列データ収集方法を使うよう構成されることを特徴とする該装置。
【請求項101】
遠紫外線(DUV)波長より下の波長の反射率データを集める過程を含む、反射率計を用いてサンプルから反射率データを集める方法に於いて、該方法が
DUV波長より下の第1の光波長を創る過程を具備しており、該第1光波長は該反射率計内に第1光ビームを創るため使用されており、該方法は又
少なくとも1つの環境的に制御された室内に該第1光ビームを透過させる過程と、
DUV光より下の波長の透過を可能にするよう該少なくとも1つの環境的に制御された室内の該環境を制御する過程と、
該第1光ビームをサンプル上に向ける過程と、
該第1光ビームが該サンプルから反射された後第1スペクトロメーター内で該第1光ビームの少なくとも1部分を受ける過程と、
VUV波長より上の第2光波長を創る過程とを具備しており、該第2光波長は該反射率計内に第2光ビームを創るため使われており、そして該方法は更に
VUV波長より上の波長の反射率データを提供するためにサンプル上に該第2光ビームを向ける過程を具備しており、
該第1光ビームと第2光ビームは少なくとも幾つかの共通の光学的要素を用いてシーケンシャルな仕方で形成されることを特徴とする該方法。
【請求項102】
広帯域スペクトル範囲に亘り第1サンプルから反射率データを得る方法に於いて、該方法が
第1スペクトル範囲内で第1光波長を創る過程を具備しており、該第1光波長は該反射率計内に第1光ビームを創るため使われており、該方法は又
サンプル上に該第1光ビームを向ける過程と、
該第1光ビームが該サンプルから反射された後第1スペクトロメーター内で該第1光ビ
ームの少なくとも1部分を受ける過程と、
第2スペクトル範囲内で第2光波長を創る過程とを具備しており、該第2スペクトル範囲は第1スペクトル範囲と異なっており、該第2光波長は該反射率計内に第2光ビームを創るため使われており、そして該方法は更に
該第2スペクトル範囲の波長の反射率データを提供するためにサンプル上に該第2光ビームを向ける過程と、
サンプル光学的チャンネルを提供する過程と、
基準光学的チャンネルを提供する過程とを具備しており、該サンプル光学的チャンネルと基準光学的チャンネルは少なくとも幾つかの共通の光学的要素を共有しており、そして該方法はなお更に、
該第1スペクトル範囲又は該第2スペクトル範囲の少なくとも1つ内で基準合わせデータを得るために該基準光学的チャンネルを使う過程を具備しており、該基準データは該サンプル光学的チャンネル内の何等かのサンプルの使用から独立したシステム又は環境のパラメーターを示していることを特徴とする該方法。
【請求項1】
反射率計装置に於いて、該装置が
サンプルチャンネル光路を創るために使われる光源と、
少なくとも1つの基準チャンネル光路と、を具備しており、該基準チャンネル光路はサンプルに出会わないよう構成されており、該装置は又
該基準チャンネル光路又は該サンプルチャンネル光路の少なくとも1つを選択的にイネーブルにする又はディスエーブルにする少なくとも1つの光学的要素と、そして
該サンプルチャンネル光路と該基準チャンネル光路の両者により共有される複数の反射率計システム要素と、を具備しており、
該基準チャンネル光路は、該反射率計の使用により得られる反射率データを調整するように、システム又は環境の変化の責めを負うため使われるデータを集めるよう構成されることを特徴とする該装置。
【請求項2】
サンプルチャンネル光路と該基準チャンネル光路とは、該光源からのソースビームを分けるために、そして次に前記分けられた部分を、それらが共通の回折要素及び共通の検出器へ向けられるように、組み合わせ直すために、1つ以上のビームスプリッターデバイスを使って確立されることを特徴とする請求項1の該装置。
【請求項3】
個別チャンネルの選択が制御可能なアパーチャーの使用により達成されることを特徴とする請求項2の該装置。
【請求項4】
該制御可能なアパーチャーが光学的シャッターであることを特徴とする請求項3の該装置。
【請求項5】
1つ以上の該ビームスプリッターデバイスが、ビーム直径全体を覆い隠す部分透過性ビームスプリッター又はビーム直径全体の或る部分を覆い隠す充分に反射するミラーから成ることを特徴とする請求項2の該装置。
【請求項6】
該基準チャンネル光路と該サンプルチャンネル光路が干渉計のバランスされたアームを備えることを特徴とする請求項1の該装置。
【請求項7】
該干渉計がマッハ−ツエンダー干渉計又はマイケルソン干渉計であることを特徴とする請求項6の該装置。
【請求項8】
該サンプルチャンネル光路及び該基準チャンネル光路が、該サンプルチャンネル光路か又は該基準チャンネル光路かの何れかを通るよう該光源からのソースビームの全体を導くために、そして該サンプルチャンネル光路と該基準チャンネル光路を共通の回折要素と共通の検出器へ導くために、モーター駆動された充分に反射するミラーの形の2つ以上の制御可能なアパーチャーを使って確立されることを特徴とする請求項1の該装置。
【請求項9】
該基準チャンネル光路及び該サンプルチャンネル光路が、遠紫外線(DUV)波長より下の吸収種から生ずる環境影響を最小化するために、殆ど等しい光路長であることを特徴とする請求項1の該装置。
【請求項10】
該装置が、インライン測定で、モニタリング及び制御が有利に得られるようプロセスツール内への一体化を実現するために充分コンパクトであることを特徴とする請求項1の該装置。
【請求項11】
反射率計に於いて、該反射率計が
サンプルチャンネル光路を創るため使われる光源を具備しており、該サンプルチャンネル光路は少なくとも1つの未知特性を有するサンプルに出会うよう構成されており、そして該反射率計は又、
該サンプルから得られた反射率データの調整が、反射率計校正時と該サンプル反射率データが得られた時と、の間の反射率計又は環境の変化の責めを負うことを可能にするために、該反射率計を基準合わせする手段を具備しており、
該基準合わせする手段は基準チャンネル光路を備えることを特徴とする反射率計。
【請求項12】
該サンプルチャンネル光路と該基準合わせする手段とが干渉計のバランスされたアームを形成することを特徴とする請求項11の該反射率計。
【請求項13】
該干渉計がマッハ−ツエンダー干渉計又はマイケルソン干渉計であることを特徴とする請求項12の該反射率計。
【請求項14】
サンプルチャンネル光路と該基準チャンネル光路とが、該光源からのソースビームを分けるために、そして次に前記分けられた部分を、それらが回折要素と検出器との共通の部分に導かれるよう組み合わせ直すために、1つ以上のビームスプリッターデバイスを使って確立されることを特徴とする請求項11の該反射率計。
【請求項15】
個別チャンネルの選択が制御可能なアパーチャーの使用により達成されることを特徴とする請求項14の該反射率計。
【請求項16】
該制御可能なアパーチャーが光学的シャッターであることを特徴とする請求項15の該反射率計。
【請求項17】
該サンプルチャンネル光路及び該基準チャンネル光路が、該サンプルチャンネル光路か又は該基準チャンネル光路かの何れかを通して該光源からのソースビームの全体を導くために、そして該サンプルチャンネル光路と該基準チャンネル光路とを共通の回折要素と共通の検出器へ導くために、モーター駆動された充分に反射するミラーの形の2つ以上の制御可能なアパーチャーを使って確立されることを特徴とする請求項11の該反射率計。
【請求項18】
該基準チャンネル光路及び該サンプルチャンネル光路が、遠紫外線(DUV)波長より下の吸収種から生ずる環境影響を最小化するために、殆ど等しい光路長であることを特徴とする請求項11の該反射率計。
【請求項19】
更に少なくとも1つの環境的に制御された室を具備しており、該サンプルチャンネル光路と該基準チャンネル光路とが、少なくとも部分的に該1つの環境的に制御された室内に形成されることを特徴とする請求項18の該反射率計。
【請求項20】
該基準チャンネル光路が未知のサンプル又は校正サンプルに出会わないことを特徴とする請求項11の該反射率計。
【請求項21】
該基準チャンネル光路及び該サンプルチャンネル光路が共通の光源、回折格子そして検出器を共有することを特徴とする請求項11の該反射率計。
【請求項22】
第1サンプルから反射率データを得る方法に於いて、該方法が
サンプル光学的チャンネルを提供する過程と、
基準光学的チャンネルを提供する過程と、を具備しており、該サンプル光学的チャンネルと該基準光学的チャンネルとは少なくとも回折格子及び検出器の共通部分を有する少なくとも幾つかの共通光学的要素を共有しており、該方法は又、
該検出器を用いて基準合わせデータを得るために該基準光学的チャンネルを使う過程を具備しており、該基準合わせデータは該サンプル光学的チャンネル路内の何等かのサンプルの使用から独立したシステム又は環境パラメーターを示しており、そして該方法は更に、
該第1サンプルからのサンプル反射率データの収集に付随した該基準合わせデータを使うことにより該サンプル光路から得られた反射率データを基準合わせする過程を具備することを特徴とする該方法。
【請求項23】
該第1サンプルが未知サンプルであることを特徴とする請求項22の該方法。
【請求項24】
該第1サンプルが校正サンプルであることを特徴とする請求項22の該方法。
【請求項25】
該基準合わせデータが該第1サンプル反射率データの収集に時間的に隣接して集められることを特徴とする請求項22の該方法。
【請求項26】
該第1サンプルが未知サンプルであること、そして反射率データの該基準合わせが校正時と該第1サンプル反射率データが得られた時との間のシステム又は環境の変化の責めを負うこと、を特徴とする請求項22の該方法。
【請求項27】
該第1サンプルが校正サンプルであり、該方法が更に未知サンプル用に反射率測定を行う過程を具備することを特徴とする請求項22の方法。
【請求項28】
該校正サンプルの反射率測定に付随する該基準合わせデータが、該校正サンプルからの反射率データを得る過程に時間的に隣接して検出されることを特徴とする請求項27の該方法。
【請求項29】
更に該未知サンプルに付随する基準合わせデータを得る過程を具備することを特徴とする請求項28の該方法。
【請求項30】
該第1サンプルは未知サンプルであり、該方法は更に校正サンプル用の反射率測定を行う過程を具備することを特徴とする請求項22の該方法。
【請求項31】
該未知サンプルの反射率測定に付随する基準合わせデータが該サンプルから反射率データを得る過程に時間的に隣接して検出されることを特徴とする請求項30の該方法。
【請求項32】
更に該校正サンプルに付随する基準合わせデータを得る過程を具備することを特徴とする請求項31の該方法。
【請求項33】
未知サンプルから基準データを得る方法に於いて、該方法が
サンプル光学的チャンネルを提供する過程と、
基準光学的チャンネルを提供する過程とを具備しており、該サンプル光学的チャンネルと該基準光学的チャンネルとは少なくとも1つの回折格子及び検出器の共通部分を有する少なくとも幾つかの共通の光学的要素を共有しており、該方法は又
校正サンプルから反射率データを検出するために該検出器を使う過程と、
該校正に時間的に隣接して該検出器で第1基準合わせデータを得るために該基準光学的チャンネルを使う過程を具備しており、該第1基準合わせデータは該サンプル光学的チャンネル路内での何等かのサンプルの使用から独立したシステム又は環境パラメーターを示しており、該方法は更に
未知サンプルから反射率データを検出するために該検出器を使う過程と、
該未知サンプル反射率データの該検出に時間的に隣接して該検出器で第2基準合わせデ
ータを得るために該基準光学的チャンネルを使う過程と、を具備しており、該第2基準データは該サンプル光学的チャンネル路内の何等かのサンプルの該使用から独立したシステム又は環境パラメーターを示しており、そして該方法はなお更に
該第1基準合わせデータと該第2基準合わせデータとを使うことにより該未知サンプルから得られた該反射率データを基準合わせする過程を具備することを特徴とする該方法。
【請求項34】
該サンプル光学的チャンネルと該基準光学的チャンネルが干渉計のバランスしたアームを形成することを特徴とする請求項33の該方法。
【請求項35】
該干渉計がマッハ−ツエンダー干渉計又はマイケルソン干渉計であることを特徴とする請求項34の反射率計。
【請求項36】
該サンプル光学的チャンネルと該基準光学的チャンネルとが、該光源からのソースビームを分けるために、そして次に前記分けられた部分をそれらが該回折格子及び該検出器の共通部分に導かれるよう組み合わせ直すために、1つ以上のビームスプリッターデバイスを使って確立されることを特徴とする請求項33の該反射率計。
【請求項37】
遠紫外線(DUV)波長より下で動作する反射測定装置に於いて、該装置が
光源を具備しており、該光源はDUV波長の、及びそれより下の、波長を有するソースビームを提供しており、該装置は又
サンプルチャンネル光路と、
基準チャンネル光路と、
該サンプルチャンネル光路からの光を、該光がサンプルから反射された後、受けるスペクトロメーターと、
該スペクトロメーターの出力から透過されるDUV波長の、又はそれより下の、光の波長を受ける検出器とを具備しており、
該基準チャンネル光路は、少なくとも幾つかの反射率計システム特性が該サンプルからの反射率データの取得に時間的に隣接して得られるように、該反射率計を基準合わせするため使われることを特徴とする該装置。
【請求項38】
該基準合わせする過程は、該サンプルから得られる反射率データの調整が、装置校正時と、該サンプル反射率データが得られた時と、の間の装置又は環境の変化の責めを負うことが出来るようにすることを特徴とする請求項37の該装置。
【請求項39】
更に該サンプルチャンネル光路と該基準チャンネル光路とが少なくとも部分的に含まれる少なくとも1つの環境的に制御された室を具備することを特徴とする請求項37の該装置。
【請求項40】
該サンプルチャンネル光路は該サンプルに出会うよう構成されており、該基準チャンネル光路は、それが該サンプルに出会わないよう構成されており、そして該サンプルチャンネル光路と該基準チャンネル光路とが1つ以上の制御可能なアパーチャーの操作を通して選択されることが出来ることを特徴とする請求項37の該装置。
【請求項41】
該サンプルチャンネル光路と該基準チャンネル光路とが回折格子と検出器との共通部分を共有することを特徴とする請求項40の該装置。
【請求項42】
サンプルチャンネル光路と該基準チャンネル光路とが、ソースビームを分けるために、そして次に前記分けられた部分をそれらが共通の回折要素及び検出器へ導かれるよう組み合わせ直すために、1つ以上のビームスプリッターデバイスを使って確立されることを特徴とする請求項37の該装置。
【請求項43】
サンプルチャンネル光路又は該基準チャンネル光路の選択が、光学的シャッターの形の制御可能なアパーチャーの使用を通して達成されることを特徴とする請求項42の該装置。
【請求項44】
該ビームスプリッターデバイスの1つ以上が、該全体のビーム直径を覆い隠す部分透過性ビームスプリッターか、又は該全体のビーム直径の幾らかの部分を覆い隠す充分反射するミラーであることを特徴とする請求項42の該装置。
【請求項45】
該サンプルチャンネル光路及び該基準チャンネル光路が、該サンプルチャンネル光路か又は該基準チャンネル光路かの何れかを通して該ソースビームの全体を導くために、そして該基準チャンネル光路と該サンプルチャンネル光路を共通の回折要素と共通の検出器へ導くために、モーター駆動され充分に反射するミラーの形の2つ以上の制御可能なアパーチャーを使って確立されることを特徴とする請求項37の該装置。
【請求項46】
該基準チャンネル光路と該サンプルチャンネル光路とがDUVより下の波長を吸収する吸収種から生ずる環境の影響を最小化するために、殆ど等しい光路長であることを特徴とする請求項37の該装置。
【請求項47】
基準及びサンプルチャンネルが干渉計のバランスしたアームを備えることを特徴とする請求項46の該装置。
【請求項48】
該干渉計がマッハ−ツエンダー又はマイケルソン干渉計であることを特徴とする請求項47の該装置。
【請求項49】
該装置が更に少なくとも1つの結合機構を介して接続された少なくとも2つの環境的に制御された室を具備することを特徴とする請求項37の該装置。
【請求項50】
サンプルチャンネル光路と該基準チャンネル光路とが、該ソースビームを分けるために、そして次に前記分けられた部分をそれらが共通の回折要素と共通の検出器とに導かれるように組み合わせ直すために、1つ以上のビームスプリッターデバイスを使って確立されることを特徴とする請求項49の該装置。
【請求項51】
該サンプルチャンネル光路又は該基準チャンネル光路の1つの選択が制御可能なアパーチャーの使用により達成されることを特徴とする請求項50の該装置。
【請求項52】
該ビームスプリッターデバイスの1つ以上が、全体のビーム直径を覆い隠す部分的に透過性のビームスプリッターか又は全体のビーム直径の幾らかの部分を覆い隠す充分に反射するミラーであることを特徴とする請求項50の該装置。
【請求項53】
該サンプルチャンネル光路及び該基準チャンネル光路が、該サンプルチャンネル光路か又は該基準チャンネル光路かの何れかを通して該ソースビームの全体を導くために、そして該基準チャンネル光路と該サンプルチャンネル光路を両光路が共通の回折要素と共通の検出器を有するよう組み合わせ直すために、モーター駆動され充分に反射するミラーの形の2つ以上の制御可能なアパーチャーを使って確立されることを特徴とする請求項49の該装置。
【請求項54】
該基準チャンネル光路と該サンプルチャンネル光路とが、DUV波長より下の波長の吸収種から生ずる環境の影響を最小化するために殆ど等しい光路長であることを特徴とする請求項49の該装置。
【請求項55】
基準チャンネル光路及び該サンプルチャンネル光路が干渉計のバランスしたアームを備えることを特徴とする請求項54の該装置。
【請求項56】
該干渉計がマッハ−ツエンダー又はマイケルソン干渉計であることを特徴とする請求項55の該装置。
【請求項57】
該検出器は、反射率データが、該サンプルの2次元範囲内の多数サイト用に同時に得られることを可能にするために光の多数の空間的に分離された波長を受けるアレイ検出器であることを特徴とする請求項37の該装置。
【請求項58】
該サンプルチャンネル光路は該サンプルに出会うよう構成されており、該基準チャンネル光路はそれが該サンプルに出会わないよう構成されており、そして該サンプルチャンネル光路と該基準チャンネル光路とが1つ以上の制御可能なアパーチャーの操作により選択されることが出来ることを特徴とする請求項57の該装置。
【請求項59】
該サンプルチャンネル光路と該基準チャンネル光路とが共通の回折要素と共通の検出器とを共有することを特徴とする請求項58の該装置。
【請求項60】
該サンプルチャンネル光路と該基準チャンネル光路とが、該ソースビームを分けるために、そして次に前記分けられた部分をそれらが共通の回折要素と共通の検出器へ導かれるよう組み合わせ直すために、1つ以上のビームスプリッターデバイスを使って確立されることを特徴とする請求項58の該装置。
【請求項61】
基準チャンネル光路と該サンプルチャンネル光路とが、DUV波長より短い波長の吸収種から生ずる環境の影響を最小化するために、殆ど等しい光路長であることを特徴とする請求項58の該装置。
【請求項62】
基準チャンネル光路及び該サンプルチャンネル光路が干渉計のバランスしたアームを備えることを特徴とする請求項61の該装置。
【請求項63】
該干渉計がマッハ−ツエンダー又はマイケルソン干渉計であることを特徴とする請求項62の該装置。
【請求項64】
更に反射性光学機器である少なくとも1つの光学的要素を具備することを特徴とする請求項57の該装置。
【請求項65】
該少なくとも1つの光学的要素が軸外れ放物線状ミラーであることを特徴とする請求項64の該装置。
【請求項66】
該軸外れ放物線状ミラーが、画像形成性能を改良するためにその製造中導入されるダイアモンド旋削アーチフアクトを除去するよう従来のポリッシングを受けることを特徴とする請求項65の該装置。
【請求項67】
該軸外れ放物線状ミラーがミラーの中心光線軸を90ー外して動作するよう設計されることを特徴とする請求項65の該装置。
【請求項68】
該反射性光学機器はDUV波長より下の反射率を高めるために広帯域反射性コーテイングでコートされることを特徴とする請求項64の該装置。
【請求項69】
該広帯域VUV−DUV反射性コーテイングはアルミニウムとMgF2を含むことを特徴とする請求項68の該装置。
【請求項70】
該アレイ検出器は電荷結合デバイス(CCD)であることを特徴とする請求項57の該装置。
【請求項71】
該CCDは背部を薄くして、背部照明された設計であることを特徴とする請求項70の該装置。
【請求項72】
該スペクトロメーターは修正光学機器の組み込みにより大面積平坦視野での無収差の画像形成を提供する仕方で設計された画像形成スペクトログラフであることを特徴とする請求項57の該装置。
【請求項73】
該ソースビームの空間的及び時間的コヒーレンスを修正する目的で、又は該ソースビームのスペクトル特性を修正するために、該ソースと該スペクトロメーターの間にビーム調整モジュールが導入されることを特徴とする請求項57の該装置。
【請求項74】
該装置が、インライン測定でモニター作用及び制御が有利に得られるべく、プロセスツール内への一体化を実現するよう充分コンパクトであることを特徴とする請求項57の該装置。
【請求項75】
2次元サンプル範囲から反射率データを得るための光学的反射率計に於いて、該反射率計が
光ビームを提供する光源と、
該光ビームを2次元サンプル範囲へ、そしてそこから、導くためにサンプルチャンネルビーム路を使うよう構成された複数の光学的要素と、
少なくとも1つの基準チャンネルビーム路と、を具備しており、該基準チャンネルビーム路はサンプルに出会わないよう構成されており、該反射率計は又
該基準チャンネルビーム路又は該サンプルチャンネルビーム路の少なくとも1つを選択的にイネーブル又はディスエイブルにする少なくとも1つの光学的要素と、
該基準チャンネルビーム路と該サンプルチャンネルビーム路の両者内にあるスペクトロメーターとを具備しており、該スペクトロメーターは該スペクトロメーターの出口で多数の空間的に分離された波長の光を提供しており、そして該反射率計は更に
該基準チャンネルビーム路と該サンプルチャンネルビーム路の両者内にあるアレイ検出器を具備しており、該アレイ検出器は、反射率データが該2次元サンプル範囲内の多数のサイトで同時に得られることを可能にするために、多数の空間的に分離された波長の光を受けており、
該基準チャンネルビーム路は、該反射率計の使用を通して得られる反射率データを調整してシステム又は環境の変化の責めを負うために使われるデータを集めるよう構成されることを特徴とする該反射率計。
【請求項76】
該光源がDUV波長より下の波長を提供することを特徴とする請求項75の該反射率計。
【請求項77】
基準チャンネルビーム路と該サンプルチャンネルビーム路とが、遠紫外線(DUV)波長より下の吸収種から生ずる環境の影響を最小化するために、殆ど等しい光路長であることを特徴とする請求項76の該反射率計。
【請求項78】
更に、該サンプルビーム路と基準ビーム路が中に形成される少なくとも1つの環境的に制御された室を具備することを特徴とする請求項77の該反射率計。
【請求項79】
更に複数の環境的に制御された室を具備しており、少なくとも1つの室はサンプル室であることを特徴とする請求項78の該反射率計。
【請求項80】
該基準チャンネルビーム路は、該サンプルから得られた反射率データの調整が、反射率計校正時と該サンプル反射率データが得られる時と、の間の反射率計又は環境の変化の責めを負うことが出来るようにすることを特徴とする請求項75の該反射率計。
【請求項81】
反射率計を使いサンプルの反射率特性を解析する方法に於いて、該方法が、
少なくとも1つの光ビームを提供する過程と、
該光ビームを、サンプル光学的チャンネルを使うことによりサンプルの2次元範囲上に導く過程と、
画像形成スペクトロメーター内で該光ビームの少なくとも1部分を、該光ビームが該サンプルから反射された後、受ける過程と、
該スペクトロメーターの出口平面に多数の空間的に分離された波長の光を提供する過程と、
反射率データが、該サンプルの該2次元範囲内の多数のサイトについて、同時に得られることを可能にするために、2次元アレイ検出器で該多数の空間的に分離された波長の光を受ける過程と、
基準光学的チャンネルを提供する過程と、を具備しており、該サンプル光学的チャンネルと該基準光学的チャンネルは少なくとも幾つかの共通の光学要素を共有しており、該方法は又
該検出器を用いて基準合わせデータを得るために該基準光学的チャンネルを使う過程を具備しており、該基準データは該サンプル光学的チャンネル路内の何等かのサンプルの使用から独立したシステム又は環境のパラメーターを示しており、そして該方法は更に、
該サンプルからのサンプル反射率データの収集に付随した該基準合わせデータを使うことにより、該サンプル光路から得られる該反射率データを基準合わせする過程を具備することを特徴とする該方法。
【請求項82】
該基準合わせチャンネルビーム路は、サンプル反射率データの調整が、反射率計校正時と該サンプル反射率データが得られる時と、の間の反射率計又は環境の変化の責めを負うことが出来るようにすることを特徴とする請求項81の該方法。
【請求項83】
更に、該反射率データが該サンプルの望ましい2次元範囲から得られるようにカメラを用いたパターン認識を行う過程を具備することを特徴とする請求項82の該方法。
【請求項84】
該アレイ検出器により解かれた該反射率データがDUVより下の波長のデータを有することを特徴とする請求項81の該方法。
【請求項85】
該アレイ検出器により解かれた該反射率データが約140nmより短い波長のデータを有することを特徴とする請求項84の該方法。
【請求項86】
更に、
少なくとも1つの環境的に制御された室内に該光ビームを透過する過程と、そして
DUV光より下の波長の透過を可能にするために該少なくとも1つの環境的に制御された室内の環境を制御する過程とを具備することを特徴とする請求項81の該方法。
【請求項87】
該少なくとも1つの環境的に制御された室がサンプル室であることを特徴とする請求項86の該方法。
【請求項88】
該光ビームが複数の該環境的に制御された室を通して透過されることを特徴とする請求項87の該方法。
【請求項89】
基盤上に形成された複数の薄膜から成るサンプルを分析する方法に於いて、該方法が
該基盤上に形成された少なくとも第1と第2の薄膜の期待される構成を提供する過程と、
少なくとも部分的に該期待される構成に基づいて、遠紫外線(DUV)波長より下にある波長範囲内で卓越して規定される該第1薄膜の少なくとも1つの光学特性と、遠紫外線(DUV)波長より下にある波長範囲内では卓越しては規定されない該第2薄膜の少なくとも1つの光学特性を決定する過程と、
遠紫外線(DUV)波長より下の少なくとも複数の波長を有する波長範囲に亘り該サンプルの光学的応答データセットを記録する過程と、そして
遠紫外線(DUV)波長より下にある波長範囲内で卓越して規定される該第1薄膜の該少なくとも1つの光学的特性の該決定と、遠紫外線(DUV)波長より下にある波長範囲内では卓越しては規定されない該第2薄膜の少なくとも1つの光学的特性の該決定と、に基づき、該記録された光学的応答データセットを重み付けすることにより、該第1薄膜の少なくとも1つの特性を特徴付ける過程と、を具備することを特徴とする該方法。
【請求項90】
基盤上に形成された少なくとも1つの薄膜から成るミニァチャーデバイスを解析する方法に於いて、該方法が
該少なくとも1つの薄膜の期待される構成を提供する過程と、
少なくとも部分的に該期待される構成に基づいて、遠紫外線(DUV)波長より下にある波長範囲内で卓越して規定される少なくとも1つのデバイス光学特性を決定する過程と、
遠紫外線(DUV)波長より下の少なくとも複数の波長を有する波長の範囲に亘り該デバイスの光学的応答データセットを記録するために反射率計を使う過程と、
遠紫外線(DUV)波長より下にある波長範囲内で卓越して規定される該少なくとも1つの光学的特性の該決定に基づき該記録された光学的応答データセットを重み付けすることにより該デバイスの少なくとも1つの物理的特性を特徴付ける過程と、を具備することを特徴とする該方法。
【請求項91】
基盤上に形成された少なくとも1つの薄膜から成る基盤を解析する装置に於いて、該装置が、
少なくともDUV波長より下の波長を有するソースビームを提供する光源と、
中を光ビームが進む少なくとも1つの環境的に制御された室と、を具備しており、該室はDUV光より下の波長の透過を可能にするよう充分制御されており、該装置は又
該基盤と出会うよう構成されたサンプルチャンネル光路と、
該基盤と出会わない路を提供するよう構成された基準チャンネル光路と、を具備しており、該基準チャンネル光路は、該反射率計の使用を通して得られる反射率データを調整するために、システム又は環境の変化の責めを負うよう使われるデータを集めるよう構成されており、該装置は更に、
該ソースビームの少なくとも1部分を受けるスペクトロメーターを具備しており、該スペクトロメーターは該スペクトロメーターの出口平面に多数の空間的に分離された波長の光を提供しており、該多数の空間的に分離された波長の光はDUV波長より下の波長の光を含んでおり、該装置はなお更に、
該多数の空間的に分離された波長の光を受けるアレイ検出器を具備しており、該アレイ検出器は該基盤の2次元範囲内の多数のサイトのDUV波長より下の波長の反射率データを同時に得ており、そして該装置は又なお更に
該基盤反射率データを受けるために該アレイ検出器に接続されたデータプロセサーを具備しており、該データプロセサーは、
該少なくとも1つの薄膜の期待される構成に関するデータを受け、
少なくとも部分的に該期待される構成に基づいて、遠紫外線(DUV)波長より下にある波長範囲内で卓越して規定される少なくとも1つの薄膜光学特性を決定し、
遠紫外線(DUV)波長より下の少なくとも複数の波長を有する波長の範囲に亘り該基盤の光学的応答データセットを記録し、そして
遠紫外線(DUV)波長より下にある波長範囲内で卓越して規定される該少なくとも1つの光学的特性の該決定に基づき、該記録された光学的応答データセットを重み付けすることにより、該薄膜の少なくとも1つの物理的特性を特徴付けるよう構成されることを特徴とする該装置。
【請求項92】
遠紫外線(DUV)波長より下で動作する反射率計に於いて、該反射率計が、
DUV波長より下の波長を有する光を創る光源を具備しており、該光は該反射率計内で少なくとも1つの光ビームを創るため使われており、該反射率計は又
中を該光ビームが進む少なくとも1つの環境的に制御された室を具備しており、該室はDUV光より下の波長の透過を可能にするよう充分制御されており、該反射率計は更に、
該光ビームの少なくとも1部分を受けるスペクトロメーターを具備しており、該スペクトロメーターは該スペクトロメーターの出口平面に多数の空間的に分離された波長の光を提供しており、該多数の空間的に分離された波長の光はDUV波長より下の波長の光を有しており、そして、該反射率計はなお更に
該多数の空間的に分離された波長の光を受けるアレイ検出器を具備しており、該アレイ検出器はDUV波長より下の波長のデータを検出することを特徴とする該反射率計。
【請求項93】
遠紫外線(DUV)波長より下で動作する反射率計に於いて、該反射率計が、
DUV波長より下の波長を有する光を創る光源を具備しており、該光は該反射率計内で少なくとも1つの光ビームを創るため使われており、該反射率計は又
中を該光ビームが進む複数の環境的に制御された室を具備しており、該室はDUVより下の光波長の透過を可能にするよう充分制御されており、該室の少なくとも1つは反射率データが集められるよう望まれるサンプルを保持するべく構成されたサンプル室であり、該反射率計は更に、
該光ビームの少なくとも1部分を受け、該光ビームの少なくとも1部分をスペクトロメーター出力として提供するスペクトロメーターと、
該スペクトロメーター出力を受ける検出器と、を具備しており、該検出器はDUV波長の、又はそれより下の、波長のデータを検出することを特徴とする該反射率計。
【請求項94】
遠紫外線(DUV)波長より下の波長の反射率データを集める過程を含み、反射率計を使ってサンプルから反射率データを集める方法に於いて、該方法が、
DUV波長より下の光波長を創る過程を具備しており、該光は該反射率計内で少なくとも1つの光ビームを創るため使われており、該方法は又
該光ビームを少なくとも1つの環境的に制御された室内に透過させる過程と、
DUV光より下の波長の透過を可能にするよう該少なくとも1つの環境的に制御された室内の該環境を制御する過程と、
該光ビームをサンプル上へ導く過程と、
該光ビームが該サンプルから反射された後スペクトロメーター内で該光ビームの少なくとも1部分を受ける過程と、
該スペクトロメーターの出口平面に多数の空間的に分離された波長の光を提供する過程と、を具備しており、該多数の空間的に分離された波長の光はDUV波長より下の波長の光を有しており、そして該方法は更に、
該多数の空間的に分離された波長の光をアレイ検出器で受ける過程を具備しており、該アレイ検出器は、遠紫外線(DUV)波長より下の波長のサンプル反射率データを集めるために、DUV波長より下の波長のデータを検出することを特徴とする該方法。
【請求項95】
2次元サンプル範囲から反射率データを得るための光学的反射率計に於いて、該反射率計が、
光ビームを提供する光源と、
2次元サンプル範囲へ、そしてそこから、該光ビームを導くよう構成されて複数の光学的要素と、
該光ビームを受けるスペクトロメーターと、を具備しており、該スペクトロメーターは該スペクトロメーターの出口に多数の空間的に分離された波長の光を提供しており、そして該反射率計は又
反射率データが、該2次元サンプル範囲内の多数のサイトについて同時に得られることを可能にするため、該多数の空間的に分離された波長の光を受けるアレイ検出器を具備することを特徴とする該反射率計。
【請求項96】
反射率計を使ってサンプルの反射率特性を解析する方法に於いて、該方法が
少なくとも1つの光ビームを提供する過程と、
該光ビームをサンプルの2次元範囲上へ向ける過程と、
該光ビームが該サンプルから反射された後、該光ビームの少なくとも1部分を画像形成スペクトロメーター内で受ける過程と、
該スペクトロメーターの出口平面に多数の空間的に分離された波長の光を提供する過程と、そして
反射率データが該サンプルの該2次元範囲内の多数サイトについて同時に得られるよう、2次元アレイ検出器を用いて該多数の空間的に分離された波長の光を受ける過程と、を具備することを特徴とする該方法。
【請求項97】
広帯域反射率計装置に於いて、該装置が
第1スペクトル領域内で動作する第1光源と、
第2スペクトル領域内で動作する第2光源と、を具備しており、該第1及び第2スペクトル領域は少なくとも部分的に異なっており、そして該装置は又
該第1光源及び第2光源と共に使用される共通の光学的モジュールを具備しており、該光学的モジュールは、該第1光源及び第2光源の間の選択を実現する、そして各スペクトル領域用サンプルスポットが少なくとも1つの同様なスポット特性を有するように該第1スペクトル領域及び該第2スペクトル領域での測定を実現する、供給及び収集光学機器を備えており、
該第1光源と、該第2光源と、そして該共通の光学的モジュールとは、該第1スペクトル領域と該第2スペクトル領域からシーケンシャルに集められたデータが、該第1スペクトル領域と該第2スペクトル領域の両者の少なくとも部分から成る広帯域スペクトル領域用の反射率データを創るために一緒に合体されるよう、直列のデータ収集方法を使うよう構成されることを特徴とする該装置。
【請求項98】
広帯域反射率計装置に於いて、該装置が
第1スペクトル領域を有する光と第2スペクトル領域を有する光の間を選択するよう構成された光学的モジュールを具備しており、該光学的モジュールは、各スペクトル領域用のサンプル上のサンプルスポットが少なくとも1つの同様なスポット特性を有するよう、該第1スペクトル領域と該第2スペクトル領域での測定を実現するために少なくとも幾つかの共通の供給及び収集光学機器を備えており、そして該装置は又
少なくとも1つの基準チャンネル光路を具備しており、該基準チャンネル光路は該サンプルから独立しているよう構成されており、
該広帯域反射率計装置は、該第1スペクトル領域での動作用に最適化される、一方少なくとも該第2スペクトル領域のデータをなお収集出来ることを特徴とする該装置。
【請求項99】
広帯域反射率計装置に於いて、該装置が
第1スペクトル領域で動作する第1光源と、
第2スペクトル領域で動作する第2光源とを具備しており、該第1及び第2スペクトル領域は少なくとも部分的に異なっており、そして該装置は又
該第1光源及び第2光源と共に使用される共通の光学的モジュールを具備しており、該光学的モジュールは、該第1光源と該第2光源の間の選択を実現する、そして各スペクトル領域用のサンプル上のサンプルスポットが同様な配向を有するように該第1スペクトル領域及び第2スペクトル領域での測定を実現する、供給及び収集光学機器を備えることを特徴とする該装置。
【請求項100】
VUV領域での動作用に最適化され、そして少なくともDUV領域での動作可能な広対域反射率計装置に於いて、該装置が
VUV光源とDUV光源の間で、そしてVUVスペクトロメーターとDUVスペクトロメーターの間で、選択するよう構成された単1の光学的モジュールを具備しており、該単一の光学的モジュールは
少なくとも1つの同様なスポット特性を用いて各スペクトル領域での測定を実現するために少なくとも幾つかの共通な供給及び収集光学機器と、
少なくとも1つのサンプルチャンネル光路と、
少なくとも1つの基準チャンネル光路とを備えており、そして該装置は又
該単一の光学的モジュールの少なくとも1部分を囲む環境的に制御された室を具備しており、
該VUV光源と、該DUV光源とそして該単一の光学的モジュールとは、VUVスペクトル領域とDUVスペクトル領域からシーケンシャルに集められたデータが該VUVスペクトル領域と該DUVスペクトル領域の両者の少なくとも部分から成る広帯域スペクトル領域用の反射率データを創るため一緒に合体されるように直列データ収集方法を使うよう構成されることを特徴とする該装置。
【請求項101】
遠紫外線(DUV)波長より下の波長の反射率データを集める過程を含む、反射率計を用いてサンプルから反射率データを集める方法に於いて、該方法が
DUV波長より下の第1の光波長を創る過程を具備しており、該第1光波長は該反射率計内に第1光ビームを創るため使用されており、該方法は又
少なくとも1つの環境的に制御された室内に該第1光ビームを透過させる過程と、
DUV光より下の波長の透過を可能にするよう該少なくとも1つの環境的に制御された室内の該環境を制御する過程と、
該第1光ビームをサンプル上に向ける過程と、
該第1光ビームが該サンプルから反射された後第1スペクトロメーター内で該第1光ビームの少なくとも1部分を受ける過程と、
VUV波長より上の第2光波長を創る過程とを具備しており、該第2光波長は該反射率計内に第2光ビームを創るため使われており、そして該方法は更に
VUV波長より上の波長の反射率データを提供するためにサンプル上に該第2光ビームを向ける過程を具備しており、
該第1光ビームと第2光ビームは少なくとも幾つかの共通の光学的要素を用いてシーケンシャルな仕方で形成されることを特徴とする該方法。
【請求項102】
広帯域スペクトル範囲に亘り第1サンプルから反射率データを得る方法に於いて、該方法が
第1スペクトル範囲内で第1光波長を創る過程を具備しており、該第1光波長は該反射率計内に第1光ビームを創るため使われており、該方法は又
サンプル上に該第1光ビームを向ける過程と、
該第1光ビームが該サンプルから反射された後第1スペクトロメーター内で該第1光ビ
ームの少なくとも1部分を受ける過程と、
第2スペクトル範囲内で第2光波長を創る過程とを具備しており、該第2スペクトル範囲は第1スペクトル範囲と異なっており、該第2光波長は該反射率計内に第2光ビームを創るため使われており、そして該方法は更に
該第2スペクトル範囲の波長の反射率データを提供するためにサンプル上に該第2光ビームを向ける過程と、
サンプル光学的チャンネルを提供する過程と、
基準光学的チャンネルを提供する過程とを具備しており、該サンプル光学的チャンネルと基準光学的チャンネルは少なくとも幾つかの共通の光学的要素を共有しており、そして該方法はなお更に、
該第1スペクトル範囲又は該第2スペクトル範囲の少なくとも1つ内で基準合わせデータを得るために該基準光学的チャンネルを使う過程を具備しており、該基準データは該サンプル光学的チャンネル内の何等かのサンプルの使用から独立したシステム又は環境のパラメーターを示していることを特徴とする該方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図12A】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図22A】
【図22B】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図12A】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図22A】
【図22B】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【公表番号】特表2007−506976(P2007−506976A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−528098(P2006−528098)
【出願日】平成16年9月21日(2004.9.21)
【国際出願番号】PCT/US2004/030859
【国際公開番号】WO2005/031315
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(506096006)メトロソル・インコーポレーテツド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月21日(2004.9.21)
【国際出願番号】PCT/US2004/030859
【国際公開番号】WO2005/031315
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(506096006)メトロソル・インコーポレーテツド (1)
【Fターム(参考)】
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