説明

塗布膜形成装置及び塗布膜形成方法

【課題】処理液供給系から送出される処理液の圧力に生じるリップルの影響を低減し、塗布むらの発生を抑制して均一な処理液膜を形成する。
【解決手段】基板G上を平行移動しながらスリット状の吐出口から処理液を吐出し、基板G表面に処理液Rを塗布するノズル102と、処理液Rをノズル102へ送出するポンプ手段2と、ポンプ手段2により送出される処理液Rの圧力を検出する圧力検出手段5と、圧力検出手段5が検出した圧力の変化から所定の振幅値以上のリップル周波数の逆位相波を生成し、該逆位相波を所定のタイミングで出力する演算手段7と、演算手段7が出力した前記逆位相波に基づく圧力をポンプ手段2により送出された処理液Rに印加する加圧手段9とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトリソグラフィ工程において被処理基板に所定の膜を成膜する塗布膜形成装置及び塗布膜形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばFPD(フラット・パネル・ディスプレイ)の製造においては、被処理基板であるLCD基板に所定の膜を成膜した後、処理液であるフォトレジスト(以下、レジストと呼ぶ)を塗布してレジスト膜を形成し、回路パターンに対応してレジスト膜を露光し、これを現像処理するという、いわゆるフォトリソグラフィ工程により回路パターンを形成する。
【0003】
近年、このフォトリソグラフィ工程では、レジストを基板に塗布するためのレジスト塗布法として、基板の上方でレジストノズルを相対移動させながらレジスト液をスリット状のノズル口から帯状に吐出し塗布処理を行う所謂スピンレス法が普及している(特許文献1参照)。
このようなレジスト供給系においては、例えば図10に示すようにレジスト貯蔵タンク200からポンプ201を用いて吸引したレジスト液Rをフィルタ202によりろ過し、その後、バルブ203を介してノズル204から吐出するようになされている。
【特許文献1】特開平10−156255号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、図10に示すレジスト供給系にあっては、駆動手段205が、例えば図10に示すようにポンプ201内を伸縮させるためのピストン部205aと、このピストン部205aを駆動するモータ205bとで構成されており、この構成においてモータ205bの回転に伴う振動がピストン部205aに伝わり、これがポンプ201のレジスト送出圧に悪影響を及ぼすという問題があった。
即ち、レジスト吐出時において、モータ205bに起因する振動によりリップル周波数が発生し、リップル発生時に、ポンプ201からのレジストRの送出圧が設定値よりも瞬間的に大きくなり、そのタイミングに同期してノズル204からのレジスト吐出量が変動し、基板G上にレジストの塗布むらが発生していた。
【0005】
本発明は、前記したような事情の下になされたものであり、被処理基板に処理液を塗布し、該処理液の膜を形成する塗布膜形成装置及び塗布膜形成方法において、処理液供給系から送出される処理液の圧力に生じるリップルの影響を低減し、塗布むらの発生を抑制して均一な処理液膜を形成することのできる塗布膜形成装置及び塗布膜形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した課題を解決するため、本発明に係る塗布膜形成装置は、被処理基板に処理液の膜を形成する塗布膜形成装置において、被処理基板上を平行移動しながらスリット状の吐出口から処理液を吐出し、基板表面に処理液を塗布するノズルと、前記処理液を前記ノズルへ送出するポンプ手段と、前記ポンプ手段により送出される処理液の圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手段が検出した圧力の変化から所定の振幅値以上のリップル周波数の逆位相波を生成し、該逆位相波を所定のタイミングで出力する演算手段と、前記演算手段が出力した前記逆位相波に基づく圧力を前記ポンプ手段により送出された前記処理液に印加する加圧手段とを備えることに特徴を有する。
尚、前記演算手段は、前記圧力検出手段が検出した圧力の変化から所定の振幅値以上のリップル周波数を抽出するリップル周波数抽出手段と、前記リップル周波数抽出手段が抽出したリップル周波数を位相反転し、該リップル周波数の逆位相波を生成する位相反転手段と、前記位相反転手段によって生成された前記逆位相波を、前記ポンプによる処理液の送出タイミングに同期して出力するタイミング生成手段とを有することが望ましい。
また、前記処理液を前記ノズルへ送出するポンプ手段は、モータにより駆動することが好ましい。
【0007】
このように構成することにより、ポンプ手段から送出された処理液が有するリップル成分を、その発生周波数の逆位相波で相殺することができ、リップルが大幅に低減された処理液をノズルに供給することができる。したがって、ノズルからはリップル成分が大幅に抑制された処理液が吐出され、これにより塗布むらの無い均一な処理液膜を形成することができる。
【0008】
また、前記した課題を解決するため、本発明に係る塗布膜形成装置は、被処理基板に処理液の膜を形成する塗布膜形成装置において、被処理基板上を平行移動しながらスリット状の吐出口から処理液を吐出し、基板表面に処理液を塗布するノズルと、前記処理液を前記ノズルへ送出するポンプ手段と、前記ポンプ手段から出力される処理液の圧力を検出する第1の圧力検出手段と、前記第1の圧力検出手段が検出した圧力の変化から、所定の振幅値以上のリップル周波数の逆位相波として第1の逆位相波を生成し、該第1の逆位相波に基づく信号を出力する演算手段と、前記演算手段の出力信号に基づく圧力を前記ポンプ手段により送出された処理液に印加する加圧手段と、前記加圧手段により加圧され、前記ノズルに供給される処理液の圧力を検出する第2の圧力検出手段とを備え、前記演算手段は、前記第2の圧力検出手段が検出した圧力の変化から、所定の振幅値以上のリップル周波数の逆位相波に基づく第2の逆位相波を生成し、該第2の逆位相波を前記第1の逆位相波に加算した逆位相波を、前記ポンプ手段による処理液の送出タイミングに同期して出力することに特徴を有する。
【0009】
尚、前記演算手段は、前記第1の圧力検出手段が検出した圧力の変化から所定の振幅値以上のリップル周波数を抽出する第1のリップル周波数抽出手段と、前記第1のリップル周波数抽出手段が抽出したリップル周波数を位相反転し、該リップル周波数の逆位相波を第1の逆位相波として生成する第1の位相反転手段と、前記第2の圧力検出手段が検出した圧力の変化から所定の振幅値以上のリップル周波数を抽出する第2のリップル周波数抽出手段と、前記第2のリップル周波数抽出手段が抽出したリップル周波数を位相反転し、該リップル周波数の逆位相波を生成する第2の位相反転手段と、前記第2の位相反転手段が生成した逆位相波を、生成毎に加算して平均化し、第2の逆位相波を生成する平均化手段と、前記平均化手段により生成された第2の逆位相波を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された第2の逆位相波を、前記ポンプ手段による処理液の送出タイミングに同期して出力するタイミング生成手段とを有することが望ましい。
また、前記処理液を前記ノズルへ送出するポンプ手段は、モータにより駆動することが好ましい。
【0010】
このように構成することにより、ポンプ手段から送出された処理液が有するリップル成分を、その発生周波数の逆位相波で相殺することができ、リップル成分が大幅に低減された処理液をノズルに供給することができる。
特に、ノズルに供給される処理液の圧力を演算手段にフィードバックする制御を行うため、ポンプ手段から送出された処理液が有するリップル周波数と、ポンプ手段から送出された処理液への加圧に用いる逆位相波との位相や振幅のずれを補償することができる。
したがって、ノズルに供給される処理液でのリップル成分をより大幅に低減することができ、塗布むらの発生が一層抑制され、均一な処理液膜を形成することができる。
【0011】
また、前記した課題を解決するため、本発明に係る塗布膜形成方法は、被処理基板上でノズルを平行移動し、スリット状の吐出口から処理液を吐出することにより被処理基板に処理液の膜を形成する塗布膜形成方法において、前記処理液を前記ノズルへ供給するポンプ手段により送出される処理液の圧力を検出するステップと、検出した圧力の変化から所定の振幅値以上のリップル周波数の逆位相波を生成し、該逆位相波を前記ポンプによる処理液の送出タイミングに同期して出力するステップと、出力した前記逆位相波に基づく圧力を前記ポンプ手段により送出された処理液に加えるステップとを実行することに特徴を有する。
【0012】
このような方法によれば、ポンプ手段から送出された処理液が有するリップル成分を、その発生周波数の逆位相波で相殺することができ、リップルが大幅に低減された処理液をノズルに供給することができる。したがって、ノズルからはリップル成分が大幅に抑制された処理液が吐出され、これにより塗布むらの無い均一な処理液膜を形成することができる。
【0013】
また、前記した課題を解決するため、本発明に係る塗布膜形成方法は、被処理基板上でノズルを平行移動し、スリット状の吐出口から処理液を吐出することにより被処理基板に処理液の膜を形成する塗布膜形成方法において、前記処理液を前記ノズルへ供給するポンプ手段から送出された処理液の圧力を第1の圧力として検出するステップと、前記ノズルに供給される処理液の圧力を第2の圧力として検出するステップと、前記第1の圧力及び第2の圧力の夫々の変化から、所定の振幅値以上のリップル周波数の逆位相波を夫々生成し、それらに基づき生成した逆位相波を前記ポンプ手段による処理液の送出タイミングに同期して出力するステップと、出力した前記逆位相波に基づく圧力を前記ポンプ手段により送出された前記処理液に印加するステップとを実行することに特徴を有する。
【0014】
このような方法によれば、ポンプ手段から送出された処理液が有するリップル成分を、その発生周波数の逆位相波で相殺することができ、リップル成分が大幅に低減された処理液をノズルに供給することができる。
特に、ノズルに供給される処理液の圧力をフィードバックする制御を行うため、ポンプ手段から送出された処理液が有するリップル周波数と、ポンプ手段から送出された処理液への加圧に用いる逆位相波との位相や振幅のずれを補償することができる。
したがって、ノズルに供給される処理液でのリップル成分をより大幅に低減することができ、塗布むらの発生が一層抑制され、均一な処理液膜を形成することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、被処理基板に処理液を塗布し、該処理液の膜を形成する塗布膜形成装置及び塗布膜形成方法において、処理液供給系から送出される処理液の圧力に生じるリップルの影響を低減し、塗布むらの発生を抑制して均一な処理液膜を形成することのできる塗布膜形成装置及び塗布膜形成方法を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明にかかる実施の形態につき、図に基づいて説明する。図1は、本発明に係る基板処理装置を具備する塗布現像処理システムの平面図である。図2は、この塗布現像処理システム10における1枚の基板Gに対する処理の手順を示すフローである。
最初に、この塗布現像処理システム10について、図1の平面図を用い、図2のフローに沿って簡単に説明する。尚、塗布現像処理システム10は、クリーンルーム内に設置され、たとえばLCD用のガラス基板を被処理基板とし、LCD製造プロセスにおいてフォトリソグラフィ工程を行うものとする。
【0017】
先ず、カセットステーション(C/S)14において、搬送機構22が、ステージ20上のいずれか1つのカセットCから基板Gを一枚取り出し、その取り出した基板Gをプロセスステーション(P/S)16のプロセスラインA側の搬入部である平流し搬送路32の始点に仰向けの姿勢(基板の被処理面を上にして)で搬入する(図2のステップS1)。
こうして、基板Gは、平流し搬送路32上を仰向けの姿勢でプロセスラインAの下流側へ向けて搬送される。初段の洗浄プロセス部24において、基板Gは、エキシマUV照射ユニット(e−UV)34およびスクラバ洗浄ユニット(SCR)36により紫外線洗浄処理およびスクラビング洗浄処理を順次施される(ステップS2、S3)。
【0018】
スクラバ洗浄ユニット(SCR)36では、平流し搬送路32上を移動する基板Gに対して、ブラッシング洗浄やブロー洗浄を施すことにより基板表面から粒子状の汚れを除去し、その後にリンス処理を施し、最後にエアーナイフ等を用いて基板Gを乾燥させる。スクラバ洗浄ユニット(SCR)36における一連の洗浄処理を終えると、基板Gはそのまま平流し搬送路32を下って第1の熱的処理部26を通過する。
【0019】
第1の熱的処理部26において、基板Gはアドヒージョンユニット(AD)40に搬入されると先ず加熱により脱水ベーク処理を受け、水分を取り除かれる。
アドヒージョンユニット40において脱水ベーク処理がなされた基板Gは、蒸気状のHMDSを用いるアドヒージョン処理を施され、被処理面を疎水化される(ステップS4)。このアドヒージョン処理の終了後に、基板Gは冷却ユニット(COL)42で所定の基板温度まで冷却される(ステップS5)。この後、基板Gは平流し搬送路32上を搬送され、塗布プロセス部28に渡される。
【0020】
塗布プロセス部28において、基板Gは平流し搬送路32上を搬送されながら、最初にレジスト塗布ユニット(CT)44において例えばスリットノズルを用いた基板上面(被処理面)へのレジスト液の塗布がなされ、直後に下流側隣の減圧乾燥ユニット(VD)46で減圧による乾燥処理を受ける(ステップS6)。
尚、レジスト塗布ユニット(CT)44において、本発明の塗布膜形成装置を好適に用いることができるため、その構成及び作用効果については詳細に後述する。
【0021】
この後、基板Gは平流し搬送路32上を搬送され、第2の熱的処理部30を通過する。第2の熱的処理部30において、基板Gは、最初にプリベークユニット(PREBAKE)50でレジスト塗布後の熱処理または露光前の熱処理としてプリベーキングを受ける(ステップS7)。このプリベーキングによって、基板G上のレジスト膜中に残留していた溶剤が蒸発除去し、基板Gに対するレジスト膜の密着性も強化される。
【0022】
次に、基板Gは、冷却ユニット(COL)52で所定の基板温度まで冷却される(ステップS8)。しかる後、基板Gは、平流し搬送路32の終点(搬出部)からインタフェースステーション(I/F)18の搬送装置70に引き取られる。
【0023】
インタフェースステーション(I/F)18において、基板Gは、エクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)76から周辺装置78の周辺露光装置(EE)に搬入され、そこで基板Gの周辺部に付着するレジストを現像時に除去するための露光を受けた後に、隣の露光装置12へ送られる(ステップS9)。
露光装置12では基板G上のレジストに所定の回路パターンが露光される。そして、パターン露光を終えた基板Gは、露光装置12からインタフェースステーション(I/F)18に戻されると、先ず周辺装置78のタイトラー(TITLER)に搬入され、そこで基板上の所定の部位に所定の情報が記される(ステップS10)。
【0024】
しかる後、基板Gはエクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)76に戻される。インタフェースステーション(I/F)18における基板Gの搬送および露光装置12との基板Gのやりとりは搬送装置70、72によって行われる。最後に、基板Gは、搬送装置72よりプロセスステーション(P/S)16のプロセスラインB側に敷設されている平流し搬送路33の始点(搬入部)に搬入される。
こうして、基板Gは、今度は平流し搬送路33上を仰向けの姿勢でプロセスラインBの下流側に向けて搬送される。
最初の現像ユニット(DEV)54において、基板Gは、平流しで搬送される間に現像、リンス、乾燥の一連の現像処理を施される(ステップS11)。
【0025】
現像ユニット(DEV)54で一連の現像処理を終えた基板Gは、そのまま平流し搬送路33に載せられたまま下流側隣のi線照射ユニット(i−UV)56を通り、そこでi線照射による脱色処理を受ける(ステップS12)。その後も、基板Gは平流し搬送路33に載せられたまま第3の熱的処理部59および検査ユニット(AP)62を順次通過する。
【0026】
第3の熱的処理部59において、基板Gは、最初にポストベークユニット(POBAKE)58で現像処理後の熱処理としてポストベーキングを受ける(ステップS13)。このポストベーキングによって、基板G上のレジスト膜に残留していた現像液や洗浄液が蒸発除去し、基板に対するレジストパターンの密着性も強化される。
次に、基板Gは、冷却ユニット(COL)60で所定の基板温度に冷却される(ステップS14)。検査ユニット(AP)62では、基板G上のレジストパターンについて非接触の線幅検査や膜質・膜厚検査等が行われる(ステップS15)。
【0027】
そしてカセットステーション(C/S)14側では、搬送機構22が、平流し搬送路33の終点(搬出部)から塗布現像処理の全工程を終えた基板Gを受け取り、受け取った基板Gをいずれか1つ(通常は元)のカセットCに収容する(ステップS1に戻る)。
【0028】
この塗布現像処理システム10においては、前記したように、塗布プロセス部28に設けられたレジスト塗布ユニット(CT)44に本発明に係る塗布膜形成装置を適用することができる。
以下、図3乃至図6に基づき、レジスト塗布ユニット(CT)44の第1の実施の形態について説明する。
【0029】
先ず、図3に基づき、レジスト塗布ユニット(CT)44の全体構成及び動作態様について説明する。図3は、レジスト塗布ユニット(CT)44の概略構成を示す斜視図である。このレジスト塗布ユニット(CT)44においては、図示するように、LCD基板Gを水平に保持する水平移動可能な載置台101と、この載置台101上に図示しない真空装置によって吸着保持される基板Gの上方に配設されるレジスト供給ノズル102とを具備している。そして、このレジスト供給ノズル102をノズル移動手段103によって水平移動することによって載置台101上の基板Gとレジスト供給ノズル102とを相対的に水平移動し得るように構成されている。
【0030】
なお、載置台101におけるレジスト供給ノズル102の移動方向の一端部又は両端部(図面では一端部の場合を示す)には、不作動時(待機時)のレジスト供給ノズル102の吐出口102aの乾燥を防止すべく噴口に近接する回転自在なプライムローラ104と、このプライムローラ104をシンナーに浸漬する容器105とを有する待機部106が設けられている。
【0031】
レジスト供給ノズル102は、基板Gの幅方向に延びるスリット状の吐出口102aと、この吐出口102aに連通するレジスト液収容室(図示せず)とを有しており、このレジスト液収容室に接続するレジスト液供給チューブ107を介してレジスト供給系110が接続されている。
【0032】
また、吐出口102aの長手方向の両側には、吐出口102aから吐出されるレジスト液の吐出圧を低減する膜厚制御手段108が設けられている。この膜厚制御手段108は、吐出口102aの長手方向の両側に連通する連通路109にそれぞれ接続する吸引管111と、吸引管111に介設される例えばダイヤフラムポンプのような吸引ポンプ112とで構成されており、吸引ポンプ112の駆動によって吐出口102aの両側の吐出圧が低減されるように構成されている。なお、吸引管111における吸引ポンプ112の吸引側すなわちレジスト供給ノズル102側には開閉弁113が介設されている。
【0033】
次に、前記のように構成されるレジスト塗布ユニット(CT)44の動作について説明する。まず、レジスト供給ノズル102を待機部106のプライムローラ104に近接させた状態において、ノズル移動手段103によって搬送された基板Gを載置台101上に吸着保持する。
【0034】
次いで、レジスト供給系110からレジスト液Rをノズルのレジスト液収容室内に供給すると共に、吐出口102aからレジスト液を吐出する。このレジスト液Rの吐出動作と同時に、ノズル移動手段103によってレジスト供給ノズル102を水平方向に移動してレジスト供給ノズル102を待機部106から基板G上に移動する。この際、吸引ポンプ112を駆動して吐出口102aの長手方向の両側を吸引することにより、吐出口102aの両側のレジスト液の吐出圧が減少され、吐出口102aの中央部側の吐出圧と両側の吐出圧がほぼ等しくなった状態で基板G上に帯状にレジスト液Rが吐出(供給)される。
したがって、基板Gとレジスト供給ノズル102が相対的に水平移動することによって基板Gの表面にレジスト液Rが帯状に供給され、基板Gの表面全体に均一な膜厚のレジスト膜が形成される。
【0035】
このようにして、基板G表面にレジスト膜を形成した後、レジスト液の供給が停止されると共に、レジスト供給ノズル102が逆方向に移動してレジスト供給ノズル102の吐出口102aを待機部106内のプライムローラ104に近接して、次の塗布処理に備える。また、レジスト膜が形成された基板Gは、図示しない搬送手段によって載置台101から搬出されて次の処理工程に搬送される。
【0036】
続いて、図4乃至図6に基づき、レジスト供給ノズル102にレジスト液を供給するレジスト供給系110について説明する。
図4は、レジスト塗布ユニット(CT)44のレジスト供給系110の概略構成を示すブロック図、図5はレジスト供給系110が備える演算器のブロック図である。また、図6はレジスト供給系110の一連の動作を説明するためのフローである。
【0037】
図4に示すように、レジスト供給系110は、レジスト液Rを貯留したタンク1と、伸長することによりタンク1からレジスト液Rを吸入し、縮小することにより所定の圧力でレジスト液Rをノズル102に向け送出するポンプ2(ポンプ手段)とを備える。
ポンプ2は、モータ等により構成される駆動手段3により駆動し、この駆動手段3は、図示しない制御部からの制御によって動作するようになされている。尚、ポンプ2とノズル102との間にはバルブ4が設けられ、レジスト液Rのノズル102への供給期間が制御されると共に、このバルブ4の開閉に応じたレジスト送出量の制御が可能となされている。
【0038】
また、ポンプ2の出力側には、ポンプ2から送出されたレジスト液Rの圧力を常時検出する圧力センサ5(圧力検出手段)が設けられ、検出したアナログ値としての圧力値をデジタル変換するA/D(アナログ/デジタル)変換器6に出力するようになされている。
A/D変換器6の出力は演算器7に入力され、この演算器7では、圧力センサ5が検出し、デジタル信号に変換されたた圧力値の変化から所定の振幅値以上のリップル周波数の逆位相波を生成し、この逆位相波を所定のタイミングでアンプ8に出力するように構成されている。
【0039】
具体的には、演算器7は、図5に示すように、圧力センサ5が検出した圧力の変化から所定の振幅値以上のリップル周波数を抽出するリップル周波数抽出部7a(リップル周波数抽出手段)と、リップル周波数抽出部7aが抽出したリップル周波数を位相反転し、逆位相波を生成する位相反転部7b(位相反転手段)と、位相反転部7bによって生成された逆位相波を、ポンプ2からのレジスト液Rの送出タイミングに同期して出力するタイミング生成部7c(タイミング生成手段)とで構成されている。
【0040】
また、アンプ8は、入力された逆位相波を所定の信号強度に増幅する処理、具体的には、減衰した信号強度を補正する増幅処理がなされ、増幅した逆位相波を加圧器9に出力する。
加圧器9は、例えばピエゾ素子を用いたピエゾアクチュエータ等により構成され、入力された逆位相波に基づく圧力をポンプ2から送出されたレジスト液Rに印加するようになされている。
【0041】
このように構成されたレジスト供給系110において、ノズル102にレジスト液を供給する場合、先ず、モータ等を有する駆動手段3によりポンプ2が駆動し、タンク1からレジスト液Rが吸いあげられて所定の設定圧力でノズル102に向けて送出される(図6のステップST1)。
【0042】
ポンプ2によって送出されたレジスト液Rは、圧力センサ5によって、その圧力値がアナログ信号として検出され、検出された信号は、A/D変換器6に出力される(図6のステップST2)。
A/D変換器6では、入力された圧力値のアナログ信号をデジタル信号に変換し、演算器7に出力する(図6のステップST3)。
【0043】
ここで通常、ポンプ2によって送出されるレジスト液Rは、モータ等によって構成される駆動手段3の振動に起因するリップル成分を有しており、演算器7では、リップル周波数抽出部7aによって、圧力変化から所定の振幅以上のリップル周波数が抽出される(図6のステップST4)。
次いで、抽出されたリップル周波数は、位相反転部7bによって位相が反転され、これにより逆位相波が生成される(図6のステップST5)。
【0044】
そして生成された逆位相波は、ポンプ2によるレジスト液Rの送出タイミングに同期するタイミングでアンプ8に出力される(図6のステップST6)。
アンプ8に入力された逆位相波は、信号強度の減衰分を補正する増幅がなされ、増幅された逆位相波が加圧器9に出力される(図6のステップST7)。
【0045】
加圧器9は、入力された逆位相波を、ポンプ2から送出されたレジスト液Rに印加し、加圧されたレジスト液Rがノズル102に供給される(図6のステップST8)。
ここで、ポンプ2から送出されたレジスト液Rが有するリップル周波数は、加圧器9によって印加される圧力が有する逆位相波によって略相殺され、ノズル102には、リップル周波数を有さないレジスト液Rが供給される。
【0046】
以上のように、本発明に係る塗布膜形成装置(レジスト塗布ユニット(CT)44)の第1の実施の形態によれば、ポンプ2から送出されたレジスト液Rが有するリップル成分を、その発生周波数の逆位相波で相殺することにより、リップルが大幅に低減されたレジスト液Rをノズル102に供給することができる。したがって、ノズル102からはリップル成分が大幅に抑制されたレジスト液Rが吐出され、これにより塗布むらの無い均一な処理液膜を形成することができる。
【0047】
続いて、図7乃至図9に基づき、レジスト塗布ユニット(CT)44の第2の実施の形態について説明する。
図7は、レジスト塗布ユニット(CT)44のレジスト供給系110の概略構成を示すブロック図、図8はレジスト供給系110が備える演算器のブロック図である。また、図9はレジスト供給系110の一連の動作を説明するためのフローである。
【0048】
尚、前記したレジスト塗布ユニット(CT)44の第1の実施の形態とは、レジスト供給系110の構成のみが異なるため、図3に示したレジスト塗布ユニット(CT)44の全体構成及び動作態様については、その説明は省略する。
また、図7、図8において、第1の実施の形態で既に説明した図4、図5に示す同一の機能を有する部分については同一の符号で示し、その詳細な説明は省略する。
【0049】
図7に示すように、レジスト供給系110の構成は、図4に示した第1の実施の形態での構成に加え、加圧器9によって加圧され、ノズル102に供給されるレジスト液Rの圧力を検出する圧力センサ11(第2の圧力検出手段)と、この圧力センサ11が検出したアナログ信号としての圧力値をデジタル変換するA/D変換器13とを備える。
【0050】
また、図4で示した演算器7に替えて演算器15が設けられ、A/D変換器13によってデジタル信号に変換された圧力値は、その演算器15に入力されている。
演算器15は、図8に示すように、第1の圧力検出手段としての圧力センサ5が検出した圧力の変化から所定の振幅値以上のリップル周波数を抽出するリップル周波数抽出部15a(第1のリップル周波数抽出手段)と、リップル周波数抽出部15aが抽出したリップル周波数を位相反転し、逆位相波(第1の逆位相波)を生成する位相反転部15b(第1の位相反転手段)とを備えている。
【0051】
また、第2の圧力検出手段としての圧力センサ11が検出した圧力の変化から所定の振幅値以上のリップル周波数を抽出するリップル周波数抽出部15c(第2のリップル周波数抽出手段)と、リップル周波数抽出部15cが抽出したリップル周波数を位相反転し、逆位相波(第2の逆位相波)を生成する位相反転部15d(第2の位相反転手段)とを備えている。
【0052】
また、位相反転部15dが生成した逆位相波を、その生成毎に積算し平均化する平均化処理部15f(平均化手段)と、平均化された逆位相波を記憶する記憶部15e(記憶手段)とを備えている。
さらに、前記位相反転部15bが生成した逆位相波と、記憶部15eが記憶している平均化された逆位相波とを加算する加算部15hと、加算部15hによって加算された逆位相波を、ポンプ2からのレジスト液Rの送出タイミングに同期して出力するタイミング生成部15g(タイミング生成手段)とを備えている。
【0053】
このように構成されたレジスト供給系110において、ノズル102にレジスト液を供給する場合、先ず、モータ等を有する駆動手段3によりポンプ2が駆動し、タンク1からレジスト液Rが吸いあげられて所定の設定圧力でノズル102に向けて送出される(図9のステップST11)。
【0054】
ポンプ2によって送出されたレジスト液Rは、圧力センサ5によって、その圧力値がアナログ信号として検出され、検出された信号は、A/D変換器6に出力される(図9のステップST12)。
A/D変換器6では、入力された圧力値のアナログ信号をデジタル信号に変換し、演算器15に出力する(図9のステップST13)。
【0055】
ここで通常、ポンプ2によって送出されるレジスト液Rは、モータ等で構成される駆動手段3の振動に起因するリップル成分を有しており、演算器15では、リップル周波数抽出部15aによって、圧力変化から所定の振幅以上のリップル周波数が抽出される(図9のステップST14)。
次いで、抽出されたリップル周波数は、位相反転部7bによって位相が反転され、これにより逆位相波が生成される(図9のステップST15)。
【0056】
ここで、記憶部15eが記憶している平均化された逆位相波が読み出され、読み出された逆位相波は、ステップST15において生成された逆位相波に加算器15hによって加算される(図9のステップST16)。
そして加算された逆位相波は、ポンプ2によるレジスト液Rの送出タイミングに同期するタイミングでアンプ8に出力される(図9のステップST17)。
アンプ8に入力された逆位相波は、信号強度の減衰分を補正する増幅がなされ、増幅された逆位相波が加圧器9に出力される(図9のステップST18)。
加圧器9は、入力された逆位相波を、ポンプ2から送出されたレジスト液Rに印加し、加圧されたレジスト液Rがノズル102に供給される(図9のステップST19)。
【0057】
尚、ここでノズル102に供給されるレジスト液Rの圧力が圧力センサ11により検出される(図9のステップST20)。
そして圧力センサ11により検出されたアナログ信号としての圧力値は、A/D変換器13によってデジタル信号に変換され、演算器15に出力される(図9のステップST21)。
【0058】
演算器15では、リップル周波数抽出部15aにおいて、ステップST21により入力された圧力変化から所定の振幅以上のリップル周波数が抽出される(図9のステップST22)。
次いで、抽出されたリップル周波数は、位相反転部15dによって位相が反転され、これにより逆位相波が生成される(図9のステップST23)。
ステップST23において生成された逆位相波は、記憶部15eに一時記憶され、平均化処理部15fによって、位相反転部15dにおいて生成された所定回数分の逆位相波に積算され平均化される(図9のステップST24)。
平均化された逆位相波は、記憶部15eに記憶され、次回のステップST16での演算に使用される(図9のステップST25)。
【0059】
このようなステップを踏むことにより、ポンプ2から送出されたレジスト液Rが有するリップル周波数は、加圧器9によって印加される圧力が有する逆位相波によって略相殺され、ノズル102には、リップル周波数を有さないレジスト液Rが供給される。
特に、ノズル102に供給されるレジスト液Rの圧力を検出して、その圧力値を演算器15にフィードバックし、過去のデータに積算して平均化した逆位相波を利用した制御を行うため、ポンプ2から送出されたレジスト液Rが有するリップル周波数とその逆位相波との位相や振幅のずれが補正される。
【0060】
以上のように、本発明に係る塗布膜形成装置(レジスト塗布ユニット(CT)44)の第2の実施の形態によれば、前記した第1の実施の形態と同様にポンプ2から送出されたレジスト液Rが有するリップル成分を、その発生周波数の逆位相波で相殺することにより、リップルが大幅に低減されたレジスト液Rをノズル102に供給することができる。
特に、第2の実施の形態では、ノズル102に供給されるレジスト液の圧力を演算器15にフィードバックする制御を行うため、ポンプ2から送出されたレジスト液Rが有するリップル周波数と、ポンプ2から送出されたレジスト液Rへの加圧に用いる逆位相波との位相や振幅のずれを補償することができる。
したがって、ノズル102に供給されるレジスト液Rでのリップル成分をより大幅に低減することができ、塗布むらの発生が一層抑制され、均一な処理液膜を形成することができる。
【0061】
尚、本発明における被処理基板はLCD基板に限るものではなく、フラットパネルディスプレイ用の各種基板や、半導体ウエハ、CD基板、ガラス基板、フォトマスク、プリント基板等も可能である。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、LCD基板等に対し所定の膜を形成する塗布膜形成装置及び塗布膜形成方法に適用でき、半導体製造業界、電子デバイス製造業界等において好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】図1は、本発明に係る塗布膜形成装置を具備する塗布現像処理システムの平面図である。
【図2】図2は、図1の塗布現像処理システムの基板処理の流れを示すフローである。
【図3】図3は、図1の塗布現像処理システムが有するレジスト塗布ユニットの概略構成を示す斜視図である。
【図4】図4は、レジスト塗布ユニットの第1の実施の形態において、レジスト供給系の概略構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、図4のレジスト供給系が備える演算器のブロック図である。
【図6】図6は、図4のレジスト供給系の一連の動作を説明するためのフローである。
【図7】図7は、レジスト塗布ユニットの第2の実施の形態において、レジスト供給系の概略構成を示すブロック図である。
【図8】図8は、図7のレジスト供給系が備える演算器のブロック図である。
【図9】図9は、図7のレジスト供給系の一連の動作を説明するためのフローである。
【図10】図10は、従来のレジスト供給系の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0064】
1 タンク
2 ポンプ(ポンプ手段)
4 バルブ
5 圧力センサ5(圧力検出手段、第1の圧力検出手段)
6 A/D変換器
7 演算器(演算手段)
7a リップル周波数抽出部(リップル周波数抽出手段)
7b 位相反転部(位相反転手段)
7c タイミング生成部(タイミング生成手段)
8 アンプ
9 加圧器(加圧手段)
11 圧力センサ(第2の圧力検出手段)
13 A/D変換器
15 演算器(演算手段)
15a リップル周波数抽出部(第1のリップル周波数抽出手段)
15b 位相反転部(第1の位相反転手段)
15c リップル周波数抽出部(第2のリップル周波数抽出手段)
15d 位相反転部(第2の位相反転手段)
15e 記憶部(記憶手段)
15f 平均化処理部(平均化手段)
15g タイミング生成部(タイミング生成手段)
15h 加算部
44 レジスト塗布ユニット(塗布膜形成装置)
102 ノズル
102a 吐出口
110 レジスト供給系
G LCD基板(被処理基板)
R レジスト液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理基板に処理液の膜を形成する塗布膜形成装置において
被処理基板上を平行移動しながらスリット状の吐出口から処理液を吐出し、基板表面に処理液を塗布するノズルと、
前記処理液を前記ノズルへ送出するポンプ手段と、
前記ポンプ手段により送出される処理液の圧力を検出する圧力検出手段と、
前記圧力検出手段が検出した圧力の変化から所定の振幅値以上のリップル周波数の逆位相波を生成し、該逆位相波を所定のタイミングで出力する演算手段と、
前記演算手段が出力した前記逆位相波に基づく圧力を前記ポンプ手段により送出された前記処理液に印加する加圧手段とを備えることを特徴とする塗布膜形成装置。
【請求項2】
前記演算手段は、
前記圧力検出手段が検出した圧力の変化から所定の振幅値以上のリップル周波数を抽出するリップル周波数抽出手段と、
前記リップル周波数抽出手段が抽出したリップル周波数を位相反転し、該リップル周波数の逆位相波を生成する位相反転手段と、
前記位相反転手段によって生成された前記逆位相波を、前記ポンプによる処理液の送出タイミングに同期して出力するタイミング生成手段とを有することを特徴とする請求項1に記載された塗布膜形成装置。
【請求項3】
被処理基板に処理液の膜を形成する塗布膜形成装置において
被処理基板上を平行移動しながらスリット状の吐出口から処理液を吐出し、基板表面に処理液を塗布するノズルと、前記処理液を前記ノズルへ送出するポンプ手段と、前記ポンプ手段から出力される処理液の圧力を検出する第1の圧力検出手段と、前記第1の圧力検出手段が検出した圧力の変化から、所定の振幅値以上のリップル周波数の逆位相波として第1の逆位相波を生成し、該第1の逆位相波に基づく信号を出力する演算手段と、前記演算手段の出力信号に基づく圧力を前記ポンプ手段により送出された処理液に印加する加圧手段と、前記加圧手段により加圧され、前記ノズルに供給される処理液の圧力を検出する第2の圧力検出手段とを備え、
前記演算手段は、前記第2の圧力検出手段が検出した圧力の変化から、所定の振幅値以上のリップル周波数の逆位相波に基づく第2の逆位相波を生成し、該第2の逆位相波を前記第1の逆位相波に加算した逆位相波を、前記ポンプ手段による処理液の送出タイミングに同期して出力することを特徴とする塗布膜形成装置。
【請求項4】
前記演算手段は、
前記第1の圧力検出手段が検出した圧力の変化から所定の振幅値以上のリップル周波数を抽出する第1のリップル周波数抽出手段と、
前記第1のリップル周波数抽出手段が抽出したリップル周波数を位相反転し、該リップル周波数の逆位相波を第1の逆位相波として生成する第1の位相反転手段と、
前記第2の圧力検出手段が検出した圧力の変化から所定の振幅値以上のリップル周波数を抽出する第2のリップル周波数抽出手段と、
前記第2のリップル周波数抽出手段が抽出したリップル周波数を位相反転し、該リップル周波数の逆位相波を生成する第2の位相反転手段と、
前記第2の位相反転手段が生成した逆位相波を、生成毎に加算して平均化し、第2の逆位相波を生成する平均化手段と、
前記平均化手段により生成された第2の逆位相波を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された第2の逆位相波を、前記ポンプ手段による処理液の送出タイミングに同期して出力するタイミング生成手段とを有することを特徴とする請求項3に記載された塗布膜形成装置。
【請求項5】
前記処理液を前記ノズルへ送出するポンプ手段は、モータにより駆動することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載された塗布膜形成装置。
【請求項6】
被処理基板上でノズルを平行移動し、スリット状の吐出口から処理液を吐出することにより被処理基板に処理液の膜を形成する塗布膜形成方法において、
前記処理液を前記ノズルへ供給するポンプ手段により送出される処理液の圧力を検出するステップと、
検出した圧力の変化から所定の振幅値以上のリップル周波数の逆位相波を生成し、該逆位相波を前記ポンプによる処理液の送出タイミングに同期して出力するステップと、
出力した前記逆位相波に基づく圧力を前記ポンプ手段により送出された処理液に加えるステップとを実行することを特徴とする塗布膜形成方法。
【請求項7】
被処理基板上でノズルを平行移動し、スリット状の吐出口から処理液を吐出することにより被処理基板に処理液の膜を形成する塗布膜形成方法において、
前記処理液を前記ノズルへ供給するポンプ手段から送出された処理液の圧力を第1の圧力として検出するステップと、
前記ノズルに供給される処理液の圧力を第2の圧力として検出するステップと、
前記第1の圧力及び第2の圧力の夫々の変化から、所定の振幅値以上のリップル周波数の逆位相波を夫々生成し、それらに基づき生成した逆位相波を前記ポンプ手段による処理液の送出タイミングに同期して出力するステップと、
出力した前記逆位相波に基づく圧力を前記ポンプ手段により送出された前記処理液に印加するステップとを実行することを特徴とする塗布膜形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−212861(P2008−212861A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−55303(P2007−55303)
【出願日】平成19年3月6日(2007.3.6)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】