説明

多層基板の製造方法及び多層基板

【課題】製造工程を簡素化し、安価に形成することができる多層基板の製造方法及び多層基板を提供する。
【解決手段】第1基材21に接着し、且つ、第1導体パターン31のランド34がビアホール23から露出するように、第1基材21の一面21a上に、ビアホール23を有した第2基材22を形成する。次いで、熱プレスにより、金属箔25を所定形状に打ち抜いて第2導体パターン32を形成しつつ、第2導体パターン32の一部を第2基材22の一面22bに熱圧着させて第2配線35とし、第2導体パターン32の残りをビアホール23内に押し込み、押し込んだ一部をビアホール23の傾斜面23aに沿いつつ該傾斜面23aに熱圧着させて層間接続部36とし、押し込んだ残りの接続部37をランド34に電気的に接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂を用いて形成された絶縁基材に対し、配線が多層に配置された多層基板及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、合成樹脂を用いて形成された第1基材及び第2基材を相互に接着するとともに、第1基材の一面に形成された第1配線と、第2基材における第1基材との接着面と反対の一面に形成された第2配線とを、第2基材に形成されたビアホール内の層間接続部により、電気的に接続してなる多層基板及びその製造方法として、例えば特許文献1に記載のものが知られている。
【0003】
特許文献1では、先ず、片面に金属箔が貼着された熱可塑性樹脂フィルム(上記第2基材に相当)を準備し、エッチングにより金属箔をパターニングして導体パターンを形成する。そして、導体パターンを底部として第2基材にレーザ光を照射し、ビアホールを形成する。このとき、第2配線を構成する導体パターンについては、その一部がビアホール上に片持ち支持される(ビアホールに突出する)ように形成する。
【0004】
また、片面に導体パターン(第1配線に相当)を有する熱可塑性樹脂フィルム(上記第1基材に相当)を別途準備し、第1基材における導体パターンの形成面と、第2基材における導体パターンの形成面と反対の面とが向かい合うように、第1基材及び第2基材を積層して積層体とする。そして、加熱プレス機により、この積層体を積層方向上下から加圧しつつ加熱する。
【0005】
このとき、加熱プレス機と第2基材との間に介在される緩衝材がビアホール内に入り込み、第2配線を構成する導体パターンのうち、ビアホール上に位置する部分が下方に押圧されて、第1基材の導体パターン(第1配線のランド)に当接する。この当接状態で、スクリーン印刷により、ビアホール内に導電ペーストを充填し、加熱することで、導電ペーストを焼結してなる層間接続部により、第2配線と第1配線とを電気的に接続する。
【0006】
このように特許文献1では、第2配線を構成する導体パターンの一部をビアホール内に押し込み、第1配線のランドに接触させることで、ビアホール内に導体パターンが存在しない構成に較べて、層間接続部を構成する導電ペーストがビアホール内を濡れ拡がりやすいようにしている。そして、これにより、ビアホール内にボイドが残るのを抑制するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−31778号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記したように、特許文献1に記載の製造方法では、第1配線を有する第1基材の準備を除く工程として、1)エッチングによる、第2配線を構成する導体パターンの形成、2)第2基材へのビアホール形成、3)加圧・加熱により、第1基材と第2基材の一体化及びビアホール内への導体パターンの押し込み、4)ビアホールへの導電ペーストの充填、5)導電ペーストの焼結(層間接続部形成)の工程が必要である。このように特許文献1の製造方法によれば、第1基材と第2基材とを相互に接着し、第1配線と第2配線とを電気的に接続するのに要する工程数が多い。また、工程数に応じた設備も必要である。
【0009】
また、特許文献1では、第2基材に導体パターン(第2配線)を形成する際に、エッチングにより金属箔をパターニングする。すなわち、ウェット工程にて、導体パターンを形成する。一方、第2基材にビアホールを形成する際に、レーザ光を照射してビアホールを形成する。すなわち、ドライ工程にてビアホールを形成する。なお、第1基材と第2基材との接着(加圧・加熱)などもドライ工程で行う。このように、ウェット工程とドライ工程とが混在しており、製造工程が複雑である。
【0010】
本発明は上記問題点に鑑み、製造工程を簡素化し、安価に形成することができる多層基板の製造方法及び多層基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、
合成樹脂を用いて形成された第1基材及び第2基材を相互に接着するとともに、第1基材の一面に形成された第1配線と、第2基材における第1基材との接着面と反対の一面に形成された第2配線とを、第2基材のビアホール内に配置された層間接続部により、電気的に接続してなる多層基板の製造方法であって、
第1基材に接着し、且つ、第1配線のランドがビアホールから露出するように、第1配線を有した第1基材の一面上に、ビアホールを有した第2基材を形成する第2基材形成工程と、
熱プレスにより、金属箔を所定形状に打ち抜いて導体パターンを形成しつつ、該導体パターンの一部を第2基材の一面に熱圧着させて第2配線とし、導体パターンの残りをビアホール内に押し込み、押し込んだ該導体パターンの一部をビアホールの壁面に沿いつつ該壁面に熱圧着させて層間接続部とし、押し込んだ該導体パターンの残りを第1配線のランドと電気的に接続する熱プレス工程と、を備え、
第2基材形成工程では、ビアホールの壁面のうち、層間接続部をなす導体パターンの熱圧着される部分が、第1配線と第2配線の積層方向において、第1配線のランドから遠ざかるほど、積層方向に垂直な方向において、第1配線のランドの露出部分から遠ざかる傾斜を有するように、第2基材を形成することを特徴とする。
【0012】
本発明では、ビアホールの壁面のうち、層間接続部をなす導体パターンが熱圧着される部分が、上記傾斜を有するように、第2基材を形成するため、熱プレスにより金属箔を打ち抜いて導体パターンを形成しつつ、この導体パターンをビアホールの壁面に熱圧着させることができる。
【0013】
また、熱プレスにより、金属箔を打ち抜いて、第2配線を構成する導体パターンを形成するとともに、導体パターンにおける第2配線の部分を、加熱により軟化した第2基材の表面に圧着(熱圧着)させる。また、打ち抜きにより形成した導体パターンの一部をプレスの型によりビアホール内に押し込み、ビアホール内に押し込んだ導体パターンの一部を、加熱により軟化したビアホールの壁面(第2基材の表面)に熱圧着させる。さらには、ビアホール内に押し込んだ導体パターンの一部を、加熱・加圧により第1配線のランドと電気的に接続する。このように、1つの工程(熱プレス工程)にて、第2配線を構成する導体パターンの形成しつつ、ビアホール内へ導体パターンを押し込んで、第1配線と第2配線を電気的に接続することができる。このため、従来に較べて、製造工程を簡素化することができる。
【0014】
また、熱プレスにより、第2配線を形成しつつ、第2配線と第1配線の電気的な接続を行う。したがって、第1配線を有する第1基材上に、ドライ工程のみで、第2配線を有する第2基材を形成しつつ、第1配線と第2配線の電気的な接続を行うことができる。これにより、従来のようにウェット工程も含む構成に較べて、製造工程を簡素化することができる。
【0015】
以上から、本発明によれば、多層基板の製造工程を簡素化し、且つ、多層基板を安価に形成することができる。
【0016】
請求項2に記載のように、熱プレス工程では、導体パターンを第1配線のランドに熱圧着させることが好ましい。このように、第2配線を構成する導体パターンと第1配線のランドとを熱圧着させる(拡散接合させる)と、導体パターンと第1配線を直接的に接続するため、製造工程をより簡素化することができる。
【0017】
請求項3に記載のように、第1配線のランドにプラズマを照射し、該ランドの表面を活性化させた状態で、熱プレス工程を行うと良い。これによれば、熱圧着しやすくなる。なお、プラズマ照射の工程を加えても、従来に較べて製造工程を簡素化することができる。
【0018】
請求項4に記載のように、熱プレス工程後、導体パターンと第1配線のランドとの熱圧着部に、レーザ光を照射して、導体パターンと第1配線のランドとを溶着する溶着工程を備えても良い。これによれば、熱圧着のみにより、導体パターンと第1配線のランドとを電気的に接続する構成に較べて、接続信頼性を向上することができる。なお、溶着工程を加えても、従来に較べて製造工程を簡素化することができる。
【0019】
請求項5に記載のように、第2基材形成工程後、第1配線のランド上に、金属粒子を含むペーストを配置し、
熱プレス工程では、熱プレスにより、金属粒子を焼結させて、導体パターンと第1配線のランドとを電気的に接続しても良い。
【0020】
この場合、ペースト配置の工程が増えることとなるが、このペースト配置工程を加えても、従来に較べて製造工程を簡素化することができる。
【0021】
請求項6に記載のように、第2基材形成工程では、第1配線を有する第1基材をインサート部品として、熱可塑性樹脂を用いた射出成形により、第2基材を第1基材の一面上に形成すると良い。
【0022】
これによれば、第2基材形成工程が、ビアホールを有する第2基材を準備する工程と、この第2基材を第1基材に接着する工程を備える構成に較べて、製造工程をより簡素化することができる。なお、第2基材形成工程が、上記した準備工程と接着工程を備えるようにしても、従来に較べて製造工程を簡素化することができる。
【0023】
請求項7に記載のように、第2基材形成工程の前に、熱プレスにより、金属箔を所定形状に打ち抜いて第1配線を形成するとともに、第1基材の一面に第1配線を熱圧着させて、第1配線を有した第1基材を形成する第1基材形成工程を備えると良い。これによれば、第1配線の形成もドライ工程で行うため、多層基板をドライ工程のみで形成することができる。したがって、製造工程をさらに簡素化することができる。
【0024】
次に、請求項8に記載の発明は、
合成樹脂を用いて形成された絶縁基材と、
該絶縁基材に多層に配置された配線と、
絶縁基材に配置され、配線として隣りの層に位置する第1配線と第2配線とを電気的に接続する層間接続部と、を備えた多層基板であって、
第2配線は、金属箔がパターニングされてなる導体パターンの一部として構成され、
導体パターンは、第2配線とともに、層間接続部、及び、熱圧着により第1配線のランドと電気的に接続された接続部を一体的に有しており、
導体パターンのうち、第2配線及び層間接続部の部分は、第1配線側の面が粗化され、絶縁基材に熱圧着されており、
導体パターンの層間接続部は、多層に配置された配線の積層方向において、第1配線のランドから遠ざかるほど、積層方向に垂直な方向において、導体パターンの接続部から遠ざかる傾斜配置とされていることを特徴とする。
【0025】
このような構成の多層基板は、上記した請求項2に記載の製造方法により形成される。すなわち、請求項1,2に記載の発明の同じ作用効果を奏することができる。
【0026】
なお、従来のように、レーザ光を照射して導体パターンを底部するビアホールを形成する場合、例えばCOレーザにより絶縁基材にビアホールを形成した後、UVレーザにてスミア(残渣)を除去することとなる。導体パターンの、レーザ光が照射される側の面は絶縁基材との接着性向上のため予め粗化されているが、上記レーザ光の照射により、ビアホール上の部分(レーザ光が照射された部分)は平坦化される。このため、レーザ光が照射された部分は、絶縁基材などとの接着性が低下する。これに対し、本発明では、ビアホールを有する第2基材に対し、熱プレスによって、金属箔を打ち抜いた導体パターンを熱圧着させる。したがって、第1配線側の面に、ビアホールを形成するためのレーザ光を照射しなくとも良い。このため、導体パターンのうち、第2配線及び層間接続部の部分は、第1配線側の面が粗化された状態で残り、絶縁基材に対して良好に接着することができる。
【0027】
請求項9に記載のように、導体パターンは、その両端に第2配線をそれぞれ有するとともに、各第2配線と接続部との間に層間接続部をそれぞれ有する構成としても良い。これによれば、一端に第2配線を有し、他端に接続部を有する構成に較べて、層間接続部を含めた配線の配置の自由度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1実施形態に係る多層基板の概略構成を示す上面視平面図である。導体パターン及びビアホールについては、便宜上、二点鎖線で囲まれた領域A内のみを図示している。また、内層の導体パターンについても破線で図示している。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】図2に示す多層基板の製造方法を示す断面図であり、(a)は第1導体パターンを有する第1基材の準備工程、(b)ビアホールを有する第2基材の形成工程、(c)熱プレス工程を示す。
【図4】製造方法の変形例を示す断面図であり、プラズマ照射による前処理工程を示す。
【図5】製造方法の変形例を示す断面図であり、レーザ光による溶着工程を示す。
【図6】第2実施形態に係る多層基板の製造方法を断面図であり、(a)はペースト塗布工程、(b)は熱プレス工程を示す。
【図7】第3実施形態に係る多層基板の概略構成を示す断面図である。
【図8】多層基板のその他変形例を示す断面図である。
【図9】多層基板のその他変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下に示す各図において、共通乃至関連する要素には同一の符号を付与するものとする。また、多層に配置された配線の積層方向、換言すれば絶縁基材の厚さ方向を単に積層方向と示す。また、該積層方向に垂直な方向を単に垂直方向と示す。
【0030】
(第1実施形態)
図1及び図2に示す多層基板10は、合成樹脂を用いて形成された絶縁基材20と、この絶縁基材20に対して多層に配置された配線33,35と、絶縁基材20に配置され、隣りの層に位置する配線33,35同士を電気的に接続する層間接続部36と、を備えている。本実施形態では、一例として、多層基板10が2層の配線33,35を備えている。
【0031】
絶縁基材20は、少なくとも合成樹脂を構成材料として含むものである。合成樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも採用することができるが、後述する成形性及び導体パターン30との接着性を考慮すると熱可塑性樹脂のほうが好ましい。後述する熱プレスの加圧・加熱条件において、全体が大きく流動するものではなく、その表面が軟化する程度のもの(導体パターン31,32が接着できる程度のもの)を採用することが好ましい。
【0032】
本実施形態では、熱可塑性樹脂からなる第1基材21及び第2基材22の2つの基材21,22が相互に接着されて、絶縁基材20が構成されている。なお、熱可塑性樹脂としては、PBTやPPSなどを用いることができる。2つの基材21,22を構成する樹脂材料としては互いに異なるものを採用することができるが、好ましくは同一材料を採用すると良い。本実施形態においても、2つの基材21,22が同一の熱可塑性樹脂を用いて形成されている。
【0033】
2つの基材21,22のうち、第1基材21は、所定厚さを有する平面矩形の平板状に形成されている。そして、第1基材21の一面21aに、第1配線33を構成する第1導体パターン31が固定されている。一方、第2基材22は、第1基材21の一面21aに接着固定されており、第1基材21の一面21aを覆うように、その外形輪郭が第1基材21と一致している。また、第2基材22には、第1配線33と第2配線35とを電気的に接続する層間接続部36を配置するためのビアホール23が形成されている。そして、この第2基材22に第2配線35を構成する第2導体パターン32が固定されている。
【0034】
ビアホール23は、第2基材22を貫通しており、第2基材22における第1基材21との接着面22aと反対の一面22bに開口している。また、ビアホール23の壁面のうち、層間接続部36をなす導体パターン32が熱圧着された面23aは、積層方向において、第1導体パターン31(ランド34)から遠ざかるほど、垂直方向において、第1導体パターン31のランド34の露出部分から遠ざかる傾斜を有する。以下、面23aを傾斜面23aと示す。なお、ランド34の露出部分とは、ランド34のうち、ビアホール23内に位置する部分である。本実施形態では、ビアホール23が四角錘台状をなしており、導体パターン32が熱圧着された傾斜面23a以外についても傾斜形状となっている。すなわち、ビアホール23は、その開口面積が、積層方向において第1導体パターン31から離れるほど大きくなっている。また、積層方向において、ビアホール23の単位長さあたりの開口面積の変化量は一定となっている。
【0035】
上記したように多層基板10は、配線33,35を構成する導体パターン30(31,32)を多層に有している。この導体パターン30のうち、第1基材21の一面21aに形成された第1導体パターン31は、第1配線33と、第2配線35との電気的な接続に供せられるランド34と、を有している。このランド34は、第1配線33のうち、第2配線35との電気的な接続に供せられる部分とも言える。第1配線33は、絶縁基材20の内部に配置された内層配線となっており、ランド34は、その一部がビアホール23を介して外部に露出されている。
【0036】
このような第1導体パターン31の構成は特に限定されるものではない。本実施形態では、金属箔を打ち抜いてなる第1導体パターン31を採用しており、この第1導体パターン31が、熱可塑性樹脂からなる第1基材21の一面21aに、熱圧着により固定されている。なお、第1導体パターン31は、第1基材21側の面が粗化されており、第1基材21と反対側の面が粗化されていない状態となっている。
【0037】
一方、第2導体パターン32は、第2基材22の一面22bに形成された第2配線35と、第1配線33と第2配線35とを電気的に接続する層間接続部36と、第1導体パターン31のランド34の露出部分に電気的に接続される接続部37と、を有している。この第2導体パターン32は、第2基材22側(第1導体パターン31側)の面32aが粗化されており、第2基材22と反対側の面が粗化されていない状態となっている。
【0038】
層間接続部36は、第2導体パターン32において、第2配線35と接続部37とを連結しており、第2基材22に形成されたビアホール23の傾斜面23aに沿って、該傾斜面23aに、熱圧着により固定されている。すなわち、層間接続部36は、第2基材2に対し、積層方向において、第1導体パラーン31(ランド34)から遠ざかるほど、垂直方向において、接続部37(換言すれば、ランド34の露出部分)から遠ざかる傾斜配置となっている。
【0039】
接続部37は、第1導体パターン31のランド34の露出部分に対向配置されており、第2導体パターン32は、この接続部37にて、第1導体パターン31と電気的に接続されている。本実施形態では、接続部37が、ランド34の露出部分に対し、熱圧着により固定(電気的且つ機械的に接続)されている。すなわち、接続部37とランド34の露出部分との界面において拡散接合が生じ、これにより、第1導体パターン31と第2導体パターン32(第1配線33と第2配線35)が電気的に接続されている。
【0040】
次に、このように構成される多層基板10の製造方法を、図3(a)〜(c)を用いて説明する。
【0041】
先ず、図3(a)に示すように、第1導体パターン31(第1配線33)を有する第1基材21を準備する。本実施形態では、別途準備した第1基材21に対して、その一面21aに例えば厚さ18μmの金属箔24(銅箔)を配置し、下型100にて第1基材21を保持した状態で上型101を下降させ、上型101の凸部102にて金属箔24を打ち抜く。このとき、型100,101の少なくとも一方(本実施形態では上型101)は図示しないヒータなどによって加熱されており、この熱で第1基材21の表面が軟化する。したがって、打ち抜かれた金属箔24、すなわち第1導体パターン31は、第1基材21の一面21aに押し込まれて溶着(熱圧着)する。このように、上型101にて金属箔24を打ち抜き、熱圧着させて、第1基材21に第1導体パターン31を形成する。なお、金属箔24のうち、凸部102以外の部分は上型101によって押し込まれずに図3(a)に示すごとく残るため、型開き後に除去することができる。以上が、特許請求の範囲に記載の第1基材21の準備工程に相当する。
【0042】
次いで、図3(b)に示すように、第1基材21の一面21a上に、ビアホール23を有する第2基材22を形成する。本実施形態では、第1導体パターン31を有する第1基材21をインサート部品として、熱可塑性樹脂を用いた射出成形により、第2基材22を第1基材21の一面21a上に形成する。このため、第2基材22は、図示しない型の形状に沿って、ビアホール23を有する上記形状で成形されるとともに、第1基材21に接着固定される。以上が、特許請求の範囲に記載の第2基材形成工程に相当する。
【0043】
次いで、図3(c)に示すように、第2導体パターン32を形成して第2基材22に固定するとともに、形成した第2導体パターン32を第1導体パターン31と電気的に接続する。この工程では、第1導体パターン31(第1配線33)を有する第1基材21の準備同様、熱プレスにより行う。例えば厚さ18μmの金属箔25(銅箔)を、ビアホール23を塞ぐように第2基材22の一面22bに配置し、下型110にて第1基材21を保持した状態で上型111を下降させ、上型111の凸部112,113にて金属箔25を打ち抜く。なお、凸部112,113のうち、第1凸部112は、第2配線35に相当する部分を打ち抜き、第1凸部112よりもさらに突出する第2凸部113は、層間接続部36及び接続部37に相当する部分を打ち抜く部分である。第2凸部113は、層間接続部36をビアホール23の傾斜面23aに沿って熱圧着させるべく、傾斜面23aに対応する傾斜面113aを有している。また、接続部37を第1導体パターン31のランド34に熱圧着させるべく、下型110の第1基材搭載面に平行な先端面113bを有している。
【0044】
このとき、型110,111の少なくとも一方(本実施形態では上型111)は図示しないヒータなどによって加熱されており、この熱で第2基材22の表面が軟化する。したがって、打ち抜かれた金属箔25、すなわち第2導体パターン32のうち、第2配線35は、上型111の第1凸部112により、第2基材22の一面22bに押し込まれて溶着(熱圧着)する。また、第2導体パターン32のうち、第2配線35を除く部分は、上型111の第2凸部113により、ビアホール23に押し込まれる。そして、第2導体パターン32のうち、層間接続部36は、上型111の第2凸部113の傾斜面113aにより、ビアホール23の傾斜面23aに押し込まれ、傾斜面23aに沿って該傾斜面23aに溶着(熱圧着)する。また、第2導体パターン32のうち、接続部37は、上型111の第2凸部113の先端面113bにより、第1導体パターン31のランド34に押し込まれ、ランド34に熱圧着する。すなわち、拡散接合を形成する。
【0045】
このように、上型111にて金属箔25を打ち抜き、熱圧着させて、第2基材22に第2導体パターン32を形成するとともに、第2導体パターン32を第1導体パターン31と電気的に接続する。なお、金属箔25のうち、凸部112,113以外の部分は上型111によって押し込まれずに図3(c)に示すごとく残るため、型開き後に除去することができる。以上が、特許請求の範囲に記載の熱プレス工程に相当する。このようにして、図1及び図2に示す多層基板10を形成することができる。
【0046】
次に、本実施形態に係る多層基板10及びその製造方法について、特徴部分の効果を説明する。
【0047】
本実施形態では、ビアホール23の壁面のうち、第2導体パターン32の層間接続部36が熱圧着される部分23aを上記した傾斜面とする。したがって、熱プレスにより金属箔25を打ち抜いて第2導体パターン32を形成しつつ、この第2導体パターン32をビアホール23の壁面に熱圧着させることができる。
【0048】
また、熱プレスにより、金属箔25を打ち抜いて、第2導体パターン32を形成するとともに、第2導体パターン32における第2配線35を、加熱により軟化した第2基材22の一面22bに圧着(熱圧着)させる。また、第2導体パターン32の第2配線35を除く部分を上型111の第2凸部113によりビアホール23内に押し込み、第2導体パターン32の層間接続部36を、加熱により軟化したビアホール23の傾斜面23aに熱圧着させる。さらには、第2導体パターン32の接続部37を、第1導体パターン31のランド34に熱圧着させる。このように、1つの工程(熱プレス工程)にて、第2配線35を構成する第2導体パターン32を形成しつつ、ビアホール23内へ第2導体パターン32の一部を押し込んで、第1配線33と第2配線35を電気的に接続することができる。このため、従来に較べて、製造工程を簡素化することができる。詳しくは、本実施形態によれば、第1配線33を有する第1基材21の準備を除く工程として、1)ビアホール23を有する第2基材22の形成及び第1基材21との接着工程、2)熱プレスによる第2導体パターン32の形成、第2基材22への接着、及び配線33,35の電気的接続工程、の2つの工程のみで良い。このため、[発明が解決しようとする課題]にて記載した従来の製造方法に較べて、大幅に製造工程数を削減することができる。
【0049】
また、熱プレスにより、第2導体パターン32(第2配線35)を形成しつつ、第2導体パターン32(第2配線35)と第1導体パターン31(第1配線33)の電気的な接続を行う。したがって、第1配線33を有する第1基材21上に、ドライ工程のみで、第2配線35を有する第2基材22を形成しつつ、第1配線33と第2配線35の電気的な接続を行うことができる。これにより、従来のようにウェット工程も含む構成に較べて、製造工程を簡素化することができる。
【0050】
以上から、本実施形態によれば、多層基板10の製造工程を簡素化し、且つ、多層基板10を安価に形成することができる。
【0051】
ところで、従来のように、レーザ光を照射して、導体パターンを底部とするビアホールを形成する場合、例えばCOレーザにより絶縁基材にビアホールを形成した後、UVレーザにてスミア(残渣)を除去することとなる。導体パターンの、レーザ光が照射される側の面は絶縁基材との接着性向上のため予め粗化されているが、上記レーザ光の照射により、ビアホール上の部分は平坦化される。このため、レーザ光が照射された部分は、絶縁基材などとの接着性が低下する。これに対し、本実施形態では、ビアホール23を有する第2基材22に対し、熱プレスによって、金属箔25を打ち抜いてなる第2導体パターン32を熱圧着させる。したがって、第2導体パターン32の第1導体パターン31側の面32aに、ビアホール23を形成するためのレーザ光を照射しなくとも良い。このため、第2導体パターン32のうち、第2配線35及び層間接続部36の部分は、第1導体パターン31側の面が粗化された状態で残り、第2基材22に対して良好に接着することができる。
【0052】
また、本実施形態では、第1導体パターン31(第1配線33)を有する第1基材21をインサート部品として、熱可塑性樹脂を用いた射出成形により、第2基材22を第1基材21の一面21a上に形成する。すなわち、第2基材22の形成と、第1基材21及び第2基材22相互の接着とを同時に行う。したがって、第2基材形成工程が、ビアホール23を有する第2基材22を準備する工程と、この第2基材22を第1基材21に接着する工程を備える構成に較べて、製造工程をより簡素化することができる。
【0053】
また、本実施形態では、第1基材21の準備工程において、熱プレスにより、金属箔24を所定形状に打ち抜いて第1導体パターン31(第1配線33)を形成するとともに、第1基材21の一面21aに第1導体パターン31を熱圧着させて、第1導体パターン31を有した第1基材21を形成する。これによれば、第1基材21の準備もドライ工程で行うため、多層基板10全体を、ドライ工程のみで形成することができる。したがって、製造工程をさらに簡素化することができる。
【0054】
(変形例)
本実施形態では、第2基材形成工程において、第1導体パターン31(第1配線33)を有する第1基材21をインサート部品とし、熱可塑性樹脂を用いた射出成形により、第2基材22を第1基材21の一面21a上に形成する例を示した。しかしながら、第2基材形成工程が、ビアホール23を有する第2基材22を準備する工程と、この第2基材22を第1基材21に接着する工程を備えても良い。具体的には、レーザ加工やドリル加工などにより、第2基材22のビアホール23を形成し、次いで、例えば加圧しつつ加熱して、ビアホール23を有する第2基材22と第1基材21を相互に接着する。この場合、上記実施形態より製造工程が増えるものの、従来に比べて製造工程数を削減することができる。なお、第2基材22として、熱可塑性樹脂だけでなく、Bステージ状態の熱硬化性樹脂を採用することもできる。
【0055】
本実施形態では、第1導体パターン31も、熱プレスにより形成する例を示した。しかしながら、第1導体パターン31の形成方法は、上記実施形態に示す例に限定されるものではない。例えば導体箔のエッチング、メッキ、導電性ペーストを用いたスクリーン印刷などにより、形成しても良い。この場合、上記実施形態より製造工程が増えるものの、従来に比べて製造工程数を削減することができる。なお、第1基材21の構成材料としては熱可塑性樹脂に限定されず、熱硬化性樹脂を採用することもできる。
【0056】
また、図4に示すように、熱プレス工程の前に、第1導体パターン31のランド34の露出部分に、プラズマ源120からプラズマ121(ガスをプラズマ化して少なくともラジカルを含む状態としたもの)を照射して、該ランド34の表面を活性化させ、この状態で、熱プレス工程を行うようにしても良い。これによれば、第2導体パターン32の接続部37を第1導体パターン31のランド34に熱圧着させやすくなる。換言すれば、拡散接合を形成しやすくなる。これにより、第1導体パターン31と第2導体パターン32の電気的な接続信頼性を向上することができる。このプラズマ照射の工程を加えても、従来に較べて製造工程を簡素化することができる。なお、大気圧プラズマ、真空プラズマのいずれも採用することができる。また、ガスとしては、Ar、He、Xeなどの不活性ガスや、二酸化炭素、窒素などを採用することができる。
【0057】
また、熱プレス工程後、図5に示すように、第2導体パターン32の接続部37と、第1導体パターン31のランド34との熱圧着部に、光源130からレーザ光131を照射して、接続部37とランド34とを溶着するようにしても良い。これによれば、熱圧着のみにより、接続部37とランド34とを接続する構成に較べて、接続信頼性を向上することができる。なお、溶着工程を加えても、従来に較べて製造工程を簡素化することができる。
【0058】
(第2実施形態)
本実施形態において、第1実施形態に示した多層基板10及びその製造方法と共通する部分についての説明は割愛する。第1実施形態では、熱プレス工程において、第2導体パターン32の接続部37と、第1導体パターン31のランド34に熱圧着させることで、第1配線33と第2配線35を電気的に接続する例を示した。
【0059】
これに対し、本実施形態では、第1実施形態で示した第2基材22の形成後、図6(a)に示すように、ビアホール23から露出する第1導体パターン31のランド34上に、金属粒子を含むペースト38を配置する。
【0060】
ペースト38は、単一金属の粒子、複数の金属粒子、複合金属の粒子のいずれかを、溶媒中に分散してなる。複数の金属粒子とは、例えばAg粒子とSn粒子のように、金属粒子を複数含むことを指し、複合金属の粒子とは、例えばAgSn粒子などのように、合金の粒子を指す。この金属粒子としては、熱プレスの加圧・加熱条件により、焼結するものを採用する。例えば低融点の金属粒子を採用すると良い。また、平均粒径が小さいものを採用することが好ましい。本実施形態では、周囲を有機保護膜でコーティングされた、平均粒径がナノオーダーの金属粒子を採用する。このようなペースト38は、例えばインクジェット法を用いると、ランド34上に局所的に配置することができる。
【0061】
そして、ペースト38を配置した後、図6(b)に示すように、第1実施形態同様の熱プレス工程を行う。この熱プレス工程では、上型111により、第2導体パターン32の接続部37を介してペースト38が押圧されるとともに、例えば上型111から接続部37を介してペースト38に熱が伝達される。これにより、ペースト38中の溶媒が気化し、金属粒子が焼結して接合部材39となる。そして、接合部材39を介して、第2導体パターン32の接続部37と第1導体パターン31のランド34とが、電気的に接続される。
【0062】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。なお、第1実施形態(図3参照)に較べてペースト配置の工程が増えることとなるが、このペースト配置工程を加えても、従来に較べて製造工程を簡素化することができる。
【0063】
(第3実施形態)
本実施形態において、上記実施形態に示した多層基板10及びその製造方法と共通する部分についての説明は割愛する。上記実施形態では、第2導体パターン32が、その一端に第2配線35を有し、他端に接続部37を有し、第2配線35と接続部37の間に層間接続部36を有する例を示した。
【0064】
これに対し、本実施形態では、図7に示すように、第2導体パターン32が、その両端に第2配線35をそれぞれ有するとともに、各第2配線35と接続部37との間に層間接続部36をそれぞれ有している。
【0065】
第2導体パターン32としてこのような構成を採用すると、一端に第2配線35を有し、他端に接続部37を有する構成に較べて、多層基板10における配線設計の自由度を向上することができる。なお、なお、第2配線35として後述するランド40を含んでも良い。
【0066】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
【0067】
上記実施形態では、多層基板10として2層配線の例を示した。しかしながら、配線の層数は2層に限定されるものではなく、3層以上としても良い。例えば図8に示す例では、3層配線の多層基板10となっている。図8では、図2に示した多層基板10を、特許請求の範囲に記載の第1基材、第2導体パターン32(第2配線35)を、特許請求の範囲に記載の第1配線とし、この多層基板10に対し、第3導体パターン41を有する第3基材26を配置している。すなわち、第3基材26が、特許請求の範囲に記載の第2基材に相当し、第3導体パターンが、特許請求の範囲に記載の第2配線を有する導体パターンに相当する。したがって、第3基材26を、上記した第2基材形成工程の方法で形成し、第3導体パターン41を、上記した熱プレス工程の方法で形成する。なお、図8に示す符号40は、第2導体パターン32において、第2配線35のうち、第3導体パターン41が接続されるランド、符号42は第3基材26の一面26aに熱圧着された第3配線、符号43は、第3基材26に形成されたビアホール23の傾斜面23aに熱圧着された層間接続部、符号44は、第2導体パターン32のランド40と電気的に接続された接続部である。また、第3導体パターン41における第3基材26側の面41aは粗化されている。
【0068】
上記実施形態では、第2導体パターン32、ビアホール23、第1導体パターン31のランド34の一部、及び第2基材22の一面22bが、外部に露出される例を示した。しかしながら、例えば図9に示すように、第2基材22の一面22b上にカバー用基材27を設け、このカバー用基材27に形成した外部接続用開口部28を介して、第2導体パターン32のうち、第2配線35のランド40のみが外部に露出される構成としても良い。なお、カバー用基材27は、熱可塑性樹脂を用いた射出成形、熱硬化樹脂を用いたトランスファ成形、熱硬化性樹脂やBステージ状態の熱硬化性樹脂からなるフィルムの貼り付けにより、第2基材22の一面22b上に形成することができる。
【0069】
上記実施形態では、ビアホール23が四角錘台状をなす例を示した。しかしながら、ビアホール23の形状としては、第2導体パターン32の層間接続部36が熱圧着される面が、積層方向において、第1導体パターン31のランド34から遠ざかるほど、垂直方向において、ランド34の露出部分から遠ざかる傾斜を有するものであれば良い。例えば円錐台形状としても良いし、四角錘以外の角錐台形状としても良い。さらには、角錐台形状のうち、第2導体パターン32の層間接続部36が熱圧着される面のみを傾斜とし、それ以外の面を積層方向と平行としても良い。
【符号の説明】
【0070】
10・・・多層基板
20・・・絶縁基材
21・・・第1基材
22・・・第2基材
23・・・ビアホール
23a・・・傾斜面
24,25・・・金属箔
31・・・第1導体パターン
32・・・第2導体パターン
33・・・第1配線
34・・・ランド
35・・・第2配線
36・・・層間接続部
37・・・接続部
110・・・下型
111・・・上型
112・・・第1凸部
113・・・第2凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂を用いて形成された第1基材及び第2基材を相互に接着するとともに、前記第1基材の一面に形成された第1配線と、前記第2基材における第1基材との接着面と反対の一面に形成された第2配線とを、前記第2基材のビアホール内に配置された層間接続部により、電気的に接続してなる多層基板の製造方法であって、
前記第1基材に接着し、且つ、前記第1配線のランドが前記ビアホールから露出するように、前記第1配線を有した第1基材の一面上に、前記ビアホールを有した第2基材を形成する第2基材形成工程と、
熱プレスにより、金属箔を所定形状に打ち抜いて導体パターンを形成しつつ、該導体パターンの一部を前記第2基材の一面に熱圧着させて前記第2配線とし、前記導体パターンの残りを前記ビアホール内に押し込み、押し込んだ該導体パターンの一部を前記ビアホールの壁面に沿いつつ該壁面に熱圧着させて前記層間接続部とし、押し込んだ該導体パターンの残りを前記第1配線のランドと電気的に接続する熱プレス工程と、を備え、
前記第2基材形成工程では、前記ビアホールの壁面のうち、前記層間接続部をなす導体パターンの熱圧着される部分が、前記第1配線と前記第2配線の積層方向において、前記第1配線のランドから遠ざかるほど、前記積層方向に垂直な方向において、前記第1配線のランドの露出部分から遠ざかる傾斜を有するように、前記第2基材を形成することを特徴とする多層基板の製造方法。
【請求項2】
前記熱プレス工程では、前記導体パターンを前記第1配線のランドに熱圧着させることを特徴とする請求項1に記載の多層基板の製造方法。
【請求項3】
前記第1配線のランドにプラズマを照射し、該ランドの表面を活性化させた状態で、前記熱プレス工程を行うことを特徴とする請求項2に記載の多層基板の製造方法。
【請求項4】
前記熱プレス工程後、前記導体パターンと前記第1配線のランドとの熱圧着部に、レーザ光を照射して、前記導体パターンと前記第1配線のランドとを溶着する溶着工程を備えることを特徴とする請求項2に記載の多層基板の製造方法。
【請求項5】
前記第2基材形成工程後、前記第1配線のランド上に、金属粒子を含むペーストを配置し、
前記熱プレス工程では、熱プレスにより、前記金属粒子を焼結させて、前記導体パターンと前記第1配線のランドとを電気的に接続することを特徴とする請求項1に記載の多層基板の製造方法。
【請求項6】
前記第2基材形成工程では、前記第1配線を有する第1基材をインサート部品として、熱可塑性樹脂を用いた射出成形により、前記第2基材を前記第1基材の一面上に形成することを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の多層基板の製造方法。
【請求項7】
前記第2基材形成工程の前に、熱プレスにより、金属箔を所定形状に打ち抜いて前記第1配線を形成するとともに、前記第1基材の一面に前記第1配線を熱圧着させて、前記第1配線を有した第1基材を形成する第1基材形成工程を備えることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載の多層基板の製造方法。
【請求項8】
合成樹脂を用いて形成された絶縁基材と、
該絶縁基材に多層に配置された配線と、
前記絶縁基材に配置され、前記配線として隣りの層に位置する第1配線と第2配線とを電気的に接続する層間接続部と、を備えた多層基板であって、
前記第2配線は、金属箔がパターニングされてなる導体パターンの一部として構成され、
前記導体パターンは、前記第2配線とともに、前記層間接続部、及び、熱圧着により前記第1配線のランドと電気的に接続された接続部を一体的に有しており、
前記導体パターンのうち、前記第2配線及び前記層間接続部の部分における第1配線側の面が粗化され、前記絶縁基材に熱圧着されており、
前記導体パターンの層間接続部は、多層に配置された前記配線の積層方向において、前記第1配線のランドから遠ざかるほど、前記積層方向に垂直な方向において、前記導体パターンの接続部から遠ざかる傾斜配置とされていることを特徴とする多層基板。
【請求項9】
前記導体パターンは、その両端に前記第2配線をそれぞれ有するとともに、各第2配線と前記接続部との間に前記層間接続部をそれぞれ有することを特徴とする請求項8に記載の多層基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−21126(P2013−21126A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153182(P2011−153182)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】