説明

大面積不変形光斑撮像装置及びその方法

【課題】大面積不変形光斑撮像装置及びその方法の提供。
【解決手段】該大面積不変形光斑撮像装置は光発射器、光制限モジュール及びセンサを包含し、該光制限モジュールは該センサの前に取付られ、該光制限モジュールは複数の光制限素子を包含し、光制限素子は一次元或いは二次元アレイに配列され、該光発射器が光源を物体表面に発射し、散乱光を発生し、該光制限モジュールがこの散乱光を制限し、並びに回折光を発生し、該回折光が相互に干渉して複数のアレイ不変形光斑画像を発生し、且つ該センサ上に成像し、最後にアレイ光斑画像を画像リフォームして大面積且つ不変形の光斑図を得る。該光斑図は大面積不変形の光斑画像であり、且つ該光斑図は物体表面の三次元変化の特徴を記録するため、該大面積不変形光斑撮像装置はコンピュータマウス、手指ナビゲータ、スマートカード、三次元指紋識別装置、工作機械或いは機械アーム精密位置決めシステム等に応用可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一種の光斑撮像装置及びその方法に係り、特に大面積不変形光斑撮像装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2004年に光学コンピュータマウスに用いられるレーザー光斑パターン技術が発表され、それは「平均レーザー光斑」のサイズ不変の原則を利用してレーザー光斑が光源と被被照射面の相対運動に伴い移動する概念を提出し、ただレーザー光斑の検出器上での移動の平均速度を知れば光源と被照射面の相対運動情報を推察できるため、これによりこの技術をレーザーマウスに運用できるようにしたものである。レーザー光斑は被照射面散乱光の検出器上での相互干渉により得られる画像であり、その画像強度と散乱光相互間の位相差には関係がある。レーザー光源と被照射面が相対運動を有する時、散乱光路の位相差は顕著に変化し得て、それに伴い検出器上の干渉画像も変化を発生し、ゆえにレーザー光斑は非常に変形しやすい。光路変化により画像強度分布が変化するとはいえ、画像平均強度はあまり変化せず、なぜならそれはレーザー光源強度と被照射面反射率とだけに関係するためである。レーザー光源と被照射面が相対運動する時、この2条件は変化せず、これにより画像平均強度はあまり変化せず、さらに光斑の発生をもたらす表面粗さは均一に分布しているため、検出面上に分布するレーザー光斑の平均密度はあまり変化し得ず、これもまたレーザー光斑サイズの平均値があまり変化しないことを示す。この文章は2003年3月に投稿され、2003年6月に受理された。その後、2004年1月19日に、中国で、張宏志氏によりレーザー光斑を利用してマウス機能を実現する発明「マウス光学信号処理方法」が特許出願され、この発明は2006年1月にIPC特許審査を通過しており、その明細書において張宏志氏は上述したように、レーザー光斑は変形しうるが、平均光斑サイズな回折法則を遵守し、ただ光斑撮像装置を画定すれば、光斑平均光サイズを予測できることが述べられている。張宏志氏は、水平、上下の各二つの検出器を利用して光斑を検視し、レーザー光と被照射面が相対運動する時、レーザー光斑はそれに伴い移動し、水平の二つのセンサを、上下二つのセンサの光斑移動の信号タイミングと比較することで、光斑の水平と上下移動方向の情報を判断でき、さらにサンプリング時間内に、光斑が検出器を通過する数に平均光斑サイズを乗ずることで、サンプリング時間内の光斑移動の平均距離を取得でき、光斑移動の方向と距離を知り光源と被照射面の相対移動情報を計算でき、これが張宏志氏の提出した信号処理方法である。
【0003】
同様な発想でアジリエント社によって光斑ペンの特許が使用され、2005年4月にアジリエント社は上下左右中の5個のセンサを用い、センサ相互の距離はほぼ光斑平均サイズと同じとする原則の下、光斑が5個のセンサを通過する関係タイミングを利用して光斑移動の情報を求める技術を提出している。
【0004】
アジリエント社は2005年2月にそのレーザーマウスの特許が公開され、この発明では特に、一般マウスの光学読取ヘッドのレーザー光斑サイズが数百ナノメータから数ミクロンであり、これは一つの検出ビットサイズ30ミクロンに対しては小さ過ぎ、一つの検出ビットは数十個の光斑を許容するため、光斑信号の変化が不明確となり、平均効果を有しやすく、ゆえに直接光斑信号を利用して有効情報を取得するのが難しくなる。アジリエント社はその発明が、単にレーザー光斑を利用するだけではなく、鏡面反射の光学読取ヘッド設計を利用し、反射角が入射角に等しい光路設計を採用し、二次元センサを反射角が入射角に等しい位置に設け、このときの反射光と散乱光の信号を測定し、さらに分析して光源と被照射面の相対移動の情報を得るものであることを強調している。
【0005】
我々もまたレーザーマウス関係の特許を有しており、それは一種の光斑撮像装置と方法に係る発明であって、レーザー光斑が変形しやすく光斑サイズが小さ過ぎて認識しにくい等の問題を合理的に解決するものである。我々は非鏡面反射二次元光斑撮像装置を提出しており、並びに絞りで被照射面の散乱光が二次元検出器に進入する入射視野角を制限し、即ち物体表面2の撮像範囲を制限する。適当に光斑サイズ、撮像レンズ焦点距離、撮像角度及び撮像物体表面2範囲等のパラメータを適当に整合させることで、像平面に発生する光斑画像がほぼ不変形となる。撮像装置と物平面が相対移動する時、像平面上の光斑の出現より観察画面から移動するまで、光斑形状及び強度にほぼ変化はなく、不変形光斑撮像効果が達成され、取得した光斑は移動するが変形せず、これにより精密光斑画像識別に非常に有利である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
光斑平均サイズが変化しない原則を利用して信号処理を行なうことを基礎とし、レーザーマウスを開発すると、その反射面(光沢表面のような)でマウスカーソルが随意に不規則に跳動する現象があり、これは被照射面が滑らかになるほど、光斑画像が弱くなり、サイズも小さくなることによる。このため平均法を用いるとわずかな誤差が信号処理結果の不安定をもたらし得る。この技術を手指ナビゲータなど精密角度解析を必要とする機能に応用する時、要求を満足させられない。
【0007】
鏡面反射構造を利用して取得する光斑画像は二つの成分に分けられ、主要成分は平面からの均一反射光及び少部分の粗い顆粒からの散乱光で均一反射光と位相が一致するものであり、この粗い顆粒からの散乱光は位相が変化しうる。この二種類の異なる特性の光は相互に干渉して干渉図形を形成し得て、解析前後の干渉図形の相関性から、光源と被照射面の相対移動の情報を得られ、今、もし被照射面が非常に粗ければ、均一な反射光は大幅に減少し、散乱光が増加し、急速に位相変化し、図形相関性の識別には不利である。
【0008】
我々が以前に開発した光斑撮像装置と方法は、非鏡面反射二次元撮像装置を採用し、適当に光斑サイズ、撮像レンズ焦点距離、撮像角度及び撮像物体表面2範囲等のパラメータを適当に整合させることで、光源と被照射面が相対移動する時、その光斑位相変化を有効に制限し、光斑図形を変形しにくくし、図形識別に有利としている。ただし、絞りを利用して散乱光の二次元検出器への入射の視野角を制限するため、物体表面での観測範囲は小エリアに制限され、且つ撮像装置と被照射面の相対移動距離は有限であり、これはこのような技術の応用には不利であり、物体表面に対して大面積の検出を行なうときには特に不利である。もし光斑を不変形に維持して容認可能な相対移動距離を長くするには、成像レンズと物体表面の距離を増して、移動距離が長くなることのマイナス面作用を補償しなければならず、そうすると全体の光学読取ヘッドが大きくなり、現在の軽量薄型化コンパクト化の傾向に不利となり、ゆえに改善の余地がある。
【0009】
本発明は、一種の大面積不変形光斑撮像装置及びその方法を提供することを目的とし、それは光制限モジュールを利用して複数のアレイ不変形光斑画像を得られるものとする。
本発明は、一種の大面積不変形光斑撮像装置及びその方法を提供することを目的とし、それは画像を利用してこれらの複数のアレイ不変形光斑画像をリフォームし、大面積の不変形光斑図を形成できるものとする。
【0010】
本発明は、一種の大面積不変形光斑撮像装置及びその方法を提供することを目的とし、それはその発生する光斑図が物体表面の三次元変化により発生し、また該光斑図は不変形とされ、ゆえに本発明の光斑図は三次元変化を有する物体表面の識別に用いられるものとする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、大面積不変形光斑撮像装置において、該大面積不変形光斑撮像装置は、
光発射器であって、光線を物体表面へと発射して散乱光を発生させる、上記光発射器と、
光制限モジュールであって、複数の光制限素子を包含し、散乱光を制限し並びに回折光を発生し、該回折光の相互干渉により複数の光斑を発生する、上記光制限モジュールと、 センサであって、該光制限モジュールの後ろに設けられ、これら光斑を受け取り、これら光斑に基づき光斑図を発生する、上記センサと、
を包含したことを特徴とする、大面積不変形光斑撮像装置としている。
請求項2の発明は、請求項1記載の大面積不変形光斑撮像装置において、該光発射器は面発光レーザー(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:VCSEL)、端面発光レーザー(Edge Emission Lser:EEL)、高同調性ガスレーザー、高同調性固体レーザー或いは狭い周波数帯の光を発射可能で高同調性を具備する発光ダイオードのいずれかとされることを特徴とする、大面積不変形光斑撮像装置としている。
請求項3の発明は、請求項1記載の大面積不変形光斑撮像装置において、該光制限素子が該散乱光の該センサに進入する入射視野角を制限することを特徴とする、大面積不変形光斑撮像装置としている。
請求項4の発明は、請求項1記載の大面積不変形光斑撮像装置において、これら光制限素子は複数の絞りと複数のレンズを包含し、これら絞り及びこれらレンズはそれぞれ一次元或いは二次元アレイ配列され、これらレンズはこれら絞りの前に設置され、該散乱光がこれらレンズを通過し、これら絞りの孔径がこの散乱光に回折光を発生させ、これら光制限素子が該散乱光の該センサに進入する入射視野角を制限することを特徴とする、大面積不変形光斑撮像装置としている。
請求項5の発明は、請求項1記載の大面積不変形光斑撮像装置において、これら光制限素子は複数の絞りと複数のレンズを包含し、これら絞り及びこれらレンズはそれぞれ一次元或いは二次元アレイ配列され、これらレンズはこれら絞りの後ろに設置され、これら光制限素子が該散乱光のセンサに進入する入射視野角を制限し、これら絞りの孔径により該散乱光が該回折光を発生し、該回折光がこれらレンズを通過することを特徴とする、大面積不変形光斑撮像装置としている。
請求項6の発明は、請求項1記載の大面積不変形光斑撮像装置において、さらに、
プリ光制限モジュールであって、該物体表面と該光制限モジュールの間に設置された複数のプリ光制限素子を包含し、該散乱光の二次散乱光が該センサに進入するのを制限する、上記プリ光制限モジュールを包含することを特徴とする、大面積不変形光斑撮像装置としている。
請求項7の発明は、請求項6記載の大面積不変形光斑撮像装置において、これらプリ光制限素子は一次元或いは二次元アレイ配列された複数のプリ絞りであることを特徴とする、大面積不変形光斑撮像装置としている。
請求項8の発明は、請求項1記載の大面積不変形光斑撮像装置において、これら光制限素子は複数の第1絞りと複数の第2絞りを包含し、これら第1絞りとこれら第2絞りはそれぞれ一次元或いは二次元アレイ配列され、該散乱光の該センサに進入する入射視野角を制限することを特徴とする、大面積不変形光斑撮像装置としている。
請求項9の発明は、請求項8記載の大面積不変形光斑撮像装置において、これら光制限素子はさらに複数のレンズを包含し、これらレンズはこれら第1絞りの一側に設けられ、並びにこれら第2絞りと対向し、且つ一次元或いは二次元アレイ配列されたことを特徴とする、大面積不変形光斑撮像装置としている。
請求項10の発明は、請求項8記載の大面積不変形光斑撮像装置において、これら光制限素子はさらに複数のレンズを包含し、これらレンズはこれら第1絞りと第2絞りの間に設けられ、並びに一次元或いは二次元アレイ配列されたことを特徴とする、大面積不変形光斑撮像装置としている。
請求項11の発明は、請求項1記載の大面積不変形光斑撮像装置において、該センサの発生する光斑図に基づき、該大面積不変形光斑撮像装置が該物体表面に対して移動を発生したか否かを判断することを特徴とする、大面積不変形光斑撮像装置としている。
請求項12の発明は、請求項1記載の大面積不変形光斑撮像装置において、さらに、
保存ユニットであって、該センサに接続され、並びに少なくとも一つの参考光斑図を保存する、上記保存ユニットを包含したことを特徴とする、大面積不変形光斑撮像装置としている。
請求項13の発明は、請求項12記載の大面積不変形光斑撮像装置において、該少なくとも一つの参考光斑図に基づき該センサの発生する光斑図が該少なくとも一つの参考光斑図と同じであるかを判断することを特徴とする、大面積不変形光斑撮像装置としている。
請求項14の発明は、請求項1記載の大面積不変形光斑撮像装置において、光斑図を発生し、該光斑図はこれら光斑を画像リフォームすることで発生することを特徴とする、大面積不変形光斑撮像装置としている。
請求項15の発明は、請求項1記載の大面積不変形光斑撮像装置において、該物体は移動可能な物体であることを特徴とする、大面積不変形光斑撮像装置としている。
請求項16の発明は、請求項1記載の大面積不変形光斑撮像装置において、該物体は移動不能な物体であることを特徴とする、大面積不変形光斑撮像装置としている。
請求項17の発明は、不変形光斑撮像方法において、それは、
光線を物体表面に発射し、散乱光を発生させるステップ、
該散乱光を制限して回折光を発生させるステップ、
該回折光の相互干渉により複数の光斑を発生させるステップ、
これら光斑に基づき光斑図を発生するステップ、
を包含することを特徴とする、不変形光斑撮像方法としている。
請求項18の発明は、請求項17記載の不変形光斑撮像方法において、該散乱光を制限するステップは該散乱光の入射視野角を制限するステップであることを特徴とする、不変形光斑撮像方法としている。
請求項19の発明は、請求項17記載の不変形光斑撮像方法において、該散乱光を発生させるステップの後に、該散乱光の二次散乱光を遮断するステップを包含することを特徴とする、不変形光斑撮像方法としている。
請求項20の発明は、請求項17記載の不変形光斑撮像方法において、さらに、該光斑図に基づき、光斑撮像装置が該物体表面に対して移動したかを判断するステップを包含することを特徴とする、不変形光斑撮像方法としている。
請求項21の発明は、請求項17記載の不変形光斑撮像方法において、さらに、参考光斑図を読取るステップを包含することを特徴とする、不変形光斑撮像方法としている。
請求項22の発明は、請求項21記載の不変形光斑撮像方法において、さらに、該参考光斑図に基づき、該光斑図が該参考光斑図と同じであるかを判断するステップを包含することを特徴とする、不変形光斑撮像方法としている。
請求項23の発明は、請求項17記載の不変形光斑撮像方法において、該光線はレーザー光或いはその他の高同調性光のうちより一種類が選択されることを特徴とする、不変形光斑撮像方法としている。
請求項24の発明は、請求項17記載の不変形光斑撮像方法において、該物体は移動可能な物体であることを特徴とする、不変形光斑撮像方法としている。
請求項25の発明は、請求項17記載の不変形光斑撮像方法において、該物体は移動不能な物体であることを特徴とする、不変形光斑撮像方法としている。
【発明の効果】
【0012】
以上から分かるように、本発明は一種の大面積不変形光斑撮像装置及びその方法を提供し、それはセンサの前に光制限モジュールを増設し、該光制限モジュールは複数の光制限素子を包含するものとし、これら光制限素子は一次元或いは二次元アレイ配列し、光線を該物体表面に投射して散乱光を発生させて該光制限モジュールにより回折光を発生させ、これにより不変形の光斑を発生させ、最後にこれら不変形の光斑を画像リフォームして大面積で且つ不変形の光斑図となす。本発明のこの光斑図は物体表面の三次元変化に基づき発生し、ゆえに該光斑図は三次元変化を有する物体h状面の判断に用いられ得て、また、該光斑図は不変形の特性を具備するため、移動を発生する物体表面より得られる光斑図が不変形で、並びに移動前の光斑図と同じであり、これにより明らかに光斑図の移動を識別してこれにより物体移動の情報を獲得できる。本発明の大面積不変形光斑撮像装置はコンピュータマウス、手指ナビゲータ、スマートカード、三次元指紋認証装置、工作機械或いは機械アーム精密位置決めシステム等に用いられうる。
【0013】
総合すると、本発明は新規性、進歩性及び産業上の利用価値を有し、特許の要件に符合する。なお、以下に提示するのは本発明の好ましい実施例であって、本発明の実施の範囲を制限するものではなく、本発明の特許請求の範囲に記載の形状、構造、特徴、及び精神に基づきなしうる同等の変化及び修飾はいずれも本発明の特許請求の範囲内に包括されるものとする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明によると、大面積不変形光斑撮像装置は光発射器、光制限モジュール及びセンサを包含し、該光制限モジュールは該センサの前に取付られ、該光制限モジュールは複数の光制限素子を包含し、これら光制限素子は一次元或いは二次元アレイに配列され、該光発射器が光源を物体表面に向けて発射し、散乱光を発生し、該光制限モジュールがこの散乱光を制限し、並びに回折光を発生し、該回折光が相互に干渉して複数の不変形光斑を発生し、且つ該センサ上に成像し、最後にこれら光斑により大面積且つ不変形の光斑図を得る。
【0015】
図1は本発明の好ましい実施例の構造表示図である。図示されるように、本発明は一種の大面積不変形光斑撮像装置を提供し、それは、光発射器10、光制限モジュール12、センサ14を包含する。該光発射器10は高い同調性を具備する光線100を、集光レンズ11で平行な光束として物体表面2に入射し、この光線100は、例えばレーザー光を物体表面2に発射し、ゆえに該光発射器10は面発光レーザー(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:VCSEL)、端面発光レーザー(Edge Emission Lser:EEL)、高同調性ガスレーザー、高同調性の固体レーザー或いは狭い周波数帯の光を発射可能で高同調性を具備する発光ダイオードとされる。該光線100が該物体表面2に照射される面積は設定された面積により該光発射器10と集光レンズ11を調整することにより得られる。該光制限モジュール12は複数の光制限素子を具え、これら光制限素子は一次元或いは二次元アレイに配列され、本実施例の各光制限素子は絞り121と成像レンズ122を包含し、該絞り121は該成像レンズ122と該物体表面2の間に設けられ、これら絞り121及びこれら成像レンズ122はそれぞれ一次元或いは二次元アレイに配列され、該センサ14は該光制限モジュール12の後ろに設けられ、それは一次元或いは二次元センサ、例えばCCD或いはCMOSとされる。
【0016】
該光発射器10が該光線100を物体表面2に発射する時、散乱光102が発生し、この散乱光102の特性は該物体表面2の粗さにより定まる。例えば、該物体表面2が光沢面(鏡面)であるとき、該光線100が該物体表面2に投射されて発生する散乱光102は反射方向に集中し且つ該光線100のエネルギー量と同じであり、該物体表面2が粗面(霧面)を呈するとき、該光線100は該物体表面2に投射された後、各方向の散乱光102を発生する。
【0017】
以上から分かるように、もし該物体表面2が粗く、高さの平均しない三次元変化を有するなら、該光線100の投射後に、散乱光102が発生しえて、並びにこの散乱光102が任意の方向に伝播されて、識別しやすい光斑を発生する。
【0018】
以上により、該光線100が該物体表面2に投射された後、該散乱光102が発生し、該光制限モジュール12を利用して散乱光102を受け取り、該光制限モジュール12の具備する光制限素子が一次元或いは二次元アレイに配列され、各光制限素子が絞り121と成像レンズ122を包含し、該成像レンズ122が該絞り121の後ろに設けられ、即ち該絞り121と該センサ14の間に設けられ、これら光制限素子が散乱光102の該センサ14に進入する入射視野角を制限し、入射視野角の大きさが該絞り121と該成像レンズ122の距離、及び該絞り121と該成像レンズ122の直径を決定し、また、これら絞り121の孔径により散乱光102が回折光を発生し、これら回折光がこれら成像レンズ122を通過して複数の光斑を発生し、並びに該絞り121の孔径によりその光斑の大きさが制御され、これら光斑が該センサ14に成像され、並びに適当に該絞りアレイ位置及び孔径サイズが調整され、物平面撮像範囲が分割されて像平面に一つ一つ対応するアレイ状に成像され、即ちアレイ画像中の各ユニットが対応する物平面エリアは唯一のものとされ、これにより、これら光斑アレイ画像が画像リフォームされて大面積で且つ不変形の光斑図が形成され得る。
【0019】
図2は本発明の絞り位置と入射視野角の関係を示す光路表示図である。図示されるように、上述の図1の実施例の光制限素子はアレイ配列された成像レンズ122とアレイ配列された絞り121を包含する。図2はこれら成像レンズ122のうち一つとこれら絞り121のうち一つの絞り121を示す。該絞り121はG点或いはH点に置かれる。H点に置かれた該絞り121と該成像レンズ122で構成された光制限素子は、G点に置かれた絞り121と成像レンズ122で構成される光制限素子よりも光軸から遠く離れた散乱光102を阻止できる。この光路表示図から分かるように、これら成像レンズ122と該センサ14の間のこれら絞り121の位置は入射視野角の大きさを制御しうる。この実施例では例として光線が該物体表面2上のE、F2点に投射されるときに、散乱光102を発生し、この散乱光102が該成像レンズ122を通過し、該絞り121がG点に置かれたときに、該光線がE、F2点に投射されて発生する散乱光102がいずれも該成像レンズ122を通り、該センサ14のE’、F’2点に成像されるが、ただしF’点の光束はE’点の光束より大きいことが示されている。もし該絞り121をH点に設置して、光軸に近いF点だけが成像レンズ122を通して該センサ14のF’点に成像できるようにすると、光軸から離れたE点は該成像レンズ122を通して該センサ14上に成像できない。本実施例では、該絞り121の作用はアパーチャーストップ(aperture stop)であり、該成像レンズ122の作用はフィールドストップ(field stop)である。本実施例はこれら光制限素子の一つの光制限素子を例として挙げており、これら光制限素子は一次元或いは二次元アレイに配列され、適当に該絞り121の大きさ及び位置を調整することで光斑サイズの制限と散乱光102の該センサ14への進入の入射視野角の有効な制限が共に達成され、即ち物体表面2の撮像範囲が制限される。
【0020】
図1に併せて図3を参照されたい。図3は本発明の別の実施例の構造表示図である。図示されるように図1の実施例との違いは、本実施例の各光制限素子は成像レンズ122と絞り121を包含するが、ただし該成像レンズ122が該絞り121の前に設けられ、即ち、該絞り121が該成像レンズ122と該センサ14の間に設けられる。
【0021】
図4を参照されたい。図4は本発明のさらに別の実施例の構造表示図である。図1の実施例との違いは、本実施例の光制限モジュール12は複数の光制限素子を包含し、各光制限素子は成像レンズ122、第1絞り125及び第2絞り126を包含する。該成像レンズ122は該第1絞り125及び第2絞り126の後ろに設置され、即ち該成像レンズ122は該第2絞り126及び該センサ14の間に設けられ、該光制限モジュール12から該センサ14の間の配列は、まず第1絞り125が置かれ、続いて該第2絞り126が置かれ、さらに該成像レンズ122が置かれ、最後にセンサ14が置かれる。該光発射器10が該光線100を物体表面2に発射して散乱光102が発生すると、これら第1絞り125が一部の散乱光102を遮断して、散乱光102のセンサ14への進入を制限し、一部の散乱光102は該第1絞り125を通過した後に、これら第2絞り126によりさらにセンサ14への進入が制限される。これらの第1絞り125とこれら第2絞り126の直径の大きさと両者間の距離がセンサ14に進入する散乱光102の入射視野角を決定し、即ち物体表面2の撮像範囲を制限し、これにより入射視野角内の散乱光102に回折光を発生させて、光斑を形成させて成像レンズ122を通過させてセンサ14上に成像させる。その後、これら光斑画像アレイが画像リフォームされて大面積で不変形の光斑図が形成される。上述の成像レンズ122、第1絞り125、第2絞り126の配列はまた、成像レンズ122が第1絞り125及び第2絞り126の前に置かれてもよく、即ち第1絞り125及び第2絞り126が成像レンズ122とセンサ14の間に設けられうる。また、成像レンズ122は第1絞り125と第2絞り126の間に設置されうる。
【0022】
図5は本発明の二次散乱光発生の表示図である。図示されるように、図2の実施例との違いは、各光制限素子が成像レンズ122と絞り121を包含し、並びにセンサ14にスリーブ141が増設され、センサ14がスリーブ141を具備するため、物体表面2の入射視野角内になく即ち非信号エリアのI点の発生する散乱光102が該スリーブ141の内側のI’点に投射され、I’点が二次散乱光104を発生し、該二次散乱光104はH点上の絞り121を通過してセンサ14のI”点に向けて投射され、該二次散乱光104が有効に除去されなければ、光斑画像不変形の効果は達成不能である。二次散乱光の位相変化が有効に制御されず乱雑となるため、該二次散乱光104と信号を発生する該一次散乱光102が像平面で重畳する時、合成された光斑画像のちらつき変化は不定であり、本発明の不変形光斑撮像の目的を達成できない。
【0023】
図6は本発明の別の実施例の光路表示図である。図2との違いは、散乱光102が該スリーブ141の内側に投射されることで発生する二次散乱光104がセンサ14に進入し、光斑画像のちらつき変化の不定を形成するため、該光制限モジュール12の前にプリ光制限モジュール16が設置されていることである。このプリ光制限モジュール16は複数のプリ光制限素子を包含し、これらプリ光制限素子は複数のプリ絞り161を包含し、並びに一次元或いは二次元アレイに配列され、本実施例ではただこれら光制限素子の一つの光制限素子及びこれらプリ光制限素子の一つのプリ光制限素子を示している。該プリ光制限モジュール16は該物体表面2と該光制限モジュール12の間に設置され、該光制限モジュール12のこれら光制限素子はこれら成像レンズ122及びこれら絞り121を包含し、ゆえに物体表面2と該成像レンズ122の間に該プリ絞り161が設置され、該成像レンズ122と該センサ14の間に該絞り121が設置され、該光線が該物体表面2のF点及びI点に投射され、信号エリアのF点に投射されて発生する散乱光102が該プリ絞り161、該成像レンズ122及び該絞り121を通過し直接センサ14に入射して成像し、非信号エリアのI点に投射されて発生する散乱光102は該プリ絞り161の制限、遮断を受け、その他の該プリ絞り161を通過する散乱光103が該スリーブ141に投射されて発生する二次散乱光は、センサ14に進入不能でありこうして背景ノイズを有効に減らし、センサ14の信号ノイズ比を改善でき並びに光斑画像不変形の効果を得られる。本実施例は該光制限モジュール12の前に該プリ光制限モジュール16を設置することで有効に光線が物体表面2に投射されて発生する散乱光102が別の物体表面に投射されて発生する二次散乱光を遮断し、該二次散乱光のセンサ14への進入を防止して、該センサ14の背景ノイズを有効に減らし、これにより光斑不変形の目的を達成する。
【0024】
図7は本発明の別の実施例の構造表示図である。図示されるように、図3の実施例との違いは、各光制限素子が成像レンズ122と絞り121を包含し、並びにアレイ配列されたこれら成像レンズ122の前の、該物体表面2との間にアレイ配列を呈するプリ絞り161が加えられ、該プリ絞り161が有効に、該物体表面2の発生する散乱光102が発生する二次散乱光を遮断し、該二次散乱光がセンサ14に進入するのを防止する。
【0025】
上述の図1から図7はいずれも本発明の大面積不変形光斑撮像装置の好ましい実施例を示し、該大面積不変形光斑撮像装置は光発射器、光制限モジュール及びセンサを具え、該光制限モジュールは複数の光制限素子を包含し、これら光制限素子は一次元或いは二次元アレイに配列され、各光制限素子とそれと隣り合う光制限素子は該物体表面2の撮像エリアにあって一部重畳させられ、且つ各光制限素子により成像の最大相対光程差変化量は該光線の波長より遥かに小さく、これにより各光制限素子により該センサにおける成像の光斑は変形せず、最後に画像リフォームにより、該光制限モジュールにより発生するこれらの光斑がリフォームされて大面積で不変形の光斑図とされ、これによりコンピュータマウス、手指ナビゲータ、スマートカード、三次元指紋認証装置或いは工作機械或いは機械アーム精密位置決めシステムなどに応用可能である。
【0026】
本発明の大面積不変形光斑撮像装置はアレイ配列されたこれらの光制限素子を具えた光制限モジュールにより撮像し、さらに画像をリフォームして大面積で不変形の光斑図を獲得する。もし撮像装置がただ一つの成像レンズを有して、センサに進入する光線の入射視野角を制限する光制限素子を有さなければ、物平面撮像範囲を制限することがなく、成像レンズで見る物体表面は大範囲の視野であり、この大範囲の視野はレンズを通してセンサ上に成像される光斑画像であり、成像レンズと物体表面の相対移動により干渉条件が変化することで、光強度分布が移動前と異なる光斑画像が形成される。本大面積不変形光斑撮像装置は光制限素子により入射視野角を制限する設計とされ、これにより光制限素子から観る物体表面は小範囲とされ、成像レンズと物体表面が相対移動を発生するとき、この小範囲の成像のセンサ上の干渉条件はあまり変化せず、ゆえに光斑画像の光強度分布はほぼ不変で、光斑画像は移動可能であるが変形しない。しかし、その相対移動距離は一定の制限を受け、それにより光斑の不変形が維持される。例えば、図8に示されるように、物体表面と像の平面距離が4倍焦点距離長さであり、拡大倍率が1であるシステムでは、該光制限素子の作用により、該物体表面が撮像装置に対して距離dを移動した後、その成像光斑が移動前後で発生しうる最大相対光程差変化量公式は、
【数1】

であり、そのうち、2δは光斑平均直径、dは該大面積不変形光斑撮像装置と該物体表面の相対移動距離、2γは該センサから該物体表面の垂直距離、θは撮像装置光軸と該物体表面の法線の交角である。光斑不変形を達成するため、上述の数式1の相対光程差変化量は一つの波長より遥かに小さくなければならず、即ち、△(nL)<<λ。設計完成した撮像装置に関しては、δ、γ、及びθはいずれも固定値で、△(nL)<<λの光斑不変形の条件を満足させるため、数式1から分かるように、許容される移動距離dは制限を受け得る。もし光斑撮像装置が小型電子装置、例えば携帯情報端末装置或いはノートブック型パソコン等に応用されるならば、センサを該物体表面の垂直距離(2γ)まで縮小する必要があり、このとき、もし△(nL)<<λを満足させれば、比較的大きな移動距離(d)を容認できなくなり、これにより光斑撮像装置の実用性が制限される。本発明はアレイ配列を呈する光制限モジュールを具えた大面積不変形光斑撮像装置及びその方法を提供し、小構造寸法(γ)で、相対光程差変化量△(nL)を一つの波長より遥かに小さくするという条件を満足させ、物体表面に対して大面積の検出を行い、大面積の不変形光斑図を獲得し、全体の大面積の不変形光斑図の移動距離(d)の制限をなくす。仮に光制限モジュールアレイ中の、独立した各光制限素子が△(nL)<<λの光斑不変形の条件を満足させるとすると、その容認可能な最大移動距離はdmax である。我々は二つの隣り合う光制限素子の距離lをdmax より小さくする、且つ入射視野角の制限の下、物体表面の撮像エリアは一部重畳し、光斑図上に反応し、入射視野角とl<dmax の不変形制限により二つの隣り合う光制限素子から観るこの重畳部分が対応する光斑画像は一様であり、我々は続いてアレイ中の各二つの隣り合う光斑図を整理して一つの連続光斑図とすることができる。現在ある一つの光制限素子を考慮し、それが距離l移動して見える撮像エリアはその左辺が緊接する光制限素子より移動前に見える撮像エリアとされ、この光制限素子移動の前後に重複して見るエリアは上述の重畳部分であり、重畳部分の光斑図は不変形である。光制限モジュール中の各二つの隣り合う光制限素子の成像光斑図は移動して不変形の重畳特性を具備し、こうしてアレイ画像を整理して大面積の連続光斑図を形成し、撮像装置が距離lを移動したとき、それに伴い移動するがその光斑画像は不変であり、さらに距離lを移動しても、光斑画像様式は保持される。当然、移動過程中の連続光斑図の最も辺縁の一端は画像の消失を不断に有し、もう一端で新撮像エリアの光斑が発生する。本発明の光斑撮像装置の特徴をまとめると、本技術は小型電子装置に応用されて長距離移動して不変形の大面積光斑図を獲得できる。本発明の大面積不変形光斑撮像装置の光制限モジュールの発生するこれらの光斑は、画像リフォームされ、それにより大面積の光斑図が獲得され、各光斑はいずれも不変形で、最後に得られる大面積光斑図もまた不変形である。
【0027】
図9は本発明の複数の光斑発生の表示図である。図示されるように、本発明は一種の大面積大面積不変形光斑撮像装置を提供し、該大面積不変形光斑撮像装置は光制限モジュール12を包含し、該光制限モジュール12は複数の光制限素子を包含し、これら光制限素子は一次元或いは二次元アレイ配列される。本実施例ではこれら光制限素子が一次元配列を呈するものとされ、各光制限素子は成像レンズ122と絞り121を包含する。該成像レンズ122の拡大倍率はMとされ、Mはこの実施例では0.5に設定され、各光制限素子がサンプリングする物体表面21と隣り合う光制限素子がサンプリングする物体表面22は一部重畳し、該光線が物体表面2に投射されて発生する散乱光102が該光制限モジュール12を通過し、各光制限素子のセンサの成像は分離しており、物体表面A1面はA1’面に成像され得て、物体表面B1面はB1’面に成像され得て、物体表面C1面はC1’面に成像され得る。該A1面と該B1面は一部重畳し、該B1面と該C1面は一部重畳するが、ただし、該光制限素子及び成像倍率の作用により、A1’、B1’及びC1’はいずれも独立し分離している。これにより本発明の装置は有効に該物体表面2を分割でき、これにより複数の成像エリアを得られる。更に、光制限モジュール12の前にプリ光制限モジュール16が設置されてそれが光線が該物体表面2に投射されて発生する散乱光102が発生する二次散乱光の該センサへの進入を阻止し、該センサの信号ノイズ比を改善する。
【0028】
図10は本発明の別の実施例の画像リフォーム表示図である。図示されるように、該成像レンズ122の拡大倍率は0.5に設定し、まず該物体表面2を複数のブロック23に分割し、各ブロック23は一部が重畳するものとされ、その後、本発明の大面積不変形光斑撮像装置により複数の光斑ブロック図3をセンサ14上で得て、これらの光斑ブロック図3のセンサにおける成像は分離しており、そのうち、二つの隣り合うブロック23の重畳の部分は重複して2回撮像され、これはブロック2、3、4、5等であり、ブロック23によっては重複して3回撮像され、これはブロック6、7、8、9などであり、重複撮像の目的は該物体表面2の情報を全部記録し、該大面積不変形光斑撮像装置と該物体表面2が相対移動を発生するとき、該物体表面2の情報に遺漏がないようにするためであり、該光制限モジュール中の各光制限素子の幾何構造は完全に一致し、且つ各ブロック23移動後の光斑ブロック図3はほぼ不変形であるため、これによりただ画像をリフォームする必要があるだけで、ブロック23の複数のブロック23を含有する大面積ブロックを撮像装置に対して移動させ、該大面積不変形光斑撮像装置を通してこれら光斑ブロック図3を得ると、これら光斑を画像リフォームして得られるリフォーム光斑図4はただ移動可能で変形し得ない。
【0029】
図3及び図11を併せて参照されたい。図11は本発明の図3の実施例のフローチャートである。図示されるように、本実施例は一種の大面積不変形光斑撮像装置及びその方法を提供し、それはレーザーマウスに応用可能であり、該大面積不変形光斑撮像装置は光発射器10、光制限モジュール12及びセンサ14を包含し、レーザーマウスに応用される実施方法は、まずステップS10において、光発射器10が光線100を該レーザーマウスに対向する物体表面2に発射し、並びに散乱光102を発生させる。続いて、ステップS12を実行し、このステップでは散乱光102を光制限モジュール12に進入させ、該光制限モジュール12の包含する複数の光制限素子により散乱光102の該センサ14への進入の入射視野角を制限して各光制限素子に回折光を発生させる。その後、ステップS14を実行し、これらの光制限素子の発生したこれらの回折光の相互干渉により複数の光斑を発生させ、さらにステップS16を実行し、これら光斑により画像リフォームを実行して光斑図を発生させ、最後にステップS18を実行し、該光斑図を基準とし、ステップS10からステップS16を重複して実行し、別の光斑図を得て、並びに原本の該光斑図を別の光斑図と対比し、該大面積不変形光斑撮像装置が該物体表面2に対して移動を発生したかを判断し、さらに該大面積不変形光斑撮像装置の移動方向と移動距離を判断し、コンピュータカーソルを移動させる。このほか、該レーザーマウスに設けられる該大面積不変形光斑撮像装置の構造は図8のようであり、該物体表面2と該光制限モジュール12の間にプリ光制限モジュール16が設けられ、これによりステップS10を実行した後、ステップS11を実行し、該プリ光制限モジュール16を利用して光線が該物体表面2に投射されて発生する散乱光102が発生する二次散乱光を遮断し、該センサ14の背景ノイズを減らして、これら光斑の識別度をアップする。
【0030】
図3に図12を併せて参照されたい。図12は図3の実施例の別のフローチャートである。図示されるように、本実施例は一種の大面積不変形光斑撮像装置及びその方法を提供し、該光斑図は三次元変化を有する物体表面2により発生し、ゆえに三次元変化を有する物体表面2の識別に使用可能であり、これにより、指紋認証装置或いは精密位置決めに応用される。三次元変化を有する物体表面2の識別への応用の実施方法によると、まずステップS20を実行し、光発射器10に光線100を三次元変化を有する物体表面2に向けて発射させ、並びに散乱光102を発生させる。続いて、ステップS22を実行し、この散乱光102を光制限モジュール12に進入させ、該光制限モジュール12の包含する複数の光制限素子により散乱光102のセンサ14への進入の入射視野角を制限し、各光制限素子に複数の回折光を発生させ、その後、ステップS24を実行し、これら光制限素子の発生する回折光の相互干渉により複数の光斑を発生させ、さらにステップS26を実行し、これら光斑に基づき画像リフォームを行い光斑図を発生させ、該センサ14を保存ユニットに接続し、該保存ユニットにより参考光斑図を保存し、最後にステップS28を実行し、該保存ユニットの参考光斑図を読取り、該参考光斑図により該大面積不変形光斑撮像装置の発生する光斑図が該参考光斑図と同じであるか否かを判断する。同様に、もし大面積大面積不変形光斑撮像装置が指紋認証装置に応用されるとき、各人の指紋の参考光斑図を該保存ユニット内に構築し、応用時には該大面積不変形光斑撮像装置により各人の指紋の光斑図を採取し、その後、該大面積不変形光斑撮像装置により得られた光斑図を該保存ユニットに保存した参考光斑図と対比し、指紋認証の機能を実施する。このほか、三次元変化を有する物体表面の識別に用いられる大面積不変形光斑撮像装置の構造は図8に示されるようであり、該物体表面と該光制限モジュール12の間にプリ光制限モジュール16が設置され、これによりステップS20を実行した後に、ステップS21を実行し、該プリ光制限モジュール16を利用して光線100が物体表面2に投射されることで発生する散乱光102が別の物体表面に投射されて発生する二次散乱光を遮断し、該センサ14の背景ノイズを減らし、これら光斑の識別度をアップする。
【0031】
図11の実施例と図12の実施例の違いは、本発明の図11の実施例は大面積不変形光斑撮像装置がレーザーマウス或いは精密位置決め器に用いられ、該大面積不変形光斑撮像装置は移動可能で、該大面積不変形光斑撮像装置に対向する物体表面は固定されて不動である。図12の実施例は大面積不変形光斑撮像装置が手指ナビゲータ、スマートカード或いは三次元指紋認証装置など、三次元変化を有する物体表面を識別するのに用いられ、該三次元物体表面は移動可能で、該大面積不変形光斑撮像装置は固定されて不動である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の好ましい実施例の構造表示図である。
【図2】本発明の絞り位置と入射視野角の関係を示す光路表示図である。
【図3】本発明の別の実施例の構造表示図である。
【図4】本発明のさらに別の実施例の構造表示図である。
【図5】本発明の二次散乱光発生の表示図である。
【図6】本発明の別の実施例の光路表示図である。
【図7】本発明の別の実施例の構造表示図である。
【図8】本発明の不変形光斑移動前後の各パラメータ表示図である。
【図9】本発明の複数の光斑発生の表示図である。
【図10】本発明の別の実施例の画像リフォーム表示図である。
【図11】本発明の別の実施例のフローチャートである。
【図12】本発明の別の実施例のフローチャートである。
【符号の説明】
【0033】
10 光発射器 100 光線
102 散乱光 103 散乱光
104 二次散乱光 12 光制限モジュール
121 絞り 122 成像レンズ
123 成像レンズ 124 遮光片
125 第1絞り 126 第2絞り
14 センサ 141 スリーブ
16 プリ光制限モジュール 161 プリ絞り
2 物体表面 21 物体表面
22 物体表面 23 ブロック
3 光斑ブロック図 4 リフォーム光斑図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大面積不変形光斑撮像装置において、該大面積不変形光斑撮像装置は、
光発射器であって、光線を物体表面へと発射して散乱光を発生させる、上記光発射器と、
光制限モジュールであって、複数の光制限素子を包含し、散乱光を制限し並びに回折光を発生し、該回折光の相互干渉により複数の光斑を発生する、上記光制限モジュールと、 センサであって、該光制限モジュールの後ろに設けられ、これら光斑を受け取り、これら光斑に基づき光斑図を発生する、上記センサと、
を包含したことを特徴とする、大面積不変形光斑撮像装置。
【請求項2】
請求項1記載の大面積不変形光斑撮像装置において、該光発射器は面発光レーザー(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:VCSEL)、端面発光レーザー(Edge Emission Lser:EEL)、高同調性ガスレーザー、高同調性固体レーザー或いは狭い周波数帯の光を発射可能で高同調性を具備する発光ダイオードのいずれかとされることを特徴とする、大面積不変形光斑撮像装置。
【請求項3】
請求項1記載の大面積不変形光斑撮像装置において、該光制限素子が該散乱光の該センサに進入する入射視野角を制限することを特徴とする、大面積不変形光斑撮像装置。
【請求項4】
請求項1記載の大面積不変形光斑撮像装置において、これら光制限素子は複数の絞りと複数のレンズを包含し、これら絞り及びこれらレンズはそれぞれ一次元或いは二次元アレイ配列され、これらレンズはこれら絞りの前に設置され、該散乱光がこれらレンズを通過し、これら絞りの孔径がこの散乱光に回折光を発生させ、これら光制限素子が該散乱光の該センサに進入する入射視野角を制限することを特徴とする、大面積不変形光斑撮像装置。
【請求項5】
請求項1記載の大面積不変形光斑撮像装置において、これら光制限素子は複数の絞りと複数のレンズを包含し、これら絞り及びこれらレンズはそれぞれ一次元或いは二次元アレイ配列され、これらレンズはこれら絞りの後ろに設置され、これら光制限素子が該散乱光のセンサに進入する入射視野角を制限し、これら絞りの孔径により該散乱光が該回折光を発生し、該回折光がこれらレンズを通過することを特徴とする、大面積不変形光斑撮像装置。
【請求項6】
請求項1記載の大面積不変形光斑撮像装置において、さらに、
プリ光制限モジュールであって、該物体表面と該光制限モジュールの間に設置された複数のプリ光制限素子を包含し、該散乱光の二次散乱光が該センサに進入するのを制限する、上記プリ光制限モジュールを包含することを特徴とする、大面積不変形光斑撮像装置。
【請求項7】
請求項6記載の大面積不変形光斑撮像装置において、これらプリ光制限素子は一次元或いは二次元アレイ配列された複数のプリ絞りであることを特徴とする、大面積不変形光斑撮像装置。
【請求項8】
請求項1記載の大面積不変形光斑撮像装置において、これら光制限素子は複数の第1絞りと複数の第2絞りを包含し、これら第1絞りとこれら第2絞りはそれぞれ一次元或いは二次元アレイ配列され、該散乱光の該センサに進入する入射視野角を制限することを特徴とする、大面積不変形光斑撮像装置。
【請求項9】
請求項8記載の大面積不変形光斑撮像装置において、これら光制限素子はさらに複数のレンズを包含し、これらレンズはこれら第1絞りの一側に設けられ、並びにこれら第2絞りと対向し、且つ一次元或いは二次元アレイ配列されたことを特徴とする、大面積不変形光斑撮像装置。
【請求項10】
請求項8記載の大面積不変形光斑撮像装置において、これら光制限素子はさらに複数のレンズを包含し、これらレンズはこれら第1絞りと第2絞りの間に設けられ、並びに一次元或いは二次元アレイ配列されたことを特徴とする、大面積不変形光斑撮像装置。
【請求項11】
請求項1記載の大面積不変形光斑撮像装置において、該センサの発生する光斑図に基づき、該大面積不変形光斑撮像装置が該物体表面に対して移動を発生したか否かを判断することを特徴とする、大面積不変形光斑撮像装置。
【請求項12】
請求項1記載の大面積不変形光斑撮像装置において、さらに、
保存ユニットであって、該センサに接続され、並びに少なくとも一つの参考光斑図を保存する、上記保存ユニットを包含したことを特徴とする、大面積不変形光斑撮像装置。
【請求項13】
請求項12記載の大面積不変形光斑撮像装置において、該少なくとも一つの参考光斑図に基づき該センサの発生する光斑図が該少なくとも一つの参考光斑図と同じであるかを判断することを特徴とする、大面積不変形光斑撮像装置。
【請求項14】
請求項1記載の大面積不変形光斑撮像装置において、光斑図を発生し、該光斑図はこれら光斑を画像リフォームすることで発生することを特徴とする、大面積不変形光斑撮像装置。
【請求項15】
請求項1記載の大面積不変形光斑撮像装置において、該物体は移動可能な物体であることを特徴とする、大面積不変形光斑撮像装置。
【請求項16】
請求項1記載の大面積不変形光斑撮像装置において、該物体は移動不能な物体であることを特徴とする、大面積不変形光斑撮像装置。
【請求項17】
不変形光斑撮像方法において、それは、
光線を物体表面に発射し、散乱光を発生させるステップ、
該散乱光を制限して回折光を発生させるステップ、
該回折光の相互干渉により複数の光斑を発生させるステップ、
これら光斑に基づき光斑図を発生するステップ、
を包含することを特徴とする、不変形光斑撮像方法。
【請求項18】
請求項17記載の不変形光斑撮像方法において、該散乱光を制限するステップは該散乱光の入射視野角を制限するステップであることを特徴とする、不変形光斑撮像方法。
【請求項19】
請求項17記載の不変形光斑撮像方法において、該散乱光を発生させるステップの後に、該散乱光の二次散乱光を遮断するステップを包含することを特徴とする、不変形光斑撮像方法。
【請求項20】
請求項17記載の不変形光斑撮像方法において、さらに、該光斑図に基づき、光斑撮像装置が該物体表面に対して移動したかを判断するステップを包含することを特徴とする、不変形光斑撮像方法。
【請求項21】
請求項17記載の不変形光斑撮像方法において、さらに、参考光斑図を読取るステップを包含することを特徴とする、不変形光斑撮像方法。
【請求項22】
請求項21記載の不変形光斑撮像方法において、さらに、該参考光斑図に基づき、該光斑図が該参考光斑図と同じであるかを判断するステップを包含することを特徴とする、不変形光斑撮像方法。
【請求項23】
請求項17記載の不変形光斑撮像方法において、該光線はレーザー光或いはその他の高同調性光のうちより一種類が選択されることを特徴とする、不変形光斑撮像方法。
【請求項24】
請求項17記載の不変形光斑撮像方法において、該物体は移動可能な物体であることを特徴とする、不変形光斑撮像方法。
【請求項25】
請求項17記載の不変形光斑撮像方法において、該物体は移動不能な物体であることを特徴とする、不変形光斑撮像方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−139134(P2009−139134A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−313483(P2007−313483)
【出願日】平成19年12月4日(2007.12.4)
【出願人】(504183322)国防部軍備局中山科学研究院 (24)
【Fターム(参考)】