説明

天気情報報知装置および天気情報報知装置用のプログラム

【課題】過去の天気を確認したいというユーザのニーズに対応することのできる車載用の天気情報報知装置を提供する。
【解決手段】天気情報報知装置は、メモリポイントの最新の天気情報を繰り返し取得し、繰り返し取得した当該メモリポイントの天気情報のうち、順次過去の天気情報となっていった情報(すなわち、最新でない天気情報)を記憶媒体中に残し、当該記憶媒体に残されている当該メモリポイントの過去の天気情報51を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される天気情報報知装置および天気情報報知装置用のプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、天気情報を取得して表示する車載装置が知られている。例えば、特許文献1には、検索した結果の地点すべてについて、当該地点の天気情報を付加してユーザに提供するナビゲーション装置が開示されている。この技術は、現在の予報としての天気の情報をユーザに提供するものである。
【特許文献1】特開2003−330933号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、過去の天気を確認したいというユーザのニーズも考えられる。そのようなニーズの具体例としは、以下のようなものがある。すなわち、どのスキー場を目的地とするか迷ったとき、各スキー場のゲレンデ状態を確認するために、ここ1週間の当該スキー場の天気を確認したい場合がある。また、ゴルフ場に向う前に、コースが濡れているか否かを確認するために、当該ゴルフ場の前日の天気を確認したい場合がある。
【0004】
本発明は上記点に鑑み、過去の天気を確認したいというユーザのニーズに対応することのできる車載用の天気情報報知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明においては、車両に搭載される天気情報報知装置が、地点の天気情報を繰り返し取得し、繰り返し取得した当該地点の天気情報を記憶媒体(16)中に記録し、当該記憶媒体(16)に残されている当該地点の天気情報のうち、最新でない天気情報を報知装置(12、14)に報知させる。
【0006】
このように、繰り返し取得されて記録される地点の天気情報のうち、過去分を記憶媒体に残し、その内容をユーザに報知するので、過去の天気を確認したいというユーザのニーズに対応することができるようになる。
【0007】
また、請求項2に記載のように、天気情報報知装置は、天気情報提供装置から提供された複数の地域の天気情報のうち、一部の地域のみについての天気情報を、当該地点の天気情報として、記憶媒体(16)中に記録するようになっていてもよい。
【0008】
このようになっていることで、天気情報提供装置から提供された複数の地域のすべてについて天気情報を記録する場合に比べ、記憶するデータ量を低減することができ、ひいては、データの記憶スペースを節約することができる。
【0009】
また、請求項3に記載のように、そのような一部の地域は、ユーザが記録すると指定した地点が属する地域であってもよい。
【0010】
ユーザが記録すると指定した地点、すなわちメモリポイントは、ユーザの興味の対象となっている地点であるので、そのような地点に限定して過去の天気情報を記録することで、記憶するデータ量を低減しつつも、記録される天気情報の有用性を維持することができるようになる。
【0011】
また、請求項4に記載のように、天気情報報知装置は、車両の現在位置に関わらず地域を特定し、特定した地域の天気情報を、前記地点の天気情報として、天気情報提供装置から受信するようになっていてもよい。
【0012】
このようにすることで、車両の位置に依らない過去の天気情報の取得及び記録が可能となる。例えば、車両の現在位置から遠く離れた地域の過去の天気情報を記録しつつ、車両の現在位置が属する地域の過去の天気情報を記録することも可能である。
【0013】
また、請求項5に記載のように、本発明の特徴は、プログラムとしても捉えることができる。なお、上記および特許請求の範囲における括弧内の符号は、特許請求の範囲に記載された用語と後述の実施形態に記載される当該用語を例示する具体物等との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1に、本実施形態に係る車両用ナビゲーション装置(天気情報報知装置の一例に相当する)1のハードウェア構成を示す。この車両用ナビゲーション装置1は、位置検出器11、画像表示装置12、操作部13、スピーカ14、天気情報受信部15、地図データ取得部16、および制御回路17を有している。
【0015】
位置検出器11は、いずれも周知の図示しない地磁気センサ、ジャイロスコープ、車速センサ、およびGPS受信機等のセンサを有しており、これらセンサの各々の性質に基づいた、車両の現在位置、向き、および速度を特定するための情報を制御回路17に出力する。
【0016】
画像表示装置12は、制御回路17から出力された映像信号に基づいた映像をユーザに表示する。表示映像としては、例えば現在地を中心とする地図等がある。
【0017】
操作部13は、車両用ナビゲーション装置1に設けられた複数のメカニカルスイッチ、画像表示装置12の表示面に重ねて設けられたタッチパネル等の入力装置から成り、ユーザによるメカニカルスイッチの押下、タッチパネルのタッチに基づいた信号を制御回路17に出力する。
【0018】
天気情報受信部15は、制御回路17からの制御に従って、天気情報提供装置から現在の天気情報を受信し、受信した天気情報を制御回路17に出力する装置である。天気情報提供装置は、車両用ナビゲーション装置1を搭載した車両の外部にあり、複数の地域(以下、天気区分地域という)のそれぞれについての現在の天気の情報等を送信する装置である。天気情報報知装置の例としては、衛星軌道上から天気情報を送信する衛星放送送信装置(例えば、サテライトラジオ)等がある。
【0019】
天気情報受信部15は、このような天気情報報知装置から送信されている複数天気区分地域の天気情報のうち、一部を受信することができる。そして、どの一部を受信するかは、制御回路17からの制御信号に基づいて決定する。
【0020】
地図データ取得部16は、HDD等の不揮発性の記憶媒体およびそれら記憶媒体に対してデータの読み出しおよび書き込みを行う装置から成る。当該記憶媒体は、制御回路17が実行するプログラム、経路案内用の地図データ、メモリポイントデータ等を記憶している。
【0021】
地図データは、道路データおよび施設データを有している。道路データは、リンクの位置情報、種別情報、ノードの位置情報、種別情報、および、ノードとリンクとの接続関係の情報等を含んでいる。施設データは、施設毎のレコードを複数有しており、各レコードは、対象とする施設の名称情報、所在位置情報、土地地番情報、施設種類情報等を示すデータを有している。メモリポイントデータは、ユーザがメモリポイントとして記録すると指定した地点についてのデータである。
【0022】
制御回路(コンピュータに相当する)17は、CPU、RAM、ROM、I/O等を有するマイコンである。CPUは、ROMまたは地図データ取得部16から読み出した車両用ナビゲーション装置1の動作のためのプログラムを実行し、その実行の際にはRAM、ROM、および地図データ取得部16から情報を読み出し、RAMおよび(可能であれば)地図データ取得部16の記憶媒体に対して情報の書き込みを行い、位置検出器11、画像表示装置12、操作部13、スピーカ14、および交通情報受信機15と信号の授受を行う。
【0023】
制御回路17がプログラムを実行することによって行う具体的な処理としては、現在位置特定処理、地図表示処理、誘導経路算出処理、経路案内処理、メモリポイント登録処理、天気情報保存設定処理、天気情報保存処理、メモリポイント表示処理等がある。
【0024】
現在位置特定処理は、位置検出器11からの信号に基づいて、周知のマップマッチング等の技術を用いて車両の現在位置や向きを特定する処理である。地図表示処理は、車両の現在位置の周辺等の特定の領域の地図を、画像表示装置12に表示させる処理である。この際、地図表示のために用いる情報は、地図データから取得する。
【0025】
誘導経路算出処理は、操作部13からユーザによる操作部13を用いた目的地の入力を受け付け、受け付けた入力に応じた目的地を決定し、現在位置から当該目的地までの最適な誘導経路を算出する処理である。
【0026】
なお、制御回路17は、目的地の入力の受け付け方法として、複数種類の受け付け方法を採用する。受け付け方法としては、(1)メモリポイントのうち1つの選択を受け付ける方法、(2)地図中の1点の指定を受け付ける方法、(3)目的地の名称を受け付ける方法、(4)目的地のジャンルを受け付ける方法、(5)目的地の電話番号を受け付ける方法等がある。(3)〜(5)の方法においては、制御回路17は、入力された内容に合致する施設を施設データ中から検索し、その検索にヒットした施設をすべて表示し、それらのうちの1つを更にユーザに選択させる。
【0027】
経路案内処理は、右左折交差点等の案内ポイントの手前に自車両が到達したときに、右折、左折等を指示する案内音声をスピーカ14に出力させ、当該案内ポイントの拡大図を画像表示装置12に表示させる処理である。
【0028】
メモリポイント登録処理は、ユーザによる操作部13に対する操作に基づいて、1つの地点の指定を受け付け、受け付けた地点をメモリポイントの1つとして、地図データ取得部16の記憶媒体に記録する周知の処理である。なお制御回路17は、誘導経路算出処理時において、操作部13に対する所定の登録操作があったときには、メモリポイント登録処理を実行し、当該決定した目的地をメモリポイントとするようにもなっている。
【0029】
制御回路17は、このメモリポイント登録処理において、1つの地点をメモリポイントとして記録する際に、図2に示すようなメモリポイント表示画像20を、画像表示装置12に表示させる。このメモリポイント表示画像20は、登録したメモリポイントの名称、住所(すなわち、土地地番)、電話番号等の情報表示に加え、ユーザが操作部13を用いて選択可能な設定ボタン21を含んでいる。この設定ボタン21をユーザが選択すると、制御回路17は、その選択に基づいて、天気情報保存設定処理を開始する。
【0030】
天気情報保存設定処理は、メモリポイントのそれぞれについて、当該メモリポイントにおける天気情報を記録するか否か、および、記録するならどの程度の期間分保存するかを、ユーザの指定に応じて決定する処理である。
【0031】
制御回路17は、この天気情報保存設定処理を実現するために、天気情報保存設定処理の開始時に、図3に示すプログラム100を実行する。そして、プログラム100の実行において、まずステップ103で、図4に示すような、問い合わせ用のメモリポイント種別設定画像30を画像表示装置12に表示させる。このメモリポイント種別設定画像30は、ユーザが操作部13を用いて選択可能な4つのボタン31〜34を有している。
【0032】
そして、メモリポイント種別設定画像30の表示後、天気情報保存の設定を行う旨の指定(ステップ105)、各種設定を行う旨の指定(ステップ110)、あるいは天気情報保存設定処理を終了するユーザ指定(ステップ115)があるまで待つ。なお、天気情報保存の設定を行う旨の指定は、具体的には、天気ボタン32の選択に該当する。また、各種設定を行う旨の指定は、具体的には、自宅ボタン31またはその他ボタン33の選択に該当する。また、天気情報保存設定処理を終了するユーザ指定は、具体的には、終了ボタン34の選択に該当する。
【0033】
各種設定を行う旨の指定があると、制御回路17は続いてステップ120で、その指定に応じた処理を行う。例えば、自宅ボタン31が選択された場合は、制御回路17は、直前に登録されたメモリポイントが、自宅である旨の情報を、地図データ取得部16の記憶媒体に記録する。ステップ120に続いては、再度プログラム100をステップ103から実行する。天気情報保存設定処理を終了するユーザ指定があると、制御回路17は、プログラム100の実行を終了する。
【0034】
天気情報保存の設定を行う旨の指定(ステップ105)があると、制御回路17は続いてステップ125で、過去日の天気を記録するか否かをユーザに問い合わせるため、図5に示す天気表示設定画面40を画像表示装置12に表示させる。この天気表示設定画面40は、ユーザが操作部13を用いて選択可能な当日のみボタン41、過去日記録ボタン42を有している。
【0035】
制御回路17は、ステップ125において、ボタン41、42のいずれかが選択されるまで待ち、当日のみボタン41が選択されると続いてステップ130を実行し、過去日記録ボタン42が選択されると続いてステップ140を実行する。
【0036】
ステップ130では、直前に登録したメモリポイントについては、現在の日付の天気情報のみを記録する旨の設定を、地図データ取得部16の記憶媒体に記録する。ステップ130の後、再度プログラム100をステップ103から実行する。
【0037】
ステップ135では、過去の天気情報の記録日数(すなわち、保持日数)を、ユーザに問い合わせ、日数の入力を待つ。そして、ユーザが操作部13を用いて日数を入力すると、続いてステップ140で、直前に登録したメモリポイントについては、現在の日付から入力された日数だけ遡った分だけ天気情報のみを記録する旨の設定を、地図データ取得部16の記憶媒体に記録する。ステップ130の後、再度プログラム100をステップ103から実行する。
【0038】
以上のようなプログラム100を、登録されたメモリポイントのそれぞれについて実行することで、制御回路17は、各メモリポイントについて、天気情報を併せて記録・表示するか否か(ステップ105参照)、記録する天気情報は過去日のものであるか否か(ステップ125参照)、過去何日分まで天気情報を記録するか(ステップ135参照)について、ユーザの指定に応じて決定し、その決定結果を地図データ取得部16の記憶媒体に記録する(ステップ130、140参照)。
【0039】
次に、天気情報保存処理について説明する。天気情報保存処理は、天気情報保存設定処理によって決定された内容に従って、必要な場合は天気情報を記録するための処理である。この天気情報保存処理のために、制御回路17は、定期的に(例えば、5分おきに、10分おきに、1時間おきに)図6に示すプログラム200を実行する。
【0040】
そして、プログラム200の実行において、まずステップ210で、登録されているメモリポイントのうちに、天気記憶メモリポイントが1つ以上あるか否かを判定する。天気記憶メモリポイントとは、天気情報保存設定処理において、天気情報を併せて記録・表示する旨指定されたメモリポイントをいう。天気記憶メモリポイントが1つ以上あれば続いてステップ220を実行し、1つもなければ続いてステップ260を実行する。
【0041】
ステップ220では、メモリポイントのロケーションをセットする。すなわち、天気記憶メモリポイントのそれぞれが属する天気区分地域(さらにその近傍の天気区分地域を含めてもよい)を特定し、特定した天気区分地域の天気情報を取得するよう要求する制御信号を、天気情報受信部15に出力する。なお、メモリポイントが属する天気区分地域の特定は、あらかじめ地図データ取得部16に記憶されている天気区分地域の区画情報に基づいて行う。
【0042】
これによって、天気情報受信部15は、指定された天気区分地域の現在の天気情報(具体的には、雨、晴れ、曇り、雪等の別)を、天気情報提供装置から選択的に受信し、受信した天気情報を制御回路17に出力する。
【0043】
制御回路17は、ステップ220に続くステップ230で、天気情報受信部15から出力された天気情報を受けるか、あるいは天気情報を受けないまま所定時間(例えば5分)が経過するまで待ち、その後ステップ240を実行する。
【0044】
続いてステップ240では、天気情報受信部15から天気記憶メモリポイントについての現在の天気情報を1つ以上取得したか否かを判定し、取得した場合続いてステップ250を実行し、取得していない場合続いてステップ260を実行する。
【0045】
ステップ250では、天気情報受信部15から取得した天気情報を画像表示装置12に表示すると共に、それら天気情報の個々について、対応する天気記憶メモリポイントの現在時刻の天気情報として、地図データ取得部16の記憶媒体に一時的に記録する。
【0046】
ステップ250では更に、現在の天気情報を取得した天気記憶メモリポイントのそれぞれについて、過去の天気情報を、日単位で整理する。具体的には、それら天気記憶メモリポイントのそれぞれについて、現在の日付について記録されている天気と、ステップ230で取得した現在の(すなわち最新の)天気とを比較し、同じであれば、現在の日付について記録されている天気のデータをそのままにし、同じでなければ、現在の日付について記録されている天気のデータに、その変化を反映する。このようにすることで、ユーザに表示するのに適切な程度の簡素な天気変化の記録が残されることになる。
【0047】
例えば、ある天気記憶メモリポイントについて、現在の日付について地図データ取得部16の記憶媒体に記録されている天気のデータが「晴れ」で、取得した最新の天気が「晴れ」なら、現在の日付について記録されている天気のデータを「晴れ」のままにする。また、ある天気記憶メモリポイントについて、現在の日付について記録されている天気のデータが「雨」で、取得した最新の天気が「晴れ」なら、現在の日付について記録されている天気のデータを「雨から晴れに変化」という情報に書き換える。ステップ250に続いては、ステップ260を実行する。
【0048】
ステップ260では、古い天気情報を削除する。すなわち、天気記憶メモリポイントのそれぞれについて、天気情報保存設定処理において決まった天気情報の保存期間の設定を読み出し、その保存期間を超えて日付が古くなった天気情報については、記憶媒体から消去する。このようにすることで、過去の天気情報が無尽蔵に増えてしまうことを防ぐことができる。ステップ260の後、プログラム200の実行を終了する。
【0049】
以上のようなプログラム200を定期的に実行することで、制御回路17は、天気記憶メモリポイントのそれぞれについて(ステップ210参照)、天気記憶メモリポイントが属する天気区分地域の現在の天気情報を取得し(ステップ220、230、240参照)、取得した現在の天気情報をユーザに表示し、かつ現在の日付の天気情報に反映させ(ステップ250参照)、さらに対応する天気記憶メモリポイントについて設定された保存期間より古い日付の天気情報を削除していく(ステップ260参照)。
【0050】
このように、取得した現在時刻の天気情報を、その後も記憶媒体中に残して保持することで、それらが過去の天気情報として蓄積されていく。そして、その天気情報は日別にまとめられて記録されるので、データ記録量が低減する。
【0051】
次に、メモリポイント表示処理について説明する。メモリポイント表示処理は、登録されたメモリポイントの詳細をユーザに表示するための処理である。このメモリポイント表示処理を実行する場面としては、例えば、誘導経路算出処理時における、メモリポイントを用いた目的地決定の場面がある。
【0052】
制御回路17は、ユーザからメモリポイント表示処理の実行を行う旨の操作を受けることで、メモリポイント表示処理を実行し、その実行において、ユーザから1つのメモリポイントの指定を受けると、その指定に係るメモリポイントの名称、住所、電話番号等を、画像表示装置12に表示させる。
【0053】
さらに制御回路17は、指定に係るメモリポイントが天気記録メモリポイントである場合、図7に示すプログラム300を実行する。そしてプログラム300の実行において、まずステップ310で、当該天気記録メモリポイントについて記録されている日別の天気情報を読み出す。
【0054】
続いてステップ320で、読み出した天気情報の記録日数が基準数を超えているか否かを判定する。基準数は、画像表示装置12の一画面に表示できる最大数である。超えていない場合続いてステップ330を実行し、超えている場合続いてステップ340を実行する。
【0055】
ステップ330では、記録されているすべての日の天気情報を、画像表示装置12の一画面に表示させる。図8に、表示画像の一例50を示す。この例においては、天気表示部51が、メモリポイントの名称、住所、電話番号と共に、日別に表示されている。ステップ330の後、プログラム300の実行を終了する。
【0056】
ステップ340では、記録されている天気情報の一部を、画像表示装置12の一画面に表示させ、さらに、表示画面をスクロールさせることで、天気情報の表示対象を変化させる。図9に、表示画像の一例50を示す。この例においては、天気表示部51が、メモリポイントの名称、住所、電話番号と共に、日別に表示され、さらに、ユーザが選択可能なスクロールボタン52、53が表示されている。ユーザがスクロールボタン52、53のいずれかを選択すると、天気表示部51の部分がスクロールして天気情報の表示対象の日付が変化する。ステップ340の後、プログラム300の実行を終了する。
【0057】
以上説明したとおり、車両用ナビゲーション装置1は、天気記憶メモリポイントの最新の天気情報を繰り返し取得し、繰り返し取得した当該メモリポイントの天気情報のうち、順次過去の天気情報となっていった情報(すなわち、最新でない天気情報)を地図データ取得部16の記憶媒体中に残し、当該記憶媒体に残されている当該メモリポイントの過去の天気情報を画像表示装置12に報知させる。
【0058】
このように、繰り返し取得して記録するメモリポイントの天気情報のうち、少なくとも過去分をの内容をユーザに報知するので、過去の天気を確認したいというユーザのニーズに対応することができるようになる。
【0059】
例えば、どのスキー場を目的地とするか迷ったとき、各スキー場のゲレンデ状態を確認するために、過去1週間の当該スキー場の天気を確認したい場合がある。そのような場合に備えて、各スキー場をあらかじめ過去1週間分天気情報を記録する天気記憶メモリポイントとして登録しておき、メモリポイントの指定による目的地決定の際に、過去1週間の当該スキー場の天気情報を閲覧することで、どのスキー場のコンディションが良いかを知ることができる。
【0060】
また、ゴルフ場に向う前に、コースが濡れているか否かを確認するために、当該ゴルフ場の前日の天気を確認したい場合がある。そのような場合に備えて、各ゴルフ場をあらかじめ過去1日分天気情報を記録する天気記憶メモリポイントとして登録しておき、メモリポイントの指定による目的地決定の際に、前日の当該ゴルフ場の天気情報を閲覧することで、どのゴルフ場のコンディションが良いかを知ることができる。
【0061】
また、車両用ナビゲーション装置1は、天気情報提供装置から提供された複数の地域の天気情報のうち、一部の地域のみについての天気情報を、当該地点の天気情報として、記憶媒体中に残すようになっている
このようになっていることで、天気情報提供装置から提供された複数の地域のすべてについて天気情報を記録する場合に比べ、記憶するデータ量を低減することができ、ひいては、データの記憶スペースを節約することができる。
【0062】
そして、そのような一部の地域は、ユーザが記録すると指定した地点が属する地域である。ユーザが記録すると指定した地点、すなわちメモリポイントは、ユーザの興味の対象となっている地点であるので、そのような地点に限定して過去の天気情報を記録することで、記憶するデータ量を低減しつつも、記録される天気情報の有用性を維持することができるようになる。
【0063】
また、車両用ナビゲーション装置1は、自車両の現在位置に関わらず、自車両の位置にかからわず、自車両の近傍の天気区分地域であっても、自車両から遠く離れた天気区分地域であっても、その地域の天気情報を、天気記憶メモリポイントの天気情報として、天気情報提供装置から受信するようになっている。
【0064】
このようにすることで、車両の位置に依らない過去の天気情報の取得及び記録が可能となるの。すなわち、車両の現在位置から遠く離れた地域の過去の天気情報を記録しつつ、車両の現在位置が属する地域の過去の天気情報を記録することも可能である。
【0065】
また、車両用ナビゲーション装置1は、過去の天気情報として記録するため以外の目的で、天気情報を受信する場合がある。例えば、制御回路17は、誘導経路算出処理の(3)〜(5)の方法において施設データ中から検索し、その検索にヒットした施設のすべてについて、現在の天気情報を表示し、その直後にこれら天気情報を破棄してもよい。このような場合には、車両用ナビゲーション装置1は、過去に受信した複数地点の天気情報のうち、特定の一部の地点のみについての天気情報を、過去の天気情報として記録することになり、データ記憶量が低減する。
【0066】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の各発明特定事項の機能を実現し得る種々の形態を包含するものである。
【0067】
例えば、上記実施形態においては、メモリポイントの一部のみを、過去の天気情報を記録・表示する地点としているが、必ずしもこのようになっておらずともよい。例えば、過去に目的地として設定された地点についても、過去の天気情報を記録・表示してもよい。あるいは、地図データ中の特定のランドマーク(例えば屋外の行楽地)についても、過去の天気情報を記録・表示してもよい。
【0068】
あるいは、データ量低減の効果を必要としない場合には、天気情報提供装置から提供された複数の地域の天気情報のすべてを、過去の天気情報として保持・表示するようになっていてもよい。
【0069】
また、上記実施形態において制御回路17は、天気情報保存設定処理(図3参照)において、過去の天気情報の保存期間を、ユーザの設定操作に応じて決定している。しかし、制御回路17は、メモリポイントの種別毎に、自動的に保存期間を決定するようになっていてもよい。例えば、ゴルフ場は過去1日、スキー場は過去1週間に、それぞれ保存期間を決定してもよい。
【0070】
また、過去の天気情報の報知は、画像表示装置12ではなくスピーカ14を用いた音声による報知であってもよい。
【0071】
また、過去の天気情報の記録形式および表示形式は、必ずしも日別でなくとも、時間別等であってもよい。
【0072】
また、過去の天気情報等の、更新が必要なデータは、地図データ取得部16の記憶媒体に限らず、他の、車両用ナビゲーション装置1の主電源の供給が停止してもデータを保持し続けることができる記憶媒体(例えばフラッシュメモリ、EEPROM、バックアップRAM)に記憶されるようになっていてもよい。
【0073】
また、上記の実施形態において、制御回路17がプログラムを実行することで実現している各機能は、それらの機能を有するハードウェア(例えば回路構成をプログラムすることが可能なFPGA)を用いて実現するようになっていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用ナビゲーション装置1の構成図である。
【図2】メモリポイント登録時に表示させるメモリポイント表示画像20である。
【図3】制御回路17が実行するプログラム100のフローチャートである。
【図4】メモリポイント種別設定画像30である。
【図5】天気表示設定画面40である。
【図6】制御回路17が実行するプログラム200のフローチャートである。
【図7】制御回路17が実行するプログラム300のフローチャートである。
【図8】メモリポイント表示画像50である。
【図9】メモリポイント表示画像50である。
【符号の説明】
【0075】
1 車両用ナビゲーション装置
12 画像表示装置
15 天気情報受信部
40 天気表示設定画面
50 メモリポイント表示画像
51 天気表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される天気情報報知装置であって、
地点の天気情報を繰り返し取得する取得手段(220、230)と、
繰り返し取得された前記地点の天気情報を記憶媒体(16)に記録する記録手段(250、260)と、
前記記憶媒体(16)に記録されている前記地点の天気情報のうち、最新でない天気情報を報知装置(12、14)に報知させる報知手段(300)と、を備えた天気情報報知装置。
【請求項2】
前記記録手段(250、260)は、天気情報提供装置から提供された複数の地域の天気情報のうち、一部の地域のみについての天気情報を、前記地点の天気情報として、前記記憶媒体(16)中に記録することを特徴とする請求項1に記載の天気情報報知装置。
【請求項3】
前記一部の地域は、ユーザが記録すると指定した地点が属する地域であることを特徴とする請求項2に記載の天気情報報知装置。
【請求項4】
前記取得手段(220、230)は、前記車両の現在位置に関わらず地域を特定し、特定した地域の天気情報を、前記地点の天気情報として、天気情報提供装置から受信することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の天気情報報知装置。
【請求項5】
車両に搭載される天気情報報知装置に用いるプログラムであって、
地点の天気情報を繰り返し取得する取得手段(220、230)、
繰り返し取得された前記地点の天気情報を記憶媒体(16)に記録する記録手段(250、260)、および
前記記憶媒体(16)に記録されている前記地点の天気情報のうち、最新でない天気情報を報知装置(12、14)に報知させる報知手段(300)として、前記天気情報報知装置のコンピュータ(17)を機能させるプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2009−211355(P2009−211355A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−53037(P2008−53037)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】